JP7238651B2 - 画像形成装置 - Google Patents

Description

本発明は、複数の感光ドラムと、対応する感光ドラムに接触する接触位置と対応する感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な複数の現像ローラとを備える画像形成装置に関する。

従来、シートの搬送方向に沿って配列された複数の感光ドラムと、対応する感光ドラムに対して離接可能に構成された複数の現像ローラとを備え、カラー印刷を行う場合に複数の現像ローラを対応する感光ドラムに順次接触させ、モノクロ印刷を行う場合に１つの現像ローラを対応する感光ドラムに接触させる画像形成装置が知られている（特許文献１）。また、用紙カセットや手差しトレイ等のシートを支持する複数のトレイを備え、各トレイと感光ドラムに形成されたトナー像を転写する転写位置とを繋ぐ複数の給紙経路におけるシートの搬送時間に応じて、シートをピックアップするタイミングを制御する画像形成装置が知られている（特許文献２）。

特開２０１２－１２８０１７号公報 特開２０１０－１９７４６３号公報

ところで、シートの搬送方向の上流側から下流側に向かって第１感光ドラムと第２感光ドラムがこの順に並んで配置されている場合、シートの搬送経路に沿った、手差しトレイから第１感光ドラムまでの距離は、手差しトレイから第２感光ドラムまでの距離よりも小さくなる。しかし、このような構成においても、手差しトレイから供給されたシートが第１感光ドラムに到達するのに間に合うタイミングで現像ローラを第１感光ドラムに接触させる必要がある。そこで、例えば、すべての現像ローラを対応する感光ドラムに接触させた後に手差しトレイからシートをピックアップするという方法が考えられるが、この場合には、シートが第２感光ドラムに到達するかなり前から第２感光ドラムと対応する現像ローラとが接触した状態となるので、現像ローラと感光ドラムが接触する時間が必要以上に長くなる。

そこで、本発明は、手差しトレイから供給されたシートが第１感光ドラムに到達するのに十分に間に合うタイミングで第１現像ローラを第１感光ドラムに接触させることができるとともに、現像ローラと感光ドラムが接触する時間を短くすることができる画像形成装置を提供することを目的とする。

前記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、シートを支持する手差しトレイと、手差しトレイに支持されたシートをピックアップする手差し供給ローラと、第１感光ドラム、および、シートの搬送方向において第１感光ドラムの下流側に配置された第２感光ドラムを含む複数の感光ドラムと、第１感光ドラムにトナーを供給する第１現像ローラ、および、第２感光ドラムにトナーを供給する第２現像ローラを含む複数の現像ローラであって、複数の感光ドラムのうちの対応する感光ドラムに接触する接触位置と、当該感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な複数の現像ローラと、第１現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる第１移動機構と、第２現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる第２移動機構と、制御部と、を備える。
制御部は、複数の現像ローラを使ってシートに画像を形成するカラー印刷と、第２現像ローラだけを使ってシートに画像を形成するモノクロ印刷とを実行可能である。
制御部は、手差しトレイからシートを供給してカラー印刷をする場合、第１移動機構を制御して第１現像ローラを離間位置から接触位置に向けて移動させ始めた後に、手差し供給ローラを制御して手差しトレイに支持されたシートのピックアップを開始し、その後、第２移動機構を制御して第２現像ローラを離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。
また、制御部は、手差しトレイからシートを供給してモノクロ印刷をする場合、手差し供給ローラを制御して手差しトレイに支持されたシートのピックアップを開始した後に、第２移動機構を制御して第２現像ローラを離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。

このような構成によれば、シートの搬送経路に沿った第１感光ドラムまでの距離が小さい手差しトレイからシートを供給してカラー印刷をする場合において、第１現像ローラを早めに接触位置に向けて移動させ始めるので、供給されたシートが第１感光ドラムに到達するのに十分に間に合うタイミングで第１現像ローラを第１感光ドラムに接触させることができる。また、すべての現像ローラを対応する感光ドラムに接触させた後にシートをピックアップする場合と比較して、現像ローラと感光ドラムが接触する時間を短くすることができる。

前記した画像形成装置において、制御部は、手差しトレイからシートを供給してカラー印刷をする場合、印刷ジョブを受信した時点から第１時間が経過したタイミングで第１移動機構を駆動させて第１現像ローラを離間位置から接触位置に向けて移動させ始め、第１移動機構の駆動を開始した時点から第２時間が経過したタイミングで手差し供給ローラを駆動させて手差しトレイに支持されたシートのピックアップを開始する構成とすることができる。

前記した画像形成装置は、シートの通過を検知可能な第１シートセンサであって、シートの搬送方向において第１感光ドラムの上流側に配置された第１シートセンサを備え、制御部は、第１シートセンサがシートの前端の通過を検知した時点から第３時間が経過したタイミングで第２移動機構を駆動させて第２現像ローラを離間位置から接触位置に向けて移動させ始める構成とすることができる。

前記した画像形成装置は、シートを支持する第１トレイであって、シートの搬送経路に沿った第１感光ドラムまでの距離が手差しトレイよりも大きい第１トレイと、第１トレイに支持されたシートをピックアップする第１供給ローラと、を備える構成とすることができる。
この構成において、制御部は、第１トレイからシートを供給してカラー印刷をする場合、第１供給ローラを制御して第１トレイに支持されたシートのピックアップを開始した後に、第１移動機構を制御して第１現像ローラを離間位置から接触位置に向けて移動させ始め、その後、第２移動機構を制御して第２現像ローラを離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。
また、この構成において、制御部は、第１トレイからシートを供給してモノクロ印刷をする場合、第１供給ローラを制御して第１トレイに支持されたシートのピックアップを開始した後に、第２移動機構を制御して第２現像ローラを離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。

これによれば、手差しトレイからシートを供給してカラー印刷をする場合と同様に第１現像ローラを早めに接触位置に向けて移動させ始める場合と比較して、第１現像ローラと第１感光ドラムが接触する時間を短くすることができる。

前記した画像形成装置は、シートの通過を検知可能な第２シートセンサであって、シートの搬送方向において第１トレイの下流側であって第１感光ドラムの上流側に配置された第２シートセンサを備え、制御部は、第１トレイからシートを供給してカラー印刷をする場合、印刷ジョブを受信した時点から第４時間が経過したタイミングで第１供給ローラを駆動させて第１トレイに支持されたシートのピックアップを開始し、第２シートセンサがシートの前端の通過を検知した時点から第５時間が経過したタイミングで第１移動機構を駆動させて第１現像ローラを離間位置から接触位置に向けて移動させ始める構成とすることができる。

前記した画像形成装置において、複数の感光ドラムは、シートの搬送方向において第１感光ドラムと第２感光ドラムの間に配置された第３感光ドラムと、シートの搬送方向において第３感光ドラムと第２感光ドラムの間に配置された第４感光ドラムとを含み、複数の現像ローラは、第３感光ドラムにトナーを供給する第３現像ローラと、第４感光ドラムにトナーを供給する第４現像ローラとを含み、第１移動機構は、シートの移動に合わせて、第３現像ローラを第１現像ローラ以降のタイミングで離間位置から接触位置に向けて移動させ始めるとともに、第４現像ローラを第３現像ローラよりも後のタイミングで離間位置から接触位置に向けて移動させ始め、シートの移動に合わせて、第１現像ローラ、第３現像ローラおよび第４現像ローラをこの順に接触位置から離間位置に向けて移動させ始めるように構成することができる。

これによれば、第１現像ローラ、第３現像ローラおよび第４現像ローラを、同時に接触位置に移動させ、また、同時に離間位置に移動させる場合と比較して、現像ローラと感光ドラムが接触する時間を短くすることができる。

本発明によれば、手差しトレイから供給されたシートが第１感光ドラムに到達するのに十分に間に合うタイミングで第１現像ローラを第１感光ドラムに接触させることができるとともに、現像ローラと感光ドラムが接触する時間を短くすることができる。

実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。 現像ローラを感光ドラムに対して接触・離間させるための構成の一例を示す図である。 各カムのプロファイルを示す図である。 カラー印刷をする場合の現像ローラの動作を説明する図（ａ）～（ｄ）である。 カラー印刷をする場合の現像ローラの動作を説明する、図４に続く図（ａ）～（ｄ）である。 モノクロ印刷をする場合の現像ローラの動作を説明する図（ａ）～（ｃ）である。 シアンの離間センサとＣカムに設けられた第１被検知部を説明する図（ａ），（ｂ）である。 ブラックの離間センサとＫカムに設けられた第２被検知部を説明する図（ａ），（ｂ）である。 印刷ジョブを受信したときの処理の一例を示すフローチャートである。 第１トレイからシートを供給してカラー印刷をする場合の処理の一例を示すフローチャートである。 第１トレイからシートを供給してカラー印刷をする場合の、現像ローラ、クラッチ、第１供給ローラの動作を説明するタイミングチャートである。 モノクロ印刷をする場合の処理の一例を示すフローチャートである。 第１トレイからシートを供給してモノクロ印刷をする場合の、現像ローラ、クラッチ、第１供給ローラの動作を説明するタイミングチャートである。 手差しトレイからシートを供給してカラー印刷をする場合の処理の一例を示すフローチャートである。 手差しトレイからシートを供給してカラー印刷をする場合の、現像ローラ、クラッチ、手差し供給ローラの動作を説明するタイミングチャートである。 手差しトレイからシートを供給してモノクロ印刷をする場合の、現像ローラ、クラッチ、手差し供給ローラの動作を説明するタイミングチャートである。

図１に示すように、実施形態に係る画像形成装置１は、カラープリンタであり、筐体１０と、シート供給部２０と、画像形成部３０と、制御部２とを備えている。なお、本実施形態においては、図１の左側を前、右側を後、上下をそのまま上下とし、図１の紙面手前側を右、紙面奥側を左とする。

シート供給部２０は、シートＳを支持する第１トレイ２１および手差しトレイ４１と、供給機構２２とを備えている。
第１トレイ２１は、画像形成部３０の下方に配置され、筐体１０から前側に引き出して取り外し可能である。手差しトレイ４１は、筐体１０の前側に設けられ、画像形成部３０の前方に配置されている。第１トレイ２１は、シートＳの搬送経路に沿った感光ドラム５０（Ｙ感光ドラム５０Ｙ）までの距離が手差しトレイ４１よりも大きい位置に配置されている。

供給機構２２は、第１トレイ２１に支持されたシートＳをピックアップする第１供給ローラ２３と、分離ローラ２４と、分離パッド２５と、搬送ローラ２６と、レジストレーションローラ２７と、手差しトレイ４１に支持されたシートＳをピックアップする手差し供給ローラ４３とを備えている。シートＳは、画像形成装置１で画像を形成することができる媒体であって、普通紙、封筒、葉書、薄紙、厚紙、光沢紙、樹脂シート、シール等を含む。

第１トレイ２１にセットされたシートＳは、第１供給ローラ２３により送り出された後、分離ローラ２４と分離パッド２５との間で１枚ずつに分離され、搬送ローラ２６によりレジストレーションローラ２７に向けて搬送される。また、手差しトレイ４１にセットされたシートＳは、手差し供給ローラ４３により送り出される。その後、シートＳは、回転が停止した状態のレジストレーションローラ２７により前端の位置が規制された後、レジストレーションローラ２７が回転することで画像形成部３０に供給される。

画像形成装置１は、シートＳの通過を検知可能な、給紙センサ２８Ａ、第１レジ前センサ２８Ｂ、手差しレジ前センサ４８Ｂ、レジ後センサ２８Ｃを備えている。
給紙センサ２８Ａは、シートＳの搬送方向において、第１供給ローラ２３や分離ローラ２４の下流側に配置されている。

第１レジ前センサ２８Ｂは、シートＳの搬送方向において、第１トレイ２１の下流側であってＹ感光ドラム５０Ｙの上流側に配置されている。詳しくは、第１レジ前センサ２８Ｂは、シートＳの搬送方向において、給紙センサ２８Ａや搬送ローラ２６の下流側であってレジストレーションローラ２７の上流側に配置されている。
手差しレジ前センサ４８Ｂは、シートＳの搬送方向において、手差しトレイ４１や手差し供給ローラ４３の下流側であってレジストレーションローラ２７の上流側に配置されている。

レジ後センサ２８Ｃは、シートＳの搬送方向において、レジストレーションローラ２７の下流側であってＹ感光ドラム５０Ｙの上流側に配置されている。
本実施形態においては、レジ後センサ２８Ｃが「第１シートセンサ」に相当し、第１レジ前センサ２８Ｂが「第２シートセンサ」に相当する。

画像形成部３０は、露光装置４０と、複数の感光ドラム５０と、複数の現像カートリッジ６０と、搬送装置７０と、定着器８０とを備えている。
露光装置４０は、図示しないレーザダイオード、偏向器、レンズおよびミラーを備えている。露光装置４０は、複数の感光ドラム５０を露光する一点鎖線で示した複数の光ビームを発して、各感光ドラム５０の表面を露光するように構成されている。

複数の感光ドラム５０は、イエローに対応するＹ感光ドラム５０Ｙと、マゼンタに対応するＭ感光ドラム５０Ｍと、シアンに対応するＣ感光ドラム５０Ｃと、ブラックに対応するＫ感光ドラム５０Ｋとを含む。本実施形態においては、Ｙ感光ドラム５０Ｙが「第１感光ドラム」に相当し、Ｍ感光ドラム５０Ｍが「第３感光ドラム」に相当し、Ｃ感光ドラム５０Ｃが「第４感光ドラム」に相当し、Ｋ感光ドラム５０Ｋが「第２感光ドラム」に相当する。なお、本明細書および図面においては、各色に対応して設けられた部材について、色を区別して示す場合には、符号にＹ，Ｍ，Ｃ，Ｋを付し、色を区別しないで説明する場合には、符号にＹ，Ｍ，Ｃ，Ｋを付さない。

Ｋ感光ドラム５０Ｋは、シートＳの搬送方向においてＹ感光ドラム５０Ｙの下流側に配置されている。また、Ｍ感光ドラム５０Ｍは、シートＳの搬送方向においてＹ感光ドラム５０ＹとＫ感光ドラム５０Ｋの間に配置されている。また、Ｃ感光ドラム５０Ｃは、シートＳの搬送方向においてＭ感光ドラム５０ＭとＫ感光ドラム５０Ｋの間に配置されている。すなわち、感光ドラム５０Ｙ，５０Ｍ，５０Ｃ，５０Ｋは、シートＳの搬送方向の上流側から下流側に向かってこの順に並んで配置されている。

現像カートリッジ６０は、各感光ドラム５０に対応して設けられている。複数の現像カートリッジ６０は、Ｙ感光ドラム５０Ｙにトナーを供給するＹ現像ローラ６１Ｙを有するＹ現像カートリッジ６０Ｙと、Ｍ感光ドラム５０Ｍにトナーを供給するＭ現像ローラ６１Ｍを有するＭ現像カートリッジ６０Ｍと、Ｃ感光ドラム５０Ｃにトナーを供給するＣ現像ローラ６１Ｃを有するＣ現像カートリッジ６０Ｃと、Ｋ感光ドラム５０Ｋにトナーを供給するＫ現像ローラ６１Ｋを有するＫ現像カートリッジ６０Ｋとを含む。

現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃ，６１Ｋは、シートＳの搬送方向の上流側から下流側に向かってこの順に配置されている。本実施形態において、複数の現像ローラ６１は、Ｙ現像ローラ６１Ｙが「第１現像ローラ」に相当し、Ｍ現像ローラ６１Ｍが「第３現像ローラ」に相当し、Ｃ現像ローラ６１Ｃが「第４現像ローラ」に相当し、Ｋ現像ローラ６１Ｋが「第２現像ローラ」に相当する。

各現像カートリッジ６０は、図１に実線で示した、現像ローラ６１が複数の感光ドラム５０のうちの対応する感光ドラム５０に接触する接触位置にある位置と、図１に仮想線で示した、現像ローラ６１が対応する感光ドラム５０から離間する離間位置にある位置との間で移動可能である。また、現像カートリッジ６０Ｍ，６０Ｃ，６０Ｋは、現像ローラ６１が離間位置にある場合にシートＳの搬送方向の上流側に隣接する感光ドラム５０を露光する光ビームの光路と重なり、現像ローラ６１が接触位置にある場合に当該光ビームの光路と重ならない。

具体的には、Ｍ現像カートリッジ６０Ｍは、Ｍ現像ローラ６１Ｍが離間位置にある場合にＹ感光ドラム５０Ｙを露光する光ビームの光路と重なり、Ｍ現像ローラ６１Ｍが接触位置にある場合にＹ感光ドラム５０Ｙを露光する光ビームの光路と重ならない。また、Ｃ現像カートリッジ６０Ｃは、Ｃ現像ローラ６１Ｃが離間位置にある場合にＭ感光ドラム５０Ｍを露光する光ビームの光路と重なり、Ｃ現像ローラ６１Ｃが接触位置にある場合にＭ感光ドラム５０Ｍを露光する光ビームの光路と重ならない。また、Ｋ現像カートリッジ６０Ｋは、Ｋ現像ローラ６１Ｋが離間位置にある場合にＣ感光ドラム５０Ｃを露光する光ビームの光路と重なり、Ｋ現像ローラ６１Ｋが接触位置にある場合にＣ感光ドラム５０Ｃを露光する光ビームの光路と重ならない。

複数の感光ドラム５０は、支持部材９０に回転可能に支持されている。支持部材９０には、各感光ドラム５０に対応して配置された、感光ドラム５０を帯電させるための帯電器５２が設けられている。支持部材９０は、筐体１０のフロントカバー１１を開くことで形成される開口から、筐体１０に対して着脱可能である。また、支持部材９０は、複数の現像カートリッジ６０を着脱可能に支持する。

搬送装置７０は、第１トレイ２１と複数の感光ドラム５０との間に設けられている。搬送装置７０は、駆動ローラ７１と、従動ローラ７２と、無端状のベルトからなる搬送ベルト７３と、４つの転写ローラ７４とを備えている。搬送ベルト７３は、駆動ローラ７１と従動ローラ７２との間に張設され、外側の面が各感光ドラム５０に対向して配置されている。各転写ローラ７４は、各感光ドラム５０との間で搬送ベルト７３を挟持するように搬送ベルト７３の内側に配置されている。

定着器８０は、複数の感光ドラム５０および搬送装置７０の後方に設けられている。定着器８０は、加熱ローラ８１と、加熱ローラ８１に対向して配置された加圧ローラ８２とを備えている。シートＳの搬送方向における定着器８０の下流側には、シートＳの通過を検知可能な排紙センサ２８Ｄと、搬送ローラ１５と、排出ローラ１６が設けられている。

画像形成部３０では、感光ドラム５０の表面が、帯電器５２により一様に帯電された後、露光装置４０から照射される光ビームにより露光される。これにより、感光ドラム５０上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、現像カートリッジ６０内に収容されたトナーは現像ローラ６１の表面に担持され、接触位置に位置する現像ローラ６１から感光ドラム５０上に形成された静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム５０上にトナー像が形成される。次に、搬送ベルト７３上に供給されたシートＳが搬送ベルト７３上を搬送されて感光ドラム５０と転写ローラ７４との間を通過することで、感光ドラム５０上のトナー像がシートＳに転写される。そして、シートＳが加熱ローラ８１と加圧ローラ８２との間を通過することで、トナー像がシートＳに熱定着される。その後、シートＳは、搬送ローラ１５および排出ローラ１６により排紙トレイ１３上に排出される。

図２に示すように、画像形成装置１は、Ｙ現像ローラ６１Ｙ、Ｍ現像ローラ６１ＭおよびＣ現像ローラ６１Ｃを接触位置と離間位置との間で移動させる第１移動機構５Ａと、Ｋ現像ローラ６１Ｋを接触位置と離間位置との間で移動させる第２移動機構５Ｋとを備えている。第１移動機構５Ａは、Ｙ現像ローラ６１Ｙを接触位置と離間位置との間で移動させる第１カムとしてのＹカム１５０Ｙと、Ｍ現像ローラ６１Ｍを接触位置と離間位置との間で移動させる第２カムとしてのＭカム１５０Ｍと、Ｃ現像ローラ６１Ｃを接触位置と離間位置との間で移動させる第３カムとしてのＣカム１５０Ｃとを有する。また、第２移動機構５Ｋは、Ｋ現像ローラ６１Ｋを接触位置と離間位置との間で移動させるＫカム１５０Ｋを有する。

ここで、カム１５０（１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃ，１５０Ｋ）を含む、現像ローラ６１を、対応する感光ドラム５０に接触させ、また、当該感光ドラム５０から離間させるための構成の一例について説明する。
支持部材９０（図１参照）は、各現像カートリッジ６０を、複数の感光ドラム５０が並ぶ方向、すなわち、搬送ベルト７３上におけるシートＳの搬送方向に移動可能に支持する。そして、支持部材９０は、現像カートリッジ６０を、シートＳの搬送方向における上流側から下流側に向けて付勢するバネ９７を有している。バネ９７は、各現像カートリッジ６０に対応して設けられている。

また、各現像カートリッジ６０は、側面に、現像ローラ６１の回転軸線方向に突出する被押圧部６６を有している。現像カートリッジ６０は、カム１５０により被押圧部６６がシートＳの搬送方向における下流側から上流側に向けて押圧されることで、バネ９７の付勢力に抗して、現像ローラ６１が対応する感光ドラム５０から離間する離間位置となる位置に移動する。また、現像カートリッジ６０は、カム１５０による押圧が解除されることで、バネ９７の付勢力により現像ローラ６１が対応する感光ドラム５０に接触する接触位置となる位置に移動する（図１参照）。

カム１５０は、現像ローラ６１の回転軸線と平行な軸周りに回転可能である。Ｙカム１５０Ｙ、Ｍカム１５０ＭおよびＣカム１５０Ｃは、外周面に１つのカム山１５２Ｙ，１５２Ｍ，１５２Ｃを有し、Ｋカム１５０Ｋは、外周面に略対称な２つのカム山１５２Ｋを有している。カム山１５２Ｙ，１５２Ｍ，１５２Ｃ，１５２Ｋは、現像カートリッジ６０の被押圧部６６を押圧可能である。現像ローラ６１は、カム山１５２Ｙ，１５２Ｍ，１５２Ｃ，１５２Ｋが被押圧部６６を押圧した状態で離間位置に位置する。一方、現像ローラ６１は、カム山１５２Ｙ，１５２Ｍ，１５２Ｃ，１５２Ｋによる被押圧部６６の押圧が解除された状態で接触位置に位置する。現像ローラ６１は、カム１５０の回転により離間位置と接触位置との間を移動する。

本実施形態では、Ｍカム１５０ＭおよびＣカム１５０Ｃについては、同じ部品が用いられ、Ｙカム１５０Ｙについては、カム山１５２Ｙの回転方向の長さが、カム１５０Ｍ，１５０Ｃのカム山１５２Ｍ，１５２Ｃよりも長い部品が用いられている。一方、Ｋカム１５０Ｋについては、各カム山１５２Ｋの回転方向の長さが、カム山１５２Ｙ，１５２Ｍ，１５２Ｃよりも短い部品が用いられている。各カム１５０は、略同じ回転速度で回転し、１回転する時間ＴＲが略同じとなるように構成されている。

これにより、図３に示すように、Ｙカム１５０ＹおよびＫカム１５０Ｋは、Ｋカム１５０Ｋの第２離間時間ＴＳ２が、Ｙカム１５０Ｙの第１離間時間ＴＳ１よりも小さくなるように構成されている。また、Ｍカム１５０Ｍ、Ｃカム１５０ＣおよびＫカム１５０Ｋは、Ｋカム１５０Ｋの第２離間時間ＴＳ２が、カム１５０Ｍ，１５０Ｃの第３離間時間ＴＳ３よりも小さくなるように構成されている。

第１離間時間ＴＳ１は、Ｙカム１５０Ｙの連続した回転によって接触位置にあるＹ現像ローラ６１ＹがＹ感光ドラム５０Ｙから離間し始めてからＹ感光ドラム５０Ｙに再び接触するまでの時間である。また、第２離間時間ＴＳ２は、Ｋカム１５０Ｋの連続した回転によって接触位置にあるＫ現像ローラ６１ＫがＫ感光ドラム５０Ｋから離間し始めてからＫ感光ドラム５０Ｋに再び接触するまでの時間である。また、第３離間時間ＴＳ３は、カム１５０Ｍ，１５０Ｃの連続した回転によって接触位置にある現像ローラ６１Ｍ，６１Ｃが感光ドラム５０Ｍ，５０Ｃから離間し始めてから感光ドラム５０Ｍ，５０Ｃに再び接触するまでの時間である。

図２に戻り、画像形成装置１は、現像モータ３Ｄと、プロセスモータ３Ｐと、定着モータ３Ｆと、現像モータ３Ｄの駆動力をカム１５０に伝達する駆動伝達機構１００とを備えている。プロセスモータ３Ｐは、供給機構２２、複数の感光ドラム５０、搬送装置７０の駆動ローラ７１等に駆動力を伝達するモータであり、定着モータ３Ｆは、定着器８０の加熱ローラ８１に駆動力を伝達するモータである。

駆動伝達機構１００は、現像モータ３Ｄの駆動力をカム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃに伝達する第１ギヤ列１００Ａと、現像モータ３Ｄの駆動力をＫカム１５０Ｋに伝達する第２ギヤ列１００Ｋとを有している。Ｙカム１５０Ｙ、Ｍカム１５０ＭおよびＣカム１５０Ｃは、ギヤを介して機械的に接続されており、現像モータ３Ｄの駆動力が伝達されることで同時に回転駆動するように設けられている。

第１ギヤ列１００Ａの途中には、第１ギヤ列１００Ａにおける駆動力の伝達と切断を切り替えるＹＭＣクラッチ１４０Ａが設けられている。ＹＭＣクラッチ１４０Ａは、電磁クラッチであり、現像モータ３Ｄの駆動力をカム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃに伝達する伝達状態と、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃに伝達しない切断状態とを切り替える。また、第２ギヤ列１００Ｋの途中には、第２ギヤ列１００Ｋにおける駆動力の伝達と切断を切り替えるＫクラッチ１４０Ｋが設けられている。Ｋクラッチ１４０Ｋは、電磁クラッチであり、現像モータ３Ｄの駆動力をＫカム１５０Ｋに伝達する伝達状態と、Ｋカム１５０Ｋに伝達しない切断状態とを切り替える。なお、以下では、クラッチ１４０Ａ，１４０Ｋを伝達状態とする場合をＯＮと呼び、切断状態とする場合をＯＦＦと呼ぶことがある。

また、図示は省略するが、本実施形態において、現像モータ３Ｄの駆動力は、現像ローラ６１にも伝達される。現像ローラ６１は、離間位置から接触位置に移動する途中であって対応する感光ドラム５０に接触する前に現像モータ３Ｄから駆動力が伝達されて回転し、また、接触位置から離間位置に移動する途中であって対応する感光ドラム５０から離間した後に現像モータ３Ｄからの駆動力の伝達が遮断されて回転しないように構成されている。これにより、現像ローラ６１は、接触位置に位置する場合に回転し、離間位置に位置する場合に回転しない。

カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃは、カム山１５２Ｙ，１５２Ｍ，１５２Ｃの位相が所定角度ずつずれるように組み付けられている。具体的には、Ｙカム１５０ＹとＭカム１５０Ｍは、カム山１５２Ｙ，１５２Ｍの回転方向の上流端の位相が揃っており、Ｃカム１５０Ｃは、カム山１５２Ｃの回転方向の上流端の位相がカム１５０Ｙ，１５０Ｍに対し所定角度ずれている。また、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃは、カム山１５２Ｙ，１５２Ｍ，１５２Ｃの回転方向の下流端の位相が所定角度ずつずれている。

これにより、現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃが離間位置に位置する場合に制御部２がＹＭＣクラッチ１４０ＡをＯＮとして現像モータ３Ｄからの駆動力がカム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃに伝達されると、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃは、同時に回転する。そして、シートＳの移動に合わせて、Ｙ現像ローラ６１Ｙを離間位置から接触位置に向けて移動させ始め、Ｍ現像ローラ６１ＭをＹ現像ローラ６１Ｙ以降のタイミングで離間位置から接触位置に向けて移動させ始めるとともに、Ｃ現像ローラ６１ＣをＭ現像ローラ６１Ｍよりも後のタイミングで離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。

具体的には、現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃが離間位置に位置する場合に、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃは、同時に回転すると、まず、Ｙ現像ローラ６１Ｙを接触位置に向けて移動させ始め、Ｍ現像ローラ６１ＭをＹ現像ローラ６１Ｙと略同じタイミングで接触位置に向けて移動させ始めるとともに、Ｃ現像ローラ６１ＣをＭ現像ローラ６１Ｍよりも後のタイミングで接触位置に向けて移動させ始める。これにより、Ｙ現像ローラ６１ＹとＭ現像ローラ６１Ｍが略同時に接触位置に移動し、Ｙ現像ローラ６１ＹとＭ現像ローラ６１Ｍが接触位置に移動した後にＣ現像ローラ６１Ｃが接触位置に移動する。

また、現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃが接触位置に位置する場合に制御部２がＹＭＣクラッチ１４０ＡをＯＮとして現像モータ３Ｄからの駆動力がカム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃに伝達されると、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃは、同時に回転し、シートＳの移動に合わせて、Ｙ現像ローラ６１Ｙ、Ｍ現像ローラ６１ＭおよびＣ現像ローラ６１Ｃをこの順に接触位置から離間位置に向けて移動させ始める。これにより、現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃがこの順に離間位置に移動する。

一方、Ｋカム１５０Ｋは、制御部２によりＫクラッチ１４０ＫのＯＮとＯＦＦが制御されることにより、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃとは独立して回転する。そして、Ｋカム１５０Ｋは、４つの現像ローラ６１を使ってシートＳに画像を形成するカラー印刷をする場合には、制御部２により、Ｃカム１５０Ｃよりも所定角度、位相が遅れて動作するように制御される。

具体的には、Ｋ現像ローラ６１Ｋが離間位置に位置する場合に制御部２が所定のタイミングでＫクラッチ１４０ＫをＯＮとして現像モータ３Ｄからの駆動力がＫカム１５０Ｋに伝達されると、Ｋカム１５０Ｋは、シートＳの移動に合わせて、Ｋ現像ローラ６１ＫをＣ現像ローラ６１Ｃよりも後のタイミングで離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。これにより、Ｃ現像ローラ６１Ｃが接触位置に移動した後にＫ現像ローラ６１Ｋが接触位置に移動する。

また、Ｋ現像ローラ６１Ｋが接触位置に位置する場合に制御部２が所定のタイミングでＫクラッチ１４０ＫをＯＮとして現像モータ３Ｄからの駆動力がＫカム１５０Ｋに伝達されると、Ｋカム１５０Ｋは、シートＳの移動に合わせて、Ｋ現像ローラ６１ＫをＣ現像ローラ６１Ｃよりも後のタイミングで接触位置から離間位置に向けて移動させ始める。これにより、Ｃ現像ローラ６１Ｃが接触位置に移動した後にＫ現像ローラ６１Ｋが離間位置に移動する。

以上の動作をまとめると、画像形成装置１において、カラー印刷をする場合、現像ローラ６１は、次のように動作する。
図４（ａ）に示すように、印刷を開始する前は、すべての現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃ，６１Ｋが離間位置に位置する。

そして、シートＳがＹ感光ドラム５０Ｙに近づくと、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃの回転により、Ｙ感光ドラム５０Ｙの露光開始以前に現像カートリッジ６０Ｙ，６０Ｍが同時に移動し、図４（ｂ）に示すように、現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍが接触位置に移動する。これにより、Ｍ現像カートリッジ６０ＭとＹ感光ドラム５０Ｙを露光する光ビームの光路とが重ならなくなってＹ感光ドラム５０Ｙの露光が可能となり、Ｙ現像ローラ６１ＹがＹ感光ドラム５０Ｙを現像し、Ｙ感光ドラム５０Ｙからトナー像がシートＳに転写される。

次に、シートＳがＭ感光ドラム５０Ｍに近づくと、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃの回転により、Ｍ感光ドラム５０Ｍの露光開始以前にＣ現像カートリッジ６０Ｃが移動し、図４（ｃ）に示すように、Ｃ現像ローラ６１Ｃが接触位置に移動する。これにより、Ｃ現像カートリッジ６０ＣとＭ感光ドラム５０Ｍを露光する光ビームの光路とが重ならなくなってＭ感光ドラム５０Ｍの露光が可能となり、Ｍ現像ローラ６１ＭがＭ感光ドラム５０Ｍを現像し、Ｍ感光ドラム５０Ｍからトナー像がシートＳに転写される。

次に、シートＳがＣ感光ドラム５０Ｃに近づくと、Ｋカム１５０Ｋの回転により、Ｃ感光ドラム５０Ｃの露光開始以前にＫ現像カートリッジ６０Ｋが移動し、図４（ｄ）に示すように、Ｋ現像ローラ６１Ｋが接触位置に移動する。これにより、Ｋ現像カートリッジ６０ＫとＣ感光ドラム５０Ｃを露光する光ビームの光路とが重ならなくなってＣ感光ドラム５０Ｃの露光が可能となり、Ｃ現像ローラ６１ＣがＣ感光ドラム５０Ｃを現像し、Ｃ感光ドラム５０Ｃからトナー像がシートＳに転写される。また、Ｋ現像ローラ６１Ｋが接触位置に移動したことにより、Ｋ現像ローラ６１ＫがＫ感光ドラム５０Ｋを現像し、Ｋ感光ドラム５０Ｋからトナー像がシートＳに転写される。

一方、図５（ａ）に示すように、Ｙ現像ローラ６１ＹによるＹ感光ドラム５０Ｙの現像が終了すると、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃの回転により、Ｙ現像カートリッジ６０Ｙが移動し、Ｙ現像ローラ６１Ｙが離間位置に移動する。その後、図５（ｂ）に示すように、Ｍ現像ローラ６１ＭによるＭ感光ドラム５０Ｍの現像が終了すると、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃの回転により、Ｍ現像カートリッジ６０Ｍが移動し、Ｍ現像ローラ６１Ｍが離間位置に移動する。

さらにその後、図５（ｃ）に示すように、Ｃ現像ローラ６１ＣによるＣ感光ドラム５０Ｃの現像が終了すると、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃの回転により、Ｃ現像カートリッジ６０Ｃが移動し、Ｃ現像ローラ６１Ｃが離間位置に移動する。最後に、図５（ｄ）に示すように、Ｋ現像ローラ６１ＫによるＫ感光ドラム５０Ｋの現像が終了すると、Ｋカム１５０Ｋの回転により、Ｋ現像カートリッジ６０Ｋが移動し、Ｋ現像ローラ６１Ｋが離間位置に移動する。

一方、図６（ａ）に示すように、Ｋ現像ローラ６１Ｋだけを使ってシートＳに画像を形成するモノクロ印刷をする場合も、印刷を開始する前は、すべての現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃ，６１Ｋが離間位置に位置する。そして、モノクロ印刷をする場合には、シートＳがＫ感光ドラム５０Ｋに近づくと、Ｋカム１５０Ｋの回転により、Ｋ感光ドラム５０Ｋの露光開始以前にＫ現像カートリッジ６０Ｋが移動し、図６（ｂ）に示すように、Ｋ現像ローラ６１Ｋが接触位置に移動する。これにより、Ｋ現像ローラ６１ＫがＫ感光ドラム５０Ｋを現像し、Ｋ感光ドラム５０Ｋからトナー像がシートＳに転写される。その後、図６（ｃ）に示すように、Ｋ現像ローラ６１ＫによるＫ感光ドラム５０Ｋの現像が終了すると、Ｋカム１５０Ｋの回転により、Ｋ現像カートリッジ６０Ｋが移動し、Ｋ現像ローラ６１Ｋが離間位置に移動する。

図７および図８に示すように、画像形成装置１は、離間センサ４Ｃ，４Ｋを備えている。図７（ａ），（ｂ）に示すように、離間センサ４Ｃは、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃの位相を検知する位相センサであり、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃが所定の位相範囲に位置する場合に所定の信号を出力し、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃが所定の位相範囲に位置しない場合に所定の信号を出力しない。詳しくは、離間センサ４Ｃは、検出光を発する発光部４Ｐと、発光部４Ｐと対向して配置されて発光部４Ｐからの検出光を受光可能な受光部４Ｒとを有し、Ｃカム１５０Ｃは、Ｃカム１５０Ｃの回転軸線方向に突出する第１被検知部１５４Ａを有している。

そして、離間センサ４Ｃは、Ｃカム１５０Ｃの一部である第１被検知部１５４Ａを検知した場合に所定の信号を出力する。具体的には、離間センサ４Ｃは、発光部４Ｐと受光部４Ｒの間に第１被検知部１５４Ａが入って発光部４Ｐの検出光を遮り、受光部４Ｒが検出光を受光しないときに信号を出力し、発光部４Ｐと受光部４Ｒの間から第１被検知部１５４Ａが外れて受光部４Ｒが発光部４Ｐの検出光を受光したときに信号を出力しない。離間センサ４Ｃは、直接的にはＣカム１５０Ｃの位相を検知するものであるが、間接的にカム１５０Ｙ，１５０Ｍの位相を検知することができる。なお、以下では、信号を出力する場合をＯＮと呼び、出力しない場合をＯＦＦと呼ぶことがある。信号を出力する場合と出力しない場合は、どちらの電圧が高くても構わない。

図８（ａ），（ｂ）に示すように、離間センサ４Ｋは、Ｋカム１５０Ｋの位相を検知するセンサである。離間センサ４Ｋは、離間センサ４Ｃと同様に発光部４Ｐと受光部４Ｒを有し、Ｋカム１５０Ｋは、現像ローラ６１の回転軸線方向に突出する２つの第２被検知部１５４Ｋを有している。離間センサ４Ｋは、発光部４Ｐと受光部４Ｒの間にＫカム１５０Ｋに設けられた第２被検知部１５４Ｋが入って発光部４Ｐの検出光を遮り、受光部４Ｒが検出光を受光しないときにＯＮとなり、発光部４Ｐと受光部４Ｒの間から第２被検知部１５４Ｋが外れて受光部４Ｒが発光部４Ｐの検出光を受光したときにＯＦＦとなる。

Ｃカム１５０Ｃの第１被検知部１５４Ａは、Ｃ現像ローラ６１Ｃが接触位置から離間位置に移動したタイミングで離間センサ４Ｃに検知される位置に配置されている。また、Ｋカム１５０Ｋの２つの第２被検知部１５４Ｋは、Ｋ現像ローラ６１Ｋが接触位置から離間位置に移動したタイミングで離間センサ４Ｋに検知される２つの位置に１つずつ配置されている。なお、図示は省略しているが、Ｃカム１５０Ｃと同じ部品であるＭカム１５０Ｍにも、第１被検知部１５４Ａと同様の形状の部分が設けられているが、画像形成装置１にはＭカム１５０Ｍに対応する離間センサが設けられていないので、Ｍカム１５０Ｍの当該部分は、被検知部としては機能しない。

制御部２は、画像形成装置１の動作を制御する装置である。制御部２は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、入出力部等を有し、予め記憶されたプログラムを実行することで各処理を実行する。本実施形態において、制御部２は、第１レジ前センサ２８Ｂ、レジ後センサ２８Ｃ、離間センサ４Ｃ，４Ｋ等からの信号に基づいて、ＹＭＣクラッチ１４０ＡやＫクラッチ１４０Ｋを制御することで、現像ローラ６１の感光ドラム５０に対する接触と離間を制御する。

制御部２は、複数の現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃ，６１Ｋを使ってシートＳに画像を形成するカラー印刷と、ブラックのＫ現像ローラ６１Ｋだけを使ってシートＳに画像を形成するモノクロ印刷とを実行可能である。

また、制御部２は、第１トレイ２１からシートＳを供給してカラー印刷をする場合、まず、第１供給ローラ２３を制御して第１トレイ２１に支持されたシートＳのピックアップを開始する。その後に、制御部２は、第１移動機構５Ａを制御して現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃを離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。その後、制御部２は、第２移動機構５Ｋを制御してＫ現像ローラ６１Ｋを離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。

詳しくは、制御部２は、まず、印刷ジョブを受信した時点から第４時間が経過したタイミングで第１供給ローラ２３を駆動させて第１トレイ２１に支持されたシートＳのピックアップを開始する。本実施形態では、制御部２は、まず、印刷ジョブを受信してから画像形成装置１の印刷の準備ができたタイミングで第１供給ローラ２３を回転させる。ここで、画像形成装置１の印刷の準備ができたタイミングとは、一例として、シートＳに転写される画像の画像データの準備ができたタイミング、すなわち、印刷ジョブに含まれる画像データをラスタ形式の画像データに展開する処理が完了したタイミングである。

また、「第４時間」（および後述する「第１時間」）は、変化しない一定の時間（固定値）であってもよいが、本実施形態のように変化する時間であってもよい。すなわち、本実施形態では、第１時間、第４時間は、画像形成装置１の印刷の準備ができるまでの時間に相当するが、この時間は、例えば、画像データのサイズや、画像データを展開する処理の速度等により変化する。

次に、制御部２は、第１レジ前センサ２８Ｂが、第１トレイ２１から送り出されたシートＳの前端の通過を検知した時点から第５時間Ｔ１１が経過したタイミングで第１移動機構５Ａを駆動させて、具体的には、ＹＭＣクラッチ１４０ＡをＯＮとしてカム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃを回転させ、現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃを離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。その後、制御部２は、レジ後センサ２８ＣがシートＳの前端の通過を検知した時点から第３時間Ｔ２１が経過したタイミングで第２移動機構５Ｋを駆動させて、具体的には、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＮとしてＫカム１５０Ｋを回転させ、Ｋ現像ローラ６１Ｋを離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。

一方、制御部２は、第１トレイ２１からシートＳを供給してモノクロ印刷をする場合、まず、第１供給ローラ２３を制御して第１トレイ２１に支持されたシートＳのピックアップを開始する。その後に、制御部２は、第２移動機構５Ｋを制御してＫ現像ローラ６１Ｋを離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。

詳しくは、制御部２は、まず、印刷ジョブを受信してから画像形成装置１の印刷の準備ができたタイミングで第１供給ローラ２３を回転させて第１トレイ２１に支持されたシートＳのピックアップを開始する。その後、制御部２は、レジ後センサ２８ＣがシートＳの前端の通過を検知した時点から第３時間Ｔ２１が経過したタイミングでＫクラッチ１４０ＫをＯＮとしてＫカム１５０Ｋを回転させ、Ｋ現像ローラ６１Ｋを離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。

また、制御部２は、手差しトレイ４１からシートＳを供給してカラー印刷をする場合、まず、第１移動機構５Ａを制御して現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃを離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。その後に、制御部２は、手差し供給ローラ４３を制御して手差しトレイ４１に支持されたシートＳのピックアップを開始する。その後、制御部２は、第２移動機構５Ｋを制御してＫ現像ローラ６１Ｋを離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。

詳しくは、制御部２は、まず、印刷ジョブを受信した時点から第１時間が経過したタイミングで第１移動機構５Ａを駆動させて現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃを離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。本実施形態では、制御部２は、まず、印刷ジョブを受信してから画像形成装置１の印刷の準備ができたタイミングでＹＭＣクラッチ１４０ＡをＯＮとしてカム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃを回転させる。

次に、制御部２は、第１移動機構５Ａのカム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃの回転駆動を開始した時点、すなわち、ＹＭＣクラッチ１４０ＡをＯＮとした時点から第２時間Ｔ１０が経過したタイミングで手差し供給ローラ４３を回転駆動させて手差しトレイ４１に支持されたシートＳのピックアップを開始する。その後、制御部２は、レジ後センサ２８Ｃが、手差しトレイ４１から送り出されたシートＳの前端の通過を検知した時点から第３時間Ｔ２１が経過したタイミングでＫクラッチ１４０ＫをＯＮとしてＫカム１５０Ｋを回転させ、Ｋ現像ローラ６１Ｋを離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。

一方、制御部２は、手差しトレイ４１からシートＳを供給してモノクロ印刷をする場合、まず、手差し供給ローラ４３を制御して手差しトレイ４１に支持されたシートＳのピックアップを開始する。その後に、制御部２は、第２移動機構５Ｋを制御してＫ現像ローラ６１Ｋを離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。

詳しくは、制御部２は、まず、印刷ジョブを受信してから画像形成装置１の印刷の準備ができたタイミングで手差し供給ローラ４３を回転させて手差しトレイ４１に支持されたシートＳのピックアップを開始する。その後、制御部２は、レジ後センサ２８ＣがシートＳの前端の通過を検知した時点から第３時間Ｔ２１が経過したタイミングでＫクラッチ１４０ＫをＯＮとしてＫカム１５０Ｋを回転させ、Ｋ現像ローラ６１Ｋを離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。

次に、制御部２での処理の一例について、図９～図１６を参照して説明する。
図９に示すように、制御部２は、印刷ジョブを受信したとき、印刷ジョブに含まれる画像形成の指示がカラー印刷であるか否かを判定する（Ｓ１１）。カラー印刷である場合（Ｓ１１，Ｙｅｓ）、制御部２は、印刷ジョブに含まれるシートＳの供給元のトレイの情報が手差しトレイ４１であるか否かを判定する（Ｓ１２）。そして、手差しトレイ４１からシートＳを供給する場合（Ｓ１２，Ｙｅｓ）、制御部２は、手差しカラー印刷の処理を実行する（Ｓ１３）。一方、第１トレイ２１からシートＳを供給する場合（Ｓ１２，Ｎｏ）、制御部２は、第１カラー印刷の処理を実行する（Ｓ１４）。

また、ステップＳ１１において、画像形成の指示がモノクロ印刷である場合（Ｓ１１，Ｎｏ）、制御部２は、モノクロ印刷の処理を実行する（Ｓ１５）。そして、印刷の処理が終了すると、制御部２は、印刷ジョブに次の頁への画像形成の指示が含まれるか否かを判定し（Ｓ１６）、次の頁がある場合（Ｓ１６，Ｙｅｓ）、ステップＳ１１からの処理を繰り返し、次の頁がない場合（Ｓ１６，Ｎｏ）、処理を終了する。

次に、図１０および図１１を参照して、第１カラー印刷の処理（Ｓ１４）、すなわち、第１トレイ２１からシートＳを供給してカラー印刷をする場合の処理について説明する。なお、図１１等のタイミングチャートでは、一番上の現像ローラ６１（６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃ）の動作のタイミングチャートについて、線種を変えて、Ｙ現像ローラ６１Ｙ、Ｍ現像ローラ６１ＭおよびＣ現像ローラ６１Ｃの動作を示している。また、露光のタイミングチャートについて、線種を変えて、Ｙ感光ドラム５０Ｙを露光する光ビーム、Ｍ感光ドラム５０Ｍを露光する光ビーム、Ｃ感光ドラム５０Ｃを露光する光ビーム、Ｋ感光ドラム５０Ｋを露光する光ビームのＯＮとＯＦＦのタイミングを示している。

印刷の処理を開始する前、すべての現像ローラ６１は、離間位置に位置する。制御部２は、第１カラー印刷の処理を開始すると、まず、ＹＭＣクラッチ１４０ＡとＫクラッチ１４０ＫをＯＮにして（Ｓ１０１，ｔ３０）、すべてのカム１５０を回転させる。そして、カム１５０Ｃ，１５０Ｋの回転により離間センサ４Ｃ，４ＫがＯＦＦになると（Ｓ１０２，Ｙｅｓ）、制御部２は、ＹＭＣクラッチ１４０ＡとＫクラッチ１４０ＫをＯＦＦにして（Ｓ１０３，ｔ３１）、カム１５０を停止させる。この動作は、現像ローラ６１を接触位置に移動させるために、カム１５０を所定の位相まで予め回転させておく動作である。

次に、制御部２は、印刷の準備ができたか否かを判定する（Ｓ１１１）。そして、印刷の準備ができた場合（Ｓ１１１，Ｙｅｓ）、制御部２は、第１供給ローラ２３を回転させて（以下、ＯＮと呼ぶ。）、第１トレイ２１からシートＳをピックアップする（Ｓ１１２，ｔ３２）。

次に、制御部２は、送り出されたシートＳの前端の通過を第１レジ前センサ２８Ｂが検知した時点（第１レジ前センサ２８ＢがＯＮとなった時点）（ｔ３３）から第５時間Ｔ１１が経過したか否かを判定する（Ｓ１１３）。そして、第１レジ前センサ２８ＢがＯＮとなった時点から第５時間Ｔ１１が経過した場合（Ｓ１１３，Ｙｅｓ）、制御部２は、ＹＭＣクラッチ１４０ＡをＯＮにする（Ｓ１１４，ｔ３４）。これにより、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃが回転し、現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃの接触位置に向けての移動が開始される。第５時間Ｔ１１は、Ｙ現像ローラ６１Ｙにより現像されたＹ感光ドラム５０Ｙ上のトナー像が、第１トレイ２１から供給されてきたシートＳへの転写に間に合うような時間に設定されている。

次に、制御部２は、送り出されたシートＳの前端の通過をレジ後センサ２８Ｃが検知した時点（レジ後センサ２８ＣがＯＮとなった時点）（ｔ３５）から第３時間Ｔ２１が経過したか否かを判定する（Ｓ１３１）。そして、第３時間Ｔ２１が経過した場合（Ｓ１３１，Ｙｅｓ）、制御部２は、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＮにする（Ｓ１３２，ｔ３６）。これにより、Ｋカム１５０Ｋが回転し、Ｋ現像ローラ６１Ｋの接触位置に向けての移動が開始される。第３時間Ｔ２１は、Ｋ現像ローラ６１Ｋにより現像されたＫ感光ドラム５０Ｋ上のトナー像が、供給されてきたシートＳへの転写に間に合うような時間に設定されている。

その後、制御部２は、ＹＭＣクラッチ１４０ＡをＯＮにした時点から所定時間Ｔ１２が経過したか否かを判定し（Ｓ１４１）、経過した場合（Ｓ１４１，Ｙｅｓ）、ＹＭＣクラッチ１４０ＡをＯＦＦにして（Ｓ１４２，ｔ３７）、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃを停止させる。所定時間Ｔ１２は、現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃのすべてが接触位置に位置するような時間に設定されている。また、制御部２は、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＮにした時点から所定時間Ｔ２２が経過したか否かを判定し（Ｓ１４３）、経過した場合（Ｓ１４３，Ｙｅｓ）、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＦＦにして（Ｓ１４４，ｔ３８）、Ｋカム１５０Ｋを停止させる。所定時間Ｔ２２は、Ｋ現像ローラ６１Ｋが接触位置に位置するような時間に設定されている。

なお、制御部２は、レジ後センサ２８ＣがＯＮとなった時点（ｔ３５）から所定時間ＴＥ１が経過した場合に露光装置４０から光ビームを照射させて感光ドラム５０Ｙ，５０Ｍ，５０Ｍ，５０Ｋの露光を順次開始する。Ｙ現像ローラ６１ＹとＭ現像ローラ６１Ｍは、Ｙ感光ドラム５０Ｙの露光開始と略同時に接触位置に位置し、Ｃ現像ローラ６１Ｃは、Ｍ感光ドラム５０Ｍの露光開始と略同時に接触位置に位置し、Ｋ現像ローラ６１Ｋは、Ｃ感光ドラム５０Ｃの露光開始と略同時に接触位置に位置する。

その後、制御部２は、シートＳの後端の通過をレジ後センサ２８Ｃが検知した時点（レジ後センサ２８ＣがＯＦＦとなった時点）（ｔ３９）から所定時間Ｔ１３が経過したか否かを判定し（Ｓ１５１）、経過した場合（Ｓ１５１，Ｙｅｓ）、ＹＭＣクラッチ１４０ＡをＯＮにする（Ｓ１５２，ｔ４０）。これにより、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃが回転し、現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃの離間位置に向けての移動が開始される。所定時間Ｔ１３は、Ｙ現像ローラ６１ＹによりＹ感光ドラム５０Ｙの現像が完了し、さらに、Ｙ感光ドラム５０ＹからシートＳへの転写が終わった直後にＹ現像ローラ６１Ｙが離間位置に位置するような時間に設定されている。

また、制御部２は、レジ後センサ２８ＣがＯＦＦとなった時点（ｔ３９）から所定時間Ｔ２３が経過したか否かを判定し（Ｓ１５３）、経過した場合（Ｓ１５３，Ｙｅｓ）、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＮにする（Ｓ１５４，ｔ４１）。これにより、Ｋカム１５０Ｋが回転し、Ｋ現像ローラ６１Ｋの離間位置に向けての移動が開始される。所定時間Ｔ２３は、Ｋ現像ローラ６１ＫによりＫ感光ドラム５０Ｋの現像が完了し、さらに、Ｋ感光ドラム５０ＫからシートＳへの転写が終わった直後にＫ現像ローラ６１Ｋが離間位置に位置するような時間に設定されている。

なお、制御部２は、レジ後センサ２８ＣがＯＦＦとなった時点（ｔ３９）から所定時間ＴＥ２が経過した場合に露光装置４０からの光ビームの照射を停止して感光ドラム５０Ｙ，５０Ｍ，５０Ｍ，５０Ｋの露光を順次終了する。Ｙ現像ローラ６１Ｙは、Ｙ感光ドラム５０Ｙの露光終了と略同時に離間位置に向けて移動を開始し、Ｍ現像ローラ６１Ｍは、Ｍ感光ドラム５０Ｍの露光終了と略同時に離間位置に向けて移動を開始し、Ｃ現像ローラ６１Ｃは、Ｃ感光ドラム５０Ｃの露光終了と略同時に離間位置に向けて移動を開始し、Ｋ現像ローラ６１Ｋは、Ｋ感光ドラム５０Ｋの露光終了と略同時に離間位置に向けて移動を開始する。

その後、制御部２は、シアンの離間センサ４ＣがＯＮとなったか否かを判定し（Ｓ１６１）、ＯＮとなった場合（Ｓ１６１，Ｙｅｓ）、ＹＭＣクラッチ１４０ＡをＯＦＦにして（Ｓ１６２，ｔ４２）、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃを停止させる。また、制御部２は、ブラックの離間センサ４ＫがＯＮとなったか否かを判定し（Ｓ１６３）、ＯＮとなった場合（Ｓ１６３，Ｙｅｓ）、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＦＦにして（Ｓ１６４，ｔ４３）、Ｋカム１５０Ｋを停止させる。

次に、図１２および図１３を参照して、モノクロ印刷の処理（Ｓ１５）、ここでは、第１トレイ２１からシートＳを供給してモノクロ印刷をする場合の処理について説明する。モノクロ印刷の処理中、制御部２は、ＹＭＣクラッチ１４０Ａを一切動かさず、現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃを離間位置に位置させたままとする。

制御部２は、モノクロ印刷の処理を開始すると、まず、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＮにして（Ｓ２０１，ｔ３０）、Ｋカム１５０Ｋを回転させる。そして、Ｋカム１５０Ｋの回転によりブラックの離間センサ４ＫがＯＦＦになると（Ｓ２０２，Ｙｅｓ）、制御部２は、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＦＦにして（Ｓ２０３，ｔ３１）、Ｋカム１５０Ｋを停止させる。

次に、制御部２は、印刷の準備ができたか否かを判定する（Ｓ２１１）。そして、印刷の準備ができた場合（Ｓ２１１，Ｙｅｓ）、制御部２は、第１供給ローラ２３をＯＮとして第１トレイ２１からシートＳをピックアップする（Ｓ２１２，ｔ３２）。次に、制御部２は、レジ後センサ２８ＣがＯＮとなった時点（ｔ３５）から第３時間Ｔ２１が経過したか否かを判定し（Ｓ２３１）、経過した場合（Ｓ２３１，Ｙｅｓ）、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＮにする（Ｓ２３２，ｔ４６）。これにより、Ｋカム１５０Ｋが回転し、Ｋ現像ローラ６１Ｋの接触位置に向けての移動が開始される。その後、制御部２は、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＮにした時点から所定時間Ｔ２２が経過したか否かを判定し（Ｓ２４１）、経過した場合（Ｓ２４１，Ｙｅｓ）、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＦＦにして（Ｓ２４２，ｔ４８）、Ｋカム１５０Ｋを停止させる。

なお、制御部２は、レジ後センサ２８ＣがＯＮとなった時点（ｔ３５）から所定時間ＴＥ１が経過した場合に露光装置４０から光ビームを照射させてＫ感光ドラム５０Ｋの露光を開始する。ここで、モノクロ印刷における所定時間ＴＥ１と、カラー印刷における所定時間ＴＥ１は異なる時間であり、また、モノクロ印刷における第３時間Ｔ２１と、カラー印刷における第３時間Ｔ２１も異なる時間である。モノクロ印刷の場合、第３時間Ｔ２１は、Ｋ現像ローラ６１Ｋにより現像されたＫ感光ドラム５０Ｋ上のトナー像が、供給されてきたシートＳへの転写に間に合うような時間であって、かつ、Ｋ現像ローラ６１Ｋが、Ｋ感光ドラム５０Ｋの露光開始と略同時に接触位置に位置するような時間に設定されている。

Ｋ現像ローラ６１Ｋは、カラー印刷の場合、Ｃ感光ドラム５０Ｃの露光開始と略同時に接触位置に位置したが（図１１、ｔ９１参照）、モノクロ印刷の場合には、カラー印刷の場合よりも遅れて、Ｋ感光ドラム５０Ｋの露光開始と略同時に接触位置に位置する（ｔ９２参照）。これにより、１枚のシートＳに画像を形成するときに、Ｋ現像ローラ６１ＫとＫ感光ドラム５０Ｋが接触する時間を短くすることができる。

その後、制御部２は、レジ後センサ２８ＣがＯＦＦとなった時点（ｔ３９）から所定時間Ｔ２３が経過したか否かを判定し（Ｓ２５１）、経過した場合（Ｓ２５１，Ｙｅｓ）、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＮにする（Ｓ２５２，ｔ４１）。これにより、Ｋカム１５０Ｋが回転し、Ｋ現像ローラ６１Ｋの離間位置に向けての移動が開始される。

なお、制御部２は、レジ後センサ２８ＣがＯＦＦとなった時点（ｔ３９）から所定時間ＴＥ２が経過した場合に露光装置４０からの光ビームの照射を停止してＫ感光ドラム５０Ｋの露光を終了する。Ｋ現像ローラ６１Ｋは、Ｋ感光ドラム５０Ｋの露光終了と略同時に離間位置に向けて移動を開始する。モノクロ印刷における所定時間ＴＥ２と、カラー印刷における所定時間ＴＥ２は異なる時間である。

その後、制御部２は、ブラックの離間センサ４ＫがＯＮとなったか否かを判定し（Ｓ２６１）、ＯＮとなった場合（Ｓ２６１，Ｙｅｓ）、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＦＦにして（Ｓ２６２，ｔ４３）、Ｋカム１５０Ｋを停止させる。

次に、図１４および図１５を参照して、手差しカラー印刷の処理（Ｓ１３）、すなわち、手差しトレイ４１からシートＳを供給してカラー印刷をする場合の処理について説明する。手差しカラー印刷の場合、シートＳをピックアップするタイミングと、ＹＭＣクラッチ１４０ＡをＯＮにするタイミングが、第１カラー印刷の場合と逆となる。なお、以下では、先に説明した処理と同様の点については適宜説明を省略し、異なる点について詳細に説明する。

制御部２は、手差しカラー印刷の処理を開始すると、まず、現像ローラ６１を接触位置に移動させるために、カム１５０を所定の位相まで予め回転させておく（Ｓ１０１～Ｓ１０３）。

次に、制御部２は、印刷の準備ができたか否かを判定する（Ｓ１１１）。そして、印刷の準備ができた場合（Ｓ１１１，Ｙｅｓ）、制御部２は、ＹＭＣクラッチ１４０ＡをＯＮにする（Ｓ１１４，ｔ３２）。これにより、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃが回転し、現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃの接触位置に向けての移動が開始される。次に、制御部２は、ＹＭＣクラッチ１４０ＡをＯＮにした時点から第２時間Ｔ１０が経過したか否かを判定する（Ｓ１２１）。そして、第２時間Ｔ１０が経過した場合（Ｓ１２１，Ｙｅｓ）、制御部２は、手差し供給ローラ４３をＯＮとして手差しトレイ４１からシートＳをピックアップする（Ｓ１２２，ｔ５２）。第２時間Ｔ１０は、Ｙ現像ローラ６１Ｙにより現像されたＹ感光ドラム５０Ｙ上のトナー像が、手差しトレイ４１から供給されてきたシートＳへの転写に間に合うような時間に設定されている。

その後、制御部２は、送り出されたシートＳの前端の通過によりレジ後センサ２８ＣがＯＮとなった時点（ｔ５５）から第３時間Ｔ２１が経過した場合（Ｓ１３１，Ｙｅｓ）、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＮにし（Ｓ１３２，ｔ５６）、Ｋ現像ローラ６１Ｋの接触位置に向けての移動を開始する。なお、手差しカラー印刷における第３時間Ｔ２１と、第１カラー印刷における第３時間Ｔ２１は異なる時間であり、手差しカラー印刷における所定時間ＴＥ１と、第１カラー印刷における所定時間ＴＥ１は異なる時間である。

その後、制御部２は、ＹＭＣクラッチ１４０ＡをＯＮにした時点から所定時間Ｔ１２が経過した場合（Ｓ１４１，Ｙｅｓ）、ＹＭＣクラッチ１４０ＡをＯＦＦにして（Ｓ１４２，ｔ５７）、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃを停止させ、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＮにした時点から所定時間Ｔ２２が経過した場合（Ｓ１４３，Ｙｅｓ）、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＦＦにして（Ｓ１４４，ｔ５８）、Ｋカム１５０Ｋを停止させる。

その後、制御部２は、レジ後センサ２８ＣがＯＦＦとなった時点（ｔ５９）から所定時間Ｔ１３が経過した場合（Ｓ１５１，Ｙｅｓ）、ＹＭＣクラッチ１４０ＡをＯＮにし（Ｓ１５２，ｔ６０）。現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃの離間位置に向けての移動を開始する。また、制御部２は、レジ後センサ２８ＣがＯＦＦとなった時点（ｔ３９）から所定時間Ｔ２３が経過した場合（Ｓ１５３，Ｙｅｓ）、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＮにし（Ｓ１５４，ｔ６１）、Ｋ現像ローラ６１Ｋの離間位置に向けての移動を開始する。

その後、制御部２は、シアンの離間センサ４ＣがＯＮとなった場合（Ｓ１６１，Ｙｅｓ）、ＹＭＣクラッチ１４０ＡをＯＦＦにして（Ｓ１６２，ｔ６２）、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃを停止させ、ブラックの離間センサ４ＫがＯＮとなった場合（Ｓ１６３，Ｙｅｓ）、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＦＦにして（Ｓ１６４，ｔ６３）、Ｋカム１５０Ｋを停止させる。

次に、図１２および図１６を参照して、手差しトレイ４１からシートＳを供給してモノクロ印刷をする場合の処理について説明する。
制御部２は、モノクロ印刷の処理を開始すると、まず、ステップＳ２０１～Ｓ２０３の処理を実行する。

次に、制御部２は、印刷の準備ができたか否かを判定する（Ｓ２１１）。そして、印刷の準備ができた場合（Ｓ２１１，Ｙｅｓ）、制御部２は、手差し供給ローラ４３をＯＮとして手差しトレイ４１からシートＳをピックアップする（Ｓ２１２，ｔ７２）。次に、制御部２は、レジ後センサ２８ＣがＯＮとなった時点（ｔ７５）から第３時間Ｔ２１が経過したか否かを判定し（Ｓ２３１）、経過した場合（Ｓ２３１，Ｙｅｓ）、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＮにする（Ｓ２３２，ｔ７６）。これにより、Ｋカム１５０Ｋが回転し、Ｋ現像ローラ６１Ｋの接触位置に向けての移動が開始される。モノクロ印刷において、手差しトレイ４１からシートＳを供給する場合の第３時間Ｔ２１と、第１トレイ２１からシートＳを供給する場合の第３時間Ｔ２１は異なる時間である。

その後、制御部２は、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＮにした時点から所定時間Ｔ２２が経過した場合（Ｓ２４１，Ｙｅｓ）、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＦＦにして（Ｓ２４２，ｔ７８）、Ｋカム１５０Ｋを停止させる。なお、モノクロ印刷において、手差しトレイ４１からシートＳを供給する場合の所定時間ＴＥ１と、第１トレイ２１からシートＳを供給する場合の所定時間ＴＥ１は異なる時間である。

その後、制御部２は、レジ後センサ２８ＣがＯＦＦとなった時点（ｔ７９）から所定時間Ｔ２３が経過した場合（Ｓ２５１，Ｙｅｓ）、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＮにし（Ｓ２５２，ｔ８１）、Ｋ現像ローラ６１Ｋの離間位置に向けての移動を開始する。その後、制御部２は、ブラックの離間センサ４ＫがＯＮとなった場合（Ｓ２６１，Ｙｅｓ）、Ｋクラッチ１４０ＫをＯＦＦにして（Ｓ２６２，ｔ８３）、Ｋカム１５０Ｋを停止させる。

次に、実施形態に係る画像形成装置１の作用効果について説明する。
画像形成装置１は、シートＳの搬送経路に沿ったＹ感光ドラム５０Ｙまでの距離が小さい手差しトレイ４１からシートＳを供給してカラー印刷をする場合において、Ｙ現像ローラ６１Ｙを、手差しトレイ４１からシートＳをピックアップするよりも早く接触位置に向けて移動させ始めるので、その後に供給されたシートＳがＹ感光ドラム５０Ｙに到達するのに十分に間に合うタイミングでＹ現像ローラ６１ＹをＹ感光ドラム５０Ｙに接触させることができる。また、すべての現像ローラ６１を対応する感光ドラム５０に接触させた後にシートＳをピックアップする場合と比較して、１枚のシートＳに画像を形成するときに、現像ローラ６１と感光ドラム５０が接触する時間を短くすることができる。

また、画像形成装置１は、シートＳの搬送経路に沿ったＹ感光ドラム５０Ｙまでの距離が大きい第１トレイ２１からシートＳを供給してカラー印刷をする場合には、Ｙ現像ローラ６１Ｙを、第１トレイ２１からシートＳをピックアップした後に接触位置に向けて移動させ始めるので、手差しトレイ４１からシートＳを供給してカラー印刷をする場合と同様にＹ現像ローラ６１Ｙを早めに接触位置に向けて移動させ始める場合と比較して、１枚のシートＳに画像を形成するときに、Ｙ現像ローラ６１ＹとＹ感光ドラム５０Ｙが接触する時間を短くすることができる。

また、画像形成装置１は、シートＳの移動に合わせて、現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍを略同時に離間位置から接触位置に移動させた後にＣ現像ローラ６１Ｃを接触位置に移動させ、また、現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃをこの順に接触位置から離間位置に移動させるように構成されているので、現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃを、同時に接触位置に移動させ、また、同時に離間位置に移動させる場合と比較して、１枚のシートＳに画像を形成するときに、現像ローラ６１Ｙ，６１Ｍ，６１Ｃと対応する感光ドラム５０Ｙ，５０Ｍ，５０Ｃが接触する時間を短くすることができる。

また、画像形成装置１は、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃの位相を検知する離間センサ４Ｃであって、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃが所定の位相範囲に位置する場合にＯＮとなり、所定の位相範囲に位置しない場合にＯＦＦとなる離間センサ４Ｃを備えるので、離間センサ４ＣがＯＮとなる位相範囲を基準としてカム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃを制御することができる。これにより、カム１５０Ｙ，１５０Ｍ，１５０Ｃの制御の精度を高めることができる。一方で、離間センサ４Ｃは、Ｃカム１５０Ｃに対応して設けられ、Ｃカム１５０Ｃの一部である第１被検知部１５４Ａを検知した場合にＯＮとなるので、離間センサを各カムのそれぞれに対応して設ける必要がない。これにより、離間センサ４Ｃの数を最小源とすることができる。

以上に発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されることなく適宜変形して実施することが可能である。
例えば、前記実施形態では、第１シートセンサとしてレジ後センサ２８Ｃを例示したが、第１シートセンサは、レジ後センサ２８Ｃ以外の、シートの通過を検知可能なセンサであってもよい。第２シートセンサについても同様である。

また、前記実施形態で説明した、現像ローラ６１を対応する感光ドラム５０に対して接触、離間させるための構成は一例である。例えば、前記実施形態では、カム１５０は、外周面にカム山を有していたが、カムは、端面カム等であってもよい。また、前記実施形態では、カム１５０が、直接、現像カートリッジ６０を押圧する構成であったが、例えば、カムが、カムフォロワ等、現像カートリッジとは別の部材を押圧し、当該別の部材が現像カートリッジを押圧する構成であってもよい。また、前記実施形態では、現像カートリッジ６０は、前後に移動するように支持されていたが、現像カートリッジは、上下に移動するように支持されていてもよい。

また、前記実施形態では、画像形成装置１が、第１トレイ２１と手差しトレイ４１の２つのトレイを備えていたが、さらに、シートＳの搬送経路に沿ったＹ感光ドラム５０Ｙからの距離が第１トレイ２１よりも大きい第２トレイを１つ以上備えていてもよい。また、画像形成装置は、第１トレイ２１を備えず、手差しトレイ４１のみを備える構成であってもよい。

また、前記実施形態では、４色のトナーを用いて画像を形成する画像形成装置１を例示したが、例えば、２色や３色、または、５色以上のトナーを用いて画像を形成する画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置は、プリンタに限定されず、複合機やコピー機等であってもよい。

また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、適宜組み合わせて実施することが可能である。

１ 画像形成装置
２ 制御部
５Ａ 第１移動機構
５Ｋ 第２移動機構
２１ 第１トレイ
２３ 第１供給ローラ
２８Ｂ 第１レジ前センサ
２８Ｃ レジ後センサ
４１ 手差しトレイ
４３ 手差し供給ローラ
５０ 感光ドラム
５０Ｙ Ｙ感光ドラム
５０Ｍ Ｍ感光ドラム
５０Ｃ Ｃ感光ドラム
５０Ｋ Ｋ感光ドラム
６１ 現像ローラ
６１Ｙ Ｙ現像ローラ
６１Ｍ Ｍ現像ローラ
６１Ｃ Ｃ現像ローラ
６１Ｋ Ｋ現像ローラ
Ｓ シート

Claims (6)

1. シートを支持する手差しトレイと、
   前記手差しトレイに支持されたシートをピックアップする手差し供給ローラと、
   第１感光ドラムと、シートの搬送方向において前記第１感光ドラムの下流側に配置された第２感光ドラムとを含む複数の感光ドラムと、
   前記第１感光ドラムにトナーを供給する第１現像ローラと、前記第２感光ドラムにトナーを供給する第２現像ローラとを含む複数の現像ローラであって、前記複数の感光ドラムのうちの対応する感光ドラムに接触する接触位置と、当該感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な複数の現像ローラと、
   前記第１現像ローラを前記接触位置と前記離間位置との間で移動させる第１移動機構と、
   前記第２現像ローラを前記接触位置と前記離間位置との間で移動させる第２移動機構と、
   制御部と、を備え、
   前記制御部は、
   前記複数の現像ローラを使ってシートに画像を形成するカラー印刷と、前記第２現像ローラだけを使ってシートに画像を形成するモノクロ印刷とを実行可能であり、
   前記手差しトレイからシートを供給して前記カラー印刷をする場合、
   前記第１移動機構を制御して前記第１現像ローラを前記離間位置から前記接触位置に向けて移動させ始めた後に、
   前記手差し供給ローラを制御して前記手差しトレイに支持されたシートのピックアップを開始し、
   その後、前記第２移動機構を制御して前記第２現像ローラを前記離間位置から前記接触位置に向けて移動させ始め、
   前記手差しトレイからシートを供給して前記モノクロ印刷をする場合、
   前記手差し供給ローラを制御して前記手差しトレイに支持されたシートのピックアップを開始した後に、
   前記第２移動機構を制御して前記第２現像ローラを前記離間位置から前記接触位置に向けて移動させ始めることを特徴とする画像形成装置。
2. 前記制御部は、前記手差しトレイからシートを供給して前記カラー印刷をする場合、
   印刷ジョブを受信した時点から第１時間が経過したタイミングで前記第１移動機構を駆動させて前記第１現像ローラを前記離間位置から前記接触位置に向けて移動させ始め、
   前記第１移動機構の駆動を開始した時点から第２時間が経過したタイミングで前記手差し供給ローラを駆動させて前記手差しトレイに支持されたシートのピックアップを開始することを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
3. シートの通過を検知可能な第１シートセンサであって、前記搬送方向において前記第１感光ドラムの上流側に配置された第１シートセンサを備え、
   前記制御部は、前記第１シートセンサがシートの前端の通過を検知した時点から第３時間が経過したタイミングで前記第２移動機構を駆動させて前記第２現像ローラを前記離間位置から前記接触位置に向けて移動させ始めることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の画像形成装置。
4. シートを支持する第１トレイであって、シートの搬送経路に沿った前記第１感光ドラムまでの距離が前記手差しトレイよりも大きい第１トレイと、
   前記第１トレイに支持されたシートをピックアップする第１供給ローラと、を備え、
   前記制御部は、
   前記第１トレイからシートを供給して前記カラー印刷をする場合、
   前記第１供給ローラを制御して前記第１トレイに支持されたシートのピックアップを開始した後に、
   前記第１移動機構を制御して前記第１現像ローラを前記離間位置から前記接触位置に向けて移動させ始め、
   その後、前記第２移動機構を制御して前記第２現像ローラを前記離間位置から前記接触位置に向けて移動させ始め、
   前記第１トレイからシートを供給して前記モノクロ印刷をする場合、
   前記第１供給ローラを制御して前記第１トレイに支持されたシートのピックアップを開始した後に、
   前記第２移動機構を制御して前記第２現像ローラを前記離間位置から前記接触位置に向けて移動させ始めることを特徴とする請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の画像形成装置。
5. シートの通過を検知可能な第２シートセンサであって、前記搬送方向において前記第１トレイの下流側であって前記第１感光ドラムの上流側に配置された第２シートセンサを備え、
   前記制御部は、前記第１トレイからシートを供給して前記カラー印刷をする場合、
   印刷ジョブを受信した時点から第４時間が経過したタイミングで前記第１供給ローラを駆動させて前記第１トレイに支持されたシートのピックアップを開始し、
   前記第２シートセンサがシートの前端の通過を検知した時点から第５時間が経過したタイミングで前記第１移動機構を駆動させて前記第１現像ローラを前記離間位置から前記接触位置に向けて移動させ始めることを特徴とする請求項４に記載の画像形成装置。
6. 前記複数の感光ドラムは、前記搬送方向において前記第１感光ドラムと前記第２感光ドラムの間に配置された第３感光ドラムと、前記搬送方向において前記第３感光ドラムと前記第２感光ドラムの間に配置された第４感光ドラムとを含み、
   前記複数の現像ローラは、前記第３感光ドラムにトナーを供給する第３現像ローラと、前記第４感光ドラムにトナーを供給する第４現像ローラとを含み、
   前記第１移動機構は、
   シートの移動に合わせて、前記第３現像ローラを前記第１現像ローラ以降のタイミングで前記離間位置から前記接触位置に向けて移動させ始めるとともに、前記第４現像ローラを前記第３現像ローラよりも後のタイミングで前記離間位置から前記接触位置に向けて移動させ始め、
   シートの移動に合わせて、前記第１現像ローラ、前記第３現像ローラおよび前記第４現像ローラをこの順に前記接触位置から前記離間位置に向けて移動させ始めるように構成されていることを特徴とする請求項１から請求項５のいずれか１項に記載の画像形成装置。

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