JP7240204B2 - 発泡装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡装置に関する。
発泡性メディアを加熱して発泡させるための発泡装置が種々開発されている。
例えば、特願2019-6563は、所望の画像や凹凸模様を有する発泡物を製造するために、画像や発泡の程度を調節する機能性インクが印刷された発泡性メディアを、ロール・ツー・ロール方式で搬送しながら、赤外線ヒーターで加熱する発泡装置を開示する。
上述のような発泡装置において、発泡性メディアの発泡に掛かる発泡時間は短いことが好ましい(特に、発泡のための加熱領域の炉長は短く、発泡性メディアの搬送速度は速いことが好ましい)。当該発泡時間を短くするための方法として、発泡装置の加熱温度(ここでは、赤外線ヒーターの出力)を高くすることが考えられるが、当該加熱温度を高くすると、発泡性メディアに対して熱によるダメージを与えやすい。従って発泡時間を充分に短くする必要があるが、発泡時間を短くしすぎると、今度は充分な発泡が得られない。このように、加熱温度を高くすると、発泡時間の調整(特に、発泡のための加熱領域の炉長の調整や発泡性メディアの搬送速度の調整)が難しくなってしまう。従って、加熱温度を高くして発泡時間を短くする方法は、採用し難い。
以上を鑑み、本願発明は、発泡時の加熱温度は高くないが発泡時間が短い発泡装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点に掛かる発泡性メディアの発泡装置は、
所定の搬送方向に搬送されている、発泡温度以上の加熱温度で加熱することにより発泡する発泡層を備える発泡性メディアを、前記発泡温度未満の第1の温度で加熱する第1の加熱器と、
前記第1の加熱器により加熱された前記発泡性メディアを、前記発泡温度以上の第2の温度で加熱して発泡させる第2の加熱器と、
を備える。
以上の構成によれば、高くない加熱温度且つ短い発泡時間で発泡性メディアを発泡させることができる。
前記第1の温度は室温より高い、
こととしてもよい。
以上の構成によれば、高くない加熱温度且つ短い発泡時間で発泡性メディアを発泡させることができる。
前記第1の加熱器は、前記発泡性メディアを、所定温度になるまで加熱する、
こととしてもよい。
以上の構成によれば、高くない加熱温度且つ短い発泡時間で発泡性メディアを発泡させることができる。
前記第2の加熱器は、前記搬送方向に沿って一様な加熱温度分布で、前記発泡性メディアを加熱する、
こととしてもよい。
以上の構成によれば、高くない加熱温度且つ短い発泡時間で発泡性メディアを発泡させることができる。
前記第1の温度は、前記発泡層を構成する熱可塑性樹脂の溶融温度未満である、
こととしてもよい。
以上の構成によれば、高くない加熱温度且つ短い発泡時間で発泡性メディアを発泡させることができる。また、発泡性メディアの発泡ムラを抑制できる。
前記第1の加熱器は、接触式加熱装置を含み、
前記第2の加熱器は、非接触式加熱装置を含む、
こととしてもよい。
以上の構成によれば、高くない加熱温度且つ短い発泡時間で発泡性メディアを発泡させることができる。また、発泡性メディアの発泡ムラを抑制できる。
本発明によれば、発泡性メディアを発泡させる際の加熱温度は高くないが、発泡性メディアの発泡に必要な発泡時間を短くできる。
発泡性メディアの断面模式図。(a)は発泡前、(b)は発泡後の発泡性メディアを示す。 本実施形態に係る発泡性メディアの発泡装置の模式図。
本発明の一実施形態に係る発泡性メディア10の発泡装置100について、図面を参照しつつ、説明する。
(発泡性メディア10の構成)
発泡性メディア10は、シート(厚さは任意であり、薄いシートであるフィルムを含む)状のメディアであり、保管や輸送のために、ロール状に巻き取り可能である。発泡性メディア10は、図1に示すように、基材11と、基材11の一面上に形成された発泡層12とを備える。
基材11は、任意の材料からなるシートである。例えば、基材11の材料としては、紙、布、プラスチックなどが挙げられる。基材11は、特に、耐水性と後述の発泡層12への密着性とが高いことが好ましい。こうした基材11としては、不織布製シート、フリース製シート、多孔質フィルムなどが挙げられる。
発泡層12は、当該層内の発泡成分が加熱されて発泡することで膨張し発泡前よりも厚みが増加する熱可塑性樹脂層である。本明細書では、発泡層12がこのように加熱により膨張することを、発泡層12が『発泡』するとも表現する。また、発泡成分が発泡する温度を発泡温度ともいう。特に、発泡温度は、発泡成分が発泡を開始する発泡開始温度を包含する。
加熱による発泡原理は任意であり、発泡成分として、例えば、熱分解など加熱に伴い気体を発生する化学発泡剤や、加熱により揮発し膨張する揮発溶媒を包み込んだ熱可塑性樹脂マイクロカプセルを用いることができる。
例えば、前述の化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられ、特に、アゾジカルボンアミドが望ましい。
また、前述のマイクロカプセルとしては、揮発性有機溶媒が封入された熱可塑性樹脂のマイクロカプセルが挙げられる。揮発性有機溶媒としては、例えば、石油エーテル、炭化水素(イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなど)、低沸点ハロゲン化炭化水素、メチルシランなどが挙げられる。マイクロカプセルを構成する熱可塑性樹脂として、例えば、塩化ビニリデン-アクリロニトリル系共重合体、アクリロニトリル系共重合体、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体などが挙げられる。
発泡層12の主体となる熱可塑性樹脂は、発泡成分の発泡原理に適合し、発泡成分の発泡によって膨張するのであれば任意である。例えば、熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。さらに、ポリ塩化ビニル樹脂は、後述の可塑剤を併用した軟質ポリ塩化ビニルをベース樹脂とするのが好ましい。
発泡層12は、発泡成分に応じて、追加の成分をさらに含んでもよい。例えば、発泡成分として化学発泡剤を用いる場合、熱可塑性樹脂に化学発泡剤の発泡を促進し発泡温度を低下させる発泡助剤をさらに配合することが好ましい。こうした発泡助剤としては、ステアリン酸亜鉛などの亜鉛化合物、ステアリン酸バリウムなどのバリウム化合物などが挙げられる。
発泡層12は、用途に応じて、任意で、可塑剤、充填剤、顔料、難燃剤などをさらに含んでもよい。
可塑剤としては、例えば、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、トリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル(TOTM)、リン酸トリクレジル(TCP)などが挙げられる。
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、粘土鉱物が挙げられる。
顔料としては、任意の顔料、例えば、酸化チタンなどの白色顔料などが挙げられる。
難燃剤としては、リン酸系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、水酸化アルミニウム難燃剤、水酸化マグネシウム難燃剤、塩素系難燃剤などが挙げられる。
発泡性メディア10は、さらに、所望の意匠性に応じて、図1(a)に示すように、発泡層12上に、発泡促進層13、発泡抑制層14、及び/又は、画像層15が予め形成されていてもよい。
発泡促進層13は、加熱による発泡層12の発泡を促進する発泡促進剤を含有する層である。このため、発泡性メディア10を後述の発泡装置100で加熱し発泡層12が発泡した発泡性メディア10を形成した場合、図1(b)に示すように、発泡層12における発泡促進層13が設けられた領域の盛り上がりは、発泡促進層13が設けられていない領域よりも、高くなる。この結果、発泡済みの発泡性メディア10には、平面視した際の発泡促進層13の形状を有する凸部13aが形成される。
発泡促進剤は、後述の第2の加熱器70の加熱温度で発泡層12の発泡を促進できれば任意である。発泡促進剤が発泡成分の発泡を促進する原理は特に限定されず、例えば、発泡促進剤として、発泡成分の発泡に必要な化学反応を化学的に促進する剤(化学的発泡促進剤)や、塗布箇所の温度を局所的に高める吸熱剤を用いることができる。例えば、発泡成分として上述の化学発泡剤を用いる場合、発泡促進剤として、尿素化合物(尿素など)、亜鉛化合物などの化学的発泡促進剤を用いることができる。また、発泡成分として上述のマイクロカプセルを用いる場合、発泡促進剤として、カーボンブラックなどの吸熱剤を用いることができる。
発泡抑制層14は、加熱による発泡層12の発泡を抑制する発泡抑制剤を含有する層である。このため、発泡性メディア10を後述の発泡装置100で加熱し発泡性メディアを発泡させた場合、図1(b)に示すように、発泡層12における発泡抑制層14が設けられた領域の盛り上がりは、発泡抑制層14が設けられていない領域よりも、低くなる、又は、発泡層12における発泡抑制層14が設けられた領域は、まったく盛り上がらない。この結果、発泡済みの発泡性メディア10には、平面視した際の発泡抑制層14の形状を有する凹部14aが形成される。
発泡抑制剤は、発泡層12を加熱して発泡させる温度で発泡層12の発泡を抑制できれば任意である。発泡抑制剤が発泡成分の発泡を抑制する原理は特に限定されず、例えば、発泡抑制剤として、発泡成分の発泡に必要な化学反応を化学的に抑制する剤(化学的発泡抑制剤)、塗布箇所の温度を局所的に下げる放熱剤、発泡成分を化学的又は物理的に分解する分解剤などを用いることができる。例えば、発泡成分として上述の化学発泡剤を用いる場合、発泡抑制剤として、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2、2’-[[(メチル-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]イミノ]ビスエタノールなどのベンゾトリアゾール系化合物をはじめとする化学的発泡抑制剤を用いることができる。また、発泡成分として上述のマイクロカプセルを用いる場合、発泡抑制剤として、アセトン、メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、メタノール、エタノール、酢酸エチル、γ-ブチロラクトン、εカプロラクト、ジメチルホルムアミドなどの分解剤を用いることができる。発泡抑制剤は、発泡性メディア10を加熱する間に分解も蒸発もしないことが好ましい。発泡抑制剤の耐熱温度は、熱重量示差熱分析装置(TG-DTA)で測定して、210℃以上であることが望ましい。
画像層15は、発泡性メディア10の表面に形成された画像を構成するインク層である。画像層15は、例えば、YMCKの各インク(顔料が水に分散した水性インク、顔料が有機溶剤に分散した溶剤顔料インク、水に染料が溶けている水性染料インク、又は、有機溶剤に染料が溶けている溶剤染料インクなど)を用いて、インクジェットプリンタによりインクジェット方式で印刷される。画像層15は、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等によって印刷されてもよい。
画像層15は、例えば、図1(a)及び(b)に示すように、発泡層12、発泡促進層13、及び/又は発泡抑制層14の上に直接形成されてもよい。また、発泡層12、発泡促進層13、及び/又は発泡抑制層14に、白色インクなどによる下塗り層を形成した後、その下塗り層の上に画像層を形成してもよい。
画像層15は、発泡層12の上と発泡促進層13又は発泡抑制層14の上とにまたがって形成されてもよい。この場合、画像層15の塗料は、図1(b)に示すように、発泡促進層13又は発泡抑制層14により発泡済みの発泡性メディア10上に形成される凸部13a又は凹部14aの形状に沿って変形する程度の破断強度を画像層15にもたらす塗料であってもよい。また、画像層15のインクは、所望の意匠性に応じて、凸部13a又は凹部14aと周辺との境界で破断する程度の破断強度を画像層15にもたらすインクであってもよい。
(発泡装置100の構成)
発泡装置100は、図2に示すように、搬送装置30と、第1の加熱器50と、第2の加熱器70とを備える。
搬送装置30は、発泡性メディア10を、第1の加熱器50及び第2の加熱器70により加熱される加熱領域内に運び入れ、後述するように第2の加熱器70により加熱され発泡した発泡済みの発泡性メディア10を加熱領域外に運び出す。搬送装置30は、発泡性メディア10のロールから発泡性メディア10のシートを繰り出す繰り出しローラー31と、繰り出された発泡性メディア10を適宜方向転換し加熱領域内を通して搬送する1個以上(例えば、図中では1個)のガイドローラー32と、ガイドローラー32により搬送された発泡済みの発泡性メディア10のシートをロール状に巻き取る巻き取りローラー33とを備える。
発泡性メディア10が、加熱領域を出てから冷却されるまでに発泡層12側から圧縮されると、発泡層12が圧縮された状態で固まるので、発泡層12の膨張が抑制されてしまう。また、加熱領域内で加熱されている間に発泡性メディア10が発泡層12側から圧縮されても、同様に、発泡層12の膨張が抑制されてしまう。そのため、搬送装置30(例えば、ガイドローラー32)は、加熱中及び加熱膨張後の発泡性メディア10が不可逆的に変形しない温度まで冷却されない間(特に、発泡性メディア10が第2の加熱器70により加熱されている間)は、発泡性メディア10を発泡層12側から圧縮しないように(特に、搬送装置30が発泡層12に接触しないように)構成されることが好ましい。
第1の加熱器50は、発泡性メディア10を環境温度よりも高く(特に、室温(25℃)よりも高く)で発泡温度未満(特に、発泡開始温度未満)の第1の温度(例えば、40~70℃の範囲内の温度等)で加熱する。例えば、第1の加熱器50は、発泡性メディア10を発泡温度に近い温度まで加熱してもよい。
第1の加熱器50は、プラテンヒーター51と、押さえローラー52とを備える。
プラテンヒーター51は、発泡性メディア10が滑動するプラテンと、プラテンの裏面に配置され、プラテンとその上の発泡性メディア10とを加熱するヒーターとから構成される。
押さえローラー52は、プラテンヒーター51と発泡性メディア10との接触が失われないように、プラテンヒーター51のプラテン上の発泡性メディア10が移動中にプラテンから浮き上がることを防ぐローラーである。
第2の加熱器70は、発泡性メディア10を発泡温度以上(特に、発泡開始温度以上)の第2の温度で加熱し、発泡性メディア10を発泡させる。
第2の加熱器70は、加熱装置71と、昇降機構72とを備える。
加熱装置71は、搬送装置30により搬送される発泡性メディア10の発泡層12に面するように配置されており、その加熱部位が発泡性メディア10の表面(特に、発泡層12)と接触しないように、当該発泡性メディア10を発泡層12側から加熱する非接触式加熱装置である。非接触式加熱装置として、例えば、輻射式加熱装置(例えば、赤外線ヒーターなどの赤外線加熱装置)、マイクロ波加熱装置、電熱線ヒーター、熱風乾燥機などが挙げられる。特に、非接触式加熱装置として、遠赤外線ヒーターが好ましく、例えば、セラミックヒーター、カーボンブラックヒーター、石英ヒーターなどが挙げられる。
昇降機構72は、加熱装置71をその下にある発泡性メディア10の表面に対して垂直な方向に沿って上下に移動させる。昇降機構72は、例えば、前述の垂直方向に沿って延在するネジが切られたガイドロッドと、ガイドロッドと螺合し加熱装置71を移動可能に保持する昇降板と、ガイドロッドを正逆に回転させることで昇降板を上下させるモーターとを備える。
第2の温度は、加熱装置71の出力及び/又は加熱装置71と発泡性メディア10との距離を調節することで制御される。
第2の加熱器70は、第1の加熱器50により加熱された発泡性メディア10が冷めないように、第1の加熱器50と近接して配置される。
第1の加熱器70は、特に、発泡性メディア10を搬送方向に沿って一様な加熱温度分布で加熱することが好ましい。例えば、第1の加熱器70は、発泡性メディア10を搬送方向に沿って配置されている複数の加熱装置71を備え、各加熱装置71の加熱温度が同じであってもよい。発泡性メディアを入口側から出口側まで発泡温度以上の温度の一様な加熱温度分布で加熱することで、入口側から出口側までのどこかに発泡温度未満で加熱する領域がある加熱温度分布(例えば、入口側から出口側にかけて加熱温度が高くなり、途中で発泡温度以上となる加熱温度分布)により加熱する場合に比べて、発泡時間を短くできる。
以上により、発泡性メディア10は発泡し、例えば、図1(b)に示すような、所望の凹凸模様と画像とを有する発泡物が形成される。
(本実施形態の効果)
従来の発泡性メディアの発泡装置では、発泡性メディアの発泡に掛かる発泡時間を短くする(例えば、発泡のための加熱領域の炉長を短くする及び/又は発泡性メディアの搬送速度を早くする)ために、発泡装置の加熱温度を高くすると、発泡性メディアに対して熱によるダメージを与えやすく、この熱ダメージを軽減するために発泡時間を短くしすぎると、今度は充分な発泡が得られない。このように、加熱温度を高くすると、発泡時間の調整(特に、発泡のための加熱領域の炉長の調整及び/又は発泡性メディアの搬送速度の調整)が難しい。
一方、本実施形態に係る発泡性メディアの発泡装置では、第2の加熱器により発泡性メディアを発泡させる前に、第1の加熱器により発泡温度未満の温度であらかじめ加熱する。従来の発泡装置では、常温から発泡温度に至るまで発泡性メディアを加熱する必要があるが、本実施形態に係る発泡装置では、常温以上の温度(例えば、発泡温度に近い温度)から発泡温度に至るまで発泡性メディアを加熱しさえすればよい。このため、本実施形態に係る発泡装置は、従来の発泡装置に比べて、発泡時の加熱速度を遅くできる、即ち、発泡時の加熱温度を低くできるので、発泡時間の調整が容易になる。
また、本発泡装置では、発泡時間の調整、特に、発泡性メディアの搬送速度の調整が容易であるため、第2の加熱器70により加熱される加熱領域の炉長を短くできる。
また、発泡時間の調整が容易であるということは、発泡時間を固定して考えれば、発泡時の加熱温度の制御にも余裕があるということなので、第2の加熱器70の加熱温度の調節を、微細な温度調節が比較的に難しい昇降機構72による加熱装置71の位置調節により行うことも可能となる。これは、第2の加熱器70の加熱温度の調節を、第2の加熱器70の加熱領域の炉長(搬送方向に沿った長さ)ではなく、第2の加熱器70の加熱装置71と発泡性メディアとの垂直方向の距離(搬送方向に垂直な長さ)により調節できるため、発泡装置100の搬送方向のサイズを小さくできる点で有利である。
さらに、従来の発泡装置で、発泡性メディアの発泡を短縮するために発泡装置の加熱温度を高くすると、同一発泡性メディア内や異なる発泡性メディア間の発泡にムラが生じる。これは、発泡性メディアに印刷された着色インクや発泡抑制インクの成分の気化に伴い発泡性メディアの一部のみが冷却されることや、発泡性メディアを保管する場所の温度がそもそも不均一であったりすることにより、発泡させる前の発泡性メディアの温度にムラが生じているためと考えられる。本発泡装置では、第1の加熱器50のプラテンヒーター51での均一な加熱により、第2の加熱器70での加熱の前に同一発泡性メディア10内又は異なる発泡性メディア10間の温度ムラが解消されているため、同一発泡性メディア10内や異なる発泡性メディア10間の発泡にムラが生じない。
(変形例1)
上記実施形態では、第1の温度を、発泡温度未満としたが、この代わりに、第1の温度を、発泡層を構成する熱可塑性樹脂の溶融温度未満としてもよい。第1の加熱器の加熱により、発泡性メディア10の発泡層を構成する熱可塑性樹脂を溶融させてしまうと、熱可塑性樹脂よりも重い(密度の高い)成分(例えば、充填剤など)の沈降などに伴い発泡層内の成分が偏ってしまうため、第2の加熱器で加熱して発泡させると、この偏りを反映して発泡性メディア10の発泡にむらができてしまうおそれがある。第1の温度が発泡温度未満でも、加熱時間が短時間であればこの問題は発生しないが、第1の温度を熱可塑性樹脂の溶融温度未満とすれば、加熱時間の調節の必要なく、この問題を回避できる。
(変形例2)
上記実施形態では、第1の温度を、発泡温度未満としたが、この代わりに、第1の温度を、発泡層を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移点温度未満としてもよい。発泡性メディア10の発泡層を構成する熱可塑性樹脂をガラス転移点以上の温度に加熱し柔らかくすると、変形例1と同様に、柔らかくなった樹脂の中で樹脂よりも重い(密度の高い)成分が下方向に偏るおそれがある。変形例1と同様に、第1の温度を熱可塑性樹脂のガラス転移点未満とすることで、この問題を回避できる。
(変形例3)
上記実施形態では、発泡性メディア10を用いたが、発泡装置100で発泡させるメディアはこれに限らず、発泡層12を備えた発泡性メディアであれば任意である。例えば、発泡層12の表面に、液体ラミネーションなどにより保護層が形成されていてもよい。
(変形例4)
上記実施形態において、第2の加熱器70は、第2の加熱器70外への放熱を防ぎ、加熱効率を高めるため、加熱装置71と発泡性メディア10の加熱部分とを覆う筐体をさらに備えてもよい。また、第2の加熱器70は、加熱により発泡性メディア10から生じる気体(特に、有毒気体)を排気するための、換気装置をさらに備えてもよい。
(変形例5)
上記実施形態において、第1の加熱器50として、プラテンヒーター以外の接触式加熱装置を用いてもよい。例えば、こうした接触式加熱装置として、シーズヒーターを内蔵したゴムロールヒーター、カートリッジヒーターを内蔵したヒーターブロックなどが挙げられる。一般的に、接触式加熱装置は、非接触式加熱装置と比べて、温度ムラが少なく均一に対象物を加熱できる。そのため、第1の加熱器50として接触式加熱装置を採用すれば、第2の加熱器70での加熱の前に、同一発泡性メディア10内又は異なる発泡性メディア10間の温度ムラを解消できる。
(変形例6)
上記実施形態において、第1の加熱器50として、非接触式加熱装置を用いてもよい。例えば、こうした非接触式加熱装置として、セラミックヒーター、遠赤外線ヒーター、ハロゲンヒーター、熱風発生器などが挙げられる。特に、非接触式加熱装置として、接触式加熱装置と同程度に均一に対象物を加熱できるファンヒーターを用いることが好ましい。こうした構成でも、第2の加熱器70での加熱の前に、同一発泡性メディア10内又は異なる発泡性メディア10間の温度ムラを解消できる。また、この変形例では、第1の加熱器50に、変形例3と同様に、筐体や換気装置を設けてもよい。
(変形例7)
上記実施形態において、第2の加熱器70では、加熱速度を昇降機構72により加熱温度を調節することで制御するが、この代わりに、又は、これに加えて、加熱速度を第2の加熱器70により加熱される領域の搬送方向に沿った長さを調節して制御してもよい。
(変形例8)
上記実施形態において、第1の加熱器50は、第2の加熱器70に送り込まれる際に発泡性メディア10が所定温度となるように、発泡性メディア10を加熱することが好ましい。こうした構成では、第2の加熱器70で発泡性メディア10の加熱を開始する際に、発泡装置100に掛ける前の発泡性メディア10のもともとの温度によらず、それぞれの発泡性メディア10の温度が一定温度になるので、第2の加熱器70の加熱によるそれぞれの発泡性メディア10の発泡の程度が均一となる。特に、第2の加熱器70の加熱条件(加熱温度、加熱時間など)が同じでも第2の加熱器70に送られる発泡性メディア10の温度が異なると、それらの発泡性メディア10の発泡程度が異なってしまうので、それぞれの発泡性メディア10の発泡程度を第2の加熱器70で一定に制御する場合に、本変形例は適している。
上述の実施形態及び変形例に記載の特徴は、矛盾しない限り、任意に組み合わせることができる。
10 発泡性メディア
11 基材
12 発泡層
13 発泡促進層
13a 凸部
14 発泡抑制層
14a 凹部
15 画像層
100 発泡装置
30 搬送装置
31 繰り出しローラー
32 ガイドローラー
33 巻き取りローラー
50 第1の加熱器
51 プラテンヒーター
52 押さえローラー
70 第2の加熱器
71 加熱装置
72 昇降機構

Claims (6)

  1. 所定の搬送方向に搬送されている、発泡温度以上の加熱温度で加熱することにより発泡する発泡層を備える発泡性メディアを、前記発泡温度未満の第1の温度で加熱する第1の加熱器と、
    前記第1の加熱器により加熱された前記発泡性メディアを、前記発泡温度以上の第2の温度で加熱して発泡させる第2の加熱器であって、非接触式加熱装置を含む第2の加熱器と、
    前記非接触式加熱装置を前記発泡性メディアの表面に対して垂直な方向に沿って上下に移動させる昇降機構と、
    を備える、
    発泡性メディアの発泡装置。
  2. 所定の搬送方向に搬送されている、発泡温度以上の加熱温度で加熱することにより発泡する発泡層を備える発泡性メディアを、前記発泡温度未満の第1の温度で加熱する第1の加熱器と、
    前記第1の加熱器により加熱された前記発泡性メディアを、前記発泡温度以上の第2の温度で加熱して発泡させる第2の加熱器と、
    前記発泡性メディアを前記第1の加熱器から前記第2の加熱器へと搬送する搬送装置と、
    を備え、
    前記発泡性メディアは、基材と、前記基材の一面上に形成された発泡層とを備え、
    前記第1の加熱器は、前記基材の他面が接触した状態で前記発泡性メディアが滑動するプラテンを有するプラテンヒーターであり、
    前記第1の加熱器により前記発泡性メディアの前記発泡層が加熱されている最中に前記搬送装置は加熱されている前記発泡層の部分に接触しない、
    発泡性メディアの発泡装置。
  3. 前記第1の温度は室温より高い、
    請求項1又は2に記載の発泡装置。
  4. 前記第1の加熱器は、前記発泡性メディアを、所定温度になるまで加熱する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の発泡装置。
  5. 前記第2の加熱器は、前記搬送方向に沿って一様な加熱温度分布で、前記発泡性メディアを加熱する、
    請求項1からのいずれか1項に記載の発泡装置。
  6. 前記第1の温度は、前記発泡層を構成する熱可塑性樹脂の溶融温度未満である、
    請求項1からのいずれか1項に記載の発泡装置。
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