JP7232500B2 - ハイブリッド材料の製造方法、ハイブリッド材料、電極の製造方法、電極、及び電気化学デバイス - Google Patents

ハイブリッド材料の製造方法、ハイブリッド材料、電極の製造方法、電極、及び電気化学デバイス Download PDF

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Description

本開示はハイブリッド材料の製造技術に関し、とくに、ハイブリッド材料の製造方法、ハイブリッド材料、ハイブリッド材料を含む電極の製造方法、ハイブリッド材料を含む電極、及びその電極を含む電気化学デバイスに関する。
有機共有結合構造体(Covalent organic framework:COF)は、周期構造を持つナノ多孔質材料として関心を集めており、スーパーキャパシター電極などへの応用が期待されているが、COFは、一般に電気伝導性が低いので、導電性をCOFに付与するための工夫が試みられている(例えば、非特許文献1参照)。
非特許文献1には、電極上に2,6-ジアミノアントラキノン-2,4,6-トリホルミルフロログルシノールの薄膜を形成し、3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)溶液を用いた電解重合を行うことにより、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)が導入されたCOFを調整する方法が開示されている。
「Superior Charge Storage and Power Density of a Conducting Polymer-Modified Covalent Organic Framework」、Cathering R. Mulzerら、ACS central science、2016年、2巻、667-673頁
非特許文献1では、電気化学的方法により試料を調整しているので、まずCOFの薄膜を電極上に作成する必要があり、COFの種類が限定されるという問題がある。また、COFに導電性を付与するための導電性ポリマーの原料を溶液から供給するため、試料の大量合成ができず、また試料が不均一になりうるという問題がある。
本開示は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、ハイブリッド材料を改良するための技術を提供することである。
上記課題を解決するために、本開示のある態様の有機共有結合構造体と導電性高分子のハイブリッド材料の製造方法は、有機共有結合構造体に、導電性高分子の原料物質を含浸させるステップと、有機共有結合構造体の細孔に内包された原料物質を重合させるステップと、を備える。
本開示の別の態様のハイブリッド材料は、有機共有結合構造体と、有機共有結合構造体の細孔に内包された導電性高分子と、を備える。
本開示の更に別の態様の電極の製造方法は、上記の製造方法により製造されたハイブリッド材料又は上記のハイブリッド材料を含む電極を形成するステップを備え、そのステップにおいてハイブリッド材料の少なくとも一部は電極の表面から露出している。
本開示の更に別の態様の電気化学デバイスは、上記の電極と電解質とを含む。
本開示によれば、ハイブリッド材料を改良するための技術を提供することができる。
測定された窒素収着等温線を示す図である。 熱重量分析(TGA)の結果を示す図である。 サイクリックボルタンメトリー(CV)の測定結果を示す図である。 定電流充放電における電位の時間変化を示す図である。 算出された比容量を示す図である。 50A/gでの定電流充電/放電サイクルを10000回繰り返したときの比容量の変化を示す図である。 電圧値と電流値の関係を示す図である。
本開示の有機共有結合構造体(COF)と導電性高分子のハイブリッド材料の製造方法は、有機共有結合構造体に、導電性高分子の原料物質を含浸させるステップと、有機共有結合構造体の細孔に内包された原料物質を重合させるステップと、を備える。
COFは、導電性高分子を内包させることが可能な細孔を有するものであれば任意の構造体であってもよい。例えば、有機共有結合構造体は、アントラキノン部分とフロログルシノール部分とを含んでもよい。アントラキノン部分は、2,6-ジアミノアントラキノンに由来し、フロログルシノール部分は、2,4,6-トリホルミルフロログルシノールに由来してもよい。このようなCOFの具体例として、下記の化学式で示される構造体(AQ-COF)がある。
Figure 0007232500000001
導電性高分子は、導電性を有する高分子化合物であれば任意の高分子であってもよい。導電性高分子は、例えば、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレン、又はこれらの骨格を有する誘導体などであってもよい。このような導電性高分子の具体例として、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)がある。この場合、原料物質は、2,5-ジブロモ-3,4-エチレンジオキシチオフェン(DBrEDOT)を含んでもよい。
導電性高分子の原料物質は、適切な溶媒に溶解されてCOFに含浸されてもよいし、適切な溶媒に懸濁されてCOFに含浸されてもよい。原料物質として、2,5-ジブロモ-3,4-エチレンジオキシチオフェンを含浸させる場合、溶媒としてアセトンを使用してもよい。COFに含浸された導電性高分子の原料物質は、化学吸着によりCOFの細孔に内包(包接)される。
導電性高分子の原料物質を重合させるステップは、COFの細孔に内包された原料物質を第1の条件下で重合させる第1重合ステップと、第1の条件とは異なる第2の条件下で原料物質を更に重合させる第2重合ステップと、を含んでもよい。第2の条件は、第1の条件よりも高い反応温度を含んでもよい。比較的穏やかな第1の条件における重合において、導電性高分子のオリゴマーが形成される。これにより、より高温な第2の条件に変更しても、COFの細孔に内包された原料物質がCOFの外部へ離脱しにくくすることができる。このように、まず、COFの細孔に内包された原料物質が外部に離脱しにくいような第1の条件下で導電性高分子のオリゴマーを形成させ、つづいて、反応速度の高い第2の条件下で導電性高分子のポリマーを形成させることにより、より多くの導電性高分子をCOFの細孔に内包させたまま、効率良く速やかにハイブリッド材料を製造することができる。3段階以上のステップを含んでもよい。この場合も、段階的に反応温度を上昇させてもよい。AQ-COFの細孔にPEDOTが内包されたハイブリッド材料を製造する場合、第1の条件は、室温~80℃、好ましくは30~75℃、より好ましくは40~70℃、更に好ましくは50~65℃であってもよく、例えば、60℃であってもよい。第2の条件は、70~100℃、好ましくは75~95℃、より好ましくは80~90℃、更に好ましくは82~88℃であってもよく、例えば、85℃であってもよい。すなわち、AQ-COFの細孔にPEDOTが内包されたハイブリッド材料は、下記のスキームにより製造されうる。
Figure 0007232500000002
本開示の製造方法によれば、より簡易な方法で、より特性の良好なハイブリッド材料を製造することができる。また、COFの薄膜を形成する必要がないので、多様な種類のCOFを含むハイブリッド材料を、効率良く大量に製造することができる。また、より重合度の高い導電性高分子を均一にCOFの細孔に内包させることができるので、ハイブリッド材料の電気的特性を向上させることができる。また、導電性高分子の原料物質の量や反応条件などを制御することにより、導電性高分子によるCOFの細孔の充填率を制御することができるので、ハイブリッド材料をキャパシタの電極として使用する際の電気的特性や容量などを向上させることができる。
[実施例]
本開示のハイブリッド材料の製造方法の優位性を分かりやすく説明するために、非特許文献1と同じCOFと導電性高分子を含むハイブリッド材料を製造し、特性を評価した。
[1.1 AQ-COFの合成]
AQ-COFを一般的なソルボサーマル合成法により合成した。10mLのパイレックス(登録商標)チューブに、2,4,6-トリホルミルフロログルシノール(TFP)(40mg、0.2mmol)、2,6-ジアミノアントラキノン(DAAQ)(68mg、0.3mmol)、ジメチルアセトアミド/メシチレン(2.4mL、体積比3/1)、及び6M酢酸(0.1mL)を充填した。得られた混合物を室温で1分間超音波処理し、3回凍結脱気した。チューブを密封し、真空下で3日間120℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、暗赤色の沈殿を遠心分離により収集し、DMF及びアセトンで洗浄した。粉末をソックスレー抽出器によりTHFで24時間徹底的に洗浄し、120℃で一晩真空乾燥した。AQ-COFを赤色粉末として収率80%で単離した。
[1.2 PEDOT@AQ-COFの合成]
30mLのガラス瓶中で、2,5-ジブロモ-3,4-エチレンジオキシチオフェン(DBrEDOT)360mgをアセトン15mLに溶解することにより溶液を調整した。AQ-COF200mgを溶液に加え、25℃で1時間撹拌した。つづいて、アセトンを減圧下(20kPa、25℃)で蒸発させた。得られた赤色粉末をヘキサン(5mL)ですすいで表面のDBrEDOTを除去し、真空乾燥し、窒素雰囲気下でガラス瓶に封入した。その後、ガラス瓶を60℃で3日間加熱し、更に85℃で1日間加熱した。冷却後、黒色粉末を、10mLのアセトン、20mLの亜ジチオン酸ナトリウム水溶液(1M)、20mLの水、及び10mLのアセトンで洗浄した。つづいて、粉末を真空下120℃で一晩乾燥した。PEDOT@AQ-COFが黒色粉末として得られた(300mg)。PEDOT@AQ-COFの元素分析の結果から、PEDOTとAQ-COFの重量比は、PEDOT:AQ-COF=1.4:1であることが示された。
120.391.2Br42.610.05
計算値:C(51.89%),H(3.30%),N(3.02%),S(11.57%)
実測値:C(49.50%),H(3.30%),N(3.01%),S(11.58%)
[1.3 電気化学的実験]
PEDOT@AQ-COF(91重量%)とポリフッ化ビニリデン(PVDF)のバインダー(9重量%)をNMP中で分散させることにより活物質スラリーを調整し、調整したスラリーをガラス状炭素(GC)電極の上面に塗布した。GC電極の幾何学的表面積は0.07cmであり、活物質の充填量は0.29mg/cmである。バイオロジック社製SP-150シングルポテンショスタット電気化学分析機を使用して、1M硫酸水溶液中で標準的な三電極法により電気化学実験を行った。活物質が塗布されたGC電極、白金線、及びAg/AgCl水溶液電極は、それぞれ、作用極、対極、及び参照極とみなされる。
[2. 実験結果]
酸化還元活性なAQ-COFを、一般的な溶媒熱合成条件下で、2,4,6-トリホルミルフロログルシノール(TFP)と2,6-ジアミノアントラキノン(DAAQ)の縮合により合成した。得られたAQ-COFの結合、結晶性、及び永続的多孔度を、それぞれ、FT-IR、PXRD、及び窒素収着測定により測定した。AQ-COFは、β-ケトンアミン架橋された六角形のネットワークを有する二次元層と一次元ナノチャンネルを有する結晶性の多孔質ポリマーに適合した。ブルナウアー-エメット-テラー(BET)表面積及び細孔容積は、それぞれ、1203m/g、0.78cm/gと算出された。
導電性ポリマー(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、PEDOT)を、2段階のステップによりAQ-COFの細孔に導入した。第1のステップにおいて、AQ-COFの一次元ナノチャンネルにDBrEDOTのモノマーを充填した。得られたDBrEDOT@AQ-COFは、AQ-COFと同じ暗赤色を呈した。第2のステップは、一次元ナノチャンネル中におけるDBrEDOTからPEDOTへの固相重合である。このステップにおいて、固体の色は暗赤色から黒色に変化する。元素分析により、PEDOTとAQ-COFの重量比は、1.4:1であることが示された。
[2.1 窒素収着等温線測定]
PEDOT@AQ-COFのポロシティを評価するために、77Kで窒素収着等温線測定を行った。図1は、測定された窒素収着等温線を示す。BET表面積は、131m/gと算出された。ポロシティの大幅な低下は、AQ-COFの細孔にPEDOTがホストされたことを示す。PEDOT@AQ-COFはタイプIの等温線を示し、マイクロポアの存在が示唆された。
[2.2 TGA]
図2は、熱重量分析(TGA)の結果を示す。100℃以下の重量減は、吸着した水の排気である。200℃から400℃までの間の重量減は、PEDOTの分解であろう。400℃以上の重量減は、AQ-COFの分解である。このように、実施例のハイブリッド材料は、少なくとも200℃以下の温度範囲で安定に存在しうることが示された。
[2.3 CV]
図3は、サイクリックボルタンメトリー(CV)の測定結果を示す。曲線は、掃引速度によって還元ピークが異なる可逆的な充電-放電プロセスを示した。-0.2Vから0.6Vの電位窓で、PEDOT@AQ-COFを使用した電極の性能を評価した。1mV/sの掃引速度において、それぞれ約-0.05V(酸化ピーク)及び-0.07V(還元ピーク)でピークが現れた。CV曲線の形状は、PEDOT@AQ-COFの容量特性が、ファラデー性の酸化還元反応と電気二重層キャパシタの双方からなることを示した。したがって、このハイブリッド材料は、蓄電池や燃料電池などの蓄電デバイスの電極として使用することもできるし、キャパシタの電極として使用することもできる。
[2.4 スーパーキャパシタ]
図4は、定電流充放電における電位の時間変化を示す。約-0.05Vにおいて明らかに平坦域が見られた。これは、CVパターンにおける酸化ピーク及び還元ピークの位置と一致する。図5は、算出された比容量を示す。比容量は、1580F/g(2A/g)程度であった。比容量は、電流密度の増加とともに減少するが、1076F/g(50A/g)、908F/g(50A/g)であった。
周期的安定性は、電気化学性能を評価するための重要な要素である。50A/gでの定電流充電/放電サイクルを10000回繰り返したときの比容量の変化を図6に示す。充電/放電サイクルの間、比容量は1076F/gから1267F/gに増加し、安定性が維持されることが示された。これは、電極の表面積を増加させる電極の活性化プロセスに起因する可能性がある。ナノチャンネル中のPEDOT鎖が、周期的な充電/放電プロセスの間に再構成された。このように、実施例のハイブリッド材料は、充放電を10000回以上繰り返しても問題を生じないことが示された。
[2.5 抵抗]
等価直列抵抗(ESR)の値は、ナイキストプロットのx切片から得られる。キャパシタのESRは、5.4Ωと測定された。圧縮したペレット試料(L=0.29cm、W=0.27cm、H=0.03cm)の電気伝導率も測定した。図7は、電圧値と電流値の関係を示す。室温におけるR=34Ωであるから、電気伝導率σ=1/ρ=1.05S/cmと算出された。このように、実施例のハイブリッド材料は、高い電気伝導率を有する。
[従来例との比較]
非特許文献1において合成されたAQ-COFの結晶構造データは、下記のように記載されている。
空間群:P6/m
格子定数:a=b=29.8330、c=3.6214
単位胞面積:770Å
単位胞当たりの分子量:1026.93
これらの値から、単位胞堆積及び単位胞当たりの質量は、下記のように算出される。
単位胞体積:2788Å=2.788×10-27
単位胞当たりの質量:1026.93[g/mol]/6.02×1023[/mol]≒1.71×10-21
したがって、結晶構造から予想されるAQ-COFの密度は、(1.71×10-21g)/(2.788×10-27)≒0.613×10g/m≒0.613g/cmである。
非特許文献1では、電極上にAQ-COFの薄膜を形成しているが、その構造データは下記のように記載されている。
膜面積:0.64cm
膜厚:1μm
したがって、PEDOTを重合させる前のAQ-COF薄膜の重量は、0.64cm×1×10-4cm×0.613g/cm≒3.92×10-5gである。CVにより測定されたPEDOTの面密度は255μg/cmと記載されているから、PEDOTの質量は、2.55×10-4g/cm×0.64cm≒1.632×10-4gである。これらから、PEDOTとAQ-COFの重量比は、PEDOT:AQ-COF=4.16:1である。
非特許文献1に記載された電解重合により調整された材料におけるPEDOTとAQ-COFの重量比は、構造から予想される値よりもかなり高い。非特許文献1に記載された材料において、全てのPEDOTが膜内のAQ-COFの細孔に内包されているとは考えがたく、多くのPEDOTは膜の表面に析出したものと考えられる。膜の表面に析出したPEDOTは、膜内における電気的特性には寄与しない。
これに対して、実施例のハイブリッド材料は、AQ-COFにDBrEDOTを含浸させた後、ヘキサンですすいで表面のDBrEDOTを除去しているので、試料の表面にPEDOTはほとんど存在しておらず、ほぼ全てのPEDOTがAQ-COFの細孔に内包されていることが保証される。実施例のハイブリッド材料におけるPEDOTとAQ-COFの重量比1.4:1は、構造から予想される妥当な値である。
非特許文献1の材料の容量は350F/cm(0.3A/g)と記載されており、重量当たりに換算すると、(350F/cm×6.4×10-5cm)/(2.024×10-4g)=110.7F/g(0.3A/g)となる。実施例のハイブリッド材料の容量は、上述したように、1580F/g(2A/g)~908F/g(50A/g)であるから、大電流を通じてもなお実施例のハイブリッド材料の方がはるかに性能が高い。本開示のハイブリッド材料の比容量は、2A/gの場合の値で、500F/g以上、好ましくは800F/g以上、より好ましくは1000F/g以上、更に好ましくは1500F/g以上であってもよく、50A/gの場合の値で、100F/g以上、好ましくは300F/g以上、より好ましくは500F/g以上、更に好ましくは800F/g以上であってもよい。
非特許文献1の材料のESRは20Ωと記載されているが、上述したように、実施例のハイブリッド材料のESRは5.4Ωであるから、実施例のハイブリッド材料の方がはるかに電気的特性が良好である。本開示のハイブリッド材料のESRは、15Ω未満、好ましくは12Ω未満、より好ましくは10Ω未満、更に好ましくは6Ω未満であってもよい。
図1に示したように、実施例に係るハイブリッド材料は、導電性高分子を細孔に内包させると窒素分子をほとんど収着しない。これは、PEDOTがAQ-COFの細孔の大部分を充填していることを示唆する。そして、導電性高分子がCOFの細孔の大部分を充填していることにより、ハイブリッド材料の電気的特性が向上されていると考えられる。この観点から、ハイブリッド材料のBET比表面積は、1000m/g未満、好ましくは800m/g未満、より好ましくは500m/g未満、更に好ましくは200m/g未満であってもよい。また、細孔容積は、0.7cm/g未満、好ましくは0.5cm/g未満であってもよい。また、導電性高分子が内包される前後のCOFの細孔容積の比は、50%未満、好ましくは40%未満、より好ましくは30%未満、更に好ましくは20%未満であってもよい。これにより、ハイブリッド材料の電気的特性を向上させることができる。
実施例では、カレントコレクターである平らなグラスカーボン電極の表面にハイブリッド材料をコートすることによりハイブリッド材料を含む電極を形成したが、任意の材質、形状、大きさの電極の表面にハイブリッド材料をコートして電極を形成してもよいし、任意の材質の電極材料にハイブリッド材料を混合した材料で電極を形成してもよい。例えば、紙形状のカーボンファイバーの表面にハイブリッド材料を塗布することにより電極を形成してもよい。いずれの場合も、ハイブリッド材料は電解質と接するように設けられる。本開示のハイブリッド材料は、酸化還元活性があり、それによって容量が高められているので、還元を受ける正極側の電極にハイブリッド材料を含ませるとより効果的である。本開示のハイブリッド材料は、多くのプロトンやリチウムイオンを細孔に吸着することができるため、電解質を使用した大容量の電気二重層キャパシタの電極として利用するのに適しているが、導電性高分子に由来する高い導電性も有しているため、間に誘電体を挟んだキャパシタの電極として利用することもできる。
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の有機共有結合構造体と導電性高分子のハイブリッド材料の製造方法は、有機共有結合構造体に、導電性高分子の原料物質を含浸させるステップと、有機共有結合構造体の細孔に内包された原料物質を重合させるステップと、を備える。この態様によると、より簡易な方法で、より特性の良好なハイブリッド材料を効率良く大量に製造することができる。
重合させるステップは、有機共有結合構造体の細孔に内包された原料物質を第1の条件下で重合させる第1重合ステップと、第1の条件とは異なる第2の条件下で原料物質を更に重合させる第2重合ステップと、を含んでもよい。第2の条件は、第1の条件よりも高い反応温度を含んでもよい。この態様によると、より多くの導電性高分子を有機共有結合構造体の細孔に内包させたまま、効率良く速やかにハイブリッド材料を製造することができる。
有機共有結合構造体は、アントラキノン部分とフロログルシノール部分とを含んでもよい。アントラキノン部分は、2.6-ジアミノアントラキノンに由来し、フロログルシノール部分は、2,4,6-トリホルミルフロログルシノールに由来してもよい。導電性高分子は、ポリチオフェン骨格を含んでもよい。原料物質は、2,5-ジブロモ-3,4-エチレンジオキシチオフェンを含んでもよい。この態様によると、良好な特性を有するハイブリッド材料を製造することができる。
本開示の別の態様は、ハイブリッド材料である。このハイブリッド材料は、有機共有結合構造体と、有機共有結合構造体の細孔に内包された導電性高分子と、を備える。この態様によると、ハイブリッド材料の特性を向上させることができる。
本開示の更に別の態様の電極の製造方法は、上記の製造方法により製造されたハイブリッド材料又は上記のハイブリッド材料を含む電極を形成するステップを備え、そのステップにおいてハイブリッド材料の少なくとも一部は電極の表面から露出している。この態様によると、電極の特性を向上させることができる。
本開示の更に別の態様の電気化学デバイスは、上記の電極と電解質とを含む。電気化学デバイスは、キャパシター又は電池であってもよい。この態様によると、電気化学デバイスの特性を向上させることができる。
ハイブリッド材料は、電解質に接していてもよい。ハイブリッド材料は、正極側の電極に含まれてもよい。この態様によると、電気化学デバイスの特性を向上させることができる。

Claims (13)

  1. 導電性高分子を内包させることが可能な細孔を有する有機共有結合構造体に、前記有機共有結合構造体と導電性高分子の原料物質を溶媒に溶解又は懸濁することを通じて前記原料物質を含浸させるステップと、
    前記有機共有結合構造体の細孔に内包された前記原料物質を重合させるステップと、
    を備えることを特徴とするハイブリッド材料の製造方法。
  2. 前記重合させるステップは、
    前記有機共有結合構造体の細孔に内包された前記原料物質を第1の条件下で重合させる第1重合ステップと、
    前記第1の条件とは異なる第2の条件下で前記原料物質を更に重合させる第2重合ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド材料の製造方法。
  3. 前記第2の条件は、前記第1の条件よりも高い反応温度を含むことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド材料の製造方法。
  4. 前記有機共有結合構造体は、アントラキノン部分とフロログルシノール部分とを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のハイブリッド材料の製造方法。
  5. 前記アントラキノン部分は、2,6-ジアミノアントラキノンに由来し、前記フロログルシノール部分は、2,4,6-トリホルミルフロログルシノールに由来することを特徴とする請求項4に記載のハイブリッド材料の製造方法。
  6. 前記導電性高分子は、ポリチオフェン骨格を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のハイブリッド材料の製造方法。
  7. 前記原料物質は、2,5-ジブロモ-3,4-エチレンジオキシチオフェンを含むことを特徴とする請求項6に記載のハイブリッド材料の製造方法。
  8. 導電性高分子を内包させることが可能な細孔を有する有機共有結合構造体と、
    前記有機共有結合構造体の細孔に、前記有機共有結合構造体と導電性高分子の原料物質を溶媒に溶解又は懸濁することを通じて内包された導電性高分子と、
    を備えることを特徴とするハイブリッド材料。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載の製造方法により製造されたハイブリッド材料又は請求項8に記載のハイブリッド材料を含む電極を形成するステップを備え、前記ステップにおいて前記ハイブリッド材料の少なくとも一部は前記電極の表面から露出していることを特徴とする電極の製造方法。
  10. 請求項1から7のいずれかに記載の製造方法により製造されたハイブリッド材料又は請求項8に記載のハイブリッド材料を含むことを特徴とする電極。
  11. 請求項10に記載の電極と電解質とを含む電気化学デバイス。
  12. 前記ハイブリッド材料は、電解質に接していることを特徴とする請求項11に記載の電気化学デバイス。
  13. 前記ハイブリッド材料は、正極側の電極に含まれることを特徴とする請求項11又は12に記載の電気化学デバイス。
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