JP7247691B2 - パーマネントカソードの歪み評価方法および歪み評価装置 - Google Patents

パーマネントカソードの歪み評価方法および歪み評価装置 Download PDF

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Description

本発明は、銅などの非鉄金属の電解精製または電解採取する工程で用いられるパーマネントカソードに歪みが発生した場合に、このパーマネントカソードの歪みを評価するための装置および方法に関する。
銅などの非鉄金属の精錬において、板状に加工した粗金属をアノード(陽極)とし、その金属塩の水溶液を電解質として電気分解を行い、カソード(陰極)に純度の高い金属を析出させる電解精製が行われる。
カソードに関して、ステンレス、チタンなどの薄板からなるパーマネントカソードを用いるパーマネントカソード(PC)方式と、高純度の目的金属の薄板からなる種板を用いるコンベンショナル(種板)方式とがある。
アノードとカソードは、電解槽内に貯えられた電解液内に交互に浸漬される。この状態で、アノードとカソードの間に電圧を印加して、カソードの表面に目的金属を電着させる。コンベンショナル方式では、目的金属はカソード板そのままの状態で製品として出荷される。一方、パーマネントカソード方式では、所定の厚みの目的金属が電着したときに、パーマネントカソードから目的金属を剥ぎ取って製品とするとともに、パーマネントカソードは再利用される。
パーマネントカソード方式には、パーマネントカソードを再利用できるため、生産コストが低減して、操業の全般的な生産効率が向上するという利点がある。また、パーマネントカソードは、種板カソードとの比較では、電解槽におけるより良好な垂直性を有するという利点がある。
電解精製において、カソードの垂直性を維持することはきわめて重要である。すなわち、カソード全体が曲がりや反りのない平坦な状態にあり、かつ、カソード表面が凹凸の少ない平坦な状態にある、垂直性が良好なカソードを電解槽内に懸架すると、隣接して懸架されたアノードとの距離のバラツキが小さくなる。このため、カソードとアノードの極間距離を小さくした操業が可能となり、単位面積当たりの生産性が向上する。また、電流密度を高くしても、カソードとアノード間の電流短絡が起こりにくく、電流ロスを低減する(電流効率を向上させる)ことができ、単位時間当たりの生産量を増加させることができる。このような観点から、非鉄金属の精錬においては、パーマネントカソード方式が広く適用されている。
パーマネントカソードの垂直性は、パーマネントカソードの歪み、すなわち、パーマネントカソードの曲りや反りの程度を表す数値で評価される。具体的には、この歪みは、パーマネントカソードを懸垂させた状態で、垂直面からの距離が最も近い場所と最も遠い場所との距離の差の絶対値、すなわち、パーマネントカソードの歪み(距離D)=│測定距離の最大値―測定距離の最小値│で表される。
パーマネントカソードには、電解槽への装入時の衝突、電解精製時における熱、電着した目的金属の剥ぎ取り時の屈曲などに起因して、装入から目的金属の剥ぎ取りまでの工程を繰り返して実施する間に、曲がりや反りといった歪みが生じる。このため、パーマネントカソードは、繰り返し使用回数が比較的少ない間は、非常に良好な垂直性を備えるが、上記工程が繰り返されるうちに、外部からの衝撃や曲げの力により歪み(塑性変形)が生じて、パーマネントカソードの垂直性は徐々に悪化する。
たとえば、大きさが縦1200mm×横1200mm×厚さ3mm程度のパーマネントカソードでは、繰り返しの使用により、厚さ方向に距離Dの歪みが生ずる。距離Dは、使用開始時に5mm以内であることが望ましいが、繰り返しの使用により距離Dが基準値である5mmを超えると、カソードとアノード間の電流短絡の発生による、電流ロスの増加(電流効率の低下)を回避するために、パーマネントカソードの歪みを修正することが必要となる。なお、この基準値は、パーマネントカソードの大きさおよび重量により変動する値である。
電着した金属を剥ぎ取った後のパーマネントカソードの全量について、その歪みは測定され、歪みが生じて、垂直性が悪化したパーマネントカソードは、上記工程から払い出されて、歪み修正工程に移送される。歪み修正工程では、特開2010-007106号公報および特開2012-207273号公報に開示された修正装置を用いて、パーマネントカソードの歪みは機械的に修正される。たとえば、特開2012-207273号の修正装置は、垂直面を有する固定壁と、該固定壁の上部に突設され、パーマネントカソードのカソードビームを懸架するハンガー部と、懸架されたパーマネントカソードの表面に対し歪みの凸部側から静荷重を加える押込手段と、押込手段の先端部に備えられた押当部材と、固定壁に取り付けられ、パーマネントカソードの裏面を受け止める受止部材と、パーマネントカソードの裏面側に設置されたパーマネントカソードとの距離測定装置を備える。
なお、パーマネントカソードの歪みを修正する手段としては、その他に、ハンマー、全面押しや部分押しのプレス機、レベラーなども用いることができる。
このような修正装置では、距離測定装置を用いて、修正前後の厚さ方向の距離Dを測定することにより、修正前後でのパーマネントカソードの凹凸が評価される。
通常、パーマネントカソードの厚さ方向の距離Dは、特開2000-345378号公報に開示されているように、パーマネントカソードの極板部内の上下左右に配置された9点の測定点における測定距離を用いて算出される。具体的には、図3に示すように、パーマネントカソード1のうち、カソードビーム2との接続部である上端部3、および、エッジストリップが取り付けられる両端部4を除いた、極板部5における、縦方向(X方向)の上端部、中央部、および下端部の3箇所のそれぞれについての横方向(Y方向)の左端部、中央部、および右端部の3箇所の合計9箇所(X、X、X、X、X、X、X、X、X)が測定位置とされている。
この場合、前記9箇所の測定位置のうちの3点を基準に仮想平面を算出し、この仮想平面と、これらの9箇所の測定位置における距離測定装置からの測定距離との最大値(仮想平面から距離d)と最小値(仮想平面からの距離-d)の差の絶対値を距離D(=d-(-d))としている。
特開2010-007106号公報 特開2012-207273号公報 特開2000-345378号公報
従来の9箇所の測定位置を用いたパーマネントカソードの歪みの評価方法では、所定の基準値を超えた場合に、歪み修正が必要であると判定して、そのパーマネントカソードを歪み修正工程に移送しているが、基準値を超えたと判断されなかったパーマネントカソードが電解槽に繰り返された場合でも、カソードとアノード間の電流短絡を早期に発生させる場合があり、そのために電流ロスの増加(電流効率の低下)を招いているとの知見が得られた。
そこで、本発明者らは、従来の歪み評価方法では基準値内と判断されながら、電流短絡を発生させたパーマネントカソードを検証するとともに、9箇所の測定位置以外の多数の位置についてもパーマネントカソードの距離測定装置(垂直面)からの距離を測定し、これらの測定距離を用いて距離Dを求めて、パーマネントカソードの歪み(距離D)について従来の方法の測定値との比較を行った。その結果、従来の歪み評価方法で、パーマネントカソードの歪みが十分に正確には評価できていないとの知見が得られた。
本発明は、上記の問題点を鑑み、パーマネントカソードの歪み評価をより適切に行って、パーマネントカソードの歪み修正工程において、煩雑な追加作業を必要とせずに、パーマネントカソードに発生した歪みを効率よく、より適切に修正することを可能とする、パーマネントカソードの歪み評価方法および評価装置を提供することを目的とする。
さらに、測定位置の個数、パーマネントカソードの歪み検出の精度、歪み修正工程の効率、歪み修正工程の結果(適正な歪み修正ができたか否か)、および、パーマネントカソードの廃棄率など、パーマネントカソードの電解精製または電解採取の工程における電流効率や歪み修正工程の効率を総合的に評価することにより、パーマネントカソードの歪みの評価に際して、より適正な測定位置の個数および配置について最適化することも目的とする。
本発明のパーマネントカソードの歪み評価方法は、
パーマネントカソードを垂直面に対して懸架する工程、
距離測定装置を用いて、前記パーマネントカソードの極板部のうちの該垂直面に対向する面の複数箇所の測定位置について前記垂直面からの距離を測定する工程、および、
前記複数箇所の測定位置について得られた測定距離のうちの前記垂直面からの最大値と最小値の差の絶対値を求め、該絶対値が所定の基準値を超えたか否かを判定する工程、
を備え、
前記複数箇所の測定位置は、前記極板部における、縦方向の上端部、中央部、および下端部の3箇所のそれぞれについての横方向の左端部、中央部、および右端部の3箇所の合計9箇所の測定位置と、前記極板部のうちの縦方向の前記中央部から前記下端部にかけての下部についての横方向の少なくとも2箇所の測定位置とからなる、
ことを特徴とする。
前記下部における少なくとも2箇所の測定位置は、前記下端部の3箇所の測定位置よりも下端縁側に配される2箇所の測定位置を含むことが好ましい。
前記複数箇所の測定位置は、前記極板部のうちの縦方向の前記上端部から前記中央部にかけての上部についての横方向の少なくとも2箇所の測定位置をさらに含むことが好ましい。
前記複数箇所の測定位置は、合計で11箇所以上25箇所以下の測定位置からなることが好ましい。
この場合、前記下部における少なくとも2箇所の測定位置は、少なくとも4箇所の測定位置を含むことが好ましい。
本発明のパーマネントカソードの歪み評価装置は、
垂直面を有する固定壁と、
該固定壁の上部に突設され、パーマネントカソードのカソードビームを懸架するハンガー部と、
前記固定壁に取り付けられ、前記垂直面と前記パーマネントカソードの極板部の表面のうちの複数箇所についての距離を測定する距離測定装置と、および、
前記距離測定装置により得られた前記複数箇所についての前記測定距離に基づいて、該測定距離うちの前記垂直面からの最大値と最小値の差の絶対値を求め、該絶対値が所定の基準値を超えたか否かを判定する手段と、
を備え、
前記距離測定装置は、前記懸架された前記パーマネントカソードの極板部のうちの、縦方向の上端部、中央部、および下端部の3箇所のそれぞれについての横方向の左端部、中央部、および右端部の3箇所の合計9箇所の測定位置、並びに、前記極板部のうちの縦方向の前記中央部から前記下端部にかけての下部についての横方向の少なくとも2箇所の測定位置についての前記垂直面からの距離を測定可能に配置されることを特徴とする。
前記距離測定装置は、1個の距離測定装置により構成され、該1個の距離測定装置により前記測定位置の距離測定を順次行うように構成することができる。また、前記距離測定装置は、11個以上25個以下の距離測定装置により構成され、前記固定壁のうちの前記測定位置に対応する位置にそれぞれ配置されることもできる。
前記複数の距離測定装置を備える場合、前記下部における少なくとも2箇所の測定位置の前記距離測定を行う距離測定装置は、前記下端部の3箇所の測定位置の前記距離測定を行う距離測定装置よりも前記極板部の下端縁側に配される2箇所の測定位置に対応する位置に配置される距離測定装置を含むことが好ましい。
前記複数の距離測定装置は、前記極板部のうちの縦方向の前記上端部から前記中央部にかけての上部についての横方向の少なくとも2箇所の測定位置の前記距離測定を行う距離測定装置をさらに含むことが好ましい。
前記下部における少なくとも2箇所の測定位置の前記距離測定を行う前記距離測定装置は、少なくとも4個の距離測定装置を含むことが好ましい。
本発明のパーマネントカソードの評価方法および評価装置では、従来のパーマネントカソードの歪み評価方法における9箇所の測定位置に、前記極板部のうちの縦方向の前記中央部から前記下端部にかけての下部についての横方向の少なくとも2箇所の測定位置を加えて、歪の測定および評価位置をパーマネントカソードの下部に偏重させることで、パーマネントカソードの歪み検出精度を飛躍的に向上させることを可能としている。
図1は、本発明の実施形態の1例にかかるパーマネントカソードの評価方法における、パーマネントカソードの極板における距離測定位置を示す概念図である。 図2は、本発明の実施形態の1例において測定された、パーマネントカソードの歪み(厚さ方向の距離D)の値と、従来方法により測定された、パーマネントカソードの歪み(厚さ方向の距離D)の値とを比較するためのグラフである。 図3は、従来方法における、パーマネントカソードの極板における距離測定位置を示す概念図である。
(1)パーマネントカソードの評価方法
本発明の1態様は、パーマネントカソードの歪み評価方法に関する。
本発明のパーマネントカソードの歪み評価方法の1実施形態の1例は、
パーマネントカソードを垂直面に対して懸架する工程、
距離測定装置を用いて、前記パーマネントカソードの極板部のうちの該垂直面に対向する面の特定の複数箇所の測定位置について前記垂直面からの距離を測定する工程、および、
前記特定の複数箇所の測定位置について得られた測定距離のうちの前記垂直面からの最大値と最小値の差の絶対値を求め、該絶対値が所定の基準値を超えたか否かを判定する工程、
を備える。
(a)パーマネントカソードの懸架工程
[パーマネントカソード]
本発明の対象となるパーマネントカソードは、たとえば、ステンレス、チタンなどの薄板により構成される。具体的には、図1に示すように、本例のパーマネントカソード1は、カソードビーム2と、母板のうちのカソードビーム2との接続部である上端部3と、エッジストリップが取り付けられる両端部4と、母板のうちの上端部3および両端部4を除いた極板部5とを備える。
パーマネントカソード1のうちの母板は、通常、平面視で矩形であり、厚さを有する薄板からなり、たとえば、縦1200mm×横1200mm×厚さ3mm程度の大きさを有する。ただし、その大きさは任意であり、生産効率の向上の観点からより大きいサイズの薄板により構成されることもでき、この場合、剛性の観点から厚さもより厚く構成されることができる。
パーマネントカソード1は、垂直面に対して懸架される。すなわち、パーマネントカソード1は、懸架された状態で、パーマネントカソード1の縦方向が鉛直方向に実質的に一致し、その横方向および厚さ方向が水平方向に実質的に一致する。ただし、パーマネントカソード1は、曲がりや反りなどの歪みを有するため、たとえば、極板部5の表面が鉛直方向に伸長するわけではなく、その上下端面が水平方向に伸長するわけではなく、その左右端面が鉛直方向あるいは水平方向に伸長するわけではない。
以下の説明において、パーマネントカソード1の縦方向はX方向(上下方向)、横方向はY方向(水平方向)、および、厚さ方向はZ方向(幅方向)として表記される場合がある。
[垂直面]
本発明において、垂直面は、パーマネントカソード1の極板部5の表面に対向し、たとえば、後述する距離測定装置が配置される仮想平面により構成されることもできる。たとえば、特開2000-345378号公報では、パーマネントカソードの極板部の表面に対して斜め方向から距離測定を行っているが、それぞれの測定位置における距離測定の数値は、仮想の垂直面からの距離として算出される。本発明の垂直面はこのような仮想平面を含むが、好ましくは、測定空間に設置される固定壁に垂直面が備えられる。
[パーマネントカソードの懸架]
本発明では、距離測定の前提として、パーマネントカソード1を垂直面に対して懸架する工程を備える。すなわち、特開2010-007106号公報、特開2012-207273号公報、および、特開2000-345378号公報では、パーマネントカソードの歪み修正工程の搬送工程の一部において、クレーンなどで吊り上げた状態でパーマネントカソードを懸垂した状態で、距離測定を行っているが、本発明では、パーマネントカソード1のカソードビーム2の両端部が、少なくとも測定空間に設置され、前記垂直面から水平方向に伸長する2つの支持部材に懸架される。支持部材としては、たとえば、これらには限定されないが、前記固定壁の上部に備えられたハンガー部、あるいは、鉛直方向に伸長するように設置された支持柱の上端部に設置されたハンガー部を挙げることができる。
これにより、距離測定時のパーマネントカソード1の安定性が向上するため、パーマネントカソード1のそれぞれの測定位置における距離測定が改善され、パーマネントカソード1の歪み、すなわち、厚さ方向の距離D=│測定距離の最大値―測定距離の最小値│の測定精度を向上させることができる。
(b)パーマネントカソードの距離測定工程
[距離測定装置]
本発明に適用できる距離測定装置としては、超音波式、接触式、レーザ式などのさまざまなタイプのセンサを用いることができるが、測定精度、耐久性、応答の速さなどの観点から、レーザ式距離センサを用いることが最も適している。
[測定位置]
パーマネントカソード1の極板部5のうちの垂直面に対向する面の複数箇所の測定位置について垂直面からの距離を測定する工程である。
図1に示すように、この複数箇所の測定位置には、従来方法と同様に、極板部5における、縦方向の上端部、中央部、および下端部の3箇所のそれぞれについての横方向の左端部、中央部、および右端部の3箇所の合計9箇所(X、X、X、X、X、X、X、X、X)の測定位置が含まれる。
本発明の測定方法では、これらの9箇所の測定位置のほかに、極板部5のうちの縦方向の中央部から下端部にかけての下部(X方向のうちXおよびXの範囲)についての横方向の少なくとも2箇所の測定位置をさらに測定対象としている点に特徴がある。
すなわち、従来方法では、これらの9箇所の測定位置のうちの3点を基準に、たとえば、Xを基準点1として、X基準点2として、Xを基準点3として、仮想平面を算出し、この仮想平面と、これらの9箇所の測定位置における距離測定装置からの測定距離との最大値(仮想平面から距離d)と最小値(仮想平面からの距離-d)の差の絶対値を距離D(=d-(-d))として、歪み評価の対象としている。本発明者らの知見によれば、パーマネントカソード1の極板部5のうち、裾部を含む下部における歪み値(仮想平面からの距離)は、上部および中央部(X方向のうちXからXまでの範囲)における歪み値より大きく、また、その歪み値のばらつき(仮想平面からの歪み方向や歪みの大きさの差)もより大きいとの知見が得られた。その理由は、解明されていないが、極板部5のうちの下部が、電流短絡の熱で歪みやすい、電着金属の剥ぎ取り時のフレキシングにおける応力で歪みやすい、また、その際に電着金属に引っ張られて歪みやすい、クレーンへの装入時に床や障害物と衝突して歪みやすいといったことが想定される。
従来方法では、仮想平面を算出するための基準点として下端部に配置された測定位置を含むため、下部の歪み値が、仮想平面と十分に距離があるものとして測定されず、最大値が過小に算出されることから、距離Dも実際より小さい値として得られ、大きな歪みを伴っているにも拘わらず、基準値内として、歪み修正工程に送り出されることなく、電解槽に繰り返される場合がある。
本発明では、このように歪みが大きい下部を測定対象として優先させることで、パーマネントカソード1の歪み、すなわち距離Dをより適切に得ることを可能としている。
好ましくは、この下部における少なくとも2箇所の測定位置は、下端部の3箇所の測定位置(X、X、Xの白丸)よりも下端縁側、すなわち、極板部5のうちの裾部に配される2箇所の測定位置を含む。より具体的には、本例では、図1における、極板部5のうち縦方向でXよりも下端縁側であって、横方向でYとYの間およびとYの間の2箇所位置(XおよびXのうちの裾部側にある黒丸)を測定位置としている。
測定位置を裾部に配置することにより、極板部の下部のうち、最も歪みが大きく生じやすい裾部を測定対象とすることで、パーマネントカソード1の歪み、すなわち距離Dに、この部分の歪みを反映させることが可能となる。この場合、測定位置の合計は、少なくとも11箇所となる。
たとえば、母板が縦1200mm×横1200mm×厚さ3mm程度の大きさを有するパーマネントカソードでは、歪みの基準値が5mmである場合に、下端部の3箇所の測定位置(X、X、Xの白丸)における仮想平面からの距離の絶対値が2mm程度である場合であっても、前記裾部(XおよびXのうちの裾部側にある黒丸)における仮想平面からの距離の絶対値は3mm~5mm程度となる場合がある。このような傾向は、下端部の3箇所の測定位置(X、X、Xの白丸)が厚さ方向に関して仮想平面により近傍に位置する場合に顕著となる。なお、本発明でも仮想平面の算出方法は従来方法と同様である。
このため、図2に示すように、最終的に得られる距離Dにおいて、下端部の3箇所の測定位置(X、X、Xの白丸)における測定結果に基づいて得られた測定値が基準値を下回る3mm~4mm程度と評価された場合であっても、前記裾部(XおよびXのうちの裾部側にある黒丸)における測定結果を加味した結果、測定値が基準値を超える5mm~6mmと評価されることになり、基準値を超えた歪みを有する、すなわち、電流短絡を発生させる可能性が高いパーマネントカソードを、電解槽に繰り返すことなく、適切に歪み修正工程に移送することが可能となる。
歪みが大きい下部を測定対象として優先させる観点からは、下部における少なくとも2箇所の測定位置は、2箇所の測定位置に限定することなく、少なくとも4箇所の測定位置を測定対象とすることが好ましい。たとえば、これに限定されることはないが、下端部の歪み値のばらつきが大きいことを考慮すると、前記2箇所位置(XおよびXのうちの裾部側にある黒丸)のほか、極板部5の下端部のうち縦方向でXよりも上方側であって、横方向でYとYの間およびとYの間の2箇所位置(XおよびXのうちのX、X、Xの白丸よりも上部側にある黒丸)を測定位置とすることが好ましい。この場合、測定位置の合計は、少なくとも13箇所となる。
本発明の好適な実施態様においては、複数箇所の測定位置には、極板部5のうちの縦方向の上端部(X方向のうちX)から中央部(X方向のうちX)にかけての上部(X方向のうちのXで示される範囲)についての横方向の少なくとも2箇所の測定位置がさらに含まれる。
従来方法では、パーマネントカソード1の歪みが、基本的には、縦方向に関して、極板部5の中央部付近(図1のX方向でXの範囲)で最も凸となる歪み形状(図1のX方向でXの範囲が仮想平面から厚さ方向の一方側に最も突出し、XおよびXの範囲が仮想平面から厚さ方向の他方側に最も突出すること)を前提として、9箇所の測定位置が採用されている。
しかしながら、本発明者らが合計53点について歪みの実測値(仮想平面からの距離の絶対値)を測定したところ、歪み形状はより複雑であって、たとえば、これに限られないが、特に、すでに少なくとも一度の修正を受けたパーマネントカソードにおいて、縦方向に関して、極板部5の中央部であるがより下端部側から中央部と下端部との間までの付近(図1のX方向でXとXの間にある範囲)において、仮想平面から厚さ方向一方側へ最も突出し、極板部5の上端部と中央部との間付近(図1のX方向でXの範囲)および下端部(図1のX方向でXの範囲)のうちの裾部において、仮想平面から厚さ方向他方側に最も突出する、厚さ方向にS字状のカーブが描かれる歪み形状を採る場合があるとの知見が得られた。この場合、従来方法における9箇所の測定位置は、厚さ方向に関して仮想平面に近接し、その測定結果の数値は、実際の歪みよりも小さい結果となる。
特に、極板部5の上端部と中央部との間付近(図1のX方向でXの範囲)における歪み量が大きくなる歪み形状を採ることを考慮する必要がある場合には、上述のように、極板部5のうちの縦方向の上端部(X方向のうちX)から中央部(X方向のうちX)にかけての上部(X方向のうちのXで示される範囲)についての横方向の少なくとも2箇所の測定位置について、測定対象とすることが好ましいこととなる。当該位置のみを追加の測定位置とする場合、測定位置の合計は、少なくとも11箇所となる。本例では、(X、X、Xの黒丸)の合計3箇所に測定位置をさらに配置している。
なお、この歪み形状において、極板部5の中央部であるがより下端部側から中央部と下端部との間までの付近(図1のX方向でXとXの間にある範囲)の歪みについては、中央部の3箇所の測定位置(X、X、Xの白丸)における測定結果が利用できると考えられる。
[測定位置の合計数]
本発明では、測定位置の合計数は、少なくとも11箇所である。測定位置の合計数の上限については、25箇所以下とすることが好ましい。測定位置の合計数は、11箇所以上21箇所の範囲とすることがより好ましく、11箇所以上17箇所の範囲とすることがさらに好ましく、11箇所、13箇所、または15箇所とすることが最も好ましい。
本発明者らの検討によれば、測定箇所が9箇所では、測定位置が局所的となって、パーマネントカソード1の実際の歪み形状に基づいた歪み実測値が得られず、結果として評価対象となる厚さ方向の距離Dが適切に得られないとの知見が得られている。
一方、測定位置の数が増加するほど、歪み検出精度は向上し、得られる厚さ方向の距離Dの値も増加する傾向にあることが分かっている。たとえば、母板が縦1200mm×横1200mm×厚さ3mm程度の大きさを有するパーマネントカソードにおいて、従来方法の9箇所の測定位置における測定結果に基づく厚さ方向の距離Dの値が、基準値内の3mm~5mmであったサンプルについて、上述の検討において用いた53箇所の測定位置における測定結果に基づく厚さ方法の距離Dの値が、9mm~11mmとなる例が存在していた。
しかしながら、本発明者らの知見によれば、測定位置が25箇所を超えると、極板部5のうちの電流短絡の発生の起因とならない部分の歪みを拾う場合が増加し、実際に歪み修正が必要とされないパーマネントカソードについて、歪み修正が必要であると評価する例があることが分かった。また、この場合、歪み修正工程において、測定結果に基づいて歪みの修正を行おうとすると、歪みの修正のために歪みの大きな部分を押圧することに起因して、その応力により、その他の部分の歪みが大きくなり、パーマネントカソードの変形が促進されてしまう場合があり、特に、電流短絡の原因となる下部(裾部および下端部を含む)の歪みが許容値を超えてしまうなど、歪み修正の効果が十分に得られない場合があることも分かった。さらに、この場合の歪み形状を修正するためには、歪み修正工程において歪みを低減させるための作業が繁雑となりすぎ、作業時間も徒に長く必要されることも分かった。
また、本発明者らは、測定位置の合計数を11箇所~25箇所の範囲について、修正が必要とされるパーマネントカソードの検出度(実際に修正工程に移送されるパーマネントカソードの数)、および、修正工程による修正の精度(修正後の歪みが基準値内となる割合)、すなわち、修正工程を経ても基準時を満たさないパーマネントカソードの数の少なさなどの観点からより適正な数と測定位置を検討したところ、(1)歪みの検出精度を優先するよりも、歪みが最も大きくなりやすく、かつ、電流短絡の発生の起因となりやすい、下部、好ましくは下端部、より好ましくは裾部を優先的に測定対象とすることが好ましく、(2)基本的に、下部、好ましくは下端部、より好ましくは裾部の横方向2箇所に測定位置を追加することにより、効率的に歪み修正が必要なパーマネントカソードを検出でき、かつ、歪み修正の効果もより得られ、かつ、修正時の作業効率も最も良好であるとの知見が得られている。以上の事項のほか、適宜、評価装置の製造および維持コストなども考慮しつつ、補完的に測定位置を25箇所まで増加させることにより、従来方法に比較して、飛躍的に精度と効率性が向上したパーマネントカソードの歪み測定および評価が可能となる。
(2)パーマネントカソードの歪み評価装置
本発明の評価方法を実施するための評価装置については、カソードビームを適切に懸架でき、かつ、本発明の測定位置について垂直面からの測定が可能である限り、制限されることはない。ただし、本発明の歪み評価装置は、
垂直面を有する固定壁と、
該固定壁の上部に突設され、パーマネントカソードのカソードビームを懸架するハンガー部と、
前記固定壁に取り付けられ、前記垂直面と前記パーマネントカソードの極板部の表面のうちの複数箇所についての距離を測定する距離測定装置と、および、
前記距離測定装置により得られた前記複数箇所についての前記測定距離に基づいて、該測定距離うちの前記垂直面からの最大値と最小値の差の絶対値を求め、該絶対値が所定の基準値を超えたか否かを判定する手段と、
を備えることが好ましい。
なお、本発明の歪み評価装置は、歪み修正工程に必要とされる押圧手段などをさらに備えることにより、歪み修正装置として適用することが可能である。
本発明の装置では、パーマネントカソード1をホイストクレーンなどで吊り上げた状態で懸垂するのではなく、カソードビーム1の両端部を2個のハンガー部に懸架させることで、パーマネントカソードを保持するため、測定時並びに修正時のパーマネントカソード1の安定性が増して、歪み測定および評価の精度並びに修正の精度を向上させることができる。なお、ハンガー部に懸架した状態でパーマネントカソード1の下部が振れやすい場合には、固定壁の下部に押さえ金具などの振れ止め手段を備えることもできる。
距離測定装置は、前述したように、その種類は問われることはないが、距離センサを用いることが好ましく、非接触式のレーザ式距離センサを用いることがより好ましい。
距離測定装置の設置位置は、歪み測定および評価の観点からは、複数の距離センサのセンシング部が同一の垂直面に存在する限り、固定壁のうちのパーマネントカソード1が配置される表側に設置することもできるが、歪み修正装置としても用いる場合には、パーマネントカソード1の押し込みの障害とならないように、固定壁の裏側に設置することが好ましい。この場合、固定壁に、センサからのレーザや超音波が通過できる開孔部を備えるか、あるいは、全面に多数の孔が規則的に備えられたパンチング構造の固定壁が用いられる。
距離測定装置は、1個の距離測定装置により構成することができ、この場合、距離測定装置は、X方向およびY方向に距離測定装置を移動させることが可能な公知の搬送手段に取り付けられ、本発明の評価方法で必要とされる複数の測定位置について、距離測定を順次行うように構成される。この実施形態は、たとえば、固定壁を用いない装置を用いる場合に好適に適用される。
固定壁を用いる場合には、11個以上25個以下の距離測定装置、具体的にはこれらの範囲の個数の距離センサが用いられ、これらは、前述の通り、固定壁のうちの本発明の複数の測定位置に対応する位置にそれぞれ配置される。
基本的に、距離測定装置の設置位置は、本発明の歪み評価方法における複数の測定位置に対応する位置である。よって、距離測定装置は、従来方法と同様の9箇所の測定位置に対応する固定壁の9箇所のほか、極板部5の下部における少なくとも2箇所の測定位置に対応する固定壁の少なくとも2箇所位置に設置される。特に、下端部の3箇所の測定位置の距離測定を行う距離測定装置よりも下方側で、極板部の下端縁側に配される2箇所の測定位置に対応する2箇所位置に、追加の距離測定装置が配置されていることが好ましい。
極板部5の下部の測定位置の距離測定を行うために、固定壁のそれぞれ対応する位置に4個以上の距離測定装置が備えられることが好ましい。
必要に応じて、極板部5のうちの縦方向の上端部から中央部にかけての範囲にある上部についての横方向の少なくとも2箇所の測定位置に対応する、少なくとも2個の追加の測定装置を備えることもできる。
本発明の歪み評価装置を歪み修正装置に適用する場合、その構成は公知の構造を適宜適用でき、歪み修正には、ハンマー、全面押しや部分押しのプレス機、レベラーなどを用いることができる。また、特開2012-207273号公報に記載された押圧手段、押し当手段、および受止部材を備えた歪み修正装置を用いることもできる。この歪み修正装置の内容は、その引用により、本明細書に含められるものとし、その説明はここでは省略する。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに説明する。ただし、本発明はこれらの実施例により限定されることはない。
[実施例1]
銅電解工程で繰り返し使用したステンレス製のパーマネントカソード55枚について、本発明の歪み評価装置および歪み評価方法を用いて歪みの評価を行った。なお、パーマネントカソード1は、母板が縦1200mm×横1200mm×厚さ3mm程度の大きさであり、母板のうち、エッジストリップが配置される両端部4およびカソードビーム2への接続部(上端部3)を除いた電極部分(極板部5)のサイズは、縦1050mm×横1070mm×厚さ3mmであった。
歪み測定装置として、固定壁に21個の距離センサが設置された装置を用いた。極板部5のうちの21箇所の測定位置は、図1に示すとおり、縦方向(X方向)の上端部、中央部、および下端部の3箇所のそれぞれについての横方向(Y方向)の左端部、中央部、および右端部の3箇所の合計9箇所(X、X、X、X、X、X、X、X、Xの白丸)のほか、上部3箇所(X、X、Xの黒丸)、中央部のうちの下部寄り部分2箇所(X、Xの黒丸)、下部のうち中央部寄り部分3箇所(X、X、Xの黒丸)、下部のうち下端部寄り部分2箇所(X、Xの黒丸)、および、下端部のうちの裾部の2箇所(X、Xの黒丸)の合計13箇所を追加し、総合計21箇所とした。
距離センサによって測定された垂直面(距離センサ)から測定位置までの測定距離のデータに基づいて、汎用のコンピュータを用いて、測定距離うちの垂直面(距離センサ)からの最大値と最小値の差の絶対値を求めて、厚さ方向の距離Dを算出した。
その結果、図2の縦軸に示すように、55枚のパーマネントカソード1の歪み(厚さ方向の距離D)は、3mm~6mmの範囲にあった
[実施例2]
実施例1において、歪み修正が必要とされるパーマネントカソード1を歪み修正工程に移送する前に、9箇所(X、X、X、X、X、X、X、X、Xの白丸)の測定位置のほか、下端部のうちの裾部の2箇所(X、Xの黒丸)のみに追加の測定位置を設定し、測定位置の総合計を11箇所としたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ方向の距離Dを求めた。その結果、実施例1で基準値近傍であるが、基準値を超えると判断されたパーマネントカソードのうち、ごく一部について基準値内と判断されたほか、細部の相違はあるものの、実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
[比較例1]
実施例1において、歪み修正が必要とされるパーマネントカソード1を歪み修正工程に移送する前に、9箇所(X、X、X、X、X、X、X、X、Xの白丸)のみを測定位置としたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ方向の距離Dを求めた。
その結果、図2に示すように、実施例1で厚さ方向の距離Dが5mm~6mmの範囲にあると判定されたパーマネントカソード1の一部について、厚さ方向の距離Dが2mm~5mmの範囲に算出され、基準値の5mm以内と判断されてしまった。
以上の結果から、21点測定の本発明では、基準値の5mmを超えるパーマネントカソードを適切に検出しており、かつ、これらの歪み修正を適切に施すことができることが理解される。一方、比較例1では、本来基準値を超えるとされた約20個のパーマネントカソードについて基準値内であると判断されており、その歪み検出精度が十分ではないことが理解される。なお、実施例2より、パーマネントカソード2の下部、特に裾部に歪み検出の優先度を付与することにより、効率的に歪み評価が行えることが理解される
1 パーマネントカソード
2 カソードビーム
3 上端部
4 両端部
5 極板部

Claims (10)

  1. パーマネントカソードを垂直面に対して懸架する工程、
    距離測定装置を用いて、前記パーマネントカソードの極板部のうちの該垂直面に対向する面の複数箇所の測定位置について前記垂直面からの距離を測定する工程、および、
    前記複数箇所の測定位置について得られた測定距離のうちの前記垂直面からの最大値と最小値の差の絶対値を求め、該絶対値が所定の基準値を超えたか否かを判定する工程、
    を備え、
    前記複数箇所の測定位置は、前記極板部における、縦方向の上端部、中央部、および下端部の3箇所のそれぞれについての横方向の左端部、中央部、および右端部の3箇所の合計9箇所の測定位置と、前記極板部のうちの縦方向の前記中央部から前記下端部にかけての下部についての横方向の少なくとも2箇所の測定位置とからなる、
    パーマネントカソードの歪み評価方法。
  2. 前記下部における少なくとも2箇所の測定位置は、前記下端部の3箇所の測定位置よりも下端縁側に配される2箇所の測定位置を含む、請求項1に記載のパーマネントカソードの歪み評価方法。
  3. 前記複数箇所の測定位置は、前記極板部のうちの縦方向の前記上端部から前記中央部にかけての上部についての横方向の少なくとも2箇所の測定位置をさらに含む、請求項1または2に記載のパーマネントカソードの歪み評価方法。
  4. 前記複数箇所の測定位置は、合計で11箇所以上25箇所以下の測定位置からなる、請求項1~3のいずれかに記載のパーマネントカソードの歪み評価方法。
  5. 前記下部における少なくとも2箇所の測定位置は、少なくとも4箇所の測定位置を含む、請求項4に記載のパーマネントカソードの歪み評価方法。
  6. 垂直面を有する固定壁と、
    該固定壁の上部に突設され、パーマネントカソードのカソードビームを懸架するハンガー部と、
    前記固定壁に取り付けられ、前記垂直面と前記パーマネントカソードの極板部の表面のうちの複数箇所についての距離を測定する距離測定装置と、および、
    前記距離測定装置により得られた前記複数箇所についての前記測定距離に基づいて、該測定距離うちの前記垂直面からの最大値と最小値の差の絶対値を求め、該絶対値が所定の基準値を超えたか否かを判定する手段と、
    を備え、
    前記距離測定装置は、前記懸架された前記パーマネントカソードの極板部のうちの、縦方向の上端部、中央部、および下端部の3箇所のそれぞれについての横方向の左端部、中央部、および右端部の3箇所の合計9箇所の測定位置、並びに、前記極板部のうちの縦方向の前記中央部から前記下端部にかけての下部についての横方向の少なくとも2箇所の測定位置についての前記垂直面からの距離を測定可能に配置される、
    パーマネントカソードの歪み評価装置。
  7. 前記距離測定装置は、11個以上25個以下の距離測定装置により構成され、前記固定壁のうちの前記測定位置に対応する位置にそれぞれ配置される、請求項6に記載のパーマネントカソードの歪み評価装置。
  8. 前記下部における少なくとも2箇所の測定位置の前記距離測定を行う距離測定装置は、前記下端部の3箇所の測定位置の前記距離測定を行う距離測定装置よりも前記極板部の下端縁側に配される2箇所の測定位置に対応する位置に配置される距離測定装置を含む、請求項7に記載のパーマネントカソードの歪み評価装置。
  9. 前記複数の距離測定装置は、前記極板部のうちの縦方向の前記上端部から前記中央部にかけての上部についての横方向の少なくとも2箇所の測定位置の前記距離測定を行う距離測定装置をさらに含む、請求項7または8に記載のパーマネントカソードの歪み評価装置。
  10. 前記下部における少なくとも2箇所の測定位置の前記距離測定を行う前記距離測定装置は、少なくとも4個の距離測定装置を含む、請求項7~9のいずれかに記載のパーマネントカソードの歪み評価装置。
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