以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1に示す画像形成装置500は、複数の感光体が並行配設されたタンデム型のカラーレーザープリンタである。画像形成装置500は、画像形成部200及びこの下方に位置する給紙部300等を備える。
画像形成部200は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色の画像を形成する。以下の説明において、作像する画像のトナー色に対応させるよう、便宜上、構成部材を示す符号の後ろにその色を表わすY(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Bk(ブラック)を添え字として付す。なお、色に関係なく共通する構成等については、これらの添え字を省略する場合もある。
画像形成部200には、4つの作像部1Y,1C,1M,1Bkが配置される。作像部1Y,1C,1M,1Bkは、それぞれドラム状の感光体2Y,2C,2M,2Bkを備える。4個の感光体2Y,2C,2M,2Bkは、画像形成部200内に間隔をあけて等間隔に配置される。各感光体2Y,2C,2M,2Bkは画像形成装置500の動作時に矢印方向に回転する。感光体2Y,2C,2M,2Bkとしては、例えば直径30~120[mm]程度のアルミニウム円筒表面に光導電性物質である有機半導体層を設けた層構造のものやベルト状のものを用いることができる。
各感光体2Y,2C,2M,2Bkの周囲には、現像装置等、電子写真方式の作像に必要な部材、装置が配備される。画像形成装置500では、用いるトナーの色が異なる点以外は、4つの作像部1Y,1C,1M,1Bkは略同じ構成である。
ここで、図2を参照してイエロー用の作像部1Yを例として作像部1の構成を説明する。図2に示すように、作像部1Yの感光体2Yの周囲には、帯電装置4Y、現像装置5Y、クリーニング装置3Y等が静電写真プロセスの順に配置されている。
帯電装置4Yは感光体2Yと対向する帯電ローラ4aYを備え、現像装置5Yは、現像ローラ5aY、現像ブレード5bY、複数のスクリュー5cY等を有する。また、クリーニング装置3Yは、クリーニングブラシ3aY、クリーニングブレード3bY、回収スクリュー3cY等を備える。
現像ローラ5aYは、ステンレスやアルミニュウム製の円筒で、回転可能にかつ感光体2Yとの距離が正規に確保されるように現像装置5Yのフレームに支持され、内部には所定の磁力線が構成されるようにマグネットが備えてある。
現像装置5Yが画像形成装置500に装着されているとき、後述するトナー補給手段の一端が、図2中の左側のスクリュー5cYの上部に接続される。スクリュー5cYによりトナーは、矢印方向に回転する現像ローラ5aYに供給されるが、現像ブレード5bYにより、現像ローラ5aY表面のトナー層の厚みが所定の厚みになるよう規制される。
次に、潜像形成手段としての露光装置72について説明する。図1に示すように、露光装置72は、感光体2Y,2C,2M,2Bkの下方に配置される。露光装置72は各色の画像データ対応のレーザ光8Y,8C,8M,8Bkを、各帯電装置4で一様に帯電済みの各感光体2の表面に走査し、静電潜像を形成する。各帯電装置4と各現像装置5との間には、この露光装置72により照射するレーザ光8が感光体2に向けて入り込むように、細長いスペースが感光体2の回転軸の方向に形成されている。レーザ光8により各感光体2Y,2C,2M,2Bkの表面に形成された色毎の静電潜像は、所定の色のトナーを扱う現像装置5Y,5C,5M,5Bkにより現像され、顕像となる。
本実施の形態の露光装置72は、レーザ光源、ポリゴンミラー等を用いたレーザスキャン方式である。露光装置72は、内蔵される4個の半導体レーザから、形成すべき画像データに応じて変調したレーザ光8Y,8C,8M,8Bkを照射する。露光装置72は金属或いは樹脂製の筐体により、光学部品、制御用部品を収納し、上面の出射口には、透光性の防塵部材を備えている。なお、本実施の形態の画像形成装置500では1個の筐体で露光装置72が構成されているが、複数の露光装置を、各作像部に個別に設ける構成としてもよい。また、レーザ光を採用する露光装置のほかに、LEDアレイと結像手段を組み合わせて構成される露光装置を用いることもできる。
画像形成装置500の上部には、各色のトナーを収納する4つのトナーカートリッジ40Y,40C,40M,40Bkが配置される。各色を扱う現像装置5Y,5C,5M,5Bkでトナーが消費されると、各色に対応したトナーがトナーカートリッジ40Y,40C,40M,40Bkから各5Y,5C,5M,5Bkに供給される。
各トナーカートリッジ40の外殻は、樹脂や紙等からなる容器で、一部に排出口を備える。トナーカートリッジ40は、画像形成装置500の装着部400に容易に着脱できる。装着状態では、トナーカートリッジ40の排出口が画像形成装置500本体に設けた個別のトナー補給手段と結合する。また、画像形成装置500では、各色のトナーカートリッジ40が誤って装着されて別の色を扱う現像装置5にトナーが補給されないよう、装着部400とトナーカートリッジ40の形状が対をなすようにする等、誤装着防止手段が設けてある。
感光体2Y,2C,2M,2Bkの上部には、中間転写ユニット6が配備されている。中間転写ユニット6は、複数のローラ6b,6c,6d、6eに掛け渡された像担持体としての中間転写ベルト6aを備える。ローラ6bが回転することにより中間転写ベルト6aが矢印方向に走行する。この中間転写ベルト6aは無端状で、現像装置5との対向部を通過したあとの各感光体2の表面が接触するように掛け渡されている。ベルト内周部には各感光体2に対向させて4つの一次転写ローラ7Y,7C,7M,7Bkが配置される。
中間転写ベルト6aの外周部には、ローラ6eに対向する位置にベルトクリーニング装置6hが配置される。このベルトクリーニング装置6hは中間転写ベルト6aの表面に残留する不要なトナーや、紙粉等の異物を拭い去る。このベルトクリーニング装置6hに対向するローラ6eは、中間転写ベルト6aにテンションを与える機構を備える。ローラ6eは常に適切なベルトテンションを確保するため移動するが、ローラ6eの中間転写ベルト6aを挟んで対向するベルトクリーニング装置6hも連動して移動可能となっている。
中間転写ベルト6aとしては、例えば、基体の厚さが50~600[μm]の樹脂フィルム或いはゴムを基体とするベルトが用いられる。当該ベルトは、各感光体2が担持するトナー像を、各一次転写ローラ7に印加するバイアスにより静電的にベルト表面に転写を可能とする抵抗値を有する。なお、画像形成装置500が備える中間転写ベルト6aに関連する各部材は、中間転写ベルト6aと一体的に支持される中間転写ユニット6として構成してあり、画像形成装置500に対して着脱が可能となっている。中間転写ベルト6aはベルトの走行を安定させるためのベルト寄り止めリブを、ベルト片側或いは両側端部に設けることが好ましい。中間転写ベルト6aは、例えば、ポリアミドにカーボンを分散し、その体積抵抗値が106~1012[Ωcm]程度に調整されたものが用いられる。一次転写ローラ7は芯金たる金属ローラの表面に、導電性ゴム材料を被覆したもので、芯金部に電源からバイアスが印加される。導電性ゴム材料はウレタンゴムにカーボンが分散され、体積抵抗値は105[Ωcm]程度に抵抗が調整されている。なお、一次転写ローラとしては、ゴム層を有さない金属ローラを用いてもよい。
中間転写ベルト6aの外周で、支持ローラとしてのローラ6bと中間転写ベルト6aを挟んで対向する位置には、二次転写ローラ14aが配置される。二次転写ローラ14aは芯金たる金属ローラの表面に、導電性ゴムを被覆したもので、芯金部に、電源14bからバイアスが印加される。上記導電性ゴムにはカーボンが分散されており、体積抵抗値は107[Ωcm]程度に抵抗が調整されている。二次転写ローラ14aはローラ6bと対向する位置で中間転写ベルト6aに当接し、二次転写部としての二次転写ニップを形成している。二次転写ニップでは、中間転写ベルト6aと二次転写ローラ14aの間に記録媒体である転写紙S(シート)を通過させながら、バイアスを印加することで中間転写ベルト6aが担持するトナー画像が転写紙Sに静電的に転写される。
露光装置72の下方の給紙部300には2段の給紙カセット9A,9Bが引き出し可能に配設されている。また、給紙部300の下部には、追加の給紙部である給紙装置50が更に配置される。図1に示す給紙装置50も2段の給紙カセット9C、9Dが引き出し可能に配設される。なお、更に個数を増やしたタイプや用紙収納数を多くした給紙カセットを有するものとしてもよい。
これらの給紙カセット9A,9B,9C,9D内に収納された転写紙Sは、対応する呼び出しローラ10A,10B,10C,10Dの回転により選択的に送り出される。転写紙Sは、分離ローラ11A,11B,11C,11Dと、搬送ローラ対12A,12B,12C,12Dにより給紙路P1に送られる。給紙路P1には、二次転写部へ転写紙Sを送り出す給送タイミングを制御するため、レジストローラ対13が配置される。転写紙Sは、レジストローラ対13から、中間転写ベルト6aと二次転写ローラ14aで構成される二次転写ニップに向けて搬送される。
画像形成装置500は、手差し給紙部としての手差しトレイ25を備える。手差しトレイ25に収納された最上位の転写紙Sは、手差し呼び出しローラ26により給紙される。そして確実に一枚だけ搬送されるように分離手段としてのリバースローラ27で分離され、ローラ22、24により給紙路P1を経てレジストローラ対13に送られる。手差しトレイ25は、使用しないときに回動させて画像形成装置500本体の一部であるの側方フレームFに収納が可能である。
二次転写ニップを形成する中間転写ベルト6aと二次転写ローラ14aの上方には加熱手段を有する定着装置15が配置される。定着装置15は、ヒータを内蔵した定着ローラ15aと、この定着ローラ15aに対し加圧しながら当接する加圧ローラ15bと、を備える。定着装置としては、ローラではなくベルトを採用したタイプや加熱方式がIHのもの等、適宜の構成を採用できる。
切換ガイド63は回動可能で、図示の状態とすることで、定着の終了した転写紙Sが排紙路を形成するガイド部材61aに案内される。ガイド部材61aに案内された転写紙Sは、排紙ローラ62の回転によって図1中矢印Dで示すように排紙され、画像形成装置500の上部の排紙トレイ60上にスタックされる。
画像形成装置500は、転写紙Sの両面に自動的に画像を形成することができるよう、転写紙Sの反転、再給紙のための再給紙路やローラを備えた両面ユニットを有している。具体的には、側方フレームFの内部にスイッチバック路P5と再給紙路P6とを備え、給紙路P1へ片面に画像形成を終えた転写紙Sを搬送させるよう、切換ガイド63、第二切換ガイドG2及び第三切換ガイドG3を備えている。ローラ23と24が当接しているローラ22は、時計方向に回転するとき、ローラ24と協働して手差しトレイ25からの用紙搬送を行う。ローラ22が反時計方向に回転するとき、ローラ23と協働して再給紙路P6内の転写紙Sをレジストローラ対13の方向に再給紙する。
切換ガイド63が図示の状態から時計方向に回動すると、定着の終了した転写紙Sは、ローラ対17により反転搬送路P4に案内され、第二切換ガイドG2を経てローラ18へと搬送され、一旦、スイッチバック路P5に送られる。ローラ18は、駆動制御により反転可能に構成される。転写紙Sがスイッチバック路P5に送られた後、ローラ18が反時計方向に回転し、かつ第二切換ガイドG2が反時計方向に回動することで、転写紙Sはスイッチバック路P5から再給紙路P6へ送られる。再給紙路P6で、搬送用ローラ15c等により搬送される転写紙Sは更にローラ22,23に搬送され、レジストローラ対13に到達する。
また、画像形成装置500は、定着装置15の上方で、ローラ対17の搬送方向下流にある第三切換ガイドG3が、図1の状態から反時計方向に回動し、定着後の転写紙Sを案内し、排紙路P8に搬送させ、別の排紙装置に排出させることができる。排紙装置としては、例えば数段の排紙トレイを有するビントレイを用いることができる。
次に、画像形成装置500で、転写紙Sの片面に画像を形成する片面印刷時の動作について説明する。まず、露光装置72の作動により半導体レーザから出射されたイエロー用の画像データ対応のレーザ光8Yが、帯電ローラ4aYにより一様帯電された感光体2Yの表面に照射されることにより静電潜像が形成される。この静電潜像は現像ローラ5aYによる現像処理を受けてイエロートナーで現像され、可視像となり、感光体2Yと同期して移動する中間転写ベルト6a表面に一次転写ローラ7Yによる転写作用を受けて一次転写される。このような潜像形成、現像、一次転写動作は他の感光体2C,2M,2Bkでもタイミングをとって順次同様に行われる。この結果、中間転写ベルト6aの表面上には、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの各色トナー画像が、順次重なり合った4色トナー画像として担持され、矢印の方向に表面移動する中間転写ベルト6aとともに搬送される。一方、中間転写ベルト6aを挟んで一次転写ローラ7と対向する位置を通過した感光体2の表面は、クリーニング装置3により、残存するトナーや異物がクリーニングされる。
中間転写ベルト6a上に形成された4色トナー画像は、中間転写ベルト6aと同期して搬送される転写紙S上に、二次転写ローラ14aによる転写作用を受けて転写される。そして、中間転写ベルト6a側ではその表面が、ベルトクリーニング装置6hによりクリーニングされ、次の作像・転写工程に備える。画像が転写された転写紙Sは、定着装置15による定着作用を受け、排紙ローラ62により排紙トレイ60に、画像面が下向き(フェースダウン)で排紙される。
次に、画像形成装置500で、転写紙Sの両面に画像を形成する両面印刷時の動作について説明する。上述した片面印刷時と同様の作用により、その片面に中間転写ベルト6aから画像を転写され、定着装置15を通過した転写紙Sを、切換ガイド63によりローラ対17へ向けて案内する。ローラ対17の搬送方向下流側に設けてある第三切換ガイドG3と反転搬送路P4を経て、図1の回動位置にある第二切換ガイドG2の上方に進む転写紙Sは、ローラ18によってスイッチバック路P5へ搬送される。このとき、ローラ18は時計方向に回転駆動する。スイッチバック路P5内のローラ19も正逆転が可能なローラ対であり、転写紙Sを一旦、スイッチバック路P5に受け入れた後逆転させ、転写紙Sを逆送させる。ローラ19及びローラ18の回転方向を逆転するときには、第二切換ガイドG2は、図1に示す姿勢から反時計方向に回動する。そして、転写紙Sのスイッチバック路P5に入るまで後端であった方を前端として搬送用ローラ15c等により再給紙路P6内を搬送し、給紙路P1に向けて搬送し、レジストローラ対13に到達させる。その後、レジストローラ対13でタイミングをとって、片面に画像を有している転写紙Sを再度、二次転写ローラ14aと中間転写ベルト6aとが対向する二次転写ニップに向けて搬送する。二次転写ニップで、中間転写ベルト6a上のトナー画像が転写紙Sの他面側に転写される。
転写紙Sの第二面に形成すべき画像は、転写紙Sが所定のところまで搬送されたとき、開始される作像工程により順次形成される。この場合の作像工程もまた前述の片面印刷時のフルカラートナー画像形成と同様であり、このフルカラートナー画像を中間転写ベルト6a上に担持させる。ただし、転写紙Sは搬送路で前後が反転されているため、最初に作像されたときに対し、用紙搬送方向で逆から作像されるよう、露光装置72から出射される画像データの作成が制御、実行される。このようにして両面にフルカラートナー像が転写された転写紙Sは再度、定着装置15による定着処理を経て排紙ローラ62により排紙トレイ60上に排紙される。なお、画像形成装置500では、転写紙Sの表、裏に画像を形成するタイミンが制御される。両面作像の効率を上げるため、搬送路には同時に数枚の転写紙Sを搬送させることができる。
また、画像形成装置500では、感光体2上に形成されるトナー像の極性はマイナスであり、一次転写ローラ7にプラスの電荷を与えることで感光体2上のトナー像は中間転写ベルト6a表面に転写される。また、二次転写ローラ14aにプラスの電荷を与えることで中間転写ベルト6a表面のトナー像が、転写紙Sに転写される。
なお、これらの片面印刷、両面印刷動作に関して、フルカラー印刷を実行させる例で説明したが、ブラックによるモノクロ印刷時にあっては、使用されない感光体が存在する。使用されない感光体2Y,2M,2C及び現像装置5Y,5M,5Cを稼動させないだけでなく、これらの使用されない感光体2Y,2M,2Cと中間転写ベルト6aとを非接触に保つための機構を備えている。画像形成装置500では、ローラ6dと一次転写ローラ7Y、7C及び7Mを支持する内部フレーム6fを、フレーム軸6gを中心に回動可能に支持している。
モノクロ印刷時には、内部フレーム6fを感光体2Y,2M,2Cから遠ざかる方向(図1で時計方向)に回動させることにより、感光体2Kだけが中間転写ベルト6aと接触して、作像工程を実行することにより、ブラックトナーによるモノクロ画像を作成する。モノクロ印刷時には使用しない作像部1Y,1M,1Cの感光体2Y,2M,2Cを中間転写ベルト6aから離間し、感光体2Y,2M,2C及び現像装置5Y,5M,5Cを停止させることは、作像部1Y,1M,1Cの寿命向上の点で有利である。
画像形成装置500では、メンテナンスや部品交換等の必要性が生じた場合には、不図示の外装カバー等を開放し、メンテナンスをおこなう。このメンテナンスのときには、図1に示した作像部1を構成する各部材を一体的に支持してユニット化したプロセスカートリッジとして交換すると操作性がよい。また、図1に示す作像部1をプロセスカートリッジとして構成したとき、画像形成装置500への装着用のガイド部や把手を設けて着脱を容易なものとする。その他プロセスカートリッジの特性や稼動の状況を記憶する記憶装置(例えばICタグ)等を備えておくと、保守の指針となり、プロセスカートリッジの保守管理上の利便性が高まる。更に、中間転写ユニット6に関してメンテナンスや交換等をする場合、中間転写ベルト6aと各感光体2とを離間させ、画像形成装置500本体に対して中間転写ユニット6を引き出すように構成しても良い。
図3は、画像形成装置500が備える側方フレームFの開放を説明する説明図である。側方フレームFは、両面ユニット30と二次転写ユニット14とを備えており、下方の回動軸Faを回動中心として画像形成装置500に対して回動可能であり、図1の状態から側方フレームFを回動させると、図3に示すように上方を開放可能な構造になっている。
側方フレームFの上面には、被係合部材たる係合突起71が設けられている。この係合突起71は、二次転写ユニット14及び両面ユニット30を画像形成装置500に装着するべく、側方フレームFを閉じる方向に移動させる際、画像形成装置500の上部に設けた引き込み装置70の係合部と係合する。側方フレームFの被係合部材たる係合突起71が引き込み装置70の係合部と係合すると、引き込み装置70が側方フレームFを画像形成装置500側に引き込む。
引き込み装置70で側方フレームFを引き込んでいくと、ストッパ部材31のガイド部31aが阻止部材32と当接する。そして、引き込み装置70の引き込み力でストッパ部材31が回動して阻止部材32を乗り越えて、側方フレームFが閉じ、二次転写ユニット14及び両面ユニット30が装着位置に装着される。
側方フレームFの開放に先立ち、側方フレームFに設けられたストッパ部材31を回動させて、ストッパ部材31を画像形成装置500側に設けられた阻止部材32から外し、ストッパ機能を解除して開放させる。図3に示すように、側方フレームFを開放することにより、複数の搬送路(P1,P2,P6)が開放できるため、これらの搬送路で発生したジャムの転写紙Sの処置が容易にできる。
転写後搬送路P2とスイッチバック路P5とを筺体の両面に形成した二次転写ユニット14は、ローラ23の中心を回動中心としており、側方フレームFを図3のように開放したとき、二次転写ローラ14aが中間転写ベルト6aから離れる。更に、搬送用ローラ14cがローラ21と離れるように、二次転写ユニット14に回動習性を与えてある。この二次転写ユニット14は、内部に電源14bを備え、ケース外部は転写紙Sの搬送機能を有したユニットである。
定着装置15も搬送用ローラ15cと搬送用のガイド面を有しており、一部が再給紙路P6を構成している。この定着装置15は、図3の状態で、図の右方に引き出し可能に支持されている。従って、定着装置15内部で発生した用紙ジャムの処理も容易にできる。搬送用ローラ15cは、スプリング等によりローラ20側に付勢されており、搬送用ローラ14cは、スプリング等によりローラ21側に付勢されている。また、搬送ローラ対12A,12Bの画像形成装置500側のローラ12Ab,12Bbは、搬送ローラ対12A,12Bの側方フレームF側のローラ12Aa、12Ba側に弾性部材等によって付勢されている。その結果、側方フレームFが、図1の閉鎖位置にあるとき、側方フレームFは、搬送用ローラ15c、搬送用ローラ14c、搬送ローラ対12A,12Bの画像形成装置500側のローラにより開く方向に付勢される。その結果、ストッパ部材31のストッパ面31bと阻止部材32とが当接し、側方フレームFが位置決めされる。
次に、図4を参照してFRR(Feed and Reverse Roller)方式の給紙装置50の動作について説明する。図4は、本実施の形態の給紙装置50の内部構成を示す模式図である。図4に示す給紙装置50の給紙トレイ51は、フロントローディング方式である。給紙トレイ51の内側には回動軸53aを中心に回動可能な底板53が配置され、この底板53の上に転写紙Sの束がセットされる。
呼び出しローラ10は、転写紙Sの束の最上部に当接した状態で回転し、転写紙Sを搬送方向下流側に繰り出す。給紙トレイ51の前壁51aの近傍には用紙ガイド52が配置されており、呼び出しローラ10によって繰り出された転写紙Sは用紙ガイド52に案内されながら分離ローラ対11に送られる。
分離ローラ対11は、フィードローラ55とセパレートローラ56からなる。フィードローラ55は、呼び出しローラ10にギヤ連結されて搬送方向に回転する。フィードローラ55の回転軸には一方向クラッチが接続されている。セパレートローラ56は、スプリング56aによってフィードローラ55に圧接されており、トルクリミッタを介して搬送方向とは逆方向に駆動力(リバーストルク)を付与する。
搬送ローラ対12は、搬送方向に回転するグリップローラ58とグリップローラ58に対向する対向ローラ59からなる。転写紙Sの後端が呼び出しローラ10の接地点を通過する前でも、当該転写紙Sの前端がグリップローラ58に到達すると、呼び出しローラ10を転写紙Sの紙面から離間させる又は非駆動の状態とする制御が行われる。一方向クラッチに接続されるフィードローラ55は、その駆動を停止しても、グリップローラ58で搬送される用紙の搬送方向に連れ回り(従動回転)する。
レジストローラ対13は、グリップローラ58の下流側に配置される。レジストローラ対13は、様々なサイズの用紙に対応するため全幅コロでニップを形成している。また、レジストローラ13対の一方は、滑りやすい金属ローラになっている。なお、第1レジストローラ13A及び第2レジストローラ13Bの周面にはスリット等が形成されていてもよい。
搬送方向においてフィードローラ55とグリップローラ58の間には前端検知部K1が配置される。また、グリップローラ58とレジストローラ対13の間には用紙検知部K2が配置される。前端検知部K1と用紙検知部K2の検知結果に基づいて先行する転写紙Sに対して次に送る転写紙Sのタイミングが決定される。
転写紙Sの前端がグリップローラ58の更に下流側に位置する用紙検知部K2で検知されると、この検知をトリガーとして呼び出しローラ10を給紙トレイ51の最上部に位置する転写紙Sに当接させる又は再駆動させる。一方、フィードローラ55は用紙ジャムを防止するため先行する転写紙Sの後端がフィードニップを越える前に駆動停止される。このようなフィードローラ55の駆動停止とセパレートローラ56の逆方向回転により、先行する転写紙Sの後端に続く形で次に搬送される転写紙Sの前端がフィードニップに到達していても、用紙分離が確実に行われる。従って、先行する転写紙Sと次に搬送される転写紙Sの紙間制御不能による用紙ジャム発生を防止できる。
グリップローラ58を通過した転写紙Sの先端は、レジストローラ対13あたりで停止する。このとき、上流側に位置するグリップローラ58は下流側に位置するレジストローラ対13に比べて停止するタイミングが遅れるため転写紙Sに撓みが生じる。撓みが生じた転写紙Sの先端はレジストローラ対13の一方である金属ローラを滑って、ニップ位置に押し付けられ、先行する転写紙Sがスキュー補正される。
給紙トレイ51から繰り出された転写紙Sのスタートタイミングは、フィードローラ55の位置まで連れ出される転写紙Sの先端が、先行する転写紙Sの後端に追突しないように決定される。先行する転写紙Sの後端が前端検知部K1を越えた後に、前端検知部K1が次に搬送される転写紙Sの用紙前端を検知したところで、用紙検知部K2による検出可能な最低紙間が確保されているか否かが判断される。用紙検知部K2による先行する転写紙Sの前端検出時点と当該転写紙Sの長さ、それに前端検知部K1による次に搬送される転写紙Sの前端検出時点から紙間が算出される。そして、先行する転写紙Sの次に搬送される転写紙Sの前端がグリップローラ58下流の用紙検知部K2に到達した時点で最低紙間が形成されるように、フィードローラ55の搬送状態が制御される。なお、前端検知部K1による先行する転写紙Sの次に搬送される転写紙Sの前端検出時に、先行する転写紙Sの前端が用紙検知部K2まで到達していない場合、次に搬送される転写紙Sの搬送を一旦停止してスタート位置が確定される。本実施の形態では、前端検知部K1までは、次に搬送される転写紙Sを増速した搬送速度で搬送するように制御される。これにより、プリントスピードの高速化及び高品質化を両立できる。
給紙装置50のフィードローラ55、グリップローラ58及びレジストローラ対13等のローラは、歯を用いたギヤ機構や平ベルトやVベルトを用いたプーリ機構等の機械部品を介してモータの駆動力が伝達され、回転駆動する。ここで、モータの駆動力をローラの回転軸に伝達したときにローラの回転軸が受ける力の作用についてギヤ機構を用いた場合とプーリ機構を用いた場合に分けて説明する。
まず、ギヤ機構の場合について説明する。図5は、ギヤ機構を用いた場合のローラの回転軸912への力の伝達を説明する模式図である。図5において、紙面左側に位置する駆動ギヤ901はモータの出力軸911に連結されるギヤを示し、紙面右側に位置するローラギヤ902はローラの回転軸912に連結されるギヤを示している。モータの出力軸911の駆動力は、駆動ギヤ901とローラギヤ902の噛み合い部分を通じて回転軸912に伝達される。
図6は、駆動ギヤ901とローラギヤ902の接触部分の力の作用を説明する模式図である。図6に示すように、駆動ギヤ901の歯(例えば平歯)とローラギヤ902の歯が接触する方向で駆動ギヤ901からローラギヤ902に駆動力が伝達される。駆動ギヤ901の歯とローラギヤ902の歯が接触する方向は、回転方向(接線方向)に対して斜め方向である。
ローラギヤ902を所定速度で回転させるために回転方向に力f1が必要な場合、駆動ギヤ901の歯とローラギヤ902の歯が接触する方向で力Fを作用させる必要がある。力Fを作用させることにより、ローラギヤ902は、回転方向に力f1を受けるとともに、径方向の力f2が回転軸912に加わる。この軸方向に直交する方向で加わる力f2は、ローラの回転軸912の変形の原因となる。駆動ギヤ901も反作用を受けるので、ギヤ機構では、モータの出力軸911とローラの回転軸912は、互いに離れる方向の力を受けることになる。なお、駆動ギヤ901が、アイドラギヤ等であったとしても、ローラの回転軸912に同様の力が加わる。
次に、プーリ機構の場合について説明する。図7は、プーリベルト925を用いた場合のローラの回転軸932への力の伝達を説明する模式図である。図7において、紙面左側に位置する駆動プーリ921はモータの出力軸931に連結されているプーリを示し、紙面右側に位置するローラプーリ922はローラの回転軸932に連結されるギヤを示している。モータの出力軸931の駆動力は、駆動プーリ921、プーリベルト925及びローラプーリ922を介してローラの回転軸932に伝達される。
図7に示すように、モータの駆動力が伝達された駆動プーリ921とプーリベルト925とが係合を始める部分(駆動プーリ921の下側の部分)でプーリベルト925を引っ張る。プーリベルト925は、この引っ張られる力(T)によりローラプーリ922を引っ張る。ローラプーリ922のプーリベルト925が離れる部分(ローラプーリ922の下側の部分)では、引っ張られたプーリベルト925によりローラプーリ922の回転軸932が駆動プーリ921の出力軸931に近づく方向の力f2を受ける。なお駆動プーリ921の出力軸931は反作用のf2を受ける。このため、ローラプーリ922を介してローラの回転軸932に伝達される力f2は、ローラの回転軸932の変形の原因となる。なお、ローラプーリ922にプーリベルト925が近づく部分(ローラプーリ922の上側部分)では、プーリベルト925がローラプーリ922側に押されるがプーリベルト925が撓むためローラプーリ922の回転軸932が駆動プーリ921から離れる方向の力は発生しない。
このように、ギヤ機構及びプーリ機構の何れの場合においても、ローラの回転軸912,932に軸荷重の偏りが生じることになる。以下に説明する実施の形態では、複数の駆動部を用いつつ、軸荷重の偏りを抑制している。なお、以下の各実施の形態において、共通又は同様の構成については同じ符号を付してその詳細な説明を省略する場合がある。
図8は、第1の実施の形態の第1の駆動部80A及び第2の駆動部90Aとレジストローラ対13の位置関係を軸方向で示した模式図である。図9は、第1の実施の形態の第1の駆動部80A及び第2の駆動部90Aとレジストローラ対13の位置関係を軸方向に直交する方向で示した模式図である。
レジストローラ対13は、一端の駆動側の第1レジストローラ13Aと従動側の第2レジストローラ13Bからなり、第1レジストローラ13Aに第1の駆動部80A及び第2の駆動部90Aの駆動力が伝達される。駆動側の第1レジストローラ13Aは、シートに接触する搬送部であるローラ本体130と、ローラ本体130から軸方向に突出する回転軸150を有し、該回転軸150にはローラギヤ(回転軸ギヤ)151が連結される。
第1の駆動部80Aは、第1駆動軸82を有する第1モータ81と、第1駆動軸82に連結される第1駆動ギヤ(第1の駆動部材)83と、第1駆動軸82の軸角度を検出する第1軸角度検出部84と、を備える。同様に、第2の駆動部90Aは、第2駆動軸92を有する第2モータ91と、第2駆動軸92に連結される第2駆動ギヤ(第2の駆動部材)93と、第2駆動軸92の軸角度を検出する第2軸角度検出部94と、を備える。
第1の駆動部80Aと第2の駆動部90Aは、同じ構成のものが用いられる。即ち、第1モータ81と第2モータ91は、同じトルクを出力するモータである。第1モータ81及び第2モータ91としては、例えば、ステッピングモータやブラシレスモータ等の位置制御可能なモータが用いられる。第1駆動ギヤ83と第2駆動ギヤ93は同じ形状のもので同じトルクを出力する。
また、第1軸角度検出部84は第1モータ81の第1駆動軸82と同軸上に配置され、第2軸角度検出部94は第2モータ91の第2駆動軸92と同軸上に配置される。第1軸角度検出部84と第2軸角度検出部94は、エンコーダ、ポテンショメータ等の軸角度を検出できるものであればよく、その構成は限定されないが、同じ仕様のものを用いることが好ましい。第1軸角度検出部84と第2軸角度検出部94の出力情報に基づいてフィードバック制御されることにより、第1モータ81のトルクと第2モータ91のトルクが干渉することなく効率良く第1レジストローラ13Aを回転させる。
第1駆動ギヤ83と第2駆動ギヤ93の位置関係について説明する。第1駆動ギヤ83と第2駆動ギヤ93は、同一のローラギヤ151を挟んで対向配置される。図8において、この第1の実施の形態では、第1駆動ギヤ83、第2駆動ギヤ93及びローラギヤ151のそれぞれの回転中心は、転写紙Sの搬送方向(図8の矢印の方向)に平行な同一直線上に位置(図4参照)し、第1駆動ギヤ83とローラギヤ151の回転中心を結んだ直線とローラギヤ151の回転中心と第2レジストローラ13Bの回転中心とを結んだ直線とは直交している。即ち、第1の実施の形態では、第1駆動ギヤ83の回転中心と第1レジストローラ13Aの回転中心(ローラギヤ151の回転中心、回転軸150の回転中心)とを結んだ直線と、第2駆動ギヤ93の中心と回転軸150の回転中心とを結んだ直線と、がなす角度αが180度になっている。
ここで、第1駆動ギヤ83によってローラギヤ151を介して加えられる回転軸150を押し出そうとする力を力f2aとし、第2駆動ギヤ93によってローラギヤ151を介して加えられる回転軸150を押し出そうとする力を力f2bとする。第1駆動ギヤ83と第2駆動ギヤ93は、回転軸150を挟んで対向しているため、力f2aが作用する方向は力f2bの作用する方向とが互いに反対方向となり、力f2aと力f2bが打ち消し合う状態となる。これによって、回転軸150の変形によって第1レジストローラ13Aが第2レジストローラ13Bに対して傾きや対向圧(ニップ圧)の変化を生じ搬送力を低下させることなく、第1の駆動部80A及び第2の駆動部90Aを利用したレジストローラ対13の回転を実現できる。
次に、第1の実施の形態の配置を変更した第2の実施の形態について説明する。図10は、第2の実施の形態の第1の駆動部80B及び第2の駆動部90Bとレジストローラ対13の位置関係を軸方向で示した模式図である。
第2の実施の形態の一端の第1の駆動部80Bは、第1の実施の形態の第1の駆動部80Aと位置関係も含めて同様の構成である。これに対して第2の実施の形態の一端の第2の駆動部90Bは、第1実施の形態の第2の駆動部90Aと構成が共通するものの、配置位置が異なっている。より具体的には、第2の実施の形態では、回転軸150の回転中心と第1駆動ギヤ83の回転中心を結んだ直線と、回転軸150の回転中心と第2駆動ギヤ93の中心を結んだ直線と、がなす角度αが90度になっている。
この配置では、第1の駆動部80Bによって加えられる回転軸150を押し込む力F2aの作用する方向と、第2の駆動部90Bによって加えられる回転軸150を押し込む力F2bの作用する方向と、が直交する状態となる。従って、第1の駆動部80B及び第2の駆動部90Bを用いた場合においても、力F2aと力F2bが軸方向に直交し、かつ搬送方向(図10の矢印方向)に平行な方向で強め合うことがない。なお、角度αが90度より小さくなると力F2aと力F2bが軸方向に直交し、かつ搬送方向に平行な方向で強め合うことになる。
以上説明したように、搬送装置としての給紙装置50では、第1の駆動部80A(第1の実施の形態),80B(第2の実施の形態)は、第1レジストローラ13Aの軸方向一側に配置される第1駆動軸82を有し、第2の駆動部90A(第1の実施の形態),90B(第2の実施の形態)は、第1レジストローラ13Aの軸方向一側に配置される第2駆動軸92を有する。そして、第1レジストローラ13Aの軸方向視において第1レジストローラ13Aの回転中心を中心として第1駆動ギヤ83の回転中心と第2駆動ギヤ93の回転中心がなす角度が90度以上180度以下に配置される。即ち、第1駆動ギヤ83と第2駆動ギヤ93は、回転軸150にかかる径方向の力が打ち消し合う又は強め合わないように配置される。これによって回転軸150の変形を抑制できる。なお、打消し効果は、駆動部材(第1駆動ギヤ83及び第2駆動ギヤ93)が2個の場合、角度αが180度に近ければ近い程強くなる。
また、第1駆動ギヤ83、第2駆動ギヤ93及びローラギヤ151を介して回転軸150に駆動力が伝達される。そして、第1駆動ギヤ83とローラギヤ151が減速機構として機能するとともに、第2駆動ギヤ93とローラギヤ151が減速機構として機能し、両者の減速比は同じ値に設定されており、第1モータ81と第2モータ91の各トルク出力に関する駆動制御の容易化、省略化又は簡素化が実現される。
次に、レジストローラ対13の軸方向両側に駆動部が配置される構成について説明する。図11は、第3の実施の形態の一端の第1の駆動部80C及び他端の第2の駆動部90Cとレジストローラ対13の位置関係を搬送方向で示した模式図である。図12は第3の実施の形態の第1の駆動部80Cとレジストローラ対の位置関係を軸方向で示した模式図であり、図11のA-A線矢視図である。図13は、図12と同様に、図11のB-B線矢視図である。
図11に示すように、第1の駆動部80Cが有する第1モータ110は、第1レジストローラ13Aの軸方向の一側に配置され、第2の駆動部90Cが有する第2モータ120は、第1レジストローラ13Aの軸方向の他側に配置される。第1の駆動部80Cは、第1駆動軸115を有する第1モータ110と、第1駆動軸115に連結される第1駆動ギヤ(第1の駆動部材)111と、を備える。同様に、第2の駆動部90Cは、第2駆動軸125を有する第2モータ120と、第2駆動軸125に連結される第2駆動ギヤ(第2の駆動部材)121と、を備える。この第3の実施の形態においても、第1モータ110と第2モータ120は、共通の構成のものが用いられ、第1モータ110によって出力されるトルクと第2モータ120によって出力されるトルクは同じ大きさである。また、第1駆動ギヤ111と第2駆動ギヤ121も同じ形状のものが用いられる。
大きなトルクを得るために第1駆動ギヤ111に比べて第1ローラギヤ112が相対的に大きくなるように歯数を変えて構成されており、第2駆動ギヤ121に比べて第2ローラギヤ122が相対的に大きくなるように歯数を変えて構成されている。第1駆動ギヤ111と第1ローラギヤ112は、第1モータ110の第1駆動軸115の回転速度を減速する減速機構として機能し、第2駆動ギヤ121と第2ローラギヤ122は、第2モータ120の第2駆動軸125の回転速度を減速する減速機構として機能する。第1ローラギヤ112及び第1駆動ギヤ111の減速比と第2ローラギヤ122及び第2駆動ギヤ121の減速比は同じ値となっており、第1モータ110と第2モータ120の各トルク出力に関する駆動制御の容易化、省略化又は簡素化を実現している。
第1ローラギヤ112と第2ローラギヤ122の位置関係について説明する。図12に示すように、第1駆動ギヤ111は、軸方向一側の回転軸150Aに連結される第1ローラギヤ112に噛み合うように配置される。図13に示すように、第2駆動ギヤ121は、軸方向他側の回転軸150Bに連結される第2ローラギヤ122に噛み合うように配置される。第3の実施の形態では、第1ローラギヤ112と第2ローラギヤ122は、軸方向で重なる位置に配置される。即ち、軸方向視において、第1ローラギヤ112の回転中心と第1駆動ギヤ111の回転中心とを結ぶ直線と、第2ローラギヤ122の回転中心と第2駆動ギヤ121の回転中心とを結ぶ直線と、がなす角度が0度の同位相の配置となっている。
第1駆動ギヤ111から第1ローラギヤ112に作用する力F1aと、第1駆動ギヤ111から第1ローラギヤ112に作用する力F1bと、は同じ大きさである。従って、第1駆動ギヤ111を介して伝達される回転軸150Aを押し出そうとする力F2aと、第2駆動ギヤ121を介して伝達される回転軸150Bを押し出そうとする力F2bと、も同じ大きさとなる。上述のように、第1ローラギヤ112と第2ローラギヤ122は軸方向で同位相であるため、力F2aの作用方向と力F2bの作用方向も同じ方向となる。即ち、第1レジストローラ13Aの両側に位置する回転軸150A,150Bには、レジストローラ13対の対向圧に影響がない搬送方向(図8の矢印方向)に平行な同じ方向で均等に力が加わることになる。
一側のみに配置された駆動部材によってレジストローラを同じ力で回転させようとした場合、軸方向一側の回転軸が駆動力の負荷の全てを受け止める必要がある一方、軸方向他側の回転軸には駆動力の負荷が直接的に作用しないことになる。この点、本実施の形態では、両側の回転軸150A,150Bに駆動力を均等に伝達することにより、第1レジストローラ13Aの第2レジストローラ13Bに対する変形を防止している。
以上説明した第3の実施の形態では、両端軸で第1の駆動部80Cと第2の駆動部90Cが同位相で配置される構成について説明した。次に、位相が異なる例について説明する。なお、位相が異なる以外は同じ構成である。
図14は、第4の実施の形態のレジストローラ対13に対する一端の第1の駆動部80Dと他端の第2の駆動部90Dの位置関係を軸方向で示した模式図である。第1の駆動部80Dは、第3の実施の形態の第1の駆動部80Cと同じ位置に配置されている。これに対して第2の駆動部90Dは、軸方向視で第1の駆動部80Dと重ならない位置に配置されている。より具体的には、軸方向視において、第1レジストローラ13Aの回転中心と第1駆動ギヤ111の回転中心とを結ぶ直線と、第1レジストローラ13Aの回転中心と第2駆動ギヤ121の回転中心とを結ぶ直線と、がなす角度βが90度となっている。
図15は、第5の実施の形態のレジストローラ対13に対する一端の第1の駆動部80Eと他端の第2の駆動部90Eの位置関係を軸方向で示した模式図である。第5の実施の形態においても、第1の駆動部80Eは、第3の実施形態の第1の駆動部80Cと同じ位置に配置されている。これに対して第2の駆動部90Eは、軸方向視において、第4の実施の形態とは逆向きで、第1レジストローラ13Aの回転中心と第2駆動ギヤ121の回転中心とを結ぶ直線と、がなす角度βが90度となっている。
第4の実施の形態及び第5の実施の形態では、第1レジストローラ13Aの回転中心と第2駆動ギヤ121の回転中心とを結ぶ直線と、がなす角度βが90度となっている。この位置関係は、第1の駆動部80Dの位置を基準位置とすると、第2の駆動部90Dが+90度だけ周方向にずれていると表現することもできる。同様に、第1の駆動部80Eの位置を基準位置とすると、第2の駆動部90Eが-90度だけ周方向にずれていると表現することもできる。この構成においても、第1レジストローラ13Aが、回転軸150Aを押し出そうとする力F2aと、回転軸150Bを押し出そうすると力F2bと、が作用しないので、第1レジストローラ13Aの第2レジストローラ13Bに対する変形を防止できる。なお、角度βが90度より大きくなると、回転軸150Aや回転軸150Bが第2レジストローラ13Bとねじれの位置に変形する力が加わることになる。
以上説明したように、第1の駆動部80C(第3の実施の形態),80D(第4の実施の形態),80E(第5の実施の形態)は、第1レジストローラ13Aの軸方向一側に配置される第1駆動軸115を有し、第2の駆動部90C(第3の実施の形態),90D(第4の実施の形態),80E(第5の実施の形態)は、軸方向他側に配置される第2駆動軸125を有する。そして、第1レジストローラ13Aの軸方向視において第1レジストローラ13Aの回転中心を中心として第1駆動ギヤ111の回転中心と第2駆動ギヤ121の回転中心がなす角度が0度以上90度以下になるように第1駆動ギヤ111と第2駆動ギヤ121が配置される。これによって、第1駆動ギヤ111によって回転軸150Aの径方向にかかる力と第2駆動ギヤ121によって回転軸150Bの径方向にかかる力が強め合わない位置関係となり、第1レジストローラ13Aの変形を抑制できる。第1レジストローラ13Aの変形を生じさせないためには、第1駆動ギヤ111と第2駆動ギヤ121は同位相に配置されることがより好ましい。
次に、第1レジストローラ13Aの両側の回転軸150A,150Bに駆動力を伝達する駆動部にプーリ機構を用いた第6の実施の形態について説明する。図16は、第6の実施の形態の第1の駆動部80F及び第2の駆動部90Fとレジストローラ対13の位置関係を搬送方向で示した模式図である。図17は、第6の実施の形態の第1の駆動部80Fとレジストローラ対13の位置関係を軸方向で示した模式図であり、図16のC-C線矢視図である。
図16に示すように、第1レジストローラ13Aの軸方向一側に配置される第1モータ110の第1駆動軸115には第1駆動プーリ(第1の駆動部材)211が連結される。図17に示すように、第1レジストローラ13Aの回転軸150Aには第1ローラプーリ(回転軸プーリ)212が連結されている。第1駆動プーリ211と第1ローラプーリ212に歯付ベルト215が掛け回されており、第1駆動軸115の回転に伴って第1駆動プーリ211が回転し、歯付ベルト215、第1ローラプーリ212を介して回転軸150Aに駆動力が伝達される。このとき、回転軸150Aには、歯付ベルト215からの力により、第1駆動プーリ211側に引っ張られる力F2aが作用する。
同様に、第1レジストローラ13Aの軸方向他側に配置される第2モータ120の第2駆動軸125には第2駆動プーリ(第2の駆動部材)221が連結される。第1レジストローラ13Aの回転軸150Bには第2ローラプーリ222が連結されている。第2駆動プーリ221と第2ローラプーリ222に歯付ベルト225が掛け回されており、第2駆動軸125の回転に伴って第2駆動プーリ221が回転し、歯付ベルト225、第2ローラプーリ222を介して回転軸150Bに駆動力が伝達される。このとき、回転軸150Bには、歯付ベルト225からの力により、第2駆動プーリ221側に引っ張られる力F2bが作用する。
第6の実施の形態では、軸方向視において第1の駆動部80Fの第1駆動プーリ211と第2の駆動部90Fの第2駆動プーリ221は同位相に配置される。従って、回転軸150Aにかかる力F2aと回転軸150Bにかかる力F2bは、同じ力で同じ方向に作用することになる。本構成においても、第3の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、第6の実施の形態の構成において、第1駆動プーリ211に対して第1ローラプーリ212は大きく構成されており、第1駆動プーリ211及び第1ローラプーリ212は減速機構として機能する。同様に、第2駆動プーリ221に対して第2ローラプーリ222は大きく構成されており、第2駆動プーリ221及び第2ローラプーリ222も減速機構として機能する。そして、両者の減速比も同じ値に設定されている。
次に、第6の実施の形態とは異なる構成のプーリ機構を用いた第7の実施の形態について説明する。図18は、第7の実施の形態の第1の駆動部80G及び第2の駆動部90Gと第1レジストローラ13Aの回転軸150を示す斜視図であり、図19はそれを軸方向で見た図である。
図18及び図19に示すように、第7の実施の形態では、複数の駆動部80G,90Gの駆動力が第1レジストローラ13Aの回転軸150に伝達される。駆動部80Gは、駆動軸521を有する第1モータ110と、駆動軸521に連結される駆動プーリ512と、を備える。同様に、駆動部90Gは、駆動軸522を有する第2モータ120と、駆動軸522に連結される駆動プーリ513と、を備える。第1モータ110と第2モータ120は、軸方向に直交する方向で並んだ状態でブラケット510によって保持される。
ブラケット510において、第1の駆動部80Gの駆動プーリ512と第2の駆動部90Gの駆動プーリ513の間にはアイドラプーリ514が配置される。駆動プーリ512、駆動プーリ513及びローラプーリ511に歯付ベルト515が掛け回され、アイドラプーリ514は歯付ベルト515の外周面に接触し、所定の張力を付与する。
図18及び図19で示した複数の駆動プーリ512,513、歯付ベルト515及びアイドラプーリ514は、第1レジストローラ13Aの軸方向両側のそれぞれに配置される。従って、合計4個のモータの駆動力が共通の第1レジストローラ13Aに伝達されることになる。本構成においても、両側の回転軸150に加わる力は均等となるので、軸方向に対する変形を抑制できる。
第7の実施の形態では、軸方向両側に複数の駆動プーリ512,513をそれぞれ配置する構成を説明したが、軸方向の一側のみに複数の駆動部材を配置する場合においても、プーリ機構を用いることができる。図20は、第8の実施の形態の第1の駆動部80H及び第2の駆動部90Hとレジストローラ対13の位置関係を軸方向で示した模式図である。
図20に示すように、軸方向視において、第1レジストローラ13Aの回転中心と、駆動プーリ512の回転中心と、駆動プーリ513の回転中心と、がなす角度が90度になっている。プーリ機構では、ギヤ機構のときとは逆向きに回転軸を押し出そうとする力F2aと力F2bが加わるが、これらの力が回転軸150の径方向で強め合わないので、同じトルクを単独のモータで駆動させる場合に比べて回転軸150にかかる負荷を低減できる。なお、プーリ機構はチェーンを用いたスプロケット機構でもよい。
次に、上記実施の形態の第1モータ110と第2モータ120の制御例について説明する。
図21は、本実施の形態の第1モータ110と第2モータ120の駆動制御の一例を示すブロック図である。第1制御部101は、駆動部としての第1モータ110を駆動制御するPIDコントローラである。第2制御部102は、第2モータ120を駆動制御するPIDコントローラである。第1制御部101及び第2制御部102には、位置目標値xtgtと角速度vtgtが入力される。第1制御部101は、プリドライバ135にPWM信号とDIR信号を出力し、プリドライバ135が第1モータ110を駆動制御する。第2制御部102は、プリドライバ136にPWM信号とDIR信号を出力し、プリドライバ136が第2モータ120を駆動制御する。第1モータ110にはエンコーダ131が配置されており、エンコーダ131によって第1モータ110の位置及び角度が取得される。
第1制御部101は、エンコーダ131から出力される位置信号xdetと角速度vdetをフィードバックして、位置目標値xtgtと角速度vtgtとの偏差を求め、偏差に基づいて第1モータ110を駆動する電流値又は電圧値を出力する。第2制御部102は、上記位置信号と同一の信号を用いて第2モータ120を駆動する電流値又は電圧値を出力する。
即ち、複数のモータのうち、第1モータ110を制御する第1制御部101と、複数のモータのうち第1モータ110以外の第2モータ120を制御する第2制御部102と、を備える。第1制御部101は、所定の駆動軸の回転量を示す第1位置信号に基づいて第1モータ110を制御する信号を出力し、第2制御部102は、第1位置信号に基づいて第2モータ120を制御する信号出力する。これにより、複数のモータを組み合わせて大きな駆動力を発生させることができるとともに、第1モータ110のエンコーダ131からの単一の位置信号xdetの負帰還を用いて第1モータ110と第2モータ120間のトルク干渉を防止できる。また、ギヤを用いた減速機構は負荷の大小によって、歯のかみ合い等の状態が変わるため、伝達剛性が変化することがある。例えば、負荷が小さい場合、歯車のかみ合いが悪化する等して伝達剛性が低下し、振動が発生する場合がある。本実施の形態では、エンコーダ131からの角速度vdetの負帰還を用いて伝達剛性の変化に起因する振動の発生を抑制できる。また、標準的な容量のモータを複数使用するので、高出力の効果なモータを単独で使用する場合に比べ、安価な駆動制御装置を実現できる。
以上、複数の駆動部を用いた実施の形態について説明してきたが、複数の駆動部を3個以上配置することもできる。次に、3個の駆動部によってレジストローラを駆動する構成について説明する。
図22は、第9の実施の形態の複数の駆動部80I,90I,100とレジストローラ対13の位置関係を軸方向で示した模式図である。図22に示すように、第1レジストローラ13Aの回転中心を基点とすると、駆動部80Iの駆動軸611と、駆動部90Iの駆動軸621と、駆動部100の駆動軸631と、が120度ごとに一端に配置されている。従って、駆動軸611に連結される駆動ギヤ612、駆動軸621に連結される駆動ギヤ622及び駆動軸631に連結される駆動ギヤ632は、周方向で等間隔に並んでいる。第1レジストローラ13Aの回転軸150に連結されるローラギヤ151には、3個の駆動ギヤ612,622,632から駆動力が伝達される。本構成においても、回転軸150を押し出そうとする力が打ち消し合うことになる。
このように、3個以上のモータを両端に使用してもよい。なお、各モータは、フィードバック制御ができるものであることが好ましく、各モータの容量や形式が異なる構成であってもよい。
以上説明したように、搬送装置としての給紙装置50は、第1レジストローラ13Aの回転軸150に対して駆動力を伝達する第1の駆動部80A~80Iと、回転軸150に第1の駆動部80A~80Iと同じトルクで駆動力を伝達する第2の駆動部90A~90I,100と、を備える。これにより、単独の駆動部(モータ)によって片側で第1レジストローラ13Aを回転させる構成に比べ、軸荷重の偏りを抑制でき、回転軸150の変形や第2レジストローラ13Bに対する第1レジストローラ13Aの変形等も防止できる。また、複数の駆動部を用いることにより、対応用紙サイズや対応紙厚が大きい場合や生産性向上のための高速化に対しても高出力のモータを使用することなく容量の小さいモータを使用でき、本体価格及び駆動回路の価格も抑制できる。
また、画像形成装置500は、給紙装置50と、給紙装置50から搬送される転写紙Sに画像を形成する画像形成部200と、画像形成部200のシート搬送方向の上流側に配置される第1レジストローラ13Aと第2レジストローラ13Bと、を備える。そして、第1の駆動部80A~80Iと第2の駆動部90A~90I,100とによって第1レジストローラ13Aを駆動する。これにより、強い圧が掛けられ通紙幅に対応するコロを有する第1レジストローラ13Aの変形が生じないので、用紙突き当て時のスキュー補正の容易化及びレジストローラ13対の挟持時のしわ発生の低減を実現できる。また、必要な種類のモータの数も低減でき、画像形成装置500の製造コストの優位性を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態及び変形例について説明したが、本発明は、上述の構成に制限されるものではなく、更に適宜変更が可能である。
上記実施の形態では、FRR方式の給紙装置50を搬送装置の例として説明したが、セパレートローラにリバーストルクをかけないRF(Roller Friction)方式の給紙装置にも適用できる。FRR方式及びRF方式は、何れも、用紙前端位置と、フィードローラとセパレートローラの圧接部の位置関係がラフでも用紙分離性能に影響がないという利点を有し、位置精度を上げるための余分なコストがかからず、コスト的に有利でフロントローディングタイプに好適である。
また、給紙装置以外の搬送装置にも本発明を適用できる。例えば、レジストローラ対13の駆動以外にも、上記実施の形態で説明した各種のローラの駆動に適用できる。更に、搬送対象のシートも転写紙Sに限定されるわけではない。アルミシート、プラスチックシート等の紙以外のシートを搬送対象とする搬送装置にも適用することができる。
上記実施の形態では、カラーレーザープリンタを画像形成装置の例として説明したが、これに限定されない。複写機、ファクシミリや複写機、ファクシミリ、プリンタ等の複数の機能を備えた複合機、スキャナ等の画像読取装置にも本発明を適用できる。
次に、本発明の一実施形態として、丁合機800に用いられる搬送装置810を説明する。図23は、本発明の一実施の形態の搬送装置810を備える丁合機800の模式図である。
図23に示す丁合機800は、丁合機構を内蔵する本体801と、本体801に丁合対象のシートSが給紙される給紙部802と、本体801の内部で丁合されたシートSの束が排出される排出部803と、シートSの束を上方に移動させる搬送装置810と、を備える。
給紙部802は、上下方向に並ぶ複数の給紙トレイ804を備える。複数の給紙トレイ804には、それぞれ丁合対象のシートSがセットされる。給紙トレイ804にセットされたシートSは、本体801の内部で丁合され、排出部803に排出される(図23中の2点鎖線参照)。排出部803は、丁合されたシートSの束を搬送装置810に搬送する機構を備え、搬送装置810にシートSの束を移動させる。
搬送装置810は、本体801で丁合されたシートSの束を人が取りやすい高さまで持ち上げるリフターである。搬送装置810の詳細な構成について説明する。図24は、本実施の形態の搬送装置810の斜視図である。図25は、本実施の形態の搬送装置810の複数の駆動部840,850,860,870及びその周囲を示す斜視図である。図26は、本実施の形態の搬送装置810の複数の駆動部840,850,860,870の位置関係を示す模式図である。
図24に示すように、搬送装置810は、モータ用伝達機構820と、昇降用伝達機構830と、フレーム811と、搬送トレイ812と、複数の駆動部840,850,860,870と、を備える。
モータ用伝達機構820は、第1回転体821と、第2回転体822と、第1回転体821及び第2回転体822に掛け回される無端状部材823と、からなる。なお、モータ用伝達機構820は、第1回転体821及び第2回転体822をプーリで構成するとともに無端状部材823をベルトで構成したプーリ機構であってもよいし、第1回転体821及び第2回転体822をスプロケットで構成するとともに無端状部材823をチェーンによって構成したスプロケット機構であってもよい。
第1回転体821には、後述するように、複数の駆動部840,850,860,870からの駆動力が伝達される。
昇降用伝達機構830は、第1回転体831と、第2回転体832と、第1回転体831及び第2回転体832に掛け回される無端状部材833と、からなる。なお、昇降用伝達機構830は、第1回転体831及び第2回転体832をプーリで構成するとともに無端状部材833をベルトで構成したプーリ機構であってもよいし、第1回転体831及び第2回転体832をスプロケットで構成するとともに無端状部材833をチェーンによって構成したスプロケット機構であってもよい。
第1回転体831は、モータ用伝達機構820の第2回転体822に連結されており、第2回転体822とともに一体的に回転する。
フレーム811は、丁合機800の本体801に固定される。搬送トレイ812は、支持部材813を介してフレーム811に取り付けられる。支持部材813は、昇降用伝達機構830の無端状部材833に連結されており、無端状部材833の回動に伴って昇降可能に構成される。
次に、複数の駆動部840,850,860,870について説明する。駆動部840は、駆動モータ841と、駆動モータ841の駆動軸842に連結される駆動ギヤ843と、を備える。駆動部850は、駆動モータ851と、駆動モータ851の駆動軸852に連結される駆動ギヤ853と、を備える。駆動部860は、駆動モータ861と、駆動モータ861の駆動軸862に連結される駆動ギヤ863と、を備える。駆動部870は、駆動モータ871と、駆動モータ871の駆動軸872に連結される駆動ギヤ873と、を備える。
駆動モータ841,851,861,871は、いわゆるクワッドモータであり、4個一組の同一仕様のモータである。駆動ギヤ843,853,863,873は、何れも同じ形状であり、同じトルクを出力する。また、駆動ギヤ843,853,863,873は、それぞれの回転中心が第1回転体821の回転軸825を中心とした同一の円上に等間隔に位置するように配置される。第1回転体821は、駆動ギヤ843,853,863,873に噛み合うギヤ部分を有しており、駆動ギヤ843,853,863,873を介して駆動モータ841,851,861,871の駆動力が第1回転体821に伝達される。
以上説明したように、丁合機800に用いられる搬送装置810は、一の回転軸825に対して駆動力を伝達する第1の駆動部材としての駆動ギヤ843と、回転軸825に駆動ギヤ843と同じトルクで駆動力を伝達する第2の駆動部材としての駆動ギヤ853,863,873と、を含み、駆動ギヤ843,853,863,873は、回転軸825にかかる径方向の力が打ち消し合うように配置され、回転軸825から伝達される駆動力によってシートSの束を搬送する。本実施の形態では、回転軸825から伝達される力が、モータ用伝達機構820を介して昇降用伝達機構830に伝達され、無端状部材833の回動に伴って搬送トレイ812が上昇し、シートSの束が搬送される。駆動ギヤ843,853,863,873によって回転軸825にかかる径方向の力が打ち消し合うので、回転軸825の倒れが防止される。従って、回転軸825の倒れによって駆動モータ841,851,861,871と、第1回転体821の軸間が変わることに起因するギヤ部分のけずれや異音の発生を防止できる。