JP7248202B1 - 二酸化炭素吸収モジュール、二酸化炭素吸収塔、二酸化炭素吸収装置及び二酸化炭素吸収方法 - Google Patents

二酸化炭素吸収モジュール、二酸化炭素吸収塔、二酸化炭素吸収装置及び二酸化炭素吸収方法 Download PDF

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Abstract

本開示の一態様に係る二酸化炭素吸収モジュールは、二酸化炭素吸収材と、上記二酸化炭素吸収材を覆う溶液と、上記溶液に二酸化炭素を供給する供給部とを備える。

Description

本開示は、二酸化炭素吸収モジュール、二酸化炭素吸収塔、二酸化炭素吸収装置及び二酸化炭素吸収方法に関する。
工業設備、居住空間等において二酸化炭素を回収するため、二酸化炭素を吸収可能な材料(以下、「二酸化炭素吸収材」ともいう)の活用が検討されている(特許文献1参照)。
特開2017-109198号公報
本開示の一態様に係る二酸化炭素吸収モジュールは、二酸化炭素吸収材と、上記二酸化炭素吸収材を覆う溶液と、上記溶液に二酸化炭素を供給する供給部とを備える。
図1は、本開示の一実施形態に係る二酸化炭素吸収モジュール及びこの二酸化炭素吸収モジュールを備える二酸化炭素吸収装置の模式的斜視図である。 図2は、図1の二酸化炭素吸収装置の模式的II-II線断面図である。 図3は、図1の二酸化炭素吸収モジュールにおける支持体の変形例を示す模式的断面図である。 図4は、図1の二酸化炭素吸収モジュールにおける支持体の図3とは異なる変形例を示す模式的断面図である。 図5は、本開示の図1とは異なる形態に係る二酸化炭素吸収モジュール及びこの二酸化炭素吸収モジュールを備える二酸化炭素吸収塔を示す模式図である。 図6は、本開示の一実施形態に係る二酸化炭素吸収方法を示すフロー図である。
[本開示が解決しようとする課題]
特許文献1には、水と二酸化炭素とを含む気体中から二酸化炭素を吸収する二酸化炭素吸収材が記載されている。特許文献1には、水分及び二酸化炭素を含む気体と、二酸化炭素吸収材とを密閉容器内に配置することで、二酸化炭素吸収材によって二酸化炭素を吸収させることが記載されている。しかしながら、特許文献1に記載された技術を用いると、水分の不足等に起因して二酸化炭素の吸収を十分に図り難い。
本開示は上記事情に基づいてなされたものであり、二酸化炭素の吸収効率に優れる二酸化炭素吸収モジュールを提供することを目的とする。
[本開示の効果]
本開示の一態様に係る二酸化炭素吸収モジュールは、二酸化炭素の吸収効率に優れる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の一態様に係る二酸化炭素吸収モジュールは、二酸化炭素吸収材と、上記二酸化炭素吸収材を覆う溶液と、上記溶液に二酸化炭素を供給する供給部とを備える。
当該二酸化炭素吸収モジュールは、二酸化炭素が溶解した上記溶液によって上記二酸化炭素吸収材を覆うことができる。このとき、溶解した二酸化炭素の一部は、炭酸イオンに変化する。そのため、上記二酸化炭素吸収材は、上記溶液中に溶解している炭酸イオンを容易に吸収することができる。したがって、当該二酸化炭素吸収モジュールは、二酸化炭素の吸収効率に優れる。
(2)上記(1)において、上記二酸化炭素吸収材としては、層状複水酸化物、塩基性金属酸化物又は塩基性金属水酸化物であってもよい。上記二酸化炭素吸収材が層状複水酸化物、塩基性金属酸化物又は塩基性金属水酸化物であることによって、上記溶液中の炭酸イオンをより容易に吸収することができる。
(3)上記(1)又は(2)において、上記二酸化炭素の上記溶液への溶解を促進する溶解促進機構を備えていてもよい。このように溶解促進機構を備えることによって、上記溶液中の炭酸イオンを増大しやすい。このため、二酸化炭素の吸収効率をより向上できる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、上記溶液が、上記二酸化炭素の上記溶液への溶解を促進する溶解促進剤を含んでもよい。このように上記溶液が溶解促進剤を含むことによって、上記溶液中の二酸化炭素量を増大しやすい。このため、二酸化炭素の吸収効率をより向上できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、上記溶液中における上記二酸化炭素の溶解速度が上記二酸化炭素吸収材の炭酸化速度以下であってもよい。このように上記溶液中における上記二酸化炭素の溶解速度が上記二酸化炭素吸収材の炭酸化速度以下であることによって、上記供給部から供給された二酸化炭素を上記二酸化炭素吸収材によってより確実に吸収することができる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、複数の上記二酸化炭素吸収材を備えており、上記複数の二酸化炭素吸収材の平均粒子径が5nm以上500nm以下であってもよい。上記複数の二酸化炭素吸収材の平均粒子径が上記下限以上であることによって、上記二酸化炭素吸収材と上記溶液との接触面積を大きくすることができる。また、上記平均粒子径が上記上限以下であることによって、炭酸イオンを上記二酸化炭素吸収材の結晶内部まで浸透させやすい。このため、二酸化炭素の吸収効率をより向上できる。
(7)上記(6)において、上記複数の二酸化炭素吸収材を上記溶液中で分散させる分散機構を備えており、上記分散機構が、上記複数の二酸化炭素吸収材の平均粒子径を5nm以上500nm以下に維持してもよい。このように上記複数の二酸化炭素吸収材を上記溶液中で分散させる分散機構を備えることによって、上記二酸化炭素吸収材が凝集することを抑制しつつ、上記二酸化炭素吸収材の適切な粒子径を容易に維持することができる。
(8)上記(1)から(7)のいずれかにおいて、上記溶液のpHが6よりも大きくてもよい。このように上記溶液のpHが上記下限よりも大きいことによって、上記溶液中の化学平衡が炭酸イオンの比率を増大させるように移行しやすい。このため、二酸化炭素の吸収効率をより向上できる。
(9)上記(1)から(8)のいずれかにおいて、上記溶液がpH緩衝剤を含んでいてもよい。このように上記溶液がpH緩衝剤を含むことによって、上記溶液中の炭酸イオンの比率が増大した状態を維持しやすい。このため、二酸化炭素の吸収効率を容易に維持することができる。
(10)上記(1)から(9)のいずれかにおいて、上記溶液に塩基性物質を供給する溶液調整機構を備えていてもよい。このように溶液調整機構を備えることによって、上記溶液中の炭酸イオンの比率が増大した状態を維持しやすい。このため、二酸化炭素の吸収効率を容易に維持することができる。
(11)上記(1)から(10)のいずれかにおいて、上記二酸化炭素吸収材の活性が低下した際に、この活性の低下を表示する表示機構を備えていてもよい。このように上記二酸化炭素吸収材の活性の低下を表示する表示機構を備えることによって、二酸化炭素の吸収効率を維持するように上記溶液の環境を制御しやすい。
(12)上記(1)から(11)のいずれかにおいて、複数の上記二酸化炭素吸収材を備えており、上記複数の二酸化炭素吸収材に上記溶液を散布する散布機構を備えていてもよい。このように上記複数の二酸化炭素吸収材に上記溶液を散布する散布機構を備えることによって、上記溶液を上記複数の二酸化炭素吸収材に均一に接触させることができる。これにより、二酸化炭素の吸収効率を向上しやすい。
(13)上記(12)において、上記複数の二酸化炭素吸収材を格納する格納部を備えていてもよい。このように上記複数の二酸化炭素吸収材を格納する格納部を備えることによって、所定の位置に格納した複数の二酸化炭素吸収材に対して均一に接触するように上記溶液を供給しやすい。
(14)上記(1)から(13)のいずれかにおいて、上記二酸化炭素吸収材が配置される多孔質の支持体を備えていてもよい。このように上記二酸化炭素吸収材が配置される多孔質の支持体を備えることによって、上記二酸化炭素吸収材を安定的に保持しやすい。
(15)上記(14)において、上記支持体が多孔質粒子であり、上記二酸化炭素吸収材が配置された状態における上記多孔質粒子の平均粒子径が10mm以下であってもよい。このように上記多孔質粒子の平均粒子径が上記上限以下であることによって、系全体の均一化を図ることで、上記二酸化炭素吸収材による炭酸イオンの吸収効率を向上しやすい。なお、上記二酸化炭素吸収材を上記多孔質粒子に容易に配置する観点から、上記多孔質粒子の平均粒子径の下限としては1.0×10-5mmであってもよい。
(16)上記(14)において、上記支持体が多孔質糸又は多孔質シートであり、上記支持体に複数の上記二酸化炭素吸収材が配置されていてもよい。このように上記支持体が多孔質糸又は多孔質シートであり、上記支持体に上記複数の二酸化炭素吸収材が配置されていることによって、上記複数の二酸化炭素吸収材に炭酸イオンを容易かつ確実に接触させることができる。
(17)上記(14)から(16)のいずれかにおいて、複数の上記支持体を備えており、上記複数の支持体が互いに間隔を空けて配置されていてもよい。このように上記複数の支持体が互いに間隔を空けて配置されていることによって、上記複数の二酸化炭素吸収材を炭酸イオンと接触しやすい状態で容易かつ安定的に保持することができる。
(18)本開示の別の一態様に係る二酸化炭素吸収塔は、上記(1)から(17)のいずれかの二酸化炭素吸収モジュールを備える。
当該二酸化炭素吸収塔は、当該二酸化炭素吸収モジュールを備えるため、二酸化炭素の吸収効率に優れる。
(19)本開示の別の一態様に係る二酸化炭素吸収装置は、上記(1)から(17)のいずれかの二酸化炭素吸収モジュールと、上記溶液が貯留される貯留槽とを備えており、上記二酸化炭素吸収材が上記溶液中に浸漬している。
当該二酸化炭素吸収装置は、当該二酸化炭素吸収モジュールを備え、上記二酸化炭素吸収材が上記溶液中に浸漬しているため、二酸化炭素の吸収効率に優れる。
(20)本開示の別の一態様に係る二酸化炭素吸収方法は、溶液に覆われた二酸化炭素吸収材に炭酸イオンを接触させる工程を備える。
当該二酸化炭素吸収方法は、上記溶液が上記二酸化炭素吸収材を覆うので、上記二酸化炭素吸収材の炭酸化が促進される。このため、当該二酸化炭素吸収方法は、二酸化炭素の吸収効率に優れる。
本開示において、「二酸化炭素吸収材を覆う溶液」とは、二酸化炭素吸収材が溶液に覆われた状態となればよく、二酸化炭素吸収材が常時溶液に覆われている構成に限定されない。また、二酸化炭素吸収材が部分的に溶液に覆われた状態となればよく、二酸化炭素吸収材の全体が溶液に覆われている構成に限定されない。さらに、二酸化炭素吸収材は、布等の溶液を伝達するための部材に接していてもよく、この部材を通って伝達される溶液に覆われるように設けられてもよい。「供給部」が供給する二酸化炭素の形態は気体に限定されず、溶液中に溶解した状態であってもよい。すなわち、供給部は二酸化炭素を例えば炭酸イオンの形態で供給するものであってもよい。「粒子径」とは、二次粒子における粒子径を意味する。ただし、二次粒子を構成していない場合、一次粒子の粒子径を意味する。「平均粒子径」とは、JIS-Z-8819-2:2001に準拠し計算される体積基準積算分布が50%となる値であるメジアン径(D50)を意味する。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、適宜図面を参照しつつ、本開示の実施の形態を詳説する。
[第一実施形態]
図1及び図2の二酸化炭素吸収モジュール101は、二酸化炭素吸収材10と、二酸化炭素吸収材10を覆う溶液20と、溶液20に二酸化炭素を供給する供給部30とを備える。図1及び図2に示すように、当該二酸化炭素吸収モジュール101は、二酸化炭素吸収装置1に配置されている。
当該二酸化炭素吸収モジュール101は、二酸化炭素が溶解した溶液20によって二酸化炭素吸収材10を覆うことができる。このとき、溶解した二酸化炭素の一部は、炭酸イオンに変化する。そのため、二酸化炭素吸収材10は、溶液20中に溶解している炭酸イオンを容易に吸収することができる。したがって、当該二酸化炭素吸収モジュール101は、二酸化炭素の吸収効率に優れる。
当該二酸化炭素吸収モジュール101及び二酸化炭素吸収装置1は、例えば生産設備、居住空間、オフィス等において二酸化炭素を吸収又は回収するために使用される。当該二酸化炭素吸収モジュール101及び当該二酸化炭素吸収装置1の大きさは、使用場所や目的に応じて適宜設定される。以下、当該二酸化炭素吸収モジュール101及び当該二酸化炭素吸収モジュール101を備える当該二酸化炭素吸収装置1について詳説する。
<二酸化炭素吸収モジュール>
当該二酸化炭素吸収モジュール101は、二酸化炭素が溶解した溶液20で二酸化炭素吸収材10を覆うことで、溶液20中に生成された炭酸イオンを二酸化炭素吸収材10によって吸収する。当該二酸化炭素吸収モジュール101は、複数の二酸化炭素吸収材10を備える。また、当該二酸化炭素吸収モジュール101は、二酸化炭素の溶液20への溶解を促進する溶解促進機構40と、複数の二酸化炭素吸収材10を溶液20中で分散させる分散機構50と、溶液20に塩基性物質を供給する溶液調整機構60と、二酸化炭素吸収材10の活性の低下を表示する表示機構90と、二酸化炭素吸収材10が配置される多孔質の支持体71aとを備える。
(二酸化炭素吸収材)
二酸化炭素吸収材10は、粒子状であり、より詳しくは粉末状である。二酸化炭素吸収材10としては、溶液20に覆われた状態で二酸化炭素(より詳しくは炭酸イオン)との化学反応性を喪失しないものが用いられる。二酸化炭素吸収材10としては、例えば層状複水酸化物(LDH:Layered Double Hydroxite)、塩基性金属酸化物及び塩基性金属水酸化物が挙げられる。二酸化炭素吸収材10は、層状複水酸化物、塩基性金属酸化物又は塩基性金属水酸化物であることで、溶液20中の炭酸イオンをより容易に吸収することができる。当該二酸化炭素吸収モジュール101は、二酸化炭素吸収材10として、層状複水酸化物、塩基性金属酸化物及び塩基性金属水酸化物の1種のみを有していてもよく、2種以上を有していてもよい。
〔層状複水酸化物〕
上記層状複水酸化物は、炭酸イオンを吸収した後に比較的低温で加熱することによって二酸化炭素を放出する。このため、上記層状複水酸化物によると、二酸化炭素吸収材10の再利用効率を向上できる。
上記層状複水酸化物は、下記式(1)で表される化合物としてもよい。
[M11-x 2+M2 3+(OH)x+[Ax/n n-・yHO]x- ・・・(1)
上記式(1)において、M1は2価の金属であり、M2は3価の金属であり、An-はn価の陰イオンであり、xは0.2以上0.33以下の数であり、nは1以上の整数である。上記M1としては、Mg、Mn、Ni、Zn等が挙げられる。上記M2としては、Al、Cr、Fe、Co等が挙げられる。上記An-としては、OH、Cl、NO 、CO 2-、SO 2-、[Fe(CN)3-等が挙げられる。上記層状複水酸化物は、溶液20中で基本層[M11-x 2+M2 3+(OH)x+の間にAn-及び水を取り込むことができる。上記層状複水酸化物としては、M1がMgであり、かつM2がAlであるMg-Al系、M1がMgであり、かつM2がFeであるMg-Fe系、M1及びM2がともにFeであるFe-Fe系、又はM1がZnであり、かつM2がAlであるZn-Al系であってもよい。上記層状複水酸化物をMg-Al系、Mg-Fe系、Fe-Fe系又はZn-Al系とすることによって、An-として炭酸イオン(CO 2-)を容易に取り込むことができる。
〔塩基性金属酸化物〕
上記塩基性金属酸化物は、上記層状複水酸化物と比較して、金属のモル基準の含有量あたりに吸収する炭酸イオンの比率が大きい。このため、上記塩基性金属酸化物を用いることによって、二酸化炭素の吸収効率を向上できる。
上記塩基性金属酸化物は、化学式MO(Mは金属)で表される化合物であってもよい。上記Mとしては、Ca、Mg、Ba等が挙げられる。上記塩基性金属酸化物は、溶液20中で水酸化して塩基性金属水酸化物(M(OH))を生成し得、さらに炭酸イオン(CO 2-)と反応してMCOに変化し得る。すなわち、上記塩基性金属酸化物は、溶液20中で炭酸イオンと反応することによって容易に炭酸化する。なお、炭酸化した上記塩基性金属酸化物は、加熱することによって再利用できる。
〔塩基性金属水酸化物〕
二酸化炭素吸収材10としては、当初より塩基性金属水酸化物の状態で準備されたものを用いてもよい。二酸化炭素吸収材10として、上記塩基性金属水酸化物を用いることで、溶液20を塩基性に保ちやすい。その結果、溶液20中の炭酸イオンの比率が大きい状態を維持しやすい。
複数の二酸化炭素吸収材10の平均粒子径の下限としては、二酸化炭素吸収材10と溶液20との接触面積を大きくする観点から、5nmであってもよく、10nmであってもよく、15nmであってもよい。一方、上記平均粒子径の上限としては、炭酸イオンを二酸化炭素吸収材10の結晶内部まで浸透させやすい観点から、500nmであってもよく、200nmであってもよく、100nmであってもよく、50nmであってもよく、30nmであってもよい。また、上記平均粒子径としては、5nm以上500nm以下であってもよく、10nm以上200nm以下であってもよく、10nm以上100nm以下であってもよく、10nm以上50nm以下であってもよく、10nm以上30nm以下であってもよく、15nm以上30nm以下であってもよい。
(支持体)
支持体71aには、複数の二酸化炭素吸収材10が配置される。当該二酸化炭素吸収モジュール101は、支持体71aを備えることで、二酸化炭素吸収材10を安定的に保持することができる。また、この構成によると、二酸化炭素を吸収した後の二酸化炭素吸収材10を回収しやすい。そのため、当該二酸化炭素吸収モジュール101で吸収した二酸化炭素を他の用途等に利用しやすい。
図1及び図2において、支持体71aは、多孔質シートである。すなわち、図1及び図2においては、1枚の多孔質シートに複数の二酸化炭素吸収材10が配置されている。支持体71aが多孔質シートであることで、二酸化炭素吸収材10に炭酸イオンを容易かつ確実に接触させることができる。また、1枚の多孔質シートには、複数の二酸化炭素吸収材10が間隔を空けて配置されている。支持体71aが多孔質シートであることで、複数の二酸化炭素吸収材10を互いに間隔を空けつつ、容易に配置することができる。その結果、二酸化炭素吸収材10の凝集を抑制し、二酸化炭素吸収材10による炭酸イオンの吸収効果を向上しやすい。
支持体71aとしては、例えば布、不織布シート、織物シート、スポンジシート、和紙等のセルロース繊維シート、炭素繊維シート、アルミナ製等のセラミックス繊維シート、銅製、ステンレス製等の金属繊維シートが挙げられる。また、支持体71aは、後述する溶液20による変質及び浸食を防ぐべく、金めっき、樹脂コーティング等の表面処理を施したものであってもよい。
二酸化炭素吸収材10は、支持体71aの表面に配置されてもよく、支持体71aの内部に配置されてもよい。また、二酸化炭素吸収材10は、支持体71aを担体として、支持体71aの表面又は孔部に担持されていてもよい。
上記支持体としては、上記多孔質シートに限定されるものではなく、例えば多孔質粒子であってもよく、多孔質糸であってもよい。以下、図3及び図4を参照して、二酸化炭素吸収材10が上記多孔質粒子又は上記多孔質糸に配置される構成について説明する。なお、上記多孔質粒子又は上記多孔質糸に配置される場合でも、二酸化炭素吸収材10は、支持体71b、71cの表面に配置されてもよく、支持体71b、71cの内部に配置されてもよい。また、支持体71b、71cを担体として、支持体71b、71cの表面又は孔部に担持されていてもよい。
図3の支持体71bは多孔質粒子である。図3においては、1つの多孔質粒子に複数の二酸化炭素吸収材10が配置されている。より詳しくは、1つの多孔質粒子に複数の二酸化炭素吸収材10が間隔を空けて配置されている。このように配置されていることで、二酸化炭素吸収材10の凝集を抑制し、二酸化炭素吸収材10による炭酸イオンの吸収効果を向上しやすい。
上記多孔質粒子としては、例えばシリカゲル、吸水ポリマー、活性炭粒子、多孔質ガラス、多孔質金属粒子が挙げられる。また、上記多孔質粒子は、後述する溶液20による変質及び浸食を防ぐべく、金めっき、樹脂コーティング等の表面処理を施したものであってもよい。上記多孔質粒子の平均粒子径の下限としては、二酸化炭素吸収材10を容易に配置する観点から、二酸化炭素吸収材10の平均粒子径の2倍であってもよく、5倍であってもよく、10倍であってもよい。また、上記多孔質粒子の平均粒子径の下限としては、1.0×10-5mmであってもよく、2.5×10-5mmであってもよく、5.0×10-5mmであってもよい。上記多孔質粒子の平均粒子径の上限としては、系全体の均一化を図ることで、二酸化炭素吸収材10による炭酸イオンの吸収効率を向上しやすくする観点から、10mmであってもよい。上記多孔質粒子の平均粒子径の上限としては、二酸化炭素吸収材10の平均粒子径の200倍であってもよく、100倍であってもよく、50倍であってもよい。上記多孔質粒子の平均粒子径としては、二酸化炭素吸収材10の平均粒子径の2倍以上200倍以下であってもよく、5倍以上100倍以下であってもよく、10倍以上50倍以下であってもよい。上記多孔質粒子の平均粒子径としては、1.0×10-5mm以上10mm以下であってもよく、2.5×10-5mm以上10mm以下であってもよく、5.0×10-5mm以上10mm以下であってもよい。
図4の支持体71cは多孔質糸である。図4においては、1つの多孔質糸に複数の二酸化炭素吸収材10が配置されている。支持体71cが多孔質糸であることで、複数の二酸化炭素吸収材10に炭酸イオンを容易かつ確実に接触させることができる。また、1つの多孔質糸には複数の二酸化炭素吸収材10が間隔を空けて配置されている。支持体71cが多孔質糸であることで、複数の二酸化炭素吸収材10を互いに間隔を空けつつ、容易に配置することができる。その結果、二酸化炭素吸収材10の凝集を抑制し、二酸化炭素吸収材10による炭酸イオンの吸収効果を向上しやすい。
上記多孔質糸としては、多数の孔を有する限り特に限定されるものではないが、例えば繊維状骨格を有する中空糸膜を用いることができる。
支持体71a、71b、71cの平均細孔径の下限としては、通気性を確保する観点から又は二酸化炭素吸収材10を容易に担持させる観点から、二酸化炭素吸収材10の平均粒子径の等倍であってもよく、3倍であってもよく、5倍であってもよく、10倍であってもよい。また、支持体71a、71b、71cの平均細孔径の上限としては、特に限定されないが、例えば二酸化炭素吸収材10の平均粒子径の100倍であってもよい。ここで、「平均細孔径」は、JIS-Z-8830-2:2013に準拠してガス吸着法によって求められるBET比表面積及び細孔容積から算出される。
当該二酸化炭素吸収モジュール101における上記支持体の個数は、特に限定されるものではなく、1つであってもよく、複数であってもよい。当該二酸化炭素吸収モジュール101が複数の上記支持体を有する場合、これらの支持体としては、上記多孔質シート、上記多孔質粒子及び上記多孔質糸のいずれか1種であってもよく、上記多孔質シート、上記多孔質粒子及び上記多孔質糸の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
当該二酸化炭素吸収モジュール101が複数の上記支持体を有する場合、上記複数の支持体は互いに間隔を空けて配置されていてもよい。このように構成されていることで、複数の二酸化炭素吸収材10を炭酸イオンと接触しやすい状態で容易かつ安定的に保持することができる。
図1及び図2に示すように、複数の支持体71aが互いに間隔を空けて配置されている場合、これらの支持体71aはスペーサ72を挟んで配置されていてもよい。図1及び図2では、複数の支持体71aが、その厚さ方向にスペーサ72と交互に配置されている。より詳しくは、複数の支持体71aは、シート面をスペーサ72と接しながら、スペーサ72と交互に配置されている。複数の支持体71aはスペーサ72と固定されていてもよい。当該二酸化炭素吸収モジュール101において、複数の二酸化炭素吸収材10、複数の支持体71a及び複数のスペーサ72は、全体として二酸化炭素吸収部70を構成している。
スペーサ72は、例えば板状である。スペーサ72は、その板面を支持体71aに接した状態で、支持体71aと交互に配置されている。スペーサ72は、多孔質体である。スペーサ72は、多孔質体であることで、炭酸イオンが二酸化炭素吸収材10に至る通路を構成する。スペーサ72としては、例えばメッシュ体及びスポンジ体が挙げられる。なお、スペーサ72としては、板状に限定されるものではなく、支持体71aの一部分のみに接する棒状部材等であってもよい。当該二酸化炭素吸収モジュール101は、スペーサ72を備えることで、複数の支持体71aを、互いに間隔を保ちつつ高密度で配置しやすい。
(供給部)
供給部30は、二酸化炭素を含む気体を溶液20に供給する。より詳しくは、供給部30は、溶液20が貯留された後述の貯留槽102に二酸化炭素を含む気体を供給することで、溶液20に二酸化炭素を供給する。供給部30は、例えば貯留槽102の下部から貯留槽102内に二酸化炭素を供給可能な供給管を含む。
(溶液)
溶液20は、複数の二酸化炭素吸収材10を常時覆っている。当該二酸化炭素吸収モジュール101では、複数の二酸化炭素吸収材10が溶液20中に浸漬しており、より詳しくは二酸化炭素吸収部70が溶液20中に浸漬している。
溶液20は、溶媒としての水を含む。また、溶液20は、二酸化炭素の溶液20への溶解を促進する溶解促進剤を含んでいてもよく、pH緩衝材を含んでいてもよく、溶液20の溶液20中で塩基性を示す塩を含んでいてもよい。
溶液20には、供給部30から二酸化炭素を含む気体が供給される。その結果、溶液20中では下記式(2)及び下記式(3)で表される化学平衡が発生し、炭酸イオン(CO 2-)が生成される。なお、下記式(2)及び下記式(3)においてaqは水和状態を意味する。
CO(aq)=H(aq)+HCO (aq) ・・・(2)
HCO (aq)=H(aq)+CO 2-(aq) ・・・(3)
溶液20のpHは6より大きくてもよい。このように構成されることで、溶液20中の化学平衡が炭酸イオンの比率を増大させるように移行しやすい(すなわち、上記式(2)及び上記式(3)の化学平衡がそれぞれ右辺側に移行しやすい)。また、これにより二酸化炭素吸収材10の活性が高まりやすい。このため、炭酸イオンの吸収効率をより向上できる。溶液20のpHの下限としては、溶液20中における炭酸イオンの生成量を増大させる観点から、8であってもよく、10であってもよい。一方、溶液20のpHの上限としては、特に限定されるものではないが、溶液20のpHを制御しやすくする観点から、例えば13とすることができる。また、溶液20のpHとしては、6以上13以下であってもよく、8以上13以下であってもよく、10以上13以下であってもよい。
〔溶解促進剤〕
上記溶解促進剤としては、例えば炭酸脱水酵素が挙げられる。炭酸脱水酵素は上記式(2)において炭酸水素イオン(HCO )の生成を促進する。このように溶液20が上記溶解促進剤を含むことによって、溶液20中における炭酸イオンの量を増大しやすい。このため、二酸化炭素の吸収効率をより向上できる。
〔pH緩衝剤〕
上記pH緩衝剤(バッファー)は、溶液20のpHが小さくなることを抑制する。上記pH緩衝材としては、塩化アンモニウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。このように溶液20がpH緩衝剤を含むことによって、溶液20中の炭酸イオンの比率が増大した状態を維持しやすい。このため、二酸化炭素の吸収効率を容易に維持することができる。
〔塩〕
溶液20中で塩基性を示す塩、すなわち溶液20に溶解して塩基性を示す塩としては、塩化水酸化カルシウム、塩化水酸化マグネシウム、ポリ塩化第二鉄等が挙げられる。なお、上述した塩基性金属水酸化物(M(OH))を上記塩として用いてもよい。このように溶液20が上記塩を含むことによって、溶液20のpHを容易に大きくすることができる。これにより、溶液20中の化学平衡が炭酸イオンの比率を増大させるように移行しやすい。また、二酸化炭素吸収材10が上述の塩基性金属酸化物の場合、二酸化炭素吸収材10が炭酸イオンを吸収する活性を維持しやすい。
(溶解促進機構)
溶解促進機構40は、上述のように二酸化炭素の溶液20への溶解を促進する。当該二酸化炭素吸収モジュール101は、溶解促進機構40を備えることで、溶液20中の二酸化炭素量を増大しやすい。このため、二酸化炭素の吸収効率をより向上できる。
溶解促進機構40としては、例えば溶液20中にナノバブル、マイクロバブル等の微細気泡を発生可能な気泡発生装置(バブリング装置)、溶液20中にキャビテーション気泡を発生可能な超音波発生装置、溶液20の水温を下げ、かつ二酸化炭素の分圧を高めることが可能な温度圧力制御装置が挙げられる。
図1及び図2では、溶解促進機構40として、上記気泡発生装置を備えている。上記気泡発生装置は、供給部30から貯留槽102に至る二酸化炭素の流路に配置されている。上記気泡発生装置は、二酸化炭素を含む気体を微細気泡化して溶液20に供給する。
上記微細気泡の気泡径の上限としては、二酸化炭素と溶液20との接触面積を、当該二酸化炭素吸収モジュール101全体として大きくする観点から、1.0μmであってもよく、0.8μmであってもよく、0.6μmであってもよい。一方、上記微細気泡の気泡径の下限としては、特に限定されるものではないが、例えば0.005μmとすることができる。また、上記微細気泡の気泡径としては、0.005μm以上1.0μm以下であってもよく、0.005μm以上0.8μm以下であってもよく、0.005μm以上0.6μm以下であってもよい。なお、「気泡径」とは、気泡発生装置から吐出される時点での径を意味する。
供給部30から貯留槽102内に供給される気体における二酸化炭素の分圧の下限としては、二酸化炭素吸収材10による炭酸イオンの吸収効率を向上する観点から、4.0×10-5MPaであってもよく、6.0×10-5MPaであってもよく、8.0×10-5MPaであってもよい。一方、上記分圧の上限としては、特に限定されないが、例えば1.0×10-1MPaとすることができる。また、上記分圧としては、4.0×10-5MPa以上1.0×10-1MPa以下であってもよく、6.0×10-5MPa以上1.0×10-1MPa以下であってもよく、8.0×10-5MPa以上1.0×10-1MPa以下であってもよい。そのため、溶解促進機構40が上記温度圧力制御装置である場合、溶解促進機構40は二酸化炭素の分圧を上記範囲内に制御してもよい。
また、溶解促進機構40が上記温度圧力制御装置である場合、溶解促進機構40によって制御される溶液20の温度の上限としては、二酸化炭素吸収材10による炭酸イオンの吸収効率を向上する観点から、10℃であってもよく、5℃であってもよい。一方、上記温度の下限としては、溶液20が固化しない範囲で設定可能であり、例えば1℃とすることができる。また、上記温度としては、1℃以上10℃以下であってもよく、1℃以上5℃以下であってもよい。
(分散機構)
分散機構50は、複数の二酸化炭素吸収材10を溶液20中で分散させる。分散機構50は、複数の二酸化炭素吸収材10の平均粒子径を維持する。分散機構50によって維持される複数の二酸化炭素吸収材10の平均粒子径の下限としては、5nmであってもよく、10nmであってもよく、15nmであってもよい。一方、分散機構50によって維持される複数の二酸化炭素吸収材10の平均粒子径の上限としては、500nmであってもよく、200nmであってもよく、100nmであってもよく、50nmであってもよく、30nmであってもよい。また、上記平均粒子径としては、5nm以上500nm以下であってもよく、10nm以上200nm以下であってもよく、10nm以上100nm以下であってもよく、10nm以上50nm以下であってもよく、10nm以上30nm以下であってもよく、15nm以上30nm以下であってもよい。当該二酸化炭素吸収モジュール101は、分散機構50を備えることで、二酸化炭素吸収材10が凝集することを抑制しつつ、二酸化炭素吸収材10の適切な粒子径を容易に維持することができる。
分散機構50は、複数の二酸化炭素吸収材10が凝集しやすい場合に、特に有効に機能する。例えば複数の二酸化炭素吸収材10が支持体71a、71b、71cに配置されていない場合には、二酸化炭素吸収材10の凝集が一時的に生じ得ることがある。このような場合、二酸化炭素を溶液20に供給する際に分散機構50によって複数の二酸化炭素吸収材10を分散させることで、二酸化炭素吸収材10の適切な粒子径を容易に維持することができる。また、二酸化炭素吸収材10が上述の多孔質粒子に配置されている場合には、分散機構50を備えることで、上記多孔質粒子同士を溶液20中に分散させ、上記多孔質粒子の適切な粒子径を容易に維持することができる。さらに、当該二酸化炭素吸収モジュール101が分散機構50を備えることで、二酸化炭素吸収材10が二酸化炭素を吸収しやすいように、溶液20を含めた系全体の均一化を図ることができる。
分散機構50としては、溶液20に水流を発生させるもの等が使用でき、例えば超音波発生装置、攪拌装置等を用いることができる(図1では超音波発生装置を図示)。
(溶液調整機構)
溶液調整機構60は、溶液20のpHが低下した際に、溶液20に塩基性物質を供給する。上記塩基性物質としては、上述した塩及びこの塩が溶解した溶液が挙げられる。溶液調整機構60が上記塩基性物質の供給を開始する溶液20のpHの下限としては、5であってもよく、6であってもよく、7であってもよい。溶液調整機構60によって、溶液20中の炭酸イオンの比率が増大した状態をさらに維持しやすい。このため、二酸化炭素の吸収効率をより容易に維持することができる。溶液調整機構60は、後述する表示機構90による表示に基づいて上記塩基性物質の供給の開始及び終了を制御してもよい。
(表示機構)
表示機構90は、二酸化炭素吸収材10の活性が低下した際に、この活性の低下を表示する。当該二酸化炭素吸収モジュール101は、このような表示機構90を備えることで、二酸化炭素の吸収効率を維持するように溶液20の環境を制御しやすい。
上述のように、当該二酸化炭素吸収モジュール101においては、溶液20のpHは二酸化炭素吸収材10の活性と相関している。そのため、表示機構90はpH指示薬を含んでいてもよく、pH計を含んでいてもよい。より具体的には、表示機構90は、溶液20に供給されるpH指示薬を含んでいてもよく、溶液20のpHを測定可能なpH計を含んでいてもよい。pH指示薬又pH計によって溶液20のpHを表示することで、二酸化炭素吸収材10の活性の低下を表示することができる。
〔pH指示薬〕
pH指示薬としては、二酸化炭素吸収材10の活性の低下を表示できるものを使用でき、例えばpH6近傍の変化を表示できるものとして、ブロモクレゾールパープル、ブロモチモールブルー(BTB)、フェノールレッド、ニュートラルレッドが挙げられる。
当該二酸化炭素吸収モジュール101において、溶液20中における二酸化炭素の溶解速度が二酸化炭素吸収材10の炭酸化速度以下であってもよい。このように構成されていることで、供給部30から供給された二酸化炭素を二酸化炭素吸収材10によってより確実に吸収することができる。この観点から、供給部30から供給される気体における二酸化炭素の含有量[ppm]に対する溶液20から放出される気体(より具体的には後述の排気機構103から排出される気体)における二酸化炭素の含有量[ppm]の比の上限としては、0.8であってもよく、0.6であってもよく、0.4であってもよい。一方、上記比の下限としては、特に限定されないが、例えば0.1とすることができる。また、上記比としては、0.1以上0.8以下であってもよく、0.1以上0.6以下であってもよく、0.1以上0.4以下であってもよい。
<二酸化炭素吸収装置>
当該二酸化炭素吸収装置1は、当該二酸化炭素吸収モジュール101と、溶液20が貯留される貯留槽102とを備える。また、当該二酸化炭素吸収装置1は、溶液20から放出された気体を排出する排気機構103を備える。当該二酸化炭素吸収装置1において、二酸化炭素吸収材10は、溶液20中に浸漬している。
当該二酸化炭素吸収装置1は、当該二酸化炭素吸収モジュール101を備え、二酸化炭素吸収材10が溶液20中に浸漬しているため、二酸化炭素の吸収効率に優れる。
(貯留槽)
貯留槽102の形状は、二酸化炭素吸収モジュール101の形状に応じて適宜設定される。貯留槽102は、溶液20が貯留された状態で、溶液20中に上述の二酸化炭素吸収部70全体を浸漬できるように設けられている。
(排気機構)
排気機構103は、貯留槽102の上部に配置される。排気機構103は、溶液20中を上昇して溶液20の液面から放出された気体を当該二酸化炭素吸収装置1の外に排出する。
[第二実施形態]
図5の二酸化炭素吸収モジュール201は、二酸化炭素吸収材と、上記二酸化炭素吸収材を覆う溶液20と、溶液20に二酸化炭素を供給する供給部230とを備える。図5において、二酸化炭素吸収モジュール201は、二酸化炭素吸収塔2に配置されている。
当該二酸化炭素吸収モジュール201は、二酸化炭素が溶解した溶液20によって上記二酸化炭素吸収材を覆うことができる。このとき、溶解した二酸化炭素の一部は、炭酸イオンに変化する。そのため、上記二酸化炭素吸収材は、溶液20中に溶解している炭酸イオンを容易に吸収することができる。したがって、当該二酸化炭素吸収モジュール201は、二酸化炭素の吸収効率に優れる。
当該二酸化炭素吸収モジュール201及び当該二酸化炭素吸収塔2の大きさは、使用場所や目的に応じて適宜設定される。以下、当該二酸化炭素吸収モジュール201及び当該二酸化炭素吸収モジュール201を備える当該二酸化炭素吸収塔2について詳説する。
<二酸化炭素吸収モジュール>
当該二酸化炭素吸収モジュール201は、二酸化炭素が溶解した溶液20で上記二酸化炭素吸収材を覆うことで、溶液20中に生成された炭酸イオンを上記二酸化炭素吸収材によって吸収する。当該二酸化炭素吸収モジュール201は複数の上記二酸化炭素吸収材を備える。また、当該二酸化炭素吸収モジュール201は、上記複数の二酸化炭素吸収材を格納する格納部240と、上記複数の二酸化炭素吸収材に溶液20を散布する散布機構250とを備える。
(二酸化炭素吸収材)
当該二酸化炭素吸収モジュール201における上記二酸化炭素吸収材としては、第一実施形態における二酸化炭素吸収材10と同様のものを使用することができる。当該二酸化炭素吸収モジュール201において、上記二酸化炭素吸収材は、第一実施形態における二酸化炭素吸収材10と同様に、支持体71a、71b、71cに配置されていてもよい。また、当該二酸化炭素吸収モジュール201は、第一実施形態と同様に複数の支持体71a、71b、71cを備えていてもよい。複数の支持体71a、71b、71cは、互いに間隔を空けて配置されていてもよく、この際に第一実施形態と同様に、支持体71a、71b、71c間にスペーサが配置されてもよい。当該二酸化炭素吸収モジュール201において、上記複数の二酸化炭素吸収材、複数の支持体及び上記スペーサは、全体として二酸化炭素吸収部を構成する。
(溶液)
溶液20は、散布機構250によって散布されることで、上記複数の二酸化炭素吸収材を連続的に覆う。当該二酸化炭素吸収モジュール201における溶液20としては、第一実施形態における溶液20と同様のものを使用することができる。つまり、溶液20は、二酸化炭素の溶液20への溶解を促進する溶解促進剤を含んでいてもよく、pH緩衝剤を含んでいてもよく、溶液20中で塩基性を示す塩を含んでいてもよい。
(格納部)
格納部240は、上記複数の二酸化炭素吸収材を格納する容器である。格納部240は、上記二酸化炭素吸収部全体を格納する。格納部240は、溶液20が通過する複数の開口を有する。より詳しくは、格納部240は、散布機構250によって上方から散布された溶液20が上記複数の二酸化炭素吸収材を覆い、さらに上記複数の二酸化炭素吸収材を通過して下方から流出するための流路となる複数の開口を有する。当該二酸化炭素吸収モジュール201は、格納部240を備えることで、所定の位置に格納した上記複数の二酸化炭素吸収材に対して均一に接触するように溶液20を供給しやすい。
(散布機構)
散布機構250は、格納部240よりも上方に配置されている。散布機構250は、格納部240に上方から溶液20を散布する。散布機構250は、格納部240に溶液20を均一に散布するように設けられている。当該二酸化炭素吸収モジュール201は、散布機構250によって溶液20を上記複数の二酸化炭素吸収材に均一に接触させることで、二酸化炭素の吸収効率を向上しやすい。さらに、散布機構250によって散布された溶液20は、供給部230から供給されて後述する排気機構204に移動する二酸化炭素と、表面積の大きい液滴の状態で接触する。このため、二酸化炭素の吸収効率をより向上しやすい。加えて、当該二酸化炭素吸収モジュール201によると、散布機構250によって散布された溶液20は、格納部240に滞留しない。そのため、溶液20を適切なpHに制御しやすい。
(供給部)
供給部230は、格納部240に二酸化炭素を含む気体を供給する。図5において、供給部230は、格納部240に下方から二酸化炭素を含む気体を供給するように設けられている。より詳しくは、当該二酸化炭素吸収モジュール201は、散布機構250によって散布された溶液20が格納部240を通過して下方に落下する流路を有している。供給部230は、この流路内に、格納部240の下方から二酸化炭素を含む気体を供給する。供給部230は、上記流路内に供給された二酸化炭素が格納部240内で溶液20に溶解するように設けられている。供給部230は、上記流路内を二酸化炭素で満たすように設けられていてもよい。
供給部230は、上記流路内に二酸化炭素を含む気体を吐出する。供給部230から供給される上記気体における二酸化炭素の分圧の下限としては、散布機構250によって散布された溶液20に二酸化炭素を均一に溶解させる観点から、0.005MPaであってもよく、0.010MPaであってもよい。一方、上記分圧の上限としては、当該二酸化炭素吸収モジュール201の取扱性の観点から、例えば0.99MPaとすることができる。また、上記分圧としては、0.005MPa以上0.99MPa以下であってもよく、0.010MPa以上0.99MPa以下であってもよい。
<二酸化炭素吸収装塔>
当該二酸化炭素吸収塔2は、湿式スクラバーである。当該二酸化炭素吸収塔2は、当該二酸化炭素吸収モジュール201を備える。また、当該二酸化炭素吸収塔2は、当該二酸化炭素吸収モジュール201が配置される筐体203と、筐体203内の気体を排出する排気機構204と、格納部240から流出した溶液20を散布機構250に循環するポンプ205とを備える。
当該二酸化炭素吸収塔2は、当該二酸化炭素吸収モジュール201を備えるため、二酸化炭素の吸収効率に優れる。
(筐体)
筐体203は、上下に延びる筒状部と、上記筒状部の下方に配置される貯留部とを有する。上記筒状部は、例えば円筒状である。上記筒状部の上部には、散布機構250が配置されている。また、上記筒状部における散布機構250よりも下側には格納部240が配置されている。格納部240は、上記筒状部の軸方向の一部においてこの筒状部の内部空間を塞ぐように設けられている。上記筒状部における格納部240よりも下方の周壁には、供給部230が接続されている。上記筒状部の内部空間における散布機構250よりも下側の領域は、溶液20の流路を構成している。
上記貯留部は、上記筒状部の下端部に連続して設けられている。上記貯留部は、散布機構250によって散布されて格納部240を通過した溶液20を貯留する。上記貯留部に貯留される溶液20には、二酸化炭素が溶解していてもよい。
上記貯留部には、給水機構206及び排水機構207が接続されている。給水機構206及び排水機構207は、上記貯留部に貯留された溶液20のpHを調節するため、上記貯留部に溶液20を給水し、或いは上記貯留部に貯留された溶液20を排水してもよい。給水機構206は、上述の溶液調整機構として設けられてもよい。また、上記貯留部には、上述の表示機構が設けられてもよい。
(排気機構)
排気機構204は、格納部240よりも上方に配置されている。排気機構204は、例えば上記筒状部の頂部に配置されている。
(ポンプ)
ポンプ205は、上記貯留部に貯留された溶液20を吸い上げ、散布機構250に循環させる。
[第三実施形態]
[二酸化炭素吸収方法]
図6の二酸化炭素吸収方法は、溶液に覆われた二酸化炭素吸収材に炭酸イオンを接触させる工程(以下、「接触工程S2」ともいう)を備える。また、当該二酸化炭素吸収方法は、二酸化炭素を上記溶液に溶解させる工程(以下、「溶解工程S1」ともいう)を備える。
当該二酸化炭素吸収方法は、上記溶液が上記二酸化炭素吸収材を覆うので、上記二酸化炭素吸収材の炭酸化が促進される。このため、当該二酸化炭素吸収方法は、二酸化炭素の吸収効率に優れる。
当該二酸化炭素吸収方法は、上述の二酸化炭素吸収モジュール101又は二酸化炭素吸収モジュール201を用いて行うことができる。以下、当該二酸化炭素吸収方法について詳説する。
(溶解工程)
溶解工程S1は、例えば第一実施形態に記載の二酸化炭素吸収モジュール101を用いる場合であれば、供給部30から二酸化炭素を含む気体を溶液20に供給することで行う。また、溶解工程S1は、第二実施形態に記載の二酸化炭素吸収モジュール201を用いる場合であれば、散布機構250によって散布された溶液20に、供給部230から二酸化炭素を含む気体を供給することで行う。
溶解工程S1では、上述の溶解促進機構40によって二酸化炭素の溶液20への溶解を促進してもよい。また、溶解工程S1では、上述の分散機構50によって複数の二酸化炭素吸収材10を溶液20中で分散させてもよい。さらに、溶解工程S1では、上述の溶液調整機構60によって溶液20に塩基性物質を供給してもよく、上述の表示機構90によって上記二酸化炭素吸収材の活性の低下を表示してもよい。
(接触工程)
接触工程S2では、上記二酸化炭素吸収材に炭酸イオンを接触させることで、上記二酸化炭素吸収材に炭酸イオンを吸収させる。接触工程S2は、例えば第一実施形態に記載の二酸化炭素吸収モジュール101を用いる場合であれば、溶液20中で生成された炭酸イオンを、溶液20中に浸漬している二酸化炭素吸収材10に接触させる。また、接触工程S2は、第二実施形態に記載の二酸化炭素吸収モジュール201を用いる場合であれば、炭酸イオンを含む溶液20に格納部240を通過させることで、炭酸イオンを複数の二酸化炭素吸収材10に接触させる。
当該二酸化炭素吸収方法において、1つの上記二酸化炭素吸収材に炭酸イオンを吸収させる手順としては、溶解工程S1と接触工程S2とはこの順で行われる。一方で、上述の二酸化炭素吸収モジュール101、201全体としては、溶解工程S1と接触工程S2とは並行して行うことができる。この際、溶液20中における二酸化炭素の溶解速度が二酸化炭素吸収材10の炭酸化速度以下であってもよい。
なお、当該二酸化炭素吸収方法は、接触工程S2後に、炭酸イオンを吸収した上記二酸化炭素吸収材を回収する工程(「回収工程」ともいう)を備えていてもよい。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
当該二酸化炭素吸収モジュールは、上記実施形態に記載された二酸化炭素吸収装置及び二酸化炭素吸収塔以外の装置に配置することも可能である。
上記二酸化炭素吸収材の配置態様は上記実施形態に記載されている構成に限定されない。例えば上記二酸化炭素吸収材は、上記支持体に配置されていなくてもよい。また、上記二酸化炭素吸収材は、上述の多孔質粒子に配置された状態で、さらに別の支持体に配置されてもよい。
上記溶液は乳化剤(界面活性剤)を含んでいてもよい。このように上記溶液が乳化剤を含むことによって、上記乳化剤が上記二酸化炭素吸収材に吸着してミセルを形成するため、上記二酸化炭素吸収材が凝集することを抑制しつつ、上記二酸化炭素吸収材の適切な粒子径を容易に維持することができる。
上記乳化剤のHLB値の下限としては、上記二酸化炭素吸収材の凝集を十分に抑制する観点から、4であってもよく、6であってもよい。一方、上記乳化剤のHLB値の上限としては、特に限定されないが、例えば20とすることができる。また、上記乳化剤のHLB値としては、4以上20以下であってもよく、6以上20以下であってもよい。
上記乳化剤によって形成されるミセルのゼータ電位の絶対値の下限としては、上記ミセルの安定性を保つ観点から、20mVであってもよく、25mVであってもよい。一方、上記ミセルのゼータ電位の絶対値の上限としては、特に限定されないが、例えば40mVとすることができる。また、上記ミセルのゼータ電位の絶対値としては、20mV以上40mV以下であってもよく、25mV以上40mV以下であってもよい。
上記実施形態では、溶液の溶媒として水を用いるものとしたが、本開示はこれに限定されない。上記溶媒として例えば有機溶媒を用いてもよい。
上述の溶解促進機構及び上述の分散機構の一方又は両方は、上記二酸化炭素吸収材によって二酸化炭素を適切に吸収できる場合は省略可能である。また、上記溶液は、上述の溶解促進剤及び上述のpH緩衝剤の一方又は両方を含まない構成とすることも可能である。さらに、当該二酸化炭素吸収モジュールは、上記二酸化炭素吸収材の活性の低下を防止できる場合や、活性の低下を予測できる場合等であれば、上述の表示機構及び溶液調整機構を備えていなくてもよい。
以下、実施例によって本開示をさらに具体的に説明するが、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
[No.1]
立方体形状の反応容器の底部にトレイを配置し、このトレイの上に300gの粉末状の二酸化炭素吸収材を載置した。二酸化炭素吸収材としては、酸化マグネシウム(タテホ化学工業(株)製、製品番号:TATEHOMAG(登録商標)#1100)を用いた。
上記反応容器に、溶液を300g供給し、静置した。この溶液の二酸化炭素濃度(溶存無機炭素濃度)は1.83×10-3mol/Lとした。このとき、二酸化炭素吸収材の粉末は溶液を含んだ状態だが、溶液の液面を観察できず、溶液に覆われた状態とはならなかった。
[No.2]
支持体として8cm四方の布に、50gの粉末状の二酸化炭素吸収材及び水100gを含浸させた。二酸化炭素吸収材としては、酸化マグネシウム(タテホ化学工業(株)製、製品番号:TATEHOMAG(登録商標)#1100)を用いた。その後、この布を立方体形状の反応容器に配置した。
上記布を完全に浸漬するよう、上記反応容器に溶液を供給した。この溶液の溶存無機炭素濃度は1.73×10-3mol/Lとした。また、この反応容器をバブリング装置(マリンテック社製、製品番号:ASQ-50)によって攪拌した。
<評価>
No.1について、170分後に溶液の溶存無機炭素濃度を測定すると、6.63×10-5mol/Lであった。また、No.2について、178分後に溶液の溶存無機炭素濃度を測定すると、6.24×10-5mol/Lであった。このため、二酸化炭素吸収材1kgあたりの溶存無機炭素濃度の変化は、No.1では3.45×10-5mol/L・分であり、No.2では1.88×10-4mol/L・分であった。No.2の炭酸イオンの吸収速度はNo.1の5.45倍と推定された。
以上のことから、二酸化炭素吸収材が溶液に覆われることによって、二酸化炭素の吸収効率が向上することが示された。
1 二酸化炭素吸収装置
2 二酸化炭素吸収塔
10 二酸化炭素吸収材
20 溶液
30、230 供給部
40 溶解促進機構
50 分散機構(超音波発生装置)
60 溶液調整機構
70 二酸化炭素吸収部
71a、71b、71c 支持体
72 スペーサ
90 表示機構(pH指示薬又はpH計)
101、201 二酸化炭素吸収モジュール
102 貯留槽
103、204 排気機構
203 筐体
205 ポンプ
206 給水機構
207 排水機構
240 格納部
250 散布機構

Claims (15)

  1. 粒子状の複数の二酸化炭素吸収材と、
    上記複数の二酸化炭素吸収材が配置される多孔質の複数の支持体と、
    上記複数の二酸化炭素吸収材を覆う溶液と、
    上記溶液に二酸化炭素を供給する供給部と、
    上記二酸化炭素の上記溶液への溶解を促進する気泡発生装置と
    を備え、
    上記二酸化炭素吸収材が、層状複水酸化物、塩基性金属酸化物又は塩基性金属水酸化物であり、
    上記支持体が繊維シート又は多孔質糸であり、
    上記複数の支持体が互いに間隔を空けて配置され、
    上記溶液が溶媒としての水を含む二酸化炭素吸収モジュール。
  2. 上記二酸化炭素の上記溶液への溶解を促進する上記気泡発生装置以外の溶解促進機構を備える請求項1に記載の二酸化炭素吸収モジュール。
  3. 上記溶液が、上記二酸化炭素の上記溶液への溶解を促進する溶解促進剤を含む請求項1又は請求項2に記載の二酸化炭素吸収モジュール。
  4. 上記溶液中における上記二酸化炭素の溶解速度が上記複数の二酸化炭素吸収材の炭酸化速度以下である請求項1又は請求項2に記載の二酸化炭素吸収モジュール。
  5. 記複数の二酸化炭素吸収材の平均粒子径が5nm以上500nm以下である請求項1又は請求項2に記載の二酸化炭素吸収モジュール。
  6. 上記複数の二酸化炭素吸収材を上記溶液中で分散させる分散機構を備えており、
    上記分散機構が、上記複数の二酸化炭素吸収材の平均粒子径を5nm以上500nm以下に維持する請求項5に記載の二酸化炭素吸収モジュール。
  7. 上記溶液のpHが6よりも大きい請求項1又は請求項2に記載の二酸化炭素吸収モジュール。
  8. 上記溶液がpH緩衝剤を含む請求項7に記載の二酸化炭素吸収モジュール。
  9. 上記溶液に塩基性物質を供給する溶液調整機構を備える請求項7に記載の二酸化炭素吸収モジュール。
  10. 上記二酸化炭素吸収材の活性が低下した際に、この活性の低下を表示する表示機構を備える請求項1又は請求項2に記載の二酸化炭素吸収モジュール。
  11. 記複数の二酸化炭素吸収材に上記溶液を散布する散布機構を備える請求項1又は請求項2に記載の二酸化炭素吸収モジュール。
  12. 上記複数の二酸化炭素吸収材を格納する格納部を備える請求項11に記載の二酸化炭素吸収モジュール。
  13. 請求項1又は請求項2に記載の二酸化炭素吸収モジュールを備える二酸化炭素吸収塔。
  14. 請求項1又は請求項2に記載の二酸化炭素吸収モジュールと、
    上記溶液が貯留される貯留槽と
    を備えており、
    上記複数の二酸化炭素吸収材が上記溶液中に浸漬している二酸化炭素吸収装置。
  15. 二酸化炭素を溶液に溶解させる工程と、
    上記溶液に覆われた粒子状の複数の二酸化炭素吸収材に、上記溶解させる工程において上記二酸化炭素から生成される炭酸イオンを接触させる工程と
    を備え、
    上記二酸化炭素吸収材が、層状複水酸化物、塩基性金属酸化物又は塩基性金属水酸化物であり、且つ上記複数の二酸化炭素吸収材が多孔質の複数の支持体に配置され、
    上記支持体が繊維シート又は多孔質糸であり、
    上記複数の支持体が互いに間隔を空けて配置され、
    上記溶液が溶媒としての水を含み、
    上記溶解させる工程において、気泡化した上記二酸化炭素を上記溶液に供給する二酸化炭素吸収方法。
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