JP7234020B2 - 照明用ユニット、照明システム - Google Patents

照明用ユニット、照明システム Download PDF

Info

Publication number
JP7234020B2
JP7234020B2 JP2019079306A JP2019079306A JP7234020B2 JP 7234020 B2 JP7234020 B2 JP 7234020B2 JP 2019079306 A JP2019079306 A JP 2019079306A JP 2019079306 A JP2019079306 A JP 2019079306A JP 7234020 B2 JP7234020 B2 JP 7234020B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
crystal element
light source
temperature
lighting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019079306A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020177812A (ja
Inventor
康夫 都甲
義史 高尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Stanley Electric Co Ltd
Original Assignee
Stanley Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Stanley Electric Co Ltd filed Critical Stanley Electric Co Ltd
Priority to JP2019079306A priority Critical patent/JP7234020B2/ja
Publication of JP2020177812A publication Critical patent/JP2020177812A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7234020B2 publication Critical patent/JP7234020B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、液晶素子等の光学素子を用いて配光制御を行う照明用技術に関する。
従来から、液晶素子を用いて、車両前方へ照射される光の形状や照度などを制御する配光制御技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような配光制御では、例えば、光源から出射する光を液晶素子へ入射させて、液晶素子においてその光の透過状態を制御することにより配光パターンを形成し、これを車両前方へ投射することにより、いわゆるハイビームの照射範囲における光の照射状態が制御される。例えば、車両前方に存在する他の車両を検出し、それら車両の存在する領域においてはハイビームが減光ないし遮光されて、それ以外の領域においてはハイビームが照射されるというような配光制御が実現される。
ところで、車両の使用される環境は種々であり、時には車両が極低温(例えば、マイナス数十℃)の環境下に置かれる場合もある。そして、このような極低温の環境下では、一般に液晶素子の応答性は著しく低下する。このため、例えば液晶素子としてノーマリーブラック型のものを用いていた場合には、車両の始動直後においてハイビームが照射されにくくなる場合がある。例えば、車両の始動直後に、運転者が瞬間的なハイビームの照射(いわゆるパッシング)を行おうとした場合に、液晶素子の応答が間に合わず、ハイビームがほとんど照射されないといった不都合が生じ得る。他方で、時には車両が高温の環境下におかれる場合もある。そのような環境下では、液晶素子の液晶材料が等方相に相転移してしまい、光の透過状態を制御できなくなる場合も生じ得る。
特開2005-183327号公報
本発明に係る具体的態様は、光学素子を用いる照明用ユニットにおいて、極低温または高温のいずれの環境下でも確実に光照射を行うことを可能とする技術を提供することを目的の1つとする。
[1]本発明に係る一態様の照明用ユニットは、光源と、液晶素子と、前記光源と前記液晶素子を熱的に接続する熱接続部材と、を含み、前記熱接続部材は、ハウジングと、少なくとも一部が前記ハウジング内に配置されており、前記光源から生じる熱を放出する放熱部材と、少なくとも一部が前記ハウジング内に配置されており、前記液晶素子を保持するホルダと、前記ホルダよりも熱伝導率の高い材料で構成されており、前記液晶素子の一部と接し、かつ前記放熱部材と接した熱伝導部材と、を含む、照明用ユニットである。
[2]本発明に係る一態様の照明用ユニットは、光源と、液晶素子と、前記光源と前記液晶素子を熱的に接続する熱接続部材と、を含み、前記熱接続部材は、ハウジングと、少なくとも一部が前記ハウジング内に配置されており、前記光源から生じる熱を放出する放熱部材と、少なくとも一部が前記ハウジング内に配置されており、前記液晶素子を保持するホルダと、前記液晶素子の一部と接し、かつ前記光源と接するように配置されるヒートパイプと、を含む、照明用ユニットである。
[3]前記[1]において、前記熱伝導部材は、前記放熱部材と一体に構成されていてもよい。
[4]前記[1]~[3]の何れかにおいて、前記熱接続部材を冷却するためのファンを更に含んでもよい。
[5]本発明に係る一態様の照明用システムは、照明用ユニットと、制御部と、を含み、前記照明用ユニットは、光源と、液晶素子と、前記光源と前記液晶素子を熱的に接続する熱接続部材と、を含み、前記制御部は、前記液晶素子の温度が所定の基準よりも低いと推定される場合に、当該液晶素子を減光状態に制御するとともに前記光源を点灯状態に制御して、当該液晶素子を当該光源から放出される光によって加温させる、照明システムである。
[6]本発明に係る一態様の照明用システムは、前記[1]又は[2]に記載の照明用ユニットと、前記液晶素子の温度が所定の基準よりも低いと推定される場合に、当該液晶素子を減光状態に制御するとともに前記光源を点灯状態に制御して、当該液晶素子を当該光源から放出される光によって加温させる制御部と、を含む、照明システムである。
[7]本発明に係る一態様の照明用システムは、前記[4]に記載の照明用ユニットと、前記液晶素子の温度が所定の基準よりも高いと推定される場合に前記ファンの動作を制御して前記ハウジング内を冷却させる制御部と、を含む、照明システムである。
上記構成によれば、極低温または高温のいずれの環境下でも確実に光照射を行うことが可能となる。
図1は、一実施形態の車両用灯具システムの全体構成を示す図である。 図2(A)、図2(B)は、ランプユニットの構成例を示す図である。 図3は、液晶パネルの構成例を示す模式的な断面図である。 図4は、制御部による動作手順を示すフローチャートである。 図5(A)、図5(B)は、ランプユニットの変形構成例を示す図である。 図6(A)、図6(B)は、ランプユニットの変形構成例を示す図である。
図1は、一実施形態の車両用灯具システムの全体構成を示す図である。図示の車両用灯具システムは、車両前方に対して、ハイビームの照射範囲内にて選択的な光照射を行うことが可能なものであり、制御部1、撮像検知ユニット2、ライトスイッチ3、冷却水温度センサ4、オイル温度センサ5、一対の前照灯6L、6Rを含んで構成されている。なお、いわゆるロービーム(すれ違いビーム)を照射するための構成については図示を省略する。
制御部1は、車両用灯具システムの全体動作を制御するものである。この制御部1は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータシステムにおいて所定のプログラムを実行させることによって構成される。この制御部1は、プログラム実行により実現される機能ブロックとして、各前照灯6L、6Rに含まれる液晶素子の冷却に関する制御を行う冷却制御部10と、各前照灯6L、6Rに含まれる液晶素子の加温に関する制御を行う加温制御部11と、液晶素子の動作制御を行う液晶制御部12と、各前照灯6L、6Rに含まれる光源の動作制御を行う光源制御部13と、ハイビームの照射範囲内にて選択的な光照射を行う際の配光パターンを設定する配光設定部14を備える。
撮像検知ユニット2は、カメラ21と画像処理部22を含んで構成されている。カメラ21は、車両の所定位置(例えば、フロントガラス内側の上方)に設置されており、車両前方の空間を撮影して画像を生成する。画像処理部22は、カメラ21によって生成された画像に対して所定の画像認識処理を行うことにより、車両前方に存在する先行車両、対向車両、歩行者、車線などを検出する。これらの検出された先行車両や対向車両等に応じて上記の配光設定部14により配光パターンが設定され、その配光パターンに応じた像を形成するように液晶制御部12によって液晶駆動部32の動作が制御される。なお、画像処理部22の機能の一部ないし全部が制御部1において実現されてもよい。
ライトスイッチ3は、車両の運転席に備わっており、運転者がヘッドライトの点消灯を切り替えたりパッシングを行ったりするために用いられる。
冷却水温度センサ4は、車両の冷却水の温度を検出する。オイル温度センサ5は、車両のエンジンオイルの温度を検出する。なお、これら各センサは、通常、車両に元々備わっているので、それらを用いることができる。
一対の前照灯6L、6Rは、車両前部の左右にそれぞれ設置されている。各前照灯6L、6Rは、それぞれ、LED駆動部31、液晶駆動部32、温度センサ33、ランプユニット34を含んで構成されている。
LED駆動部31は、光源制御部13から与えられる制御信号に基づいて、ランプユニット34に備わっている光源に含まれるLEDを駆動する。液晶駆動部32は、液晶制御部12から与えられる制御信号に基づいて、ランプユニット34に備わっている液晶素子を駆動する。
温度センサ33は、ランプユニット34内の所定位置に配置されており、ランプユニット34の光源等の温度を検出する。
ランプユニット(照明用ユニット)34は、LED駆動部31、液晶駆動部32の各々により駆動され、車両前方へ種々の配光パターンによる光を照射する。
図2(A)及び図2(B)は、ランプユニットの構成例を示す図である。詳細には、図2(A)はランプユニットの側方からの概略断面図であり、図2(B)はランプユニットの概略正面図である。図示のランプユニット34は、光源40、反射板(反射部材)41、液晶パネル42、一対の偏光板43、44、投影レンズ46、反射偏光板47、1/2波長板48、ハウジング(恒温ユニット)49、ファン50、ホルダ51を含んで構成されている。なお、液晶パネル42と一対の偏光板43、44を含んで液晶素子45が構成されている。
光源40は、LED(半導体発光素子)を含んで構成されており、LED駆動部31によって駆動されて光を放出する。反射板41は、光源40から放出される光を集光および反射させて液晶素子45へ入射させる。光源40から出射し、反射板41によって反射された光は、反射偏光板47に入射し、その偏光成分が反射されて液晶素子45へ入射する。また、反射偏光板47に入射した他の偏光成分はこの反射偏光板47を透過し、反射板41によって反射されて1/2波長板48へ入射し、その偏光方向が変換されて液晶素子45へ入射する。反射偏光板47としては、例えば偏光ビームスプリッターが好適に用いられる。なお、反射板41は、光源40からの直接光を反射する部分と反射偏光板47を透過した他の偏光成分を反射する部分とが別体であってもよい。
液晶素子45は、液晶駆動部32によって駆動されて、入射する光に変調を与えることにより種々の配光パターンに対応する像を形成する。この液晶素子45において、一対の偏光板43、44は、液晶パネル42を挟んで対向配置されている。各偏光板43、44と液晶パネル42との間は密着しておらず所定の間隙が設けられている。本実施形態では、一対の偏光板43、44は、各々の吸収軸を略直交させるように配置されている。各偏光板43、44としては、例えばワイヤーグリッド偏光板を用いることが好ましい。なお、偏光板43は、機能上必須の要素ではなく、無くてもよい。
また、液晶パネル42としては、垂直配向型の液晶パネルが用いられている。すなわち、液晶素子45は、電圧無印加時において光透過率が極めて低い減光状態(実質的に遮光状態)となるノーマリーブラック型の液晶素子として構成されている。
投影レンズ46は、液晶素子45によって形成される光の像を車両前方へ投影する。それにより、光の像に対応した配光パターンが車両前方に形成される。
ハウジング(恒温ユニット)49は、その前面側に光源40を保持する機構を備えており、光源40の背面側に配置されるヒートシンク(放熱部材)49aを囲う。ハウジング49は、その内部温度を保ちやすいように断熱性の材料を用いて形成されている。ヒートシンク49aは、光源40から発生する熱を外部へ逃がすためのものである。上記した温度センサ33は、このハウジング49内に設定されている。
ファン50は、ハウジング49の背面側に設置されている。このファン50の動作状態(回転数)は制御部1の冷却制御部10によって制御される。ファン50が動作することにより、ハウジング49内部の空気を排出することができるので、ハウジング49内部を冷却することができる。それにより、ヒートシンク49aを冷却することができる。
ホルダ51は、液晶パネル42を所定位置に保持するためのものである。このホルダ51は、前面に液晶パネル42を押さえるためのカバー部51aを備える。ホルダ51は、例えばアルミニウムなど比較的に熱伝導率の高い材料を用いて構成されており、その下側一部分がハウジング49内に配置されている。これにより、ハウジング49内部とホルダ51との間で熱を相互に伝えることができる。すなわち、ハウジング49とホルダ51とが互いに熱的に接続された状態とすることができる。
上記のハウジング49、ヒートシンク49aおよびホルダ51を含んで構成される熱接続部材により、例えば、環境温度が低い場合には、光源40の発光時に生じた熱がヒートシンク49aによってハウジング49内部に放出され、その熱がホルダ51を介して液晶パネル42へ伝わる。これにより、低温時においては液晶パネル42の液晶層が加温されることで、液晶パネル42の応答性を向上させることができる。
他方、環境温度が高い場合には、液晶パネル42の熱がホルダ51を介してハウジング49内部へ放出されるので、液晶パネル42の温度を低下させることができる。この効果は、ファン50を動作させることで更に高まる。例えば、ハウジング49内部の温度を温度センサ33によって検出し、その温度が光源40の耐熱限界温度または液晶材料の等方相への転移温度以下の所定温度になった際にファン50を動作させるようにすればよい。これにより、高温時においては液晶パネル42の液晶層が冷却されることで、液晶層の液晶材料が等方相に相転移し、光の透過状態を制御できなくなることを防止することができる。
図3は、液晶パネルの構成例を示す模式的な断面図である。図示の液晶パネル42は、第1基板61、第2基板62、第1電極63、第2電極64および液晶層65を含んで構成されている。
第1基板61および第2基板62は、それぞれ例えばガラス基板、プラスチック基板等の透明基板である。図示のように、第1基板61と第2基板62は、所定の間隙(例えば4μm程度)を設けて貼り合わされている。
第1電極63は、第1基板61の一面側に設けられている。同様に、第2電極64は、第2基板62の一面側に設けられている。第1電極63および第2電極64は、それぞれ例えばインジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電膜を適宜パターニングすることによって構成されている。これら第1電極63と第2電極64との重なる領域の各々が画素領域(光変調領域)となり、それら画素領域ごとに個別に入射光に対して変調を与えることができる。
なお、図示を省略するが、第1基板61と第2基板62の各々の一面側には、各電極を覆うようにして配向膜が設けられている。
液晶層65は、第1基板61と第2基板62の間に設けられている。本実施形態においては、誘電率異方性Δεが負の液晶材料を用いて液晶層65が構成される。液晶材料の屈折率異方性Δnは、例えば0.09程度である。液晶層65に図示された太線は、液晶層55における液晶分子の配向方向を模式的に示したものである。本実施形態の液晶層65は、電圧無印加時における液晶分子の配向方向が第1基板61および第2基板62の各基板面に対して略垂直(例えば80~89.9°など)となる垂直配向に設定されている。なお、液晶層65の動作モードは例示した垂直配向モードに限られず、TNモードやIPSモードなど種々の動作モードを用いることができる。
図4は、制御部による動作手順を示すフローチャートである。ここでは、車両の始動後において環境温度が極低温である場合に、ランプユニット34の光源40から放出する光を利用して液晶素子45を加温してその温度を速やかに上昇させるための制御における動作手順が示されているとともに、液晶素子45が一定以上高温となった際にその温度を低下させて液晶素子45を冷却するための制御における動作手順が示されている。なお、処理に矛盾を生じない限りにおいて処理順序を入れ替えてもよく、図示の処理順序にのみ限定されない。また、車両が始動したことは、例えばイグニッションスイッチ等の動作状態に基づいて検出される。
制御部1の加温制御部11は、液晶素子45の温度が一定基準(設定温度範囲)より低温と推定される状態であるか否かを判定する(ステップS11)。本実施形態では、各前照灯6L、6Rの温度センサ33により検出される温度に基づいて、例えばマイナス20℃以下である場合には低温と推定される状態であると判定される。なお、2つの温度センサ33により2つの温度が検出されるので、例えばいずれか低い温度を用いて判定を行ってもよいし、2つの温度の平均値を用いて判定を行ってもよい。
さらに、冷却水温度センサ4やオイル温度センサ5により検出される温度に基づいて一定基準を満たす低温と推定される状態であるか否かを判定してもよい。この場合、液晶素子45の温度と冷却水やオイルの各温度との相関関係を予め実験などで求めておき、そのデータに基づいて液晶素子45の温度を推定すればよい。
低温ではない場合には(ステップS11;NO)、詳細を後述するステップS17以降の処理を経て、ステップS11の判定が繰り返される。このため、車両の始動後、しばらく時間が経過した後に何らかの原因でランプユニット34の温度が低下した場合であっても、その時点で液晶素子45を温める動作を開始させることができる。この場合、車両が停車した状態であるときに動作を開始させるのが好ましい。
低温である場合には(ステップS11;YES)、制御部1の加温制御部11から指示を受けた液晶制御部12は、液晶駆動部32に制御信号を与えることにより、液晶素子45を減光状態(遮光状態を含む。以下同じ。)に制御する(ステップS12)。なお、本実施形態の液晶素子45はノーマリーブラック型であるため、その状態(電圧無印加状態)を維持するように液晶駆動部32へ制御信号が与えられる。
なお、液晶素子45がノーマリーホワイト型であった場合には、液晶素子45を減光状態とする必要があるので、そのような駆動が行われるように制御部1の液晶制御部12から液晶駆動部32へ制御信号が与えられる。このとき、液晶素子45は遮光に近い状態のほうが偏光板からの熱輻射を受けやすくなり、より温度上昇が早くなる。
次に、制御部1の加温制御部11から指示を受けた光源制御部13は、各前照灯6L、6RのLED駆動部31に制御信号を与えることにより、各光源40を点灯状態に制御する(ステップS13)。ここでは、例えば各光源40のLEDに対してその定格電流値よりも大きい値の電流を流すようにしてもよい。このような状態でLEDを点灯させるのは非常に短い時間であり、また環境温度が極低温であるので、LEDに損傷を与えることはない。
このとき、液晶素子45が減光状態に制御されているので、各前照灯6L、6Rから外部へは光がほぼ漏れない。そして、各光源40から放出される光を利用して液晶素子45を加温してその温度を上昇させることで液晶素子45の応答性を高めることができる。例えば、光源40からの光が偏光板44に吸収され、偏光板44の温度が上昇すると、その熱が液晶パネル42に伝搬し、液晶パネル42の温度も上昇する。それにより、加温を行うことができる。
制御部1の加温制御部11は、各光源40を点灯状態に制御してから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS14)。ここでは、予め定めた一定値の時間としてもよいし、温度センサ33により検出された温度の大小に応じて、温度が低いほど長く設定される時間であってもよい。
所定時間は、例えば液晶素子45の温度がマイナス20℃より高くなるのに必要な時間を目安に設定されることが好ましく、例えば数十秒間~1分間程度に設定することができる。液晶素子45の諸条件や駆動電圧にも依存するが一般的にマイナス20℃以上となればオン時の応答時間が200ms程度となり、パッシング等の配光制御に対して十分に対応可能となるからである。
所定時間が経過しない場合に(ステップS14;NO)、制御部1の加温制御部11は、液晶素子45の温度が所定温度(設定温度範囲)へ上昇したか否かを判定する(ステップS15)。所定温度へ上昇していない場合には(ステップS15;NO)、ステップS14に戻る。この処理を行うことで、仮に所定時間が経過していなくても液晶素子45が十分に加温された場合には光源40の点灯を停止させることで、必要以上に液晶素子45の温度が上昇することを回避できる。
所定時間が経過した場合(ステップS14;YES)、または液晶素子45の温度が所定温度へ上昇した場合に(ステップS15;YES)、制御部1の加温制御部11は、ライトスイッチ3がオフ(OFF)の状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ライトスイッチ3がオフの状態である場合には(ステップS16;YES)、制御部1の加温制御部11は、光源制御部13に指示を送り、各光源40を消灯状態に制御させる(ステップS16)。具体的には、光源制御部13から各前照灯6L、6RのLED駆動部31に制御信号が与えられることにより、光源40が消灯状態に制御される。なお、ライトスイッチ3がオンの状態でありハイビームの照射が指示されている場合には(ステップS16;NO)、制御部1の光源制御部13は、各光源40をLEDの定格電流値以下で点灯させるように制御する(ステップS18)。その後、ステップS11へ戻る。
他方、低温ではない場合には(ステップS11;NO)、制御部1の冷却制御部10は、液晶素子45の温度が一定基準(設定温度範囲)より高温と推定される状態であるか否かを判定する(ステップS19)。高温ではない場合には(ステップS19;NO)、上記したステップS11へ戻る。
本実施形態では、各前照灯6L、6Rの温度センサ33により検出される温度に基づいて、例えばプラス50℃以上である場合には高温と推定される状態であると判定される。なお、2つの温度センサ33により2つの温度が検出されるので、例えばいずれか高い温度を用いて判定を行ってもよいし、2つの温度の平均値を用いて判定を行ってもよい。さらに、冷却水温度センサ4やオイル温度センサ5により検出される温度に基づいて一定基準を満たす高温と推定される状態であるか否かを判定してもよい。この場合、液晶素子45の温度と冷却水やオイルの各温度との相関関係を予め実験などで求めておき、そのデータに基づいて液晶素子45の温度を推定すればよい。
高温である場合には(ステップS19;YES)、制御部1の冷却制御部10は、ファン50を動作状態に制御する(ステップS20)。これにより、ファン50が動作し、ハウジング49内が冷却されるので、このハウジング49を介して液晶素子45が冷却される。
次に、制御部1の冷却制御部10は、液晶素子45の温度が所定温度(設定温度範囲)より低下したか否かを判定する(ステップS21)。所定温度より低下していない場合には(ステップS21;NO)、ステップS21に戻る。すなわち、ファン50の動作状態が継続される。
液晶素子45の温度が所定温度以下になった場合には(ステップS21;YES)、制御部1の冷却制御部11は、ファン50を停止状態に制御する(ステップS22)。なお、停止状態とせずに、ファン50の回転数を落とす等によって冷却力を低下させる制御を行ってもよい。その後、ステップS11へ戻る。
以上のような実施形態によれば、光源40と液晶パネル42のそれぞれがハウジング49と熱的に接続されていることにより、低温時には光源40から生じる熱を用いて液晶パネル42を加温することができ、高温時には液晶パネル42から生じる熱をハウジング49内へ逃がすことができる。従って、極低温または高温のいずれの環境下でも確実に光照射を行うことが可能となる。
また、上記実施形態によれば、極低温の環境下においては光源40からの光を利用して液晶素子45が速やかに加温されて応答性が高まるので、極低温の環境下でも確実に光照射を行うことが可能となる。また、高温時には液晶素子45をファン50によって冷却する制御が行われるので、環境温度が高いような場合でも液晶素子45の液晶層が等方相に相転移することを防いで確実に光照射を行うことが可能となる。
なお、本発明は上記した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記した実施形態では光源40の点灯制御による液晶素子45の加熱やファン50の動作制御による液晶素子45の冷却を行っていたが、これらの制御に係る構成を省略してもよい。この場合にも、光源40と液晶素子45がそれぞれハウジング49と熱的に接続しているので、一定程度の加熱効果および冷却効果が得られる。
また、上記した実施形態では液晶素子45を加温するために光源40を点灯状態に制御した際に、所定時間が経過した場合と、液晶素子45の温度が所定値以上となった場合の何れかにおいて光源40の点灯状態を停止させていたが、何れか一方のみの判定を行うようにしてもよい。すなわち、時間については判定することなく温度により光源40の点消灯を判定してもよいし、その逆に、温度については判定することなく時間により光源40の点消灯を判定してもよい。
図5(A)、図5(B)は、ランプユニットの変形構成例を示す図である。図5(A)、図5(B)に示すランプユニット134は、上記実施形態のランプユニット34と比べ、ホルダおよびヒートシンクの構成が異なっており、それ以外の構成は同じである。具体的には、ランプユニット134のホルダ151は、液晶パネル42の外縁部に沿って配置される熱伝導部材152を備えている。図5(B)においては、この熱伝導部材152の形成範囲を分かりやすくするために当該形成範囲に模様を付して示している。図示のように熱伝導部材152は、平面視において液晶パネル42の外縁部に沿って設けられている。詳細には、熱伝導部材152は、ホルダ151のカバー部51aに覆われて外部からは視認出来ない範囲において、液晶パネル42の裏面側基板と接するように設けられている。また、この熱伝導部材152は、光源40に設けられるヒートシンク149aと一体に形成されている。
熱伝導部材152およびヒートシンク149aは、ホルダ151よりも熱伝導率の高い材料を用いて構成されている。具体例を挙げると、熱伝導部材152およびヒートシンク149aは、例えば銅を用いて構成されており、ホルダ151は、例えばアルミニウムを用いて構成されている。一般に、熱伝導率の高い材料は高価であるので、ホルダ151全体ではなく一部分を熱伝導率の高い材料からなる熱伝導部材152とすることで、コストを抑えつつ液晶パネル42の冷却および加温の各効果をより高めることができる。
図6(A)、図6(B)は、ランプユニットの変形構成例を示す図である。図6(A)、図6(B)に示すランプユニット134は、上記実施形態のランプユニット34と比べ、ホルダおよびヒートシンクの構成が異なっており、それ以外の構成は同じである。具体的には、ランプユニット234のホルダ251は、液晶パネル42の外縁部に沿って配置されるヒートパイプ252を備えている。図6(B)においては、このヒートパイプ252の形成範囲を分かりやすくするために当該形成範囲に模様を付して示している。図示のようにヒートパイプ252は、平面視において液晶パネル42の外縁部に沿って設けられている。詳細には、ヒートパイプ252は、ホルダ251のカバー部51aに覆われて外部からは視認出来ない範囲において、液晶パネル42の基板面と接するように設けられている。また、このヒートパイプ252は、光源40の裏面側にも配置されており、光源40に対するヒートシンクとしての機能も果たす。ここで、「ヒートパイプ」とは、周知のように、密閉された管内に少量の作動液を真空密封し、内壁に毛細管構造を備えたものであり、優れた熱伝導性を有するものである。このようなヒートパイプ252を用いることで、光源40と液晶パネル42が熱的に接続されるので、液晶パネル42の冷却および加温の各効果をより高めることができる。
また、上記した実施形態では、ランプユニットにおいて光制御を行うための光学素子の一例として液晶素子を挙げていたが、他の光学素子(例えば、ミラーデバイス)を用いられてもよい。また、上記した実施形態では照明用ユニットの適用例として車両用灯具システムを説明していたが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、各種の照明に用いられる照明用ユニットないし照明システム(例えば、街路灯、屋内灯、舞台用照明など)に本発明を適用することができる。
1:制御部、2:撮像検知ユニット、3:ライトスイッチ、4:冷却水温度センサ、5:オイル温度センサ、6L、6R:前照灯、10:冷却制御部、11:加温制御部、12:液晶制御部、13:光源制御部、14:配光設定部、31:LED駆動部、32:液晶駆動部、33:温度センサ、34、134、234:ランプユニット、40:光源、41:反射板、42:液晶パネル、43、44:偏光板、45:液晶素子、46:投影レンズ、49:ハウジング(恒温ユニット)、49a:ヒートシンク、50:ファン、51、151、251:ホルダ、149a:熱伝導部材、152:熱伝導部材、252:ヒートパイプ

Claims (7)

  1. 光源と、
    液晶素子と、
    前記光源と前記液晶素子を熱的に接続する熱接続部材と、
    を含み、
    前記熱接続部材は、
    ハウジングと、
    少なくとも一部が前記ハウジング内に配置されており、前記光源から生じる熱を放出する放熱部材と、
    少なくとも一部が前記ハウジング内に配置されており、前記液晶素子を保持するホルダと、
    前記ホルダよりも熱伝導率の高い材料で構成されており、前記液晶素子の一部と接し、かつ前記放熱部材と接した熱伝導部材と、
    を含む、照明用ユニット。
  2. 光源と、
    液晶素子と、
    前記光源と前記液晶素子を熱的に接続する熱接続部材と、
    を含み、
    前記熱接続部材は、
    ハウジングと、
    少なくとも一部が前記ハウジング内に配置されており、前記光源から生じる熱を放出する放熱部材と、
    少なくとも一部が前記ハウジング内に配置されており、前記液晶素子を保持するホルダと、
    前記液晶素子の一部と接し、かつ前記光源と接するように配置されるヒートパイプと、
    を含む、明用ユニット。
  3. 前記熱伝導部材は、前記放熱部材と一体に構成されている、
    請求項に記載の照明用ユニット。
  4. 前記熱接続部材を冷却するためのファン、
    を更に含む、
    請求項1~の何れかに記載の照明用ユニット。
  5. 照明用ユニットと、
    制御部と、
    を含み、
    前記照明用ユニットは、
    光源と、
    液晶素子と、
    前記光源と前記液晶素子を熱的に接続する熱接続部材と、
    を含み、
    前記制御部は、前記液晶素子の温度が所定の基準よりも低いと推定される場合に、当該液晶素子を減光状態に制御するとともに前記光源を点灯状態に制御して、当該液晶素子を当該光源から放出される光によって加温させる、
    照明システム。
  6. 請求項1又は2に記載の照明用ユニットと、
    前記液晶素子の温度が所定の基準よりも低いと推定される場合に、当該液晶素子を減光状態に制御するとともに前記光源を点灯状態に制御して、当該液晶素子を当該光源から放出される光によって加温させる制御部と、
    を含む、
    照明システム。
  7. 請求項に記載の照明用ユニットと、
    前記液晶素子の温度が所定の基準よりも高いと推定される場合に前記ファンの動作を制御して前記ハウジング内を冷却させる制御部と、
    む、
    照明システム。
JP2019079306A 2019-04-18 2019-04-18 照明用ユニット、照明システム Active JP7234020B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019079306A JP7234020B2 (ja) 2019-04-18 2019-04-18 照明用ユニット、照明システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019079306A JP7234020B2 (ja) 2019-04-18 2019-04-18 照明用ユニット、照明システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020177812A JP2020177812A (ja) 2020-10-29
JP7234020B2 true JP7234020B2 (ja) 2023-03-07

Family

ID=72937415

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019079306A Active JP7234020B2 (ja) 2019-04-18 2019-04-18 照明用ユニット、照明システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7234020B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2023079826A1 (ja) * 2021-11-08 2023-05-11

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018203197A (ja) 2017-06-09 2018-12-27 スタンレー電気株式会社 車両用前照灯システム

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018203197A (ja) 2017-06-09 2018-12-27 スタンレー電気株式会社 車両用前照灯システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020177812A (ja) 2020-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2018225655A1 (ja) 車両用前照灯システム
JP5468464B2 (ja) 車両用灯具
JP7234020B2 (ja) 照明用ユニット、照明システム
JP2012069458A (ja) 車両用灯具
US10551018B2 (en) Vehicular lamp, vehicular lamp system
JPH07175035A (ja) バックライト装置
JP7193270B2 (ja) 車両用灯具の制御装置、車両用灯具の制御方法、車両用灯具システム
CN110006002B (zh) 照明装置
JP7177617B2 (ja) ランプユニット、車両用灯具システム
KR20110084785A (ko) 헤드램프장치
JP2020017369A (ja) 車両用灯具
US10788185B2 (en) Vehicular lamp system configured to change the extent of high-low ratio of the illumination distributions
US11110853B2 (en) Vehicle headlight system
CN117321335A (zh) 照明装置、车辆用灯具系统
JP7219085B2 (ja) ランプユニット、車両用灯具システム
JP2019140031A (ja) 車両用灯具システム
JP2019102380A (ja) 車両用灯具システム
JP2014035370A (ja) レンズヒータ
JP2020029166A5 (ja)
WO2023120128A1 (ja) 照明装置、車両用灯具システム
JP7001370B2 (ja) 車両用前照灯システム及びその制御方法
WO2023195288A1 (ja) 車両用表示装置
JP2019169340A (ja) 照明装置、光投影システム
JP2020017368A (ja) 車両用灯具
JP2023177001A (ja) 照明装置、車両用灯具システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7234020

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150