JP7238797B2 - 赤外線レンズユニット及び赤外線カメラ - Google Patents

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Description

本開示は、赤外線レンズユニット及び赤外線カメラに関する。
本出願は、2018年1月19日出願の日本出願第2018-007667号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
赤外線光学系を形成する複数のレンズ(レンズ群)を備える赤外線レンズユニットと、この赤外線レンズユニットが結像した赤外線像を撮像する赤外線撮像素子とを備え、赤外線画像データを生成する赤外線カメラが様々な用途で使用されている。例として、赤外線カメラを車輌に搭載し、夜間等に赤外線カメラによって車輌周辺の撮像を行い、衝突の可能性がある歩行者等を検出して運転者に警告を発するナイトビジョンシステムが実用化されている。
赤外線光学系は、一般にゲルマニウム、セレン化亜鉛、カルコゲナイドガラス、硫化亜鉛等の赤外線透過材料から形成されるレンズを複数枚組み合わせて構成される。中でも、赤外線光学系用の低コストのレンズとして、硫化亜鉛の焼結体から形成されるレンズが知られている(特許第4631753号公報参照)。硫化亜鉛の焼結体から形成されるレンズは、型成形によりレンズを製造することができるため、比較的安価に製造することができる。
硫化亜鉛の焼結体は、一般に、例えばゲルマニウム、セレン化亜鉛、カルコゲナイドガラス等の他の赤外線透過材料に比して、厚み増加による光量損失の増加が遠赤外線波長域(8~12μm)で大きいという特性がある。このため、上記公報に記載の赤外線レンズでは、光軸上での厚さを小さくすることによって遠赤外線波長域の光量損失を抑制している。
特許第4631753号公報
本発明の一態様に係る赤外線レンズユニットは、硫化亜鉛の焼結体から形成される少なくとも1つの硫化亜鉛レンズと、硫化亜鉛の焼結体とは異なる赤外線透過材料から形成される少なくとも1つの非硫化亜鉛レンズとを備える。
図1は、本発明の一実施形態の赤外線カメラを示す模式的断面図である。
[本開示が解決しようとする課題]
上記公報に開示される赤外線レンズユニットでは、厚さを小さくすることによって光量損失を低減するが、このような手法は、レンズの形状が制約されることによって解像度を高くできないという不都合を有する。
本開示は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、低コストでありながら、光量損失を小さく、且つ解像度を高くできる赤外線レンズユニット及び赤外線カメラを提供することを目的とする。
[本開示の効果]
本開示によれば、低コストでありながら、光量損失を小さく、且つ解像度を高くできる赤外線レンズユニットを提供することができる。
[本発明の実施形態の説明]
本発明の一態様に係る赤外線レンズユニットは、硫化亜鉛の焼結体から形成される少なくとも1つの硫化亜鉛レンズと、硫化亜鉛の焼結体とは異なる赤外線透過材料から形成される少なくとも1つの非硫化亜鉛レンズとを備える。
当該赤外線レンズユニットは、赤外線透過率が高い材料から形成される上記非硫化亜鉛レンズを用いて光量損失を低減しつつ、複雑な形状としても比較的安価に製造できる上記硫化亜鉛レンズを用いて上記非硫化亜鉛レンズにより生じる像の歪みを補正することができる。これによって、当該赤外線レンズユニットは、比較的低コストに製造可能でありながら、光量損失(特に遠赤外線波長域の光量損失)を小さくすると共に解像度を高くすることができる。
当該赤外線レンズユニットにおいて、上記少なくとも1つの硫化亜鉛レンズの少なくとも1つの光学面が色収差補正のための回折構造を有してもよい。このように、上記硫化亜鉛レンズの少なくとも1つの光学面が色収差補正のための回折構造を有することによって、コストを大きく増大させることなく解像度をより向上することができる。
当該赤外線レンズユニットにおいて、上記硫化亜鉛レンズの数が1つであり、上記硫化亜鉛レンズの2つの光学面に上記回折構造を有し、上記非硫化亜鉛レンズの全ての光学面が球面であってもよい。このように、上記硫化亜鉛レンズの数が1つであることによって、当該赤外線レンズユニットの光量損失をより確実に小さくすることができる。また、上記硫化亜鉛レンズの2つの光学面に上記回折構造を有することによって、コストを増大することなくより解像度を向上することができる。さらに、上記非硫化亜鉛レンズの全ての光学面が球面であることによってコストをさらに抑制することができる。
当該赤外線レンズユニットにおいて、上記硫化亜鉛の焼結体とは異なる赤外線透過材料の主成分がゲルマニウム、セレン化亜鉛又はカルコゲナイドガラスであってもよい。このように、上記硫化亜鉛の焼結体とは異なる赤外線透過材料の主成分がゲルマニウム、セレン化亜鉛又はカルコゲナイドガラスであることによって、上記非硫化亜鉛レンズの透明度を大きくすることができるので、当該赤外線レンズユニットの光量損失をより小さくすることができる。
本発明の他の一態様に係る赤外線カメラは、上記赤外線レンズユニットと、上記赤外線レンズユニットが結像した像を撮像する撮像素子とを備える。
当該赤外線カメラは、比較的安価で光量損失が小さく解像度が大きい上記赤外線レンズユニットによって像を結像するので、低コストでありながら、光量損失を小さく、且つ解像度を高くすることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
図1は、本発明の一実施形態に係る赤外線カメラを示す。当該赤外線カメラは、被写体の赤外線像を結像する光学系を有する赤外線レンズユニット1と、この赤外線レンズユニット1が結像した像を撮像する撮像素子2とを備える。
<赤外線レンズユニット>
赤外線レンズユニット1は、それ自体が本発明の一実施形態である。当該赤外線レンズユニット1は、光軸上に被写体側から順に並んで配置され、赤外線像を結像する光学系を構成する第1レンズ3及び第2レンズ4からなるレンズ群と、このレンズ群を保持する鏡筒5とを備える。
従って、この赤外線レンズユニット1の光学系は、パワー(赤外線に対する光学作用)を有する光学面として、第1レンズ3の物体側の面(被写体からの赤外線が入射する面)である第1光学面3aと、第1レンズ3の像側の面(赤外線が出射する面)である第2光学面3bと、第2レンズ4の物体側の面である第3光学面4aと、第2レンズ4の像側の面である第4光学面4bとを有する。
(第1レンズ)
第1レンズ3は、硫化亜鉛(ZnS)の焼結体から形成される硫化亜鉛レンズである。つまり、第1レンズ3は、硫化亜鉛粉末を金型で圧粉成形したもの焼成することによって製造される。このため、第1レンズ3の表面形状は、金型のキャビティ内面形状の反転形状である。このような硫化亜鉛レンズである第1レンズ3は、比較的複雑な形状としても、金型のコストが僅かに上昇するだけであり、比較的安価に形成することができる。
硫化亜鉛の焼結体は、機械強度に優れるため、第1レンズ3を硫化亜鉛の焼結体によって形成することで、当該赤外線レンズユニット1ひいては当該赤外線カメラを屋外等で使用する場合の耐久性を向上することができる。
この第1レンズ3の2つの光学面(第1光学面3a及び第2光学面3b)は、第1レンズ3自身及び第2レンズ4を通過した赤外線が、撮像素子上に正確に結像するよう設計される非球面である。つまり、第1レンズ3の形状は、第2レンズ4の形状を考慮して、できるだけ単色収差(同一波長に対する焦点のずれ)が生じないように定められる。
また、第1レンズ3の2つの光学面は、色収差補正のための回折構造をそれぞれ有する。この第1レンズ3の第1光学面3aの回折構造及び第2光学面3bの回折構造は、協働して赤外線レンズユニット1の光学系全体、つまり第1レンズ3及び第2レンズ4で生じ得る色収差(波長毎の焦点のずれ)を補正するよう設計される。つまり、第1レンズ3の第1光学面3aの回折構造と第2光学面3bの回折構造とは、それぞれによる色収差補正を相互に補完するよう設計される。
第1レンズ3の第1光学面3aの回折構造及び第2光学面3bの回折構造としては、光学面を例えばキノフォーム形状(のこぎり形状)、バイナリ形状(階段形状)、サイン波形状等の形状とする公知の構造を適用することができる。
第1レンズ3の厚さを小さくすると、耐衝撃性が低下する。一方、第1レンズ3の厚さを大きくすると、光量損失が増大する。これらのことから、第1レンズ3の光軸上での厚さとしては、レンズ口径(有効径)にもよるが、例えば1mm以上11mm以下とすることができ、1.5mm以上8mm以下が望ましい。
第1レンズ3は、光学面に例えば反射を防止する反射防止膜、耐傷性を向上する保護膜等を有してもよい。上記反射防止膜としては、公知の反射防止コート(ARコーティング)を用いることができる。上記保護膜としては、例えば化学蒸着法(CVD:Chemical Vapor Deposition)によって形成されるダイヤモンドライクカーボン膜等を用いることができる。特に、第1光学面3aに保護層を設けることによって、当該赤外線カメラは、第1レンズ3の物体側に保護窓を設けず、第1レンズ3が露出する構成とすることができる。
(第2レンズ)
第2レンズ4は、硫化亜鉛の焼結体とは異なる赤外線透過材料から形成される非硫化亜鉛レンズである。つまり、第2レンズ4は、赤外線透過材料を例えば切削、研磨等の機械加工により光学面(第3光学面4a及び第4光学面4b)を成形したものである。
この第2レンズ4の2つの光学面(第3光学面4a及び第4光学面4b)は、全て球面であることが好ましい。第3光学面4a及び第4光学面4bを球面とすることにより、第2レンズ4を比較的安価に形成することができる。第2レンズ4の光学面を球面とすることにより生じる収差は、上記第1レンズ3の第1光学面3a及び第2光学面3bの非球面形状及び回折構造によって補正することができるので、解像度を損なうことなく第2レンズ4を安価な球面レンズとすることによるコスト低減効果を享受することができる。
第2レンズ4を形成する赤外線透過材料の主成分は、ゲルマニウム、セレン化亜鉛又はカルコゲナイドガラスであることが好ましい。ゲルマニウム、セレン化亜鉛及びカルコゲナイドガラスは、赤外線透過率が高い材料であるため、これらを用いることによって、第2レンズ4、ひいては当該赤外線レンズユニット1全体における光量損失を低減することができる。
第2レンズ4は、第1レンズ3と同様に、光学面に例えば反射を防止する反射防止膜、耐傷性を向上する保護膜等を有してもよい。
(鏡筒)
鏡筒5は、第1レンズ3及び第2レンズ4(レンズ群全体)を保持する。また、この鏡筒5は、当該赤外線カメラにおいて、撮像素子2を保持する構造体に対して直接又は間接的に固定される。例として、図1に示すように、鏡筒5の像側の端部に撮像素子2を実装した基板6を固定することにより、当該レンズニット1と撮像素子2との相対位置を適切に保持することができる。
鏡筒5は、温度が変化してその材料が膨張又は収縮しても、当該赤外線レンズユニット1が赤外線像を撮像素子2上に正確に結像するよう、熱による膨張及び収縮を相殺するよう組み合わせられる複数の構成要素を有してもよい。
<撮像素子>
撮像素子2は、赤外線レンズユニット1が結像した像を撮像して画像データを生成する。具体的には、撮像素子2の受光面の位置(画素)毎に受光した赤外線のエネルギーを電気信号に変換し、画素毎の受光量を示すディジタル信号を生成する。
このような撮像素子2としては、例えば8~12μm帯に感度を持つ、ボロメータ、サーモパイル、SOIダイオードなどの非冷却熱型撮像素子が用いられる。
<利点>
当該赤外線レンズユニット1は、光量損失が小さい非硫化亜鉛レンズである第2レンズ4を用いて光量損失を低減しつつ、複雑な形状としても比較的安価に製造できる硫化亜鉛レンズである第1レンズ3を用いて第2レンズ4により生じる像の歪みを補正することによって高い解像度を得ることができる。このため、当該赤外線レンズユニット1及び当該赤外線レンズユニット1を備える当該赤外線カメラは、比較的安価でありながら光量損失が小さく解像度が高いものすることができる。
また、当該赤外線レンズユニット1は、非硫化亜鉛レンズである第2レンズ4の全ての光学面(第3光学面4a及び第4光学面4b)を球面としたことにより、第2レンズ4を比較的安価に形成することができ、当該赤外線レンズユニット1ひいては当該赤外線カメラをより安価に提供することができる。
また、当該赤外線レンズユニット1は、硫化亜鉛レンズの数が第1レンズ3の1つだけであり、他のレンズ(第2レンズ4)を非硫化亜鉛レンズとしたことによって、光学系全体として比較的光量損失が小さい。また、単一の硫化亜鉛レンズである第1レンズ3の2つの光学面(第1光学面3a及び第2光学面3b)に回折構造を設けたことにより、収差をより精度よく補正して解像度を向上することができる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
当該赤外線レンズユニットでは、硫化亜鉛レンズのみに回折構造を設けることが好ましいが、非硫化亜鉛レンズに回折構造を設けてもよい。
当該赤外線レンズユニットにおいて、硫化亜鉛レンズの一部又は全部の光学面が球面であってもよい。また、当該赤外線レンズユニットにおいて、非硫化亜鉛レンズの一部又は全部の光学面が非球面であってもよい。
当該赤外線レンズユニットは、光量損失を低減するために硫化亜鉛レンズの数が1つだけであることが好ましいが、複数の硫化亜鉛レンズを有してもよい。また、当該赤外線レンズユニットは、複数の非硫化亜鉛レンズを有してもよい。複数の非硫化亜鉛レンズを有する場合には、当該赤外線レンズユニットは、コストを抑制するために全ての非硫化亜鉛レンズの全ての光学面を球面とすることが好ましい。
当該赤外線レンズユニットは、最も物体側に硫化亜鉛レンズを備えてもよく、最も物体側に非硫化亜鉛レンズを備えてもよい。つまり、当該赤外線レンズユニットにおいて、硫化亜鉛レンズ及び非硫化亜鉛レンズの順番は任意である。なお、ゲルマニウムのレンズの場合は、屈折率の温度依存性(dn/dT)が大きいため、レンズの温度を調節するためにヒーター等でレンズを加熱すると結像位置がずれ、解像度が落ちやすい問題がある。また、カルコゲナイドガラスのレンズの場合は、機械強度が低いため、耐衝撃性に問題がある。硫化亜鉛の焼結体のレンズの場合は、屈折率の温度依存性が小さく、また機械強度が高いため、赤外線レンズユニットの最も物体側に硫化亜鉛レンズを設けても、実用上の不都合を生じない。つまり、当該赤外線レンズユニットは、最も物体側に硫化亜鉛レンズを備えることで、保護窓がなく硫化亜鉛レンズが露出した状態でも良好に使用することができ、当該赤外線カメラ全体のコストやサイズを大幅に改善することができる。よって、当該赤外線レンズユニットは、最も物体側に硫化亜鉛レンズを備えていることが好ましい。このように当該赤外線レンズユニットが最も物体側に硫化亜鉛レンズを備え、保護窓がない状態で使用される場合、最も物体側に硫化亜鉛レンズがダイヤモンドライクカーボン膜等の耐傷性を向上する保護膜等を有していることが、耐久性を改善することができるためより好ましい。
また、当該赤外線レンズユニットでは、複数の硫化亜鉛レンズが分散して配置されたり、複数の非硫化亜鉛レンズが分散して配置されてもよい。つまり、当該赤外線レンズユニットは、複数の硫化亜鉛レンズの間に非硫化亜鉛レンズが配置されるものであってもよく、複数の非硫化亜鉛レンズの間に硫化亜鉛レンズが配置されるものであってもよい。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
[赤外線レンズユニットのモデリング]
本発明の効果を確認するために、以下に説明する赤外線レンズユニットのモデル1~モデル5をモデリングして、遠赤外線透過率及び変調伝達関数(MTF:Modulation Transfer Function)を算出した。
<モデル1>
赤外線レンズユニットのモデル1は、第1レンズ及び第2レンズの2つのレンズと、この2つのレンズの像側に配置される赤外線透過窓とを有する構成とした。第1レンズは、硫化亜鉛の焼結体から形成される最大径18mmの硫化亜鉛レンズとした。第1レンズの第1光学面は曲率半径約17.0mmの非球面とし、第2光学面は曲率半径約13.3mmの非球面とし、光軸上でのレンズの厚さを4.5mmとした。第1レンズの第2面には、収差を補正する回折構造を設けた。第2レンズは、硫化亜鉛の焼結体から形成される硫化亜鉛レンズとした。第2レンズの第3光学面は曲率半径約17.1mmの非球面とし、第4光学面は曲率半径約15.5mmの非球面とし、レンズの厚さを4.5mmとした。第1レンズと第2レンズとの間隔は、約12.8mmとした。赤外線透過窓としては、ゲルマニウム製の厚さ1.0mmの平板を用い、第2レンズとの間隔を約1.4mmとした。なお、曲率半径の符号は、正が結像位置から見て凸状、負が図1に示すレンズの光学面のように結像位置から見て凹状であることを意味する。
<モデル2>
赤外線レンズユニットのモデル2は、第1レンズの厚さを4.1mmとし、第2レンズをゲルマニウムから形成される非硫化亜鉛レンズとして、第3光学面及び第4光学面を球面とした以外は、モデル1と同様の構成とした。
<モデル3>
赤外線レンズユニットのモデル3は、第1レンズの厚さを4.0mmとし、第2レンズをゲルマニウムから形成される非硫化亜鉛レンズとした以外は、モデル1と同様の構成とした。
<モデル4>
赤外線レンズユニットのモデル4は、第1レンズの厚さを4.0mmとし、第1光学面及び第2光学面の両方に、収差を補正する回折構造を設け、第2レンズをゲルマニウムから形成される非硫化亜鉛レンズとして、第3光学面及び第4光学面を球面とした以外は、モデル1と同様の構成とした。
<モデル5>
赤外線レンズユニットのモデル5は、第1レンズの厚さを2.0mmとした以外は、モデル4と同様の構成とした。
<遠赤外線透過率>
遠赤外線透過率は、光量損失の小ささを示す値である。赤外線透過率は、JIS-B7107(1997)に準じた方法により、波長8μm以上12μm以下の赤外光の平均透過率として測定したレンズ形成材料の赤外線透過率を用い、レンズの設計形状に基づいて算出した。
<変調伝達関数>
変調伝達関数(MTF)は、解像度の高さを示す指標である。画角に対するこのMTFの値の変化は、レンズ形成材料の一般的な屈折率(波長10μmにおいて、硫化亜鉛の焼結体が2.170、ゲルマニウムが4.002)を用い、レンズの設計形状に基づいて算出した。なお、MTFの値は、20LP/mmでのタンデンシャル方向のMTFの値とサジタル方向のMTFの値との平均値とした。
次の表1に、赤外線レンズユニットのモデル1~モデル5の主要な設計条件と、遠赤外線透過率の計算値と、水平画角0度及び24度におけるMTFの値とを合わせて示す。
Figure 0007238797000001
表に示すように、モデル2、モデル3、モデル4及びモデル5は、それらの第2レンズを硫化亜鉛の焼結体とは異なる赤外線透過材料で形成した非硫化亜鉛レンズとしたことによって、モデル1と比較して、遠赤外線透過率及びMTFの値を大きくし、光量損失を低減して解像度を向上できることが確認された。
また、第2光学面に回折構造を設け、第3光学面及び第4光学面を球面としたモデル2に対して、第2光学面に回折構造を設け、第3光学面及び第4光学面を非球面としたモデル3と、第1光学面及び第2光学面に回折構造を設け、第3光学面及び第4光学面を球面としたモデル4とは、いずれもMTFの値が向上しており、解像度が向上している。MTFの値の向上率は、第2レンズとして高価な非球面レンズを用いたモデル3の方が僅かに大きいものの、第2レンズとして安価な球面レンズを用いたモデル3でも、十分な解像度の向上が見られる。なお、第1面への回折構造の追加は、金型のコストが僅かに上昇するだけであり、赤外線レンズユニットの製品価格への影響は極めて小さい。
なお、モデル2とモデル3及びモデル4とは第1レンズの厚さが僅かに異なるが、モデル4の遠赤外線透過率の計算値と、モデル4に対して第1レンズの厚さを半分にしたモデル5の遠赤外線透過率の計算値との差に鑑みて、モデル2とモデル3及びモデル4との計算値に対する第1レンズの厚さの違いの影響は殆どないものと考えられる。
1 赤外線レンズユニット
2 撮像素子
3 第1レンズ
3a 第1光学面
3b 第2光学面
4 第2レンズ
4a 第3光学面
4b 第4光学面
5 鏡筒
6 基板

Claims (5)

  1. 硫化亜鉛の焼結体から形成される硫化亜鉛レンズと、
    ゲルマニウム、セレン化亜鉛又はカルコゲナイドガラスを主成分とする赤外線透過材料から形成される非硫化亜鉛レンズと
    を備え
    上記硫化亜鉛レンズの少なくとも1つの光学面に色収差補正のための回折構造を有する赤外線レンズユニット。
  2. 上記硫化亜鉛レンズが、光軸上における最も被写体側に配置されている請求項1に記載の赤外線レンズユニット。
  3. 上記硫化亜鉛レンズが、上記非硫化亜鉛レンズと対向する側の光学面に上記回折構造を有する請求項1または請求項2に記載の赤外線レンズユニット。
  4. 上記硫化亜鉛レンズの数が1つであり、上記硫化亜鉛レンズの2つの光学面に上記回折構造を有し、上記非硫化亜鉛レンズの全ての光学面が球面である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の赤外線レンズユニット。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の赤外線レンズユニットと、
    上記赤外線レンズユニットが結像した像を撮像する撮像素子と
    を備える赤外線カメラ。
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