以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
図1は、本実施形態に係る配管施栓システムの配管施栓プラグ取扱装置を示す概略構成図である。図2は、本実施形態に係る配管施栓システムの配管施栓プラグ取扱装置を示すブロック図である。図3は、本実施形態に係る配管施栓システムの配管施栓プラグを示す概略側面図である。図4は、本実施形態に係る配管施栓システムの配管施栓プラグを示す概略正面図である。
本実施形態の配管施栓システムは、例えば、原子力設備における放射環境下において各種作業を行うにあたり、圧力バウンダリを構成するために配管を閉塞したり、当該圧力バウンダリを開放したりすることに用いられる。
この配管施栓システムは、図3に示す配管100を施栓するための図3および図4に示す配管施栓プラグ1と、遠隔操作により移動が可能であり配管施栓プラグ1を把持したり離したりし、かつ配管施栓プラグ1の機能を有効化したり無効化したりすることのできる図1に示す配管施栓プラグ取扱装置2と、配管施栓プラグ取扱装置2を遠隔操作により操作する図2に示す操作装置3と、を備える。
先ず、配管施栓プラグ取扱装置2について説明する。図1および図2に示すように、配管施栓プラグ取扱装置2は、移動装置2Aと、把持装置2Bと、作動装置2Cと、位置調整装置2Dと、撮像装置2Eと、通信装置2Fと、制御装置2Gと、を有する。
移動装置2Aは、車台2Aaと、車台2Aaを移動させるための走行機構2Abと、を有する。車台2Aaは、把持装置2Bと、作動装置2Cと、位置調整装置2Dと、撮像装置2Eと、通信装置2Fと、制御装置2Gと、を搭載するものである。走行機構2Abは、例えば、4つの車輪を有し、この車輪を回転させ、かつ車輪を操舵する機能を有する。従って、走行機構2Abの車輪を回転させつつ操舵することで、車台2Aaを移動させることができる。走行機構2Abは、車輪に変えてクローラとしてもよい。
把持装置2Bは、配管施栓プラグ1を把持するためのもので、例えば、ハンド機構2Baを有する。また、把持装置2Bは、このハンド機構2Baを支持する支持機構2Bbを有する。支持機構2Bbは、ハンド機構2Baを車台2Aaに取り付けるもので、ハンド機構2Baを車台2Aaから遠くに送り出す機能を有する。支持機構2Bbは、例えば、ハンド機構2Baを先端に取り付けた腕部2Bcと、腕部2Bcの基端を車台2Aaに対してスライド移動を可能とするレール2Bdおよび駆動部2Beと、を有する。また、支持機構2Bbは、例えば、腕部2Bcを伸縮可能とするテレスコピックとし、このテレスコピックを伸縮させる駆動部を有していてもよい。
作動装置2Cは、配管施栓プラグ1を機能させるもので、例えば、回転軸2Caと、回転軸2Caを回転させる駆動部2Cbと、を有する。本実施形態において、回転軸2Caは、把持装置2Bの腕部2Bcの内部を貫通して先端が腕部2Bcの先端のハンド機構2Baの位置に設けられる。駆動部2Cbは、把持装置2Bの腕部2Bcの基端に設けられている。従って、作動装置2Cは、把持装置2Bの支持機構2Bbによりハンド機構2Baと共にレール2Bdを介してスライド移動が可能に設けられている。
位置調整装置2Dは、把持装置2Bの姿勢を変えるもので、例えば、移動装置2Aにおいて車台2Aaと走行機構2Abとの間に設けられた昇降機構を有する。昇降機構は、走行機構2Abの各車輪に対する車台2Aaの高さ位置を変える機能を有する。本実施形態において、車輪は4つ設けられており、昇降機構により各車輪に対して車台2Aaの高さ位置を変えると、車台2Aa全体を上昇または下降させたり、車台2Aa全体を傾けたりすることができる。この結果、車台2Aaに搭載された把持装置2Bの高さや傾きを変えて姿勢を変えることができる。
撮像装置2Eは、例えばカメラであり、画像や動画を撮影するものである。撮像装置2Eは、例えば、把持装置2Bの腕部2Bcに設けられ、把持装置2Bや作動装置2Cの状態を撮影したり、移動装置2Aの状態を撮影したりすることができる。また、撮像装置2Eは、ライトを有している。また、撮像装置2Eは、自身の向きを変える機能やズーム機能を有している。
通信装置2Fは、操作装置3との間で無線または有線により操作信号を受信したり、動作信号を送信したりする。即ち、通信装置2Fは、操作装置3から移動装置2A、把持装置2B、作動装置2C、位置調整装置2D、および撮像装置2Eを動作させる操作信号を受信する。また、通信装置2Fは、操作信号に応じて動作する移動装置2A、把持装置2B、作動装置2C、および位置調整装置2Dの動作結果や、撮像装置2Eにより撮影された画像や動画である動作結果を含む動作信号を送信する。
制御装置2Gは、例えば、コンピュータであり、図には明示しないが、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを含む演算処理装置などにより実現される。制御装置2Gは、通信装置2Fが受信した操作装置3からの操作信号に基づき、移動装置2A、把持装置2B、作動装置2C、位置調整装置2D、および撮像装置2Eを動作させる。また、制御装置2Gは、移動装置2A、把持装置2B、作動装置2C、および位置調整装置2Dの動作結果や、撮像装置2Eにより撮影された画像や動画である動作結果を含む動作信号を通信装置2Fから操作装置3に送信させる。このように、制御装置2Gは、遠隔操作により移動装置2A、把持装置2B、作動装置2C、位置調整装置2D、および撮像装置2Eを制御する。
次に、操作装置3について説明する。図2に示すように、操作装置3は、入力装置3Aと、出力装置3Bと、通信装置3Cと、制御装置3Dと、を有する。
入力装置3Aは、例えば、キーやレバーとして構成され、オペレータにより配管施栓プラグ取扱装置2における移動装置2A、把持装置2B、作動装置2C、位置調整装置2D、および撮像装置2Eを動作させる操作信号が入力される。
出力装置3Bは、例えば、ディスプレイとして構成され、配管施栓プラグ取扱装置2における移動装置2A、把持装置2B、作動装置2C、位置調整装置2D、および撮像装置2Eの動作信号に基づいた表示を出力する。
通信装置3Cは、配管施栓プラグ取扱装置2の間で無線または有線により操作信号を送信したり、動作信号を受信したりする。
制御装置3Dは、例えば、コンピュータであり、図には明示しないが、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを含む演算処理装置などにより実現される。制御装置3Dは、入力装置3Aにより入力された操作信号を通信装置3Cにより配管施栓プラグ取扱装置2に送信させる。また、制御装置3Dは、通信装置3Cが受信した配管施栓プラグ取扱装置2からの動作信号に基づき、出力装置3Bに表示させる。なお、本実施形態の配管施栓システムにおいて、制御装置3Dは、制御装置2Gを含み構成されていてもよい。
次に、配管施栓プラグ1について説明する。図3および図4に示すように、配管施栓プラグ1は、栓部材1Aと、シール部1Bと、固定機構1Cと、取手部1Dを有する。
栓部材1Aは、配管施栓プラグ1の本体を構成する。栓部材1Aは、配管100の内径D1よりも小さい外径D2に形成された1対の板材1Aaと、各板材1Aaの中央部を連結する連結部1Abと、を有する。板材1Aaは、少なくとも一方が、空気を通過させることのない樹脂材や金属材で形成されている。板材1Aaは、配管100の内壁100Aに沿って配管100の内形に倣った外形に形成されている。通常、配管100は、円筒状に形成されており、板材1Aaは、円板状に形成されている。
シール部1Bは、リング状に形成され、栓部材1Aの一対の板材1Aaの間であって連結部1Abの周りに設けられている。シール部1Bは、内部への空気の供給により膨らむ、所謂バルーンとして構成されている。シール部1Bは、図3に示すように、栓部材1Aが配管100の中に配置された状態で、空気の供給により、図3に二点鎖線で示すように、一対の板材1Aaの間と連結部1Abとに当接してこれらに囲まれた領域内で膨らみが規制されつつ配管100の径方向に膨出して配管100の内壁100Aに周方向に連続して当接する。これにより、シール部1Bは、板材1Aaと共に配管100を閉塞する。また、シール部1Bは、内部の空気を抜くことで、縮み、配管100の内壁100Aから離れる。これにより、シール部1Bは、配管100を開放し、栓部材1Aと共に配管100への挿入または取り出しが可能となる。また、シール部1Bは、空気を導く通気管1Baが栓部材1Aの一方の板材1Aaを貫通して設けられている。通気管1Baは、先端に継手1Bbが設けられている。継手1Bbは、後述する空気供給装置4が接続される。
固定機構1Cは、栓部材1Aを配管100の中で固定するものである。固定機構1Cは、一方の板材1Aaに設けられ、複数の脚部1Caと、脚部1Caを配管100の径方向に移動可能に支持する支持部1Cbと、脚部1Caを配管100の径方向に移動させる移動部1Ccと、を有する。脚部1Caは、板材1Aaの周方向で3個以上(本実施形態では4個)設けられ、周方向に等間隔で配置されている。脚部1Caは、配管100の径方向である放射方向に延びる棒状に形成されている。支持部1Cbは、各脚部1Caを支持し、配管100の径方向である放射方向に延びるレールとして構成されている。移動部1Ccは、回転することで、図3および図4に二点鎖線で示すように、各脚部1Caを配管100の径方向の外側に移動させる一方、配管100の径方向の内側への移動を許容するカムとして構成されている。なお、各脚部1Caは、配管100の径方向の内側への移動が弾性部材(図示せず)により付勢されていてもよい。このように、固定機構1Cは、複数の脚部1Caを配管100の径方向の外側に移動させることで、各脚部1Caが配管100の内壁100Aに当接し、栓部材1Aを配管100の中で固定する。また、固定機構1Cは、移動部1Ccに回転力を与える回転機構が嵌合する嵌合部1Cdを有する。嵌合部1Cdは、回転機構の凸部や凹部が嵌合するように、例えば、図4に示す四角形状などの凹部や凸部で構成される。回転機構は、配管施栓プラグ取扱装置2における作動装置2Cの回転軸2Caに相当する。従って、固定機構1Cは、回転軸2Caにより回転力が与えられて作動する。
なお、移動部1Ccは、カムの構成に限らず、図には明示しないが、回転力により回転する歯車と、この歯車の回転を配管100の径方向である放射方向に変換するラックと、を有し、ラックが各脚部1Caにそれぞれ接続された構成であってもよい。また、移動部1Ccは、カムの構成に限らず、図には明示しないが、回転力により回転する回転子と、回転子の回転を配管100の径方向である放射方向に変換するリンクと、を有し、リンクが各脚部1Caにそれぞれ接続された構成であってもよい。
取手部1Dは、栓部材1Aに設けられ、一方の板材1Aaから突出する突起として構成されている。この取手部1Dは、配管施栓プラグ取扱装置2における把持装置2Bのハンド機構2Baにより把持される。従って、配管施栓プラグ1は、ハンド機構2Baにより把持されたり離されたりする。
このような、内部への空気の供給により膨らむシール部1Bを有する配管施栓プラグ1を適用する配管施栓システムでは、図3に示すように、空気供給装置4と、内部圧力測定装置5と、を有する。
空気供給装置4は、シール部1Bに空気を供給するもので、例えば、圧縮機からなり、空気供給管4Aと、空気供給管4Aをシール部1Bの継手1Bbに接続する継手4Bと、を有する。継手1Bbと継手4Bとは、相互に押し付けることで気密性をもって嵌合し、相互に引き離すことによって分離し継手1Bbにおいて気密性が確保される。空気供給装置4は、オペレータの操作により空気の供給を開始したり停止したりできる。また、空気供給装置4は、操作装置3により操作することが可能であり、入力装置3Aによって空気の供給を開始したり停止したりできる。
内部圧力測定装置5は、シール部1Bの内部の圧力を測定するものであり、シール部1Bに接続される測定管5Aを有する。内部圧力測定装置5は、測定管5Aが、例えば、空気供給装置4の空気供給管4Aを介してシール部1Bに接続される。内部圧力測定装置5のシール部1Bへの接続は、空気供給管4Aに限らず、図には明示しないが、シール部1Bに設けられた別の通気管1Baおよび継手1Bbを介して測定管5Aがシール部1Bに接続されてもよい。また、内部圧力測定装置5による圧力の測定結果は、空気供給装置4に出力される。この場合、内部圧力測定装置5の測定結果を入力した空気供給装置4は、測定結果がシール部1Bの機能を確保する所定の圧力よりも低下している場合にシール部1Bへの空気の供給を開始する。一方、空気の供給により、内部圧力測定装置5の測定結果が所定の圧力を超えた場合に、空気供給装置4は、空気の供給を停止する。また、内部圧力測定装置5による圧力の測定結果は、操作装置3に出力されてもよい。この場合、内部圧力測定装置5の測定結果を入力した操作装置3は、出力装置3Bにより測定結果を出力してオペレータに知らせる。オペレータは、測定結果がシール部1Bの機能を確保する所定の圧力よりも低下している場合に入力装置3Aによってシール部1Bへの空気の供給を開始する。一方、空気の供給により、内部圧力測定装置5の測定結果が所定の圧力を超えた場合に、オペレータは、入力装置3Aによってシール部1Bへの空気の供給を停止する。
図5は、本実施形態に係る配管施栓システムの配管施栓プラグの他の例を示す概略側面図である。
図5に示す配管施栓プラグ1は、図3および図4に示す配管施栓プラグ1に対し、シール部1Bを複数有する点で異なる。その他、図3および図4に示す配管施栓プラグ1と同等の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、シール部1Bは、リング状に形成され、栓部材1Aの一対の板材1Aaの間で複数(図5では2個)設けられ、連結部1Abの周りに設けられている。図5に示す配管施栓プラグ1は、各シール部1Bの通気管1Baが1つにまとめられて、その先端に1つの継手1Bbが設けられている。なお、図には明示しないが、各シール部1Bの通気管1Baがそれぞれ独立して設けられ、各通気管1Baの先端にそれぞれ継手1Bbが設けられていてもよい。
このような、複数のシール部1Bを有する配管施栓プラグ1を適用する配管施栓システムでは、図5に示すように、空気供給装置4と、外部圧力測定装置6と、を有する。
空気供給装置4は、上述した構成と同様である。
外部圧力測定装置6は、複数のシール部1Bの間であってシール部1Bの外側の圧力を測定するものであり、複数のシール部1Bの間に設けられる測定管6Aを有する。測定管6Aは、複数のシール部1Bの間であって、かつ複数のシール部1Bと配管100の内壁100Aとの間に至り設けられている。外部圧力測定装置6による圧力の測定結果は、空気供給装置4に出力される。この場合、外部圧力測定装置6の測定結果を入力した空気供給装置4は、測定結果が、例えば、配管100の内部の圧力との差圧が小さく、シール部1Bの機能を確保する所定の圧力よりも上昇している場合にシール部1Bへの空気の供給を開始する。一方、空気の供給により、外部圧力測定装置6の測定結果が、例えば、配管100の内部の圧力との差圧が大きくなって、所定の圧力を下回った場合に、空気供給装置4は、空気の供給を停止する。また、外部圧力測定装置6による圧力の測定結果は、操作装置3に出力されてもよい。この場合、外部圧力測定装置6の測定結果を入力した操作装置3は、出力装置3Bにより測定結果を出力してオペレータに知らせる。オペレータは、測定結果がシール部1Bの機能を確保する所定の圧力よりも上昇している場合に入力装置3Aによってシール部1Bへの空気の供給を開始する。一方、空気の供給により、外部圧力測定装置6の測定結果が所定の圧力を下回った場合に、オペレータは、入力装置3Aによってシール部1Bへの空気の供給を停止する。
次に、本実施形態の配管施栓システムの動作、即ち、配管施栓方法について説明する。
配管100を施栓して塞ぐ場合、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、把持装置2Bにより配管施栓プラグ1を把持する。即ち、把持装置2Bのハンド機構2Baにより配管施栓プラグ1の取手部1Dを把持する。そして、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、移動装置2Aにより施栓する配管100の位置に移動する。移動の際、配管施栓プラグ取扱装置2は、撮像装置2Eにより撮影し、操作装置3は、この撮影された画像や動画を出力装置3Bに表示する。オペレータは、出力装置3Bの表示を確認しながら操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2を施栓する配管100の位置に移動させる。また、オペレータは、出力装置3Bの表示を確認し、配管100の状態、即ち、高さや傾きを確認し、この配管100の状態に応じ、操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2において、位置調整装置2Dにより把持装置2Bの姿勢を変える。そして、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、把持装置2Bにより配管施栓プラグ1を配管100の内部に運ぶ。
ここで、配管施栓プラグ1に空気供給装置4が接続されている場合、オペレータは、空気供給装置4により配管施栓プラグ1に空気を供給しシール部1Bを膨らませ、配管100を閉塞する。一方、配管施栓プラグ1に空気供給装置4が接続されていない場合、オペレータは、長い竿など冶具の先に空気供給装置4の継手4Bを持たせ、この継手4Bを配管施栓プラグ1の継手1Bbに接続する。その後、オペレータは、空気供給装置4により配管施栓プラグ1に空気を供給しシール部1Bを膨らませ、配管100を閉塞する。
配管施栓プラグ1のシール部1Bにより配管100を閉塞した後、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、作動装置2Cにより配管施栓プラグ1の固定機構1Cを作動させ、各脚部1Caを配管100の内壁100Aに当接させて栓部材1Aを配管100の中で固定する。これにより、配管施栓プラグ1は、固定機構1Cで栓部材1Aが配管100の内部に固定され、かつシール部1Bで配管100を閉塞し、その機能が有効化される。
その後、図3に示す配管施栓プラグ1の場合、シール部1Bの内部の圧力を、内部圧力測定装置5で測定して監視し、必要に応じて空気供給装置4によりシール部1Bに空気を供給する。
また、図5に示す配管施栓プラグ1の場合、複数のシール部1Bの間の圧力を、外部圧力測定装置6で測定して監視し、必要に応じて空気供給装置4によりシール部1Bに空気を供給する。
一方、配管100を開放する場合は、空気供給装置4によりシール部1Bに空気を抜く。その後、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、把持装置2Bにより配管施栓プラグ1を把持する。そして、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、作動装置2Cにより配管施栓プラグ1の固定機構1Cを作動させ、各脚部1Caを配管100の内壁100Aから離して栓部材1Aの固定を解除する。そして、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、移動装置2Aにより移動し配管100の中から配管施栓プラグ1を撤去する。
このように、本実施形態の配管施栓システムは、配管100を施栓するための配管施栓プラグ1と、遠隔操作により移動が可能であり配管施栓プラグ1を把持および機能させることのできる配管施栓プラグ取扱装置2と、配管施栓プラグ取扱装置2を遠隔操作により操作する操作装置3と、を備える。
従って、操作装置3による遠隔操作により配管施栓プラグ取扱装置2を操作して配管施栓プラグ1を機能させる。この結果、本実施形態の配管施栓システムによれば、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞したり容易に開放したりすることができる。
また、本実施形態の配管施栓システムでは、配管施栓プラグ1が、配管100の中に配置される栓部材1Aと、栓部材1Aが配管100の中に配置された状態で、空気の供給により配管100の径方向に膨出して配管100の内壁100Aに周方向に連続して当接するシール部1Bと、を備えている場合、シール部1Bに空気を供給する空気供給装置4をさらに備える。
従って、本実施形態の配管施栓システムによれば、空気供給装置4により配管施栓プラグ1のシール部1Bに空気を供給して配管100を閉塞することができる。
また、本実施形態の配管施栓システムでは、シール部1Bの内部の圧力を計測する内部圧力測定装置5をさらに備え、内部圧力測定装置5が計測した圧力に基づいて空気供給装置4によりシール部1Bに空気を供給する。
従って、本実施形態の配管施栓システムによれば、内部圧力測定装置5によりシール部1Bの内部の圧力を監視し、必要に応じて空気供給装置4により配管施栓プラグ1のシール部1Bに空気を供給することができる。
また、本実施形態の配管施栓システムでは、配管施栓プラグ1は、シール部1Bが複数設けられており、各シール部1Bの間の圧力を計測する外部圧力測定装置6をさらに備え、外部圧力測定装置6が計測した圧力に基づいて空気供給装置4によりシール部1Bに空気を供給する。
従って、本実施形態の配管施栓システムによれば、外部圧力測定装置6によりシール部1Bの外部の圧力を監視し、必要に応じて空気供給装置4により配管施栓プラグ1のシール部1Bに空気を供給することができる。
本実施形態の配管施栓方法は、遠隔操作により移動が可能な配管施栓プラグ取扱装置2に対し配管100を施栓するための配管施栓プラグ1を把持させる工程と、配管施栓プラグ取扱装置2を遠隔操作により配管100の位置に移動させ、配管施栓プラグ1を配管100に設置して施栓する工程と、を含む。
従って、操作装置3による遠隔操作により配管施栓プラグ取扱装置2を操作して配管施栓プラグ1を機能させる。この結果、本実施形態の配管施栓方法によれば、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞することができる。
また、本実施形態の配管施栓方法では、配管施栓プラグ1は、配管100の中に配置される栓部材1Aと、栓部材1Aが配管100の中に配置された状態で、空気の供給により配管100の径方向に膨出して配管100の内壁100Aに周方向に連続して当接するシール部1Bと、栓部材1Aを配管の中で固定する固定機構1Cと、を備えており、配管施栓プラグ1を配管100に設置して施栓する工程は、シール部1Bに空気を供給した後、固定機構1Cにより栓部材1Aを配管100の中で固定する。
従って、シール部1Bによる配管100の閉塞を阻害することなく栓部材1Aを自由にしておき、その後、シール部1Bによる配管100の閉塞を維持するように栓部材1Aを固定機構1Cにより配管100の中に固定する。この結果、本実施形態の配管施栓方法によれば、確実に配管100を閉塞することができる。
本実施形態の配管施栓プラグ取扱装置2は、移動装置2Aと、移動装置2Aに搭載され、配管100を施栓するための配管施栓プラグ1を把持する把持装置2Bと、移動装置2Aに搭載され、配管施栓プラグ1を機能させる作動装置2Cと、遠隔操作により移動装置2A、把持装置2Bおよび作動装置2Cを制御する制御装置2Gと、を備える。
従って、把持装置2Bにより配管施栓プラグ1を把持し、移動装置2Aにより施栓すべき配管100の位置に移動し、作動装置2Cにより配管施栓プラグ1を機能させて配管100を施栓する動作を制御装置2Gが制御し、この制御が遠隔操作により行われる。この結果、本実施形態の配管施栓プラグ取扱装置2によれば、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞したり容易に開放したりすることができる。
また、本実施形態の配管施栓プラグ取扱装置2では、移動装置2Aに搭載され、把持装置2Bの姿勢を変える位置調整装置2Dをさらに備え、制御装置2Gは、遠隔操作により位置調整装置2Dを制御する。
従って、本実施形態の配管施栓プラグ取扱装置2によれば、遠隔操作される位置調整装置2Dにより把持装置2Bの姿勢を変えることで、把持装置2Bで把持した配管施栓プラグ1の位置を変えることができ、配管100の高さや傾きなどの状態に応じ、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞できる。
また、本実施形態の配管施栓プラグ取扱装置2では、移動装置2Aに搭載された撮像装置2Eをさらに備える。
従って、本実施形態の配管施栓プラグ取扱装置2によれば、撮像装置2Eにより観察しつつ、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞したり容易に開放したりすることができる。
本実施形態の配管施栓プラグ1は、配管100の中に配置される栓部材1Aと、栓部材1Aが配管100の中に配置された状態で、空気の供給により配管100の径方向に膨出して配管100の内壁100Aに周方向に連続して当接するシール部1Bと、を備える。
従って、本実施形態の配管施栓プラグ1によれば、シール部1Bに空気を供給して配管100を閉塞することで、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞したり容易に開放したりすることができる。
また、本実施形態の配管施栓プラグ1では、栓部材1Aを配管100の中で固定する固定機構1Cをさらに備える。
従って、本実施形態の配管施栓プラグ1によれば、固定機構1Cにより栓部材1Aを配管100の中で固定することで、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞したり容易に開放したりすることができる。
[実施形態2]
図6は、本実施形態に係る配管施栓システムの配管施栓プラグを示す概略側面図である。図7は、本実施形態に係る配管施栓システムの配管施栓プラグを示す概略正面図である。図8および図9は、本実施形態に係る配管施栓システムの配管施栓プラグの他の例を示す概略側面図である。
本実施形態の配管施栓システムは、例えば、原子力設備における放射環境下において各種作業を行うにあたり、圧力バウンダリを構成するために配管を閉塞したり、当該圧力バウンダリを開放したりすることに用いられる。
この配管施栓システムは、図6に示す配管100を施栓するための図6および図7に示す配管施栓プラグ11と、遠隔操作により移動が可能であり配管施栓プラグ11を把持したり離したりし、かつ配管施栓プラグ11の機能を有効化したり無効化したりすることのできる図1に示す配管施栓プラグ取扱装置2と、配管施栓プラグ取扱装置2を遠隔操作により操作する図2に示す操作装置3と、を備える。
先ず、配管施栓プラグ取扱装置2は、上述した実施形態1で説明したものと同様であり、説明を省略する。
次に、操作装置3は、上述した実施形態1で説明したものと同様であり、説明を省略する。
次に、配管施栓プラグ11は、図6および図7に示すように、栓部材11Aと、シール部11Bと、固定機構11Cと、取手部11Dを有する。
栓部材11Aは、配管施栓プラグ11の本体を構成する。栓部材11Aは、配管100の内径D1よりも小さい外径D2に形成された1対の板材11Aaと、各板材11Aaの中央部を連結する連結部11Abと、を有する。板材11Aaは、少なくとも一方が、空気を通過させることのない樹脂材や金属材で形成されている。板材11Aaは、配管100の内壁100Aに沿って配管100の内形に倣った外形に形成されている。通常、配管100は、円筒状に形成されており、板材11Aaは、円板状に形成されている。連結部11Abは、各板材11Aaを配管100の軸方向(配管100が延びる方向)に近接または離隔するように各板材11Aaを連結する。具体的に、連結部11Abは、一方の板材11Aaの中央部に設けられた筒状部材11Acと、他方の板材11Aaの中央部に設けられた筒状部材11Adと、を有し、各筒状部材11Ac,11Adの一方が他方に挿入され、かつ互いに挿入方向で移動可能に設けられている。また、連結部11Abは、各板材11Aaの中央に設けられたボルト11Aeを有している。ボルト11Aeは、一方の板材11Aaの中央部に軸受11Afにより回転可能に支持され、他方の板材11Aaの中央部の雌ネジ穴11Agにネジ部が螺合わされている。従って、ボルト11Aeは、一方の板材11Aaに対して回転することで、ネジ部が他方の板材11Aaの雌ネジ穴11Agとの螺合わせにおいて、他方の板材11Aaを一方の板材11Aaに対して近接または離隔させる。このように、連結部11Abは、各板材11Aaを近接または離隔するように各板材11Aaを連結する。ボルト11Aeは、配管施栓プラグ取扱装置2の回転機構が嵌合する。回転機構は、配管施栓プラグ取扱装置2における作動装置2Cの回転軸2Caに相当する。従って、ボルト11Aeは、回転軸2Caにより回転力が与えられて作動する。
シール部11Bは、弾性変形可能なゴム材などによりリング状に形成され、栓部材11Aの一対の板材11Aaの間であって連結部11Abの周りに設けられている。シール部11Bは、各板材11Aaが近接または離隔することで変形する。シール部11Bは、図6に示すように、栓部材11Aが配管100の中に配置された状態で、各板材11Aaが近接することにより、図6に二点鎖線で示すように、一対の板材11Aaの間と筒状部材11Adとに当接してこれらに囲まれた領域内で圧縮により潰されて変形し配管100の径方向に膨出して配管100の内壁100Aに周方向に連続して当接する。これにより、シール部11Bは、板材11Aaと共に配管100を閉塞する。また、シール部11Bは、各板材11Aaが離隔することにより、変形し、配管100の内壁100Aから離れる。これにより、シール部11Bは、配管100を開放し、栓部材11Aと共に配管100への挿入または取り出しが可能となる。なお、シール部11Bは、図6では、断面形状がへ字形に湾曲して湾曲部分が径方向外側に向くリング状に形成されている。また、シール部11Bは、図8に示すように、断面形状が円形で内部に空洞が形成されたリング状に形成されている。また、シール部11Bは、図9に示すように、断面形状がV字形に屈曲して屈曲部分が径方向外側に向くリング状に形成されている。シール部11Bの形状は、これらに限らず、変形することで配管100の径方向に膨出して配管100の内壁100Aに周方向に連続して当接するものであればよい。
固定機構11Cは、栓部材11Aを配管100の中で固定するものである。固定機構11Cは、一方の板材11Aaに設けられ、複数の脚部11Caと、脚部11Caを配管100の径方向に移動可能に支持する支持部11Cbと、脚部11Caを配管100の径方向に移動させる移動部11Ccと、を有する。脚部11Caは、板材11Aaの周方向で3個以上(本実施形態では4個)設けられ、周方向に等間隔で配置されている。脚部11Caは、配管100の径方向である放射方向に延びる棒状に形成されている。支持部11Cbは、各脚部11Caを支持し、配管100の径方向である放射方向に延びるレールとして構成されている。移動部11Ccは、回転することで、図6および図7に二点鎖線で示すように、各脚部11Caを配管100の径方向の外側に移動させる一方、配管100の径方向の内側への移動を許容するカムとして構成されている。なお、各脚部11Caは、配管100の径方向の内側への移動が弾性部材(図示せず)により付勢されていてもよい。このように、固定機構11Cは、複数の脚部11Caを配管100の径方向の外側に移動させることで、各脚部11Caが配管100の内壁100Aに当接し、栓部材11Aを配管100の中で固定する。この固定機構11Cは、栓部材11Aにおいてボルト11Aeが軸受11Afで回転可能に支持されている一方の板材11Aaに設けられる。
なお、移動部11Ccは、カムの構成に限らず、図には明示しないが、回転力により回転する歯車と、この歯車の回転を配管100の径方向である放射方向に変換するラックギアと、を有し、ラックギアが各脚部11Caにそれぞれ接続された構成であってもよい。また、移動部11Ccは、カムの構成に限らず、図には明示しないが、回転力により回転する回転子と、回転子の回転を配管100の径方向である放射方向に変換するリンクと、を有し、リンクが各脚部11Caにそれぞれ接続された構成であってもよい。
取手部11Dは、固定機構11Cの移動部11Ccに設けられ、一方の板材11Aaから突出する突起として構成されている。この取手部11Dは、配管施栓プラグ取扱装置2における把持装置2Bのハンド機構2Baにより把持される。従って、配管施栓プラグ11は、ハンド機構2Baにより把持されたり離されたりする。また、取手部11Dは、固定機構11Cの移動部11Ccに回転機構が嵌合して回転力を与える。回転機構は、配管施栓プラグ取扱装置2における作動装置2Cの回転軸2Caに相当する。従って、固定機構11Cは、取手部11Dを介して回転軸2Caの回転により回転力が与えられて作動する。実施形態2において、配管施栓プラグ取扱装置2の回転軸(回転機構)2Caは、取手部11D、および上記ボルト11Aeに嵌合して回転力を付与できるように構成されている。
次に、本実施形態の配管施栓システムの動作、即ち、配管施栓方法について説明する。
配管100を施栓して塞ぐ場合、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、把持装置2Bにより配管施栓プラグ11を把持する。即ち、把持装置2Bのハンド機構2Baにより配管施栓プラグ11の取手部11Dを把持する。そして、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、移動装置2Aにより施栓する配管100の位置に移動する。移動の際、配管施栓プラグ取扱装置2は、撮像装置2Eにより撮影し、操作装置3は、この撮影された画像や動画を出力装置3Bに表示する。オペレータは、出力装置3Bの表示を確認しながら操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2を施栓する配管100の位置に移動させる。また、オペレータは、出力装置3Bの表示を確認し、配管100の状態、即ち、高さや傾きを確認し、この配管100の状態に応じ、操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2において、位置調整装置2Dにより把持装置2Bの姿勢を変える。そして、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、把持装置2Bにより配管施栓プラグ11を配管100の内部に運ぶ。
配管施栓プラグ11を配管100の内部に運んだ後、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、作動装置2Cにより配管施栓プラグ1の固定機構11Cを作動させ、各脚部11Caを配管100の内壁100Aに当接させて栓部材11Aを配管100の中で固定する。
栓部材11Aを配管100の内部に固定した後、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、作動装置2Cにより配管施栓プラグ11のボルト11Aeを回転させ、各板材11Aaを近接させてシール部11Bを変形させ、配管100を閉塞する。これにより、配管施栓プラグ11は、固定機構11Cで栓部材11Aが配管100の内部に固定され、かつシール部11Bで配管100を閉塞し、その機能が有効化される。
一方、配管100を開放する場合は、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、作動装置2Cにより配管施栓プラグ11のボルト11Aeを回転させ、各板材11Aaを離隔させてシール部11Bを変形させ、配管100を開放する。その後、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、作動装置2Cにより配管施栓プラグ11の固定機構11Cを作動させ、各脚部11Caを配管100の内壁100Aから離して栓部材11Aの固定を解除する。そして、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、移動装置2Aにより移動し配管100の中から配管施栓プラグ11を撤去する。
このように、本実施形態の配管施栓システムは、配管100を施栓するための配管施栓プラグ11と、遠隔操作により移動が可能であり配管施栓プラグ11を把持および機能させることのできる配管施栓プラグ取扱装置2と、配管施栓プラグ取扱装置2を遠隔操作により操作する操作装置3と、を備える。
従って、操作装置3による遠隔操作により配管施栓プラグ取扱装置2を操作して配管施栓プラグ11を機能させる。この結果、本実施形態の配管施栓システムによれば、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞したり容易に開放したりすることができる。
また、本実施形態の配管施栓システムでは、配管施栓プラグ11は、配管100の中に配置される栓部材11Aと、栓部材11Aが配管100の中に配置された状態で、圧縮により配管100の径方向に弾性変形して配管100の内壁100Aに周方向に連続して当接するシール部11Bと、を備える。
従って、本実施形態の配管施栓システムによれば、圧縮により配管施栓プラグ11のシール部11Bを弾性変形し、配管100を閉塞することができる。
本実施形態の配管施栓方法は、遠隔操作により移動が可能な配管施栓プラグ取扱装置2に対し配管100を施栓するための配管施栓プラグ11を把持させる工程と、配管施栓プラグ取扱装置2を遠隔操作により配管100の位置に移動させ、配管施栓プラグ11を配管100に設置して施栓する工程と、を含む。
従って、操作装置3による遠隔操作により配管施栓プラグ取扱装置2を操作して配管施栓プラグ11を機能させる。この結果、本実施形態の配管施栓方法によれば、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞することができる。
また、本実施形態の配管施栓方法では、配管施栓プラグ11は、配管100の中に配置される栓部材11Aと、栓部材11Aが配管100の中に配置された状態で、圧縮により配管100の径方向に弾性変形して配管100の内壁100Aに周方向に連続して当接するシール部11Bと、栓部材11Aを配管100の中で固定する固定機構11Cと、を備えており、配管施栓プラグ11を配管100に設置して施栓する工程は、固定機構11Cにより栓部材11Aを配管100の中で固定した後、シール部11Bを弾性変形する。
従って、シール部11Bによる配管100の閉塞の前に、栓部材11Aを固定機構11Cにより配管100の中に固定する。この結果、本実施形態の配管施栓方法によれば、シール部11Bの弾性変形の際に栓部材11Aが移動すること防ぎ、確実に配管100を閉塞することができる。
本実施形態の配管施栓プラグ取扱装置2は、移動装置2Aと、移動装置2Aに搭載され、配管100を施栓するための配管施栓プラグ11を把持する把持装置2Bと、移動装置2Aに搭載され、配管施栓プラグ11を機能させる作動装置2Cと、遠隔操作により移動装置2A、把持装置2Bおよび作動装置2Cを制御する制御装置2Gと、を備える。
従って、把持装置2Bにより配管施栓プラグ11を把持し、移動装置2Aにより施栓すべき配管100の位置に移動し、作動装置2Cにより配管施栓プラグ11を機能させて配管100を施栓する動作を制御装置2Gが制御し、この制御が遠隔操作により行われる。この結果、本実施形態の配管施栓プラグ取扱装置2によれば、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞したり容易に開放したりすることができる。
また、本実施形態の配管施栓プラグ取扱装置2では、移動装置2Aに搭載され、把持装置2Bの姿勢を変える位置調整装置2Dをさらに備え、制御装置2Gは、遠隔操作により位置調整装置2Dを制御する。
従って、本実施形態の配管施栓プラグ取扱装置2によれば、遠隔操作される位置調整装置2Dにより把持装置2Bの姿勢を変えることで、把持装置2Bで把持した配管施栓プラグ11の位置を変えることができ、配管100の高さや傾きなどの状態に応じ、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞できる。
また、本実施形態の配管施栓プラグ取扱装置2では、移動装置2Aに搭載された撮像装置2Eをさらに備える。
従って、本実施形態の配管施栓プラグ取扱装置2によれば、撮像装置2Eにより観察しつつ、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞したり容易に開放したりすることができる。
本実施形態の配管施栓プラグ11は、配管100の中に配置される栓部材11Aと、栓部材11Aが配管100の中に配置された状態で、圧縮により配管100の径方向に弾性変形して配管100の内壁100Aに周方向に連続して当接するシール部11Bと、を備える。
従って、本実施形態の配管施栓プラグ11によれば、シール部11Bを弾性変形して配管100を閉塞することで、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞したり容易に開放したりすることができる。
また、本実施形態の配管施栓プラグ11では、栓部材11Aを配管100の中で固定する固定機構11Cをさらに備える。
従って、本実施形態の配管施栓プラグ11によれば、固定機構11Cにより栓部材11Aを配管100の中で固定することで、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞したり容易に開放したりすることができる。
[実施形態3]
図10は、本実施形態に係る配管施栓システムの配管施栓プラグを示す概略側面図である。
本実施形態の配管施栓システムは、例えば、原子力設備における放射環境下において各種作業を行うにあたり、圧力バウンダリを構成するために配管を閉塞したり、当該圧力バウンダリを開放したりすることに用いられる。
この配管施栓システムは、図10に示す配管100を施栓するための図10に示す配管施栓プラグ12と、遠隔操作により移動が可能であり配管施栓プラグ12を把持したり離したりし、かつ配管施栓プラグ12の機能を有効化したり無効化したりすることのできる図1に示す配管施栓プラグ取扱装置2と、配管施栓プラグ取扱装置2を遠隔操作により操作する図2に示す操作装置3と、を備える。
先ず、配管施栓プラグ取扱装置2は、上述した実施形態1で説明したものと同様であり、説明を省略する。
次に、操作装置3は、上述した実施形態1で説明したものと同様であり、説明を省略する。
次に、配管施栓プラグ12は、図10に示すように、栓部材12Aと、包囲部12Bと、突片12Cと、取手部12Dと、締付部12Eと、を有する。
栓部材12Aは、配管100の開口部100Bを覆うもので、弾性変形可能なゴム材などにより板状に形成されている。栓部材12Aは、その外形が配管100の外形に倣った外形に形成されている。通常、配管100は、円筒状に形成されており、栓部材12Aは、円板状に形成されている。
包囲部12Bは、栓部材12Aと同じく弾性変形可能なゴム材などにより筒状に形成されている。包囲部12Bは、筒状の一端に栓部材12Aが一体に設けられている。包囲部12Bは、配管100の外壁100Cを周方向に連続して取り巻くように、配管100の外形に倣った外形に形成されている。通常、配管100は、円筒状に形成されており、包囲部12Bは、円筒状に形成されている。また、包囲部12Bは、筒状の他端側に筒状の一部が裂けた切込12Baが形成されている。また、包囲部12Bは、筒状の他端から一端に向かって内径が小さくなる傾斜面12Bbが形成されている。傾斜面12Bbによる包囲部12Bの内径D4は、筒状の他端側が配管100の外径D3よりも大きく、一端側が配管100の外径D3よりも小さく、他端から一端の途中が配管100の外径D3と同じに形成されている。従って、包囲部12Bは、他端から配管100の外壁100Cに差し込んだ場合、差し込んだ最初は配管100の開口部を通過し易く、徐々に内径D4が窄まって内面が配管100の外壁100Cに接触するように構成されている。
突片12Cは、栓部材12Aおよび包囲部12Bと同じく弾性変形可能なゴム材などにより形成されている。突片12Cは、包囲部12Bの外側に突出して一体に設けられ、ベロ状に形成されている。本実施形態において、突片12Cは、包囲部12Bの筒状の他端側に設けられ、一端側に向けて延びて設けられている。この突片12Cは、配管施栓プラグ取扱装置2における把持装置2Bのハンド機構2Baにより把持される。従って、突片12Cを含み、栓部材12A、包囲部12B、および後述する取手部12Dの一体構造は、ハンド機構2Baにより把持されたり離されたりする。
取手部12Dは、栓部材12Aと同じく弾性変形可能なゴム材などにより形成されている。取手部12Dは、栓部材12Aの外側に突出した突起として構成されている。この取手部12Dは、配管施栓プラグ取扱装置2における把持装置2Bのハンド機構2Baにより把持される。従って、取手部12Dを含み、栓部材12A、包囲部12B、および突片12Cの一体構造は、ハンド機構2Baにより把持されたり離されたりする。
締付部12Eは、金属製または樹脂製であり、バンド12Eaと、締付機構12Ebと、を有する。バンド12Eaは、包囲部12Bの外側を周方向に巻くものである。締付機構12Ebは、バンド12Eaの一端に取り付けられ、バンド12Eaを環状に巻いた状態で、例えば、回転操作により、バンド12Eaの他端側を引くことで、バンド12Eaの環状を小さく締めるものである。締付機構12Ebは、回転機構が嵌合して回転力を与えられる。回転機構は、配管施栓プラグ取扱装置2における作動装置2Cの回転軸2Caに相当する。従って、締付機構12Ebは、回転軸2Caの回転により回転力が与えられて作動する。
次に、本実施形態の配管施栓システムの動作、即ち、配管施栓方法について説明する。
配管100を施栓して塞ぐ場合、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、把持装置2Bにより配管施栓プラグ12を把持する。即ち、把持装置2Bのハンド機構2Baにより配管施栓プラグ12の取手部12Dを把持する。そして、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、移動装置2Aにより施栓する配管100の位置に移動する。移動の際、配管施栓プラグ取扱装置2は、撮像装置2Eにより撮影し、操作装置3は、この撮影された画像や動画を出力装置3Bに表示する。オペレータは、出力装置3Bの表示を確認しながら操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2を施栓する配管100の位置に移動させる。また、オペレータは、出力装置3Bの表示を確認し、配管100の状態、即ち、高さや傾きを確認し、この配管100の状態に応じ、操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2において、位置調整装置2Dにより把持装置2Bの姿勢を変える。そして、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、把持装置2Bにより配管施栓プラグ12の包囲部12Bを配管100の外側に設置し、栓部材12Aで配管100の開口部100Bを覆う。
配管施栓プラグ12を配管100の外側に設置した後、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、作動装置2Cにより配管施栓プラグ1の締付部12Eを作動させ、バンド12Eaにより包囲部12Bを配管100の外壁100Cに対して締め付ける。このとき、包囲部12Bに設けた切込12Baは、締付部12Eによる包囲部12Bの締め付けで包囲部12Bが縮径することで塞がる。即ち、切込12Baは、包囲部12Bの縮径代として構成されている。このように、包囲部12Bを配管100の外壁100Cに対して締め付けることで、包囲部12Bが配管100の外壁100Cに密着し、栓部材12Aおよび包囲部12Bにより配管100の開口部100Bを閉塞する。
一方、配管100を開放する場合は、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、作動装置2Cにより配管施栓プラグ12の締付部12Eを作動させ、バンド12Eaを緩める。その後、その後、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、把持装置2Bにより配管施栓プラグ12を把持する。即ち、把持装置2Bのハンド機構2Baにより配管施栓プラグ12の突片12Cを把持する。そして、オペレータが操作装置3の入力装置3Aを操作し、配管施栓プラグ取扱装置2は、移動装置2Aにより移動し配管100の中から配管施栓プラグ12を撤去する。このとき、配管施栓プラグ12は、突片12Cが引っ張られて包囲部12Bが拡げられるため、配管100の外壁100Cから包囲部12Bを引き剥がして外すことができる。
このように、本実施形態の配管施栓システムは、配管100を施栓するための配管施栓プラグ12と、遠隔操作により移動が可能であり配管施栓プラグ12を把持および機能させることのできる配管施栓プラグ取扱装置2と、配管施栓プラグ取扱装置2を遠隔操作により操作する操作装置3と、を備える。
従って、操作装置3による遠隔操作により配管施栓プラグ取扱装置2を操作して配管施栓プラグ12を機能させる。この結果、本実施形態の配管施栓システムによれば、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞したり容易に開放したりすることができる。
また、本実施形態の配管施栓システムでは、配管施栓プラグ12は、配管100の開口部100Bを覆う栓部材12A、および筒状に形成された一端に栓部材12Aが一体に設けられて配管100の外壁100Cの周囲を取り巻く変形可能な包囲部12Bと、栓部材12Aが配管100の開口部100Bを覆った状態で、包囲部12Bを配管100の外壁100Cに対して締め付ける締付部12Eと、を備える。
従って、本実施形態の配管施栓システムによれば、配管施栓プラグ12の包囲部12Bを配管100の外壁100Cに締め付けることで、配管100を閉塞することができる。
本実施形態の配管施栓方法は、遠隔操作により移動が可能な配管施栓プラグ取扱装置2に対し配管100を施栓するための配管施栓プラグ12を把持させる工程と、配管施栓プラグ取扱装置2を遠隔操作により配管100の位置に移動させ、配管施栓プラグ12を配管100に設置して施栓する工程と、を含む。
従って、操作装置3による遠隔操作により配管施栓プラグ取扱装置2を操作して配管施栓プラグ12を機能させる。この結果、本実施形態の配管施栓方法によれば、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞することができる。
本実施形態の配管施栓プラグ取扱装置2は、移動装置2Aと、移動装置2Aに搭載され、配管100を施栓するための配管施栓プラグ12を把持する把持装置2Bと、移動装置2Aに搭載され、配管施栓プラグ12を機能させる作動装置2Cと、遠隔操作により移動装置2A、把持装置2Bおよび作動装置2Cを制御する制御装置2Gと、を備える。
従って、把持装置2Bにより配管施栓プラグ12を把持し、移動装置2Aにより施栓すべき配管100の位置に移動し、作動装置2Cにより配管施栓プラグ12を機能させて配管100を施栓する動作を制御装置2Gが制御し、この制御が遠隔操作により行われる。この結果、本実施形態の配管施栓プラグ取扱装置2によれば、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞したり容易に開放したりすることができる。
また、本実施形態の配管施栓プラグ取扱装置2では、移動装置2Aに搭載され、把持装置2Bの姿勢を変える位置調整装置2Dをさらに備え、制御装置2Gは、遠隔操作により位置調整装置2Dを制御する。
従って、本実施形態の配管施栓プラグ取扱装置2によれば、遠隔操作される位置調整装置2Dにより把持装置2Bの姿勢を変えることで、把持装置2Bで把持した配管施栓プラグ12の位置を変えることができ、配管100の高さや傾きなどの状態に応じ、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞できる。
また、本実施形態の配管施栓プラグ取扱装置2では、移動装置2Aに搭載された撮像装置2Eをさらに備える。
従って、本実施形態の配管施栓プラグ取扱装置2によれば、撮像装置2Eにより観察しつつ、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞したり容易に開放したりすることができる。
本実施形態の配管施栓プラグ11は、配管100の開口部100Bを覆う栓部材12A、および筒状に形成された一端に栓部材12Aが一体に設けられて配管100の外壁100Cを周方向に連続して取り巻く変形可能な包囲部12Bと、栓部材12Aが配管100の開口部100Bを覆った状態で、包囲部12Bを配管100の外壁100Cに対して締め付ける締付部12Eと、を備える。
従って、本実施形態の配管施栓プラグ12によれば、包囲部12Bを配管100の外壁100Cに締め付け、配管100を閉塞することで、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞したり容易に開放したりすることができる。
また、本実施形態の配管施栓プラグ12では、包囲部12Bの内面に、筒状の他端から一端に向かって内径が小さくなる傾斜面12Bbが形成されている。
従って、本実施形態の配管施栓プラグ12によれば、包囲部12Bは、他端から配管100の外壁100Cに差し込んだ場合、差し込んだ最初は配管100の開口部を通過し易く、徐々に内径D4が窄まって内面が配管100の外壁100Cに接触するため、遠隔操作により容易且つ確実に配管100を閉塞できる。
また、本実施形態の配管施栓プラグ12では、包囲部12Bの外側に、突片12Cが形成されている。
従って、本実施形態の配管施栓プラグ12によれば、配管100を開放する場合、突片12Cを引っ張ることで包囲部12Bが拡げられるため、配管100の外壁100Cから包囲部12Bを引き剥がして容易に外すことができる。