JP7240049B1 - 複層ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】倍強度ガラスを使用することにより耐衝撃安全性を維持しつつ軽量化することができる複層ガラスを提供する。【解決手段】室外側に配置される第一ガラス10と室内側に配置される第二ガラス20との間に空間1hが形成され、第一ガラス10と第二ガラス20との間の空間に耐衝撃性を高める構造物を有しない複層ガラス1であって、複層ガラス1は、厚さが9~44mmであり、第一ガラス10は、倍強度ガラスおよび/または強化ガラスを使用した、ガラス部分の厚さが3~12mmのガラスであり、第二ガラス20は、厚さが0.1~4mmのポリビニルブチラール樹脂製中間膜、アイオノマー樹脂製中間膜、またはエチレンビニルアセテート樹脂製中間膜によって厚さが2.5~6mmの倍強度ガラスを2枚貼り合せた合せガラスである。【選択図】図1

Description

本発明は、複層ガラスに関する。さらに詳しくは、複数枚の板ガラスの間に乾燥空気やアルゴンガス等が封入された複層ガラスに関する。
近年、台風の大型化が顕著であり、台風の影響による屋外に面した窓や開口部に設置されたガラスの破損に起因して建造物内部の被害が重篤化したり、飛来物がガラスを貫通して人がけがをしたりする事例が生じている。
一方、建築ではガラスの大型化や大重量化が進んでいるが、ガラスが大型化等すればガラスは損傷し易くなるため、窓や開口部に設置されるガラスの破損に対する安全対策が従来以上に重要になってきている。
屋外に面した窓や開口部に設置されるガラスには、フロートガラスや熱処理ガラス(強化ガラス、倍強度ガラス)が使用される。
フロートガラスの耐風圧性を上げる場合、一般的にはガラス厚の増加により対応する。しかしながら、掃き出し窓等の大きな窓では、設計条件によっては板厚が厚くなりすぎて規格品のサッシのガラス溝にガラスが収まらないケースが生じる場合がある。また、規格品のサッシのガラス溝にガラスを収めることができてもガラスの重量が重くなるので、住人である老人や子供が掃き出し窓等を容易に操作できない、つまり、掃き出し窓等を動かすことができない事例が発生する可能性がある。
フロートガラスに代えて熱処理ガラス(強化ガラス、倍強度ガラス)を用いれば、同じ厚さであってもガラス自体の強度を上げることができる。同じ厚さであれば、倍強度ガラスはフロートガラスの約2倍の強度を発揮し、強化ガラスはフロートガラスの3~5倍の強度を発揮する。したがって、フロートガラスに代えて倍強度ガラスや強化ガラスを使用すれば、フロートガラスと同様の強度であってもガラスの厚さを薄くできるので、ガラスの重量を軽くすることができる。
ところで、倍強度ガラスと強化ガラスは、フロートガラスよりもガラス自体の強度を高くしている点では共通するが、両者では、ガラスが破損した場合の破片の形状が大きく相違する。倍強度ガラスでは、フロートガラスに似た大きな破片と小さな破片とが混在する状態となる破損パターンが生じるのに対し、強化ガラスでは、破損するとすべての破片が5~10mm程度の粒状になる破損パターンが生じる。自動ドアなど人が接触する可能性のある部分に強化ガラスが使用されるのは、破損の際に大きな破片によるけがなどの二次災害を防ぐことができるためである。
一方、強化ガラスが破損した場合、破片が上述したような5~10mm程度の粒状となるので、ガラスにおいて破片が落下して破損した個所に大開口の孔が形成されてしまう。このため、屋外に面した窓や開口部に強化ガラスを使用した場合、台風などによってガラスが破損すると、破損した個所に大開口の孔が形成されその開口から建物内の被害が重篤化する。
かかる問題は、2枚以上の強化ガラスをフィルムなどによって貼りあわせた強化合わせガラスとすれば防止することはある程度は可能である。しかし、強化合わせガラスとした場合でも、強化合わせガラスを形成する強化ガラスが全て破損した場合には、強化合わせガラスの堅牢性が失われてしまう。強化合わせガラスの堅牢性がなくなった場合、破片が落下せず破損した部分にガラスが存在していたとしても、耐風圧性や飛来物に対するガラスの耐衝撃安全性が確保できなくなってしまう。このため、強化合わせガラスを使用してガラスの重量を軽量化することができても、ガラスの耐衝撃安全性を確保する上では望ましくない。したがって、耐衝撃安全性を確保しつつ窓や開口部に使用するガラスを軽量化する上では、強化ガラスに代えて倍強度ガラスを使用することが考えられる。
ところで、特許文献1には、倍強度ガラスを使用した複層ガラスに関する技術が開示されており、室外側のガラスとして倍強度ガラスとフロートガラスとを合せた合せガラスを使用することが開示されている。また、室内側のガラスとして、倍強度ガラス、フロートガラス、強化ガラスの同種または異種のガラスを組む合せた合せガラスとすることが開示されている。
特開2002-226237号公報 実開昭60-80289号公報 特開2002-226237号公報
しかし、特許文献1は、ガラスの反射映像にスジ状やまだら状の縞模様を発生させないことを目的とする技術であり、縞模様の発生の観点から倍強度ガラスを複層ガラスに使用することについて否定的である。
しかも、特許文献1では、倍強度ガラスの使用が複層ガラスの耐衝撃安全性に与える影響については何ら開示されていない。
一方、特許文献2には、高速車両や高層ビルの窓ガラスに使用する複層ガラスとして、3~6m/m厚や1.0~2.0m/m厚の半強化ガラスを使用した合せガラスを用いることによって、複層ガラスの飛散破壊や耐貫通性を改善する技術が開示されている。
しかし、特許文献2では、ポリビニールブチラール膜を用いた合せガラスを使用した複層ガラスでは耐貫通性が十分ではないので、ポリビニールブチラール膜の代わりに半強化ガラスの間にプラスチック板を設けている。つまり、特許文献2の技術は、プラスチック板を設けない倍強度ガラスの合わせガラスでは耐衝撃安全性を確保できないことを示している。
また、特許文献3には、断熱効果や防音効果、耐衝撃性を高めるために、3~8mmの厚さを有する2枚の倍強度ガラスを0.3~1.5mmのフィルムによって接合した合せガラスを内側ガラスと外側ガラスに使用した複層ガラスが開示されている。
しかし、特許文献3では、間隔を空けて3枚のガラスを配置した複層ガラス(特開2005-60141号公報)では屋内ガラスと屋外のガラスを強化ガラスとしても、自然災害などの外部からの衝撃で破損してしまうので(特許文献3の明細書段落0009参照)、耐衝撃性を有する複層ガラスとするために、内側ガラスと外側ガラスの間の空間にアクリル板などからなる中間遮断板(1~5mm厚)を設けている。つまり、特許文献3の技術は、耐衝撃安全性を確保するためにはプラスチック板を設けることが必要であること、言い換えれば、倍強度ガラスを使用した合わせガラスだけでは耐衝撃安全性を確保できないことを示している。
以上のように、これまでは、プラスチック板などの補強材を設けなければ、倍強度ガラスの合わせガラスでは耐衝撃安全性を確保できておらず、プラスチック板などの補強材を設けなくても耐衝撃安全性を確保できる複層ガラスが求められている。
本発明は上記事情に鑑み、倍強度ガラスを使用した合せガラスでも耐衝撃安全性を維持できる複層ガラスを提供することを目的とする。
第1発明の複層ガラスは、室外側に配置される第一ガラスと室内側に配置される第二ガラスとの間に空間が形成され、第一ガラスと第二ガラスとの間の空間に耐衝撃性を高める構造物を有しない複層ガラスであって、該複層ガラスは、厚さが9~44mmであり、前記第一ガラスは、倍強度ガラスおよび/または強化ガラスを使用した、ガラス部分の厚さが3~12mmのガラスであり、前記第二ガラスは、厚さが2.5~6mmの倍強度ガラス2枚を、厚さが0.1~4mmのポリビニルブチラール樹脂製中間膜、アイオノマー樹脂製中間膜、またはエチレンビニルアセテート樹脂製中間膜によって直接貼り合せた合せガラスであることを特徴とする。
第2発明の複層ガラスは、第1発明において、前記複層ガラスは、JIS R3109試験:2018におけるC級の加撃体衝突試験に合格する耐衝撃性を有するものであり、該複層ガラスの厚さが16.76~44mmであり、前記第二ガラスの各倍強度ガラスは、厚さが3~6mmであり、前記中間膜は、厚さが0.76~4mmであることを特徴とする。
第3発明の複層ガラスは、第1発明において、前記複層ガラスは、JIS R3109試験:2018におけるD級の加撃体衝突試験に合格する耐衝撃性を有するものであり、該複層ガラスの厚さが16.76~44mmであり、前記第二ガラスの各倍強度ガラスは、厚さが3~6mmであり、前記中間膜は、厚さが0.76~4mmであることを特徴とする。
第4発明の複層ガラスは、第1発明において、前記複層ガラスは、JIS R3109試験:2018におけるE級の加撃体衝突試験に合格する耐衝撃性を有するものであり、該複層ガラスの厚さが16.76~44mmであり、前記第二ガラスは、厚さが1.52~4mmのポリビニルブチラール樹脂製中間膜、アイオノマー樹脂製中間膜、またはエチレンビニルアセテート樹脂製中間膜によって厚さが3~6mmの倍強度ガラスを2枚貼り合せた合せガラスであることを特徴とする。
第5発明の複層ガラスは、第4発明において、前記第一ガラスは、厚さが1.52~4mmのポリビニルブチラール樹脂製中間膜、アイオノマー樹脂製中間膜、またはエチレンビニルアセテート樹脂製中間膜によって厚さが3~6mmの倍強度ガラスを2枚貼り合せた合せガラスであることを特徴とする。
第6発明の複層ガラスは、第1発明において、前記複層ガラスは、ISO16932のE級試験(EISO級試験)合格する耐衝撃性を有するものであり、該複層ガラスの厚さが23.04~44mmであり、前記第一ガラスは、厚さが1.52~3mmのポリビニルブチラール樹脂製中間膜、アイオノマー樹脂製中間膜、またはエチレンビニルアセテート樹脂製中間膜によって厚さが4~6mmの倍強度ガラスを2枚貼り合せた合せガラスであり、前記第二ガラスは、厚さが1.52~4mmのポリビニルブチラール樹脂製中間膜、アイオノマー樹脂製中間膜、またはエチレンビニルアセテート樹脂製中間膜によって厚さが4~6mmの倍強度ガラスを2枚貼り合せた合せガラスであることを特徴とする。
第7発明の複層ガラスは、第1発明において、前記第一ガラスと前記第二ガラスとが互いに対向する面の両方または一方に、金属膜が形成されていることを特徴とする。
第1発明によれば、耐衝撃安全性を維持しつつ軽量化することができる。しかも、既存のサッシに使用することも可能である。
第2~第6発明によれば、耐衝撃安全性を高くできる。
第7発明によれば、断熱性と熱遮蔽性を高くすることができる。
本実施形態の複層ガラス1を設置したサッシ枠Sの概略説明図であって、(A)は正面図であり、(B)は側面図である。 (A)は第一ガラス10を貼りあわせガラスとした本実施形態の複層ガラス1の部分拡大図であり、(B)は第一ガラス10を単層ガラスとした本実施形態の複層ガラス1の部分拡大図である。 加撃体衝突試験の概略説明図である。 試験体の衝突位置の概略説明図である。 圧力載荷試験装置の概略説明図である。 圧力載荷試験における繰り替えし加圧手順の(概略説明図である。 試験結果を示した表である。 試験結果の写真の一例である。
本実施形態の複層ガラスは、屋外に面した窓や開口部に設置されるガラスであって、耐衝撃安全性を高めたことに特徴を有している。
本実施形態の複層ガラスが設置される場所や部材はとくに限定されない。例えば、一般住宅の掃き出し窓や大開口FIX窓等の窓や屋根採光窓(天窓:トップライト)等の開口部に本実施形態の複層ガラスを使用することができる
また、本実施形態の複層ガラスの大きさもとくに限定されない。掃き出し窓や開口部のサッシ枠やFIX窓、屋根採光窓に設置した状態で、露出している部分の表面積が、例えば、0.1~18mとなるガラスや、0.1~3mとなるガラス、1~3mとなるガラス等に使用することができる。とくに、露出している部分の表面積が1~18mである掃き出し窓に使用する本実施形態の複層ガラスに使用すれば、ガラスが大きくなってもガラスの重量を小さくできるので、掃き出し窓の作動が容易になる。
以下では、本実施形態の複層ガラスを掃き出し窓のサッシ枠に設置した状態を代表として説明するが、本実施形態の複層ガラスを設置する部材や構造は以下の構造に限定されない。
<本実施形態の複層ガラス1を設置したサッシ枠>
図1において、符号Sは、本実施形態の複層ガラス1が設置された掃き出し窓のサッシ枠を示している。図1に示すように、サッシ枠Sは一対の縦枠S1,S2と一対の横枠S3,S4とを有しており、各枠S1~S4には、本実施形態の複層ガラス1を設置する溝gが設けられている。この溝gの幅は、一般的な掃き出し窓に使用されるサッシ枠であれば、例えば9~44mmであるが、53mm程度のものも有る。本実施形態の複層ガラス1は、この範囲の溝幅の溝gを有するサッシ枠Sに使用することができる。つまり、サッシ枠Sの各枠S1~S4に形成されている溝gに本実施形態の複層ガラス1の各辺1a~1dを配置することによって、本実施形態の複層ガラス1がサッシ枠Sに設置される。
<本実施形態の複層ガラス1>
図1に示すように、本実施形態の複層ガラス1(以下では単に複層ガラス1という場合がある)は、第一ガラス10と第二ガラス20とが両者間に隙間(空間1h)を空けて設置されたものである。第一ガラス10は、複層ガラス1を設置したサッシ枠Sを建物等に設置した際に室外側に位置するように配置されるものである。また、第二ガラス20は、複層ガラス1を設置したサッシ枠Sを建物等に設置した際に室内側に位置するように配置されるものである。
図1に示すように、第一ガラス10と第二ガラス20との間、つまり、第一ガラス10において第二ガラス20と対向する面10f(以下単に第一ガラス10の面10fという場合がある)と第二ガラス20において第一ガラス10と対向する面20f(以下単に第二ガラス20の面20fという場合がある)との間には、スペーサ1kが設けられている。このスペーサ1kは、例えば、所定の寸法を有する断面が略矩形のアルミ製や樹脂製の角材等であり、その幅が空間1hの間隔と同じになるように形成されている。このスペーサ1kは、複層ガラス1の各辺1a~1dにそれぞれ設置されている。具体的には、スペーサ1kに囲まれた空間1hs(つまり上述した空間1h)が外部と隔離された状態となるように、スペーサ1kは、複層ガラス1の各辺1a~1dにそれぞれ設置されている。なお、スペーサ1kには、スペーサ1kに囲まれた空間1hs内を乾燥した状態に維持するために乾燥剤や吸湿材等を設けてもよい。例えば、スペーサkが中空形状となっている場合には、この中空な空間内に乾燥剤や吸湿材を充填しておくことができる。
図1に示すように、このスペーサ1kの周囲には、スペーサ1kに囲まれた空間1hs(空間1h)と外部とを気密に隔離するシール材1sが設けられている。このシール材1sは、例えば、ポリサルファイドやシリコン等の素材からなるものであり、スペーサ1kよりも外部における第一ガラス10と第二ガラス20との間の空間を埋めるように設けられている。具体的には、第一ガラス10の面10fと第二ガラス20の面20fとの間の空間であって複層ガラス1の各辺1a~1dの端縁とスペーサ1kの外面との間の部分を埋めるようにシール材1sが設けられている。このシール材1sを設けることによって空間1h(具体的には空間1hs)を外部から隔離しているので、複層ガラス1は、空間1h(具体的には空間1hs)内の状態を、長期間、複層ガラス1の製造時に近い状態に維持することができる。
また、複層ガラス1の空間1h内は、例えば、乾燥空気やアルゴンガス、ヘリウムガス、クリプトンガス等のガスを封入したり、ガスを封入せず真空状態としたりしている。
かかる構造を有しているので、複層ガラス1は第一ガラス10と第二ガラス20との間の熱伝導性を低くすることができ、断熱性能を高くすることができる。
なお、本実施形態の複層ガラス1には、第一ガラス10の面10fと、第二ガラス20の面20fと、の両方または一方に金属膜Lfを形成してもよい。かかる金属膜Lfを形成すれば、本実施形態の複層ガラス1の断熱性と熱遮蔽性を高くすることができる。本実施形態の複層ガラス1に採用する金属膜Lfはとくに限定されない。例えば、酸化錫や銀を含む低放射膜(Low-E膜)や熱線反射膜などを金属膜Lfとして挙げることができる。
また、本実施形態の複層ガラス1では、空間1h内には複層ガラス1の耐衝撃性を高める構造物は配置されていない。本明細書において複層ガラス1の耐衝撃性を高める構造物とは、例えば、樹脂製の板状の部材等の第一ガラス10や第二ガラス20に使用される単層ガラスに比べて耐衝撃性の高い構造物や第一ガラス10や第二ガラス20よりは耐衝撃性が一定の耐衝撃性を有する構造物を意味している。つまり、実質的に、複層ガラス1の耐衝撃性を高めるために第一ガラス10や第二ガラス20以外に設置される構造物を意味している。ここで、非常に強度の弱い板状部材やフィルムなどの構造物を空間1h内に配置した場合でも、複層ガラス1の耐衝撃性が少しは高くなる可能性はあるが、これらの部材は実質的に複層ガラス1の耐衝撃性を高める機能を発揮するものではない。このような、実質的に耐衝撃性を高める機能を発揮しない構造物などが空間1h内に設けられた複層ガラスも本実施形態の複層ガラス1に含まれる。つまり、本実施形態の複層ガラス1は、空間1h内に図1に示すようなスペーサ1k、シール材1s、乾燥剤や吸湿材等とガス以外は存在しないものと、これらに加えて実質的に耐衝撃性を高める機能を発揮しない構造物が空間1h内に配置されたものの両方を含んでいる。
<第一ガラス10および第二ガラス20>
図1および図2に示すように、本実施形態の複層ガラス1は、上記構造としつつ、第一ガラス10と第二ガラス20の両方、または、第二ガラス20に倍強度ガラスを使用することによって、耐衝撃安全性を一定以上に維持しつつ軽量化している。
<第一ガラス10>
図1に示すように、第一ガラス10は、上述したように、複層ガラス1を設置したサッシ枠Sを建物等に設置した際に室外側に位置するように配置されるガラスである。第一ガラス10には、倍強度ガラスや強化ガラスが使用される。倍強度ガラスおよび強化ガラスは、通常のフロートガラスを熱処理することによって製造される熱強化ガラスである。
一般的なフロートガラスのガラス表面の圧縮応力は17.7MPa以下であるが、倍強度ガラスではガラス表面の圧縮応力は20~60MPaであり、強化ガラスでは60MPaより大きくなる。本実施形態の複層ガラス1の第一ガラス10に倍強度ガラスを使用する場合には、ガラス表面の圧縮応力は、20~60MPaであればよいが、35~52MPaのものが好ましい。また、本実施形態の複層ガラス1の第一ガラス10に強化ガラスを使用する場合には、ガラス表面の圧縮応力は、60MPa以上であればよいが、69MPaを越えるものが好ましい。
この第一ガラス10の厚さは3~12mmであり、好ましくは3~10mm、より好ましくは4~8mmである。第一ガラス10の厚さは、複層ガラス1を設置したサッシ枠Sを設置する建物等の条件(耐衝撃性や使用するサッシ枠など)に合せて適切な厚さとなるものが使用される。
なお、上記第一ガラス10の厚さは、通常の製品において許容される誤差(例えば±0.3~±0.5mm程度)があってもよい。例えば、許容される誤差が±0.3mmであれば、第一ガラス10の厚さは3±0.3mm~12±0.3mmや、3±0.3mm~10±0.3mm、4±0.3mm~8±0.3mmであってもよい。
<第一ガラス10を貼りあわせガラスとした場合>
なお、図2(A)に示すように、第一ガラス10には、2枚の単層ガラス11,12をフィルム13によって貼りあわせたガラス(貼りあわせガラス)を使用してもよい。この場合には、2枚の単層ガラス11,12には、2枚とも倍強度ガラスを使用してもよいし、2枚とも強化ガラスを使用してもよい。もちろん、1枚は倍強度ガラスとし1枚は強化ガラスとしてもよい。倍強度ガラスと強化ガラスを貼りあわせた場合には、屋外側の単層ガラス11に倍強度ガラスを使用することが望ましい。
本実施形態の第一ガラス10を貼りあわせガラスとした場合も、単層ガラス11,12のいずれかまたは両方に倍強度ガラスを使用する場合には、ガラス表面の圧縮応力は、20~60MPaであればよいが、35~52MPaのものが好ましい。また、本実施形態の第一ガラス10を貼りあわせガラスとした場合も、単層ガラス11,12のいずれかまたは両方に強化ガラスを使用する場合には、ガラス表面の圧縮応力は、60MPa以上であればよいが、69MPaを越えるものが好ましい。
また、第一ガラス10を貼りあわせガラスとした場合において、単層ガラス11,12の厚さはとくに限定されない。例えば、単層ガラス11,12の両方または一方に倍強度ガラスを使用する場合には、その厚さは2.5~6mmが好ましく、3~5mmがより好ましくは、4~5mmがさらに好ましい。単層ガラス11,12の両方または一方に強化ガラスを使用する場合には、その厚さは3~6mmが好ましく、3~5mmがより好ましくは、4~5mmがさらに好ましい。この場合も、単層ガラス11,12に使用する倍強度ガラスや強化ガラスの厚さは、通常の製品において許容される誤差(例えば±0.3~±0.5mm程度)があってもよい。
なお、単層ガラス11,12にいずれも倍強度ガラスを使用する場合や、単層ガラス11,12にいずれも強化ガラスを使用する場合には、同じ厚さのガラスやガラス表面の圧縮応力が同じであるガラスを使用してもよいし、単層ガラス11と単層ガラス12とで厚さやガラス表面の圧縮応力が異なるものを使用してもよい。しかし、単層ガラス11,12として同じ種類の単層ガラスを使用する場合には、厚さやガラス表面の圧縮応力が同じものを使用したほうが単層ガラス11,12の熱処理後の反り幅を統一させやすくなるし、最終製品(単層ガラス11,12を貼りあわせた製品)の品質管理が行いやすい等の点で好ましい。
2枚の単層ガラス11,12を貼りあわせるフィルム13とは、2枚の単層ガラス11,12を貼りあわせた状態において、一定の柔軟性を有するものであり、板状の部材となっていない状態で2枚の単層ガラス11,12の間に存在するものである。例えば、貼り合せる前の状態では板状のフィルム材であっても、2枚の単層ガラス11,12の間に板状のフィルム材を配置した後加熱して複層ガラスとなると、板状のフィルム材の全体または一部が溶融して2枚の単層ガラス11,12を接着する機能を発揮するものがフィルム13になる。かかるフィルム13としては、一般的な貼りあわせガラスにおいて使用されるものを使用することができる。例えば、ポリビニルブチラール樹脂製中間膜(PVB中間膜)やアイオノマー樹脂製中間膜(アイオノプラスト中間膜)、エチレンビニルアセテート樹脂製中間膜(EVA中間膜)を使用することができる。また、単層ガラス11,12間に流して柔軟性を有する状態で固体となって膜(フィルム)となるものフィルム13として使用できる。かかる材料としては、例えば、UV硬化樹脂や熱硬化樹脂、自然硬化樹脂などの種々の樹脂を採用することができる。
また、かかるフィルム13の厚さもとくに限定されない。2枚の単層ガラス11,12がフィルム13によって貼りあわせた状態において、フィルム13の厚さは、例えば、0.1~4mm程度や0.76~3.8mm程度、また、1.52~3.08mm程度の厚さとすることができる。
<第二ガラス20>
図1、図2(B)に示すように、第二ガラス20は、上述したように、複層ガラス1を設置したサッシ枠Sを建物等に設置した際に室内側に位置するように配置されるガラスである。第二ガラス20には、単層の倍強度ガラス21,22を2枚貼りあわせたガラス(貼りあわせガラス)が使用される。
この第二ガラス20を形成する倍強度ガラスは、例えば、ガラス表面の圧縮応力は、20~60MPaであればよいが、35~52MPaのものが好ましい。
この第二ガラス20を形成する倍強度ガラス21,22の厚さは、2.5~6mmが好ましく、3~5mmがより好ましくは、4~5mmがさらに好ましい。
なお、上記第二ガラス20に使用される倍強度ガラス21,22の厚さは、通常の製品において許容される誤差(例えば±0.3~±0.5mm程度)があってもよい。例えば、許容される誤差が±0.3mmであれば、倍強度ガラス21,22の厚さは2.5±0.3mm~6±0.3mmや、3±0.3mm~5±0.3mm、4±0.3mm~5±0.3mmであってもよい。
また、単層の倍強度ガラス21,22には、同じ厚さや同じガラス表面の圧縮応力のガラスを使用してもよいし、倍強度ガラス21と倍強度ガラス22とで厚さやガラス表面の圧縮応力が異なるものを使用してもよい。しかし、単層の倍強度ガラス21,22として厚さやガラス表面の圧縮応力が同じものを使用したほうが倍強度ガラス21,22の熱処理後の反り幅を統一させやすくなるし、最終製品(倍強度ガラス21,22を貼りあわせた製品)の品質管理が行いやすい等の点で好ましい。
また、2枚の単層の倍強度ガラス21,22を貼りあわせるフィルム23は、2枚の単層ガラス11,12を貼りあわせた状態において、一定の柔軟性を有するものであり、板状の部材となっていない状態で2枚の単層ガラス21,22の間に存在するものである。例えば、貼り合せる前の状態では板状のフィルム材であっても、2枚の単層ガラス21,22の間に板状のフィルム材を配置した後加熱して複層ガラスとなると、板状のフィルム材の全体または一部が溶融して2枚の単層ガラス21,22を接着する機能を発揮するものがフィルム23になる。かかるフィルム23としては、一般的な貼りあわせガラスにおいて使用されるものを使用することができる。例えば、ポリビニルブチラール樹脂製中間膜(PVB中間膜)やアイオノマー樹脂製中間膜(アイオノプラスト中間膜)、エチレンビニルアセテート樹脂製中間膜(EVA中間膜)を使用することができる。また、単層ガラス21,22間に流して柔軟性を有する状態で固体となって膜(フィルム)となるものフィルム23として使用できる。かかる材料としては、例えば、UV硬化樹脂や熱硬化樹脂、自然硬化樹脂などの種々の樹脂を採用することができる。
また、かかるフィルム23の厚さもとくに限定されない。2枚の単層ガラス21,22がフィルム23によって貼りあわせた状態において、フィルム23の厚さは、例えば、0.1~4mm程度や0.76~3.8mm程度、また、1.52~3.08mm程度の厚さとすることができる。
<耐衝撃性>
本実施形態の複層ガラス1は、その大きさがW900mm×H1100mmであれば、以下の構成とすることによって、JIS R 3109:2018「建築用ガラスの暴風時における飛来物衝突試験方法」試験に準じた試験(試験条件:強風域区分4(基本風速45m/s≦V≦48m/s、最大圧力差3640Pa))の加撃体衝突試験および繰り返し圧力載荷試験に合格する耐衝撃性を有するものとすることができる。
<C級試験>
例えば、第一ガラス10に厚さ3~12mmの単層倍強度ガラス(ガラス製造におけるガラス表面の圧縮応力の目標値が51MPa)を使用し、第二ガラス20の倍強度ガラス21,22として厚さ3~6mmの単層倍強度ガラス(ガラス製造におけるガラス表面の圧縮応力の目標値が51MPa)を厚さ0.76mm~4mmのポリビニルブチラール樹脂製中間膜等のフィルム23によって貼り合せたものを使用する。そして、第一ガラス10の表面10fと第二ガラス20の表面20fとの距離を4mm以上とし、空間1hs内に乾燥空気等を封入して複層ガラス1(厚さtが16.76~44mm)を形成する。かかる複層ガラス1であれば、JIS R 3109:2018「建築用ガラスの暴風時における飛来物衝突試験方法」試験に準じて実施した、JIS R3109試験:2018のC級の加撃体衝突試験に合格する耐衝撃性を有するものとすることができる。なお、JIS R3109試験:2018のC級では、加撃体には、断面が20mm×40mm、質量2.05kgの木材を使用しており、加撃体と複層ガラス1との衝突速度は12.2m/sである。
また、上記複層ガラス1において、第一ガラス10を厚さ3~12mmの単層強化ガラス(ガラス製造におけるガラス表面の圧縮応力が60MPaを越えるもの)を使用した場合でも、JIS R 3109:2018「建築用ガラスの暴風時における飛来物衝突試験方法」試験に準じて実施した、JIS R3109試験:2018のC級の加撃体衝突試験に合格する耐衝撃性を有するものとすることができる。
<D級試験>
例えば、第一ガラス10に厚さ3~12mmの単層倍強度ガラス(ガラス製造におけるガラス表面の圧縮応力の目標値が51MPa)を使用し、第二ガラス20の倍強度ガラス21,22として厚さ3~6mmの単層倍強度ガラス(ガラス製造におけるガラス表面の圧縮応力の目標値が51MPa)を厚さ0.76mm~4mmのポリビニルブチラール樹脂製中間膜等のフィルム23によって貼り合せたものを使用する。そして、第一ガラス10の表面10fと第二ガラス20の表面20fとの距離を4mm以上とし、空間1hs内に乾燥空気等を封入して複層ガラス1(厚さtが16.76~44mm)を形成する。かかる複層ガラス1であれば、JIS R 3109:2018「建築用ガラスの暴風時における飛来物衝突試験方法」試験に準じて実施した、JIS R3109試験:2018のD級の加撃体衝突試験に合格する耐衝撃性を有するものとすることができる。なお、JIS R3109試験:2018のD級では、加撃体には、断面が20mm×40mm、質量4.1kgの木材を使用しており、加撃体と複層ガラス1との衝突速度は15.3m/sである。
<E級試験>
例えば、第一ガラス10に厚さ3~12mmの単層倍強度ガラス(ガラス製造におけるガラス表面の圧縮応力の目標値が51MPa)を使用し、第二ガラス20の倍強度ガラス21,22として厚さ3~6mmの単層倍強度ガラス(ガラス製造におけるガラス表面の圧縮応力の目標値が51MPa)を厚さ1.52mm~4mmのポリビニルブチラール樹脂製中間膜等のフィルム23によって貼り合せたものを使用する。そして、第一ガラス10の表面10fと第二ガラス20の表面20fとの距離を4mm以上とし、空間1hs内に乾燥空気等を封入して複層ガラス1(厚さtが16.76~44mm)を形成する。かかる複層ガラス1であれば、JIS R 3109:2018「建築用ガラスの暴風時における飛来物衝突試験方法」試験に準じて実施した、JIS R3109試験:2018のE級の加撃体衝突試験に合格する耐衝撃性を有するものとすることができる。なお、JIS R3109試験:2018のE級では、加撃体には、断面が20mm×40mm、質量4.1kgの木材しており、加撃体と複層ガラス1との衝突速度は24.4m/sである。
また、第一ガラス10として単層ガラス11,12がいずれも厚さ3~6mmの単層倍強度ガラス(ガラス製造におけるガラス表面の圧縮応力の目標値が51MPa)を厚さ1.52mm~4mmのポリビニルブチラール樹脂製中間膜等のフィルム13によって貼り合せたものを使用した場合でも、JIS R 3109:2018「建築用ガラスの暴風時における飛来物衝突試験方法」試験に準じて実施した、JIS R3109試験:2018のE級の加撃体衝突試験に合格する耐衝撃性を有するものとすることができる。
<EISO級試験>
例えば、第一ガラス10として、厚さが4~6mmの単層倍強度ガラス(ガラス製造におけるガラス表面の圧縮応力の目標値が51MPa)である単層ガラス11,12を1.52mm~4mmのポリビニルブチラール樹脂製中間膜等のフィルム13によって貼り合せたものを使用する。また、第二ガラス20として、厚さが4~6mmの単層倍強度ガラス(ガラス製造におけるガラス表面の圧縮応力の目標値が51MPa)である単層ガラス21,22を1.52mm~4mmのポリビニルブチラール樹脂製中間膜等のフィルム23によって貼り合せたものを使用する。そして、第一ガラス10の表面10fと第二ガラス20の表面20fとの距離を4mm以上とし、空間1hs内に乾燥空気等を封入して複層ガラス1(厚さtを23.04~44mm)を形成する。かかる複層ガラス1であれば、加撃体衝突試験としてISO16932のE級試験(EISO級試験)を実施したところ、EISO級試験の加撃体衝突試験に合格する耐衝撃性を有するものとすることができる。なお、EISO級試験では、加撃体として、断面が20mm×40mmの質量6.8kgの木材を使用しており、加撃体と複層ガラス1との衝突速度は24.4m/sである。
本発明の複層ガラスの耐衝撃性を確認した。
試験は、JIS R 3109「建築用ガラスの暴風時における飛来物衝突試験方法」に準じて、加撃体衝突試験および繰返し圧力載荷試験を実施した。
加撃体衝突試験は、JIS R 3109に記載される加撃体の種類C~Eを用いた試験(C級~E級の試験)と、ISO16932に記載される加撃体の種類Eを用いた試験(EISO級の試験)を実施した。
繰返し圧力載荷試験は、加撃体衝突試験で合格した試験体について実施した。
<試験体>
各試験に使用した試験体は図7に示すとおりである。
図7において、HS、TPはそれぞれ倍強度ガラス、強化ガラスを示しており、A、PVBはそれぞれ空気層、ポリビニルブチラール樹脂製中間膜を示しており、数値は各部材の厚さを示している。
また、各記号の並びは、ガラスの構成を示しており、[]は合せガラスを意味している。
例えば、HS3+A12+[HS3+PVB3.08+HS3]は、外層ガラスが3mmの単層倍強度ガラスであり、内層ガラスが3mmの単層倍強度ガラス2枚を3.08mmのポリビニルブチラール樹脂製中間膜によって貼り合せた合せガラスであり、この外層ガラスと内層ガラスとを12mmの空気層を介して連結した複層ガラスであることを意味している。
なお、各試験体のサイズは、幅900mm×高さ1100mmである。
<試験条件>
各試験の試験条件は、いずれも以下の条件で実施した。
1)強風域区分:強風域4
2)基本風速V(m/s):45≦V≦48
3)最大圧力差P(Pa):3640Pa
<加撃体衝突試験>
加撃体衝突試験は、JIS R 3109に基づいて、取付枠(L-25×25)を介して圧力載荷試験装置(図3参照)に取り付けられた試験体(本発明の複層ガラス)の屋外側に、所定の質量と速度で発射された加撃体を衝突させ、試験体の損傷を調べる方法により行った。
また、試験体に加撃体を衝突させる位置(加撃体衝突位置)は、試験体の屋外側より、中央部,右上および左下の3箇所とし(図4参照)、加撃位置を変更する毎に試験体を入れ替えて試験を行った。なお、試験に用いた加撃体は以下のとおりである。
Figure 0007240049000002
C級~E級の試験は、JIS R 3109に記載される加撃体の種類C~Eを用いた。なお、C級~E級の試験で使用した加撃体は断面寸法が38±1.5mm×89±1.5mmの木材である。EISO級の試験は、ISO16932に記載される加撃体の種類E(断面寸法が2インチ×4インチmの木材)を用いた。ただし、JIS R 3109に記載される加撃体の種類EとISO16932に記載される加撃体の種類Eとを区別するために、ISO16932に記載される加撃体の種類Eは、Eisoで示している。
<繰返し圧力載荷試験>
繰返し圧力載荷試験は、圧力載荷試験装置を用いて、載荷の向き,圧力差および圧力繰返し回数が異なる圧力段階を試験体に載荷する方法により行った。なお、各圧力差サイクルの周期は2秒とした。繰 返し圧力載荷履歴を表2に、試験装置の概略を図5に、加圧手順を図6に示す。
Figure 0007240049000003
<試験結果>
試験結果を図7に示す。
図7において、加撃体衝突試験の貫通とは、試験体の非加撃面に加撃体の一部でも突出することを意味しており、加撃体衝突試験および繰返し圧力載荷試験における孔(開口)とは、直径76mmの球が通る孔(開口)が生じた場合、または、長さが125mmを超える裂け目が生じた場合を意味している。
図7に示すように、各試験において、各試験体にはひび割れは発生したが、貫通や孔は形成されなかった(図8参照)。つまり、各試験体は、それぞれC級~E級の試験およびEISO級の試験に合格する耐衝撃性を有することが確認された。
本発明の複層ガラスは、屋外に面した窓や開口部に設置されるガラスに適している。
1 複層ガラス
1k スペーサ
1s シール材
1h 空間
1hs 空間
10 第一ガラス
11 単層ガラス
12 単層ガラス
13 フィルム
20 第二ガラス
21 倍強度ガラス
22 倍強度ガラス
23 フィルム
Lf 金属膜
S サッシ枠
g 溝

Claims (7)

  1. 室外側に配置される第一ガラスと室内側に配置される第二ガラスとの間に空間が形成され、第一ガラスと第二ガラスとの間の空間に耐衝撃性を高める構造物を有しない複層ガラスであって、
    該複層ガラスは、
    厚さが9~44mmであり、
    前記第一ガラスは、
    倍強度ガラスおよび/または強化ガラスを使用した、ガラス部分の厚さが3~12mmのガラスであり、
    前記第二ガラスは、
    厚さが2.5~6mmの倍強度ガラス2枚を、厚さが0.1~4mmのポリビニルブチラール樹脂製中間膜、アイオノマー樹脂製中間膜、またはエチレンビニルアセテート樹脂製中間膜によって直接貼り合せた合せガラスである
    ことを特徴とする複層ガラス。
  2. 前記複層ガラスは、
    JIS R3109試験:2018におけるC級の加撃体衝突試験に合格する耐衝撃性を有するものであり、
    該複層ガラスの厚さが16.76~44mmであり、
    前記第二ガラスの各倍強度ガラスは、厚さが3~6mmであり、
    前記中間膜は、厚さが0.76~4mmである
    ことを特徴とする請求項1記載の複層ガラス。
  3. 前記複層ガラスは、
    JIS R3109試験:2018におけるD級の加撃体衝突試験に合格する耐衝撃性を有するものであり、
    該複層ガラスの厚さが16.76~44mmであり、
    前記第二ガラスの各倍強度ガラスは、厚さが3~6mmであり、
    前記中間膜は、厚さが0.76~4mmである
    ことを特徴とする請求項1記載の複層ガラス。
  4. 前記複層ガラスは、
    JIS R3109試験:2018におけるE級の加撃体衝突試験に合格する耐衝撃性を有するものであり、
    該複層ガラスの厚さが16.76~44mmであり、
    前記第二ガラスは、
    厚さが1.52~4mmのポリビニルブチラール樹脂製中間膜、アイオノマー樹脂製中間膜、またはエチレンビニルアセテート樹脂製中間膜によって厚さが3~6mmの倍強度ガラスを2枚貼り合せた合せガラスである
    ことを特徴とする請求項1記載の複層ガラス。
  5. 前記第一ガラスは、
    厚さが1.52~4mmのポリビニルブチラール樹脂製中間膜、アイオノマー樹脂製中間膜、またはエチレンビニルアセテート樹脂製中間膜によって厚さが3~6mmの倍強度ガラスを2枚貼り合せた合せガラスである
    ことを特徴とする請求項4記載の複層ガラス。
  6. 前記複層ガラスは、
    ISO16932のE級試験(EISO級試験)合格する耐衝撃性を有するものであり、
    該複層ガラスの厚さが23.04~44mmであり、
    前記第一ガラスは、
    厚さが1.52~4mmのポリビニルブチラール樹脂製中間膜、アイオノマー樹脂製中間膜、またはエチレンビニルアセテート樹脂製中間膜によって厚さが4~6mmの倍強度ガラスを2枚貼り合せた合せガラスであり、
    前記第二ガラスは、
    厚さが1.52~4mmのポリビニルブチラール樹脂製中間膜、アイオノマー樹脂製中間膜、またはエチレンビニルアセテート樹脂製中間膜によって厚さが4~6mmの倍強度ガラスを2枚貼り合せた合せガラスである
    ことを特徴とする請求項1記載の複層ガラス。
  7. 前記第一ガラスと前記第二ガラスとが互いに対向する面の両方または一方に、金属膜が形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の複層ガラス。
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