JP7234562B2 - ハイブリッド車両の制御方法及び制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車両の制御方法及び制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7234562B2
JP7234562B2 JP2018187045A JP2018187045A JP7234562B2 JP 7234562 B2 JP7234562 B2 JP 7234562B2 JP 2018187045 A JP2018187045 A JP 2018187045A JP 2018187045 A JP2018187045 A JP 2018187045A JP 7234562 B2 JP7234562 B2 JP 7234562B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
engine
driving
power generation
mode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018187045A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020055411A (ja
Inventor
康弘 山内
裕介 中根
裕 阿部
健志 塘
史明 小林
武 宮入
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2018187045A priority Critical patent/JP7234562B2/ja
Publication of JP2020055411A publication Critical patent/JP2020055411A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7234562B2 publication Critical patent/JP7234562B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/70Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/7072Electromobility specific charging systems or methods for batteries, ultracapacitors, supercapacitors or double-layer capacitors

Landscapes

  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Description

本開示は、シリーズ走行するハイブリッド車両の制御方法及び制御装置に関する。
従来、エンジンの停止状態でアクセルペダルを踏み込むことで、車速が所定値まで上がるとエンジンを始動し、エンジン回転数を駆動モータの回転数よりも高めに設定して発電するシリーズハイブリッド車両のエンジン制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012-144138号公報
しかしながら、従来装置にあっては、車速が所定値以上の高速走行時、ドライバーの加速レスポンス要求を満たすために常にエンジン発電を維持している。このため、エンジン発電の維持による無駄な燃料消費により燃費効果を十分に取れていない、という問題があった。
本開示は、上記問題に着目してなされたもので、シリーズ走行中、ドライバーの加速レスポンス要求を満たしながら、無駄な燃料消費の抑制により燃費性能の向上を達成することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示は、エンジンと発電モータと駆動モータとバッテリを搭載し、シリーズ走行中、エンジン停止モードとエンジン発電モードとを切り替える。このハイブリッド車両において、以下の手順による制御方法としている。
エンジン停止モードでの走行中、自車位置情報と自車の現在地から先の走行態様を推定する走行推定情報を入手する。
自車位置情報と走行推定情報に基づき、自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するときに要求される要求駆動力を予測する。
要求駆動力が閾値より大きいと予測されると、エンジン停止モードからエンジンを始動して発電モータにより発電するエンジン発電モードに切り替え、要求駆動力が閾値より小さいと予測されると、エンジン停止モードを維持する。
走行推定情報として、自車の現在地から先の走行環境情報による走行負荷変化の大きさと、ドライバー運転嗜好が前車追い越し派であるのか前車追従派であるのかの学習結果を入手する。
要求駆動力を予測するとき、自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するときの走行負荷変化の大きさに、ドライバー運転嗜好の学習結果を加えて予測する。
エンジン停止モードを選択しての走行中、走行負荷変化の大きさが閾値より大きいと判断された場合、走行負荷変化が大きくなる加速イベントより所定距離手前の位置に自車が到達したか否かを判断する。
加速イベントより所定距離手前に到達すると、ドライバー運転嗜好の学習結果にかかわらず、エンジンを始動して発電モータにより発電するエンジン発電モードに切り替える。
このため、シリーズ走行中、ドライバーの加速レスポンス要求を満たしながら、無駄な燃料消費の抑制により燃費性能の向上を達成することができる。そして、走行負荷変化の大きさによる要求駆動力の予測に、ドライバー運転嗜好の学習結果によるドライバー要求駆動力の予測を加え、エンジン停止モードかエンジン発電モードかのモード選択を行うことができる。さらに、エンジン停止モードを選択しての走行中、走行予定道路に加速イベントが存在すると、加速イベントへの到着前にエンジンを作動させておくことで、加速ラグを解消した加速性を確保することができる。
実施例1の制御方法及び制御装置が適用されたシリーズハイブリッド車両の駆動系及び制御系を示す全体システム図である。 実施例1の車両コントロールモジュールのエンジン発電/停止制御部にて車速が所定車速未満のときに実行される各制御モードを示す制御モード図である。 実施例1の車両制御装置のドライバー運転嗜好学習制御部にて実行される走行シーン毎のドライバー運転嗜好学習制御処理の流れを示すフローチャートである。 ドライバー運転嗜好学習制御で用いられるドライブスタイル・走行環境(Navi情報)・自車付近の走行状況での各判断項目の一例を示す判断項目例示図である。 ドライバー運転嗜好学習制御で用いられる走行環境の判断項目の組み合わせによる走行シーンの区分例を示す走行シーン区分図である。 実施例1の車両コントロールモジュールのエンジン発電/停止制御部にて実行されるエンジン発電/停止制御処理の流れを示すフローチャートである。 比較例の高車速時エンジン発電制御における各特性を示すタイムチャートである。 実施例1の高車速時エンジン発電/停止制御における各特性を示すタイムチャートである。 高車速時エンジン発電/停止制御においてドライバー加速要求と同時にエンジン始動するときの加速ラグが発生する各特性を示すタイムチャートである。 高車速時エンジン発電/停止制御において要求駆動力の予測に基づきドライバー加速要求に先行してエンジン始動するときの加速ラグが無い各特性を示すタイムチャートである。
以下、本開示によるハイブリッド車両の制御方法及び制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
実施例1の制御方法及び制御装置は、エンジンを発電用動力源とし駆動モータを走行用駆動源としてシリーズ走行するシリーズハイブリッド車両(ハイブリッド車両の一例)に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「車両コントロールモジュールの詳細構成」、「走行シーン毎のドライバー運転嗜好学習制御処理構成」、「エンジン発電/停止制御処理構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1の制御方法及び制御装置が適用されたシリーズハイブリッド車両の駆動系及び制御系を示す。以下、図1に基づいて全体システム構成を説明する。
シリーズハイブリッド車両の駆動系は、図1に示すように、エンジン1(Eng)と、発電モータ2(MG1)と、駆動モータ3(MG2)と、ギヤボックス4と、フロントドライブシャフト5L,5Rと、前輪6L,6R(駆動輪)と、を備えている。発電モータ2と駆動モータ3に接続される構成要素として、発電モータ・駆動モータインバータ7と、バッテリ8と、を備えている。なお、図1において、9L,9Rは後輪(従動輪)である。
エンジン1は、車両前部のパワーユニットルーム内に配置され、クランク軸方向を車幅方向とする横置きエンジンである。このエンジン1の本体は、ギヤボックス4のギヤケース側面に連結固定される。
発電モータ2と駆動モータ3は、何れも三相交流による永久磁石型同期モータ/ジェネレータであり、車両前部のパワーユニットルーム内に配置され、ギヤボックス4のエンジン固定側面とは反対のギヤケース側面に並べて連結固定される。発電モータ2は、エンジン1による駆動エネルギを発電エネルギに変換する発電機能と、エンジン1のスタータモータ機能とを併せて有する。駆動モータ3は、発電モータ2とバッテリ8の少なくとも一方の電力により前輪6L,6Rを駆動する駆動機能と、前輪6L,6Rの回転エネルギを発電エネルギに変換してバッテリ8へ充電する回生機能と、を有する。
ギヤボックス4は、エンジン1と発電モータ2と駆動モータ3が連結固定されるギヤケース内に、ギヤトレーン4aと、減速ギヤトレーン4bと、デファレンシャルギヤユニット4cと、を配置することで構成される。ギヤトレーン4aは、エンジン1と発電モータ2を駆動連結する。減速ギヤトレーン4bは、駆動モータ3とデファレンシャルギヤユニット4cを駆動連結する。デファレンシャルギヤユニット4cは、減速ギヤトレーン4bとフロントドライブシャフト5L,5Rを、フロントドライブシャフト5L,5Rの差動を許容しながら駆動連結する。
発電モータ・駆動モータインバータ7は、車両前部のパワーユニットルーム内に配置され、発電モータ2と駆動モータ3に対してそれぞれ3本のACハーネス10,11を介して接続され、バッテリ8に対して2本のDCハーネス12を介して接続される。この発電モータ・駆動モータインバータ7は、発電モータ2による発電時に三相交流を直流に変換し、発電モータ2によるエンジン始動時にバッテリ8からの直流を三相交流に変換する。また、駆動モータ3による駆動時にバッテリ8からの直流を三相交流に変換し、駆動モータ3による回生時に駆動モータ3で発生した三相交流を直流に変換し、バッテリ8へ充電する。
シリーズハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、車両コントロールモジュール20(VCM)と、エンジンコントローラ21(EC)と、モータジェネレータコントローラ22(MGC)と、バッテリコントローラ23(BC)と、を備えている。さらに、ナビゲーションコントロールユニット24(NAVICU)と、運転支援コントロールユニット25(ADASCU)と、を備えている。なお、これらの制御デバイス20,21,22,23,24,25は、情報交換が可能なCAN通信線26により接続されている。
車両コントロールモジュール20は、シリーズハイブリッド車両全体の消費エネルギを適切に管理する機能を担い、エンジン1と発電モータ2と駆動モータ3の動作制御を行う統合制御手段である。車両コントロールモジュール20には、アクセル開度センサ27、車速センサ28、前後Gセンサ29、横Gセンサ30等の車載センサ情報が入力される。バッテリコントローラ23からバッテリ充電容量(以下、「バッテリSOC」という。)の情報が、CAN通信線26を介して入力される。加えて、ナビゲーションコントロールユニット24や運転支援コントロールユニット25から必要情報が、CAN通信線26を介して入力される。そして、エンジンコントローラ21への制御指令の出力によりエンジン1の運転/停止制御を行い、モータジェネレータコントローラ22への制御指令の出力により発電モータ2や駆動モータ3の動作制御を行う。
ナビゲーションコントロールユニット24は、走行中に現在の自車位置を自動的に割り出し、記録保存されている地図データと照らし合わせて、ディスプレイ31の画面上地図に経路を表示し、音声等で道案内を行い、ドライバーを目的地まで導く機能を有する。このナビゲーションコントロールユニット24は、ディスプレイ31と記憶装置32と通信装置33を備える。なお、ディスプレイ31としては、車室内のインストルメントパネル位置に配置されるモニターやフロントウインドウに画像表示するヘッドアップディスプレイが用いられる。
ナビゲーションコントロールユニット24は、GPS衛星34からの信号を受信し、この自車両の地球上の絶対位置(経度と緯度で特定される位置)を検出する。そして、記憶装置32に記憶されている地図を参照し、自車両が現在存在している位置である現在地を特定するとともに、この現在地から目的地までの予定走行経路を設定する。
記憶装置32は、道路曲率半径、勾配、交差点、信号、踏み切り、横断歩道、制限速度、料金所等の道路環境情報や、道路属性情報(高速道路・幹線道路・一般道・住宅街等)を含む地図情報を記憶している。さらに、記憶装置32には、過去の走行区間における自車のドライブスタイルデータ(アクセル操作、前後G、横G等)も保存する。
通信装置33は、図示を省略した無線基地局およびインターネット等の通信ネットワークを介して、交通情報や統計交通データを有するデータセンタ35との無線通信(テレマティクス通信)を行う。この「通信」は双方向であり、ナビゲーションコントロールユニット24からデータセンタ35へ情報を送信可能であり、逆に、データセンタ35から情報を受信して、走行予定道路の状態(渋滞情報等)を入力することが可能である。
運転支援コントロールユニット25は、駆動/制動/操舵の制御機能を発揮し、自動ブレーキ制御や自動車庫入れ制御や単一車線自動運転制御、等によりドライバーによる運転負担を軽減する運転支援の制御デバイスである。
運転支援コントロールユニット25には、自動運転スイッチ36、車載カメラ37、ライダー/レーダー38等からの情報が入力される。そして、駆動制御機能は、CAN通信線26を介して駆動モータ3による駆動力を制御することで発揮される。制動制御機能のうち、回生制動機能は、CAN通信線26を介して駆動モータ3による回生力を制御することで発揮される。また、ブレーキ制動機能は、ブレーキアクチュエータ39へのブレーキ制動指令の出力により発揮される。操舵制御機能は、ステアリング系に設けられた操舵アクチュエータ40への操舵制御指令の出力により発揮される。
自動運転スイッチ36は、ドライバーがスイッチ投入すると、走行モードがマニュアル運転モードから単一車線自動運転モードに切り替わる。
車載カメラ37は、自車に搭載され、自車周囲の画像情報を入手する。例えば、アラウンドビューモニタシステムは、前方認識カメラ・後方認識カメラ・右側方認識カメラ・左側方認識カメラを組み合わせて構成される。この車載カメラ37では、自車走行路上物体・自車走行路外物体(道路構造物、前車、後続車、対向車、周囲車両、歩行者、自転車、二輪車)・自車走行路(道路白線、道路境界、停止線、横断歩道)・道路標識(制限速度)などが検知される。
ライダー/レーダー38は、自車に搭載された測距センサであり、出力波の反射波を受けることにより自車周囲の物体の存在を検知すると共に、自車周囲の物体までの距離を検知する。例えば、レーザーレーダー、ミリ波レーダー、超音波レーダー、レーザーレンジファインダー等を用いることができる。このライダー/レーダー67では、自車走行路上物体・自車走行路外物体(道路構造物、前車、後続車、対向車、周囲車両、歩行者、自転車、二輪車)などの位置と物体までの距離を検知する。
[車両コントロールモジュールの詳細構成]
図2は、実施例1の車両コントロールモジュール20(コントローラ)のエンジン発電/停止制御部20cにて車速が所定車速未満のときに実行される各制御モードを示す。以下、図1及び図2に基づいて車両コントロールモジュール20の詳細構成を説明する。
車両コントロールモジュール20は、シリーズ走行中、車速VSPが所定車速以上であるとき、要求駆動力の予測に基づく“エンジン停止モード”と“エンジン発電モード”との切り替え制御を実行する。ここで、“エンジン停止モード”とは、エンジン1を停止し、駆動モータ3への電力供給をバッテリ8から行う制御モードである。“エンジン発電モード”とは、エンジン1を始動し、駆動モータ3へ電力供給をバッテリ8と発電モータ2から行う制御モードである。なお、車速VSPが所定車速未満であるときは、図2に示す通常の制御モードによる切り替え制御を実行する。
車両コントロールモジュール20は、図1に示すように、情報入手部20aと、要求駆動力予測部20bと、エンジン発電/停止制御部20cと、ドライバー運転嗜好学習部20dと、を有する。
情報入手部20aは、“エンジン停止モード”での走行中、自車位置情報と自車の現在地から先の走行態様を推定する走行推定情報を入手する。
ここで、実施例1では、走行推定情報として、自車の現在地から先の走行予定道路に沿った走行環境情報と、ドライバー運転嗜好の学習結果とを入手する。
要求駆動力予測部20bは、自車位置情報と走行推定情報に基づき、自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するときに要求される要求駆動力を予測する。
ここで、要求駆動力の予測は、自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するときの走行環境情報に基づく走行負荷変化の大きさに、ドライバー運転嗜好の学習結果を加えて予測する。つまり、走行負荷の大きさにより決まる要求駆動力に、ドライバー運転嗜好によるドライバー要求を加えて、要求駆動力が予測される。
エンジン発電/停止制御部20cは、要求駆動力が閾値より大きいと予測されると、“エンジン停止モード”からエンジン1を始動して発電モータ2により発電する“エンジン発電モード”に切り替える。一方、要求駆動力が閾値より小さいと予測されると、“エンジン停止モード”を維持する。
ここで、“エンジン停止モード”を選択しての走行中、走行負荷変化の大きさが閾値より大きいと判断された場合、走行負荷変化が大きくなる加速イベントより所定距離手前の位置に自車が到達したか否かを判断する。そして、加速イベントより所定距離手前に到達すると、ドライバー運転嗜好の学習結果にかかわらず、エンジン1を始動して発電モータ2により発電する“エンジン発電モード”に切り替える。
“エンジン停止モード”を選択しての走行中、走行負荷変化の大きさが閾値以下と判断された場合、自車と周辺車両との車間距離情報を入手する。そして、所定距離以内に前車が存在する場合、ドライバー運転嗜好が前車追い越し派であると、エンジン1を始動して発電モータ2により発電する“エンジン発電モード”に切り替え、ドライバー運転嗜好が前車追従派であると、“エンジン停止モード”を維持する。
なお、“エンジン発電モード”によるシリーズ走行中は、エンジン1の回転数を、発電モータ2による発電効率が高い領域に設定する。そして、“エンジン発電モード”によるシリーズ走行により、バッテリSOCが上限容量を超えると、“エンジン発電モード”から“エンジン停止モード”へと切り替える。
ドライバー運転嗜好学習部20dは、ドライバー運転嗜好が前車追い越し派であるのか前車追従派であるのかを学習する。
ここで、ドライバー運転嗜好学習部20dは、車両の走行シーンを走行環境の判断項目の組み合わせにより複数に区分する。そして、自車の前方に前車が存在するとき、区分した走行シーン毎にドライバー運転嗜好が前車追い越し派であるのか前車追従派であるのかを学習する。
次に、図2に基づいて車速VSPが所定車速未満であるときに切り替え制御される各制御モードについて説明する。なお、図2において、黒塗り線矢印は電力の流れを示し、白抜き矢印はエンジン動力の流れを示す。
(a) 通常発進・走行時(エンジンOFF)
バッテリSOCの残量が充分な通常発進・走行時は、図2(a)に示すように、エンジン1を停止し、バッテリ8に充電電力を駆動モータ3が消費して走行する。なお、通常発進・走行時であって、ヒータ使用時等においては、エンジン1を始動する。
(b) 通常発進・走行時(エンジンON)
バッテリSOCの残量が少ない通常発進・走行時は、図2(b)に示すように、エンジン1を燃費効率の良い回転数にて稼動することで発電した電力をバッテリ8に充電しながら、バッテリ8と発電モータ2の電力を駆動モータ3が消費して走行する。
(c) 急加速・登坂時
急加速・登坂時は、発電モータ2とバッテリ8の両方から電力を駆動モータ3に供給する。これにより、駆動モータ3は大電力の供給で出力を高めることで、急加速時には一気に車速をアップする力強い走りを実現でき、登坂時には大きな走行負荷に打ち勝つ登坂路走行を実現できる。
(d) 減速・降坂時
減速・降坂時は、駆動モータ3による負荷トルクを前輪6L,6Rに減速トルクとして与える。そして、駆動モータ3で回生発電した電力をバッテリ8に充電する。なお、バッテリSOCが上限以上に達した状態では、放電のために発電モータ2によりエンジン1をクランキング回転させる。
[走行シーン毎のドライバー運転嗜好学習制御処理構成]
図3は、実施例1の車両コントロールモジュール20のドライバー運転嗜好学習部20dにて実行される走行シーン毎のドライバー運転嗜好学習処理の流れを示す。以下、図3の各ステップについて図4及び図5を参照しながら説明する。なお、走行シーン毎のドライバー運転嗜好学習処理は、ドライバー運転嗜好を学習可能なマニュアル運転による走行中であれば常時実行する。
ステップS1では、イグニッションスイッチオンによるスタート、或いは、S3でのNOとの判断に続き、ドライバー運転嗜好学習制御での必要情報を読み込み、ステップS2へ進む。なお、ステップS1で読み込まれるドライバー運転嗜好学習制御での必要情報は、例えば、ドライブスタイル情報(アクセル開度等)と走行環境情報(道路種別・道路勾配・カーブ・渋滞等)と自車付近の走行状況情報(車間距離・相対車速等)である。
ここで、図4は、ドライバー運転嗜好学習制御で用いられるドライブスタイル・走行環境(Navi情報)・自車付近の走行状況での各判断項目の一例を示す。つまり、ドライブスタイルの判断項目としては、アクセル操作、前後G、横Gを有する。走行環境(Navi情報)の判断項目としては、カーブ(距離)、カーブ(曲率)、勾配(勾配)、勾配(位置)、料金所(距離)、交差点(距離)、道路種別、GPS、渋滞情報(平均車速)、交通信号機情報(距離)を有する。自車付近の走行状況の判断項目としては、他車との距離、他車の車速(位置予測/相対車速)、交通信号機情報(色)を有する。このように、ドライバー運転嗜好学習制御での必要情報は、図4に示す判断項目に含まれる。
ステップS2では、S1に続き、そのときの走行シーンXを、走行環境の判断項目の組み合わせにより決定し、ステップS3へ進む。
ここで、図5は、ドライバー運転嗜好学習制御で用いられる走行環境の判断項目の組み合わせによる走行シーンの区分例を示す。例えば、道路種別・道路勾配・カーブ・渋滞という走行環境の判断項目の組み合わせにより走行シーンの区分を決めるとすると、直線路による高速道路での登坂路走行シーンであって渋滞無しのときは、走行シーンXが区分Aと決定される。また、カーブ路による高速道路での登坂路走行シーンであって渋滞無しのときは、走行シーンXが区分Bと決定される。さらに、カーブ路による高速道路での登坂路走行シーンであって渋滞有りのときは、走行シーンXが区分Cと決定される。
ステップS3では、S2に続き、自車の前方に前車が存在し、自車と前車との車間距離が所定値以下であるか否かを判断する。YES(車間距離≦所定値)の場合はステップS4へ進み、NO(前車無し、或いは、車間距離>所定値)の場合はステップS1へ戻る。
ここで、「車間距離の所定値」は、例えば、自動運転モードで前車に追従走行するときの車速に対応する車間距離に設定される。
ステップS4では、S3でのYESとの判断に続き、自車と前車の相対車速が所定車速以上で、かつ、アクセル開度が所定開度以上であるか否かを判断する。YES(相対車速≧所定車速、かつ、アクセル開度≧所定開度)の場合はステップS6へ進み、NO(相対車速<所定車速、又は、アクセル開度<所定開度)の場合はステップS5へ進む。
ここで、「相対車速の所定車速」は、自車が前車を追い越すときに前車へ接近する接近車速相当に設定する。「アクセル開度の所定開度」は、自車が前車を追い越すときの自車の加速意図をあらわす開度に設定する。
ステップS5では、S4でのNOとの判断に続き、前車追い越しの経験回数NをN=0にリセットし、ステップS8へ進む。
ステップS6では、S4でのYESとの判断に続き、前車追い越しの経験回数Nが、連続経験回数閾値Nthになったか否かを判断する。YES(N≧Nth)の場合はステップS9へ進み、NO(N<Nth)の場合はステップS7へ進む。
ここで、「連続経験回数閾値Nth」は、ドライバーが前車追い越し派と判定するのに必要な連続経験回数値として、例えば、数回程度の値に設定される。
ステップS7では、S6でのNOとの判断に続き、前車追い越しの経験回数Nを、N=N+1の式により加算し、ステップS8へ進む。
ステップS8では、S5、或いは、S7に続き、ドライバー運転嗜好は前車追従派であると学習し、ステップS10へ進む。
ステップS9では、ステップS6でのYESとの判断に続き、ドライバー運転嗜好は前車追い越し派であると学習し、ステップS10へ進む。
ステップS10では、S8での前車追従派であるとの学習、或いは、S9での前車追い越し派であるとの学習に続き、走行シーンXの区分A,B,…毎に学習結果(前車追従派、前車追い越し派)を保存し、エンドへ進む。
ここで、走行シーンXの区分A,B,…毎による学習結果保存では、区分A,B,…毎の前車追い越しの経験回数Nも併せて保存する。そして、区分A,B,…毎によるドライバー運転嗜好の学習結果と前車追い越しの経験回数Nは、イグニッションスイッチオフ後もそのまま保存し続ける。
[エンジン発電/停止制御処理構成]
図6は、実施例1の車両コントロールモジュール20のエンジン発電/停止制御部20cにて実行されるエンジン発電/停止制御処理の流れを示す。以下、図6の各ステップについて説明する。なお、図6の処理は、所定の制御周期により繰り返し実行される。
ステップS21では、スタートに続き、車速VSPが所定車速以上であるか否かを判断する。YES(車速VSP≧所定車速)の場合はステップS22へ進み、NO(車速VSP<所定車速)の場合はステップS31へ進む。
ここで、「所定車速」は、シリーズ走行中、従来、加速レスポンス要求に備えて“エンジン発電モード”を固定選択していた車速(例えば、80km/h程度)に設定される。
ステップS22では、S21でのNOとの判断に続き、図2に示す通常の制御モードによる切り替え制御を実行し、エンドへ進む。
ステップS23では、S21でのYESとの判断に続き、“エンジン停止モード”でのシリーズ走行中であるか否かを判断する。YES(“エンジン停止モード”でのシリーズ走行中)の場合はステップS24へ進み、NO(“エンジン発電モード”でのシリーズ走行中)の場合はステップS33へ進む。
ここで、“エンジン停止モード”の実行中はエンジン停止フラグがセットされているため、“エンジン停止モード”でのシリーズ走行中であるか否かの判断は、エンジン停止フラグがセットされているか否かにより行う。
ステップS24では、S23でのYESとの判断、或いは、S27でのNOとの判断に続き、自車の現在地情報を入手し、ステップS25へ進む。
ここで、「自車の現在地情報」は、ナビゲーションコントロールユニット24から入手する。
ステップS25では、S24に続き、自車の現在地から先の走行予定道路に沿った走行環境情報を入手し、ステップS26へ進む。
ここで、「走行環境情報の入手」とは、行先情報の取得、現在走行している道路および走行予定道路の道路種別,道路勾配,カーブ,渋滞等を入手することをいう。
ステップS26では、S25に続き、自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するときの走行環境情報に基づく走行負荷変化の大きさが閾値未満であるか否かを判断する。YES(走行負荷変化の大きさ<閾値)の場合はステップS28へ進み、NO(走行負荷変化の大きさ≧閾値)の場合はステップS27へ進む。
ここで、「閾値」は、“エンジン停止モード”でのシリーズ走行の維持が許容される走行負荷変化の大きさの上限値に設定される。
ステップS27では、S26でのNOとの判断に続き、走行負荷変化が大きくなる加速イベントより所定距離手前の位置に自車が到達したか否かを判断する。YES(加速イベントより所定距離手前の位置に到達)の場合はステップS31へ進み、NO(加速イベントより所定距離手前の位置に未到達)の場合はステップS24へ戻る。
ここで、「所定距離」は、エンジン始動開始からエンジン自立運転に移行するまでに要するエンジン始動時間と自車の車速により求めても良い。また、エンジン始動時間と所定車速による時間に余裕時間を加えることで予め設定した固定時間により与えても良い。
ステップS28では、S26でのYESとの判断に続き、自車と周辺車両との車間距離情報を入手し、ステップS29へ進む。
ステップS29では、S28に続き、走行シーンの区分毎にドライバー運転嗜好の学習結果を入手し、ドライバー運転嗜好の学習結果に基づいて駆動力変化量を予測し、ステップS30へ進む。
ここで、駆動力変化量の予測は、所定距離以内に前車が存在する場合、ドライバー運転嗜好が前車追い越し派であるときに、前車追従派であるときより駆動力変化量を大きく予測する。例えば、前車追従派であるときは、走行負荷変化に対応する要求駆動力の変化幅を駆動力変化量とする。一方、前車追い越し派であるときは、走行負荷変化に対応する要求駆動力の変化幅に追い越し要する要求駆動力を加算した駆動力変化量とする。
ステップS30では、S29に続き、予測した駆動力変化量が閾値以下か否かを判断する。YES(駆動力変化量≦閾値)の場合はステップS32へ進み、NO(駆動力変化量>閾値)の場合はステップS31へ進む。
ここで、「閾値」は、“エンジン停止モード”でのシリーズ走行の維持が許容される駆動力変化量の大きさの上限値に設定される。
ステップS31では、S27でのYESとの判断、或いは、S30でのNOとの判断に続き、“エンジン停止モード”から“エンジン発電モード”に切り替え、ステップS34へ進む。又は、S33でのYESとの判断に続き、“エンジン発電モード”を維持し、ステップS34へ進む。
ステップS32では、S30でのYESとの判断に続き、“エンジン停止モード”を維持し、ステップS34へ進む。又は、S33でのNOとの判断に続き、“エンジン発電モード”から“エンジン停止モード”からに切り替え、ステップS34へ進む。
ステップS33では、S23でのNOとの判断に続き、他のエンジン作動条件が成立しているか否かを判断する。YES(他のエンジン作動条件成立)の場合はステップS31へ進み、NO(他のエンジン作動条件不成立)の場合はステップS32へ進む。
ここで、「他のエンジン作動条件成立」とは、バッテリSOCが上限閾値まで達していないときや車載エアコンの作動開始をいう。「他のエンジン作動条件不成立」とは、“エンジン発電モード”によるシリーズ走行によりバッテリ8のSOCが上昇し、バッテリSOCが上限閾値以上になったときをいう。
ステップS34では、S31或いはS32に続き、そのとき選択されている“エンジン停止モード”又は“エンジン発電モード”によりシリーズ走行し、エンドへ進む。
ここで、“エンジン発電モード”によるシリーズ走行中は、エンジン1の回転数を、発電モータ2による発電効率が高い領域に設定する。
次に、実施例1の作用を、「背景技術と課題」、「課題解決手段と課題解決作用」、「走行シーン毎のドライバー運転嗜好学習作用」、「高車速時におけるエンジン発電/停止制御作用」に分けて説明する。
[背景技術と課題]
車速が所定車速(80km/h)以上の時(高速走行時)には、電力収支的に発電が不要な場合でも下記理由によりエンジンを作動しておく必要があった。
理由1:加速レスポンス要求を満たすためにエンジンを作動し続ける必要がある。つまり、加速要求があってからエンジンを始動して駆動力を出すのでは、エンジン始動が完了するまで駆動力が発生できない加速ラグ時間が発生してしまい、加速レスポンス要求を満たせない。
理由2:所定車速は、バッテリのみからの電力供給で要求された最大トルクが出力できない車速としている。
このため、バッテリからの電力供給のみで走れる走行抵抗であるにも関わらず、また、電力収支的にも発電が不要な場合にもエンジンの作動を継続させておくことは、エンジンを作動させていない時よりも燃費が悪化する。
さらに、走行環境やドライバー嗜好により加速要求が大きくないと判断される場合は、加速レスポンスの問題はあまり考慮しなくてもよいにもかかわらず、どんな駆動力要求にも対応できるように無駄にエンジンを作動させて燃費を悪化させることになる。そして、電力収支的には発電量が必要ないため、低トルク低回転等の発電効率の悪い低出力点を使って発電せざるを得ないため、さらに燃費が悪化することになる。
つまり、高速走行時においては、図7に示すように、駆動モータパワーMG2Powerが一定であり、加速レスポンス要求が無いときは、バッテリSOCが高SOCを保つように、エンジンパワーENGPowerにより発電モータパワーMG1Powerを出していた。しかし、バッテリSOCが高SOCであり、電力収支的には発電量が必要ない。このため、高速走行時、駆動モータパワーMG2Powerによる電力消費量に釣り合う発電モータパワーMG1Powerによる発電量になるように、低トルク低回転等の発電効率の悪いエンジンパワーENGPower(低出力点)を使って発電せざるを得ない。
このように、背景技術においては、加速レスポンス要求の満足のために無駄なエンジン駆動時間が存在する。特に、高SOCかつ高車速時に発電要求が下がるが、加速レスポンス要求のためにエンジンを止められず、余計な燃料消費をしている。また、エンジンもジェネレータも発電効率が悪い動作点で発電を行うため、さらに燃費が悪化している、という課題がある。
[課題解決手段と課題解決作用]
本発明者等は、上記課題に着目し、加速レスポンス要求に応えつつ、加速レスポンスの問題を考慮しなくてもよい条件下ではエンジン停止時間を設けるようにした。つまり、課題解決手段として、“エンジン停止モード”での走行中、自車位置情報と自車の現在地から先の走行態様を推定する走行推定情報を入手する。自車位置情報と走行推定情報に基づき、自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するときに要求される要求駆動力を予測する。要求駆動力が閾値より大きいと予測されると、“エンジン停止モード”からエンジン1を始動して発電モータ2により発電する“エンジン発電モード”に切り替える。要求駆動力が閾値より小さいと予測されると、“エンジン停止モード”を維持する制御方法を採用した。
即ち、シリーズ走行中、要求駆動力が閾値より小さいと予測されると、“エンジン停止モード”を維持することで、無駄な燃料消費が抑制される。シリーズ走行中、要求駆動力が閾値より大きいと予測されると、“エンジン発電モード”に切り替えることで、発電モータ2とバッテリ8からの電力供給で要求された最大トルクが出力できる。
そして、高速走行時においては、図8に示すように、駆動モータパワーMG2Powerが一定であり、加速レスポンス要求が無いとき、図7より高いエンジンパワーENGPowerにより発電モータパワーMG1Power(発電量)を出すことができる。つまり、高トルク高回転等の発電効率の良いエンジンパワーENGPower(高出力点)を使って発電することができる。なお、高SOCになったら“エンジン停止モード”とし、逆に、バッテリSOCが低SOCになったら“エンジン発電モード”とすることで、バッテリSOCの管理を行うことができる。
さらに、“エンジン停止モード”から“エンジン発電モード”に切り替えるに際し、要求駆動力の予測情報を用いることで、加速レスポンス要求を満たすことができる。
即ち、図9のアクセル開度特性とエンジン回転数特性に示すように、アクセル踏み込み操作による加速要求があってからエンジンを始動して駆動力を出すとする。この場合、エンジン始動が完了するまで駆動力が発生できない加速ラグ時間が発生してしまう(図9の矢印Rで囲まれる前後G特性)。つまり、加速レスポンス要求を満たす車速の立ち上がりによる車速特性を得ることができない。
これに対し、図10のアクセル開度特性とエンジン回転数特性に示すように、要求駆動力の予測情報を用いることで、加速要求がある前にエンジン1を始動して駆動力を出すことができる。このため、エンジン始動が完了するまで駆動力が発生できない加速ラグ時間の発生を解消することができる(図10の矢印Sで囲まれる前後G特性)。つまり、加速レスポンス要求を満たす車速の立ち上がりによる車速特性を得ることができる。
このため、シリーズ走行中、ドライバーの加速レスポンス要求を満たしながら、無駄な燃料消費の抑制により燃費性能の向上を達成することができる。そして、“エンジン発電モード”によるシリーズ走行中、エンジン1の回転数を、発電モータ2による発電効率が高い領域に設定し、バッテリ8のバッテリSOCが上限容量を超えると、“エンジン発電モード”から“エンジン停止モード”へ切り替えるようにしている。このため、バッテリ8のバッテリSOCを管理しつつ、さらなる燃費性能の向上を達成することができる。
[走行シーン毎のドライバー運転嗜好学習作用]
ドライバーのタイプは千差万別である。例えば、
(a) 高速道路では前車を追い越すが一般道路では前車を追い越さないタイプ
(b) 高速道路では前車を追い越さないが一般道路では前車を追い越すタイプ
(c) 高速道路と一般道路の両方で前車を追い越すタイプ
(d) 高速道路と一般道路の両方で前車を追い越さないタイプ
が存在する。
これに対して、ドライバー運転嗜好の学習制御は、走行環境の判断項目の組み合わせによる“走行シーン”と“前車に対するドライブスタイル”を紐付けにする。この紐付けによってきめ細やかにドライバー運転嗜好を学習することで、学習の“引き出し”を多くすることを特徴とする。以下、図3のフローチャートに基づいて走行シーン毎のドライバー運転嗜好学習作用を説明する。
先ず、図3のフローチャートにおいて、S1→S2→S3へと進む。S1では、ドライバー運転嗜好学習制御での必要情報が読み込まれる。S2では、そのときの走行シーンXが、走行環境の判断項目の組み合わせにより決定される。S3では、自車の前方に前車が存在し、自車と前車との車間距離が所定値以下であるか否かが判断される。S3にて自車の前方に前車が存在しないと判断されたとき、又は、自車の前方に前車が存在するが自車と前車との車間距離が所定値を超えていると判断されたときは、S1→S2→S3へと進む流れが繰り返される。
しかし、S3にて自車の前方に前車が存在し、自車と前車との車間距離が所定値以下と判断されたときは、S3からS4へと進む。S4では、自車と前車の相対車速が所定車速以上で、かつ、アクセル開度が所定開度以上であるか否かが判断される。
決定された走行シーンXの区分において、ドライバーの運転嗜好が前車追従派であり、自車を前車に近づけることも、又、アクセル踏み込み操作を行うことも無く、前車に追従して走行する運転嗜好であるとする。この場合、決定された走行シーンXの区分を何度経験しても、S4からS5→S8→S10→エンドへと進むことになる。S5では、前車追い越しの経験回数NがN=0に設定される。S8では、ドライバー運転嗜好は前車追従派であると学習される。S10では、そのときの走行シーンXの区分に学習結果として「前車追従派」であると保存される。
なお、前車に追従して走行する運転嗜好のドライバーが、決定された走行シーンXの区分において、例外的に自車を前車に近づけ、前車を追い越そうとしてアクセル踏み込み操作を行ったとする。この場合、S4からS6→S7→S8→S10→エンドへと進む。つまり、例外的に前車の追い越し操作を行っただけでは、S8では、ドライバー運転嗜好は前車追従派であると学習され、S10では、そのときの走行シーンXの区分に学習結果として「前車追従派」であると保存される。
一方、決定された走行シーンXの区分において、ドライバーの運転嗜好が前車追い越し派であり、自車を前車に近づけ、アクセル踏み込み操作を行って前車を追い越そうとする運転嗜好であるとする。この場合、決定された走行シーンXの区分を1度経験すると、S4からS6→S7→S8→S10→エンドへと進むことになる。S6では、前車追い越しの経験回数Nが連続経験回数閾値Nthになっていないと判断され、S7では、前車追い越しの経験回数NがN=1とされる。つまり、前車追い越しの経験回数Nが1度だけのときは、S8では、ドライバー運転嗜好は前車追従派であると学習され、S10では、そのときの走行シーンXの区分に学習結果として「前車追従派」であると保存される。
その後、再度、同じ区分の走行シーンに遭遇して2度目の経験をすると、S4からS6→S7→S8→S10→エンドへと進む。S6では、前車追い越しの経験回数Nが連続経験回数閾値Nthになっていないと判断され、S7では、前車追い越しの経験回数Nが、N=2とされる。つまり、前車追い越しの経験回数Nが2度であってNth≧3が設定されているときは、S8では、ドライバー運転嗜好は前車追従派であると学習され、S10では、そのときの走行シーンXの区分に学習結果として「前車追従派」であると保存される。
その後、同じ区分である走行シーンに遭遇する経験が複数回に到達し、S6において、前車追い越しの経験回数Nが連続経験回数閾値Nthになったと判断されると、S4からS6→S9→S10→エンドへと進む。S10では、S9での前車追い越し派であるとの学習に続き、そのときの走行シーンXの区分に学習結果として「前車追い越し派」であると保存される。
このように、ドライバー運転嗜好学習制御では、ドライバー運転嗜好が前車追従派であることをベースとし、出来る限り“エンジン停止モード”が選択される機会を増やすようにしている。しかし、道路種別のみにより一律に前車追従派であると推定すると、ドライバー運転嗜好が前車追い越し派の場合、走行シーンによっては加速要求に応えられないことがある点に着目し、走行シーンを走行環境の判断項目の組み合わせにより複数に区分した。そして、走行シーンの区分毎にドライバー運転嗜好が「前車追従派」であるか「前車追い越し派」であるかをきめ細かく学習している。
[高車速時におけるエンジン発電/停止制御作用]
高車速時におけるエンジン発電/停止制御は、走行環境情報とドライバー運転嗜好の学習結果を制御に反映させたことを特徴とする。以下、図6のフローチャートに基づいて高車速時におけるエンジン発電/停止制御作用を説明する。
車速VSPが所定車速未満である場合、図6のフローチャートにおいて、S21→S22→エンドへと進む流れが繰り返され、S22では、図2に示す通常の制御モードによる切り替え制御が実行される。
車速VSPが所定車速以上であり、かつ、“エンジン停止モード”でのシリーズ走行中である場合は、図6のフローチャートにおいて、S21→S23→S24→S25→S26へと進む。S24では、自車の現在地情報が入手される。S25では、自車の現在地から先の走行予定道路に沿った走行環境情報が入手される。S26では、自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するときの走行環境情報に基づく走行負荷変化の大きさが閾値未満であるか否かが判断される。
S26において走行負荷変化の大きさ≧閾値と判断されたときは、S26からS27へと進む。S27では、S26でのNOとの判断に続き、走行負荷変化が大きくなる加速イベントより所定距離手前の位置に自車が到達したか否かが判断される。加速イベントより所定距離手前の位置に未到達である間は、S24→S25→S26→S27へと進む流れが繰り返される。一方、S27において加速イベントより所定距離手前の位置に到達したと判断されると、S27からS31→S34→エンドへと進む。S31では、“エンジン停止モード”からエンジン1を始動し、発電モータ2により発電する“エンジン発電モード”へと切り替えられる。S34では、エンジン1の回転数を、発電モータ2による発電効率が高い領域に設定した“エンジン発電モード”によりシリーズ走行する。
一方、S26において走行負荷変化の大きさ<閾値と判断されたときは、S26からS28→S29→S30へと進む。S28では、自車と周辺車両との車間距離情報が入手される。S29では、走行シーンの区分毎にドライバー運転嗜好の学習結果が入手され、ドライバー運転嗜好の学習結果に基づいて駆動力変化量が予測される。S30では、予測した駆動力変化量が閾値以下か否かが判断される。
S30において駆動力変化量≦閾値と判断された場合は、S30からS32→S34→エンドへ進む。S32では、“エンジン停止モード”が維持される。S34では、“エンジン停止モード”の継続によりシリーズ走行する。
一方、S30において駆動力変化量>閾値と判断された場合は、S30からS31→S34→エンドへ進む。S31では、“エンジン停止モード”からエンジン1を始動し、発電モータ2により発電する“エンジン発電モード”へと切り替えられる。S34では、エンジン1の回転数を、発電モータ2による発電効率が高い領域に設定した“エンジン発電モード”によりシリーズ走行する。
車速VSPが所定車速以上であり、かつ、“エンジン発電モード”でのシリーズ走行中である場合は、図6のフローチャートにおいて、S21→S23→S33へと進む。S33では、他のエンジン作動条件が成立しているか否かが判断される。S33において他のエンジン作動条件成立と判断される場合、例えば、バッテリSOCが上限閾値まで達していないときは、S33からS31→S34→エンドへ進む。S31では、“エンジン発電モード”が維持される。S34では、エンジン1の回転数を、発電モータ2による発電効率が高い領域に設定した“エンジン発電モード”によりシリーズ走行する。
一方、S33において他のエンジン作動条件成立と判断される場合、例えば、“エンジン発電モード”によるシリーズ走行によりバッテリ8のSOCが上昇し、バッテリSOCが上限閾値以上になったときは、S33からS32→S34→エンドへ進む。S32では、“エンジン発電モード”から“エンジン停止モード”へと切り替えられる。S34では、“エンジン停止モード”によりシリーズ走行する。
このように、高車速時におけるエンジン発電/停止制御は、自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するときの走行負荷変化の大きさが閾値以上である加速イベント(上り勾配等)が走行予定道路に存在するとき、走行環境情報によるモード選択が優先される。つまり、加速イベントより所定距離手前の位置に到達したと判断されると、“エンジン停止モード”からエンジン1を始動し、発電モータ2により発電する“エンジン発電モード”へと切り替えられる。
そして、自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するときの走行負荷変化の大きさが閾値未満であるとき(平坦路や下り勾配等)、必ず“エンジン停止モード”を維持するのではなく、ドライバー運転嗜好の学習結果を反映させてモード選択をしている。即ち、走行シーンの区分毎にドライバー運転嗜好の学習結果を入手し、ドライバー運転嗜好の学習結果に基づいて駆動力変化量を予測し、駆動力変化量≦閾値と判断された場合は、“エンジン停止モード”が維持される。しかし、駆動力変化量>閾値と判断された場合は、“エンジン停止モード”からエンジン1を始動し、発電モータ2により発電する“エンジン発電モード”へと切り替えられる。このように、ドライバー運転嗜好の学習結果が前車追い越し派である場合は、走行負荷変化の大きさが閾値未満であるにもかかわらず、“エンジン発電モード”が選択される機会を与えている。
以上説明したように、実施例1におけるシリーズハイブリッド車両の制御方法及び制御装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) エンジン1と発電モータ2と駆動モータ3とバッテリ8を搭載し、
シリーズ走行中、駆動モータ3への電力供給をバッテリ8から行うエンジン停止モードと、駆動モータ3へ電力供給をバッテリ8と発電モータ2から行うエンジン発電モードとを切り替えるハイブリッド車両(シリーズハイブリッド車両)の制御方法において、
エンジン停止モードでの走行中、自車位置情報と自車の現在地から先の走行態様を推定する走行推定情報(走行環境情報)を入手し、
自車位置情報と走行推定情報に基づき、自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するときに要求される要求駆動力(走行負荷変化の大きさ)を予測し、
要求駆動力が閾値より大きいと予測されると、エンジン停止モードからエンジン1を始動して発電モータ2により発電するエンジン発電モードに切り替え、要求駆動力が閾値より小さいと予測されると、エンジン停止モードを維持する(図6)。
このため、シリーズ走行中、ドライバーの加速レスポンス要求を満たしながら、無駄な燃料消費の抑制により燃費性能の向上を達成するハイブリッド車両(シリーズハイブリッド車両)の制御方法を提供することができる。
(2) 走行推定情報として、自車の現在地から先の走行環境情報を入手し、
要求駆動力を、自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するとき、走行環境情報に基づく走行負荷変化の大きさにより予測する(図6)。
このため、自車の現在地から先の走行環境情報に基づく走行負荷変化の大きさにより自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するときの要求駆動力を予測することができる。
(3) ドライバー運転嗜好が前車追い越し派であるのか前車追従派であるのかを学習し、
走行推定情報として、ドライバー運転嗜好の学習結果を入手し、
要求駆動力を、自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するときの走行負荷変化の大きさに、ドライバー運転嗜好の学習結果を加えて予測する(図3)。
このため、走行負荷変化の大きさによる要求駆動力の予測に、ドライバー運転嗜好の学習結果によるドライバー要求駆動力の予測を加え、エンジン停止モードかエンジン発電モードかのモード選択を行うことができる。さらに、走行環境情報にドライバー運転嗜好を加えることで、自動運転時におけるドライバー介入にも備えることができる。即ち、自動運転走行中にドライバー運転嗜好からドライバーに介入されそうなシーンを予測し、予めエンジン1を作動させておくことで、加速レスポンスを確保できる。
(4) エンジン停止モードを選択しての走行中、走行負荷変化の大きさが閾値より大きいと判断された場合、走行負荷変化が大きくなる加速イベントより所定距離手前の位置に自車が到達したか否かを判断し、
加速イベントより所定距離手前に到達すると、ドライバー運転嗜好の学習結果にかかわらず、エンジン1を始動して発電モータ2により発電するエンジン発電モードに切り替える(図6)。
このため、エンジン停止モードを選択しての走行中、走行予定道路に加速イベントが存在すると、加速イベントへの到着前にエンジン1を作動させておくことで、加速ラグを解消した加速性を確保することができる。
(5) エンジン停止モードを選択しての走行中、走行負荷変化の大きさが閾値以下と判断された場合、自車と周辺車両との車間距離情報を入手し、
所定距離以内に前車が存在する場合、ドライバー運転嗜好が前車追い越し派であると、エンジン1を始動して発電モータ2により発電するエンジン発電モードに切り替え、ドライバー運転嗜好が前車追従派であると、エンジン停止モードを維持する(図6)。
このため、走行負荷変化の大きさによる判断であればエンジン停止モードが選択されるときであっても、ドライバー運転嗜好の学習結果によるドライバー要求駆動力の予測を加えることで、エンジン発電モードを選択することができる。
(6) エンジン発電モードによるシリーズ走行中、エンジン1の回転数(エンジン回転数Ne)を、発電モータ2による発電効率が高い領域に設定し、
バッテリ8の充電容量(バッテリSOC)が上限容量を超えると、エンジン発電モードからエンジン停止モードへ切り替える(図8)。
このため、エンジン発電モードによるシリーズ走行中、バッテリ8の充電容量(バッテリSOC)を管理しつつ、電力収支的に発電量が必要でない場合に比べ、燃費性能の向上を達成することができる。
(7) シリーズ走行中、車速VSPが所定車速以上であるとき、要求駆動力の予測に基づくエンジン停止モードとエンジン発電モードとの切り替え制御を実行する(図6)。
このため、電力収支的に発電が不要な場合でもエンジン1を作動しておく必要があった車速VSPが所定車速以上のとき、ドライバーの加速レスポンス要求を満たしながら、無駄な燃料消費の抑制により燃費性能の向上を達成することができる。
(8) エンジン1と発電モータ2と駆動モータ3とバッテリ8を搭載し、
シリーズ走行中、駆動モータ3への電力供給をバッテリ8から行うエンジン停止モードと、駆動モータ3へ電力供給をバッテリ8と発電モータ2から行うエンジン発電モードとを切り替えるコントローラ(車両コントロールモジュール20)を備えるハイブリッド車両(シリーズハイブリッド車両)の制御装置において、
コントローラ(車両コントロールモジュール20)は、
エンジン停止モードでの走行中、自車位置情報と自車の現在地から先の走行態様を推定する走行推定情報を入手する情報入手部20aと、
自車位置情報と走行推定情報に基づき、自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するときに要求される要求駆動力を予測する要求駆動力予測部20bと、
要求駆動力が閾値より大きいと予測されると、エンジン停止モードからエンジン1を始動して発電モータ2により発電するエンジン発電モードに切り替え、要求駆動力が閾値より小さいと予測されると、エンジン停止モードを維持するエンジン発電/停止制御部20cと、を有する(図2)。
このため、シリーズ走行中、ドライバーの加速レスポンス要求を満たしながら、無駄な燃料消費の抑制により燃費性能の向上を達成するハイブリッド車両(シリーズハイブリッド車両)の制御装置を提供することができる。
以上、本開示のハイブリッド車両の制御方法及び制御装置を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、情報入手部20aとして、エンジン停止モードでの走行中、自車位置情報と自車の現在地から先の走行態様を推定する走行環境情報とドライバー運転嗜好の学習結果情報を入手する例を示した。しかし、情報入手部としては、自車の所定距離先を走行する先行車の位置情報や車速情報やアクセル開度情報を車車間通信により入手するようにしても良く、この場合、自車が現在地から先へ走行するときの加速区間や減速区間を知ることができる。また、情報入手部としては、自動運転車において予め目標走行経路に沿って車速プロファイルが生成される場合、生成された車速プロファイル情報を入手する例としても良い。さらに、情報入手部としては、過去に同じ道路を走行した経験がある場合であって、そのときの走行態様が記憶されている場合、走行態様記憶情報を入手する例としても良い。要するに、自車の現在地から先の走行態様を推定することが可能な情報であれば、走行環境情報とドライバー運転嗜好の学習結果情報に限られない。
実施例1では、要求駆動力予測部20bとして、自車位置情報と走行環境情報とドライバー運転嗜好の学習結果情報に基づき、自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するときに要求される走行負荷変化の大きさと駆動力変化量を予測する例を示した。しかし、要求駆動力予測部としては、要求駆動力そのものを予測しても良いし、また、アクセル開度変化量を予測しても良い。要するに、要求駆動力相当の値予測であれば、走行負荷変化の大きさや駆動力変化量に限られない。
実施例1では、シリーズ走行中、車速VSPが所定車速以上であるとき、要求駆動力の予測に基づくエンジン停止モードとエンジン発電モードとの切り替え制御を実行する例を示した。しかし、シリーズ走行中、要求駆動力の予測に基づくエンジン停止モードとエンジン発電モードとの切り替え制御を、車速が所定車速以上である高車速域に限らず、全車速域で実行する例としても良い。
実施例1では、本開示の制御方法及び制御装置を、エンジンを発電用動力源とし駆動モータを走行用駆動源としてシリーズ走行するシリーズハイブリッド車両に適用する例を示した。しかし、本開示の制御方法及び制御装置は、シリーズハイブリッド走行モードを有するパラレルハイブリッド車両に対しても適用することができる。
1 エンジン
2 発電モータ
3 駆動モータ
4 ギヤボックス
5L,5R フロントドライブシャフト
6L,6R 前輪(駆動輪)
7 発電モータ・駆動モータインバータ
8 バッテリ
20 車両コントロールモジュール(コントローラ)
20a 情報入手部
20b 要求駆動力予測部
20c エンジン発電/停止制御部
20d ドライバー運転嗜好学習部
21 エンジンコントローラ
22 モータジェネレータコントローラ
23 バッテリコントローラ
24 ナビゲーションコントロールユニット
25 運転支援コントロールユニット
26 CAN通信線

Claims (5)

  1. エンジンと発電モータと駆動モータとバッテリを搭載し、
    シリーズ走行中、前記駆動モータへの電力供給を前記バッテリから行うエンジン停止モードと、前記駆動モータへ電力供給を前記バッテリと前記発電モータから行うエンジン発電モードとを切り替えるハイブリッド車両の制御方法において、
    前記エンジン停止モードでの走行中、自車位置情報と自車の現在地から先の走行態様を推定する走行推定情報を入手し、
    前記自車位置情報と前記走行推定情報に基づき、自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するときに要求される要求駆動力を予測し、
    前記要求駆動力が閾値より大きいと予測されると、前記エンジン停止モードから前記エンジンを始動して前記発電モータにより発電する前記エンジン発電モードに切り替え、前記要求駆動力が閾値より小さいと予測されると、前記エンジン停止モードを維持し、
    前記走行推定情報として、自車の現在地から先の走行環境情報による走行負荷変化の大きさと、ドライバー運転嗜好が前車追い越し派であるのか前車追従派であるのかの学習結果を入手し、
    前記要求駆動力を予測するとき、自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するときの走行負荷変化の大きさに、前記ドライバー運転嗜好の学習結果を加えて予測し、
    前記エンジン停止モードを選択しての走行中、走行負荷変化の大きさが閾値より大きいと判断された場合、走行負荷変化が大きくなる加速イベントより所定距離手前の位置に自車が到達したか否かを判断し、
    前記加速イベントより所定距離手前に到達すると、ドライバー運転嗜好の学習結果にかかわらず、前記エンジンを始動して前記発電モータにより発電する前記エンジン発電モードに切り替える
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御方法。
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御方法において、
    前記エンジン停止モードを選択しての走行中、走行負荷変化の大きさが閾値以下と判断された場合、自車と周辺車両との車間距離情報を入手し、
    所定距離以内に前車が存在する場合、ドライバー運転嗜好が前車追い越し派であると、前記エンジンを始動して前記発電モータにより発電する前記エンジン発電モードに切り替え、ドライバー運転嗜好が前車追従派であると、前記エンジン停止モードを維持する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御方法。
  3. 請求項1又は2に記載されたハイブリッド車両の制御方法において、
    前記エンジン発電モードによるシリーズ走行中、前記エンジンの回転数を、前記発電モータによる発電効率が高い領域に設定し、
    前記バッテリの充電容量が上限容量を超えると、前記エンジン発電モードから前記エンジン停止モードへ切り替える
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御方法。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載されたハイブリッド車両の制御方法において、
    シリーズ走行中、車速が所定車速以上であるとき、要求駆動力の予測に基づく前記エンジン停止モードと前記エンジン発電モードとの切り替え制御を実行する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御方法。
  5. エンジンと発電モータと駆動モータとバッテリを搭載し、
    シリーズ走行中、前記駆動モータへの電力供給を前記バッテリから行うエンジン停止モードと、前記駆動モータへ電力供給を前記バッテリと前記発電モータから行うエンジン発電モードとを切り替えるコントローラを備えるハイブリッド車両の制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記エンジン停止モードでの走行中、自車位置情報と自車の現在地から先の走行態様を推定する走行推定情報を入手する情報入手部と、
    前記自車位置情報と前記走行推定情報に基づき、自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するときに要求される要求駆動力を予測する要求駆動力予測部と、
    前記要求駆動力が閾値より大きいと予測されると、前記エンジン停止モードから前記エンジンを始動して前記発電モータにより発電する前記エンジン発電モードに切り替え、前記要求駆動力が閾値より小さいと予測されると、前記エンジン停止モードを維持するエンジン発電/停止制御部と、
    前記走行推定情報として、自車の現在地から先の走行負荷変化の大きさによる走行環境情報と、ドライバー運転嗜好が前車追い越し派であるのか前車追従派であるのかの学習結果を入手する情報入手部と、を有し、
    前記要求駆動力予測部は、前記要求駆動力を予測するとき、自車が現在地から走行予定道路に沿って走行するときの走行負荷変化の大きさに、前記ドライバー運転嗜好の学習結果を加えて予測し、
    前記エンジン発電/停止制御部は、前記エンジン停止モードを選択しての走行中、走行負荷変化の大きさが閾値より大きいと判断された場合、走行負荷変化が大きくなる加速イベントより所定距離手前の位置に自車が到達したか否かを判断し、
    前記加速イベントより所定距離手前に到達すると、ドライバー運転嗜好の学習結果にかかわらず、前記エンジンを始動して前記発電モータにより発電する前記エンジン発電モードに切り替える
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
JP2018187045A 2018-10-02 2018-10-02 ハイブリッド車両の制御方法及び制御装置 Active JP7234562B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018187045A JP7234562B2 (ja) 2018-10-02 2018-10-02 ハイブリッド車両の制御方法及び制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018187045A JP7234562B2 (ja) 2018-10-02 2018-10-02 ハイブリッド車両の制御方法及び制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020055411A JP2020055411A (ja) 2020-04-09
JP7234562B2 true JP7234562B2 (ja) 2023-03-08

Family

ID=70106156

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018187045A Active JP7234562B2 (ja) 2018-10-02 2018-10-02 ハイブリッド車両の制御方法及び制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7234562B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111559256B (zh) * 2020-06-01 2023-06-06 江西清华泰豪三波电机有限公司 一种基于多任务、多工况模式的无人车载混合动力源能量控制方法
CN111867878B (zh) * 2020-06-18 2024-01-19 曹庆恒 一种基于智能交通系统的车辆共享充电方法及系统、移动充电车
CN114312737B (zh) * 2020-09-28 2024-05-07 比亚迪股份有限公司 混合动力车辆的发动机控制方法、装置、系统及车辆
JP7347396B2 (ja) * 2020-10-27 2023-09-20 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両
JP7412863B2 (ja) * 2020-11-26 2024-01-15 ダイハツ工業株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
CN116101255B (zh) * 2023-02-10 2024-03-08 广州汽车集团股份有限公司 发动机的启停控制方法及装置、设备、介质

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006071084A (ja) 2004-09-06 2006-03-16 Toyota Motor Corp 車両用駆動力制御装置
JP2011125865A (ja) 2004-01-13 2011-06-30 Asahi Tec Environmental Solutions Corp 沈砂池設備
JP2014196907A (ja) 2013-03-29 2014-10-16 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 走行支援システム、走行支援方法及びコンピュータプログラム
US20150314775A1 (en) 2012-12-10 2015-11-05 Jaguar Land Rover Limited Hybrid electric vehicle control system and method
JP2018134942A (ja) 2017-02-21 2018-08-30 株式会社豊田中央研究所 ハイブリッド車両の制御装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3203976B2 (ja) * 1994-09-05 2001-09-04 日産自動車株式会社 車両用駆動力制御装置
JP3185630B2 (ja) * 1995-07-24 2001-07-11 トヨタ自動車株式会社 電気自動車用発電装置の制御装置
EP2557008A4 (en) * 2010-04-05 2014-12-10 Honda Motor Co Ltd CONTROL DEVICE FOR HYBRID VEHICLE

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011125865A (ja) 2004-01-13 2011-06-30 Asahi Tec Environmental Solutions Corp 沈砂池設備
JP2006071084A (ja) 2004-09-06 2006-03-16 Toyota Motor Corp 車両用駆動力制御装置
US20150314775A1 (en) 2012-12-10 2015-11-05 Jaguar Land Rover Limited Hybrid electric vehicle control system and method
JP2014196907A (ja) 2013-03-29 2014-10-16 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 走行支援システム、走行支援方法及びコンピュータプログラム
JP2018134942A (ja) 2017-02-21 2018-08-30 株式会社豊田中央研究所 ハイブリッド車両の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020055411A (ja) 2020-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7234562B2 (ja) ハイブリッド車両の制御方法及び制御装置
JP6293197B2 (ja) 車両制御システム、車両制御方法、および車両制御プログラム
JP6275187B2 (ja) 車両制御システム、車両制御方法、および車両制御プログラム
JP6338159B2 (ja) 交通状況推定装置、車両制御システム、経路誘導装置、交通状況推定方法、および交通状況推定プログラム
US20170313321A1 (en) Vehicle control system, vehicle control method, and vehicle control program
JP6802222B2 (ja) ピーク効率の勧告および共有
JP4702086B2 (ja) 車両用運転支援装置
US11254313B2 (en) Travelling control apparatus
WO2017168739A1 (ja) 車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラム
JP6020249B2 (ja) ハイブリッド車両用制御装置
WO2017168738A1 (ja) 車両制御システム、車両制御方法、および車両制御プログラム
JP6582339B2 (ja) 車両制御システム、車両制御方法、および車両制御プログラム
JP2019084842A (ja) 車両制御装置
JP7059652B2 (ja) 車両制御システム
CN111409621B (zh) 用于扭矩分配仲裁的系统和方法
CN112423228A (zh) 用于交通工具路线选择的系统和方法
JP5201039B2 (ja) 車両の変速比制御装置及び変速比制御方法
US20210387525A1 (en) Method for improving the energy efficiency of a motor vehicle, motor vehicle, and computer-readable medium
JP4802715B2 (ja) 温度上昇予測装置およびこれを備える経路案内システム並びにこれを搭載する車両、温度上昇予測方法、経路案内方法、熱負荷予測装置
JP7373447B2 (ja) ハイブリッド車両およびその制御方法
JP2020104762A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP6633742B2 (ja) ハイブリッド自動車におけるエネルギー管理のための方法
KR20190081379A (ko) 하이브리드 차량의 배터리 soc 관리 방법
JP7449845B2 (ja) 車両の制御方法及び車両の制御システム
KR102682843B1 (ko) 관성 주행 안내 기능 제어 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210802

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221017

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230206

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7234562

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151