JP7249176B2 - モータ用筐体 - Google Patents

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Description

本発明は、モータからの低周波の磁界漏洩を抑制するためのモータ用筐体に関する。
電気自動車やハイブリッド自動車などの車両の駆動用モータからは、低周波の磁界が発生することが知られている。現状では、車室内の磁界強度は十分に低いレベルであるが、今後、駆動用モータの出力向上のために電流が増加し、磁界強度も大きくなることが予想される。そのため、低周波の磁界漏洩を抑制する方法が検討されている。
特許文献1には、ケースの外周に切り欠きを設け、その切り欠きから駆動基板の一部をケース外にはみ出させたモータにおいて、そのはみ出した駆動基板を金属製のシールドケースで覆う構造が記載されている。このような構造により、モータ全体をシールド材で覆うよりも小型化できることが記載されている。
特許文献2には、高周波の磁界漏洩を抑制する磁気シールド構造が記載されている。磁気シールド構造は、誘電体からなるケースの内面および外面の少なくとも一方の少なくとも一部に、金属めっきを施したものである。
特開2008-271701号公報 特開2017-54757号公報
発明者らは、電磁界シミュレーションによって漏洩磁界を測定評価した。その結果、車両の駆動用モータからの漏洩磁界の周波数は1kHz以下の低周波であることがわかった。一般に車両の駆動用モータはアルミニウムの筐体により覆われているが、漏洩磁界の周波数が低いため、従来の筐体では十分に漏洩磁界を抑制できないことがわかった。
特許文献1では、ケースからはみ出した駆動基板以外の部分については、従来のモータと同様にケースにより覆われているのみであり、低周波の磁界漏洩は十分に抑制することができない。
また、特許文献2では、金属めっきの厚さは数10μm程度であることから、モータから発生する低周波の磁界漏洩を抑制することができない。
また、モータ全体を厚い金属で覆うことにより磁界漏洩を抑制することが考えられるが、重量が重くなってしまい、車両の駆動用モータに対しては不適である。
そこで本発明の目的は、モータの重量を抑えつつ、低周波の磁界漏洩を抑制することが可能なモータ用筐体を提供することである。
本発明は、モータのステータとロータとを覆うモータ用筐体であって、ステータは、スロットを有したステータコアと、スロットを通して巻かれたコイルとを有し、コイルがステータコアの両端からはみ出した部分である2つのコイルエンド部を有し、モータ用筐体は、ステータおよびロータを内包する非磁性体からなる第1筐体と、2つのコイルエンド部のうち一方を覆う磁性体からなる第2筐体と、第2筐体と分離して離間し、2つのコイルエンド部のうち他方を覆う磁性体からなる第3筐体と、を有し、第2筐体および第3筐体は、第1筐体の外側に設けられており、第2筐体および第3筐体は、モータの径方向から見て、ステータコアとオーバーラップするように設けられている、ことを特徴とするモータ用筐体である。
第2筐体および第3筐体は、第1筐体の外側に設けられていることが好ましい。第1筐体内にステータやロータ以外のもの、たとえばステータの冷却装置、などを配置する際に、第2筐体および第3筐体を第1筐体の内側に配置する場合に比べて配置の自由度が大きくなるためである。
第2筐体および第3筐体は、第1筐体との間隔が10mm以下であることが好ましい。低周波の磁界の漏洩抑制効果をより高めることができる。特に、第2筐体および第3筐体を第1筐体と接するように設けることが好ましい。
第2筐体および第3筐体は、モータの軸方向および径方向のいずれから見ても、コイルエンド部を覆うように設けられていることが好ましい。低周波の磁界の漏洩抑制効果をより高めることができる。
第2筐体および第3筐体は、スリットが設けられていてもよい。スリットを設けることで、筐体の振動の周波数を調整することができる。特に、スリットの長手方向がモータの軸方向と平行になるように設けるとよい。スリットを設けることによる磁界漏洩の抑制効果の悪化を少なくできる。
第2筐体および第3筐体は、モータの径方向から見て、ステータコアとオーバーラップするように設けられていることが好ましい。低周波の磁界の漏洩抑制効果をより高めることができる。
本発明によれば、モータの重量を抑えつつ、低周波の磁界漏洩を抑制することができる。
実施例1のモータの構成を示した図。 モータから発生する低周波磁界を示した図。 変形例のモータの構成を示した図。 第1筐体12との接続部の構造を示した図。 変形例のモータの構成を示した図。 変形例のモータの構成を示した図。 変形例のモータの構成を示した図。 磁界強度の低減量に付いて示したグラフ。 磁界強度の低減量に付いて示したグラフ。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1は、実施例1のモータの構成を示した図である。図1(a)は、モータを回転軸方向から見た上面図であり、図1(b)は回転軸に垂直な方向から見た側面図であり、図1(c)はモータの断面図である。モータは三相交流モータであり、図1のように、ステータ10と、ロータ11と、第1筐体12と、第2筐体13と、第3筐体14と、で構成されている。図1(a)、(b)においては、第1筐体12を透過して内部構造が見えるように模式的に示している。
ステータ10は、ステータコア15とコイル16により構成されている。ステータコア15は肉厚の円筒状であり、その円筒の軸方向に貫通するスロット17が円周方向に等間隔で複数設けられている。ステータコア15は、たとえば積層鋼板からなる。コイル16は、スロット17を通して分布巻きされており、ステータコア15の両端からはみ出した部分を有する。このはみ出した2つの部分をコイルエンド部18A、18Bと呼ぶ。なお、コイル16の巻き方は分布巻きに限らず、集中巻きでもよい。
ロータ11は、円柱状であり、ステータ10の円筒内に同軸に配置されている。ロータ11の厚さ(回転軸方向の長さ)は、ステータコア15の厚さ(回転軸方向の長さ)と同一であり、ロータ11の端面とステータコア15の端面は、同一面となるように揃えられている。ロータ11は、内部に磁石が埋め込まれた積層鋼板からなる。ステータ10のコイル16に電流を流すと回転磁界が発生し、これによりロータ11は回転軸回りに回転する。ロータ11の回転数は、コイル16に流す電流の周波数に比例する。ロータ11には図示しない軸が接続されている。
第1筐体12は、中空の直方体であり、内部にステータ10とロータ11とを内包している。第1筐体12は、アルミニウムからなる。アルミニウム以外にも、樹脂など非磁性体材料であれば任意でよい。非磁性体材料は、たとえば比透磁率が5以下の材料である。第1筐体12の厚みは、たとえば1~10mmである。また、第1筐体12は、3対の面のうち、1対の面がモータの軸に垂直となるように配置されている。その軸に垂直な2面のうち一方を上面12a、他方を下面12cとして、上面12aには孔12dが設けられている。孔12dは、ロータ11に接続する軸を通すためのものである。なお、第1筐体12の形状は、ステータ10とロータ11を内包可能な中空を有した形状であれば直方体に限らず任意であり、円筒状などであってもよい(図5参照)。また、第1筐体12内に、発電用のモータを含めるようにしてもよい。
第2筐体13および第3筐体14は、低周波磁界の主たる発生箇所であるコイルエンド部18A、18Bをそれぞれ覆い、モータからの低周波磁界の漏洩を抑制するために設けるものである。ここで低周波磁界とは、周波数が1kHz以下の磁界である。
低周波磁界の主たる発生箇所がコイルエンド部18A、18Bとなる理由について、図2を参照に説明する。図2中、z軸方向がモータの軸方向、y軸方向がモータの径方向を示している。図2のように、磁界はコイル16の線回りにループ状に発生するが、ステータコア15とロータ11に挟まれた領域で発生した磁界は、ステータコア15およびロータ11の内部を通るため、y軸方向には強い磁界を発生させない(図2中の実線で示したループ)。一方、ステータコア15とロータ11に挟まれていない領域で発生した磁界は、ステータコア15とロータ11を通らず、コイルエンド部18A、18Bの周囲を回る。そのため、コイルエンド部18A、18Bの近傍に強い磁界を発生させる(図2中の点線で示したループ)。
第2筐体13は、第1筐体12の内面に接合された鋼板である。図1のように、第2筐体13は、第1筐体12の内面のうち、上面12a(回転軸に垂直な面のうち、コイルエンド部18A近傍の面)と、一方のコイルエンド部18A近傍の側面12bに接合されている。上面12aについては、ロータ11と同心で同一の直径の円形の孔13aが設けられた鋼板が接合されている。孔13aは、ロータに接続する軸(図示しない)を通すためのものである。また、側面12bについては、側面から見てコイルエンド部18Aの領域を含む範囲に鋼板が接合されている。このようにして、第2筐体13は、軸方向から見ても径方向から見ても、コイルエンド部18Aを覆うように設けられている。つまり、軸方向から見ても径方向から見ても、コイルエンド部18Aの領域は、第2筐体13の領域内に収まるように設けられている。
第3筐体14は、第1筐体12の内面に接合され、第2筐体13とは分離、離間して設けられた鋼板である。図1のように、第3筐体14は、第1筐体12の内面のうち、下面12c(回転軸に垂直な面のうち、コイルエンド部18B近傍の面)と、一方のコイルエンド部18B近傍の側面12bに接合されている。下面12cについては、全面に鋼板が接合されている。また、側面12bについては、モータを側面から見てコイルエンド部18Bの領域を含む範囲に鋼板が接合されていて、第2筐体13とは間隔をあけて設けられている。このようにして、第2筐体13は、軸方向から見ても径方向から見ても、コイルエンド部18Bを覆うように設けられている。
第2筐体13および第3筐体14は、鋼板以外にも、磁性体材料であれば任意でよい。ここで、磁性体とは、比透磁率が第1筐体12に比べて十分に大きな材料であり、たとえば比透磁率が10以上の材料である。より具体的には、鉄、ニッケル、コバルト、それらを主成分とする合金(たとえばケイ素鋼)、フェライト、などを用いることができる。鋼板を用いる場合には、表面に亜鉛やニッケルなどのめっきを施してさびの防止を図ってもよい。比透磁率が高いほど低周波磁界の漏洩抑制効果は高くなるため、比透磁率は50以上の材料が好ましい。
また、第2筐体13および第3筐体14は厚いほど低周波磁界の漏洩抑制効果は高くなる。そのため、第2筐体13および第3筐体14の厚みは0.5mm以上とすることが好ましい。ただし、あまり厚くするとモータの重量の増加を招くため、5mm以下とすることが好ましい。
実施例1では、第2筐体13および第3筐体14は第1筐体12の内側に接合させているが、外側に接合させてもよいし(図3参照)、第2筐体13と第3筐体14の一方を内側、他方を外側に接合させてもよい。外側に第2筐体13および第3筐体14を接合させた場合、第1筐体12内にステータ10の冷却装置などを設ける際の配置の自由度が増すので、その点で外側に設けることに利点がある。
また、実施例1では、第1筐体12と第2筐体13、第1筐体12と第3筐体14を接合させて隙間をなくしているが、隙間があってもよい。ただし、隙間は10mm以下であることが好ましい。10mm以下とすれば、隙間が空くことで低周波磁界の漏洩抑制効果は若干低下するものの、隙間をなくした場合に比べて1dB以下の低下で済む。
第1筐体12と第2筐体13の接合、および第1筐体12と第3筐体14の接合は、任意の接合方法でよい。たとえば、スポット溶接、シーム溶接、アーク溶接、レーザ溶接などの溶融接合や、摩擦溶接、レーザ圧接などの固相接合や、ボルト、ナット、ブラインドリベットなどを用いた機械的接合や、接着剤などを用いた接着や、これらの複合方法を用いることができる。ボルトを用いて接合する場合、図4のように、第1筐体12と接合する凸部19を設け、凸部19と第2筐体13あるいは第3筐体14とをボルト20およびナット21によって接合するとよい。第1筐体12に穴が空かないため、磁界漏洩をより抑制することができる。
また、実施例1では、第2筐体13および第3筐体14を第1筐体12の4つの側面12b全てに設け、コイルエンド部18A、18Bを側面の全方位から覆うようにしているが、全方位を覆う必要はなく、側面の一部方位を覆うように設けられていてもよい。第2筐体13および第3筐体14が設けられていない方向に対しては、低周波磁界の漏洩を抑制することはできないが、設けられている方向に対しては、低周波磁界の漏洩を抑制することができる。たとえば、図6のように、径方向にx軸、y軸を取り、モータの軸を原点にした場合に、第2筐体13および第3筐体14がy座標が正となる半分を覆うようにしてもよい。この場合、y軸の負方向については低周波磁界の漏洩を低減できないが、y軸の正方向については低周波磁界の漏洩を低減できる。このような構成は、漏洩を抑制したい方向が決まっている場合や、モータの重量をより減らしたい場合に有効である。ただし低周波磁界の漏洩を十分に低減するため、低周波磁界の漏洩を抑制したい方向に対して±60°以上の方位を覆うように設けることが好ましい。また、モータの重量の減少の点からは、低周波磁界の漏洩を抑制したい方向に対して±120°以下の方位を覆うように設けることが好ましい。
第2筐体13、第3筐体14にスリット22を設けてもよい(図7参照)。スリット22は、細長い長方形状の貫通孔である。ロータ11が高速回転すると、第1筐体12に振動が発生するが、第1筐体12には第2筐体13および第3筐体14が接合されているため、その振動の周波数が変化する可能性がある。このような場合に、第1筐体12の寸法によっては、第2筐体13、第3筐体14にスリットを設けて、筐体の振動の周波数を調整することが考えられる。スリットの長手方向は任意の方向でよいが、モータの軸方向と平行に設けることが好ましい。モータの軸方向と平行にスリットを設ければ、低周波磁界の漏洩低減効果にほとんど影響を与えない。一方、モータの軸方向に直交する方向にスリットを設けると、低周波磁界の漏洩低減効果がやや悪化してしまう。これは、コイルエンド部18A、Bから発生する低周波磁界は軸方向の成分が強いため、軸方向に直交する方向にスリットを設けると低周波磁界が漏洩しやすくなるためと考えられる。
また、第1筐体12とステータコア15との間には隙間が生じる。そのため、第2筐体13および第3筐体14によって効果的に低周波磁界の漏洩を低減するためには、径方向から見て、第2筐体13および第3筐体14とステータコア15とがオーバーラップするように設定することが好ましい。オーバーラップの幅は、第1筐体12とステータコア15との間隔に応じて適宜設定する。また、第2筐体13と第3筐体14の離間距離は、オーバーラップの幅とモータの重量とを考慮して適宜設定する。
以上、実施例1のモータは、筐体が第1筐体12と、第2筐体13と、第3筐体14とにより構成されており、磁性体である第2筐体13と第3筐体とが、低周波磁界の主たる発生箇所である2つのコイルエンド部18A、18Bをそれぞれ覆うように設けられているため、低周波の磁界漏洩を効果的に抑制することができる。特に、周波数1kHz以下の磁界漏洩を効果的に抑制することができる。また、第2筐体13と第3筐体14とを分離、離間して設けることで、モータ全体を覆わず、低周波磁界漏洩の抑制に必要な領域のみに設けているため、モータの重量の増加を抑制しつつ、磁界漏洩を抑制することができる。
なお、実施例1のモータは三相交流モータであるが、本発明は交流モータに限るものではなく、コイルエンド部を有した構造のモータであれば任意のモータに対して適用することができる。たとえば、直流モータや直流ブラシレスモータなどにも適用することができる。また、本発明はモータの制御方法によらず、たとえば矩形制御でもPWM制御でもよい。
次に、実施例1のモータに関する各種シミュレーション結果を説明する。
(実験1)
モータから漏洩する低周波磁界の強度をシミュレーションによって求めるため、以下のようなモデルを作成した。実施例1のモータについて、第2筐体13および第3筐体14の材料を比透磁率が500の鋼板とし、厚みを2mmとし、各種寸法を以下の通りに設定したモデル(実験例3)を作成した。なお、モータの軸方向にz軸、径方向にx軸、y軸を取り、原点はモータの中心とした。また、各種寸法は、第1筐体12を軸方向から見たときの長方形の一辺を1とした比率で示す。第1筐体12は縦(x軸方向)に幅が1、横(y軸方向)に幅が0.96、高さ(z軸方向)が0.84の直方体とした。また、第1筐体12からステータコア15までの距離は0.083とした。また、第2筐体13および第3筐体14のz軸方向の幅は0.31とし、第2筐体13と第3筐体14との離間距離は0.23とした。また、第2筐体13と第3筐体14は、コイルエンド部18A、18Bに対して0.074オーバーラップさせた。
また、比較のため、以下の構造のモデルを作成した。実験例1は、実験例3の構造から第2筐体13および第3筐体14を省いた構造である。実験例2は、実験例3の構造から、第2筐体13および第3筐体14のうち、第1筐体12の上面12aおよび下面12cと接する面を省いた構造である。実験例4は、実験例3の構造から、第1筐体12の上面12aと第2筐体13との間、および第1筐体12の下面12cと第3筐体14との間に、0.007の隙間を設け、第2筐体13および第3筐体14のz軸方向の幅を0.30に変更した構造である。実験例5は、実験例3の構造から、第2筐体13および第3筐体14のうち、第1筐体12の上面12aおよび下面12cと接する面のみ残した構造である。
上記のように設定した実験例1~5のモデルについて、磁界強度をシミュレーションによって求めた。磁界強度は径方向、軸方向でそれぞれ求め、径方向の磁界強度は、y=1.1、x=z=0の位置における磁界ベクトルの大きさ、軸方向の磁界強度は、z=1.1、x=y=0の位置における磁界ベクトルの大きさである。また、磁界の周波数は16Hzである。
図8は、その結果を示したグラフである。縦軸は磁界強度の低減量であり、実験例1(第2筐体13および第3筐体14を設けない構造)を基準としたdB値である。図8(a)は、径方向の磁界強度、図8(b)は、軸方向の磁界強度である。
図8のように、実験例3の構造では、第2筐体13および第3筐体14が、コイルエンド部18A、18Bを軸方向、径方向の両方から覆っているため、高い磁界低減効果を実現できており、径方向では10dB、軸方向では4dBの低減量であった。
一方、実験例4の構造では、第2筐体13および第3筐体14がコイルエンド部18A、18Bを軸方向、径方向の両方から覆っているものの、第1筐体12と第2筐体13および第3筐体14との間に隙間があるため、そこから磁界が漏れ、実験例3に比べて低減量が小さくなっていた。
また、実験例2では、第2筐体13および第3筐体14が径方向においてはコイルエンド部18A、18Bを覆っているため、径方向の磁界漏洩についてはある程度低減できていたが、軸方向においてはコイルエンド部18A、18Bを覆っていないため、軸方向の磁界漏洩についてはほとんど低減できなかった。
また、実験例4では、第2筐体13および第3筐体14が軸方向においてはコイルエンド部18A、18Bを覆っているため、軸方向の磁界漏洩についてはある程度低減できていたが、径方向においてはコイルエンド部18A、18Bを覆っていないため、径方向の磁界漏洩についてはほとんど低減できなかった。
(実験2)
実験例3の構造について、第2筐体13および第3筐体14の比透磁率を500から100、50に変化させたところ、径方向の磁界強度の低減量はそれぞれ7.7dB、5.8dBとなった。このことから、第2筐体13および第3筐体14の比透磁率が高いほど磁界漏洩の低減効果が高いことがわかった。
(実験3)
実験例3の構造について、第2筐体13および第3筐体14の厚みを2mmから1mm、0.5mmと変化させたところ、径方向の磁界強度の低減量はそれぞれ7.7dB、5.8dBとなった。このことから、第2筐体13および第3筐体14が厚いほど磁界漏洩の低減効果が高いことがわかった。
(実験4)
実験例3の構造について、第2筐体13および第3筐体14が第1筐体12の内面に接合する構造から外面に接合する構造に替えたところ、磁界強度の低減量にはほとんど変化は見られなかった。
(実験5)
実験例3の構造について、第2筐体13および第3筐体14にスリットを設けて磁界強度の低減量がどう変化するかを検討した。スリットは長さ0.28、幅0.015とし、第2筐体13および第3筐体14のうち、径方向を覆う領域にスリットを1つ設けた。またスリットの長手方向は、軸方向に平行な方向(以下、実験例6)、軸方向に垂直な方向(以下、実験例7)とした。
図9は、その結果を示したグラフである。縦軸は図8と同様である。図9(a)は、径方向の磁界強度、図9(b)は、軸方向の磁界強度である。図9のように、スリットの長手方向を軸方向に平行とした実験例6では、径方向の磁界強度の低減量は、実験例3の場合とほとんど差がなかった。また、スリットの長手方向を軸方向に垂直とした実験例7では、径方向の磁界強度の低減量は、実験例3の場合よりもおよそ0.9dB低下していた。また、軸方向の磁界強度の低減量は、実験例6、7のいずれも実験例3と差がなかった。この結果から、第2筐体13および第3筐体14にスリットを設ける場合には、スリットの長手方向を軸方向に平行とすることで、磁界強度の低減量に影響を及ぼさないようにできることがわかった。
本発明は、電気自動車やハイブリッド自動車の駆動用モータなどに適用することができる。
10:ステータ
11:ロータ
12:第1筐体
13:第2筐体
14:第3筐体
15:ステータコア
16:コイル
17:スロット
18A、18B:コイルエンド部

Claims (6)

  1. モータのステータとロータとを覆うモータ用筐体であって、
    前記ステータは、スロットを有したステータコアと、前記スロットを通して巻かれたコイルとを有し、前記コイルが前記ステータコアの両端からはみ出した部分である2つのコイルエンド部を有し、
    前記モータ用筐体は、
    前記ステータおよび前記ロータを内包する非磁性体からなる第1筐体と、
    2つの前記コイルエンド部のうち一方を覆う磁性体からなる第2筐体と、
    前記第2筐体と分離して離間し、2つの前記コイルエンド部のうち他方を覆う磁性体からなる第3筐体と、を有し、
    前記第2筐体および前記第3筐体は、前記第1筐体の外側に設けられており、
    前記第2筐体および前記第3筐体は、前記モータの径方向から見て、前記ステータコアとオーバーラップするように設けられている、
    ことを特徴とするモータ用筐体。
  2. 前記第2筐体および前記第3筐体は、前記第1筐体との間隔が10mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のモータ用筐体。
  3. 前記第2筐体および前記第3筐体は、前記第1筐体に接して設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載のモータ用筐体。
  4. 前記第2筐体および前記第3筐体は、前記モータの軸方向および径方向のいずれから見ても、前記コイルエンド部を覆うように設けられている、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のモータ用筐体。
  5. 前記第2筐体および前記第3筐体は、スリットが設けられている、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のモータ用筐体。
  6. 前記スリットは、長手方向が前記モータの軸方向と平行に設けられている、ことを特徴とする請求項5に記載のモータ用筐体。
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