JP7247273B2 - 電波暗箱および該電波暗箱を用いた試験装置 - Google Patents

電波暗箱および該電波暗箱を用いた試験装置 Download PDF

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Description

本発明は、電波暗箱及び該電波暗箱を用いた試験装置に関する。
近年、マルチメディアの進展に伴い、セルラ、無線LAN等の無線通信用のアンテナが実装された無線端末(スマートフォン等)が盛んに生産されるようになっている。今後は、特に、ミリ波帯の広帯域な信号を使用するIEEE802.11adや5Gセルラ等に対応した無線信号を送受信する無線端末が求められる。
無線端末の設計開発会社又はその製造工場においては、無線端末が備えている無線通信アンテナに対して、通信規格ごとに定められた送信電波の出力レベルや受信感度を測定し、これらのRF(Radio Frequency)特性が所定の基準を満たすか否かを判定する性能試験が行われる。また、性能試験では、RRM(Radio Resource Management)特性の測定も行われる。RRM特性の測定は、基地局と無線端末間の無線リソース制御、例えば隣接基地局間のハンドオーバ等が正しく動作するか否かを確認するために行われる。
4G、あるいは4Gアドバンスから5Gへの世代移行に伴い、上述した性能試験の試験方法も変わりつつある。例えば、5G NR(New Radio)システム用の無線端末を被試験対象(Device Under Test:DUT)とする性能試験においては、4Gや4Gアドバンス等の試験で主流であったDUTのアンテナ端子と試験装置とを有線接続する方法は、高周波回路にアンテナ端子を付けることによる特性劣化、又は、アレーアンテナの素子数が多くアンテナ端子を全素子に付けることがスペース面・コスト面を考慮して現実的でないことなどの理由で使用できない。このため、DUTを試験用アンテナとともに周囲の電波環境に影響されない電波暗箱の中に収容し、試験用アンテナからDUTに対する試験信号の送信と、試験信号を受信したDUTからの被測定信号の試験用アンテナでの受信とを無線通信により行う、いわゆるOTA(Over The Air)試験が行われるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
OTA試験では、電波暗箱内に配置された試験用アンテナにより、例えば球形のクワイエットゾーン(quiet zone)が形成され、DUTはクワイエットゾーン内に配置される。ここで、クワイエットゾーンとは、OTA試験環境を構成する電波暗箱において、DUTが試験用アンテナからほぼ均一な振幅と位相の電波で照射される空間領域の範囲を表す概念である(例えば、非特許文献1参照)。このようなクワイエットゾーンにDUTを配置することにより、周りからの散乱波の影響を抑えた状態でOTA試験を行うことが可能になる。
特開2020-085784号公報
3GPP TR 38.810
特許文献1に記載の試験装置では、電波暗箱内にDUTの被試験アンテナと送受信可能な複数の試験用アンテナが設けられ、DUTの送受信特性を測定するようになっている。送受信特性の測定では、一般に遠方界測定(FFM(Far Field Measurement))が行われる。特許文献1に記載の試験装置では、回転放物面状の反射面を有したリフレクタが設けられ、このリフレクタが試験用アンテナから放射された電波をDUTに向け反射し又はDUTから放射された電波を試験用アンテナに向け反射するようになっている。比較的大きなリフレクタを用いて間接的な遠方界測定を行うため、例えば、幅2.2m、奥行き1.2m、高さ2.0m程度の比較的サイズの大きな電波暗箱が必要であった。
このようにサイズの大きな電波暗箱の場合、完成品の状態で製造工場から納入現場等へ運搬する場合、特に外国に運搬する場合には、輸送機に積載可能な最大容積が制限されており、また容積が大きいと輸送費が高額になるという問題があった。これを避けるため、部品の状態で搬入して現場で組み立てるとしても、ネジ等による取付箇所が多く、組立作業に手間や時間がかかり容易でなかった。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであって、容易に分割して運搬することができ、運搬先で容易に組み立てることができる電波暗箱及びそれを用いた試験装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る電波暗箱は、無線端末の送信又は受信特性の測定に用いられる電波暗箱(50)であって、各々が金属のフレーム(301、401、501)と該フレームに固定された金属の面状部(302、402、502)とを備え、互いに連結されて前記面状部で囲まれた箱状体を構成する複数のチャンバー部(300、400、500)と、前記複数のチャンバー部のうち隣接する第1のチャンバー部(300)と第2のチャンバー部(400)とを連結する連結シャフト(310)と、を備え、前記第1のチャンバー部が備える前記フレームは、前記連結の方向に水平に前記第1のチャンバー部の全幅にわたって延在しかつ長手方向に貫通穴(301d)が形成された柱状の連結フレーム(301A)を含み、前記連結シャフトは、前記連結フレームの前記貫通穴に挿通され、前記連結シャフトの一端部(310a)が、前記連結フレームの一端にて前記第2のチャンバー部に着脱自在に固定され、前記連結シャフトの他端部(310b)が、前記連結フレームの他端に着脱自在に固定され、前記連結シャフトの他端部は、前記連結フレームの他端と共に前記第1のチャンバー部の前記連結する方向とは直交する前記面状部に着脱自在に固定されていることを特徴とする。
上述のように、本発明に係る電波暗箱は、連結シャフトにより複数のチャンバー部が連結されて金属の面状部で囲まれた箱状体を構成するようになっている。これにより、サイズの大きな電波暗箱であっても、分割して容易に運搬することができる。
また、本発明に係る電波暗箱において、連結シャフトは、隣接する第1のチャンバー部が備える連結フレームの貫通穴に挿通され、連結シャフトの一端部が、連結フレームの一端にて隣接する第2のチャンバー部に着脱自在に固定され、連結シャフトの他端部が、連結フレームの他端に着脱自在に固定されるようになっている。このように、連結シャフトの一方の端部と他方の端部を隣接する第1のチャンバー部と第2のチャンバー部にそれぞれ固定することで、電波暗箱を容易に組み立てることができる。また、連結シャフトは連結フレームの貫通穴にガイドされて挿通されるので、連結シャフトの動きが規制され、連結シャフトの取り付けを容易に行うことができる。連結シャフトの両端の固定を解除することにより、電波暗箱を容易に分割することができる。
しかも、連結シャフトは左右の連結方向に水平に第1のチャンバー部の全幅にわたって延在した連結フレームの貫通穴に挿通させて固定するので、組立て・分割の際に電波暗箱の背後に回る必要がなく、背後に壁等があり作業員が入り込めない場合であっても左右から組立て・分割を容易に行うことができる。
また、本発明に係る電波暗箱は、連結シャフトの他端部が、連結フレームの他端だけでなく外装板などの面状部とも着脱自在に固定されるので、効率的に組立作業を行うことができる。
よって、本発明に係る電波暗箱は、容易に分割して運搬することができ、運搬先で容易に組み立てることができる。
また、本発明に係る電波暗箱において、前記第2のチャンバー部が備える前記フレームは、長手方向にスライド自在な固定具(420)を有する柱状の支柱フレーム(401A)を含み、前記連結シャフトの前記一端部は、前記支柱フレームの前記固定具に対し前記長手方向にスライド不可な状態で固定される構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る電波暗箱は、連結シャフトの一端部が、隣接する第2のチャンバー部が備える比較的強度の強い支柱フレームの固定具に固定されるので、強固に固定することができる。また、連結シャフトの一端部を固定具に固定する前は、固定具がスライド可能なので、連結シャフトの一端部と固定具との位置調整を容易に行うことができる。
また、本発明に係る電波暗箱において、前記複数のチャンバー部が備える前記フレームは、長手方向に前記連結シャフトを挿通可能な貫通穴が形成され、かつ、側部に前記固定具をスライド自在に収容可能な凹条部を備えた同一断面形状を有した構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る電波暗箱は、断面同形の同一種類のフレームを所要の長さに切断して用いることができるので、製造コストを低減することができる。
また、本発明に係る電波暗箱は、前記複数のチャンバー部のうち隣接する前記第2のチャンバー部と第3のチャンバー部(500)とを連結する別の連結シャフト(510)をさらに備え、前記第3のチャンバー部が備える前記フレームは、前記連結の方向に水平に前記第3のチャンバー部の全幅にわたって延在しかつ長手方向に貫通穴が形成された柱状の連結フレーム(501A)を含み、前記別の連結シャフトは、前記第3のチャンバー部の前記連結フレームの前記貫通穴に挿通され、前記別の連結シャフトの一端部が、該連結フレームの一端にて前記第2のチャンバー部に着脱自在に固定され、前記別の連結シャフトの他端部が、該連結フレームの他端に着脱自在に固定される構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る電波暗箱は、サイズが大きくても容易に3分割して運搬することができ、運搬先で容易に組み立てることができる。
また、本発明に係る電波暗箱において、前記複数のチャンバー部のうち隣接する2つのチャンバー部の一方のチャンバー部が備える前記フレームに位置決めピン(430)が設けられ、対応するもう一方のチャンバー部が備える前記フレームに前記位置決めピンを案内して嵌入させるガイド穴を有するピン受部(532)が設けられた構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る電波暗箱は、連結される2つのチャンバー部の位置決めを精度よく容易に行うことができる。また、位置決めピン及びピン受部が電波暗箱において比較的強度の強いフレームに取り付けられるので、位置決めの際に位置決めピン又はピン受部により相手方のチャンバー部を支持することができる。
また、本発明に係る試験装置は、被試験アンテナ(110)を有する被試験対象(100)の送信特性又は受信特性を測定する試験装置(1)であって、周囲の電波環境に影響されない内部空間(51)を有する、上記いずれかに記載の電波暗箱と、前記被試験アンテナとの間で無線信号を送信又は受信する1又は複数の試験用アンテナ(6)と、前記内部空間におけるクワイエットゾーン(QZ)内に配置された前記被試験対象の姿勢を順次変化させる姿勢可変機構(56)と、前記内部空間における前記クワイエットゾーン内に配置された前記被試験対象に対して前記複数の試験用アンテナのうち1又は複数の試験用アンテナを選択的に使用して前記被試験対象の送信特性又は受信特性の測定を行う測定装置(2)と、を備えたことを特徴とする。
この構成により、本発明に係る試験装置は、被試験対象の送信特性又は受信特性の姿勢依存性を測定することができる。また、被試験対象のRF特性やRMM特性を測定することができる。
また、本発明に係る電波暗箱の組立方法は、無線端末の送信又は受信特性の測定に用いられる電波暗箱(50)の組立方法であって、各々が金属のフレーム(301、401、501)と該フレームに固定された金属の面状部(302、402、502)とを備え、互いに連結されて前記面状部で囲まれた箱状体を構成する複数のチャンバー部(300、400、500)と、前記複数のチャンバー部のうち隣接する第1のチャンバー部(300)と第2のチャンバー部(400)を連結する連結シャフト(310)と、を用意し、前記隣接する前記第1のチャンバー部(300)が備える前記フレームは、前記連結の方向に水平に前記第1のチャンバー部の全幅にわたって延在しかつ長手方向に貫通穴(301d)が形成された柱状の連結フレーム(301A)を含んでおり、前記連結シャフトの一端部(310a)を、前記隣接する前記第2のチャンバー部(400)に着脱自在に固定し、前記連結シャフトを、前記連結フレームの前記貫通穴に挿通し、前記連結シャフトの他端部(310b)を、前記連結フレームの他端及び前記第1のチャンバー部の前記連結する方向とは直交する前記面状部に着脱自在に固定する、ことを含むことを特徴とする。
この構成により、本発明に係る電波暗箱の組立方法では側面側からの作業で、連結シャフトの両端を、2つのチャンバー部にそれぞれ固定することができるため、電波暗箱の背面に回ることなく、電波暗箱を容易に組み立てることができる。さらに、電波暗箱の背面にスペースが無くても作業ができるため、省作業スペース化ができる。
本発明によれば、容易に分割して運搬することができ、運搬先で容易に組み立てることができる電波暗箱及びそれを用いた試験装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る試験装置全体の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る試験装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る試験装置の統合制御装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る試験装置のNRシステムシミュレータの機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る電波暗箱の斜視図である。 図5の電波暗箱の扉を外して分離した状態を示す正面図である。 図5の電波暗箱の分解斜視図である。 分割チャンバーを連結する方法を示す模式図である。 図1の電波暗箱のIX-IX断面図である。 図7の部分拡大図であり、位置決めピンにより位置合わせの方法を示す。 図7の部分拡大図であり、連結シャフトを固定する方法を示す。 図7の部分拡大図であり、連結シャフトの端部をネジで固定する方法を示す。 図7の部分拡大図であり、架台を連結する方法を示す。 本発明の実施形態に係る電波暗箱の組立方法の概略を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態に係る電波暗箱を用いた試験装置について、図面を参照して説明する。なお、各図面上の各構成要素の寸法比は、実際の寸法比と必ずしも一致していない。
本実施形態に係る試験装置1は、アンテナ110を有するDUT100の送信特性又は受信特性を測定するものであり、例えば、DUT100のRF特性やRRM特性を測定するようになっている。このために、試験装置1は、電波暗箱(OTAチャンバーともいう)50と、複数の試験用アンテナ6a、6b、6c、6d、6e、6f(以下、試験用アンテナ6と総称することもある)と、姿勢可変機構56と、統合制御装置10と、NRシステムシミュレータ20と、信号処理部40と、信号切替部41とを備えている。なお、本実施形態の統合制御装置10とNRシステムシミュレータ20と信号処理部40と信号切替部41は、本発明の測定装置2に対応する。
図1は、試験装置1の外観構造を示し、図2は、試験装置1の機能ブロックを示す。ただし、図1においては、電波暗箱50について正面から透視した状態における各構成要素の配置態様を示している。
図1及び図2に示すように、電波暗箱50は、周囲の電波環境に影響されない内部空間51を有している。試験用アンテナ6及びリフレクタ7は、電波暗箱50の内部空間51に設置され、DUT100の送信特性又は受信特性を測定するための無線信号をアンテナ110との間で送信又は受信するようになっている。姿勢可変機構56は、電波暗箱50の内部空間51におけるクワイエットゾーンQZ内に配置されたDUT100の姿勢を変化させるようになっている。統合制御装置10、NRシステムシミュレータ20、信号処理部40、及び信号切替部41は、姿勢可変機構56により姿勢を変化させたDUT100に対して1又は2の試験用アンテナ6を用いて、DUT100の送信特性又は受信特性の測定を行うようになっている。以下、各構成要素について説明する。
(電波暗箱)
電波暗箱50は、無線端末の送信又は受信特性の測定に用いられ、例えば5G用の無線端末の性能試験に際してのOTA試験環境を実現するものであって、図1、図2に示すように、電波暗箱50は、例えば、直方体形状の内部空間51を有する金属製の筐体本体部52により構成されている。電波暗箱50は、内部空間51に、DUT100と、DUT100のアンテナ110と対向するリフレクタ7及び試験用アンテナ6を、外部からの電波の侵入及び外部への電波の放射を防ぐ状態にて収容するようになっている。
また、電波暗箱50の内面全域、つまり、筐体本体部52の底面52a、側面52b及び上面52cの全面には、電波吸収体55が貼り付けられ、内部空間51の無響特性を確保すると共に、外部への電波の放射規制機能が強化されている。このように、電波暗箱50は、周囲の電波環境に影響されない内部空間51を形成している。本実施形態で用いる電波暗箱50は、例えば、CATR(Compact Antenna Test Range)方式の無響チャンバー(Anechoic Chamber)である。
図5は、本発明の実施形態に係る電波暗箱50の斜視図であり、図6は、図5の電波暗箱50の扉470を外して各チャンバー部を分離した状態を示す正面図である。図5及び図6に示すように、本実施形態に係る電波暗箱50は、図6の左から順に第1のチャンバー部300と、中央の第2のチャンバー部400と、右側の第3のチャンバー部500とを備えており、これら3つのチャンバー部(分割チャンバーともいう)が着脱可能に互いに連結されて、図5に示すような金属板等の面状部67で囲まれた箱状の電波暗箱50を構成している。具体的には、連結された状態の電波暗箱50は、周囲を囲う周壁部60と、周壁部60の上下で対向する天面部61および底面部62とを有している。なお、電波暗箱50の扉470が付いている側を正面、その左側を左側面、右側を右側面、正面に対向した側を背面と称する。
図9は、図1の電波暗箱50のIX-IX断面図である。図6及び図9に示すように、電波暗箱50又は筐体本体部52は、例えばアルミ製の柱状のフレーム301、401、501により骨組みが構成され、フレーム301、401、501に金属の外装板302、402、502や金属の内装板303、403、503等の面状部67がそれぞれ取り付けられている。すなわち、各チャンバー部300、400、500は、フレーム301、401、501と該フレームに固定された金属の面状部67とを備えて構成され、それらが互いに連結されて1重又は2重の金属板で囲まれた内部空間51を形成するようになっている。このようなフレーム構造により所望の強度を維持するとともに、適当な厚みの金属板を有する面状部67をフレームに固定して壁部等を形成することにより、所望の電磁シールド性能を発揮するようになっている。本実施形態では、フレーム301、401、501は全て同じ種類、すなわち断面形状が同じものを用いているが、用いられる箇所によって種類を変えてもよい。
(電波暗箱の連結構造)
図7は、図5の電波暗箱50の分解斜視図である。図7に示すように、隣接する第1のチャンバー部300と第2のチャンバー部400、及び隣接する第2のチャンバー部400と第3のチャンバー部500とは、それぞれ連結シャフト310、510を用いて連結されるようになっている。連結シャフト310は、第1のチャンバー部300においてZ軸に平行に第1のチャンバー部300の全幅にわたって延在するフレーム301A(連結フレームという)の長手方向に形成された貫通穴に通され、連結シャフト310の一端部が第2のチャンバー部400において第1のチャンバー部300に向かい合った側に設けられたフレーム401(支柱フレームという)の側面に取り付けられ、他端部が六角穴付ボルト326等の取付具により第1のチャンバー部300に固定する。連結シャフト310は、10本用いられており、よって、連結フレーム301Aも10本設けられている。ただし、連結シャフト310の本数はこれに限定されず、任意の本数であってもよい。
同様に、連結シャフト510は、第3のチャンバー部500においてZ軸に平行に第3のチャンバー部500の全幅にわたって延在するフレーム501A(連結フレームという)の長手方向に形成された貫通穴に通され、連結シャフト510の一端部が第2のチャンバー部400において第3のチャンバー部500に向かい合った側に設けられたフレーム401(支柱フレームという)の側面に取り付けられ、他端部が六角穴付ボルト526等の取付具により第3のチャンバー部500に固定する。連結シャフト510は、10本用いられており、よって、連結フレーム501Aも10本設けられている。ただし、連結シャフト510の本数はこれに限定されず、任意の本数であってもよい。
第2のチャンバー部400には、第1のチャンバー部300と対向する側に、Z軸方向に延在する位置決めピン430が設けられ、第1のチャンバー部300には、位置決めピン430を案内して嵌入させるガイド穴を有するピン受部532が設けられている。また、第2のチャンバー部400には、第3のチャンバー部500と対向する側に、Z軸負方向に延在する位置決めピン430が設けられ、第3のチャンバー部500には、位置決めピン430を案内して嵌入させるガイド穴を有するピン受部532が設けられている。
図8は、連結シャフト310を用いて第1のチャンバー部300と第2のチャンバー部400を連結する方法を説明するための模式図である。図8(a)に示すように、連結シャフト310は、一端部310aに雄ネジ310cが形成され、他端部310bに雌ネジ310dが形成されている。また、第1のチャンバー部300が備えるフレーム301は、隣接するチャンバー部同士の連結の方向(連結方向という。図7のZ軸方向と同じ。)に水平に第1のチャンバー部300の全幅にわたって延在しかつ長手方向に貫通穴301dが形成された柱状の連結フレーム301Aを含んでいる。「連結方向」とは、図7において第1~第3のチャンバー部300、400、500を連結する際に中央の第2のチャンバー部400を挟んで左右の第1のチャンバー部300と第3のチャンバー部500を移動させる方向であり、Z軸方向又は左右方向又は幅方向ともいう。
また、第2のチャンバー部400が備えるフレーム401は、側部に長手方向にスライド自在な固定具420を有する柱状の支柱フレーム401Aを含んでいる。支柱フレーム401Aは、上下方向(Y軸方向)に延在しているが、前後の水平方向(X軸方向)に延在しているフレームであっても良い。固定具420は、連結シャフト310の一端部310aに形成された雄ネジ310cに螺合するよう雌ネジが形成されている。支柱フレーム401Aの側部には、固定具420を収容可能な凹条部401eが長手方向に形成されている。また、支柱フレーム401Aは、長手方向に連結シャフト310を挿通可能な貫通穴401dが形成されている。
具体的には、支柱フレーム401Aは、長手方向に貫通穴401dを有する柱状の支柱部401cが中心に設けられ、その外側に断面外形が略矩形の外枠401gが支持部401fにより支持された構成をなしている。外枠401gは一部に開口が形成され、この外枠401と支柱部401cと支持部401fとにより、長手方向に延在する凹条部401eが形成されている。
本実施形態では、連結シャフト310の一端部310aに雄ネジ310cが形成され、固定具420側に雌ネジが形成されているが、これに限定されるものではなく、連結シャフト310側に雌ネジが設けられ、固定具420側に雄ネジが設けられていてもよい。
図8(b)、(c)、(d)に示すように、連結シャフト310は、支柱フレーム401Aの側部にガスケット424と押え具422を装着した状態で、一端部310aの雄ネジ310cを、隣接する第2のチャンバー部400の固定具420の雌ネジに螺合させることで着脱自在に固定される。このように固定された状態において、固定具420は、固定具420の端部と押え具422とで外枠401gが挟まれて、支柱フレーム401Aの長手方向にスライドできない状態になっている。そして、連結シャフト310は、連結フレーム301Aの貫通穴301dに挿通され、連結フレーム301Aの一端301aが支柱フレーム401Aの側部に当接した状態となる。
図8(e)に示すように、連結シャフト310の他端部310bが、連結フレーム301Aの他端301b及び第1のチャンバー部300の金属の外装板302に外側から例えば六角穴付ボルト326等の取付具により着脱自在に固定されるようになっている。具体的には、連結フレーム301Aの他端301bに対し、ガスケット324と押え具322が介在した状態で外装板302が当てられ、外側から外装板302に形成された穴に六角穴付ボルト326のネジ部を入れて該ネジ部を連結シャフト310の他端部310bに形成された雌ネジ310dに螺合させる。これにより、連結シャフト310の他端部310bが、連結フレーム301Aの他端301bと外装板302とに固定される。
図8を参照して第1のチャンバー部300と第4のチャンバー部400の連結構造について説明したが、第5のチャンバー部500と第4のチャンバー部400の連結構造についても同様である。
第1~第3のチャンバー部300、400、500に用いられるフレーム301、401、501は、すべて、長手方向に連結シャフト310、510を挿通可能な貫通穴が形成され、かつ、側部に連結シャフト310の一端部310aを固定する固定具420をスライド自在に収容可能な凹条部401eを備える同一の断面構造であってもよい。
図7に示すように、第2のチャンバー部400に位置決めピン430が設けられ、隣接する第1及び第3のチャンバー部300、500に位置決めピン430を案内して嵌入させるガイド穴を有するピン受部532が設けられている。ただし、第1及び第3のチャンバー部300、500に位置決めピンが設けられ、第2のチャンバー部400にピン受部が設けられる構成であってもよい。
図5及び図7に示すように、本実施形態の電波暗箱50は、扉470をさらに備え、該扉470は、第2のチャンバー部400及び第3のチャンバー部500の壁部に形成された開口部406、506に開閉自在に取り付けられる。
図5に示すように、電波暗箱50は架台53の上に載置されるようになっており、架台53の内部には、図1に示すように測定装置2が収納できるようになっている。図6に示すように、架台53も、各チャンバー部に対応して第1の架台350と、第2の架台450と、第3の架台550とを有している。各架台は、対応するチャンバー部をそれぞれ高さ位置調整可能に載置し、移動し、設置フロア上に固定することができるようになっている。
(組立方法)
図14は、本発明の実施形態に係る電波暗箱50の組立方法の概略を示すフローチャートである。
まず、第1~第3のチャンバー部300、400、500と、第1~第3の架台350、450、550と、連結シャフト310、510等を用意する。そして、各架台の上に対応するチャンバー部を載置する。
次いで、図10に示すように、第1のチャンバー部300の連結フレーム301Aの貫通穴301dにそれぞれ連結シャフト310を通しておき、第1のチャンバー部300のピン受部が第2のチャンバー部400の位置決めピン430に合うように、第1のチャンバー部300を中央の第2のチャンバー部400に架台350ごと寄せていく。
位置決めピン430が相手方のピン受部に嵌合可能な位置に第1のチャンバー部300を配置したら、連結シャフト310の一端部310aを、第2のチャンバー部400の支柱フレーム401Aの側部に設けられた雌ネジ付きの固定具420に着脱自在に固定する(S1)。具体的には、図11に示すように、連結シャフト310の側面に形成された平坦部310eをスパナ360で挟んで回転させ、連結シャフト310の一端部310aに形成された雄ネジ310cを中央の第2のチャンバー部400の支柱フレーム401Aの固定具420の雌ネジに螺合させる。
次いで、図8(c)、(d)に示すように、架台350ごと第1のチャンバー部300を第2のチャンバー部400の方に更に移動させ、連結シャフト310を、連結フレーム301Aの貫通穴301dに挿通させる(S2)。
次いで、図8(d)、(e)、図12に示すように、連結シャフト310の他端部310bを、連結フレーム301Aの他端301b及び第1のチャンバー部300の外装板302に着脱自在に固定する(S3)。具体的には、連結フレーム301Aの他端301bの端面と外装板302の間にガスケット324及び押え具322を介在させた状態で、連結フレーム301Aの他端301bの近傍に位置する、連結シャフト310の他端部310bに形成された雌ネジ310dに、外装板302の外側から六角穴付ボルト326等の取付具をネジ込んで固定する。同様の連結作業を第1のチャンバー部300の全ての連結フレーム301Aについて行う(S4)。
次いで、図13に示すように、架台350と架台450を架台連結板352及びネジ354等の連結具により連結する。
第3のチャンバー部500についても、第1のチャンバー部300と同様に、連結シャフト510を用いて第2のチャンバー部400に連結する(S5)。また、架台450と架台550を架台連結板552等により連結する。
(DUT)
被試験対象とされるDUT100は、例えばスマートフォンなどの無線端末である。DUT100の通信規格としては、セルラ(LTE、LTE-A、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、1xEV-DO、TD-SCDMA等)、無線LAN(IEEE802.11b/g/a/n/ac/ad等)、Bluetooth(登録商標)、GNSS(GPS、Galileo、GLONASS、BeiDou等)、FM、及びデジタル放送(DVB-H、ISDB-T等)が挙げられる。また、DUT100は、5Gセルラ等に対応したミリ波帯の無線信号を送受信する無線端末であってもよい。
本実施形態において、DUT100は例えば5G NRの無線端末である。5G NRの無線端末については、ミリ波帯の他、LTE等で使用する他の周波数帯も含む既定の周波数帯を通信可能周波数範囲とすることが5G NR規格によって規定されている。よって、DUT100のアンテナ110は、DUT100の送信特性又は受信特性の被測定対象である既定の周波数帯(5G NRバンド)の無線信号を送信又は受信するものである。アンテナ110は、例えばMassive-MIMOアンテナ等のアレーアンテナであり、本発明における被試験アンテナに相当する。
本実施形態において、DUT100は、電波暗箱50内での送受信に関する測定中、試験用アンテナ6及び必要に応じてリフレクタ7又はミラー9を介して試験信号及び被測定信号を送受信できるようになっている。
(姿勢可変機構)
次に、電波暗箱50の内部空間51に設けられた姿勢可変機構56について説明する。図1に示すように、電波暗箱50の筐体本体部52の内部空間51側の底面52aには、クワイエットゾーンQZ内に配置されたDUT100の姿勢を変化させる姿勢可変機構56が設けられている。姿勢可変機構56は、例えば、2軸の各軸周りに回転する回転機構を備える2軸ポジショナである。姿勢可変機構56は、試験用アンテナ6を固定した状態で、DUT100を2軸周りの回転自由度をもって回転させるようなOTA試験系(Combined-axes system)を構成する。具体的には、姿勢可変機構56は、駆動部56aと、ターンテーブル56bと、支柱56cと、被試験対象載置部としてのDUT載置部56dとを有する。
駆動部56aは、回転駆動力を発生させるステッピングモータなどの駆動用モータからなり、例えば、底面52aに設置される。ターンテーブル56bは、駆動部56aの回転駆動力により、互いに直交する2軸のうちの一方の軸の周りに所定角度回転するようになっている。支柱56cは、ターンテーブル56bに連結され、ターンテーブル56bから一方の軸の方向に延びて、駆動部56aの回転駆動力によりターンテーブル56bと共に回転するようになっている。DUT載置部56dは、支柱56cの側面から2軸のうちの他方の軸の方向に延びて、駆動部56aの回転駆動力により他方の軸の周りに所定角度回転するようになっている。DUT100は、DUT載置部56dに載置される。
なお、上記の一方の軸は、例えば、底面52aに対して鉛直方向に延びる軸(図中のY軸)である。また、上記の他方の軸は、例えば、支柱56cの側面から水平方向に延びる軸である。このように構成された姿勢可変機構56は、DUT載置部56dに保持されているDUT100を、例えば、DUT100の中心を回転中心として、試験用アンテナ6およびリフレクタ7に対して3次元のあらゆる方向にアンテナ110が向く状態に順次姿勢を変化させ得るように回転させることができる。
(リンクアンテナ)
電波暗箱50において、筐体本体部52の所要位置には、DUT100との間でリンク(呼)を確立又は維持するための2種類のリンクアンテナ5、8がそれぞれ保持具57、59を用いて取り付けられている。リンクアンテナ5は、LTE用のリンクアンテナであり、ノンスタンドアローンモード(Non-Standalone mode)で使用される。一方、リンクアンテナ8は、5G用のリンクアンテナであり、5Gの呼を維持するために使用される。リンクアンテナ5、8は、姿勢可変機構56に保持されるDUT100に対して指向性を有するようにそれぞれ保持具57、59によって保持されている。なお、上記のリンクアンテナ5、8を使用する代わりに、試験用アンテナ6をリンクアンテナとして兼用することも可能であるため、以下においては、試験用アンテナ6がリンクアンテナの機能を兼ねるものとして説明する。
(近傍界と遠方界)
次に、近傍界と遠方界について説明する。電波がアンテナからDUT100へ直接伝わる場合をDFF(Direct Far Field)方式といい、電波がアンテナから回転放物面を有するリフレクタ7を反射してDUT100へ伝わる場合をIFF(Indirect Far Field)方式という。
アンテナを放射源とする電波は、同位相の点を結んだ面(波面)が放射源を中心にして球状に拡がりながら伝搬する性質がある。放射源から近い距離では、波面は湾曲した球面(球面波)であるが、放射源から遠くなると波面は平面(平面波)に近くなる。一般に、波面を球面と考える必要のある領域が近傍界(NEAR FIELD)と呼ばれ、波面を平面とみなしてよい領域が遠方界(FAR FIELD)と呼ばれている。DUT100は、正確な測定を行ううえで、球面波を受信するよりも、平面波を受信する方が好ましい。
平面波を受信するためには、DUT100が遠方界に設置される必要がある。DUT100内でのアンテナ110の位置及びアンテナサイズが分かっていないとき、遠方界は、アンテナから2D/λ以遠の領域となる。ここで、Dは、DUT100の最大直線サイズ、λは電波の波長である。
本実施形態では、試験用アンテナ6aの電波をリフレクタ7の回転放物面で反射させ、DUT100の位置にその反射波を到達させる方式であるCATR方式を利用している。この方式によれば、試験用アンテナ6aとDUT100間の距離を短縮でき、リフレクタ7の反射鏡面での反射後直ぐの距離から平面波の領域が拡がるため、伝搬ロスを低減することもできる。平面波の度合は、同位相の波の位相差で表すことができる。平面波の度合として許容し得る位相差は、例えば、λ/16である。位相差は、例えば、ベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)で評価することができる。
(試験用アンテナ)
次に、試験用アンテナ6及びリフレクタ7について説明する。
試験用アンテナ6及びリフレクタ7は、電波暗箱50内に配置されて、DUT100のアンテナ110との間で無線信号を送信又は受信するようになっている。本実施形態の試験用アンテナ6は、リフレクタ反射型の試験用アンテナ6aと、直接型の試験用アンテナ6bと、ミラー反射型の試験用アンテナ6c、6d、6e、6fとを含んでいる。試験用アンテナ6は、各々、水平偏波アンテナと垂直偏波アンテナを備えている(図2参照)。
リフレクタ反射型の試験用アンテナ6aは、リフレクタ7と共に用いられ、一次放射器として機能する。試験用アンテナ6aとしては、例えば、ホーンアンテナ等の指向性を持ったミリ波用のアンテナを用いることができる。リフレクタ7は、曲面状に湾曲した例えばアルミニウム製の反射面を有し、測定用の無線信号の電波を反射するものであり、真円型のパラボラの回転放物面の一部を切り出したオフセットパラボラ型の構造を有するものである。リフレクタ7は、図1に示すように、電波暗箱50の側面52bの所要位置にリフレクタ保持具58を用いて取り付けられている。
リフレクタ7は、その回転放物面から定まる焦点位置に配置されている一次放射器としての試験用アンテナ6aから放射された試験信号の電波を回転放物面で受け、姿勢可変機構56に保持されているDUT100に向けて反射させる(送信時)。また、リフレクタ7は、上記試験信号を受信したDUT100がアンテナ110から放射する被測定信号の電波を回転放物面で受け、試験用アンテナ6に向けて反射させる(受信時)。リフレクタ7は、これら送信と受信が同時に可能な位置及び姿勢で配設されている。すなわち、リフレクタ7は、試験用アンテナ6とDUT100のアンテナ110との間で送受信される無線信号の電波を、回転放物面で反射するようになっている。
この構成により、試験用アンテナ6aから放射された電波(例えば、DUT100に対する試験信号)を回転放物面で該回転放物面の軸方向と平行な方向に反射させるとともに、回転放物面の軸方向と平行な方向に回転放物面に対して入射する電波(例えば、DUT100から送信された被測定信号)を該回転放物面で反射させ、試験用アンテナ6aへと導くことができる。別言すれば、リフレクタ7は、試験用アンテナ6aから放射された球面波の電波を平面波の電波に変換してDUT100に送ると共に、DUT100から放射されリフレクタ7に入射する平面波の電波を試験用アンテナ6aに集束させるものである。オフセットパラボラは、パラボラ型に比べて、リフレクタ7自体が小さくて済むうえに、鏡面が垂直に近づくような配置が可能であるので、電波暗箱50の構造を小型化し得る。
図1に示すように、リフレクタ反射型の試験用アンテナ6aは、DUT100の配置位置を通る水平面より下方に配置されている。試験用アンテナ6から放射されリフレクタ7で反射した電波ビームはZ軸負方向に伝搬され、所要半径のクワイエットゾーンQZを形成するようになっている。
リフレクタ反射型の試験用アンテナ6aは、いわゆる間接遠方界(IFF)を形成するようになっている。間接遠方界とは、球面波を平面波に変換するようなリフレクタを用いる反射型のアンテナにより形成される遠方界をいう。
直接型の試験用アンテナ6bは、DUT100が備えるアンテナ110との間で、リフレクタ7やミラーを介さず、DUT100の送信特性又は受信特性を測定するための無線信号の電波を直接、送信又は受信するようになっている。
ミラー反射型の試験用アンテナ6c、6d、6e、6fは、それぞれミラー9c、9d、9e、9fを介して、DUT100が備えるアンテナ110との間で、DUT100の送信特性又は受信特性を測定するための無線信号を送信又は受信するようになっている。以下、ミラー9c、9d、9e、9fを単にミラー9と総称することもある。各ミラー9は、例えばアルミニウム製であり、平坦な鏡面を有している。ミラー反射型の試験用アンテナ6から放射された電波ビームは、対応するミラー9において鏡面反射するようになっている。
本実施形態では、試験用アンテナ6及びミラー9は、DUT100の配置位置において、例えばリフレクタ反射型の試験用アンテナ6a及びリフレクタ7からの電波到来方向を基準に互いに異なる到来角度(例えば30°、60°、90°、120°、150°)を形成するよう配置されている。この構成により、特定の試験用アンテナ(例えば試験用アンテナ6a)と共に使用する試験用アンテナ6b、6c、6d、6e、6fを切り替えて使用することにより到来角度を変えてDUT100のRRM特性等の送受信特性の遠方界測定を効率的に行うことができる。
次に、本実施形態に係る試験装置1の統合制御装置10及びNRシステムシミュレータ20について、図2~図4を参照して説明する。
(統合制御装置)
統合制御装置10は、以下に説明するように、NRシステムシミュレータ20や姿勢可変機構56を統括的に制御するものである。このために、統合制御装置10は、例えばイーサネット(登録商標)等のネットワーク19を介して、NRシステムシミュレータ20や姿勢可変機構56と相互に通信可能に接続されている。
図3は、統合制御装置10の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、統合制御装置10は、制御部11、操作部12、及び表示部13を有している。制御部11は、例えば、コンピュータ装置によって構成される。このコンピュータ装置は、例えば、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)11aと、ROM(Read Only Memory)11bと、RAM(Random Access Memory)11cと、外部インタフェース(I/F)部11dと、図示しないSSD(Solid State Drive)やハードディスク装置等の不揮発性の記憶媒体と、各種入出力ポートとを有する。
CPU11aは、NRシステムシミュレータ20を対象とする統括的な制御を行うようになっている。ROM11bは、CPU11aを立ち上げるためのOS(Operating System)やその他のプログラム及び制御用のパラメータ等を記憶するようになっている。RAM11cは、CPU11aが動作に用いるOSやアプリケーションの実行コードやデータ等を記憶するようになっている。外部インタフェース(I/F)部11dは、所定の信号が入力される入力インタフェース機能と所定の信号を出力する出力インタフェース機能を有している。
外部I/F部11dは、ネットワーク19を介して、NRシステムシミュレータ20に対して通信可能に接続されている。また、外部I/F部11dは、電波暗箱50における姿勢可変機構56ともネットワーク19を介して接続されている。入出力ポートには、操作部12及び表示部13が接続されている。操作部12は、コマンドなど各種情報を入力するための機能部であり、表示部13は、上記各種情報の入力画面や測定結果等、各種情報を表示する機能部である。
上述したコンピュータ装置は、CPU11aがRAM11cを作業領域としてROM11bに格納されたプログラムを実行することにより制御部11として機能する。制御部11は、図3に示すように、呼接続制御部14、信号送受信制御部15、及びDUT姿勢制御部17を有している。呼接続制御部14、信号送受信制御部15、及びDUT姿勢制御部17も、CPU11aがRAM11cの作業領域でROM11bに格納された所定のプログラムを実行することにより実現されるものである。
呼接続制御部14は、試験用アンテナ6を駆動してDUT100との間で制御信号(無線信号)を送受信させることにより、NRシステムシミュレータ20とDUT100との間に呼(無線信号を送受信可能な状態)を確立する制御を行う。
信号送受信制御部15は、操作部12におけるユーザ操作を監視し、ユーザによりDUT100の送信特性及び受信特性の測定に係る所定の測定開始操作が行われたことを契機に、呼接続制御部14での呼接続制御を経て、NRシステムシミュレータ20に対して信号送信指令を送信する。更に、信号送受信制御部15は、NRシステムシミュレータ20に対して、試験用アンテナ6を介して試験信号を送信させる制御を行うとともに、NRシステムシミュレータ20に信号受信指令を送信し、試験用アンテナ6を介して被測定信号を受信させる制御を行う。
また、信号送受信制御部15は、2つの試験用アンテナを用いて行うRRM特性等の送受信特性の試験では、到来角度の設定、使用する試験用アンテナの選択を行うようになっている。具体的には、所定の複数の到来角度(例えば、30°、60°、90°、120°、150°)のうち1つの到来角度を選択して測定条件として設定(RAM11c等に記憶)する。到来角度はユーザが選択してもよいし、制御部11等が自動で選択するようにしてもよい。信号送受信制御部15は、設定された到来角度に基づいて、複数の試験用アンテナ6から使用する試験用アンテナを選択する。このため、例えば、RAM11c又はROM11bには、あらかじめ、到来角度と試験用アンテナとの対応関係を示す到来角度-試験用アンテナ対応テーブル17bが記憶されている。なお、到来角度の設定や、使用する試験用アンテナの選択は、制御部11又はNRシステムシミュレータ20の制御部22が行うようにしてもよい。
DUT姿勢制御部17は、姿勢可変機構56に保持されているDUT100の測定時の姿勢を制御するものである。この制御を実現するために、例えば、RAM11c又はROM11bには、あらかじめ、DUT姿勢制御テーブル17aが記憶されている。DUT姿勢制御テーブル17aは、例えば、駆動部56aとしてステッピングモータを採用している場合には、該ステッピングモータの回転駆動を決定する駆動パルス数(運転パルス数)を制御データとして格納している。
DUT姿勢制御部17は、DUT姿勢制御テーブル17aをRAM11cの作業領域に展開し、該DUT姿勢制御テーブル17aに基づき、上述したように、アンテナ110が3次元のあらゆる方向に順次向くようにDUT100が姿勢変化するよう姿勢可変機構56を駆動制御する。
(NRシステムシミュレータ)
図4に示すように、本実施形態に係る試験装置1のNRシステムシミュレータ20は、信号測定部21、制御部22、操作部23、及び表示部24を有している。信号測定部21は、信号発生部21a、デジタル/アナログ変換器(DAC)21b、変調部21c、RF部21dの送信部21eにより構成される信号発生機能部と、RF部21dの受信部21f、アナログ/デジタル変換器(ADC)21g、解析処理部21hにより構成される信号解析機能部とを有している。なお、信号測定部21は、使用する2つの試験用アンテナに対応できるように、2セット設けるようにしてもよい。
信号測定部21の信号発生機能部において、信号発生部21aは、基準波形を有する波形データ、具体的には、例えば、I成分ベースバンド信号と、その直交成分信号であるQ成分ベースバンド信号を生成する。DAC21bは、信号発生部21aから出力された基準波形を有する波形データ(I成分ベースバンド信号及びQ成分ベースバンド信号)をデジタル信号からアナログ信号に変換して変調部21cに出力する。変調部21cは、I成分ベースバンド信号と、Q成分ベースバンド信号とのそれぞれに対してローカル信号をミキシングし、更に両者を合成してデジタル変調信号を出力する変調処理を行う。RF部21dは、変調部21cから出力されたデジタル変調信号から各通信規格の周波数に対応した試験信号を生成し、生成した試験信号を送信部21eにより信号処理部40に出力する。
信号処理部40は、試験用アンテナとの間で送受信する信号の周波数変換等の信号処理を行う。信号処理部40から出力される試験信号は、信号切替部41を介して試験用アンテナに送られ、該試験用アンテナからDUT100に向けて出力される。
また、信号測定部21の信号解析機能部において、RF部21dは、上記試験信号をアンテナ110により受信したDUT100から送信された被測定信号を、信号切替部41及び信号処理部40を経由して受信部21fで受信したうえで、該被測定信号をローカル信号とミキシングすることで中間周波数帯の信号(IF信号)に変換する。ADC21gは、RF部21dの受信部21fでIF信号に変換された被測定信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換して解析処理部21hに出力する。
解析処理部21hは、ADC21gが出力するデジタル信号である被測定信号を、デジタル処理によって、I成分ベースバンド信号とQ成分ベースバンド信号とにそれぞれ対応する波形データを生成したうえで、該波形データに基づいてI成分ベースバンド信号及びQ成分ベースバンド信号を解析する処理を行う。解析処理部21hは、DUT100に対する送信特性(RF特性)の測定において、例えば、等価等方放射電力(Equivalent Isotropically Radiated Power:EIRP)、全放射電力(Total Radiated Power:TRP)、スプリアス放射、変調精度(EVM)、送信パワー、コンスタレーション、スペクトラムなどを測定可能である。また、解析処理部21hは、DUT100に対する受信特性(RF特性)の測定において、例えば、受信感度、ビット誤り率(BER)、パケット誤り率(PER)などを測定可能である。ここで、EIRPは、DUT100のアンテナ110の主ビーム方向の無線信号強度である。また、TRPは、DUT100のアンテナ110から空間に放射される電力の合計値である。
解析処理部21hは、DUT100のRRM特性について、例えば、選択された一の試験用アンテナから選択された他の試験用アンテナへのハンドオーバ動作が正常に行われるか否か等を解析することもできるようになっている。
制御部22は、上述した統合制御装置10の制御部11と同様、例えば、CPU、RAM、ROM、各種入出力インタフェースを含むコンピュータ装置によって構成される。CPUは、信号発生機能部、信号解析機能部、操作部23及び表示部24の各機能を実現するための所定の情報処理や制御を行う。
操作部23、表示部24は、上記コンピュータ装置の入出力インタフェースに接続されている。操作部23は、コマンドなど各種情報を入力するための機能部であり、表示部24は、上記各種情報の入力画面や測定結果など、各種情報を表示する機能部である。
本実施形態では、統合制御装置10とNRシステムシミュレータ20とを別装置としているが、1つの装置として構成してもよい。この場合には、統合制御装置10の制御部11とNRシステムシミュレータ20の制御部22とを統合して1つのコンピュータ装置により実現してもよい。
(信号処理部)
次に、信号処理部40について説明する。
信号処理部40は、NRシステムシミュレータ20と信号切替部41の間に設けられ、使用する一の試験用アンテナとの間で送受信する信号の周波数変換等の信号処理を行う第1信号処理部40aと、使用する他の試験用アンテナとの間で送受信する信号の周波数変換等の信号処理を行う第2信号処理部40bと、を備えている。
第1信号処理部40a及び第2信号処理部40bは、各々、アップコンバータ、ダウンコンバータ、増幅器、周波数フィルタ等を備え、使用する試験用アンテナに送信する試験信号に対して、周波数変換(アップコンバート)、増幅、周波数選択等の信号処理を施して信号切替部41に出力する。また、第1及び第2信号処理部40a、40bは、各々、使用する試験用アンテナから信号切替部41を介して入力される被測定信号に対して、周波数変換(ダウンコンバート)、増幅、周波数選択等の信号処理を施して信号測定部21に出力するようになっている。
信号切替部41は、信号処理部40と試験用アンテナの間に設けられ、制御部22の制御下で第1信号処理部40aと、使用する試験用アンテナとが接続され、且つ/又は、第2信号処理部40bと、使用する試験用アンテナとが接続されるように、信号経路を切り替えるようになっている。信号切替部41は、信号処理部40に含まれるようにしてもよい。
(作用・効果)
以上述べたように、本実施形態に係る電波暗箱50は、連結シャフト310により第1のチャンバー部300と第2のチャンバー部400が連結され、連結シャフト510により第2のチャンバー部400と第3のチャンバー部500が連結され、金属の外装板302、402、502等からなる面状部67で囲まれた箱状体を構成するようになっている。これにより、サイズの大きな電波暗箱50であっても、分割して容易に運搬することができる。
また、本実施形態に係る電波暗箱50において、連結シャフト310は、第1のチャンバー部300の連結フレーム301Aの貫通穴301dに挿通され、連結シャフト310の一端部310aは、連結フレーム301Aの一端301aにて隣接する第2のチャンバー部400に着脱自在に固定され、連結シャフト310の他端部310bは、連結フレームの他端301b及び第1のチャンバー部300の外装板302に着脱自在に固定されるようになっている。このように、連結シャフト310の一方の端部と他方の端部を隣接する第1のチャンバー部300と第2のチャンバー部400にそれぞれ固定することで、電波暗箱50を容易に組み立てることができる。また、連結シャフト310は連結フレーム301Aの貫通穴301dにガイドされて挿通されるので、連結シャフト310の動きが規制され、連結シャフト310の取り付けを容易に行うことができる。連結シャフト310の両端の固定を解除することにより、電波暗箱50を容易に分割することができる。
しかも、連結シャフト310は左右の連結方向に水平に第1のチャンバー部300の全幅にわたって延在した連結フレーム301Aの貫通穴301dに挿通させて固定するので、組立て・分割の際に電波暗箱50の背後に回る必要がなく、背後に壁等があり作業員が入り込めない場合であっても左右から組立て・分割を容易に行うことができる。
よって、本実施形態に係る電波暗箱50は、容易に分割して運搬することができ、運搬先で容易に組み立てることができる。
また、本実施形態に係る電波暗箱50において、第2のチャンバー部400が備えるフレーム401は、長手方向にスライド自在な固定具420を有する柱状の支柱フレーム401Aを含み、連結シャフト310の一端部310aは、支柱フレーム401Aの固定具420に対し長手方向にスライド不可な状態で固定されるようになっている。
この構成により、連結シャフト310の一端部310aが、隣接する第2のチャンバー部400が備える比較的強度の強い支柱フレーム401Aの固定具420に固定されるので、強固に固定することができる。また、連結シャフト310の一端部310aを固定具420に固定する前は、固定具420がスライド可能なので、連結シャフト310の一端部310aと固定具420との位置調整を容易に行うことができる。
また、本実施形態に係る電波暗箱50において、第1~第3のチャンバー部300、400、500が備えるフレームは、長手方向に連結シャフト310を挿通可能な貫通穴301dが形成され、かつ、側部に固定具420をスライド自在に収容可能な凹条部401eを備えた同一断面形状を有している。この構成により、断面同形の同一種類のフレームを所要の長さに切断して用いることができるので、製造コストを低減することができる。
また、本実施形態に係る電波暗箱50において、隣接する2つのチャンバー部の一方のチャンバー部400が備えるフレームに、位置決めピン430が設けられ、対応するもう一方のチャンバー部300、500が備えるフレームに、位置決めピン430を案内して嵌入させるガイド穴を有するピン受部532が設けられている。この構成により、連結される2つのチャンバー部の位置決めを精度よく容易に行うことができる。また、位置決めピン430及びピン受部532が電波暗箱50において比較的強度の強いフレームに取り付けられるので、位置決めの際に位置決めピン430又はピン受部532により相手方のチャンバー部を支持することができる。
(他の実施形態)
3分割型の電波暗箱50について説明してきたが、分割数は3に限定されず、2つのチャンバー部を連結することにより電波暗箱を形成する2分割型の構成であってもよい。
上記実施形態では、連結シャフト310を第1のチャンバー部300の連結フレーム301Aの貫通穴301dに挿通し、連結シャフト310の一端部310aを第2のチャンバー部400の支柱フレーム401Aに固定していたが、この構成に限定されない。例えば、連結シャフト310を、第1のチャンバー部300の連結フレーム301Aの貫通穴301dに挿通させるとともに、該連結フレーム301Aと同方向に延在する第2のチャンバー部400のフレーム401の貫通穴にも続けて挿通し、第3のチャンバー部500のフレーム501に固定するようにしてもよい。
また、例えば、連結シャフト310を、第1のチャンバー部300の連結フレーム301Aの貫通穴301dに挿通させるとともに、該連結フレーム301Aと同方向に延在する第2のチャンバー部400のフレーム401の貫通穴にも続けて挿通し、更に第3のチャンバー部500のフレーム501の貫通穴にも続けて挿通し、第3のチャンバー部500の外装板502の外側から六角ボルト等により連結シャフト310の端部を固定するようにしてもよい。
以上述べたように、本発明は、容易に分割して運搬することができ、運搬先で容易に組み立てることができるという効果を有し、電波暗箱及び該電波暗箱を用いた試験装置の全般に有用である。
1 試験装置
2 測定装置
5、8 リンクアンテナ
6、6a、6b、6c、6d、6e、6f 試験用アンテナ
7 リフレクタ
9、9c、9d、9e、9f ミラー
10 統合制御装置
11、22 制御部
11a CPU
11b ROM
11c RAM
11d 外部インタフェース部
12、23 操作部
13、24 表示部
14 呼接続制御部
15 信号送受信制御部
17 DUT姿勢制御部
17a DUT姿勢制御テーブル
17b 到来角度-試験用アンテナ対応テーブル
19 ネットワーク
20 NRシステムシミュレータ
21 信号測定部
21a 信号発生部
21b DAC
21c 変調部
21d RF部
21e 送信部
21f 受信部
21g ADC
21h 解析処理部
40 信号処理部
40a 第1信号処理部
40b 第2信号処理部
41 信号切替部
50 電波暗箱
51 内部空間
52 筐体本体部
52a 底面
52b 側面
52c 上面
53 架台
55 電波吸収体
56 姿勢可変機構
56a 駆動部
56b ターンテーブル
56c 支柱
56d DUT載置部
57、59 保持具
58 リフレクタ保持具
60 周壁部
61 天面部
62 底面部
67 面状部
100 DUT(被試験対象)
110 被試験アンテナ
300 第1のチャンバー部
301、401、501 フレーム
301A、501A 連結フレーム
301a 一端
301b 他端
301d 貫通穴
302、402、502 外装板
303、403、503 内装板
310、510 連結シャフト
310a 一端部
310b 他端部
310c 雄ネジ
310d 雌ネジ
310e 平坦部
322、422 押え具
324、424 ガスケット
326、526 六角穴付ボルト
350 第1の架台
352、552 架台連結具
354 ネジ
360 スパナ
400 第2のチャンバー部
401A 支柱フレーム
401c 支柱部
401d 貫通穴
401e 凹条部
401f 支持部
401g 外枠
406 開口部
420 固定具
430 位置決めピン
450 第2の架台
470 扉
500 第3のチャンバー部
506 開口部
532 ピン受部
550 第3の架台
QZ クワイエットゾーン

Claims (7)

  1. 無線端末の送信又は受信特性の測定に用いられる電波暗箱(50)であって、
    各々が金属のフレーム(301、401、501)と該フレームに固定された金属の面状部(302、402、502)とを備え、互いに連結されて前記面状部で囲まれた箱状体を構成する複数のチャンバー部(300、400、500)と、
    前記複数のチャンバー部のうち隣接する第1のチャンバー部(300)と第2のチャンバー部(400)とを連結する連結シャフト(310)と、を備え、
    前記第1のチャンバー部が備える前記フレームは、前記連結の方向に水平に前記第1のチャンバー部の全幅にわたって延在しかつ長手方向に貫通穴(301d)が形成された柱状の連結フレーム(301A)を含み、
    前記連結シャフトは、前記連結フレームの前記貫通穴に挿通され、前記連結シャフトの一端部(310a)が、前記連結フレームの一端にて前記第2のチャンバー部に着脱自在に固定され、前記連結シャフトの他端部(310b)が、前記連結フレームの他端に着脱自在に固定され
    前記連結シャフトの他端部は、前記連結フレームの他端と共に前記第1のチャンバー部の前記連結する方向とは直交する前記面状部に着脱自在に固定される、電波暗箱。
  2. 前記第2のチャンバー部が備える前記フレームは、長手方向にスライド自在な固定具(420)を有する柱状の支柱フレーム(401A)を含み、前記連結シャフトの前記一端部は、前記支柱フレームの前記固定具に対し前記長手方向にスライド不可な状態で固定される、請求項1に記載の電波暗箱。
  3. 前記複数のチャンバー部が備える前記フレームは、長手方向に前記連結シャフトを挿通可能な貫通穴が形成され、かつ、側部に前記固定具をスライド自在に収容可能な凹条部を備えた同一断面形状を有している、請求項2に記載の電波暗箱。
  4. 前記複数のチャンバー部のうち隣接する前記第2のチャンバー部と第3のチャンバー部(500)とを連結する別の連結シャフト(510)をさらに備え、
    前記第3のチャンバー部が備える前記フレームは、前記連結の方向に水平に前記第3のチャンバー部の全幅にわたって延在しかつ長手方向に貫通穴が形成された柱状の連結フレーム(501A)を含み、
    前記別の連結シャフトは、前記第3のチャンバー部の前記連結フレームの前記貫通穴に挿通され、前記別の連結シャフトの一端部が、該連結フレームの一端にて前記第2のチャンバー部に着脱自在に固定され、前記別の連結シャフトの他端部が、該連結フレームの他端に着脱自在に固定される、請求項1~のいずれか一項に記載の電波暗箱。
  5. 前記複数のチャンバー部のうち隣接する2つのチャンバー部の一方のチャンバー部が備える前記フレームに位置決めピン(430)が設けられ、対応するもう一方のチャンバー部が備える前記フレームに前記位置決めピンを案内して嵌入させるガイド穴を有するピン受部(532)が設けられている、請求項1~のいずれか一項に記載の電波暗箱。
  6. 被試験アンテナ(110)を有する被試験対象(100)の送信特性又は受信特性を測定する試験装置(1)であって、
    周囲の電波環境に影響されない内部空間(51)を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の電波暗箱と、
    前記被試験アンテナとの間で無線信号を送信又は受信する1又は複数の試験用アンテナ(6)と、
    前記内部空間におけるクワイエットゾーン(QZ)内に配置された前記被試験対象の姿勢を順次変化させる姿勢可変機構(56)と、
    前記内部空間における前記クワイエットゾーン内に配置された前記被試験対象に対して前記複数の試験用アンテナのうち1又は複数の試験用アンテナを選択的に使用して前記被試験対象の送信特性又は受信特性の測定を行う測定装置(2)と、を備えた試験装置。
  7. 無線端末の送信又は受信特性の測定に用いられる電波暗箱(50)の組立方法であって、
    各々が金属のフレーム(301、401、501)と該フレームに固定された金属の面状部(302、402、502)とを備え、互いに連結されて前記面状部で囲まれた箱状体を構成する複数のチャンバー部(300、400、500)と、
    前記複数のチャンバー部のうち隣接する第1のチャンバー部(300)と第2のチャンバー部(400)を連結する連結シャフト(310)と、を用意し、
    前記隣接する前記第1のチャンバー部(300)が備える前記フレームは、前記連結の方向に水平に前記第1のチャンバー部の全幅にわたって延在しかつ長手方向に貫通穴(301d)が形成された柱状の連結フレーム(301A)を含んでおり、
    前記連結シャフトの一端部(310a)を、前記隣接する前記第2のチャンバー部(400)に着脱自在に固定し、
    前記連結シャフトを、前記連結フレームの前記貫通穴に挿通し、
    前記連結シャフトの他端部(310b)を、前記連結フレームの他端及び前記第1のチャンバー部の前記連結する方向とは直交する前記面状部に着脱自在に固定する、
    ことを含む、電波暗箱の組立方法。
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