JP7239316B2 - コネクタ装置、及び、ワイヤハーネス - Google Patents

コネクタ装置、及び、ワイヤハーネス Download PDF

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Description

本発明は、コネクタ装置、及び、ワイヤハーネスに関する。
車両に使用される従来のコネクタ装置として、例えば、特許文献1には、第1コネクタであるレセプタクルと、第2コネクタであるプラグとを備えるコネクタ装置が開示されている。レセプタクルは、雄端子であるソケットコンタクトと、ソケットコンタクトを収容する円筒状の雄ハウジングとを有している。プラグは、ソケットコンタクトと電気的に接続可能であるピンコンタクト(雌端子)と、雄ハウジングと嵌合可能であって、ピンコンタクトを収容する円筒状の雌ハウジングとを有している。
このコネクタ装置では、雄ハウジング及び雌ハウジングが互いに近づく挿入方向へ、レセプタクル及びプラグを移動させ、これらを相互に嵌合させてソケットコンタクトとピンコンタクトとを電気的に接合している。
特開平08-78079号公報
ところで、自動車等の車両に使用するコネクタ装置では、近年、車両に搭載する電子機器の多機能化によって端子と相手方端子との間に流れる電流を大きくすることが望まれている。雄端子と雌端子との間に流れる電流を大きくするためには、雄端子及び雌端子のサイズをそれぞれ大きくする必要があるとともに、雄端子と雌端子との接触面積を広くする必要がある。しかし、端子どうしの接触面積を広くすると、組み付け時、雄端子と雌端子とを適正に電気的に接続された接続状態とするために必要となる力が大きくなる。そのようなコネクタ装置であっても、組み付け時の作業性が低下するのを抑えることができるコネクタ装置が望まれている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、組立時の作業性が低下するのを抑制することができるコネクタ装置、及び、ワイヤハーネスの提供を目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るコネクタ装置は、弾性変形可能な雄端子、前記雄端子の一部を覆うキャップ、及び、前記雄端子を収容する雄ハウジングを有する雄コネクタと、基部と弾性変形可能であって前記雄端子の一部が挿入される筒部とを有する雌端子、及び、前記雌端子を収容する雌ハウジングを有する雌コネクタと、を備え、前記雄端子は、前記雄ハウジングを前記雌ハウジングに挿入する挿入方向の前側に円筒状部分を有し、前記キャップは、前記円筒状部分の前記挿入方向側の先端部位を覆い、かつ、前記円筒状部分の内周面を覆う円筒状で弾性変形可能に形成され、前記雌コネクタは、前記雄ハウジングと前記雌ハウジングとを完全嵌合させた完全嵌合状態では、前記雄端子を前記筒部側に押圧して弾性変形させ、前記雄端子と前記雌端子とを電気的に接続する押圧部を有し、前記筒部の内部に前記雄端子の先端を挿入する際には、前記筒部に前記キャップが接触し、前記完全嵌合状態では、前記押圧部に前記キャップが接触することを特徴とする。
また、上記コネクタ装置の前記キャップは、前記挿入方向の前側に第1被覆部を有し、前記第1被覆部は、前記挿入方向の反対側に向けて徐々に広がるように傾斜することが好ましい。
また、上記コネクタ装置は、前記キャップが前記押圧部を乗り越える際に前記雄ハウジングまたは前記雌ハウジングの移動を行うボルト及びナットを備えることが好ましい。
また、上記コネクタ装置の前記筒部は、前記雄ハウジングと前記雌ハウジングとが半嵌合し、前記雄端子が前記筒部の内部に挿入された半嵌合状態では、前記雄端子との接触によって弾性変形することが好ましい。
また、上記コネクタ装置の前記雌コネクタは、前記雌ハウジングとは別体で形成され、前記筒部の内周面を覆う電気絶縁性のフロントホルダを有し、前記押圧部は、前記フロントホルダに形成してあることが好ましい。
また、上記コネクタ装置の前記雌ハウジングは、前記筒部の内周面を覆う電気絶縁性の触指防止部を含んで構成され、前記押圧部は、前記触指防止部に形成してあることが好ましい。
また、上記コネクタ装置の前記雌コネクタは、前記基部の先端に固定され、前記筒部の内部に挿通された電気絶縁性の絶縁ピンを有し、前記雄端子は、筒状に形成され、前記絶縁ピンは、前記完全嵌合状態では、前記雄端子の内部に位置し、前記押圧部は、前記絶縁ピンの外周面に形成してあることが好ましい。
また、上記コネクタ装置では、前記雄端子は、前記雌端子に対する前記雄端子の挿入方向に沿って延在するスリットを有し、前記スリットによって弾性変形可能に形成してあることが好ましい。
上記の目的を達成するため、本発明に係るワイヤハーネスは、導線性を有する配索材と、前記配索材に少なくとも一方が電気的に接続される雄コネクタ及び雌コネクタを有するコネクタ装置を備え、前記コネクタ装置は、弾性変形可能な雄端子、前記雄端子の一部を覆うキャップ、及び前記雄端子を収容する雄ハウジングを有する雄コネクタと、基部と弾性変形可能であって前記雄端子の一部が挿入される筒部とを有する雌端子、及び、前記雌端子を収容する雌ハウジングを有する雌コネクタと、を備え、前記雄端子は、前記雄ハウジングを前記雌ハウジングに挿入する挿入方向の前側に円筒状部分を有し、前記キャップは、前記円筒状部分の前記挿入方向側の先端部位を覆い、かつ、前記円筒状部分の内周面を覆う円筒状で弾性変形可能に形成され、前記雌コネクタは、前記雄ハウジングと前記雌ハウジングとを完全嵌合させた完全嵌合状態では、前記雄端子を前記筒部側に押圧して弾性変形させ、前記雄端子と前記雌端子とを電気的に接続する押圧部を有し、前記筒部の内部に前記雄端子の先端を挿入する際には、前記筒部に前記キャップが接触し、前記完全嵌合状態では、前記押圧部に前記キャップが接触することを特徴とする。
本発明に係るコネクタ装置、及び、ワイヤハーネスの雌コネクタは、雄ハウジングと雌ハウジングとを完全嵌合させた完全嵌合状態では、雄端子を筒部側に押圧して弾性変形させ、雄端子と雌端子とを電気的に接続する押圧部を有する。このため、コネクタ装置は、完全嵌合状態では、押圧部によって雄端子を雌端子の筒部側に押圧し弾性変形させることで、雄端子と雌端子とを適正に電気的に接続することができる。この結果、コネクタ装置は、組み付け時の作業性が低下するのを抑えることができる。
図1は、本発明の実施形態1に係るコネクタ装置の斜視図である。 図2は、コネクタ装置の雄コネクタの分解斜視図である。 図3は、雄コネクタの雄ハウジングの背面図である。 図4は、コネクタ装置の雌コネクタの斜視図である。 図5は、雌コネクタの分解斜視図である。 図6は、雌コネクタの筒部の斜視図である。 図7は、雌コネクタの雌ハウジングの斜視図である。 図8は、雌コネクタのフロントハウジングの斜視図である。 図9は、雄コネクタと雌コネクタとが互いに離れた状態における断面図である。 図10は、雄コネクタのキャップと雌コネクタの筒部とが接触した状態における断面図である。 図11は、雄コネクタの雄端子と雌コネクタの雌端子とが接触した状態を示す断面図である。 図12は、雄コネクタのキャップと雌コネクタの押圧部とが接触した状態を示す断面図である。 図13は、完全嵌合状態における雄コネクタ及び雌コネクタの断面図である。 図14は、図11の部分拡大断面図である。 図15は、実施形態2の雌コネクタにおける雌ハウジングの斜視図である。 図16は、実施形態3の雌コネクタの一部を破断した斜視図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係るコネクタ装置の斜視図である。図2は、コネクタ装置の雄コネクタの分解斜視図である。図3は、雄コネクタの雄ハウジングの背面図である。図4は、コネクタ装置の雌コネクタの斜視図である。図5は、雌コネクタの分解斜視図である。図6は、雌コネクタの筒部の斜視図である。図7は、雌コネクタの雌ハウジングの斜視図である。図8は、雌コネクタのフロントハウジングの斜視図である。図9は、雄コネクタと雌コネクタとが互いに離れた状態における断面図である。図10は、雄コネクタのキャップと雌コネクタの筒部とが接触した状態における断面図である。図11は、雄コネクタの雄端子と雌コネクタの雌端子とが接触した状態を示す断面図である。図12は、雄コネクタのキャップと雌コネクタの押圧部とが接触した状態を示す断面図である。図13は、完全嵌合状態における雄コネクタ及び雌コネクタの断面図である。図14は、図11の部分拡大断面図である。図15は、実施形態2の雌コネクタにおける雌ハウジングの斜視図である。図16は、実施形態3の雌コネクタの一部を破断した斜視図である。
図1~図16に示すように、X方向は、実施形態におけるコネクタ装置1における雄ハウジング4と雌ハウジング8との挿抜方向Xである。Y方向は、挿抜方向Xに直交するコネクタ装置1の第1方向Yである。Z方向は、挿抜方向X及び第1方向Yのそれぞれに直交するコネクタ装置1の第2方向Zである。挿抜方向Xは、雄ハウジング4及び雌ハウジング8の一方を他方に挿入する方向である挿入方向を含むとともに、挿入方向と反対側の方向を含む。
図1に示す本実施形態1に係るコネクタ装置1は、例えば、自動車等の車両に使用されるワイヤハーネスWHに適用される。ワイヤハーネスWHは、例えば、車両に搭載される各装置間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の配索材W1,W2を束にして集合部品とし、コネクタ装置1等で配索材W1,W2を各装置に接続するようにしたものである。ワイヤハーネスWHは、導電性を有する配索材W1,W2と、コネクタ装置1とを含む。ワイヤハーネスWHは、この他、さらに、グロメット、プロテクタ、外装材、固定具、電気接続箱等を含んで構成されてもよい。配索材W1,W2は、図2に示すように、例えば、導電性の棒状部材11,12の外側を電気絶縁性の被覆部13,14によって覆った金属棒等によって構成される。配索材W1,W2の末端には、棒状部材11,12の先端部分を平板状に加工した接続箇所15,16を配置してあり、接続箇所15,16を被覆部13,14から露出させてある。なお、配索材W1,W2は、複数の導電性を有する金属素線からなる導体部(芯線)の外側を、電気絶縁性を有する被覆部によって覆った電線で構成してもよい。
本実施形態1のコネクタ装置1は、図1に示すように、例えば、配索材W1と電気機器19とを電気的に接続する配索材対電気機器接続用の接続機構である。
コネクタ装置1は、雄コネクタ2と雌コネクタ6とを備えている。雄コネクタ2は、配索材W1,W2の端末に電気的に接続された雄端子3を有している。雌コネクタ6は、電気機器19に電気的に接続された雌端子7を有している。コネクタ装置1は、雄コネクタ2と雌コネクタ6とが相互に嵌合されることで、雄端子3と雌端子7とが電気的に接続され、相互間に電気的な接続部位が形成される。この結果、コネクタ装置1は、配索材W1,W2と電気機器19とを電気的に接続する。以下、各図を参照して雄コネクタ2、及び雌コネクタ6の構成について説明する。
まず、図1、及び図2~図3を参照して雄コネクタ2について説明する。雄コネクタ2は、雄端子3と、雄ハウジング4と、キャップ5とを有する。なお、以下の説明では、雄コネクタ2において、挿抜方向Xの雌コネクタ6側を前側といい、その反対側を後側という場合がある。
雄端子3は、電気導電性を有する金属等によって形成され、雌端子7と電気的に接続可能である。雄端子3は、雄ハウジング4に複数設けてある。
雄端子3は、円筒状部分31と平板状部分32とを含み、これらが一体で形成される。円筒状部分31が、雄端子3の前側に位置する一方、平板状部分32が、雄端子3の後側に位置し、これらは、挿入方向に沿って延在するように配置してある。雄端子3の平板状部分32は、配索材W1,W2の末端に位置する接続箇所15,16と電気的に接続してある。
円筒状部分31は、第2方向Zにおける下方に位置する第1部分33と、第2方向Zにおける上方に位置する第2部分34と、それら第1部分33と第2部分34との間に位置するスリット35とを有している。各円筒状部分31は、2つのスリット35を有している。スリット35は、雄端子3の先端部分から後方向に向けて延在するように、円筒状部分31に形成してあり、これらのスリット35によって、雄端子3の円筒状部分31は、第2方向Zに沿って弾性変形可能である。円筒状部分31の内周面には、周方向へ沿って延在する嵌合溝36を形成してある。
雄ハウジング4は、電気絶縁性の合成樹脂材料によって、雌コネクタ6の雌ハウジング8に挿入可能に形成されている(図10~図14参照)。雄ハウジング4は、図2及び図3に示すように、雄端子収容部41及び配索材収容部42を含み、これらが一体で形成される。雄端子収容部41が、雄ハウジング4の前側に位置する一方、配索材収容部42が、雄ハウジング4の後側に位置し、側面視においてL字状となるようにこれらの部分を配置してある。
雄端子収容部41は、略筒状の雄本体部43と、当該雄本体部43に形成された複数の雄キャビティ44a、44bと、第1嵌合凹部45と、第2嵌合凸部46a、46bとを含んで構成される。雄本体部43は、角部が曲面形状をなす略長円筒状に形成してある。各雄キャビティ44a、44bは、挿抜方向Xに沿って延在して配索材収容部42の内部にまで続き、雄端子3を個別に挿入可能な雄端子3収容室を構成する空間部である。雄キャビティ44a、44bは、雄ハウジング4に設けられる雄端子3の数に応じて第1方向Yに沿って並べて配置してある。雄端子収容部41の後方側の端部は、ボルト17の頭部17bを収容するための頭部収容部48と、ボルト17のネジ部17aを貫通させるための貫通穴49とを有している。雄端子収容部41の挿抜方向Xにおける前方側の端部には、雄ハウジング4の先端部分4aが位置している。
第1嵌合凹部45は、雄本体部43の内部に配置してあって、第1方向Yにおいて、一方の雄キャビティ44aと他方の雄キャビティ44bとの間に配置してある。第1嵌合凹部45は、第1方向Yにおいて対向する一対の壁部47a,47bによって、挿抜方向Xの前側から後側へ延在するように形成されている。第1嵌合凹部45は、雌ハウジング8の第1嵌合凸部82(後述の図4参照)と嵌合する。
第2嵌合凸部46a、46bは、雄本体部43の外周面に配置してあって、挿抜方向Xへ延びる平板矩形状に形成してあり、雌ハウジング8の第2嵌合凹部85(後述の図4参照)と嵌合するものである。
配索材収容部42は、配索材の先端部を収容する部分であって、角部が曲面形状をなす略長円筒状に形成してある。
キャップ5は、電気絶縁性の合成樹脂材料によって弾性変形可能に形成してあり、雄コネクタ2において、雄端子3に対する触指防止部材を構成するものであるとともに、雄端子3の内部に異物が進入するのを防止するものである。キャップ5は、第1被覆部51と、第2被覆部52と、嵌合突部53とを含み、これらが一体で形成される。第1被覆部51は、鍔状に形成してあってキャップ5の前側に位置し、第2被覆部52は、円筒状に形成してあってキャップ5の後側に位置している。
第1被覆部51は、雄端子3における円筒状部分31の先端部位を覆うものである。第1被覆部51は、径方向の内側に位置して径方向の寸法が最も小さい被覆内側部分51aと、径方向の外側に位置して径方向の寸法が最も大きい被覆外側部分51bを有している。第1被覆部51は、被覆内側部分51aから、前方から後方へ行くに従って、径方向の寸法が徐々に大きくなるように形成してある。
第2被覆部52は、雄端子3における円筒状部分31の内周面を覆うものである。電気絶縁性のキャップ5により、雄端子3における円筒状部分31の内部に電気導電性の異物が挿入されていたとしても、短絡が発生することを防止することができる。
第1被覆部51及び第2被覆部52には、挿抜方向Xにおける前側から後側へ向けて、挿抜方向Xへ延在するキャップスリット54を形成してある。キャップスリット54は、雄端子3のスリット35に対応するように配置してあり、スリット35とキャップスリット54とは、第1方向Y及び第2方向Zにおいて一致するように配置してある。
嵌合突部53は、円筒状の第2被覆部52の外周面に配置してあり、径外方向へ向けて突出するように形成してある。嵌合突部53は、雄端子3の嵌合溝36と嵌合するものであり、嵌合突部53と嵌合溝36とが嵌合した状態では、雄端子3にキャップ5が固定される。
次に、図1、及び図4~図8を参照して雌コネクタ6について説明する。雌コネクタ6は、雌端子7と、雌ハウジング8と、フロントホルダ9とを有する。なお、以下の説明では、雌コネクタ6において、挿抜方向Xの雄コネクタ2側を前側といい、その反対側を後側という場合がある。
雌端子7は、電気導電性を有する金属等によって形成され、基部70と筒部74とを有し、雄端子3と電気的に接続可能である。雌端子7は、雌ハウジング8に複数設けてある。
この実施形態では、基部70と、筒部74とを個別に形成した雌コネクタ6を説明する。基部70は、円柱状部71とフランジ部72と平板状部分73とを含み、これらが一体で形成される。円柱状部71が、雌端子7の前側に位置し、平板状部分73が雌端子7の後側に位置し、フランジ部72は、挿抜方向Xにおいて円柱状部71と平板状部分73との間に位置している。これらは、挿抜方向Xに沿って延在するように配置してある。雌端子7の平板状部分73は、電気機器19に電気的に接続してある。なお、平板状部分73は、バスバ等の配索材に電気的に接続してもよい。
円柱状部71の外周面における径方向の寸法は、円筒状の雌端子収容部83の内周面における径方向の寸法よりも小さい。このため、円柱状部71を雌端子収容部83の内部に挿入することが可能である。
フランジ部72の外周面における径方向の寸法は、円筒状の雌端子収容部83の内周面における径方向の寸法よりも大きい。このため、フランジ部72を雌端子収容部83の内部に挿入することはできない。
筒部74は、図6に示すように、挿抜方向Xに沿って延在する矩形板状部分75と、複数の矩形板状部分75を連結する連結部76とを有し、これらを円柱状の基部70の周方向に沿って交互に配置して円筒状に形成してある。つまり、基部70の周方向に沿って、矩形板状部分75と、隣接する矩形板状部分75の間に位置する間隙75sとが交互に配置されている。矩形板状部分75は、固定延在部分77と、前傾斜部分78aと、後傾斜部分78bと、前端部分79aと、後端部分79bとを有している。固定延在部分77は、連結部76に固定された部分であるとともに、挿抜方向Xに沿って直線状に延在する部分である。前傾斜部分78aは、固定延在部分77の前側の端縁から、前方及び径内方向に対してそれぞれ傾斜する態様で延在する部分である。前傾斜部分78aを配置した部分では、後方から前方へ向けて筒部74の径方向の寸法が徐々に小さくなる。後傾斜部分78bは、固定延在部分77の後側の端縁から、後方及び径内方向に対してそれぞれ傾斜する態様で延在する部分である。後傾斜部分78bを配置した部分では、前方から後方へ向けて筒部74の径方向の寸法が徐々に小さくなる。前端部分79aは、前傾斜部分78aの前側の端縁から、前方及び径外方向に対してそれぞれ傾斜する態様で延在する部分である。前端部分79aを配置した部分では、後方から前方へ向けて筒部74の径方向の寸法が徐々に大きくなる。後端部分79bは、後傾斜部分78bの後側の端縁から、後方及び径外方向に対してそれぞれ傾斜する態様で延在する部分である。後端部分79bを配置した部分では、前方から後方へ向けて筒部74の径方向の寸法が徐々に大きくなる。上述のように形成された筒部74は、周方向に沿って、矩形板状部分75と間隙75sとを交互に配置することで弾性変形可能に形成してある。1つの筒部74は、間隙75sを14つ有している。
筒部74の前端部分79aの径方向の大きさは、雄端子3の円筒状部分31の径方向の大きさよりもわずかに小さい。筒部74の後端部分79bの径方向の大きさは、雌端子7の基部70の径方向の大きさよりもわずかに小さい。
雌端子7を組み立てるには、基部70の前方に筒部74を配置する。この状態から、基部70に対して筒部74を前方から後方へ移動させる。上述したように、筒部74は、径方向において弾性変形可能に形成してあり、筒部74の後端部分79bの径方向の大きさは、基部70の径方向の大きさよりもわずかに小さい。このため、筒部74の後端部分79bが基部70に接触すると、後端部分79b及び後傾斜部分78bは、拡径し(径方向の寸法が大きくなって)、基部70に筒部74が固定されて雌端子7が組み立てられる。
雌ハウジング8は、電気絶縁性の合成樹脂材料によって形成してある。雌ハウジング8の内部には、雄コネクタ2の一部を挿入することが可能である(図10~図14参照)。雌ハウジング8は、略平板矩形状のベース部分80と、ベース部分80の前方側に位置する前側部分81と、ベース部分80の後方側に位置する後側部分86とを含み、これらを一体で形成してある。
ベース部分80の四隅には、挿抜方向Xに沿ってそれぞれ延在し、ベース部分80を貫通するネジ穴80aをそれぞれ形成してある。ネジ穴80aにそれぞれネジ89を挿入し、ネジ穴80aとネジ89とを螺号させることによって、電気機器19に雌コネクタ6を取り付けることが可能である。
前側部分81は、第1嵌合凸部82と、フード部84とを有している。第1嵌合凸部82は、ベース部分80における第1方向Y及び第2方向Zの中央に位置する。フード部84は、第1嵌合凸部82及び2つの雌端子収容部83の上方並びに雌端子収容部83の両側を覆うものである。
第1嵌合凸部82は、挿抜方向Xに沿って延在する柱状に形成してあり、雄ハウジング4の第1嵌合凹部45と嵌合する部分である。第1嵌合凸部82には、ボルト17のネジ部17a(図1参照)を貫通させるための貫通穴82aを形成してある。貫通穴82aは、挿抜方向Xに沿って延在し、後側部分86の柱状部分87におけるナット収容空間87aの内部に露出する(図1及び図7参照)。
フード部84の両端には、雄ハウジング4の第2嵌合凸部46a、46bと嵌合する第2嵌合凹部85を設けてある。第2嵌合凹部85は、挿抜方向Xに沿って延在するように形成してある。
後側部分86は、図7に示すように、挿抜方向Xに沿って延在する柱状部分87を有している。柱状部分87の後端部には、ナット18が周方向へ旋回するのを防止しながらナット18を収容するナット収容空間87aを形成してある。
雌ハウジング8は、前側部分81の前端からベース部分80を貫通し後側部分86まで連続するハウジング凹部80bを有している。前側部分81におけるフード部84が存在する箇所において、ハウジング凹部80bは、フード部84と、雌端子収容部83との間に配置してある。このハウジング凹部80bには、雄ハウジング4の先端部分4aが挿入される(図10~図14参照)。
雌ハウジング8は、前側部分81の前端からベース部分80を貫通し後側部分86まで連続する雌端子収容部83を有している。雌端子収容部83は、ベース部分80の前方においては、第1嵌合凸部82の第1方向Yの両側のそれぞれに位置する。雌端子収容部83は、それぞれ円筒状に形成してある。雌端子収容部83は、それぞれ、挿抜方向Xに沿って延在して後側部分86まで続いている。各雌端子収容部83の内側には、雌キャビティ83aが形成されている。各雌キャビティ83aは、挿抜方向Xに沿って延在して後側部分86の内部にまで続き、雌端子7を個別に挿入可能な雌端子収容部83を構成する空間部である。雌キャビティ83aは、雌ハウジング8に設けられる雌端子7の数に応じて第1方向Yに沿って並べて配置してある。
各雌端子収容部83の前方側の端部には、切欠88aと貫通穴88bとを形成してある。切欠88aは、雌端子収容部83を形成する壁部の前端縁から挿抜方向Xに沿って後方側へ延在するように形成してある。貫通穴88bは、挿抜方向Xにおいて、切欠88aと間隔をあけて配置してあり、第1方向Yにおいて、雌端子収容部83を形成する壁部を貫通するように形成してある。切欠88a及び貫通穴88bは、第1方向Yにおいて互いに対向するように配置してある。
フロントホルダ9は、電気絶縁性の合成樹脂材料によって形成してあり、雌コネクタ6において、雌端子7に対する触指防止部材を構成するものである。フロントホルダ9は、第1円筒状部90と第2円筒状部91と連結部92と押圧部93とを含み、これらを一体で形成してある。第1円筒状部90の外周面の径方向の大きさは、雌ハウジング8の雌端子収容部83の外周面の径方向の大きさと同一である。第1円筒状部90の内周面の径方向の大きさは、雌ハウジング8の雌端子収容部83の内周面の径方向の大きさよりも小さい。このため、フロントホルダ9を、雌端子収容部83の内部に挿入することはできない。
第2円筒状部91の径方向の大きさは、第1円筒状部90の径方向の大きさよりも小さい。コネクタ装置1は、径方向の大きさを第1円筒状部90と第2円筒状部91とで相違させ、雌ハウジング8の前方から、コネクタ装置1の組立・分解の途中で筒部74の内部に異物が挿入されるのを防止している。また、第2円筒状部91は、雄端子3の円筒状部分31の径方向の大きさよりもわずかに小さい。雄端子3の円筒状部分31は、第1円筒状部90と第2円筒状部91との間に挿入することが可能である(図10~図13参照)。第2円筒状部91は、筒部74の内周面を覆っている。第2円筒状部91の外周面には、径外方向へ向けて突出する後述の押圧部93を形成してある。
連結部92は、第1円筒状部90と第2円筒状部91とを連結する部分であって、略矩形平板状に形成してあり、第2円筒状部91の外側に一対配置してある。連結部92における第1方向Yにおける両側面は、第1円筒状部90の外周面と同一平面を形成する。
一対の連結部92は、第1方向Yにおいて、径方向の外側から内側へ向けて凹む連結凹部92aを有している。連結凹部92aは、挿抜方向Xにおいて、連結部92の中間位置に配置してある。このため、一対の連結部92は、挿抜方向Xにおける前方から後方に向けて、第1円筒状部90から連続する連続部分92bと、連結凹部92aと、連結凹部92aから径外方向へ突出する爪部92cとそれぞれ有している。
連結部92の第1方向Yにおける厚さ寸法は、雌端子収容部83の切欠88aの第1方向Yにおける寸法よりも小さく、第1円筒状部90から連続する連続部分92bを、切欠88aに挿入することが可能である。
押圧部93は、後述する完全嵌合状態において、雄端子3を筒部74側に押圧して弾性変形させ、雄端子3と雌端子7とを電気的に接続するものである。押圧部93は、押圧傾斜部93aと押圧円筒部93bとを有しており、押圧傾斜部93aが押圧部93の前方側に位置し、押圧円筒部93bが押圧部93の後方側に位置するように配置してある。押圧傾斜部93aの外周面は、第2円筒状部91の円筒状部分の後端縁から、後方及び径内方向に対してそれぞれ傾斜する態様で延在する(図9参照)。押圧円筒部93bの外周面における径方向の大きさは、雄端子3の円筒状部の径方向の大きさよりもわずかに大きい。
このような雌コネクタ6を組み立てる時には、先ず、図5に示すように、雌ハウジング8の後方に2つの雌端子7を配置する。この状態から、雌ハウジング8に対して雌端子7を後方から前方へ移動させる。上述したように、円柱状部71の径方向の寸法は、円筒状の雌端子収容部83の径方向の寸法よりも小さく、且つ、フランジ部72の径方向の寸法は、円筒状の雌端子収容部83の径方向の寸法よりも大きい。このため、雌端子収容部83の後方側の壁部の端部に、基部70のフランジ部72が突き当たり、雌端子7の円柱状部71及び筒部74が雌端子収容部83の内部に配置される。
次に、雌ハウジング8の前方に2つのフロントホルダ9を配置する。この状態から、雌ハウジング8に対してフロントホルダ9を前方から後方へ移動させる。この時、雌端子収容部83の切欠88aに、フロントホルダ9の爪部92c及び連続部分92bが挿入される。その後、さらに、雌ハウジング8に対してフロントホルダ9を前方から後方へ移動させると、切欠88aの端部に、爪部92cが接触する。この接触の後、さらに、雌ハウジング8に対してフロントホルダ9を前方から後方へ移動させると、フロントホルダ9が縮径するとともに、雌端子収容部83が拡径し、フロントホルダ9の爪部分と、雌端子収容部83の貫通穴88bとが係合する。また、上述したように、第1円筒状部90の内周面の径方向の大きさは、雌ハウジング8の雌端子収容部83の内周面の径方向の大きさよりも小さいため、フロントホルダ9の第1円筒状部90を、雌端子収容部83の内部に挿入することはできない。このため、雌端子収容部83の前方側の壁部の端部に、フロントホルダ9が突き当たり、雌端子収容部83の前方に、フロントホルダ9の第1円筒状部90が配置され、雌コネクタ6の組立が終了する。また、この組立状態では、筒部74の内部に押圧部93が配置される。
コネクタ装置1を組み立てる場合、図1及び図9に示すように、挿抜方向Xに沿って、雄コネクタ2と雌コネクタ6とを互いに離れた状態に配置する。この状態から、雄コネクタ2と雌コネクタ6とを互いに近づけ、雄ハウジング4の先端部分4aを、フード部84と、雌端子収容部83の外周面との間に位置するハウジング凹部80bに挿入する。
コネクタ装置1では、雄ハウジング4の先端部分4aをハウジング凹部80bに挿入した後、さらに、雌ハウジング8の内部に、雄ハウジング4の先端部分4aを挿入する。すると、図10に示すように、コネクタ装置1では、雌端子7における筒部74の前端部分79aと、雄コネクタ2のキャップ5の被覆外側部分51bとが接触する。図9に示すように、筒部74の前端部分79aは、前傾斜部分78aの前側の端縁から、前方及び径外方向に対してそれぞれ傾斜する態様で延在する。また、キャップ5の第1被覆部51は、被覆内側部分51aから、前方から後方へ行くに従って、径方向の寸法が徐々に大きくなるように形成してある。これらによって、図11に示すように、前傾斜部分78a及び前端部分79aが拡径し(筒部74が弾性変形し)、前端部分79aの内部に雄端子3の第1被覆部51が挿入され、雄ハウジング4の一部が雌ハウジング8の一部に挿入された半嵌合状態となる。
筒部74の前傾斜部分78aは、図9に示すように、固定延在部分77の前側の端縁から、前方及び径内方向に対してそれぞれ傾斜する態様で延在する部分である。筒部74の前端部分79aは、前傾斜部分78aの前側の端縁から、前方及び径外方向に対してそれぞれ傾斜する態様で延在する部分である。このため、前傾斜部分78aの前端と、前端部分79aの後端との間に位置する境界部分78xが、筒部74において最も径方向の内側に位置し、図11示すように、境界部分78xが雄端子3の円筒状部分31の外周面に接触する。
半嵌合状態において、さらに、雌ハウジング8の内部に、雄ハウジング4の先端部分4aをさらに挿入する。すると、第2被覆部52の内周面と、第2円筒状部91の内周面とが接触しながら、挿抜方向Xに沿って、雌ハウジング8の内部に雄ハウジング4の先端部分4aがさらに進入する。
その後、図12に示すように、雄端子3の被覆内側部分51aが、雄端子3の押圧傾斜部93aに接触する。押圧傾斜部93aの外周面は、挿抜方向Xに沿って延在するように配置してあり、前方側から後方側へ向けて径方向の寸法が徐々に大きくなるように形成してある。よって、この状態から、例えば、図1に示すボルト17とナット18とを螺合させることで、さらに雌ハウジング8の内部に、雄ハウジング4の先端部分4aを挿入する。すると、図13に示すように、第1被覆部51が、押圧傾斜部93aを乗り越えて押圧円筒部93bに接触して、キャップ5及び雄端子3の円筒状部分31が拡径する(雄端子3のキャップ5及び円筒状部分31が第2方向Zに沿って弾性変形する)。それによって、円筒状部分31の外周面が前傾斜部分78aを押圧し(雄端子3の円筒状部分31が筒部74の前傾斜部分78aを押圧し)、雄端子3と雌端子7とが電気的に接続された完全嵌合状態となる。
実施形態に係るコネクタ装置1、及び、ワイヤハーネスWHの雌コネクタ6は、雄ハウジング4と雌ハウジング8とを完全嵌合させた完全嵌合状態では、雌端子7を筒部74側に押圧して弾性変形させ、雄端子3と雌端7子とを電気的に接続する押圧部93を有する。このため、コネクタ装置1は、完全嵌合状態では、押圧部93によって雄端子3を雌端子7の筒部74側に押圧し弾性変形させることで、雄端子3と雌端子7とを適正に電気的に接続することができる。この結果、コネクタ装置1は、組み付け時の作業性が低下するのを抑えることができる。
また、コネクタ装置1の筒部74は、雄ハウジング4と雌ハウジング8とが半嵌合し、雄端子3が筒部74の内部に挿入された半嵌合状態では、雄端子3との接触によって弾性変形する。よって、コネクタ装置1は、コネクタ嵌合初期の半嵌合状態において、コネクタ嵌合に要する力を低減することができる。
加えて、コネクタ装置1の雌コネクタ6は、雌ハウジング8とは別体で形成され、筒部74の内周面を覆う電気絶縁性のフロントホルダ9を有し、押圧部93は、フロントホルダ9に形成してある。このため、上述した作用・効果を奏することに加え、コネクタ装置1の組立・分解の途中で電気導電性の異物が、筒部74の内部に挿入された時でも、短絡が発生することを抑えることができる。
さらに、コネクタ装置1では、雄端子3は、雌端子7に対する雄端子3の挿入方向に沿って延在するスリット35を有し、スリット35によって弾性変形可能に形成してある。このため、構成を簡単にして、弾性変形が容易な雄端子3を容易に製造することができる。
また、このコネクタ装置1の半嵌合状態において、図14に示すように、筒部74の前傾斜部分78aは、固定延在部分77の前側の端縁から、前方及び径内方向に対してそれぞれ傾斜する態様で延在する。筒部74の前傾斜部分78aとキャップ5の被覆外側部分51bとの接触箇所における前傾斜部分78aには、前傾斜部分78aの延在方向と直交する方向に向かう弾性復元力F1が発生する。弾性復元力F1と、挿抜方向Xにおける後方から前方へ向かう方向との交差角度をθ1とすると、弾性復元力F1は、雌端子7及び雄端子3おける径内方向に向かう第1分力F1sinθ1と、前方から後方へ向かう第2分力F1cosθ1とに分けることができる。第1分力F1sinθ1によって筒部74が雄端子3を径内方向へ押し、第2分力F1cosθ1によって筒部74が雄端子3を、雌ハウジング8の前方から後方へ向かう方向に押す。よって、半嵌合状態において、弾性復元力F1によって、雌ハウジング8と雄ハウジング4とを連結した状態に維持することができる。
さらに、このコネクタ装置1では、前端部分79aと前傾斜部分78aとの境界部分78xを超えて、筒部74の内部に、雄端子3の先端部分を挿入すれば、半嵌合状態を維持することができる。しかも、前端部分79aの挿抜方向Xの寸法L1よりも、前傾斜部分78aの挿抜方向Xの寸法L2を大きくしてある。よって、半嵌合状態において、雌端子7に対する雄端子3の挿抜方向Xに沿って移動を容易にすることができる。これにより、作業内容に応じて雄ハウジング4及び雌ハウジング8を挿抜方向Xへ移動させることができ、コネクタ装置1の組立時の作業性を向上することができる。
また、このコネクタ装置1では、図6に示すように、矩形板状部分75間に位置する間隙75sが14つである一方、図2に示すように、雄端子3の円筒状部分31のスリット35が2つである。雄端子3のスリット35の数よりも筒部74の間隙75sの数を多くすることによって、雄端子3を変形させるのに必要とされる力よりも、筒部74を変形させるのに必要とされる力を小さくしてある。よって、小さな力で、コネクタ装置1を半嵌合状態にすることができる。
さらに、このコネクタ装置1では、矩形板状部分75の径方向における厚さ寸法を、雄端子3の円筒状部分31の径方向における厚さ寸法を小さくしてある。これによって、雄端子3を変形させるのに必要とされる力よりも、筒部74を変形させるのに必要とされる力が小さくしてある。よって、小さな力で、コネクタ装置1を半嵌合状態にすることができる。
また、このコネクタ装置1では、図14に示すように、前端部分79aの挿抜方向Xの寸法L1よりも、押圧傾斜部93aの挿抜方向Xの寸法L3を小さくしてある。また、前傾斜部分78aの挿抜方向Xの寸法L2よりも、押圧傾斜部93aの挿抜方向Xの寸法L3を小さくしてある。このコネクタ装置1の組み立て時において、雄ハウジング4又は雌ハウジング8の大部分の移動を人の手によって行う。そして、押圧傾斜部93aにキャップ5の第1被覆部51が接触し、その後、キャップ5の第1被覆部51が押圧傾斜部93aを乗り超えるまでの雄ハウジング4または雌ハウジング8の移動のみをボルト17及びナット18の締結力によって行う。第1被覆部51が押圧傾斜部93aを乗り越える時には大きな力が必要となる。しかし、このコネクタ装置1によれば、大きな力を必要とする雄ハウジング4または雌ハウジング8の移動距離を短くすることができるため、組立時の作業を容易にすることができる。
また、このコネクタ装置1の雌ハウジング8は、筒部74の内周面を覆う電気絶縁性の触指防止部であるフロントホルダ9を含んで構成されている。このため、筒部74の内部に異物が進入するのを防止することができる。加えて、触指防止部のフロントホルダ9に、完全嵌合状態において、雄端子3を筒部74側に押圧して雄端子3を弾性変形させる押圧部93を設けてあるため、押圧部93をフロントホルダ9と共に雌ハウジング8に取り付けることができる。
[実施形態2]
次に、コネクタ装置1の実施形態2を図15を用いて説明する。なお、実施形態2において、実施形態1と同一の構成要素、部分等には同一の符号を付して説明を省略する。図示するように、実施形態2のコネクタ装置1における雌ハウジング800は、実施形態1のフロントホルダ9と雌ハウジング8とを一体で形成してある。実施形態2のコネクタ装置1のその他の構成は、実施形態1のコネクタ装置1とほぼ同様である。
具体的に説明すると、雌ハウジング800は、略平板矩形状のベース部分80と、ベース部分80の前方側に位置する前側部分81と、ベース部分80の後方側に位置する後側部分86と、第1円筒状部901と第2円筒状部911と連結部921とを含み、これらを一体で形成してある。このため、実施形態2の雌ハウジング800は、実施形態1における雌ハウジング8に対するフロントホルダ9の取り付けのための切欠88a及び貫通穴88bを有していない。雌端子収容部83と第1円筒状部901とは、挿抜方向Xへ連続する。第1円筒状部901の外周面の径方向の大きさは、雌端子収容部83の外周面の径方向の大きさと同一である。第1円筒状部901の内周面の径方向の大きさは、雌端子収容部83の内周面の径方向の大きさよりも小さい。第2円筒状部911の径方向の大きさは、第1円筒状部901の径方向の大きさよりも小さい。コネクタ装置1は、径方向の大きさを第1円筒状部901と第2円筒状部911とで相違させ、雌ハウジング800の前方から、コネクタ装置1の分解・組立の途中で筒部74の内部に異物が挿入されるのを防止している。第2円筒状部911は、雄端子3の円筒状部分31の径方向の大きさよりもわずかに小さい。雄端子3の円筒状部分31は、第1円筒状部901と第2円筒状部911との間に挿入することが可能である。第2円筒状部911は、筒部74の内周面を覆い、雌端子7に対する触指防止部として機能している。第2円筒状部911の後端部の外周面には、押圧部93を形成してある。連結部921は、第1円筒状部901と第2円筒状部911とを連結する部分であって、略矩形平板状に形成してある。
このコネクタ装置1によれば、雌ハウジング800を一体で形成してあるため、部品点数を減少し、コネクタ装置1の組立作業を容易にすることができる。つまり、雌ハウジング800は、触指防止機能を有するとともに、完全嵌合状態において、雄端子3を筒部74側に押圧して雄端子3を弾性変形させる押圧部93を雌ハウジング800に設けてあるため、雌ハウジング800に、押圧部93を有する部品を取り付ける必要がない。
[実施形態3]
次いで、コネクタ装置1の実施形態3を図16を用いて説明する。なお、実施形態3において、実施形態1と同一の構成要素、部分等には同一の符号を付して説明を省略する。図示するように、雌コネクタ6は、雌端子7と、雌ハウジング8とを有するとともに、絶縁ピン100を有している。雌端子700の基部70の前端には、後方から前方へ向けて突出する係合凸部62を設けてある。係合凸部62は、第1凸部62aと第2凸部62bとを有し、第1凸部62aを前方側に配置し、第2凸部62bを後方側に配置してある。第1凸部62aの径方向の寸法より、第2凸部62bの径方向の寸法が小さい。実施形態3のコネクタ装置1のその他の構成は、実施形態1のコネクタ装置1とほぼ同様である。
絶縁ピン100は、電気絶縁性の合成樹脂によって形成してあり、略円柱状の前端側部分101と、略円筒状の後端側部分102とを有している。後端側部分102は、雌端子7の係合凸部62と係合する係合凹部103を有している。係合凹部103は、第1凹部103aと第2凹部103bとを有し、第1凹部103aを後方側に配置する一方、第2凹部103bを前方側に配置してある。第1凹部103aの径方向の寸法より、第2凹部103bの径方向の寸法が大きい。絶縁ピン100の後端側部分の外周面には、押圧部93を形成してある。
このコネクタ装置1の雌コネクタ6は、基部70の先端に固定され、筒部74の内部に挿通された電気絶縁性の絶縁ピン100を有し、雄端子3は、筒部74に形成され、絶縁ピン100は、完全嵌合状態では、雄端子3の内部に位置する。よって、筒部74の内部には、絶縁ピン100が位置するため、コネクタ装置1の組み立ての途中において、筒部74の内部に異物が挿入されるのを防止することができる。加えて、異物挿入防止の絶縁ピン100に、完全嵌合状態において、雄端子3を筒部74側に押圧して雄端子3を弾性変形させる押圧部93を設けてあるため、押圧部93を絶縁ピン100と共に雌端子7に取り付けることができる。
なお、上述した実施形態には、配索材W1と電気機器19とを電気的に接続する配索材対電気機器接続用の接続機構のコネクタ装置1を説明した。しかし、この発明は、それに限られず、例えば、一方の配索材と他方の配索材とを電気的に接続する配索材対配索材接続用の接続機構のコネクタ装置1に用いてもよい。
また、上述した実施形態では、基部70と、筒部74とを別個に形成したコネクタ装置1を説明した。しかし、この発明はそれに限られず、基部70と筒部74とを一体に形成してもよい。
さらに、上述した実施形態には、矩形板状部分75間に位置する間隙75sが14つであり、雄端子3の円筒状部分31のスリット35が2つであるコネクタ装置1を説明した。しかし、この発明は、それに限られず、矩形板状部分75間に位置する間隙75sの数、及び雄端子3の円筒状部分31のスリット35の数は、適宜変更することができる。
1 コネクタ装置
2 雄コネクタ
3 雄端子
35 スリット
4 雄ハウジング
6 雌コネクタ
7 雌端子
70 基部
74 筒部
700 雌端子
8 雌ハウジング
800 雌ハウジング
9 フロントホルダ
91 触指防止部(第2円筒状部)
93 押圧部
100 絶縁ピン
W1 配索材
W2 配索材
WH ワイヤハーネス
X 挿抜方向
Y 第1方向
Z 第2方向

Claims (9)

  1. 弾性変形可能な雄端子、前記雄端子の一部を覆うキャップ、及び、前記雄端子を収容する雄ハウジングを有する雄コネクタと、
    基部と弾性変形可能であって前記雄端子の一部が挿入される筒部とを有する雌端子、及び、前記雌端子を収容する雌ハウジングを有する雌コネクタと、
    を備え、
    前記雄端子は、前記雄ハウジングを前記雌ハウジングに挿入する挿入方向の前側に円筒状部分を有し、
    前記キャップは、前記円筒状部分の前記挿入方向側の先端部位を覆い、かつ、前記円筒状部分の内周面を覆う円筒状で弾性変形可能に形成され、
    前記雌コネクタは、前記雄ハウジングと前記雌ハウジングとを完全嵌合させた完全嵌合状態では、前記雄端子を前記筒部側に押圧して弾性変形させ、前記雄端子と前記雌端子とを電気的に接続する押圧部を有し、
    前記筒部の内部に前記雄端子の先端を挿入する際には、前記筒部に前記キャップが接触し、
    前記完全嵌合状態では、前記押圧部に前記キャップが接触することを特徴とするコネクタ装置。
  2. 前記キャップは、前記挿入方向の前側に第1被覆部を有し、
    前記第1被覆部は、前記挿入方向の反対側に向けて徐々に広がるように傾斜する、請求項1に記載のコネクタ装置。
  3. 前記キャップが前記押圧部を乗り越える際に前記雄ハウジングまたは前記雌ハウジングの移動を行うボルト及びナットを備える請求項1に記載のコネクタ装置。
  4. 前記筒部は、前記雄ハウジングと前記雌ハウジングとが半嵌合し、前記雄端子が前記筒部の内部に挿入された半嵌合状態では、前記雄端子との接触によって弾性変形する請求項1~3のいずれか1項に記載のコネクタ装置。
  5. 前記雌コネクタは、前記雌ハウジングとは別体で形成され、前記筒部の内周面を覆う電気絶縁性のフロントホルダを有し、
    前記押圧部は、前記フロントホルダに形成してある請求項1~4のいずれか1項に記載のコネクタ装置。
  6. 前記雌ハウジングは、前記筒部の内周面を覆う電気絶縁性の触指防止部を含んで構成され、
    前記押圧部は、前記触指防止部に形成してある請求項1~4のいずれか1項に記載のコネクタ装置。
  7. 前記雌コネクタは、前記基部の先端に固定され、前記筒部の内部に挿通された電気絶縁性の絶縁ピンを有し、
    前記雄端子は、筒状に形成され、
    前記絶縁ピンは、前記完全嵌合状態では、前記雄端子の内部に位置し、
    前記押圧部は、前記絶縁ピンの外周面に形成してある請求項1~4のいずれか1項に記載のコネクタ装置。
  8. 前記雄端子は、前記雌端子に対する前記雄端子の挿入方向に沿って延在するスリットを有し、前記スリットによって弾性変形可能に形成してある請求項1~のいずれか1項に記載のコネクタ装置。
  9. 導線性を有する配索材と、
    前記配索材に少なくとも一方が電気的に接続される雄コネクタ及び雌コネクタを有するコネクタ装置を備え、
    前記コネクタ装置は、
    弾性変形可能な雄端子、前記雄端子の一部を覆うキャップ、及び前記雄端子を収容する雄ハウジングを有する雄コネクタと、
    基部と弾性変形可能であって前記雄端子の一部が挿入される筒部とを有する雌端子、及び、前記雌端子を収容する雌ハウジングを有する雌コネクタと、
    を備え、
    前記雄端子は、前記雄ハウジングを前記雌ハウジングに挿入する挿入方向の前側に円筒状部分を有し、
    前記キャップは、前記円筒状部分の前記挿入方向側の先端部位を覆い、かつ、前記円筒状部分の内周面を覆う円筒状で弾性変形可能に形成され、
    前記雌コネクタは、前記雄ハウジングと前記雌ハウジングとを完全嵌合させた完全嵌合状態では、前記雄端子を前記筒部側に押圧して弾性変形させ、前記雄端子と前記雌端子とを電気的に接続する押圧部を有し、
    前記筒部の内部に前記雄端子の先端を挿入する際には、前記筒部に前記キャップが接触し、
    前記完全嵌合状態では、前記押圧部に前記キャップが接触することを特徴とするワイヤハーネス。
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