JP7241991B1 - 行動変容装置、行動変容方法及び行動変容システム - Google Patents
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Abstract
Description
当該忌避システムは、刺激選択装置と刺激発生装置とを備えている。当該刺激選択装置は、害獣の種類を識別する識別部と、害獣の種類毎に、当該害獣に与える刺激を生成するための刺激データを記憶している刺激データ記憶部と、刺激データ記憶部に記憶されている複数の刺激データの中から、識別部により識別された種類に対応する刺激データを選択する選択部とを備えている。当該刺激発生装置は、当該刺激選択装置により選択された刺激データに従って刺激を生成し、生成した刺激を害獣に与える。
図1は、実施の形態1に係る行動変容装置2を含む行動変容システムを示す構成図である。
図2は、実施の形態1に係る行動変容装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図1において、センサ1は、監視エリアを観測し、監視エリア内に存在している威嚇対象の生物(以下「威嚇対象生物」という)を検出する。
センサ1は、監視エリアの観測結果として、例えば、威嚇対象生物の有無を示すセンシング情報を行動変容装置2に出力する。威嚇対象生物は、食害をもたらす可能性がある、あらゆる生物が含まれる。したがって、威嚇対象生物は、海、又は、川に生息している野生の魚類のほか、陸上に生息している野生の動物等も含まれる。
センサ1は、監視エリア内に存在している威嚇対象生物を検出できるセンシングデバイスであればよく、センサ1は、例えば、マイク、超音波センサ、カメラ、レーザー速度計、又は、衛星用受信機を含んでいる。
センサ1の設置位置は、監視エリア内に存在している威嚇対象生物を検出できる位置であればよい。このため、センサ1の設置位置は、監視エリアの内側であってもよいし、監視エリアの外側であってもよい。
図1に示す行動変容システムでは、センサ1が行動変容装置2の外部に設けられている。しかし、これは一例に過ぎず、センサ1が行動変容装置2の内部に設けられていてもよい。
行動変容装置2は、センサ1から出力されたセンシング情報を取得し、センシング情報に基づいて、威嚇対象生物に与える刺激を生成するための刺激データを生成し、刺激データを刺激生成用のアクチュエータ3に出力する。
アクチュエータ3は、行動変容装置2から出力された刺激データに従って、威嚇対象生物に与える刺激を生成する。
アクチュエータ3は、威嚇対象生物に与える刺激として、例えば、音波の刺激、光の刺激、においの刺激、又は、電波の刺激を生成する。
図1に示す行動変容システムでは、アクチュエータ3が行動変容装置2の外部に設けられている。しかし、これは一例に過ぎず、アクチュエータ3が行動変容装置2の内部に設けられていてもよい。
保護領域4に存在している保護対象が、養殖物等の生物である場合、保護対象の生物が保護領域4の外側に出ないようにする目的で、保護領域4の周囲が網で囲われるのが一般的である。
センシング情報取得部11は、センサ1のセンシング情報を取得し、センシング情報を行動特定部12に出力する。
行動特定部12は、センシング情報取得部11から、センシング情報を取得する。
行動特定部12は、センシング情報に基づいて、監視エリア内に存在している威嚇対象生物の行動を特定する。
具体的には、行動特定部12は、威嚇対象生物の行動が、監視エリア内の保護領域4に近づく行動であるのか、保護領域4から遠ざかる行動であるのか等を判定する。
行動特定部12は、行動の特定結果を刺激パラメータ決定部13に出力する。
刺激パラメータ決定部13は、行動特定部12により特定された行動に応じて、威嚇対象生物に与える刺激のパラメータを決定する。
具体的には、刺激パラメータ決定部13は、行動特定部12により特定された行動が、監視エリア内の保護領域4に近づく行動であれば、保護領域4に近づく距離の変化量が大きい程、刺激が大きくなるように刺激のパラメータを調整する。
また、刺激パラメータ決定部13は、行動特定部12により特定された行動が、保護領域4から遠ざかる行動であれば、保護領域4から遠ざかる距離の変化量が大きい程、刺激が小さくなるように刺激のパラメータを調整する。
刺激のパラメータの初期値としては、例えば、保護領域4に近づく可能性が最も高いことが想定される威嚇対象生物を、保護領域4から遠ざけるのに有効なパラメータが用いられる。
刺激パラメータ決定部13は、刺激のパラメータを刺激データ生成部14に出力する。
刺激データ生成部14は、刺激パラメータ決定部13から、刺激のパラメータを取得する。
刺激データ生成部14は、刺激のパラメータに従って刺激データを生成する。刺激データ生成部14は、威嚇対象生物に与える刺激として、例えば、音波の刺激、光の刺激、においの刺激、又は、電波の刺激を生成するための刺激データを生成する。
刺激データ生成部14は、刺激データをアクチュエータ3に出力する。
センシング情報取得回路21、行動特定回路22、刺激パラメータ決定回路23及び刺激データ生成回路24のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、又は、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
行動変容装置2が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、センシング情報取得部11、行動特定部12、刺激パラメータ決定部13及び刺激データ生成部14におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ31に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
図4は、行動変容装置2の処理手順である行動変容方法を示すフローチャートである。
センサ1は、監視エリアを観測し、監視エリア内に存在している威嚇対象生物を検出する。
センサ1は、監視エリア内に威嚇対象生物が存在していれば、監視エリアの観測結果として、例えば、威嚇対象生物を検出した時刻tを示す時刻情報と、威嚇対象生物の存在位置Pを示す位置情報とを含むセンシング情報を行動変容装置2に出力する。位置情報は、例えば、監視エリアの3次元座標系で表される存在位置Pの座標情報である。
環境音としては、例えば、潮流に伴って生じる水の音がある。威嚇対象生物に係る音としては、例えば、泳ぎに伴って生じる音、又は、口から出る音がある。
センサ1は、監視エリア内に威嚇対象生物が存在していれば、集音された音の発信源の位置を特定することで、威嚇対象生物の存在位置を検出することができる。音の発信源の位置は、例えば、MUSIC(Multiple Signal Classification)法を実行することで、推定することができる。
ここでは、センサ1が、マイクを実装している例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、例えば、センサ1が、カメラを実装しているものであってもよい。センサ1が、カメラを実装している場合、センサ1は、カメラにより撮影された画像を分析することで、監視エリア内に存在している威嚇対象生物を検出することができる。
センシング情報取得部11は、センシング情報を行動特定部12に出力する。
行動特定部12は、センシング情報から、時刻情報と位置情報とを取り出し、時刻tにおける威嚇対象生物の存在位置P(t)を特定する。
例えば、時刻t1の存在位置がP(t1)であり、時刻t2の存在位置がP(t2)であれば、行動特定部12は、以下の式(1)に示すように、時刻t1の存在位置P(t1)と、監視エリア内の保護領域4の中心位置P0との間の距離R1-0を算出する。保護領域4の中心位置P0は、行動特定部12の内部メモリに格納されていてもよいし、行動変容装置2の外部から与えられるものであってもよい。
式(1)において、x1は、時刻t1の存在位置P(t1)におけるx座標の位置、y1は、時刻t1の存在位置P(t1)におけるy座標の位置、z1は、時刻t1の存在位置P(t1)におけるz座標の位置である。
x0は、保護領域4の中心位置P0におけるx座標の位置、y0は、保護領域4の中心位置P0におけるy座標の位置、z0は、保護領域4の中心位置P0におけるz座標の位置である。
ここでは、(x0,y0,z0)が、保護領域4の中心位置P0の座標である例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、(x0,y0,z0)が、例えば、保護領域4の外周上の位置の座標であってもよい。
ΔM=R2-0-R1-0 (3)
行動特定部12は、距離の変化量ΔMに基づいて、威嚇対象生物の行動を特定する(図4のステップST2)。
具体的には、行動特定部12は、距離の変化量ΔMがマイナスの値であれば、威嚇対象生物の行動が、「保護領域4に近づく行動」であると判定する。
行動特定部12は、距離の変化量ΔMが0であれば、威嚇対象生物の行動が、「動かずに止まっている行動」であると判定する。
行動特定部12は、距離の変化量ΔMがプラスの値であれば、威嚇対象生物の行動が、「保護領域4から遠ざかる行動」であると判定する。
行動特定部12は、行動の特定結果を刺激パラメータ決定部13に出力する。
刺激パラメータ決定部13は、威嚇対象生物の行動が、「保護領域4に近づく行動」、又は、「動かずに止まっている行動」であれば(図4のステップST3:YESの場合)、威嚇対象生物に与える刺激が大きくなるように、刺激のパラメータを決定する(図4のステップST4)。
刺激パラメータ決定部13は、威嚇対象生物の行動が、「保護領域4から遠ざかる行動」であれば(図4のステップST3:NOの場合)、威嚇対象生物に与える刺激が小さくなるように、刺激のパラメータを決定する(図4のステップST5)。
刺激パラメータ決定部13は、威嚇対象生物に与える刺激として、例えば、アクチュエータ3から音を出力させる場合、刺激のパラメータとして、音の周波数fの変化量Δfと、有音間隔Tの変化量ΔTとを決定する。
即ち、刺激パラメータ決定部13は、以下の式(4)~(7)に示すように、距離の変化量ΔMを用いて、周波数fの変化量Δfと、有音間隔Tの変化量ΔTとを決定する。
αT、βT、γTのそれぞれは、有音間隔Tの変化量ΔTを算出するために設定された正の実数パラメータである。
Δf’は、周波数fの変化量Δfの一時算出値、ΔT’は、有音間隔Tの変化量ΔTの一時算出値である。λは、移動平均パラメータであり、0から1の実数値である。
式(4)は、周波数fの変化量Δfの平滑化を図るためのものである。変化量Δfの平滑化を図る必要がなければ、式(6)の左辺をΔfとして、刺激パラメータ決定部13が、式(6)によって、周波数fの変化量Δfを算出するようにしてもよい。
式(5)は、有音間隔Tの変化量ΔTの平滑化を図るためのものである。変化量ΔTの平滑化を図る必要がなければ、式(7)の左辺をΔTとして、刺激パラメータ決定部13が、式(7)によって、有音間隔Tの変化量ΔTを算出するようにしてもよい。
周波数fの変化量Δf及び有音間隔Tの変化量ΔTのそれぞれが大きくなることで、威嚇対象生物に与える刺激が大きくなる。その結果として、威嚇対象生物の行動が、保護領域4から遠ざかる行動に変容することが期待される。
また、威嚇対象生物の行動が、「保護領域4から遠ざかる行動」であって、距離の変化量ΔMがプラスの値であれば、周波数fの変化量Δf及び有音間隔Tの変化量ΔTのそれぞれが小さくなる。
周波数fの変化量Δf及び有音間隔Tの変化量ΔTのそれぞれが小さくなることで、威嚇対象生物に与える刺激が小さくなる。その結果として、威嚇対象生物の行動として、保護領域4から遠ざかる行動が維持されることが期待される。
刺激データ生成部14は、刺激のパラメータに従って刺激データを生成する(図4のステップST6)。刺激のパラメータに従って刺激データを生成する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
刺激データ生成部14は、刺激データをアクチュエータ3に出力する。
アクチュエータ3は、刺激データに従って、威嚇対象生物に与える刺激を生成する。
アクチュエータ3は、威嚇対象生物に与える刺激として、例えば、音波の刺激、光の刺激、においの刺激、又は、電波の刺激を生成する。
刺激パラメータ決定部13は、威嚇対象生物の行動が、「保護領域4から遠ざかる行動」であるとき、距離の変化量ΔMの絶対値が第2の閾値Th2以下であれば、刺激のパラメータを維持し、距離の変化量ΔMの絶対値が第2の閾値Th2よりも大きければ、距離の変化量ΔMを用いて、周波数fの変化量Δfと、有音間隔Tの変化量ΔTとを決定するようにしてもよい。距離の変化量ΔMの絶対値が第2の閾値Th2よりも大きい場合、距離の変化量ΔMが大きい程、刺激が小さくなるように、刺激のパラメータが調整される。
第1の閾値Th1及び第2の閾値Th2のそれぞれは、刺激パラメータ決定部13の内部メモリに格納されていてもよいし、行動変容装置2の外部から与えられるものであってもよい。
第3の閾値Th3は、刺激パラメータ決定部13の内部メモリに格納されていてもよいし、行動変容装置2の外部から与えられるものであってもよい。
行動特定部12は、例えば、威嚇対象生物の速度が、増加傾向であれば、威嚇対象生物の行動が、「保護領域4から遠ざかる行動」であると判定する。行動特定部12は、例えば、威嚇対象生物の速度が、減少傾向であれば、威嚇対象生物の行動が、「保護領域4に近づく行動」であると判定する。行動特定部12は、例えば、威嚇対象生物の速度に変化が無ければ、「動かずに止まっている行動」であると判定する。
実施の形態2では、刺激データを格納している刺激データ記憶部15を備える行動変容装置2について説明する。
図6は、実施の形態2に係る行動変容装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図6において、図2と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
行動変容装置2は、センシング情報取得部11、行動特定部12、刺激パラメータ決定部13、刺激データ記憶部15及び刺激データ生成部16を備えている。
刺激データ記憶部15には、威嚇対象生物に与える刺激を生成するための刺激データが記憶されている。
刺激データ生成部16は、刺激パラメータ決定部13から、刺激のパラメータを取得する。
刺激データ生成部16は、刺激を生成するための刺激データを生成する代わりに、刺激データ記憶部15から、刺激データを取得する。
刺激データ生成部16は、刺激のパラメータに従って刺激データを調整する。
刺激データ生成部16は、パラメータ調整後の刺激データをアクチュエータ3に出力する。
センシング情報取得回路21、行動特定回路22、刺激パラメータ決定回路23及び刺激データ生成回路26のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
行動変容装置2が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、刺激データ記憶部15がコンピュータのメモリ31上に構成される。センシング情報取得部11、行動特定部12、刺激パラメータ決定部13及び刺激データ生成部16におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが図3に示すメモリ31に格納される。そして、図3に示すプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
図1に示す行動変容装置2では、刺激データ生成部14が、パラメトリックの刺激データを生成している。威嚇対象生物が嗜好する刺激、又は、威嚇対象生物が忌避する刺激は、パラメトリックの刺激ではなく、自然界に存在する刺激であることがある。自然界に存在する刺激としては、例えば、水流音、風音、又は、生物が生じさせる音がある。
刺激データ生成部16は、刺激のパラメータに従って刺激データを調整する。
刺激データの調整としては、例えば、刺激データから生成される刺激が音であれば、変化量Δfによる音の周波数fの調整と、変化量ΔTによる有音間隔Tの調整とがある。
刺激データ生成部16は、パラメータ調整後の刺激データをアクチュエータ3に出力する。
実施の形態3では、距離の変化量等を記録する行動記録部17を備える行動変容装置2について説明する。
図8は、実施の形態3に係る行動変容装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図8において、図2及び図6と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
行動変容装置2は、センシング情報取得部11、行動特定部12、刺激パラメータ決定部13、行動記録部17及び刺激データ生成部18を備えている。
行動記録部17は、刺激データ生成部18から刺激データがアクチュエータ3に出力されて、アクチュエータ3によって刺激が生成された前に、行動特定部12により特定された行動を示す第1の行動情報を取得する。また、行動記録部17は、アクチュエータ3によって刺激が生成された後に、行動特定部12により特定された行動を示す第2の行動情報を取得する。
行動記録部17は、第1の行動情報と、第2の行動情報と、当該刺激データとの組を記録する。
刺激データ生成部18は、第1の行動情報と第2の行動情報と刺激データとの組が行動記録部17に記録された後に、行動特定部12により特定された行動の特定結果を取得し、刺激パラメータ決定部13から、刺激のパラメータを取得する。
刺激データ生成部18は、行動特定部12により特定された行動が、行動記録部17に記録されている第1の行動情報が示す行動と同じ行動であって、第1の行動情報と同じ組に属している第2の行動情報が示す行動が、監視エリア内の保護領域4から遠ざかる行動であるか否かを判定する。
刺激データ生成部18は、行動特定部12により特定された行動が、第1の行動情報が示す行動と同じ行動ではない場合、又は、第1の行動情報が示す行動と同じ行動であっても、第2の行動情報が示す行動が、監視エリア内の保護領域4から遠ざかる行動ではない場合、図1に示す刺激データ生成部14と同様に、刺激パラメータ決定部13により決定されたパラメータに従って刺激データを生成する。
刺激データ生成部18は、第1の行動情報が示す行動と同じ行動であって、第2の行動情報が示す行動が、監視エリア内の保護領域4から遠ざかる行動であれば、行動記録部17から、第1の行動情報と同じ組に属している刺激データを取得し、当該刺激データをアクチュエータ3に出力する。
センシング情報取得回路21、行動特定回路22、刺激パラメータ決定回路23及び刺激データ生成回路28のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
行動変容装置2が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、行動記録部17がコンピュータのメモリ31上に構成される。センシング情報取得部11、行動特定部12、刺激パラメータ決定部13及び刺激データ生成部18におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ31に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
また、行動記録部17は、刺激データ生成部18から刺激データがアクチュエータ3に出力されて、アクチュエータ3によって刺激が生成された前に、行動特定部12により特定された行動を示す第1の行動情報を取得する。第1の行動情報は、保護領域4に近づく距離の変化量ΔM、又は、保護領域4から遠ざかる距離の変化量ΔMを示す変化量情報を含んでいる。ここでは、説明の便宜上、第1の行動情報が示す行動は、時刻taでの行動であるとする。刺激データ生成部18により生成された刺激データは、時刻taでの行動に基づいて生成されたものである。
また、行動記録部17は、アクチュエータ3によって刺激が生成された後に、行動特定部12により特定された行動を示す第2の行動情報を取得する。第2の行動情報は、保護領域4に近づく距離の変化量ΔM、又は、保護領域4から遠ざかる距離の変化量ΔMを示す変化量情報を含んでいる。ここでは、説明の便宜上、第2の行動情報が示す行動は、時刻tbでの行動であるとする。時刻tbは、時刻taよりも未来の時刻である。
行動記録部17は、第1の行動情報と、第2の行動情報と、当該刺激データとの組を記録する。
なお、行動記録部17には、上記の組が1つ以上記録される。複数の組に含まれているそれぞれの第1の行動情報が示す行動の時刻taは、互いに異なっている。また、複数の組に含まれているそれぞれの第2の行動情報が示す行動の時刻tbは、互いに異なっている。また、複数の組に含まれているそれぞれの刺激データに係る時刻は、互いに異なっている。
刺激データ生成部18は、時刻tcでの行動が、行動記録部17に記録されている第1の行動情報が示す行動と同じ行動であるか否かを判定する。
また、刺激データ生成部18は、行動記録部17に記録されている1つ以上の第1の行動情報を取得する。
刺激データ生成部18は、1つ以上の第1の行動情報に含まれている変化量情報が示す距離の変化量ΔMの中に、変化量ΔM’との差分の絶対値が第3の閾値Th3よりも小さい距離の変化量ΔMがあれば、行動記録部17の中に、行動特定部12により特定された行動と同じ行動を示す第1の行動情報が含まれていると判定する。
刺激データ生成部18は、変化量ΔM’との差分の絶対値が第3の閾値Th3よりも小さい距離の変化量ΔMが1つ以上あれば、差分の絶対値が最小の変化量ΔMを特定する。
刺激データ生成部18は、行動記録部17から、差分の絶対値が最小の変化量ΔMを示す変化量情報を含んでいる第1の行動情報と同じ組に属している第2の行動情報を取得する。
即ち、刺激データ生成部18は、第2の行動情報に含まれている変化量情報が示す距離の変化量ΔMがプラスの値であれば、監視エリア内の保護領域4から遠ざかる行動であると判定する。
また、刺激データ生成部18は、時刻tcでの行動が、第1の行動情報が示す行動と同じ行動であっても、第2の行動情報が示す行動が、保護領域4から遠ざかる行動ではない場合、図1に示す刺激データ生成部14と同様に、刺激パラメータ決定部13により決定されたパラメータに従って刺激データを生成する。刺激データ生成部18は、生成した刺激データをアクチュエータ3に出力する。
刺激データ生成部18は、時刻tcでの行動が、第1の行動情報が示す行動と同じ行動であって、第2の行動情報が示す行動が、監視エリア内の保護領域4から遠ざかる行動であれば、行動記録部17から、第1の行動情報と同じ組に属している刺激データを取得する。刺激データ生成部18は、取得した刺激データをアクチュエータ3に出力する。
Claims (6)
- 監視エリアを観測するセンサのセンシング情報を取得するセンシング情報取得部と、
前記センシング情報取得部により取得されたセンシング情報に基づいて、前記監視エリア内に存在している威嚇対象の生物の行動を特定する行動特定部と、
前記行動特定部により特定された行動に応じて、前記生物に与える刺激のパラメータを決定する刺激パラメータ決定部と、
前記刺激パラメータ決定部により決定されたパラメータに従って、前記刺激を生成するための刺激データを生成し、前記刺激データを刺激生成用のアクチュエータに出力する刺激データ生成部と、を備え、
前記刺激は音波であり、
前記刺激のパラメータは、音の周波数の変化量及び有音間隔の変化量のうちの少なくとも一方であり、
前記刺激パラメータ決定部は、前記行動特定部により特定された前記生物の行動が、前記監視エリア内の保護領域に近づく行動であるか、又は止まっている行動であれば、前記音の周波数の変化量及び前記有音間隔の変化量のうちの少なくとも一方が大きくなるように前記刺激のパラメータを決定し、
前記行動特定部により特定された前記生物の行動が、前記保護領域から遠ざかる行動であれば、前記音の周波数の変化量及び前記有音間隔の変化量のうちの少なくとも一方が小さくなるように前記刺激のパラメータを決定することを特徴とする行動変容装置。 - 前記刺激パラメータ決定部は、
前記行動特定部により特定された前記生物の行動が、前記監視エリア内の保護領域に近づく行動であるとき、
前記保護領域に近づく距離の変化量の絶対値が第1の閾値以下であれば、前記刺激のパラメータを維持し、
前記保護領域に近づく距離の変化量の絶対値が前記第1の閾値よりも大きければ、前記保護領域に近づく距離の変化量が大きいほど、前記音の周波数の変化量又は前記有音間隔の変化量のうちの少なくとも一方が大きくなるように前記刺激のパラメータを調整し、
前記行動特定部により特定された前記生物の行動が、前記保護領域から遠ざかる行動であるとき、
前記保護領域から遠ざかる距離の変化量の絶対値が第2の閾値以下であれば、前記刺激のパラメータを維持し、
前記保護領域から遠ざかる距離の変化量の絶対値が前記第2の閾値よりも大きければ、前記保護領域から遠ざかる距離の変化量が大きいほど、前記音の周波数の変化量又は前記有音間隔の変化量のうちの少なくとも一方が小さくなるように前記刺激のパラメータを調整することを特徴とする請求項1記載の行動変容装置。 - 刺激データを記憶している刺激データ記憶部を備え、
前記刺激データ生成部は、
前記刺激を生成するための刺激データを生成する代わりに、前記刺激データ記憶部から刺激データを取得し、前記刺激パラメータ決定部により決定されたパラメータに従って当該刺激データを調整することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の行動変容装置。 - 前記刺激データ生成部から前記刺激データが前記アクチュエータに出力されて、前記アクチュエータによって前記刺激が生成される前に、前記行動特定部により特定された行動を示す第1の行動情報と、前記アクチュエータによって前記刺激が生成された後に、前記行動特定部により特定された行動を示す第2の行動情報と、前記刺激データとの組を記録する行動記録部を備え、
前記刺激データ生成部は、
前記第1の行動情報と前記第2の行動情報と前記刺激データとの組が前記行動記録部に記録された後に、前記行動特定部により特定された行動が、前記行動記録部に記録されている第1の行動情報が示す行動と同じ行動であり、前記第1の行動情報と同じ組に属している第2の行動情報が示す行動が、前記監視エリア内の保護領域から遠ざかる行動であれば、前記刺激パラメータ決定部により決定されたパラメータに従って刺激データを生成する代わりに、前記第1の行動情報と同じ組に属している刺激データを前記アクチュエータに出力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の行動変容装置。 - センシング情報取得部が、監視エリアを観測するセンサのセンシング情報を取得し、
行動特定部が、前記センシング情報取得部により取得されたセンシング情報に基づいて、前記監視エリア内に存在している威嚇対象の生物の行動を特定し、
刺激パラメータ決定部が、前記行動特定部により特定された行動に応じて、前記生物に与える刺激のパラメータを決定し、
刺激データ生成部が、前記刺激パラメータ決定部により決定されたパラメータに従って、前記刺激を生成するための刺激データを生成し、前記刺激データを刺激生成用のアクチュエータに出力し、
前記刺激は音波であり、
前記刺激のパラメータは、音の周波数の変化量及び有音間隔の変化量のうちの少なくとも一方であり、
前記刺激パラメータ決定部は、前記行動特定部により特定された前記生物の行動が、前記監視エリア内の保護領域に近づく行動であるか、又は止まっている行動であれば、前記音の周波数の変化量及び前記有音間隔の変化量のうちの少なくとも一方が大きくなるように前記刺激のパラメータを決定し、
前記行動特定部により特定された前記生物の行動が、前記保護領域から遠ざかる行動であれば、前記音の周波数の変化量及び前記有音間隔の変化量のうちの少なくとも一方が小さくなるように前記刺激のパラメータを決定することを特徴とする行動変容方法。 - 監視エリアを観測するセンサと、
前記センサのセンシング情報を取得するセンシング情報取得部と、
前記センシング情報取得部により取得されたセンシング情報に基づいて、前記監視エリア内に存在している威嚇対象の生物の行動を特定する行動特定部と、
前記行動特定部により特定された行動に応じて、前記生物に与える刺激のパラメータを決定する刺激パラメータ決定部と、
前記刺激パラメータ決定部により決定されたパラメータに従って、前記刺激を生成するための刺激データを生成する刺激データ生成部と、
前記刺激データ生成部により生成された刺激データに従って、威嚇対象生物に与える刺激を生成するアクチュエータと
を備え、
前記刺激は音波であり、
前記刺激のパラメータは、音の周波数の変化量及び有音間隔の変化量のうちの少なくとも一方であり、
前記刺激パラメータ決定部は、前記行動特定部により特定された前記生物の行動が、前記監視エリア内の保護領域に近づく行動であるか、又は止まっている行動であれば、前記音の周波数の変化量及び前記有音間隔の変化量のうちの少なくとも一方が大きくなるように前記刺激のパラメータを決定し、
前記行動特定部により特定された前記生物の行動が、前記保護領域から遠ざかる行動であれば、前記音の周波数の変化量及び前記有音間隔の変化量のうちの少なくとも一方が小さくなるように前記刺激のパラメータを決定することを特徴とする行動変容システム。
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