JP2015211938A - 粒状セラミックス多孔体充填層で気液接触させる汚染ガスの湿式洗浄装置 - Google Patents

粒状セラミックス多孔体充填層で気液接触させる汚染ガスの湿式洗浄装置 Download PDF

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Abstract

【課題】汚染ガスと吸収液の気液接触状態を改善して、設備のコンパクト化を実現するとともに、設備費、運転コスト等の削減を図り、メンテナンスが容易で高性能な洗浄効果を示す気液接触充填層を有する湿式洗浄装置の提供。
【解決手段】保水性の高い三次元網目構造の粒状セラミック多孔体を用いて充填層12を構成した湿式洗浄装置1であって、そこに洗浄液8を供給することで、気孔率が高い粒状セラミック多孔体は、大量の洗浄液を保持して滞留させるとともに、汚染ガス導入口2から導入される汚染ガスは、粒状セラミック多孔体が重なり合って形成される隙間を流れるため圧力損失が少なく、充填層内部でガス流により洗浄液は微細なミスト状になり、汚染ガスとの最適な気液接触が行われ、すり抜けや偏流が起きにくい、湿式洗浄装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、大気汚染防止及び悪臭防止技術であって、ガスに含まれる有害物質、すなわち汚染ガスを、洗浄塔等の密閉空間に誘引して、水、薬液、吸収液等の洗浄液を使用し、その洗浄液の分散及び汚染ガスを分散させて生成した液滴、液膜などの気液接触によって洗浄除去するもので、例えば、化石燃料やその他の有機物を燃焼及び加熱することで生じる排ガス中に含まれる煤塵除去、硫黄酸化物等が含まれた酸性ガス類を中和処理する脱硫装置、化学工場から発生する有機成分や悪臭除去に関する。
現在、大気汚染物質としてPM2.5が人体の呼吸器官等に悪影響を及ぼすとして懸念されている。そのPM2.5は排ガスに含まれる粒子状物質であり、不完全燃焼等で最初から煤粒子として発生し、直接大気中へ排出される一次生成粒子と、燃焼等で生じて大気中に排出された窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)などとの反応による二次生成粒子がある。また、NOxやSOxは汚染ガスであり酸性雨の原因物質となる。
従来から、ばい煙に含まれるPM、NOx、SOx等は大気汚染の原因となるので、例えば、石炭焚ボイラを有する大型施設である火力発電所等には、NOxを除去するための脱硝装置や、SOxを除去するための排煙脱硫装置が設けられている。
火力発電所に設置される排煙脱硫装置は、湿式の石灰石‐石膏法が主流を占めており、中でも石灰石スラリーをノズルからスプレー方式で噴霧して排ガスと気液接触させる方式は信頼性が高く、石灰石スラリー噴霧方法のスプレー吸収塔として多く採用されている。
スプレー吸収塔では、スプレーノズルから微細な液滴として噴霧される石灰を含むスラリーなどの吸収剤の液滴と排ガスとを向流させ気液接触させることで、排ガス中の煤塵を洗浄除去すると共に塩化水素(HCl)、フッ化水素(HF)等の酸性ガスと共に、排ガス中のSOxはスプレーノズルの吸収液滴表面で化学的に吸収される。
特許文献1には、ガスと吸収液を効果的に気液接触させるのを、高負荷の吸収液噴射用ポンプを不要とする装置が提案されている。それは、吸収液を噴霧するノズルを配列して、そこにガスを導入して気液接触させる吸収塔本体と併設して、吸収液を貯留するタンク(酸化層)を別に設けた設備であって、ノズル噴出方向は排ガス導入方向と同じ上方に向け噴水状に噴霧して、戻りの吸収液をタンクへ還流する捕捉手段が設けられ、タンクに貯留した吸収液は、ポンプを利用せず液圧を利用して吸収塔のノズルから噴霧する循環方式である。
この構造では、吸収液が噴水のように噴霧され上面で拡散することで、そこで亜硫酸ガスやフライアッシュ等の粉塵と気液接触して除去され、吸収液噴射に必要な高負荷噴射用ポンプが不要となり、設備費用、運転費用の削減を可能にしている。
特許文献2には、スプレー方式の従来方式では、ノズルの噴射ゾーン以外の気液接触のデッドスペースが存在する課題があるとして、それを解決した高性能な湿式ばい煙脱硫装置が提案されている。その装置は、スプレーノズルを上向き、下向き、横向きの三方向ノズルを他列に配列し、それぞれの噴霧流量比を定め、吸収塔内での気液接触ゾーンの均一化によって、排ガスの偏流防止、液滴不均一散布が改善され、脱硫率を向上する効果が達成できるとされている。
特許文献3には、従来のスプレー方式のばい煙脱硫装置は、スプレー部分の構造が複雑で、排ガス量が多い場合など吸収塔の大型化を招くとして、その課題を解決したばい煙脱硫装置とその方法が提案されている。それは、吸収塔内に吸収液を噴霧するスプレーを配置し、装置内部には導入ガス圧力計及び排出ガス圧力計を設置し、各計測値から得られる圧力損失信号により、ガス流路の断面積を変更する流路断面積調整部が設けられている。この駆動により、最適な混合層の状態が維持でき、スプレーの段数を増やす必要がなく、吸収塔の大型化を回避出来るとされている。
特許文献4は、前記した先行技術とは構造的に異なり、スプレー方式に付加して気液接触を効率よくするための充填物が配置された構造である。ガスの流れは水平方向にした装置で、ガス導入口とガス排出口の間に気液接触充填物を入れた籠型回転円筒体を設置して回転させて使用し、そこに洗浄液(スラリー)を供給して有害ガスの脱硫を行う。籠型回転円筒体の中に入る充填物の材質はプラスチック、金属、ゴム等で、形状は塊状のもの、金網状のもの、多孔板状物を円柱状に加工したものが入れられているので、液膜を形成しやすく、導入ガスとの十分な気液接触が行われるとされている。
特開平10-323528号公報 特開2011-255370号公報 特開2013-215691号公報 特開2008-12401号公報
ところが、従来の気液接触によるスプレー方式で洗浄性能の向上を図るには、装置構成の複雑さや大型化及びコスト面の課題がある。
特許文献1では、吸収液の噴霧を行う高負荷の吸収液噴射用ポンプが不要であるので、電力削減には寄与するが、吸収塔と同様な大きさの吸収液貯留タンクが併設されるため、設備の大型化が避けられない課題がある。また、ノズルは上方に向けて噴霧して排ガスと同伴する方式では、ガスの風圧等により偏流を起こし易く、液滴不均一散布となり、排ガスのすり抜け等の性能面の課題がある。
特許文献2では、三方向ノズルを他列に配列していることで、排ガスの偏流防止、液滴不均一散布が改善され、脱硫率を向上する効果が達成できるとされているが、スプレーが三段以上の配列では、吸収液の供給量が多くなることで高負荷の吸収液噴射用ポンプが必要となり、電力費の費用アップは避けられない課題がある。
特許文献3では、ガス流路の断面積を変更できる流路断面積調整部が設けられていることで、排ガス流量の増減に容易に対応でき、最適な混合層の状態が維持できるとされているが、装置の構造や圧力損失値の測定とその出力制御が複雑となり、装置コストアップとメンテナンスに課題がある。
特許文献4では、スプレー方式に付加して充填物が入れられているので、洗浄液の噴霧のみでガスと接触させる方式と比較すると、脱硫効率を向上させることはできるが、装置全体の構造が複雑となりメンテナンス性に問題があり、また装置自体の大型化は避けられない課題がある。
本発明は、上記従来の気液接触洗浄塔が有する課題を解決しようとするものである。
その内容を下記に示す。
1簡単な構造の装置により、安価でメンテナンス性に優れた高性能の洗浄効果を得ること。
2.洗浄液と使用電力を節減し、ランニングコストの低減を図ること。
3.湿式洗浄装置として、ノズル噴霧による液滴及び液膜接触の方法は、構造は簡易であるが、気液接触の性能面で限界があるため、簡易な構造で性能を向上できる充填層を採用すること。
4.装置内部の気液接触部の充填層を複数台以上積み上げて多段化し、限られた設置面積で大風量及び高濃度の汚染気体にも容易に対応できること。
5.装置内部のガスの導入方向は、必要に応じて上下方向及び左右方向のどちらにも対応できる柔軟性のある構造で対応できること。
6.装置の2台以上の直列又は並列連結によって、ガスの洗浄効果及び処理容量をより向上させ、条件の変動に容易に対応できること。
7.装置の2台以上の連結によって、装置の保守点検時に少なくとも1台の運転が継続できること。
8.複数台の連結によって、必要により別の洗浄液を使用して洗浄を高度化できること。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、上記従来の気液接触洗浄塔が有する課題を解決するに至った。すなわち、
請求項1の発明は、洗浄液貯留タンクと、タンクの洗浄液を循環させるポンプと、ポンプと接続した噴霧ノズルを有する等の洗浄液噴出部を備えた汚染ガスの洗浄手段と、又は単に洗浄液噴出手段を備えた汚染ガスの洗浄手段に、汚染ガス導入口及び洗浄後のガス排出口をそれぞれ設け、噴出された洗浄液と汚染ガスが気液接触する充填層を備え、汚染ガスは気液接触した後に排出される洗浄装置であって、前記充填層は三次元網目構造を有する粒状セラミックス多孔体が充填されたものからなることを特徴とする湿式洗浄装置である。
従って、請求項1記載の発明では、前記粒状セラミックス多孔体を充填するケーシング構造は、装置内部の形状に合わせ、汚染ガスと洗浄液の流出入部は通気性のある市販のステンレス板等の穴あきパンチングメタルを使用して溶接構造等で容易に製作でき、設置も簡単で、かつ装置全体も簡素化できるので安価に製造できる。また、粒状セラミックス多孔体の寿命等で交換することを考慮し、ケーシングを分割配置するカートリッジ式にすることで容易に交換できる。
請求項2の発明は、前記粒状セラミックス多孔体は、その内部に人工的に形成した多数の気孔及び連通孔を有し、かつ、その表面にも前記気孔と連通孔が露出したディンプル形状と通気性があり、洗浄液が供給されると毛細管現象により瞬時に内部に浸透し、又、液の表面張力により、外側面全体を洗浄液で覆われ、液膜が形成されることを特徴とする請求項1記載の湿式洗浄装置である。
従って、汚染ガスが液膜に接触すると、ガス流により洗浄液は微細な噴霧状のミストが形成され、気体中の個体粒子であるダストは、ミストと混ざり合い洗浄液に移行して洗い流される。粒状セラミックス多孔体の充填層は、良き洗浄液のミスト生成場としての働きもあるので、汚染ガスが酸性ガス等の処理において、吸収液を使用した場合でも、効率よく反応して無害化でき、気液接触で洗浄する装置全般の高性能な湿式洗浄装置を提供できる。
請求項3の発明は、前記粒状セラミックス多孔体は、100μm乃至1000μmの気孔径で、前記粒状セラミックス多孔体の気孔の割合は、50%乃至85%を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の湿式洗浄装置である。
従って、請求項3記載の発明によれば、粒状セラミックス多孔体は、その内部に人工的に形成された100μm乃至1000μmの気孔径で50%乃至85%の気孔率を有することから、粒状セラミックス多孔体の大部分に洗浄液を一時的に保持して滞留させることができるので、供給する洗浄液の使用量が少なくて済み、又、ポンプの断続運転も可能になるなど、洗浄液循環ポンプの出力を低減でき、使用電力の節減に寄与し、ランニングコストの低減が図れる。
粒状セラミックス多孔体は、大きな気孔径と多くの気孔があることで、スラリー状の洗浄液であっても毛細管現象で容易に内部に浸透することができ、また、汚染ガスの風圧により内部に浸透した洗浄液の流出入も可能で、気孔や連通孔での洗浄液に含まれた物質等の目詰まりも起き難く、汚染ガスとの気液接触が安定及び確実に行われ、高性能な洗浄効果を得ることができる。
請求項4の発明は、前記粒状セラミックス多孔体の気孔は、セラミックス原料に球状熱可塑性樹脂を混合し、該球状熱可塑性樹脂で構成物の体積部分を占有させ、人工的に形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の湿式洗浄装置である。
従って、請求項4記載の発明によれば、所望の気孔径や気孔率を有する粒状セラミックス多孔体を、人工的に任意に成形することができるので、最適な気液接触を持つ粒状セラミックス多孔体を提供できる。又、粒状セラミックス多孔体の材質は、セラミックであるため、汚染ガスが200〜300℃程度の高温にも対応できる。
請求項5の発明は、前記粒状セラミックス多孔体は、4.0mm乃至20mmの平均粒径を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の湿式洗浄装置である。
従って、請求項5記載の発明によれば、充填層の粒状セラミックス多孔体は、4.0mm乃至20mmの範囲にあるので、粒が重なり合って形成される汚染ガス流路も適切に確保でき、又、粒径を大きくするなどの対応で隙間調整ができるので、圧力損失も低減できる。 さらに粒同士が重なり合った隙間は、充填層全体的に均一に形成されるため、汚染ガスの流れを分散することができるので最適な気液接触となる。充填層での洗浄液は、その重力により粒状セラミックス多孔体を伝わって上から下へ向かって流れるが、粒状セラミックス多孔体が重なり合って形成される隙間は充填層内に均一に形成されるので、汚染ガスの導入方向は、充填層に対して上下、左右どちらの流入にも対応できる。又、粒状セラミックス多孔体充填層の積層高さには、流路抵抗に比例して圧力損失値が上昇するので、積層高さ制限はあるが、高濃度の汚染ガスに対しては、洗浄装置内部の充填層を複数段設け、装置自体の併設使用など、充填層や装置構造が簡易なことから柔軟な対応の装置構成が容易にできる。
本発明の粒状セラミックス多孔体充填層では、洗浄液の供給によって、粒状セラミックス多孔体は大量の洗浄液を含んだ液膜形成体となり、又、粒状セラミックス多孔体が重なり合ってできる隙間は、入口から出口にかけて繋がった空間が均一に形成されるので、通気性がある充填層が形成される。
従って、粒状セラミックス多孔体の充填層は、洗浄液が滞留しているところに汚染ガスが流れ込むため、気液接触時間が長くなる。又、汚染ガスは、充填層の多数の隙間空間に沿って壁面接触を繰り返して流れることで接触頻度も多くなり、すり抜けや偏流のない確実な気液接触が行われるので、比較的簡易な充填層及び装置で高性能な洗浄が得られる。その他、充填層の保水能力により洗浄液の使用量が少なくて済むことから、低エネルギー消費の小型の安価な装置で大容量の汚染ガスの洗浄も可能となる。又、充填層はカートリッジ式にできるので、交換が容易でメンテナンス性に優れている。
本発明を実施するための形態を示す粒状セラミックス多孔体充填層の断面図で、実施例の洗浄装置である図3の粒状セラミックス多孔体充填層の一部を示す詳細図である。 本発明を実施するための形態を示す粒状セラミックス多孔体の拡大図を示し、左側の上側と下側一部は、粒状セラミックス多孔体の断面を示し、右側の上下2列は、粒状セラミックス多孔体の外形を示し、最下部のパンチングメタル上にある状態を示している。 本発明を実施するための形態を示す洗浄装置で、洗浄装置全体の正面断面図を示し、充填層が1層で構成された装置である。 本発明を実施するための形態を示す図3のA-A平面断面図を示す。 本発明を実施するための形態を示す図3の矢視Bを示し、一部は内部の断面図である。 本発明を実施するための形態を示す粒状セラミックス多孔体充填層を使用した場合の洗浄装置を示す図で、高濃度の汚染ガス等に対応するため、粒状セラミックス多孔体充填層を2層にした場合の装置正面断面図を示す。 本発明を実施するための形態を示す粒状セラミックス多孔体充填層を使用した場合の洗浄装置を示す図で、高性能な装置として、汚染ガスを上方から導入して、粒状セラミックス多孔体充填層を2層に並列に配置し、粒状セラミックス多孔体充填層の1層目は、汚染ガスが上方から流入し、次いで汚染ガスが上方へ変換して流れ、粒状セラミックス多孔体充填層の2層目に、下方から流入してガスは上方へ排気される装置正面断面図を示す。 本発明を実施するための形態を示す汚染ガスの導入方向と処理後のガスの流れを水平にし、充填層を縦型に配置した事例の洗浄装置の正面断面図を示す。
本発明の気孔や連通孔はセラミックス多孔体が最初から有している気孔や連通孔とは区別される。
粒状セラミックス多孔体の形状は、球形状、楕円形状、円柱状等、特に形状には指定はないが、粒形状として独立し、充填層に積層した場合、粒が重なり合って隙間がある程度均一に分散形成される球形状に近いものが好ましい。
粒状セラミックス多孔体同士との間には大小の多数の空間が形成され、充填層の入口側から出口側にわたって繋がった多数のガス流路が形成される。ガスはその流路を蛇行しながらランダムに、衝突しながら、入口側から出口側に向かって流れる。従って、汚染ガスは、充填された粒状セラミックス多孔体の表面と接触する面積が大きく、接触時間も長いので、洗浄効率は高くなる。充填層内に形成される粒状セラミックス多孔体同士の空間は、粒状セラミックス多孔体の粒径、形状及び充填密度等によって様々であるが、概ね1mm〜5mm程度の隙間が形成されるのが好ましい。
ケーシングに充填された粒状セラミックス多孔体は、それぞれの表面同士が緊密に重なり合って充填層を形成しているので、洗浄液の噴霧圧、ガス流によってこれらの多孔体同士が移動したり、離間することはない。
本発明の粒状セラミックス多孔体を充填するケーシング、又はカートリッジは、洗浄装置本体の断面形状に合わせて円筒型、角型等の任意の形状のものを用いることができる。
本発明の粒状セラミックス多孔体は、例えば、特開平8−141589号公報に製造方法が記載されている。上記公報を参照すると、セラミックス多孔体は、セラミックス原料の粉体に球状熱可塑性樹脂を混合し、水と粘結剤を加えて混練機でペースト状に混練し、乾燥を行い、次いで焼成して形成するこができる。
成形後の乾燥は、80℃〜240℃の第1段階の乾燥と240℃〜500℃の第2段階の乾燥を行うことが好ましく、第1段階の乾燥で球状熱可塑性樹脂が焼成素材マトリックスの中で固定され、気孔の骨格が形成される。その後、第2段階の乾燥で焼成素材を240℃〜500℃に加熱する。この段階で球状熱可塑性樹脂が溶融し、分解しながらセラミックス原料粒子の間を流れて、連通孔が形成される。
この工程では、球状熱可塑性樹脂を含むセラミックス原料の一部が溶融し、球状熱可塑性樹脂から空気が供給されて焼結して気孔と連通孔を有する三次元網目構造のセラミックス多孔体が形成される。球状熱可塑性樹脂の大きいサイズのものを用いると、大きい気孔径を有する気孔のものが得られ、小さいサイズのものを用いると、小さい気孔径を有する気孔のものが得られる。気孔率は、用いられる球状熱可塑性樹脂の使用量によってコントロールすることができる。
セラミックス原料としては、硅酸質鉱物、例えば硅石、硅酸白土、硅藻土など、アルミナ質鉱物、例えばダイアスポア、ボーキサイト、溶融アルミナなど、シリカアルミナ質鉱物、例えば粘土鉱物としてのカオリン質である木節粘土、蛙目粘土、あるいはモンモリロナイト質であるベントナイトや、蝋石、シリマナイト鉱物など、更にはマグネシア質鉱物のマグネサイト、ドロマイトなど、石炭質鉱物の石灰石、けい灰石など、クロム質鉱石のクロム鉄鉱、スピネルなど、ジルコニア質鉱石のジルコン、ジルコニアなど、その他の鉱物としてのチタニア質鉱物、炭素質鉱物のグラファイトなどが挙げられる。
球状熱可塑性樹脂としては、融点が80℃〜250℃、燃焼点が500℃以上の樹脂が用いられる。このような樹脂としては、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂(6ナイロン、6・6ナイロン、6・12ナイロン)、ポリエチレン、エチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂等の球状物を挙げられる。
また、本発明の粒状セラミックス多孔体は、シリカ、アルミナ、コージェライト、チタニア、ジルコニア、シリカ−アルミナ、アルミナ−ジルコニア、アルミナ−チタニア、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニア、チタニア−ジルコニア及びムライト等のセラミックスを主成分として含有するものが用いられる。これらの材料の中から、特に強度耐久性、耐薬品性を選定することによって、使用寿命を長くすることができる。
汚染ガスから有害物質を除去する方法は種々知られているが、それらの中でも、吸収剤を有する吸収液に汚染ガスを気液接触させ、有害物質と吸収剤とを反応させることによって固定化し、汚染ガスから除去する湿式法が多用されている。例えば、火力発電設備等から排出される燃焼排ガスから亜硫酸ガス(二酸化硫黄(SO ))等の環境汚染物質を除去する場合は、亜硫酸ガスと吸収剤とを反応させることによって亜硫酸ガスを硫酸塩として固定化し、汚染ガスから除去する。
吸収液としては、亜硫酸ガスと反応して硫酸塩を生成する吸収剤、例えば石灰石(炭酸カルシウム(CaCO )を主成分とする)を、水に溶解させた水溶液又は水に懸濁させたスラリーが使用される。上記のような排ガスから除去するスラリーを使用した装置にも、本発明による装置は最適に使用できる。
煤塵が含まれる排ガスの場合、煤塵に含まれる粒子を気相から分離する方法として、気体と粒子の間に速度差を生じさせる力の場を利用した、重力・遠心力・静電気力・磁気力・慣性力などを利用する方法と、気体を通過させ粒子のみを補集する隔壁場を利用した、繊維層・粒子層・流動層・織布・不織布網・水滴・多孔質材 などが挙げられる。
力の場のみを利用した装置は、チャンバー・サイクロン・電気集塵機が該当し、隔壁場のみを利用した装置の代表的なものにバグフィルターがある。
又、力の場と隔壁場を併用した装置としては、噴霧スクラバー・充填層・移動層がある。分離性能面から見た場合、力の場では「気体と粒子の速度差」が大きいほど性能は向上するが、分離対象粒子径によって利用すべき力の種類が変わってくる。0.1〜 0.5μm を境にして「拡散力・静電気力利用エリア」と「慣性力・重力利用のエリア」に分かれる。
一方、隔壁場では隔壁の材質・密度・厚さ・繊維径などによって性能が大きく違ってくる。一般的には、力の場利用より隔壁場利用のほうが、性能が良いと考えられており、高性能化が求められる昨今では、隔壁場を利用した装置、すなわち、バグフィルターが広く採用されてきているが、本発明による装置は、力の場と隔壁場を併用した充填層に区分されるが、バグフィルターの性能に劣らない性能を持っている。
次に本発明の洗浄メカニズムを図1、図2、図3で説明する。
図1は、粒状セラミックス多孔体充填層の部分断面図を示し、図3の実施例装置の粒状セラミックス多孔体充填層を拡大した詳細図である。
図1において、粒状セラミックス多孔体16は、ほぼ球体形状をしており、その球体同士が重なり合う接触部21と空間部22によって充填層は形成されている。
粒状セラミックス多孔体充填層12の底面は、多数の開口があるパンチングメタル13で仕切られており、汚染ガスは太枠白抜き矢印で示す方向から流入し、洗浄液は多数の下向き点線矢印で示す方向に流出する。
粒状セラミックス多孔体充填層12の上方付近には、洗浄液送りパイプ5に液噴霧ノズル6が一定の間隔で多列に取り付けられて、粒状セラミックス多孔体充填層12の上面に対してシャワー7がされている。
粒状セラミックス多孔体充填層12では、シャワー7により粒状セラミックス多孔体16は毛細管現象により洗浄液を吸収し、又、表面張力により表面は液膜を形成し、余剰になった洗浄液は粒状セラミックス多孔体16の表面を伝わり、主に接触部21を通じて充填層12内に示した点線矢印のように洗浄液の自重で下側へ次々と流れ、パンチングメタル13から下方に流出する。一方、汚染ガスは下側から流入し、パンチングメタル13から空間部22を通じて実線矢印に示すように充填層内を上方に向かい、粒状セラミックス多孔体充填層12の上部方向へ流れる。
上記のように、汚染ガスと洗浄液は粒状セラミックス多孔体充填層12で、気液接触して汚染ガスの洗浄が行われ、その一つの特徴としては、粒状の独立した粒状セラミックス多孔体16を多数個充填することで、粒が重なり合った空間22が充填層全体に均一に形成され、その空間22は最適なガス通路となる。詳しくは、空間部22が形成する断面寸法は、大小はあるが概ね5mm程度が形成され、その寸法により充填層入口から出口に向かって連続して屈折した流路が充填層全体に形成されるので、汚染ガスは、充填層入口で既に拡散されて流入し、粒状セラミックス多孔体充填層12の空間に細分化され振り分けられ、汚染ガスのすり抜けや偏流が起きない確実な気液接触が充填層内で行われる。
二つ目の特徴としては、気孔径の大きさと気孔率の高さを持つ粒状セラミックス多孔体16は、毛細管現象により瞬時に内部に多くの洗浄液を含んで保持することができるので、洗浄液の滞留が起きて気液接触時間を長く取れることにある。そして、粒状セラミックス多孔体16に含まれた洗浄液は、汚染ガスが通過する時の衝突と風圧によって、外部に向け排出される出入り現象も容易に起き、空間部22で洗浄液はミスト状になって効率よく最適な気液接触が行われるので、粒状セラミックス多孔体16は必要以上の使用量を避けられ、又、洗浄液の保水量の高さにより洗浄液の供給量も節減できるので、省エネルギー化が達成できる。
一般的な湿式洗浄装置であるスプレー塔や充填塔での洗浄液の使用量は、処理ガス量当たりの洗浄液量、すなわち液ガス比は2〜3リットル/mと言われているが、本発明の粒状セラミックス多孔体の充填層の液ガス比は1リットル/m以下を実現できる。
粒状セラミックス多孔体16の使用に当たって、例えば、気孔が本発明の粒状セラミックス多孔体よりも少ないものを使用すると、充填層としての機能を失うことが考えられる。気孔径が小さく気孔率が少ない粒状セラミックス多孔体では、洗浄液を充分に含むことができず、洗浄液は粒が重なり合った隙間の空間を流れることになり、汚染ガスの流路抵抗が増すことで圧力損失が高まり、その結果、汚染ガスを送るのに高出力の送風機が必要となり、電力消費量が増すばかりではなく、配管系統の圧力上昇でガス漏れなどの懸念もある。従って、一般的にスプレー方式の充填層を持つ湿式洗浄塔に使われる充填層には、樹脂や金属あるいはゴム製の表面積が大きく空間部を多く持つ形状体が充填され、圧力損失をできるだけ少なくして、液膜を形成させ気液接触をするようにしている。
本発明の粒状セラミックス多孔体充填層12で、煤塵中の粒子が除去されるメカニズムを説明すると、汚染ガスが粒状セラミックス多孔体16の表面に衝突を繰り返して流れると、そこに形成された液膜19は飛散してミスト状になり、又、粒状セラミックス多孔体16の表面はディンプル形状をしていることから、乱気流となり、汚染ガス中の粒子は重力及び慣性力により、ガス体と粒子は速度差が生じて粒子は分離され、洗浄液に吸収され洗い流されることになる。
一般的なスプレー塔では、50%分離限界粒子径は3.0μm程度とされ、また、充填塔では、1.0μm程度とそれぞれされているが、本発明の粒状セラミックス多孔体充填層12では、0.5μm以下程度の粒子径を分離除去できる。
ガス類が酸性ガスである場合は、洗浄液にアルカリ剤を含ませておくことで、ミスト状の形成等で容易に気液接触して中和反応することができる。
図2は、図1の粒状セラミックス多孔体16の拡大図を示し、左側の上部と下側一部は、粒状セラミックス多孔体16の断面形状を示し、右側の上下2個は、粒状セラミックス多孔体16の外形を示した図で、最下部のパンチングメタル13上にある状態を示している。
図2において、左の粒状セラミックス多孔体16の断面形状で説明すると、100μm乃至1000μmの気孔径を有する気孔17が点在し、それぞれが多数の連通孔18で繋がっていることで、洗浄液は毛細管現象で流入して、多点で示したセラミックスの骨格20以外の内部は斜線で示すように洗浄液で満杯の状態となる。又、洗浄液は表面張力により、斜線で示すように粒状セラミックス多孔体16を液膜19で覆う状態になり、その液膜19は、隣あった下部の粒状セラミックス多孔体16に形成された液膜19と繋がった状態となり、供給される洗浄液はその液膜を主に伝わって点線矢印で示すように下方へ流れ、パンチングメタル13から下方に流出する。そこに実線矢印で示すように汚染ガスが上方に向かって流れると、液膜19は、ガス流の風圧等によりミスト状となり飛散し、空間部22で汚染ガスと混合される。又、図2の右側に示すように粒状セラミックス多孔体16の表面は、気孔痕17aと連通孔18が露出しており、ディンプル形状をした凹凸構造面であり、液膜19を形成しやすく、汚染ガスとの接触頻度も多くなるので、空間部22は良き気液接触場となる。
図3は、本発明の洗浄装置の正面断面図を示し、実際に洗浄実験を実施した実施例の構造図である。
図3において、洗浄装置本体1の下部付近には、洗浄液を貯留する液タンク9を有し、洗浄液循環ポンプ4により洗浄液8を吸引して、洗浄液送りパイプ5から液噴霧ノズル6を経て、粒状セラミックス多孔体充填層12にシャワー7がされる。粒状セラミックス多孔体充填層12は、本実施例では粒状セラミックス多孔体16は、200リットルが充填されており、その積層高さは200mmで、洗浄液のシャワーによって多量の洗浄液(計算値:109リットル)が保持され、余剰になった洗浄液は、受け金具15に固定されたパンチングメタル13から点線で示すように液タンク9に流れ落ちて貯留された後、循環される。
洗浄装置本体1の側面には、汚染ガス導入口2が設けられ、そこから汚染ガスを導入して粒状セラミックス多孔体充填層12に分散して流れ込み、そこで最適な気液接触が得られ、洗浄後のガスは、洗浄装置本体1の上面にある洗浄ガス排出口3から排出される。
図3の実施例の装置では、充填層をカートリッジ式にして充填層ごと交換できるようにすることが好ましいが、ここでは、粒状セラミックス多孔体16は、点検口25から装置内部に直に挿入して、充填層を形成した。
洗浄装置本体1には、追加洗浄液供給口10と洗浄液排出口11が設けられ、使用済みになった洗浄液の交換ができるようにしている。又、洗浄液送りパイプ5の手前には、洗浄液量を調整できる液調整バルブ14を設けて、適切な流量を供給できるようにしている。
その他、図4及び図5に示すように、粒状セラミックス多孔体充填層12に満遍なくシャワー7ができるように、洗浄液送りパイプ5を多列に配置して、そこに液噴霧ノズル6を一定の間隔に取付けている。
一般的なスプレー塔では、ノズルによる噴霧で汚染ガスと気液接触して洗浄するので、性能面からノズルの構造が重要となる。例えば、微細な液が噴霧できる高価なものを使用する、あるいは一定以上の圧力が必要であったりする。 発明では、充填層内で気液接触して汚染ガスを洗浄するため、ノズルは充填層に満遍なく供給できればよいので、液を拡散するだけの簡単な構造のものを使用するか、パイプに多列の穴が開いたものを使用することができる。
(粒状セラミック多孔体の製造実施例)
実際に製造した粒状セラミックス多孔体の物性及び測定結果を下記に示す。製造にあたっては、ミキサー、製丸機、整粒機、乾燥機、1次焼成炉、本焼成炉等を使用して製造した。
(1)基材になる主材質: コージェライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化珪素(SiO2)の三成分からなるセラミックス、
(2)気孔を形成する材質:ポリエチレンビーズ(直径2mm程度を使用)、
(3)粒径:8mm〜12mmの球形状(製丸機により調製)、
(4)嵩比重:0.5g/cm(質量/外形容積=乾燥重量/飽水重量-飽水試料水中重量)、
(5)気孔率:平均80%(開口気孔容積/外形容積=飽水重量-乾燥重量/飽水重量-飽水試料の水中重量)、
(6)気孔径:0.3〜1.0mm(電子顕微鏡による測定結果)、
(7)吸水率:平均165%(気孔容積×水の比重/重量)、
(8)潰れ強度:平均4kg/粒
上記の測定値の結果から、本発明で重要な要素である保水性が高いことが証明された。その保水性は吸水率の測定結果に表されており、その吸収率は、粒状セラミックス多孔体が吸収し得る水の割合を示し、上記測定結果は平均165%なので、粒状セラミック充填層では粒状セラミックス多孔体の重量に対して1.65倍の重量の水を保持することができることになる。
(装置の実施例)
(粒状セラミックス多孔体の洗浄液の保水量)
図3は実際に実験した装置で、図3の実施例を基に、粒状セラミックス多孔体の充填層の保水量を計算した結果を下記に示す。
洗浄装置の内部寸法は角形形状で、1000mm×1000mmである。粒状セラミックス多孔体の充填層は、カートリッジ方式ではなく、洗浄装置内部の汚染ガス通路の側面に受け金具を取付て、パンチングメタルを洗浄装置内部全面に渡して固定し、洗浄装置側面の窓から、直接粒状セラミックス多孔体を挿入して充填層を形成し、充填高さは200mmとした。
粒状セラミック充填層の容量を計算すると、洗浄装置の内部寸法をそのまま充填層の外形とすると、
1m×1m×0.2m=0.2(m
以上から、粒状セラミックの使用量は200リットルに換算できる。
製造実施例の粒状セラミックス多孔体が占めるおよその割合は2に対して、空間の割合は1で、又、かさ比重(質量/外径容積)は0.5なので、それを基に粒状セラミックス充填層の粒状セラミックス多孔体の重量を計算すると、
200×0.5×2/3=66.7 (kg)
以上から、粒状セラミックス多孔体の重量は66.7kgである。その重量に含まれる洗浄液の重量を吸収率から計算すると、
66.7×1.65=109(kg)
以上から、粒状セラミックス充填層200リットルの容積のうち、約半分の109リットルが洗浄液で占めることになるので、充分なる保水量を維持していることが判る。しかし、汚染ガスが流入するとガス流で保持された液は下方の液タンクに流されるので、洗浄液の供給量は少なくて済むが、洗浄液は連続的に行うか断続運転による供給は必要である。
(装置の排ガス測定結果)
図3の実験装置を最終ガス処理装置として使用し、処理ガスの測定を実施したので結果を下記に示す。
処理システムは、ポリ塩化ビニルを被覆した使用済み配電線から銅を回収する方法として、乾留装置内に使用済み配電線20kg(樹脂類の割合およそ7kg)を投入して30分間の時間を費やし、低酸素雰囲気で熱を与え、被覆物である樹脂類を低温で熱分解してガスを発生させ、そのガスのうち、炭化水素類や一酸化炭素類は、電気ヒーターを備えた別の燃焼装置で800℃以上の高温で燃焼処理して無害化し、そこで未処理となって排出されるポリ塩化ビニルの塩素分から発生する塩化水素や煤塵を、図3に示した本装置の発明である湿式洗浄装置で最終処理した。洗浄液は、塩化水素を中和処理するため、水酸化ナトリウム25%溶液を使用した。
ガスの測定箇所は、図3に示す洗浄ガス排出口3で測定したものである。
煤塵 :0.0038未満g/Nm
硫黄酸化物:0.000012未満Nm/h
塩化水素 :14mg/Nm
以上のそれぞれの排ガス測定値は、焼却炉基準を満たす結果であった。
1 洗浄装置本体
2 汚染ガス導入口
3 洗浄ガス排出口
4 洗浄液循環ポンプ
5 洗浄液送りパイプ
6 液噴霧ノズル
7 シャワー
8 洗浄液
9 液タンク
10 追加洗浄液供給口
11 洗浄液排出口
12 粒状セラミックス充填層
13 パンチングメタル
14 液調整バルブ
15 受け金具
16 粒状セラミックス多孔体
17 気孔
17a 気孔痕
18 連通孔
19 液膜
20 骨格
21 接触部
22 空間部

Claims (5)

  1. 洗浄液貯留タンクと、汚染ガス導入口及び浄化後のガス排出口と、充填層と、噴霧ノズル等の洗浄液噴出手段を備え、洗浄液貯留タンクから洗浄液噴出手段までをパイプ等で配管してその間に洗浄液を循環させるポンプを備え、前記洗浄液噴出手段から洗浄液を噴出させて前記充填層に送り、そこに汚染ガスを流して前記充填層内で気液接触させる洗浄装置であって、前記充填層は三次元網目構造を有する粒状セラミックス多孔体を積層して充填されたものからなることを特徴とする湿式洗浄装置。
  2. 前記粒状セラミックス多孔体は、その内部に人工的に形成した多数の気孔及び連通孔を有し、かつ、その表面にも前記気孔と連通孔が露出した形状で通気性を持ち、洗浄液が供給されると毛細管現象により瞬時に内部に浸透して行き、また、液の持つ表面張力により外側面全体を洗浄液が覆うことを特徴とする請求項1記載の湿式洗浄装置。
  3. 前記粒状セラミックス多孔体は、100μm乃至1000μmの気孔径で、前記粒状セラミックス多孔体に対する気孔の割合は、50%乃至85%を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の湿式洗浄装置。
  4. 前記粒状セラミック多孔体の気孔は、セラミックス原料に球状熱可塑性樹脂を混合し、該球状熱可塑性樹脂で構成物の体積部分を占有させ、人工的に形成されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項3のいずれかに記載の湿式洗浄装置。
  5. 前記粒状セラミック多孔体は、4.0mm乃至20mmの平均粒径を有することを特徴とする請求項1又は請求項4のいずれかに記載の湿式洗浄装置。

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