JP7244896B2 - Cmpスラリー再生方法 - Google Patents

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Description

本発明は、CMPプロセスを備えた半導体集積回路製造において、CMPプロセスから排出される使用済CMPスラリー再生方法に関する。
半導体集積回路の製造において、ウェハー基板表面の平坦化に加えて、近年はダマシン法における基板に埋め込まれた導体金属の平坦化、SiOに比較して低い比誘電率をもつ絶縁材料の平坦化、セルの積層数を増やすためのビアホールの平坦化等、高密度セルの製造および100nm以下のより微細なパターンの製造等の方法が重要となってきている。ウェハーおよびこの基板上に形成された部材の平坦化は化学機械研磨法(以下、CMPプロセスという)が広く採用され、半導体製造プロセスにおいてより重要となっている。半導体材料の平坦化がより重要となるに従って、CMPプロセスに使用されるCMPスラリーの量が増えるとともに、半導体集積回路の製造コストに占める割合も高まっている。このため、CMPスラリーの再生をスラリーの品質を維持しながら効率的に連続して再生する方法が求められている。
従来、CMPスラリーの再生に関しては、砥粒、分散媒および不純物を含む使用済CMPスラリーより分散媒の一部を除去する濃縮工程と、濃縮されたスラリーのpHを調整するpH調整工程と、pHが調整されたスラリーより所定粒径以下の砥粒および分散媒を回収する回収工程とを有するCMPスラリー再生方法が知られている(特許文献1)。この特許文献1は、固液分離により砥粒(研磨剤)を効率的に回収することを目的としている。
また、CMPスラリー再生方法として、タンクに回収された使用済CMPスラリーを、限外ろ過ユニットを通じて水を除去しながら循環濃縮し、濃縮物のpHを調整してCMPスラリーを再生させる方法が知られている(特許文献2)。限外ろ過ユニットとしては、セラミックフィルターなどの膜フィルターが用いられる。
特開2002-331456号公報 特表2013-535848号公報
上記のようなCMPスラリー再生方法が知られているが、実際にCMPプロセスを行う施設にCMPスラリー再生システムを構築することは容易ではなく、システムの大型化や、複雑化などが懸念される。また、CMPスラリー再生システムを運転するための人員や、薬品注入や消耗品交換作業などが必要となり、CMPプロセス施設における人的労力が増大するおそれがある。一方で、CMPプロセスとは独立した施設でCMPスラリーの再生を行うにしても、高度に希釈されたままの使用済CMPスラリーを全量運搬することは費用面、作業面の点からも望ましくない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、CMPプロセス施設における作業量を抑えつつ、CMPスラリーの再生を効率的に実施できるCMPスラリー再生方法の提供を目的とする。
本発明のCMPスラリー再生方法は、半導体集積回路を製造するためのCMPプロセスから排出される使用済CMPスラリーを貯液タンクに貯液する貯液工程と、貯液された使用済CMPスラリーを、膜フィルターを用いたクロスフロー濾過方式によって濃縮する濃縮工程と、濃縮された使用済CMPスラリーのpH調整を行う調整工程とを備えるCMPスラリー再生方法であって、上記濃縮工程の後、上記調整工程の前に、濃縮された使用済CMPスラリーを上記濃縮工程を行う施設から上記調整工程を行う施設へ運搬する運搬工程とを有することを特徴とする。
上記貯液工程の前に、CMPプロセスから排出される使用済CMPスラリーの希釈度を示すパラメータを取得し、該パラメータに基づいて、上記濃縮工程の運転の可否を含む運転条件を設定する設定工程を有することを特徴とする。
上記設定工程は、上記パラメータと判定値とに基づいて上記濃縮工程の運転条件を設定する工程であり、上記パラメータが上記CMPプロセスから排出される使用済CMPスラリーの導電率であり、上記判定値が1~20mS/mであることを特徴とする。特に、上記濃縮工程の運転の可否を判定する判定工程においては、上記判定値が1~10mS/mであることを特徴とする。
上記貯液された使用済CMPスラリーは研磨後スラリーと洗浄後スラリーを含むことを特徴とする。
上記濃縮工程において、上記使用済CMPスラリーが目標濃度の60%以上の濃度まで濃縮されることを特徴とする。ここで、目標濃度とは、本発明のCMPスラリー再生方法によって最終的に得られる再生CMPスラリーの濃度であり、使用前のCMPスラリー(新液とも言う)と同じ濃度である。
上記運搬工程は、濃縮された使用済CMPスラリーを5℃以上の温度で運搬することを特徴とする。
上記調整工程は、上記運搬工程後の使用済CMPスラリーから該スラリー中の砥粒の過大な凝集物(例えば1μm以上の大きさとなる凝集物)を除去する工程を含むことを特徴とする。ここで、凝集物の大きさは、その凝集物の最大長さ(長径)をいう。
一般にCMPスラリー再生において、調整工程は、薬液投入やフィルター交換などの人的作業を伴うため、許容される作業が限られているCMPプロセス施設内で行うことは難しい。本発明のCMPスラリー再生方法は、濃縮工程の後、調整工程の前に、濃縮された使用済CMPスラリーを濃縮工程を行う施設から調整工程を行う施設へ運搬する運搬工程を有するので、工程内作業に適した場所で調整工程を実施でき、効率的である。また、CMPプロセスから排出される使用済CMPスラリーの全量を運搬するのではなく、濃縮された使用済CMPスラリーを運搬するため、運搬効率が向上する。これにより、CMPプロセス施設における作業量を抑えつつ、CMPスラリーの再生を効率的に実施できる。
また、本発明のCMPスラリー再生方法は、貯液工程の前に、CMPプロセスから排出される使用済CMPスラリーの希釈度を示すパラメータを取得し、該パラメータに基づいて、濃縮工程の運転条件を設定する設定工程を有する。例えば、過剰に希釈された使用済CMPスラリーの濃縮には時間を要するため砥粒の過剰な凝集を引き起こしやすく、貯液工程の前に上記設定工程を行うことで、使用済CMPスラリーの再生を効率よく行える。
設定工程において、希釈度を示すパラメータとして使用済CMPスラリーの導電率を用いるので、使用済CMPスラリーの希釈状況を正確に把握でき、その希釈状況に応じた運転条件を好適に設定できる。
CMPプロセスから排出される使用済CMPスラリーには、研磨の際に排出される研磨後スラリーと、研磨パッド上に残ったCMPスラリーを洗浄水で洗浄した後に排出される洗浄後スラリーとがある。本発明の再生方法では、研磨後スラリーだけでなく洗浄後スラリーも再生の対象としている。本発明において、上記貯液された使用済CMPスラリーは研磨後スラリーと洗浄後スラリーを含むので、CMPプロセスから排出される使用済CMPスラリーのほとんどを再利用することができる。
濃縮工程において、使用済CMPスラリーが目標濃度の60%以上の濃度まで濃縮されるので、運搬工程で運搬する濃縮スラリーの量を抑えることができ、運搬効率を向上できる。
運搬工程は、濃縮された使用済CMPスラリーを5℃以上の温度で運搬するので、運搬時の環境変化や振動などによる砥粒の過剰な凝集を抑制することができる。
調整工程は、運搬工程後の使用済CMPスラリーから該スラリー中の砥粒の過大な凝集物を除去する工程を含むので、運搬時に砥粒の過大な凝集物が生じたとしても除去可能であり、砥粒の過大な凝集物がない再生スラリーを得ることができる。
これまで説明してきたように、本発明の再生方法によって、濃縮工程を客先工場施設で無人で実施することが可能となり、濃縮して減容した濃縮液を運搬することで運搬費用の削減が可能となり、作業員作業を伴う調整工程のみをCMPスラリーメーカーなどの設備で行うことで、安定で効率的な作業が実現化できる。
本発明のCMPスラリー再生方法を示す工程図である。 濃縮制御装置における設定工程のフローチャートを示す図である。 CMPスラリー再生装置の概要と配管系統を示す図である。
CMPプロセスに使用されるCMPスラリーは、分散性がよく粒子径が揃っているシリカ微粒子(ヒュームドシリカやコロイダルシリカなど)や、研磨速度の大きいセリア微粒子、硬度が高く安定なアルミナ微粒子などが研磨剤として使用されている。これらCMPスラリーは、所定粒子径、濃度の微粒子が水中に分散されてCMPスラリーメーカーにより提供され、各現場(客先工場施設)に応じた濃度に希釈されてCMPプロセスマシンに供給される。なお、このCMPスラリー中には研磨剤の他に、水酸化カリウム、アンモニア、有機酸、アミン類などのpH調整剤、界面活性剤などの分散剤、過酸化水素、ヨウ素酸カリウム、硝酸鉄(III)などの酸化剤などが予め添加されたり、あるいは、研磨時に別途添加されたりする。
CMPスラリーメーカーにより提供される酸化膜用CMPスラリーは、通常、CMP工程、引き続く後洗浄工程を通じて200~500倍に希釈されて廃棄される。近年では、再利用や低コスト化の観点から、CMPスラリーを再生する方法が採用されており、特に、作業性などを考慮しながら効率的に再生する方法が求められている。
本発明のCMPスラリーの再生方法の一形態の概略を図1に基づいて説明する。図1に示すように、本発明のCMPスラリー再生方法は、CMPプロセスから排出される使用済CMPスラリー1を、新液と同じ濃度にまで濃縮し、同じ性質に戻して再利用する技術を採用している。具体的には、図1のCMPスラリー再生方法は、使用済CMPスラリー1を用いて濃縮工程の運転条件を設定する設定工程2と、使用済CMPスラリー1を貯液タンクに貯液する貯液工程3と、貯液された使用済CMPスラリーを、膜フィルターを用いたクロスフロー濾過方式によって濃縮する濃縮工程4と、濃縮された使用済CMPスラリー(濃縮スラリー5)を濃縮工程4を行う施設から調整工程7を行う施設へ運搬する運搬工程6と、運搬された濃縮スラリー5のpH調整や過大な凝集物除去を行う調整工程7とを備える。
図1の形態において、設定工程2、貯液工程3、および濃縮工程4は、客先工場施設で実施され、調整工程7は、CMPスラリーメーカーの工場施設などで実施されることを想定している。
従来のCMPスラリーの再生方法として、貯液工程と濃縮工程と調整工程を有する方法が知られている。CMPスラリーは、CMPスラリーメーカーから客先工場に供給され、その工場施設内で希釈されてCMPプロセスに用いられる。ここで、CMPスラリーの再生にあたり、調整工程は人的作業を伴うため、客先工場施設内で人員を確保して行うことは困難である。一方、客先工場施設と別施設(例えばCMPスラリーメーカーの工場施設)でCMPスラリーの再生を行うにしても、希釈された大容量の使用済CMPスラリーを運搬するのは容易ではない。
本発明は、図1に示すように、濃縮工程4の後でかつ調整工程7の前に、濃縮スラリー5を濃縮工程4を行う施設から調整工程7を行う施設へ運搬する運搬工程6を有することを特徴とする。これにより、濃縮工程4とは異なる施設で作業員作業を伴う調整工程7ができるため、工程内作業に適している。また、濃縮工程4によって減容させた濃縮スラリー5を運搬するため、運搬効率を高めることができる。
一方で、例えば26質量%のシリカ砥粒の使用前のCMPスラリーは、砥粒の良好な分散を保つために水酸化カリウムを加えて、pH11程度とされている。濃縮工程では、水分の濾別の際に水酸化カリウムも濾別されるため、濃縮液の濃度を26質量%まで戻したとしてもpHは11よりも小さくなる。pHが小さくなった廃液をそのまま濃縮し続けると、砥粒の凝集や急激な粘度上昇を招いて、濃縮が困難になるおそれがある。特に、使用済スラリーの希釈度が大きいほど、pHが中性に近く砥粒の良分散性確保が難しく、問題となる。また、廃液の希釈度は顧客のCMPラインの稼働状況に応じて、日々刻々と変化する。
これを考慮して、図1に示すように、貯液工程3の前に、使用済CMPスラリー1の希釈度に基づいて、濃縮工程4の運転条件、具体的には、濃縮工程で到達させるスラリー濃度を設定する設定工程2を設けることが好ましい。これにより、濃縮液の急激な粘度上昇を抑制しつつ、客先工場内での濃縮工程を安定して実現できる。また、運転条件として、濃縮工程の運転の可否も判定することで、濃縮工程における急激な粘度上昇などの不具合を未然に防止でき、濃縮効率が向上できる。
以下には、各工程について説明する。
設定工程2は、使用済CMPスラリー1の希釈度を示すパラメータに基づいて、濃縮工程4の運転条件を設定する工程である。運転条件には、濃縮工程の運転の可否、濃縮工程で到達させるスラリー濃度(以下、到達濃度という)が含まれる。濃縮工程の運転の可否の判定により、使用済CMPスラリー1は濃縮用と廃棄用に分別され、廃棄用は廃液9として廃棄される。設定工程2は、濃縮制御装置によって自動で行われる。濃縮制御装置は、マイクロコンピュータ等を備えてなる周知の電子制御装置である。
図2のフローチャートを用いて、濃縮制御装置において実行される濃縮工程の条件設定処理について説明する。図2に示すフローチャートに係る処理は、所定の制御周期ごと(例えば、60分間隔ごと)で繰り返し実施される。なお、図2では、再生スラリーの目標濃度を26質量%とした場合について説明するが、目標濃度はこれに限らない。
ステップS11では、使用済CMPスラリー1の希釈度を示すパラメータとして導電率Sを取得する。導電率Sは、例えばCMPプロセスから貯液タンクに至る経路に設けられた導電率計を、使用済CMPスラリー1に接触させて測定される(図3参照)。希釈度を示すパラメータとしては、応答性の良いパラメータが適しており、希釈度と導電率との良好な相関性から図2では導電率を判定指標として採用している。なお、希釈度のパラメータとしては、導電率に限らず、pHや密度を用いることができる。
ステップS12では、取得された導電率Sが、判定値Th以上であるか否かを判定する。ステップS12がNoの場合、つまり導電率Sが判定値Th未満の場合、貯液バルブを閉じ、廃液バルブを開放する(ステップS13)。この場合、使用済CMPスラリー1を貯液タンクに受け入れずに顧客工場の廃液ラインに戻す。一方、ステップS12がYesの場合、貯液バルブを開放し、廃液バルブを閉じる(ステップS14)。このようにステップS12は、希釈度に基づいて貯液タンクへの受け入れを判定する受け入れ判定手段といえる。
判定値Thは、廃棄用として極低濃度の使用済CMPスラリーを判別できる値であることが好ましい。具体的な数値としては、判定値Thは、1~10mS/mの数値であることが好ましく、1~5mS/mの数値であることがより好ましい。極低濃度の使用済CMPスラリーを再生する際には、上述したように、pHが小さくなることで砥粒が凝集しやすく、急激な粘度上昇を招きやすい。そのため、極低濃度の使用済CMPスラリーは廃液として分別することで、濃縮工程における不具合を防いでいる。また、極低濃度の使用済CMPスラリーを再生する際には、多量の水を除去する必要があり再生の手間がかかる一方で、該使用済CMPスラリー中に含まれる砥粒は少ないため、受け入れ判定を行うことで、濃縮効率も向上できる。
ステップS14に続くステップS15~S19の工程では、導電率Sに基づいて濃縮工程での到達濃度を設定する。図2では、判定値Th、Thを用いて、使用済CMPスラリーの希釈度が3つの領域のいずれに属するかを判定し、その領域に応じて到達濃度を設定する。なお、各判定値は、Th、Th、Thの順に大きい値である。具体的な数値として、例えば、判定値Thは、Thの値に1~5mS/mを加えた値であり、判定値Thは、Thの値に1~5mS/mを加えた値である。このように濃縮工程の運転条件を設定するための導電率の判定値Th、Th、Thは1~20mS/mの値であることが好ましい。
導電率SがTh以上Th未満の場合(ステップS15がNoの場合)、ステップS17に進み、到達濃度が22質量%に設定される。導電率SがTh以上Th未満の場合(ステップS15がYes、ステップS16がNoの場合)、ステップS18に進み、到達濃度が24質量%に設定される。導電率SがTh以上の場合(ステップS15がYes、ステップS16がYesの場合)、ステップS19に進み、到達濃度が26質量%に設定される。つまりステップS19では、目標濃度と同じ濃度に設定される。
このようにステップS15~S19では、濃縮工程における運転モードが自動的に選択される。使用済CMPスラリーの希釈度と到達濃度の対応関係は、適宜変更可能である。無人運転で安定して濃縮工程を実施させるために、運転安定性を重視して設定することが好ましい。また、濃縮工程では、使用済CMPスラリーが目標濃度の60%以上の濃度まで濃縮されることが好ましく、目標濃度の80%以上の濃度まで濃縮されることがより好ましい。
図1において、上記設定工程2に続き、貯液工程3が行われる。貯液工程3は、使用済CMPスラリー1を貯液タンクに貯液する工程である。
濃縮工程4は、貯液タンクに貯液された使用済CMPスラリー1をクロスフロー濾過方式で膜フィルターに通液し、水分のみを濾別する工程である。濾別された水分は透過液10として排出される。具体的には、スラリー濃度が設定工程2で設定された到達濃度になるまで循環濃縮され、濃縮スラリー5として排出される。
運搬工程6は、濃縮工程4で濃縮された濃縮スラリー5を、例えば客先工場施設からCMPスラリーメーカーの工場施設へ運搬する工程である。なお、濃縮工程4を実施する施設と調整工程7を実施する施設は、上記施設に限らず、互いの施設が独立しており、運搬(配管移送を除く)が必要な程度に離れていればよい。
運搬の手段は、特に限定されないが、車両を用いて運搬することが好ましい。車両による運搬方法としては、濃縮スラリーが注入されたコンテナをコンテナ運搬車に積み込んで運搬する方法や、タンク車に直接濃縮スラリーを注入する方法が適用される。運搬の際には、砥粒の過剰な凝集を防ぐために濃縮スラリーの温度を5℃以上の状態に保つことが好ましく、20℃以上の状態で保つことがより好ましい。一方、濃縮スラリーの温度は50℃未満であることが好ましく、40℃未満であることがより好ましい。
濃縮スラリー5は使用済CMPスラリー1に比べて減容されているため、取扱い性に優れ、客先工場施設からCMPスラリーメーカーの工場施設間の運搬回数を大幅に減らすことができる。これにより運搬工程6を効率良く行うことが可能であり、輸送コストを削減すると共に、環境負荷を低減できる。
調整工程7は、運搬工程6後の使用済CMPスラリーのpH調整を行い、新液と同じ性質(pH、組成)に戻す工程である。pH調整は、濃縮スラリー5に水酸化カリウム、アンモニア、有機酸、アミン類などのpH調整剤を添加して行われる。その他、成分の補給として各種補正液が添加される。調整工程は有人で行われる。
運搬による振動などで生じた砥粒の凝集物を除去するため、調整工程は、運搬工程後の使用済CMPスラリーから該スラリー中の砥粒の過大な凝集物を除去する工程を含むことが好ましい。凝集物を除去する工程として、例えば精密濾過工程が挙げられ、これには精密濾過膜を備えた装置が用いられる。また、その他の不純物を除去するため、イオン交換装置やキレート形成処理装置などを用いることができる。
また、調整工程は、濃縮スラリー5を再度濃縮する再濃縮工程を含むことも可能である。例えば、濃縮工程での到達濃度が目標濃度に達していない濃縮スラリーは、CMPスラリーメーカーの工場施設などで追加で濃縮する必要がある。ただし、砥粒の分散性確保に適当ではないpHのまま22質量%や24質量%にまで濃縮された濃縮スラリーを、26質量%まで濃縮することは困難である。そのため、再濃縮工程では、水酸化カリウムなどを投入してpHを大きくした後に、濃縮させることが好ましい。pHを大きくすることで、砥粒が過剰に凝集すること無く26質量%(目標濃度)まで濃縮できる。再濃縮工程における濃縮手段は、上述した濃縮工程4と同様、膜フィルターを用いたクロスフロー濾過方式を用いることができる。
このように本発明の再生方法により、顧客工場から排出される使用済CMPスラリーのほとんどを再利用可能な再生製品とすることが可能である。砥粒の回収率は、例えば90%以上である。
ここで、設定工程2から濃縮工程4までの工程について図3を用いて説明する。図3は、CMPプロセスを実施する客先工場施設に併設されるCMPスラリー再生装置の概要と配管系統を示す図である。使用済CMPスラリー1は、配管を通してCMPスラリー再生装置へ供給される。濃縮工程では大容量の廃液を取り扱うため、廃液生成場所の近くである客先工場施設で実施することが好ましい。
図3において、P01は循環ポンプ、V01~V13は循環液の循環方向および排出量を調節するためのバルブ、FT01~FT02は流量計であり、PS01~PS03は圧力計である。図3におけるCMPスラリー再生装置は無人で管理され、各バルブV01~V13の開閉は濃縮制御装置によって実施される。
図3において、CMPプロセスから貯液タンク11に至る貯液経路には導電率計18が設けられている。この貯液経路から分岐して廃棄経路が設けられており、貯液経路上および廃棄経路上にバルブV02a(貯液バルブ)およびV02b(廃棄バルブ)が設けられている。上述したように、導電率計18によって測定された導電率に基づいて、バルブV02aおよびV02bの開閉が制御され、使用済CMPスラリー1が濃縮用(再生用)と廃棄用に分別される。濃縮用の使用済CMPスラリーは、貯液タンク11に貯液され、濃縮経路に導かれる。また、上述したように、導電率計18によって測定された導電率に基づいて、濃縮工程における到達濃度が設定される。
濃縮経路について、図3に基づいて説明する。使用済CMPスラリー1が貯液タンク11に貯液された状態において、バルブV03を開き、循環ポンプP01を作動させることにより、使用済CMPスラリー1の循環が開始される。使用済CMPスラリー1を濃縮するための循環経路では、バルブV13、V05、およびV07は閉であり、バルブV03、V04、V06、およびV08は開である。なお、本発明においてこの循環経路を循環経路Aという。循環経路Aには、膜フィルター12が設けられている。
膜フィルター12は、使用済CMPスラリーが流入する流入口13、同スラリーが濃縮されて流出する流出口14、同スラリーより濾別された透過液10が排出する排出口15を備えている。膜フィルター12は、流入口13から流出口14に至るスラリー流通経路の側壁に設けられた濾過膜を介して濾別された透過液10が排出するとともに、通過する使用済CMPスラリーが濃縮されるクロスフロー方式の濾過装置である。この濾過装置は流入口13および流出口14が対称になっており、いずれの口からもスラリーの流入および流出が可能である。また、この流入口13および流出口14近傍にそれぞれ排出口15が設けられている。排出口15より排出された透過液10は、透過液タンク16に貯液された後、直接または透過液量を調節されながら排出されるか、または逆洗工程用の洗浄液体として利用される。
膜フィルター12によるスラリー濃縮は、循環流速を比較的高くして、膜フィルター12に流入する液量の1/5~1/200程度を透過液量として濾過することが好ましい。この場合、スラリー濃度が高濃度になるため濾過膜面に目詰まりが発生する場合がある。この目詰まりを抑制するために定期的に逆洗工程を行なうことが好ましい。逆洗工程は、排出口15から透過する透過液の流量を監視し、目詰まりにより流量がある基準より下がったら逆洗を行なう。図3に示すように、透過液の排出口15側に逆洗1回分の透過液を貯液できる透過液タンク16を設置し、使用済CMPスラリーの循環を定期的に減速あるいは中止し、排出口15側から貯留した透過液を濾過膜に流す。透過液タンク16は金属製のタンクであり、逆洗時には圧縮エアー17によりタンク内の圧力を0.3~1.0MPaの範囲、好ましくは0.7MPaに加圧しておき、自動バルブV09を一気に開け、透過液を濾過膜に勢いよく流し、逆洗させる。逆洗をすると濃縮時に膜面に堆積したスラリー等が膜面から離れる。この逆洗工程を繰り返すことにより目詰まりすることなく高濃度のスラリーを長期間濃縮することができる。
循環経路Aにおいて、使用済CMPスラリー1は、膜フィルター12の流入口13から流入し、透過液を排出口15より排出しながら流出口14より流出し、貯液タンク11に戻る。使用済CMPスラリー1は到達濃度に達するまで濃縮循環され、到達濃度に達したら濃縮スラリー5として別施設へ運搬される。図3のCMPスラリー再生装置では、貯液タンク11が濃縮タンクを兼ねている。なお、貯液タンク11とは別に濃縮タンクを設けてもよく、その場合、濃縮タンクを処理すべきスラリーの量、種類等により2個以上設けてもよい。
膜フィルターに使用される濾過膜としては、回収後の濃縮液中の研磨剤粒子を最も効率よく回収する観点から、限外濾過膜を好適に用いることができる。限外濾過膜の膜の孔径は10~100nmが採用できる。
循環経路Aの循環を繰り返して濃縮を継続すると、ゲル状物、凝集したスラリー、ウェハーなどのかけらや装置からの脱落部材などの比較的大きな異物が循環している使用済CMPスラリー1液中に存在することになる。これらの異物は膜フィルター12の流入口13の端面に留まり循環流路を閉塞させ、逆洗工程を有していても濃縮そのものが困難になる。
本発明における濃縮工程は、循環経路Aによるスラリーの循環を所定時間または所定条件下に停止して、使用済CMPスラリー1を逆循環経路Bにより逆循環させる逆転運転工程を有する。この場合、貯液タンク11に貯液されている使用済CMPスラリー1は、バルブV03を開き、循環ポンプP01を作動させることにより、使用済CMPスラリー1の循環経路Bにより逆循環が開始される。循環経路Bにより使用済CMPスラリー1を循環させる場合、バルブV13、V04およびV06は閉であり、バルブV05およびV07は開である。このように、バルブの切り替えのみで循環経路Aおよび循環経路Bを形成できる。また、循環経路Aおよび循環経路Bに切り替えて濃縮が継続される。
また、上記異物の除去の観点から、循環経路Bによる逆転運転を定期的に行なうことが好ましい。逆転運転の切り替え頻度は、例えば1~5時間毎の定期的な時間および膜フィルター12の両端に圧力計を設置し基準値をこえたら切り替える方法がある。切り替えは設置された自動弁を開閉することにより行なうことができる。
上記のように、本発明の再生方法は濃縮工程を客先工場施設で無人で実施し、減容した濃縮液を運搬してCMPスラリーメーカーの設備にて作業員作業を伴う調整工程を行っている。特に、濃縮工程で受け入れる廃液の希釈度を判定して運転条件を決定することで、安定的な無人運転を実現しており、最小限の補完的な処置を調整工程で行うことで、作業性の効率化を図っている。
本発明のCMPスラリー再生方法は、CMPプロセス施設における作業量を抑えつつ、CMPスラリーの再生を効率的に実施できるので、CMPスラリーの再生に広く用いることができる。
1 使用済CMPスラリー
2 設定工程
3 貯液工程
4 濃縮工程
5 濃縮スラリー
6 運搬工程
7 調整工程
8 再生スラリー
9 廃液
10 透過液
11 貯液タンク
12 膜フィルター
13 流入口
14 流出口
15 排出口
16 透過液タンク
17 圧縮エアー
18 導電率計

Claims (4)

  1. 半導体集積回路を製造するためのCMPプロセスから排出される研磨後スラリーと洗浄後スラリーを含む使用済CMPスラリーを貯液タンクに貯液する貯液工程と、貯液された使用済CMPスラリーを、膜フィルターを用いたクロスフロー濾過方式によって濃縮する濃縮工程と、濃縮された使用済CMPスラリーのpH調整を行う調整工程とを備えるCMPスラリー再生方法であって、
    前記濃縮工程の後、前記調整工程の前に、濃縮された使用済CMPスラリーを前記濃縮工程を行う施設から前記調整工程を行う施設へ運搬する運搬工程とを有し、
    前記貯液工程の前に、CMPプロセスから排出される使用済CMPスラリーの希釈度を示すパラメータとして導電率を取得し、該導電率に基づいて運転条件を設定する設定工程を有し、
    前記設定工程は、前記導電率が判定値Th 以上であるか否かに基づいて、前記濃縮工程の運転の可否を判定するステップと、前記導電率が判定値Th 以上である場合において、判定値Th よりも大きい少なくとも1つの判定値を用いて、使用済CMPスラリーの希釈度が複数の領域のいずれに属するかを判定し、その領域に応じて前記濃縮工程での到達濃度を設定するステップとを有し、前記設定工程で用いる導電率の判定値(Th を含む)はいずれも1~20mS/mの値であることを特徴とするCMPスラリー再生方法。
  2. 前記濃縮工程において、前記使用済CMPスラリーが目標濃度の60%以上の濃度まで濃縮されることを特徴とする請求項1記載のCMPスラリー再生方法。
  3. 前記運搬工程は、濃縮された使用済CMPスラリーを5℃以上の温度で運搬することを特徴とする請求項1または請求項2記載のCMPスラリー再生方法。
  4. 前記調整工程は、前記運搬工程後の使用済CMPスラリーから該スラリー中の砥粒の過大な凝集物を除去する工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項記載のCMPスラリー再生方法。
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