JP7233317B2 - スイング分析方法、スイング分析装置、及び、スイング分析プログラム - Google Patents

スイング分析方法、スイング分析装置、及び、スイング分析プログラム Download PDF

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Description

本発明は、スイング分析方法、スイング分析装置、及び、スイング分析プログラムに関する。
従来、スイング中のゴルフクラブの角度を検出する技術がある(例えば、特許文献1)。
特開2015-84955号公報
しかしながら、従来の技術では、スイング中のゴルフクラブの姿勢を把握できるにすぎず、より詳細なスイング分析への余地があった。
本発明は、より詳細なスイング分析が可能な、スイング分析方法、スイング分析装置、及び、スイング分析プログラム、提供することを目的とする。
本発明のスイング分析方法は、
スイング分析装置が、ゴルフクラブに固定された慣性センサーの出力から、前記ゴルフクラブを用いたスイング中における3軸周りの回転運動データと姿勢データとを取得する、取得ステップと、
前記スイング分析装置が、前記姿勢データに基づいて、前記ゴルフクラブのオイラー角を算出する、オイラー角算出ステップと、
前記スイング分析装置が、前記回転運動データと前記オイラー角とを用いて、前記オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部のトルク項を用いた計算を行うことにより、前記スイングの分析をする、分析ステップと、
を含む。
本発明のスイング分析方法によれば、より詳細なスイング分析が可能になる。
本発明のスイング分析方法においては、
前記分析ステップは、前記スイング分析装置が、前記回転運動データと前記オイラー角とを用いて、前記オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部のトルク項を、前記スイングの少なくとも一部における所定サンプリング間隔毎の各時刻について、算出する、微分式算出ステップを、含むと、好適である。
これにより、より有意義なスイング分析が可能になる。
本発明のスイング分析方法においては、
前記回転運動データは、前記ゴルフクラブに固定されたローカルXYZ座標系におけるX軸、Y軸、及びZ軸の各々の周りの回転運動データであり、
前記Z軸は、前記ゴルフクラブのシャフトの延在方向に対し平行であり、
前記微分式算出ステップにおいて、前記スイング分析装置は、前記オイラー角の前記少なくとも1つの角度成分の2回微分の式におけるトルク項を、前記X軸及び前記Y軸の各々の周りのトルクに関わる第1トルク項と、前記Z軸周りのトルクに関わる第2トルク項と、に分けたときにおける、前記第1トルク項及び前記第2トルク項のうち少なくともいずれか一方を、算出すると、好適である。
これにより、さらに詳細なスイング分析が可能になる。
本発明のスイング分析方法においては、
前記スイング分析方法は、前記スイング分析装置が、前記分析ステップで分析した結果を表示する、表示ステップを、さらに含み、
前記表示ステップにおいて、前記スイング分析装置は、前記スイング中の時刻と前記微分式算出ステップで算出した前記一部又は全部のトルク項との関係を示す波形を示すと、好適である。
これにより、スイングの分析結果をユーザに視覚的に示すことができる。
本発明のスイング分析方法においては、
前記微分式算出ステップにおいて、前記スイング分析装置は、前記回転運動データと前記オイラー角とを用いて、前記オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における慣性力項を、前記スイングの少なくとも一部における前記所定サンプリング間隔毎の各時刻について、算出すると、好適である。
これにより、さらに詳細なスイング分析が可能になる。
本発明のスイング分析方法においては、
前記微分式算出ステップにおいて、前記スイング分析装置は、前記一部又は全部のトルク項を、前記スイングの少なくともダウンスイング開始からインパクトまでの間における前記所定サンプリング間隔毎の各時刻について、算出すると、好適である。
これにより、さらに有意義なスイング分析が可能になる。
本発明のスイング分析方法においては、
前記オイラー角は、所定のグローバルx座標系と、前記ゴルフクラブに固定されたローカルXYZ座標系との間の、Z-X-Zオイラー角であり、
前記ローカルXYZ座標系のZ軸は、前記ゴルフクラブのシャフトの延在方向に対し平行であると、好適である。
これにより、より精度の良いスイング分析が可能になる。
本発明のスイング分析装置は、
処理部を備えた、スイング分析装置であって、
前記処理部は、ゴルフクラブに固定された慣性センサーの出力から、前記ゴルフクラブを用いたスイング中における3軸周りの回転運動データと姿勢データとを取得する、取得処理を行うように構成され、
前記処理部は、前記姿勢データに基づいて、前記ゴルフクラブのオイラー角を算出する、オイラー角算出処理を行うように構成され、
前記処理部は、前記回転運動データと前記オイラー角とを用いて、前記オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部のトルク項を用いた計算を行うことにより、前記スイングの分析をする、分析処理を行うように構成されている。
本発明のスイング分析装置によれば、より詳細なスイング分析が可能になる。
本発明のスイング分析プログラムは、
処理部を備えた、スイング分析装置における、前記処理部に実行させる、スイング分析プログラムであって、
前記処理部が、ゴルフクラブに固定された慣性センサーの出力から、前記ゴルフクラブを用いたスイング中における3軸周りの回転運動データと姿勢データとを取得する、取得ステップと、
前記処理部が、前記姿勢データに基づいて、前記ゴルフクラブのオイラー角を算出する、オイラー角算出ステップと、
前記処理部が、前記回転運動データと前記オイラー角とを用いて、前記オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部のトルク項を用いた計算を行うことにより、前記スイングの分析をする、分析ステップと、
を前記処理部に実行させる。
本発明のスイング分析プログラムによれば、より詳細なスイング分析が可能になる。
本発明によれば、より詳細なスイング分析が可能な、スイング分析方法、スイング分析装置、及び、スイング分析プログラム、提供することができる。
本発明の一実施形態に係るスイング分析装置を備えた、スイング分析システムの一例を示す概要図である。 図1のスイング分析システムに用いられるゴルフクラブのローカル座標系の一例について説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係るスイング分析方法及びスイング分析プログラムを示すフローチャートである。 図3のスイング分析方法及びスイング分析プログラムにおけるオイラー角算出ステップで算出されるオイラー角について説明するための説明図である。 図3のスイング分析方法及びスイング分析プログラムにおける表示ステップでの表示例について説明するための説明図である。 図3のスイング分析方法及びスイング分析プログラムにおける表示ステップでの表示例について説明するための説明図である。 図3のスイング分析方法及びスイング分析プログラムにおける表示ステップでの表示例について説明するための説明図である。 図3のスイング分析方法及びスイング分析プログラムにおける表示ステップでの表示例について説明するための説明図である。 図3のスイング分析方法及びスイング分析プログラムにおける表示ステップでの表示例について説明するための説明図である。
以下、本発明に係るスイング分析方法、スイング分析装置、及び、スイング分析プログラムの実施形態について、図面を参照しながら例示説明する。
各図において共通する構成要素には同一の符号を付している。
〔スイング分析システム1〕
まず、図1を参照して、本発明のスイング分析方法及び本発明のスイング分析プログラムを使用し得る、本発明の一実施形態に係るスイング分析装置を備えた、スイング分析システムの一例を説明する。図1の例において、スイング分析システム1は、ゴルフクラブ50と、慣性センサー20と、本発明の一実施形態に係るスイング分析装置30とを、備えている。
(ゴルフクラブ50)
ゴルフクラブ50は、グリップ51と、ヘッド53と、グリップ51及びヘッド53どうしを連結するシャフト52と、を有する。
ゴルフクラブ50は、図1の例のように、通常の構成を有する、市販のゴルフクラブであると、スイング分析システム1の構成を簡単化できるので好適である。ただし、ゴルフクラブ50は、例えば慣性センサー20を内蔵できるような、特殊な構成を有する、スイング分析システム1に専用のゴルフクラブであってもよい。
(慣性センサー20)
慣性センサー20は、ゴルファーPがゴルフクラブ50を用いてスイングする間、スイングを測定し、その測定により得られた測定データを出力できるように構成されている。慣性センサー20は、本例において、3軸の各軸周りに生じる角速度と、3軸の各軸方向に生じる加速度と、を測定できるように構成されている。これらの測定データは、所定サンプリング間隔(例えば0.001秒)毎の時系列データとして取得される。
慣性センサー20は、ゴルフクラブ50に取り付けられる。慣性センサー20は、図1の例のように、通常の構成を有する、市販のゴルフクラブ50に外付けされると、スイング分析システム1の構成を簡単化できるので好適である。ただし、慣性センサー20は、ゴルフクラブ50に内蔵されてもよい。慣性センサー20は、例えば、ゴルフクラブ50のグリップ51における任意の位置、あるいは、ゴルフクラブ50のシャフト52のうち、グリップ51側(上側)の端部に、取り付けられると、シャフト52のしなりの影響を受けにくいので、好適である。慣性センサー20がゴルフクラブ50のグリップ51に外付けされる場合、慣性センサー20は、図1の例のようにグリップ51のうちシャフト52側(下側)の端部、又は、グリップ51のうちシャフト52側とは反対側(上側)の端部に取り付けられると、ゴルファーPのスイング動作を邪魔しないので、好適である。
図2に示すように、慣性センサー20は、慣性センサー20の3つの検出軸(X軸、Y軸、Z軸)のうち1軸が、ゴルフクラブ50のシャフト52の延在方向に対し平行となるように、ゴルフクラブ50に取り付けられる。本明細書では、慣性センサー20の3つの検出軸(X軸、Y軸、Z軸)のうち、ゴルフクラブ50のシャフト52の延在方向に対し平行な軸を、Z軸と定義する。本明細書では、慣性センサー20の3つの検出軸からなる座標系を、「ローカルXYZ座標系」と呼ぶ。ローカルXYZ座標系は、ゴルフクラブ50に固定された3軸直交座標系である。慣性センサー20は、本例において、X軸、Y軸、及びZ軸の各軸周りに生じる角速度ω、ω、ωと、X軸、Y軸、及びZ軸の各軸方向に生じる加速度a、a、aと、を測定できるように構成されている。図2には、ローカルXYZ座標系に加えて、dω/dtベクトル、dω/dtベクトル、dω/dtベクトルも示している。
Z軸は、上述のとおり、ゴルフクラブ50のシャフト52の延在方向に対し平行である。本例において、Z軸は、ヘッド53側を正(+)としている。X軸とY軸は、それぞれZ軸に対し垂直であり、かつ、互いに対して垂直である限り、それぞれ任意の方向に延在してよい。
本例において、X軸は、ヒール方向に延在し、Y軸はフェース方向に延在している。ここで、「ヒール方向」とは、ゴルフクラブ50のシャフト52の中心軸線とヘッド53のヒール及びトウどうしを結ぶ直線とを含む平面に対し平行であるとともに、シャフト52の中心軸線に対して垂直な、方向である。本例において、X軸は、ヘッド53のヒールのある側を正(+)としている。また、「フェース方向」とは、ゴルフクラブ50のシャフト52の中心軸線に対して垂直であり、かつ、ヒール方向に対して垂直な、方向である。本例において、Y軸は、所定のライ角となるようにアドレスしたときに、ゴルフボールを打ち出す側を、正(+)としている。
慣性センサー20は、本例において、ゴルファーPがゴルフクラブ50を用いてスイングする間、上記所定サンプリング間隔(例えば0.001秒)毎の時系列の測定データ(本例では、角速度及び加速度の測定データ)を、測定中又は測定後に、スイング分析装置30へ無線通信により送信する。
ただし、無線通信に代えて、測定中、慣性センサー20内の記憶部(図示せず)に測定データを格納しておき、測定後に、慣性センサー20内の記憶部から測定データを外部記憶装置(USB等)に取り出して、当該外部記憶装置をスイング分析装置30に接続することにより、測定データを、スイング分析装置30に入力するようにしてもよい。
なお、慣性センサー20は、3軸の各軸方向に生じる加速度a、a、aを測定しなくてもよい。すなわち、慣性センサー20から出力される測定データには、加速度の測定データが含まれていなくてもよい。
また、慣性センサー20は、3軸の各軸周りに生じる角速度ω、ω、ωの代わりに、3軸の各軸周りに生じる角加速度dω/dt、dω/dt、dω/dtを測定してもよい。すなわち、慣性センサー20から出力される測定データには、角速度の測定データの代わりに、角加速度の測定データが含まれていてもよい。
さらに、慣性センサー20の3軸の各軸周りに生じる角速度および角加速度は、原点を慣性センサー20の外の所定の一点に設定する形で数値換算されていてもよい。
(スイング分析装置30)
スイング分析装置30は、ゴルファーPがゴルフクラブ50を用いて行うスイングを分析するように構成されている。図1の例において、スイング分析装置30は、処理部31と、通信部32と、記憶部33と、入力部34と、表示部35と、を有する。スイング分析装置30は、例えば、タブレット端末、携帯端末、パーソナルコンピュータ、又は、専用装置等から構成される。スイング分析装置30は、1つの端末(装置)で構成されてもよいし、複数の端末(装置)で構成されてもよい。スイング分析装置30のユーザは、例えば、ゴルファーPに対しスイングのアドバイスをするアドバイザー、又は、ゴルファーP自身等である。
処理部31は、例えばCPUから構成され、記憶部33に記憶されたスイング分析プログラム等のプログラムを実行することにより、通信部32、記憶部33、入力部34、及び表示部35を含む、スイング分析装置30の全体を制御しながら、後述する取得処理、オイラー角算出処理、分析処理(トルク項算出処理、積分処理等)、表示処理等の処理を実行する。処理部31による処理の詳細については、後に図3等を参照しながら説明する。
通信部32は、慣性センサー20との間で通信を行うように構成されている。通信部32が、慣性センサー20から測定データを受信すると、処理部31は、その測定データを記憶部33に格納する。
記憶部33は、例えばROM及び/又はRAMから構成され、処理部31が実行するためのスイング分析プログラム等のプログラム、通信部32が慣性センサー20から受信する測定データ、処理部31の算出結果等、様々な情報を記憶する。
入力部34は、例えばキーボード、マウス、及び/又は押しボタン等から構成され、ユーザからの入力を受け付ける。
表示部35は、例えば液晶パネル等から構成され、後述するステップで得られる結果等、様々な情報を表示する。
なお、入力部34及び表示部35は、タッチパネルを構成してもよい。
なお、スイング分析システム1は、市販のゴルフクラブ及び市販の端末を準備し、慣性センサー20を当該市販のゴルフクラブに取り付け、スイング分析プログラムを当該市販の端末にインストールするだけで、簡単に導入することが可能である。よって、スイング分析システム1は、低コストで導入可能であり、使用する場所を選ばない、等といったメリットがある。
〔スイング分析方法、スイング分析プログラム〕
つぎに、図3~図8を参照して、本発明の一実施形態に係るスイング分析方法、及び、本発明の一実施形態に係るスイング分析プログラムを説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るスイング分析方法、及び、本発明の一実施形態に係るスイング分析プログラムを示すフローチャートである。以下では、上述した図1~図2の例のスイング分析システム1(ひいてはスイング分析装置30)を用いる場合について説明するが、図1~図2の例とは異なるスイング分析システム1(ひいてはスイング分析装置30)を用いて、本発明のスイング分析方法、及び、本発明のスイング分析プログラムを実施することもできる。
本発明の一実施形態に係るスイング分析方法、及び、本発明の一実施形態に係るスイング分析プログラムは、取得ステップ(S1)、オイラー角算出ステップ(S2)、分析ステップ(S3)、及び、表示ステップ(S4)を含む。これらのステップは、スイング分析装置30の処理部31が行う。以下、これらについて説明する。
-取得ステップ(S1)-
取得ステップS1において、処理部31は、ゴルフクラブ50に固定された慣性センサー20の出力から、ゴルフクラブ50を用いたスイング中における3軸周りの回転運動データと姿勢データとを取得する、取得処理を行う。
(3軸周りの回転運動データの取得)
まず、取得ステップS1において、処理部31が3軸周りの回転運動データを取得する過程について説明する。
本例においては、事前に、ゴルファーPがゴルフクラブ50を用いてスイングする間、慣性センサー20が、3軸の各軸周りに生じる角速度ω、ω、ωのと、3軸の各軸方向に生じる加速度a、a、aとを、測定する。そして、慣性センサー20の測定により得られた上記所定サンプリング間隔(例えば0.001秒)毎の時系列の測定データ(本例では、角速度及び加速度の測定データ)は、測定中又は測定後に、無線通信により、又は、外部記憶装置を介して、スイング分析装置30へ出力される。
一方、スイング分析装置30側では、通信部32が無線通信により測定データを慣性センサー20から受信すると、又は、測定データが格納された外部記憶装置がスイング分析装置30に接続されると、処理部31が、その測定データを取得する。ここで、処理部31は、測定データのうち、3軸の各軸周りに生じる角速度ω、ω、ωの測定データを、3軸周りの回転運動データとして取得する。処理部31は、取得した測定データを、記憶部33に格納する。
なお、上述のように、慣性センサー20は、3軸の各軸方向に生じる加速度a、a、aを測定しなくてもよい。すなわち、慣性センサー20から出力される測定データには、加速度の測定データが含まれていなくてもよい。
また、慣性センサー20は、3軸の各軸周りに生じる角速度ω、ω、ωの代わりに、3軸の各軸周りに生じる角加速度dω/dt、dω/dt、dω/dtを測定してもよい。すなわち、慣性センサー20から出力される測定データには、角速度の測定データの代わりに、角加速度の測定データが含まれていてもよい。この場合、処理部31は、測定データのうち、3軸の各軸周りに生じる角加速度dω/dt、dω/dt、dω/dtの測定データを、3軸周りの回転運動データとして取得する。
(姿勢データの取得)
つぎに、取得ステップS1において、処理部31が姿勢データを取得する過程について説明する。
姿勢データは、スイング中のゴルフクラブの姿勢を表すデータである。本例において、姿勢データは、クォータニオンqである。処理部31は、クォータニオンqを、慣性センサー20から出力される測定データから、取得する。より具体的に、処理部31は、クォータニオンqを、少なくとも、慣性センサー20から出力される3軸周りの回転運動データ(本例では、角速度の測定データ)から、取得する。処理部31は、クォータニオンqを、慣性センサー20から出力される3軸周りの回転運動データ(本例では、角速度の測定データ)と、慣性センサー20の出力から取得される加速度の測定データとから、取得してもよい。
クォータニオンqは、q=(w,x,y,z)の4次元ベクトルであり、1つの実数(w)と3つの虚数(x,y,z)とで表される。クォータニオンqは、例えば、つぎの(1)のように、回転軸の向きaxisと回転角radianとによって定義される。
Figure 0007233317000001
処理部31は、上述のように取得した姿勢データ(本例では、クォータニオンq)を、記憶部33に格納する。
-オイラー角算出ステップ(S2)-
オイラー角算出ステップS2において、処理部31は、取得ステップS1で取得した姿勢データ(本例では、クォータニオンq)に基づいて、ゴルフクラブ50のオイラー角を算出する、オイラー角算出処理を行う。
(オイラー角)
まず、オイラー角算出ステップS2で算出されるゴルフクラブ50のオイラー角について説明する。
オイラー角は、空間に固定された3軸直交座標系である所定のグローバルx座標系と、ゴルフクラブ50に固定されたローカルXYZ座標系との間の、オイラー角である。本例において、オイラー角は、Z-X-Zオイラー角(θ,θ,θ’)である。ただし、オイラー角算出ステップS2で算出されるオイラー角は、他の表現法のオイラー角(例えば、X-Y-Zオイラー角)であってもよい。
図4は、本例のZ-X-Zオイラー角(θ,θ,θ’)について説明するための図面である。上述のとおり、ローカルXYZ座標系のZ軸は、ゴルフクラブ50のシャフト52の延在方向に対し平行である。グローバルx座標系は、任意に設定されてよい。本例において、グローバルx座標系は、図4に示すように、z軸が鉛直方向に延在しており、上側が正(+)とされている。グローバルx座標系のx軸とy軸とは、それぞれ水平方向に延在しており、互いに垂直である。このZ-X-Zオイラー角(θ,θ,θ’)は、スイング中の各時刻のゴルフクラブ50の姿勢を、初期姿勢から、ローカルXYZ座標系のZ軸周り、X軸周り、Z’軸(Z軸)周りの順の回転で、表現するものである。初期姿勢では、ローカルXYZ座標系のX軸、Y軸、及びZ軸が、それぞれグローバルx座標系のx軸、y軸、z軸と一致する。
図4(a)に示すように、θは、初期姿勢から、ゴルフクラブ50が、ローカルXYZ座標系のZ軸の周りで回転する角度である。このZ軸周りの回転は、ゴルファーPの体が鉛直軸周りに回転(自転)する動作とみなすことができる。
図4(b)に示すように、θは、上記Z軸周りの回転をした後の姿勢から、ゴルフクラブ50が、ローカルXYZ座標系のX軸の周りで回転する角度である。このX軸周りの回転は、ゴルファーPがゴルフクラブ50を水平軸周りに縦回転する(ヘッド53を上下に振る)動作とみなすことができる。
図4(c)に示すように、θ’は、上記X軸周りの回転をした後の姿勢から、ゴルフクラブ50が、ローカルXYZ座標系のZ軸(初期姿勢でのZ軸と区別するため、便宜上、「Z’軸」ともいう。)の周りで回転する角度である。このZ’軸周りの回転は、ゴルファーPがゴルフクラブ50をシャフト52の中心軸線周りに回転する(ヘッド53のフェースFを回転する)動作とみなすことができる。
一般的に、ゴルフスイングは、ゴルファーの体の回転(自転)と、ゴルフクラブの水平軸周りの縦回転と、ゴルフクラブのシャフトの中心軸線周りの回転とが、同時に生じてなるものである。よって、本例のように、オイラー角算出ステップS2で算出するオイラー角を、Z-X-Zオイラー角(θ,θ,θ’)とすることにより、スイング中に生じる、ゴルファーの体の鉛直軸周りの回転(自転)量と、ゴルフクラブの水平軸周りの縦回転量と、ゴルフクラブのシャフトの中心軸線周りの回転量とを、算出できるので、スイング中でのゴルフクラブ50の姿勢を精度良く求めることができる。
(オイラー角の算出)
以下、取得ステップS1で取得した姿勢データ(本例では、式(1)で定義されるクォータニオンq)に基づいて、ゴルフクラブ50のZ-X-Zオイラー角(θ,θ,θ’)を算出する過程について、説明する。
まず、クォータニオンqの式(1)から、回転行列Rを、つぎのように変換することができる。
Figure 0007233317000002
また、回転行列Rは、つぎの式で表すことができる。
Figure 0007233317000003
式(3)において、行列C、C、Cは、つぎのように表される。
Figure 0007233317000004
式(4)において、s、s、s、c、c、cは、つぎのように表される。
Figure 0007233317000005
式(3)~(5)から、つぎのようになる。
Figure 0007233317000006
式(2)と式(6)とから、つぎが得られる。
Figure 0007233317000007
0≦θ≦πであることに注意すれば、つぎの式(8)~(10)から、オイラー角(θ,θ,θ’)が求まる。
Figure 0007233317000008
Figure 0007233317000009
Figure 0007233317000010
なお、c=1のときは、式(7)及び式(5)から、
Figure 0007233317000011
となる。また、c=-1のときは、式(7)及び式(5)から、
Figure 0007233317000012
となる。
このように、c=1のとき及びc=-1のときは、R13、R23、R31、R32(式(7))がそれぞれ0となり、一意には決まらないため、本例ではつぎの式(13)のように概算する。ただし、つぎの式(13)の手法以外の手法で概算することもできる。
Figure 0007233317000013
なお、オイラー角算出ステップS2で算出されるオイラー角が、Z-X-Zオイラー角以外の表現法のオイラー角(例えば、X-Y-Zオイラー角)である場合、取得ステップS1で取得した姿勢データ(本例では、式(1)で定義されるクォータニオンq)に基づいて、オイラー角を算出するための式は、上記(4)~(13)とは異なることとなる。
-分析ステップ(S3)、表示ステップ(S4)-
分析ステップS3において、処理部31は、取得ステップS1で取得した回転運動データ(本例では、角速度ω=(ω、ω、ω))と、オイラー角算出ステップS2で取得したオイラー角(本例では、Z-X-Zオイラー角(θ,θ,θ’))とを用いて、スイングの分析をする、分析処理を行う。分析ステップS3において、処理部31は、オイラー角算出ステップS2で算出したオイラー角(本例では、Z-X-Zオイラー角(θ,θ,θ’))を時間tで2回微分した式の一部又は全部の項(好適には、少なくとも、一部又は全部のトルク項)を用いた計算を行うことにより、スイングの分析をする。分析ステップS3において、処理部31は、例えば、後述の微分式算出ステップ、瞬間貢献量算出ステップ、積分ステップ、及び/又は、関連付けステップ等を行う。
表示ステップ(S4)において、処理部31は、分析ステップS3で分析した結果を、表示部35に表示させる。表示ステップS4により、スイングの分析結果をユーザ(ゴルファーPのアドバイザー、ゴルファーP自身等)に視覚的に示すことができる。よって、例えば、ユーザは、表示部35に表示される分析結果を、ゴルファーPのスイング向上に役立てることができる。
以下では、説明の便宜のため、分析ステップ(S3)と表示ステップ(S4)とを併せて説明する。
(オイラー角の2回微分の式の導出)
ここで、分析ステップS3や表示ステップS4で処理部31が行う処理について説明する前に、分析ステップS3で処理部31が用いるオイラー角の2回微分の式を導出する過程について、説明する。
取得ステップS1で取得した運動データとしての角速度ω=(ω、ω、ω)と、オイラー角算出ステップS2で取得したオイラー角(θ,θ,θ’)とは、つぎの関係を満たす。
Figure 0007233317000014
式(14)において、行列Sは、つぎのとおりである。
Figure 0007233317000015
式(15)において、c、c、s、sは、式(5)のとおりである。
式(14)を時間で1回微分すると、次のようになる。
Figure 0007233317000016
式(16)において、dS/dtは、つぎのとおりである。
Figure 0007233317000017
式(17)から、オイラー角の2回微分の式は、次のように書くことができる。
Figure 0007233317000018
式(18)において、S-1は、つぎのとおりである。
Figure 0007233317000019
(オイラー角の2回微分の式)
ここで、式(18)で表わされるオイラー角の2回微分の式について、詳しく説明する。式(18)は、つぎのように、トルク項Tと慣性力項Qとの和として書くことができる。
Figure 0007233317000020
式(20)において、トルク項Tは、ゴルフクラブ50のローカルXYZ座標系におけるX軸、Y軸、Z軸の3軸周りに生じるトルクに関わる成分である。慣性力項Qは、慣性力や遠心力等、トルク以外の力に関わる成分である。トルク項Tと慣性力項Qとは、つぎのとおりである。
Figure 0007233317000021
トルク項Tは、つぎのように、ローカルXYZ座標系におけるX軸及びY軸の各々の周りのトルクに関わる第1トルク項TОと、ローカルXYZ座標系におけるZ軸の周りのトルクに関わる第2トルク項Tと、に分けることができる。
Figure 0007233317000022
第1トルク項TОと第2トルク項Tとは、つぎのとおりである。
Figure 0007233317000023
第1トルク項TОは、ゴルフクラブ50のシャフト52の延在方向に平行なZ軸以外の各軸(X軸及びY軸)の周りに生じるトルクによって生じる成分であり、スイング中のゴルフクラブ50のフェースFを開く方向に作用しやすいトルクによって生じる成分といえる。第2トルク項Tは、ゴルフクラブ50のシャフト52の延在方向に平行なZ軸の周りに生じるトルクによって生じる成分であり、スイング中のゴルフクラブ50のフェースFを閉じる方向に作用しやすいトルクによって生じる成分といえる。
式(22)~(23)と同様に、オイラー角の各角度成分の2回微分の式は、それぞれ以下のように書くことができる。
まず、オイラー角のθ成分の2回微分dθ/dtの式は、つぎのように書くことができる。
Figure 0007233317000024
式(24)において、H、I、J、Qは、それぞれ、dω/dt、dω/dt、dω/dtを含まないものである。式(24)において、Tは、dθ/dtの式におけるトルク項(以下、「Zトルク項」という。)であり、Qは、dθ/dtの式における慣性力項(以下、「Z慣性力項」という。)である。Zトルク項Tは、ローカルXYZ座標系におけるX軸及びY軸の各々の周りのトルクに関わる第1トルク項(以下、「Z第1トルク項」という。)TОZと、ローカルXYZ座標系におけるZ軸の周りのトルクに関わる第2トルク項(以下、「Z第2トルク項」という。)TCZと、に分けることができる。Zトルク項Tと、Z第1トルク項TОZと、Z第2トルク項TCZとは、それぞれつぎのとおりである。
Figure 0007233317000025
つぎに、オイラー角のθ成分の2回微分dθ/dtの式は、つぎのように書くことができる。
Figure 0007233317000026
式(26)において、H、I、J、Qは、それぞれ、dω/dt、dω/dt、dω/dtを含まないものである。式(26)において、Tは、dθ/dtの式におけるトルク項(以下、「Xトルク項」という。)であり、Qは、dθ/dtの式における慣性力項(以下、「X慣性力項」という。)である。Xトルク項Tは、ローカルXYZ座標系におけるX軸及びY軸の各々の周りのトルクに関わる第1トルク項(以下、「X第1トルク項」という。)TОXと、ローカルXYZ座標系におけるZ軸の周りのトルクに関わる第2トルク項(以下、「X第2トルク項」という。)TCXと、に分けることができる。Xトルク項Tと、X第1トルク項TОXと、X第2トルク項TCXとは、それぞれつぎのとおりである。
Figure 0007233317000027
つぎに、オイラー角のθ’成分の2回微分dθ’/dtの式は、つぎのように書くことができる。
Figure 0007233317000028
式(28)において、H’、I’、J’、Q’は、それぞれ、dω/dt、dω/dt、dω/dtを含まないものである。式(28)において、T’は、dθ’/dtの式におけるトルク項(以下、「Z’トルク項」という。)であり、Q’は、dθ’/dtの式における慣性力項(以下、「Z’慣性力項」という。)である。Z’トルク項T’は、ローカルXYZ座標系におけるX軸及びY軸の各々の周りのトルクに関わる第1トルク項(以下、「Z’第1トルク項」という。)TОZ’と、ローカルXYZ座標系におけるZ軸の周りのトルクに関わる第2トルク項(以下、「Z’第2トルク項」という。)TCZ’と、に分けることができる。Z’トルク項T’と、Z’第1トルク項TОZ’と、Z’第2トルク項TCZ’とは、それぞれつぎのとおりである。
Figure 0007233317000029
Z第1トルク項TОZ、X第1トルク項TОX、Z’第1トルク項TОZ’は、それぞれ、ゴルフクラブ50のシャフト52の延在方向に平行なZ軸以外の各軸(X軸及びY軸)の周りに生じるトルクによって生じる成分である。Z’第1トルク項TОZ’は、スイング中のゴルフクラブ50のフェースを開く方向に作用するトルクによって生じる成分といえる。Z第2トルク項TCZ、X第2トルク項TCX、Z’第2トルク項TCZ’は、それぞれ、ゴルフクラブ50のシャフト52の延在方向に平行なZ軸の周りに生じるトルクによって生じる成分である。Z’第2トルク項TCZ’は、スイング中のゴルフクラブ50のフェースを閉じる方向に作用するトルクによって生じる成分といえる。
以下、分析ステップS3において処理部31が行うステップ(処理)の例として、微分式算出ステップ(微分式算出処理)、瞬間貢献量算出ステップ(瞬間貢献量算出処理)、積分ステップ(積分処理)、関連付けステップ(関連付け処理)について、1つずつ説明する。処理部31は、微分式算出ステップ、瞬間貢献量算出ステップ、積分ステップのうち、少なくともいずれか1つを行うように構成されていると、好適である。関連付けステップは、積分ステップを行う場合に、積分ステップの後に行うと好適なものである。
(微分式算出ステップ)
分析ステップS3において、処理部31は、オイラー角算出ステップS2の後に自動的に、あるいは、ユーザから入力部34を介して入力される所定の指示に応じて、微分式算出ステップを行うようにされていると、好適である。微分式算出ステップにおいて、処理部31は、取得ステップS1で取得した回転運動データ(本例では、角速度(ω、ω、ω))と、オイラー角算出ステップS2で取得したオイラー角(本例では、Z-X-Zオイラー角(θ,θ,θ’))とを用いて、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部の項(好適には、少なくとも、一部又は全部のトルク項)を、スイングの少なくとも一部における上記所定サンプリング間隔毎の各時刻について、算出する、微分式算出処理を行う。
ここで、「オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式」とは、本例においては、式(24)、(26)、(28)のうち少なくとも1つを意味している。処理部31は、オイラー角の複数の角度成分の2回微分の式について算出する場合、角度成分毎に算出するものとする。また、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における「一部又は全部の項」とは、例えば、オイラー角のθ成分の2回微分dθ/dtの式(24)の場合、4つの項Hdω/dt、Idω/dt、Jdω/dt、Qのうちの一部又は全部の項を意味する。処理部31は、複数の項を算出する場合、項毎に個別に算出してもよいし、あるいは、任意の複数の項を合算した値を算出してもよい。オイラー角のある角度成分の2回微分の式における全部の項を合算した値は、オイラー角の当該角度成分の2回微分の値に相当する(式(24)、(26)、(28))。
微分式算出ステップの後、処理部31は、自動的に、あるいは、ユーザから入力部34を介して入力される所定の指示に応じて、微分式算出ステップで算出した結果を、表示部35に表示させる、表示ステップS4を行うようにされていると、好適である。例えば、表示ステップS4において、処理部31は、スイング中の時刻と、微分式算出ステップで算出した、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部の項と、の関係を示す波形を、表示部35に表示させると、好適である。
図5は、表示ステップS4において、微分式算出ステップで算出した結果を表示部35に表示させる場合の、表示部35での表示例を示している。図5(a)及び図5(b)は、それぞれ、被験者A及び被験者Bのスイングの分析結果を示している。被験者Aは、被験者Bに比べ、閉じ易いスイングを行う者である。具体的に、図5(a)及び図5(b)は、それぞれ、スイング中の時刻(横軸[s])と、微分式算出ステップで算出した、オイラー角のθ’成分の2回微分dθ’/dtの式(28)における、dθ’/dt、Z’第1トルク項TОZ’、Z’第2トルク項TCZ’、及び、Z’慣性力項Q’のそれぞれ(縦軸[deg/s2])と、の関係を示す波形を、示している。縦軸は、値が小さくなるほど(負の値の絶対値が大きくなるほど)、フェースが閉じる方向に向かい、値が大きくなるほど(正の値の絶対値が大きくなるほど)、フェースが開く方向に向かうことを、意味する。横軸において、時刻=0sは、インパクト時である。図5(a)及び図5(b)は、スイングのインパクトの0.30s前からインパクトまでの間の期間についての分析結果を示している。
微分式算出ステップによれば、ゴルフクラブ50の姿勢を表わすオイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部の項を、スイングの少なくとも一部における上記所定サンプリング間隔毎の各時刻について、算出するので、ユーザは、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部の項の値がスイング中の各時刻でどのように変動するかを把握することが可能になる。これにより、例えば特許文献1のように単にゴルフクラブの角度の時々刻々の値を算出する場合とは異なり、ユーザは、オイラー角の少なくとも1つの角度成分について、スイング中の任意の時刻での当該角度成分が、その時刻に至るまでにどのような傾きの変動を経たのか等、詳細な経過を辿ることができる。これにより、ユーザは、オイラー角の少なくとも1つの角度成分について、当該角度成分の2回微分の式における一部又は全部の項が、当該角度成分に与える影響の時間変化を、把握することができる。例えば、別途、インパクト時のθ’成分の値を取得したときに、その値が大きい場合、ユーザは、その原因を、dθ’/dtの式における一部又は全部の項の波形を辿って見ることにより、詳細に分析することが可能になる。また、微分式算出ステップによれば、例えば特許文献1のように単にゴルフクラブの角度の時々刻々の値を算出する場合には見つけることのできないような、ゴルファーPのスイングの特徴を、見つけることも可能となる。また、微分式算出ステップによれば、ユーザは、図5の例のように、互いに異なるスイングの特徴を有する複数の被験者A、Bの波形どうしを比較して、例えば一方の被験者Bが他方の被験者Aのスイングに近けるための対策を、簡単かつ詳細に見つけること等が可能になる。以上のように、微分式算出ステップによれば、従来よりも詳細なスイング分析が可能になる。
なお、微分式算出ステップにおいて、処理部31は、図5の例のように、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における各項のうち、少なくとも、一部又は全部のトルク項T(具体的には、T、T、T’)を算出すると、好適である。例えば、オイラー角のθ成分の2回微分dθ/dtの式(24)の場合、少なくとも、トルク項Tを構成する3つのトルク項Hdω/dt、Idω/dt、Jdω/dtのうちの一部又は全部のトルク項を算出すると、好適である。これにより、仮に処理部31がオイラー角の任意の角度成分の2回微分の式における慣性力項Qのみを算出する場合に比べて、ゴルファーPのスイングの特徴が見つけやすくなる等、より有意義なスイング分析が可能になる。
この場合、処理部31は、1つのトルク項毎に個別に算出してもよいし、あるいは、任意の2つ又は3つのトルク項を合算した値を算出してもよい。
微分式算出ステップにおいて、処理部31は、図5の例のように、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式におけるトルク項T(具体的には、T、T、T’)を、X軸及びY軸の各々の周りのトルクに関わる第1トルク項TО(具体的には、TОZ、TОX、TОZ’)と、Z軸周りのトルクに関わる第2トルク項T(具体的には、TCZ、TCX、TCZ’)と、に分けたときにおける、第1トルク項TО及び第2トルク項Tのうち少なくともいずれか一方(図5の例では両方)を、算出すると、好適である。第1トルク項TОを算出する場合、図5の例のように、第1トルク項TОを構成する2つの項の合算値を算出すると、好適である。第1トルク項TОと第2トルク項Tとを区別して算出することにより、ユーザは、オイラー角の少なくとも1つの角度成分について、当該角度成分の2回微分の式のうち、第1トルク項TО、及び/又は、第2トルク項Tが、当該角度成分に与える影響の時間変化を、把握することができる。特に、オイラー角のθ’成分の2回微分の式に関しては、第1トルク項TО(Z’第1トルク項TОZ’)と第2トルク項T(Z’第2トルク項TCZ’)とを区別して算出することにより、ユーザは、開く方向に作用するトルクに関わる第1トルク項TО(Z’第1トルク項TОZ’)、及び/又は、閉じる方向に作用するトルクに関わる第2トルク項T(Z’第2トルク項TCZ’)が、θ’成分に与える影響の時間変化を、把握することができる。よって、さらに詳細なスイング分析が可能になる。
微分式算出ステップにおいて、スイングのうち、処理部31が、オイラー角の2回微分の式における一部又は全部の項を算出する対象の部分としては、任意の部分でよいが、少なくともインパクトを含む部分であると好適であり、少なくともダウンスイング開始からインパクトまでの間を含む部分であるとより好適である。これにより、より有意義なスイング分析が可能になる。
同様の観点から、微分式算出ステップにおいて、スイングのうち、処理部31が、オイラー角の2回微分の式における一部又は全部の項を算出する対象の部分としては、少なくともインパクトを含む部分であると好適であり、少なくともインパクトの0.30s(秒)前からインパクトまでの間を含む部分であるとより好適である。
(瞬間貢献量算出ステップ)
分析ステップS3において、処理部31は、オイラー角算出ステップS2の後に自動的に、あるいは、ユーザから入力部34を介して入力される所定の指示に応じて、瞬間貢献量算出ステップを行うようにされていると、好適である。瞬間貢献量算出ステップにおいて、処理部31は、取得ステップS1で取得した回転運動データ(本例では、角速度(ω、ω、ω))と、オイラー角算出ステップS2で取得したオイラー角(本例では、Z-X-Zオイラー角(θ,θ,θ’))とを用いて、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部の項の瞬間貢献量Aを、スイングの少なくとも一部における上記所定サンプリング間隔毎の各時刻について、算出する、瞬間貢献量算出処理を行う。スイング中のある時刻における、オイラー角のある角度成分の2回微分の式におけるある項の瞬間貢献量Aは、当該時刻における当該項が当該角度成分に与える貢献量(影響)を表すものである。
スイング中の任意の時刻tにおける、オイラー角の任意の角度成分の2回微分の式における任意の項B(deg/s2)の瞬間貢献量A(deg)は、例えば、上記所定サンプリング間隔をdt(s)とし、当該時刻tからインパクトまでの時間をτ(s)とすると、つぎのように求めることができる。
Figure 0007233317000030
式(30)において、項Bは当該時刻tでの角加速度であり、(B×dt)は、当該時刻tの角速度増加分に相当する。そして、瞬間貢献量Aは、当該時刻tの角速度増加分とインパクトまでの時間τとの積であるから、当該時刻tの角加速度による角度増加分に相当する。スイング中の角加速度は、当該角加速度が作用したタイミングが早いほど、インパクト時の角度に多く影響するため、式(30)では、インパクトまでの時間τの積算をしている。ただし、瞬間貢献量A(deg)は、式(30)とは異なる式により表されるものであってもよい。
上述のように、瞬間貢献量算出ステップにおいて、処理部31は、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部の項の瞬間貢献量Aを、スイングの少なくとも一部における上記所定サンプリング間隔毎の各時刻について、算出する。 ここで、「オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式」とは、本例においては、式(24)、(26)、(28)のうち少なくとも1つを意味している。処理部31は、オイラー角の複数の角度成分の2回微分の式について算出する場合、角度成分毎に算出するものとする。また、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における「一部又は全部の項」とは、例えば、オイラー角のθ成分の2回微分dθ/dtの式(24)の場合、4つの項Hdω/dt、Idω/dt、Jdω/dt、Qのうちの一部又は全部の項を意味する。処理部31は、複数の項の瞬間貢献量Aを算出する場合、項毎に瞬間貢献量Aを個別に算出してもよいし、あるいは、任意の複数の項を合算した値の瞬間貢献量Aを算出してもよい。オイラー角のある角度成分の2回微分の式における全部の項を合算した値の瞬間貢献量Aは、オイラー角の当該角度成分の2回微分の値の瞬間貢献量Aに相当する(式(24)、(26)、(28))。
式(30)に従って考えると、オイラー角のθ成分の2回微分dθ/dtの式(24)に関して、スイング中の任意の時刻tにおける、dθ/dt(deg/s2)の瞬間貢献量Adθ/dt(deg)、Zトルク項Tの瞬間貢献量AT(deg)、Z第1トルク項TОZの瞬間貢献量ATОZ(deg)、Z第2トルク項TCZの瞬間貢献量ATCZ(deg)、Z慣性力項Qの瞬間貢献量AQ(deg)は、それぞれ、つぎのように求めることができる。
Figure 0007233317000031
また、オイラー角のθ成分の2回微分dθ/dtの式(26)に関して、スイング中の任意の時刻tにおける、dθ/dt(deg/s2)の瞬間貢献量Adθ/dt(deg)、Xトルク項Tの瞬間貢献量AT(deg)、X第1トルク項TОXの瞬間貢献量ATОX(deg)、X第2トルク項TCXの瞬間貢献量ATCX(deg)、X慣性力項Qの瞬間貢献量AQ(deg)は、それぞれ、つぎのように求めることができる。
Figure 0007233317000032
また、オイラー角のθ’成分の2回微分dθ’/dtの式(28)に関して、スイング中の任意の時刻tにおける、dθ’/dt(deg/s2)の瞬間貢献量Adθ’/dt(deg)、Z’トルク項T’の瞬間貢献量AT’(deg)、Z’第1トルク項TОZ’の瞬間貢献量ATОZ’(deg)、Z’第2トルク項TCZ’の瞬間貢献量ATCZ’(deg)、Z’慣性力項Q’の瞬間貢献量AQ’(deg)は、それぞれ、つぎのように求めることができる。
Figure 0007233317000033
瞬間貢献量算出ステップの後、処理部31は、自動的に、あるいは、ユーザから入力部34を介して入力される所定の指示に応じて、瞬間貢献量算出ステップで算出した結果を、表示部35に表示させる、表示ステップS4を行うようにされていると、好適である。例えば、表示ステップS4において、処理部31は、スイング中の時刻と、瞬間貢献量算出ステップで算出した、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部の項の瞬間貢献量Aと、の関係を示す波形を、表示部35に表示させると、好適である。
図6~図8は、表示ステップS4において、瞬間貢献量算出ステップで算出した結果を表示部35に表示させる場合の、表示部35での表示例を示している。図6(a)、図7(a)、図8(a)は、それぞれ、図5(a)と同じ被験者Aの、スイングの分析結果を示しており、図6(b)、図7(b)、図8(b)は、それぞれ、図5(b)と同じ被験者Bの、スイングの分析結果を示している。上述のとおり、被験者Aは、被験者Bに比べ、閉じ易いスイングを行う者である。具体的に、図6(a)及び図6(b)は、それぞれ、スイング中の時刻(横軸[s])と、瞬間貢献量算出ステップで算出した、オイラー角のθ’成分の2回微分dθ’/dtの式(28)における、dθ’/dtの瞬間貢献量Adθ’/dt、Z’第1トルク項TОZ’の瞬間貢献量ATОZ’、Z’第2トルク項TCZ’の瞬間貢献量ATCZ’、及び、Z’慣性力項Q’の瞬間貢献量AQ’(縦軸[deg/s2]。式(33)参照。)と、の関係を示す波形を、示している。図7(a)及び図7(b)は、それぞれ、スイング中の時刻(横軸[s])と、瞬間貢献量算出ステップで算出した、オイラー角のθ成分の2回微分dθ/dtの式(26)における、dθ/dtの瞬間貢献量Adθ/dt、Z第1トルク項TОZの瞬間貢献量ATОZ、Z第2トルク項TCZの瞬間貢献量ATCZ、及び、Z慣性力項Qの瞬間貢献量AQ(縦軸[deg/s2]。式(32)参照。)と、の関係を示す波形を、示している。図8(a)及び図8(b)は、それぞれ、スイング中の時刻(横軸[s])と、瞬間貢献量算出ステップで算出した、オイラー角のθ成分の2回微分dθ/dtの式(24)における、dθ/dtの瞬間貢献量Adθ/dt、X第1トルク項TОXの瞬間貢献量ATОX、X第2トルク項TCXの瞬間貢献量ATCX、及び、X慣性力項Qの瞬間貢献量AQ(縦軸[deg/s2]。式(31)参照。)と、の関係を示す波形を、示している。
図6~図8の各々において、縦軸は、値が小さくなるほど(負の値の絶対値が大きくなるほど)、フェースが閉じる方向に向かい、値が大きくなるほど(正の値の絶対値が大きくなるほど)、フェースが開く方向に向かうことを、意味する。横軸において、時刻=0sは、インパクト時である。図6~図8の各々は、スイングのインパクトの0.30s前からインパクトまでの間の期間についての分析結果を示している。
瞬間貢献量算出ステップによれば、上述した微分式算出ステップと同様の効果が得られる。すなわち、瞬間貢献量算出ステップによれば、ゴルフクラブ50の姿勢を表わすオイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部の項の瞬間貢献量Aを、スイングの少なくとも一部における上記所定サンプリング間隔毎の各時刻について、算出するので、ユーザは、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部の項の値の瞬間貢献量Aがスイング中の各時刻でどのように変動するかを把握することが可能になる。これにより、例えば特許文献1のように単にゴルフクラブの角度の時々刻々の値を取得する場合とは異なり、ユーザは、オイラー角の少なくとも1つの角度成分について、スイング中の任意の時刻での当該角度成分が、その時刻に至るまでにどのような傾きの変動を経たのか等、詳細な経過を辿ることができる。これにより、ユーザは、オイラー角の少なくとも1つの角度成分について、当該角度成分の2回微分の式における一部又は全部の項が、当該角度成分に与える影響の時間変化を、把握することができる。例えば、別途、インパクト時のθ’成分の値を取得したときに、その値が大きい場合、ユーザは、その原因を、dθ’/dtの式における一部又は全部の項の瞬間貢献量Aの波形を辿って見ることにより、詳細に分析することが可能になる。また、瞬間貢献量算出ステップによれば、例えば特許文献1のように単にゴルフクラブの角度の時々刻々の値を算出する場合には見つけることのできないような、ゴルファーPのスイングの特徴を、見つけることも可能となる。例えば、図6~図8のグラフから、被験者Aは、被験者Bよりも、第1トルク項TОの瞬間貢献量ATО(具体的には、ATОZATОX、ATОZ)の値が小さいため、閉じ易いスイングをする傾向があることが見て取れる。また、ユーザは、図6~図8の例のように、互いに異なるスイングの特徴を有する複数の被験者A、Bの波形どうしを比較すれば、例えば一方の被験者Bが他方の被験者Aのスイングに近けるための対策を簡単かつ詳細に見つけることが可能になる。このように、瞬間貢献量算出ステップによれば、従来よりも詳細なスイング分析が可能になる。
なお、瞬間貢献量算出ステップにおいて、処理部31は、図6~図8の例のように、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における各項のうち、少なくとも、一部又は全部のトルク項T(具体的には、T、T、T’)の瞬間貢献量A(具体的には、AT、AT、AT’)を算出すると、好適である。例えば、オイラー角のθ成分の2回微分dθ/dtの式(24)の場合、少なくとも、トルク項Tを構成する3つのトルク項Hdω/dt、Idω/dt、Jdω/dtのうちの一部又は全部のトルク項の瞬間貢献量Aを算出すると、好適である。これにより、仮に処理部31がオイラー角の任意の角度成分の2回微分の式における慣性力項Qの瞬間貢献量Aのみを算出する場合に比べて、より有意義なスイング分析が可能になる。
この場合、処理部31は、1つのトルク項毎に瞬間貢献量Aを個別に算出してもよいし、あるいは、任意の2つ又は3つのトルク項を合算した値の瞬間貢献量Aを算出してもよい。
瞬間貢献量算出ステップにおいて、処理部31は、図6~図8の例のように、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式におけるトルク項T(具体的には、T、T、T’)を、X軸及びY軸の各々の周りのトルクに関わる第1トルク項TО(具体的には、TОZ、TОX、TОZ’)と、Z軸周りのトルクに関わる第2トルク項T(具体的には、TCZ、TCX、TCZ’)と、に分けたときにおける、第1トルク項TО及び第2トルク項Tのうち少なくともいずれか一方(図6~図8の例では両方)の瞬間貢献量Aを、算出すると、好適である。第1トルク項TОの瞬間貢献量Aを算出する場合、図6~図8の例のように、第1トルク項TОを構成する2つの項の合算値の瞬間貢献量Aを算出すると、好適である。第1トルク項TОの瞬間貢献量A(ATО)と第2トルク項Tの瞬間貢献量A(AT)とを区別して算出することにより、ユーザは、オイラー角の少なくとも1つの角度成分について、当該角度成分の2回微分の式のうち、第1トルク項TО、及び/又は、第2トルク項Tが、当該角度成分に与える影響の時間変化を、把握することができる。よって、さらに詳細なスイング分析が可能になる。特に、オイラー角のθ’成分の2回微分の式に関しては、第1トルク項TО(Z’第1トルク項TОZ’)の瞬間貢献量A(ATО)と第2トルク項T(Z’第2トルク項TCZ’)の瞬間貢献量A(AT)とを区別して算出することにより、ユーザは、開く方向に作用するトルクに関わる第1トルク項TО(Z’第1トルク項TОZ’)、及び/又は、閉じる方向に作用するトルクに関わる第2トルク項T(Z’第2トルク項TCZ’)が、θ’成分に与える影響の時間変化を、把握することができる。よって、さらに詳細なスイング分析が可能になる。
瞬間貢献量算出ステップにおいて、スイングのうち、処理部31が、オイラー角の2回微分の式における一部又は全部の項の瞬間貢献量Aを算出する対象の部分としては、任意の部分でよいが、少なくともインパクトを含む部分であると好適であり、少なくともダウンスイング開始からインパクトまでの間を含む部分であるとより好適である。これにより、より有意義なスイング分析が可能になる。
同様の観点から、瞬間貢献量算出ステップにおいて、スイングのうち、処理部31が、オイラー角の2回微分の式における一部又は全部の項の瞬間貢献量Aを算出する対象の部分としては、少なくともインパクトを含む部分であると好適であり、少なくともインパクトの0.30s前からインパクトまでの間を含む部分であるとより好適である。
(積分ステップ)
分析ステップS3において、処理部31は、オイラー角算出ステップS2の後に自動的に、あるいは、ユーザから入力部34を介して入力される所定の指示に応じて、積分ステップを行うようにされていると、好適である。積分ステップにおいて、処理部31は、取得ステップS1で取得した回転運動データ(本例では、角速度(ω、ω、ω))と、オイラー角算出ステップS2で取得したオイラー角(本例では、Z-X-Zオイラー角(θ,θ,θ’))とを用いて、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部の項(好適には、少なくとも、一部又は全部のトルク項)を、時間で2回積分する、積分処理を行う。
ここで、「オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式」とは、本例においては、式(24)、(26)、(28)のうち少なくとも1つを意味している。処理部31は、オイラー角の複数の角度成分の2回微分の式について算出する場合、角度成分毎に算出するものとする。また、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における「一部又は全部の項」とは、例えば、オイラー角のθ成分の2回微分dθ/dtの式(24)の場合、4つの項Hdω/dt、Idω/dt、Jdω/dt、Qのうちの一部又は全部の項を意味する。処理部31は、複数の項を2回積分する場合、項毎に個別に2回積分してもよいし、あるいは、任意の複数の項を合算した値を2回積分してもよい。オイラー角のある角度成分の2回微分の式における全部の項を合算した値の2回積分は、オイラー角の当該角度成分の2回微分の値の2回積分に相当する(式(24)、(26)、(28))。
オイラー角のある角度成分の2回微分の式におけるある項の2回積分の値は、スイング中に当該項が当該角度成分に与える総貢献量(影響)を表すものである。
積分ステップの後、かつ、後述の関係付けステップの前において、処理部31は、自動的に、あるいは、ユーザから入力部34を介して入力される所定の指示に応じて、積分ステップで算出した結果を、表示部35に表示させる、表示ステップS4を行うようにされていると、好適である。例えば、図示は省略するが、表示ステップS4において、処理部31は、積分ステップで算出した、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部の項の2回積分の値を表す表示(例えば、数字又は図形等)を、表示部35に表示させると、好適である。また、処理部31は、当該一部又は全部の項の2回積分の値を、表示部35での表示以外の出力方法(例えば、印刷部での印刷、音声出力部からの音声の出力等)により、ユーザに対し出力してもよい。
積分ステップによれば、ゴルフクラブ50の姿勢を表わすオイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部の項を、2回積分するので、ユーザは、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部の項の値がスイング中にどれだけ当該角度成分に貢献したかを把握することが可能になる。これにより、例えば特許文献1のように単にゴルフクラブの角度の時々刻々の値を取得する場合には見つけることのできないような、ゴルファーPのスイングの特徴を、見つけることが可能となる。また、ユーザは、互いに異なるスイングの特徴を有する複数の被験者A、Bの算出結果どうしを比較すれば、例えば一方の被験者Bが他方の被験者Aのスイングに近けるための対策を簡単かつ詳細に見つけることが可能になる。このように、積分ステップによれば、従来よりも詳細なスイング分析が可能になる。
なお、積分ステップにおいて、処理部31は、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における各項のうち、少なくとも、一部又は全部のトルク項T(具体的には、T、T、T’)を2回積分すると、好適である。例えば、オイラー角のθ成分の2回微分dθ/dtの式(24)の場合、少なくとも、トルク項Tを構成する3つのトルク項Hdω/dt、Idω/dt、Jdω/dtのうちの一部又は全部のトルク項を2回積分すると、好適である。これにより、仮に処理部31がオイラー角の任意の角度成分の2回微分の式における慣性力項Qのみを2回積分する場合に比べて、より有意義なスイング分析が可能になる。
この場合、処理部31は、1つのトルク項毎を個別に2回積分してもよいし、あるいは、任意の2つ又は3つのトルク項を合算した値を2回積分してもよい。
積分ステップにおいて、処理部31は、オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式におけるトルク項T(具体的には、T、T、T’)を、X軸及びY軸の各々の周りのトルクに関わる第1トルク項TО(具体的には、TОZ、TОX、TОZ’)と、Z軸周りのトルクに関わる第2トルク項T(具体的には、TCZ、TCX、TCZ’)と、に分けたときにおける、第1トルク項TО及び第2トルク項Tのうち少なくともいずれか一方を、2回積分すると、好適である。第1トルク項TОを2回積分する場合、第1トルク項TОを構成する2つの項の合算値を2回積分すると、好適である。第1トルク項TОの2回積分値と第2トルク項Tの2回積分値とを区別して算出することにより、ユーザは、オイラー角の少なくとも1つの角度成分について、当該角度成分の2回微分の式のうち、第1トルク項TО、及び/又は、第2トルク項Tが、当該角度成分に与える総貢献量を、把握することができる。よって、さらに詳細なスイング分析が可能になる。特に、オイラー角のθ’成分の2回微分の式に関しては、第1トルク項TО(Z’第1トルク項TОZ’)の2回積分値と第2トルク項T(Z’第2トルク項TCZ’)の2回積分値とを区別して算出することにより、ユーザは、開く方向に作用するトルクに関わる第1トルク項TО(Z’第1トルク項TОZ’)、及び/又は、閉じる方向に作用するトルクに関わる第2トルク項T(Z’第2トルク項TCZ’)が、θ’成分に与える総貢献量を、把握することができる。よって、さらに詳細なスイング分析が可能になる。
例えば、積分ステップにおいて、処理部31は、オイラー角のθ’成分の2回微分の式(28)におけるトルク項T’を、ローカルXYZ座標系のX軸及びY軸の各々の周りのトルクに関わるZ’第1トルク項TOZ’と、Z軸周りのトルクに関わるZ’第2トルク項TCZ’と、に分けたときにおける、Z’第1トルク項TOZ’を、2回積分し、それにより得た値を、フェース閉じ難さ指標M’とすると、好適である。フェース閉じ難さ指標M’は、つぎのように表される。
Figure 0007233317000034
フェース閉じ難さ指標M’は、値が正に大きいほど、スイング中にフェースが閉じ難いことを表している。
フェース閉じ難さ指標M’を算出することにより、ユーザは、ゴルファーPのスイングがどれだけ閉じ難いかを簡単に把握することが可能になる。
かつ/又は、積分ステップにおいて、処理部31は、オイラー角のθ成分の2回微分の式(24)におけるトルク項Tを、ローカルXYZ座標系のX軸及びY軸の各々の周りのトルクに関わるZ第1トルク項TOZと、Z軸周りのトルクに関わるZ第2トルク項TCZと、に分けたときにおける、Z第2トルク項TCZを、2回積分し、それにより得た値を、Z第2トルク項貢献量Nとし、また、オイラー角のθ成分の2回微分の式(26)におけるトルク項Tを、ローカルXYZ座標系のX軸及びY軸の各々の周りのトルクに関わるX第1トルク項TOXと、Z軸周りのトルクに関わるX第2トルク項TCXと、に分けたときにおける、X第2トルク項TCXを、2回積分し、それにより得た値を、X第2トルク項貢献量Nとすると、好適である。Z第2トルク項貢献量NとX第2トルク項貢献量Nとは、それぞれ、つぎのように表される。
Figure 0007233317000035
Z第2トルク項貢献量Nは、概略的にいえば、スイング中にゴルファーPの体がゴルフクラブ50のシャフト52の中心軸線の周りのトルク成分によってどれだけ回転したかを表しているといえる。Z第2トルク項貢献量Nは、絶対値が大きいほど、θ成分への、スイング中のZ第2トルク項TCZの貢献量(総貢献量)が多いことを表している。また、X第2トルク項貢献量Nは、概略的にいえば、スイング中にゴルフクラブ50がシャフト52の中心軸線の周りのトルク成分によってどれだけ水平軸周りの回転(縦回転)をしたかを表しているといえる。X第2トルク項貢献量Nは、絶対値が大きいほど、θ成分への、スイング中のX第2トルク項TCXの貢献量(総貢献量)が多いことを表している。
Z第2トルク項貢献量NとX第2トルク項TCXとの算出は、その後に後述の関係付けステップを行う場合に、特に好適である。
積分ステップにおいて、スイングのうち、処理部31が、オイラー角の2回微分の式における一部又は全部の項を2回積分する対象の部分としては、任意の部分でよいが、少なくともダウンスイング開始からインパクトまでの間を含む部分であると好適である。これにより、より有意義なスイング分析が可能になる。
同様の観点から、積分ステップにおいて、スイングのうち、処理部31が、オイラー角の2回微分の式における一部又は全部の項を2回積分する対象の部分としては、少なくともインパクトの0.30s前からインパクトまでの間を含む部分であると好適である。
(関係付けステップ)
分析ステップS3において、処理部31は、積分ステップを行う場合、積分ステップの後に、自動的に、あるいは、ユーザから入力部34を介して入力される所定の指示に応じて、関係付けステップを行うようにされていると、好適である。関係付けステップを行う場合、処理部31は、事前に、積分ステップにおいて、フェース閉じ難さ指標M’と、Z第2トルク項貢献量Nと、X第2トルク項貢献量Nとを、算出しておく。関係付けステップにおいて、処理部31は、スイング毎に、フェース閉じ難さ指標M’を、Z第2トルク項貢献量NとX第2トルク項貢献量Nとに対して関係付ける、関係付け処理を行う。
関係付けステップの後、処理部31は、自動的に、あるいは、ユーザから入力部34を介して入力される所定の指示に応じて、関係付けステップで関係付けた内容を示すグラフを、表示部35に表示させる、表示ステップS4を行うようにされていると、好適である。
図9は、表示ステップS4において、関係付けステップで関係付けた内容を示すグラフ(以下、「フェース閉じ難さグラフ」という。)を表示部35に表示させる場合の、表示部35での表示例を示している。
図9のフェース閉じ難さグラフにおいて、横軸はZ第2トルク項貢献量Nであり、縦軸はX第2トルク項貢献量Nである。フェース閉じ難さグラフ内の各丸は、それぞれ別々のゴルファーPによるスイングに対応しており、各プロット点(丸)の大きさによって、それぞれのスイングのフェース閉じ難さ指標M’の値を表している。図9の例において、フェース閉じ難さ指標M’の値が正に大きいほど(ひいては、フェースが閉じ難いほど)、グラフ内のプロット点(丸)の大きさが大きくなるようにされている。なお、フェース閉じ難さ指標M’の値の表記方法は、プロット点の大きさ以外の表記方法(例えば、当該値を示す数字をプロット点の付近に表記する方法等)が使用されてもよい。
図9のフェース閉じ難さグラフにおいて、「一般」のプロット点は、プロではない一般のゴルファーによるスイングのプロット点であり、「男子プロ」及び「女子プロ」のプロット点は、それぞれ男子プロゴルファー及び女子プロゴルファーによるスイングのプロット点である。
なお、本発明の発明者らは、一般的に、Z第2トルク項貢献量NやX第2トルク項貢献量Nの値と、フェース閉じ難さ指標M’の値とに、相関関係があること、ひいては、フェース閉じ難さ指標M’を、Z第2トルク項貢献量N及びX第2トルク項貢献量Nで表現できることを、新たに見出した。関係付けステップやフェース閉じ難さグラフは、このような知見に基づいて考え出されたものである。
関係付けステップやフェース閉じ難さグラフによれば、フェースの閉じ難さの程度がその程度である原因を、ゴルファーPの体の回転とゴルフクラブ50の縦回転とによって説明することが可能となる。
上述のとおり、フェース閉じ難さ指標M’は、値が正に大きいほど、スイング中にフェースが閉じ難いことを表している。
Z第2トルク項貢献量Nは、概略的にいえば、スイング中にゴルファーPの体がゴルフクラブ50のシャフト52の中心軸線の周りのトルク成分によってどれだけ回転したかを表しているといえる。Z第2トルク項貢献量Nは、絶対値が大きいほど(図9のグラフの横軸において左側へ向かうほど)、θ成分への、スイング中のZ第2トルク項TCZの貢献量(総貢献量)が多いことを表している。Z第2トルク項貢献量Nは、ダウンスイングの前半においてゴルフクラブを立てて使うほど、値が小さくなる(負の値の絶対値が大きくなる)傾向がある。
また、X第2トルク項貢献量Nは、概略的にいえば、スイング中にゴルフクラブ50がシャフト52の中心軸線の周りのトルク成分によってどれだけゴルフクラブ50が縦回転をしたかを表しているといえる。X第2トルク項貢献量Nは、絶対値が大きいほど(図9のグラフの縦軸において下側へ向かうほど)、θ成分への、スイング中のX第2トルク項TCXの貢献量(総貢献量)が多いことを表している。X第2トルク項貢献量Nは、ダウンスイングの前半において比較的ヒール方向にゴルフクラブを振るほど、値が小さくなる(負の値の絶対値が大きくなる)傾向がある。
図9の例のグラフにおいて、右上にいくほど、閉じ易いフッカーであるといえ、左下にいくほど、閉じ難いスライサーであるといえる。
フェース閉じ難さ指標M’の絶対値の大きさに関して、一般的に、一般のゴルファーは、小さなものから大きなものまで様々であり、また、比較的大きくなる場合が多くなる傾向があるのに対し、男子及び女子プロゴルファーは、中間の大きさとなる傾向がある。すなわち、図9のフェース閉じ難さグラフの例でいえば、図9から見て取れるように、一般的に、一般のゴルファーのプロット点の大きさは、小さなものから大きなものまで様々であり、また、比較的大きくなる場合が多くなる傾向があるのに対し、男子及び女子プロゴルファーのプロット点は、中間の大きさとなる傾向がある。また、フェース閉じ難さグラフのプロット点の位置に関しては、図9から見て取れるように、一般的に、一般のゴルファーのプロット点は、グラフ中の全体にわたって分散する傾向があるのに対し、男子及び女子プロゴルファーのプロット点は、グラフ中の一部(図9の例では、上部)に集中する傾向がある。このように、フェース閉じ難さグラフにより、一般のゴルファーとプロのゴルファーとのスイングの特徴の違いを、視覚的に簡単に把握することができる。
また、フェース閉じ難さグラフによれば、例えば、このグラフ中のプロット点の大きさと位置とに基づいて、アドバイザーが、ゴルファーP(例えば、一般のゴルファー)に対し、スイングを向上させるための適切なアドバイスを提供し、ゴルファーPにスイングのレッスンを適宜施すことが可能となる。
例えば、図9の例のように、予めフェース閉じ難さグラフ内の領域を複数の領域(図9の例では、Aエリア、Bエリア、Cエリア、Dエリアの4つの領域)に分けておき、アドバイザーは、領域毎に異なるアドバイスを、ゴルファーPに対して行うことができる。具体的には、例えば、グラフ内で左上に位置するAエリア内のプロット点に対応するゴルファーPに対しては、「上級者も多いタイプです。クラブを寝かせると、少し楽に閉じられます。」といったアドバイスをすることができる。また、グラフ内で右上に位置するBエリア内のプロット点に対応するゴルファーPに対しては、「上級者も多いタイプです。フックが気になるようであれば、少し立ててクラブを使いましょう。」といったアドバイスをすることができる。また、グラフ内で左下に位置するCエリア内のプロット点に対応するゴルファーPに対しては、「非常に閉じ難いタイプです。フェース方向に振る意識を持ちましょう。」といったアドバイスをすることができる。また、グラフ内で右下に位置するDエリア内のプロット点に対応するゴルファーPに対しては、「閉じ難いタイプです。フェース方向に振る意識を持ちましょう。」といったアドバイスをすることができる。
なお、処理部31は、関係付けステップの後に行う表示ステップS4において、フェース閉じ難さ指標M’、Z第2トルク項貢献量N、X第2トルク項貢献量Nのそれぞれの値に基づいて、上述のようなアドバイスを表示部35に表示するようにしてもよい。また、処理部31は、当該アドバイスを、表示部35での表示以外の出力方法(例えば、印刷部での印刷、音声出力部からの音声の出力等)により、ユーザに対し出力してもよい。
本発明のスイング分析方法、スイング分析装置、及び、スイング分析プログラムは、ゴルフスイングの分析に利用できるものである。
1:スイング分析システム、 20:慣性センサー、 30:スイング分析装置、 31:処理部、 32:通信部、 33:記憶部、 34:入力部、 35:表示部、 50:ゴルフクラブ、 51:グリップ、 52:シャフト、 53:ヘッド、 F:フェース、 P:ゴルファー

Claims (9)

  1. スイング分析装置が、ゴルフクラブに固定された慣性センサーの出力から、前記ゴルフクラブを用いたスイング中における3軸周りの回転運動データを取得し、前記回転運動データから、前記スイング中における前記ゴルフクラブの姿勢データを取得する、取得ステップと、
    前記スイング分析装置が、前記姿勢データに基づいて、前記ゴルフクラブのオイラー角を算出する、オイラー角算出ステップと、
    前記スイング分析装置が、前記回転運動データと前記オイラー角とを用いて、前記オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部のトルク項を用いた計算を行うことにより、前記スイングの分析をする、分析ステップと、
    を含む、スイング分析方法。
  2. 前記分析ステップは、前記スイング分析装置が、前記回転運動データと前記オイラー角とを用いて、前記オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部のトルク項を、前記スイングの少なくとも一部における所定サンプリング間隔毎の各時刻について、算出する、微分式算出ステップを、含む、請求項1に記載のスイング分析方法。
  3. 前記回転運動データは、前記ゴルフクラブに固定されたローカルXYZ座標系におけるX軸、Y軸、及びZ軸の各々の周りの回転運動データであり、
    前記Z軸は、前記ゴルフクラブのシャフトの延在方向に対し平行であり、
    前記微分式算出ステップにおいて、前記スイング分析装置は、前記オイラー角の前記少なくとも1つの角度成分の2回微分の式におけるトルク項を、前記X軸及び前記Y軸の各々の周りのトルクに関わる第1トルク項と、前記Z軸周りのトルクに関わる第2トルク項と、に分けたときにおける、前記第1トルク項及び前記第2トルク項のうち少なくともいずれか一方を、算出する、請求項2に記載のスイング分析方法。
  4. 前記スイング分析方法は、前記スイング分析装置が、前記分析ステップで分析した結果を表示する、表示ステップを、さらに含み、
    前記表示ステップにおいて、前記スイング分析装置は、前記スイング中の時刻と前記微分式算出ステップで算出した前記一部又は全部のトルク項との関係を示す波形を示す、請求項2又は3に記載のスイング分析方法。
  5. 前記微分式算出ステップにおいて、前記スイング分析装置は、前記回転運動データと前記オイラー角とを用いて、前記オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における慣性力項を、前記スイングの少なくとも一部における前記所定サンプリング間隔毎の各時刻について、算出する、請求項2~4のいずれか一項に記載のスイング分析方法。
  6. 前記微分式算出ステップにおいて、前記スイング分析装置は、前記一部又は全部のトルク項を、前記スイングの少なくともダウンスイング開始からインパクトまでの間における前記所定サンプリング間隔毎の各時刻について、算出する、請求項2~5のいずれか一項に記載のスイング分析方法。
  7. 前記オイラー角は、所定のグローバルx座標系と、前記ゴルフクラブに固定されたローカルXYZ座標系との間の、Z-X-Zオイラー角であり、
    前記ローカルXYZ座標系のZ軸は、前記ゴルフクラブのシャフトの延在方向に対し平行である、請求項1~6のいずれか一項に記載のスイング分析方法。
  8. 処理部を備えた、スイング分析装置であって、
    前記処理部は、ゴルフクラブに固定された慣性センサーの出力から、前記ゴルフクラブを用いたスイング中における3軸周りの回転運動データを取得し、前記回転運動データから、前記スイング中における前記ゴルフクラブの姿勢データを取得する、取得処理を行うように構成され、
    前記処理部は、前記姿勢データに基づいて、前記ゴルフクラブのオイラー角を算出する、オイラー角算出処理を行うように構成され、
    前記処理部は、前記回転運動データと前記オイラー角とを用いて、前記オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部のトルク項を用いた計算を行うことにより、前記スイングの分析をする、分析処理を行うように構成されている、スイング分析装置。
  9. 処理部を備えた、スイング分析装置における、前記処理部に実行させる、スイング分析プログラムであって、
    前記処理部が、ゴルフクラブに固定された慣性センサーの出力から、前記ゴルフクラブを用いたスイング中における3軸周りの回転運動データを取得し、前記回転運動データから、前記スイング中における前記ゴルフクラブの姿勢データを取得する、取得ステップと、
    前記処理部が、前記姿勢データに基づいて、前記ゴルフクラブのオイラー角を算出する、オイラー角算出ステップと、
    前記処理部が、前記回転運動データと前記オイラー角とを用いて、前記オイラー角の少なくとも1つの角度成分の2回微分の式における一部又は全部のトルク項を用いた計算を行うことにより、前記スイングの分析をする、分析ステップと、
    を前記処理部に実行させる、スイング分析プログラム。
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