JP7249729B2 - ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両に制動力を付与するブレーキ装置に関する。
自動車等の車両に搭載されるブレーキ装置として、電動アクチュエータを用いる構成とした電動倍力装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この電動倍力装置は、電動アクチュエータにより進退動可能な助力部材と入力部材との相対位置を可変に制御することで、所望のブレーキ特性を得るようにしている。また、走行車輪のロックにより制動力が低下するのを抑えるようにしたABS(Antilock Brake System)を備えるブレーキ装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2014-69742号公報 特開平5-85342号公報
ところで、特許文献2による従来技術では、車速を検出するための車輪速センサが、例えば配線の断線やユニットの故障等の要因により異常と判断された場合に、コントローラはABS制御を禁止しABS機能が失陥する。このようなABS機能の失陥状態で、車両の運転者が急ブレーキをかけると、ホイールシリンダ内のブレーキ液圧を断続的に減圧することができないため、車輪がロックしてしまい制動力が低下する虞れがある。また、特許文献1による従来技術でも、液圧供給装置(ESC)側でABS機能が失陥した場合に同様な問題が生じる。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、電動倍力装置によりABS機能とほぼ同様な制御を行うことができるようにしたブレーキ装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、電動機構の駆動により移動するピストンによって液圧回路へ供給する液圧を発生させる液圧発生装置と、制動要求に基づいて前記電動機構の駆動を制御する制御装置と、前記液圧回路からホイールシリンダへ供給する液圧を制御し、ABS機能を有する液圧供給装置と、を備えるブレーキ装置であって、前記制御装置は、前記液圧供給装置の前記ABS機能失陥時に、車輪のロック状態を判定すると、前記液圧回路から前記液圧供給装置を介して前記ホイールシリンダへ供給する前記液圧が減少する方向に前記ピストンを移動するように前記電動機構を駆動し、その後車輪が進行方向に向かって回転し始めると、前記ピストンの位置を保持するよう前記電動機構を駆動することを特徴としている。
本発明のブレーキ装置は、液圧供給装置側でのABS機能に失陥が生じた場合でも、制動時に車輪のロック状態を判定すると、電動機構(電動倍力装置)によりピストンを液圧が減少する方向に移動させ、その後車輪が進行方向に向かって回転し始めると、前記ピストンの位置を保持するよう前記電動機構を駆動することができ、ABS機能と同様な制御を行うことができる。

第1の実施の形態によるブレーキ装置のシステム構成図である。 図1中の電動倍力装置を具体化して示す拡大断面図である。 ABS機能のバックアップ作動時における車両の速度、マスタシリンダ液圧、スリップ率および車輪回転加速度の特性をそれぞれ示す特性線図である。 電動倍力装置によるABS機能のバックアップを含めた制御処理を示す流れ図である。 図4中のABS機能バックアップモードを具体化して示す流れ図である。 図5に続く流れ図である。 電動倍力装置による制御モードの判定内容を示す説明図である。 第2の実施の形態によるブレーキ装置のシステム構成図である。 第2の実施の形態による電動倍力装置のABS機能バックアップを含めた制御処理を示す流れ図である。 第2の実施の形態による制御モードの判定内容を示す説明図である。 第3の実施の形態によるブレーキ装置のシステム構成図である。 第3の実施の形態による電動倍力装置のABS機能バックアップモードを示す流れ図である。 第3の実施の形態による減圧モードの実施記憶初期化可否の判定内容を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態によるブレーキ装置を、4輪自動車に搭載されるブレーキ装置として構成した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図7は、第1の実施の形態に係るブレーキ装置を有するブレーキシステムを概念的に示している。図1において、左,右の前輪1L,1Rと左,右の後輪2L,2Rとは、車両のボディを構成する車体(図示せず)の下側に設けられている。左,右の前輪1L,1Rには、それぞれ前輪側ホイールシリンダ3L,3Rが設けられ、左,右の後輪2L,2Rには、それぞれ後輪側ホイールシリンダ4L,4Rが設けられている。これらのホイールシリンダ3L,3R、4L,4Rは、液圧式のディスクブレーキまたはドラムブレーキのシリンダを構成し、夫々の車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)毎に制動力を付与するものである。
ブレーキペダル5は車体のフロントボード(図示せず)側に設けられている。このブレーキペダル5は、車両のブレーキ操作時に運転者によって図1中の矢示A方向に踏込み操作される。ブレーキペダル5には、図2に示すように、ブレーキスイッチ6と操作量検出器7が設けられ、ブレーキスイッチ6は、車両のブレーキ操作の有無を検出して、例えばブレーキランプ(図示せず)を点灯,消灯させるものである。また、操作量検出器7は、ブレーキペダル5の踏込み操作量(ストローク量)または踏力を検出し、その検出信号を後述の制御装置26、ECU32および車両データバス28(図2参照)等に出力する。ブレーキペダル5が踏込み操作されると、この制動要求に基づきマスタシリンダ8には後述の電動倍力装置16を介してブレーキ液圧が発生する。
図2に示すように、マスタシリンダ8は、一側が開口端となり他側が底部となって閉塞された有底筒状のシリンダ本体9を有している。このシリンダ本体9には、後述のリザーバ14内に連通する第1,第2のサプライポート9A,9Bが設けられている。第1のサプライポート9Aは、後述するブースタピストン18の摺動変位により第1の液圧室11Aに対して連通,遮断される。一方、第2のサプライポート9Bは、後述する第2のピストン10により第2の液圧室11Bに対して連通,遮断される。
シリンダ本体9は、その開口端側が後述する電動倍力装置16のブースタハウジング17に複数の取付ボルト(図示せず)等を用いて着脱可能に固着されている。マスタシリンダ8は、シリンダ本体9と、第1のピストン(後述のブースタピストン18と入力ロッド19)および第2のピストン10と、第1の液圧室11Aと、第2の液圧室11Bと、第1の戻しばね12と、第2の戻しばね13とを含んで構成されている。
この場合、マスタシリンダ8は、プライマリピストン(即ち、Pピストン)としての第1のピストンが後述のブースタピストン18と入力ロッド19とにより構成されている。シリンダ本体9内に形成される第1の液圧室11Aは、セカンダリピストンとしての第2のピストン10とブースタピストン18(および入力ロッド19)との間に画成されている。第2の液圧室11Bは、シリンダ本体9の底部と第2のピストン10との間でシリンダ本体9内に画成されている。
第1の戻しばね12は、第1の液圧室11A内に位置してブースタピストン18と第2のピストン10との間に配設され、ブースタピストン18をシリンダ本体9の開口端側に向けて付勢している。第2の戻しばね13は、第2の液圧室11B内に位置してシリンダ本体9の底部と第2のピストン10との間に配設され、第2のピストン10を第1の液圧室11A側に向けて付勢している。
マスタシリンダ8のシリンダ本体9内では、ブレーキペダル5の踏込み操作に応じてブースタピストン18(入力ロッド19)と第2のピストン10とがシリンダ本体9の底部に向かって変位する。そして、第1,第2のサプライポート9A,9Bがブースタピストン18,第2のピストン10により遮断されたときには、第1,第2の液圧室11A,11B内のブレーキ液によりマスタシリンダ8からブレーキ液圧が発生される。一方、ブレーキペダル5の操作を解除した場合には、ブースタピストン18(および入力ロッド19)と第2のピストン10とが第1、第2の戻しばね12,13によりシリンダ本体9の開口部に向かって矢示B方向に変位していく。このときに、マスタシリンダ8は、リザーバ14からブレーキ液の補給を受けながら第1,第2の液圧室11A,11B内の液圧を解除していく。
マスタシリンダ8のシリンダ本体9には、内部にブレーキ液が収容されている作動液タンクとしてのリザーバ14が設けられている。該リザーバ14は、シリンダ本体9内の液圧室11A,11Bにブレーキ液を給排する。即ち、第1のサプライポート9Aがブースタピストン18により第1の液圧室11Aに連通され、第2のサプライポート9Bが第2のピストン10により第2の液圧室11Bに連通している間は、これらの液圧室11A,11B内にリザーバ14内のブレーキ液が給排される。
一方、第1のサプライポート9Aがブースタピストン18により第1の液圧室11Aから遮断され、第2のサプライポート9Bが第2のピストン10により第2の液圧室11Bから遮断されたときには、これらの液圧室11A,11Bに対するリザーバ14内のブレーキ液の給排が断たれる。このため、マスタシリンダ8の第1,第2の液圧室11A,11B内には、ブレーキ操作に伴ってブレーキ液圧が発生し、このブレーキ液圧は、例えば一対のシリンダ側液圧配管15A,15Bを介して後述の液圧供給装置30(即ち、ESC30)に送られる。
車両のブレーキペダル5とマスタシリンダ8との間には、ブレーキペダル5の操作力を増大させるブースタとしての電動倍力装置16が設けられている。この電動倍力装置16は、操作量検出器7の出力(即ち、制動要求)に基づいて後述の電動アクチュエータ20を駆動制御することにより、マスタシリンダ8内に発生するブレーキ液圧を可変に制御する。換言すると、液圧発生装置としての電動倍力装置16は、電動機構(即ち、電動アクチュエータ20)の駆動により移動するピストン(即ち、ブースタピストン18)によって液圧回路(例えば、シリンダ側液圧配管15A,15B、ESC30およびホイールシリンダ3L,3R、4L,4R等)へ供給する液圧を発生させる装置である。
電動倍力装置16は、車体のフロントボードである車室前壁(図示せず)に固定して設けられるブースタハウジング17と、該ブースタハウジング17に移動可能に設けられ後述の入力ロッド19に対して相対移動可能なピストンとしてのブースタピストン18と、該ブースタピストン18をマスタシリンダ8の軸方向に進退移動させ当該ブースタピストン18にブースタ推力を付与する後述の電動アクチュエータ20とを含んで構成されている。
ブースタピストン18は、マスタシリンダ8のシリンダ本体9内に開口端側から軸方向に摺動可能に挿嵌された筒状部材により構成されている。ブースタピストン18の内周側には、ブレーキペダル5の操作に従って直接的に押動され、マスタシリンダ8の軸方向(即ち、矢示A,B方向)に進退移動する入力部材としての入力ロッド19が相対移動可能に挿嵌されている。入力ロッド19は、ブースタピストン18と一緒にマスタシリンダ8の第1のピストンを構成し、入力ロッド19の後側(軸方向一側)端部にはブレーキペダル5が連結されている。シリンダ本体9内は、第2のピストン10とブースタピストン18(入力ロッド19)との間に第1の液圧室11Aが画成されている。
ブースタハウジング17は、後述の減速機構23等を内部に収容する筒状の減速機ケース17Aと、該減速機ケース17Aとマスタシリンダ8のシリンダ本体9との間に設けられブースタピストン18を軸方向に摺動変位可能に支持した筒状の支持ケース17Bと、減速機ケース17Aを挟んで支持ケース17Bとは軸方向の反対側(軸方向一側)に配置され減速機ケース17Aの軸方向一側の開口を閉塞する段付筒状の蓋体17Cとにより構成されている。減速機ケース17Aの外周側には、後述の電動モータ21を固定的に支持するための支持板17Dが設けられている。
図2に示すように、入力ロッド19は、蓋体17C側からブースタハウジング17内に挿入され、ブースタピストン18内を第1の液圧室11Aに向けて軸方向に延びている。ブースタピストン18と入力ロッド19との間には、一対の中立ばね19A,19Bが介装されている。ブースタピストン18および入力ロッド19は、中立ばね19A,19Bのばね力によって中立位置に弾性的に保持され、これらの軸方向の相対変位に対して中立ばね19A,19Bのばね力が作用する構成となっている。
入力ロッド19の先端側(軸方向他側)端面は、ブレーキ操作時に第1の液圧室11A内に発生する液圧をブレーキ反力として受圧し、入力ロッド19はこれをブレーキペダル5に伝達する。これにより、車両の運転者にはブレーキペダル5を介して適正な踏み応えが与えられ、良好なペダルフィーリング(ブレーキの効き)を得ることができる。この結果、ブレーキペダル5の操作感を向上することができ、ペダルフィーリング(踏み応え)を良好に保つことができる。
また、入力ロッド19は、ブースタピストン18に対して所定量前進したときに、ブースタピストン18に当接してブースタピストン18を前進させることができる構造となっている。この構造により、後述する電動アクチュエータ20や制御装置26が失陥した場合に、ブレーキペダル5への踏力によりブースタピストン18を前進させてマスタシリンダ8に液圧を発生させることが可能となっている。
電動倍力装置16の電動アクチュエータ20は、ブースタハウジング17の減速機ケース17Aに支持板17Dを介して設けられた電動モータ21と、該電動モータ21の回転を減速して減速機ケース17A内の筒状回転体22に伝えるベルト等の減速機構23と、筒状回転体22の回転をブースタピストン18の軸方向変位(進退移動)に変換するボールネジ等の直動機構24とにより構成されている。ブースタピストン18と入力ロッド19は、それぞれの前端部(軸方向他側の端部)をマスタシリンダ8の第1の液圧室11Aに臨ませ、ブレーキペダル5から入力ロッド19に伝わる踏力(推力)と電動アクチュエータ20からブースタピストン18に伝わるブースタ推力とにより、マスタシリンダ8内にブレーキ液圧を発生させる。
即ち、電動倍力装置16のブースタピストン18は、操作量検出器7の出力(即ち、制動指令)に基づいて電動アクチュエータ20により駆動され、マスタシリンダ8内にブレーキ液圧(マスタシリンダ液圧)を発生させる。また、ブースタハウジング17の支持ケース17B内には、ブースタピストン18を制動解除方向(図2中の矢示B方向)に常時付勢する戻しばね25が設けられている。ブースタピストン18は、ブレーキ操作の解除時に電動モータ21が逆向きに回転されるときの駆動力と戻しばね25の付勢力とにより図2に示す初期位置まで矢示B方向に戻されるものである。
電動モータ21は、例えばDCブラシレスモータを用いて構成され、電動モータ21には、レゾルバと呼ばれる回転センサ21Aと、モータ電流を検出する電流センサ21Bとが設けられている。回転センサ21Aは、電動モータ21(モータ軸)の回転位置を検出し、その検出信号を電動倍力装置16用の制御装置26に出力する。制御装置26は、この回転位置信号に従って電動モータ21(即ち、ブースタピストン18)のフィードバック制御を行う。また、回転センサ21Aは、検出した電動モータ21の回転位置に基づいて車体に対するブースタピストン18の絶対変位を検出する回転検出手段としての機能を備えている。
ここで、回転センサ21Aは操作量検出器7と共に、ブースタピストン18と入力ロッド19との相対変位を検出する変位検出手段を構成し、これらの検出信号は、制御装置26に送出される。なお、前記回転検出手段としては、レゾルバ等の回転センサ21Aに限らず、絶対変位(角度)を検出できる回転型のポテンショメータ等により構成してもよい。減速機構23は、ベルト等に限らず、例えば歯車減速機構等を用いて構成してもよい。また、回転運動を直線運動に変換する直動機構24は、例えばラック-ピニオン機構等によっても構成することもできる。さらに、減速機構23は、必ずしも設ける必要はなく、例えば、筒状回転体22にモータ軸を一体に設け、電動モータのステータを筒状回転体22の周囲に配置して、電動モータにより直接、筒状回転体22をロータとして回転させるようにしてもよい。
制御装置26は、例えばマイクロコンピュータ等からなっており、電動倍力装置16の一部を構成すると共に、ブレーキ装置の制御装置を構成している。制御装置26は、例えばブレーキペダル5の踏込み操作による制動要求に基づいて電動倍力装置16の電動アクチュエータ20を電気的に駆動制御するマスタ圧制御ユニットでもある。制御装置26の入力側は、ブレーキスイッチ6と、ブレーキペダル5の操作量または踏力を検出する操作量検出器7と、電動モータ21の回転センサ21A及び電流センサ21Bと、例えばL-CANと呼ばれる通信が可能な車載の信号線27と、他の車両機器のECUからの信号の授受を行う車両データバス28と、後述の車輪速センサ37~40等とに接続されている。車両データバス28は、車両に搭載されたV-CANと呼ばれるシリアル通信部であり、車載向けの多重通信を行うことができる。
制御装置26は、その出力側が電動モータ21、車載の信号線27および車両データバス28等に接続されている。そして、制御装置26は、操作量検出器7や液圧センサ29からの検出信号に従って電動アクチュエータ20によりマスタシリンダ8内に発生させるブレーキ液圧を可変に制御すると共に、電動倍力装置16が正常に動作しているか否か等を判別する機能も有している。
電動倍力装置16においては、ブレーキペダル5が踏込み操作されると、マスタシリンダ8のシリンダ本体9内に向けて入力ロッド19が前進し、このときの動きが操作量検出器7によって検出される。制御装置26は、操作量検出器7からの検出信号により電動モータ21に制動要求に基づく起動指令を出力して電動モータ21を回転駆動する。これにより、電動モータ21の回転は、減速機構23を介して筒状回転体22に伝えられる。そして、筒状回転体22の回転は、直動機構24によりブースタピストン18の軸方向変位に変換される。
このとき、ブースタピストン18は、マスタシリンダ8のシリンダ本体9内に向けて入力ロッド19と一体的に(または、後述の如く相対変位をもって)前進し、ブレーキペダル5から入力ロッド19に付与される踏力(推力)と電動アクチュエータ20からブースタピストン18に付与されるブースタ推力とに応じたブレーキ液圧がマスタシリンダ8の第1,第2の液圧室11A,11B内に発生する。また、制御装置26は、液圧センサ29からの検出信号を信号線27から受取ることによりマスタシリンダ8に発生した液圧を監視することができ、電動倍力装置16が正常に動作しているか否かを判別することができる。
液圧センサ29は、マスタシリンダ8のブレーキ液圧を検出する液圧検出手段を構成している。この液圧センサ29は、例えばシリンダ側液圧配管15A内の液圧を検出するもので、マスタシリンダ8からシリンダ側液圧配管15Aを介して後述のESC30に供給されるブレーキ液圧を検出する。本実施の形態において、液圧センサ29は、後述のECU32に電気的に接続されると共に、液圧センサ29による検出信号は、ECU32から信号線27を介して制御装置26にも通信により送られる。
なお、シリンダ側液圧配管15A,15Bの両方にそれぞれ液圧センサ29を設ける構成としてもよい。また、液圧センサ29は、マスタシリンダ8のブレーキ液圧を検出することができれば、マスタシリンダ8のシリンダ本体9に直接取付けるようにしてもよい。さらに、液圧センサ29は、その検出信号をECU32を介さずに制御装置26に直接入力できるように構成してもよい。
制御装置26には、記憶装置としてのメモリ26Aが設けられている。このメモリ26Aは、フラッシュメモリ、EEPROM,ROM,RAM等により構成されている。メモリ26Aには、例えば図4~図6に示すような、バックアップ制御用の処理プログラム、および減圧実施有無フラグF等が格納されている。ここで、バックアップ制御とは、液圧供給装置(ESC30)側でABS機能が失陥した場合にABS機能バックアップモードを行うための制御である。
減圧実施有無フラグFは、ABS機能バックアップモードを実行するため電動倍力装置16のブースタピストン18がブレーキ液圧を減圧する方向に移動(即ち、減圧モードが実行)されたか否かを記憶するためのフラグである。減圧実施有無フラグFは、減圧モードが実行されていない初期状態で、「減圧モードの実施記憶無し」として「F=0」に設定される。しかし、減圧モードが実行されたときには、「減圧モードの実施記憶有り」として「F=1」に設定される。
図1に示すように、マスタシリンダ8に発生した液圧は、一対のシリンダ側液圧配管15A,15Bを介して液圧供給装置30(以下、ESC30という)に供給される。ESC30は、マスタシリンダ8とホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rとの間に設けられている。ESC30は、マスタシリンダ8からシリンダ側液圧配管15A,15Bを介して出力される液圧を、ブレーキ側配管部31A,31B,31C,31Dを介してホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rに分配して供給する。
ESC30は、例えばノーマルオープン(常開)式の電磁弁からなる複数の制御弁(図示せず)と、液圧ポンプ、電動モータおよび液圧制御用リザーバ(いずれも図示せず)とを含んで構成されている。前記液圧ポンプは、前記電動モータにより駆動されブレーキ液を加圧する。前記液圧制御用リザーバは、余剰のブレーキ液を一時的に貯留する。ESC30の各制御弁の開閉と電動モータの駆動は、液圧供給装置用の制御装置32(以下、ECU32という)により制御される。ECU32は、例えばマイクロコンピュータを含んで構成されている。ECU32は、ESC30の各制御弁、電動モータ(いずれも図示せず)を電気的に駆動制御する液圧供給装置用コントロールユニットである。
ECU32の入力側は、電動倍力装置16の制御装置26、車両データバス28(図2参照)および液圧センサ29等に接続されている。ECU32の出力側は、前述したESC30の各制御弁、電動モータ、制御装置26および車両データバス28等に接続されている。ECU32は、ESC30の各制御弁、電動モータ等を個別に駆動制御する。これにより、ECU32は、ブレーキ側配管部31A,31B,31C,31Dからホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rに供給するブレーキ液圧を減圧、保持、増圧または加圧する制御を、ホイールシリンダ3L,3R,4L,4R毎に個別に行う。
この場合、ECU32は、ESC30を作動制御することにより、例えば以下の制御(1)~(8)等を実行することができる。
(1).車両の制動時に接地荷重等に応じて各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)に適切に制動力を配分する制動力配分制御。
(2).制動時に各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)の制動力を自動的に調整して各車輪のロック(スリップ)を防止するアンチロックブレーキ制御(ABS機能)。
(3).走行中の各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)の横滑りを検知してブレーキペダル5の操作量に拘わらず各車輪に付与する制動力を適宜自動的に制御しつつ、アンダーステアおよびオーバーステアを抑制して車両の挙動を安定させる車両安定化制御。
(4).坂道において制動状態を保持して発進を補助する坂道発進補助制御。
(5).発進時等において各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)の空転を防止するトラクション制御。
(6).先行車両に対して一定の車間を保持する車両追従制御。
(7).走行車線を保持する車線逸脱回避制御。
(8).車両前方または後方の障害物との衡突を回避する障害物回避制御。
ESC30は、例えば運転者のブレーキ操作によりマスタシリンダ8で発生した液圧を、ホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rに直接供給する。これに対し、例えばアンチロックブレーキ制御(ABS)等を実行する場合は、増圧用の制御弁(図示せず)を閉じてホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rの液圧を保持し、ホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rの液圧を減圧するときには、減圧用の制御弁(図示せず)を開いてホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rの液圧を液圧制御用リザーバに逃がすように排出する。また、ESC30は、車両走行時の安定化制御(横滑り防止制御)等を行うため、ホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rに供給する液圧を増圧または加圧するときに、供給用の制御弁を閉弁した状態で電動モータにより液圧ポンプ(いずれも図示せず)を作動させ、該液圧ポンプから吐出したブレーキ液をホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rに供給する。
各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)の近傍には、それぞれの回転速度(車輪速)を個別に検出する車輪速センサ33~36,37~40(それぞれ4個づつ、合計で8個)が設けられている。これらの車輪速センサ33~36と車輪速センサ37~40とは、各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)の状態を検出する車輪状態検出器を構成している。
このうち車輪速センサ33~36は、各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)の回転速度(車輪速)を個別に検出した信号をESC30用のECU32に出力する。ECU32は、車輪速センサ33~36の検出値(検出信号)に基づいて後述の数1式の如くスリップ率Sを演算し、このスリップ率Sが判定値(例えば、図3に示す閾値S1,S2)を超えたときにESC30を作動させ、各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)のロックを防止するアンチロックブレーキ制御(ABS)等の制御を行う。
また、車輪速センサ37~40は、各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)の回転速度(車輪速)を個別に検出した信号を、ECU32を介することなく電動倍力装置16の制御装置26に出力する。制御装置26は、ECU32と同様に各車輪速センサ37~40の検出値(検出信号)に基づいて後述の如くスリップ率Sを演算し、例えばABS機能バックアップモードで制御処理を行うときに電動倍力装置16の電動アクチュエータ20を作動制御して、各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)のロックを防止するアンチロックブレーキ制御(ABS)のバックアップ制御を行う。
電動倍力装置16およびESC30を備えた車両において、図1に示すようにECU32は、車輪速センサ33~36より各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)の車輪速を計測しており、電動倍力装置16の制御装置26は、これらの情報を信号線27またはCAN等の通信線を介してECU32より受信することができる。しかし、ECU32が失陥した場合は、制御装置26とECU32との間の信号線27を介した通信が途絶し、電動倍力装置16の制御装置26は、ECU32からは各車輪速の情報を受信することができない。このため、各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)には図1に示すように、電動倍力装置16用の車輪速センサ37~40をそれぞれ設け、独自に各車輪速を計測するシステム構成としている。
ここで、ESC30およびECU32に接続している部品の中で、何らかの不具合等の失陥が生じた場合に、「ABS機能失陥状態」と判定されるものとして下記の失陥原因(a)~(d)による不具合、不調が挙げられる。
(a).ESC30用の制御装置であるECU32
(b).ESC30内の電動モータ
(c).ESC30内の液圧ポンプ
(d).ESC30内の制御弁
このうち、例えば失陥原因(a)のように、ECU32に不具合、不調等が発生した場合は、制御装置26とECU32との間の信号線27を介した通信が途絶する。この場合、図1に示すシステム構成(電動倍力装置16用の車輪速センサ37~40を備えた構成)とすることにより、下記のように、ABSバックアップ機能を実現することが可能となる。また、前記失陥原因(b)~(d)のように、ESC30内の電動モータ、液圧ポンプ、各制御弁の何れかが不具合または不調となった場合は、ABS機能失陥状態となる。この場合も、下記のようにABSバックアップ機能を実現することが可能となる。
図3に示す特性線41~47は、ESC30がABS機能失陥状態となったときに、例えば時刻t0で車両の運転者が急ブレーキを踏んだ場合の電動倍力装置16によるABSバックアップ機能作動時の時系列データを表している。
このうち、実線で示す特性線41は、例えば前輪1L,1Rの車輪速が急ブレーキの操作(制動)により減少してゆく状態を表している。点線で示す特性線42は、例えば後輪2L,2Rの車輪速が急ブレーキの操作により減少してゆく状態を表している。一点鎖線で示す特性線43は、同じく推定車体速Vの特性を表し、二点鎖線で示す特性線44は、実車体速の特性を表している。
次に、実線で示す特性線45は、電動倍力装置16によるABSバックアップ機能を作動させた状態でマスタシリンダ液圧が可変に制御されている状態を表している。同じく実線で示す特性線46は、急ブレーキ操作に伴ったスリップ率Sの変化状態を表している。さらに、実線で示す特性線47は、車輪回転加速度αの推移を表している。
電動倍力装置16の制御装置26は、ESC30のABS失陥状態において、例えば図3の時刻t0~t8にわたり、推定車体速V、制御用車輪速Vw、スリップ率Sおよび車輪回転加速度αを、下記のように常時算出する。その算出方法は、各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)の車輪速のうち最も速い車輪速を、セレクトハイで推定車体速Vとして選択する。また、各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)の車輪速のうち最も遅い速度を、セレクトローで制御用車輪速Vwとして選択する。スリップ率Sは、下記の数1式により、車両の運転者が急ブレーキを踏んだ場合の推定車体速Vと制御用車輪速Vwとから逐一演算される。車輪回転加速度αは、制御用車輪速Vwを微分した値である。
Figure 0007249729000001
図3の時刻t0~t1では、ESC30のABS失陥状態において、運転者の急ブレーキの操作により電動倍力装置16の制御装置26は、操作量検出器7による検出値に応じて電動アクチュエータ20を駆動し、ピストン(即ち、ブースタピストン18)をマスタシリンダ8の液圧が増加する方向に移動させる。これにより、制御用車輪速Vw(特性線41)が減少してゆき、推定車体速V(特性線43)との差が広がるため、前記数1式によるスリップ率Sは増加する。
しかし、時刻tlにおいて、スリップ率Sが予め設定していた保持判定用閾値Sl以上となると、車輪がロックし始めたと判断することができる。このため、制御装置26は電動倍力装置16によるABSバックアップ機能を作動させ、ピストン位置を保持(即ち、ブースタピストン18の移動を停止)することによってマスタシリンダ8の液圧を保持し、スリップ率Sの上昇を抑制する。
さらに、時刻t2において、スリップ率Sが予め設定していた減圧判定用閾値S2以上となると、車輪がロックし過ぎていると判断することができる。このため、電動倍力装置16の制御装置26は、ブースタピストン18をマスタシリンダ8の液圧が減少する方向に移動させる。これにより、車輪のロックを解除し、特性線41で示すように制御用車輪速が回復していく。
時刻t3において、制御用車輪速(特性線41)が回復するに伴って、特性線47で示す車輪回転加速度αは、負の値から正の値に転じる。車輪回転加速度αが正の値で、零以上になると、車輪のロックがある程度解除され、車輪が進行方向に向かって回転し始めたと判断できる。このため、電動倍力装置16の制御装置26は、ブースタピストン18の位置を保持することにより、マスタシリンダ8の液圧を再び保持し、車輪のロックが解除されるのを待つ。
その後の時刻t4において、スリップ率Sが保持判定用閾値Sl未満まで下がると、電動倍力装置16の制御装置26は、ブースタピストン18をマスタシリンダ8の液圧が増加する方向に再び移動させる。ただし、2巡目以降の加圧ではブースタピストン18の移動速度に制限を設け、マスタシリンダ8の液圧上昇速度を抑えることで、スリップ率Sの急激な上昇を抑える。
第1の実施の形態によるブレーキ装置は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、車両の運転者がブレーキペダル5を踏込み操作すると、これにより、入力ロッド19が矢示A方向に押込まれると共に、電動倍力装置16の電動アクチュエータ20が制御装置26により作動制御される。即ち、制御装置26は、操作量検出器7からの検出信号により電動モータ21に起動指令(制動要求)を出力して電動モータ21を回転駆動し、その回転が減速機構23を介して筒状回転体22に伝えられると共に、筒状回転体22の回転は、直動機構24によりブースタピストン18の軸方向変位に変換される。
これにより、電動倍力装置16のブースタピストン18は、マスタシリンダ8のシリンダ本体9内に向けて入力ロッド19とほぼ一体的に前進し、ブレーキペダル5から入力ロッド19に付与される踏力(推力)と電動アクチュエータ20からブースタピストン18に付与されるブースタ推力とに応じたブレーキ液圧がマスタシリンダ8の第1,第2の液圧室11A,11B内に発生する。
また、制御装置26は、液圧センサ29からの検出信号を信号線27から受取ることによりマスタシリンダ8に発生した液圧を監視し、電動倍力装置16の電動アクチュエータ20(電動モータ21の回転)をフィードバック制御する。これにより、制御装置26は、マスタシリンダ8の第1,第2の液圧室11A,11B内に発生するブレーキ液圧を、ブレーキペダル5の踏込み操作量に基づいて可変に制御することができる。また、制御装置26は、操作量検出器7と液圧センサ29との検出値に従って電動倍力装置16が正常に動作しているか否かを判別することができる。
一方、ブレーキペダル5に連結された入力ロッド19は、第1の液圧室11A内の圧力を受圧し、これをブレーキ反力としてブレーキペダル5へと伝える。この結果、車両の運転者には入力ロッド19を介して踏み応えが与えられるようになり、これによって、ブレーキペダル5の操作感を向上でき、ペダルフィーリングを良好に保つことができる。
このように、制御装置26により電動倍力装置16を制御する場合には、操作量検出器7によって検出したブレーキペダル5の操作量(変位量、踏力等)に基づき、電動モータ21を作動させてブースタピストン18の位置を制御して液圧を発生させる。このとき、マスタシリンダ8(第1の液圧室11A)内に発生した液圧は、反力となって入力ロッド19からブレーキペダル5にフィードバックされる。そして、ブースタピストン18と入力ロッド19との受圧面積比及び入力ロッド19に対するブースタピストン18の位置関係によって、ブレーキペダル5の操作量と発生液圧との比である倍力比を調整することができる。
例えば、入力ロッド19の変位に対してブースタピストン18を追従させ、入力ロッド19に対するブースタピストン18の位置関係が等しくなるようにブースタピストン18を制御することにより、入力ロッド19とブースタピストン18との受圧面積比によって決まる一定の倍力比を得ることができる。また、入力ロッド19の変位に対して、比例ゲインを乗じて、入力ロッド19に対するブースタピストン18の位置関係を変化させることにより、倍力比を変化させることができる。これにより、予め設定されている下流剛性を考慮し、設定されているブレーキペダル5の操作量に対して、必要制動力(液圧)特性を可変とすることができ、車両の運転者が要求するブレーキペダル5の操作量に対する車両減速度を可変とすることができる。
次に、各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)側のホイールシリンダ3L,3R、4L,4Rとマスタシリンダ8との間に設けられたESC30(液圧供給装置)は、電動倍力装置16によりマスタシリンダ8(第1,第2の液圧室11A,11B)内に発生したブレーキ液圧を、シリンダ側液圧配管15A,15BからESC30内の液圧系統(図示せず)およびブレーキ側配管部31A,31B,31C,31Dを介してホイールシリンダ3L,3R、4L,4Rへと可変に制御しつつ、車輪毎のホイールシリンダ圧として分配して供給する。これにより、車両の車輪(各前輪1L,1R、各後輪2L,2R)毎にホイールシリンダ3L,3R、4L,4Rを介して適正な制動力が付与される。
ここで、ESC30を制御するコントローラであるECU32は、操作量検出器7からの検出信号を信号線27から受取ることによりブレーキペダル5の踏込み操作量を監視することができ、液圧センサ29からの検出信号によりブレーキ液圧を監視し続けることができる。そして、ブレーキ操作時には、操作量検出器7からの検出信号を通信で受取ることにより、ECU32からESC30の前記電動モータに制御信号を出力して前記液圧ポンプを作動できると共に、前記各制御弁を選択的に開,閉弁することができる。これにより、ECU32は、ブレーキ側配管部31A,31B,31C,31Dからホイールシリンダ3L,3R,4L,4Rに供給するブレーキ液圧を減圧、保持、増圧または加圧する制御(例えば、ABSとしてのアンチロックブレーキ制御等)を、ホイールシリンダ3L,3R,4L,4R毎に個別に行う。
ところで、車速を検出するための車輪速センサ33~36が、例えば信号線27の断線や構成部品(ユニット)の故障等の要因により異常と判断された場合、ECU32はESC30によるABS制御を禁止し、ABS機能が失陥した状態となる。このようなABS機能失陥状態では、車両の運転者が急ブレーキをかけると、ホイールシリンダ3L,3R,4L,4R内のブレーキ液圧を断続的に減圧することができないため、車輪がロックしてしまい制動力が低下する虞れがある。
そこで、第1の実施の形態では、電動倍力装置16用の車輪速センサ37~40を設け、ESC30のABS機能失陥状態では、制御装置26が車輪速センサ37~40から各車輪(各前輪1L,1R、各後輪2L,2R)の車輪速を、ECU32を介することなく受信することにより、ABSバックアップ機能を実現する構成としている。即ち、図4~図6は、第1の実施の形態による制御装置26のABS機能バックアップを含めた制御処理を示している。
まず、図4の処理がスタートすると、電動倍力装置16の制御装置26は、ステップ1で減圧モードの実施記憶を初期化する処理を行う。これにより、制御装置26のメモリ26A内に格納された減圧実施有無フラグFは、「減圧モードの実施記憶無し」として「F=0」に設定される。次のステップ2では、前記数1式等による推定車体速Vおよび制御用車輪速Vw、スリップ率S、車輪回転加速度αの算出を行う。この場合、各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)の車輪速度については、車輪速センサ37~40で計測した情報を用い、これにより、推定車体速V、制御用車輪速Vw、スリップ率S、車輪回転加速度αを算出することができる。
次のステップ3では、ESC30によるABS機能が失陥状態か否かを判定する。この判定処理は、例えば図7の判定表にも示す如く、ECU32からの故障通知を信号線27またはCAN経由で受信し、故障状態または通信途絶状態を受信した場合はABS機能失陥状態として、ステップ3で「YES」と判定する。しかし、ステップ3で「NO」と判定する場合は、図7の判定表に示す「正常状態」であり、この場合はステップ4に移って通常制御モードで電動アクチュエータ20を駆動制御する。即ち、通常制御モードでは、電動倍力装置16の制御装置26は、操作量検出器7の計測値に応じて電動アクチュエータ20を駆動し、これにより、ブースタピストン18をマスタシリンダ8の液圧が増加または減少する方向に移動させる。その後は、ステップ2以降の処理を繰返すようにする。
一方、ステップ3で「YES」と判定するときには、ESC30によるABS機能が失陥している場合である。このため、次のステップ5ではABS機能バックアップモードを図5、図6に示すように実行する。図5、図6は、ABS機能バックアップモードを実行するための電動アクチュエータ20の制御処理手順をステップ11~22の処理として示している。
即ち、図5に示すABS機能バックアップモードの処理が開始されると、電動倍力装置16の制御装置26は、ステップ11でブレーキペダル5が踏込み操作されているか否かを判定する。この判定処理は、例えば操作量検出器7よりペダルストロークを計測し、ペダル初期位置よりストロークが大きい場合はペダルが踏まれていると判定してステップ13に移る。しかし、ステップ11で「NO」と判定するときには、ブレーキペダル5が初期位置から踏込まれていないと判断し、次のステップ12に移る。
ステップ12では、前述した減圧モードの実施記憶をクリア(初期化)する。即ち、電動倍力装置16の制御装置26は、ブレーキペダル5が踏まれた場合に備えて減圧モードの実施記憶をクリアするため、制御装置26のメモリ26A内に格納された減圧実施有無フラグFを、「減圧モードの実施記憶無し」として「F=0」に設定する。その後は、後述のステップ16でリターンし、例えばステップ11以降の処理を繰返すようにする。
ステップ13では、車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)のいずれかがロックしているか否かを判定する。即ち、電動倍力装置16の制御装置26は車輪がロックしているか否かを判定するため、例えば図3に示す特性線46のように、スリップ率Sが保持判定用閾値S1以上か否かを判定する。この判定処理は、前記数1式によるスリップ率Sが、予め設定した保持判定用閾値S1以上(S≧S1)となっているか否かを判定するものである。ステップ13で「NO」と判定する場合は、前記スリップ率Sが閾値S1未満であり、車輪がロックしていないと判断できるので、図6に示すステップ20に移る。
しかし、ステップ13で「YES」と判定するときには、前記スリップ率Sが前記閾値S1以上であり、車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)のいずれかがロックし始めている状態と判断できる。このため、次のステップ14では、前記車輪がロックし過ぎているか否かを判定する。この場合、電動倍力装置16の制御装置26は、車輪がロックし過ぎているか否かを判定するため、例えば図3に示す特性線46の如く、前記スリップ率Sが減圧判定用閾値S2以上(S≧S2)か否かを判定する。
ステップ14で「NO」と判定したときには、前記スリップ率Sが前記閾値S2未満であり、車輪がロックし過ぎていない状態と判定できるので、次のステップ15に移って「ピストン位置を保持」する制御を行う。即ち、車輪がロックし過ぎていない状態では、ステップ15において制御装置26は、電動倍力装置16のブースタピストン18を現在の位置を保持し、マスタシリンダ8の液圧を保持する液圧保持モードとし、その後はステップ16でリターンする。
ステップ14で「YES」と判定したときには、前記スリップ率Sが前記閾値S2以上となって車輪がロックし過ぎている状態と判断できるので、次のステップ17で「車輪が進行方向に向かって回転し始めたか」否かを判定する。即ち、電動倍力装置16の制御装置26は、車輪が進行方向に向かって回転し始めたか否かを判定するため、図3の特性線47で示すように、車輪回転加速度αが零以上(α≧0)か否かを判定する。この判定には、前記ステップ2で算出した車輪回転加速度αを用いる。
車輪回転加速度αが零以上の場合は、車輪が進行方向に向かって回転し始めたとして、ステップ17で「YES」と判定するので、前記ステップ15で液圧保持モードの制御処理を行う。即ち、ステップ15は、前記車輪がロックし過ぎていない状態かまたは車輪が進行方向に向かって回転し始めた状態のため、液圧保持モードとしてブースタピストン18の位置を保持し、マスタシリンダ8の液圧を保持する。
一方、ステップ17で「NO」と判定したときには、車輪回転加速度αが零未満であり、車輪が進行方向に向かって回転し始めていないと判断できるので、次のステップ18では、ブースタピストン18を減圧方向に移動させる「減圧モード」の制御を行う。即ち、ステップ18では、車輪がロックし過ぎている状態であり、「減圧モード」の制御を行うため、電動倍力装置16の制御装置26は、操作量検出器7の計測値に対して電動倍力装置16のブースタピストン18をマスタシリンダ8の液圧が減少する方向に移動させる。これにより、マスタシリンダ8の液圧を減圧することができ、ESC30のABS機能失陥状態においても車輪のロックを抑えることができる。
次のステップ19では、「減圧モードの実施」を記憶する。即ち電動倍力装置16の制御装置26は、減圧モード実施を記憶する。これは、マスタシリンダ8の液圧を加圧、保持、減圧する処理が一巡したことを記憶し、加圧モード制限あり、なしの判定に用いるためである。具体的には、減圧モードの実施を記憶するため、減圧実施有無フラグFを、「F=1」に設定する。その後は、ステップ16でリターンし、例えばステップ11以降の処理を繰返すようにする。
一方、ステップ13で「NO」と判定する場合は、前記スリップ率Sが閾値S1未満であり、車輪がロックしていないと判断できるので、図6に示すステップ20に移る。このステップ20では、減圧モードの実施記憶有無を、減圧実施有無フラグFが、「F=1」となっているか否かを判定する。ステップ20で「NO」と判定するときには、減圧実施有無フラグFが、「F=0」の場合である。このため、次のステップ21では、ABS機能失陥状態で、かつブレーキペダル5を踏み始めてから1巡目の加圧モードと判断して、「制限なし加圧モード」とする。即ち、この場合は、ABS機能失陥状態で、かつペダル踏み始めから1巡目の加圧モードのため、制御装置26は、ブースタピストン18の移動速度に制限を設けることなく、操作量検出器7の計測値に応じて電動倍力装置16のブースタピストン18をマスタシリンダ8の液圧が増加する方向に移動させる。
ステップ20で「YES」と判定したときには、減圧実施有無フラグFが「F=1」に設定されているので、次のステップ22に移って「移動速度制限あり状態」でブースタピストン18を加圧方向に移動させる。即ち、この場合は、車輪がロックしていない状態で、かつペダル踏み始めから2巡目以降の加圧モードのため、「制限あり加圧モード」とする。電動倍力装置16の制御装置26は、操作量検出器7の計測値に応じて電動アクチュエータ20によりブースタピストン18をマスタシリンダ8の液圧が増加する方向に移動させるときに、2巡目以降の加圧モードのため、ブースタピストン18の移動速度に制限を設け、マスタシリンダ8の液圧上昇速度を抑えることで、スリップ率Sの急激な上昇を抑える制御を行う。
その後は、ステップ16でリターンし、ステップ11以降の処理を繰返すようにする。このように、ABS機能バックアップモードは、ステップ11~22にわたる処理を実施することで、マスタシリンダ8の液圧を断続的に減圧することができ、ESC30によるABS機能失陥状態においても、車輪のロックを解除するためのABSバックアップ機能を実現することができる。
従って、第1の実施の形態によるブレーキ装置で採用した電動倍力装置16の制御装置26は、制動時に車輪がロックされていると判断されるときに、マスタシリンダ8の液圧が減少する方向にブースタピストン18が移動するように、電動機構(電動アクチュエータ20)を駆動する構成としている。これにより、ブレーキ装置は、制動時に車輪がロックされていると判断されると、電動機構(電動アクチュエータ20)によりピストンを液圧が減少する方向に移動させ、ESC30のABS機能とほぼ同様な制御を行うことができる。
次に、図8ないし図10は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。しかし、第2の実施の形態の特徴は、電動倍力装置16の制御装置51を、より簡素な構成としたことにある。
ここで、第2の実施の形態で採用した制御装置51は、第1の実施の形態で述べた制御装置26と同様に、その入力側が操作量検出器7および信号線27等に接続されている。しかし、この場合の制御装置51は、車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)の速度情報をECU32から信号線27またはCANを介して受信する構成としている。
このため、第2の実施の形態では、第1の実施の形態で述べた車輪速センサ33~36,37~40のうち、車輪速センサ33~36だけが各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)の車輪速を個別に検出する構成としており、電動アクチュエータ用の車輪速センサ37~40は廃止されている。即ち、各車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)の車輪速は、車輪速センサ33~36からの情報でECU32より受信する構成としている。
制御装置51のメモリ51Aは、第1の実施の形態で述べたメモリ26Aとほぼ同様に、例えば図5~図6に示すような、バックアップ制御用の処理プログラム、および減圧実施有無フラグF等が格納されている。しかし、この場合のメモリ51Aには、例えば図9に示すように、電動倍力装置16のABS機能バックアップを含めた制御処理用のプログラム等が格納されている。また、図10に示すように、制御モードの判定内容を示すテーブル等がメモリ51Aには格納されている。
制御装置51は、図9に示す処理動作が開始されると、ステップ31,32の処理を、第1の実施の形態で述べた図4のステップ1,2と同様に行う。次のステップ33では、ESC30によるABS機能の失陥状態か否かを判定し、かつ車輪(前輪1L,1Rおよび後輪2L,2R)の速度(車輪速)をECU32から信号線27またはCANを介して受信可能か否かを判定する。
ステップ33で「NO」と判定したときには、ステップ34で「通常制御モード」の処理を第1の実施の形態で述べた図4のステップ4と同様に行う。ステップ33で「YES」と判定したときには、ステップ35で「ABS機能バックアップモード」の処理を、第1の実施の形態で述べた図4のステップ5と同様に行う。
かくして、このように構成される第2の実施の形態では、図9に示す電動アクチュエータ20の制御モード判定表の通り、ECU32から通信途絶状態を受信した場合は、車輪速センサ33~36からの速度情報が受信できないため、制御装置51は「通常制御モード」の処理を行う。しかし、前記失陥原因(b)~(d)のように、ESC30内の電動モータ、液圧ポンプ、各制御弁の何れかが不具合または不調となった異常状態の場合は、ABS機能失陥状態となり、ECU32が機能しているために電動倍力装置16の制御装置26が各車輪速の情報を受信することができる場合に、ABSバックアップ機能を実現することが可能となる。これにより、機能は限定されるが、第1の実施の形態とほぼ同様にABSバックアップ機能を付加することができる。
次に、図11ないし図12は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。しかし、第3の実施の形態の特徴は、電動倍力装置16が緊急自動ブレーキ指令を受信した際の動作を付加したことにある。
ここで、第3の実施の形態で採用した制御装置61は、第1の実施の形態で述べた制御装置26と同様に、その入力側が操作量検出器7および信号線27等に接続されている。さらに、この場合の制御装置61は、自動ブレーキ制御装置62から送信される緊急自動ブレーキ指令の情報を車両データバス28またはCANを介して受信する構成としている。
制御装置61のメモリ61Aは、第1の実施の形態で述べたメモリ26Aとほぼ同様に、例えば図5~図6に示すような、バックアップ制御用の処理プログラム、および減圧実施有無フラグF等が格納されている。しかし、この場合のメモリ61Aには、例えば図12に示すように、電動倍力装置16のABS機能バックアップを含めた制御処理用のプログラム等が格納されている。また、図13に示すように、減圧モードの実施記憶初期化可否の判定内容を示すテーブル等がメモリ61Aには格納されている。
制御装置61は、図12に示す処理動作が開始されると、ステップ41の判定を、第1の実施の形態で述べた図5のステップ11と同様に行う。ペダルが踏まれていない場合は緊急自動ブレーキ指令(ステップ42)の判定に進み、指令を受信していない場合は減圧モードの実施記憶初期化(ステップ43)を図5のステップ12と同様に行う。ペダルが踏まれている場合または緊急自動ブレーキ指令を受信している場合は、車輪がロックしているか否かを、図5のステップ13と同様に行う。以降の処理は第1の実施の形態と同様に行う。
かくして、このように構成される第3の実施の形態では、図13に示す減圧モードの実施記憶初期化可否の判定表の通り、ペダルが踏まれている場合、又は緊急自動ブレーキ指令を受信している場合は、減圧モードの実施記憶を初期化しない。これはドライバ又は自動ブレーキ制御装置によるブレーキングが継続していると考えられるためであり、どちらか一方でも成立している間は実施記憶を初期化しないことにより、2巡目以降の加圧モードにおいて、スリップ率Sの急激な上昇を抑える制御を行うことができる。これにより、自動ブレーキ制御装置62から緊急自動ブレーキ指令を受信した場合においても第1の実施の形態と同様にABSバックアップ機能を付加することができる。
なお、前記各実施の形態では、電動アクチュエータ20の減速機構23をプーリ等のベルト減速機構により構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、ベルト減速機構以外の減速機構、例えば歯車減速機構等の他の形式の減速機構を用いて構成してもよい。また、回転運動を直線運動に変換する直動機構24は、例えばラック-ピニオン機構等によって構成することもできる。さらに、減速機構23は、必ずしも設ける必要はなく、例えば、筒状回転体22に電動モータのロータを設けると共に、電動モータのステータを筒状回転体22の周囲に配置して、電動モータにより筒状回転体22を直接的に回転させる構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、電動倍力装置16を、入力ロッド19に対して相対移動可能なピストンとしてのブースタピストン18を備える構成とする場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば入力ロッドに対して進退動可能な助力部材としてのパワーピストン、出力ロッドおよびリアクション部材等を備えた電動倍力装置により液圧発生装置を構成してもよい。
以上説明した実施の形態に基づくブレーキ装置として、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
ブレーキ装置の第1の態様としては、電動機構の駆動により移動するピストンによって液圧回路へ供給する液圧を発生させる液圧発生装置と、制動要求に基づいて前記電動機構の駆動を制御する制御装置と、前記液圧回路からホイールシリンダへ供給する液圧を制御する液圧供給装置と、を備えるブレーキ装置であって、前記制御装置は、制動時に車輪がロックされていると判断されるときに、前記液圧が減少する方向に前記ピストンが移動するように前記電動機構を駆動することを特徴としている。
第2の態様としては、第1の態様のブレーキ装置において、前記制御装置は、前記車輪のロックが解除されたと判断されるときに、前記制動要求がある場合、前記液圧が増加する方向に前記ピストンが移動するように前記電動機構を駆動することを特徴としている。第3の態様としては、第1または第2の態様のブレーキ装置において、前記制御装置は、前記液圧供給装置から車輪の状態を取得し、前記車輪のロック状態を判断することを特徴としている。
第4の態様としては、第1乃至第3の態様のいずれかのブレーキ装置において、前記制御装置は、前記液圧供給装置による液圧の制御が失陥したときに、前記液圧供給装置から車輪の状態を取得できる場合に、前記液圧が減少する方向に前記ピストンが移動するように前記電動機構を駆動することを特徴としている。第5の態様としては、第1または第2の態様のブレーキ装置において、前記車輪の状態を検出する車輪状態検出器を備え、前記制御装置は、前記液圧供給装置による液圧の制御が失陥したときに、前記液圧供給装置を介することなく前記車輪状態検出器から車輪の状態を取得し、前記液圧が減少する方向に前記ピストンが移動するように前記電動機構を駆動することを特徴としている。
第6の態様としては、第1乃至第5の態様のいずれかのブレーキ装置において、前記制御装置は、前記液圧供給装置による液圧の制御が失陥したときに、ブレーキペダルの操作以外の制動要求による制動時に車輪がロックされる場合に、前記液圧が減少する方向に前記ピストンが移動するように前記電動機構を駆動することを特徴としている。
1L,1R 前輪(車輪)
2L,2R 後輪(車輪)
3L,3R 前輪側ホイールシリンダ
4L,4R 後輪側ホイールシリンダ
5 ブレーキペダル
7 操作量検出器
8 マスタシリンダ
15A,15B シリンダ側液圧配管(液圧回路)
16 電動倍力装置(液圧発生装置)
18 ブースタピストン(ピストン)
19 入力ロッド
20 電動アクチュエータ(電動機構)
21 電動モータ
26,51,61 制御装置
26A,51A,61A メモリ
29 液圧センサ
30 ESC(液圧供給装置)
32 ECU(ESCの制御装置)
33~36 車輪速センサ(車輪状態検出器)
37~40 車輪速センサ(車輪状態検出器)
62 自動ブレーキ制御装置

Claims (6)

  1. 電動機構の駆動により移動するピストンによって液圧回路へ供給する液圧を発生させる液圧発生装置と、
    制動要求に基づいて前記電動機構の駆動を制御する制御装置と、
    前記液圧回路からホイールシリンダへ供給する液圧を制御し、ABS機能を有する液圧供給装置と、を備えるブレーキ装置であって、
    前記制御装置は、前記液圧供給装置の前記ABS機能失陥時に、車輪のロック状態を判定すると、前記液圧回路から前記液圧供給装置を介して前記ホイールシリンダへ供給する前記液圧が減少する方向に前記ピストンが移動するように前記電動機構を駆動し、その後車輪が進行方向に向かって回転し始めると、前記ピストンの位置を保持するよう前記電動機構を駆動することを特徴とするブレーキ装置。
  2. 前記制御装置は、前記液圧が減少する方向に前記ピストンが移動するように前記電動機構を駆動する前に、前記ピストンの位置を保持するよう前記電動機構を駆動することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
  3. 前記制御装置は、前記車輪のロックが解除されたと判断されるときに、前記制動要求がある場合、前記液圧が増加する方向に前記ピストンを移動するように前記電動機構を駆動させることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
  4. 前記制御装置は、前記液圧供給装置から車輪の状態を取得し、前記車輪のロック状態を判断することを特徴とする請求項1または3に記載のブレーキ装置。
  5. 前記制御装置は、前記液圧供給装置による液圧の制御が失陥したときに、前記液圧供給装置から車輪の状態を取得できる場合に、前記液圧が減少する方向に前記ピストンを移動するように前記電動機構を駆動させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のブレーキ装置。
  6. 前記車輪の状態を検出する車輪状態検出器を備え、前記制御装置は、前記液圧供給装置による液圧の制御が失陥したときに、前記液圧供給装置を介することなく前記車輪状態検出器から車輪の状態を取得し、前記液圧が減少する方向に前記ピストンを移動させるように前記電動機構を駆動することを特徴とする請求項1または3に記載のブレーキ装置。
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