JP7246634B2 - 流動様式判別装置、流動様式判別システムおよび流動様式判別方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された超音波流量計では、上流側トランスデューサによって送信された超音波が、下流側トランスデューサにおいて受信され、制御部が、上流から下流への超音波の伝播時間を算出する。また、下流側トランスデューサによって送信された超音波が、上流側トランスデューサにおいて受信され、制御部が、下流から上流への超音波の伝播時間を算出する。更に、制御部が、下流から上流への超音波の伝播時間から、上流から下流への超音波の伝播時間を減算して伝播時間差を算出し、伝搬時間差を用いて流体の流速および流量を演算する。
従来の一般的な技術においても、抜管する必要なく、例えば蒸気配管などのような配管内を流れる流体の流動様式を判別することは困難であり、提唱されている方式も存在しなかった。
つまり、本発明は、配管内を流れる流体の流動様式を判別することができる流動様式判別装置、流動様式判別システムおよび流動様式判別方法を提供することを目的とする。
図1は第1実施形態の流動様式判別装置1の一例などを示す図である。詳細には、図1(A)は第1実施形態の流動様式判別装置1の一例を示しており、図1(B)は第1実施形態の流動様式判別装置1が適用される配管Aと第1実施形態の流動様式判別装置1の第1超音波トランスデューサ11および第2超音波トランスデューサ12との位置関係の一例を示している。
図1に示す例では、流動様式判別装置1が、配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式を判別する。流動様式判別装置1は、第1超音波トランスデューサ11と、第2超音波トランスデューサ12と、演算部13と、制御部14とを備えている。
第1超音波トランスデューサ11は、送信部11Aと、受信部11Bとを備えており、第2超音波トランスデューサ12は、送信部12Aと、受信部12Bとを備えている。第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aは、超音波を送信し、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bは、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波などを受信する。詳細には、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bは、受信した第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aからの超音波などを受信信号(電圧信号)に変換して出力する。
第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aは、超音波を送信し、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bは、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波などを受信する。詳細には、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bは、受信した第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波などを受信信号(電圧信号)に変換して出力する。
第2超音波トランスデューサ12は、第1超音波トランスデューサ11よりも、配管Aの流路A2内を流れる流体の流れ(図1(A)の右向き)の下流側(図1(A)の右側)に配置されている。
他の例では、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信されて配管Aの流路A2内を透過した超音波が、配管Aの壁部A1の内側表面で1回反射した後に配管Aの流路A2内を透過して第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって受信されるように、かつ、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信されて配管Aの流路A2内を透過した超音波が、配管Aの壁部A1の内側表面で1回反射した後に配管Aの流路A2内を透過して第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって受信されるように、第1超音波トランスデューサ11と第2超音波トランスデューサ12とが配置され、いわゆるV法の流体の流量計測が行われてもよい。
更に他の例では、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信されて配管Aの流路A2内を透過した超音波が、配管Aの壁部A1の内側表面で2回反射した後に配管Aの流路A2内を透過して第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって受信されるように、かつ、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信されて配管Aの流路A2内を透過した超音波が、配管Aの壁部A1の内側表面で2回反射した後に配管Aの流路A2内を透過して第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって受信されるように、第1超音波トランスデューサ11と第2超音波トランスデューサ12とが配置され、いわゆるN法の流体の流量計測が行われてもよい。
他の例では、演算部13が、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波などを受信した第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号に基づいて、配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式を判別してもよい。
第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bが出力する複数回分の受信信号(電圧信号)は、配管Aの流路A2内を流れる流体の流量の算出にも用いられる。
更に、配管Aの流路A2内を流れる流体の流量を算出するために、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aも超音波を複数回(例えば2000回以上)送信し、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bが、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから複数回送信された超音波を受信して、複数回分の受信信号(電圧信号)を出力する。
つまり、演算部13は、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波などを受信した第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号と、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波などを受信した第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号とに基づいて、配管Aの流路A2内を流れる流体の流量を算出する。
詳細には、配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式の判別および流量の算出を行うために、演算部13は、第1受信信号取得部13Aと、第2受信信号取得部13Bと、第1標準偏差算出部13Cと、第2標準偏差算出部13Dと、流動様式判別部13Eと、第1超音波受信時刻算出部13Fと、第2超音波受信時刻算出部13Gと、第1超音波伝播時間算出部13Hと、第2超音波伝播時間算出部13Jと、伝播時間差算出部13Kと、流量算出部13Lと、流動様式線図取得部13Mと、湿り度算出部13Nとを備えている。
図1に示す例では、演算部13が、第1超音波受信時刻算出部13Fと、第2超音波受信時刻算出部13Gと、第1超音波伝播時間算出部13Hと、第2超音波伝播時間算出部13Jとを備えているが、他の例では、演算部13が、第1超音波受信時刻算出部13Fと、第2超音波受信時刻算出部13Gと、第1超音波伝播時間算出部13Hと、第2超音波伝播時間算出部13Jとを備えていなくてもよい。
第2受信信号取得部13Bは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号(つまり、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bが、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波などを受信して電圧信号に変換したもの)(例えば図2および図3に「時間波形W2」で示す受信信号)を取得する。詳細には、第2受信信号取得部13Bは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力された複数回分の受信信号(電圧信号)を取得する。
また、第1標準偏差算出部13Cは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形W3(図3(B)参照)を描くことができる程度の時間間隔で、複数の時刻における受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する。
すなわち、第1標準偏差算出部13Cは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波の受信期間TA~TBを含む期間T0~T3中の各時刻における複数回分の第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する。
その結果、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波の受信期間TA~TBを含む期間T0~T3中における第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形W3(図3(A)および図3(B)参照)が得られる。
つまり、受信期間TA~TBは、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信時刻T0以降の期間である送信後期間に相当し、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信されて配管Aの壁部A1内を伝わったガイド波としての超音波が第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって受信される期間である。
すなわち、第1標準偏差算出部13Cは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波の受信期間T4A~T4B中の各時刻における複数回分の第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値も算出する。
その結果、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波の受信期間T4A~T4B中における第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形W3(図3(B)参照)も得られる。
また、第2標準偏差算出部13Dは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形W4(図3(B)参照)を描くことができる程度の時間間隔で、複数の時刻における受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する。
詳細には、第2標準偏差算出部13Dは、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信され、配管Aの流路A2内を透過した目的信号としての超音波を、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bが受信する受信期間(詳細には、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bが受信すると予測される受信期間)T5A~T5B(図3(B)参照)を含む期間(つまり、受信期間T5A~T5Bよりも長い期間)T0~T3(図2(A)および図3(A)参照)中の各時刻における複数回分の受信信号の標準偏差同等値を算出する。
すなわち、第2標準偏差算出部13Dは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信期間T5A~T5Bを含む期間T0~T3中の各時刻における複数回分の第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する。
その結果、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信期間T5A~T5Bを含む期間T0~T3中における第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形W4(図3(A)および図3(B)参照)が得られる。
詳細には、流動様式判別部13Eは、受信期間TA~TB中の各時刻における複数回分の第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値に基づいて、配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式が、例えば、乾き蒸気、層状流、波状流、波状環状遷移および環状噴霧流のいずれであるかを判別する。
詳細には、第1超音波受信時刻算出部13Fは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波の受信期間T4A~T4Bを含む期間T0~T3中における第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形W3(図3(A)および図3(B)参照)に基づいて、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波の受信時刻(例えば時刻T4A)を算出する。
他の例(第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波の受信期間T4A~T4B中における第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号が、ノイズに埋もれていない例)では、第1超音波受信時刻算出部13Fが、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波の受信期間T4A~T4B中における第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号に基づいて、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波の受信時刻(例えば時刻T4A)を算出してもよい。
詳細には、第2超音波受信時刻算出部13Gは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信期間T5A~T5Bを含む期間T0~T3中における第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形W4(図3(A)および図3(B)参照)に基づいて、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信時刻(例えば時刻T5A)を算出する。
他の例(第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信期間T5A~T5B中における第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号が、ノイズに埋もれていない例)では、第2超音波受信時刻算出部13Gが、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信期間T5A~T5B中における第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号に基づいて、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信時刻(例えば時刻T5A)を算出してもよい。
第2超音波伝播時間算出部13Jは、第2超音波受信時刻算出部13Gによって算出された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信時刻(例えば時刻T5A(図3(B)参照))と、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻T0(図2(A)および図3(A)参照)とに基づいて、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の伝播時間(例えば伝播時間(T5A-T0))を算出する。
つまり、伝播時間差算出部13Kは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの複数回分の受信信号の振幅の標準偏差(例えば図3(B)に「時間波形W3」で示す標準偏差)と、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの複数回分の受信信号の振幅の標準偏差(例えば図3(B)に「時間波形W4」で示す標準偏差)とに基づいて、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波の伝播時間と第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の伝播時間との差分である伝播時間差(T5A-T4A)を算出する。
他の例では、伝播時間差算出部13Kが、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aからの超音波の受信時刻(例えば時刻T4A)と、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の受信時刻(例えば時刻T5A)とを用いることなく、伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))を算出してもよい。
具体的には、伝播時間差算出部13Kは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形と、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形との相関処理(例えば特開2016-180679号公報に記載されているような公知の相関処理)を実行することによって、伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))を算出することができる。
更に他の例(第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波の受信期間T4A~T4B中における第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号が、ノイズに埋もれておらず、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信期間T5A~T5B中における第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号が、ノイズに埋もれていない例)では、伝播時間差算出部13Kが、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号の時間波形と、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号の時間波形とに基づいて、伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))を算出してもよい。
湿り度算出部13Nは、流動様式線図取得部13Mによって取得された流動様式線図と、流動様式判別部13Eによって判別された配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式と、流量算出部13Lによって算出された配管Aの流路A2内を流れる流体の流量とに基づいて、配管Aの流路A2内を流れる流体の湿り度[%]を算出する。
図3は配管Aの流路A2内の流体の流れが水を含まない空気の単相流である場合(配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式が乾き蒸気である場合)に演算部13の第1標準偏差算出部13Cによって算出された第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形W3と、演算部13の第2標準偏差算出部13Dによって算出された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形W4とを図2に追記した図である。図3(A)および図3(B)の縦軸は電圧[V]および標準偏差[V]を示しており、図3(A)および図3(B)の横軸は時刻[μs]を示している。
図2(A)および図2(B)の時間波形W1は、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aが超音波を例えば5000回送信したときに第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号の時間波形の平均を示している。また、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信時刻が、図2(A)の横軸の時刻T0に設定されている。
図2(A)および図2(B)の時間波形W2は、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aが超音波を例えば5000回送信したときに第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号の時間波形の平均を示している。また、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻が、図2(A)の横軸の時刻T0に設定されている。
詳細には、第1受信信号取得部13Aは、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから例えば5000回送信された超音波などを受信した第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力された例えば5000回分の受信信号の時間波形の平均(図2および図3に「W1」で示す時間波形)を取得する。
演算部13の第1標準偏差算出部13Cは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力された例えば5000回分の受信信号のそれぞれの時間波形(図示せず)の振幅の標準偏差同等値を算出する。
図3(A)および図3(B)の時間波形W3は、第1標準偏差算出部13Cによって算出された第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの例えば5000回分の受信信号の振幅の標準偏差の時間波形を示している。
つまり、図3(A)および図3(B)の時間波形W3は、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力された例えば5000回分の受信信号のそれぞれの時間波形(図示せず)の振幅の標準偏差の時間波形を示している。
詳細には、第2受信信号取得部13Bは、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから例えば5000回送信された超音波などを受信した第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力された例えば5000回分の受信信号の時間波形の平均(図2および図3に「W2」で示す時間波形)を取得する。
演算部13の第2標準偏差算出部13Dは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力された例えば5000回分の受信信号のそれぞれの時間波形(図示せず)の振幅の標準偏差同等値を算出する。
図3(A)および図3(B)の時間波形W4は、第2標準偏差算出部13Dによって算出された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの例えば5000回分の受信信号の振幅の標準偏差の時間波形を示している。
つまり、図3(A)および図3(B)の時間波形W4は、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力された例えば5000回分の受信信号のそれぞれの時間波形(図示せず)の振幅の標準偏差の時間波形を示している。
演算部13の第2超音波伝播時間算出部13Jは、第2超音波受信時刻算出部13Gによって算出された第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信時刻(例えば時刻T5A(図3(B)参照))と、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻T0(図2(A)および図3(A)参照)とに基づいて、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の伝播時間(例えば伝播時間(T5A-T0))を算出する。
演算部13の伝播時間差算出部13Kは、第1超音波伝播時間算出部13Hによって算出された伝播時間(例えば伝播時間(T4A-T0))と、第2超音波伝播時間算出部13Jによって算出された伝播時間(例えば伝播時間(T5A-T0))との差分である伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))を算出する。
上述したように、他の例では、第1超音波伝播時間算出部13Hが伝播時間(例えば伝播時間(T4A-T0))を算出することなく、第2超音波伝播時間算出部13Jが伝播時間(例えば伝播時間(T5A-T0))を算出することもなく、演算部13の伝播時間差算出部13Kが、伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))を算出してもよい。
図2および図3に示す例では、流量算出部13Lは、伝播時間差算出部13Kによって算出された伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))に基づいて、配管A内を流れる流体の流量を算出する。
図4(A)および図4(B)の時間波形W1は、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aが超音波を例えば5000回送信したときに第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号の時間波形の平均を示している。また、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信時刻が、図3(A)に示す例と同様に、図4(A)の横軸の時刻T0に設定されている。
図4(A)および図4(B)の時間波形W2は、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aが超音波を例えば5000回送信したときに第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号の時間波形の平均を示している。また、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻が、図3(A)に示す例と同様に、図4(A)の横軸の時刻T0に設定されている。
演算部13の第1標準偏差算出部13Cは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力された例えば5000回分の受信信号のそれぞれの時間波形(図示せず)の振幅の標準偏差同等値を算出する。
図4(A)および図4(B)の時間波形W3は、第1標準偏差算出部13Cによって算出された第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの例えば5000回分の受信信号の振幅の標準偏差の時間波形を示している。
演算部13の第2標準偏差算出部13Dは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力された例えば5000回分の受信信号のそれぞれの時間波形(図示せず)の振幅の標準偏差同等値を算出する。
図4(A)および図4(B)の時間波形W4は、第2標準偏差算出部13Dによって算出された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの例えば5000回分の受信信号の振幅の標準偏差の時間波形を示している。
演算部13の第2超音波伝播時間算出部13Jは、第2超音波受信時刻算出部13Gによって算出された第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信時刻(例えば時刻T5A(図4(B)参照))と、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻T0(図4(A)参照)とに基づいて、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の伝播時間(例えば伝播時間(T5A-T0))を算出する。
演算部13の伝播時間差算出部13Kは、第1超音波伝播時間算出部13Hによって算出された伝播時間(例えば伝播時間(T4A-T0))と、第2超音波伝播時間算出部13Jによって算出された伝播時間(例えば伝播時間(T5A-T0))との差分である伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))を算出する。
上述したように、他の例では、第1超音波伝播時間算出部13Hが伝播時間(例えば伝播時間(T4A-T0))を算出することなく、第2超音波伝播時間算出部13Jが伝播時間(例えば伝播時間(T5A-T0))を算出することもなく、演算部13の伝播時間差算出部13Kが、伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))を算出してもよい。
図4に示す例では、流量算出部13Lは、伝播時間差算出部13Kによって算出された伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))に基づいて、配管A内を流れる流体の流量を算出する。
図5の横軸は配管Aの流路A2内の気相容積流束JG[m/s]を示しており、図5の縦軸は配管Aの流路A2内の液相容積流束JL[m/s]を示している。図5において、プロット「●」は、配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式が層状流である場合における気相容積流束JGと液相容積流束JLとの関係を示している。プロット「〇」は、配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式が波状流である場合における気相容積流束JGと液相容積流束JLとの関係を示している。プロット「△」は、配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式が波状環状遷移である場合における気相容積流束JGと液相容積流束JLとの関係を示している。プロット「×」は、配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式が環状噴霧流である場合における気相容積流束JGと液相容積流束JLとの関係を示している。これらのプロットは、例えば実験などによって得られる。
「層状流」は、配管Aの流路A2の下部に存在する液相の界面に波立ちが確認できないものであって、気相と液相とが分離されている流れである。配管Aの流路A2の下部に液相が存在する「層状流」では、配管Aの壁部A1から流路A2内に透過し伝播する超音波が影響を受けにくい。
「波状流」は、配管Aの流路A2の下部に存在する液相の界面に波立ちが確認できるものであって、気相と液相とが分離されている流れである。配管Aの流路A2の下部に液相が存在する「波状流」では、配管Aの壁部A1から流路A2内に透過し伝播する超音波が影響を受けにくい。
「環状噴霧流」は、配管Aの流路A2の上部まで液膜が確認できるものであり、配管Aの壁部A1に液膜が存在し、気相の管断面中心部に多数の液滴を同伴している流れである。配管Aの壁部A1に液膜が存在する「環状噴霧流」では、配管Aの壁部A1から流路A2内に透過し伝播する超音波が、液膜の影響を受け、減衰すると考えられる。詳細には、「環状噴霧流」では、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aまたは第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信され、配管Aの壁部A1内を伝わったガイド波としての超音波の一部が、液膜内に透過し、再度、壁部A1内に透過することで複数の伝播経路が発生し、その影響で、ガイド波としての超音波が時間的に変化すると考えられる。
「波状環状遷移」は、「波状流」と「環状噴霧流」との遷移状態の流れである。
詳細には、湿り度算出部13Nは、流量算出部13Lによって算出された配管Aの流路A2内を流れる流体の流量を、配管Aの流路A2内の気相容積流束JGに変換する。配管Aの流路A2内を流れる流体の流量の値が大きいほど、配管Aの流路A2内の気相容積流束JGの値は大きくなる。
また、湿り度算出部13Nは、変換によって得られた配管Aの流路A2内の気相容積流束JGの値を、流動様式線図(図5参照)の横軸に当てはめる。
更に、湿り度算出部13Nは、流動様式線図の横軸の気相容積流束JGの値に対応するプロット「●」の縦軸の値を、配管Aの流路A2内の液相容積流束JLの値として算出する。また、湿り度算出部13Nは、配管Aの流路A2内の液相容積流束JLの値を、配管Aの流路A2内を流れる流体の湿り度[%]に変換する。配管Aの流路A2内の液相容積流束JLの値が大きいほど、配管Aの流路A2内を流れる流体の湿り度の値は大きくなる。
図6(A)および図6(B)の時間波形W1は、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aが超音波を例えば5000回送信したときに第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号の時間波形の平均を示している。また、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信時刻が、図3(A)に示す例と同様に、図6(A)の横軸の時刻T0に設定されている。
図6(A)および図6(B)の時間波形W2は、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aが超音波を例えば5000回送信したときに第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号の時間波形の平均を示している。また、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻が、図3(A)に示す例と同様に、図6(A)の横軸の時刻T0に設定されている。
演算部13の第1標準偏差算出部13Cは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力された例えば5000回分の受信信号のそれぞれの時間波形(図示せず)の振幅の標準偏差同等値を算出する。
図6(A)および図6(B)の時間波形W3は、第1標準偏差算出部13Cによって算出された第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの例えば5000回分の受信信号の振幅の標準偏差の時間波形を示している。
演算部13の第2標準偏差算出部13Dは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力された例えば5000回分の受信信号のそれぞれの時間波形(図示せず)の振幅の標準偏差同等値を算出する。
図6(A)および図6(B)の時間波形W4は、第2標準偏差算出部13Dによって算出された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの例えば5000回分の受信信号の振幅の標準偏差の時間波形を示している。
演算部13の第2超音波伝播時間算出部13Jは、第2超音波受信時刻算出部13Gによって算出された第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信時刻(例えば時刻T5A(図6(B)参照))と、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻T0(図6(A)参照)とに基づいて、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の伝播時間(例えば伝播時間(T5A-T0))を算出する。
演算部13の伝播時間差算出部13Kは、第1超音波伝播時間算出部13Hによって算出された伝播時間(例えば伝播時間(T4A-T0))と、第2超音波伝播時間算出部13Jによって算出された伝播時間(例えば伝播時間(T5A-T0))との差分である伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))を算出する。
上述したように、他の例では、第1超音波伝播時間算出部13Hが伝播時間(例えば伝播時間(T4A-T0))を算出することなく、第2超音波伝播時間算出部13Jが伝播時間(例えば伝播時間(T5A-T0))を算出することもなく、演算部13の伝播時間差算出部13Kが、伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))を算出してもよい。
図6に示す例では、流量算出部13Lは、伝播時間差算出部13Kによって算出された伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))に基づいて、配管A内を流れる流体の流量を算出する。
詳細には、湿り度算出部13Nは、流量算出部13Lによって算出された配管A内を流れる流体の流量を、配管Aの流路A2内の気相容積流束JGに変換する。
また、湿り度算出部13Nは、変換によって得られた配管Aの流路A2内の気相容積流束JGの値を、流動様式線図(図5参照)の横軸に当てはめる。
更に、湿り度算出部13Nは、流動様式線図の横軸の気相容積流束JGの値に対応するプロット「〇」の縦軸の値を、配管Aの流路A2内の液相容積流束JLの値として算出する。また、湿り度算出部13Nは、配管Aの流路A2内の液相容積流束JLの値を、配管Aの流路A2内を流れる流体の湿り度[%]に変換する。
図7(A)および図7(B)の時間波形W1は、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aが超音波を例えば5000回送信したときに第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号の時間波形の平均を示している。また、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信時刻が、図3(A)に示す例と同様に、図7(A)の横軸の時刻T0に設定されている。
図7(A)および図7(B)の時間波形W2は、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aが超音波を例えば5000回送信したときに第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号の時間波形の平均を示している。また、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻が、図3(A)に示す例と同様に、図7(A)の横軸の時刻T0に設定されている。
演算部13の第1標準偏差算出部13Cは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力された例えば5000回分の受信信号のそれぞれの時間波形(図示せず)の振幅の標準偏差同等値を算出する。
図7(A)および図7(B)の時間波形W3は、第1標準偏差算出部13Cによって算出された第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの例えば5000回分の受信信号の振幅の標準偏差の時間波形を示している。
演算部13の第2標準偏差算出部13Dは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力された例えば5000回分の受信信号のそれぞれの時間波形(図示せず)の振幅の標準偏差同等値を算出する。
図7(A)および図7(B)の時間波形W4は、第2標準偏差算出部13Dによって算出された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの例えば5000回分の受信信号の振幅の標準偏差の時間波形を示している。
演算部13の第2超音波伝播時間算出部13Jは、第2超音波受信時刻算出部13Gによって算出された第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信時刻(例えば時刻T5A(図7(B)参照))と、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻T0(図7(A)参照)とに基づいて、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の伝播時間(例えば伝播時間(T5A-T0))を算出する。
演算部13の伝播時間差算出部13Kは、第1超音波伝播時間算出部13Hによって算出された伝播時間(例えば伝播時間(T4A-T0))と、第2超音波伝播時間算出部13Jによって算出された伝播時間(例えば伝播時間(T5A-T0))との差分である伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))を算出する。
上述したように、他の例では、第1超音波伝播時間算出部13Hが伝播時間(例えば伝播時間(T4A-T0))を算出することなく、第2超音波伝播時間算出部13Jが伝播時間(例えば伝播時間(T5A-T0))を算出することもなく、演算部13の伝播時間差算出部13Kが、伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))を算出してもよい。
図7に示す例では、流量算出部13Lは、伝播時間差算出部13Kによって算出された伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))に基づいて、配管A内を流れる流体の流量を算出する。
詳細には、湿り度算出部13Nは、流量算出部13Lによって算出された配管A内を流れる流体の流量を、配管Aの流路A2内の気相容積流束JGに変換する。
また、湿り度算出部13Nは、変換によって得られた配管Aの流路A2内の気相容積流束JGの値を、流動様式線図(図5参照)の横軸に当てはめる。
更に、湿り度算出部13Nは、流動様式線図の横軸の気相容積流束JGの値に対応するプロット「△」の縦軸の値を、配管Aの流路A2内の液相容積流束JLの値として算出する。また、湿り度算出部13Nは、配管Aの流路A2内の液相容積流束JLの値を、配管Aの流路A2内を流れる流体の湿り度[%]に変換する。
図8(A)および図8(B)の時間波形W1は、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aが超音波を例えば5000回送信したときに第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号の時間波形の平均を示している。また、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信時刻が、図3(A)に示す例と同様に、図8(A)の横軸の時刻T0に設定されている。
図8(A)および図8(B)の時間波形W2は、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aが超音波を例えば5000回送信したときに第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号の時間波形の平均を示している。また、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻が、図3(A)に示す例と同様に、図8(A)の横軸の時刻T0に設定されている。
演算部13の第1標準偏差算出部13Cは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力された例えば5000回分の受信信号のそれぞれの時間波形(図示せず)の振幅の標準偏差同等値を算出する。
図8(A)および図8(B)の時間波形W3は、第1標準偏差算出部13Cによって算出された第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの例えば5000回分の受信信号の振幅の標準偏差の時間波形を示している。
演算部13の第2標準偏差算出部13Dは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力された例えば5000回分の受信信号のそれぞれの時間波形(図示せず)の振幅の標準偏差同等値を算出する。
図8(A)および図8(B)の時間波形W4は、第2標準偏差算出部13Dによって算出された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの例えば5000回分の受信信号の振幅の標準偏差の時間波形を示している。
演算部13の第2超音波伝播時間算出部13Jは、第2超音波受信時刻算出部13Gによって算出された第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信時刻(例えば時刻T5A(図8(B)参照))と、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻T0(図8(A)参照)とに基づいて、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の伝播時間(例えば伝播時間(T5A-T0))を算出する。
演算部13の伝播時間差算出部13Kは、第1超音波伝播時間算出部13Hによって算出された伝播時間(例えば伝播時間(T4A-T0))と、第2超音波伝播時間算出部13Jによって算出された伝播時間(例えば伝播時間(T5A-T0))との差分である伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))を算出する。
上述したように、他の例では、第1超音波伝播時間算出部13Hが伝播時間(例えば伝播時間(T4A-T0))を算出することなく、第2超音波伝播時間算出部13Jが伝播時間(例えば伝播時間(T5A-T0))を算出することもなく、演算部13の伝播時間差算出部13Kが、伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))を算出してもよい。
図8に示す例では、流量算出部13Lは、伝播時間差算出部13Kによって算出された伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))に基づいて、配管A内を流れる流体の流量を算出する。
詳細には、湿り度算出部13Nは、流量算出部13Lによって算出された配管A内を流れる流体の流量を、配管Aの流路A2内の気相容積流束JGに変換する。
また、湿り度算出部13Nは、変換によって得られた配管Aの流路A2内の気相容積流束JGの値を、流動様式線図(図5参照)の横軸に当てはめる。
更に、湿り度算出部13Nは、流動様式線図の横軸の気相容積流束JGの値に対応するプロット「×」の縦軸の値を、配管Aの流路A2内の液相容積流束JLの値として算出する。また、湿り度算出部13Nは、配管Aの流路A2内の液相容積流束JLの値を、配管Aの流路A2内を流れる流体の湿り度[%]に変換する。
図9(A)に示す例では、ステップS11Aにおいて、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aが、超音波を送信する。
次いで、ステップS11Bでは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bが、ステップS11Aにおいて第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波などを受信する。
次いで、ステップS11Cでは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bが、ステップS11Bにおいて受信した第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aからの超音波などを受信信号(電圧信号)に変換して出力する。
次いで、ステップS11Dでは、演算部13の第1受信信号取得部13Aが、ステップS11Cにおいて出力された第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号(電圧信号)を取得する。
次いで、ステップS11Eでは、例えば制御部14が、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達したか否かを判定する。第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達した場合には、図9(A)に示すルーチンを終了する。一方、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達していない場合には、ステップS11Aに戻る。
図9(B)に示す例では、ステップS12Aにおいて、演算部13の第1標準偏差算出部13Cが、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波の受信期間TA~TBを含む期間T0~T3中の各時刻における上述した回数分の第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する。
次いで、ステップS12Bでは、演算部13の流動様式判別部13Eは、受信期間TA~TB中の各時刻における複数回分の第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値(例えば図3(A)、図4(A)、図6(A)、図7(A)および図8(A)に「時間波形W3」で示す標準偏差)に基づいて、配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式を判別する。
図10(A)に示す例では、ステップS13Aにおいて、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aが、超音波を送信する。
次いで、ステップS13Bでは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bが、ステップS13Aにおいて第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波などを受信する。
次いで、ステップS13Cでは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bが、ステップS13Bにおいて受信した第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波などを受信信号(電圧信号)に変換して出力する。
次いで、ステップS13Dでは、演算部13の第2受信信号取得部13Bが、ステップS13Cにおいて出力された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号(電圧信号)を取得する。
次いで、ステップS13Eでは、例えば制御部14が、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達したか否かを判定する。第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達した場合には、図10(A)に示すルーチンを終了する。一方、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達していない場合には、ステップS13Aに戻る。
図10(B)に示す例では、ステップS14Aにおいて、演算部13の第2標準偏差算出部13Dが、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信期間T5A~T5Bを含む期間T0~T3中の各時刻における上述した回数分の第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する。
また、ステップS14Cでは、演算部13の第2超音波受信時刻算出部13Gが、ステップS14Aにおいて算出された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値に基づいて、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信時刻(例えば時刻T5A)を算出する。
また、ステップS14Eでは、演算部13の第2超音波伝播時間算出部13Jが、ステップS14Cにおいて算出された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信時刻(例えば時刻T5A)と、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻T0とに基づいて、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の伝播時間(例えば伝播時間(T5A-T0))を算出する。
他の例(第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波の受信期間T4A~T4B中における第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号が、ノイズに埋もれていない例)では、ステップS14Fにおいて、演算部13の伝播時間差算出部13Kが、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号の時間波形と、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号の時間波形とに基づいて、伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))を算出してもよい。
図10に示す例では、次いで、ステップS14Gでは、演算部13の流量算出部13Lが、ステップS14Fにおいて算出された伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))に基づいて、配管Aの流路A2内を流れる流体の流量を算出する。
次いで、ステップS14Jでは、演算部13の湿り度算出部13Nが、ステップS14Hにおいて取得された流動様式線図と、図9(B)のステップS12Bにおいて判別された配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式と、ステップS14Gにおいて算出された配管Aの流路A2内を流れる流体の流量とに基づいて、配管Aの流路A2内を流れる流体の湿り度[%]を算出する。
そのため、第1実施形態の流動様式判別装置1では、配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式を、抜管する必要なく判別することができる。
そのため、第1実施形態の流動様式判別装置1では、抜管する必要なく、配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式を詳細に判別することができる。
そのため、第1実施形態の流動様式判別装置1では、抜管する必要なく、配管Aの流路A2内を流れる流体の湿り度を得ることができる。
エネルギーの有効利用の観点から、工場などの既設配管において蒸気流量を計測することが重要とされる。その手法の一つとして、第1実施形態の流動様式判別装置1を適用したクランプオン式超音波流量計が考えられる。
クランプオン式超音波流量計を用いて蒸気流量を計測する場合、蒸気と配管の音響インピーダンスの違いによる透過強度の低下、高温によるウェッジ材・センサ感度の低下、蒸気の湿りによる液滴・液膜の影響により、超音波透過強度が低下する。
第1実施形態の流動様式判別装置1を適用したクランプオン式超音波流量計では、低信号ノイズ比条件下においても、配管A内を流れる流体の流量を適切に算出することができる。
第1実施形態の流動様式判別装置1を適用することにより、蒸気流量計測の実現によるエネルギーマネジメントへの応用の他、従来、伝播時間差式流量計では困難であった条件(低圧気体、天然ガスなどの混相流)において、計測を可能とする可能性がある。
蒸気を主力熱源とする工場などでは、省エネルギー、エネルギー診断から最適なエネルギーシステムの提案、設計などを行うESP(エネルギーサービスプロバイダ)の観点から、蒸気流量計測を行うことが望まれる。第1実施形態の流動様式判別装置1を適用して蒸気流量計測を行うことによって、蒸気管を抜管する必要なく、蒸気の流量を把握することができる。第1実施形態の流動様式判別装置1を適用して蒸気流量計測を行うことにより、超音波トランスデューサによって受信される雑音が大きい場合であっても、適切に蒸気の流量を計測することができ、省エネルギーに資することができる。また、第1実施形態の流動様式判別装置1によって配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式、湿り度を把握することにより、配管Aの熱ロスを解析し、適切な省エネルギー対策を施すことができる。
以下、本発明の流動様式判別装置、流動様式判別システムおよび流動様式判別方法の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の流動様式判別システムSは、後述する点を除き、上述した第1実施形態の流動様式判別装置1と同様に構成されている。従って、第2実施形態の流動様式判別システムSによれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の流動様式判別装置1と同様の効果を奏することができる。
図11に示す例では、流動様式判別システムSが、配管A(図1(B)参照)の流路A2内を流れる流体の流動様式を判別する。流動様式判別システムSは、超音波流量計S1と、演算部S2とを備えている。演算部S2は、例えば配管Aから離れた位置に配置される。
図1に示す例では、流動様式判別装置1が、第1超音波トランスデューサ11と、第2超音波トランスデューサ12と、演算部13と、制御部14とを備えているが、図11に示す例では、超音波流量計S1が、第1超音波トランスデューサ11と、第2超音波トランスデューサ12と、制御部14と、記憶部15とを備えている。
記憶部15は、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信時刻、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号などを記憶する。
詳細には、図11に示す例では、配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式を判別するために、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aが超音波を複数回(例えば2000回以上)送信し、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bは、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから複数回送信された超音波を受信して、複数回分の受信信号(電圧信号)を出力する。
第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bが出力する複数回分の受信信号(電圧信号)は、配管Aの流路A2内を流れる流体の流量の算出にも用いられる。
更に、配管Aの流路A2内を流れる流体の流量を算出するために、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aも超音波を複数回(例えば2000回以上)送信し、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bが、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから複数回送信された超音波を受信して、複数回分の受信信号(電圧信号)を出力する。
つまり、演算部S2は、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波などを受信した第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号と、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波などを受信した第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号とに基づいて、配管Aの流路A2内を流れる流体の流量を算出する。
詳細には、配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式の判別および流量の算出を行うために、演算部S2は、第1受信信号取得部2Aと、第2受信信号取得部2Bと、第1標準偏差算出部2Cと、第2標準偏差算出部2Dと、流動様式判別部2Eと、第1超音波受信時刻算出部2Fと、第2超音波受信時刻算出部2Gと、第1超音波伝播時間算出部2Hと、第2超音波伝播時間算出部2Jと、伝播時間差算出部2Kと、流量算出部2Lと、流動様式線図取得部2Mと、湿り度算出部2Nとを備えている。
図11に示す例では、演算部S2が、第1超音波受信時刻算出部2Fと、第2超音波受信時刻算出部2Gと、第1超音波伝播時間算出部2Hと、第2超音波伝播時間算出部2Jとを備えているが、他の例では、演算部S2が、第1超音波受信時刻算出部2Fと、第2超音波受信時刻算出部2Gと、第1超音波伝播時間算出部2Hと、第2超音波伝播時間算出部2Jとを備えていなくてもよい。
他の例では、伝播時間差算出部2Kが、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aからの超音波の受信時刻(例えば時刻T4A)と、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波の受信時刻(例えば時刻T5A)とを用いることなく、伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))を算出してもよい。
具体的には、伝播時間差算出部2Kは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形と、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号の振幅の標準偏差同等値の時間波形との相関処理(例えば特開2016-180679号公報に記載されているような公知の相関処理)を実行することによって、伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))を算出することができる。
更に他の例(第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波の受信期間T4A~T4B中における第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号が、ノイズに埋もれておらず、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信期間T5A~T5B中における第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号が、ノイズに埋もれていない例)では、伝播時間差算出部2Kが、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号の時間波形と、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号の時間波形とに基づいて、伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))を算出してもよい。
図12(A)に示す例では、ステップS21Aにおいて、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aが、超音波を送信する。
次いで、ステップS21Bでは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bが、ステップS21Aにおいて第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波などを受信する。
次いで、ステップS21Cでは、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bが、ステップS21Bにおいて受信した第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aからの超音波などを受信信号(電圧信号)に変換して出力する。
次いで、ステップS21Dでは、記憶部15が、ステップS21Cにおいて出力された第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号(電圧信号)を記憶する。
次いで、ステップS21Eでは、例えば制御部14が、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達したか否かを判定する。第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達した場合には、図12(A)に示すルーチンを終了する。一方、第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達していない場合には、ステップS21Aに戻る。
図12(B)に示す例では、ステップS22Xにおいて、演算部S2の第1受信信号取得部2Aが、ステップS21Dにおいて記憶された第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号(電圧信号)を取得する。
次いで、ステップS22Aでは、演算部S2の第1標準偏差算出部2Cが、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによる第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波の受信期間TA~TBを含む期間T0~T3中の各時刻における上述した回数分の第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する。
次いで、ステップS22Bでは、演算部S2の流動様式判別部2Eは、受信期間TA~TB中の各時刻における複数回分の第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値に基づいて、配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式を判別する。
図13(A)に示す例では、ステップS23Aにおいて、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aが、超音波を送信する。
次いで、ステップS23Bでは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bが、ステップS23Aにおいて第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波などを受信する。
次いで、ステップS23Cでは、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bが、ステップS23Bにおいて受信した第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aからの超音波などを受信信号(電圧信号)に変換して出力する。
次いで、ステップS23Dでは、記憶部15が、ステップS23Cにおいて出力された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号(電圧信号)を記憶する。
次いで、ステップS23Eでは、例えば制御部14が、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達したか否かを判定する。第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達した場合には、図13(A)に示すルーチンを終了する。一方、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信回数が予め設定された回数に到達していない場合には、ステップS23Aに戻る。
図13(B)に示す例では、ステップS24Xにおいて、演算部S2の第2受信信号取得部2Bが、ステップS23Dにおいて記憶された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号(電圧信号)を取得する。
次いで、ステップS24Aでは、演算部S2の第2標準偏差算出部2Dが、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信期間T5A~T5Bを含む期間T0~T3中の各時刻における上述した回数分の第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出する。
また、ステップS24Cでは、演算部S2の第2超音波受信時刻算出部2Gが、ステップS24Aにおいて算出された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bの受信信号の振幅の標準偏差同等値に基づいて、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信時刻(例えば時刻T5A)を算出する。
また、ステップS24Eでは、演算部S2の第2超音波伝播時間算出部2Jが、ステップS24Cにおいて算出された第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによる第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の受信時刻(例えば時刻T5A)と、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aによる超音波の送信時刻T0とに基づいて、第2超音波トランスデューサ12の送信部12Aから送信された超音波の伝播時間(例えば伝播時間(T5A-T0))を算出する。
他の例(第1超音波トランスデューサ11の送信部11Aから送信された超音波の受信期間T4A~T4B中における第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bの受信信号が、ノイズに埋もれていない例)では、ステップS24Fにおいて、演算部S2の伝播時間差算出部2Kが、第2超音波トランスデューサ12の受信部12Bによって出力される受信信号の時間波形と、第1超音波トランスデューサ11の受信部11Bによって出力される受信信号の時間波形とに基づいて、伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))を算出してもよい。
図13に示す例では、次いで、ステップS24Gでは、演算部S2の流量算出部2Lが、ステップS24Fにおいて算出された伝播時間差(例えば伝播時間差(T5A-T4A))に基づいて、配管Aの流路A2内を流れる流体の流量を算出する。
次いで、ステップS24Jでは、演算部S2の湿り度算出部2Nが、ステップS24Hにおいて取得された流動様式線図と、図12(B)のステップS22Bにおいて判別された配管Aの流路A2内を流れる流体の流動様式と、ステップS24Gにおいて算出された配管Aの流路A2内を流れる流体の流量とに基づいて、配管Aの流路A2内を流れる流体の湿り度[%]を算出する。
Claims (11)
- 配管内を流れる流体の流動様式を判別する流動様式判別装置であって、
超音波を送信する第1超音波トランスデューサと、
前記第1超音波トランスデューサから送信された前記超音波を受信する第2超音波トランスデューサと、
前記超音波を受信した前記第2超音波トランスデューサによって出力される受信信号に基づいて、前記流体の流動様式を判別する演算部とを備え、
前記第1超音波トランスデューサは、前記超音波を複数回送信し、
前記第2超音波トランスデューサは、前記第1超音波トランスデューサから複数回送信された前記超音波を受信して、複数回分の前記受信信号を出力し、
前記演算部は、前記第1超音波トランスデューサによる前記超音波の送信時刻以降の期間である送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差、分散、および、標準偏差から得られる値のいずれかである標準偏差同等値に基づいて、前記流体の流動様式を判別し、
前記送信後期間は、前記第1超音波トランスデューサから送信され、前記配管の壁部内を伝わったガイド波としての前記超音波が前記第2超音波トランスデューサによって受信される期間である、
流動様式判別装置。 - 前記演算部は、前記送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値に基づいて、前記流体の流動様式が、乾き蒸気、層状流、波状流、波状環状遷移および環状噴霧流のいずれであるかを判別する、
請求項1に記載の流動様式判別装置。 - 前記流体の流動様式が層状流である場合における前記送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値は、前記流体の流動様式が乾き蒸気である場合における前記送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値よりも大きく、
前記流体の流動様式が波状流である場合における前記送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値は、前記流体の流動様式が層状流である場合における前記送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値よりも大きく、
前記流体の流動様式が波状環状遷移である場合における前記送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値は、前記流体の流動様式が波状流である場合における前記送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値よりも大きく、
前記流体の流動様式が環状噴霧流である場合における前記送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値は、前記流体の流動様式が波状環状遷移である場合における前記送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値よりも大きい、
請求項2に記載の流動様式判別装置。 - 前記第1超音波トランスデューサは、第1送信部と第1受信部とを有し、
前記第2超音波トランスデューサは、第2送信部と第2受信部とを有し、前記第1超音波トランスデューサよりも前記流体の流れの下流側に配置されており、
前記第2受信部は、前記第1送信部から複数回送信された前記超音波を受信して、複数回分の前記受信信号を出力し、
前記第1受信部は、前記第2送信部から複数回送信された前記超音波を受信して、複数回分の前記受信信号を出力し、
前記演算部は、
前記第2受信部による前記第1送信部から送信された前記超音波の受信期間を含む期間中の各時刻における前記第2受信部の複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出し、
前記第1受信部による前記第2送信部から送信された前記超音波の受信期間を含む期間中の各時刻における前記第1受信部の複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出し、
前記第2受信部の複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値と、前記第1受信部の複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値とに基づいて、第1超音波の伝播時間と第2超音波の伝播時間との差分である伝播時間差を算出するか、あるいは、前記第2受信部の前記受信信号と、前記第1受信部の前記受信信号とに基づいて、前記第1超音波の伝播時間と前記第2超音波の伝播時間との差分である伝播時間差を算出することによって、前記流体の流量を算出し、
前記第2受信部による前記第1送信部から送信された前記超音波の受信期間は、前記第1送信部から送信され、前記配管の流路内を透過した目的信号としての前記超音波が前記第2受信部によって受信される期間であり、
前記第1受信部による前記第2送信部から送信された前記超音波の受信期間は、前記第2送信部から送信され、前記配管の前記流路内を透過した前記目的信号としての前記超音波が前記第1受信部によって受信される期間である、
請求項2または請求項3に記載の流動様式判別装置。 - 前記演算部は、
予め算出された前記流体の流動様式と前記配管内の気相容積流束と前記配管内の液相容積流束との関係と、
前記演算部によって判別された前記流体の流動様式と、
前記演算部によって算出された前記流体の流量とに基づいて、
前記流体の湿り度を算出する、
請求項4に記載の流動様式判別装置。 - 配管内を流れる流体の流動様式を判別する流動様式判別システムであって、
前記流動様式判別システムは、超音波流量計と、演算部とを備え、
前記超音波流量計は、
超音波を送信する第1超音波トランスデューサと、
前記第1超音波トランスデューサから送信された前記超音波を受信する第2超音波トランスデューサとを備え、
前記第1超音波トランスデューサは、前記超音波を複数回送信し、
前記第2超音波トランスデューサは、前記第1超音波トランスデューサから複数回送信された前記超音波を受信して、複数回分の受信信号を出力し、
前記演算部は、前記第1超音波トランスデューサによる前記超音波の送信時刻以降の期間である送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差、分散、および、標準偏差から得られる値のいずれかである標準偏差同等値に基づいて、前記流体の流動様式を判別し、
前記送信後期間は、前記第1超音波トランスデューサから送信され、前記配管の壁部内を伝わったガイド波としての前記超音波が前記第2超音波トランスデューサによって受信される期間である、
流動様式判別システム。 - 前記演算部は、前記送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値に基づいて、前記流体の流動様式が、乾き蒸気、層状流、波状流、波状環状遷移および環状噴霧流のいずれであるかを判別する、
請求項6に記載の流動様式判別システム。 - 前記流体の流動様式が層状流である場合における前記送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値は、前記流体の流動様式が乾き蒸気である場合における前記送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値よりも大きく、
前記流体の流動様式が波状流である場合における前記送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値は、前記流体の流動様式が層状流である場合における前記送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値よりも大きく、
前記流体の流動様式が波状環状遷移である場合における前記送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値は、前記流体の流動様式が波状流である場合における前記送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値よりも大きく、
前記流体の流動様式が環状噴霧流である場合における前記送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値は、前記流体の流動様式が波状環状遷移である場合における前記送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値よりも大きい、
請求項7に記載の流動様式判別システム。 - 前記第1超音波トランスデューサは、第1送信部と第1受信部とを有し、
前記第2超音波トランスデューサは、第2送信部と第2受信部とを有し、前記第1超音波トランスデューサよりも前記流体の流れの下流側に配置されており、
前記第2受信部は、前記第1送信部から複数回送信された前記超音波を受信して、複数回分の前記受信信号を出力し、
前記第1受信部は、前記第2送信部から複数回送信された前記超音波を受信して、複数回分の前記受信信号を出力し、
前記演算部は、
前記第2受信部による前記第1送信部から送信された前記超音波の受信期間を含む期間中の各時刻における前記第2受信部の複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出し、
前記第1受信部による前記第2送信部から送信された前記超音波の受信期間を含む期間中の各時刻における前記第1受信部の複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値を算出し、
前記第2受信部の複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値と、前記第1受信部の複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差同等値とに基づいて、第1超音波の伝播時間と第2超音波の伝播時間との差分である伝播時間差を算出するか、あるいは、前記第2受信部の前記受信信号と、前記第1受信部の前記受信信号とに基づいて、前記第1超音波の伝播時間と前記第2超音波の伝播時間との差分である伝播時間差を算出することによって、前記流体の流量を算出し、
前記第2受信部による前記第1送信部から送信された前記超音波の受信期間は、前記第1送信部から送信され、前記配管の流路内を透過した目的信号としての前記超音波が前記第2受信部によって受信される期間であり、
前記第1受信部による前記第2送信部から送信された前記超音波の受信期間は、前記第2送信部から送信され、前記配管の前記流路内を透過した前記目的信号としての前記超音波が前記第1受信部によって受信される期間である、
請求項7または請求項8に記載の流動様式判別システム。 - 前記演算部は、
予め算出された前記流体の流動様式と前記配管内の気相容積流束と前記配管内の液相容積流束との関係と、
前記演算部によって判別された前記流体の流動様式と、
前記演算部によって算出された前記流体の流量とに基づいて、
前記流体の湿り度を算出する、
請求項9に記載の流動様式判別システム。 - 超音波を送信する第1超音波トランスデューサと、
前記第1超音波トランスデューサから送信された前記超音波を受信する第2超音波トランスデューサと
を用いて配管内を流れる流体の流動様式を判別する流動様式判別方法であって、
前記超音波を受信した前記第2超音波トランスデューサによって出力される受信信号に基づいて、前記流体の流動様式を判別する演算ステップと、
前記第1超音波トランスデューサが前記超音波を複数回送信する超音波送信ステップと、
前記第2超音波トランスデューサが前記第1超音波トランスデューサから複数回送信された前記超音波を受信して、複数回分の前記受信信号を出力する受信信号出力ステップとを備え、
前記演算ステップでは、前記第1超音波トランスデューサによる前記超音波の送信時刻以降の期間である送信後期間中の各時刻における複数回分の前記受信信号の振幅の標準偏差、分散、および、標準偏差から得られる値のいずれかである標準偏差同等値に基づいて、前記流体の流動様式を判別し、
前記送信後期間は、前記第1超音波トランスデューサから送信され、前記配管の壁部内を伝わったガイド波としての前記超音波が前記第2超音波トランスデューサによって受信される期間である、
流動様式判別方法。
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- 2019-03-26 JP JP2019058120A patent/JP7246634B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6386018B1 (en) | 1996-03-11 | 2002-05-14 | Daniel Industries, Inc. | Ultrasonic 2-phase flow apparatus and stratified level detector |
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Non-Patent Citations (1)
Title |
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村川英樹 市村修平 島田昌輝 杉本勝美 梅沢修一 杉田勝彦 ,クランプオン式超音波流量計による湿り蒸気計測のための透過波形評価手法,日本機械学会動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集(CD-ROM),2019年,A221, 1-5 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JP2020159809A (ja) | 2020-10-01 |
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