以下に、本発明に係る安全管理装置及び安全管理システムについて実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態の記載に限定されるものではない。また、以下の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した実施形態における構成要素は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。以下の実施形態では、本発明に係る安全管理装置及び安全管理システムの実施形態の1つを例示する上で、必要となる構成要素を説明し、その他の構成要素を省略する。
本発明において、安全管理装置は、例えば、建設作業現場等の危険が潜む場所において活動する作業者等に適用される。1つの安全管理装置は、1人の作業者に装着可能である。安全管理装置は、安全管理装置を装着する作業者の状態及び現場の環境に基づいて危険度を予測する装置である。各実施形態においては、1人の作業者(装着者と呼称する)が安全管理装置を装着するものとして説明するが、安全管理装置は複数の作業者が装着してもよい。
(第1実施形態)
[装置の構成]
図1は、第1実施形態に係る安全管理装置の使用例を示す図である。図2は、第1実施形態に係る安全管理装置の機能構成例を示すブロック図である。図1に示すように、安全管理装置10を装着する装着者1の周辺には、重機械He、手動工具Htを操作する作業者Wkが散在している。図1においては、1つの重機械He及び1人の作業者Wkのみが図示されるが、複数の重機械He及び複数人の作業者Wkが散在することを想定するものとする。
安全管理装置10は、第1検出部12と、第2検出部14と、記憶部20と、演算部22と、警報装置30と、を備える。第1検出部12、第2検出部14、記憶部20、演算部22及び警報装置30は、装着者1が着用できるのであれば、1つの筐体内に一体的に取り付けられてもよいし、別々の場所に取り付けられてもよい。第1検出部12、第2検出部14、記憶部20、演算部22及び警報装置30は、別々の場所に取り付けられる場合、互いに電気ケーブル等によって接続される、又は無線通信可能に接続される。第1検出部12は、第1実施形態において、装着者1の額部に取り付けられる。第2検出部14、記憶部20及び演算部22は、第1実施形態において、装着者1のヘルメットに取り付けられる。警報装置30は、第1実施形態において、装着者1の手首に装着したウェアラブルデバイスに取り付けられている。安全管理装置10は、例えば、装着者1の作業着又はベルト等の胴体部に取り付けられてもよい。
第1検出部12は、装着者1の生体情報を検出する。第1検出部12は、例えば、装着者1の脳波、呼吸及び心拍の少なくともいずれか1つを検出する。第1検出部12は、例えば、脳波センサ、呼吸センサ又は心拍センサを含む。脳波センサは、装着者1の脳波数を計測するセンサである。脳波センサは、装着者1の額に取り付けられる。呼吸センサは、装着者1の呼吸数を計測するセンサである。呼吸センサは、装着者1の胸部又は腹部に取り付けられることが好ましい。心拍センサは、装着者1の心拍数を計測するセンサである。心拍センサは、例えば、装着者1の胸部、指先、手首又は耳朶等に取り付けられることが好ましい。第1検出部12は、装着者1の加速度を検出してもよい。
第2検出部14は、装着者1の周辺音Sを検出する。周辺音Sは、装着者1の周囲で作業する作業者Wkが操作する手動工具Htの周辺音SHtと、重機械Heの周辺音SHeと、を含む。第2検出部14は、例えば、マイクロホンを含む。マイクロホンは、周辺の音を計測する音センサである。マイクロホンは、音を電気信号に変換する。第2検出部14は、第1実施形態において、周辺音Sの音量、周辺音Sの発生源の方向、及び周辺音Sの発生源の種類が演算部22によって判別可能である検出感度を少なくとも有する。
記憶部20は、各種の制御プログラム及び各種の制御処理に用いられるデータが記憶される記憶装置を含む。記憶装置は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、又はDVD等である。記憶部20は、1つの記憶装置又は複数の記憶装置から実装される。
記憶部20は、第1検出部12が検出した装着者1の生体情報と、第2検出部14が検出した周辺音Sの情報と、を記憶する。記憶部20は、装着者1に対する危険度を判断するための生体情報の閾値を記憶する。閾値は、生体情報の種類毎に設定される。閾値は、所定条件によって演算部22が動的に変動させる変動値である。第1実施形態において、記憶部20には、周辺音Sの発生源の音標本情報が予め記憶される。記憶部20は、周辺音Sの発生源の種類、音量及び方向毎に予め定められた閾値の配列データ又は算出式を予め記憶している。記憶部20は、第1実施形態において、周辺音Sの発生源の種類、音量及び方向毎に予め定められた閾値の閾値表を予め記憶している。記憶部20は、演算部22による各種の演算結果を記憶する。
演算部22は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)、システムLSI(Large Scale Integration)等である。演算部22は、1つの演算処理装置又は複数の演算処理装置から実装される。
演算部22は、記憶部20に記憶された制御プログラムを実行する。演算部22は、第1検出部12に、装着者1の生体情報を所定周期毎に検出させる。演算部22は、第2検出部14に、装着者1の周辺音Sを所定周期毎に検出させる。所定周期は、所定の時間周期、装着者1の所定の移動距離周期等である。所定周期は、予め設定された一定値でもよいし、所定条件によって動的に変動させる変動値でもよい。所定周期は、例えば、装着者1の加速度又は生体情報に基づいて変動させる時間周期でもよい。演算部22は、第2検出部14が検出した周辺音Sの音量及び発生源の方向を記憶部20に記憶させる。演算部22は、人工知能(AI:Artificial Intelligence)を有する。演算部22の人工知能は、音標本情報に基づいて、周辺音Sの発生源の種類を判断する。演算部22は、演算部22が判断した周辺音Sの発生源の種類を記憶部20に記憶させる。演算部22は、周辺音Sに基づいて閾値を変動させる。演算部22は、第1実施形態において、周辺音Sの音量、周辺音Sの発生源の方向、及び周辺音Sの発生源の種類に基づいて閾値を変動させる。演算部22は、第1検出部12によって検出された生体情報が記憶部20に記憶された閾値を超えた場合、警報装置30に予め定められた警報情報を提示させるよう制御する。演算部22は、予め定められた所定操作に基づいて警報装置30の警報情報の提示を停止させるよう制御する。
警報装置30は、事故発生の可能性があることを装着者1に認識させるための装置である。警報装置30は、例えば、装着者1の集中を促す、又は、他の作業者Wk及び重機械Heの状況を確認することを促すための装置である。警報装置30は、第1検出部12によって検出された生体情報が記憶部20に記憶された閾値を超えたと演算部22が判断した場合、予め定められた警報情報を提示する。警報装置30は、視覚的に予め定める警報情報を通知する表示装置、光によって予め定める警報情報を通知する発光装置、音によって予め定める警報情報を通知するスピーカ、振動によって予め定める警告情報を通知するバイブレータ、の少なくともいずれか1つを含む。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro-Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro-Luminescence Display)等を含む。発光装置は、例えば、LEDを含む。警報装置30は、警報情報の提示を停止させるための入力部を含む。入力部は、例えば、ボタン等である。
[閾値の決定方法]
閾値は、第1実施形態において、周辺音Sの発生源の種類、音量及び方向に基づいて、第1閾値、第2閾値及び第3閾値の3段階に設定されるものとする。第1閾値は、第2閾値及び第3閾値よりも大きい。第2閾値は、第3閾値よりも大きい。すなわち、第1閾値が最も警報が発せられにくく、第3閾値が最も警報が発せられやすい。周辺音Sの種類は、第1実施形態において、クレーン、バックホウ及びトラックの重機械Heと、作業者Wkによる溶接を行う手動工具Htと、を含む。周辺音Sの音量は、第1実施形態において、所定の値を境界値として、大、中及び小の3段階に判別されるものとする。周辺音Sの発生源の種類が同一である場合、音量が大きいほど、発生源が近接していることが想定される。周辺音Sの方向は、第1実施形態において、所定の範囲において、前方向、横方向、後方向、上方向及び下方向の5つの範囲に判別されるものとする。
表1に、クレーンが発生源である場合において設定される閾値の一覧表の例を示す。表1に示すように、前方向、横方向又は後方向に周辺音Sの発生源がある場合においては、音量が大きくなるにつれて、閾値も低くなるように設定されている。上方向に周辺音Sの発生源がある場合においては、音量の大小にかかわらず、閾値が最も低い第1閾値に設定されている。下方向に周辺音Sの発生源がある場合においては、音量の大小にかかわらず、閾値が最も高い第3閾値に設定されている。
表2に、バックホウが発生源である場合において設定される閾値の一覧表の例を示す。表2に示すように、前方向、横方向又は後方向に周辺音Sの発生源がある場合においては、音量が大きくなるにつれて、閾値も低くなるように設定されている。上方向に周辺音Sの発生源がある場合においては、音量の大小にかかわらず、閾値が中程度である第2閾値に設定されている。下方向に周辺音Sの発生源がある場合においては、音量の大小にかかわらず、閾値が最も高い第3閾値に設定されている。
表3に、トラックが発生源である場合において設定される閾値の一覧表の例を示す。表3に示すように、前方向及び横方向に周辺音Sの発生源がある場合においては、音量が大きくなるにつれて、閾値も低くなるように設定されている。後方向に周辺音Sの発生源がある場合、かつ音量が大又は中の場合においては、閾値が最も低い第1閾値に設定されている。後方向に周辺音Sの発生源がある場合、かつ音量が小の場合においては、閾値が中程度の第2閾値に設定されている。上方向又は下方向に周辺音Sの発生源がある場合においては、音量の大小にかかわらず、閾値が最も高い第3閾値に設定されている。
表4に、溶接が発生源である場合において設定される閾値の一覧表の例を示す。表4に示すように、前方向、横方向及び後方向に周辺音Sの発生源がある場合においては、音量が大きくなるにつれて、閾値も低くなるように設定されている。上方向に周辺音Sの発生源がある場合、かつ音量が大又は中の場合においては、閾値が最も低い第1閾値に設定されている。上方向に周辺音Sの発生源がある場合、かつ音量が小の場合においては、閾値が中程度の第2閾値に設定されている。下方向に周辺音Sの発生源がある場合においては、音量の大小にかかわらず、閾値が最も高い第3閾値に設定されている。
閾値は、1段階だけでもよく、2段階でも4段階以上でもよい。閾値は、検出した測定値に基づいて算出したパラメータによって記述可能な数式で算出可能であれば、連続した変動値であってもよい。
[装置の動作]
図3は、実施形態に係る安全管理装置により実行される安全管理処理の一例を示すフローチャートである。図3に示す処理は、演算部22が、記憶部20に記憶されている制御プログラム及びデータに基づいて実行する。安全管理装置10は、例えば、装着者1が所定の開始コマンドを入力することによって、図3に示すステップS10に移行して処理を開始する。安全管理装置10は、図3に示すフローチャートの処理を終了すると、例えば、装着者1が所定の終了コマンドを入力するまで、所定周期毎にステップS10から処理を開始する。
ステップS10において、演算部22は、第2検出部14に、装着者1の周辺音Sを検出させる。演算部22は、第2検出部14が検出した周辺音Sの音量及び発生源の方向を記憶部20に記憶させる。
ステップS12において、演算部22の人工知能は、音標本情報に基づいて、周辺音Sの発生源の種類を判断する。ステップS12において、演算部22の人工知能が周辺音Sの発生源の種類を特定できなかった場合、ステップS18に移行する。ステップS12において、演算部22の人工知能が周辺音Sの発生源の種類を特定できた場合、演算部22は、演算部22が判断した周辺音Sの発生源の種類を記憶部20に記憶させ、ステップS14に移行する。
ステップS14において、演算部22は、周辺音Sの発生源の種類に基づいて、記憶部20に予め記憶された閾値表を取得する。ステップS16において、演算部22は、周辺音Sの音量及び発生源の方向と閾値表とに基づいて、記憶部20に予め記憶された第1閾値、第2閾値及び第3閾値のいずれかの閾値を取得する。演算部22は、取得した第1閾値、第2閾値及び第3閾値のいずれかを閾値として記憶部20に記憶させる。演算部22は、ステップS16を実行した後、ステップS22に移行する。
ステップS18において、演算部22は、記憶部20に予め記憶された第3閾値を取得する。ステップS20において、演算部22は、第3閾値を閾値として記憶部20に記憶させる。演算部22は、ステップS20を実行した後、ステップS22に移行する。
ステップS22において、演算部22は、第1検出部12に、装着者1の生体情報を検出させる。演算部22は、第1検出部12が検出した装着者1の生体情報を記憶部20に記憶させる。ステップS22は、ステップS10からステップS20のいずれかより以前に実行されてもよく、ステップS10と同時に実行されてもよい。
ステップS24において、演算部22は、ステップS22で検出された生体情報が記憶部20に記憶された閾値より大きいか否かを判断する。ステップS24において、演算部22が生体情報は閾値より大きいと判断した場合、ステップS26に移行する、ステップS24において、演算部22が生体情報は閾値以下であると判断した場合、演算部22は、図3に示す一連の処理を終了し、ステップS10から処理を再開する。
ステップS26において、演算部22は、警報装置30に予め定められた警報情報を提示させるよう制御する。ステップS28において、演算部22は、所定操作が実行されるのを待機する。所定操作は、警報装置30の入力部の所定のボタンへの操作等である。
ステップS30において、演算部22は、予め定められた所定操作が実行されたか否かを判断する。ステップS30において、演算部22が予め定められた所定操作は実行されていないと判断した場合、ステップS28に移行する。ステップS30において、演算部22が予め定められた所定操作は実行されたと判断した場合、ステップS32に移行する。ステップS32において、演算部22は、警報装置30の警報情報の提示を停止させるよう制御する。ステップS32が実行された後、演算部22は、図3に示す一連の処理を終了し、ステップS10から処理を再開する。
以上で説明したように、第1実施形態の安全管理装置10は、第1検出部12と、第2検出部14と、記憶部20と、演算部22と、を備える。第1検出部12は、装着者1の生体情報を検出する。第2検出部14は、装着者1の周辺音Sを検出する。記憶部20は、装着者1に対する危険度を判断するための生体情報の閾値を記憶する。演算部22は、周辺音Sに基づいて閾値を変動させる。
安全管理装置10によれば、第1検出部12が検出した装着者1の生体情報に基づいて、装着者1の集中力及び注意力等を推定することができる。また、第2検出部14が検出した周辺音Sに基づいて、駆動中の重機械He及び手動工具Htによる周囲の危険度を推定することができる。周囲の危険度に基づいて閾値を変化させることによって、装着者1の状態及び現場の環境に基づいた危険度をより好適に予測することができる。
また、安全管理装置10において、演算部22は、周辺音Sの音量に基づいて閾値を変動させる。これにより、第2検出部14が検出した周辺音Sの音量に基づいて、駆動中の重機械He及び手動工具Htとの近接度を推定することができる。重機械He及び手動工具Htとの近接度に基づいて閾値を変化させることによって、装着者1の状態及び現場の環境に基づいた危険度をより好適に予測することができる。
また、安全管理装置10において、演算部22は、周辺音Sの発生源の方向に基づいて閾値を変動させる。これにより、第2検出部14が検出した周辺音Sの発生源の方向に基づいて、装着者1と駆動中の重機械He及び手動工具Htとの位置関係を推定することができる。装着者1と重機械He及び手動工具Htとの位置関係に基づいて閾値を変化させることによって、装着者1の状態及び現場の環境に基づいた危険度をより好適に予測することができる。
また、安全管理装置10において、演算部22は、周辺音Sの発生源の種類に基づいて閾値を変動させる。周囲の危険度は、第2検出部14が検出した周辺音Sの発生源の種類毎に、周辺音Sの音量及び方向等の重み付けが変化する。駆動中の重機械He又は手動工具Htを特定することによって、重機械He又は手動工具Htの種類に基づいて閾値を変化させることができる。これにより、装着者1の状態及び現場の環境に基づいた危険度をより好適に予測することができる。
また、安全管理装置10において、記憶部20は、周辺音Sの発生源の音標本情報を予め記憶する。演算部22は、音標本情報に基づいて周辺音Sの発生源の種類を判別する。これにより、記憶部20が現場において発生する予測される重機械He及び手動工具Htの音の標本を予め記憶することによって、より好適に駆動中の重機械He又は手動工具Htを特定することができる。重機械He又は手動工具Htの種類に基づいて閾値を変化させることにより、装着者1の状態及び現場の環境に基づいた危険度をより好適に予測することができる。
また、安全管理装置10において、生体情報は、脳波、呼吸及び心拍の少なくともいずれか1つを含む。これにより、装着者1の集中力及び注意力等を推定するための生体情報を容易に計測ことができる。
また、安全管理装置10において、生体情報が閾値を超えた場合に警報情報を提示する警報装置30を備える。これにより、装着者1の状態及び現場の環境に基づいた危険度を装着者1に警告することができる。装着者1は、警告を受けることによって、危険度を認知し、事故及び不安全行動を防止するよう注意することができる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る安全管理装置の機能構成例を示すブロック図である。第2実施形態の安全管理装置10Aにおいて、第1実施形態の安全管理装置10と同一の構成については同一の参照符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。図4に示すように、安全管理装置10Aは、第1検出部12と、第2検出部14と、第3検出部16と、記憶部20Aと、演算部22Aと、警報装置30と、を備える。すなわち、第2実施形態の安全管理装置10Aは、第1実施形態の安全管理装置10と比較して、記憶部20及び演算部22の代わりに、第3検出部16と、記憶部20Aと、演算部22Aと、を備える点で相違する。
第3検出部16は、装着者1の周辺音Sの発生源の位置情報を取得する。第3検出部16は、例えば、カメラ又はビーコンを含む。第3検出部16は、例えば、装着者1のヘルメットに取り付けられる。第3検出部16は、第2検出部14と近接して設けられることが好ましい。
記憶部20Aは、各種の制御プログラム及び各種の制御処理に用いられるデータが記憶される記憶装置を含む。記憶部20Aは、1つの記憶装置又は複数の記憶装置から実装される。記憶部20Aは、第1実施形態の記憶部20の機能に加えて、さらに、第3検出部16が検出した装着者1の周辺音Sの発生源の位置情報を記憶する。記憶部20Aは、演算部22Aによる各種の演算結果を記憶する。
演算部22Aは、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算部22Aは、1つの演算処理装置又は複数の演算処理装置から実装される。演算部22Aは、記憶部20Aに記憶された制御プログラムを実行する。演算部22Aは、第1実施形態の演算部22の機能に加えて、さらに、第3検出部16に装着者1の周辺音Sの発生源の位置情報を取得させる。演算部22Aは、第3検出部16が取得した周辺音Sの発生源の位置情報を記憶部20Aに記憶させる。演算部22Aは、周辺音Sの発生源の位置情報に基づいて、周辺音Sの発生源との間の相対距離を算出する。演算部22Aは、演算部22Aが算出した周辺音Sの発生源との間の相対距離を記憶部20Aに記憶させる。演算部22Aは、装着者1と周辺音Sの発生源との間の相対距離に基づいて閾値を変動させる。
以上で説明したように、第2実施形態の安全管理装置10Aは、演算部22Aは、装着者1と周辺音Sの発生源との間の相対距離に基づいて閾値を変動させる。演算部22Aは、第2検出部14が検出した周辺音Sの音量に基づいて、装着者1と周辺音Sの発生源との相対距離を推定する。これにより、駆動中の重機械He及び手動工具Htとの近接度を特定することができる。重機械He及び手動工具Htとの近接度に基づいて閾値を変化させることによって、装着者1の状態及び現場の環境に基づいた危険度をより好適に予測することができる。
また、安全管理装置10Aは、周辺音Sの発生源の位置情報を取得する第3検出部16を備える。安全管理装置10Aにおいて、演算部22Aは、位置情報に基づいて、相対距離を算出する。これにより、第3検出部16が検出した周辺音Sの発生源との相対距離に基づいて、駆動中の重機械He及び手動工具Htとの近接度を特定することができる。重機械He及び手動工具Htとの近接度に基づいて閾値を変化させることによって、装着者1の状態及び現場の環境に基づいた危険度をより好適に予測することができる。
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態に係る安全管理装置の機能構成例を示すブロック図である。第3実施形態の安全管理装置10Bにおいて、第1実施形態の安全管理装置10と同一の構成については同一の参照符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。図5に示すように、安全管理装置10Bは、第1検出部12と、第2検出部14と、第4検出部18と、記憶部20Bと、演算部22Bと、警報装置30と、を備える。すなわち、第3実施形態の安全管理装置10Bは、第1実施形態の安全管理装置10と比較して、記憶部20及び演算部22の代わりに、第4検出部18と、記憶部20Bと、演算部22Bと、を備える点で相違する。
第4検出部18は、装着者1の顔の向きの情報を取得する。第4検出部18は、例えば、加速度センサを含む。第4検出部18は、例えば、装着者1のヘルメットに取り付けられる。第2検出部14が装着者1の胴体に取り付けられる場合、第4検出部18は、装着者1の胴体部に対する顔の向きの相対角度を取得する。
記憶部20Bは、各種の制御プログラム及び各種の制御処理に用いられるデータが記憶される記憶装置を含む。記憶部20Bは、1つの記憶装置又は複数の記憶装置から実装される。記憶部20Bは、第1実施形態の記憶部20の機能に加えて、さらに、第4検出部18が取得した装着者1の顔の向きの情報を記憶する。記憶部20Bは、演算部22Bによる各種の演算結果を記憶する。
演算部22Bは、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算部22Aは、1つの演算処理装置又は複数の演算処理装置から実装される。演算部22Bは、記憶部20Bに記憶された制御プログラムを実行する。演算部22Bは、第1実施形態の演算部22の機能に加えて、さらに、第4検出部18に装着者1の顔の向きの情報を取得させる。演算部22Bは、第4検出部18が検出した装着者1の顔の向きの情報を記憶部20Bに記憶させる。演算部22Bは、装着者1の顔の向きの情報と周辺音Sの発生源の方向とに基づいて、装着者1の顔の向きと周辺音Sの発生源の方向との相対的方向を算出する。演算部22Bは、演算部22Bが算出した装着者1の顔の向きと周辺音Sの発生源の方向との相対的方向を記憶部20Bに記憶させる。演算部22B、装着者1の顔の向きと周辺音Sの発生源の方向との相対的方向に基づいて閾値を変動させる。
以上で説明したように、第3実施形態の安全管理装置10Bは、装着者1の顔の向きを検出する第4検出部18を備える。安全管理装置10Bにおいて、演算部22Bは、装着者1の顔の向きと周辺音Sの発生源の方向との相対的方向に基づいて閾値を変動させる。これにより、第4検出部18が検出した装着者1の顔の向きに基づいて、装着者1の顔の向きに対する周辺音Sの発生源の相対的方向を算出することができる。装着者1の顔の向きと駆動中の重機械He及び手動工具Htとの相対的方向に基づいて閾値を変化させることによって、装着者1の状態及び現場の環境に基づいた危険度をより好適に予測することができる。
(第4実施形態)
図6は、第4実施形態に係る安全管理装置及び安全管理システムの構成例を示すブロック図である。安全管理システム100は、安全管理装置10Cと、監視装置110と、を備える。
第4実施形態の安全管理装置10Cにおいて、第1実施形態の安全管理装置10と同一の構成については同一の参照符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。図6に示すように、安全管理装置10Cは、第1検出部12と、第2検出部14と、記憶部20Cと、演算部22Cと、第1通信部24Cと、を備える。すなわち、第4実施形態の安全管理装置10Cは、第1実施形態の安全管理装置10と比較して、記憶部20、演算部22及び警報装置30の代わりに、記憶部20Cと、演算部22Cと、第1通信部24Cと、を備える点で相違する。
記憶部20Cは、各種の制御プログラム及び各種の制御処理に用いられるデータが記憶される記憶装置を含む。記憶部20Cは、1つの記憶装置又は複数の記憶装置から実装される。記憶部20Cは、演算部22Cによる各種の演算結果を記憶する。
演算部22Cは、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算部22Cは、1つの演算処理装置又は複数の演算処理装置から実装される。演算部22Cは、記憶部20Cに記憶された制御プログラムを実行する。演算部22Cは、各種の演算結果等の予め定められた情報を第1通信部24Cに送信させるよう制御する。
第1通信部24Cは、監視装置110と無線通信により通信する。第1通信部24Cは、通信ネットワークを介して、監視装置110との間で各種情報をやり取りするための情報通信を実行する。通信ネットワークは、公衆通信回線及び専用通信回線等を含んで構築されてよい。第1通信部24Cは、監視装置110との間の通信を可能とする各種通信方式をサポートできる。第1通信部24Cは、演算部22Cから得られた情報を無線通信により送信する。第1通信部24Cは、演算部22Cが演算した各種の演算結果等の予め定められた情報を監視装置110に送信する。第1通信部24Cは、演算部22Cの処理に使用するために記憶部20Cに予め記憶される情報及び設定等を監視装置110から受信してもよい。
監視装置110は、装着者1、作業者Wk、重機械He等を含む建設作業現場等を監視する監督者によって監視される装置である。監視装置110は、通信ネットワークを介して安全管理装置10Cと接続する。監視装置110は、例えば、パーソナルコンピュータ又はスマートデバイス等である。監視装置110は、例えば、監視者の操作によって、安全管理装置10Cの演算部22Cの処理に使用するために記憶部20Cに予め記憶される情報及び設定等を安全管理装置10Cへ送信してもよい。監視装置110は、安全管理装置10Cから受信する情報を監視者に提示する。監視装置110は、各種の制御プログラム及び各種の制御処理に用いられるデータが記憶される1つ又は複数の記憶装置と、予め定められる制御プログラムを実行する1つ又は複数の演算処理装置と、を含む。監視装置110は、第2通信部112と、第3通信部114と、警報装置130と、を備える。
第2通信部112は、安全管理装置10Cの第1通信部24Cと無線通信により通信する。第2通信部112は、第1通信部24Cから送信された情報を受信する。第2通信部112は、安全管理装置10Cの演算部22Cが演算したデータ各種の演算結果等の予め定められた情報を受信する。
第3通信部114は、外部装置Euと無線通信により通信する。第3通信部114は、通信ネットワークを介して、外部装置Euとの間で各種情報をやり取りするための情報通信を実行する。第3通信部114は、外部装置Euとの間の通信を可能とする各種通信方式をサポートできる。第3通信部114は、第2通信部112から得られた情報を無線通信により送信する。第3通信部114は、生体情報が閾値を超えた場合における装着者1の生体情報及び周辺音Sの発生源の位置情報を外部装置Euに送信する。監視装置110は、装着者1の生体情報及び周辺音Sの発生源の位置情報を関連付けて、危険情報として外部装置Euに蓄積させる。
警報装置130は、装着者1に事故発生の可能性があることを監視者に認識させるための装置である。警報装置130は、例えば、装着者1に注意喚起するようを促す、又は、他の作業者Wk及び重機械Heの状況を確認して是正指示することを促すための装置である。警報装置130は、安全管理装置10Cの第1検出部12によって検出された生体情報が記憶部20Cに記憶された生体情報が閾値を超えたことを第2通信部112が受信した場合、予め定められた警報情報を提示する。警報装置130は、警報情報の提示を停止させるための入力部を含む。入力部は、例えば、ボタン、キーボード又はタッチパネル等である。
以上で説明したように、第4実施形態の安全管理システム100は、安全管理装置10Cと、監視装置110と、を備える。安全管理装置10Cは、演算部22Cから得られた情報を無線通信により送信する第1通信部24Cを備える。監視装置110は、第2通信部112と、警報装置130と、を備える。第2通信部112は、情報を受信する。警報装置130は、生体情報が閾値を超えた場合に警報情報を提示する。
安全管理システム100によれば、装着者1の状態及び現場の環境に基づいた危険度を監視者に警告することができる。監視者は、警告を受けることによって、危険度を認知し、事故及び不安全行動を防止するよう、装着者1に対する注意喚起及び是正対策を実施することができる。
また、安全管理システム100において、監視装置110は、生体情報が閾値を超えた場合、装着者1の生体情報及び周辺音Sの発生源の位置情報を関連付けて危険情報として蓄積するよう制御する。これにより、例えば、作業者Wk毎に危険度の傾向を解析することができる。危険度の傾向に基づいて、作業現場における事故及び不安全行動を防止するよう、注意喚起及び是正対策を実施することができる。
(第5実施形態)
図7は、第5実施形態に係る安全管理装置及び安全管理システムの構成例を示すブロック図である。安全管理システム200は、安全管理装置10Dと、監視装置210と、を備える。
第5実施形態の安全管理装置10Dにおいて、第1実施形態の安全管理装置10と同一の構成については同一の参照符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。図7に示すように、安全管理装置10Dは、第1検出部12と、第2検出部14と、第1通信部24Dと、を備える。すなわち、第5実施形態の安全管理装置10Dは、第1実施形態の安全管理装置10と比較して、記憶部20、演算部22及び警報装置30の代わりに、第1通信部24Dを備える点で相違する。安全管理装置10Dは、各種の制御プログラム及び各種の制御処理に用いられるデータが記憶される1つ又は複数の記憶装置と、予め定められる制御プログラムを実行する1つ又は複数の演算処理装置と、を含む。
第1通信部24Dは、監視装置210と無線通信により通信する。第1通信部24Dは、通信ネットワークを介して、監視装置210との間で各種情報をやり取りするための情報通信を実行する。第1通信部24Dは、監視装置210との間の通信を可能とする各種通信方式をサポートできる。第1通信部24Dは、第1検出部12が検出した装着者1の生体情報と、第2検出部14が検出した装着者1の周辺音Sと、を監視装置210に無線通信により送信する。第1通信部24Dは、演算処理装置の処理に使用するために記憶装置に予め記憶される情報及び設定等を監視装置110から受信してもよい。
監視装置210は、装着者1、作業者Wk、重機械He等を含む建設作業現場等を監視する監督者によって監視される装置である。監視装置210は、通信ネットワークを介して安全管理装置10Dと接続する。監視装置210は、例えば、パーソナルコンピュータ又はスマートデバイス等である。監視装置210は、例えば、監視者の操作によって、安全管理装置10Dの演算処理装置の処理に使用するために記憶装置に予め記憶される情報及び設定等を安全管理装置10Dへ送信してもよい。監視装置210は、第2通信部212と、第3通信部214と、記憶部220と、演算部222と、警報装置230と、を備える。
第2通信部212は、安全管理装置10Dの第1通信部24Dと無線通信により通信する。第2通信部212は、第1通信部24Dから送信された情報を受信する。第2通信部212は、安全管理装置10Dの第1検出部12が検出した装着者1の生体情報と、第2検出部14が検出した装着者1の周辺音Sと、を受信する。
第3通信部214は、外部装置Euと無線通信により通信する。第3通信部214は、通信ネットワークを介して、外部装置Euとの間で各種情報をやり取りするための情報通信を実行する。第3通信部214は、外部装置Euとの間の通信を可能とする各種通信方式をサポートできる。第3通信部214は、演算部222が演算した各種の演算結果等の予め定められた情報を無線通信により送信する。第3通信部214は、生体情報が閾値を超えた場合における装着者1の生体情報及び周辺音Sの発生源の位置情報を外部装置Euに送信する。監視装置110は、装着者1の生体情報及び周辺音Sの発生源の位置情報を関連付けて、危険情報として外部装置Euに蓄積させる。
記憶部220は、各種の制御プログラム及び各種の制御処理に用いられるデータが記憶される記憶装置を含む。記憶部220は、1つの記憶装置又は複数の記憶装置から実装される。記憶部220は、第2通信部212が受信した装着者1の生体情報及び周辺音Sの情報を記憶する。記憶部220は、装着者1に対する危険度を判断するための生体情報の閾値を記憶する。第5実施形態において、記憶部220には、周辺音Sの発生源の音標本情報が予め記憶される。記憶部220は、演算部222による各種の演算結果を記憶する。
演算部222は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算部222は、1つの演算処理装置又は複数の演算処理装置から実装される。演算部222は、記憶部220に記憶された制御プログラムを実行する。演算部222は、第2通信部212が受信した装着者1の生体情報及び周辺音Sの情報を記憶部220に記憶させる。演算部222は、人工知能(AI:Artificial Intelligence)を有する。演算部222の人工知能は、記憶部220が記憶している音標本情報に基づいて、周辺音Sの発生源の種類を判断する。演算部222は、演算部222が判断した周辺音Sの発生源の種類を記憶部220に記憶させる。演算部222は、周辺音Sに基づいて閾値を変動させる。演算部222は、第5実施形態において、周辺音Sの音量、周辺音Sの発生源の方向、及び周辺音Sの発生源の種類に基づいて閾値を変動させる。演算部222は、生体情報が閾値を超えた場合、警報装置230に予め定められた警報情報を提示させるよう制御する。演算部222は、各種の演算結果等の予め定められた情報を監視者に提示するよう制御する。演算部222は、各種の演算結果等の予め定められた情報を第3通信部214に送信させるよう制御する。
警報装置230は、装着者1に事故発生の可能性があることを監視者に認識させるための装置である。警報装置230は、例えば、装着者1に注意喚起するようを促す、又は、他の作業者Wk及び重機械Heの状況を確認して是正指示することを促すための装置である。警報装置230は、安全管理装置10Cの第1検出部12によって検出された生体情報が記憶部220に記憶された生体情報が閾値を超えたと演算部222が判断した場合、予め定められた警報情報を提示する。警報装置230は、警報情報の提示を停止させるための入力部を含む。入力部は、例えば、ボタン、キーボード又はタッチパネル等である。
以上で説明したように、第5実施形態の安全管理システム200は、安全管理装置10Dと、監視装置210と、を備える。安全管理装置10Dは、装着者1に装着可能である。安全管理装置10Dは、第1検出部12と、第2検出部14と、第1通信部24Dと、を備える。安全管理装置10Dは、第1検出部12は、装着者1の生体情報を検出する。安全管理装置10Dは、第2検出部14は、装着者1の周辺音Sを検出する。安全管理装置10Dは、第1通信部24Dは、生体情報及び周辺音Sを無線通信により送信する。監視装置210は、第2通信部212と、記憶部220と、演算部222と、を備える。第2通信部212は、生体情報及び周辺音Sを受信する。記憶部220は、装着者1に対する危険度を判断するための生体情報の閾値を記憶する。演算部222は、周辺音Sに基づいて閾値を変動させる。
安全管理システム200によれば、第1検出部12が検出した装着者1の生体情報に基づいて、装着者1の集中力及び注意力等を推定することができる。また、第2検出部14が検出した周辺音Sに基づいて、駆動中の重機械He及び手動工具Htによる周囲の危険度を推定することができる。周囲の危険度に基づいて閾値を変化させることによって、装着者1の状態及び現場の環境に基づいた危険度をより好適に予測することができる。また、各種の制御プログラム及び各種の制御処理に用いられるデータの記憶と、各種の制御プログラム及び各種の制御処理を実行する演算との一部を監視装置210に負担させることによって、安全管理装置10Dの小型化に寄与できる。
また、安全管理システム200において、監視装置210は、生体情報が閾値を超えた場合に警報情報を提示する警報装置230を備える。これにより、装着者1の状態及び現場の環境に基づいた危険度を監視者に警告することができる。監視者は、警告を受けることによって、危険度を認知し、事故及び不安全行動を防止するよう、装着者1に対する注意喚起及び是正対策を実施することができる。
以上、本発明の各実施形態を説明したが、この実施形態の内容によって実施形態が限定されるものではない。例えば、外部装置Euは、必ずしも監視装置と別個に設けられなくてもよい。例えば、監視装置が危険情報を蓄積する記憶装置を含んでもよい。