JP7240179B2 - Rlcフィルタ合成を使用した電子分散補償方法および実装形態 - Google Patents

Rlcフィルタ合成を使用した電子分散補償方法および実装形態 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年3月15日に出願された「Electronic Dispersion Compensation Methods and Implementations using RLC Filter Synthesis」と題する米国仮出願第62/308,218号の優先権を主張する。
本開示は、コスト効果的および電力効率的な様式において、レジスタ、インダクタおよび/またはキャパシタなど、受動電子構成要素を使用する、電子分散補償(EDC:electronic dispersion compensation)の設計および実装に関する。
技術の進歩および増加したデータのさらなる需要に伴って、顧客は、フィールドにおいて展開された既存のワイヤレス通信システムに適合するように低電力を消費する10Gb/s粗波長分割多重(CWDM:coarse wavelength division multiplexing)光トランシーバを必要とする。本明細書で使用される「CWDM」という用語は、粗波長分割多重技術を指す。それは、光ファイバーを介した送信のための様々な波長におけるレーザビーム上の複数の信号を組み合わせる方法であり、CWDM技術のチャネルの数は、高密度波長分割多重(DWDM:dense wavelength division multiplexing)技術のチャネルの数よりも少ないが、各信号のために異なる波長を使用することによって単一の光ファイバー上で複数の信号を搬送するために使用される、標準の波長分割多重(WDM:wavelength division multiplexing)技法よりも多い。DWDM技術は、大部分が長距離ネットワークセグメントにおいて使用されるが、WDMならびにCWDM技術は、キャリア会社が、アクセス、メトロ、および地域ネットワークセグメントにおけるキャリア会社のネットワーク容量を最大にするのを助けるために使用される。
光伝送の場合、直接変調レーザ(DML:directly modulated laser)または電界吸収変調レーザ(EML:electro-absorption modulated laser)など、レーザのいくつかの型が、2km~80kmの長い距離のために使用される。概して、DMLは、直接変調のための導波路中の回折格子をもつ分布帰還構造を使用し、EMLと比較して、DMLの大きい波長分散、より低い周波数応答、および低い消光比のために、電気通信およびデータ通信適用例において、比較的より低い速度、25Gb/s未満、およびより短いリーチ、2~10kmのためにしばしば使用される。一方、EMLは、単一のチップにおいて電界吸収変調器とともに組み込まれるレーザダイオードである。EMLでは、レーザプロパティは変調のプロセスによって変化せず、したがって、EMLは、DMLと比較して、より高い速度およびより長い距離を伴う適用例において有利である。すなわち、EMLは、高速動作の下での安定した波長を伴うより小さい波長分散のために、電気通信およびデータ通信適用例において、より高い速度およびより長いリーチ、すなわち10~80kmのために大部分が使用される。DMLは、単一のチップにおいて実装され得、コンパクト設計および低電力適用例を提供する。しかしながら、EMLは、DMLよりもコストがかかり、したがって、多くの適用例のためのコスト効果的なソリューションでないことがある。
本明細書で使用される「分散」という用語は、電磁波の速度(velocity)が波長に依存する現象、すなわち、位相速度が周波数に基づいて変動する現象を意味する。したがって、「分散」という用語は、光ビームの異なる波長または色が、わずかに異なる時間に、それらの目的地に到着する現象である、より一般的に知られている「波長分散」を含む。その結果、分散は、デジタル情報を搬送する、オンまたはオフ光パルスの拡散を引き起こす。分散の影響の1つは、受信された電気信号の劣化を引き起こすこと、たとえば、ある距離にわたって不鮮明にして別のものになるように情報の初期バイナリパルスを伸張することである。分散の影響は、受信システムのビットエラーレートを低下させ、伝送距離を制限する。たとえば、分散影響は、通常、メトロネットワークにおける1550nm伝送距離、たとえば、80~100kmを制限する。
DMLのチャープが高く、DMLベースのトランシーバは約1500nmの長波長帯において20kmをサポートすることができないので、より長い波長のためのCWDM光トランシーバの場合、CWDM光トランシーバは、伝送距離要件を満たすためにEMLの使用を必要とする。ここで、「チャープ」という用語は、所望の強度変調に伴う残差データ依存位相変調を含む。DMLのチャープは、光信号スペクトルを拡大する傾向があり得、したがって、ファイバーの波長分散との相互作用によって引き起こされる信号ひずみにつながり得ることに留意されたい。また、変調された信号の強い分散性広がりが、高データレートにおいて発生し得、したがって、十分な分散補償がなければ、各シンボルが拡大され、いくつかの近隣シンボルと重複することになり、これは、有意なシンボル間干渉と検出された信号のひずみとを生じる。
したがって、発光レーザ、たとえば、DMLのチャープパラメータと結合されたファイバー分散は、光伝送システム性能に影響を及ぼす。たとえば、ファイバー分散は、伝搬パルスを拡散および重複させ、チャープパラメータは、DMLの強度変動に起因する波長シフトを引き起こす。したがって、DMLベースの光トランシーバが使用されるとき、伝送距離がより長くなり、データレートがより高くなるにつれて、ファイバー分散問題を克服するための多くの取り組みがあった。
ファイバー分散を補償するには、技術の2つの既存のカテゴリーがある。第1のカテゴリーでは、送信された信号が光ファイバー中を伝搬するとき、ファイバー分散が発生するので、光領域においてファイバー分散を克服することが試みられる。ファイバー分散を補償するための技術のそのような第1のカテゴリーは、分散補償ファイバー(DCF:dispersion compensating fiber)、ファイバーブラッグ格子(FBG:fiber Bragg grating)、および光学フィルタなどを含む。
第2のカテゴリーでは、分散は、電気領域において緩和される。すなわち、補償は、光受信機によって、受信された電気信号を処理することによって行われる。ファイバー分散を補償するための技術の第2のカテゴリーは、フィードフォワード等化(FFE:feed forward equalization)および/または判定帰還等化(DFE:decision feedback equalization)の複雑な実装形態をもつ技法を含む。これらの補償技法は、概して、集積回路(IC)または別個のチップにおいてすべて実装され、これらの補償技法は、独立した集積回路(IC)またはチップの開発において、その高い電力消費および高いコストのために、光トランシーバには組み込まれない。したがって、既存の技術では、ファイバー分散を補償するための機能は、シリアライザおよびデシリアライザ(SERDES:Serializer and Deserializer)の一部として実装され、ラインカードにおいて回路またはICとして取り付けられ、これは、光トランシーバとは別個である。
したがって、依然として、より低い電力消費および低コストの利益を与える、受信された信号上の光分散影響を低減または補償するための、改善されたおよびより効率的な技術がさらに必要である。
約1ワット(W)の低電力消費の需要を満たすことに対して、外部変調レーザ(EML:externally modulated laser)を使用する光トランシーバは、EMLベースの光トランシーバの典型的な電力消費が1.5Wより大きいので、多くの適用例において上記の利点を提供しない。一方、直接変調レーザ(DML:direct modulated laser)ベースの光トランシーバは、おそらく低電力消費要件を満たすが、光ファイバーによって、ならびにDMLベースの光トランシーバのチャープによって、引き起こされる光分散ペナルティ(たとえば、波長分散、偏波モード分散など)の問題を提示する。光分散の量は光ファイバーの長さに比例するので、伝送距離が長くなるにつれて、DMLベースの光トランシーバが使用されるとき、光分散の影響は普及し、より大きくなることになる。その結果、受信端末における、または受信している光受信機における、受信された信号の品質が、劣化することになる。本明細書で開示される本技術は、極めてコスト効果的および電力効率的な様式において、DMLベースの光トランシーバのこれらの短所に対処する。
本技術の態様では、光ファイバーとDMLベースの光トランシーバのチャープとによって引き起こされる光分散(またはファイバー分散)の影響が、受信端末または光受信機における、受動電子構成要素を備える電子分散補償(EDC)デバイスによって、受信端末において緩和される。言い換えれば、本明細書で開示される本技術は、ある距離にわたる光伝送上の光分散による、劣化した受信された信号または光分散を補償するための方法および装置を提供する。
本開示の一態様では、信号アイを開口し、それにより1611nmの波長においてさえ20km超にわたって送信エラーを低減するために、光受信機において実装される、単純なフィルタ、たとえばマイクロ波フィルタを含む、EDCデバイスの設計によって、本技術は実装され得る。
本技術の多くの他の利点のうち、以下の利点または利益が提供される。(i)単純な設計および/または実装、(ii)余分の電力消費なし、(iii)低いコスト、(iv)光トランシーバにおいて本技術を実装すること、または個別の受動抵抗器、インダクタ、およびキャパシタ(RLC)デバイスを使用することのフレキシビリティ。さらに、本技術の利点はまた、様々な方法論に基づく固定設計手法を提供し、EDCデバイスのためのプログラマブル回路設計として実装され得る。
本開示の一態様では、光受信機は、フォトダイオードとTIAとEDCデバイスとを含む。フォトダイオードは、光信号を受信し、電気信号を生成するように動作可能であり、TIAは、電気信号を受信し、第1の増幅された信号を生成するように動作可能である。EDCデバイスは、TIAから第1の増幅された信号を受信し、補償された信号を生成するように動作可能である。EDCデバイスは、第1の増幅された信号における光分散を補償するように設定された受動電子構成要素を含む。さらに、光受信機は、補償された信号を受信し、第2の増幅された信号を生成するように動作可能な後置増幅器を含み得る。
本開示の一態様では、光受信機のEDCデバイスは、複数の抵抗器、複数のキャパシタ、および/または複数のインダクタを使用して光分散を補償するように設定された受動電子構成要素の構成を含み得る。その構成は、複数の抵抗器、複数のキャパシタ、および/または複数のインダクタを使用して光信号上の分散を補償するように設定されたフィルタを含み得る。別の態様では、EDCデバイスの構成は、ローパスフィルタと減衰器とノッチフィルタとを含み得る。さらに、EDCデバイスの構成は、ハイパスフィルタと減衰器とノッチフィルタとを含み得る。また、別の態様では、ノッチフィルタは、受動電子構成要素を使用する、並列共振器または直列共振器を備え得る。
本開示の別の態様では、減衰器は、受動電子構成要素を使用する、T型減衰器またはPI型減衰器を備え得る。
本開示の別の態様では、EDCデバイスは、時間領域分析または周波数領域分析のいずれかを使用して、第1の増幅された信号における光分散を補償するように設定され得、理想的なデータ信号の周波数応答特性が、基準テンプレートとして使用される。
さらに、本開示の別の態様では、構成の受動電子構成要素の値は、第1の増幅された信号における光分散の影響が、EDCデバイスによって実質的に低減されるように、分散なしのデータ信号の周波数応答と光分散を伴うデータ信号の周波数応答との間の1つまたは複数の差に基づいて選択され得る。
本開示の一態様では、光受信機は、スモールフォームファクタプラグ可能(SFP:small form-factor pluggable)、SFP+、Cフォームファクタプラグ可能(CFP:C form factor pluggable)、10ギガビットスモールフォームファクタプラグ可能(XFP)、XFP+などを含むフォームファクタにおいて動作可能であるように設定され得る。
本開示の別の態様では、光トランシーバの一例が提供される。光トランシーバは、光送信サブアセンブリ(TOSA:transmitter optical subassembly)と光受信サブアセンブリ(ROSA:receiver optical subassembly)とを含み得る。TOSAは、第1の電気信号を受信し、受信された第1の電気信号を、光ファイバーを介した別の光トランシーバへの送信のための第1の光信号に変換するように設定され得る。ROSAは、光ファイバーを介して別の光トランシーバから第2の光信号を受信し、受信された第2の光信号を処理のための第2の電気信号に変換するように設定され得る。ROSAは、第2の光信号を受信し、第2の電気信号を生成するように動作可能なフォトダイオードと、第2の電気信号を受信し、増幅された信号を生成するように動作可能なトランスインピーダンス増幅器(TIA:transimpedance amplifier)と、TIAから増幅された信号を受信し、補償された信号を生成するように動作可能な電子分散補償(EDC)デバイスとを含み得る。EDCデバイスは、増幅された信号における光分散を低減するための特定の周波数特性を有する受動電子構成要素の構成を含み得る。
本開示の一態様では、受動電子構成要素の構成は、増幅された信号における光分散を補償するための特定の周波数応答を有するために、ローパスフィルタまたはハイパスフィルタ、減衰器、および/あるいはノッチフィルタを含み得る。さらに、減衰器は、受動電子構成要素を使用する、T型減衰器、ブリッジT型減衰器、またはPI型減衰器を含み得る。
本開示の別の態様では、本技術はまた、別個のEDCデバイスとしてではなく、トランスインピーダンス増幅器(TIA)および/または制限増幅器のいずれかとともに実装され得る。
本開示の別の態様では、本技術は、受信された電気信号または第1の増幅された信号のアイ開口を監視することによって、プログラマブル型として実装され得る。
別の態様では、本技術は、ルックアップテーブル(LUT)を使用して実装され得る。
さらに、本技術は、光受信機への入力光電力を監視することによって実装され得る。出力電力情報は、光受信機において推定され得るか、またはリモート光送信機(リモート光トランシーバまたはシステム)から受信され得る。また、伝送距離情報は、リモート光送信機トランシーバから、および/またはローカルシステムから受信され得る。さらに、本技術は、(マイクロ)ストリップ線路、マルチチップモジュールなどを使用して実装され得る。
本開示の別の態様では、1611nmにおいてDMLを使用して20kmにわたる送信が可能である、低電力消費10Gb/s CWDMスモールフォームファクタプラグ可能(SFP)がサポートされる。外部変調レーザ(EML)と比較して、DMLは、SFPフォームファクタにおいて1Wに近い低電力消費をサポートすることができ、高分散を有する、すなわち、ファイバー分散による多くのひずみを伴う送信された光信号を有する。
本開示の別の態様では、リモート光送信機において直接変調レーザ(DML)によって送信された信号における光分散を補償または低減する方法が提供される。光受信機において、光ファイバーを介してリモート光送信機によって送信された光信号が受信され、電気信号に変換される。次いで、電気信号は、増幅された電気信号に増幅される。電子分散補償デバイスによって、増幅された電気信号における光分散の影響が補償される。EDCデバイスは、複数の抵抗器、複数のインダクタ、および/または複数のキャパシタを含む受動電子構成要素の構成を含む。さらに、EDCデバイスの周波数特性は、増幅された電気信号における光分散の影響を低減するように設定される。
さらに、光分散の影響を含む増幅された電気信号の周波数応答が、決定または測定され得る。EDCデバイスのターゲット周波数応答は、EDCデバイスのターゲット周波数応答が、増幅された電気信号における光分散の影響を補償または低減するように設定されるように、決定され得る。
本開示の別の態様では、増幅された電気信号における光分散は、リモート光送信機のチャープパラメータ、送信波長などを含むある情報に基づいて推定され得る。
本開示の別の態様では、EDCデバイスのターゲット周波数応答は、増幅された電気信号における推定された光分散に基づいて決定され得る。
本開示の別の態様では、分散影響を伴う実際の受信された電気信号の周波数(またはスペクトル)応答が、決定または測定され得、分散影響による不要な周波数成分が、実際の受信された電気信号のスペクトル応答において識別され得る。不要な周波数成分は、分散影響を伴う実際の受信された電気信号のスペクトル応答と、分散影響なしの電気信号の理想的なスペクトル応答とを比較することによって決定され得る。実際の受信された電気信号中の決定された不要な周波数成分は、次いで、複数の抵抗器、複数のインダクタ、および/または複数のキャパシタなど、受動電子構成要素の構成を備えるEDCデバイスによって削除される。EDCデバイスは、実際の受信された電気信号のスペクトル中の不要な周波数成分を削除または低減するような特定の利得周波数応答を有するように設定され得る。
より詳細な理解は、以下の添付の図面とともに、以下の説明から得られ得る。これらの図面は、本技術の例示的な実施形態を示すものにすぎず、その範囲を限定するものではないことを諒解されたい。本技術は、添付の図面の使用によって追加の特異性なしに説明および解説される。
本開示の一態様による、光受信機を概念的に示す典型的なブロック図である。 図2A~図2Bは、本開示の一態様による、TIAフロントエンドの出力における最適な電気信号の一例のアイダイヤグラムおよびそのスペクトルの例示的なスクリーンキャプチャ画像を示す図である。 本開示の一態様による、10Gb/sにおける、データパターン、たとえば、PRBS7を用いて変調された1611nm DMLの光アイダイヤグラムの例示的なスクリーンキャプチャ画像を示す図である。 図4A~図4Bは、本開示の一態様による、異なる距離、たとえば、20kmと40kmとにわたる送信の後に広帯域光受信機を使用して受信された光信号のアイダイヤグラムの例示的なスクリーンキャプチャ画像を示す図である。 本開示の一態様による、40kmの距離にわたる送信の後のデータパターンのグラフィカル表現を示す図である。 図5A~図5Bは、本開示の一態様による、データパターン(すなわち、PRBS7)の例示的なグラフィカル表現と、図5A中のデータパターンのアイダイヤグラムの例示的なスクリーンキャプチャ画像とを示す図である。 本開示の一態様による、EDCデバイスの実装を概念的に示すためのフローチャートである。 本開示の一態様による、RLC受動構成要素を使用して実装されたEDCデバイスの周波数利得応答のグラフィカル表現を示す図である。 図8A~図8Bは、本開示の一態様による、EDCデバイスによる補償の後のアイダイヤグラムの例示的なスクリーンキャプチャ画像を示す図である。 本開示の一態様による、受動電子構成要素を使用して実装され得るローパスフィルタの例示的な図である。 図10A~図10Bは、本開示の一態様による、受動電子構成要素を使用して実装され得るノッチフィルタの例示的な図である。 図11A~図11Bは、本開示の一態様による、受動電子構成要素を使用して実装され得る固定減衰器の例示的な図である。 図12A~図12Bは、本開示の一態様による、RLC受動構成要素を使用するEDCデバイスの一例と、例示的な位相、利得周波数応答とを示す図である。 図13A~図13Bは、本開示の一態様による、RLC受動構成要素を使用するEDCデバイスの一例と、例示的な位相、利得周波数応答とを示す図である。 図14A~図14Bは、本開示の一態様による、RLC受動構成要素を使用するEDCデバイスの別の例と、例示的な位相、利得周波数応答とを示す図である。 図15A~図15Bは、本開示の一態様による、EDCデバイスが光受信機において実装されたときの、20kmの距離にわたる10Gb/sにおけるCWDM DMLレーザのBER性能結果とアイダイヤグラムとの例を示す図である。 本開示の一態様による、光ファイバーを介した実際のデータ信号のスペクトルエンベロープの例示的なスクリーンキャプチャ画像を示す図である。 本開示の一態様による、EDCデバイスの実際の周波数応答の例示的なスクリーンキャプチャを示す図である。 EDCデバイスによる補償より前の信号のアイダイヤグラムの例示的なスクリーンキャプチャ画像を示す図である。 EDCデバイスによる補償の後の信号のアイダイヤグラムの例示的なスクリーンキャプチャを示す図である。 本開示の一態様による、EDCデバイスの設計を概念的に示すためのフローチャートである。 本開示の一態様による、光トランシーバを概念的に示す例示的な図である。 本開示の一態様による、バスアーキテクチャをもつシステムを概念的に示す例示的な図である。
次に、様々な図面とともに、例示的な例の発明を実施するための形態が以下に記載される。以下の説明は、例示的なものであり、本技術の範囲を決して限定しないことを意図する。以下の説明は、可能な実装の詳細な例を提供するものであり、本明細書で説明される概念が実施され得る唯一の構成を表すものではない。したがって、発明を実施するための形態は、様々な概念の完全な理解を提供する目的で具体的な詳細を含み、これらの概念は、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることに留意されたい。さらに、いくつかの事例では、そのような概念を不明瞭にすることを回避するために、よく知られている構造および構成要素がブロック図の形態で示されている。同様の要素および特徴を示すために、図面において同様の参照番号が使用されることに留意されたい。
本開示では、本技術の様々な特徴の例示的な実施形態を実装する方法およびデバイスが、本明細書で説明される。本明細書の説明では、「一実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」への言及は、1つまたは複数の例示的な実施形態とともに説明される特定の特徴、構造、または特性が、本技術または本開示の少なくとも一実施形態中に含まれることを示すものとする。また、本明細書の説明における様々な箇所における「一実施形態では(in one embodiment)」および「一実施形態(an embodiment)」という句は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らない。
以下の説明では、例示的な実施形態の完全な理解を提供するために具体的な詳細が与えられるが、例示的な実施形態は、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることが、当業者によって理解されよう。いくつかの事例では、例示的な実施形態(たとえば、ブロック図中の回路など)を不明瞭にしないために、よく知られている回路、構造および技法が詳細に示されないことがある。
例として、本開示は、受動フィルタに基づく電子分散補償(EDC)技法を使用してファイバー分散を緩和または低減するための様々な技法または方法論を提供する。第1の例示的な方法論は時間領域手法であり、第2の例示的な方法論は周波数領域手法である。時間領域手法と周波数領域手法の両方は、EDCフィルタの設計を、エンジニアリング観点から容易および実際的なものにする。
図1は、光検出器101と、トランスインピーダンス増幅器(TIA)フロントエンド103と、電子分散補償(EDC)デバイス105と、後置増幅器107とを含む、光受信機100を概念的に示す典型的なブロック図である。この例では、光検出器101は、光信号102を検出することと、検出された光信号を出力のための電気信号104に変換することとを行うように設定された、アバランシェフォトダイオード(APD)またはPIN(positive-intrinsic negative)ダイオードなど、フォトダイオードを含み得る。光検出器および/または光受信機100は、1つまたは複数の光ファイバー、他の光導波路、または他の光伝送媒体に光学的に結合され得る。次いで、光検出器101の電気信号104は、TIAフロントエンド103によって低雑音を伴って増幅される。TIAフロントエンド103は、EDCデバイス105への入力のために電流から電圧への変換を実行するように設定された電子回路または他のデバイスを含み得、その入力は、次いで後置増幅器107によって処理される。
この例では、光受信機100の最適性能を達成するために、TIAフロントエンド103は、典型的に、ビットレート(たとえば、データレート)の約75%の帯域幅を有するように設計され得、これは、反対側、すなわち、送信機側に離れて位置する光送信機(図示せず)から送られた、受信された光信号(すなわち、矩形光信号)の最適なアイ開口を与え得る。EDCデバイス105は、TIAフロントエンド103から出力を受信することと、受信された電気信号上の電子分散補償に関係する1つまたは複数の機能を実行することと、EDC補償された電気信号を生成することとを行うように設定される。次いで、EDC補償された電気信号は、光トランシーバにおける他の構成要素が後で使用するために、後置増幅器107によって後置増幅される。
本明細書では、本明細書で使用される「EDCデバイス」という用語は、ある距離にわたる光ファイバーチャネル上の光分散の影響を低減するための、複数の抵抗器、複数のインダクタ、および/または複数のキャパシタなど、受信端末またはデバイスにおける受動電子構成要素の構成または回路を意味する。本開示によるEDCデバイスは、複数の抵抗器、複数のインダクタ、および/または複数のキャパシタなど、受動電子構成要素を含むが、EDCデバイスはそれらに限定されないことがある。EDCデバイスは、他の非受動構成要素、たとえば、能動構成要素を含み得る。
図2Aおよび図2Bは、図1に示されているTIAフロントエンド103の出力における最適な電気信号の一例のアイダイヤグラムおよびそのスペクトルの例示的なスクリーンキャプチャの画像である。ここで、本開示では、「最適な電気信号」という用語は、TIAフロントエンド103の出力における光ファイバー上の分散影響なしの電気信号を意味する。この例では、最適な電気信号は、9.830Gb/s、すなわち、共通公衆無線インターフェース(CPRI)ラインビットレートオプション7の信号であり得、これは、図2Aに示されている広い開口を示すアイダイヤグラムと、図2Bに示されているその対応するスペクトル応答とを有する。この例では、CPRIラインビットレートオプション7について、擬似ランダムバイナリシーケンス(PRBS)7が使用され得る。一態様では、PRBS7の信号は、多項式X+X+1によって生成され得る。ここで、PRBS7が8B10Bコード化データと同様のビットシーケンスであるので、かつ、高レートデータが長距離にわたって光ファイバーを介して送信されるとき、多くの問題を克服する手段として多くの光学システムにおいて8B10B符号化がしばしば使用されるので、PRBS7がテスト信号として選択される。
本明細書で開示される本技術の様々な態様によれば、図2Aおよび図2Bに示されている特性を有する最適な電気信号と同様の電気信号は、分散性光ファイバーにおける補償デバイス、たとえば、EDCデバイス105によって、ある距離にわたる光ファイバー上の分散影響を補償することによって得られ得る。典型的な環境では、光信号が分散性光ファイバーを通過するとき、光信号が、ある距離にわたる長い光ファイバー中を伝搬するにつれて、光信号は、様々な形態のひずみを経験し得る。特に、これは、波長が長波長範囲内にあり、かつ、データのビットレートが高く、すなわち、10Gb/sであり、かつ、光ファイバー長が長いとき、極めて有意になり、しばしば、光学システムの性能の劣化を生じ、ネットワークにおける伝送距離を制限する。さらに、光源またはレーザのスペクトル幅が広いかまたは大きく、かつ、チャープパラメータが大きいとき、信号ひずみは、たとえば、DML型レーザが使用されるとき、より大きくなる。しかしながら、本明細書で開示される本技術を使用すると、これらの影響は、効果的に緩和または低減され得る。
本明細書の説明では、説明の目的で、以下が使用される:10Gb/sのデータレート、1611nmにセットされた光源の波長、光源としての直接変調分布帰還(DFB)レーザの使用、および20kmの最小光ファイバー長。本開示では、説明の目的でこれらのパラメータが選択されたにすぎず、本技術の様々な態様を実装するために他のパラメータ値が使用され得ることに留意されたい。説明の目的で上記パラメータを使用するための理由のうちの1つは、20kmの距離は、ワイヤレスフロントホールネットワークの典型的な伝送距離であり、1611nmの波長は、シングルモードファイバーが最も高い分散影響を有する、光伝送において使用されている最長波長であることである。さらに、DML型レーザのコストがEML型レーザのコストよりも低く、かつ、より長い距離にわたるDML型レーザに伴って分散影響がより顕著に見られ得るので、DML型レーザが使用される。したがって、DML型レーザは、より頻繁に、低電力消費の光トランシーバを実装するために使用される。一方、EML型レーザは、顕著に、多くの粗波長分割多重(CWDM)ネットワークを実装するために、1471nmから1611nmまでの長波長における10Gb/s送信適用例のために使用される。
例として、図3は、1611nm DMLを使用して変調された10Gb/sのデータパターン、たとえば、PRBS7が、光トランシーバの受信機端部において受信されたときの光アイダイヤグラム301を示す。
ここで、「光アイ」という用語は、受信機からのデジタル信号は、反復的に瞬時にサンプリングされ、垂直入力に適用され、データレートは、水平掃引をトリガするために使用される、測定計器上のオシロスコープディスプレイである、アイダイヤグラムを意味する。測定計器は、マルチソースアグリーメントによる、雑音、ジッタ、およびアイマスク要件など、信号特性の分析のために使用され得るアイダイヤグラムを形成するための、入力信号のサンプルを測定する。アイダイヤグラムは、1と、0と、対応する遷移測定値とを重畳することによるサンプルの和であり、これは、測定計器のディスプレイ上にアイダイヤグラムのアイをあらわにする画像を生じる。信号の品質またはビットエラーレート(BER)は、アイクロージャに伴って劣化し、アイ開口に伴って改善する。
本明細書で使用される「消光比」という用語は、光通信において、論理レベル「1」を送信するために使用されるエネルギー(または電力)と、論理レベル「0」を送信するために使用されるエネルギーとの比を意味する。消光比は、使用される光送信機の性能について説明するために使用され得、アイダイヤグラムによって決定され得、線形比、割合として、またはデシベルで定義され得る(たとえば、消光比=「1」電力レベル/「0」電力レベル)。たとえば、「1」電力レベルが800マイクロワットであり、「0」電力レベルが40マイクロワットであった場合、消光比は20であることになる。2つの電力レベル間の差は、送信された信号の変調電力を表し、したがって、変調電力が大きくなるほど、受信機が、どの信号レベルが存在するかを正確に決定することが容易になる。図3の光アイダイヤグラムの例示的なスクリーンキャプチャの画像に示されている例では、光アイの消光比は、5.8dB(=10(log(E1/E0))、ここで、E1は「1」についての平均電力レベルであり、E0は「0」についての平均電力レベルである)と測定される。
図4Aおよび図4Bは、異なる距離、たとえば、それぞれ20kmと40kmとにわたる光伝送の後に広帯域光受信機を使用して受信された信号のアイダイヤグラムの例示的なスクリーンキャプチャの画像である。本明細書で使用される広帯域光受信機は、20GHzの帯域幅をもつ光受信機である。図4Aは、20kmの距離にわたる光伝送の後のアイダイヤグラム403を示し、図4Bは、40kmの距離にわたる光伝送の後のアイダイヤグラム405を示す。図4Aおよび図4Bのアイダイヤグラムに示されているように、より長い距離では、比較的高いチャープパラメータを有する変調されたDMLの広いスペクトルとともに、シングルモードファイバーの分散影響によって引き起こされるシンボル間干渉(ISI:inter symbol interference)により、アイダイヤグラムに示されるひずみまたはアイクロージャがひどくなることが観測され得る。すなわち、図4Bの場合のように、距離が長くなるにつれて、たとえば、40kmになるにつれて、40kmの場合のアイダイヤグラムは、20kmの場合アイダイヤグラムよりも、悪化したアイ開口またはより多くのアイクロージャ(たとえば、より多くのひずみ、および、これにより、ビットレベルを決定する際にエラーを起こすより高い可能性)を示し、その結果、光伝送の他端上の光トランシーバの受信機において、40kmの距離についてのアイダイヤグラムにおいてビットレベルを理解または決定することが極めて困難になり、したがって、より多くのエラーがおそらく生じることになり、それにより、受信システムの性能を劣化させることになる。したがって、より長い距離にわたるこの悪化したアイクロージャは、その場合、光伝送距離を制限する。
さらに、図4Cは、40kmの距離にわたる送信の後のデータパターン411を示すグラフィカル表現である。さらに、図4Bのアイダイヤグラムに対応する矩形ボックス413中のデータは、「10101」である。上述のように、図4Bでは、光ファイバー上の分散によって引き起こされた信号ひずみにより、アイ開口が極めてひずんでおり、消滅しつつあるので、アイダイヤグラムにおいて正確にビットレベルを決定することは困難である。
再び図4Aおよび図4Bを参照すると、ある距離にわたる送信の後にデータに何が起こるかを明確に理解するために、データパターンの慎重な観測が必要とされる。例として、図4Cは、PRBS7データパターン411の一部分を示す。40kmの距離にわたるPRBS7データパターンの送信の後に、「1」ビットがビットの1/2にスプリットされたことが観測される。たとえば、10Gb/sデータの場合、NRZデータ「10101...」の周波数は5GHzに対応する。したがって、10101...NRZデータでは、「1」ビットは、スプリットされ、2倍高速のデータレートを有する「101」ビットになる。これは、その距離にわたるデータ信号の光伝送の後に、10GHz周波数成分が生成され得ることを意味する。行われ得る別の観測は、連続する「1」ビットのあらゆる立上りエッジにおいて、第1のビットが同じスプリッティングを有することを示していることである。この観測された「ビットスプリッティング」は、望ましくなく、DFBレーザの物理的特性によって解説され得る。すなわち、これは各レーザの固有の共振周波数に関係し得、立上りエッジにおいて、波長変化のレートが優勢であり得、これは過渡チャープと呼ばれることがある。本明細書で使用される「チャープ」という用語は、時間に伴う瞬時周波数上昇または減少(または波長変化)を意味する。立上りエッジにおけるこの波長変化によって生成された波長成分は、光ファイバーを通した伝搬の後に光受信機において異なる到着時間を有し得る。このように、シングルモード光ファイバーは分散性媒体である。上述のように、これらのスプリットされたビットは、望ましくない信号成分(たとえば、高周波成分)である。
この例では、上述のスプリットされたビットは、高周波成分(10GHz)と、元のビット(5GHz)のエネルギーの損失とを生じる。したがって、本開示の一態様によれば、高周波成分(10GHz)は、受動電子構成要素を使用することによって除去され得る。そのように、スプリットされたビットによって引き起こされた高周波成分、すなわち、10GHzが除去されると、元の「1」ビットの振幅はそのエネルギーを失い得る。その結果、元の「1」ビットのその振幅は低減され得る。スプリットされた波形によって引き起こされた周波数成分が、NRZデータのビットレートと同様であるとき、この現象が容易に観測され得る。
例として、図5Aおよび図5Bは、それぞれ、光受信機のTIAフロントエンドによって生成された電気信号中の高周波成分の、EDCデバイスによる除去の後の、データパターン(すなわち、PRBS7)の一例、およびそのアイダイヤグラムを示す。たとえば、EDCデバイスの第1のフィルタ、たとえば、複数の抵抗器、複数のインダクタ、および/または複数のキャパシタを含むノッチフィルタが、受信された電気信号中の高周波成分を除去するために使用され得る。図5Aに示されているように、矩形ボックス505中の「10101」ビットの振幅501が、たとえば、他のビットと比較して、低減される。すなわち、矩形ボックス505中の「10101」ビットの振幅は、より長い同一のビット「11...」または「00...」を有する他のビット、たとえば、矩形ボックス505外のビットと比較して相対的に小さい。図5Bは、図4Cに示されている信号中の高周波成分を除去した後の電気信号の対応するアイダイヤグラムを示す。しかしながら、図5Bに示されている対応するアイダイヤグラム521は、アイの中心において完全に開口しておらず、依然として、より良い受信機性能を得るためにアイを開口する余地がある。言い換えれば、図5Bのアイダイヤグラムは、通常、不良な光感度を生じ、これにより、ビットエラーレート(BER)測定においてエラーフロアを生じることがある。図5Aから観測され得る別の態様は、すべての可能なランダムデータビットのうちの、光ファイバー分散による、最も著しく影響を受けたビットが、単一の「1」ビットであることである。
本開示の一態様では、第1のフィルタを使用することによって、受信された電気信号中の高周波成分を除去した後に、「1」ビットの振幅は、EDCデバイスの第2のフィルタを使用して元の振幅の近くまで復元され得る。第2のフィルタは、本開示の様々な態様によれば、複数の抵抗器、複数のインダクタ、および/または複数のキャパシタを含み得る。
図5Bのアイダイヤグラムの例示的なスクリーンキャプチャに見られるように、アイクロージャは、「1」ビットの振幅の低減に起因することに留意されたい。これは、「1」ビットの振幅がアイのピークツーピーク振幅まで増加された場合、図5Bに示されているアイは、光受信機の受信機性能、たとえば、BER性能を増加させるように、アイの中心で開口され得ることを意味する。また、アイのピークツーピーク振幅は、10Gb/sデータのスペクトル中の低周波成分に対応することに留意されたい。したがって、この例では、たとえば、注目する低い周波数、たとえば、5GHzにおいて、0Hzに近い他の低い周波数と比較して、より多くの利得を有するように、特定の利得特性をもつフィルタを実装することによって、5GHzにおける振幅は簡単に増加され得、これは、ハイパスフィルタを設計することと同様であり得る。0Hzにおける利得は必ずしも0とは限らないことに留意されたい。したがって、図5Bでは、アイダイヤグラム521の中心は、アイのピークツーピーク値と比較して約50%閉じており、フィルタは、低い周波数よりも6dB多くの利得をフィルタが有するように設計され得、図5Aに示されているように、受信された電気信号から10GHzの高周波成分を除去するために実装され得るノッチフィルタに追加され得る。したがって、本開示の一態様による、第1のフィルタと第2のフィルタとを含むEDCデバイスは、ある距離にわたる光ファイバーにわたる分散影響を補償するために効果的に使用され得、著しく改善されたBER性能をもつ光トランシーバの設計において、電力消費およびコストの有意な節約に結果する。
本開示の一態様では、時間領域におけるEDCデバイスの設計および実装の概要が、図6に示されているフローチャートとして提供され得る。図6は、本開示の一態様における、EDCデバイスの設計および実装を概念的に示すためのフローチャートを示す。S601において、光分散なしの理想的な電気信号、たとえば、データ信号のスペクトル(または周波数応答)およびアイダイヤグラムが測定される。理想的な電気信号のスペクトル(または周波数応答)および/またはアイダイヤグラムは、オシロスコープディスプレイ能力をもつ高速測定デバイスを使用することによって測定され得る。さらに、本技術の態様では、測定されたスペクトルおよび/またはアイダイヤグラムの特性は、光トランシーバの1つまたは複数のメモリに記憶され得る。すなわち、測定されたスペクトルおよび/またはアイダイヤグラムの特性または値は、後で使用するために、たとえば、実際の受信された信号のそれらと比較するために、かつ、EDCデバイスによって実現されるべきであるターゲット応答を決定するために、基準テンプレートとして1つまたは複数のメモリに記憶され得る。さらに、理想的な電気信号の測定されたスペクトルおよび/またはアイダイヤグラムの特性または値は、光ファイバーを介して送信されるデータ信号上に分散がないように、制御されたラボラトリ環境において取得され得る。代替的に、ステップS601は随意に実行され得る。また、理想的な電気信号のスペクトルおよび/またはアイダイヤグラムは、1つまたは複数の処理システムにおいて理論的分析を実行することによって推定され得る。
S603において、ある距離にわたる光ファイバー上の光分散を伴う実際の受信された電気信号のスペクトル(または周波数応答)および/またはアイダイヤグラムが測定され、測定されたスペクトル中の光分散による高周波成分が、EDCデバイスによる除去のために決定される。その距離にわたる光ファイバー上の光分散を伴う実際の受信された電気信号のスペクトルおよび/またはアイダイヤグラムの測定値は、制御されたラボラトリ環境において手動で取得され得る。高速測定デバイス上で、データ信号、スペクトルおよび/またはアイダイヤグラムは、高速測定デバイスのオシロスコープディスプレイ中に表示され得る。光トランシーバに搭載され、または光トランシーバに結合された自動プログラミングユニットを視覚的に検査するかまたは使用することによって、その距離にわたる光分散によって影響を受けた実際の受信された電気信号の測定されたスペクトルおよび/またはアイダイヤグラムにおいて、光分散により発生する高周波成分など、不要な周波数成分が決定または識別され得る。この例では、上記で説明されたように、ビットスプリッティング(またはスプリットされた波形)が、不要な高周波成分として識別され得る。さらに、別の実装形態では、光分散を伴う実際の受信された電気信号のスペクトルおよび/またはアイダイヤグラムの測定は、光受信機の1つまたは複数の処理システムによって行われ得る。
S605において、光分散による不要な高周波成分、たとえば、上記で説明された例における10GHzは、EDCデバイスによって、実際の受信された電気信号、たとえば、広帯域光受信機の出力信号から除去される。ここで、本開示の態様によれば、様々な方法論または技法が、不要な高周波成分を除去するために採用され得る。一実装形態では、受動電子構成要素の特定の構成が使用され得る。例として、RLC受動構成要素、たとえば、ノッチフィルタおよび/または減衰器回路を使用するEDCデバイスが、実際の受信された電気信号中の注目する不要な高周波成分を除去するために実装され得る。
S607において、抵抗器、インダクタ、および/またはキャパシタなど、受動電子構成要素を使用する電気信号の所望の利得周波数応答は、実際の受信された信号の測定されたスペクトルおよび/またはアイダイヤグラムが、S601における理想的な電気信号の測定されたスペクトルおよび/またはアイダイヤグラムのようになるように、光学的に整形または取得され得る。例として、上記で説明された例では、アイダイヤグラムのクロージャを開口するために、たとえば、本明細書で説明されるようにビットエネルギーを増加させるために、注目する所望の特定の周波数、たとえば、この例では5GHzにおいて、0Hzに近い他の低い周波数よりも多くの利得を追加するように、RLC受動構成要素を使用する利得フィルタが設計および実装され得る。また、ステップS605およびS607は、所望の全体的な利得周波数応答を有するEDCデバイスの単一のフィルタまたは複合フィルタによって実行され得ることに留意されたい。例示的な実装形態のいくつかが、図12~図14に示されている。
図7は、RLC受動構成要素を使用して実装され、ある距離にわたる光ファイバー上の分散または分散影響を補償するように設定された、EDCデバイスまたは複合フィルタ(またはEDCフィルタ)の利得周波数応答の一例のグラフィカル表現である。図7では、データのスペクトルに対するノッチフィルタのインピーダンスの影響を低減するために、かつ、8GHz超においてノッチフィルタの周波数のロールオフの傾斜を調節するために、ノッチフィルタの中心周波数が、約12GHzに位置決めされ得る。すなわち、図7に示されているように、ノッチフィルタの中心周波数を12GHzに位置決めすることによって、8GHzまでの周波数応答がうまく維持され、周波数応答は、10GHz高周波成分を低減するようにロールオフすることを開始する。したがって、フィルタ応答のピーク値と比較した10GHzにおける減衰は、多くの適用例にとって良好である約20dBである。
EDCフィルタまたはマイクロ波フィルタは、フィルタ通過帯域外の望ましくない信号を除去すること、および信号の周波数に従って信号を分離するかまたは組み合わせることなど、主要な機能を有することになる。例として、ローパスフィルタは、第1の所定の値を下回る低周波信号を通すように設計され得る。ハイパスフィルタは、第2の所定の値を上回る高周波信号を通すように設計され得る。バンドパスフィルタは、2つの所定の周波数間の信号を通すように設計され得、(帯域消去または帯域除去フィルタとしても知られる)ノッチフィルタは、2つの所定の周波数間の信号を除去するように設計され得る。したがって、抵抗器、インダクタ、および/またはキャパシタなど、EDCデバイスの受動電子構成要素は、所望の周波数(または利得周波数)特性をもつ上記のフィルタのうちの1つまたは複数を設計および/または実装するための特定の様式において構成され得る。
図7に示されている特定の利得周波数応答特性を有するEDCデバイスを設計および実装したので、20kmおよび40kmの距離にわたる光伝送の後の電気信号のアイダイヤグラムについて検討する。図8Aおよび図8Bは、それぞれ、EDCデバイスの後にキャプチャされたアイダイヤグラムを示す。例として、図8Aは、20kmの距離にわたる光伝送の場合のアイダイヤグラム821を示し、これは、図4Aに示されている補償されていないアイダイヤグラム403(または光受信機中のEDCデバイスの使用なしのもの)と比較して、アイのより広い開口を有する。図8Bは、40kmの距離にわたる光伝送の場合のアイダイヤグラム823を示し、これは、図4Bに示されている補償されていないアイダイヤグラム405(または光受信機中のEDCデバイスの使用なしのもの)と比較して、アイのはるかにより広い開口を有する。ここで、本開示の一態様による、EDCデバイスをもつ、20GHzより大きい帯域幅をもつ広帯域線形受信機を用いて、光アイが測定されたことに留意されたい。アイダイヤグラム821とアイダイヤグラム823の両方は、本開示の一態様によるEDCデバイスが、受信された電気信号上のある距離にわたる光ファイバーにわたる光分散の影響を効果的に低減または緩和し、それにより、光受信機のBER性能を大幅に改善することを示す。
本開示の一態様では、上述のように、EDCデバイスは、複数の抵抗器、複数のインダクタ、および/または複数のキャパシタなど、受動電子構成要素またはデバイスを使用する、単一のフィルタまたは複合フィルタの形態で設計および実装され得る。EDCデバイスは、TIAフロントエンドとともにうまく動作し得、TIAフロントエンドの周波数応答を補償するために、追加のフィルタも設計および追加され得る。本開示の別の態様では、TIAフロントエンドのローパス特性が利用および活用され得る。さらに、本開示の別の態様では、できる限り最良の結果を得るために、たとえば、すなわち、光分散影響なしの理想的な信号の周波数応答にできる限り近い周波数応答を得るために、追加の補償フィルタが、全体的な周波数応答を整形するために実装され得る。
一実装形態では、EDCデバイスは、ローパスフィルタを低Qノッチフィルタと組み合わせることによって実現され得る。代替的に、別の実装形態では、EDCデバイスは、ローパスフィルタと、ノッチフィルタと、減衰器との組合せとして実装され得る。ローパス(またはハイパス)フィルタ、ノッチフィルタ、および減衰器回路は、本開示の一態様による、EDCデバイスを設計および実装するためのビルディングブロックである。図9は、EDCデバイスの設計において使用され得るローパスフィルタの例示的な図である。図9に示されているローパスフィルタの次数は、4次の一例であるが、ローパスフィルタの他の次数が、必要に応じて選定され得る。また、ローパスフィルタの型が、選択されたLC値によって決定され得る。
さらに、典型的なノッチフィルタが、図10Aに示されている直列LC共振器、または図10Bに示されている並列LC共振器のいずれかとして実装され得る。さらに、抵抗器を追加することによって、ノッチフィルタのQが調節され得、必要とされるフィルタ応答の設計を比較的容易に可能にする。
さらに、図11Aおよび図11Bは、実装され得る固定減衰器の例を示す。典型的なT減衰器の例示的な実装形態が、図11Aに示されており、PI減衰器の例示的な実装形態が、図11Bに示されている。ブリッジT減衰器または他の型も使用され得る。本開示では、本明細書で使用される「減衰器」という用語は、システムの信号経路中に挿入されたとき、指定された量だけ信号を低減する受動マイクロ波構成要素を意味する。また、減衰器は、固定減衰器または可変減衰器であり得る。固定減衰器は、入力および出力インピーダンスと、周波数による平坦度と、平均およびピーク電力処理能力と、温度依存性とを含む、ファクタによって特徴づけられ得る。可変減衰器は、ステップ減衰器と連続可変減衰器とを含み得る。ステップ減衰器では、減衰量は、0.5dB、1dB、または10dBなど、ステップで変更され得る。連続可変減衰器では、減衰量は連続的に変更され得る。
減衰器は、低い周波数における利得と比較して、高い周波数においてより高い利得を得るために使用され得る。本開示の一態様では、上記で示された固定利得減衰器は、高い周波数においてどのくらいの利得が必要とされるかに基づいて選定され得る。たとえば、5GHzにおいて、低い周波数における利得よりも6dB多くの利得が必要とされる場合、T型、Pi型などのいずれかである、6dBよりも大きい固定減衰器が、EDCデバイスの設計において使用され得る。さらに、1つまたは複数のキャパシタまたはインダクタを追加することによって、利得は、低い周波数よりも6dB多くの利得を有するように補償され得る。本開示の一態様では、可変減衰器は、自動設定において、注目する周波数を変化させるための減衰量を変化させるために使用され得る。
光ファイバーの分散を補償するためのEDCデバイスを設計および/または実装するための基本ビルディングブロックについて手短に説明したので、本開示の様々な態様による、EDCデバイスの実装の例が、図12Aおよび図12Bに示されている。
例として、図12Aおよび図12Bは、T型減衰器回路を使用する、RLC受動構成要素を使用する、フィルタの形態のEDCデバイスの一例、たとえば、図12Aと、そのそれぞれの周波数応答、たとえば、図12Bとを示す。上述のように、図12Aでは、EDCデバイスは、T型減衰器を使用して、低周波型フィルタよりも、高い周波数において高い利得を与える、ハイパス型フィルタとして実装され得る。
この例では、図12Aに示されているT型減衰器は、6dB減衰器であり、図12Bに示されている、所望の利得周波数応答を得るように補償するために、L1、C1、およびC2が使用される。図12Bに示されている例は、図12Aに示されている回路の位相周波数応答1201と利得周波数応答1203とを示す。利得周波数応答1203は、5GHzにおける利得が他の低い周波数よりも約4~5dB高いことを示す。この例では、かつ、本開示の一態様では、図12Aに示されているように、抵抗R1、R2、R3、およびR4、インダクタンスL1、キャパシタンスC1およびC2の好適な値を選択することによって、高い周波数における利得は、インピーダンスを犠牲にすることなしに増加され得る。例として、受動構成要素の以下の値が使用され得る、R1=50オーム、R5=50オーム、R3=68オーム、R2=18オーム、R4=18オーム、C1=5pF、C2=0、およびL1=5.8nH。また、C1、C2およびL1の値を選定するとき、値は、必然的なインピーダンス不整合境界内で選択され得ることに留意する。
本開示の別の態様では、異なる利得周波数応答が望まれるとき、図12Aに示されているEDCデバイスは、微調整されるかまたはわずかに変更され得る。例として、EDCデバイスの微調整のために、10Gb/s APD受信機が、この例では使用され得る。すなわち、所与のアバランシェフォトダイオード(APD)の場合、利得帯域幅積値は一定であり、利得帯域幅積を使用して、APDの利得を調節することによって(たとえば、APDに供給される電圧の値を変更することによって)、帯域幅は、より広い帯域幅またはより小さい帯域幅に調整され得る。本開示の一態様では、この帯域幅調整は、受動電子構成要素に基づくEDCデバイスの周波数応答に加えて、またはその周波数応答と組み合わせて、EDCデバイスの全体的な周波数応答を微調整するために使用され得る。
図13Aおよび図13Bは、本開示の別の態様による、EDCデバイスの別の例示的な実装形態を示す。図13Aは、EDCデバイスの例示的な実装形態を、ローパスフィルタと、ノッチフィルタ、たとえば、直列共振器との組合せとして示す。例として、図13Aでは、ローパスフィルタは、抵抗値R1(たとえば、50Ω)をもつ抵抗器と、キャパシタンス値C3(たとえば、0.3pF)をもつキャパシタとを含む。さらに、別の実装形態では、ローパスフィルタは、ベッセルフィルタ型値を有し得る。また、ノッチフィルタは、直列共振器の形態であり得、直列共振器は、インダクタンス値L1をもつインダクタと、抵抗値R2をもつ抵抗器と、キャパシタンス値C1をもつキャパシタとを含む。直列共振器は、抵抗値R2によって制御され得、抵抗値R2は、図13Bに示されているようにノッチ応答の深度を制御し、図13Bは、位相周波数応答1301と利得周波数応答1303とを示す。図13Bでは、ノッチ応答が、5GHzにおける約-10dBの深度を含むことに留意する。このフィルタは、図17に示されている結果のために使用されるものと同様であることに留意されたい。この例では、受動構成要素の以下の値が使用され得る、R1=R3=50オーム、R2=40オーム、C1=1pF、C3=0.3pF、L1=1nH、およびL2=0.5nH。
さらに、図14Aおよび図14Bは、本開示の一態様による、EDCデバイスの別の例示的な実装形態を示す。例として、図14AのEDCデバイスは、変更されたT減衰器と直列共振器との組合せを含む。直列共振器は、変更されたT減衰器の一部であり得る。図14Bは、図14Aに示されている回路の位相周波数応答1401と利得周波数応答1403とを示す。図14Bでは、3.5GHzにおけるノッチの応答が示されており、利得は、周波数が増加するにつれて増加する。この例では、受動構成要素の以下の値が使用され得る、たとえば、R1=50オーム、R3=30オーム、R2=18オーム、C1=3pF、L1=1.5nH、C2=1.5pF、R4=18オーム、R5=30オーム、およびR6=100オーム。
本開示で説明されるように、EDCデバイスは、抵抗器、インダクタ、および/またはキャパシタなど、受動電子構成要素を使用して、様々なやり方で実装され得る。(分散影響なしの理想的な信号の)所望の周波数応答に基づいて、EDCデバイス中の受動構成要素の値は、変更または選択され得る。図15Aおよび図15Bは、本開示の様々な態様による、EDCデバイスが光受信機において実装されたときの、20kmの距離にわたる10Gb/sにおけるCWDM DMLレーザの例示的なBER性能結果と、アイダイヤグラムのスクリーンキャプチャの画像とを示す。図15Aに見られるように、BER性能は、異なる波長において光受信機の変動する電力レベルにわたって極めて良好である。例として、CWDM DMLレーザのBER性能は、10Gb/sのビットレートにおいて、様々な波長、たとえば、1270nm、1430nm、1450nm、1470nm、1570nm、および1610nmにおいて測定される。この例では、(CPRI7についての)PRBS7のデータシーケンスが、データ信号のために使用される。光受信機の受信端上で、本開示の一態様におけるEDCデバイスは、受動電子構成要素を使用して実装される。
図15Aに示されているように、様々な波長において、対応するBER曲線は、すべてまっすぐなBER曲線であり、これは、本開示の一態様による、EDCデバイスを含む例示的な光受信機(または光学システム)において、エラーフロアがないことを意味する。10E-12のBERにおいて、感度が-20dBmよりも良好であることに留意する。さらに、図15Bに示されているような、EDCデバイスの出力における広いアイ開口をもつ、等化または補償されたアイダイヤグラム、これは、たとえば、20kmの距離にわたる光伝送上の1610nm DML送信信号についての光受信機におけるアイダイヤグラムを示す。
本明細書で説明されるように、本技術は、複数の抵抗器、複数のインダクタ、および/または複数のキャパシタなど、受動電子構成要素を備える電子分散補償(EDC)デバイスを使用して光ファイバー上の分散を補償するための極めてコスト効果的な手段を提供する。注目する周波数帯域幅にわたる理想的な周波数利得応答と、実際の周波数利得応答とに基づいて、注目する周波数帯域幅にわたる理想的な周波数利得応答と同様に、実際の周波数利得応答を変更または整形するために、EDCデバイスの受動電子構成要素の値を調節することができる。そうすることによって、光受信機のBER性能は著しく改善され、それにより、光伝送距離を増加させ得る。
代替的に、EDCデバイスは、周波数領域手法を使用して設計および実装され得る。すなわち、本開示の一態様では、所望の利得周波数応答特性と理想的な利得周波数応答特性とに基づいて、EDCデバイスは、周波数領域において受動電子構成要素を使用して設計され得る。
上述のように、再び図2Aおよび図2Bを参照すると、光分散なしのデータ信号、たとえば、10Gb/s NRZデータの理想的なアイダイヤグラムと、周波数領域におけるそのスペクトルとが、図2Aと図2Bとに示されている。以下の説明では、EDCデバイスを設計するための周波数領域手法が、説明の目的で提供される。要約すれば、周波数領域手法では、注目する周波数範囲にわたる理想的な信号のスペクトルの全体的なエンベロープが決定または測定され得、たとえば、図2B中の理想的なデータ信号のスペクトル、次いで、スペクトルエンベロープの第1の区分線形周波数応答が、導出または構築され得る。(光分散影響なしの)理想的なデータ信号のスペクトルのスペクトルエンベロープの第1の区分線形周波数応答を構築した後に、(光分散影響を伴う)実際のデータ信号のスペクトルのスペクトルエンベロープの第2の区分線形周波数応答が、測定または決定される。次いで、周波数領域において、2つの区分線形周波数応答間の差、たとえば、第1の区分線形周波数応答と第2の区分線形周波数応答との間の差が、EDCデバイスによって実装されるべきターゲットまたは所望の周波数応答として決定され、すなわち、EDCデバイスのターゲット周波数応答は、光ファイバーを介した受信された電気信号上の光分散影響を補償または低減するために使用される。
例として、図2Bに示されているような、光ひずみ影響なしの10Gb/s NRZ(たとえば、9.8Gb/s PRBS7データ)の理想的なデータ信号のスペクトルエンベロープの第1の区分線形周波数応答は、たとえば、水平軸上で10分割になるように10GHzの周波数帯域を分割することによって取得され得、次いで、0Hzに対して正規化され得(たとえば、0Hzに対する相対応答)、利得周波数応答、たとえば、0Hzに対する相対応答(dB)が取得され得る。以下の表1は、図2Bに示されている理想的なスペクトルエンベロープに基づいて、10GHz上で構築されたスペクトルエンベロープの第1の区分線形周波数を示す。
Figure 0007240179000001
理想的なデータ信号のスペクトルエンベロープの第1の区分線形周波数応答を構築したので、続いて、所与の距離にわたる光ファイバーを介した実際の受信されたデータ信号のスペクトルエンベロープの第2の区分線形周波数応答を取得することができる。例として、理想的なデータ信号のスペクトルエンベロープの第1の区分線形周波数応答を取得した後に、図16に示されているように、50kmの距離にわたって1611nm DMLによって光ファイバーを介して送信された実際のデータ信号のスペクトルが取得され得る。図16に見られるように、実際のデータ信号のスペクトルは、滑らかでなく、その距離にわたる光ファイバーにわたる光分散により、多くのピークおよび/またはサイドローブを含み得ることに留意されたい。図16に見られるように、光ファイバーを介した実際のデータ信号のスペクトルエンベロープが、光ファイバーにわたる光分散のために、図2Bに示されている理想的なデータ信号のスペクトルとは極めて異なることに留意する。
その距離にわたる光ファイバーを介した実際の送信されたデータの測定された(または決定された)スペクトルエンベロープに基づいて、図16に示されている実際の受信されたデータ信号のスペクトルエンベロープの第2の区分線形周波数応答が、表2に示されているように構築され得る。そうする際に、実際の受信されたデータ信号のスペクトルエンベロープの第2の区分線形周波数応答を取得するために、急激な応答変動を回避するために、測定されたスペクトルの各ピークが補間され得る。
Figure 0007240179000002
理想的なデータ信号のスペクトルエンベロープの第1の区分線形周波数応答と、実際の受信されたデータ信号のスペクトルエンベロープの第2の区分線形周波数応答とを決定したので、実際の受信されたデータ信号においてEDCデバイスによって光分散影響を補償するためのターゲット周波数応答は、表1中で作表された結果と表2中で作表された結果とを比較することによって取得され得る。例として、表1中の第2の区分エンベロープ応答を表2中の第1の区分エンベロープ応答から減算することによって、2つの相対応答の値の差は、EDCデバイスによって実装されるべきである周波数分割上のターゲット周波数応答として決定され得る。すなわち、その距離にわたる光ファイバー上で引き起こされた光分散について、受信された電気信号を等化または補償するために合成されるべきである、EDCデバイスまたはフィルタのターゲット周波数応答。EDCデバイスは、図1に示されているように、光受信機中でTIAと後置増幅器との間に配置され得る。
表3は、表2中の結果(または周波数分割上の相対応答)を表1中の結果から減算することによって取得され得るターゲット周波数応答のそのような例を示す。
Figure 0007240179000003
合成または設計されるべきである、EDCデバイスのターゲット周波数応答を決定したので、EDCデバイスは、次に、受動電子構成要素を使用して、様々な形態で、たとえば、フィルタで実装され得る。例として、EDCデバイスは、表3に示されているような所望のターゲット周波数応答を有する、RLCフィルタとして実装され得る。上述のように、RLCフィルタは、複数の抵抗器、複数のキャパシタ、複数のインダクタ、またはそれらの組合せを含み得る。この例では、EDCデバイスは、3GHzにおける応答のような-3dBローパスフィルタを有し、減衰を8GHzまで実質的に同じに保ち得る。したがって、ターゲット周波数応答を有するEDCデバイスの設計において、単一のフィルタが、1つまたは複数の抵抗器、インダクタ、および/またはキャパシタを使用して設計および実装され得る。ここで、受動電子構成要素に基づく特定の特性を有するフィルタの設計は、従来のものであり、したがって、さらに詳細には説明されないことに留意されたい。
別の実装形態では、EDCデバイスは自動的に合成され得る。言い換えれば、EDCデバイスの機能の自動合成が、光トランシーバにおいて実装され得る。これは、光トランシーバにおいて、たとえば、図20中の処理システム2013によって、受信された信号のスペクトル応答の1つまたは複数の測定機能と、分散影響なしの理想的な信号の保存されたテンプレート応答(または分散なしの理想的な応答)、たとえば、図20に示されているメモリ2015中のsinc(ωT/2)関数などの数式に基づくテンプレート応答との、測定されたスペクトル応答の1つまたは複数の比較機能とを実装することによって行われ得る。
代替的に、EDCデバイスは、表3に示されているものと同様のターゲット周波数応答を有する複合フィルタとして設計および実装され得る。例として、図17は、本開示の一態様による、設計されたEDCデバイスの実際の周波数応答を示す。さらに、図18Aおよび図18Bは、本開示の一態様による、EDCデバイスによる光分散の補償の効果を示すスクリーンキャプチャの画像である。図18Aは、EDCデバイスによる光分散の補償より前の実際の受信された信号のアイダイヤグラム1803のスクリーンキャプチャの画像であり、図18Bは、EDCデバイスによる光分散の補償の後の実際の受信された信号のアイダイヤグラム1805のスクリーンキャプチャの画像である。図18Aおよび図18Bに見られるように、EDCデバイスは、図18Bに示されているような広いアイ開口を伴って光分散を効果的に等化または補償する。すなわち、図18Aおよび図18Bに示されている2つのアイダイヤグラムの迅速な比較は、図18B中の等化または補償されたアイが、図18A中のアイと比較してアイの中心で極めて広く開口しており、それにより、EDCデバイスが使用されるとき、光受信機システムのビットエラーレート(BER)性能を大幅に改善することを明らかにする。この例では、EDCデバイスは、表3中のターゲット周波数応答に基づいて設計された補償RLCフィルタを含み、50kmの距離にわたる1611nm DMLによる実際の送信された信号についての図17に示されている周波数特性を有する。補償RLCフィルタは、ある距離にわたる光伝送を介した受信された信号上の光分散影響を低減または補償するための、コスト効果的であるが強力なソリューションである。
さらに、理想的なデータ信号のスペクトルエンベロープの第1の区分線形周波数応答、および実際の受信されたデータ信号のスペクトルエンベロープの第2の区分線形周波数応答、および/またはターゲット周波数応答は、光トランシーバの1つまたは複数のメモリ中の1つまたは複数のルックアップテーブル(LUT)に記憶され得る。
さらに、この例では、図15Aに示されているように、受信機への入力光電力が-18dBmにセットされるとき、エラーのない送信が得られ得ることに留意されたい。この例では、アバランシェフォトダイオード(APD)光受信機を用いて測定された感度は、約-20dBmであった。等化されたアイのパルス幅が減少し、したがって、アイの交差点が50%より下に低下した。これは、長いファイバーにわたって送信されたとき、ファイバーの分散によって影響を受けた光信号の典型的な挙動である。
図19は、本開示の一態様による、EDCデバイスの設計を概念的に示すためのフローチャートである。図19のフローチャートは、上記の設計および合成ステップを概念的に示す。第1に、S1601において、(光ファイバー上の分散なしの)理想的な電気信号のスペクトル(または周波数)応答が、高速測定デバイス上で光学的に決定または測定される。理想的な電気信号のスペクトル応答は、理論的分析によって実行され得るか、または、代替的に、オシロスコープディスプレイ能力をもつ高速測定デバイスを使用することによって測定され得る。次いで、測定されたスペクトル応答の特性は、本技術のいくつかの態様を実装するために、後で使用するために光トランシーバの1つまたは複数のメモリに記憶され得る。ステップS1601は、手動でまたは自動的に行われ得る。一実装形態では、光トランシーバの1つまたは複数の処理システムが、光分散なしの理想的な電気信号のスペクトル応答を決定または測定し得る。さらに、光分散なしの理想的な電気信号のスペクトル応答は、本技術のいくつかの態様を実装するために、後で使用するために光トランシーバの1つまたは複数のメモリに記憶され得る。
理想的な電気信号のスペクトル応答に基づいて、光ファイバーの分散影響なしの理想的な信号の第1の区分スペクトル応答が、随意に、S1603において構築される。このステップは、手動でまたは自動的に行われ得る。一実装形態では、光トランシーバの1つまたは複数の処理システムは、分散影響なしの理想的な信号の第1の区分スペクトル応答を構築し得る。さらに、理想的な信号の第1の区分スペクトル応答は、本技術のいくつかの態様を実装するために、後で使用するために光トランシーバの1つまたは複数のメモリに記憶され得る。
1605において、(光分散を伴う)実際の受信された電気信号のスペクトル(または周波数)応答が、随意に、高速測定デバイスによって決定または測定される。光ファイバーの分散を伴う実際の受信された電気信号のスペクトル応答は、制御されたラボラトリ環境において手動で測定され得る。すなわち、高速測定デバイス上で、利得周波数応答は、注目する長さを有する光ファイバーにわたって、すなわち、注目する距離にわたって取得され得る。代替的に、S1605は、光トランシーバによって自動的に行われ得、実際の受信された電気信号の測定されたスペクトル応答は、光トランシーバの1つまたは複数のメモリに記憶され得る。さらに、別の実装形態では、実際の受信された電気信号のスペクトル応答は、リモート光送信機、送信帯域幅などのチャープ情報など、ある情報に基づいて推定され得る。S1605は、手動でまたは自動的に行われ得る。一実装形態では、光トランシーバの1つまたは複数の処理システムは、(光分散を伴う)実際の受信された電気信号のスペクトル(または周波数)応答を決定または測定し得る。
S1607において、ある長さの光ファイバー上の光分散を伴う実際の受信された電気信号の決定または測定されたスペクトル応答に基づいて、光ファイバーの分散影響を伴う実際の受信された信号の第2の区分スペクトル応答が、光学的に構築される。S1607は、手動でまたは自動的に行われ得る。一実装形態では、光トランシーバの1つまたは複数の処理システムは、ある長さの光ファイバー上の光分散を伴う実際の受信された電気信号の決定または測定されたスペクトル応答に基づいて、光ファイバーの分散影響を伴う実際の受信された信号の第2の区分スペクトル応答を構築し得る。さらに、実際の受信された信号の第2の区分スペクトル応答は、光トランシーバの1つまたは複数のメモリに記憶され得る。
S1609において、EDCデバイスによって実装されるべきであるターゲット周波数応答が、理想的な電気信号の第1の区分スペクトル応答と、実際の受信された電気信号の第2の区分スペクトル応答との間の差に基づいて決定される。EDCデバイスは、実際の受信された電気信号における光分散の影響を補償または低減するための、ターゲット周波数応答またはターゲット周波数応答の逆数を有し得る。このステップは、手動でまたは自動的に行われ得る。一実装形態では、光トランシーバの1つまたは複数の処理システムは、ターゲット周波数応答を決定し得る。さらに、ターゲット周波数応答は、後で使用するために光トランシーバの1つまたは複数のメモリに記憶され得る。
S1611において、受動電子構成要素を使用して、ターゲット周波数応答またはターゲット周波数応答の逆数を有するEDCデバイスが、設計および/または実装される。EDCデバイスは、本開示の様々な態様による、実際の受信された電気信号中に存在する光ファイバーの光分散の影響を補償または低減するような、RLCフィルタまたはそれらの様々な組合せを含み得る。EDCデバイスは、光トランシーバにおいてトランスインピーダンス増幅器に結合するように配設されるように設定され得る。
上述のように、EDCデバイスは、受動電子構成要素に基づいて、たとえば、ローパスフィルタブロック、減衰ブロックおよび/またはノッチフィルタブロックなど、3つのビルディングブロックを使用して実装され得る。例として、図7または図17に示されているEDCデバイスまたはフィルタの例示的な実装形態は、周波数が増加につれて、注目する周波数においてより高い利得を得るためのインダクタ(L)またはキャパシタ(C)構成要素、および/あるいは他の高い周波数において不要な周波数成分をなくすためのノッチフィルタを追加することによって、周波数応答に見られるように光分散の影響を補償するために、高い周波数においてロールオフを有するためのローパスフィルタ関数と、他の低い周波数および高い周波数において利得を低減するための減衰機能とを必要とし得る。光分散の影響なしの理想的な利得周波数応答に近いような利得周波数応答を得るために、抵抗、インダクタンス、およびキャパシタンスの異なる値が試みられ得る。さらに、本例示的な実装形態では、固定抵抗をもつ抵抗器、固定インダクタンスをもつインダクタ、および/または固定キャパシタンスをもつキャパシタが使用されるが、本技術の実装形態はそれらに限定されないことがある。したがって、別の実装形態では、それぞれ、可変抵抗、可変インダクタンス、可変キャパシタンスを有する、抵抗器、インダクタ、および/またはキャパシタが使用され得、本技術の様々な態様は、様々な展開条件の下で、1つまたは複数の光トランシーバにおいてリアルタイムで設計および実装され得る。
さらに、本開示の一態様では、図7に示されているように、周波数応答のロールオフを制御するために、分散影響によって生成された10GHz成分または高周波成分をなくすために、ローパスフィルタブロックが使用され得、必要とされ得る。上述のように、これらの高周波成分は、レーザが変調されるときのレーザの波長変化と、光信号送信のための伝送媒体として使用されるシングルモードファイバーの分散性特性との間の(1つまたは複数の)相互作用によって生成され得る。したがって、ローパスフィルタは、信号チャネル中に存在する雑音成分、特に高い周波数領域中の雑音成分をなくすために使用され得る。
さらに、光受信機中のTIAフロントエンドの帯域幅が、必要とされる最適な帯域幅のために必要とされる帯域幅と比較して極めて広いとき、EDCデバイスまたはフィルタは、受信される信号へのひずみなしに最適な帯域幅およびロールオフを有するように慎重に合成され得る。したがって、EDCデバイスのためのフィルタ型は、慎重に選定される必要があり得、ベッセルフィルタは、その最大限に平坦な位相応答により、光ファイバー通信において広く使用されているので、ベッセル型フィルタが使用され得る。
さらに、光受信機の帯域幅がTIAフロントエンドによって制限されるとき、または光チャネルの全体的な帯域幅が広くないとき、TIAフロントエンドの周波数応答が、ローパス型フィルタの周波数応答と見なされるので、ローパスフィルタは使用されないことがある。ローパス特性は、光ファイバー上の分散によって生成された高周波成分をなくすために採用され得る。時々、使用されるTIAフロントエンドの帯域幅は、ビットレート周波数よりも小さいことがあり、したがって、TIAフロントエンドの帯域幅は、最適な帯域幅を有するように、および/または周波数応答の必要とされる形状を有するように、変更され得る。
さらに、本技術は、典型的な連続時間線形等化器(CTLE:Continuous Time Linear Equalizer)型等化器を使用する、最適なアイ開口を取得するために必要とされる、平坦な周波数応答および帯域幅の単純な実装とは異なることに留意されたい。CTLE型等化器は、典型的に、伝送線路によって引き起こされたRF信号損失を補償するために、制限増幅器もしくは後置増幅器、あるいは受信機出力または送信機入力において実装される。しかしながら、本開示の一態様では、EDCデバイスは、受動電子構成要素、たとえば、抵抗器、インダクタ、および/またはキャパシタを使用して、制限増幅器または後置増幅器の外側に実装される。上記で説明されたように、光分散を補償するために必要とされる周波数応答は、比較的単純であり、市販の制限後置増幅器における典型的なCTLE実装とは異なる周波数応答形状を有する。また、本技術は、光受信機中の市販の制限後置増幅器におけるCTLE技術など、既存の技術に勝る、コストの節約と増大した有効性とを含む、多くの利益を提供する。
図20は、本開示の一態様による、光トランシーバ2011を概念的に示す図である。光トランシーバ2011は、処理システム2013と、メモリ2015と、光送信サブアセンブリ(TOSA)2017と、光受信サブアセンブリ(ROSA)2019とを含む。光トランシーバ2011は、他の構成要素およびサブシステムを含み得るが、それらの説明は、単純さの目的で本明細書では省略された。
処理システム2013は、1つまたは複数のプロセッサを含み得、機能の中でも、光トランシーバ2011の動作を制御および管理するように設定され得る。処理システム2013はまた、光ファイバー2021を介してリモート側に送信されるべきであるデータの送信および受信のために、ホストデバイス2027と通信し得る。さらに、処理システム2013は、図6および/または図19の一部または全部のステップを含む様々な機能を実装するように設定され得る。さらに、処理システム2013は、1つまたは複数のプロセッサ、1つまたは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ハードウェア論理などとして実装され得る。また、処理システム2013は、光トランシーバ2011の制御および管理に関係する様々なパラメータおよび/またはコードを記憶し、ならびに本明細書で開示される本技術に関係する様々な機能を実装するための、1つまたは複数の外部メモリ2015に結合され得る。さらに、処理システム2013は、理想的なデータ信号のスペクトル特性を表す値を含む様々なパラメータを記憶するための1つまたは複数の内部メモリを含み得る。処理システム2013は、I2Cインターフェースなどを含む様々なインターフェースを介して、ホストデバイス2017など、外部デバイスと通信するようにさらに設定され得る。
光トランシーバ2011のTOSA2017は、ホストデバイスからデータを含む電気信号を受信することと、受信された電気信号を、光ファイバーチャネル2021を介した送信のための光信号に変換することとを行うように設定される。したがって、TOSA2017は、レーザダイオード、たとえばDMLと、電気的インターフェースと、光インターフェースとを含み得、必要とされる機能性に応じて様々なフィルタ要素とアイソレータとをも含み得る。光トランシーバ2011のROSA2019は、光ファイバーチャネル2021から光信号を受信することと、受信された光信号を、処理のための電気信号に変換することとを行うように設定される。したがって、ROSA2019は、フォトダイオード、光インターフェース、電気的インターフェース、ならびにEDCデバイスを含み得る。さらに、別の実装形態では、TOSA2017とROSA2019との機能性は、組み合わせられて1つのものになり得、方向光学サブアセンブリ(BOSA)として実装され得る。
さらに、図20の光トランシーバ2011は、随意に、(1つまたは複数の)スペクトル測定機能2023を含むデバイスに結合され得る。(1つまたは複数の)スペクトル測定機能2023は、(1つまたは複数の)スペクトル測定機能2023を実装する、高速測定デバイスあるいは任意の回路またはチップなど、別個のデバイスであり得る。(1つまたは複数の)スペクトル測定機能2023は、理想的なデータ信号、実際の受信された信号の1つまたは複数のスペクトル応答を決定または測定すること、理想的なデータ信号と実際の受信された信号との1つまたは複数のスペクトル応答を比較すること、および/あるいはある距離にわたる光ファイバー上の光分散影響を低減するためのEDCデバイスによって実装されるべきであるターゲット周波数応答を決定することに関係する1つまたは複数の機能を含み得る。さらに、(1つまたは複数の)スペクトル測定機能2023はまた、処理システム2013中の1つまたは複数の機能として、または、処理システム2013によって、あるいは、光トランシーバ2011中のROSA2019と組み合わせて実装され得る。さらに、(1つまたは複数の)スペクトル測定機能2023はまた、ROSA2019の一部として実装され得る。
本開示の別の態様では、本技術は、光トランシーバ2011の光受信機への入力光電力を監視することによって実装され得る。信号が光受信機において受信されたとき、光受信機への入力光電力は、光受信機によって監視され得、光ファイバーを介した光伝送の距離、たとえば、光ファイバーにわたる反対側からの伝送距離が推定され得る。推定された伝送距離および波長情報があるとすれば、EDCデバイスは、光分散の影響を低減または緩和するために、受信端における光受信機において設計または実装され得る。代替的に、別の実装形態では、光ファイバーの他端における光送信機は、受信端における光受信機が、受信端における光分散の影響を低減または緩和するためにEDCデバイスを設定し得るように、伝送距離、波長、データレートなど、ある情報を、受信端における光受信機と通信し得る。すなわち、本技術は、リモート光トランシーバまたはシステムからの、および/あるいは光ファイバーの他端におけるローカルシステムからの、出力電力情報または伝送距離など、受信されたある情報に基づいて実装され得る。受信された情報は、リモート光トランシーバまたはシステムからの受信された信号における光分散の影響を低減または緩和するために、本開示の一態様による、EDCデバイスを設定するために使用され得る。
さらに、本開示の別の態様では、第1の光トランシーバが、リモート側に位置し得、光ファイバーを介して第2の光トランシーバにある情報を送信し得る。ある情報は、第1の光トランシーバのチャープパラメータを含み得る。受信されたチャープパラメータに基づいて、第2の光トランシーバ(または光受信機)は、光伝送距離を推定し、光分散の量、たとえば、光分散によるアイクロージャの量を推定し得る。光分散の推定された量に基づいて、EDCデバイスは、本開示の一態様によれば、第1の光トランシーバと第2の光トランシーバとの間の距離にわたる光分散の影響を低減および/または緩和するために設定または実装され得る。
さらに、本技術はまた、1つまたは複数のマイクロストリップ線路、マイクロ波集積回路構造などを使用して実装され得、これは、EDCデバイスのRLC構成の一部または全部の構成要素を置き換え得る。たとえば、本開示の一態様では、インダクタおよび/またはキャパシタは、1つまたは複数のマイクロストリップ線路によって置き換えられ、それにより、EDCデバイスを設計および実装するコストをさらに低減し得る。さらに、別の実装形態では、EDCデバイスはまた、光トランシーバ中のEDCデバイスのコスト効果的な大容量実装を可能にするようなマイクロ波集積回路構造(MIC)として設計および実装され得る。さらに、別の実装形態では、本明細書で説明されるEDCデバイスはまた、電界効果トランジスタ(FET)などを含む能動構成要素、または能動構成要素と受動構成要素との任意の組合せを使用して、設計および実装され得る。また、EDCデバイスは、1つまたは複数の集積回路(IC)またはチップとして実装され得る。
図21は、たとえば、光トランシーバ2011など、光トランシーバにおいて見つけられ得る、バスベースの通信システムを概念的に示す図である。バスは、1つまたは複数の処理システム(またはプロセッサ)、1つまたは複数のメモリ、1つまたは複数の通信インターフェース、および/または1つまたは複数の入出力デバイスを含む、様々な回路を互いにリンクし得る。
1つまたは複数の処理システム、たとえば、図20中の処理システム2013は、バスを管理することと、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェアを実行することを含む一般的な処理とを担当し得る。述べられたように、1つまたは複数の処理システムは、命令を解釈および実行するように設定された、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなど、1つまたは複数のプロセッサを含み得る。他の実装形態では、1つまたは複数の処理システムは、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ゲートアレイ、論理アレイなどとして実装されるか、またはそれらを含み得る。ソフトウェアは、1つまたは複数の処理システムまたはプロセッサによって実行されたとき、1つまたは複数の処理システムに、特定の装置のための本明細書で説明される様々な機能を実行させ得る。非一時的コンピュータ可読媒体はまた、ソフトウェアを実行するときに1つまたは複数の処理システムによって操作されるデータを記憶するために使用され得る。1つまたは複数のメモリ、たとえば、図20中のメモリ2015は、ランダムアクセスメモリおよび/または読取り専用メモリ含む様々な型のメモリ、ならびに/あるいは、他の型の磁気または光記録媒体と、情報および/もしくは命令を記憶することおよび/またはそれらの取出しのためのその対応するデバイスとを含み得る。1つまたは複数の通信インターフェースは、光トランシーバ(たとえば、図20中のTOSA2017および/またはROSA2019)を含む、他のデバイスおよび/またはシステムとの通信を可能にする、任意のトランシーバ同様の機構をも含み得る。1つまたは複数の入出力デバイスは、情報を入力すること、および/またはオペレータに情報を出力することを可能にするデバイスを含み得る。
上述のように、本開示の様々な態様によれば、本技術は、スモールフォームファクタプラグ可能(SFP)、SFP+、Cフォームファクタプラグ可能(CFP)、10ギガビットスモールフォームファクタプラグ可能(XFP)、XFP+などを含む、様々なフォームファクタにおいて実装され得る。これらのフォームファクタは、光トランシーバの物理的サイズ、形状、電力要件など、様々なパラメータを規定する。本明細書で使用される「スモールフォームファクタ(SFP)」または「SFPモジュール」という用語あるいはそのような他のものは、光トランシーバまたは光モジュラートランシーバのための仕様を指し、これは、小さいフォームファクタコネクタとともに使用するために設計され、ホットスワップ可能なデバイスであり得る。例として、SFPモジュールは、マルチソースアグリーメント(MSA)準拠であり、電気信号を光信号に変換し、その逆も行う、光および/または電気的インターフェースを可能にし得、銅媒体、光ファイバー(たとえば、マルチモード光ファイバー、またはシングルモード光ファイバー)など、様々な媒体とともに使用するために利用可能であり得る。概して、ネットワークスイッチのポートにプラグ接続することと、その上で別のロケーションにおけるファイバーチャネルおよびギガビットイーサネット(GbE)光ファイバーケーブルに接続することとを行うために、既存のSFPモジュールが使用され得る。したがって、既存のSFPモジュールは、ネットワークスイッチ上の同じ電気的ポートが、マルチモードまたはシングルモードファイバーを含む異なる型の光ファイバーに接続することを可能にし得る。
特徴の特定の組合せが本明細書で開示されおよび/または特許請求の範囲において具陳されるが、これらの組合せは、本技術の開示を限定するものではない。さらに、本明細書で開示される本技術のための方法または方法論は、ソフトウェア、ハードウェア、ソフトウェアとハードウェアとの任意の組合せ、1つまたは複数のプロセッサを含むコントローラ、プロセッサ、コンピュータ、または処理システムが実行するためのコンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータプログラムまたはファームウェアで実装され得る。処理システムの例は、本明細書で説明される様々な機能を実行するように設定された、(1つまたは複数の)マイクロコントローラ、(1つまたは複数の)マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ディスクリートハードウェア回路、ゲート論理、状態機械、プログラマブル論理デバイス(PLD)、FPGA、および他の好適なハードウェアを含み得る。本明細書で使用される「ソフトウェア」という用語は、ファームウェア、マイクロコード、ミドルウェア、ソフトウェア、ハードウェア記述言語などを含む、任意の命令、命令セット、プログラム、サブプログラム、コード、プログラムコード、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味すると広く解釈されべきである。
単純さの目的で、本技術のいくつかの態様は、一連のステップまたは行為として本明細書で説明されるが、いくつかのステップまたは行為は、本明細書で図示および説明されるステップまたは行為とは異なる順序で、および/または他の行為と同時に行われ得るので、請求される主題は、ステップまたは行為の順序によって限定されないことを理解されたい。さらに、本明細書で開示される本技術に従って様々な方法論を実装するために、示されたすべてのステップまたは行為が必要とされるとは限らない。
本開示で使用される場合、別段に明示的に言及される場合を除いて、「備える、含む(comprise)」という用語、ならびに「備える、含む(comprising)」、「備える、含む(comprises)」、および「備えられる(comprised)」など、この用語の変形、ならびに、「含む(include)」という用語、ならびに「含む(including)」、「含む(includes)」、および「含まれる(included)」など、その変形は、他の付加物、構成要素、整数、またはステップを除外するものではない。
また、本明細書で使用される「第1の」、「第2の」などの用語は、様々な構成要素について説明するために使用され得るが、構成要素は上記の用語によって限定されない。上記の用語は、本開示の範囲から逸脱することなく、ある構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるにすぎない。また、本明細書で使用される「および/または」という用語は、複数の関連する項目の組合せ、または複数の関連する項目のうちの任意の項目を含む。さらに、ある要素が別の要素に「結合される(coupled)」かまたは「接続される(connected)」ことが説明されるとき、その要素は他の要素に直接結合されるかまたは直接接続され得るか、あるいは、その要素は第3の要素を通して他の要素に結合または接続され得ることに留意されたい。コンテキストにおいて明確には反対の趣旨がない場合、単数形は複数形を含み得る。本開示では、本明細書で使用される「含む(include)」または「有する(have)」という用語は、本明細書で説明される特徴、動作、構成要素、ステップ、数、それらの一部または任意の組合せが存在することを示す。さらに、「含む」または「有する」という用語は、1つまたは複数の、他の特徴、動作、構成要素、ステップ、数、部分または組合せの、存在または追加の可能性を除外しない。さらに、本明細書で使用される冠詞「a」は、1つまたは複数の項目を含むものとする。その上、本開示において使用されるいかなる要素、行為、ステップ、または命令も、本開示においてそのようなものとして明示的に説明されない限り、本開示にとって重要または必須と解釈されるべきではない。
本技術は、例示的な実施形態について説明する目的で本明細書で説明される特定の例を用いて示されたが、本開示の範囲から逸脱することなく、多種多様な代替実装形態および/または等価実装形態が、図示および説明される特定の例の代わりに使用され得ることを当業者は諒解されたい。したがって、本開示は、本開示の趣旨および技術範囲から逸脱することなく、本明細書で図示および説明される例および/または実施形態の任意の適応形態または変形形態を包含するものとする。

Claims (12)

  1. 光信号を受信して電気信号を生成するように動作可能なフォトダイオードと、
    前記電気信号を受信して第1の増幅された信号を生成するように動作可能なトランスインピーダンス増幅器(TIA)と、
    前記TIAから前記第1の増幅された信号を受信して補償された信号を生成するように動作可能な電子分散補償(EDC)デバイスであって、
    前記第1の増幅された信号の光分散を補償するような特定の利得周波数応答特性を有する受動電子構成要素を備え、
    前記受動電子構成要素の少なくとも一部に、ローパスフィルタまたはハイパスフィルタ、減衰器、および/またはノッチフィルタを含み、
    光分散のない理想的なデータ信号の周波数応答特性を基準テンプレートとして、時間領域分析または周波数領域分析のいずれかにより、受信された前記第1の増幅された信号の光分散を補償するように構成された、EDCデバイスと
    を備える光受信機。
  2. 前記EDCデバイスにおいて、前記受動電子構成要素は、複数の抵抗器、複数のキャパシタ、および/または複数のインダクタにより光分散を補償するように構成されている、請求項1に記載の光受信機。
  3. 光分散なしのデータ信号の周波数応答と光分散ありのデータ信号の周波数応答との間にある1つまたは複数の差に基づいて、前記受動電子構成要素の値は選択されていて、補償された信号の光分散は前記受動電子構成要素によって実質的に低減されている、請求項2に記載の光受信機。
  4. 前記ノッチフィルタが、前記受動電子構成要素を用いた並列共振器または直列共振器を備える、請求項に記載の光受信機。
  5. 前記減衰器が、前記受動電子構成要素を用いたT型減衰器、ブリッジT型減衰器、またはPI型減衰器を備える、請求項に記載の光受信機。
  6. 償された信号を受信して処理のため第2の増幅された信号を生成するように動作可能な後置増幅器をさらに備える、請求項1に記載の光受信機。
  7. 前記光受信機が、スモールフォームファクタプラグ可能(SFP)、SFP+、Cフォームファクタプラグ可能(CFP)、10ギガビットスモールフォームファクタプラグ可能(XFP)、XFP+などを含むフォームファクタにおいて動作可能であるように設定される、請求項1に記載の光受信機。
  8. 第1の電気信号を受信して光ファイバー送信のため第1の光信号に変換する光送信サブアセンブリ(TOSA)と、
    ファイバーを介した第2の光信号を受信して第2の電気信号に変換する光受信サブアセンブリ(ROSA)であって、
    前記第2の光信号を受信して前記第2の電気信号を生成するように動作可能なフォトダイオードと、
    前記第2の電気信号を受信して増幅された信号を生成するように動作可能なトランスインピーダンス増幅器(TIA)と、
    前記TIAから増幅された信号を受信して補償された信号を生成するように動作可能な電子分散補償(EDC)デバイスであって、
    増幅された信号の光分散を補償するような特定の利得周波数応答特性を有する受動電子構成要素を備え、
    前記受動電子構成要素の少なくとも一部に、ローパスフィルタまたはハイパスフィルタ、減衰器、および/またはノッチフィルタを含み、
    光分散のない理想的なデータ信号の周波数応答特性を基準テンプレートとして、時間領域分析または周波数領域分析のいずれかにより、増幅された信号の光分散を補償するように構成された、EDCデバイスと
    を備えるROSAと
    を備える、光トランシーバ。
  9. 前記受動電子構成要素幅された信号の光分散を補償するような特定の利得周波数応答特性を有する、請求項に記載の光トランシーバ。
  10. 前記減衰器が、前記受動電子構成要素を用いたT型減衰器、ブリッジT型減衰器、またはPI型減衰器を備える、請求項に記載の光トランシーバ。
  11. リモート光送信機から直接変調レーザによって送信されてきた信号光分散を補償する方法にして
    前記リモート光送信機から光ファイバーを介して送信されてきた光信号を光受信機で受信して電気信号に変換することと
    前記電気信号を増幅された電気信号に増幅することと、
    電子分散補償(EDC)デバイスによって、光分散のない理想的なデータ信号の周波数応答特性を基準テンプレートとして、増幅された電気信号光分散を補償することとを含む方法であって、
    前記EDCデバイスが受動電子構成要素を備え、前記受動電子構成要素の少なくとも一部に、ローパスフィルタまたはハイパスフィルタ、減衰器、および/またはノッチフィルタが含まれ、受動部品として少なくとも1つの抵抗、コンデンサ、またはインダクタが含まれる、
    方法。
  12. 光分散を有する増幅された電気信号の周波数応答を決定することと、
    幅された電気信号光分散を補償するように前記EDCデバイスのターゲット周波数応答を決定することと
    をさらに含む、請求項11に記載の方法。
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