JP7231695B1 - 薬剤発注管理装置、薬剤発注管理方法、および、薬剤発注管理プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
また、処方日数あるいは処方金額に基づいて一定の条件に合致した医薬品を長期処方とみなし、次回に同じ患者が来局する直前に発注および納品を行う直前発注を実施する方法が考えられる。しかし、処方日数あるいは処方金額の閾値を薬局で任意に設定できるようにする場合、閾値の設定値によっては、次回の来局が見込めないにも関わらず、長期処方とみなして、直前発注としてしまう可能性がある。これにより、結果的に過剰在庫を抱える原因になってしまうという課題がある。
処方せんを対象処方せんとして受け付け、前記対象処方せんに含まれる薬剤の組合せである組合せパターンに基づいて前記処方パターンデータベースから処方パターンを抽出し、抽出した処方パターンに対応する処方回数と再来局数とに基づいて、前記対象処方せんが発行された患者の再来局率を算出する算出部と、
前記再来局率に基づいて、前記対象処方せんに対し、通常発注管理方式以外の発注管理方式である特別発注管理方式とするか否かを設定する設定部とを備える。
前記組合せパターンと同一の処方パターンが前記処方パターンデータベースに設定されていれば、前記組合せパターンと同一の処方パターンに対応する処方回数をインクリメントするとともに、前記対象処方せんが発行された患者が再来局か否かを示す情報に基づいて再来局数を設定し、前記再来局率を算出する。
前記組合せパターンと同一の処方パターンが前記処方パターンデータベースに設定されていなければ、前記組合せパターンを処方パターンとして前記処方パターンデータベースに追加し、追加した処方パターンに対応する処方回数を1と設定するとともに再来局数を0と設定し、前記再来局率を算出する。
処方せんを識別する処方せん識別子と、患者を識別する患者識別子と、前記処方せんに含まれる薬剤の各薬剤の出荷金額とを含む情報を管理する処方管理データベースを備え、
前記設定部は、
前記処方管理データベースに管理されている前記対象処方せんに対し、前記特別発注管理方式とするか否かを設定する。
前記再来局率に対して適切な発注管理方式を設定する条件である第1閾値を含む基本条件データベースを備え、
前記設定部は、
前記再来局率が前記第1閾値以上の場合に、前記処方管理データベースに設定されている前記対象処方せんに、前記特別発注管理方式を設定する。
処方せんに含まれる薬剤の合計金額に対して適切な発注管理方式を設定する条件である第2閾値を含み、
前記設定部は、
前記処方管理データベースを用いて前記対象処方せんに含まれる薬剤の出荷金額の和を算出し、前記出荷金額の和が前記第2閾値以上の場合に、前記処方管理データベースに設定されている前記対象処方せんに、前記特別発注管理方式を設定する。
前記処方パターンデータベースから、前記組合せパターンと同一の処方パターンを抽出し、抽出した処方パターンに対応する処方回数と再来局数とに基づいて、前記再来局率を算出する。
前記処方パターンデータベースから、前記組合せパターンと部分的に一致する処方パターンを抽出し、抽出した処方パターンに対応する処方回数と再来局数とに基づいて、前記再来局率を算出する。
前記薬剤発注管理装置は、
薬剤の組合せである処方パターンと、前記処方パターンで薬剤が処方された回数を示す処方回数と、前記処方パターンの処方せんを受領した患者が薬局に再来局した回数を示す再来局数とが対応付けられた処方パターンデータベースを備え、
プロセッサが、処方せんを対象処方せんとして受け付け、前記対象処方せんに含まれる薬剤の組合せである組合せパターンに基づいて前記処方パターンデータベースから処方パターンを抽出し、抽出した処方パターンに対応する処方回数と再来局数とに基づいて、前記対象処方せんが発行された患者の再来局率を算出し、
プロセッサが、前記再来局率に基づいて、前記対象処方せんに対し、通常発注管理方式以外の発注管理方式である特別発注管理方式とするか否かを設定する。
前記薬剤発注管理装置は、
薬剤の組合せである処方パターンと、前記処方パターンで薬剤が処方された回数を示す処方回数と、前記処方パターンの処方せんを受領した患者が薬局に再来局した回数を示す再来局数とが対応付けられた処方パターンデータベースを備え、
処方せんを対象処方せんとして受け付け、前記対象処方せんに含まれる薬剤の組合せである組合せパターンに基づいて前記処方パターンデータベースから処方パターンを抽出し、抽出した処方パターンに対応する処方回数と再来局数とに基づいて、前記対象処方せんが発行された患者の再来局率を算出する算出処理と、
前記再来局率に基づいて、前記対象処方せんに対し、通常発注管理方式以外の発注管理方式である特別発注管理方式とするか否かを設定する設定処理と
をコンピュータである前記薬剤発注管理装置に実行させる。
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る薬剤発注管理装置100の構成例を示す図である。
薬剤発注管理装置100は、薬局等において薬剤師が用いるレセプトコンピュータといった店舗端末装置に搭載されている。あるいは、薬剤発注管理装置100は、店舗端末装置とネットワークを介して通信する構成でもよい。
本実施の形態に係る薬剤発注管理装置100は、処方せんから得られる薬剤の組合せに基づいて、適切な発注管理方式を判定する装置である。
通常発注管理方式は、薬局等における通常の発注管理に基づく発注方式であり、例えば、出荷したら出荷数を即座に補うように発注を行う方式である。
特別発注管理方式は、通常発注管理方式とは異なる発注方式であり、例えば患者の次回来店予測日から特定日数遡った日を薬剤の発注日とする直前発注管理方式である。直前発注管理方式では、患者の次回来店予測日に基づいて、その来店予測日の直前に発注を行うことになる。具体的には、患者の来店予測日の1週間前に発注を行うといった方式である。直前発注管理方式によれば、薬剤の在庫を約1週間で出荷することができるので、在庫管理にかかる薬局の負担が軽減される。
また特別発注管理方式の別の例として、予約発注方式がある。この発注方式は、出荷後発注を予約という形式で行うものであり、この方式によっても薬剤が在庫として存在する期間を短くすることができ、在庫管理にかかる薬局の負担が軽減される。
記憶部150は、メモリ921に備えられる。なお、記憶部150は、補助記憶装置922に備えられていてもよいし、メモリ921と補助記憶装置922に分散して備えられていてもよい。
プロセッサ910は、演算処理を行うICである。プロセッサ910の具体例は、CPU、DSP、GPUである。ICは、Integrated Circuitの略語である。CPUは、Central Processing Unitの略語である。DSPは、Digital Signal Processorの略語である。GPUは、Graphics Processing Unitの略語である。
出力インタフェース940は、ディスプレイといった表示機器941のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCDである。HDMI(登録商標)は、High Definition Multimedia Interfaceの略語である。LCDは、Liquid Crystal Displayの略語である。
薬剤発注管理プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体または記憶媒体に格納されて提供されてもよい。また、薬剤発注管理プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
図2から図6を用いて、本実施の形態に係る薬剤発注管理装置100の動作について説明する。
薬剤発注管理装置100の動作手順は、薬剤発注管理方法および薬剤発注管理処理に相当する。また、薬剤発注管理装置100の動作を実現するプログラムは、薬剤発注管理プログラムに相当する。
本実施の形態に係る薬剤発注管理処理では、処方せん単位で発注管理方式を判定する。発注管理方式を判定する対象の処方せんを対象処方せん21とする。
受付処理において、受付部110は、患者に薬剤を処方する処方せんを対象処方せん21として受け付ける。
具体的には、以下の通りである。
処方パターンデータベース151には、処方パターン識別子511、処方パターン512、処方回数513、および、再来局数514が設定されている。
処方パターン512は、薬剤の組合せを表す。図2の処方パターンデータベース151の1レコード目では、処方パターン「A,B,C,D」は、薬剤A,薬剤B,薬剤C,薬剤Dの組合せを表しており、その処方パターンの処方パターン識別子は「P001」である。また、2レコード目では、処方パターン「A」は、薬剤Aのみであることを表し、処方パターン識別子は「P002」である。このように、薬剤Aのみの処方パターンも薬剤の組合せの1つであるものとする。
処方管理データベース152には、処方せん識別子521、日にち522、患者識別子523、薬剤識別子524、処方日数525、出荷数526、出荷金額527、処方パターン識別子528、および、特別発注フラグ529が設定される。
日にち522は、処方せんを受け付けた日にちである。
患者識別子523は、患者を識別する識別子である。
薬剤識別子524は、薬剤を識別する識別子である。
処方日数525は、薬剤識別子524により識別される薬剤が処方された日数である。
出荷数526は、薬剤識別子524により識別される薬剤が出荷された数である。
出荷金額527は、薬剤識別子524により識別される薬剤の金額である。
特別発注フラグ529は、当該処方せんに含まれる薬剤を通常発注管理方式とするか否かを設定するフラグである。特別発注フラグ529が「1」の場合は、当該処方せんに含まれる薬剤をすべて特別発注管理方式で発注する。特別発注フラグ529が「1」以外の場合(「0」等、図4では「0」と表記)は、特別発注管理方式で発注しない通常発注管理方式で発注することを示す。
また、図示は無いが、薬剤発注管理装置100は、薬剤ごとの薬価が設定された薬剤データベースを備えている。出荷金額は、薬剤ごとに、薬価に出荷数526を乗じて算出される。
受付部110は、対象処方せん21から複数の処方情報を取得し、処方管理データベース152に設定する。受付部110は、対象処方せん21から、日にち522、患者識別子523、薬剤識別子524、処方日数525、および、出荷数526を取得する。また、受付部110は、薬剤識別子524に対応する薬剤の薬価を薬剤データベースより取得する。そして、受付部110は、薬価に出荷数526を乗じて出荷金額527を算出し、処方管理データベース152に設定する。
B、C、およびDの各薬剤についても、同様に処方管理データベース152の処方情報が設定される。
基本条件データベース153には、第1閾値531と第2閾値532が設定されている。
第1閾値531は、適切な発注管理方式を設定するための再来局率の条件である。再来局率については後述する。
第2閾値532は、適切な発注管理方式を設定するための、処方せんに含まれる薬剤の合計金額の条件である。
第1閾値531あるいは第2閾値532を用いて、適切な発注管理方式を設定する方法については後述する。
算出処理では、算出部120は、対象処方せん21に含まれる薬剤の組合せである組合せパターンに基づいて、処方パターンデータベース151から処方パターン512を抽出する。そして、算出部120は、抽出した処方パターン512に対応する処方回数513と再来局数514とに基づいて、対象処方せん21が発行された患者の再来局率31を算出する。
具体的には、以下の通りである。
ステップS102において、算出部120は、対象処方せん21に含まれる薬剤の組合せである組合せパターンと同一の処方パターンが処方パターンデータベース151に設定されているかを判定する。
具体的には、算出部120は、対象処方せん21から薬剤の組合せを組合せパターンとして取得する。そして、算出部120は、取得した組合せパターンをキーとして処方パターンデータベース151を検索する。組合せパターンがヒットすれば、算出部120は、対象処方せん21の組合せパターンが処方パターンデータベース151に設定されていると判定する。組合せパターンがヒットしなければ、算出部120は、対象処方せん21の組合せパターンが処方パターンデータベース151に設定されていないと判定する。
組合せパターンと同一の処方パターンが処方パターンデータベース151に設定されていない場合(ステップS102でNO)、ステップS104に進む。
図6のフロー図は、ステップS103の詳細フローである。
ステップS303において、算出部120は、対象処方せん21が発行された患者が再来局か否かを判定する。
算出部120は、処方管理データベース152を用いて、対象処方せん21が発行された患者が再来局か否かを示す情報を取得する。算出部120は、対象処方せん21を持って来局した患者が、過去一定期間内に、対象処方せん21と同一の組合せパターンの処方せんを持って来局しているかを判定する。具体的には、算出部120は、対象処方せん21を持って来局した患者の患者識別子と対象処方せん21に対応する処方パターン識別子を用いて、処方管理データベース152を検索し、日にち522が処方日数525以内で患者の患者識別子523と処方パターン識別子528が一致するレコードがあるかどうかを判定する。一致するレコードがあれば、対象処方せん21が発行された患者が再来局であると判定する。
対象処方せん21が発行された患者が再来局でなければ、ステップS103の処理を終了する。
このように、算出部120は、同じ患者が同じ組合せパターンの対象処方せん21を持って再度来局した場合は処方回数と再来局数をインクリメントし、そうでない場合は、処方回数のみをインクリメントし、再来局数はそのままとする。
なおステップS303において再来局か否かを判定するとき、日にち522が処方日数525以内であるレコードのみを抽出するのは、処方日数より超えた過去の処方については再来局と見なさないためである。例えば同じ季節に対象処方せん21を1回程度持参する患者の場合、1年前の処方については再来局とみなすことを除外したいためである。
日にち522に基づくレコードの抽出については、処方日数525以内とするだけでなく、処方日数525に所定日数を加算した日数にするなど任意に設計可能である。
処方せん識別子「S010」の対象処方せん21の組合せパターン「A,B,C,D」が、処方パターンデータベース151の処方パターン「A,B,C,D」にヒットした場合、算出部120は、処方パターン「A,B,C,D」の処方パターン識別子「P001」を、処方管理データベース152の処方せん識別子「S010」の処方パターン識別子528の欄に設定する。
また、算出部120は、処方パターン「A,B,C,D」に対応する処方回数「80」をインクリメントして「81」とする。
また、算出部120は、対象処方せん21を持って来局した患者の患者識別子「K100」と、対象処方せん21に対応する処方パターン識別子「P001」を用いて、処方管理データベース152を検索する。例えば、処方パターン識別子「P001」の処方せんを持って来局した患者「K100」の情報が処方管理データベース152にある場合、処方パターン識別子「P001」の再来局であることを意味する。よって、算出部120は、処方パターン識別子「P001」の処方せんを持ってきた患者「K100」を再来局と判定する。算出部120は、再来局数「62」を「63」にする。なお、処方パターン識別子「P001」の処方せんを持ってきた患者「K100」が初めての来局である場合は、算出部120は、再来局数については何もしない。
図7のフロー図は、ステップS104の詳細フローである。
次に、ステップS105において、算出部120は、対象処方せん21に含まれる組合せパターンに基づいて処方パターンデータベース151から処方パターンを抽出する。そして、算出部120は、抽出した処方パターンに対応する処方回数と再来局数とに基づいて、対象処方せん21が発行された患者の再来局率31を算出する。
図8のフロー図は、ステップS105の詳細フローである。
あるいは、算出部120は、処方パターンデータベース151から、組合せパターンと部分的に一致する処方パターンを抽出してもよい。
具体的には、算出部120は、抽出した処方パターン512のレコードに設定されている処方回数513の和と再来局数514の和とを算出する。
そして以下の式により、再来局率31を算出する。
(再来局率の算出式)再来局率(%)=(再来局数の和/処方回数の和)×100
図9の上段は、処方パターンデータベース151から、対象処方せん21の組合せパターンと完全に同一(完全一致)の処方パターン512のレコードを抽出し、抽出したレコードの処方回数513と再来局数514とに基づいて、再来局率31を算出する例を示している。
例えば、対象処方せん21が図3の処方せん識別子「S010」である場合を例に説明する。なお、ここでの図3の処方パターンデータベース151では、対象処方せん21を受け付けた後における処方パターンデータベース151の更新処理は終了済みであるものとする。
算出部120は、組合せパターン「A,B,C,D」と完全一致の処方パターンのレコードとして、図3の処方パターンデータベース151の1レコード目のみを抽出する。
このとき、図9の上段の(4)に示すように、再来局率31は、62/80×100=約78%と算出される。
部分一致のレコードを抽出する方法としては以下の方式が考えられる。
・組合せパターンのすべてが処方パターンに含まれているレコードを抽出する。
・組合せパターンと処方パターンとが所定の割合以上が一致するレコードを抽出する。
・組合せパターンのすべてが処方パターンに含まれており、所定の割合以上が一致するレコードを抽出する。
部分一致のレコードを抽出することができれば、その他の方式でもよい。
算出部120は、組合せパターン「A,B」と部分一致の処方パターンのレコードとして、図3の処方パターンデータベース151の1レコード目と4レコード目を抽出する。
このとき、図9の下段の(2)に示すように、再来局率31は、(62+10)/(80+70)×100=48%と算出される。
次に、設定処理において、設定部130は、再来局率31に基づいて、対象処方せん21に対し、再来局率に基づいて、所定の対象処方せんに発注管理方式を設定する。
設定部130は、対象処方せん21に対し、特別発注管理方式を設定する場合は、処方管理データベース152の特別発注フラグ529を「1」とする。また、設定部130は、対象処方せん21に対し、特別発注管理方式を設定しない場合は、処方管理データベース152の特別発注フラグ529を「0」とする。対象処方せん21に対し、特別発注管理方式とするか否かを設定することができれば、その他の方式で発注管理方式を設定してもよい。
なお前述したとおり、特別発注管理方式を設定しない(特別発注フラグ529が「0」の状態)場合は、通常発注管理方式となる。
判定方法の例1では、設定部130は、再来局率31が第1閾値531以上の場合に、処方管理データベース152に設定されている対象処方せん21に、特別発注管理方式を設定する。
また、例えば、図4の処方せん識別子「S014」の処方せんが対象処方せん21の場合について説明する。このとき、対象処方せん21(「A」)の再来局率31は「8%」である。よって、設定部130は、再来局率31が第1閾値より小さいため、処方せん識別子「S014」の対象処方せん21は特別発注管理方式にはしないと判定する。設定部130は、処方管理データベース152において、処方せん識別子「S014」の対象処方せん21に対応する特別発注フラグ529に「0」を設定する。
判定方法の例2では、設定部130は、処方管理データベース152を用いて対象処方せん21に含まれる薬剤の出荷金額の和を算出する。そして、設定部130は、出荷金額の和が第2閾値532以上の場合に、処方管理データベース152に設定されている対象処方せん21に、特別発注管理方式を設定する。
一方、出荷金額の和が第2閾値532より小さい場合は、設定部130は、判定方法の例1を用いて、対象処方せん21に対し、発注管理方式を判定する。
ステップS107において、発注部140は、対象処方せん21について設定された発注管理方式を判定する。具体的には、発注部140は、対象処方せん21について設定された特別発注フラグ529を判定する。
特別発注フラグ529が「1(特別発注管理方式)」であれば、ステップS108に進む。
特別発注フラグが「0(通常発注管理方式)」であれば、ステップS109に進む。
例えば、発注部140は、各薬剤について、日にち522から処方日数525を加算した日にちを次回来店予測日とする。そして、発注部140は、次回来店予測日から所定期間前(例えば、1週間前)を発注日、出荷数526を発注数とする発注データを生成し、発注データベースに記憶する。
発注部140は、日にち「7/20」から処方日数「90日」を加算した日にち「10/17」を、患者「K100」が薬剤「A錠」の処方のために来店すると予測される次回来店予測日とする。そして、発注部140は、次回来店予測日「10/17」から所定期間前(例えば、1週間前)の「10/10」を発注日、出荷数「270錠」を発注数とする発注データを生成する。
具体的には、図4の例における処方管理データベース152の薬剤Aにおいて、日にちが「7/6」であったとする。このとき、日にち「所定期間前(例えば、1週間前)の「9/26」を発注日とする。このとき、「9/26」は「7/6」から処方日数「90日」を加算した日にち「10/3」が、患者「K100」の次回来店予測日となる。発注部140は、次回来店予測日「10/3」から、9月の最終日の前日から1週間以内にあり、かつ、次回来店予測日「10/3」が9月の最終日より後である。よって、発注部140は、発注日を月の最終日である「9/30」に変更し、「9/30」を発注日、出荷数「270錠」を発注数とする発注データを生成する。これにより、10/1以降に薬剤が届くことになり、9月の在庫量が増大することを防ぐことができる。
処方せん識別子「S010」の処方せんが対象処方せん21の場合は、発注部140は、薬剤A,B,C,Dのすべてについて発注処理を実施する。
薬剤の発注は、発注データベースにしたがって行われる。
<変形例1>
対象処方せん21に対し、特別発注管理方式とするか否かを判定する方法には、上述した判定方法の例1および判定方法の例2以外でもよい。
例えば、以下のように再来局率と出荷金額の和とを組み合わせて判定してもよい。
再来局率が「60%」であり第1閾値より小さい値であったとしても、出荷金額の和が「10000円」のように高額となる場合は特別発注管理方式とする、と判定してもよい。
あるいは、再来局率が「80%」であり第1閾値以上であったとしても、出荷金額の和が「1000円」のように低額の場合は特別発注管理方式としない、と判定してもよい。
処方パターンデータベース131に何回目の処方であるかを設定する通算処方回数項目を設けてもよい。ステップS303で算出部120は患者が再来局か否かを判定しているが、そのときに過去何回再来局しているかの情報が取得できるため、今回の処方が何回目の処方かも判別できる。ステップS304の変形として、処方パターンデータベース131の該当する通算処方回数のレコードに、処方回数513と再来局数514をインクリメントするように構成してもよい。そのように構成することにより、通算処方回数ごとの再来局率を算出することができ、特別発注管理方式とするか否かの判定精度の向上が見込まれる。
図2から図6を用いて説明した動作では、ステップS103とステップS104で対象処方せん21の情報をインクリメントしてからステップS105で再来局率31を算出した。変形例として、対象処方せん21の情報を加味せずに、再来局率31を算出してもよい。その場合は、ステップS105~ステップS106の処理を先に行ってから、ステップS103とステップS104の処理を実行する。
図10は、本実施の形態の変形例2に係る薬剤発注管理装置100の構成例を示す図である。
本実施の形態では、薬剤発注管理装置100における受付部110と算出部120と設定部130と発注部140の機能がソフトウェアで実現される。しかし、変形例として、受付部110と算出部120と設定部130と発注部140の機能がハードウェアで実現されてもよい。
電子回路909は、受付部110と算出部120と設定部130と発注部140の機能を実現する専用の電子回路である。電子回路909は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated
Circuitの略語である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略語である。
本実施の形態に係る薬剤発注管理装置100では、過去の実績から同じ処方パターンの再来局率を算出し、再来局率に基づいて特別発注とするか否かを判定する。よって、本実施の形態に係る薬剤発注管理装置100によれば、過去の実績に基づき条件に合致した処方せんについては特別な発注管理方式を選択することができ、効果的に在庫保持期間の短縮および在庫金額の削減を図ることができる。
また、実施の形態1のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、この実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、この実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1では、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
Claims (10)
- 薬剤の組合せである処方パターンと、前記処方パターンで薬剤が処方された回数を示す処方回数と、前記処方パターンの処方せんを受領した患者が薬局に再来局した回数を示す再来局数とが対応付けられた処方パターンデータベースと、
処方せんを対象処方せんとして受け付け、前記対象処方せんに含まれる薬剤の組合せである組合せパターンに基づいて前記処方パターンデータベースから処方パターンを抽出し、抽出した処方パターンに対応する処方回数と再来局数とに基づいて、前記対象処方せんが発行された患者の再来局率を算出する算出部と、
前記再来局率に基づいて、前記対象処方せんに対し、出荷した薬剤の出荷数を補うように発注処理を行う通常発注管理方式以外の発注管理方式であって、前記対象処方せんが発行された患者の次回来店予測日より特定日数遡った日に発注処理を行う発注管理方式である特別発注管理方式とするか否かを設定する設定部と
を備える薬剤発注管理装置。 - 前記算出部は、
前記組合せパターンと同一の処方パターンが前記処方パターンデータベースに設定されていれば、前記組合せパターンと同一の処方パターンに対応する処方回数をインクリメントするとともに、前記対象処方せんが発行された患者が再来局か否かを示す情報に基づいて再来局数を設定し、前記再来局率を算出する請求項1に記載の薬剤発注管理装置。 - 前記算出部は、
前記組合せパターンと同一の処方パターンが前記処方パターンデータベースに設定されていなければ、前記組合せパターンを処方パターンとして前記処方パターンデータベースに追加し、追加した処方パターンに対応する処方回数を1と設定するとともに再来局数を0と設定し、前記再来局率を算出する請求項1または請求項2に記載の薬剤発注管理装置。 - 前記薬剤発注管理装置は、
処方せんを識別する処方せん識別子と、患者を識別する患者識別子と、前記処方せんに含まれる薬剤の各薬剤の出荷金額とを含む情報を管理する処方管理データベースを備え、
前記設定部は、
前記処方管理データベースに管理されている前記対象処方せんに対し、前記特別発注管理方式か否かを設定する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の薬剤発注管理装置。 - 前記薬剤発注管理装置は、
前記再来局率に対して適切な発注管理方式を設定する条件である第1閾値を含む基本条件データベースを備え、
前記設定部は、
前記再来局率が前記第1閾値以上の場合に、前記処方管理データベースに設定されている前記対象処方せんに、前記特別発注管理方式を設定する請求項4に記載の薬剤発注管理装置。 - 前記基本条件データベースは、
処方せんに含まれる薬剤の合計金額に対して適切な発注管理方式を設定する条件である第2閾値を含み、
前記設定部は、
前記処方管理データベースを用いて前記対象処方せんに含まれる薬剤の出荷金額の和を算出し、前記出荷金額の和が前記第2閾値以上の場合に、前記処方管理データベースに設定されている前記対象処方せんに、前記特別発注管理方式を設定する請求項5に記載の薬剤発注管理装置。 - 前記算出部は、
前記処方パターンデータベースから、前記組合せパターンと同一の処方パターンを抽出し、抽出した処方パターンに対応する処方回数と再来局数とに基づいて、前記再来局率を算出する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の薬剤発注管理装置。 - 前記算出部は、
前記処方パターンデータベースから、前記組合せパターンと部分的に一致する処方パターンを抽出し、抽出した処方パターンに対応する処方回数と再来局数とに基づいて、前記再来局率を算出する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の薬剤発注管理装置。 - プロセッサを備え、薬剤の発注を管理する薬剤発注管理装置に用いられる薬剤発注管理方法において、
前記薬剤発注管理装置は、
薬剤の組合せである処方パターンと、前記処方パターンで薬剤が処方された回数を示す処方回数と、前記処方パターンの処方せんを受領した患者が薬局に再来局した回数を示す再来局数とが対応付けられた処方パターンデータベースを備え、
プロセッサが、処方せんを対象処方せんとして受け付け、前記対象処方せんに含まれる薬剤の組合せである組合せパターンに基づいて前記処方パターンデータベースから処方パターンを抽出し、抽出した処方パターンに対応する処方回数と再来局数とに基づいて、前記対象処方せんが発行された患者の再来局率を算出し、
プロセッサが、前記再来局率に基づいて、前記対象処方せんに対し、出荷した薬剤の出荷数を補うように発注処理を行う通常発注管理方式以外の発注管理方式であって、前記対象処方せんが発行された患者の次回来店予測日より特定日数遡った日に発注処理を行う発注管理方式である特別発注管理方式とするか否かを設定する薬剤発注管理方法。 - 薬剤の発注を管理する薬剤発注管理装置に用いられる薬剤発注管理プログラムにおいて、
前記薬剤発注管理装置は、
薬剤の組合せである処方パターンと、前記処方パターンで薬剤が処方された回数を示す処方回数と、前記処方パターンの処方せんを受領した患者が薬局に再来局した回数を示す再来局数とが対応付けられた処方パターンデータベースを備え、
処方せんを対象処方せんとして受け付け、前記対象処方せんに含まれる薬剤の組合せである組合せパターンに基づいて前記処方パターンデータベースから処方パターンを抽出し、抽出した処方パターンに対応する処方回数と再来局数とに基づいて、前記対象処方せんが発行された患者の再来局率を算出する算出処理と、
前記再来局率に基づいて、前記対象処方せんに対し、出荷した薬剤の出荷数を補うように発注処理を行う通常発注管理方式以外の発注管理方式であって、前記対象処方せんが発行された患者の次回来店予測日より特定日数遡った日に発注処理を行う発注管理方式である特別発注管理方式とするか否かを設定する設定処理と
をコンピュータである前記薬剤発注管理装置に実行させる薬剤発注管理プログラム。
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