特定の詳細は、本出願の様々な実施形態を理解するために、以下の説明および図面に記載されている。当業者は、本明細書に記載された1つまたは複数の詳細なしで、本出願の他の実施形態を実施できることを理解すると思われる。したがって、何らか添付の特許請求の範囲をそのような詳細に限定または制限することは、出願人の意図ではない。以下の開示では、様々なプロセスがステップおよびステップのシーケンスを参照して説明されるが、本出願のすべての実施形態は、このようなステップおよびステップのシーケンスに従って実施しなければならないとされるべきではない。
本明細書で使用される場合、用語「管腔」は、管、ダクト、または静脈、動脈、血管、毛細血管、腸などを含む被験体の体内の略管状空間および/または腔を意味する。用語「管腔」は、カテーテル、シース、中空針、管などの管状空間を指すこともできる。
本明細書で使用される場合、用語「近位」は、操作者に近い(体内への部分が少ない)、用語「遠位」は、操作者から離れている(さらに身体の中へ)ことを意味する。医療機器を患者の体内に配置する際、「遠位」はカテーテル挿入位置から比較的離れた方向を指し、「近位」は挿入位置に比較的近い方向を指す。
本明細書で使用される場合、用語「ワイヤ」は、ストランド、コード、繊維、糸、フィラメント、ケーブル、糸などであり得、これらの用語は互換的に使用され得る。
本明細書で使用される用語「シース」は、「カテーテル」として説明することもでき、したがってこれらの用語は互換的に使用され得る。
特に明記しない限り、明細書および特許請求の範囲で使用される量、測定値、および他の特性またはパラメータを表すすべての数字は、すべての場合において「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、他に示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは近似値であることを理解すべきである。少なくとも、請求項の範囲と均等物の適用を制限する試みとしてではなく、報告された有効数字の数に照らして、且つ通常の丸め技法を適用することにより、数値パラメータを読むべきである。
「備える(comprising)」(「備える」の任意の変形)、「有する(having)」(「有する」の任意の変形)、「含む(including)」(「含む」の任意の変形)または「包含(containing)」(「包含」の任意の変形)を使用する場合、記載された構成、整数、ステップ、操作、要素、および/または、コンポーネントの存在を特定するが、1つまたは複数の他の構成、整数、ステップ、操作、要素、コンポーネントおよび/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないと理解すべきである。
本明細書では、第1、第2、第3などの用語を様々な制限、要素、コンポーネント、領域、層および/またはセクションを説明するために使用することができるが、これらの制限、要素、セクションはこれらの用語によって制限されるべきではない。これらの用語は、1つの制限、要素、コンポーネント、領域、層またはセクションを別の制限、要素、コンポーネント、領域、層またはセクションから区別するためにのみ使用される。したがって、以下で説明する第1制限、要素、コンポーネント、領域、層またはセクションは、本出願の教示から逸脱することなく、第2制限、要素、コンポーネント、領域、層またはセクションと名付けることができる。
ある要素が他の要素の「上にある」、「結びつけられた」、「接続された」または「結合された」と言及されるとき、他の要素またはその上方に直接接続または結合されてもよく、中間要素が存在してもよい。それに対して、ある要素が他の要素に「直接ある」、「直接結びつけられた」、「直接接続された」または「直接結合された」と言及される場合、中間要素は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の単語は、同様に解釈されるべきである(例えば、「間」対「直接間」、「隣接」対「直接隣接」など)。
第1要素が第2要素「において」、「上」および/または「内」にあると言及される場合、第1要素は、第2要素の内部空間内、第2要素の一部内(例えば、第2要素の壁内にある)、第2要素の外表面および/または内表面、およびこれらの1つまたは複数の組み合わせに配置される。
例えば、図示されているように、「下(beneath)」、「下方(below)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などのような空間的に相対的な用語は、他の要素および/または構成に対するある要素および/または構成の関係を説明するために使用することができる。空間的に相対的な用語は、図示した方向に加えて、使用および/または動作中の装置の異なる方向を包含することが意図されていることも理解されるべきである。例えば、図中のデバイスがひっくり返された場合、他の要素または構成の「下方」および/または「下」にあると記載された要素は、他の要素または機能の「上」に向けられる。デバイスは他の方向に向けることができ(例えば、90度または他の方向に回転させる)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述はそれに応じて解釈される。
本明細書で使用される場合、用語「減少する(reduce)」、「減少している(reducing)」、「減少(reduction)」などは、ゼロへの減少を含む量の減少を含むものとする。発生の可能性低減には、その発生の防止が含まれる。
本明細書で使用される用語「および/または」は、2つの指定された構成またはコンポーネントのいずれか一方が他方の構成またはコンポーネントを有するか否かに関わらず、具体的に開示されていると解釈されるべきである。例えば、「Aおよび/またはB」は、それぞれが個々に本明細書に記載されているかのように、特定の(I)Aのそれぞれの開示、(iii)Aと(II)Bとして解釈されるべきでる。
非円形の幾何学的形状を記述するために本明細書で使用される場合、用語「直径」は、記載されている幾何学的形状に近似する仮想円の直径として取られるべきである。例えば、コンポーネントの断面などの断面を記述する場合、用語「直径」は、記載されるコンポーネントの断面と同じ断面積を有する仮想円の直径を表すものと解釈されるべきである。
ここで使用されるコンポーネントの用語「長軸」および「短軸」はそれぞれ、コンポーネントを完全に取り囲むことができる最小体積の仮想円筒の長さおよび直径である。
明確にするために、別個の実施形態の文脈で説明される本発明の特定の構成は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことを理解すべきである。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される本発明の様々な構成は、別々にまたは任意の適切なサブコンビネーションで提供されてもよい。例えば、請求項のいずれかに記載された全ての構成(独立請求項か従属請求項かに関わらず)は、任意の所定方法で組み合わせることができることを理解すべきである。
本出願は、1つまたは複数のインプラントを患者に係合、送達、配置、放出するためのインプラント送達システムアセンブリに関する。いくつかの実施形態において、上記送達システムは、送達および配置中にインプラントを前方に押すためのインプラントプッシャーシャフト(20)と、送達および配置中に医療用インプラントに放出可能に係合するように構成されたインプラント係合機構とを備える。上記送達システムは、医療用インプラントを離脱させて治療位置で放出するためのインプラント放出制御機構をさらに備える。上記制御機構は、インプラントと送達システムとの間の係合を解除するように構築されて配置される。
図1は、送達システム(10)の実施形態を示す。いくつかの実施形態によれば、上記送達システム(10)は、インプラント放出制御機構(30)、インプラントプッシャーシャフト(20)、およびインプラント係合ワイヤ(40)を備える。上記インプラントプッシャーシャフト(20)は、その近位端(24)から遠位端(26)まで延びる細長い管腔(22)を有する。図示のように、上記インプラント係合ワイヤ(40)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の軸方向管腔(22)内に摺動可能に配置される。本出願の一実施形態によれば、上記インプラント係合ワイヤ(40)は、インプラントプッシャーシャフト(20)とは独立して遠位にまたは近位に後退するように構成される。また、図1に示されるように、上記インプラント放出制御機構(30)は、インプラント係合ワイヤ(40)の近位端(44)に固定して係合し、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端(24)に隣接して配置される。
さらに、図1に示されるように、上記インプラントプッシャーシャフト(20)はさらに、送達システム(10)がヒト血管系の曲がりくねった経路を通って移動することを可能にする可撓性遠位部分(29)を有する。本出願の範囲を限定しようとするものではないが、インプラントプッシャーシャフト(20)のこのような可撓性遠位部分(29)は、医療用インプラントを押すためのカラム強度、製品が後退されるときの耐伸長性、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位先端部(26)が動脈瘤に入るときまたは医療用インプラントが配置されたときの柔軟性を提供するように構成される。
図2Aに、上記インプラントプッシャーシャフト(50)の例示的実施形態が示されており、一実施形態によれば、上記可撓性遠位部分(58)は、マルチフィラコイル(56)で構成される。図面に示されるように、いくつかの実施形態において、コイル(56)の近位部分(54)は、遠位部分(58)よりも高いピッチで巻かれる。これにより、比較的柔軟な遠位部分が得られる。当業者であれば、上記可撓性遠位部分は、単一コイル、マルチフィラコイル、または編物で構成できることを理解すべきである。いくつかの実施形態において、上記コイル構造体は、らせんパターンまたは螺旋パターンであり得る。いくつかの実施形態において、上記可撓性遠位部分は、コイル構成体のみからなる。別の実施形態において、上記コイル構造体は、インプラントプッシャーシャフト(50)の外側および/または内側円筒面のいずれかを覆い、またはインプラントプッシャーシャフト(50)の壁内に埋め込まれる。当業者であれば、コイルがインプラントプッシャーシャフト(50)の壁を覆っているか壁内に埋め込まれている実施形態において、たとえば、柔軟な設計性を達成するために、インプラントプッシャーシャフト(50)の遠位部分(58)の材料、または、インプラントプッシャーシャフト(50)のこの部分の厚さは、インプラントプッシャーシャフト(50)の残り部分と異なってもよい。
別の実施形態において、上記インプラントプッシャーシャフト(70)の可撓性遠位部分(78)は、他の手段によって達成することもできる。図2Bは、インプラントプッシャーシャフト(70)の遠位部分(78)がその近位部分(64)よりも小さい外径(OD)を有する別の実施形態を示す。インプラントプッシャーシャフト(70)の近位部分と遠位部分(78)との間のテーパ状移行部(76)が、インプラントプッシャーシャフト(70)全体の平滑性を保証する。例えば、インプラントプッシャーシャフト(70)の近位部分(74)は0.014インチの一般直径を有し、インプラントプッシャーシャフト(70)の遠位部分(78)は0.011インチの一般直径を有することができる。別の実施形態において、インプラントプッシャーシャフト(70)の近位部分(74)は約1175mmの長さを有し、インプラントプッシャーシャフト(70)の遠位部分(78)は約125mmの長さを有し、テーパ状移行部(76)は、約200mmの長さを有することができる。
いくつかの実施形態において、上記インプラントプッシャーシャフトは、ステンレス鋼、形状記憶金属、ニッケルチタン合金、ポリマー、形状記憶ポリマー、またはこれらの1つまたは複数の組み合わせからそれぞれ独立して選択される1つまたは複数のプラスチック材料および/または金属材料からなる。他の実施形態において、コイル/編物構造を作製するのに使用されるフィラメントは、金属および/またはプラスチックからなることができる。さらに他の実施形態において、コイル/編物構造に使用されるフィラメントは、マルチフィラコイル構造の場合、0.00125インチ-0.0015インチの範囲にある。
いくつかの実施形態によれば、図2Aに示されるように、オーバーチューブ(60a、60b)は、遠位端(66)がインプラントプッシャーシャフト(50)の遠位端(52)に近く位置する図に示されるようなコイル製インプラントプッシャーシャフト(20)を超えるようにスライドする。一実施形態において、上記オーバーチューブ(60a、60b)は、平滑表面を提供するとともに、インプラントプッシャーシャフト(20)にカラム強度および耐伸長性を追加するように構成される。いくつかの実施形態において、オーバーチューブ(60a、60b)の近位端は、インプラントプッシャーシャフト(50)の可撓性遠位部分の近位端の近位に配置される。当業者であれば、オーバーチューブ(60a、60b)の近位端は、インプラントプッシャーシャフト(50)の近位端の近くに、またはインプラントプッシャーシャフト(50)の近位端とインプラントプッシャーシャフト(50)の可撓性遠位部分の近位端との間のいずれかの位置に配置されてもよいことを理解すべきである。一実施形態において、上記オーバーチューブ(60a、60b)は、ポリマー、例えば熱収縮性材料であるPTFEまたはPET、またはその両方の組み合わせからなる。別の実施形態において、上記オーバーチューブ(60a、60b)は、0.0010インチ-0.0025インチの厚さを有する。さらに別の実施形態において、上記オーバーチューブ(60a、60b)は、図2Aに示されるように、インプラントプッシャーシャフト(50)の各部分を覆うような様々な厚さを有する。本明細書において、上記オーバチューブ(60a、60b)を開示して説明したが、当業者であれば、インプラントプッシャーシャフトの設計、材料、および/または構成が変化すると、オーバーチューブ(60a、60b)が必要でない場合がある。したがって、本明細書に開示されたものは、本出願全体の範囲を限定するものと見なすべきではない。
引き続き、図1に示されるように、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端(24)は、コネクタ(12)によってインプラント放出制御機構(30)に係合する。一実施形態において、上記インプラント放出制御機構(30)はインプラント係合ワイヤ40の近位端44に固定して結合されるとともに、インプラントプッシャーシャフト20に放出可能に係合する。インプラント放出制御機構(30)の遠位部分(32)は、コネクタ管腔(14)と摩擦係合する。インプラントプッシャーシャフト(20)の近位部分(28)もコネクタ管腔(14)と摩擦係合する。いくつかの実施形態によれば、インプラント放出制御機構(30)の遠位端(36)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端(24)に係合する。インプラントの送達および配置中、臨床医が、インプラントプッシャーシャフト(20)およびインプラント放出制御機構(30)を遠位に伸ばしおよび/または近位に後退するによって、送達システム(10)と医療用インプラントを安定的に係合させる。上記インプラント放出制御機構(30)は、臨床医がコネクタ(12)を保持してインプラント放出制御機構(30)を近位に後退させてインプラント放出制御機構(30)とインプラントプッシャーシャフト(20)との間の係合を解除することでインプラント係合ワイヤ(40)へ近位に後退させることによって起動され、それによって、医療用インプラントを放出する。一実施形態によれば、図61に示されるように、インプラント係合ワイヤは、インプラントプッシャーシャフトの軸方向管腔内に摺動可能に配置される。
インプラント係合ワイヤ(40)の近位端(44)は、化学的手段(例えば、接着剤)、熱的手段(例えば、溶接)、または機械的手段(例えば、クリンピング)によってインプラント放出制御機構(30)に結合される。一実施形態によれば、臨床医がインプラント放出制御機構(30)を近位に引っ張ると、上記インプラント係合ワイヤ(40)は近位に後退する。本明細書で説明するように、上記インプラント係合ワイヤ(40)は、インプラントプッシャーシャフト(20)と共に遠位にのみ延びることができ、インプラント係合ワイヤ(40)の遠位端(46)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端部(26)に対して予め設計された距離を超えて延びていない。インプラントプッシャーシャフト(20)が安定したままであるとき、上記インプラント係合ワイヤ(40)は、インプラントプッシャーシャフト(20)とインプラント放出制御機構との間の係合を解除することによって、インプラントプッシャーシャフト(30)とは独立して、近位にしか後退できない。特定の理論で本出願の範囲を限定することなく、そのような設計は、インプラントの偶発的な前進を防止し、近くの解剖学的構造に対する損傷を回避する。
いくつかの実施形態において、上記インプラント係合ワイヤ(40)は、ステンレス鋼、超弾性金属、ニッケルチタン合金、形状記憶合金、形状記憶ポリマー、ポリマー、またはそれらの1つまたは複数の組み合わせからそれぞれ選択される金属および/プラスチック材料からなる。いくつかの実施形態において、上記インプラント係合ワイヤ(40)は、0.001インチ-0.005インチの間の一般直径を有する。いくつかの実施形態において、上記インプラント係合ワイヤ(40)は、インプラントプッシャーシャフト(20)がインプラント係合ワイヤ(40)と摩擦係合するようにサイズが変更された拡大遠位端を有する。他の実施形態において、インプラント係合ワイヤ(40)の近位部分および/または遠位部分は、異なる物理的特性を有するか、または異なる材料で製造される。別の実施形態において、上記インプラント係合ワイヤ(40)は、拡大遠位部分を有し、インプラントに係合するように構成される。
図4~58を参照して、上記インプラント放出制御機構の詳細な実施形態についてさらに説明する。例えば、上記インプラント放出制御機構は、インプラント放出制御機構をインプラントプッシャーシャフトの近位端に分離し可能に結合するように、インプラントプッシャーシャフトとは別個の要素であってもよい。別の例では、上記インプラント放出制御機構は、インプラント放出制御機構がインプラントプッシャーシャフトと分離することを可能にする脆弱な位置を有するインプラントプッシャーシャフトとユニット化されてもよい。
図3は、一実施形態による、その細長い送達輪郭におけるコイルインプラント(80)を示す。図示のように、上記コイルインプラント(80)は、近位端(84)から遠位端(86)まで延びている一次コイル本体(82)を有し、細長い管腔(88)がコイル(82)の一端から他端まで延びている。コイル本体(82)の遠位端(86)はボール先端(89)に固定して結びつけられる。係合フィラメント(90)は、一次コイル本体(82)の管腔(88)の内側に配置される。フィラメント(90)の遠位端(96)はボール先端(89)に結合され、係合フィラメント(90)の近位端(94)は係合ループ(92)に結合される。一実施形態において、上記係合フィラメント(90)に張力がかけられ、上記係合ループ(92)は伸縮性ではない。図3は、係合ループ(92)がコイルインプラント(80)の近位端を越えて延びる張力状態の係合フィラメント(90)を示す。上記係合ループ(92)は、インプラントの送達および配置中にコイルインプラント(80)を送達システム(10)に係合するように構成される。上記係合ループ(92)はまた、コイルインプラント(80)が治療位置で放出されるように、送達システム(10)から放出されるように構成される。
ここでは示されているが、当業者であれば、インプラント後、上記係合フィラメント(90)が弛緩して、係合ループ(92)と係合フィラメント(90)の両方が一次コイル体(81)の管腔(88)内で後退することを理解すべきである。上記コイルインプラント(80)は、インプラント部位(例えば、動脈瘤)部位の空間を埋める、予め構成されたまたはランダムに配置されたカール輪郭から弛緩して、それを再開する。一実施形態において、上記係合フィラメント(90)およびその係合ループ(92)は、周囲のコイル本体(82)に剛性を付与することなく可撓性を有するように構成される。
一実施形態において、上記一次コイル本体(82)は、連続コイル、または互いに接続する複数のコイルである。一実施形態において、各コイルは、白金、白金タングステン合金、および白金イリジウム合金で製造される。一実施形態において、上記コイルは0.009インチ-0.018インチの直径を有することができる。一実施形態において、上記ボール先端(89)は、ポリプロピレンおよび/または別のプラスチック材料で製造される。別の実施形態において、上記ボール先端(89)は放射線不透過性材料で製造されるか、または放射線不透過性材料と組み合わされている。上記ボールチ先端(89)、上記一次コイル本体(82)の遠位端(86)、および係合フィラメント(90)の遠位端(96)間の結びつけは、化学的手段(接着剤)、熱的手段(例えば、溶接)、または機械的手段(例えば、摩擦)によって実現できる。
一実施形態において、上記係合フィラメント(90)は、単一フィラ、例えば約0.001インチの直径を有するポリプロピレン繊維である。別の実施形態において、上記コイル本体(82)は、複数のフィラメント、例えば並んで構成される2つ以上のフィラメントで製造される。一実施形態において、上記係合ループ(92)は、プラスチックまたは金属材料、例えばニッケルチタン合金で製造される。一実施形態において、上記係合ループ(92)は、約0.001インチの一般直径を有するフィラメントで製造される。
いくつかの実施形態において、一次コイル本体(82)の近位端は二次コイル(83)にさらに結びつけられ得る。図3に示されるように、そのような二次コイル(83)は、一次コイル本体(82)より小さい直径を有する。例えば、二次コイル(83)のそのような遠位部分(85)は、一次コイル本体(82)の近位部分の内側に配置される。例えば、上記一次コイル本体(82)は、約0.09インチ-0.18インチの直径を有することができ、上記二次コイル(83)は、約0.006インチ-0.009インチの一般直径を有することができる。そのような二次コイル(83)は、係合ループ(92)の遠位端に係合されたマーカーバンドであり得、そのような二次コイル(83)は、一次コイル本体(81)内に位置するように構成される。一実施形態において、上記二次コイル(83)は、一次コイル本体(81)と締り嵌めしてもよい。一実施形態によれば、インプラント放出制御機構が作動してインプラント(80)を放出する前に、臨床医がインプラント(80)を送達システム(10)の内部に戻す必要がある場合、上記インプラント(80)を近位に引っ張る。二次コイル(83)が組み込まれている実施形態において、このように近位に引っ張る間に生じる応力は、係合フィラメント(90)に伝達されない。当業者であれば、この二次コイル(83)の組み込みは、この例示的実施形態の設計の詳細に過ぎないことを理解すべきである。動脈瘤のための塞栓コイルのようなインプラントは、二次コイルを有さない可能性がある。あるいは、二次コイルはマーカーバンドであり得る。したがって、ここに示し説明したことは、この教示の範囲を限定するものと見なされない。
図3に示されているが、上記係合ループ(92)は、ボール先端(89)を介して順番一次コイル本体(81)の遠位端(86)に係合する係合フィラメント(90)に結合されている。当業者であれば、上記係合ループ(92)は、一次コイル本体(81)の近位端(84)に、または二次コイル(83)の近位端(85)に直接結合することができることを理解すべきである。したがって、図3に示された例示的実施形態は、本出願の範囲を限定するものではない。
さらに、図3は、コイルインプラント(80)を送達システム(10)に係合するように構成された係合ループ(92)を有するコイルインプラント(80)を示しているが、当業者であれば、同じ係合機能を達成するために、コイルインプラント(80)に他の係合機構を組み込むこともできることを理解すべきである。例えば、図4~19は、インプラントと送達システムとの間のワイヤ-ループ係合構成のグループを示し、図20~図37は、係合ワイヤ、インプラントプッシャーシャフト、またはその両方の組み合わせによって捕捉される係合フィラメントの拡大近位端を示し、図38~図39は、係合ワイヤ、インプラントプッシャーシャフト、またはその両方の組み合わせによって捕捉される係合フィラメントの折り畳み式近位端のグループを示し、図40~図42は、係合フィラメントの近位部分が係合ワイヤおよび/またはインプラントプッシャーシャフトに摩擦係合する例示的実施形態のグループを示している。図43~図45は、インプラントを放出するために係合が破断可能部分で解除される例示的実施形態のグループを示している。図46~図52は、インプラントと送達システムとの間のブラケット係合機構のグループを示している。図53~図58は、インプラントと送達システムとの間の様々な他の係合構成を示している。当業者であれば、他の係合構成も本出願の範囲に属することを理解すべきである。
図4~19は、本出願のいくつかの実施形態による、インプラント送達および配置のための係合ワイヤを有する送達システムと係合ループとを有するコイルインプラントの間の様々な係合機構を示している。ここで説明を簡単にするために、インプラントプッシャーシャフトの近位部分、インプラント放出制御機構の動作およびコイルインプラントの形状変換は、そのような係合機構を説明するときは、含まれない。
本出願のいくつかの実施形態によれば、図4~13は、係合ワイヤ-インターフェイス-係合ループ機構の様々な例示的実施形態を示している。図示されているように、インプラントの係合ループは、インプラントプッシャーシャフトの遠位端のインターフェイス上に近位に延び、係合ワイヤは遠位に延びて係合ループ-インターフェイスの係合を確保し、さらに遠位に延びて、境インターフェイスに到達するかまたは境界の上を越えて延び、それによって、インプラントを送達システムに結合する。
図4Aに示されるように、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)におけるインターフェイス(100)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)で2つの対向するフィンガー(104a、104b)を結合するクロスピン(102)である。図示されるように、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)は、それぞれ遠位に延びる2本のフィンガー(104a、104b)を有する。クロスピン(102)が2つのフィンガー(104a、104b)の遠位端を結合する。図4Aは、インプラントプッシャーシャフト(20)の軸方向の中心を横切って互いに直接対向する2つのフィンガー(104a、104b)を開示しているが、当業者であれば、治療目的および場所に応じて変更を行うことができることを理解すべきである。さらに、図4Aは、クロスピン(102)がその遠位先端で2つのフィンガー(104a、104b)を結合することを示しており、当業者であれば、クロスピン(102)がフィンガーに結合する位置が、製造プロセスにおいて変わることを理解すべきである。したがって、本明細書に開示される特定の実施形態は、本出願の範囲を限定するものと見なすべきではない。いくつかの実施形態において、フィンガー(104a、104b)の長さは、0.008インチ-0.04インチの範囲にある。いくつかの実施形態において、クロスピン(102)の直径は0.001インチ-0.002インチの範囲にある。
一実施形態によれば、インプラント放出制御機構(30)がインプラントプッシャーシャフト(20)の近位端(24)に係合するとき、インプラント放出制御機構(30)のインプラント係合ワイヤ(40)の遠位端(46)は、インプラントプッシャーシャフト(20)のクロスピン(102)を越えて延びる(未図示)。上記インプラント放出制御機構(30)が近位に後退すると、インプラント係合ワイヤ(40)の遠位端(46)はクロスピン(102)の上を越えて近位に移動し、インプラントプッシャシャフト(20)の細長い管腔(22)の内部に後退する。
ここで、図4Aに示されるように、一実施形態によれば、コイルインプラント(80)が送達システム(10)に係合する。図4Aは、送達システム(10)の遠位部分がコイルインプラント(80)の近位部分と係合していることを示している。図4Aには示されていないが、上記係合フィラメント(90)は引っ張られ、上記コイルインプラント(80)はその細長い送達輪郭にある。図4Aに示されるように、上記係合ループ(92)は、コイルインプラント(80)の近位端を越えて延び、さらにインプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)にあるクロスピン(102)を越えて延びる。上記インプラント係合ワイヤ(40)の遠位端(46)は、係合ループ(92)の中心を通って延び、さらに、クロスピン(102)を通ってコイルインプラント(80)の管腔内に遠位に延びる。図4Aに示されるように、係合ループ(92)は、クロスピン(102)の一方の側の上を越えて延び、上記係合ワイヤ(40)は、クロスピン102の反対側の上を越えて延びて、上記クロスピン(102)が係合ループ(92)と係合ワイヤ(40)との間に挟まれている。インプラント係合ワイヤ(40)が安定したままであるとき、係合ループ(92)の遠位運動は、クロスピン(102)によって止められる。これにより、コイルインプラント(80)を送達システム(10)にしっかりと係合させることができる。インプラント送達および配置中に、臨床医が送達システム(10)を遠位に前進させると、上記コイルインプラント(80)は、例えばコイルインプラント(80)の近位端上に押し付けられるクロスピン(102)によって遠位に押し込まれる。さらに、送達システム(10)とコイルインプラント(80)との間の係合により、上記送達システム(10)の回転運動をコイルインプラント(80)に伝達することができる。
図4Aは、インプラントプッシャーシャフト(20)のクロスピン(102)とコイルインプラント(80)の近位端との間のギャップを示しているが、当業者であれば、インプラントの遠位への前進中に、隙間がないことを理解すべきである。図4Aに示されるものは、本出願の様々な実施形態を説明する目的の単なる例示である。
図4Aに示されるように、上記係合ループ(92)は、クロスピン(102)の一方の側の上を越えて近位に延び、上記インプラント係合ワイヤ(40)は、係合ループ(92)の中心を通って延び、且つクロスピン(102)の他方の側の上を越えて延びる。図4Aおよびさらなる図面に示されるように、上記係合ループ(92)がクロスピン(102)の上を越えてフープするために、上記係合ループ(92)はインプラントプッシャーシャフトの縦軸から「θ」の程度で曲がる。図4Aには約90°の角度が示されているが、当業者であれば、送達システム(10)とコイルインプラント(80)との間の結びつけが達成される限り、任意の程度が可能であり得ることを理解すべきである。いくつかの実施形態において、係合ワイヤ(40)の遠位部分は、係合ループ(92)が元のプロフィールを維持したままで、ある程度まで曲げられ得る。
臨床医が所望のコイルインプラント(80)の位置決めおよび配置を実現すると、インプラント放出プロセスを開始する。図4Bに示されるように、上記インプラント係合ワイヤ(40)は、コイルインプラント(80)の係合ループ(92)を放出しながら、係合ループ(92)の中心から近位に引き抜かれる。一旦放出されると、コイルインプラント(80)の係合フィラメント(90)は緩和して元の非張力輪郭に戻り、上記係合フィラメント(90)およびその係合ループ(92)はコイルの管腔内に引き出される。いくつかの実施形態において、上記コイルインプラント(80)がカールして治療空間を満たす。
図4Cは、図4A~4Bに示される例示的実施形態の変形例を示している。図4Cに示されるように、一実施形態によれば、クロスピン(112)が2つのフィンガーを結合する代わりに、上記クロスピン(112)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)の2つの小さな対向部分を直接結合し、それによって、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位開口部を2つの開口部(114a、114b)に分割してもよい。図4Bを参照して開示したのと同様に、図4Cに示されるように、上記係合ループ(92)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の1つの開口部(114b)からインプラントプッシャーシャフト(20)の管腔(22)内に延びて、係合ワイヤ(40)によって捕捉される。上記係合ワイヤ(40)は、係合ループ(92)の中心の上を越えて、第2開口部(114a)を通ってクロスピン(112)を越えて遠位に延びる。
ここで、クロスピン(102、112)を図4A~図4Cを参照して説明しているが、当業者であれば、同じ係合設定を達成するために他の構成を組み込むことができることを理解すべきである。例えば、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端部分は、一方の管腔により係合ループ(92)が内部まで近位に延びるとともに、他方の管腔により係合ワイヤ(40)が外部まで遠位に延びる二重管腔構成を有することができる。
図5A~図5Bは、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)における外部ランプ形状のインターフェイスを示している。図5Aに示されるように、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の部分円筒面から遠位に延びるランプ構成(122)を有する。そのようなランプ(122)も、係合ワイヤ(40)が貫通するための軸方向管腔(124)を有する。上記ランプ(122)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の縦軸に垂直な遠位端面(128)を有する。上記ランプ(122)はさらにインプラントプッシャーシャフト(20)の縦軸線から角度が付けられた近位端面(126)を有する。ランプの湾曲管状面は、比較的短い側面(123a)と比較的長い側面(123b)とを有する。ランプ(122)の一部である湾曲管状表面の一部は、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)に結合する。当業者であれば、このようなランプ(122)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位部分(29)から材料を除去し、例えば、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位部分(29)の部分管状表面を除去することによって構成できることを理解すべきである。ランプの近位面の角度「α」は、係合ループ(92)がランプ(122)から滑らかに滑り落ちることを可能にするように構成される。したがって、このような角度「α」は、特定のインプラント設計、治療場所などに応じて変化し得る。
図5Aは、係合ループ(92)がランプ(122)の上をフープすることにより、ループがランプ(122)の周りを巡っていることを示している。上記係合ワイヤ(40)は、係合ループ(92)の上方を越えて、ランプ(122)の軸方向管腔(124)を通って延びて、それにより係合ループ(92)がランプから外れないようにする。図に示されるように、係合ループ(92)の一部は、係合ワイヤ(40)とランプ(122)のインターフェイスに挟まれている。したがって、インプラントは、この係合ワイヤインターフェイス(すなわち、ランプ(122))-係合ループ機構を介して、送達システム(10)に係合する。図5Bは、送達システム(10)からのインプラントの離脱を示している。示されているように、上記係合ワイヤ(40)は、ランプ(122)の軸方向管腔(124)から近位に引き出される。上記係合ループ(92)がランプ(122)上にループされたままであるが、臨床医は、インプラントプッシャーシャフト(20)をさらに引き出して、それにより係合ループ(92)がランプ(122)の近位傾斜面(126)に沿って摺動するようにする。したがって、図5Cに示されるように、上記インプラント(80)は送達システム(10)から放出される。当業者であれば、上記インプラント(80)の引っ張られた係合フィラメント(90)が弛緩して後退するにつれて、上記係合ループ(92)もこのような遠位力によって遠位に引っ張られて、ランプ(122)から放出できる。
図6は、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)における内部がランプ(132)形のインターフェイス(130)を示している。図6に示されるように、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)は、ランプ(132)の遠位端がインプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)と整列する内部ランプ構成を有する。上記ランプ(132)はさらに、インプラントプッシャーシャフト(20)の縦軸線から角度が付けられた近位面(136)を有する。ランプ(132)の湾曲管状表面はさらに、比較的短い側面と比較的長い側面とを有する。ランプ(132)の湾曲管状表面の一部は、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)に近い内腔表面の一部に結合する。上記内部ランプ(132)は、貫通管腔(134)を有するスリーブとして説明することもできる。スリーブ/ランプ(132)全体のサイズは、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端の内部管腔の全体のサイズよりも小さく、インプラントプッシャーシャフトの管腔における遠位開口部の一部は開いたままである。図6に示されるように、上記係合ループ(92)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の残りの開口部(135)を通って軸方向管腔内に近位に延び、係合ワイヤ(40)によって捕捉される。上記係合ワイヤ(40)は、係合ループ(92)の中心を通って、さらにスリーブの管腔(134)内に遠位に延び、それによって、コイルインプラント(80)を送達システム(10)に固定する。上記係合ワイヤ(40)を後退させることによって、係合ループ(92)が次に放出される。
図7は、係合ワイヤ-インターフェイス-係合ループ機構の他の例を示している。図7に示されるように、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の軸方向管腔(22)と連通する開口部(144)を有するが、一般的に管腔(22)全体の直径よりも小さい。インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)はさらに、小開口部に隣接する内部凹部(142)を有する。上記凹部(142)も、インプラントプッシャーシャフト(20)の軸方向管腔(22)と連通し、係合ワイヤ40の遠位端46を受けるような大きさおよび形状にされる。インプラントの送達中、上記係合ループ(92)は開口部(144)を通ってインプラントプッシャーシャフト(20)の軸方向管腔(22)内に近位に延びる。上記係合ワイヤ(40)は、係合ループ(92)を通って遠位に延び、次いでインプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)の内部凹部(142)にさらに延びている。
図8A~8Bは、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)における別の内部ランプ形状のインターフェイスを示している。図8Aに示されるように、ランプ(152)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位部分(29)の内部に構成され、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位管腔の開口部を部分的に遮断する。上記ランプ(152)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端面と整列した、インプラントプッシャーシャフト(20)の縦軸に垂直な遠位端面(156)を有する。上記ランプ(152)は近位傾斜面(154)を有する。上記傾斜部(152)は、近位傾斜面(154)がインプラントプッシャーシャフト(20)の縦軸と鋭角βを形成するように、インプラントプッシャーシャフト(20)の内腔表面の遠位部(29)に結合する。上述したのと同様に、そのような角度「β」は、各治療の特定の要件に従って変化し得る。一実施形態において、そのようなランプ(152)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の内腔表面に固定して結びつけられる別個のコンポーネントであってもよい。当業者であれば、このようなランプ(152)を構築するために他の実施形態を使用することもできることを理解すべきである。
図8Aは、ランプ(152)の上に近位に延びて、インプラントプッシャーシャフト(20)の管腔開口部内に入るまで延びる係合ループ(92)をさらに示している。図に示されるように、上記係合ワイヤ(40)の非常に近い部分は、ランプ(152)に向かって曲がる。上記係合ワイヤ(40)は、係合ループ(92)の中心内に遠位に延びている。係合ワイヤ(40)の遠位端(46)は、ランプ(152)の近位傾斜面(154)に結合し、それによって係合ループ(92)を固定する。図に示されるように、係合ループ(92)の非常に近い部分は、係合ワイヤ(40)とランプ(152)との間に挟まれている。
一実施形態によれば、図8Bに示されるように、係合ワイヤ(40)の遠位端は、係合ループ(92)の近位部分を受けるように構成された凹部(151)を備えることができる。別の実施形態において、図8A~図8Bに示されるように、係合ワイヤ(40)の遠位端はさらに、ランプ(152)の近位角度面(154)と一致するように構成された傾斜面(153)を有することができる。このように、上記係合ワイヤ(40)がランプ(152)に押し付けられると、係合ワイヤ(40)の遠位端面(153)はランプ(152)の傾斜近位面(154)と整列する。当業者であれば、図8A~図8Bに示したことは、例示的な一実施形態に過ぎず、係合ループ(92)を送達システム(10)にしっかりと結合するために、係合ワイヤ(40)に他の設計構成を組み込むこともできる。図8A~図8Bに示されるように、上記インプラントは、この係合ワイヤ-インターフェイス(すなわちランプ(152))-係合ループ機構を介して送達システム(10)に係合する。同様に、係合ワイヤ(40)を後退させることによって、上記係合ループ(92)が放出される。
図9は、図8A~8Bに示される例示的実施形態の変形例を示している。図9に示されるように、上記係合ワイヤ(40)は、内部ランプ(162)の表面の近位傾斜面(164)の形状およびサイズに適合するような形状およびサイズを有する拡大遠位端(165)を有する。インプラントの送達および配置中、係合ワイヤ(40)の拡大遠位端(165)は、内部ランプインターフェイスの近位傾斜面(165)と接触し、それによって係合ループ(92)の遠位運動を制限し、インプラントに安定的に係合する。同様に、係合ワイヤ(40)を後退させることによって、係合ループ(92)が放出される。
図10は、図8A~8Bに示される例示的実施形態の別の変形例を示している。図10に示されるように、上記内部ランプインターフェイス(172)は、その近位傾斜表面(174)からその遠位表面(178)まで延びる貫通管腔(176)を有する。図8A~図8Bで説明したものと同様に、上記係合ループ(92)は、ランプ(172)の上に近位に延び、インプラントプッシャーシャフト(20)の管腔開口に入り、係合ワイヤ(40)によって捕捉される。上記係合ワイヤ(40)は、最初に係合ループ(92)の中心を通って、次に内部ランプインターフェイス(170)の管腔(176)を通るように延びる。上記係合ループ(92)は、係合ワイヤ(40)と内部ランプインターフェイス(172)との間に捕捉される。係合ワイヤ(40)を後退させることによって、係合ループ(92)が放出される。
図11は、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)におけるインターフェイス実施形態の別の例示的実施形態を示している。図に示されるように、半径方向内側曲げタブ(180)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位部分(29)の内腔壁に結びつけられている。タブ(180)の一端はインプラントプッシャーシャフト(20)に固定され、タブ(180)の他端(184)は自由で且つインプラントプッシャーシャフト(20)の軸方向管腔(22)内にある。タブ(180)の自由端(184)は、上記係合ワイヤ(40)が貫通するように、内腔壁から離間している。上記タブ(180)は、係合ワイヤ(40)が貫通することを可能にする開口部(182)を有する。一実施形態において、上記タブ(180)は、図11に示される湾曲形状を有することができる。タブ(180)の設計には、意図された機能が満たされる限り、他の形状、形態、構成を採用することもできる。上記係合ループ(92)は、タブ(180)の自由端(184)の上に近位に延び、次いで係合ワイヤ(40)によって捕捉される。上記係合ワイヤ(40)は、係合ループ(92)の中心を通り、次にタブ開口部(182)を通るように遠位に延びる。上記係合ループ(92)は、係合ワイヤ(40)とタブ(154)との間のインターフェイスによって捕捉される。係合ワイヤ(40)を後退させることによって、係合ループ(92)が放出される。
図12A~12Bは、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)におけるインターフェイス実施形態の別の例示的実施形態を示している。図12Aおよび図12Bは、同じ実施形態の2つの異なる図である。図に示されるように、2つのクロスピン(190a、190b)はインプラントプッシャーシャフト(20)の遠位部分(29)の内側の反対側内腔壁に結合する。図に示されるように、上記2つのクロスピン(190a、190b)は、互いに平行に構成され、インプラントプッシャーシャフト(20)の縦軸に対して略垂直である。一実施形態において、上記2つのクロスピン(190a、190b)のいずれも、図12A~図12Bに示されるように、インプラントプッシャーシャフト(20)の中心軸と交差する。別の実施形態において、2つのクロスピン(190a、190b)のいずれも、図12Cに示されるように、インプラントプッシャーシャフト(20)の中心軸と交差しない。一実施形態において、図12A~図12Bに示されるように、2つのクロスピン(192a、192b)の間に横方向の距離があり、2つのクロスピン(190a、190b)の間に垂直距離はない。別の実施形態において、図12Cに示されるように、2つのクロスピン(192a、192b)の間は横方向と垂直方向の両方に離間されている。図12A~図12Cに示されるように、上記係合ループ(92)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の軸方向管腔(22)に入り、遠位クロスピン(190b、192b)の第1側の上を超えるまで近位に延びて、係合ワイヤ(40)により捕捉される。上記係合ワイヤ(40)は、最初に遠位クロスピン(190b、192b)の同一側(係合ループ(92)が遠位クロスピン(190b、192b)の上を越えて延びる側)の上を越えて、次に、係合ループ(92)の中心を通って、最後に遠位クロスピン(190b、192b)の反対側(係合ループ(92)が遠位クロスピン(190b、192b)の上を越えて延びる側に対する)の上を越えて延びる。上記係合ループ(92)は、係合ワイヤ(40)と2本のクロスピンとの間のインターフェイスによって捕捉される。係合ワイヤ(40)を後退させることによって、係合ループ(92)が放出される。
図13A~図13Bは、係合ワイヤ-インターフェイス-係合ループ機構の別の例示的実施形態を示している。図13Aは、インプラントプッシャーシャフト(20)の管腔(22)から外部まで延びる内腔壁における3つの開口部(200a、200b、200c)を有するインプラントプッシャーシャフト(20)の遠端部分(29)を示している。一実施形態において、開口部のサイズおよび形状は、係合ワイヤ(40)が貫通することを可能にするように構成される。図13Aに示されるように、係合ワイヤ(40)の遠位部分は、インプラントプッシャーシャフト管腔の管腔(22)から遠位に延び、近位開口部(200a)を通ってインプラントプッシャーシャフト(20)の外側に達し、さらに遠位に延びて中間開口部(200b)を通ってインプラントプッシャーシャフト(20)の管腔(22)に戻って、引き続き、遠位に延びて係合ループ(92)を捕捉し、次に遠位開口部(200c)を通ってさらにインプラントプッシャーシャフト(20)の外側に到達し、最後にさらに遠位に延びる。係合ループ(92)の一部は、インプラントプッシャーシャフト管腔の内部で捕捉される。上記係合ループ(92)は、遠位部(200c)と中間部(200b)の間のインプラントプッシャーシャフト(20)の内腔壁と係合ワイヤ(40)との間のインターフェイスによって捕捉される。図13Bに示されるように、係合ワイヤ(40)を後退させることによって、係合ループ(92)が放出される。
一実施形態において、2つの隣接する開口部のそれぞれの間の間隔は同じである。別の実施形態において、2つの隣接する開口部のそれぞれの間の間隔は変化し得る。一実施形態において、3つの開口部は、インプラントプッシャーシャフト(20)の縦軸に平行であるか、または縦軸に対してある角度をなす直線上に並んでいる。別の実施形態において、上記3つの開口部(200a、200b、200c)は一直線上に並んでいないが、管状表面に沿って広がっている。3つの開口部(200a、200b、200c)の配置パターンは、インプラントを放出するのに必要な収縮力を変えることができる。例えば、3つの開口部が、インプラントプッシャーシャフト(20)の縦軸に対してある角度をなす直線に並んでいる実施形態において、3つの開口部(200a、200b、200c)が、インプラントプッシャーシャフト(20)の縦軸線に平行な直線上に並んでいる図13Aに示される構成と比較して、インプラントを放出するのに必要な力が増加する。一実施形態において、3つの開口部(200a、200b、および200c)のサイズおよび形状は同じである。別の実施形態において、3つの開口部(200a、200b、および200c)のサイズおよび形状は互いに異なる。図13A~図13Bには、3つの開口部が示されているが、当業者であれば、目的を達成するために、2つ、4つ、6つ、またはそれ以上の開口を組み込むこともできることを理解すべきである。
図14~図16は、インプラントがワイヤ-係合ループ機構を介して送達システムに結びつけられる、送達システムとインプラントとの間の別の係合機構を示している。図示されているように、インプラントの係合ループは、近位に延びてインプラントプッシャーシャフトの遠位部分の軸方向管腔内に入り、次いで、係合ワイヤによって直接捕捉される。図4~13を参照して説明したのと同様に、係合ワイヤを退後させることによって、係合ループが放出される。
図14は、係合ワイヤ(40)-係合ループ(92)機構の1つの例示的実施形態を示している。図14に示されるように、係合ワイヤ(40)は、インプラント放出制御機構(30)から遠位に延びて、係合ループ(92)を捕捉して、次に折り返して、インプラント放出制御機構(30)に向かって近位に延び続ける。図1を参照して上述したのと同様に、係合ワイヤ(40)の一端はインプラント放出制御機構(30)に固定して結合する。図14に示されるように、係合ワイヤ(40)の自由端(202)は、インプラント放出制御機構(30)(未図示)内で終わるか、またはインプラントプッシャーシャフト管腔内の、インプラント放出制御機構(30)に近い図14に示される部位で終わる。上記係合ループ(92)は、係合ワイヤ(40)によって直接捕捉される。一実施形態において、係合ループ(92)の一部は、インプラントプッシャーシャフト管腔の内部に捕捉される。同様に、係合ワイヤ(40)をその固定端で後退させることによって、係合ワイヤ(40)の自由端(202)が遠位に移動して、ループ(92)を通り、次いで係合ループ(92)を放出する。
一実施形態において、上記係合ワイヤ(40)は、その自由端(202)がインプラントプッシャーシャフト(20)の管腔(22)に摩擦係合するように構成される。この摩擦係合は、係合ワイヤ(40)の望ましくない移動を防止するように構成することができる。あるいは、係合ワイヤ(40)の自由端(202)は、インプラントの意外な放出を防止するために、インプラントプッシャーシャフト(20)の一部またはインプラント放出制御機構(30)に分離し可能に結びつけることができる。
図15は、図14に示される例示的実施形態の変形例を示している。図15に示されるように、インプラントプッシャーシャフト(20)の長さの略2倍に延びている長い係合ワイヤ(40)の代わりに、この例示的実施形態において、係合ワイヤ(40)の遠位部分はフック(212)を備える。そのようなフックは、係合ループ(92)を通過して、それによりインプラントを送達システム(10)に係合させる。いくつかの実施形態によれば、フック(212)部分は、弾性的に付勢された材料および/または構成を有し、それによって、係合ワイヤ(40)の後退がフックをまっすぐにし、フック(212)の自由端が係合ループ(92)を通過するようにする。
図16は、図14に示される例示的実施形態の別の変形例を示している。図16に示されるように、係合ワイヤ(40)の遠位部分は係合ループ(92)に繋がり、爆発結び目(222)を形成する。「爆発的結び目」という用語は、絡み合いを残さずに、ストリングの一端を1回引くと自動的に解ける結び目を意味する。送達および配置中、そのような爆発結び目(222)はインプラントを送達システム(10)に固定する。放出されるとき、上記係合ワイヤ(40)が近位に引かれて、その結果、爆発結び目(222)が自動的に解けるようになり、それによってインプラントを放出する。いくつかの実施形態において、このような爆発結び目(222)を作りやすくするために、係合ループ(92)の遠位部分は、係合ループ(92)の近位部分とは異なる形状、サイズ、剛性のような物理的特性および/または材料構造を有する。
図17~図18は、インプラントがフック-係合ループ機構を介してインプラントプッシャーシャフトに結びつけられる、送達システムとインプラントとの間の別の係合機構を示している。図示されているように、インプラントの係合ループは近位に延びて、フック構成によって捕捉される。
図17は、フック-係合ループ機構の1つの例示的実施形態を示している。図17に示されるように、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位部分(29)は側面開口部(238)を有し、インプラントプッシャーシャフト(20)の開口部から離れた部分はフック(232)のような構成を形成する。そのようなフック(232)は、インプラントの係合ループ(92)を受けるように構成される。係合ワイヤ(40)の遠位端はランプ(230)を有する。そのようなランプ(230)は、傾斜近位面を有する。インプラント送達および配置中、係合ワイヤ(40)の遠位端にあるランプ(230)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の側面開口部(238)に対して遠位である軸方向管腔(22)の内側に配置され、上記係合ループ(92)は、インプラントと送達システム(10)との間の係合を確実に確保しながらインプラントプッシャーシャフト(20)がインプラントに遠位の移動力を加えるような張力で、フック(232)上に巻き付けられる。いくつかの実施形態によれば、上記フック(232)は、形状および大きさを有し、送達および配置中の係合ループ(92)の不意な放出を防止するように構成される。放出中、係合ワイヤ(40)の遠位端にあるランプ(230)が近位に移動して、係合ループ(92)を引っ張るにつれて、係合ワイヤ(40)は近位に引っ張られる。ランプ(230)の傾斜面(234)は、係合ループ(92)が自由になる上方に摺動して、それによってインプラント(80)を放出できるように構成される。
図18は、フック-係合ループ機構の別の例示的実施形態を示している。図18に示されるように、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位部分(29)は側面開口部(248)を有し、インプラントプッシャーシャフト(20)の開口部(248)から離れた部分は側面開口部(248)に向かう傾斜面(244)を有する。係合ワイヤ(40)の遠位端は、図18のインプラントプッシャーシャフトによって覆われるようなフック(242)形状の輪郭を有する。このようなフック(242)は、インプラントの係合ループ(92)を受けるように構成される。いくつかの実施形態によれば、上記係合ワイヤ(40)が近位に引っ張られると、フック(242)の自由端は、インプラントプッシャーシャフト(20)の側面開口部(248)に近い内腔壁と接触し、捕捉された係合ループ(92)をトラップする。別の実施形態において、上記係合ワイヤ(40)が近位に引っ張れると、上記フック(242)はインプラントプッシャーシャフト(20)の軸方向管腔(22)中にしっかりと嵌まり、それによって捕捉された係合ループ(92)をトラップする。
インプラントの送達および配置中、上記係合ループ(92)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の側面開口部(248)から離れた部分上にループされ、係合ワイヤ(40)の遠位フック(242)は係合ループ(92)を捕捉し、上記係合ワイヤ(40)は、近位に引っ張られて係合ループ(92)をトラップする。この状態では、インプラントプッシャーシャフト(20)は、インプラントと送達システム(10)との間の係合を確保しながら、インプラントを遠位に押すことができる。放出中、上記係合ワイヤ(40)は遠位に延びて、側面開口部(248)から離れたインプラントプッシャーシャフト(20)の軸方向管腔(22)内に入る。係合ワイヤ(40)の遠位フック(242)がインプラントプッシャーシャフト管腔の内側に位置すると、上記係合ループ(92)はインプラントプッシャーシャフト(20)の側面開口部(248)から離れた部分の上にループされている。上記傾斜面(244)は、図18Bに示されるように、係合ループ(92)が自由になるまで上方に摺動し、それによってインプラントを放出できるように構成される。
図19A~図19Bは、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端部分における別のインターフェイスの実施形態を示している。図19Aは、インプラントプッシャーシャフト管腔の内部に配置された回転可能なピン(250)を示している。一実施形態において、上記ピン(250)はその中心で回転するように構成される。係合ワイヤ(40)の遠位端もループ(252)を有する。インプラントを送達システム(10)に係合するために、係合フィラメント(90)の係合ループ(92)はピン(250)の一方の側にループし、係合ワイヤ(40)のループ(252)は、図19Aに示されるように、回転中心を横切るようにピン(250)の別の側面にループする。インプラントを送達システム(10)から放出するために、上記係合ワイヤ(40)は近位に後退して、その結果、ピン(250)はその中心周りに回転する。上記ピン(250)が、図19Bに示されるように、インプラントプッシャーシャフト(20)の縦軸の方向に近づくと、係合フィラメント(90)の係合ループ(92)がピン(250)から放出される。
図20~36は、インプラントが送達システムによって捕捉される係合フィラメントの非変形可能な拡大近位端を有する、インプラントと送達システムとの間の様々な係合機構を示している。これらの実施形態において後で示されるように、上記インプラントは、係合フィラメントの近位端に係合ループを有さない。代わりに、上記インプラントは、拡大近位端を有する係合フィラメントを有する。上記送達システムは、係合フィラメントの拡大近位端を捕捉するための様々な係合機構を有する。この係合により、上記インプラントプッシャーシャフトは、送達および配置中に遠位力をインプラントに加えることができる。放出するために、係合フィラメントの拡大近位端が放出されることにより、インプラントを放出する。ここでの説明を簡単にするために、インプラントプッシャーシャフトの近位部分、インプラント放出制御機構の動作、およびコイルインプラントの形状変換は、そのような係合機構を説明するときは含まれない。いくつかの実施形態において、以下に個々に説明するように、係合フィラメントの拡大近位端は、ボール、フック、ブロックまたは任意の他の輪郭であってもよい。各実施形態の具体的な詳細は、捕捉機構にマッチングする設計と確実な係合を達成する必要性によって決定される。このように、本明細書に記載されていることは、本出願の範囲を限定するものと見なしてはならない。いくつかの実施形態によれば、上記係合フィラメントは、インプラントを曲がりくねった解剖学的構造に押し込むために、ある程度の柔軟性を有することができる。
図20A~20Bは、係合フィラメント(90)機構の捕捉された拡大近位端(260)の1つの例示的実施形態を示している。図20Aは、インプラントプッシャシャフト(20)の内側側壁が係合フィラメント(90)の拡大近位端(260)をトラップするように構成された凹部(262)を有することを示している。上記係合ワイヤ(40)はさらに拡大遠位端を有する。上記係合ワイヤ(40)の拡大遠位端は、この拡大遠位端とインプラントプッシャーシャフト(20)の内腔壁との間に殆どまたは全く空間が残らずに、凹部(262)の上に位置し、このように、係合フィラメント(90)の遠位端は凹部(262)内に確実に捕捉される。当業者であれば、設計目的が実現される限り、係合ワイヤ(40)の拡大遠位端および係合ワイヤ(40)の拡大近位端(260)の形状、大きさ、構成は変化し得ることを理解すべきである。
図示のように、インプラントが送達システム(10)と係合するとき、インプラントの係合フィラメント(90)の拡大近位端(260)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の内腔壁の凹部(262)に位置する。上記係合ワイヤ(40)は、その拡大先端部が係合フィラメント(90)の拡大近位端(260)を保持する凹部(262)の頂部に位置するように、その最も遠位の位置まで延びる。図20Bに示されるように、インプラントを放出するために、臨床医は、係合ワイヤ(40)を近位に後退させ、その拡大遠位端(94)が凹部(262)から近位に移動し、それによって係合フィラメント(90)の拡大近位端(b)を放出する。
図21A~21Bは、係合フィラメント(90)機構の捕捉された拡大近位端(270)の別の例示的実施形態を示している。図21Aは、図20A~図20Bを参照して説明したものと異なり、係合フィラメント(90)の拡大近位端(270)を捕捉するように構成された凹部(272)は、係合ワイヤ(40)の遠位端の部分にある。図21Aに示されるように、インプラントが送達システム(10)に係合するとき、インプラントの拡大フィラメント(90)の近位端(270)は、係合ワイヤ(40)の遠位端部分にある凹部に係合する。係合ワイヤ(40)のこの遠位端部分のサイズおよび形状は、係合フィラメント(90)の拡大近位端(270)が逃げられないように、殆どまたは全くスペースを残さずに係合フィラメント(90)の拡大近位端(270)の確実な捕捉を可能にするように構成される。この凹部(272)に近い係合ワイヤ(40)の部分は、様々な形状およびサイズを有することができる。したがって、図21Aに示されていることは、限界として見なされるべきではない。インプラントを放出するために、臨床医は係合ワイヤ(40)を遠位に延ばし、凹部272がその遠位端部分でインプラントプッシャーシャフト(20)の外側へ延びることを可能にし、このように、図21Bに示されるように、その係合フィラメント(90)の拡大近端部(270)を放出することができる。
図22A~22Bは、図21A~図21Bに示される例示的実施形態の変形例を示している。図21Aで説明したのと同様に、係合ワイヤ(40)の遠位端部分も、係合フィラメント(90)の拡大近位端(280)を捕捉するように構成された凹部(282)を有する。図21Aで説明したものとは異なり、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端部分も、図8Aを参照して説明したのと同様の内部ランプ(284)を有する。また、図8Aを参照して説明したのと同様に、係合ワイヤ(40)の遠位端は、ランプ(284)の近位角度(286)と一致するように構成された傾斜面(285)を有する。このように、上記係合ワイヤ(40)がランプに押し付けられると、係合ワイヤ(40)の遠位端面(285)はランプ(284)の傾斜近位面(286)と整列する。図22Aに示されるように、上記凹部282は、係合ワイヤ40のこの傾斜面上に配置される。
図21A~21Bで説明したものと同様に、図22Aに示されるように、インプラントが送達システム(10)に係合するとき、インプラントの拡大フィラメント(90)の近位端(280)は、係合ワイヤの遠位端部分にある凹部(40)内に配置される。インプラントを放出するために、図21Bに示されるように、臨床医が、係合ワイヤ(40)を遠位に延ばし、係合ワイヤ(40)の傾斜面(285)の凹部(282)をインプラントプッシャーシャフト20の外側に延ばすことができるようにし、このように、係合フィラメント(90)の拡大近位端(280)を放出することができる。
図23A~23Bは、図21A~21Bに示される例示的実施形態の変形を示している。図21Aで説明したのと同様に、係合ワイヤ(40)の遠位端部分も、係合フィラメント(90)の拡大近位端(290)を捕捉するように構成された凹部(292)を有する。図21A~21Bで説明したものと同様に、図23Aに示されるように、インプラントが送達システム(10)に係合するとき、インプラントの係合フィラメント(90)の拡大近位端(290)は、係合ワイヤ(40)の遠位端部分の凹部(292)内に配置される。上述したものと異なり、インプラントを放出するために、臨床医が係合ワイヤ(40)を回転させて、それによって、凹部(292)が係合フィラメント(90)のフック状拡大近位端(290)を離脱させて、それによってインプラントを放出する。
図24A~図24Bは、係合フィラメント(90)機構の捕捉した拡大近位端(94)の別の例示的実施形態を示している。図24Aは、係合ワイヤ(40)の遠位端が折り畳み式把持機構(300a、300b)を有することを示している。一実施形態において、上記係合ワイヤ(40)は、その遠位端に折り畳み式把持機構(300a、300b)を有する。係合ワイヤ(40)全体がインプラントプッシャーシャフト(20)の軸方向管腔(22)の内側に配置されると、その折り畳み式把持機構(300a、300b)が折り畳まれて、且つ図24Aに示されるように、係合フィラメント(90)の拡大近位端部(94)を捕捉するように構成されている。係合ワイヤ(40)の折り畳み式把持機構(300a、300b)がインプラントプッシャーシャフト(20)の外側へ延びると、上記折り畳み式把持機構(300a、300b)が開く。次いで、図24Bに示されるように、インプラントが放出される。
図25A~図25Bは、図24A~24Bに示された例示的実施形態の変形例を示している。図24A~図24Bは、折り畳み式把持機構(300a、300b)のような把持ブラケットを示している。図25A~図25Bは、爪状の折り畳み式把持機構(310a、310b)を示している。一実施形態において、上記折り畳み式把持機構(310a、310b)は、所定の開口部構成を有する。インプラントプッシャーシャフト管腔内に閉じ込められたとき、上記折り畳み式把持機構(310a、310b)は折り畳まれる。インプラントプッシャーシャフト管腔から放出されると、上記折り畳み式把持機構(310a、310b)は、熱形状回復または物理的(ばね)回復のいずれかによって、所定の開放構成に戻る。
図26A~図26Bは、図24A~図24Bおよび図25A~図25Bに示される例示的実施形態の別の変形例を示している。図26A~図26Bはさらに、係合ワイヤ(40)の遠位端にある折り畳み式把持機構(320a、320b)を示している。図24A~図24Bおよび図25A~図25Bで説明したものとは異なり、折り畳み式把持機構(320a、320b)の開口部は、係合ワイヤ(40)の近位への引っ張りによって達成される。図26Aに示されるように、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端部の内腔壁は、折り畳み式把持機構(320a、320b)の開放および折り畳みを可能にする輪郭を有する。上記係合ワイヤ(40)が最も遠位の位置まで延びるとき、上記折り畳み式把持機構(320a、320b)は、比較的狭い遠位部分において折り畳まれる。上記係合ワイヤ40が近位に後退すると、上記折り畳み式把持機構(320a、320b)は、内部空間によって折りたたみ式把持機構(320a、320b)が開くことができるインプラントプッシャーシャフト管腔の一部に移動する。
図27A~27Bは、係合フィラメント(90)機構の捕捉した拡大近位端(94)の別の例示的実施形態を示している。図27Aは、係合ワイヤ(40)の遠位端が変形可能な把持機構(330)を有することを示している。一実施形態において、上記把持機構(330)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)に結びつけられた拡大遠位端(336)を有する円錐形織物または編物を有し、上記近位端部(334)は、係合ワイヤ(40)の遠位端部(46)に結合される。一実施形態において、図27Aに示されるように、上記把持機構(330)は、係合ワイヤ(40)が近位に引っ張られるとき、円錐形織物が係合フィラメント(90)の拡大近位端(94)を捕捉するように構成された狭くて細長い輪郭に延びるように、「フィンガートラップ」構造を有する。インプラントを放出するために、臨床医は係合ワイヤ(40)を遠位に伸ばし、円錐形織物が半径方向に拡張するようにし、それにより係合フィラメント(90)の拡大近位端(94)を放出する。
図28A~図28Aは、図27A~27Bに示される例示的実施形態の変形例を示している。図28Aはさらに、変形可能な把持機構(340)を有する係合ワイヤ(40)の遠位端を示している。上記変形可能な把持機構(340)は、その遠位端346がインプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)に結合し、その近位端(344)が係合ワイヤ(40)の遠位端を結合する膜を有する。膜の両端部が互いに向かって押されると、その中央部分(348)が折り畳まれて、折り畳まれた中間部分(348)とその近位端(344)との間の係合フィラメント(90)の拡大近位端(94)を捕捉する。一実施形態において、上記膜は、編物、織物、および/または金属および/またはプラスチックを含む薄膜であり得る。図27Aに記載されたものとは異なり、図28Aに示されるように、上記係合ワイヤ(40)が最も遠位の位置まで延びたとき、上記膜は折り畳まれた状態にバイオスされて、係合フィラメント(90)の拡大近位端(94)を捕捉する。上記係合ワイヤ(40)が近位に引っ張られると、上記膜は伸長して、その中間部分(348)が膨張してインプラントを放出する。
図29A~29Bは、係合フィラメント(90)機構の捕捉された拡大近位端(352)の別の例示的実施形態を示している。図29Aは、折り畳み式要素(350)を有する係合ワイヤ(40)の遠位端を示している。一実施形態において、折り畳み式要素(350)は流体充填バルーン、膨張ケージ、または係合ワイヤ(40)を介して折り畳まれおよび拡張するように構成された他の拡張要素であってもよい。上記折り畳み式要素(350)がある大きさに膨張すると、折り畳み式要素(350)とインプラントプッシャーシャフト(20)の内腔壁との間で、係合フィラメント(90)を閉じ込め、それによって、図29Aに示されているように、上記折り畳み式要素(350)の近位にある係合フィラメント(90)の拡大部分を捕捉する。図29Bに示されるように、上記折り畳み式要素(350)が収縮すると、係合フィラメント(90)の拡大端(352)が放出される。一実施形態において、折り畳み式要素(350)の収縮は、係合ワイヤ(40)の管腔を介して流体を抜き取ること、係合ワイヤ(40)を操作する(例えば、回転、後退または前進)こと、および/または両方の組み合わせによって実現される。
図30A~30Bは、係合フィラメント(90)機構の捕捉された拡大近位端(362)の別の例示的実施形態を示している。図30Aは、複数の遠位フランジ(368a、368b)を有するインプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)を示している。係合ワイヤ(40)の遠位端(44)は、それぞれインプラントプッシャーシャフト(20)のフランジ(368a、368b)を結合する遠位端を有する複数の連結部材(366a、366b)を有し、このように、上記端部(364)は全て係合ワイヤ(40)の遠位端(46)に結合する。図30Aに示されるように、上記係合ワイヤ(40)が最も遠位の位置まで延びているとき、上記接続部材(366a、366b)は張力を受けておらず、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位フランジ(368a、368b)がインプラントプッシャーシャフト管腔(22)の遠位開口部を部分的に覆い、係合フィラメント(90)の拡大近位端(362)をインプラントプッシャーシャフト管腔(22)の内部にトラップしながら残りの部分の係合フィラメント(90)の外側への延伸を可能にするように、インプラントプッシャーシャフト(20)の長手軸に略垂直な第1の構成を有する。次に、上記インプラントは送達および配置のために送達システム(10)に係合される。上記係合ワイヤ(40)が近位に引っ張られると、上記連結部材(366a、366b)も引っ張られる。次いで、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位フランジ(368a、368b)は近位に引っ張られて第2の構成に戻り、この第2の構成において、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位フランジ(368a、368b)がインプラントプッシャーシャフト(20)の縦軸線に対して鋭角をなすように引っ張られる。図30Bに示されるように、このときに、係合フィラメント(90)の拡大近位端(362)を放出するように、インプラントプッシャーシャフト(20)の最初に部分的に閉塞された遠位開口部が開かれる。
図31は、係合フィラメント(90)機構の捕捉された拡大近位端(372)の別の例示的実施形態を示している。図31は、インプラントプッシャーシャフト(20)の縦軸に略垂直な2つのフランジ(374a、374b)を有するインプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)を示し、上記遠位端(26)は、2つの長手スリット(375a、375b)を有し、上記2つの長手スリット(375a、375b)はそれぞれフランジ(374a、374b)から所定距離まで延びて、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位部分(29)を2つの半分に分割する。インプラントプッシャーシャフト(20)の分割遠位部分(29)の内部管腔は、円錐の小端部が円錐の拡大端から離れるような円錐形構成を有する。図31は、係合ワイヤ(40)の拡大遠位端(372)をさらに示している。上記係合ワイヤ(40)が最も遠位の位置にあるとき、インプラントプッシャーシャフト(20)の分割遠位部分は互いに略平行に延び、上記フランジはインプラントプッシャーシャフト(20)の遠位開口部を部分的にブロックし、係合ワイヤ(40)の拡大遠位端(372)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の分割遠位部分(29)の軸方向管腔内の円錐形拡大端の内側に位置決めされる。この構成において、図30に示されるように、係合フィラメント(90)の拡大近位端(94)はインプラントプッシャーシャフト(20)によって捕捉され、係合フィラメント(90)の残りの部分は外側に延びている。係合ワイヤ(40)が近位に引っ張られると、係合ワイヤ(40)の拡大遠位端(372)は、円錐の狭窄端に強制的にされる。2つの分割半体は、その2つのスリットに沿って強制的に開かれる。上記インプラントは放出される。
当業者であれば、インプラントプッシャーシャフト(20)の分割遠位部分(29)内の円錐形内部管腔が、ここに示されているような逆の構成を有していてもよいため、円錐の狭い端部は、円錐の大きな端部から遠い。係合ワイヤ(40)を前進させることによって、係合ワイヤ(40)の拡大遠位端が2つの半分を分割する。別の実施形態において、相対的に狭いチャネルは、係合フィラメント(90)の拡大近位端(372)が内部に捕捉されるように、円錐形内腔構成の遠位に配置される。
図32A~32Bは、係合フィラメント(90)機構の捕捉された拡大近位端(94)の別の例示的実施形態を示している。図32Aは、インプラントプッシャーシャフト(20)が漏斗状遠位部分(384)を有し、漏斗の頂部(386)に開口があり、それによって係合ワイヤ(40)が通って延びることを可能にすることを示している。上記係合ワイヤ(40)はさらに、係合フィラメント(90)の拡大近位端(382)を捕捉するように構成された拡大遠位端(380)を有する。漏斗(384)の最も狭い部分に配置されるために、図32Aに示されるように、上記係合ワイヤ(40)がその最も近位の位置に後退すると、係合フィラメント(90)の拡大近位端(382)が、係合ワイヤ40の拡大遠位端(380)の間に捕捉される。図32Bに示されるように、上記係合ワイヤ(40)が遠位に延びると、係合ワイヤ(40)の拡大遠位端(380)は遠位に移動する。その後、インプラントが放出される。
図33A~33Bは、係合フィラメント(90)機構の捕捉された拡大近位端(392)の別の例示的実施形態を示している。図33Aは、一側がインプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)からある距離をおいてインプラントプッシャーシャフト(20)の内腔壁に旋回可能に結合された旋回可能なフラップ(390)を示している。係合ワイヤ(40)の遠位端は、フラップ(390)の中間部分に接続される。上記係合ワイヤ(40)への張力が除去されると、図33Aに示されるように、上記フラップ(390)は降下し、係合フィラメント(90)の拡大近位端(392)はその近位側で旋回可能なフラップにより捕捉される。インプラントを放出するために、上記係合ワイヤ(40)は延びて、図33Bに示されるように旋回可能なフラップ(390)を旋回させて、インプラントを放出する。図33A~33Bに示される係合フィラメント(90)の拡大近位端(94)がフック状の輪郭を有するが、当業者であれば、インプラントを係合させる目的を達成するために、他の形状、サイズ、および輪郭を使用することができることを理解すべきである。それに加えて、上記フラップ(390)は、図34Aに示される構成のような、当該分野において係合フィラメント(90)の細長い部分を収容するために知られている多くの設計詳細を有することができる。リビングヒンジ、ピンヒンジ、フラップが前進したときに旋回するように予備成形されたニチノールなど、当該分野で知られている多くの旋回可能な構成をこの実施形態に適用できる。
図34A~図34Bは、図33A~33Bを参照して、旋回可能な係合機構(400)の例示的実施形態の変形例を示している。図34A~34Bを参照して説明したものと同様に、旋回可能な係合機構(400)は、係合フィラメント(90)の拡大近位端(402)に係合するための閉鎖構成と、係合フィラメント(90)の拡大近位端(402)を放出するための開放構成とを有する。図34A~34Bを参照して説明したものとは異なり、上記インプラントプッシャーシャフト(20)は、その遠位部分の管状壁に開口部を有する。上記旋回可能な係合機構(400)は、開口部の近位端に結合するように旋回する。上記インプラントが送達システム(10)に係合したとき、上記旋回可能な係合機構(400)は落下して、係合フィラメント(90)の拡大近位端(402)を上記フラップの近位にトラップする。インプラントを放出するために、上記係合ワイヤ(40)は遠位に延びて、旋回可能な係合機構(400)に押し付けて、旋回可能な係合機構(400)を半径方向に回転させる。上記旋回可能な係合機構(400)が開くと、上記インプラントが放出される。
図35A~図35Bは、係合フィラメント(90)機構の捕捉された拡大近位端(94)の別の例示的実施形態を示している。図35Aは、係合ワイヤ(40)の遠位端における折り畳み式係合機構(410)を示している。上記折り畳み式係合機構(410)は、閉鎖構成と開放構成とを有する。図35Aは、折り畳み式係合機構(410)の周りを包んでそれを係合フィラメント(90)の拡大近位端(412)を捕捉する閉鎖構成として制約するように構成されるフィラメント(414)を示している。一実施形態において、フィラメント(414)の近位端は、臨床医によって操作可能に制御される。インプラントを放出するために、臨床医は、フィラメント(414)を近位に引っ張り、フィラメント(414)の巻き戻しを引き起こす。拘束が解除されると、係合ワイヤ(40)の折り畳み式係合機構(410)は、形状が予め設定された位置で開いて、係合フィラメント(90)の拡大近位端(412)を放出する。当業者であれば、上記折り畳み式係合機構(410)は、形状記憶合金などで作られたような多くの形状、サイズおよび構造を有することができることを理解すべきである。別の実施形態において、上記折り畳み式係合機構(410)からのフィラメント(414)の巻き戻しは、臨床医が上記係合ワイヤ(40)を回転させること、または後退と回転の両方の組み合わせによって達成することができる。
図36A~図36Bは、図35A~図35Bを参照して説明された例示的実施形態の変形例を示している。図35A~図35Bに示される例示的実施形態と同様に、上記フィラメント(424)は、係合フィラメント(90)の拡大近位端(94)に係合するために使用される。図35A~図35Bに示される例示的実施形態とは異なり、上記係合ワイヤ(40)は、特別な係合遠位端構成を有さない。送達および配置中、上記フィラメント(424)は、係合ワイヤ(40)の遠位部分および係合フィラメント(90)の近位部分を一緒に包んで、係合フィラメント(90)の拡大端を捕捉する。一実施形態において、上記フィラメント(424)は2回または3回など複数回巻き付ける。また、図35A~図35Bに示される例示的実施形態と同様に、図36Bに示されるように、上記フィラメントおよび/または上記係合ワイヤ(40)の引き込みおよび/または回転のいずれかによって、上記フィラメント(424)の巻き戻しが行われると、インプラントが放出される。
図37A~37Bは、係合フィラメント(90)機構の捕捉した拡大近位端(432)の別の例示的実施形態を示している。図37は、その遠位端に1つのO-リング(430)構成を有する係合ワイヤ(40)を示している。上記O-リング(430)構成は、係合ワイヤ(40)の端部を旋回可能に結合する。上記O-リング(430)構成における貫通孔が、係合フィラメント(90)の拡大近位端(432)が通過することを可能にするような大きさおよび形状にされる。図37Aに示されるように、上記O-リング(430)構成は、その自然状態にあるので、インプラントプッシャーシャフト(20)の縦軸と角度をなして、それにより、近位O-リング(430)構成の近位にある係合フィラメント(90)の拡大近位端(432)を捕捉すると同時に、係合フィラメント(90)が貫通する蛇行経路を形成する。インプラントを放出するために、上記O-リング(430)構成がインプラントプッシャーシャフト(20)の縦軸に略垂直な比較的まっすぐな輪郭に戻り、上記係合フィラメント(90)の拡大近位端(432)が近位に延びて、それによって放出され得るように、上記係合ワイヤ(40)を前進および/または後退させることができる。
図20~図37を参照して説明された全ての例示的実施形態は、係合フィラメントの非変形可能な拡大近位端に関する。また、図38~39は、インプラントと送達システムとの間の係合が係合フィラメントの変形可能な拡大近位端によって達成される2つの例示的実施形態を示している。
図38A~図38Bは、係合フィラメント(90)機構の捕捉されて折り畳まれた近位アンカー(442)の別の例示的実施形態を示している。一実施形態において、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位開口部はその軸方向管腔よりも小さい一般直径を有する。係合フィラメント(90)の折り畳まれた近位アンカー(442)は、第1半径方向拡張構成と第2折り畳み構成とを有する折り畳み式アンカーを有する。図38Aに示されるように、係合ワイヤ(40)の遠位端は、係合フィラメント(90)の折り畳み式近位アンカー(442)を押し開くような大きさにされている。上記係合ワイヤ(40)が後退すると、上記拡張近位アンカー(442)はその第2輪郭として折り畳まれる。図38Aは、係合フィラメント(90)の近位アンカー(442)を押し開いている係合ワイヤ(40)を示し、半径方向に拡張した形態にある係合フィラメント(90)の折り畳み式近位アンカー(442)はインプラントプッシャーシャフト(20)の軸方向管腔(22)内に捕捉される。半径方向に拡張したアンカーは、次いで、インプラントプッシャーシャフト(20)の狭い遠位開口部によってブロックされ、それによりインプラントが送達システム(10)に固定される。図38Bは、後退させる係合ワイヤ(40)と、インプラントプッシャーシャフト(20)の狭い遠位開口部を通って進むことを可能にする第2小半径方向輪郭として折り畳まれた拡張近位アンカー(442)とを示している。一実施形態において、係合フィラメント(90)の近位アンカー(442)は、当該分野で公知の多くの他の構成を組み込むことができる。例えば、上記近位アンカー(442)は、アーム、フランジおよび/または他の形状の複数のアンカー要素を有することができる。
図39A~図39Bは、図38A~図38Bを参照して説明した例示的実施形態の変形例を示している。図38A~38Bに示される例示的実施形態と同様に、係合フィラメント(90)の折り畳まれた近位アンカー(452)はさらに、折り畳み式アンカー(452)を有する。図38A~38Bに示される例示的実施形態と異なり、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位開口部は、その軸方向管腔と同じ一般直径を有する。図38A~38Bに示される例示的実施形態と同様に、係合ワイヤ(40)の遠位端(450)は、係合フィラメント(90)の折り畳まれた近位アンカー(452)を押し開くような大きさにされている。図39Aは、係合フィラメント(90)の近位アンカー(452)を押し開く係合ワイヤ(40)と、その半径方向に拡張した形態にある係合フィラメント(90)の折り畳み式近位アンカー(452)がインプラントプッシャーシャフト(20)の軸方向管腔(22)内に捕捉される。図39Bは、後退させる係合ワイヤ(40)と、インプラントプッシャーシャフト(20)の外側へ延びることを可能にする第2小半径方向輪郭に折り畳まれた拡張近位アンカー(452)を示している。
ここで、インプラントが摩擦係合機構を用いて送達システムに結びつけられる例示的実施形態の別のグループを参照する。図40~43は、係合ワイヤの遠位端が、インプラントの係合フィラメントの近位部分と接触し、それらが一緒にインプラントプッシャーシャフトの軸方向管腔の内側に嵌合することを示している。係合ワイヤを後退させることによって、係合フィラメントの近位部分が放出される。
図40A~40Bは、摩擦係合機構の例示的実施形態を示している。図40Aは、上記係合ワイヤ(40)がボール形状構成のような拡大遠位部分(460)を有することを示している。インプラントの送達および配置中、上記係合ワイヤ(40)の拡大遠位端(460)は、係合フィラメント(90)の近位部分と重なる。それらは一緒になってインプラントプッシャーシャフト(20)の内部管腔空間に摩擦係合するように構成され、意図外の放出を防止するためにインプラントは固定される。インプラントを放出するために、上記係合ワイヤ(40)は近位に後退して、係合フィラメント(90)の近位部分から離れるように移動し、それによって、図40Bに示されるように、係合フィラメント(90)を自由にする。
図41は、図40A~図40Bに示された例示的実施形態の変形例を示している。図40A~図40Bと異なり、上記係合ワイヤ(470)は、拡大遠位部分を有していない。その代わりに、上記係合ワイヤ(470)全体の大きさは、インプラントプッシャーシャフト管腔の内側にある係合フィラメント(90)の近位部分に摩擦係合するように構成される。図40A~図40Bを参照して説明したものと同様に、臨床医は係合ワイヤ(470)を近位に容易に後退して放出する。
摩擦係合機構の両方の例示的実施形態は、係合フィラメント(90)の近位部分にある特別な設計構成を開示していない。当業者であれば、係合ワイヤ(40)の遠位端部分と係合フィラメント(90)の近位端部分との重なりアセンブリがインプラントプッシャシャフト(20)の内側軸方向管腔(22)に安定的に係合される限り、係合フィラメント(90)の近位端部分と係合ワイヤ(40)の遠位端部分は、多くの詳細な構成を取り得ることを理解すべきである。
図42は、図40A~図40Bに示される例示的実施形態の変形例を示している。図40Aを参照して説明したものと同様に、上記係合ワイヤ(40)は、ボール状の拡大遠位部部(480)を有する。図40Aとは異なり、係合フィラメント(90)の近位端(482)はO-リング状構成を有する。上記インプラントが送達システム(10)に係合するとき、上記ボール状の拡大遠位端(480)は、O-リング状構成内に配置される。一体として、ボールーリングアセンブリは、図42に示されるように、インプラントプッシャーシャフト管腔内にしっかりと嵌合する。同様に、係合ワイヤ(40)を近位に後退させることによって、インプラントが放出される。
図43~図45は、インプラントを放出するために係合ワイヤが破断する必要があるようにインプラントが送達システムに結びつけられる別のグループの例示的実施形態を示している。図43は、係合ワイヤーループ機構の別の例示的実施形態を示している。図43に示されるように、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)は、上述したものと同様に内部ランプ(492)を有し、たとえば、図8に示されるように、上記内部ランプ(492)は、インプラントプッシャーシャフト管腔の遠位開口部をブロックする。係合ワイヤ(40)の遠位部分は破断可能部分(490)を有する。一実施形態によれば、上記破断可能部分(490)は、インプラントの送達および配置中に遭遇する力および/または捻れよりも高い力および/または捻れで破裂するように構成・配置され得る。破断可能部分(490)は、所定閾値で破断するように構成されている。上記係合ワイヤ(40)の遠位端は上記内部ランプ(492)に固定される。上記インプラントの係合ループ(92)は、インプラントの送達に先立って係合ワイヤ(40)によって捕捉されるように予め装填される。放出するとき、上記係合ワイヤ(40)は近位に引っ張られ、破断可能部分(490)が引き離されるまで係合ワイヤ(40)に張力を生じさせ、それによりインプラントを放出する。
図44は、図43に示される例示的実施形態の変形例を示している。図43で説明したのと同様に、上記係合ワイヤ(504)は破断可能部分(490)を有する。図43とは異なり、係合ワイヤ(504)の遠位端(500)はインプラントプッシャーシャフト(20)の内側軸方向管腔(22)にある点に固定して係合する。図44は、係合フィラメント(90)の近位端(94)が、係合ワイヤ(504)の遠位端(500)が通過することを可能にする寸法および形状にされている小穴構成(502)を有することを示している。上述したのと同様に、上記インプラントは、係合フィラメント(90)の近位アイレット端(502)が係合ワイヤ(504)によって捕捉されるように予め装填される。放出するとき、上記係合ワイヤ(504)は近位に引っ張られ、係合ワイヤ(504)の遠位端(500)がインプラントプッシャーシャフトの内側軸方向管腔(22)からが引き離されるまで係合ワイヤ(504)に張力を生じさせ、それによりインプラントを放出する。
図45は、図43に示される例示的な実施形態の他の変形例を示している、図45に説明したものとは異なり、上記破断可能部分(510)は係合フィラメント(90)の近位部分にある。上記係合フィラメント(90)は係合ワイヤ(40)に固定して結びつけられる。インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)が遠位への押し込み力をインプラントの端部に伝達するように、その内腔径よりも狭い開口部を有する。インプラントを放出するために、上記係合ワイヤ40は近位に後退して、破断可能部分(510)が引き離されるまで係合フィラメント(90)に張力を生じさせる。
図46~図53は、インプラントの近位端がブラケット係合機構を有する例示的実施形態のグループを示している。本出願の一実施形態によれば、図3を参照して説明したものとは異なり、図46~53に説明した例示的なインプラントは、係合フィラメントを有さない。その代わりに、ブラケット係合機構がコイルインプラントの近位端に固定されている。一実施形態において、上記ブラケット係合機構は、比較的狭い近位開口部を有する内部空間を有する。この狭い内部空間は、送達システムの遠位係合機構を捕捉するような大きさおよび形状にされている。係合ワイヤがブラケットの狭い近位開口部を通って延びることができる。
次に、図46A~図46Bに示されるように、インプラントの例示的なブラケット係合機構(524)は送達システム(10)の遠位端を捕捉する。図46Aは、インプラントプッシャーシャフト(20)は係合ワイヤ(40)を内部に摺動可能に配置できる軸方向管腔(22)を有することを示している。インプラントプッシャーシャフト(20)の内腔壁に、可撓性テザー(520)が遠位部分で結びつけられる。上記可撓性テザーの自由端は、ボール形または他の方法で拡大された部分(522)を有する。上記テザー(520)の自由端におけるそのような拡大部分(522)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の外側に遠位に延びて、さらにインプラントの近位端にある近位ブラケット係合機構(524)内に延びるように構成される。上記テザー(520)の自由端におけるこのような拡大部分(522)はさらに、拡大部分(522)と開口部(526)との間の最小の余分な空間でブラケット係合機構(524)の狭い近位開口部(526)を通過するように構成されている。
図46Aに示されるように、インプラントの送達および配置中、上記テザー(522)の自由端の拡大部分(522)は、最初にブラケット係合部(524)の内部空間の内側に配置される。次いで、上記係合ワイヤ(40)は、その遠位端がブラケット係合機構(524)の内部空間の内側に延びるように遠位に延びる。上記係合ワイヤ(40)は、ブラケット係合機構(524)の狭い開口部(526)とテザー(520)の拡大自由端(522)とのサイズの間の緊密な嵌合の間に、テザー(520)の自由端(522)がブラケット係合機構(524)から引き抜かれることを防止する。インプラントを放出するために、図46Bに示されるように、上記係合ワイヤー(40)は近位に後退し、上記テザー(520)の拡大自由端(522)はブラケット係合機構(524)の内部空間から離れることができる。一実施形態において、ブラケット係合機構(524)の狭い近位開口部(526)は、ブラケット係合機構(524)の中心に位置する。別の実施形態において、ブラケット係合機構(524)の狭い近位開口部(526)は、図46A~46Bに示されるように、インプラント放出時のテザーの拡大自由端部(522)の滑らかな移動を容易にするために、ブラケット係合機構(524)の中心から外れている。
図47A~47Bは、ブラケット係合機構(524)の別の例示的実施形態を示している。図47Aは、係合ワイヤ(40)の遠位端が結び目(530)を有することを示している。上記インプラントプッシャーシャフト(20)は、係合ワイヤ(40)の遠位部分が通過できるように構成されたより狭い遠位開口部(532)を有する軸方向管腔を有する。上記係合ワイヤ(40)の結び端部(530)は、係合ワイヤ(40)の残りの部分およびインプラントプッシャーシャフト(20)の狭い開口部(532)全体の直径より大きい直径を有する。さらに、係合ワイヤ(534)の結び端部(530)は、ブラケット係合機構(524)の内部空間の内部に嵌合するようなサイズにされているとともに、インプラントのブラケット係合機構(524)の狭い近位開口部(526)よりも大きな直径を有する。一実施形態において、係合ワイヤ(534)の結び端部(530)は、近位への引張り力によって細長いフィラメント輪郭内に自由に設置できる。図47Aは、送達システム(10)に対するインプラントの係合を示し、この係合では、係合ワイヤ(534)の結び端がブラケット係合機構(524)の内部空間の内側に配置され、係合ワイヤ(534)の残りの部分が結び端部(530)からブラケット係合機構(524)の狭い開口部(526)およびインプラントプッシャーシャフト(20)の狭い遠位開口部を通って、インプラントプッシャーシャフト管腔内に入るように近位に延びる。インプラントを放出するために、上記係合ワイヤ(534)は近位に後退して、結び端部(530)は係合を解除されて細長い輪郭になる。上記係合ワイヤ(534)を近位に引き続き引っ張ると、絡み合っていない細長い結び端部は、ブラケット係合機構(524)の内部空間から分離される。当業者であれば、本明細書に結び目が記載されているが、巻かれたコイルまたはワイヤ塊であってもよいことを理解すべきである。
図48A~図48Bは、ブラケット係合機構(524)の別の例示的実施形態を示している。図48Aは、係合ワイヤ(40)が拡大端(540)を有することを示している。フィラメント(542)はさらに、その遠位端が係合の拡大遠位端(540)の周りに巻かれるように構成された状態で、遠位に延びる。一実施形態において、係合ワイヤ(40)の拡大遠位端(540)は、ブラケット係合機構(524)に対して自由に出入りして延びるように構成される。フィラメント(542)の遠位部分は、係合ワイヤ(40)の拡大遠位端(540)の周りに巻かれると、図48Aに示されるように、ブラケット係合機構(524)内にしっかりと嵌合する。次いで、インプラント(80)および送達システム(10)は摩擦的に係合される。インプラントを放出するために、巻かれたフィラメント(542)は、ブラケット係合機構(524)が係合ワイヤ(40)を放出するように、係合の拡大遠位端(540)から分離される。一実施形態において、フィラメント(542)および/または係合ワイヤ(40)の後退および/または回転によって、フィラメント(542)は係合ワイヤ(40)の拡大遠位端(540)から巻き戻される。
図49A~図49Bは、ブラケット係合機構(524)の別の例示的実施形態を示している。図49Aは、係合ワイヤ(40)が拡張/折り畳み式端部(550)を有することを示している。一実施形態において、係合ワイヤ(40)のそのような折り畳み式遠位端(550)は、ブラケット係合機構(524)の内部空間の内側に配置されるように構成された拡張輪郭と、ブラケット係合機構(524)の狭い近位開口部(526)を通過するように構成された折りたたまれた輪郭とを有する。一実施形態において、折り畳み式端部(550)の半径方向拡張は、バルーン膨張などの当該分野における多くの公知の機構によって達成できる。図49Aは、係合ワイヤ(40)の遠位端(550)が拡張して、ブラケット係合機構(524)の内部に捕捉されることを示している。インプラントを放出するために、上記拡張された遠位端(550)は折り畳まれて、次に、上記係合ワイヤ(40)は近位に後退して、インプラントから自らを放出する。
図50A~50Bは、ブラケット係合機構(524)の別の例示的実施形態を示している。図50Aは、係合ワイヤ(40)の遠位端付近にウエスト部分(562)を有することを示している。一実施形態において、上記ウエスト部分(562)は、ウエスト部分(562)に対する遠位部分および近位部分よりも小さい直径を有する。上記係合ワイヤ(40)は、例えば形状記憶合金製の拡張可能リング(560)をさらに含む。一実施形態において、上記拡張可能リング(560)は、係合ワイヤ(40)の遠位部分の上を摺動することを可能にする拡張輪郭を有する。別の実施形態において、上記拡張可能リング(560)は、係合ワイヤ(40)のウエスト部分(562)の内側に嵌合することを可能にする折りたたまれた輪郭を有する。一実施形態において、上記拡張可能リング(560)は、係合ワイヤ(40)のウエスト部分(562)の内側に嵌合するように構成される。別の実施形態において、上記拡張可能なリング(560)が係合ワイヤ(40)のウエスト部分(562)の内側に位置すると、上記リングはその折りたたまれた輪郭に戻り、このように、上記リング全体のサイズが係合ワイヤ(40)の残りの全体の大きさと概ね同様である。これにより、上記係合ワイヤ(40)はブラケット係合機構(524)から分離される。インプラントの送達および配置中、上記拡張可能リング(560)は、係合ワイヤ(40)のウエスト部分(562)の近位位置にあり、上記ブラケット係合機構(524)は、係合ワイヤ(40)の遠位端を捕捉する。インプラントを放出するために、係合ワイヤ(40)は近位に後退して、次いで、上記リングは係合ワイヤのウエスト部分(562)の内側に押し込まれて、係合ワイヤ(40)が自由になる。
図51は、係合ワイヤ(40)で折り畳み式遠位係合要素(570)を捕捉するブラケット係合機構(524)の別の例示的実施形態を示している。図51は、係合ワイヤ(40)の遠位端が折り畳み式係合要素(570)を有することを示している。そのような係合要素(570)は自由端と固定端を有する。その固定端は係合ワイヤ(40)の遠位端に結合される。所定の弛緩構成において、上記要素(570)は、係合ワイヤ(40)の縦軸から半径方向において外側に延びる。この構成において、係合ワイヤ(40)の係合要素(570)はブラケット係合機構(524)の内部に捕捉され、それによってインプラントを送達システム(10)に係合させる。インプラントを放出するために、上記係合ワイヤ(40)は近位に後退して、それにより、上記折り畳み式係合要素(570)は折り畳まれて、ブラケット係合機構(524)の狭い近位開口部(526)を通過する。その後、インプラントは放出される。
図52は、図48A~図48Bに示される例示的実施形態の変形例を示している。図48A~図48Bで説明したものと同様に、上記係合ワイヤ(40)はさらに拡大遠位部分を有する。図48A~図48Bで説明したものと異なり、係合ワイヤ(40)の拡大遠位端(580)はブラケット係合機構(524)に摩擦係合するように構成される。インプラントを放出するために、上記係合ワイヤ(40)は、十分な力で近位に後退し、それにより、係合ワイヤ(40)の拡大遠位端(580)をブラケット係合機構(524)から引き出す。
図53は、図52に示される例示的実施形態の別の変形例を示している。図52で説明したものと同様に、上記係合ワイヤ(40)は拡大遠位端(590)を有する。図52で説明したものと異なり、係合ワイヤ(40)の拡大遠位端(590)は、ブラケット係合機構(524)に螺合するように構成される。インプラントを放出するために、臨床医は係合ワイヤ(40)を回転させ、拡大遠位端(590)をブラケット係合機構(524)から離脱させて、係合ワイヤの近位への後退をトリガーする。
図54は、インプラント(80)と送達システム(10)との係合の別の例示的実施形態を示している。図53に示されるように、インプラントの近位端部分(600)は、係合ワイヤ(602)の遠位部分で包まれる。それらは一体としてインプラントプッシャーシャフト(20)の内側管腔の遠位部分に摩擦係合する。いくつかの実施形態において、上記係合ワイヤ(602)は、係合ワイヤ(602)の近位端(600)への後退によりインプラントの近位端部分(600)から係合ワイヤ(602)の遠位部分を巻き戻すように構成されている。インプラントの近位端部分(600)は、係合ワイヤ(602)により包まずに、インプラントプッシャーシャフト管腔から外部へ自由に移動する。
図55は、インプラント(80)と送達システム(10)との係合の別の例示的実施形態を示している。図54に示されるように、たとえば、図3を参照して説明したものと同様に、インプラントは係合フィラメント(610)を有する。そのような係合フィラメント(610)は、係合ワイヤ(40)の遠位部分に沿って巻かれて、それによって、インプラントを送達システム(10)に係合させる。一実施形態において、係合ワイヤ(40)の遠位端は、係合フィラメント(610)の意外な巻き戻しを防止するように構成された拡大部分を有する。インプラントを放出するために、上記係合ワイヤ(40)が巻き戻し方向に回転すると、係合フィラメント(610)は係合ワイヤ(40)から外れる。
図56~図57は、フック-インプラント係合機構の2つの例示的実施形態を示している。図56~57はすべて、係合ワイヤの遠位端がフック状係合構成を有することを示している。一実施形態において、上記フック状係合構成は、インプラントの近位部分に結合するように構成された湾曲輪郭と、インプラントを放出するように構成された直線輪郭とを有する。上記湾曲輪郭から直線輪郭への移行は、係合ワイヤの近位への後退によって引き起こされる。別の実施形態において、上記フック状係合構成は、インプラントに係合または離脱するように動作可能に回転する恒久的な湾曲状輪郭のみを有する。図56は、インプラントが、フック状係合構成に結びつけられたコイル状近位端を有することを示している。別の実施形態において、上記フック状係合構成(622)はインプラントから回転可能に外れる。一実施形態によれば、上記フック状係合構成(622)は、インプラントを放出するために、その湾曲輪郭をまっすぐにする。図57は、上記フック状係合構成(622)がインプラントの係合フィラメント(90)の近位部分に結合することを示している。一実施形態によれば、上記フック状係合構成(632)は、インプラントを放出するために、その湾曲輪郭をまっすぐにする。
図58は、インプラント送達システムの係合機構の別の例示的実施形態を示している。図58は、インプラントの近位端がフック状係合構成(640)を有することを示している。係合ワイヤ(40)の遠位端は、爆発結び目(exploding knot)(642)を有する。送達および配置中、係合ワイヤ(40)の遠位部分は遠位に延びて、インプラントのフック状係合構成(640)は爆発結び目(642)に係合する。上記係合ワイヤ(620)が近位に引っ張られると上記爆発結び目(642)は解かれる。その後、インプラントは放出される。
図59は、インプラント-送達システム係合機構の別の例示的実施形態を示している。図59は、遠位位置でインプラントプッシャーシャフト(20)の内腔壁に結びつけられた第2係合フィラメント(650)を示している。第2係合フィラメント(650)の遠位端は、第2係合ワイヤ(40)の遠位端が貫通することを可能にするサイズおよび形状のループ(652)を有する。上記コイルインプラント(83)の近位端はポートおよびクロスピン(図4を参照して上述したフィンガーおよびクロスピンと類似する)を有する。インプラントの送達および配置中、図59に示されるように、第2係合フィラメント(650)は、クロスフィラメント(650)の一側からインプラントの近位ポート内へ遠位に延びて、上記係合ワイヤ(40)も、クロスピンの反対側から、インプラントの近位部分内に遠位に延びて、さらに係合フィラメント(650)の遠位ループ内に延び、それによって、インプラントを送達システム(10)に固定する。インプラントを放出するために、上記係合ワイヤ(40)は近位に後退する。次に、係合フィラメント(650)の遠位ループ(652)は放出され、インプラントは放出される。
図8、図18、図21、図22、図24、図25、図27、図32、および図34で参照される実施形態を除いて、上述したインプラント-送達システム(10)の係合の大部分の実施形態は、インプラントを完全に放出するために、係合ワイヤ(40)の近位への後退が必要である。上記のとおり、係合ワイヤ(40)の近位端は、インプラント放出制御機構に固定して結びつけられる。係合ワイヤ(40)の近位への後退は、インプラント放出制御機構の作動、例えば近位への後退によって誘発され得る。図60~図120は、インプラント放出制御機構の様々な実施形態、およびそれによる係合ワイヤの近位の後退への制御を示している。一実施形態によれば、上記インプラント放出制御機構は、制御機構の作動とインプラントの放出との間の遅延を回避するかまたは大幅に低減するために、インプラントを迅速に放出するように構成して配置される。
図60~図90は、インプラント放出制御機構とインプラントプッシャーシャフトとの間の係合/離脱がインプラント放出制御機構の動きだけで、またはインプラントプッシャーシャフトの近位端の動きとの組み合わせによって達成される様々な実施形態を示している。図60~図80は、インプラント放出制御機構の様々な実施形態を示し、このような様々な実施形態では、上記インプラント放出制御機構は、インプラントプッシャーシャフトとは別個のコンポーネントであり、係合ワイヤの近位端に結合される。図81~84は、係合ワイヤの近位端部分の一体型セグメントであるインプラント放出制御機構の別の様々な実施形態を示している。図85~図90は、インプラントプッシャーシャフトの近位端部分の形状変形を伴う、上記インプラント放出制御機構と上記インプラントプッシャーシャフトとの間の離脱の別の様々な実施形態を示している。図91~図110は、インプラント放出制御機構がインプラントプッシャーシャフトの破断可能な近位部分である別の様々な実施形態を示している。
図60に示されるように、上記インプラント放出制御機構は、コネクタを介してインプラントプッシャーシャフト(20)に分離し可能に結びつけられる。図60に示されるように、一般的な管状輪郭を有するコネクタは、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端(24)とインプラント放出制御機構(30)の遠位端(36)を結合する。一実施形態において、上記インプラント放出制御機構(30)はさらに、一般的な円筒形状を有する。上記コネクタ(12)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端(24)に固定して結合され、インプラント放出制御機構(30)の遠位端(36)に摩擦係合する。上記インプラント放出制御機構(30)をインプラントプッシャーシャフト(20)から離脱するために、上記インプラント放出制御機構(30)をコネクタ(12)から分離し、この結果、係合ワイヤ(40)を近位に後退させる。一実施形態において、上記コネクタ(12)は、PTFEおよび/またはPET製のチューブである。別の実施形態において、上記コネクタ(12)は、接着剤、溶接、クリンプおよび/またはスエージなどの本分野で知られている様々な熱的、化学的または機械的手段を介して、インプラントプッシャシャフト(20)の近位端部(24)に係合される。
図61は、コネクタを介してインプラントプッシャーシャフト(20)に分離し可能に結びつけられたインプラント放出制御機構(30)の別の実施形態を示している。図61に示されるように、上記インプラント放出制御機構(30)は一般的な円筒形状を有する。インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端部分(21)は、インプラント放出制御機構(30)の遠位部分(35)に摩擦係合するような大きさおよび形状の内部管腔(23)を有する。インプラントの送達および配置中、上記インプラント放出制御機構(30)は、その近位端からインプラントプッシャーシャフト(20)の内部管腔(23)内に延びて、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端部分(21)の内部管腔(23)に係合する。臨床医が把持するために、上記インプラント放出制御機構(30)の近位部分(33)はインプラントプッシャーシャフト(20)の近位端(24)の外側に留まる。臨床医は、インプラント放出制御機構(30)を十分な力で近位に引っ張りながら、インプラントプッシャーシャフト(20)を安定して保持するだけで、インプラント放出を作動させることができる。
図62A~図62Bは、インプラント放出制御機構(700)の別の実施形態を示している。図62Aに示されるように、上記インプラント放出制御機構(30)は一般的な円筒形状を有する。インプラントプッシャーシャフト(20)の管腔(22)内には、その近位端付近で摩擦増大リング(702)が配置される。一実施形態において、上記摩擦増大リング(702)はインプラントプッシャーシャフト(20)の内腔表面(704)に固定して結びつけられる。上記リング(702)は、O-リングまたは他の構造、および/またはインプラント放出制御機構(700)に摩擦係合することができる材料であり得る。別の実施形態において、上記摩擦増大リング(702)は、この分野で知られている熱的、化学的および機械的手段によってインプラントプッシャーシャフト(20)の内腔表面(704)に結びつけられる。インプラントの送達および配置中、上記インプラント放出制御機構(700)は、その近位端からインプラントプッシャーシャフト(20)の内部管腔(22)内に延びて、摩擦増大リング(702)に係合する。臨床医が把持するために、インプラント放出制御機構(700)の近位部分は、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端(24)の外側に留まる。インプラント放出制御機構(700)は、リング(702)との摩擦係合を克服するのに十分な引張り力で、図62Bに示されるように、上記インプラント放出制御機構(700)はインプラントプッシャシャフト(20)を離脱させる。
図63A~図63Bは、インプラント放出制御機構(710)の別の実施形態を示している。図63Aに示されるように、上記インプラント放出制御機構(710)は、1つまたは複数の半径方向突起(712a、712b)を有する一般的な円筒形状を有する。上記突起(712a、712b)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の内腔表面(714)に摩擦係合するように構成される。インプラント放出制御機構(710)は、突起(712a、712b)とインプラントプッシャーシャフト(20)の内腔表面(714)との間の摩擦係合を克服するのに十分な引張り力で、図63Bに示されるように、インプラントプッシャーシャフト(20)を離脱させる。
図64A~64Bは、上記インプラント放出制御機構(720)の別の実施形態を示している。図64Aに示されるように、上記インプラント放出制御機構(720)は、より大きい直径を有する近位部分(722)とより小さい直径を有する遠位部分(724)を有する階段状円筒形状を有する。上記インプラント放出制御機構(720)の遠位部分(722)は、その近位端部分においてインプラントプッシャーシャフト(20)の内部管腔(22)に摩擦係合するように構成される。上記インプラント放出制御機構(720)の大きな直径を有する近位部分は、インプラント放出制御機構(720)がインプラントプッシャーシャフト管腔内にさらに前進することを防止する。一実施形態において、インプラント放出制御機構(720)とインプラントプッシャーシャフト(20)との間の意外な離脱を防止するために、インプラント放出制御機構(720)の遠位部分(724)およびインプラントプッシャーシャフト(20)の近位部分の内腔壁の少なくとも1つは、重合体などの高い摩擦係数を有する材料で製造される。臨床医は、図64Bに示されるように、インプラント放出制御機構(720)を十分な力で近位に引っ張りながら、インプラントプッシャーシャフト(20)を安定して保持するだけで、インプラント放出を作動させることができる。
図65A~図65Bは、図64A~64Bに示される例示的実施形態の変形例を示している。図64Aに示されたものと同様に、上記インプラント放出制御機構(730)は、より大きい近位部分(732)とより小さい遠位部分(734)とを有する階段状円筒形状を有する。図64Aに示されるものとは異なり、上記インプラントプッシャーシャフト(20)はコイル状近位端部分(736)を有する。インプラントの送達および配置中、上記インプラント放出制御機構(730)の小さい遠位部分(734)は、インプラントプッシャーシャフト(20)のコイル状近位端部分(736)の内部管腔に摩擦係合する。図65Bに示されるように、十分な引張り力で、上記インプラント放出制御機構(730)はインプラントプッシャーシャフト(20)を離脱させる。
図66A~図66Bは、図60に示される例示的実施形態の変形例を示している。図60に示されたものと同様に、上記インプラント放出制御機構(740)はインプラントプッシャーシャフト(20)に分離し可能に結びつけられる。図60に示されたものとは異なり、上記インプラント放出制御機構(740)は、より短い遠位端(742)とより長い遠位端(744)を有する「L」字型の遠位端を有し、上記インプラントプッシャーシャフト20)は、それに対応して、より短い近位端(746)とより長い近位端(748)を有する「L」字型の近位端を有する。近位コネクタ(747)は、その一部がインプラント放出制御機構(740)の短い遠位端(742)を超えて延びるように、インプラント放出制御機構(740)の遠位部分に固定して結合され、遠位コネクタ(749)は、その一部がインプラント放出制御機構(740)の短い近位端(746)を越えて延びるように、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位部分に固定して結合される。インプラントの送達および配置中、図66Aに示されるように、上記インプラント放出制御機構(740)の「L」字型の遠位端は、インプラントプッシャーシャフト(20)の「L」字型の近位端(24)に結合される。上記インプラント放出制御機構(740)のより長い遠位端(744)は、インプラントプッシャーシャフト(20)のより短い近位端(746)を越えて延びている遠位コネクタ(749)に摩擦係合する。インプラントプッシャーシャフト(20)のより長い近位端(748)は、インプラント放出制御機構(740)のより短い遠位端(742)を越えて延びている近位コネクタ(747)に摩擦結合する。上記インプラント放出制御機構(740)を十分な引っ張り力で作動させるために、インプラント放出制御機構(740)は、図66Bに示されるようにインプラントプッシャーシャフト(20)を離脱させる。
図67は、インプラント放出制御機構(750)の別の実施形態を示している。図67に示されるように、上記インプラント放出制御機構(750)も一般的な円筒形状を有する。上記インプラント放出制御機構(750)の遠位端はピンのような突起(752)を有する。上記突起はインプラントプッシャーシャフト(20)の近位端(24)にある凹部(754)に摺動可能に収納されるように構成される。そのようなピン-凹部接続は、突起(752)が凹部(752)に係合し且つインプラント放出制御機構(750)の近位への後退が防止される第1の構成を有する。このようなピン-凹部接続はまた、突起が凹部から放出され、且つインプラント放出制御機構(750)がインプラントプッシャーシャフト(20)から離れていく準備ができている第2の構成を有する。一実施形態において、例えば、インプラント放出制御機構(750)とインプラントプッシャーシャフト(20)との離脱は、簡単な回転によって達成される。
図68は、図67に示される例示的実施形態の変形例を示している。図67に示されたものと同様に、上記インプラント放出制御機構(760)は、第1係合輪郭と第2離脱輪郭とを有するピン-凹部構成として、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端に分離し可能に係合する。図67に示される例示的実施形態とは異なり、上記突起(764)はインプラントプッシャーシャフト(20)の近位端にあり、上記凹部(762)はインプラント放出制御機構(760)の遠位端にある。
図69は、図67に示される例示的実施形態に変形例を示している。図67に示されたものと同様に、上記インプラント放出制御機構(770)は、第1係合輪郭と第2離脱輪郭とを有するピン-凹部構成として、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端に分離し可能に係合する。上記突起/ピン(772)はインプラント放出制御機構(770)の遠位端にあり、上記凹部(774)はインプラントプッシャーシャフト(20)の近位端(24)にある。図67に示される例示的実施形態とは異なり、上記インプラント放出制御機構(770)と上記インプラントプッシャーシャフト(20)との離脱は、最初にインプラント放出制御機構(770)を前進させ、次いで回転させることによって達成される。これを行うと、上記インプラント放出制御機構(770)を近位に後退させることができる。
図70は、図68に示される例示的実施形態の変形例を示している。図68に示されたものと同様に、上記インプラント放出制御機構(780)は、第1係合輪郭と第2離脱輪郭を有するピン-凹部構成として、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端(24)に取外し可能に係合する。上記突起/ピンは、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端(24)にあり、上記凹部はインプラント放出制御機構(780)の遠位端にある。図68に示される例示的実施形態とは異なり、臨床医はインプラント放出制御機構(780)を最初に回転させ、次にインプラントプッシャーシャフト(20)を回転させることにより、上記インプラント放出制御機構(780)を上記インプラントプッシャーシャフト(20)の遠位端(26)から離脱させる。
図71A~71Bは、インプラント放出制御機構(790)の別の実施形態を示している。図71Aに示されるように、上記インプラント放出制御機構(790)は、管腔の内部に部分的に嵌合するコイル(792)を有する内部管腔を有する。上記コイル(792)の近位部分(794)は、その遠位開口部からインプラント放出制御機構(790)の内部管腔内に延びて、インプラント放出制御機構(790)に固定して結びつけられる。上記コイル(792)の遠位部分(796)は、インプラント放出制御機構(790)の外側に留まる。上記コイル(792)の遠位部分(796)は、その近位端部分(798)でインプラントプッシャーシャフト(20)の内部管腔(22)に放出可能に結びつけるように構成される。図71Aに示されるように、インプラントの送達および配置中、上記コイル(792)の遠位部分(796)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の内部管腔の近位端部分(798)内にスライドする。一実施形態において、上記コイル(792)の遠位部分(796)はインプラントプッシャーシャフト(20)に摩擦係合する。上記インプラント放出を作動させるために、上記インプラント放出制御機構(790)は十分な力で引っ張られる。いくつかの実施形態において、上記インプラント放出制御機構(790)の後退により、上記コイル(792)には塑性変形または弾性変形が起きる。別の実施形態において、上記コイル(792)の遠位部分(796)はインプラントプッシャーシャフト(20)に螺合されている。したがって、インプラントプッシャーシャフト(20)の内腔壁は、コイル(792)を収納するための内側ネジ山を有してもよい。あるいは、上記インプラントプッシャーシャフト(20)の内腔壁は、コイル(792)が螺入されるにつれて、インプラントプッシャーシャフト(20)の軟質内壁を彫刻して係合させるのに十分な柔らかさを有してもよい。臨床医はインプラント放出制御機構(790)を回転させることで、コイル(792)がインプラント放出制御機構(790)を分離すようにすることによって、上記インプラントの放出を作動させる。
代替の実施形態において、これらの図には示されていないが、上記インプラント放出制御機構の遠位端は近位コイルに結合し、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端(24)は遠位コイルに結合する。インプラント送達中、近位コイルおよび遠位コイルは、互いに螺合される。臨床医は、インプラント放出制御機構を回転させることで、近位コイルが遠位コイルを分離すようにすることによって、上記インプラントの放出を作動させる。
図72A~72Bは、インプラント放出制御機構(800)の別の実施形態を示している。図72Aに示されるように、上記インプラント放出制御機構(800)は一般的な円筒形状を有する。上記インプラント放出制御機構(800)の遠位部分は、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端部分における対応するネジ山(804)と係合するように構成された係合ネジ山(802)を有する。対応するネジ山が互いに係合すると、上記インプラント放出制御機構(800)はインプラントプッシャーシャフト(20)に係合する。一実施形態において、送達システム(10)からのインプラントの放出は、対応するネジ山が互いに完全に離れるときに達成される。別の実施形態において、送達システム(10)からのインプラントの放出は、対応するネジ山が部分的に結びつけられたままであっても達成される。
図60~図72は、一般的な細長い(円筒形または階段状円筒形の)輪郭を有するインプラント放出制御機構の様々な実施形態を示している。係合ワイヤの近位端は、この分野で知られている熱的、化学的または機械的手段によってインプラント放出制御機構に結合する。一実施形態において、上記係合ワイヤは、図60~図72に示されるほとんどの実施形態のように、その近位端でインプラント放出制御機構に結合する。別の実施形態において、上記インプラント放出制御機構は、近位キャップを有する内部管腔を有する。図63A~図63Bに示されるように、係合ワイヤの近位端は、インプラント放出制御機構の内部管腔内に延びて、その近位キャップに結合する。さらに別の実施形態において、上記係合ワイヤは、インプラント放出制御機構の内部管腔内に延びて、図65A~図65Bに示されるような位置でインプラント放出制御機構の内部管腔に結合する。
図73A~図73Bは、インプラント放出制御機構の別の実施形態を示している。図73Aに示されるように、上記インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端部分は、インプラントプッシャーシャフト(20)の内部管腔(22)に固定して結びつけられるウェッジなどのブロッキング要素(812)を有する。このブロッキング要素(812)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位開口部の一般的直径を一方向に狭める一方、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位開口部の一般的直径を第2方向に変化させない。図73Aはさらに、係合ワイヤ(40)の近位端がブロッキング要素(812)を係合/離脱するように構成されたプラグ(814)に結合することを示している。プラグ(814)の近位端に把持要素(816)が結合される。一実施形態において、図73Aに示されるように、上記プラグ(814)は、その断面の幅がその高さよりも小さい直角プリズム形状のような非対称形状を有する。上記プラグ(814)の高さは、インプラントプッシャーシャフト(20)の第1方向の狭められた直径よりも大きく、且つインプラントプッシャーシャフト(20)の第2方向の不変直径よりも小さくなるような大きさにされている。これによって、インプラントの送達および配置中、インプラントプッシャーシャフト(20)の外側に近位に動かないようにプラグ(814)がブロックされる。上記プラグ(814)の幅は、第1および第2方向の両方のインプラントプッシャーシャフト(20)の開口部のすべての直径よりも小さくなるようなサイズにされている。上記把持要素(816)は、プラグを前進、後退、および回転させるために臨床医が保持するように構成されたプラグ(814)の近位端に結合する。インプラントの送達および配置中、上記プラグ(814)は、図73Aに示されるようなその高さがブロッキング要素(812)と反対側の内腔壁との間に第1方向で嵌め込まれてブロックされる方式で、配置される。インプラントを放出するために図73Bに示されるように、臨床医は把持要素(816)を回転させて、プラグを約90°回転させる。次いで、上記把持要素(816)、上記プラグ(814)、および上記係合ワイヤ(40)は近位に後退させ得る。
図74A~74Bは、インプラント放出制御機構(820)の別の実施形態を示している。図74Aに示されるように、上記インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端(24)は、近位開口部(826)を有する。磁性要素(822)の構成であるインプラント放出制御機構(820)は、係合ワイヤ(40)の近位端に固定して結合される。インプラントプッシャーシャフト(20)の外面に隣接して配置された反対側の極を有する第2磁気要素(824)が係合ワイヤ(40)の動きを操作するために使用される。2つの磁気要素(822、824)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の壁を介して互いに相互作用し、係合ワイヤ(40)の近位の後退または遠位の伸長を可能にする。2つの磁気要素(822、824)間の相互作用はまた、係合ワイヤ(40)の近位端に結びつけられた磁気要素(822)をインプラントプッシャーシャフト(20)の近位開口部から出るようにガイドする。図74Bに示されるように、いくつかの実施形態において、上記磁気要素(822、824)は、磁性材料、磁化材料、または磁化されていない状態の鉄のような非磁化強磁性材料で製造される。別の実施形態において、2つの相互作用磁気素子(822、824)は、図74Aに示される北極または南極のような吸引極を有する。
図75A~図75Bは、インプラント放出制御機構(830)の別の実施形態を示している。図75Aに示されるように、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端部分は、その内腔表面に沿った摺動スロット(832)を有する。係合ワイヤ(40)の近位端に結合するインプラント放出制御機構(830)は、摺動スロット(832)と整列するように構成された凹部を有する。上記突起(834)はインプラント放出制御機構(830)の凹部に係合するように構成されている。図75Aに示されるように、上記突起(834)は摺動スロット(832)内に配置される。上記インプラント放出制御機構(830)は、突起(834)が摺動スロット(832)内の相対遠位位置にある第1位置を有する。上記インプラント放出制御機構(830)は、上記突起(834)が摺動スロット(832)内の相対近位位置にある第2位置を有する。上記インプラント放出制御機構(830)は、突起(834)が摺動スロット(832)内の相対近位位置にある第2位置を有する。上記突出(834)は、上記インプラント放出制御機構(830)をその第1位置からその第2部分に移送するために臨床医によって作動されるように構成される。一実施形態において、上記インプラント放出制御機構(830)は、その第1位置でインプラントプッシャーシャフト(20)の内部管腔(22)に摩擦係合し、且つ、上記突起(834)は、近位引張り力を加えてインプラント放出制御機構(830)を第2位置に移動させる。別の実施形態において、上記インプラント放出制御機構(830)は、摺動スロット(832)内に「閉じ込められているかまたはロックされている」などように、突起(834)が固定されることにより第1位置に固定され、突起(834)の近位移動はインプラント放出制御機構(830)をその第2位置に移動させる。別の実施形態において、上記インプラント放出制御機構(830)は、摺動スロット(832)内に「閉じ込められているかまたはロックされている」などのように突起(834)が固定されることによって第2位置に固定され、突起(834)の遠位移動は上記インプラント放出制御機構(830)を第1位置に移動させる。
図76A~76Bは、インプラント放出制御機構(840)の別の実施形態を示している。図76Aに示されるように、プラグ状のインプラント放出制御機構(840)は、係合ワイヤ(40)の近位端に固定して結合される。上記インプラントプッシャーシャフト(20)は、シリンジノズル(842)に適合するようにサイズにされているとともに構成される近位開口部(846)を有する。上記プラグ(840)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の内部管腔(22)に摩擦係合する。上記インプラント放出制御機構(840)は、プラグ(840)がインプラントプッシャーシャフト(20)の内部管腔(22)内の相対遠位位置にある第1位置と、プラグ(840)がインプラントプッシャーシャフト(20)の内部管腔(22)内の相対遠位位置にある第2位置とを有する。注射器(845)が、そのプランジャ(841)およびバレル(843)とともに折り畳まれ、そのノズル(842)がインプラントプッシャーシャフト(20)の近位開口に係合し、このように、プラグ(840)の近位にあるプッシャシャフト(20)の内部管腔内に気密シールを形成する。上記プランジャ(841)は、近位に引っ張られて、インプラントプッシャーシャフト管腔の内部で真空を生成する。そのような真空は、プラグ(840)の近位動きをもたらし、それによってインプラント放出制御機構(840)をその第2位置に移動させる。
図77A~77Bは、インプラント放出制御機構(850)の別の実施形態を示している。図77Aに示されるように、折り畳み式プラグ(850)の形状のインプラント放出制御機構(850)は、係合ワイヤ(40)の近位端に固定して結合される。一実施形態において、上記プラグは、シリコーン、低デュロメータPEBAX、ウレタン、ラテックスなどの可撓性材料で製造される。インプラントの送達および配置中、上記プラグ(850)は折り畳まれてその近位端でインプラントプッシャーシャフト管腔(22)に摩擦係合する。インプラント放出を作動させるために、上記インプラント放出制御機構(850)は近位に後退して、インプラントプッシャーシャフト(20)を離脱させる。
図78A~78Bは、インプラント放出制御機構の別の実施形態を示している。図78Aに示されるように、上記インプラント放出制御機構は、インプラントプッシャーシャフト管腔に係合するように構成された少なくとも2つの折り畳み式アーム(862a、862b)を有するプラグ(860)を有する。上記プラグ(860)は、係合ワイヤ(40)の近位端に固定して結合する。一実施形態において、少なくとも2つのアーム(862a、862b)はプラグ(860)の遠位端に結合する。少なくとも2つのアーム(862a、862b)は、半径方向に拡張した構成と半径方向に折り畳まれた構成とを有する。一実施形態において、少なくとも2つのアーム(862a、862b)は、プラスチック材料、形状記憶フィラメント、超弾性フィラメント、ステンレス鋼、ニッケルチタン合金、コバルト-クロム、および/またはこの分野で知られている他の適切な材料で製造される。図78Aはさらに、上記インプラントプッシャーシャフト(20)が、内部管腔の近位端部分内に複数の凹部(864a、864b)を有することを示している。上記凹部(864a、864b)の数および輪郭はインプラント放出制御機構(860)の折り畳み式アーム(862a、862b)の数および輪郭と一致する。インプラント送達および配置中、図78Aに示されるように、上記アーム(862a、862b)は、凹部(864a、864b)内に位置して、インプラント放出制御機構(860)がインプラントプッシャーシャフト(20)に係合することを可能にする。一実施形態において、上記折り畳み式アーム(862a、862b)は、プラグ(860)への近位後退によってアーム(862a、862b)が半径方向に折り畳まれて、凹部(864a、864b)から離脱するように構成される。
図79A~図79Bは、図78A~図78Bに示される例示的実施形態の変形例を示している。図78A~78Bに示されたものと同様に、上記インプラント放出制御機構は、インプラントプッシャーシャフト管腔(22)に係合するように構成された少なくとも2つの折り畳み式アーム(872a、872b)を有するプラグ(870)を有する。そして、上記プラグ(870)は、係合ワイヤ(40)の近位端に固定して結合される。図78A~78Bに示されたものとは異なり、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端部分は、インプラント放出制御機構のアーム(872a、872b)を収納するための凹部を有さない。代わりに、上記アーム(872a、872b)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の内腔壁(874)に摩擦係合するように構成される。臨床医は、インプラント放出制御機構プラグ(870)を近位に後退させて、アーム(872a、872b)が半径方向に折り畳まれて近位に摺動するようにするだけで、インプラント放出を作動させることができる。
図80A~80Bは、インプラント放出制御機構(880)の別の実施形態を示している。図80Aに示されるように、上記インプラント放出制御機構(880)は、係合ワイヤ(40)の近位端に固定して結合される折り畳み式プラグ(880a、880b)を有する。上記折り畳み式プラグ(880a、880b)は、少なくとも2つのセグメントを有する。上記折り畳み式プラグ(880a、880b)は、少なくとも2つのプラグセグメント(880a、880b)が半径方向に拡張されてインプラントプッシャーシャフトの内腔表面(884)内に摩擦係合して係合ワイヤ(40)を安定化させるような半径方向に折り畳まれた輪郭を有する。上記折り畳み式プラグ(880a、880b)は、インプラントプッシャーシャフト管腔(22)内で自由に動くことができるように少なくとも2つのプラグセグメント(880a、880b)が半径方向に収縮する、半径方向に折り畳まれた輪郭を有する。一実施形態において、臨床医の制御下で、遠位端がプラグセグメント(880a、880b)に固定して結合されて、全てのその近位端が一体に結合される複数のプルワイヤ(882a、882b)を有する。インプラントの送達および配置中、拡張されたプラグセグメント(880a、880b)はインプラントプッシャーシャフト(20)の内部管腔に係合する。臨床医がプルワイヤ(882a、882b)を近位に引っ張ると、図80Bに示されるように、上記プラグセグメント(880a、880b)は半径方向に折り畳まれて、インプラント放出制御機構(880)をインプラントプッシャーシャフト(20)から離脱させる。一実施形態において、図80A~図80Bに示されていないが、インプラントプッシャーシャフト(20)の内部管腔(22)は、プラグセグメント(880a、880b)を収納するように構成された1つまたは複数の凹部を有してもよい。
図60~図80は、インプラント放出制御機構の様々な実施形態を示している。これらの例示的実施形態において、上記インプラント放出制御機構は、インプラントプッシャーシャフトとは別個のコンポーネントであり、係合ワイヤと異なる構造を有し、係合ワイヤの近位端に固定して結合される。インプラントの送達および配置中、上記インプラント放出制御機構はインプラントプッシャーシャフトの近位端部分に係合する。上記インプラント放出を作動させるために、上記インプラント放出制御機構は、インナープッシャーシャフトを、線形後退運動、回転運動またはその両方の組み合わせのいずれかによって放出する。これらの実施形態のすべてにおいて、上記インプラント放出制御機構はその形状および輪郭を常に維持している。
図81~図84は、係合ワイヤの近位端部分の一体型セグメントであるインプラント放出制御機構の別の様々な実施形態を示している。一実施形態において、係合ワイヤの近位端部分は、係合ワイヤの残りの部分の遠位移動を防止する第1輪郭と、係合ワイヤの残りの部分の自由な移動を可能にする第2輪郭とで構成される。
図81は、インプラント放出制御機構(890)の別の実施形態を示している。図81に示されるように、上記インプラント放出制御機構(890)は、把持ループ(892)とした係合ワイヤ(898)の近位端部分である。一実施形態において、上記把持ループ(892)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位開口部(896)よりも大きいサイズにされており、インプラントプッシャーシャフト管腔(22)内へのループ(892)のさらなる遠位の前進を停止させる。上記把持ループ(892)により臨床医が係合ワイヤ(40)を近位に引っ張ることができる。そして、臨床医によって適用されるそのような近位力は係合ワイヤ(898)の近位への後退を引き起こす。当業者であれば、上記把持ループは意図された目的が達成される限り、多くの形状および幾何学的形状を取り得ることを理解すべきである。
図82A~図82Bは、インプラント放出制御機構(900)の別の実施形態を示している。図82Aに示されるように、上記インプラントプッシャーシャフト(20)は、近位端付近にある内部管腔内における凹部を有する。上記インプラント放出制御機構(900)は、インプラントプッシャーシャフト管腔(22)内の凹部(904)に摩擦係合するような寸法および形状の第1拡張方向に配置された係合ワイヤ(40)の近位端部分(902)である。一実施形態において、係合ワイヤ(40)の第1拡張方向(902)は、巻き取り、折り畳み、ねじり、傷付け、およびそれらの組み合わせによって達成される。図82Aに示されるように、インプラントの送達および配置中、インプラントプッシャーシャフト管腔(22)内で、係合ワイヤ(40)の拡張近位部分(902)は凹部(904)に係合する。係合ワイヤ(40)の残りの近位部(906)はさらに近位に延びている。係合ワイヤ(40)の近位端は、インプラントプッシャーシャフト管腔(22)の外側に留まる。インプラントの放出を作動させるために、臨床医は、係合ワイヤ(40)の近位端を引っ張り、係合ワイヤ(40)の拡張近位部分(902)を巻き戻す。十分な巻き戻し/収縮が生じたとき、上記インプラント放出制御機構(900)は、インプラントプッシャーシャフト(20)を離脱させる。
図83A~図83Bは、図82A~図82Bに示される例示的実施形態の変形例を示している。図82A~図82Bに示されたものと同様に、上記インプラント放出制御機構(910)は、拡張コイル(910)内に配置された係合ワイヤ(918)の近位端部分(916)である。図82A~図82Bに示されたものとは異なり、インプラント放出制御機構(910)がインプラントプッシャーシャフト(20)に係合するとき、係合ワイヤ(918)の近位端部分(916)は、インプラントプッシャーシャフト管腔(22)の近位開口部(914)の外側に近位に延びる。次いで、図83Aに示されるようにインプラントプッシャーシャフト(20)の周りに巻かれることによって、係合ワイヤ(918)の近位端部分(916)はコイリングして、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位端部分(912)の外面に摩擦係合する。インプラントの放出を作動させるために、臨床医は、係合ワイヤ(918)の近位端を引っ張り、係合ワイヤ(918)のコイル状近位部分をインプラントプッシャーシャフト(20)から巻き戻す。
図84A~図84Bは、図82A~図82Bに示される例示的実施形態の別の変形例を示している。図82A~図82Bに示されたものと同様に、上記インプラント放出制御機構(920)は、拡張コイル内に配置された係合ワイヤ(928)の近位部である。図82~図83で説明したものとは異なり、インプラントの送達および配置中に、係合ワイヤ(928)の拡張近位端部分は、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位開口部(924)と摩擦係合するサイズおよび形状を有する遠位コイル部分(926)である。上記係合ワイヤ(928)はさらに、係合ワイヤ(928)のさらなる遠位移動を防止するために、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位開口部(924)よりも大きいサイズにされている近位コイル部分(922)を有する。インプラント放出を作動させるために、臨床医は、係合ワイヤ(928)の近位端を引っ張り、インプラント放出制御機構(920)の近位および遠位コイル(922、926)のすべてを収縮し/巻き戻し、最後にインプラントプッシャーシャフト(20)から放出する。
当業者であれば、この実施形態において、図82~図64に示されるインプラント放出制御機構のコイル状輪郭が運動補償器として機能し、コイルに大きな力を加えたり、係合ワイヤが後退したりすることを避ける。別の実施形態において、係合ワイヤの近位端は、ディスク、リング、または球根状要素などのユーザが把持可能な要素を有してもよい。
図60~図84を参照して開示された様々な例示的実施形態のいずれにおいても、インプラント放出制御機構の動きがインプラント放出制御機構とインプラントプッシャーシャフトとの間の離脱を引き起こしながら、インプラントプッシャーシャフトがその構成を維持する。図85~図90は、インプラント放出制御機構とインプラントプッシャーシャフトとの離脱がインプラント放出制御機構の動きとインプラントプッシャーシャフトの近位端の形状変形との両方を伴う別の様々な例示的実施形態を示している。
図85A~図85Bは、インプラント放出制御機構(930)とインプラントプッシャーシャフト(20)との間の係合/離脱機構の実施形態を示している。図85Aに示されるように、上記インプラントプッシャーシャフト(938)は、近位キャップ(934)を有する内部管腔(22)を有する。上記係合ワイヤ(40)は、内部管腔(22)の内側に延びて、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位キャップ(934)に固定して結びつけられる。インプラントプッシャーシャフト(938)の近位端部分(930)は、螺旋方向に配置された1つまたは複数の溝(932)を有する。そのような螺旋溝(932)によりインプラントプッシャーシャフト(938)の近位端部分(930)が伸長することが可能になる。いくつかの実施形態において、上記溝(932)は、エッチング、研削、レーザ分離またはこの分野で知られているほかの方法を介してインプラントプッシャーシャフト(938)に組み込まれる。インプラントの送達および配置中、上記近位端(930)の長さが最も短い。臨床医は、インプラントプッシャーシャフト(938)の近位端(24)を引っ張って、螺旋溝(932)の部分を伸ばす。インプラントプッシャーシャフト(938)の近位端部分(930)が延びると、近位キャップ(934)は、図85Bに示されるように、係合ワイヤ(40)を近位に引っ張る。
図86A~86Bは、インプラント放出制御機構とインプラントプッシャーシャフト(20)との間の係合/離脱機構の別の実施形態を示している。図86Aに示されるように、上記インプラントプッシャーシャフト(948)は、近位キャップ(944)を有する内部管腔(22)を有する。上記係合ワイヤ(40)は内部管腔の内側に延びて、インプラントプッシャーシャフト(948)の近位キャップ(944)に固定して結びつけられる。インプラントプッシャーシャフト(948)の近位端部分は、突起(942)を収納するように構成された2つの整列した側部孔(940a、940b)を有する。一実施形態において、側部孔(940a、940b)に隣接する内腔壁の厚さは、突起(942)が最小強度で孔(940a、940b)を通って延びることを可能にするように減少される。図86Aに示されるように、インプラントの送達および配置中、上記係合ワイヤ(40)は、インプラントプッシャーシャフト(948)の内側に延びて、インプラントプッシャーシャフト(948)の近位キャップ(944)に固定して結びつけられる。係合ワイヤ(40)を後退させるために、臨床医は、インプラントプッシャーシャフト(948)の一側から第1側部孔(940a)に突起(942)を挿入して、係合ワイヤ(40)、インプラントプッシャーシャフト管腔の内側に係合させて、インプラントプッシャーシャフト管腔(948)の他側にある第2側部孔(940b)をさらに通るように突出部(942)をさらに延ばす。図86Bに示されるように、上記突起(942)は係合ワイヤ(40)を変位させて、係合ワイヤ(40)の近位への後退をもたらす。
図87A~図87Bは、インプラント放出制御機構(950)とインプラントプッシャーシャフト(20)との間の係合/離脱機構の別の実施形態を示している。図87Aに示されるように、上記インプラントプッシャーシャフト(958)は、側面開口部(954)を有する近位端を有する。第1曲げ角度と第2曲げ角度を有する折り曲げ可能なフラップ(952)は側面開口部(954)の遠位端に配置される。係合ワイヤ(40)の近位端部分は、第1曲げ角度で曲げ可能なフラップ(952)によってブロックされるように構成された例えばボール状の拡大部分(956)を有する。その第2曲げ角度において、上記曲げ可能なフラップ(952)はブロックを開いて、係合ワイヤ(40)の拡大部分(956)がインプラントプッシャーシャフト管腔(22)内で自由に動くようにする。係合ワイヤ(40)の近位端部分は、係合ワイヤ(40)の拡大部分(956)から近位にさらに延びている。図87Aに示されるように、インプラントの送達および配置中、上記係合ワイヤ(40)における拡大ボール(9526)は、第1曲げ角度で曲げ可能なフラップ(952)によってブロックされ、上記ボール(956)に対して近位となる係合ワイヤ(40)の近位端は、インプラントプッシャーシャフト(958)の近位開口部の外側までさらに近位に延びている。上記係合ワイヤ(40)を後退させるために、臨床医は、係合ワイヤ(40)の近位端(955)を引っ張り、ボール(956)を曲げ可能なフラップ(952)に押し付ける。十分な力で、上記曲げ可能なフラップはその第2曲げ角度に押し込まれ、それによってインプラントプッシャーシャフト管腔を開く。次いで、上記係合ワイヤ(40)は、図87Aに示されているように近位に後退する。
図88A~図88Bは、図87A~図87Bに示される例示的実施形態の変形例を示している。図87A~図87Bに示されたものと同様に、上記インプラントプッシャーシャフト(968)は、第1曲げ角度と第2曲げ角度を有する曲げ可能なフラップ(962)を有する。図87A~図87Bに示されたものと同様に、上記係合ワイヤ(40)の近位端部分は、図88Aに示すように第1の曲げ角度で曲げ可能なフラップ(962)によってブロックされるように構成されている、たとえばボール状の拡大部分(966)を有する。その第2曲げ角度において、上記曲げ可能なフラップ(962)はブロックを開いて、係合ワイヤ(40)の拡大部分(966)がインプラントプッシャーシャフト管腔の外側まで自由に延びるようにする。図87A~図87Bに示されたものと異なり、図87A~図87Bに示されるように、上記曲げ可能なフラップ(962)は、インプラントプッシャーシャフト(968)の近位開口部(964)に配置される。さらに、この例示的実施形態は、臨床医が曲げ可能なフラップ(962)を係合して操作するための追加ツール(965)をさらに備える。上記係合ワイヤ(40)を後退させるために、臨床医は、係合ワイヤ(40)の近位端を十分な力で引っ張り、および/または上記ツール(965)を使用して曲げ可能なフラップをその第2曲げ角度に押し付け、それによって、図88Aに示されるように、係合ワイヤ(40)を近位に後退させる。
図89A~図89Bは、図87~図88に示される例示的実施形態の変形例を示している。図87~図88に示されたものと同様に、上記インプラントプッシャーシャフト(978)は、第1曲げ角度と第2曲げ角度を有する曲げ可能なフラップ(972)を有する。また、図87~図88に示されたものと同様に、係合ワイヤ(40)の近位端部分は、第1曲げ角度で曲げ可能なフラップ(972)によってブロックされるように構成された、例えばボール状の拡大部分(976)を有する。その第2曲げ角度において、上記曲げ可能なフラップ(972)はブロックを開いて、係合ワイヤ(40)の拡大部分(976)がインプラントプッシャーシャフト管腔(22)の外側まで自由に延びるようにする。図88A~図88Bに示されたものと異なり、インプラントプッシャーシャフト(978)の近位端部分はさらに、曲げ可能なフラップ(972)からプッシャーシャフト管腔(22)の縦軸を横切る側面開口部(974)を有する。この例示的実施形態は、臨床医が曲げ可能なフラップ(972)を係合して操作するための追加ツール(975)を備える。図88A~図88Bに示されたものと異なり、上記ツール(975)は、インプラントプッシャーシャフト(978)における側面開口部(974)からインプラントプッシャーシャフト管腔(22)内に入り、次いで、曲げ可能なフラップ(972)に係合する。また、図88A~図88Bに示されたものと同様に、係合ワイヤ(40)を後退させるために、臨床医は、係合ワイヤ(40)の近位端を十分な力で引っ張り、および/または上記ツール(975)を使用して曲げ可能なフラップ(972)をその第2部分に押し付け、それによって、図89Aに示されるように係合ワイヤ(40)を近位に後退させる。
図90A~図90Bは、インプラント放出制御機構とインプラントプッシャーシャフト(978)との間の係合/離脱機構の別の実施形態を示している。図90Aに示されるように、上記インプラントプッシャーシャフト(988)は、近位端に近位開口部(982)と側面開口部(984)を有する内部管腔(22)を有する。上記係合ワイヤ(40)は、インプラントプッシャーシャフト管腔(22)の内側に延びている。インプラントの送達および配置中、本出願の一実施形態によれば、係合ワイヤ(40)の遠位端がインプラントに係合するとき、上記係合による摩擦力は、図90Aに示されるように係合ワイヤ(40)の近位端(44)を相対的安定的に保持するのに十分である。この例示的実施形態は、係合ワイヤ(40)の近位端(44)部分の移動を補助するように構成された放出ツールをさらに備える。一実施形態において、上記放出ツール(985)は、インプラントプッシャーシャフト管腔(22)の近位開口部(982)内に延びるようなサイズおよび形状を有する遠位部分を有する。上記放出ツール(985)の遠位端は、図90Bに示されるように傾斜遠位面(986)をさらに備え、上記放出ツール(985)は、インプラントプッシャーシャフト管腔(22)の近位開口部(982)に入り、上記放出ツール(985)の傾斜遠位面(986)は、インプラントプッシャーシャフト(978)の側面開口部(984)に向かって係合ワイヤ(40)の近位端部分(44)へ押す。臨床医は次に、係合ワイヤ(40)の近位端(44)を把持して引っ張ることができる。
図60~図90に示されるように、インプラントの送達および配置中、係合ワイヤの近位端にあるインプラント放出制御機構がインプラントプッシャーシャフトの近位端に放出可能に結合される例示的実施形態が教示される。上記インプラント放出制御機構は、インプラントプッシャーシャフトの近位端から分離すことによってインプラント放出を作動させる。図91~図110は、インプラント放出制御機構がインプラントプッシャーシャフトの近位端部分の一部として構成されている本出願の別の実施形態を示している。いくつかの実施形態によれば、上記インプラント放出制御機構は、インプラント放出を作動させるためにインプラントプッシャーシャフトから破断可能に構成されている。一実施形態において、係合ワイヤの近位端はインプラントプッシャーシャフトの破断可能な近位部分に固定して結合される。インプラントの送達および配置中、上記インプラントプッシャーシャフトの破断可能部分はインプラントプッシャーシャフトとの一体性を維持する。インプラント放出を作動させるために、上記インプラントプッシャーシャフトの破断可能部分は、インプラントプッシャーシャフトから破断される。
図91A~図91Bは、インプラント放出制御機構とインプラントプッシャーシャフト(1002)との間の係合/離脱機構の実施形態を示している。図91Aに示されるように、上記インプラントプッシャーシャフト(1002)は、溝(1004)によってインプラントプッシャーシャフト(1002)の残りの部分から分離された破断可能な近位部分(1000)を有する。上記係合ワイヤ(40)の近位端は溝に対して近位となるインプラントプッシャーシャフト(1002)の近位部分(1000)に固定して結びつけられる。一実施形態において、上記溝(1004)は、研削、レーザ分離、またはこの分野で知られている他の方法のいずれかによって材料を除去することによって達成される完全または部分的な円周凹部である。インプラントの送達および配置中、上記破断可能な近位部分(1000)はインプラントプッシャーシャフト(1002)の残りの部分と一体性を維持する。上記係合ワイヤ(40)を近位に後退させるために、臨床医は、インプラントプッシャーシャフト(1002)の破断可能な近位部分(1000)に力を加えて、それをスナップさせるかまたはインプラントプッシャーシャフト(1002)の残りの部分から分離させる。引き続いて、インプラントプッシャーシャフト(1002)の分離された近位部(1000)の後退により、係合ワイヤ(40)の対応した後退が生じる。
図92A~図92Bは、図91A~図91Bに示された例示的実施形態の変形例を示している。図91A~図91Bに示されたものと同様に、上記インプラントプッシャーシャフト(1012)はさらに、脆弱な位置(1014)によってインプラントプッシャーシャフト(1012)の残りの部分から分離された破断可能な近位部分(1010)を有する。図91A~図91Bに示されたものとは異なり、上記係合ワイヤ(40)の近位端(44)は、なげなわにより、破断可能な近位部分(1010)に係合される。図91A~図91Bを参照して上述したものと同様に、係合ワイヤ(40)を近位に後退させるために、臨床医は、インプラントプッシャーシャフト(1012)の破断可能な近位部分(1010)に十分な力を加えて、それにより、インプラントプッシャーシャフト(1012)の分離された近位部分(1010)が後退する。
いくつかの実施形態において、上記脆弱な位置は、2つの嵌合シャフト、例えば、隣接する端部が、臨床医により破断できる世に維持しながら、送達および配置中に十分な接着強度を提供する様々な熱的、化学的または機械的方法によって結合された2つのシャフトによって構成され得る。いくつかの実施形態において、上記化学的接着方法は、接着剤、溶媒結合であり得、熱的取付方法は溶接であり得る。別の実施形態において、化学的またはレーザーエッチング、穿孔、部分的なスライシング、ルーティング、機械加工および/またはほかの既知の方法によって、インプラントプッシャーシャフト(20)の円周全体または一部から材料を除去することによって、上記脆弱な位置は、構成され得る。
図93A~図93Bは、図91A~図91Bに示された例示的実施形態の変形例を示している。図91A~図91Bに示されたものと同様に、上記インプラントプッシャーシャフト(1022)も脆弱な位置(1024)によってインプラントプッシャーシャフト(1022)の残りの部分から分離された破断可能な近位部分(1020)を有する。図91A~図91Bに示されたものとは異なり、上記脆弱な位置(1024)は、インプラントプッシャーシャフト(1022)の一部の材料を除去することによって達成される。図91A~図91Bを参照して上述したものと同様に、係合ワイヤ(40)を近位に後退させるために、臨床医は、まずインプラントプッシャーシャフト(1022)の破断可能な近位部分(1020)に十分な力を加えて、それにより、続いてインプラントプッシャーシャフト(1022)の破断された近位部分(1020)が後退する。
図94A~図94Bは、インプラント放出制御機構とインプラントプッシャーシャフト(1032)との間の係合/離脱機構の実施形態を示している。図94Aに示されるように、上記インプラントプッシャーシャフト(1032)の近位部分はL字型の輪郭を有する。上記インプラント放出制御機構(1030)はさらにL字型の遠位端を有する。ここでは別個の部分として説明したが、一実施形態によれば、上記インプラント放出制御機構(1030)と上記インプラントプッシャーシャフト(1032)はピン(1034)によって一体的に接続される。一実施形態において、上記ピン(1034)は中央に脆弱な位置(1036)を有する。先に説明したものと同様に、上記係合ワイヤ(40)を近位に後退させるために、臨床医は、その脆弱な位置(1036)でピンを破断するのに十分な力を加えて、続いて、それにより、破断されたインプラントプッシャーシャフト(1032)の近位部分(1030)が後退する。
図95は、図91A~図91Bに示された例示的実施形態の別の変形例を示している。図91A~図91Bに示されたものと同様に、上記インプラントプッシャーシャフト(1042)も脆弱な位置(1044)によってインプラントプッシャーシャフト(1042)の残りの部分から分離された破断可能な近位部分(1040)を有する。図91A~図91Bに示されたものと異なり、係合ワイヤ(40)の近位端(44)はインナーチューブ(1046)に固定して結合される。上記インナーチューブ(1046)は、インプラントプッシャーシャフト管腔(1042)の破壊可能な近位部分(1040)の近位端(22)に固定して結合され、脆弱な位置(1044)を越えて遠位に延びるインプラントプッシャーシャフト管腔(22)内に摺動可能に配置される。上記破断可能な近位部分(1040)はインプラントプッシャーシャフト(1042)の残りの部分から離れるにつれて、係合ワイヤ(40)を担持するチューブも近位に後退する。
図91~図95は、破断可能なインプラント放出制御機構とインプラントプッシャーシャフトの残り部分が臨床医によって手動で十分な力を加えることにより離脱する様々な実施形態を示している。図96~図103は、破断可能なインプラント放出制御機構とインプラントプッシャーシャフトの他の部分との間の離脱がツールの補助により行われる様々な実施形態を示している。とりわけ、図96~図103の全ては、上記インプラントプッシャーシャフトも、脆弱な位置によってインプラントプッシャーシャフトの残りの部分から分離された破断可能な近位部分を有し、係合ワイヤの近位端はインプラントプッシャーシャフトの破断可能な近位部分に固定して結合される。インプラントを放出するために、臨床医は、インプラントプッシャーシャフトの脆弱な位置にツールを通して十分な力を加えて、脆弱な位置で円周方向のクラックを引き起こす。引き続いて、インプラントプッシャーシャフト(20)の破断された近位部分の後退により、係合ワイヤの対応する後退が生じる。
図96A~図96Cは、インプラントプッシャーシャフト(1052)の近位開口部(1058)からその管腔(22)内に延びるように構成された先細遠位端(1056)を有する離脱ツール(1050)の実施形態を示している。図96Bに見られるように上記ツール(1050)がインプラントプッシャーシャフト(1052)内に十分に前進すると、臨床医は、図96Cに示されるように、脆弱な位置(1054)で円周方向のクラックを引き起こすのに十分な力を加える。引き続いて、上記インプラントプッシャーシャフト(1052)の分離された近位部(1055)の後退は、係合ワイヤ(40)の対応する後退をもたらす。
図97A~図97Bは、離脱ツール(1065)を用いてインプラントの放出を作動させる別の実施形態を示している。この例示的実施形態における離脱ツール(1065)は、アパーチャのような大きさを有し且つインプラントプッシャーシャフト(1062)上を摺動するように構成されている本体を有する。上記ツール(1065)本体のアパーチャ内にあるシャープポイント(1066)はインプラントプッシャーシャフト(1062)の残りの部分から破断可能な近位部分(1060)を破断するための力集中点として機能するように構成される。上記シャープポイント(1066)がインプラントプッシャーシャフト(1062)の脆弱な位置(1064)に係合すると、臨床医はツール(1065)に十分な力を加えて、図97Bに示すように脆弱な位置(1064)で円周方向のクラックを引き起こす。
図98A~図98Bは、離脱ツール(1075)の別の実施形態を示している。上記ツール(1075)は、キャビティ(1073)、近位停止部(107q)および遠位開口部(1077)を有する。離脱ツール(1075)のキャビティ(1073)は、インプラントプッシャーシャフト(1072)の近位端を摺動可能に収納するように構成された挿入距離を有する。上記離脱ツール(1075)は、図98Aに示されるように、インプラントプッシャーシャフト(1072)の外面に摩擦係合するように構成された1つまたは複数の突起(1076)を備える。図98Bに示されるように、臨床医がツール(1075)に加えられた力は、インプラントプッシャーシャフト(1072)の脆弱な位置(1074)で円周方向のクラックを引き起こす。
図99A~図99Bは、図98A~図98Bに示されたものと同様にキャビティ(1083)、近位停止部(1081)および遠位開口部(1087)を有する離脱ツール(1085)の別の実施形態を示している。上記ツール(1075)がインプラントプッシャーシャフト(1082)の近位端に係合すると、上記インプラントプッシャーシャフト(1082)の近位端部分(1080)はツール(1085)内に十分に前進してツール(1085)の近位停止部(1081)に係合する。図99Bに示されるように、臨床医がツール(1085)に加えた力は、インプラントプッシャーシャフト(20)の脆弱な位置(1084)で円周方向のクラックを引き起こす。
図100A~図100Bは、キャビティ(1093)、近位停止部(1091)、遠位開口部(1097)を有する離脱ツール(1095)の別の実施形態を示している。これらの図に示された離脱ツール(1095)はさらに、側面開口部(1098)と、側面開口部(1098)を通って嵌合するようなサイズと形状にされているバネ負荷式アクチュエータ(1096)とを有する。上記ツール(1095)がインプラントプッシャーシャフト(1092)の近位端に係合するとき、上記インプラントプッシャーシャフト(1092)の近位端部分(1090)は、近位停止部(1091)に係合するために、離脱ツール(1095)内に前進し、上記バネ負荷アクチュエータ(1096)は、インプラントプッシャーシャフト(1092)の脆弱な位置(1094)に当接されるように配置される。臨床医がアクチュエータに加えた力は、図100Bに示されるように、インプラントプッシャーシャフト(1092)の脆弱な位置(1094)で円周方向のクラックを引き起こす。
図101A~図101Bは、図100A~図100Bに示された離脱ツール(1105)の実施形態の変形例を示している。図100A~図100Bに示されたものと同様に、上記ツール(1105)もキャビティ(1103)、近位停止部(1101)、遠位開口部(1107)、およびアクチュエータ(1108)に対応した側面開口部(1106)を有する。上記ツール(1105)がインプラントプッシャーシャフト(1102)の近位端に係合すると、上記キャビティ(1103)は近位端(1100)インプラントプッシャーシャフト(1102)を摺動可能に収納する。図100A~図100Bに示されたものとは異なり、上記アクチュエータ(1108)は、インプラントプッシャーシャフト(20)の脆弱な位置(1104)に対して近位となるインプラントプッシャーシャフト(1102)の破断可能な近位部分(1100)に当接されるように配置される。図101Bに示されるように、臨床医がアクチュエータ(1108)に加えた力は、インプラントプッシャーシャフト(20)の脆弱な位置(1104)で円周方向のクラックを引き起こす。
図102A~図102Bは、図100A~図100Bに示された離脱ツール(1115)の実施形態の変形例を示している。図100A~図100Bに示されものと同様に、上記ツール(1115)は、キャビティ(1113)、遠位開口部(1117)、側面開口部(1116)、および側面開口部(1116)に嵌合するように寸法と形状を有するアクチュエータ(1118)を有する。図100A~図100Bに示されたものとは異なり、上記離脱ツール(1115)は、近位停止部の代わりに近位開口部(111)を有する。一実施形態において、上記側方開口部(1116)に対向する離脱ツール(1115)のキャビティ(1113)は2つの突起(1117a、1117b)を備える。これら突起(1117a、1117b)は、インプラントプッシャーシャフト(1112)の動きに抵抗するピボットポイントを提供するように構成される。上記離脱ツール(1115)がインプラントプッシャーシャフト(1112)の近位端部分(1110)に係合すると、上記アクチュエータ(1118)はインプラントプッシャーシャフト(1112)の脆弱な位置(1114)に当接されるように配置され、インプラントプッシャーシャフト(1112)の脆弱な位置(1114)は2つの突起(1117a、1117b)の間に配置される。臨床医がアクチュエータに加えた力は、図102Bに示されるように、インプラントプッシャーシャフト(1112)の脆弱な位置(1114)で円周方向のクラックを引き起こす。
図103A~図103Bは、キャビティ(1123)、近位停止部(1121)および遠位開口部(1127)を有する離脱ツール(1125)の別の実施形態を示している。上記ツール(1125)は、図103Aに示されるようなボールなどのアクチュエータ(1128)をさらに備える。一実施形態において、上記離脱ツール(1125)は、ボール(1128)状のアクチュエータを収納するように構成された拡大部分(1126)を有する。当業者であれば、他の形状のアクチュエータ(1128)では、上記離脱ツール(1125)は拡大部分を有していてもよく、有しなくてもよいことを理解すべきである。図100A~図100Bを参照して説明したものと同様に、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位部分(1120)が上記係合ツール(1125)内に十分に前進して近位停止部(1121)に係合すると、上記アクチュエータ(1128)は、インプラントプッシャーシャフト(1122)の脆弱な位置(1124)に当接されるように配置される。臨床医がアクチュエータに加えた力は、図103Bに示されるように、インプラントプッシャーシャフト(1122)の脆弱な位置(1124)で円周方向のクラックを引き起こす。
図104A~図104Bは、キャビティ、近位開口部および遠位開口部を有する離脱ツール(1135)の別の実施形態を示している。さらに、上記ツール(1135)はさらに2つの磁石(1136a、1136b)を有する。2つの磁石(1136a、1136b)は、相互作用して放出ツール(1135)の近位部分(1138)と遠位部分(1139)とを結合する。図100A~図100Bを参照して説明したものと同様に、インプラントプッシャーシャフト(20)の近位部分(1130)が上記ツール(1135)に十分に前進して上記ツール(1135)の近位停止部に係合すると、2つの磁石(1136a、1136b)はインプラントプッシャーシャフト(1130)の脆弱な位置(1134)に当接されるように配置される。臨床医が2つの磁石(1136a、1136b)を破断するために加えられた力は、図104Bに示されるように、インプラントプッシャーシャフト(20)の脆弱な位置(1134)で円周方向のクラックを引き起こす。
図105A~図105Bは、キャビティ(1143)、近位停止部(1141)および遠位開口部(1147)を有する離脱ツール(1145)の別の実施形態を示している。さらに、上記ツール(1145)はさらに2つのアクチュエータ(1146a、1146b)を有する。一実施形態において、上記2つのアクチュエータ(1146a、1146b)は、互いに直接反対せずに、インプラントプッシャーシャフト管腔(22)の縦軸を横切って配置されるように構成される。インプラントプッシャーシャフト(20)の近位部分(1140)が上記係合ツール(1145)に十分に前進して係合ツール(1145)の近位停止部(1141)に係合すると、上記インプラントプッシャーシャフト(1142)の脆弱な位置(1144)は、2つのアクチュエータ(1146a、1146b)の間に配置される。臨床医が両方のアクチュエータ(1146a、1146b)に加えられた力は、図105Bに示されるように、インプラントプッシャーシャフト(1142)の脆弱な位置(1144)で円周方向のクラックを引き起こす。いくつかの実施形態において、上記アクチュエータは、上記離脱ツール(1145)の対応するネジ山と係合するネジ山を有する。インプラントを放出するために、臨床医は、アクチュエータ(1146a、1146b)が半径方向の内方向に前進するように、両方のアクチュエータ(1146a、1146b)を回転させる。両方のアクチュエータ(1146a、1146b)がインプラントプッシャーシャフト(1142)に係合すると、ねじり力がインプラントプッシャーシャフト(1152)に印加されて、インプラントプッシャーシャフト(1142)の脆弱な位置(1154)で周方向のクラックを引き起こす。
図106A~図106Bは、キャビティ(1153)、近位停止部(1151)および遠位開口部(1157)を有する離脱ツール(1155)の別の実施形態を示している。図106Aに示されるように、上記離脱ツール(1155)は、インプラントプッシャーシャフト(1152)と相互作用するように構成された1つまたは複数の機械的ヒンジ(1159)を有する。いくつかの実施形態において、上記ヒンジ(1159)は、曲げられるように構成された可撓性アームからなる。それに加えて、いくつかの実施形態によれば、上記離脱ツール(1155)は、臨床医がインプラント放出中にインプラントプッシャーシャフト(1152)を安定化させるために使用するように構成されたアクチュエータ(1158)を備える。一実施形態において、上記アクチュエータ(1158)は、インプラントの送達および配置中、離脱ツール(1155)に対する第1位置を有する。別の実施形態において、上記アクチュエータ(1158)は、インプラント放出中に離脱ツール(1155)に対する第2位置を有する。例えば、上記アクチュエータ(1158)は、離脱ツール(1155)の対応するネジ山に係合するネジ山を有し、それにより、上記アクチュエータ(1158)は回転することによりインプラントプッシャーシャフト(1152)に係合してそれを安定化させる。一実施形態において、インプラントプッシャーシャフト(1152)の近位部分(1150)が上記離脱ツール(1155)内に前進して上記ツール(1155)の近位停止部(1151)に係合すると、上記ヒンジはインプラントプッシャーシャフト(1152)の脆弱な位置(1154)付近に配置される。臨床医がインプラントプッシャーシャフト(1152)の近位部分(1150)に加えられた力は、ヒンジ(1159)の周りの回転をもたらし、図106Bに示すように、インプラントプッシャーシャフト(1152)をその脆弱位置(1154)で円周方向に破断させる。
図107A~図107Bは、図106A~図106Bを参照して説明した離脱ツール(1165)の実施形態の変形例を示している。図106A~図106Bで示されたものと同様に、上記離脱ツール(1165)は、キャビティ(1163)、近位端(1161)および遠位開口部(1167)を有する。上記離脱ツール(1165)はさらに、破断可能部分(1166)によって結合する遠位部分(1168)と近位部分(1169)を有する。一実施形態において、インプラントプッシャーシャフト(1162)の近位部分(1160)が離脱ツール(1165)内に十分に前進して上記ツール(1165)の近位停止部(1161)に係合すると、上記脆弱な位置(1164)は上記係合ツール(1165)の破断可能部分(1166)に当接されるように配置される。臨床医がインプラントプッシャーシャフト(1162)の近位部分(1160)に加えられた力は、離脱ツール(1165)をその破断可能部分(1166)で破断させて、図107Bに示すようにインプラントプッシャーシャフト(1162)をその脆弱な位置(1164)で円周方向に破断させる。
図108A~図108Bは、キャビティ(1173)、近位停止部(1171)および遠位開口部(1177)を有する離脱ツール(1175)の別の実施形態を示している。図108Aに示されるように、上記離脱ツール(1175)は、その内腔壁の一側に鋭利な突起(1176)を有し、鋭利な突起(1176)と反対側の壁に沿って転がり部材(1179)を有する。いくつかの実施形態において、上記鋭利な突起(1176)は、臨床医がインプラントプッシャーシャフト(1172)の脆弱な位置(1174)に加えられた力を集中させるように構成される。別の実施形態において、上記転がり部材(1179)は、インプラントプッシャーシャフト(1172)の外面の凹部のような軸を介してトラック(1178)に沿って移動するように構成されたホイールを有する。一実施形態において、上記インプラントプッシャーシャフト(1172)の近位部分(1170)が離脱ツール(1175)内に十分に前進して上記ツール(1175)の近位停止部(1171)に係合するようと、上記鋭利な突出(1176)は、インプラントプッシャーシャフト(1172)の脆弱な位置(1174)の周りに配置される。臨床医がローラー(1179)に加えた力は、ローラーを近位に移動させて、且つインプラントプッシャーシャフト(1172)に摩擦係合させる。その結果、図108Bに示されるように、インプラントプッシャーシャフト(1172)をその脆弱な位置(1174)で円周方向に破断させる。
図109A~図109Bは、曲線形状として構成されたキャビティ(1183)を有する離脱ツール(1185)の別の実施形態を示している。上記キャビティ(1183)は、プッシャーシャフト(1182)の近位部分(1180)が延びる開口端(1187)と閉鎖端(1181)を有する。一実施形態において、上記離脱ツール(1185)は、約0.125インチ-1インチの比較的小さな半径を有する曲線を有する。上記キャビティ(1183)は、その開放端(1187)を介してインプラントプッシャーシャフト(1182)の近位部分(1180)を摺動可能に収納するように構成される。一実施形態において、インプラントプッシャーシャフト(1182)の近位部分(1180)は離脱ツール(1185)内に前進する。インプラントプッシャーシャフト(1182)の近位部分(1180)の可撓性は、キャビティ(1183)の湾曲を収容するように構成される。この柔軟性は、材料の選択または物理的な構成によって達成することができる。一実施形態において、インプラントプッシャーシャフト(1182)の近位部分(1180)がキャビティの閉鎖端(1181)に達すると、インプラントプッシャーシャフト(1182)の脆弱な位置(1184)は、図109Bに示されるように、「U」の頂点のようなキャビティ(1183)の最も湾曲した位置に配置される。インプラントプッシャーシャフト(1182)のこの強制的な曲がりは、図109Bに示されるように、インプラントプッシャーシャフト(20)をその脆弱位置(1184)で円周方向に破断させる。
図110A~図110Bは、キャビティ(1193)、近位停止部(1191)および遠位開口部(1197)を有する離脱ツール(1195)の別の実施形態を示している。図110Aに示されるように、上記離脱ツール(1195)は、近位チューブ(1198)と遠位チューブ(1199)の2つのチューブを有する。上記2つのチューブ(1198、1199)は、それらの斜めに分離された端部(1196a、1196b)で互いに当接するように構成される。一実施形態において、上記離脱ツール(1195)は、シリコーン、ウレタン、ラテックス、およびこれらの組み合わせなどの可撓性材料で製造される。これにより、インプラントの放出中にツール(1195)がねじれたり、曲がったり、変形したりすることが可能になる。上述したものと同様に、一実施形態において、インプラントプッシャーシャフト(1192)の近位部分(1190)にツール(1195)が係合するとき、インプラントプッシャーシャフト(1192)の近位部分(1195)が離脱ツール(1195)に十分に前進して上記ツール(1195)の近位停止部(1191)に係合する。図110Bに矢印で示すように、臨床医が上記ツールに加えられた力は、その斜めに分離された端部(1196a、1196b)の相互作用により、その近位チューブ(1198)の中心軸が遠位チューブの中心軸から遠ざかる方向に移動するように離脱ツール(1195)を変形させる。このようなチューブ(1198、1199)の変位は、インプラントプッシャーシャフト(1192)をその脆弱な位置(1194)で円周方向に破断させる。
図111~図118は、インプラント放出制御機構が、臨床医がクラックにさらされないように、インプラントプッシャーシャフトの脆弱な位置をカバーするために使用される追加要素を有する様々な実施形態を示している。一実施形態において、このような要素は、インプラントプッシャーシャフトの脆弱な位置に配置されるように構成される。そのような要素は、臨床医がインプラントプッシャーシャフトをクラックに曝されることなくこの要素を通して曲げおよび/またはクラックさせることができる柔軟性を有する。
図111A~図111Bは、中心管腔(1203)、近位開口部(1201)および遠位開口部(1207)を備えたバンドの構成の上記離脱ツール(1206)の別の実施形態を示している。図111Aに示されるように、上記バンド(1206)は可撓性を有し、インプラントプッシャーシャフト(1202)の脆弱な部位を覆うように構成されている。一実施形態において、上記バンド(1206)は、シリコーン、低デュロメータPEBAX、ウレタン、ラテックス、および/または当分野で知られている他のものなどの、1つまたは複数の可撓性材料で製造される。上記バンド(1206)は、外力に応答して弾性的および/または塑性的に膨張するかまたは変形するように構成される。一実施形態において、上記ツール(1206)がインプラントプッシャーシャフト(1202)の近位部分(1200)に係合するとき、上記バンド(1206)はインプラントプッシャーシャフト(1202)の脆弱な部位上に配置(1204)される。臨床医がバンドに加えられた力は、インプラントプッシャーシャフト(1202)を脆弱な位置(1204)で円周方向に破断させる。このバンドは、インプラントプッシャーシャフト(1202)が臨床医がクラックに曝されないように破断することを可能にする。
図112A~図112Bは、キャビティ(1213)、近位停止部(1211)および遠位開口部(1217)を有する離脱ツール(1215)の別の実施形態を示している。図112Aに示されるように、上記離脱ツール(1215)は、漏斗状の遠位開口部(1217)を有する。一実施形態において、上記離脱ツール(1215)は、たとえば図112Aに示される2つのマーカー(1219a、1219b)など、1つまたは複数の可視マーカー(1219a、1219b)を有してもよい。一実施形態において、インプラントプッシャーシャフト(1212)の近位部分(1212)が上記離脱ツール(1215)内に十分に前進して上記離脱ツール(1215)の近位停止部(1211)に係合すると、インプラントプッシャーシャフト(1212)の脆弱な位置(1214)は、2つの可視マーカー(1219a、1219b)の間に配置される。臨床医が上記離脱ツール(1215)に加えた力は、インプラントプッシャーシャフト(20)をその脆弱な位置(1214b)で円周方向に破断させる。この離脱ツール(1215)は、インプラントプッシャーシャフト(20)が臨床医をクラックに曝すことなく破断することを可能にする。
図113A~図113Bは、図112A~図112Bを参照して説明した離脱ツール(1225)の実施形態の変形例を示している。図112A~図112Bに示されたものと同様に、上記離脱ツール(1225)は、キャビティ(1223)、近位端(1221)および遠位開口部(1227)を有する。上述した実施形態とは異なり、上記離脱ツール(1225)は、図113Aに示される窪みのような、1つまたは複数の窪み(1228)を有する。一実施形態において、インプラントプッシャーシャフト(1222)の近位部分(1220)が離脱ツール(1225)内に十分に前進してツール(1225)の近位停止部(1221)に係合すると、上記インプラントプッシャーシャフト(20)の脆弱な位置(1224)は係合ツール(1225)の窪み(1228)に当接されるように配置される。臨床医が離脱ツール(1225)に加えた力は、インプラントプッシャーシャフト(1222)をその脆弱な位置(1224)で円周方向に破断させる。この離脱ツール(1225)は、インプラントプッシャーシャフト(20)が臨床医にクラックを曝すことなく破断することを可能にする。
図114A~図114Bは、キャビティ、近位停止部および遠位開口部を有する離脱ツール(1235)の別の実施形態を示している。図114Aに示されるように、上記離脱ツール(1235)は、1つまたは複数のユーザが把持可能な部分(1238)を有する。例えば、図114Aに示されるように、上記把持可能部分(1238)は、指で把持されるように構成された陥凹形状を備える。上記把持可能部分(1238)は、インプラントプッシャーシャフト(1232)の外面に係合するように構成された内径および内面を有する。上記離脱ツール(1235)はさらに、図114Aおよび図114Bに示されるように、拡張および収縮を可能にするコンサーティーナ側面の一部またはベローズ構造などの1つまたは複数の伸縮性部分(1238)を有する。いくつかの実施形態において、上記把持可能部分(1238)は、使用者がインプラントプッシャーシャフト(1232)と直接且つ触覚接触するのに十分な大きさの開口部を可能にする1つまたは複数の孔を備える。一実施形態において、インプラントプッシャーシャフト(1232)の近位部分(1230)が離脱ツール(1235)内に十分に進入して係合ツール(1235)の近位停止部(1231)に係合すると、上記インプラントプッシャーシャフト(1232)の脆弱な位置(1234)は、係合ツール(1235)の可撓性部分(1236)に当接されるように配置される。臨床医が離脱ツール(1235)に加えた力は、インプラントプッシャーシャフト(1232)をその脆弱位置(1234)で円周方向に破断させる。この可撓性離脱ツール(1235)は、インプラントプッシャーシャフト(1232)が臨床医をクラックに曝すことなく破断することを可能にする。
図115A~図115Bは、中心管腔(1243)、近位開口部(1241)および遠位開口部(1247)を有する拡張可能なバンドの構成である離脱ツール(1245)の別の実施形態を示している。図115Aに示されるように、上記拡張可能なバンド(1245)はらせん状コイルとすることができる。一実施形態において、インプラントプッシャーシャフト(1242)を視認可能にするために、上記コイル(1245)は、ABS、PVC、ウレタン、PEBAX、または他の半透明材料および/または透明材料で構成することができる。上記コイル(1245)は、ナイロン、ウレタン、ABS、またはPVC、ウレタン、シリコーン、または低デュロメータPEBAXのような材料、および当分野で知られている他のもので製造されることができる。一実施形態において、上記コイル(1245)は、インプラントプッシャーシャフト(1242)の近位部分(1240)上を摺動するように構成された直径方向に拡張した状態を有し、且つ、脆弱な位置(1244)を覆う。臨床医がコイルおよびそのカバーされた脆弱な位置(1244)に加えられた力は、インプラントプッシャーシャフト(1242)をその脆弱位置(1244)で円周方向に破断させる。このコイル(1245)は、インプラントプッシャーシャフト(1242)が臨床医をいかなるクラックにも曝すことなく破断することを可能にする。
図116A~図116Bは、可撓性シートの構成である放出ツール(1255)の別の実施形態を示している。一実施形態において、上記シート(1255)は、インプラントプッシャーシャフト(1252)を視認可能に可能にするために、1つまたは複数の半透明および/または透明材料で製造されることができる。いくつかの実施形態において、上記シート(1255)は、ウレタン、低デュロメータPEBAX、シリコーン、ラテックス、および当分野で知られている他の材料などの材料で製造できる。一実施形態において、上記シート(1255)は、インプラントプッシャーシャフト(1552)の脆弱な位置を備える近位端部分(1250)の周りに折り畳まれておよび/または包まれ得る。臨床医がシート(1255)およびそのカバーされた脆弱な位置(1254)に加えられた力は、インプラントプッシャーシャフト(1552)を円周方向に破断させる。このシート(1255)は、インプラントプッシャーシャフト(1552)が、臨床医にクラックを曝すことなく破断することを可能にする。
図117A~図117Cは、細長いシースの構成である離脱ツール(1265)の別の実施形態を示している。一実施形態において、上記シース(1265)は、捻れ、曲げおよび/または他の変形を可能にするように構成された可撓性近位部分(1266)を有してもよい。別の実施形態において、上記シースは、図117Bに示されるように、インプラントプッシャーシャフト(1262)の脆弱な部位(1264)の上に位置するように構成された可撓性部分(1266)を有することができる。一実施形態において、インプラントプッシャーシャフト(1262)の近位部分(1260)は、図117Bに示されるように、上記シース(1265)の近位端(1261)に当接されるように配置された拡大端停止部(1268)を有する。別の実施形態において、上記シース(1265)がその全長にわたって全体的に可撓性であるので、インプラントプッシャーシャフト(1262)の近位部分(1260)は、拡大端停止部(1268)を有さない。そして、臨床医はインプラントプッシャーシャフト(1262)を曲げるために、シース(1265)に沿ってどこにでもつかむことができる。一実施形態において、上記シース(1265)は、インプラントプッシャーシャフト(20)を視認可能にするために、1つまたは複数の半透明および/または透明材料で製造できる。いくつかの実施形態において、上記シース(1265)は、PE、PP、PTFE、および当分野で知られているその他の材料で製造できる。一実施形態において、上記シース(1265)がインプラントプッシャーシャフト(1262)の近位端部分(1260)に係合するとき、インプラントプッシャーシャフト(1262)の脆弱な位置(1264)はシース(1265)の内側に配置される。臨床医が上記シース(1265)に加えた図117Cに矢印で示すようなねじり力のような力は、インプラントプッシャーシャフト(1262)を円周方向に破断させる。上記シース(1265)は、インプラントプッシャーシャフト(1262)が使用者にクラックを曝すことなく破断することを可能にする。
図118A~図118Bは、可撓性シースの構成である離脱ツール(1275)の別の実施形態を示している。一実施形態において、上記シース(1275)は、インプラントプッシャーシャフト(1272)を視認可能に可能にするために、1つまたは複数の半透明および/または透明材料で製造されることができる。いくつかの実施形態において、上記シース(1275)は、PE、PP、PTFE、および当分野で知られているその他の材料で製造されることができる。一実施形態において、上記シース(1275)は、インプラントプッシャーシャフト(1272)の外面に係合するように構成された2つの内方向突起(1276a、1276b)を有する。一実施形態において、上記シース(1275)がインプラントプッシャーシャフト(1272)の近位部分(1270)に係合するとき、インプラントプッシャーシャフト(1272)の脆弱な部位(1274)は、突起(1276a、1276b)に当接される上記シース(1275)の内側に配置される。臨床医がシース(1275)に加えられた図118の矢印で示されるようなねじり力のような力は、突起(1276a、1276b)によって加えられる合力によって、インプラントプッシャーシャフト(1272)を円周方向に破断させる。上記シース(1275)は、インプラントプッシャーシャフト(1272)が使用者にクラックを曝すことなく破断することを可能にする。
本出願のいくつかの実施形態によれば、上記インプラント放出制御機構がインプラント放出を作動させるためにインプラントプッシャーシャフトから離れるように構成された実施形態において、送達システムの近位端の外面にインジケータが組み込まれてもよい。臨床医が正確に把握できる位置を提供する。これにより、破断機構が緩和されて、それにより確実な分離しは得られる。
図119A~図119Bは、インプラント放出制御機構(1280)の別の実施形態を示している。図119Aに示されるように、上記インプラント放出制御機構(1280)は2つのシャフト延長部(1281、1283)を有する。いくつかの実施形態において、遠位シャフト延長部(1283)はインプラントプッシャーシャフト(1282)の近位に配置され、近位シャフト延長部(1281)は遠位シャフト延長部(1283)の近位に配置される。フィラメント(1285、1287)を介して各軸延長部に停止部材(1284、1286)が固定される。一実施形態において、上記停止部材(1284、1286)は、図119Aに示されるようなボール形状を有し、上記フィラメント(1285、1287)は、熱的、化学的、およびこの分野で知られている他の機構を介してシャフト延長部(1281、1283)の内部管腔に固定される。上記係合ワイヤ(40)の近位端は、遠位シャフト延長部(1283)の停止部材(1284)に固定して結合される。図119Aは、遠位シャフト延長部(1283)がインプラントプッシャーシャフト(1282)の近位端に結合され、上記遠位シャフト延長部(1283)が近位シャフト延長部(1281)の近位端に結合され、上記遠位シャフト延長部(1283)の停止部材(1284)が近位シャフト延長部(1281)の停止部材(1286)に摩擦係合するインプラントの送達および配置の実施形態を示している。上記係合ワイヤ(40)を後退させるために、臨床医は、近位シャフト延長部(1281)を分離して、ボール(1286)をボール(1284)から離脱させる。続いて、臨床医は、インプラントプッシャーシャフト(1282)から遠位シャフト延長部(1283)を分離し、遠位シャフト延長部(1283)の後退を可能にする。次に、遠位シャフト延長部(1283)の後退により係合ワイヤ(40)が後退する。
図120A~図120Bは、インプラント放出制御機構(1290)の別の実施形態を示している。図120Aに示されるように、上記インプラント放出制御機構(1290)は、細長い本体(1296)と、コイル(1295)を部分的に内部に嵌合する内部管腔(1293)とを有する。係合ワイヤ(40)の近位端は、インプラント放出制御機構(1295)の近位端(1291)の開口部(1297)を通って近位に延び、さらに本体の近位に近位に延びる。上記コイル(1295)の近位端(1291)は、インプラント放出制御機構(1290)の内部管腔(1293)の近位端(1291)に固定して結びつけられる。上記コイル(1295)は、引っ張られた状態と緩められた状態とを有する。その引張状態では、図120Aに示されるように、上記コイル(1295)は、長さが延びて直径が狭くなり、且つ、係合ワイヤ(40)の近位端をトラップするように構成される。その弛緩状態では、上記コイル(1295)は、長さが短くなり、直径が拡大し、したがって、図120Bに示されるように、係合ワイヤ(40)の近位端を放出する。一実施形態において、インプラント放出制御機構(1290)の細長い本体(1296)は、インプラントプッシャーシャフト管腔(22)の近位端部分に摩擦係合するように構成される。インプラントの送達および配置中、その引張状態にある上記コイル(1295)は係合ワイヤ(40)の近位端をトラップする。この状態では、係合ワイヤ(40)は、インプラント放出制御機構(1290)のコイル(1295)によって捕捉され、それによって、遠位に前進するかまたは近位に後退することを防止する。インプラントを放出するために、臨床医はインプラント放出制御機構(1290)を遠位に押して、それにより、上記コイル(1295)を弛緩させて係合ワイヤ(40)を放出させる。この時点で、臨床医は、インプラントを放出するために係合ワイヤ(40)を前進または後退させることができる。
本出願のいくつかの実施形態によれば、上記インプラント放出制御機構は、臨床医によって手動で作動される。別の実施形態において、上記インプラントの放出は、振動エネルギー、コンポーネントの疲労、光(例えば、1つまたは複数の光ファイバーを介して)、テンション、圧縮、ねじれ、トルク、加熱または冷却(例えば相変態または熱膨張または収縮のための温度変化)、流体または固体の注入、電気誘導力、磁力学、圧電素子、ピエゾ抵抗コンポーネント、生化学反応、水分活性コンポーネント、生物活性コンポーネント、および/または化学反応を促進する。
一実施形態によれば、例示的なインプラント-送達システムアセンブリは、センサ、ワイヤなどのトランスデューサ、光ファイバー、流体送達チューブ、送達システムの近位端に動作可能に結びつけられた機械的リンク(10)を備えてもよい。一実施形態において、上記センサは、血液センサまたは血液ガスセンサなどの生理学的センサ、電圧センサまたは電流センサなどの電気センサ、ホール効果センサなどの磁気センサ、歪みゲージ、加速度計などの機械式センサ、または超音波流量センサなどの流量センサ、化学センサ、およびこれらの1つまたは複数の組み合わせなどであってもよい。別の実施形態において、上記トランスデューサは、電気エネルギーを受けて(例えば、電極のサイズに基づいて)電気エネルギーを組織に分配する電極を含むことができる。いくつかの構成において、トランスデューサは電気信号を任意の出力に変換し、この出力には、光(例えば、発光ダイオードまたは電球を含むトランスデューサ)、音(例えば、超音波エネルギーを送達するように構成された圧電結晶を含むトランスデューサ)、圧力、熱エネルギー、極低温エネルギー、化学エネルギー、機械的エネルギー(例えば、モータまたはソレノイドを含むトランスデューサ)、磁気エネルギー、および/または異なる電気信号(例えば、ブルートゥース(登録商標)または他の無線通信要素)を含むことができる。別の構成において、トランスデューサは、物理量(例えば、物理量の変化)を電気信号に変換することができる。トランスデューサは、エネルギーおよび/または薬剤を組織に送達する任意のコンポーネントを含んでもよく、例えば、電気エネルギー(例えば、1つまたは複数の電極を含むトランスデューサ)、光エネルギー(例えば、レーザ、発光ダイオードおよび/またはレンズまたはプリズムなどの光学部品を含むトランスデューサ)、機械的エネルギー(例えば、組織操作要素を含むトランスデューサ)、音(例えば、圧電結晶を含むトランスデューサ)、化学エネルギー、電磁エネルギー、磁気エネルギー、およびこれらの1つまたは複数の組み合わせを組織に送達できるように構成されるトランスデューサが挙げられる。
上記説明では具体的に説明していないが、当業者であれば、治療手順中に追加のアクセスデバイスを使用することもできることを理解すべきである。例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)および/またはポリプロピレンを含む導入シースのような血管導入シースを使用して、送達システム(10)およびコイルインプラント(80)アセンブリを治療位置に前進させるための導管を形成することができる。アクセスデバイスはさらに、1つまたは複数の標準ガイドカテーテル、介入ガイドワイヤ、および/またはマイクロカテーテルを備えてもよい。以上には送達および配置について説明し、コイルインプラント(80)が本明細書に記載されているが、当業者であれば、本明細書に開示される本発明の原理は、血管閉塞デバイス、ステントおよび別の薬物送達インプラントなどの他の医療用インプラントにも適用できることを理解すべきである。
上に開示した大部分のインプラント放出制御機構は、臨床医が係合ワイヤを近位に後退できるように構成されているが、当業者であれば、インプラントを放出するために、例えば、図60、図61、図62、図63、図65、図67、図68、図69、図70、図71、図72、図73、図75および図76を参照して開示した例示的実施形態は、直接適用するか、図8、図18、図21、図22、図24、図25、図27、図32、および図34に示されるもののようにインプラントを放出するために係合ワイヤを改良して適用できることを理解すべきである。
上記開示に具体的には記載されていないが、当業者であれば、治療手順の間に他のツールを使用してもよいことを理解すべきである。例えば、フルオロスコープ、X線、CTスキャナ、MRI、超音波イメージャ、およびこれらの組み合わせのような撮像デバイスは送達および位置決めの間に使用され得る。別の実施形態において、視覚化を補助するために1つまたは複数の放射線不透過性マーカーが使用される。そのようなマーカーは、医療用インプラントまたは送達システムのいずれかに組み込むことができる。これらの放射線不透過性マーカーは、X線、磁気共鳴、超音波または他の画像技術などのX線撮影デバイスを用いて視認可能にすることができるが、任意の特定の機能を限定することを意図しない。本明細書で開示されるマーカーは、本出願のデバイスまたは送達システムの任意の部分に適用され得る。放射線不透過性マーカーは、縫い付け、接着、カシメ、その他の方式でデバイスの中または上に配置して固定することができる。上記放射線不透過性マーカーは、タンタル、タングステン、白金、イリジウム、金、またはこれらの材料の合金、または当業者により知られている他の材料で製造できる。上記放射線不透過性マーカーは、クロム(III)、マンガン(II)、鉄(III)、鉄(III)、コバルト(III)、銅(II)、ニッケル(II)、プラセオジム(III)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウム(III)、テルビウム(III)、テルビウムジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)およびエルビウム(III)原子番号21~29、42、44および58~70元素の1つまたは複数を含む複数の常磁性材料、または当業者により知られている他のMR可視材料で製造できる。
当業者であれば、上記の殆どの例示的実施形態は、塞栓コイルインプラントを指すが、インプラント送達システムの結びつけおよびインプラント放出制御機構のための例示的実施形態は、他の血管閉塞デバイス、ステントなどのほかのインプラントにも適用できる。いくつかの実施形態において、送達システムの例示的実施形態は、脳動脈瘤のような動脈瘤にインプラントを正確に送達するように構成されて配置される。別の実施形態において、送達システムの例示的実施形態は、脳の血管、顕著な血管、または他の場所のような血管にインプラントを正確に送達するように構成される。
前述の説明および添付の図面は、現在の代表的な実施形態の多くの例を示している。前述の教示に基づいて、前述説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示される本発明の趣旨から逸脱することなく、または本発明の範囲を超えることなく、様々な修正および代替設計は当業者にとって自明なことである。特許請求の均等物の意味および範囲内に入るすべての変更および変形は、その範囲内に含まれるべきである。