JP2004032411A - 光受信器および光通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで高品質の信号光伝送をすることができる光通信システム等を提供する。
【解決手段】光受信器20に到達した光は光電変換部21により受光され、その受光強度に応じた値の電流信号が光電変換部21より出力される。光電変換部21より出力された電流信号は電流電圧変換部22に入力し、この電流信号の値に応じた値の電圧信号電流電圧変換部22より出力される。電流電圧変換部22より出力された電圧信号V1はフィルタ部23に入力し、このフィルタ部23において、この入力した電圧信号V1が所定の周波数特性に基づいてフィルタリングされ、そのフィルタリングした後の電圧信号V2が出力される。フィルタ部23の周波数特性は、周波数範囲2GHz〜4GHzにピークを有している。
【選択図】 図2
【解決手段】光受信器20に到達した光は光電変換部21により受光され、その受光強度に応じた値の電流信号が光電変換部21より出力される。光電変換部21より出力された電流信号は電流電圧変換部22に入力し、この電流信号の値に応じた値の電圧信号電流電圧変換部22より出力される。電流電圧変換部22より出力された電圧信号V1はフィルタ部23に入力し、このフィルタ部23において、この入力した電圧信号V1が所定の周波数特性に基づいてフィルタリングされ、そのフィルタリングした後の電圧信号V2が出力される。フィルタ部23の周波数特性は、周波数範囲2GHz〜4GHzにピークを有している。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号光を伝送することで情報の送受信をすることができる光通信システム、および、この光通信システムにおいて用いられる光受信器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムは、光送信器より信号光を光ファイバ伝送路へ送出し、その光ファイバ伝送路により伝送されてきた信号光を光受信器により受信するものであって、大容量の情報を高速に送受信することができる。優れた伝送品質で信号光を伝送するには、送信から受信までの間の信号光伝送経路の累積波長分散の絶対値が小さいことが重要である。
【0003】
ところが、光ファイバ伝送路として一般に用いられる標準的なシングルモード光ファイバは、波長1.3μm付近において波長分散が零であって、一般に信号光波長帯域として用いられる波長1.55μm帯では波長分散が+16ps/nm/km程度である。このようなシングルモード光ファイバのみを用いて信号光伝送経路を構成したのでは、信号光伝送経路の累積波長分散の絶対値が大きいので、信号光伝送品質の改善に限界がある。
【0004】
そこで、従来では信号光伝送経路上に分散補償手段が挿入される。この分散補償手段は、信号光波長帯域において負の波長分散を有するものであり、信号光波長帯域においてシングルモード光ファイバの波長分散を補償することができる。分散補償手段として例えば分散補償光ファイバが好適に用いられる。そして、シングルモード光ファイバおよび分散補償光ファイバそれぞれの長さの比を適切に設計することにより、シングルモード光ファイバおよび分散補償光ファイバを含む信号光伝送経路の累積波長分散の絶対値を小さくすることができ、信号光伝送品質の改善を図ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、補償対象である光ファイバの長さ又は波長分散は、一定ではなく、ばらつきがある。同様に、分散補償光ファイバの波長分散も、一定ではなく、ばらつきがある。さらに、光送信器および光受信器それぞれが有する分散耐力には限界がある。したがって、これらのことを考慮して分散補償光ファイバを含めた光ファイバ伝送路を設計する必要があるので、システム設計コストやシステム管理コストが大きい。
【0006】
また、分散補償光ファイバの伝送損失が比較的大きく、分散補償光ファイバを伝搬する間に信号光が損失を被るので、光増幅器を用いて信号光を光増幅する必要が生じる。この場合には、光増幅器を設けることによりコストが大きくなる。また、信号光の光増幅の際にノイズ光が発生するので、このノイズ成分について品質管理が必要になり、この点でもコストが大きくなる。さらに、光増幅された信号光が高パワーであることから、非線形光学現象に因る信号光波形劣化が生じ易くなるので、これに対する対策を考慮する必要がある点でもコストが大きくなる。
【0007】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、低コストで高品質の信号光伝送をすることができる光通信システム、および、この光通信システムにおいて好適に用いられる光受信器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光受信器は、(1) 光を受光して、その受光強度に応じた値の電流信号を出力する光電変換部と、(2) 光電変換部より出力された電流信号を入力し、この電流信号の値に応じた値の電圧信号を出力する電流電圧変換部と、(3) 周波数範囲2GHz〜4GHzにピークを有する周波数特性を有し、電流電圧変換部より出力された電圧信号を入力し、この入力した電圧信号を周波数特性に基づいてフィルタリングし、そのフィルタリングした後の電圧信号を出力するフィルタ部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る光通信システムは、(1) 信号光を出力する光送信器と、(2) 光送信器より出力された信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、(3) 光ファイバ伝送路により伝送された信号光を受信する上記の本発明に係る光受信器と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、光送信器より出力された信号光は、光ファイバ伝送路により伝送されて光受信器に到達する。光受信器に到達した光は光電変換部により受光され、その受光強度に応じた値の電流信号が光電変換部より出力される。光電変換部より出力された電流信号は電流電圧変換部に入力し、この電流信号の値に応じた値の電圧信号電流電圧変換部より出力される。電流電圧変換部より出力された電圧信号はフィルタ部に入力し、このフィルタ部において、この入力した電圧信号が所定の周波数特性に基づいてフィルタリングされ、そのフィルタリングした後の電圧信号が出力される。フィルタ部の周波数特性は、周波数範囲2GHz〜4GHzにピークを有している。一方、光受信器に到達する信号光は光ファイバ伝送路の累積波長分散に因り波形が歪み、その周波数特性は周波数範囲2GHz〜4GHzにボトムを有する形状となっている。したがって、光受信器に到達する信号光の周波数特性と、フィルタ部が有する周波数特性とは、互いに相殺されるので、フィルタ部より出力される電圧信号は波形歪みが低減されたものとなる。
【0011】
本発明に係る光受信器は、フィルタ部の周波数特性が可変であるのが好適である。また、本発明に係る光受信器は、電流電圧変換部より出力された電圧信号の波形の歪み量を検出する歪量検出部を更に備え、歪量検出部により検出された歪み量に基づいてフィルタ部の周波数特性が調整されるのが好適である。この場合には、電流電圧変換部より出力された電圧信号の波形の歪み量が歪量検出部により検出され、歪量検出部により検出された歪み量に基づいてフィルタ部の周波数特性が調整される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
先ず、本実施形態に係る光通信システムおよび光受信器の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る光通信システム1の構成図である。この図に示される光通信システム1は、光送信器10、光受信部20および光ファイバ伝送路30を備えて構成される。この光通信システム1では、光送信器10より強度変調されて送出された信号光は、光ファイバ伝送路30により伝送されて光受信器20に到達し、この光受信器20により受信される。
【0014】
図2は、本実施形態に係る光受信器20の構成図である。この図に示される光受信器20は、光電変換部21、電流電圧変換部22、フィルタ部23および歪量検出部24を含む。光電変換部21は、光ファイバ伝送路30により伝送されて到達した光を受光して、その受光強度に応じた値の電流信号を出力するものであり、好適にはアバランシュフォトダイオードである。電流電圧変換部22は、入力端221と出力端222との間にアンプAおよび抵抗素子R0を並列的に有するものであり、光電変換部21より出力された電流信号を入力端221より入力し、この電流信号の値に応じた値の電圧信号V1を出力端222より出力する。
【0015】
フィルタ部23は、周波数範囲2GHz〜4GHzにピークを有する周波数特性を有し、電流電圧変換部22の出力端222より出力された電圧信号V1を入力端231より入力し、この入力した電圧信号V1を上記周波数特性に基づいてフィルタリングし、そのフィルタリングした後の電圧信号V2を出力端232より出力する。フィルタ部23の周波数特性は可変であるのが好適である。歪量検出部24は、電流電圧変換部22の出力端222より出力された電圧信号V1を入力端241より入力し、その電圧信号V1の波形の歪み量を検出して、その検出結果に基づいてフィルタ部23の周波数特性を制御するための制御信号Sを出力端242より出力する。フィルタ部23の周波数特性は、歪量検出部24の出力端242より出力された制御信号Sに基づいて調整される。
【0016】
図3は、本実施形態に係る光受信器20に含まれるフィルタ部23の一構成例を示す図である。この図に示されるフィルタ部23は、抵抗素子R1〜R3、インダクタ素子L1,L2 および容量素子C1,C2を含む。フィルタ部23の入力端231から出力端232へ向かって順に、抵抗素子R1、インダクタ素子L1、インダクタ素子L2 および抵抗素子R2が接続されている。インダクタ素子L1とインダクタ素子L2との接続点は、容量素子C1を介して接地電位と接続されており、また、容量素子C2を介して出力端232と接続されている。出力端232は抵抗素子R3を介して接地電位と接続されている。抵抗素子R1〜R3それぞれの抵抗値、インダクタ素子L1,L2それぞれのインダクタンス値、および、容量素子C1,C2それぞれの容量値が適切に設定されることにより、フィルタ部23の入力端231より入力し出力端232へ出力される電圧信号の周波数特性は、所望の周波数においてピークを有するものとなり得る。
【0017】
図4は、本実施形態に係る光受信器20に含まれる歪量検出部24の構成図である。この図に示される歪量検出部24は、バンドパスフィルタ241および除算器242を含む。バンドパスフィルタ241は、歪量検出部24の入力端241より入力した電圧信号V1のうち特定周波数f0の成分の電圧信号Vf0のみを選択的に出力する。除算器242は、入力端241より入力した電圧信号V1と、バンドパスフィルタ241より出力された電圧信号Vf0とを入力して、両者の比(Vf0/V1)を求め、この比の値に基づいて制御信号Sを出力する。バンドパスフィルタ241における透過帯域の中心周波数f0が適切に設定されることにより、比(Vf0/V1)に基づいて電圧信号V1の波形の歪み量が検出されるので、この比の値に基づいて生成され出力される制御信号Sによりフィルタ部23の周波数特性が制御されることにより、フィルタ部23の周波数特性は所望のものとなるように調整され得る。
【0018】
本実施形態に係る光通信システム1は以下のように動作する。光送信器10より強度変調されて出力された信号光は、光ファイバ伝送路30により伝送されて光受信器20に到達する。光受信器20に到達した光は光電変換部21により受光され、その受光強度に応じた値の電流信号が光電変換部21より出力される。光電変換部21より出力された電流信号は電流電圧変換部22に入力し、この電流信号の値に応じた値の電圧信号電流電圧変換部22より出力される。電流電圧変換部22より出力された電圧信号V1はフィルタ部23に入力し、このフィルタ部23において、この入力した電圧信号V1が所定の周波数特性に基づいてフィルタリングされ、そのフィルタリングした後の電圧信号V2が出力される。また、電流電圧変換部22より出力された電圧信号V1の波形の歪み量が歪量検出部24により検出され、歪量検出部24により検出された歪み量に基づいてフィルタ部23の周波数特性が調整される。フィルタ部23の周波数特性は、周波数範囲2GHz〜4GHzにピークを有している。一方、光受信器20に到達する信号光は光ファイバ伝送路30の累積波長分散に因り波形が歪み、後述するように、その周波数特性は周波数範囲2GHz〜4GHzにボトムを有する形状となっている。したがって、光受信器20に到達する信号光の周波数特性と、フィルタ部23が有する周波数特性とは、互いに相殺されるので、フィルタ部23より出力される電圧信号V2は波形歪みが低減されたものとなる。
【0019】
図5は、光受信器に到達する信号光の周波数特性を示す図である。この図には、光送信器から送出される信号光のチャーピング特性を表すパラメータα,κの代表的な各値について、シングルモード光ファイバからなる光ファイバ伝送路(長さ100km、波長1550nmで累積波長分散1600ps/nm)により伝送された後に光受信器に到達した波長1550nmの信号光の周波数特性が示されている。同図(a)はα=−1であってκ=5である場合の周波数特性を示し、同図(b)はα=−2であってκ=5である場合の周波数特性を示し、同図(c)はα=−3であってκ=5である場合の周波数特性を示し、同図(d)はα=−4であってκ=5である場合の周波数特性を示す。
【0020】
この図から判るように、チャーピングパラメータα,κの代表的な値に対して、光受信器に到達する信号光の周波数特性は、周波数範囲2GHz〜4GHzにボトムを有する形状となっている。また、信号光波形の歪み量は、特定周波数f0として例えば周波数3GHz成分の相対的強度に基づいて求めることができる。
【0021】
これに対して、本実施形態に係る光受信器20に含まれるフィルタ部23は、周波数範囲2GHz〜4GHzにピークを有する周波数特性を有している。また、一般に、光受信器20に含まれる光電変換部21および電流電圧変換部22それぞれは、比較的平坦な周波数特性を有している。したがって、光電変換部21に到達する信号光の周波数特性と、フィルタ部23が有する周波数特性とは、互いに相殺されるので、フィルタ部23より出力される電圧信号V2は波形歪みが低減されたものとなる。
【0022】
図6および図7それぞれは、本実施形態に係る光受信器20に含まれるフィルタ部23の周波数特性の一例を示す図である。図6はシミュレーション結果を示し、図7は実験結果を示す。ここでは、図3に示される構成において、抵抗素子R1の抵抗値を40Ωとし、抵抗素子R2の抵抗値を50Ωとし、抵抗素子R3の抵抗値を50Ωとした。インダクタ素子L1のインダクタンス値を3nHとし、インダクタ素子L2のインダクタンス値を1nHとした。また、容量素子C1の容量値を1pFとし、容量素子C2の容量値を3pFとした。また、図6には、比較の為に従来のベッセルトムソンフィルタの周波数特性も示されている。これらの図に示されるように、このフィルタ部23は、周波数範囲2GHzにピークを有する周波数特性を有している。なお、抵抗素子R1〜R3それぞれの抵抗値、インダクタ素子L1,L2それぞれのインダクタンス値、および、容量素子C1,C2それぞれの容量値が制御信号Sにより適切に制御されることにより、フィルタ部23の周波数特性は、所望の周波数においてピークを有するものとなる。
【0023】
図8は、光受信器に到達した信号光のアイパターンを示す図である。図9は、光受信器の電流電圧変換部より出力された電圧信号を、従来の受信器を模擬したベッセルトムソンフィルタに入力して、このベッセルトムソンフィルタより出力された電圧信号のアイパターンを示す図である。図10は、本実施形態に係る光受信器20の電流電圧変換部22より出力された電圧信号をフィルタ部23に入力して、このフィルタ部23より出力された電圧信号のアイパターンを示す図である。図11は、光送信器より送出された直後の信号光を受信した本実施形態に係る光受信器20に入力して、このフィルタ部23より出力された電圧信号のアイパターンを示す図である。図9および図10それぞれでは、光送信器と光受信器との間の光ファイバ伝送路は、長さ100kmのシングルモード光ファイバからなるものとして、累積波長分散が1600ps/nm程度である。
【0024】
図8に示されるように、長さ100kmの光ファイバ伝送路により伝送されて光受信器に到達した信号光は、光ファイバ伝送路の累積波長分散に因り、ハイレベルからローレベルへの遷移が緩やかな形状のものとなっており、波形が歪んでいる。このような波形歪みを有する信号光が光電変換部により受光され、光電変換部より出力された電流信号が電流電圧変換部により電圧信号に変換され、電流電圧変換部より出力された電圧信号がフィルタ部に入力する。
【0025】
フィルタ部として従来のベッセルトムソンフィルタのようなピークが無い特性の受信回路が用いられる場合には、図9に示されるように、フィルタ部より出力される電圧信号は、ハイレベルからローレベルへの遷移が緩やかな形状のものとなっており、波形が歪んでいる。これと比較して、フィルタ部として上記のフィルタ部23が用いられる場合には、図10に示されるように、フィルタ部23より出力される電圧信号は、ハイレベルからローレベルへの遷移が比較的急峻な形状のものとなっており、波形歪みが低減されている。
【0026】
また、図11に示されるように、光送信器より送出された直後の信号光を受信した本実施形態に係る光受信器20が受信してフィルタ部23より出力された電圧信号は、オーバーシュートおよびアンダーシュートが見られるものの、大きな波形歪みが生じてはいない。
【0027】
以上のように、本実施形態に係る光通信システム1および光受信器20を用いれば、分散補償光ファイバを用いるまでもなく、光ファイバ伝送路の累積波長分散に因る光波形の歪みの問題を解消することができ、高品質の光通信を行うことができる。しかも、分散補償光ファイバを用いる必要がなく、また、分散補償光ファイバにおける光の損失を補償する為に光増幅器を設ける必要もないことから、システム設計コストやシステム管理コストが小さい。また、現用の光ファイバ伝送路に障害が発生して、予備の光ファイバ伝送路へ光伝送経路を変更した場合であっても、予備の光ファイバ伝送路の累積波長分散に因る光波形の歪みの問題をも解消することができ、高品質の光通信を行うことができる。
【0028】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、フィルタ部23の構成は他の態様のものがあり得る。また、歪量検出部24の構成も他の態様のものがあり得る。
【0029】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、分散補償光ファイバを用いるまでもなく、光ファイバ伝送路の累積波長分散に因る光波形の歪みの問題を解消することができ、高品質の光通信を行うことができる。しかも、分散補償光ファイバを用いる必要がなく、また、分散補償光ファイバにおける光の損失を補償する為に光増幅器を設ける必要もないことから、システム設計コストやシステム管理コストが小さい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る光通信システム1の構成図である。
【図2】本実施形態に係る光受信器20の構成図である。
【図3】本実施形態に係る光受信器20に含まれるフィルタ部23の一構成例を示す図である。
【図4】本実施形態に係る光受信器20に含まれる歪量検出部24の構成図である。
【図5】光受信器に到達する信号光の周波数特性を示す図である。
【図6】本実施形態に係る光受信器20に含まれるフィルタ部23の周波数特性の一例を示す図である。
【図7】本実施形態に係る光受信器20に含まれるフィルタ部23の周波数特性の一例を示す図である。
【図8】光受信器に到達した信号光のアイパターンを示す図である。
【図9】光受信器の電流電圧変換部より出力された電圧信号を、従来の受信器を模擬した従来のベッセルトムソンフィルタに入力して、このベッセルトムソンフィルタより出力された電圧信号のアイパターンを示す図である。
【図10】本実施形態に係る光受信器20の電流電圧変換部22より出力された電圧信号をフィルタ部23に入力して、このフィルタ部23より出力された電圧信号のアイパターンを示す図である。
【図11】光送信器より送出された直後の信号光を受信した本実施形態に係る光受信器20に入力して、このフィルタ部23より出力された電圧信号のアイパターンを示す図である。
【符号の説明】
1…光通信システム、10…光送信器、20…光受信器、30…光ファイバ伝送路、21…光電変換部、22…電流電圧変換部、23…フィルタ部、24…歪量検出部、241…バンドパスフィルタ、242…除算器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号光を伝送することで情報の送受信をすることができる光通信システム、および、この光通信システムにおいて用いられる光受信器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムは、光送信器より信号光を光ファイバ伝送路へ送出し、その光ファイバ伝送路により伝送されてきた信号光を光受信器により受信するものであって、大容量の情報を高速に送受信することができる。優れた伝送品質で信号光を伝送するには、送信から受信までの間の信号光伝送経路の累積波長分散の絶対値が小さいことが重要である。
【0003】
ところが、光ファイバ伝送路として一般に用いられる標準的なシングルモード光ファイバは、波長1.3μm付近において波長分散が零であって、一般に信号光波長帯域として用いられる波長1.55μm帯では波長分散が+16ps/nm/km程度である。このようなシングルモード光ファイバのみを用いて信号光伝送経路を構成したのでは、信号光伝送経路の累積波長分散の絶対値が大きいので、信号光伝送品質の改善に限界がある。
【0004】
そこで、従来では信号光伝送経路上に分散補償手段が挿入される。この分散補償手段は、信号光波長帯域において負の波長分散を有するものであり、信号光波長帯域においてシングルモード光ファイバの波長分散を補償することができる。分散補償手段として例えば分散補償光ファイバが好適に用いられる。そして、シングルモード光ファイバおよび分散補償光ファイバそれぞれの長さの比を適切に設計することにより、シングルモード光ファイバおよび分散補償光ファイバを含む信号光伝送経路の累積波長分散の絶対値を小さくすることができ、信号光伝送品質の改善を図ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、補償対象である光ファイバの長さ又は波長分散は、一定ではなく、ばらつきがある。同様に、分散補償光ファイバの波長分散も、一定ではなく、ばらつきがある。さらに、光送信器および光受信器それぞれが有する分散耐力には限界がある。したがって、これらのことを考慮して分散補償光ファイバを含めた光ファイバ伝送路を設計する必要があるので、システム設計コストやシステム管理コストが大きい。
【0006】
また、分散補償光ファイバの伝送損失が比較的大きく、分散補償光ファイバを伝搬する間に信号光が損失を被るので、光増幅器を用いて信号光を光増幅する必要が生じる。この場合には、光増幅器を設けることによりコストが大きくなる。また、信号光の光増幅の際にノイズ光が発生するので、このノイズ成分について品質管理が必要になり、この点でもコストが大きくなる。さらに、光増幅された信号光が高パワーであることから、非線形光学現象に因る信号光波形劣化が生じ易くなるので、これに対する対策を考慮する必要がある点でもコストが大きくなる。
【0007】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、低コストで高品質の信号光伝送をすることができる光通信システム、および、この光通信システムにおいて好適に用いられる光受信器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光受信器は、(1) 光を受光して、その受光強度に応じた値の電流信号を出力する光電変換部と、(2) 光電変換部より出力された電流信号を入力し、この電流信号の値に応じた値の電圧信号を出力する電流電圧変換部と、(3) 周波数範囲2GHz〜4GHzにピークを有する周波数特性を有し、電流電圧変換部より出力された電圧信号を入力し、この入力した電圧信号を周波数特性に基づいてフィルタリングし、そのフィルタリングした後の電圧信号を出力するフィルタ部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る光通信システムは、(1) 信号光を出力する光送信器と、(2) 光送信器より出力された信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、(3) 光ファイバ伝送路により伝送された信号光を受信する上記の本発明に係る光受信器と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、光送信器より出力された信号光は、光ファイバ伝送路により伝送されて光受信器に到達する。光受信器に到達した光は光電変換部により受光され、その受光強度に応じた値の電流信号が光電変換部より出力される。光電変換部より出力された電流信号は電流電圧変換部に入力し、この電流信号の値に応じた値の電圧信号電流電圧変換部より出力される。電流電圧変換部より出力された電圧信号はフィルタ部に入力し、このフィルタ部において、この入力した電圧信号が所定の周波数特性に基づいてフィルタリングされ、そのフィルタリングした後の電圧信号が出力される。フィルタ部の周波数特性は、周波数範囲2GHz〜4GHzにピークを有している。一方、光受信器に到達する信号光は光ファイバ伝送路の累積波長分散に因り波形が歪み、その周波数特性は周波数範囲2GHz〜4GHzにボトムを有する形状となっている。したがって、光受信器に到達する信号光の周波数特性と、フィルタ部が有する周波数特性とは、互いに相殺されるので、フィルタ部より出力される電圧信号は波形歪みが低減されたものとなる。
【0011】
本発明に係る光受信器は、フィルタ部の周波数特性が可変であるのが好適である。また、本発明に係る光受信器は、電流電圧変換部より出力された電圧信号の波形の歪み量を検出する歪量検出部を更に備え、歪量検出部により検出された歪み量に基づいてフィルタ部の周波数特性が調整されるのが好適である。この場合には、電流電圧変換部より出力された電圧信号の波形の歪み量が歪量検出部により検出され、歪量検出部により検出された歪み量に基づいてフィルタ部の周波数特性が調整される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
先ず、本実施形態に係る光通信システムおよび光受信器の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る光通信システム1の構成図である。この図に示される光通信システム1は、光送信器10、光受信部20および光ファイバ伝送路30を備えて構成される。この光通信システム1では、光送信器10より強度変調されて送出された信号光は、光ファイバ伝送路30により伝送されて光受信器20に到達し、この光受信器20により受信される。
【0014】
図2は、本実施形態に係る光受信器20の構成図である。この図に示される光受信器20は、光電変換部21、電流電圧変換部22、フィルタ部23および歪量検出部24を含む。光電変換部21は、光ファイバ伝送路30により伝送されて到達した光を受光して、その受光強度に応じた値の電流信号を出力するものであり、好適にはアバランシュフォトダイオードである。電流電圧変換部22は、入力端221と出力端222との間にアンプAおよび抵抗素子R0を並列的に有するものであり、光電変換部21より出力された電流信号を入力端221より入力し、この電流信号の値に応じた値の電圧信号V1を出力端222より出力する。
【0015】
フィルタ部23は、周波数範囲2GHz〜4GHzにピークを有する周波数特性を有し、電流電圧変換部22の出力端222より出力された電圧信号V1を入力端231より入力し、この入力した電圧信号V1を上記周波数特性に基づいてフィルタリングし、そのフィルタリングした後の電圧信号V2を出力端232より出力する。フィルタ部23の周波数特性は可変であるのが好適である。歪量検出部24は、電流電圧変換部22の出力端222より出力された電圧信号V1を入力端241より入力し、その電圧信号V1の波形の歪み量を検出して、その検出結果に基づいてフィルタ部23の周波数特性を制御するための制御信号Sを出力端242より出力する。フィルタ部23の周波数特性は、歪量検出部24の出力端242より出力された制御信号Sに基づいて調整される。
【0016】
図3は、本実施形態に係る光受信器20に含まれるフィルタ部23の一構成例を示す図である。この図に示されるフィルタ部23は、抵抗素子R1〜R3、インダクタ素子L1,L2 および容量素子C1,C2を含む。フィルタ部23の入力端231から出力端232へ向かって順に、抵抗素子R1、インダクタ素子L1、インダクタ素子L2 および抵抗素子R2が接続されている。インダクタ素子L1とインダクタ素子L2との接続点は、容量素子C1を介して接地電位と接続されており、また、容量素子C2を介して出力端232と接続されている。出力端232は抵抗素子R3を介して接地電位と接続されている。抵抗素子R1〜R3それぞれの抵抗値、インダクタ素子L1,L2それぞれのインダクタンス値、および、容量素子C1,C2それぞれの容量値が適切に設定されることにより、フィルタ部23の入力端231より入力し出力端232へ出力される電圧信号の周波数特性は、所望の周波数においてピークを有するものとなり得る。
【0017】
図4は、本実施形態に係る光受信器20に含まれる歪量検出部24の構成図である。この図に示される歪量検出部24は、バンドパスフィルタ241および除算器242を含む。バンドパスフィルタ241は、歪量検出部24の入力端241より入力した電圧信号V1のうち特定周波数f0の成分の電圧信号Vf0のみを選択的に出力する。除算器242は、入力端241より入力した電圧信号V1と、バンドパスフィルタ241より出力された電圧信号Vf0とを入力して、両者の比(Vf0/V1)を求め、この比の値に基づいて制御信号Sを出力する。バンドパスフィルタ241における透過帯域の中心周波数f0が適切に設定されることにより、比(Vf0/V1)に基づいて電圧信号V1の波形の歪み量が検出されるので、この比の値に基づいて生成され出力される制御信号Sによりフィルタ部23の周波数特性が制御されることにより、フィルタ部23の周波数特性は所望のものとなるように調整され得る。
【0018】
本実施形態に係る光通信システム1は以下のように動作する。光送信器10より強度変調されて出力された信号光は、光ファイバ伝送路30により伝送されて光受信器20に到達する。光受信器20に到達した光は光電変換部21により受光され、その受光強度に応じた値の電流信号が光電変換部21より出力される。光電変換部21より出力された電流信号は電流電圧変換部22に入力し、この電流信号の値に応じた値の電圧信号電流電圧変換部22より出力される。電流電圧変換部22より出力された電圧信号V1はフィルタ部23に入力し、このフィルタ部23において、この入力した電圧信号V1が所定の周波数特性に基づいてフィルタリングされ、そのフィルタリングした後の電圧信号V2が出力される。また、電流電圧変換部22より出力された電圧信号V1の波形の歪み量が歪量検出部24により検出され、歪量検出部24により検出された歪み量に基づいてフィルタ部23の周波数特性が調整される。フィルタ部23の周波数特性は、周波数範囲2GHz〜4GHzにピークを有している。一方、光受信器20に到達する信号光は光ファイバ伝送路30の累積波長分散に因り波形が歪み、後述するように、その周波数特性は周波数範囲2GHz〜4GHzにボトムを有する形状となっている。したがって、光受信器20に到達する信号光の周波数特性と、フィルタ部23が有する周波数特性とは、互いに相殺されるので、フィルタ部23より出力される電圧信号V2は波形歪みが低減されたものとなる。
【0019】
図5は、光受信器に到達する信号光の周波数特性を示す図である。この図には、光送信器から送出される信号光のチャーピング特性を表すパラメータα,κの代表的な各値について、シングルモード光ファイバからなる光ファイバ伝送路(長さ100km、波長1550nmで累積波長分散1600ps/nm)により伝送された後に光受信器に到達した波長1550nmの信号光の周波数特性が示されている。同図(a)はα=−1であってκ=5である場合の周波数特性を示し、同図(b)はα=−2であってκ=5である場合の周波数特性を示し、同図(c)はα=−3であってκ=5である場合の周波数特性を示し、同図(d)はα=−4であってκ=5である場合の周波数特性を示す。
【0020】
この図から判るように、チャーピングパラメータα,κの代表的な値に対して、光受信器に到達する信号光の周波数特性は、周波数範囲2GHz〜4GHzにボトムを有する形状となっている。また、信号光波形の歪み量は、特定周波数f0として例えば周波数3GHz成分の相対的強度に基づいて求めることができる。
【0021】
これに対して、本実施形態に係る光受信器20に含まれるフィルタ部23は、周波数範囲2GHz〜4GHzにピークを有する周波数特性を有している。また、一般に、光受信器20に含まれる光電変換部21および電流電圧変換部22それぞれは、比較的平坦な周波数特性を有している。したがって、光電変換部21に到達する信号光の周波数特性と、フィルタ部23が有する周波数特性とは、互いに相殺されるので、フィルタ部23より出力される電圧信号V2は波形歪みが低減されたものとなる。
【0022】
図6および図7それぞれは、本実施形態に係る光受信器20に含まれるフィルタ部23の周波数特性の一例を示す図である。図6はシミュレーション結果を示し、図7は実験結果を示す。ここでは、図3に示される構成において、抵抗素子R1の抵抗値を40Ωとし、抵抗素子R2の抵抗値を50Ωとし、抵抗素子R3の抵抗値を50Ωとした。インダクタ素子L1のインダクタンス値を3nHとし、インダクタ素子L2のインダクタンス値を1nHとした。また、容量素子C1の容量値を1pFとし、容量素子C2の容量値を3pFとした。また、図6には、比較の為に従来のベッセルトムソンフィルタの周波数特性も示されている。これらの図に示されるように、このフィルタ部23は、周波数範囲2GHzにピークを有する周波数特性を有している。なお、抵抗素子R1〜R3それぞれの抵抗値、インダクタ素子L1,L2それぞれのインダクタンス値、および、容量素子C1,C2それぞれの容量値が制御信号Sにより適切に制御されることにより、フィルタ部23の周波数特性は、所望の周波数においてピークを有するものとなる。
【0023】
図8は、光受信器に到達した信号光のアイパターンを示す図である。図9は、光受信器の電流電圧変換部より出力された電圧信号を、従来の受信器を模擬したベッセルトムソンフィルタに入力して、このベッセルトムソンフィルタより出力された電圧信号のアイパターンを示す図である。図10は、本実施形態に係る光受信器20の電流電圧変換部22より出力された電圧信号をフィルタ部23に入力して、このフィルタ部23より出力された電圧信号のアイパターンを示す図である。図11は、光送信器より送出された直後の信号光を受信した本実施形態に係る光受信器20に入力して、このフィルタ部23より出力された電圧信号のアイパターンを示す図である。図9および図10それぞれでは、光送信器と光受信器との間の光ファイバ伝送路は、長さ100kmのシングルモード光ファイバからなるものとして、累積波長分散が1600ps/nm程度である。
【0024】
図8に示されるように、長さ100kmの光ファイバ伝送路により伝送されて光受信器に到達した信号光は、光ファイバ伝送路の累積波長分散に因り、ハイレベルからローレベルへの遷移が緩やかな形状のものとなっており、波形が歪んでいる。このような波形歪みを有する信号光が光電変換部により受光され、光電変換部より出力された電流信号が電流電圧変換部により電圧信号に変換され、電流電圧変換部より出力された電圧信号がフィルタ部に入力する。
【0025】
フィルタ部として従来のベッセルトムソンフィルタのようなピークが無い特性の受信回路が用いられる場合には、図9に示されるように、フィルタ部より出力される電圧信号は、ハイレベルからローレベルへの遷移が緩やかな形状のものとなっており、波形が歪んでいる。これと比較して、フィルタ部として上記のフィルタ部23が用いられる場合には、図10に示されるように、フィルタ部23より出力される電圧信号は、ハイレベルからローレベルへの遷移が比較的急峻な形状のものとなっており、波形歪みが低減されている。
【0026】
また、図11に示されるように、光送信器より送出された直後の信号光を受信した本実施形態に係る光受信器20が受信してフィルタ部23より出力された電圧信号は、オーバーシュートおよびアンダーシュートが見られるものの、大きな波形歪みが生じてはいない。
【0027】
以上のように、本実施形態に係る光通信システム1および光受信器20を用いれば、分散補償光ファイバを用いるまでもなく、光ファイバ伝送路の累積波長分散に因る光波形の歪みの問題を解消することができ、高品質の光通信を行うことができる。しかも、分散補償光ファイバを用いる必要がなく、また、分散補償光ファイバにおける光の損失を補償する為に光増幅器を設ける必要もないことから、システム設計コストやシステム管理コストが小さい。また、現用の光ファイバ伝送路に障害が発生して、予備の光ファイバ伝送路へ光伝送経路を変更した場合であっても、予備の光ファイバ伝送路の累積波長分散に因る光波形の歪みの問題をも解消することができ、高品質の光通信を行うことができる。
【0028】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、フィルタ部23の構成は他の態様のものがあり得る。また、歪量検出部24の構成も他の態様のものがあり得る。
【0029】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、分散補償光ファイバを用いるまでもなく、光ファイバ伝送路の累積波長分散に因る光波形の歪みの問題を解消することができ、高品質の光通信を行うことができる。しかも、分散補償光ファイバを用いる必要がなく、また、分散補償光ファイバにおける光の損失を補償する為に光増幅器を設ける必要もないことから、システム設計コストやシステム管理コストが小さい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る光通信システム1の構成図である。
【図2】本実施形態に係る光受信器20の構成図である。
【図3】本実施形態に係る光受信器20に含まれるフィルタ部23の一構成例を示す図である。
【図4】本実施形態に係る光受信器20に含まれる歪量検出部24の構成図である。
【図5】光受信器に到達する信号光の周波数特性を示す図である。
【図6】本実施形態に係る光受信器20に含まれるフィルタ部23の周波数特性の一例を示す図である。
【図7】本実施形態に係る光受信器20に含まれるフィルタ部23の周波数特性の一例を示す図である。
【図8】光受信器に到達した信号光のアイパターンを示す図である。
【図9】光受信器の電流電圧変換部より出力された電圧信号を、従来の受信器を模擬した従来のベッセルトムソンフィルタに入力して、このベッセルトムソンフィルタより出力された電圧信号のアイパターンを示す図である。
【図10】本実施形態に係る光受信器20の電流電圧変換部22より出力された電圧信号をフィルタ部23に入力して、このフィルタ部23より出力された電圧信号のアイパターンを示す図である。
【図11】光送信器より送出された直後の信号光を受信した本実施形態に係る光受信器20に入力して、このフィルタ部23より出力された電圧信号のアイパターンを示す図である。
【符号の説明】
1…光通信システム、10…光送信器、20…光受信器、30…光ファイバ伝送路、21…光電変換部、22…電流電圧変換部、23…フィルタ部、24…歪量検出部、241…バンドパスフィルタ、242…除算器。
Claims (4)
- 光を受光して、その受光強度に応じた値の電流信号を出力する光電変換部と、
前記光電変換部より出力された電流信号を入力し、この電流信号の値に応じた値の電圧信号を出力する電流電圧変換部と、
周波数範囲2GHz〜4GHzにピークを有する周波数特性を有し、前記電流電圧変換部より出力された電圧信号を入力し、この入力した電圧信号を前記周波数特性に基づいてフィルタリングし、そのフィルタリングした後の電圧信号を出力するフィルタ部と、
を備えることを特徴とする光受信器。 - 前記フィルタ部の前記周波数特性が可変であることを特徴とする請求項1記載の光受信器。
- 前記電流電圧変換部より出力された電圧信号の波形の歪み量を検出する歪量検出部を更に備え、
前記歪量検出部により検出された歪み量に基づいて前記フィルタ部の前記周波数特性が調整される、
ことを特徴とする請求項2記載の光受信器。 - 信号光を出力する光送信器と、
前記光送信器より出力された信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、
前記光ファイバ伝送路により伝送された信号光を受信する請求項1記載の光受信器と、
を備えることを特徴とする光通信システム。
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