JP7242372B2 - 居住用ユニット - Google Patents
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Description
断熱性能を有し、かつ前記ユニット本体2の外側面を被覆する複数の木質パネルと、を備える居住用ユニット1であって、
前記複数の木質パネルには、
少なくとも前記四隅の柱20と前記複数の天井梁21,22のそれぞれに沿って配置され、かつ当該四隅の柱20及び複数の天井梁21,22おける外側面を被覆するようにして設けられるフレーム材用パネル3(3A,3B)と、
前記天井梁21,22と前記床梁23,24との間に架け渡されるようにして設けられ、かつ、前記四隅の柱20における外側面を被覆する前記フレーム材用パネル3(3A)間に複数並べられて配置される壁用木質パネル4と、が含まれており、
前記四隅の柱20及び前記複数の天井梁21,22が揺動した場合に、前記フレーム材用パネル3(3A,3B)は、前記四隅の柱20及び前記複数の天井梁21,22と同期して動作し、前記壁用木質パネル4は、前記四隅の柱20及び前記複数の天井梁21,22と同期した動作を行わないことを特徴とする。
すなわち、ヒートブリッジなど低温環境下における影響を受けやすい鉄骨の四隅の柱20や複数の天井梁21,22を、フレーム材用パネル3(3A,3B)によって被覆することができるので、断熱性の向上を図ることができる。また、このようなフレーム材用パネル3(3A,3B)は、四隅の柱20及び複数の天井梁21,22と同期して動作するので、例えば地震や強風によってユニット本体2が振動しても、四隅の柱20及び複数の天井梁21,22を被覆した状態を維持できる。
さらに、壁用木質パネル4は、四隅の柱20及び複数の天井梁21,22と同期した動作を行わないので、ユニット本体2の振動に極端に影響されることなく、ユニット本体2の側面を被覆することができ、断熱性の維持に貢献できる。
前記壁用木質パネル4の外周端面には弾力性を有する緩衝材10が設けられ、当該緩衝材10は、前記複数の木質パネルのうち隣接する木質パネル(フレーム材用パネル3、壁用木質パネル4、屋根用木質パネル5、端部用屋根パネル6)との間で潰れた状態となっていることを特徴とする。
前記複数の木質パネルには、
前記複数の天井梁21,22間に架け渡される複数の屋根用木質パネル5,6が更に含まれていることを特徴とする。
前記四隅の柱20における外側面を被覆する前記フレーム材用パネル3(3A)間に複数並べられて配置された壁用木質パネル4の上に、前記複数の天井梁21,22を被覆する前記フレーム材用パネル3(3B)が設けられ、その上方に、前記複数の屋根用木質パネル5,6が設けられていることを特徴とする。
前記四隅の柱20を被覆する前記フレーム材用パネル3(3A)の上端部と、前記複数の天井梁21,22を被覆する前記フレーム材用パネル3(3B)の側端部とが連結されていることを特徴とする。
複数の木質パネルには、少なくとも四隅の柱20と複数の天井梁21,22のそれぞれに沿って配置され、かつ当該四隅の柱20及び複数の天井梁21,22おける外側面を被覆するようにして設けられるフレーム材用パネル3(3A,3B)と、天井梁21,22と床梁23,24との間に架け渡されるようにして設けられ、かつ、四隅の柱20における外側面を被覆するフレーム材用パネル3(3A)間に複数並べられて配置される壁用木質パネル4と、が含まれている。
そして、フレーム材用パネル3(3A,3B)は、四隅の柱20及び複数の天井梁21,22と同期して動作し、壁用木質パネル4は、カーテンウォールとして機能する。
なお、連結スペース50による二つの居住用ユニット1(1A,1B)の連結態様は、本実施形態のように二つの居住用ユニット1A,1Bの長辺側同士を連結するパターンの他にも、短辺側同士を連結するパターンや、略L字状に連結するパターンがある。また、三つ以上の居住用ユニット1を適宜連結してもよい。さらに、略L字状に連結するパターンでは、L字の内角側に、居住用ユニットでは構成されない居住スペース拡張構造(本実施形態において後述する連結床構造及び被覆構造を応用する。)を採用し、矩形状の居住スペースSを形成できるようにしてもよい。
なお、本実施形態におけるユニット本体2は、鉄骨造によるラーメン構造とされるが、これに限られるものではなく、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造によるラーメン構造でもよい。
なお、本実施形態においては、居住用ユニット1が寒冷地や極地、月面等で使用されることが想定されている。月面で使用される場合は、断熱性と共に気密性の高さも求められる。また、このような居住用ユニット1は、当該居住用ユニット1を支持する架台40に載せられて連結される。
ユニット本体2は、上記のように、四隅の柱20と、四隅の柱20の上端部同士を連結する複数の天井梁21,22と、四隅の柱20の下端部同士を連結する複数の床梁23,24と、を有する。また、ユニット本体2の下端部における四隅には、連結部25が設けられている。ユニット本体2を構成する当該各鉄骨フレーム材20~25は、ボルトや溶接等により剛接合されている。
天井梁被固定板20a及び凸部被固定板20bには、ボルトが通される通し孔が形成されており、それぞれ、天井梁21,22と凸部29がボルト留めされる。
立ち上がり部25bは、後述する木質柱8を上面プレート25a上に立設する場合に使用される。
柱20の上端に対する固定の手段は溶接でもよいし、凸部29側面に貫通孔を形成し、貫通孔を利用して柱20の上端とボルト連結してもよい。
なお、凸部29の上面には、ボルトが通される通し孔が形成されており、端部用屋根パネル6がボルト留めできるようになっている。
例えば、凸部29を、長辺方向に隣り合う二本の柱20の上端面にそれぞれ設置してもよいし、同一対角線上に位置する二本の柱20の上端面にそれぞれ設置してもよいし、平行する短辺天井梁22の上端面における中央付近にそれぞれ設置してもよい。
なお、短辺天井梁22の上面にも支持金物30が設けられてもよい。この場合、端部用屋根パネル6が短辺天井梁22上の支持金物30によって支持される。
支持金物30は、略逆ハット型に形成されており、天井梁21,22の上面に載置固定される載置面30aと、載置面30aに両側縁に一体形成された立ち上がりの上端部に一体形成された二つの支持面30bと、を有する。複数の屋根用木質パネル5,6は、二つの支持面30bに跨って設けられる。
床受けブラケット32は、複数の床梁23,24におけるウェブ23a,24aの内側面に、互いに間隔を空けて複数固定されており、それぞれがユニット本体2の中央側に突出している。その突出方向先端部に、長尺な床受け部33が一体的に設けられている。すなわち、複数の床受けブラケット32における突出方向先端部間に、長尺な床受け部33が架け渡されて設けられている。
床受け部33は、複数の床受けブラケット32における突出方向先端部の上面に沿って設けられた上面板部33aと、上面板部33aの先端に一体形成されて下方に延びる垂直板部33bと、垂直板部33bの下端部からユニット本体2の中央側に突出する受け板部33cと、を有する。複数の床用木質パネル7は、受け板部33cに載せられた状態となる。
調整材受け部34は、床受けブラケット32と同様の間隔で設けられ、かつ同様のボルトによって床梁23,24に対して固定されている。このような調整材受け部34は、床梁23,24に固定される基端板部34aと、基端板部34aから外側に突出する突出板部34bと、突出板部34bの突出方向先端部から基端板部34aと同方向に折曲形成された被固定板部34cと、を有する。
調整材9は、被固定板部34cに固定されている。なお、調整材受け部34は、上記のように、床受けブラケット32と同様の間隔で設けられているため、調整材9は、複数の調整材受け部34に跨って配置されて固定されている。
なお、複数の天井梁21,22及び複数の床梁23,24には、複数の壁用木質パネル4がユニット本体2に設けられるときに使用される第一取付金物26と第二取付金物27が取り付けられるが、これらについては後述する。
以上のようなユニット本体2は、上記のように、断熱性能を有する複数の木質パネルによって外側面が被覆されている。本実施形態における複数の木質パネルには、フレーム材用パネル3(3A,3B)、壁用木質パネル4、屋根用木質パネル5(端部用屋根パネル6)、床用木質パネル7が含まれており、コーナー部には木質柱8が立設されている。また、壁用木質パネル4の下方には、調整材9が設けられている。
さらに、フレーム材用パネル3(3A,3B)の外側には、当該フレーム材用パネル3(3A,3B)に沿ってコーナー用被覆材15が設けられている。
また、木質パネルを構成する縦横の框材A,B、補助桟材C、面材D,E同士は、接着剤により強固に接合されている。
これらの框材A,Bは、例えば木質パネルの剛性を向上させるため、被固定面の拡張等の目的で、必要に応じて複数枚重ねにして使用されてもよい。
補助桟材Cも、上記の框材A,Bと同様に、必要に応じて複数枚重ねにして使用されてもよい。
木質パネル内部に部材等が設けられる場合、断熱材Fは、当該部材等を避けて設けられるが、断熱性能の低下を防ぐために、当該部材等を包囲するように設けられることが望ましい。なお、各図面中において網目状に表現された断熱材は繊維系断熱材であり、網目状に表現されていない断熱材は発泡樹脂系断熱材である。
図17,図18には、壁用木質パネル4の取り付け作業用に、内側面材Eに対して貫通孔が形成された例が示されている。すなわち、貫通孔から内部にナットや金物等を差し入れたり、手や工具等を差し入れたりする。
なお、木質パネルに形成される貫通孔には、木質パネルを他の部材に対して固定する際のボルトが通される通し孔が含まれるものとし、このような通し孔は、必要な箇所に適宜形成されているものとする。また、ボルト留め(ボルト連結)を行う際は、ボルトの雄ネジと噛み合う雌ネジが形成されたナット等の部材又は構造が適宜利用されるものとする。
木質柱8の下端部における上記の二つの側面は、立ち上がり部25bの厚さ(板厚)分だけ欠き込み加工されている。つまり、木質柱8の下端部における上記の二側面を、L字状の立ち上がり部25bに合わせて固定すると、木質柱8の二側面と、L字状の立ち上がり部25bにおける外側(外角側)の側面とが面一の状態になる。
本実施形態におけるフレーム材用パネル3には、図15,図16,図22,図24,図25に示すように、柱20を被覆するフレーム材用パネル3Aと、天井梁21,22を被覆するフレーム材用パネル3Bと、が含まれている。
フレーム材用パネル3Aは、図15,図16に示すように、居住用ユニット1の四つのコーナー部に対して二つずつ設けられており、木質柱8における直交して隣接する二つの側面に対してそれぞれ固定されている。すなわち、木質柱8と、二つのフレーム材用パネル3Aは、平面視においてL型を為すように配置されている。また、フレーム材用パネル3Aは、連結部25の上面プレート25a上に設置された状態となっている。さらに、上端面には、端部用屋根パネル6が載せられた状態となっている。ここで、上記のように、木質柱8の二側面と、L字状の立ち上がり部25bにおける外側の側面は面一の状態で、段差が生じないため、フレーム材用パネル3Aを、木質柱8の側面に沿って隙間なく固定できるようになっている。
フレーム材用パネル3Aは、柱20の側面から間隔を空けて配置されている。そして、これらフレーム材用パネル3Aと柱20の側面との間の隙間には、図24に示すように、フレーム材用パネル3Aの内側に位置する内側断熱材3aが充填されている。
フレーム材用パネル3Bは、図15,図16に示すように、柱20を被覆するフレーム材用パネル3Aの上端部間に架け渡されて設けられ、柱20を被覆するフレーム材用パネル3Aの上端部同士を連結している。すなわち、二本のフレーム材用パネル3Aと、一本のフレーム材用パネル3Bは門型に組まれた状態となっている。
また、フレーム材用パネル3Bの上面には、屋根用木質パネル5及び端部用屋根パネル6が載せられた状態となっている。
フレーム材用パネル3Bは、天井梁21,22から間隔を空けて配置されている。そして、これらフレーム材用パネル3Bと天井梁21,22との間の隙間には、図22に示すように、フレーム材用パネル3Bの内側に位置する内側断熱材3bが充填されている。内側断熱材3bは、複数の天井梁21,22の外側に設けられた断熱材であり、上方の屋根用木質パネル5,6と側方のフレーム材用パネル3Bに到達するとともに、複数の天井梁21,22のウェブ21a,22aの位置まで充填されている。
換言すれば、各フレーム材用パネル3A,3Bは、門型に組まれた状態であり、更にユニット本体2の連結部25に立設された木質柱8に固定されているため、あたかもユニット本体2と一体化しているかのようにユニット本体2に組み込まれている。
本実施形態における壁用木質パネル4は、図14に示すように、縦横の框材A,B、縦横の補助桟材C、両側面材D,E、断熱材Fを備える。
壁用木質パネル4は、柱20の側面を被覆するフレーム材用パネル3A間に複数並べられて配置されている。本実施形態における居住用ユニット1の場合、長辺方向においては六つの壁用木質パネル4が並べられ、短辺方向においては二つの壁用木質パネル4が並べられている。そして、これら壁用木質パネル4の上には、天井梁21,22を被覆するフレーム材用パネル3Bが設けられた状態となっている。
第一取付金物26は、天井梁21,22における下フランジ21c,22cの下面に取り付けられており、壁用木質パネル4における矩形枠体の上辺を構成する框材Bに固定されている。
より詳細に説明すると、第一取付金物26は、天井梁21,22における下フランジ21c,22cの下面に取り付けられ、かつ外側に延出する第一板部26aと、第一板部26aの延出方向側端部から下方に延びる第二板部26bと、第二板部26bの下端部から外側に延出して框材Bの下面に固定される第三板部26cと、を有する。第三板部26cは、壁用木質パネル4における内側面材Eを貫通しており(内側面材Eに形成された貫通孔に通されており)、框材Bの下面に対して下方から接する。
また、第一取付金物26における基端部となる第一板部26aは、中央部が、天井梁21,22における下フランジ21c,22cに対してボルト28留めされており、左右方向に対して僅かに回転可能となっている。図示はしないが、第一板部26aには、ボルト28が通される通し孔が形成されている。この通し孔は、円孔でもよいし、天井梁21,22の長さ方向に長い長孔でもよい。
なお、本実施形態においては、第一取付金物26は、一つの壁用木質パネル4に対して二つ設けられている。すなわち、壁用木質パネル4の上端部における左右側端部のそれぞれに第一取付金物26の第三板部26cが固定されている。
第二取付金物27は、床梁23,24における上フランジ23b,24bの、居住スペースS側の上面に取り付けられており、壁用木質パネル4における矩形枠体の下辺を構成する框材Bに固定されている。
より詳細に説明すると、第二取付金物27は、床梁23,24における上フランジ23b,24bの、居住スペースS側の上面に取り付けられ、かつ外側に延出する第一板部27aと、第一板部27aの延出方向側端部から上方に延出し、かつ内側面材Eを介して框材Bの側面に固定される第二板部27bと、を有する。そして、壁用木質パネル4の下端部は、床梁23,24における上フランジ23b,24bの、外側の上面に載せられた状態となっている。
また、第二取付金物27における基端部となる第一板部27aは、中央部が、床梁23,24における上フランジ23b,24bに対してボルト28留めされており、左右方向に対して僅かに回転可能となっている。図示はしないが、第一板部27aには、ボルト28が通される通し孔が形成されている。この通し孔は、円孔でもよいし、天井梁21,22の長さ方向に長い長孔でもよい。
なお、本実施形態においては、第二取付金物27は、一つの壁用木質パネル4に対して三つ設けられている。すなわち、壁用木質パネル4の下端部における中央及び左右側端部のそれぞれに第二取付金物27の第二板部27bが固定されている。
緩衝材10は、フィラー材、パッキン材、気密シール等とも呼ばれるものであり、所定の壁用木質パネル4と、当該所定の壁用木質パネル4の外周端面に強く接する部材との間における緩衝機能を発揮するとともに、気密性の向上を図ることができる。緩衝材10の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば天然ゴムやクロロプレンゴム、エチレンプロピンゴム等のゴム系素材が好適に使用されるが、これに限られるものではなく、ポリエチレンなどの樹脂性の素材を使用してもよい。すなわち、弾力性(クッション性)があり、潰れた状態での気密性がある素材であればよい。
なお、本実施形態においては、壁用木質パネル4の外周端面にのみ緩衝材10が設けられるものとするが、他の木質パネル(フレーム材用パネル3、屋根用木質パネル5,6、床用木質パネル7)の外周端面に緩衝材10が設けられてもよい。
内側断熱材4bは、居住用ユニット1における壁のうち、居住スペースSに最も近い位置に設けられた断熱材である。中間断熱材4aは、壁のうち最も外側に位置する壁用木質パネル4内部の断熱材Fと、内側断熱材4bとの間に位置する断熱材である。
また、壁用木質パネル4の内側面材Eにおける両側縁部には、上下方向に沿って角材である下地材4cが取り付けられている。図24に示すように、内側断熱材4bは下地材4cを取付下地として設けられている。中間断熱材4aは、下地材4cと並列に設けられており、壁用木質パネル4、内側断熱材4b、下地材4cに囲まれた状態となっている。
さらに、内側断熱材4bの居住スペースS側面には、内装仕上げ材である内壁材12が設けられている。内壁材12を石膏ボードとし、この石膏ボードの居住スペースS側面に壁クロスを貼り付けてもよい。
本実施形態における屋根用木質パネル5,6は、図11,図12,図20~図22等に示すように、縦横の框材A,B、縦横の補助桟材C、外側面材D、断熱材Fを備える。外側面材Dは上側に設けられている。
屋根用木質パネル5,6には、通常の屋根用木質パネル5と、居住用ユニット1(ユニット本体2)の長辺方向両端部に設けられる端部用屋根パネル6と、が含まれている。
そして、これらの屋根用木質パネル5は、ユニット本体2の長辺方向両端部(四隅の柱20の上端面)に設けられた凸部29を位置決め手段としてユニット本体2の上面に設置されている。すなわち、屋根用木質パネル5をユニット本体2の長辺方向に並べる際に、一つ目の屋根用木質パネル5を凸部29に当接するように配置し、二つ目の屋根用木質パネル5を一つ目の屋根用木質パネル5に当接するように配置する。以降、屋根用木質パネル5を一つ前の屋根用木質パネル5に当接するように配置していけば、ユニット本体2の長辺方向両端部に設けられた凸部29間に、通常の屋根用木質パネル5がぴったりと納まることになる。通常の屋根用木質パネル5を、ユニット本体2の長辺方向両端部側から中央に向かって次々と納めていく方法を採ってもよいものとする。
なお、屋根用木質パネル5として、例えばユニット本体2の長辺方向に沿って長大なものを使用する場合においても、ユニット本体2の長辺方向両端部に設けられた凸部29間に納めればよい。
なお、図20には、長辺方向の框材A同士をボルト連結する際にボルトが通される通し孔が形成されている点と、各屋根用木質パネル5の長さ方向両端部における短辺方向両端部に対してボルトが通される通し孔が形成されている点が示されている。
端部用屋根パネル6は、このように凹部6aを有するため、長辺方向の框材Aが凹部6aの位置で途切れた状態となっている。すなわち、凹部6aは、下方及び側方に開放された状態となっている。さらに、凹部6aを形成するために、補助桟材CがH型に組まれて長辺方向の框材A同士間に組み付けられている。
内側断熱材5aは、複数の天井梁21,22よりも内側に設けられ、居住スペースSの上に配置された断熱材であり、複数の天井梁21,22のウェブ21a,22aの位置まで充填されている。
さらに、内側断熱材5aの居住スペースS側面には、内装仕上げ材である天井材13が設けられている。天井材13を石膏ボードとし、この石膏ボードの居住スペースS側面に天井クロスを貼り付けてもよい。
本実施形態における床用木質パネル7は、図14,図23等に示すように、縦横の框材A,B、縦横の補助桟材C、外側面材D、断熱材Fを備える。外側面材Dは下側に設けられている。
床用木質パネル7のサイズは、通常の屋根用木質パネル5のサイズと同等に設定されており、通常の屋根用木質パネル5と同じく六つの床用木質パネル7が用いられている。これら床用木質パネル7は、互いにボルト連結されている。
なお、複数の床梁23,24は、上記のように、複数の天井梁21,22よりも外側に位置しているが、複数の床受けブラケット32によって床受け部33が居住スペースS側に位置しているため、屋根用木質パネル5と同サイズの床用木質パネル7を、屋根用木質パネル5の真下に設けることができる。
なお、床面材14の表裏両面には蓄熱材が貼り付けられており、居住スペースSにおける熱を蓄熱できるようになっている。
内側断熱材7aは、床面材14よりも下方に延びる壁における各断熱材4a,4b及び壁面材12に接するまで充填されている。
壁用木質パネル4の下方には、図23に示すように、調整材9が設けられている。すなわち、壁用木質パネル4の下端部は、上記のように、床梁23,24における上フランジ23b,24bの、外側の上面に載せられた状態となっている。そのため、壁用木質パネル4の外側半分は、床梁23,24の上フランジ23b,24bよりも外側にはみ出した状態となっている。調整材9は、このように外側にはみ出した壁用木質パネル4の下端面の下方に位置するようにして設けられている。
コーナー用被覆材15は、上記のように、フレーム材用パネル3A,3Bの外側において当該フレーム材用パネル3A,3Bに沿って設けられている。より詳細に説明すると、コーナー用被覆材15は、図22,図24,図25に示すように、居住用ユニット1の四つの側面のそれぞれに、当該側面の上辺と両側辺に沿って設けられている。上辺に設けられたコーナー用被覆材15と、両側辺に設けられたコーナー用被覆材15は、門型に接続された状態となっている。本実施形態におけるコーナー用被覆材15は、居住用ユニット1側面の下辺や、居住用ユニット1の上面には設けられていないが、適宜設けられるものとしてもよい。
なお、木質柱8のうち最も外側に位置する角部を介して直交方向に配置されて隣接する二つの下地部15aは、いずれか一方の幅寸法を短くするか、隣接する幅方向側端を斜め45度にカットする。
なお、木質柱8のうち最も外側に位置する角部を介して直交方向に配置されて隣接する二つのカバー部15bは一体形成されてもよい。
居住用ユニット1が連結される架台40は、居住用ユニット1が載せられた状態で牽引車両(図示省略)による移動を可能とする輸送用架台とされており、居住用ユニット1が載置固定されるユニット設置部41と、ユニット設置部41を支持する支持脚部42と、を備える。
なお、ユニット本体2に対して複数の木質パネルを装着する作業は、このユニット設置部41上で行うことが可能となっている。ユニット本体2自体は、予め工場などで組み立てられるため、場合によっては、ユニット設置部41上にユニット本体2が設置された状態で架台40ごと現場に輸送されてもよい。複数の木質パネルを装着する作業についても、工場で行われてもよいし、現場で行われてもよい。
二つの居住用ユニット1(1A,1B)を連結する連結スペース50は、図1,図3~図5,図22,図24,図25に示すように、二つの居住用ユニット1A,1Bを連結手段51及び被覆手段61によって連結したときに形成される空間を含む場所全体を指している。また、二つの居住用ユニット1A,1Bのうち、連結スペース50によって連結される箇所には壁用木質パネル4が設けられず、二つの居住用ユニット1A,1Bは、連結スペース50に向かって開放された状態となっている。
二つの居住用ユニット1A,1Bは、異なる構造体として形成されたもので、それぞれ別の架台40に設置されたものであるため、振動が発生したときに、それぞれ異なる動作を行う場合がある。連結床構造及び被覆構造は、連結スペース50を構成しつつ、そのような異なる動作を効果的に吸収できるようになっている。
連結スペース50における床を構成する連結床構造は、図3,図5に示すように、一方の居住用ユニット1Aにおける床梁23と、他方の居住用ユニット1Bにおける床梁23との間に架け渡されて設けられた連結手段51と、連結手段51から上方に間隔を空けた位置に設けられた連結床部55と、を有する。
そして、連結手段51は、可動機構52と、床フレーム53と、下面材54と、吊部材54aと、を備える。また、連結床部55は、第一床部56と、第二床部57と、を備える。
このような可動機構52としては、例えばヒッチボールと、このヒッチボールに対して上下方向及び左右方向に動作可能なヒッチカプラと、からなるヒッチ構造が採用される。
また、このような下面材54は、上記のように可撓性を有するため、吊部材54aによって中央付近が吊り下げられている。吊部材54aは、アングル材であり、上面が床フレーム53の下面に固定されており、下方に延びる部分に下面材54が固定されている。
本実施形態における連結床構造は、以上のようにして構成されている。すなわち、連結手段51には、上記のように、フレキシブル性の高い構造が採用されており、一方の居住用ユニット1Aと他方の居住用ユニット1Bとの間で破壊的な力が伝達されないようにすることができる。
連結スペース50のうち少なくとも上部と両側部を被覆材62によって被覆する被覆構造は、図24,図25に示すように、被覆材62が、一方の居住用ユニット1Aから他方の居住用ユニット1Bに跨って設けられるとともに、連結スペース50のうち少なくとも上部と両側部を被覆している。そして、被覆材62は、当該被覆材62における一方及び他方の居住用ユニット1A,1B側端部に沿って連続して設けられるとともに当該端部を保持する留付フレーム70によって、一方及び他方の居住用ユニット1A,1Bに留め付けられている。
第一被覆材621は、連結スペース50における一方の居住用ユニット1A側を被覆するものであり、一方の居住用ユニット1Aに留め付けられている。
第二被覆材622は、連結スペース50における他方の居住用ユニット1B側を被覆するものであり、他方の居住用ユニット1Bに留め付けられている。
防水ファスナー63は、第一被覆材621と第二被覆材622とを接続し、接続時において防水機能を発揮する。
なお、本実施形態においては、被覆材62はシート(膜)であるとしたが、これに限られるものではなく、シートよりも剛性の高い面材(板材)を用いてもよい。
すなわち、留付フレーム70は、一方の居住用ユニット1A側と他方の居住用ユニット1B側にあり、第一被覆材621及び第二被覆材622における一方及び他方の居住用ユニット1A,1B側端部を、連結スペース50の内側と外側から挟み込んだ状態で、一方の居住用ユニット1A及び他方の居住用ユニット1Bにそれぞれ留め付けられている。
なお、第一フレーム71と第二フレーム72はボルト連結されている。そのため、被覆材62(第一被覆材621、第二被覆材622)における一方及び他方の居住用ユニット1A,1B側端部にもボルトを通す孔が形成されているものとする。
被留付フレーム75が設けられた一方及び他方の居住用ユニット1A,1Bにおけるコーナー用被覆材15同士は互いに真正面に対向しており、第一被覆材621と第二被覆材622とを真っ直ぐに張設できるようになっている。
すなわち、ヒートブリッジなど低温環境下における影響を受けやすい鉄骨の四隅の柱20や複数の天井梁21,22を、フレーム材用パネル3(3A,3B)によって被覆することができるので、断熱性の向上を図ることができる。また、このようなフレーム材用パネル3(3A,3B)は、四隅の柱20及び複数の天井梁21,22と同期して動作するので、例えば地震や強風によってユニット本体2が振動しても、四隅の柱20及び複数の天井梁21,22を被覆した状態を維持できる。
さらに、壁用木質パネル4は、カーテンウォールとして機能するので、ユニット本体2の振動に極端に影響されることなく、ユニット本体2の側面を被覆することができ、断熱性の維持に貢献できる。
A 長辺框材
B 短辺框材
C 補助桟材
D 外側面材
E 内側面材
F 断熱材
1 居住用ユニット
1a 外装材
2 ユニット本体
3 フレーム材用パネル
4 壁用木質パネル
5 屋根用木質パネル
6 端部用屋根パネル
6a 凹部
7 床用木質パネル
8 木質柱
9 調整材
10 緩衝材
15 コーナー用被覆材
15c 凹溝部
20 柱
21 長辺天井梁
22 短辺天井梁
23 長辺床梁
24 短辺床梁
25 連結部
25a 上面プレート
25b 立ち上がり部
25d 連結ボックス
26 第一取付金物
27 第二取付金物
28 ボルト
29 凸部
30 支持金物
31 水平ブレース
32 床受けブラケット
33 床受け部
34 調整材受け部
40 架台
50 連結スペース
51 連結手段
52 可動機構
53 床フレーム
54 下面材
54a 吊部材
55 連結床部
56 第一床部
57 第二床部
61 被覆手段
62 被覆材
621 第一被覆材
622 第二被覆材
63 防水ファスナー
70 留付フレーム
71 第一フレーム
72 第二フレーム
75 被留付フレーム
Claims (5)
- 四隅の柱と、前記四隅の柱の上端部同士を連結する複数の天井梁と、前記四隅の柱の下端部同士を連結する複数の床梁と、を有してラーメン構造を構成する略直方体フレーム状のユニット本体と、
断熱性能を有し、かつ前記ユニット本体の外側面を被覆する複数の木質パネルと、を備える居住用ユニットであって、
前記複数の木質パネルには、
少なくとも前記四隅の柱と前記複数の天井梁のそれぞれに沿って配置され、かつ当該四隅の柱及び複数の天井梁おける外側面を被覆するようにして設けられるフレーム材用パネルと、
前記天井梁と前記床梁との間に架け渡されるようにして設けられ、かつ、前記四隅の柱における外側面を被覆する前記フレーム材用パネル間に複数並べられて配置される壁用木質パネルと、が含まれており、
前記四隅の柱及び前記複数の天井梁が揺動した場合に、前記フレーム材用パネルは、前記四隅の柱及び前記複数の天井梁と同期して動作し、前記壁用木質パネルは、前記四隅の柱及び前記複数の天井梁と同期した動作を行わないことを特徴とする居住用ユニット。 - 請求項1に記載の居住用ユニットにおいて、
前記壁用木質パネルの外周端面には弾力性を有する緩衝材が設けられ、当該緩衝材は、前記複数の木質パネルのうち隣接する木質パネルとの間で潰れた状態となっていることを特徴とする居住用ユニット。 - 請求項1又は2に記載の居住用ユニットにおいて、
前記複数の木質パネルには、
前記複数の天井梁間に架け渡される複数の屋根用木質パネルが更に含まれていることを特徴とする居住用ユニット。 - 請求項3に記載の居住用ユニットにおいて、
前記四隅の柱における外側面を被覆する前記フレーム材用パネル間に複数並べられて配置された壁用木質パネルの上に、前記複数の天井梁を被覆する前記フレーム材用パネルが設けられ、その上方に、前記複数の屋根用木質パネルが設けられていることを特徴とする居住用ユニット。 - 請求項1~4のいずれか一項に記載の居住用ユニットにおいて、
前記四隅の柱を被覆する前記フレーム材用パネルの上端部と、前記複数の天井梁を被覆する前記フレーム材用パネルの側端部とが連結されていることを特徴とする居住用ユニット。
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