JP7248447B2 - 鉄筋部材、鉄筋構造体、デッキプレートの設置方法及び鉄筋コンクリート構造の施工方法 - Google Patents

鉄筋部材、鉄筋構造体、デッキプレートの設置方法及び鉄筋コンクリート構造の施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄筋部材、鉄筋構造体、デッキプレートの設置方法及び鉄筋コンクリート構造の施工方法に関するものである。
従来、鉄筋コンクリート構造を施工する際には、コンクリートに埋設される鉄筋部材が用いられる。例えば、床スラブを構築する際には、鉄筋構造体として、複数の鉄筋部材を有するデッキプレートが用いられる場合がある。デッキプレートは、コンクリートの型枠として機能し、コンクリートと一体化する。
通常、このようなデッキプレートは、プレート上に複数の鉄筋部材が配置されて構成される。一般的なデッキプレートは、プレートに対して高さが異なる上部鉄筋と下部鉄筋とが配置され、上部鉄筋と下部鉄筋とがラチス鉄筋等で一体化した鉄筋構造体である。
このようなデッキプレートは、予め工場で製造され、組み立てられた状態で現場へ運搬されて使用される。しかし、デッキプレートが床スラブと概ね同様の厚みを有するため、重ねてトラック等に積載すると、積載効率が悪い。
これに対し、鉄筋部分を回転させて引き起こすことが可能なデッキプレートが提案されている(特許文献1)。
特開平08-144413号公報
特許文献1に記載のデッキプレートは、運搬時には鉄筋部分を倒しておき、設置する際に引き起こすことができるため、運搬時には厚みが薄く、積載効率を高めることができる。
しかし、デッキプレートを設置した後、さらに横鉄筋の設置やコンクリートの打設作業を行うため、デッキプレートの鉄筋上を作業者が歩行する場合がある。このため、鉄筋が、上方からの荷重を受け止めて安定して配置される必要がある。しかし、特許文献1のデッキプレートは、鉄筋部を引き起こした際に、上部鉄筋と下部鉄筋とが略一直線上に配置されるため、上方からの荷重に対して不安定である。このため、鉄筋部を引き起こした後に上方を作業者が歩行すると、鉄筋部の変形や倒れが生じる恐れがある。
このように、鉄筋コンクリート構造を施工する際に使用される鉄筋部材を予め工場で組み立てておく場合において、運搬時の積載効率と、現場での施工作業性(形状安定性)とを両立することが困難であった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、積載効率が高く、設置後に作業者が上部を歩行しても形状が安定する鉄筋部材等を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、複数の鉄筋が併設された鉄筋部材であって、少なくとも一対の下部鉄筋と、前記下部鉄筋にほぼ平行に配置され、前記下部鉄筋で挟まれた位置に配置される上部鉄筋と、前記上部鉄筋および前記下部鉄筋に対して斜めに配置され、前記上部鉄筋と前記下部鉄筋とを連結するラチス鉄筋と、を具備し、前記上部鉄筋及び前記下部鉄筋と、前記ラチス鉄筋とは回動可能であり、前記下部鉄筋同士を近づけるように移動させて、前記上部鉄筋を上方に移動可能であることを特徴とする鉄筋部材である。
第1の発明によれば、一対の下部鉄筋と、下部鉄筋で挟まれた上部鉄筋とがラチス鉄筋によって回動可能に一体化するため、下部鉄筋を近づけるようにスライド動作させることで、上部鉄筋を上方に移動させることができる。このため、運搬時には厚みを薄くしておき、設置した後に、下部鉄筋をスライドさせることで、所望の厚みの鉄筋構造体を得ることができる。このため、積載効率が高い。
第2の発明は、第1の発明にかかる鉄筋部材を有する鉄筋構造体であって、複数の前記鉄筋部材が、板状のプレート上に配置され、前記プレート上において前記下部鉄筋同士を近づけるようにスライド移動させて、前記上部鉄筋を上方に移動させることで、デッキプレートとして使用することが可能であることを特徴とする鉄筋構造体である。
前記プレート上には支持部材が配置され、前記上部鉄筋を上方に移動させた状態で、前記上部鉄筋を前記支持部材で支持することが可能であることが望ましい。
前記プレート上に凸部が設けられ、前記下部鉄筋は前記凸部上に配置され、前記凸部上において前記下部鉄筋同士を近づけるようにスライド移動させて、前記上部鉄筋を上方に移動可能であってもよい。
前記凸部上には鉄筋押さえ部が設けられ、前記下部鉄筋は、前記凸部の上面と前記鉄筋押さえ部の間においてスライド動作可能であってもよい。
前記凸部は、前記プレート上に配置されたスペーサであり、前記スペーサは、前記下部鉄筋の長手方向に対して所定の間隔で配置されてもよい。
第2の発明によれば、運搬時には厚みを薄くしておき、設置した後に、下部鉄筋をスライドさせることで、所望の厚みのデッキプレートを得ることができる。また、下部鉄筋をスライドさせた後に、正面視において上部鉄筋と下部鉄筋とが一直線上に配置されずに、略三角形などの形態で配置されるため、上方からの荷重に対しても形状が安定する。
また、上部鉄筋を上方に移動させた状態で、上部鉄筋を支持部材で支持することで、上部鉄筋の位置を確実に支持することができる。
また、プレート上の凸部上で下部鉄筋同士を近づけるようにスライド移動可能とすることで、下部鉄筋をプレートに対して所定の距離だけ離して配置することができる。このため、コンクリートが下部鉄筋の下方にも回り込み、十分なコンクリートの被り代を確保することができる。
また、凸部上に鉄筋押さえ部を設けることで、下部鉄筋を凸部の上面と鉄筋押さえ部の間においてスライド動作させることができる。このため、下部鉄筋がプレートから上方に離れてしまうことを抑制することができる。
また、凸部としてプレート上にスペーサを所定の間隔で配置することで、下部鉄筋とプレートとの距離を確実に確保することができる。
第3の発明は、デッキプレートの設置方法であって、前記デッキプレートは、板状のプレートと、前記プレート上に配置される複数の鉄筋部材と、を具備し、前記鉄筋部材は、少なくとも一対の下部鉄筋と、前記下部鉄筋にほぼ平行に配置され、前記下部鉄筋で挟まれた位置に配置される上部鉄筋と、前記上部鉄筋および前記下部鉄筋に対して斜めに配置され、前記上部鉄筋と前記下部鉄筋とを連結するラチス鉄筋と、を具備し、前記プレート上において前記下部鉄筋同士を近づけるようにスライド移動させて、前記上部鉄筋を上方に移動させることが可能であり、前記下部鉄筋同士の間隔を広げて、前記上部鉄筋を下げた状態で前記デッキプレートを梁にかけ渡して設置する工程と、前記鉄筋部材の長手方向から見て、前記下部鉄筋と前記上部鉄筋とが略三角形の配置となるように、前記下部鉄筋を前記プレート上でスライドさせて前記上部鉄筋を前記プレートの上方に移動させる工程と、前記上部鉄筋を上方の位置で支持する工程と、を具備することを特徴とするデッキプレートの設置方法である。
第3の発明によれば、運搬時にはデッキプレートの厚みが薄いため取り扱い性に優れ、デッキプレートを設置した後に、デッキプレートの高さを確保することができ、下部鉄筋と前記上部鉄筋とが略三角形の配置となるため、形態が安定し、作業性に優れたデッキプレートの設置方法を得ることができる。
第4の発明は、鉄筋部材を用いた鉄筋コンクリート構造の施工方法であって、前記鉄筋部材は、少なくとも一対の下部鉄筋と、前記下部鉄筋にほぼ平行に配置される上部鉄筋と、前記上部鉄筋および前記下部鉄筋に対して斜めに配置され、前記上部鉄筋と前記下部鉄筋とを連結するラチス鉄筋と、を具備し、前記鉄筋部材が折り畳まれた状態から、前記下部鉄筋同士を近づけるように移動させて、前記上部鉄筋を上方に移動可能であり、前記鉄筋部材を折り畳んだ状態から、前記下部鉄筋をスライドさせて前記上部鉄筋を上方に移動させる工程と、型枠及び前記鉄筋部材を設置する工程と、前記鉄筋部材が設置された前記型枠内にコンクリートを打設する工程と、を具備することを特徴とする鉄筋コンクリート構造の施工方法である。
第4の発明によれば、予め工場で組み立てられているため、現場で鉄筋同士を組み立てる必要がない。また、運搬時には鉄筋部材の厚みが薄いため、積載効率が高く、鉄筋部材の使用時に、上部鉄筋を上方に移動させ、鉄筋部材の高さを確保することができるため、作業性が良好である。
本発明によれば、積載効率が高く、設置後に作業者が上部を歩行しても形状が安定する鉄筋部材等を提供することができる。
デッキプレート1を示す斜視図。 鉄筋部材5を示す平面図。 (a)は鉄筋部材5を畳んだ状態を示す図、(b)は鉄筋部材5を起こした状態を示す図。 支持部材15を示す図で、(a)は側面図、(b)は正面図。 他の実施形態を示す図で、(a)は鉄筋部材5を畳んだ状態を示す図、(b)は鉄筋部材5を起こした状態を示す図。 さらに他の実施形態を示す図で、(a)は鉄筋部材5を畳んだ状態を示す図、(b)は鉄筋部材5を起こした状態を示す図。 鉄筋部材5を用いた鉄筋コンクリート構造の施工方法を示す図。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施の形態にかかる鉄筋構造体10について説明する。本実施形態では、鉄筋構造体10が、鉄筋コンクリート構造である床スラブに用いられるデッキプレートとして使用される例について説明する。図1は、デッキプレート1(鉄筋構造体10)を示す斜視図である。デッキプレート1は、主に、プレート3、鉄筋部材5、スペーサ13、支持部材15等から構成される。
プレート3は、板状の鋼製部材であり、プレート3上には、プレート3の長手方向に沿って鉄筋部材5が配置される。なお、図示した例では、プレート3上に2組の鉄筋部材5が互いに略平行に配置されるが、鉄筋部材5の配置数や形状は図示した例には限られない。
図2は、鉄筋部材5の平面図である。鉄筋部材5は、少なくとも一対の下部鉄筋9と、上部鉄筋7とラチス鉄筋11等からなる。上部鉄筋7は、下部鉄筋9にほぼ平行に配置され、下部鉄筋9で挟まれた位置に配置される。ラチス鉄筋11は、上部鉄筋7および下部鉄筋9に対して斜めに配置される。隣り合う上部鉄筋7と下部鉄筋9とは、ラチス鉄筋11と結束部材17によって連結される。
なお、鉄筋部材5は、少なくとも一対の下部鉄筋9と、下部鉄筋9で挟まれた位置に配置される上部鉄筋7の3本を有すれば、さらに本数が多くてもよい。例えば、一対の下部鉄筋9の間に2本の上部鉄筋7を配置してもよく、また、2本の上部鉄筋7の間にさらに1本の下部鉄筋9を配置してもよい。
ラチス鉄筋11は、上部鉄筋7及び下部鉄筋9の部位で折り返され、上部鉄筋7及び下部鉄筋9との交差部は、結束部材17で結束される。結束部材17は、例えば針金や樹脂バンドである。ラチス鉄筋11と、上部鉄筋7及び下部鉄筋9との交差部は、結束部材17によってずれ止めがなされるが、完全に固定されるわけではないため、両者は互いに回動可能である。すなわち、図2の状態において、下部鉄筋9及び上部鉄筋7は、それぞれの軸方向を回転軸として回転することができる。
なお、ラチス鉄筋11と、上部鉄筋7及び下部鉄筋9との交差部の接合は、図示した例には限られず、結束部材に代えて他の金具等の部材を用いてもよい。また、図示した例では、ラチス鉄筋11は、下部鉄筋9と上部鉄筋7との間で単にジグザグに屈曲して配置されるが、下部鉄筋9と上部鉄筋7との交差部において、単に折り曲げるのみではなく、下部鉄筋9と上部鉄筋7に巻き付けるように配置してもよい。このように、上部鉄筋7と下部鉄筋9との距離がある程度一定に保つことができ、ラチス鉄筋11に対して回動可能であれば、いずれの方法であってもよい。
図1に示すように、プレート3上には、凸部として機能するスペーサ13が下部鉄筋9の長手方向に対して所定の間隔で離間して配置される。例えば、図示したように、スペーサ13は、プレート3の長手方向の両端部近傍と、その中間部近傍に配置される。鉄筋部材5はスペーサ13上に配置される。なお、スペーサ13は、ブロック状であってもよく、または、板状又は棒状のものを屈曲して形成してもよい。
プレート3の長手方向の両端部近傍には、支持部材15が配置される。支持部材15は、プレート3の上面に配置され、上部鉄筋7は、支持部材15によってプレート3から所定の高さで支持される。すなわち、スペーサ13によって、下部鉄筋9は、プレート3から所定の高さで支持され、上部鉄筋7は、下部鉄筋9よりも高い位置で支持部材15によって支持される。
次に、デッキプレートの設置方法について説明する。図3(a)は、鉄筋部材5を畳んだ状態を示す正面図である。運搬時等においては、鉄筋部材5の両端部の下部鉄筋9が、それぞれスペーサ13上に配置され、下部鉄筋9同士の間隔を広げて、上部鉄筋7が下がった状態(例えば上部鉄筋7が、下部鉄筋9と略同一高さまたはそれよりも低い位置となる状態)となるようにした状態で取り扱われる。このため、デッキプレート1の厚みを薄くすることができる。この状態のデッキプレート1を梁にかけ渡して設置する。
次に、図3(b)に示すように、下部鉄筋9同士を近づけるようにプレート3(スペーサ13)上でスライドさせて(図中矢印A)、上部鉄筋7をプレート3(下部鉄筋9が併設される面)の上方であって、下部鉄筋9同士の移動方向に対して垂直な方向に移動させる(図中矢印B)。すなわち、鉄筋部材5の長手方向から見て、下部鉄筋9と上部鉄筋7とが略三角形の配置となる。
ここで、下部鉄筋9同士の移動方向に対して垂直な方向に移動するとは、折り畳まれた状態の上部鉄筋7の位置と移動した状態の上部鉄筋7の位置とを結ぶ直線が、下部鉄筋9同士の移動方向に対して垂直であることを意味するのではない。移動前後における上部鉄筋7の位置の変化において、下部鉄筋9同士の移動方向に対する垂直な方向成分を有すればよい。例えば、移動前後における上部鉄筋7の移動の向きが、下部鉄筋9同士の移動方向に対して斜め方向であることも含む。
次に、図4(a)に示すように、支持部材15を起こして(図中矢印C)、支持部材15上に上部鉄筋7を配置する。なお、支持部材15は、プレート3に対して回転部19で回転可能に接続される。デッキプレート1の運搬時には、支持部材15は倒れた状態として、上部鉄筋7を上方に移動させた後に、支持部材15を回転させて起こすことができる。
図4(b)は、支持部材15を引き起こして上部鉄筋7が支持された状態を示す正面図である。なお、他の方法で鉄筋部材5を支持可能であれば、支持部材15は、必ずしも必須ではない。また、支持部材15は、回転部19でプレート3に接続されなくてもよく、鉄筋部材5を引き起こした後にプレート3に溶接等で接合してもよい。
全てのデッキプレート1を配置し、横鉄筋等で連結した後、デッキプレート1の上方にコンクリートを打設することで、床スラブが構築される。
なお、図3(a)に示したように、下部鉄筋9同士を広げて上部鉄筋7を下方に移動した状態で運搬等が行われ、図3(b)に示すように、下部鉄筋9同士を近づけるように移動させて上部鉄筋7を上方に移動させるため、スペーサ13の幅(図中左右方向)は、下部鉄筋9のスライド移動量以上の幅で形成される。
以上、第1の実施の形態によれば、運搬時等には、下部鉄筋9と上部鉄筋7とを略同一高さとすることができ、デッキプレート1の厚みを薄くすることができる。このため、運搬時の積載効率が高くなり、取り扱い性も良好である。また、使用時には、下部鉄筋9をスライドさせることで、上部鉄筋7を上方に移動させることができるため、所望の厚みのデッキプレート1を得ることができる。
また、スペーサ13がプレート3の長手方向に所定の間隔で配置され、下部鉄筋9がスペーサ13上に配置されるため、下部鉄筋9とプレート3との間にも隙間を確保することができる。このため、コンクリートの被り代を確保することができる。
また、上部鉄筋7を上方に移動させた状態で、支持部材15によって上部鉄筋7を支持することで、上方からの荷重によって、上部鉄筋7が下方に移動することを抑制することができる。
また、上部鉄筋7を上方に移動させた際に、下部鉄筋9と上部鉄筋7とが一直線上に鉛直に配置されずに、略三角形の形態で配置されるため、上方から荷重を受けた際にも形状が安定し、変形や潰れを抑制することができる。
なお、前述したように、鉄筋部材5は、2本の下部鉄筋9と1本の上部鉄筋7とで構成される場合には限られない。例えば、2本の下部鉄筋9の間に2本の上部鉄筋7を配置する場合には、上部鉄筋7を上方に移動させると、略台形の形態で各鉄筋を配置することができる。また、さらに上部鉄筋7の間に下部鉄筋9を1本追加して、上部鉄筋7を上方に移動させると、略三角形を二つ形成することができる。このように、鉄筋部材5を構成する鉄筋としては、少なくとも2本の下部鉄筋9と1本の上部鉄筋7を有すれば、その本数は限定されない。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図5は、第2の実施形態にかかる鉄筋部材5の配置を示す図である。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同一の機能を奏する構成については、図1~図4と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
第2の実施形態は、第1の実施形態とほぼ同様の構成であるが、スペーサ13上に、鉄筋押さえ部21が設けられる点で異なる。なお、鉄筋押さえ部21は、スペーサ13と一体で形成されていてもよく、別体で構成してもよい。
スペーサ13の上面と鉄筋押さえ部21との間には隙間が形成される。図5(a)に示すように、下部鉄筋9は、この隙間であって、スペーサ13の上面と鉄筋押さえ部21の間に配置される。なお、鉄筋押さえ部21とスペーサ13との間の空間は、図示したように周囲が完全に囲まれていなくてもよく、例えば、空間の内側(上部鉄筋7側)又は外側(上部鉄筋7とは逆側)が解放されていてもよい。
図5(b)に示すように、下部鉄筋9は、この隙間であって、スペーサ13の上面と鉄筋押さえ部21の間において、互いに近づく方向にスライド動作可能である(図中矢印D)。このように下部鉄筋9をスライド移動させることで、上部鉄筋7を上方に移動させることができる(図中矢印E)。
なお、図5(a)に示したように、下部鉄筋9同士を広げて上部鉄筋7を下方に移動した状態で運搬等が行われ、図5(b)に示すように、下部鉄筋9同士を近づけるように移動させて上部鉄筋7を上方に移動させるため、スペーサ13と鉄筋押さえ部21の隙間の幅(図中左右方向)は、下部鉄筋9のスライド移動量以上の幅で形成される。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、下部鉄筋9の上部に鉄筋押さえ部21が設けられるため、下部鉄筋9が鉄筋押さえ部21によって上方に移動することが抑制され、鉄筋部材5がプレート3から分離することを抑制することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図6は、第3の実施形態にかかる鉄筋部材5の配置を示す図である。第3の実施形態は、第1の実施形態とほぼ同様の構成であるが、スペーサ13に代えて、プレート3を屈曲させて凸部13aが形成される点で異なる。
凸部13aは、プレート3の長手方向に対して連続して形成される。凸部13aの上面には、張り出し部23が設けられる。張り出し部23は、例えば板状部材であり、凸部13aの上面に接合される。なお、張り出し部23は、プレート3の長手方向に対して、所定の間隔で離間して配置される。例えば、張り出し部23は、第1の実施形態のスペーサ13と同じように配置される。
図6(a)に示すように、所定の間隔で配置される凸部13aの上部には、鉄筋部材5の下部鉄筋9がそれぞれ配置される。この際、張り出し部23は、それぞれの凸部13aにおいて、内側(上部鉄筋7側)方向に、凸部13aの上面から張り出して配置される。
図6(b)に示すように、一対の下部鉄筋9は、凸部13a上から張り出し部23上に、互いに近づく方向にスライド動作可能である(図中矢印F)。このように下部鉄筋9をスライド移動させることで、上部鉄筋7を上方に移動させることができる(図中矢印G)。
なお、図6(a)に示したように、下部鉄筋9同士を広げて上部鉄筋7を下方に移動した状態で運搬等が行われ、図6(b)に示すように、下部鉄筋9同士を近づけるように移動させて上部鉄筋7を上方に移動させるため、凸部13aから張り出し部23までの幅(図中左右方向)は、下部鉄筋9のスライド移動量以上の幅で形成される。
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、下部鉄筋9を支持する凸部は、スペーサ13のような部材をプレート3上に固定してもよく、プレート3自体を屈曲させて形成してもよい。いずれの場合でも、下部鉄筋9がプレート3から所定の高さで支持され、下部鉄筋9とプレート3との間に隙間が形成される必要があるため、スペーサ13または張り出し部23は、長手方向の一部にのみ形成されて、それ以外の部位において、下部鉄筋9がプレート3に対して浮いた状態で支持される。なお、第3の実施形態においても、凸部13a及び張り出し部23の上部に鉄筋押さえ部を設けてもよい。
(第4の実施形態)
第1の実施形態から第3の実施形態では、鉄筋部材5を有する鉄筋構造体10をデッキプレートとして使用する例について説明したが、本発明はこれには限られない。図7は、鉄筋部材5を用いた、他の鉄筋コンクリート構造の施工方法を示す図である。図示した例は、鉄筋コンクリート構造の壁を施工する例について示す。
本実施形態では、鉄筋部材5がプレート3上に配置されない点で異なる。すなわち、複数の鉄筋部材5が所定の間隔で併設されて配置される。
この場合には、まず、鉄筋部材5を折り畳んだ状態で運搬し、使用時に、下部鉄筋9同士を近づけるように移動させて、上部鉄筋7を移動させる。また、必要に応じて、下部鉄筋9に対して上部鉄筋7を支持する支持部材を固定する。その後、型枠25及び鉄筋部材5を設置する。
例えば、型枠25を設置した後、型枠25内に複数の鉄筋部材5を建て込む。又は、複数の鉄筋部材5を設置した後、少なくとも一方の型枠を設置する。この際、必要に応じて、鉄筋部材5を型枠25に固定する。この際、下部鉄筋9と上部鉄筋7とが、型枠25に対して接触しないように配置する。その後、鉄筋部材5が設置された型枠25内にコンクリートを打設する。以上により、鉄筋コンクリート構造を施工することができる。
第4の実施形態によれば、第1の実施形態等と同様の効果を得ることができる。このように、本発明は、床スラブに限らず、他の鉄筋コンクリート構造の施工にも適用可能である。なお、図示した例では、鉄筋部材5同士(三角形に配置された鉄筋)は互いに離れているが、連結されていてもよい。この場合には、下部鉄筋9と上部鉄筋7とを複数交互に配置して、上部鉄筋7を上方に移動させた際に、連続した三角形を複数形成するようにしてもよい。または、一対の鉄筋部材5同士の隣り合う下部鉄筋9同士を連結して、二つの三角形を離間して形成するようにしてもよい。
なお、上部鉄筋7及び下部鉄筋9は、あくまでも鉄筋構造体を地面に置いた状態における上下関係を示すものであり、使用時には、上部鉄筋7と下部鉄筋9とが必ずしも上下関係にある必要はない。また、上部鉄筋7の移動方向としては、下部鉄筋9を下側とし、上部鉄筋7を上側として定義した際において、「上方」、としているが、必ずしも、地面に対して上方である必要はない。例えば、壁の施工時において、鉄筋部材5を鉛直方向に起立させた状態で、上部鉄筋7を水平方向に移動させる際にも、上部鉄筋7は上方に移動するものとする。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………デッキプレート
3………プレート
5………鉄筋部材
7………上部鉄筋
9………下部鉄筋
10………鉄筋構造体
11………ラチス鉄筋
13………スペーサ
13a………凸部
15………支持部材
17………結束部材
19………回転部
21………鉄筋押さえ部
23………張り出し部
25………型枠

Claims (8)

  1. 複数の鉄筋が併設された鉄筋部材であって、
    少なくとも一対の下部鉄筋と、前記下部鉄筋にほぼ平行に配置され、前記下部鉄筋で挟まれた位置に配置される上部鉄筋と、前記上部鉄筋および前記下部鉄筋に対して斜めに配置され、前記上部鉄筋と前記下部鉄筋とを連結するラチス鉄筋と、
    を具備し、
    前記上部鉄筋及び前記下部鉄筋と、前記ラチス鉄筋とは回動可能であり、前記下部鉄筋同士を近づけるように移動させて、前記上部鉄筋を上方に移動可能であることを特徴とする鉄筋部材。
  2. 請求項1記載の鉄筋部材を有する鉄筋構造体であって、
    複数の前記鉄筋部材が、板状のプレート上に配置され、
    前記プレート上において前記下部鉄筋同士を近づけるようにスライド移動させて、前記上部鉄筋を上方に移動させることで、デッキプレートとして使用することが可能であることを特徴とする鉄筋構造体。
  3. 前記プレート上には支持部材が配置され、
    前記上部鉄筋を上方に移動させた状態で、前記上部鉄筋を前記支持部材で支持することが可能であることを特徴とする請求項2記載の鉄筋構造体。
  4. 前記プレート上に凸部が設けられ、
    前記下部鉄筋は前記凸部上に配置され、前記凸部上において前記下部鉄筋同士を近づけるようにスライド移動させて、前記上部鉄筋を上方に移動可能であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の鉄筋構造体。
  5. 前記凸部上には鉄筋押さえ部が設けられ、前記下部鉄筋は、前記凸部の上面と前記鉄筋押さえ部の間においてスライド動作可能であることを特徴とする請求項4記載の鉄筋構造体。
  6. 前記凸部は、前記プレート上に配置されたスペーサであり、前記スペーサは、前記下部鉄筋の長手方向に対して所定の間隔で配置されることを特徴とする請求項4または請求項5記載の鉄筋構造体。
  7. デッキプレートの設置方法であって、
    前記デッキプレートは、
    板状のプレートと、
    前記プレート上に配置される複数の鉄筋部材と、
    を具備し、
    前記鉄筋部材は、少なくとも一対の下部鉄筋と、前記下部鉄筋にほぼ平行に配置され、前記下部鉄筋で挟まれた位置に配置される上部鉄筋と、前記上部鉄筋および前記下部鉄筋に対して斜めに配置され、前記上部鉄筋と前記下部鉄筋とを連結するラチス鉄筋と、
    を具備し、
    前記プレート上において前記下部鉄筋同士を近づけるようにスライド移動させて、前記上部鉄筋を上方に移動させることが可能であり、
    前記下部鉄筋同士の間隔を広げて、前記上部鉄筋を下げた状態で前記デッキプレートを梁にかけ渡して設置する工程と、
    前記鉄筋部材の長手方向から見て、前記下部鉄筋と前記上部鉄筋とが略三角形の配置となるように、前記下部鉄筋を前記プレート上でスライドさせて前記上部鉄筋を前記プレートの上方に移動させる工程と、
    前記上部鉄筋を上方の位置で支持する工程と、
    を具備することを特徴とするデッキプレートの設置方法。
  8. 鉄筋部材を用いた鉄筋コンクリート構造の施工方法であって、
    前記鉄筋部材は、少なくとも一対の下部鉄筋と、前記下部鉄筋にほぼ平行に配置される上部鉄筋と、前記上部鉄筋および前記下部鉄筋に対して斜めに配置され、前記上部鉄筋と前記下部鉄筋とを連結するラチス鉄筋と、
    を具備し、
    前記鉄筋部材が折り畳まれた状態から、前記下部鉄筋同士を近づけるように移動させて、前記上部鉄筋を上方に移動可能であり、
    前記鉄筋部材を折り畳んだ状態から、前記下部鉄筋をスライドさせて前記上部鉄筋を上方に移動させる工程と、
    型枠及び前記鉄筋部材を設置する工程と、
    前記鉄筋部材が設置された前記型枠内にコンクリートを打設する工程と、
    を具備することを特徴とする鉄筋コンクリート構造の施工方法。
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