JP7236958B2 - 系統連系保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は、単相3線式の電力系統の受電点に対して、系統連系用の電力変換器を介して電源部を連系させる場合に必要な保護動作を行う系統連系保護装置に関する。
電力系統の受電点に対して、系統連系用の電力変換器を介して電源部を連系させる場合、特許文献1(特公平4-79215号公報)に記載のような不足電圧継電器などの系統連系保護装置が設けられる。そして、電力系統の電圧低下が発生したことを不足電圧継電器が検出した場合には、遮断器が遮断作動して、電源部が電力系統から解列される。
特公平4-79215号公報
特許文献1(特公平4-79215号公報)に記載のような系統連系保護装置では、電力系統の電圧を受電点(電力系統からの引込線取付点など)の近傍で検出する電圧検出部を設けておき、その受電点での電圧が例えば整定値(例えば80V等)以下になったことを不足電圧継電器が検出すると、電源部を電力系統から解列させるように構成されている。
分電盤を介して電源部を電力系統に連系させる場合、電源部は、分電盤の一次側と受電点との間を接続する一次側電気配線、及び、分電盤の二次側と系統連系用の電力変換器との間を接続する二次側電気配線を有する電気配線を用いて電力系統の受電点に対して接続される。その場合、電源部から遠く離れた分電盤の一次側(電力系統側)の受電点近傍で電圧を検出するのではなく、分電盤の二次側の二次側電気配線における系統連系用の電力変換器の接続端で電圧を検出し、その接続端電圧に基づいて電源部を電力系統から解列させるか否かを決定してもよい。
但し、分電盤の二次側に、系統連系用の電力変換器を介して電源部を接続している場合、受電点から系統連系用の電力変換器までの間に存在する電気配線において電圧上昇が発生することがある。つまり、分電盤の二次側の系統連系用の電力変換器の接続端での電圧が、分電盤の一次側の受電点での電圧とは異なり、それよりも高くなることがある。そのため、従来の不足電圧継電器で設定されているのが、分電盤の一次側で検出される電圧についての整定値であることを考慮すると、分電盤の二次側で検出される電圧が整定値に等しくなった時点では、分電盤の一次側の電圧は既に整定値よりも低くなっている可能性がある。つまり、適切な保護動作を行っていない可能性がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、適切な保護動作を行うことができる系統連系保護装置を提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る系統連系保護装置の特徴構成は、単相3線式の電力系統の受電点に対して、系統連系用の電力変換器を介して電源部を連系させる場合に必要な保護動作を行う系統連系保護装置であって、
前記電源部は、分電盤の一次側と前記受電点との間を接続する一次側電気配線、及び、前記分電盤と前記系統連系用の電力変換器との間を接続する二次側電気配線を有する電気配線を用いて前記電力系統の前記受電点に対して接続され、
前記二次側電気配線に対する前記系統連系用の電力変換器の接続端での接続端電圧を検出する電圧検出部と、
前記受電点と前記接続端との間の所定の電圧検証部位での検証部位電圧の大きさが目標解列電圧以下になったと判定した場合に、前記電源部を前記電力系統から解列させる解列制御部と、
前記接続端電圧に基づいて前記検証部位電圧を決定する検証部位電圧決定処理を行う検証部位電圧決定部と、
前記受電点を前記電圧検証部位とする場合の前記目標解列電圧として設定されている基準電圧と、前記受電点から前記電圧検証部位までの間で生じ得る予測電圧変動幅とを考慮して前記目標解列電圧を決定する目標解列電圧決定処理を行う目標解列電圧決定部とを備える点にある。
ここで、前記電源部は、単相3線式のR相及びT相のうちの一方の接続相とN相とに接続され、前記R相及び前記T相のうちの他方の非接続相には接続されていない交流100V電源であってもよい。
上記特徴構成によれば、解列制御部が、受電点と電力変換器の接続端との間の所定の電圧検証部位での検証部位電圧の大きさが目標解列電圧以下になったと判定した場合に、電源部を電力系統から解列させることで、適切な保護動作を行うことができる。
また、目標解列電圧決定部が目標解列電圧決定処理において決定する上記目標解列電圧は、受電点を電圧検証部位とする場合の目標解列電圧として設定されている基準電圧と、受電点から電圧検証部位までの間で生じ得る予測電圧変動幅とを考慮して決定された値である。つまり、受電点と電力変換器の接続端とでは電気配線の電圧が異なることを考慮すると、上記基準電圧は、電圧検証部位が受電点である場合の目標解列電圧として最適であるが、電圧検証部位が電力変換器の接続端である場合の目標解列電圧としては最適でない。しかしながら、本特徴構成では、目標解列電圧決定部が行う目標解列電圧決定処理によって、上記基準電圧が、電圧検証部位が電力変換器の接続端である場合の目標解列電圧として適切な電圧へと近づくように補正される。
従って、適切な保護動作を行うことができる系統連系保護装置を提供できる。
本発明に係る系統連系保護装置の別の特徴構成は、前記電圧検証部位が前記接続端である場合、前記検証部位電圧決定部は、前記検証部位電圧決定処理において、前記接続端電圧を前記検証部位電圧として決定し、前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記分電盤から前記接続端までの間のうち、少なくとも前記分電盤から前記接続端までの間の前記二次側電気配線で生じ得る予測二次側電圧変動幅を考慮して前記予測電圧変動幅を決定する点にある。
上記特徴構成によれば、電圧検証部位が電力変換器の接続端である場合において、目標解列電圧決定部は、受電点から系統連系用の電力変換器の接続端までの間のうち、少なくとも分電盤から電力変換器の接続端までの間の二次側電気配線で生じ得る予測二次側電圧変動幅を考慮して予測電圧変動幅を決定することにより、電圧検証部位が系統連系用の電力変換器の接続端である場合に適した目標解列電圧を決定できる。そして、解列制御部は、検証部位電圧決定部が決定した検証部位電圧と、目標解列電圧決定部が決定した目標解列電圧とを対比して、電源部を電力系統から解列させるか否かを決定できる。
本発明に係る系統連系保護装置の更に別の特徴構成は、前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記基準電圧と前記予測二次側電圧変動幅との和を前記目標解列電圧に決定する点にある。
上記特徴構成によれば、電源部から二次側電気配線に電力を供給した場合に分電盤と電力変換器の接続端との間で生じ得る電圧上昇値を考慮した目標解列電圧を決定できる。
本発明に係る系統連系保護装置の更に別の特徴構成は、前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記系統連系用の電力変換器から前記二次側電気配線への出力が大きくなるほど前記予測二次側電圧変動幅を大きな値に決定する点にある。
系統連系用の電力変換器から二次側電気配線への出力が大きくなるほど、分電盤と電力変換器の接続端との間の二次側電気配線で生じ得る電位差は大きくなる。そこで、目標解列電圧決定部は、目標解列電圧決定処理において、系統連系用の電力変換器から二次側電気配線への出力が大きくなるほど予測二次側電圧変動幅を大きな値に決定することで、適切な目標解列電圧を決定できる。
本発明に係る系統連系保護装置の更に別の特徴構成は、前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記二次側電気配線への前記系統連系用の電力変換器の出力電圧を調整する自動電圧調整機能の整定値を決定するために用いる、前記二次側電気配線で生じ得る電圧上昇値を、前記予測二次側電圧変動幅とする点にある。
上記特徴構成によれば、二次側電気配線への系統連系用の電力変換器の出力電圧を調整する自動電圧調整機能の整定値を決定するために用いる、二次側電気配線で生じ得る電圧上昇値を予測二次側電圧変動幅に援用して、適切な目標解列電圧を決定できる。
本発明に係る系統連系保護装置の更に別の特徴構成は、前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記基準電圧と、前記受電点から前記分電盤までの間の前記一次側電気配線で生じ得る予測一次側電圧変動幅と、前記予測二次側電圧変動幅との和を前記目標解列電圧に決定する点にある。
上記特徴構成によれば、電源部から二次側電気配線に電力を供給した場合に受電点と電力変換器の接続端との間で生じ得る電圧上昇値を考慮した目標解列電圧を決定できる。
本発明に係る系統連系保護装置の更に別の特徴構成は、前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記二次側電気配線への前記系統連系用の電力変換器の出力電圧を調整する自動電圧調整機能の整定値を決定するために用いる、前記一次側電気配線及び前記二次側電気配線で生じ得る合計の電圧上昇値を、前記予測一次側電圧変動幅と前記予測二次側電圧変動幅との和として、前記目標解列電圧を決定する点にある。
上記特徴構成によれば、二次側電気配線への系統連系用の電力変換器の出力電圧を調整する自動電圧調整機能の整定値を決定するために用いる、一次側電気配線及び二次側電気配線で生じ得る合計の電圧上昇値を、予測一次側電圧変動幅と予測二次側電圧変動幅との和に援用して、適切な目標解列電圧を決定できる。
本発明に係る系統連系保護装置の更に別の特徴構成は、前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記一次側電気配線に流れる電流と、前記一次側電気配線の電気抵抗を特定できる一次側抵抗情報とに基づいて、前記予測一次側電圧変動幅を決定する点にある。
一次側電気配線に流れる電流と一次側電気配線の電気抵抗とが分かれば、一次側電気配線でどの程度の電圧降下が発生するかを推定できる。
そこで、本特徴構成では、目標解列電圧決定部は、目標解列電圧決定処理において、一次側電気配線に流れる電流と、一次側電気配線の電気抵抗を特定できる一次側抵抗情報とに基づいて、受電点から分電盤までの間の一次側電気配線で生じ得る予測一次側電圧変動幅を決定できる。
本発明に係る系統連系保護装置の更に別の特徴構成は、前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記二次側電気配線に流れる電流と、前記二次側電気配線の電気抵抗を特定できる二次側抵抗情報とに基づいて、前記予測二次側電圧変動幅を決定する点にある。
二次側電気配線に流れる電流と二次側電気配線の電気抵抗とが分かれば、二次側電気配線でどの程度の電圧降下が発生するかを推定できる。
そこで、本特徴構成では、目標解列電圧決定部は、目標解列電圧決定処理において、二次側電気配線に流れる電流と、二次側電気配線の電気抵抗を特定できる二次側抵抗情報とに基づいて、分電盤から電力変換器の接続端までの間の二次側電気配線で生じ得る予測二次側電圧変動幅を決定できる。
本発明に係る系統連系保護装置の更に別の特徴構成は、前記電圧検証部位が前記受電点である場合、前記検証部位電圧決定部は、前記検証部位電圧決定処理において、前記接続端電圧と、前記二次側電気配線に流れる電流及び前記二次側電気配線の電気抵抗を特定できる二次側抵抗情報によって推定される前記接続端及び前記分電盤の間の電位差と、前記一次側電気配線に流れる電流及び前記一次側電気配線の電気抵抗を特定できる一次側抵抗情報によって推定される前記分電盤及び前記受電点の間の電位差とに基づいて前記受電点での電圧を推定し、推定された前記受電点での電圧を前記検証部位電圧として決定し、前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記予測電圧変動幅をゼロと見なして、前記基準電圧を前記目標解列電圧として決定する点にある。
上記特徴構成によれば、電圧検証部位が受電点である場合において、検証部位電圧決定部は、電圧検出部が検出する接続端電圧と、二次側電気配線に流れる電流及び二次側電気配線の電気抵抗を特定できる二次側抵抗情報によって推定される電力変換器の接続端及び分電盤の間の電位差と、一次側電気配線に流れる電流及び一次側電気配線の電気抵抗を特定できる一次側抵抗情報によって推定される分電盤及び前記受電点の間の電位差とに基づいて受電点での電圧を推定し、推定された受電点での電圧を検証部位電圧として決定できる。また、目標解列電圧決定部は、基準電圧を目標解列電圧として決定できる。
そして、解列制御部は、検証部位電圧決定部が決定した検証部位電圧と、目標解列電圧決定部が決定した目標解列電圧とを対比して、電源部を電力系統から解列させるか否かを決定できる。
本発明に係る系統連系保護装置の更に別の特徴構成は、前記電圧検証部位が前記分電盤である場合、前記検証部位電圧決定部は、前記検証部位電圧決定処理において、前記接続端電圧と、前記二次側電気配線に流れる電流及び前記二次側電気配線の電気抵抗を特定できる二次側抵抗情報によって推定される前記接続端及び前記分電盤の間の電位差とに基づいて前記分電盤での電圧を推定し、推定された前記分電盤での電圧を前記検証部位電圧として決定し、前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記受電点から前記分電盤までの間の前記一次側電気配線で生じ得る予測一次側電圧変動幅を考慮して前記予測電圧変動幅を決定する点にある。
上記特徴構成によれば、電圧検証部位が分電盤である場合において、検証部位電圧決定部は、電圧検出部が検出する接続端電圧と、二次側電気配線に流れる電流及び二次側電気配線の電気抵抗を特定できる二次側抵抗情報によって推定される接続端及び分電盤の間の電位差とに基づいて分電盤での電圧を推定し、推定された分電盤での電圧を検証部位電圧として決定できる。また、目標解列電圧決定部は、受電点から分電盤までの間の一次側電気配線で生じ得る予測一次側電圧変動幅を考慮して予測電圧変動幅を決定することにより、電圧検証部位が分電盤である場合に適した目標解列電圧を決定できる。
そして、解列制御部は、検証部位電圧決定部が決定した検証部位電圧と、目標解列電圧決定部が決定した目標解列電圧とを対比して、電源部を電力系統から解列させるか否かを決定できる。
本発明に係る系統連系保護装置の更に別の特徴構成は、前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記基準電圧と、前記予測一次側電圧変動幅との和を前記目標解列電圧に決定する点にある。
上記特徴構成によれば、電源部から一次側電気配線及び二次側電気配線に電力を供給した場合に一次側電気配線で生じ得る電圧上昇値を考慮した目標解列電圧を決定できる。
本発明に係る系統連系保護装置の更に別の特徴構成は、前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記二次側電気配線への前記系統連系用の電力変換器の出力電圧を調整する自動電圧調整機能の整定値を決定するために用いる、前記一次側電気配線で生じ得る電圧上昇値を、前記予測一次側電圧変動幅とする点にある。
上記特徴構成によれば、二次側電気配線への系統連系用の電力変換器の出力電圧を調整する自動電圧調整機能の整定値を決定するために用いる、一次側電気配線で生じ得る電圧上昇値を予測一次側電圧変動幅に援用して、適切な目標解列電圧を決定できる。
本発明に係る系統連系保護装置の更に別の特徴構成は、前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記一次側電気配線に流れる電流と、前記一次側電気配線の電気抵抗を特定できる一次側抵抗情報とに基づいて、前記予測一次側電圧変動幅を決定する点にある。
一次側電気配線に流れる電流と一次側電気配線の電気抵抗とが分かれば、一次側電気配線でどの程度の電圧降下が発生するかを推定できる。
そこで、本特徴構成では、目標解列電圧決定部は、目標解列電圧決定処理において、一次側電気配線に流れる電流と、一次側電気配線の電気抵抗を特定できる一次側抵抗情報とに基づいて、受電点から分電盤までの間の一次側電気配線で生じ得る予測一次側電圧変動幅を決定できる。
本発明に係る系統連系保護装置の更に別の特徴構成は、前記接続端に接続される前記二次側電気配線が、単相3線式のR相及びT相のうちの一方の接続相とN相との2線で構成され、前記電源部は、前記接続相と前記N相とに接続され、前記R相及び前記T相のうちの他方の非接続相には接続されていない交流100V電源であり、
前記電圧検証部位が前記分電盤である場合、
前記検証部位電圧決定部は、前記検証部位電圧決定処理において、前記接続端での前記接続相の前記接続端電圧と、前記二次側電気配線の前記接続相に流れる電流及び前記二次側電気配線の前記接続相の電気抵抗を特定できる二次側抵抗情報によって推定される前記接続端及び前記分電盤の間の前記接続相での電位差とに基づいて前記分電盤での前記接続相の電圧を推定し、推定された前記分電盤での前記接続相の電圧と、前記一次側電気配線の前記接続相に流れる電流及び前記一次側電気配線の前記接続相の電気抵抗を特定できる一次側抵抗情報によって推定される前記受電点及び前記分電盤の間の前記接続相での電位差とに基づいて前記受電点での前記接続相の電圧を推定し、推定された前記受電点での前記接続相の電圧と反対の符号の電圧を、前記受電点での前記非接続相の電圧と仮定し、仮定された前記受電点での前記非接続相の電圧と、前記一次側電気配線の前記非接続相に流れる電流及び前記一次側電気配線の前記非接続相の電気抵抗を特定できる一次側抵抗情報によって推定される前記受電点及び前記分電盤の間の前記非接続相での電位差とに基づいて前記分電盤での前記非接続相の電圧を推定し、前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記基準電圧と、前記受電点から前記分電盤までの間の前記一次側電気配線の前記接続相で生じ得る予測一次側電圧変動幅との和を前記接続相での前記目標解列電圧に決定し、前記基準電圧と、前記受電点から前記分電盤までの間の前記一次側電気配線の前記非接続相で生じ得る予測一次側電圧変動幅との和を前記非接続相での前記目標解列電圧に決定する点にある。
系統連系用の電力変換器の接続端に接続される二次側電気配線が、単相3線式のR相及びT相のうちの一方の接続相とN相との2線で構成されている場合、電力検出部は、電力変換器の接続端に接続されている接続相の電圧を検出することはできるが、電力変換器の接続端に接続されていない非接続相の電圧を検出することはできない。
ところが本特徴構成では、電圧検出部が検出した電力変換器の接続端での接続相の接続端電圧に基づいて、電圧検出部が検出できない分電盤での非接続相の電圧を推定できる。その結果、電圧検出部は分電盤での非接続相の電圧を検出できないものの、推定される分電盤での非接続相の電圧に基づいて、解列制御部は、電源部を電力系統から解列させるか否かを判定できる。
本発明に係る系統連系保護装置の更に別の特徴構成は、前記目標解列電圧決定部は、前記分電盤を介して前記接続相に接続されている電力負荷装置での接続側負荷電力が設定電力以上の場合、前記目標解列電圧決定処理を行わずに、前記基準電圧を前記目標解列電圧に決定し、前記接続側負荷電力が前記設定電力未満の場合、前記目標解列電圧決定処理によって前記目標解列電圧を決定する点にある。
分電盤を介して接続相に接続されている電力負荷装置での接続側負荷電力が設定電力以上の場合、電源部から接続相に供給されている電力もその電力負荷装置によって消費されるため、接続相では大きな電圧上昇が現れない可能性が高い、即ち、受電点での電圧と電力変換器の接続端での電圧に大きな差が生じない可能性が高い。そのため、本実施形態では、目標解列電圧決定部は、分電盤を介して接続相に接続されている電力負荷装置での接続側負荷電力が設定電力以上の場合、目標解列電圧決定処理を行わずに、基準電圧を目標解列電圧に決定する。それに対して、接続側負荷電力が設定電力未満の場合、受電点での電圧と電力変換器の接続端での電圧に大きな差が生じる可能性があるため、目標解列電圧決定処理によって目標解列電圧を決定する。
系統連系保護装置が設けられる分散型電源システムの構成を示す図である。 系統連系保護装置が設けられる分散型電源システムの別の構成を示す図である。
以下に図面を参照して本発明の実施形態に係る系統連系保護装置について説明する。
図1及び図2は、系統連系保護装置が設けられる分散型電源システムの構成を示す図である。本実施形態の系統連系保護装置は、単相3線式の電力系統1の受電点3に対して、系統連系用の電力変換器14を介して電源部7を連系させる場合に必要な保護動作を行う。
尚、後述するように、図1は、R相及びT相及びN相の3線がパワーコンディショナ10に対して接続される形態の分散型電源システムであり、図2は、R相及びN相の2線がパワーコンディショナ10に対して接続される形態の分散型電源システムである。
図1及び図2に示すように、電力系統1では、例えば柱上トランスなどの変圧器2を用いて、送電線1aにおける電圧が、配電線1bにおける電圧に変圧される。配電線1bは、R相及びT相の電圧線と、N相の中性線とを有する単相3線式の電力系統1となっている。
電源部7は、系統連系用の電力変換器14を有するパワーコンディショナ10を介して電気配線4に接続される。図1及び図2に示す例では、電源部7は電気配線4を用いて電力系統1の受電点3に対して接続される。電源部7は、発電装置や充放電装置などを用いて構成される。例えば、発電装置としては、燃料電池を備える装置や、エンジンとそのエンジンによって駆動される発電機とを備える装置や、太陽光発電装置などの様々な装置を用いることができる。充放電装置としては、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛電池などの蓄電池(化学電池)や、キャパシタ、フライホイールなどの様々な装置を用いることができる。
本実施形態では、電源部7が、分電盤5を介して二次側電気配線4bのR相及びT相のうちの一方の接続相とN相とに接続され、二次側電気配線4bのR相及びT相のうちの他方の非接続相には接続されていない交流100V電源である。
電気配線4は、電力系統1からの引込線取付点である受電点3に接続される。電気配線4は、分電盤5の一次側(電力系統1側)と受電点3との間を接続する一次側電気配線4a、及び、分電盤5と系統連系用の電力変換器14との間を接続する二次側電気配線4bを有する。本実施形態では、二次側電気配線4bは、分電盤5の二次側と系統連系用の電力変換器14との間を接続している。
分電盤5では、分岐ブレーカ8によって複数の線路が電気配線4から分岐している。そして、各線路に接続される電力負荷装置6に電力が供給される。図1及び図2に示す例では、分岐ブレーカ8aから分岐した線路に電力負荷装置6aが接続され、分岐ブレーカ8bから分岐した線路に電力負荷装置6bが接続される。上述した二次側電気配線4bも、分電盤5に設けられた分岐ブレーカ8cから分岐した線路の一つである。
パワーコンディショナ10は、電源部7を電力系統1に連系させるための系統連系用の電力変換器14を有する。電力変換器14の動作は制御部15が制御する。尚、パワーコンディショナ10と電源部7とが一体となった電源装置が構成されてもよい。
本実施形態では、パワーコンディショナ10は、二次側電気配線4bに対する系統連系用の電力変換器14の接続端11での接続端電圧を検出する電圧検出部12と、制御部15と、使用者から情報の入力を受け付ける入力受付部17と、情報を記憶する記憶部16とを有する。
〔一次側電気配線4a及び二次側電気配線4bの各相での電圧及び電流〕
制御部15には、電圧検出部12で検出された接続端電圧についての情報、第1電流計測器21で計測された第1電流値についての情報、第2電流計測器22で計測された第2電流値についての情報が伝達される。第1電流計測器21は、一次側電気配線4aを構成するR相の電圧線における電流値を検出するために用いられるカレントトランス(計器用変流器)などを用いて構成される。第2電流計測器22は、一次側電気配線4aを構成するT相の電圧線における電流値を検出するために用いられるカレントトランス(計器用変流器)などを用いて構成される。
例えば、制御部15には、電圧検出部12で検出された接続端11でのR相の電位:Vr1、接続端11でのT相の電位:Vt1、接続端11でのN相の電位:Vn1が伝達される。ここで、接続端11でのR相の電位:Vr1とN相の電位:Vn1との間の電位差が、R相の接続端電圧:ΔV1rとなる。また、接続端11でのT相の電位:Vt1とN相の電位:Vn1との間の電位差が、T相の接続端電圧:ΔV1tとなる。
また、制御部15には、第1電流計測器21で計測された一次側電気配線4aのR相での電流値、第2電流計測器22で計測された一次側電気配線4aのT相での電流値が伝達される。制御部15は、一次側電気配線4aのR相での電流値及びT相での電流値に基づいて一次側電気配線4aのN相での電流値を計算できる。
更に、制御部15は、自身が動作を制御する電力変換器14から二次側電気配線4bのR相及びT相及びN相への出力電流についての情報も知っている。
このように、制御部15は、一次側電気配線4a及び二次側電気配線4bの各相の電流値を把握できる。また、制御部15は、接続端11での各相の電位についての情報を取得できる。従って、制御部15は、一次側電気配線4a及び二次側電気配線4bの各相の電気抵抗が分かれば、一次側電気配線4a及び二次側電気配線4bの各相でどの程度の電圧降下が発生するかを推定できる。つまり、制御部15は、既知である接続端11での各相の電位と、各相で発生すると推定される電圧降下とに基づいて、一次側電気配線4a及び二次側電気配線4bの各相の例えば分電盤5及び受電点3などの所定の部位での電位を推定できる。
一次側電気配線4a及び二次側電気配線4bの各相の電気抵抗は、例えば、各配線の長さ及び太さなどの情報が記憶部16に記憶されていれば、制御部15がそれらの情報に基づいて導出できる。その場合、入力受付部17によって、一次側電気配線4a及び二次側電気配線4bの長さ及び太さなど、一次側電気配線4a及び二次側電気配線4bの各相の電気抵抗を特定できる情報の入力を使用者から受け付けて、記憶部16に記憶しておけばよい。
〔R相での電位(接続端11、分電盤5、受電点3)〕
制御部15にとっては、接続端11でのR相の電位:Vr1は既知である。加えて、以下のようにして、分電盤5でのR相の電位:Vr2と、受電点3でのR相の電位:Vr3を導出できる。
制御部15は、二次側電気配線4bのR相での電流と、二次側電気配線4bのR相の電気抵抗とに基づいて、R相での接続端11及び分電盤5の間の電位差を導出できる。そして、制御部15は、導出したR相での接続端11及び分電盤5の間の電位差と、既知である接続端11でのR相の電位:Vr1とに基づいて、分電盤5でのR相の電位:Vr2を導出できる。
制御部15は、一次側電気配線4aのR相での電流と、一次側電気配線4aのR相の電気抵抗とに基づいて、R相での分電盤5及び受電点3の間の電位差を導出できる。そして、制御部15は、導出したR相での分電盤5及び受電点3の間の電位差と、上述したように導出した分電盤5でのR相の電位:Vr2とに基づいて、受電点3でのR相の電位:Vr3を導出できる。
〔N相での電位(接続端11、分電盤5、受電点3)〕
制御部15にとっては、接続端11でのN相の電位:Vn1は既知である。加えて、以下のようにして、分電盤5でのN相の電位:Vn2と、受電点3でのN相の電位:Vn3を導出できる。
制御部15は、二次側電気配線4bのN相での電流と、二次側電気配線4bのN相の電気抵抗とに基づいて、N相での接続端11及び分電盤5の間の電位差を導出できる。そして、制御部15は、導出したN相での接続端11及び分電盤5の間の電位差と、既知である接続端11でのN相の電位:Vn1とに基づいて、分電盤5でのN相の電位:Vn2を導出できる。
制御部15は、一次側電気配線4aのN相での電流と、一次側電気配線4aのN相の電気抵抗とに基づいて、N相での分電盤5及び受電点3の間の電位差を導出できる。そして、制御部15は、導出したN相での分電盤5及び受電点3の間の電位差と、上述したように導出した分電盤5でのN相の電位:Vn2とに基づいて、受電点3でのN相の電位:Vn3を導出できる。
〔T相での電位(接続端11、分電盤5、受電点3)〕
図1に示したような、R相、T相、N相の3線がパワーコンディショナ10に対して接続される3線接続の場合、制御部15にとっては、接続端11でのT相の電位:Vt1は既知である。加えて、以下のようにして、分電盤5でのT相の電位:Vt2と、受電点3でのT相の電位:Vt3を導出できる。
制御部15は、二次側電気配線4bのT相での電流と、二次側電気配線4bのT相の電気抵抗とに基づいて、T相での接続端11及び分電盤5の間の電位差を導出できる。そして、制御部15は、導出したT相での接続端11及び分電盤5の間の電位差と、既知である接続端11でのT相の電位:Vt1とに基づいて、分電盤5でのT相の電位:Vt2を導出できる。
制御部15は、一次側電気配線4aのT相での電流と、一次側電気配線4aのT相の電気抵抗とに基づいて、T相での分電盤5及び受電点3の間の電位差を導出できる。そして、制御部15は、導出したT相での分電盤5及び受電点3の間の電位差と、上述したように導出した分電盤5でのT相の電位:Vt2とに基づいて、受電点3でのT相の電位:Vt3を導出できる。
図2に示したような、R相、N相の2線がパワーコンディショナ10に対して接続されている2線接続の場合、制御部15にとっては、接続端11でのT相の電位:Vt1は不明であるため、以下のようにして、分電盤5でのT相の電位:Vt2と、受電点3でのT相の電位:Vt3を推定する。
制御部15は、上述したように導出した受電点3でのR相の電位:Vr3と同じ大きさであり且つ符号の正負が逆の電位を、受電点3でのT相の電位:Vt3と仮定する。
また、制御部15は、一次側電気配線4aのT相での電流と、一次側電気配線4aのT相の電気抵抗とに基づいて、T相での分電盤5及び受電点3の間の電位差を導出できる。そして、制御部15は、導出したT相での分電盤5及び受電点3の間の電位差と、上述したように仮定した受電点3でのT相の電位:Vt3とに基づいて、分電盤5でのT相の電位:Vt2を導出できる。
〔R相の電圧(R相とN相との間の電位差)〕
制御部15は、上述のように決定した接続端11でのR相の電位:Vr1とN相の電位:Vn1との間の電位差:ΔV1rを、接続端11でのR相の電圧として決定できる。
また、制御部15は、上述のように決定した分電盤5でのR相の電位:Vr2とN相の電位:Vn2との間の電位差:ΔV2rを、分電盤5でのR相の電圧として決定できる。
また更に、制御部15は、上述のように決定した受電点3でのR相の電位:Vr3とN相の電位:Vn3との間の電位差:ΔV3rを、受電点3でのR相の電圧として決定できる。
〔T相の電圧(T相とN相との間の電位差)〕
制御部15は、上述のように決定した接続端11でのT相の電位:Vt1とN相の電位:Vn1との間の電位差:ΔV1tを、接続端11でのT相の電圧として決定できる。
また、制御部15は、上述のように決定した分電盤5でのT相の電位:Vt2とN相の電位:Vn2との間の電位差:ΔV2tを、分電盤5でのT相の電圧として決定できる。
また更に、制御部15は、上述のように決定した受電点3でのT相の電位:Vt3とN相の電位:Vn3との間の電位差:ΔV3tを、受電点3でのT相の電圧として決定できる。
〔系統連系保護装置が行う保護動作〕
本実施形態の系統連系保護装置が行う保護動作として、電力系統1の電圧が低下した場合に電源部7を電力系統1から解列させる不足電圧継電器の機能がある。そのため、本実施形態の系統連系保護装置は、電圧検出部12と、解列制御部15aと、検証部位電圧決定部15bと、目標解列電圧決定部15cとを備える。解列制御部15aとしての機能と、検証部位電圧決定部15bとしての機能と、目標解列電圧決定部15cとしての機能とは、制御部15が担う。
電力系統1の電圧が低下したか否かを検証するための電圧検証部位として、受電点3(例えば、電力系統1からの引込線取付点など)、分電盤5、二次側電気配線4bに対する系統連系用の電力変換器14の接続端11などがある。
解列制御部15aは、受電点3と接続端11との間の所定の電圧検証部位での検証部位電圧の大きさが目標解列電圧以下になったと判定した場合に、電源部7を電力系統1から解列させる。尚、解列制御部15aは、R相及びT相の両方で検出部位電圧と目標解列電圧との対比を行い、R相及びT相の少なくとも一方の電圧検証部位での検証部位電圧の大きさが目標解列電圧以下になったと判定した場合に、電源部7を電力系統1から解列させればよい。
解列制御部15aは、電力変換器14の一次側(電力系統1側)に設けられている開閉器13を開作動させることで、電源部7を電力系統1から解列させることができる。或いは、解列制御部15aは、電力変換器14を構成するスイッチング素子をオフ状態に作動させることで、電源部7を電力系統1から解列させることができる。尚、解列制御部15aは、開閉器13を開作動させること、及び、電力変換器14を構成するスイッチング素子をオフ状態に作動させることの両方を行うことで、電源部7を電力系統1から解列させてもよい。
検証部位電圧決定部15bは、電圧検出部12が検出した接続端電圧に基づいて検証部位電圧を決定する検証部位電圧決定処理を行う。検証部位電圧決定部15bが行う検証部位電圧の決定手法は、上述した〔R相の電圧(R相とN相との間の電位差)〕という項目、及び、〔T相の電圧(T相とN相との間の電位差)〕という項目で説明した制御部15による電圧決定手法に対応する。即ち、上述したように決定された、接続端11でのR相の電圧、接続端11でのT相の電圧、分電盤5でのR相の電圧、分電盤5でのT相の電圧、受電点3でのR相の電圧、受電点3でのT相の電圧が、電圧検証部位が接続端11、分電盤5、受電点3である場合のそれぞれでの検証部位電圧になる。尚、解列制御部15aが判定する検証部位電圧は、接続端11でのR相の電圧、接続端11でのT相の電圧、分電盤5でのR相の電圧、分電盤5でのT相の電圧、受電点3でのR相の電圧、受電点3でのT相の電圧の各電圧の絶対値であり、解列制御部15aは、その電圧の絶対値が目標解列電圧以下になったか否かを判定する。
目標解列電圧決定部15cは、受電点3を電圧検証部位とする場合の目標解列電圧として設定されている基準電圧と、受電点3から電圧検証部位までの間で生じ得る予測電圧変動幅とを考慮して目標解列電圧を決定する目標解列電圧決定処理を行う。
以下に検証部位電圧決定部15b及び目標解列電圧決定部15cの動作について、電圧検証部位が接続端11、分電盤5、受電点3のそれぞれの場合で説明する。尚、電圧検証部位が接続端11、分電盤5、受電点3の何れであるかは、予め設定されていてもよいし、或いは、入力受付部17を用いて使用者が変更可能に構成されていてもよい。
<A:電圧検証部位が電力変換器14の接続端11の場合>
電圧検証部位が電力変換器14の接続端11である場合での、検証部位電圧決定部15b及び目標解列電圧決定部15cの動作について説明する。
この場合、電圧検出部12が電圧を検出している接続端11は電圧検証部位と同じ位置であるので、電圧検出部12が電圧を検出した電圧は電圧検証部位での電圧であると見なすことができる。従って、検証部位電圧決定部15bは、検証部位電圧決定処理において、電圧検出部12が検出した接続端電圧を検証部位電圧として決定する。
目標解列電圧決定部15cが目標解列電圧決定処理において考慮する上記基準電圧は、電圧検証部位が受電点3である場合の目標解列電圧として設定されている電圧である。受電点3と接続端11とでは電気配線4の電圧が異なることを考慮すると、上記基準電圧は、電圧検証部位が受電点3である場合の目標解列電圧として最適であるが、電圧検証部位が電力変換器14の接続端11である場合の目標解列電圧としては最適でない。従って、電圧検証部位が受電点3とは異なる位置である場合、上記基準電圧に対して何らかの補正を行うことで、電圧検証部位として適切な目標解列電圧を決定することが好ましい。そこで、電圧検証部位が接続端11である場合、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、分電盤5から接続端11までの間のうち、少なくとも分電盤5から接続端11までの間の二次側電気配線4bで生じ得る予測二次側電圧変動幅を考慮して予測電圧変動幅を決定する。そして、目標解列電圧決定部15cは、基準電圧と予測電圧変動幅とを考慮して、目標解列電圧を決定する。
〔具体例A1:自動電圧調整機能の電圧上昇値(二次側電気配線4b)を参照〕
電源部7を電力系統1に連系する場合、電源部7の使用者は、パワーコンディショナ10に搭載されている自動電圧調整機能(電圧上昇抑制機能)が動作する電圧(整定値)を算出するために、受電点3から接続端11までの間の一次側電気配線4a及び二次側電気配線4bで発生し得る夫々の電圧上昇値又は合計の電圧上昇値を計算する必要がある。そのため、二次側電気配線4bへの系統連系用の電力変換器14の出力電圧を調整する自動電圧調整機能の整定値を決定するために用いる、二次側電気配線4bで生じ得る電圧上昇値を入力受付部17が使用者から受け付けた場合、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、その電圧上昇値を、予測二次側電圧変動幅とする。また、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、分電盤5から接続端11までの間の二次側電気配線4bで生じ得る上記予測二次側電圧変動幅を、予測電圧変動幅に決定する。
そして、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、受電点3を電圧検証部位とする場合の目標解列電圧として設定されている基準電圧と予測電圧変動幅(予測二次側電圧変動幅)との和を目標解列電圧に決定する。
以下に具体的な数値例を挙げて説明する。
パワーコンディショナ10の記憶部16には、電圧検証部位が受電点3である場合の目標解列電圧として80Vという基準電圧が予め記憶されている。そして、使用者が、二次側電気配線4bで生じ得る電圧上昇値として、1Vという数値を入力受付部17によってパワーコンディショナ10に入力した場合、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、80V+1V=81Vという値を目標解列電圧に決定し、記憶部16に記憶する。その結果、解列制御部15aは、電圧検証部位である電力変換器14の接続端11での電圧(検証部位電圧)が81V以下になった場合に、電源部7を電力系統1から解列させる。
〔具体例A2:自動電圧調整機能の電圧上昇値(一次側電気配線4a及び二次側電気配線4b)を参照〕
この具体例でも、自動電圧調整機能(電圧上昇抑制機能)が動作する電圧(整定値)を算出するために用いられる、受電点3から接続端11までの間の一次側電気配線4a及び二次側電気配線4bで発生し得る合計の電圧上昇値が参照される。具体的には、二次側電気配線4bへの系統連系用の電力変換器14の出力電圧を調整する自動電圧調整機能の整定値を決定するために用いる、一次側電気配線4a及び二次側電気配線4bで生じ得る合計の電圧上昇値を入力受付部17が使用者から受け付けた場合、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、その一次側電気配線4a及び二次側電気配線4bで生じ得る合計の電圧上昇値を、受電点3から分電盤5までの間の一次側電気配線4aで生じ得る予測一次側電圧変動幅と、分電盤5から接続端11までの間の二次側電気配線4bで生じ得る予測二次側電圧変動幅との和として決定する。
そして、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、受電点3を電圧検証部位とする場合の目標解列電圧として設定されている基準電圧と予測電圧変動幅(予測一次側電圧変動幅と予測二次側電圧変動幅との和)との和を目標解列電圧に決定する。
以下に具体的な数値例を挙げて説明する。
パワーコンディショナ10の記憶部16には、電圧検証部位が受電点3である場合の目標解列電圧として80Vという基準電圧が予め記憶されている。そして、使用者が、一次側電気配線4a及び二次側電気配線4bで生じ得る合計の電圧上昇値としての1.5Vという数値(例えば、一次側電気配線4aで生じ得る電圧上昇値としての0.5Vという数値、及び、二次側電気配線4bで生じ得る電圧上昇値としての1Vという数値の合計)を入力受付部17によってパワーコンディショナ10に入力した場合、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、80V+1.5V=81.5Vという値を目標解列電圧に決定し、記憶部16に記憶する。その結果、解列制御部15aは、電圧検証部位である電力変換器14の接続端11での電圧(検証部位電圧)が81.5V以下になった場合に、電源部7を電力系統1から解列させる。
〔具体例A3:二次側出力電流との対応関係を参照〕
系統連系用の電力変換器14から二次側電気配線4bへの出力が大きくなるほど、分電盤5と電力変換器14の接続端11との間の二次側電気配線4bで生じ得る電位差は大きくなる。そこで、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、系統連系用の電力変換器14から二次側電気配線4bへの出力が大きくなるほど予測二次側電圧変動幅を大きな値に決定する。電力変換器14から二次側電気配線4bへの出力は、例えば電力変換器14から二次側電気配線4bへの出力電流であり、制御部15は、自身が動作を制御している電力変換器14の接続端11から二次側電気配線4bへの出力電流を知っている。
例えば、記憶部16には、以下の表1に示すような二次側電気配線4bの電流と予測二次側電圧変動幅との対応関係が記憶されている。
Figure 0007236958000001
そして、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、表1に示したような対応関係に基づいて決定した予測二次側電圧変動幅を、予測電圧変動幅に決定する。そして、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、受電点3を電圧検証部位とする場合の目標解列電圧として設定されている基準電圧と予測電圧変動幅との和を目標解列電圧に決定する。
以下に具体的な数値例を挙げて説明する。
パワーコンディショナ10の記憶部16には、80Vという基準電圧が予め記憶されている。そして、制御部15の目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、その時点での電力変換器14から二次側電気配線4bへの出力が定格出力の50%である場合(例えば、二次側電気配線4bに流れる電流が定格電流の50%である場合)、予測電圧変動幅(予測二次側電圧変動幅)を1.0Vに決定する。そして、目標解列電圧決定部15cは、80V+1.0V=81.0Vという値を目標解列電圧に決定し、記憶部16に記憶する。その結果、解列制御部15aは、電圧検証部位である電力変換器14の接続端11での電圧(検証部位電圧)が81.0V以下になった場合に、電源部7を電力系統1から解列させる。
〔具体例A4:一次側電気配線4a及び二次側電気配線4bの電気抵抗を特定可能な情報を参照〕
電源部7を電力系統1に連系する場合、電源部7の使用者は、パワーコンディショナ10に搭載されている自動電圧調整機能(電圧上昇抑制機能)が動作する電圧(整定値)を算出するために、受電点3から接続端11までの間の一次側電気配線4a及び二次側電気配線4bで発生し得る合計の電圧上昇値を計算する必要がある。例えば、その電圧上昇値を計算するために、一次側電気配線4a及び二次側電気配線4bの太さ及び長さの特定が要求されることがある。その場合、一次側電気配線4aの太さ及び長さは、一次側電気配線4aの電気抵抗を特定できる情報(一次側抵抗情報)に相当し、二次側電気配線4bの太さ及び長さは、二次側電気配線4bの電気抵抗を特定できる情報(二次側抵抗情報)に相当する。
本実施形態では、入力受付部17が受け付けた一次側電気配線4aの太さ及び長さを一次側電気配線4aの電気抵抗に換算する場合の計算式、及び、入力受付部17が受け付けた二次側電気配線4bの太さ及び長さを二次側電気配線4bの電気抵抗に換算する場合の計算式が記憶部16に記憶されている。その結果、制御部15は、入力受付部17が受け付けた一次側電気配線4aの太さ及び長さに基づいて一次側電気配線4aの電気抵抗を特定でき、入力受付部17が受け付けた二次側電気配線4bの太さ及び長さに基づいて二次側電気配線4bの電気抵抗を特定できる。
制御部15は、一次側電気配線4aに流れる電流を、第1電流計測器21で計測された第1電流値についての情報、第2電流計測器22で計測された第2電流値についての情報に基づいて決定できる。また、制御部15は、自身が動作を制御している電力変換器14の接続端11から二次側電気配線4bへの出力電流を知っている。
そして、電気配線4に流れる電流と電気抵抗とが分かれば、その電気配線4で生じ得る電圧変動幅を予測できる。従って、一次側抵抗情報及び二次側抵抗情報を入力受付部17が使用者から受け付けた場合、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、一次側電気配線4aに流れる電流と、一次側電気配線4aの電気抵抗を特定できる一次側抵抗情報とに基づいて、予測一次側電圧変動幅を決定する。加えて、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、二次側電気配線4bに流れる電流と、二次側電気配線4bの電気抵抗を特定できる二次側抵抗情報とに基づいて、予測二次側電圧変動幅を決定する。
そして、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、受電点3を電圧検証部位とする場合の目標解列電圧として設定されている基準電圧と予測電圧変動幅(予測一次側電圧変動幅と予測二次側電圧変動幅との和)との和を目標解列電圧に決定する。
<B:電圧検証部位が受電点3の場合>
電圧検証部位が接続端11である場合での、検証部位電圧決定部15b及び目標解列電圧決定部15cの動作について説明する。
この場合、検証部位電圧決定部15bは、検証部位電圧決定処理において、電圧検出部12が検出した接続端電圧と、二次側電気配線4bに流れる電流及び二次側電気配線4bの電気抵抗を特定できる二次側抵抗情報によって推定される接続端11及び分電盤5の間の電位差と、一次側電気配線4aに流れる電流及び一次側電気配線4aの電気抵抗を特定できる一次側抵抗情報によって推定される分電盤5及び受電点3の間の電位差とに基づいて受電点3での電圧を推定し、推定された受電点3での電圧を検証部位電圧として決定する。検証部位電圧決定部15b(制御部15)が受電点3での電圧を推定する手法は上述した手法と同様である。
また、基準電圧は、受電点3を電圧検証部位とする場合の目標解列電圧として設定されている。従って、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、予測電圧変動幅をゼロと見なして、基準電圧を目標解列電圧として決定する。
<C:電圧検証部位が分電盤5の場合>
電圧検証部位が分電盤5である場合での、検証部位電圧決定部15b及び目標解列電圧決定部15cの動作について説明する。
この場合、検証部位電圧決定部15bは、検証部位電圧決定処理において、電圧検出部12が検出した接続端電圧と、二次側電気配線4bに流れる電流及び二次側電気配線4bの電気抵抗を特定できる二次側抵抗情報によって推定される接続端11及び分電盤5の間の電位差とに基づいて分電盤5での電圧を推定し、推定された分電盤5での電圧を検証部位電圧として決定する。検証部位電圧決定部15b(制御部15)が分電盤5での電圧を推定する手法は上述した手法と同様である。
目標解列電圧決定部15cが目標解列電圧決定処理において考慮する上記基準電圧は、電圧検証部位が受電点3である場合の目標解列電圧として設定されている電圧である。受電点3と分電盤5とでは電気配線4の電圧が異なることを考慮すると、上記基準電圧は、電圧検証部位が受電点3である場合の目標解列電圧として最適であるが、電圧検証部位が分電盤5である場合の目標解列電圧としては最適でない。従って、電圧検証部位が受電点3とは異なる位置である場合、上記基準電圧に対して何らかの補正を行うことで、電圧検証部位として適切な目標解列電圧を決定することが好ましい。そこで、電圧検証部位が分電盤5である場合、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、受電点3から分電盤5までの間の一次側電気配線4aで生じ得る予測一次側電圧変動幅を考慮して予測電圧変動幅を決定する。
目標解列電圧決定部15cによる予測一次側電圧変動幅の決定手法として、以下に記載するような幾つかの手法がある。
一つの決定手法として、予測一次側電圧変動幅を、パワーコンディショナ10に搭載されている自動電圧調整機能(電圧上昇抑制機能)が動作する電圧(整定値)を算出するために用いる、受電点3から分電盤5までの間の一次側電気配線4aで発生し得る電圧上昇値により決定する手法がある。具体的には、二次側電気配線4bへの系統連系用の電力変換器14の出力電圧を調整する自動電圧調整機能の整定値を決定するために用いる、一次側電気配線4aで生じ得る電圧上昇値を入力受付部17が使用者から受け付けた場合、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、その一次側電気配線4aで生じ得る電圧上昇値を、予測一次側電圧変動幅とする。
或いは、別の決定手法では、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、一次側電気配線4aに流れる電流と、一次側電気配線4aの電気抵抗を特定できる一次側抵抗情報とに基づいて、予測一次側電圧変動幅を決定する。
そして、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、受電点3を電圧検証部位とする場合の目標解列電圧として設定されている基準電圧と、受電点3から分電盤5までの間の一次側電気配線4aで生じ得る予測一次側電圧変動幅との和を目標解列電圧に決定する。
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、本発明の系統連系保護装置及びそれが設けられる分散型電源システムの構成について具体例を挙げて説明したが、その構成は適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、幾つかの数値例を挙げて本発明の説明を行ったが、それら数値は適宜変更可能である。
<2>
図2に示した分散型電源システムにおいて、電圧検出部12がT相(非接続相)の電圧を検出できない場合であっても、R相及びT相のそれぞれについて、検証部位電圧決定部15bが検証部位電圧決定処理を行い、目標解列電圧決定部15cが目標解列電圧決定処理を行い、解列制御部15aは、R相及びT相の少なくとも一方の電圧検証部位での検証部位電圧の大きさが目標解列電圧以下になったと判定した場合に、電源部7を電力系統1から解列させてもよい。
以下に、接続相であるR相の接続端電圧に基づいて非接続相であるT相の電圧検証部位での検証部位電圧を推定する例について具体的に説明する。尚、以下の例では分電盤5を電圧検証部位としているため、電圧検出部12が検出した接続端11でのR相(接続相)の接続端電圧:ΔV1rに基づいて、分電盤5でのT相(非接続相)の電圧:ΔV2tを推定する。
検証部位電圧決定部15bは、検証部位電圧決定処理において、先ず、電圧検出部12が検出した接続端11でのR相(接続相)の接続端電圧:ΔV1rと、二次側電気配線4bのR相に流れる電流及び二次側電気配線4bのR相の電気抵抗を特定できる二次側抵抗情報によって推定される接続端11及び分電盤5の間のR相での電位差とに基づいて分電盤5でのR相の電圧:ΔV2rを推定する。
次に、検証部位電圧決定部15bは、検証部位電圧決定処理において、上述のように推定された分電盤5でのR相(接続相)の電圧:ΔV2rと、一次側電気配線4aのR相に流れる電流及び一次側電気配線4aのR相の電気抵抗を特定できる一次側抵抗情報によって推定される受電点3及び分電盤5の間のR相での電位差とに基づいて受電点3でのR相の電圧:ΔV3rを推定する。
次に、検証部位電圧決定部15bは、検証部位電圧決定処理において、上述のように推定された受電点3でのR相の電圧:ΔV3rと反対の符号の電圧を、受電点3でのT相(非接続相)の電圧:ΔV3tと仮定する。
そして、検証部位電圧決定部15bは、検証部位電圧決定処理において、上述のように仮定された受電点3でのT相(非接続相)の電圧:ΔV3tと、一次側電気配線4aのT相に流れる電流及び一次側電気配線4aのT相の電気抵抗を特定できる一次側抵抗情報によって推定される受電点3及び分電盤5の間のT相での電位差とに基づいて分電盤5でのT相の電圧:ΔV2tを推定する。
また、目標解列電圧決定部15cは、目標解列電圧決定処理において、基準電圧と、受電点3から分電盤5までの間の一次側電気配線4aのR相(接続相)で生じ得る予測一次側電圧変動幅との和をR相での目標解列電圧に決定し、基準電圧と、受電点3から分電盤5までの間の一次側電気配線4aのT相(非接続相)で生じ得る予測一次側電圧変動幅との和をT相での目標解列電圧に決定する。
そして、解列制御部15aは、R相及びT相の両方で検出部位電圧と目標解列電圧との対比を行い、R相及びT相の少なくとも一方の電圧検証部位での検証部位電圧の大きさが目標解列電圧以下になったと判定した場合に、電源部7を電力系統1から解列させればよい。
<3>
上記実施形態で説明したように、電源部7が、R相(接続相)に接続され、T相(非接続相)には接続されていない交流100V電源である分散型電源システムでは、分電盤5を介してR相(接続相)に接続されている電力負荷装置6aでの接続側負荷電力が設定電力以上の場合、電源部7からR相に供給されている電力もその電力負荷装置6aによって消費されるため、R相では大きな電圧上昇が現れない可能性が高い、即ち、受電点3での電圧と電力変換器14の接続端11での電圧に大きな差が生じない可能性が高い。そのため、目標解列電圧決定部15cは、分電盤5を介してR相に接続されている電力負荷装置6aでの接続側負荷電力が設定電力以上の場合、目標解列電圧決定処理を行わずに、基準電圧を目標解列電圧に決定してもよい。
上記設定電力の値は適宜設定可能である。例えば、上記設定電力の値は、系統連系用の電力変換器14から二次側電気配線4bへの出力電力と同じ値に設定できる。つまり、目標解列電圧決定部15cは、分電盤5を介してR相に接続されている電力負荷装置6aでの接続側負荷電力が、系統連系用の電力変換器14から二次側電気配線4bへの出力電力以上の場合、即ち、電力系統1への逆潮流が発生していない場合に、目標解列電圧決定処理を行わない。
それに対して、目標解列電圧決定部15cは、接続側負荷電力が設定電力未満の場合、受電点3での電圧と電力変換器14の接続端11での電圧に大きな差が生じる可能性があるため、目標解列電圧決定処理によって目標解列電圧を決定することが好ましい。
<4>
上記実施形態では、電源部7が、単相3線式のR相(接続相)に接続され、T相(非接続相)には接続されていない交流100V電源である場合について説明したが、電源部7は、単相3線式のR相及びT相の両方に接続される交流200V電源であってもよい。
<5>
上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用でき、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変できる。
本発明は、適切な保護動作を行うことができる系統連系保護装置に利用できる。
1 電力系統
3 受電点
4 電気配線
4a 一次側電気配線
4b 二次側電気配線
5 分電盤
6(6a,6b) 電力負荷装置
7 電源部
11 接続端
12 電圧検出部
14 電力変換器
15 制御部
15a 解列制御部
15b 検証部位電圧決定部
15c 目標解列電圧決定部

Claims (17)

  1. 単相3線式の電力系統の受電点に対して、系統連系用の電力変換器を介して電源部を連系させる場合に必要な保護動作を行う系統連系保護装置であって、
    前記電源部は、分電盤の一次側と前記受電点との間を接続する一次側電気配線、及び、前記分電盤と前記系統連系用の電力変換器との間を接続する二次側電気配線を有する電気配線を用いて前記電力系統の前記受電点に対して接続され、
    前記二次側電気配線に対する前記系統連系用の電力変換器の接続端での接続端電圧を検出する電圧検出部と、
    前記受電点と前記接続端との間の所定の電圧検証部位での検証部位電圧の大きさが目標解列電圧以下になったと判定した場合に、前記電源部を前記電力系統から解列させる解列制御部と、
    前記接続端電圧に基づいて前記検証部位電圧を決定する検証部位電圧決定処理を行う検証部位電圧決定部と、
    前記受電点を前記電圧検証部位とする場合の前記目標解列電圧として設定されている基準電圧と、前記受電点から前記電圧検証部位までの間で生じ得る予測電圧変動幅とを考慮して前記目標解列電圧を決定する目標解列電圧決定処理を行う目標解列電圧決定部とを備える系統連系保護装置。
  2. 前記電圧検証部位が前記接続端である場合、
    前記検証部位電圧決定部は、前記検証部位電圧決定処理において、前記接続端電圧を前記検証部位電圧として決定し、
    前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記分電盤から前記接続端までの間のうち、少なくとも前記分電盤から前記接続端までの間の前記二次側電気配線で生じ得る予測二次側電圧変動幅を考慮して前記予測電圧変動幅を決定する請求項1に記載の系統連系保護装置。
  3. 前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記基準電圧と前記予測二次側電圧変動幅との和を前記目標解列電圧に決定する請求項2に記載の系統連系保護装置。
  4. 前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記系統連系用の電力変換器から前記二次側電気配線への出力が大きくなるほど前記予測二次側電圧変動幅を大きな値に決定する請求項3に記載の系統連系保護装置。
  5. 前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記二次側電気配線への前記系統連系用の電力変換器の出力電圧を調整する自動電圧調整機能の整定値を決定するために用いる、前記二次側電気配線で生じ得る電圧上昇値を、前記予測二次側電圧変動幅とする請求項2又は3に記載の系統連系保護装置。
  6. 前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記基準電圧と、前記受電点から前記分電盤までの間の前記一次側電気配線で生じ得る予測一次側電圧変動幅と、前記予測二次側電圧変動幅との和を前記目標解列電圧に決定する請求項2に記載の系統連系保護装置。
  7. 前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記二次側電気配線への前記系統連系用の電力変換器の出力電圧を調整する自動電圧調整機能の整定値を決定するために用いる、前記一次側電気配線及び前記二次側電気配線で生じ得る合計の電圧上昇値を、前記予測一次側電圧変動幅と前記予測二次側電圧変動幅との和として、前記目標解列電圧を決定する請求項6に記載の系統連系保護装置。
  8. 前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記一次側電気配線に流れる電流と、前記一次側電気配線の電気抵抗を特定できる一次側抵抗情報とに基づいて、前記予測一次側電圧変動幅を決定する請求項6に記載の系統連系保護装置。
  9. 前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記二次側電気配線に流れる電流と、前記二次側電気配線の電気抵抗を特定できる二次側抵抗情報とに基づいて、前記予測二次側電圧変動幅を決定する請求項2又は3又は6又は8に記載の系統連系保護装置。
  10. 前記電圧検証部位が前記受電点である場合、
    前記検証部位電圧決定部は、前記検証部位電圧決定処理において、前記接続端電圧と、前記二次側電気配線に流れる電流及び前記二次側電気配線の電気抵抗を特定できる二次側抵抗情報によって推定される前記接続端及び前記分電盤の間の電位差と、前記一次側電気配線に流れる電流及び前記一次側電気配線の電気抵抗を特定できる一次側抵抗情報によって推定される前記分電盤及び前記受電点の間の電位差とに基づいて前記受電点での電圧を推定し、推定された前記受電点での電圧を前記検証部位電圧として決定し、
    前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記予測電圧変動幅をゼロと見なして、前記基準電圧を前記目標解列電圧として決定する請求項1に記載の系統連系保護装置。
  11. 前記電圧検証部位が前記分電盤である場合、
    前記検証部位電圧決定部は、前記検証部位電圧決定処理において、前記接続端電圧と、前記二次側電気配線に流れる電流及び前記二次側電気配線の電気抵抗を特定できる二次側抵抗情報によって推定される前記接続端及び前記分電盤の間の電位差とに基づいて前記分電盤での電圧を推定し、推定された前記分電盤での電圧を前記検証部位電圧として決定し、
    前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記受電点から前記分電盤までの間の前記一次側電気配線で生じ得る予測一次側電圧変動幅を考慮して前記予測電圧変動幅を決定する請求項1に記載の系統連系保護装置。
  12. 前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記基準電圧と、前記予測一次側電圧変動幅との和を前記目標解列電圧に決定する請求項11に記載の系統連系保護装置。
  13. 前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記二次側電気配線への前記系統連系用の電力変換器の出力電圧を調整する自動電圧調整機能の整定値を決定するために用いる、前記一次側電気配線で生じ得る電圧上昇値を、前記予測一次側電圧変動幅とする請求項11又は12に記載の系統連系保護装置。
  14. 前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、前記一次側電気配線に流れる電流と、前記一次側電気配線の電気抵抗を特定できる一次側抵抗情報とに基づいて、前記予測一次側電圧変動幅を決定する請求項11又は12に記載の系統連系保護装置。
  15. 前記接続端に接続される前記二次側電気配線が、単相3線式のR相及びT相のうちの一方の接続相とN相との2線で構成され、前記電源部は、前記接続相と前記N相とに接続され、前記R相及び前記T相のうちの他方の非接続相には接続されていない交流100V電源であり、
    前記電圧検証部位が前記分電盤である場合、
    前記検証部位電圧決定部は、前記検証部位電圧決定処理において、
    前記接続端での前記接続相の前記接続端電圧と、前記二次側電気配線の前記接続相に流れる電流及び前記二次側電気配線の前記接続相の電気抵抗を特定できる二次側抵抗情報によって推定される前記接続端及び前記分電盤の間の前記接続相での電位差とに基づいて前記分電盤での前記接続相の電圧を推定し、
    推定された前記分電盤での前記接続相の電圧と、前記一次側電気配線の前記接続相に流れる電流及び前記一次側電気配線の前記接続相の電気抵抗を特定できる一次側抵抗情報によって推定される前記受電点及び前記分電盤の間の前記接続相での電位差とに基づいて前記受電点での前記接続相の電圧を推定し、
    推定された前記受電点での前記接続相の電圧と反対の符号の電圧を、前記受電点での前記非接続相の電圧と仮定し、
    仮定された前記受電点での前記非接続相の電圧と、前記一次側電気配線の前記非接続相に流れる電流及び前記一次側電気配線の前記非接続相の電気抵抗を特定できる一次側抵抗情報によって推定される前記受電点及び前記分電盤の間の前記非接続相での電位差とに基づいて前記分電盤での前記非接続相の電圧を推定し、
    前記目標解列電圧決定部は、前記目標解列電圧決定処理において、
    前記基準電圧と、前記受電点から前記分電盤までの間の前記一次側電気配線の前記接続相で生じ得る予測一次側電圧変動幅との和を前記接続相での前記目標解列電圧に決定し、前記基準電圧と、前記受電点から前記分電盤までの間の前記一次側電気配線の前記非接続相で生じ得る予測一次側電圧変動幅との和を前記非接続相での前記目標解列電圧に決定する請求項1に記載の系統連系保護装置。
  16. 前記電源部は、単相3線式のR相及びT相のうちの一方の接続相とN相とに接続され、前記R相及び前記T相のうちの他方の非接続相には接続されていない交流100V電源である請求項1~14の何れか一項に記載の系統連系保護装置。
  17. 前記目標解列電圧決定部は、
    前記分電盤を介して前記接続相に接続されている電力負荷装置での接続側負荷電力が設定電力以上の場合、前記目標解列電圧決定処理を行わずに、前記基準電圧を前記目標解列電圧に決定し、
    前記接続側負荷電力が前記設定電力未満の場合、前記目標解列電圧決定処理によって前記目標解列電圧を決定する請求項16に記載の系統連系保護装置。
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