JP7243457B2 - ベーパーチャンバ、電子機器、及び、ベーパーチャンバ用金属シート - Google Patents

ベーパーチャンバ、電子機器、及び、ベーパーチャンバ用金属シート Download PDF

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Description

本発明は、作動流体が密封された密封空間を有するベーパーチャンバ、電子機器、及び、ベーパーチャンバ用金属シートに関する。
携帯端末やタブレット端末といったモバイル端末等で使用される中央演算処理装置(CPU)や発光ダイオード(LED)、パワー半導体等の発熱を伴う電子部品は、ヒートパイプ等の放熱用部材によって冷却されている(例えば、特許文献1~4)。近年では、モバイル端末等の薄型化のために、放熱用部材の薄型化も求められており、ヒートパイプよりも薄型化を図ることができるベーパーチャンバの開発が進められている。ベーパーチャンバ内には、作動流体が封入されており、この作動流体が電子部品の熱を吸収して外部に放出することで、電子部品の冷却を行っている(例えば、特許文献5)。
より具体的には、ベーパーチャンバ内の作動流体は、電子部品に近接した部分(蒸発部)で電子部品から熱を受けて蒸発して蒸気になり、その蒸気が蒸気流路を流れて蒸発部から離れた位置に移動して冷却され、凝縮して液状になる。ベーパーチャンバ内には、毛細管構造(ウィック)としての凝縮液流路が設けられており、凝縮して液状になった作動流体は、蒸気流路から凝縮液流路に入り込み、凝縮液流路を流れて蒸発部に向かって輸送される。そして、作動流体は、再び蒸発部で熱を受けて蒸発する。このようにして、作動流体が、相変化、すなわち蒸発と凝縮とを繰り返しながらベーパーチャンバ内を還流することにより電子部品の熱を移動させ、放熱効率を高めている。
特開2015-88882号公報 特開2016-17702号公報 特開2016-50682号公報 特開2016-205693号公報 特開2018-179388号公報
本発明は、熱輸送能力を高めることができるベーパーチャンバを提供することを課題とする。また、このベーパーチャンバを備える電子機器、及び、このベーパーチャンバを構成するベーパーチャンバ用金属シートを提供する。
本発明は、密封空間に作動流体が封入されたベーパーチャンバであって、第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有する第1金属シートと、前記第1金属シートの前記第1面側に積層された第2金属シートと、前記第1金属シートの前記第2面側に積層された第3金属シートと、を備え、前記第1金属シートの前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、複数の第1流路と複数の液流路部とが、交互配置されて第1方向に延びており、前記第1面から前記第2面を貫通して、前記第1流路が形成されており、前記液流路部においては、前記第1金属シートの前記第1面側に第1面側第2流路が形成されており、前記第1金属シートの前記第2面側に第2面側第2流路が形成されており、前記第1面側第2流路と、前記第2面側第2流路とが、互いに貫通部を介して連通しており、前記第1面側第2流路は、前記第1方向に延びる第1面側主流溝と、前記第1面側主流溝に隣接する第1面側凸部列と、を有し、前記第1面側凸部列は第1方向に沿って配列された複数の第1面側凸部から構成され、複数の前記第1面側凸部の間に前記貫通部が設けられており、前記第2面側第2流路は、前記第1方向に延びる第2面側主流溝と、前記第2面側主流溝に隣接する第2面側凸部列と、を有し、前記第2面側凸部列は第1方向に沿って配列された複数の第2面側凸部から構成され、複数の前記第2面側凸部の間に前記貫通部が設けられている、ベーパーチャンバである。
上述したベーパーチャンバにおいて、前記第1流路は、前記作動流体の蒸気が流れる蒸気流路であり、前記第1面側第2流路及び前記第2面側第2流路は、前記第1流路より流路断面積が小さくされ、前記作動流体の凝縮液が流れる凝縮液流路であってもよい。
上述したベーパーチャンバは、前記第1方向に直交する方向において、一の前記貫通部と他の前記貫通部との間には前記第1面側凸部及び前記第2面側凸部が配置されていてもよい。
上述したベーパーチャンバにおいて、前記第1金属シートの前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、前記第2面側凸部が前記第1面側凸部と少なくとも部分的に重なっていてもよい。
上述したベーパーチャンバにおいて、前記第1金属シートの前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、前記第2面側凸部が前記第1面側主流溝と重なる領域に設けられていてもよい。
上述したベーパーチャンバにおいて、前記第1金属シートの前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、前記第1面側主流溝と前記第2面側主流溝のどちらか一方の幅が他方の幅よりも大きくてもよい。
上述したベーパーチャンバにおいて、前記第1金属シートの前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、前記第1方向に沿って配列された複数の前記第1面側凸部の間に設けられている前記貫通部が、前記第1方向に沿って配列された複数の前記第2面側凸部の間に設けられている前記貫通部よりも大きくてもよく、若しくは、前記第1方向に沿って配列された複数の前記第2面側凸部の間に設けられている前記貫通部が、前記第1方向に沿って配列された複数の前記第1面側凸部の間に設けられている前記貫通部よりも大きくてもよい。
また、本発明は、筐体と、前記筐体の内側に配置された電子部品と、前記電子部品に配置された請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載されたベーパーチャンバと、を備える、電子機器である。
また、本発明は、第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有するベーパーチャンバ用金属シートであって、前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、複数の第1流路と複数の液流路部とが、交互配置されて第1方向に延びており、前記第1面から前記第2面を貫通して、前記第1流路が形成されており、前記液流路部においては、前記第1面側に第1面側第2流路が形成されており、前記第2面側に第2面側第2流路が形成されており、前記第1面側第2流路と、前記第2面側第2流路とが、互いに貫通部を介して連通しており、前記第1面側第2流路は、前記第1方向に延びる第1面側主流溝と、前記第1面側主流溝に隣接する第1面側凸部列と、を有し、前記第1面側凸部列は第1方向に沿って配列された複数の第1面側凸部から構成され、複数の前記第1面側凸部の間に前記貫通部が設けられており、前記第2面側第2流路は、前記第1方向に延びる第2面側主流溝と、前記第2面側主流溝に隣接する第2面側凸部列と、を有し、前記第2面側凸部列は第1方向に沿って配列された複数の第2面側凸部から構成され、複数の前記第2面側凸部の間に前記貫通部が設けられている、ベーパーチャンバ用金属シートである。
上述したベーパーチャンバ用金属シートにおいて、前記第1流路は作動流体の蒸気が流れるべき蒸気流路であり、前記第1面側第2流路及び前記第2面側第2流路は前記第1流路より流路断面積が小さくされ、前記作動流体の凝縮液が流れるべき凝縮液流路であってもよい。
上述したベーパーチャンバ用金属シートは、前記第1方向に直交する方向において、一の前記貫通部と他の前記貫通部との間には前記第1面側凸部及び前記第2面側凸部が配置されていてもよい。
上述したベーパーチャンバ用金属シートにおいて、前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、前記第2面側凸部が前記第1面側凸部と少なくとも部分的に重なっていてもよい。
上述したベーパーチャンバ用金属シートにおいて、前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、前記第2面側凸部が前記第1面側主流溝と重なる領域に設けられていてもよい。
上述したベーパーチャンバ用金属シートにおいて、前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、前記第1面側主流溝と前記第2面側主流溝のどちらか一方の幅が他方の幅よりも大きくてもよい。
上述したベーパーチャンバ用金属シートにおいて、前記第1金属シートの前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、前記第1方向に沿って配列された複数の前記第1面側凸部の間に設けられている前記貫通部が、前記第1方向に沿って配列された複数の前記第2面側凸部の間に設けられている前記貫通部よりも大きくてもよく、若しくは、前記第1方向に沿って配列された複数の前記第2面側凸部の間に設けられている前記貫通部が、前記第1方向に沿って配列された複数の前記第1面側凸部の間に設けられている前記貫通部よりも大きくてもよい。
本発明によれば、ベーパーチャンバの熱輸送能力を高めることができる。
本発明の第1の実施形態による電子機器の一例を説明する模式斜視図 本発明の第1の実施形態によるベーパーチャンバの一例を示す上面図 図2に示すベーパーチャンバのA-A線断面図 図3に示すベーパーチャンバの液流路部を説明する図 図4に示す第1面側第2流路のレジストパターンの例を説明する図 図4に示す第2面側第2流路のレジストパターンの例を説明する図 図3に示すベーパーチャンバの製造方法の一例を示す工程図 図7に続くベーパーチャンバの製造方法の一例を示す工程図 本発明の第2の実施形態によるベーパーチャンバの液流路部の一例を示す図 図9に示す液流路部の第1面側第2流路を説明する図 図9に示す液流路部の第2面側第2流路を説明する図 図10に示す第1面側第2流路のレジストパターンの例を説明する図 図11に示す第2面側第2流路のレジストパターンの例を説明する図
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件および物理的特性並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度並びに物理的特性の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。さらに、図面においては、明瞭にするために、同様の機能を期待し得る複数の部分の形状を、規則的に記載しているが、厳密な意味に縛られることなく、当該機能を期待することができる範囲内で、当該部分の形状は互いに異なっていてもよい。また、図面においては、部材同士の接合面などを示す境界線を、便宜上、単なる直線で示しているが、厳密な直線であることに縛られることはなく、所望の接合性能を期待することができる範囲内で、当該境界線の形状は任意である。
<第1の実施形態>
まず、図1~図8を用いて、本発明の第1の実施の形態におけるベーパーチャンバ、電子機器、及び、ベーパーチャンバ用金属シートについて説明する。本実施形態におけるベーパーチャンバ1は、電子機器Eに収容された発熱体としての電子部品Dを冷却するために、電子機器Eに搭載される装置である。電子部品Dの例としては、携帯端末やタブレット端末といったモバイル端末等で使用される中央演算処理装置(CPU)、発光ダイオード(LED)、パワー半導体等の発熱を伴う電子デバイス(被冷却装置)が挙げられる。
(電子機器)
図1は、本発明の第1の実施の形態による電子機器の一例を説明する模式斜視図である。
ここではまず、本実施の形態によるベーパーチャンバ1が搭載される電子機器Eについて、タブレット端末を例にとって説明する。図1に示すように、電子機器E(タブレット端末)は、筐体Hと、筐体Hの内側に配置された電子部品Dと、電子部品Dに配置されたベーパーチャンバ1と、を備えている。図1に示す電子機器Eでは、筐体Hの前面にタッチパネルディスプレイTDが設けられている。ベーパーチャンバ1は、筐体H内に収容されて、電子部品Dおよび筐体Hの一部を構成する筐体部材Haに熱的に接触するように配置される(図3参照)。
このことにより、電子機器Eの使用時に電子部品Dで発生する熱をベーパーチャンバ1が受けることができる。ベーパーチャンバ1が受けた熱は、筐体部材Haを介してベーパーチャンバ1の外部に放出される。このようにして、電子部品Dは効果的に冷却される。電子機器Eがタブレット端末である場合には、電子部品Dは、中央演算処理装置等に相当する。
(ベーパーチャンバ)
次に、本実施の形態によるベーパーチャンバ1について説明する。ベーパーチャンバ1は、作動流体2が封入された密封空間3を有しており、密封空間3内の作動流体2が相変化を繰り返すことにより、上述した電子機器Eの電子部品Dを効果的に冷却するようになっている。作動流体2の例としては、純水、エタノール、メタノール、アセトン等、およびそれらの混合液が挙げられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態によるベーパーチャンバの一例を示す上面図である。
ベーパーチャンバ1は、概略的に薄い平板状に形成されている。ベーパーチャンバ1の平面形状は任意であるが、図2に示すような矩形状であってもよい。この場合、ベーパーチャンバ1は、平面外輪郭をなす4つの直線状の外縁1a、1bを有する。このうち2つの外縁1aが、後述する第1方向(図中のX方向)に沿うように形成され、残り2つの外縁1bが、第1方向に直交する方向(図中のY方向)に沿うように形成される。
ベーパーチャンバ1の平面形状は、例えば、1辺が1cmで他の辺が3cmの長方形であってもよく、1辺が2cmの正方形であってもよく、ベーパーチャンバ1の平面寸法は任意である。また、ベーパーチャンバ1の平面形状は、矩形状に限られることはなく、円形状、楕円形状、L字形状、T字形状など、任意の形状とすることができる。
ベーパーチャンバ1の内部には、作動流体2が封入された密封空間3が形成されている。
なお、理解を容易とするために、図2においては、ベーパーチャンバ1の要部となる内部構造を破線で示す。
本実施形態では、密封空間3は、作動流体2の蒸気が流れる蒸気流路である複数の第1流路40と、作動流体2の凝縮液が流れる凝縮液流路を有する複数の液流路部50と、を有している。
図2に示す例において、複数の第1流路40と複数の液流路部50とは、交互配置されて、第1方向(図中のX方向)に延びている。複数の第1流路40は外縁1bに沿って互いにつながっているが、複数の液流路部50は、互いに独立している。
なお、図2に示す例においては、図中A-A線で横切られる第1流路40と液流路部50の数を、それぞれ3個と2個で示しているが、これは煩雑となるのを避けるためであり、実際のベーパーチャンバの内部には、より多くの第1流路40と液流路部50が設けられている。
第1流路40の幅W1は、例えば、0.1mm~3.0mm、好ましくは0.1mm~2.0mmとすることができる。なお、複数の第1流路40の幅は、各々で同じ幅であってもよく、異なる幅であってもよい。液流路部50の幅も、第1流路40の幅W1と同様の寸法とすることができる。
なお、複数の第1流路40の幅が各々で同じであり、複数の液流路部50の幅も各々で同じである場合は、同じ幅の液流路部50が等間隔に配置されることになるため、ベーパーチャンバ1の各位置における機械的強度を均等化させることができる。
蒸発部4は、ベーパーチャンバ1に取り付けられる電子部品Dから熱を受けて、密封空間3内の作動流体2が蒸発する部分である。このため、蒸発部4という用語は、電子部品Dに重なっている部分に限られる概念ではなく、電子部品Dに重なっていなくても作動流体2が蒸発可能な部分をも含む概念として用いている。なお、便宜上、本実施の形態においては、ベーパーチャンバ1の上面側に電子部品Dが取り付けられるものとする。
ここで蒸発部4は、ベーパーチャンバ1の上面側の任意の場所に設けることができるが、その位置は、電子機器Eにおける電子部品Dとの位置関係等の制約によって決まる場合が多い。図2においては、ベーパーチャンバ1の上面の中央部に設けられている例が示されている。
蒸発部4で生成された作動流体2の蒸気は、複数の第1流路40を通って蒸発部4から離れる方向に拡散して、蒸気の多くは、図中破線の矢印で示すように、比較的温度の低い外縁1bに向かって輸送される。
この輸送中、作動流体2の蒸気の熱は、ベーパーチャンバ1と熱的に接合されている筐体部材Haを介して外部に放出され(図3参照)、外縁1bに向かうにつれて作動流体2の蒸気が冷却される。
そして、冷却により第1流路40の壁面に凝縮した作動流体2は、第1流路40と隣り合う液流路部50に入り込み、図中実線の矢印で示すように、毛細管作用によって液流路部50を通って蒸発部4に向けて輸送される。
蒸発部4に戻った作動流体2は、再び電子部品Dから熱を受けて蒸発し、第1流路40を通って蒸発部4から離れる方向に拡散して、蒸気の多くは、比較的温度の低い外縁1bに向かって輸送される。
このように、密封空間3内の作動流体2が相変化を繰り返すことにより、ベーパーチャンバ1は、電子機器Eの電子部品Dを効果的に冷却する。
また、図2に示すように、ベーパーチャンバ1は、第1方向(図中のX方向)における一対の端部のうちの一方の端部に、密封空間3に作動流体2を注入する注入部5を備えている。なお、密封空間3に作動流体2を注入した後のベーパーチャンバ1においては、この注入部5は封じられている。
図2に示す例においては、注入部5は、ベーパーチャンバ1の第1方向(図中のX方向)における一対の端部のうちの一方の端部に設けられている例が示されているが、これに限られることはなく、任意の位置に設けることができる。また、2つ以上の注入部5が設けられるようにしてもよい。
また、ベーパーチャンバ1の周縁部には、周縁壁6が設けられている。周縁壁6は、密封空間3を囲むように形成されており、密封空間3を画定している。
次に、ベーパーチャンバ1の断面構成について説明する。
図3は、図2に示すベーパーチャンバのA-A線断面図である。なお、後述するように、本実施形態のベーパーチャンバ1の第1流路40および液流路部50は、通常、エッチング液を用いて金属シートをハーフエッチングすることにより形成される。
それゆえ、ベーパーチャンバ1が有する第1流路40および液流路部50の流路断面形状は、図3に例示するように、第1金属シート10の厚み方向(図中のZ方向)において、中央部の幅が、第1面10a側や第2面10b側の幅よりも小さい形状になる。
図3に示すように、ベーパーチャンバ1は、ベーパーチャンバ用金属シートとして、第1面10aと第1面10aとは反対側の第2面10bとを有する第1金属シート10と、第1金属シート10の第1面10aの側に積層された第2金属シート20と、第1金属シート10の前記第2面10bの側に積層された第3金属シート30と、を備えている。
第1金属シート10と第2金属シート20、および、第1金属シート10と第3金属シート30は、それぞれ、拡散接合によって接合されている。
なお、上記の接合は、拡散接合ではなく、恒久的に接合できれば、ろう付け等の他の方式で接合されていてもよい。なお、「恒久的に接合」という用語は、厳密な意味に縛られることはなく、ベーパーチャンバ1の動作時に、密封空間3の密封性を維持可能な程度に、各金属シート間の接合を維持できる程度に接合されていることを意味する用語として用いている。
なお、図3に示すベーパーチャンバ1においては、電子部品Dから熱を受ける金属シートが第2金属シート20であり、受けた熱を筐体部材Haを介して外部に放出する金属シートが第3金属シート30である。
図3に示すように、第1金属シート10の周縁壁6の上面(第1面10a)と、第2金属シート20の下面20bとが当接し、第1金属シート10と第2金属シート20とが互いに接合されている。また、第1金属シート10の周縁壁6の下面(第2面10b)と、第3金属シート30の上面30aとが当接し、第1金属シート10と第3金属シート30とが互いに接合されている。
このことにより、第2金属シート20と第3金属シート30との間に、作動流体2を密封した密封空間が形成されている。
なお、図示はしないが、図3における第1流路40を構成する各金属シートの表面および液流路部50を構成する各金属シートの表面には、凝縮して液状になった作動流体2の凝縮液が存在する。
また、図3に示すベーパーチャンバ1においては、第1金属シート10の周縁壁6のみならず、第1金属シート10の液流路部50においても、第2金属シート20および第3金属シート30と接合されている。
すなわち、第1金属シート10の液流路部50の上面と、第2金属シート20の下面とが当接して、第1金属シート10と第2金属シート20とが互いに接合されており、第1金属シート10の液流路部50の下面と、第3金属シート30の上面とが当接して、第1金属シート10と第3金属シート30とが互いに接合されている。
このことにより、ベーパーチャンバ1の機械的強度を向上させている。とりわけ、同じ幅の液流路部50を等間隔に配置することで、ベーパーチャンバ1の各位置における機械的強度を均等化させることができる。
また、図3に示すベーパーチャンバ1においては、第1金属シート10を介して、第2金属シート20および第3金属シート30を積層した3層構造を有しているため、以下のような利点がある。
まず、複数の第1流路40や複数の液流路部50の形成のために加工されるのは、第1金属シート10のみであることから、第2金属シート20および第3金属シート30は、熱伝導性の他には、主に機械的強度を有してさえいればよく、それぞれの厚さ(T2、T3)を薄くすることができる。また、第2金属シート20および第3金属シート30は、第1金属シート10とは、別の材料とすることができ、第1金属シート10よりも機械的強度が高い材料とすることができる。
また、第1金属シート10の第1面10aから第2面10bを貫通して、第1流路40が形成されているため、第1流路40の高さ方向(図中のZ方向)の大きさは、第1金属シート10の厚さ(T1)と同じとすることができるため、換言すれば、第1流路40の形成において、第1金属シート10を両面側からのハーフエッチングで厚さ方向に貫通するため、ハーフエッチングで第1金属シート10を一部残す場合に比べて、第1流路40の高さ方向(図中のZ方向)の大きさを大きくすることができる。これは、別の言い方をすれば、第1流路40の高さ方向(図中のZ方向)の大きさを保ちながら、ベーパーチャンバ1の厚さを、より薄くすることができることになる。
また、ハーフエッチングで第1金属シート10を一部残す場合に比べて、製造工程も制御が容易になる。
そして、上記のように、第2金属シート20および第3金属シート30は、機械的強度が高い材料とすることができることから、第1流路40の幅も大きくできる。
すなわち、ベーパーチャンバ1の厚さ(T1+T2+T3)を薄くしつつ、第1流路40の流路断面積を大きくすることができ、第1流路40の容量を大きくすることができる。
それゆえ、ベーパーチャンバ1の薄型化の要求を満たしつつ、熱輸送能力を高めることができる。
また、ベーパーチャンバ1の液流路部50においては、第1金属シート10の両面に作動流体2の凝縮液が流れる凝縮液流路が設けられているため、第1金属シート10の片面にのみ凝縮液流路が設けられているタイプに比べて、液状の作動流体2の輸送能力を、より向上させることができる。
より詳しくは、ベーパーチャンバ1の液流路部50においては、第1金属シート10の第1面10a側に第1面側第2流路60が形成されており、第1金属シート10の第2面10b側に第2面側第2流路70が形成されているため、第1金属シート10の片面にのみ凝縮液流路が設けられているタイプに比べて、平面占有率を変えることなく作動流体2の凝縮液の質量流量(単位例:グラム毎秒)を増加(例えば2倍に増加)できる。それゆえ、液状の作動流体2の輸送能力を、より向上させることができる。
さらに、ベーパーチャンバ1の液流路部50においては、第1面側第2流路60と第2面側第2流路70とが、互いに貫通部80を介して連通しているため、一方の面側の流路(例えば、第1面側第2流路60)において作動流体2の凝縮液が不足する場合にも、貫通部80を介して他の面側の流路(例えば、第2面側第2流路70)から作動流体2の凝縮液が供給されるため、両方の面側において、作動流体2の凝縮液の不足を補い合うことができる。それゆえ、液状の作動流体2の輸送能力を、さらに向上させることができる。
第1金属シート10、第2金属シート20、第3金属シート30の各金属シートに用いる材料には、熱伝導率が良好な材料が用いられる。例えば、銅を含む材料が好適に用いられるが、所望の放熱効率を得ることができれば、アルミニウム等の他の金属材料や、ステンレスなどの他の金属合金材料を用いることもできる。
例えば、第1金属シート10に用いられる材料には、銅(無酸素銅)または銅合金を用いることが好ましい。第1金属シート10を構成する材料に無酸素銅を用いる場合、熱伝導率が良好な点に加えて、ベーパーチャンバ1の密封空間3に、酸素等の異物が混入することを避けることができる。
また、第2金属シート20および第3金属シート30に用いられる材料には、電解銅箔や銅合金、若しくは、SUSやニッケル箔等に銅をめっきしたクラッド材を用いることが好ましい。熱伝導率を良好に保ちつつ、厚さが薄くても機械的強度を保つことができるためである。また、無酸素銅よりもコストが低いため、経済的な効果もある。
なお、第2金属シート20と第3金属シート30とに用いられる材料は、同じ材料であってもよく、異なる材料であってもよい。
第1金属シート10の厚さT1は0.03mm以上0.8mm以下とすることができる。また、第2金属シート20の厚さT2は、0.01mm以上0.3mm以下とすることができる。また、第3金属シート30の厚さT3は、0.01mm以上0.3mm以下とすることができる。
第2金属シート20の厚さT2と第3金属シート30の厚さT3とは、同じ厚さであってもよく、異なる厚さであってもよい。
液流路部50の複数の液流路の流路断面積、すなわち、液流路部50において第2金属シート20と第3金属シート30との間に形成される複数の凝縮液流路(第1面側第2流路60および第2面側第2流路70)の流路断面積は、第1流路の流路断面積より小さくされている。
より具体的には、複数の第1流路40の平均の流路断面積をAgとし、液流路部50において第2金属シート20と第3金属シート30との間に形成される複数の凝縮液流路の平均の流路断面積をAlとしたとき、AlがAgの0.5倍以下の関係にあるものとし、好ましくは0.25倍以下である。これにより作動流体2はその相態様(気相、液相)によって第1流路40と液流路部50の複数の凝縮液流路とを選択的に通り易くなる。
この関係はベーパーチャンバ1のうち少なくとも一部において満たせばよく、ベーパーチャンバ1の全部でこれを満たせばさらに好ましい。
次に、ベーパーチャンバ1の液流路部50について、図4~図6を用いてより詳細に説明する。
図4は、図3に示すベーパーチャンバ1の液流路部50について説明する図であり、図4(a)は拡大上面図、図4(b)は図4(a)のB-B線断面図である。換言すれば、図4(a)は、第1金属シート10の第1面10aの法線方向に沿って見た場合の第1面側第2流路60について示す図である。
図4(a)に示す液流路部50において、後述する各第1面側凸部63のうち第1金属シート10の第1面10aに該当する部分には濃度が濃いパターンを付し、後述する貫通部80にはパターンを付さず、これら以外の部分には濃度が薄いパターンを付している。
図4(a)に示すように、液流路部50の第1面側第2流路60は、第1方向(図中のX方向)に延びる第1面側主流溝61(61A、61B、61C)、及び、第1面側凸部列62(62A、62B、62C、62D)を有している。
より詳しくは、図4(a)の左側(図中のY方向)から右側に向かって、液流路部50の第1面側第2流路60には、第1方向(図中のX方向)に延びるように、第1面側凸部列62A、62B、62C、62Dが設けられており、第1面側凸部列62A、62Bの間に、第1面側凸部列62A、62Bに隣接する第1面側主流溝61Aがあり、第1面側凸部列62B、62Cの間に、第1面側凸部列62B、62Cに隣接する第1面側主流溝61Bがあり、第1面側凸部列62C、62Dの間に、第1面側凸部列62C、62Dに隣接する第1面側主流溝61Cがある。
そして、第1面側凸部列62(62A、62B、62C、62D)は、それぞれ第1方向に沿って配列された複数の第1面側凸部63(63A、63B、63C、63D)から構成され、複数の第1面側凸部63(63A、63B、63C、63D)の間に貫通部80(80A、80B、80C、80D)が設けられている。
より詳しくは、第1面側凸部列62Aは第1方向(図中のX方向)に沿って配列された複数の第1面側凸部63Aから構成され、複数の第1面側凸部63Aの間に貫通部80Aが設けられている。
同様に、第1面側凸部列62Bは第1方向(図中のX方向)に沿って配列された複数の第1面側凸部63Bから構成され、複数の第1面側凸部63Bの間に貫通部80Bが設けられている。
同様に、第1面側凸部列62Cは第1方向(図中のX方向)に沿って配列された複数の第1面側凸部63Cから構成され、複数の第1面側凸部63Cの間に貫通部80Cが設けられている。
同様に、第1面側凸部列62Dは第1方向(図中のX方向)に沿って配列された複数の第1面側凸部63Dから構成され、複数の第1面側凸部63Dの間に貫通部80Dが設けられている。
ここで、図4に示す例においては、図4(b)に示すように、液流路部50の第1面側第2流路60が有する第1面側凸部列62と、第2面側第2流路70が有する第2面側凸部列72とは、第1金属シート10の第1面10aの法線方向(図中のZ方向)に沿って見た場合に、互いに重なり合う形態として設けられている。
換言すれば、液流路部50の第1面側第2流路60と第2面側第2流路70は、互いに鏡像の関係になっている。
すなわち、図示はしないが、液流路部50の第2面側第2流路70は、第1方向に延びる第2面側主流溝71(71A、71B、71C)、及び、第2面側凸部列72(72A、72B、72C、72D)を有している。
より詳しくは、図4(a)の左側(図中のY方向)から右側に向かって、液流路部50の第2面側第2流路70には、第1方向(図中のX方向)に延びるように、第2面側凸部列72A、72B、72C、72Dが設けられており、第2面側凸部列72A、72Bの間に、第2面側凸部列72A、72Bに隣接する第2面側主流溝71Aがあり、第2面側凸部列72B、72Cの間に、第2面側凸部列72B、72Cに隣接する第2面側主流溝71Bがあり、第2面側凸部列72C、72Dの間に、第2面側凸部列72C、72Dに隣接する第2面側主流溝71Cがある。
そして、第2面側凸部列72(72A、72B、72C、72D)は、それぞれ第1方向に沿って配列された複数の第2面側凸部73(73A、73B、73C、73D)から構成され、複数の第2面側凸部73(73A、73B、73C、73D)の間に貫通部80(80A、80B、80C、80D)が設けられている。
上記のように、ベーパーチャンバ1の液流路部50においては、第1金属シート10の第1面10a側に第1面側第2流路60が形成されており、第1金属シート10の第2面10b側に第2面側第2流路70が形成されているため、第1金属シート10の片面にのみ凝縮液流路が設けられているタイプに比べて、平面占有率を変えることなく作動流体2の凝縮液の質量流量(単位例:グラム毎秒)を増加(例えば2倍に増加)できる。それゆえ、液状の作動流体2の輸送能力を、より向上させることができる。
さらに、ベーパーチャンバ1の液流路部50においては、第1面側第2流路60と第2面側第2流路70とが、互いに貫通部80を介して連通しているため、一方の面側の流路(例えば、第1面側第2流路60)において作動流体2の凝縮液が不足する場合にも、貫通部80を介して他の面側の流路(例えば、第2面側第2流路70)から作動流体2の凝縮液が供給されるため、両方の面側の流路において、作動流体2の凝縮液の不足を補い合うことができる。それゆえ、液状の作動流体2の輸送能力を、さらに向上させることができる。
また、図4(a)に示すように、ベーパーチャンバ1の液流路部50においては、第1方向(図中のX方向)に直交する方向において、一の貫通部80と他の貫通部80との間には第1面側凸部63及び第2面側凸部73が配置されている。
例えば、貫通部80Aと貫通部80Cとの間には第1面側凸部63B及び第2面側凸部73Bが配置されている。同様に、貫通部80Bと貫通部80Dとの間には第1面側凸部63C及び第2面側凸部73Cが配置されている。
それゆえ、第1方向(図中のX方向)に直交する方向において、一の貫通部80と他の貫通部80とがつながってしまい、想定外の巨大な貫通部が形成されてしまうことを防止することができる。
例えば、液流路部50に上記のような想定外の巨大な貫通部が形成されてしまった場合、微細な流路構造に基づく毛細管作用による液状の作動流体2の輸送能力が低下してしまうおそれがある。
また、ベーパーチャンバ1の製造工程、特に第1金属シートのエッチングの工程において、液流路部50が断線したり、部分的に破壊が生じたりするおそれがある。
一方、図4(a)に示すように、ベーパーチャンバ1においては、第1方向(図中のX方向)に直交する方向において、例えば、貫通部80Cの両脇には、第1面側凸部63Bと第1面側凸部63Dが壁状に設けられており、上記のようなおそれはない。
さらに、貫通部80Cと第1面側凸部63Bの間には、第1方向(図中のX方向)に延びる第1面側主流溝61Bが配置され、貫通部80Cと第1面側凸部63Dの間には、第1方向(図中のX方向)に延びる第1面側主流溝61Cが配置されているため、第1方向(図中のX方向)と裏面(第2面)の両方に対して毛細管作用による作動流体2の輸送能力を有することができる。
なお、図4に示す例において、第1面側凸部63(63A、63B、63C、63D)は、いずれも同じ形状で同じ大きさとしているが、本実施形態において、各第1面側凸部は、それぞれ異なる形状や異なる大きさであってもよい。第2面側凸部73についても同様である。
また、図4に示す例においては、第1金属シート10の第1面10aの法線方向(図中のZ方向)に沿って見た場合に、第1面側凸部63と第2面側凸部73とは、互いに重なり合う形態を示したが、本実施形態においては、第1金属シート10の第1面10aの法線方向(図中のZ方向)に沿って見た場合に、第2面側凸部73は第1面側凸部63と少なくとも部分的に重なる形態であってもよい。
例えば、第1面側凸部63と第2面側凸部73とが、いずれも同じ形状で同じ大きさに設計され、設計上は互いに重なり合うように配置されている場合であっても、実際の製品では、両面の位置合わせの精度(例えば、後述する図7(b)における第1面側レジストパターン91と第2面側レジストパターン92との位置合わせ精度)によって、第1面側凸部63と第2面側凸部73とは、少しずれて重なることが生じ得る。
このようなずれが生じても、上記のような効果を奏する貫通部80、第1面側第2流路60、第2面側第2流路70が形成されれば、本実施形態のべーパーチャンバとして十分機能する。
すなわち、本実施形態においては、第1金属シート10の第1面10aの法線方向(図中のZ方向)に沿って見た場合に、第2面側凸部73は第1面側凸部63と少なくとも部分的に重なる形態であってもよい。
また、同様に、例え第1面側凸部63と第2面側凸部73とが、いずれも同じ形状で同じ大きさに設計されていても、製造工程によって、各形状や各大きさは、異なるものになる場合がある。
このような場合も、上記のような効果を奏する貫通部80、第1面側第2流路60、第2面側第2流路70が形成されれば、本実施形態のべーパーチャンバとして十分機能する。
例えば、第1面側凸部63と第2面側凸部73とが、それぞれ異なる形状や異なる大きさを有する場合も、第1金属シート10の第1面10aの法線方向(図中のZ方向)に沿って見た場合に、第2面側凸部73が第1面側凸部63と少なくとも部分的に重なる形態であればよい。
なお、この少なくとも部分的に重なる形態には、例えば、第1金属シート10の第1面10aの法線方向(図中のZ方向)に沿って見た場合に、第1面側凸部63と第2面側凸部73のどちらか一方が、どちらか他方の中に納まる形態も含まれる。
例えば、第1金属シート10の第1面10aの法線方向(図中のZ方向)に沿って見た場合に、第2面側凸部73が第1面側凸部63の中に納まる形態や、逆に、第1面側凸部63が第2面側凸部73の中に納まる形態も含まれる。
また、図4に示す例においては、貫通部80(80A、80B、80C、80D)は、いずれも同じ形状で同じ大きさとしているが、本実施形態において、各貫通部は、それぞれ異なる形状や異なる大きさであってもよい。
ここで、貫通部80A、80Dは、液流路部50の端面で液状の作動流体2の保持が可能な形状を有するものであり、例えば、蒸発部4およびその近傍では、蒸発に必要な液状の作動流体2を保持し、蒸発部4から離れた所では、蒸気から凝縮して液状になった作動流体2を保持する。
これにより、温度変化や圧力変化によって作動流体2の蒸発量や凝縮量に変動が生じた場合でも、作動流体2の相変化の状態を、より一定に保つことができる。
なお、このような作用効果は、例えば、貫通部80B、80Cを設けない構成、すなわち、液流路部50の内側には貫通部を設けずに、液流路部50の端面に貫通部を設ける構成においても得ることができる。
また、図4においては、第1面側凸部列62が4列の例を示したが、本実施形態においては、これに限定されず、より多くの第1面側凸部列を有していてもよい。第2面側凸部列72についても同様である。
図5は、図4に示す第1面側第2流路のレジストパターンの例を説明する図である。また、図6は、図4に示す第2面側第2流路のレジストパターンの例を説明する図である。
図5に示す第1面側レジストパターン91(91A、91B、91C、91D)と、図6に示す第2面側レジストパターン92(92A、92B、92C、92D)とは、互いに鏡像の関係になっている。
本実施形態のベーパーチャンバ1の液流路部50は、エッチング液を用いて金属材料シートをハーフエッチングすることにより形成することができる。
例えば、金属材料シートMをハーフエッチングすることにより、図5に示す第1面側レジストパターン91から第1面側凸部63を形成することができる。より詳しくは、第1面側レジストパターン91Aから第1面側凸部63Aを形成し、第1面側レジストパターン91Bから第1面側凸部63Bを形成し、第1面側レジストパターン91Cから第1面側凸部63Cを形成し、第1面側レジストパターン91Dから第1面側凸部63Dを形成することができる。
同様に、図6に示す第2面側レジストパターン92から第2面側凸部73を形成することができる。より詳しくは、第2面側レジストパターン92Aから第2面側凸部73Aを形成し、第2面側レジストパターン92Bから第2面側凸部73Bを形成し、第2面側レジストパターン92Cから第2面側凸部73Cを形成し、第2面側レジストパターン92Dから第2面側凸部73Dを形成することができる。
また、エッチング液を用いたハーフエッチングにおいては、エッチングされる面積が大きい方がエッチングされる面積が小さい方よりも、エッチングされる深さが深くなり易いという性質がある。それゆえ、各レジストパターンの間隔を調整することで、各貫通部を形成することができる。
例えば、図5に示す例において、図中のY方向における第1面側レジストパターン91Aと第1面側レジストパターン91Cとの間隔、及び、図中のX方向における第1面側レジストパターン91B同士の間隔を調整することで、第1面側レジストパターン91A、第1面側レジストパターン91B、第1面側レジストパターン91C、第1面側レジストパターン91Bで囲まれる領域に貫通部80Bを形成することができる。
(ベーパーチャンバの製造方法)
次に、ベーパーチャンバ1の製造方法について、図7および図8を用いて説明する。
ここで、図7は、図3に示すベーパーチャンバの製造方法の一例を示す工程図である。また、図8は、図7に続くベーパーチャンバの製造方法の一例を示す工程図である。
本実施形態のベーパーチャンバ1の製造方法は、第1金属シート10となる金属材料シートMにハーフエッチングを施して第1流路40および液流路部50を形成する第1金属シート加工工程と、前記ハーフエッチングを施した第1金属シート10に第2金属シート20および第3金属シート30を接合して密封空間3を形成する接合工程と、密封空間3に作動流体2を封入する封入工程と、を備える。
[第1金属シート加工工程]
まず、図7(a)に示すように、準備工程として、平板状の金属材料シートMを準備する。
次に、図7(b)に示すように、金属材料シートMの第1面Ma側に第1面側レジストパターン91を形成し、第2面Mb側に第2面側レジストパターン92を形成する。
ここで、第1面側レジストパターン91は、上述した図5に示すレジストパターンであり、第2面側レジストパターン92は、上述した図6に示すレジストパターンである。いずれもフォトリソグラフィー技術により形成される。
次に、図7(c)に示すように、金属材料シートMの第1面Ma側および第2面Mb側の両面側から、それぞれエッチング液を用いたハーフエッチングを行い、その後、図7(d)に示すように、第1面側レジストパターン91および第2面側レジストパターン92を除去して、第1流路40および液流路部50が形成された第1金属シート10を得る。
エッチング液には、例えば、塩化第二鉄水溶液等の塩化鉄系エッチング液、または塩化銅水溶液等の塩化銅系エッチング液を用いることができる。
なお、上記の「ハーフエッチング」とは、材料を貫通しないような凹部を形成するためのエッチングを意味している。このハーフエッチングにより形成される凹部の深さは、金属材料シートMの厚さの半分であることには限られない。この深さを含む凹部の形状は、用いるエッチング液の成分や、各種エッチング条件(温度、スプレー圧力等)により、調整することが可能である。
それゆえ、両面からハーフエッチングを行うことで、所定の部位には材料を貫通しないような凹部を形成しつつ、他の所定の部位には材料を貫通した貫通部を形成することができる。
[接合工程]
次に、図8(e)に示すように、第2金属シート20および第3金属シート30を準備し、次いで、図8(f)に示すように、仮止めとして、ハーフエッチングを施した第1金属シート10の第1面10aの側に第2金属シート20を固定し、第1金属シート10の第2面10bの側に第3金属シート30を固定する。
固定の方法としては、特に限られることはないが、例えば、スポット的に抵抗溶接を行うことが好適である。抵抗溶接の代わりにレーザ溶接を行ってもよい。あるいは、超音波を照射して超音波接合してもよい。さらには、接着剤を用いてもよいが、有機成分を有しないか、若しくは有機成分が少ない接着剤を用いることが好適である。
仮止めの後、図8(g)に示すように、第2金属シート20と第3金属シート30とが、第1金属シート10のそれぞれの面に、拡散接合によって恒久的に接合される。これにより、第2金属シート20と第3金属シート30との間に密封空間3が形成される。
なお、拡散接合とは、接合する各金属シートを密着させ、真空や不活性ガス中などの制御された雰囲気中で、各金属シートを密着させる方向に加圧するとともに加熱して、接合面に生じる原子の拡散を利用して接合する方法である。
拡散接合は、接合する各金属シートを融点に近い温度まで加熱するが、融点よりは低いため、各金属シートが溶融して変形することを回避できる。
[封入工程]
図示はしないが、上記の恒久的な接合の後、封入工程として、注入部5(図2参照)から密封空間3に作動流体2が注入される。
この際、まず、密封空間3が真空引きされて減圧され(例えば、5Pa以下、好ましくは1Pa以下)、その後に、作動流体2が密封空間3に注入される。作動流体2の封入量は、ベーパーチャンバ1内部の液流路部50の構成にもよるが、例えば、密封空間3の全容積に対して10%~40%とすることができる。
作動流体2の注入の後、注入部5が封止される。例えば、注入部5にレーザを照射し、注入部5を部分的に溶融させて封止する。なお、この封止の方法は、注入部5をかしめてもよく(押圧して塑性変形させてもよく)、またはろう付けしてもよい。
以上のようにして、本実施の形態によるベーパーチャンバ1が得られる。
<第2の実施形態>
次に、図9~図13を用いて、本発明の第2の実施形態によるベーパーチャンバについて説明する。
なお、本発明の第2の実施形態によるベーパーチャンバは、その液流路部の形態が、本発明の第1の実施形態によるベーパーチャンバと相違するものであり、他の構成については、本発明の第1の実施形態によるベーパーチャンバと同様とすることができる。
また、本発明の第2の実施形態によるベーパーチャンバの製造方法も、本発明の第1の実施形態によるベーパーチャンバの製造方法と同様とすることができる。
図9は、本発明の第2の実施形態によるベーパーチャンバの液流路部150の一例を示す図であり、図9(a)は拡大上面図、図9(b)は図9(a)のC-C線断面図である。換言すれば、図9(a)は、本発明の第2の実施形態によるベーパーチャンバを構成する第1金属シート110の第1面の法線方向に沿って見た場合の第1面側第2流路160について示す図である。
図9(a)に示す液流路部150において、後述する各第1面側凸部163のうち第1金属シート110の第1面(図3に示す第1金属シート10の第1面10aに相当)に該当する部分には濃度が濃いパターンを付し、後述する貫通部180、181にはパターンを付さず、これら以外の部分には濃度が薄いパターンを付している。
また、図9(a)においては、第1面側第2流路160が有する第1面側凸部163(163A、163B、163C、163D)と、第2面側第2流路170が有する第2面側凸部173(173A、173B、173C)との配置関係を解り易くするために、第1金属シート110の第1面側から見た場合の第2面側凸部173(173A、173B、173C)の配置を破線で示している。
また、図10は、図9に示す液流路部150の第1面側第2流路160を説明する図であり、図11は、図9に示す液流路部150の第2面側第2流路170を説明する図である。
図9と同様に、図10においても、後述する各第1面側凸部163のうち第1金属シート110の第1面に該当する部分には濃度が濃いパターンを付し、後述する貫通部180、181にはパターンを付さず、これら以外の部分には濃度が薄いパターンを付している。
また、図11においては、後述する各第2面側凸部173のうち第1金属シート110の第2面(図3に示す第1金属シート10の第2面10bに相当)に該当する箇所に、他の個所よりも濃度が濃いパターンを付し、後述する貫通部180、181にはパターンを付さず、これら以外の部分には濃度が薄いパターンを付している。
図9(a)および図10に示すように、液流路部150の第1面側第2流路160は、第1方向(図中のX方向)に延びる第1面側主流溝161(161A、161B、161C)、及び、第1面側凸部列162(162A、162B、162C、162D)を有している。
より詳しくは、図10の左側(図中のY方向)から右側に向かって、第1面側第2流路160には、第1方向(図中のX方向)に延びるように、第1面側凸部列162A、162B、162C、162Dが設けられており、第1面側凸部列162A、162Bの間に、第1面側凸部列162A、162Bに隣接する第1面側主流溝161Aがあり、第1面側凸部列162B、162Cの間に、第1面側凸部列162B、162Cに隣接する第1面側主流溝161Bがあり、第1面側凸部列162C、162Dの間に、第1面側凸部列162C、162Dに隣接する第1面側主流溝161Cがある。
また、図11に示すように、液流路部150の第2面側第2流路170は、第1方向に延びる第2面側主流溝171(171A、171B)、及び、第2面側凸部列172(72A、72B、72C、72D)を有している。
より詳しくは、図11の左側(図中のY方向)から右側に向かって、第2面側第2流路170には、第1方向(図中のX方向)に延びるように、第2面側凸部列172A、172B、172Cが設けられており、第2面側凸部列172A、172Bの間に、第2面側凸部列172A、172Bに隣接する第2面側主流溝171Aがあり、第2面側凸部列172B、172Cの間に、第2面側凸部列172B、172Cに隣接する第2面側主流溝171Bがある。
ここで、上述した図4に示す例においては、図4(b)に示すように、液流路部50の第1面側第2流路60が有する第1面側凸部列62と、第2面側第2流路70が有する第2面側凸部列72とは、第1金属シート10の第1面10aの法線方向(図中のZ方向)に沿って見た場合に、互いに重なり合う形態として設けられていた。
一方、この図9~図11に示す例においては、第1金属シート110の第1面の法線方向(図中のZ方向)に沿って見た場合に、第2面側第2流路170が有する第2面側凸部173(173A、173B、173C)は、それぞれ対応する、第1面側第2流路160が有する第1面側主流溝161(161A、161B、161C)と重なる領域に設けられている。
より詳しくは、第2面側凸部173Aは、第1面側主流溝161Aと重なる領域に設けられており、第2面側凸部173Bは、第1面側主流溝161Bと重なる領域に設けられており、第2面側凸部173Cは、第1面側主流溝161Cと重なる領域に設けられている。
このような形態を有するため、本実施形態においては、第1金属シート110の第1面の法線方向に沿って見た場合に、第1面側主流溝161(161A、161B、161C)と第2面側主流溝171(171A、171B)のどちらか一方の幅が他方の幅よりも大きい形態とすることができる。
図9~図11に示す例においては、第2面側主流溝171(171A、171B)の幅W3が、第1面側主流溝161(161A、161B、161C)の幅W2よりも大きい。
また、本実施形態においては、第1金属シート110の第1面の法線方向に沿って見た場合に、第1方向(図中のX方向)に沿って配列された複数の第1面側凸部163(163A、163B、163C、163D)の間に設けられている貫通部180(180A、180B、180C、180D)が、第1方向に沿って配列された複数の第2面側凸部173(173A、173B、173C)の間に設けられている貫通部181(181A、181B、181C)よりも大きい形態とすることができる。
図9~図11に示す例においては、貫通部180(180A、180B、180C、180D)が貫通部181(181A、181B、181C)よりも大きい。
そして、上記のように、液流路部150の第1面側と第2面側において、主流溝と貫通部の相対的な大きさを変えることで、幅が大きい主流溝を有する流路で大量の作動流体2の凝縮液を輸送することができ、相対的に毛管力作用が強くなる小さい貫通部、さらに幅が小さい主流溝を有する流路の順に凝縮液の流れを得ることが可能になる。
また、幅が小さい主流溝を有する流路は、毛管力作用が強いため、液状の作動流体2の凝縮液を輸送する力が強い一方、流路抵抗は大きいため作動流体2の蒸気が混入してくることを防ぐことができる。
これらの総合的な効果により、効率良く液状の作動流体2の凝縮液を蒸発部4に供給することができるため、ベーパーチャンバの熱輸送能力を高めることができる。
また、本実施形態においても、上記の第1の実施形態と同様に、液流路部150においては、第1金属シート110の両面に作動流体2の凝縮液が流れる凝縮液流路が設けられているため、第1金属シート110の片面にのみ凝縮液流路が設けられているタイプに比べて、液状の作動流体2の輸送能力を、より向上させることができる。
また、本実施形態においても、上記の第1の実施形態と同様に、液流路部150においては、第1面側第2流路160と第2面側第2流路170とが、互いに貫通部180、181を介して連通しているため、一方の面側の流路(例えば、第1面側第2流路160)において作動流体2の凝縮液が不足する場合にも、貫通部180、181を介して他の面側の流路(例えば、第2面側第2流路170)から作動流体2の凝縮液が供給されるため、両方の面側の流路において、作動流体2の凝縮液の不足を補い合うことができる。それゆえ、液状の作動流体2の輸送能力を、さらに向上させることができる。
また、図9(a)に示すように、液流路部150においては、第1方向(図中のX方向)に直交する方向において、一の貫通部180と他の貫通部181との間には第1面側凸部163及び第2面側凸部173が配置されている。
それゆえ、第1方向(図中のX方向)に直交する方向において、一の貫通部180と他の貫通部181とがつながってしまい、想定外の巨大な貫通部が形成されてしまうことを防止することができる。
図12は、図10に示す第1面側第2流路のレジストパターンの例を説明する図である。また、図13は、図11に示す第2面側第2流路のレジストパターンの例を説明する図である。
本実施形態のベーパーチャンバの液流路部150も、上述の第1の実施形態において説明したベーパーチャンバの製造方法と同様にして、エッチング液を用いて金属材料シートをハーフエッチングすることにより形成することができる。
例えば、金属材料シートMをハーフエッチングすることにより、図12に示す第1面側レジストパターン191(191A、191B、191C、191D)からそれぞれ対応する第1面側凸部163(163A、163B、163C、163D)を形成することができる。
より詳しくは、第1面側レジストパターン191Aから第1面側凸部163Aを形成し、第1面側レジストパターン191Bから第1面側凸部163Bを形成し、第1面側レジストパターン191Cから第1面側凸部163Cを形成し、第1面側レジストパターン191Dから第1面側凸部163Dを形成することができる。
同様に、図13に示す第2面側レジストパターン192(192A、192B、192C)から、それぞれ対応する、第2面側凸部173(173A、173B、173C)を形成することができる。
より詳しくは、第2面側レジストパターン192Aから第2面側凸部173Aを形成し、第2面側レジストパターン192Bから第2面側凸部173Bを形成し、第2面側レジストパターン192Cから第2面側凸部173Cを形成し、第2面側レジストパターン192Dから第2面側凸部173Dを形成することができる。
また、エッチング液を用いたハーフエッチングにおいては、エッチングされる面積が大きい方がエッチングされる面積が小さい方よりも、エッチングされる深さが深くなり易いという性質がある。それゆえ、各レジストパターンの間隔を調整することで、各貫通部を形成することができる。
例えば、図12における図中のY方向における第1面側レジストパターン191Aと第1面側レジストパターン191Bとの間隔、及び、図13における図中のX方向における第2面側レジストパターン192A同士の間隔を調整することで、貫通部181Aを形成することができる。
同様に、図12における図中のY方向における第1面側レジストパターン191Bと第1面側レジストパターン191Cとの間隔、及び、図13における図中のX方向における第2面側レジストパターン192B同士の間隔を調整することで、貫通部181Bを形成することができる。
同様に、図12における図中のY方向における第1面側レジストパターン191Cと第1面側レジストパターン191Dとの間隔、及び、図13における図中のX方向における第2面側レジストパターン192C同士の間隔を調整することで、貫通部181Cを形成することができる。
また、図12における図中のX方向における第1面側レジストパターン191A同士の間隔を調整することで、貫通部180Aを形成することができる。
同様に、図12における図中のX方向における第1面側レジストパターン191B同士の間隔、及び、図13における図中のY方向における第2面側レジストパターン192Aと第2面側レジストパターン192Bとの間隔を調整することで、貫通部180Bを形成することができる。
同様に、図12における図中のX方向における第1面側レジストパターン191C同士の間隔、及び、図13における図中のY方向における第2面側レジストパターン192Bと第2面側レジストパターン192Cとの間隔を調整することで、貫通部180Cを形成することができる。
同様に、図12における図中のX方向における第1面側レジストパターン191D同士の間隔を調整することで、貫通部180Dを形成することができる。
以上、本発明に係るベーパーチャンバ、電子機器、及び、ベーパーチャンバ用金属シートについて、それぞれの実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
1 ベーパーチャンバ
2 作動流体
3 密封空間
4 蒸発部
5 注入部
6 周縁壁
10 第1金属シート
10a 第1面
10b 第2面
20 第2金属シート
30 第3金属シート
40 第1流路
50 液流路部
60 第1面側第2流路
61、61A、61B、61C 第1面側主流溝
62、62A、62B、62C、62D 第1面側凸部列
63、63A、63B、63C、63D 第1面側凸部
70 第2面側第2流路
71 第2面側主流溝
72 第2面側凸部列
73 第2面側凸部
80、80A、80B、80C、80D 貫通部
91、91A、91B、91C、91D 第1面側レジストパターン
92、92A、92B、92C、92D 第2面側レジストパターン
110 第1金属シート
140 第1流路
150 液流路部
160 第1面側第2流路
161、161A、161B、161C 第1面側主流溝
162、162A、162B、162C、162D 第1面側凸部列
163、163A、163B、163C、163D 第1面側凸部
170 第2面側第2流路
171 第2面側主流溝
172 第2面側凸部列
173、173A、173B、173C 第2面側凸部
180、180A、180B、180C、180D 貫通部
181、181A、181B、181C 貫通部
191、191A、191B、191C、191D 第1面側レジストパターン
192、192A、192B、192C 第2面側レジストパターン
D 電子部品
E 電子機器
H 筐体
M 金属材料シート
Ma 第1面
Mb 第2面

Claims (15)

  1. 密封空間に作動流体が封入されたベーパーチャンバであって、
    第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有する第1金属シートと、
    前記第1金属シートの前記第1面側に積層された第2金属シートと、
    前記第1金属シートの前記第2面側に積層された第3金属シートと、
    を備え、
    前記第1金属シートの前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、複数の第1流路と複数の液流路部とが、交互配置されて第1方向に延びており、
    前記第1面から前記第2面を貫通して、前記第1流路が形成されており、
    前記液流路部においては、
    前記第1金属シートの前記第1面側に第1面側第2流路が形成されており、
    前記第1金属シートの前記第2面側に第2面側第2流路が形成されており、
    前記第1面側第2流路と、前記第2面側第2流路とが、互いに貫通部を介して連通しており、
    前記第1面側第2流路は、前記第1方向に延びる第1面側主流溝と、前記第1面側主流溝に隣接する第1面側凸部列と、を有し、前記第1面側凸部列は第1方向に沿って配列された複数の第1面側凸部から構成され、複数の前記第1面側凸部の間に前記貫通部が設けられており、
    前記第2面側第2流路は、前記第1方向に延びる第2面側主流溝と、前記第2面側主流溝に隣接する第2面側凸部列と、を有し、前記第2面側凸部列は第1方向に沿って配列された複数の第2面側凸部から構成され、複数の前記第2面側凸部の間に前記貫通部が設けられている、ベーパーチャンバ。
  2. 前記第1流路は、前記作動流体の蒸気が流れる蒸気流路であり、
    前記第1面側第2流路及び前記第2面側第2流路は、前記第1流路より流路断面積が小さくされ、前記作動流体の凝縮液が流れる凝縮液流路である、請求項1に記載のベーパーチャンバ。
  3. 前記第1方向に直交する方向において、一の前記貫通部と他の前記貫通部との間には前記第1面側凸部及び前記第2面側凸部が配置されている、請求項1または請求項2に記載のベーパーチャンバ。
  4. 前記第1金属シートの前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、
    前記第2面側凸部が前記第1面側凸部と少なくとも部分的に重なる、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のベーパーチャンバ。
  5. 前記第1金属シートの前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、
    前記第2面側凸部が前記第1面側主流溝と重なる領域に設けられている、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のベーパーチャンバ。
  6. 前記第1金属シートの前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、
    前記第1面側主流溝と前記第2面側主流溝のどちらか一方の幅が他方の幅よりも大きい、請求項5に記載のベーパーチャンバ。
  7. 前記第1金属シートの前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、
    前記第1方向に沿って配列された複数の前記第1面側凸部の間に設けられている前記貫通部が、前記第1方向に沿って配列された複数の前記第2面側凸部の間に設けられている前記貫通部よりも大きい、
    若しくは、
    前記第1方向に沿って配列された複数の前記第2面側凸部の間に設けられている前記貫通部が、前記第1方向に沿って配列された複数の前記第1面側凸部の間に設けられている前記貫通部よりも大きい、
    請求項5または請求項6に記載のベーパーチャンバ。
  8. 筐体と、
    前記筐体の内側に配置された電子部品と、
    前記電子部品に配置された請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載されたベーパーチャンバと、
    を備える、電子機器。
  9. 第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有するベーパーチャンバ用金属シートであって、
    前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、複数の第1流路と複数の液流路部とが、交互配置されて第1方向に延びており、
    前記第1面から前記第2面を貫通して、前記第1流路が形成されており、
    前記液流路部においては、
    前記第1面側に第1面側第2流路が形成されており、
    前記第2面側に第2面側第2流路が形成されており、
    前記第1面側第2流路と、前記第2面側第2流路とが、互いに貫通部を介して連通しており、
    前記第1面側第2流路は、前記第1方向に延びる第1面側主流溝と、前記第1面側主流溝に隣接する第1面側凸部列と、を有し、前記第1面側凸部列は第1方向に沿って配列された複数の第1面側凸部から構成され、複数の前記第1面側凸部の間に前記貫通部が設けられており、
    前記第2面側第2流路は、前記第1方向に延びる第2面側主流溝と、前記第2面側主流溝に隣接する第2面側凸部列と、を有し、前記第2面側凸部列は第1方向に沿って配列された複数の第2面側凸部から構成され、複数の前記第2面側凸部の間に前記貫通部が設けられている、ベーパーチャンバ用金属シート。
  10. 前記第1流路は作動流体の蒸気が流れるべき蒸気流路であり、
    前記第1面側第2流路及び前記第2面側第2流路は前記第1流路より流路断面積が小さくされ、前記作動流体の凝縮液が流れるべき凝縮液流路である、請求項9に記載のベーパーチャンバ用金属シート。
  11. 前記第1方向に直交する方向において、一の前記貫通部と他の前記貫通部との間には前記第1面側凸部及び前記第2面側凸部が配置されている、請求項9または請求項10に記載のベーパーチャンバ用金属シート。
  12. 前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、
    前記第2面側凸部が前記第1面側凸部と少なくとも部分的に重なる、請求項9乃至請求項11のいずれか一項に記載のベーパーチャンバ用金属シート。
  13. 前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、
    前記第2面側凸部が前記第1面側主流溝と重なる領域に設けられている、請求項9乃至請求項11のいずれか一項に記載のベーパーチャンバ用金属シート。
  14. 前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、
    前記第1面側主流溝と前記第2面側主流溝のどちらか一方の幅が他方の幅よりも大きい、請求項13に記載のベーパーチャンバ用金属シート。
  15. 前記第1面の法線方向に沿って見た場合に、
    前記第1方向に沿って配列された複数の前記第1面側凸部の間に設けられている前記貫通部が、前記第1方向に沿って配列された複数の前記第2面側凸部の間に設けられている前記貫通部よりも大きい、
    若しくは、
    前記第1方向に沿って配列された複数の前記第2面側凸部の間に設けられている前記貫通部が、前記第1方向に沿って配列された複数の前記第1面側凸部の間に設けられている前記貫通部よりも大きい、
    請求項13または請求項14に記載のベーパーチャンバ用金属シート。

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