JP6473219B1 - 在庫管理装置、在庫管理システム、在庫管理方法、および在庫管理プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、売上データベースから先発品と後発品の売上高を抽出し、売上高に基づいて先発品から後発品への代替状況を時系列で取得する技術が開示されている。
また、薬品は、通常、成分により区分されるグループに分けられる。特許文献1の技術では、先発品あるいは後発品という大きなくくりでのみ分類しているため、グループごとの代替状況を把握することができないという課題がある。
薬品の成分を表す一般名により区分されるグループを識別するグループID(IDentifier)と、前記グループに属する薬品を識別する薬品IDと、前記薬品IDにより識別される薬品が先発品であるか後発品であるかを示す薬品種別とが対応付けられた薬品情報を記憶する記憶部と、
前記店舗端末装置から、調剤日時と、処方箋に記載された処方薬品の薬品IDと、調剤された調剤薬品の薬品IDとが対応付けられた薬局調剤データを取得し、前記薬局調剤データを調剤情報として蓄積するデータ取得部と、
前記薬品情報と前記調剤情報とに基づいて、前記グループごとに、調剤の際に処方薬品が後発品の調剤薬品に変更された割合を表す変更率を算出する変更率算出部とを備えた。
前記グループごとに、後発品の調剤薬品が調剤された回数を先発品の処方薬品が処方された処方回数で割った値を前記変更率とする。
前記変更率算出部は、
前記グループごとに、後発品に変更された調剤薬品の調剤量の合計を調剤薬品の調剤量の合計で割った値を前記変更率とする。
前記変更率算出部は、
前記変更率を算出する期間を算出期間として取得し、前記後発品の前記発売開始時期が前記算出期間の範囲内である場合に、前記算出期間の始期を前記後発品の発売開始時期以降に補正し、前記調剤情報のうち前記算出期間に含まれる薬局調剤データを用いて前記変更率を算出する。
同一グループに複数種類の後発品が存在する場合、後発品の種類ごとに前記変更率を算出する。
前記変更率算出部は、
前記薬局ごとに、前記変更率を算出する。
前記変更率算出部は、
前記医師ごとに、前記変更率を算出する。
前記変更率算出部は、
前記患者ごとまたは患者属性ごとに、前記変更率を算出する。
前記店舗端末装置は、
調剤日時と、処方箋に記載された処方薬品の薬品IDと、調剤された調剤薬品の薬品IDとが対応付けられた薬局調剤データを送信するデータ送信部を備え、
前記在庫管理装置は、
薬品の成分を表す一般名により区分されるグループを識別するグループID(IDentifier)と、前記グループに属する薬品を識別する薬品IDと、前記薬品IDにより識別される薬品が先発品であるか後発品であるかを示す薬品種別とが対応付けられた薬品情報を記憶する記憶部と、
前記店舗端末装置から前記薬局調剤データを受信し、前記薬局調剤データを調剤情報として蓄積するデータ取得部と、
前記薬品情報と前記調剤情報とに基づいて、前記グループごとに、調剤の際に処方薬品が後発品の調剤薬品に変更された割合を表す変更率を算出する変更率算出部と
を備え、
前記店舗端末装置は、
前記グループごとに算出された前記変更率に基づいて、前記グループに属する薬品について発注する先発品と後発品の割合を判定する発注判定部を備えた。
前記店舗端末装置のデータ送信部が、調剤日時と、処方箋に記載された処方薬品の薬品IDと、調剤された調剤薬品の薬品IDとが対応付けられた薬局調剤データを送信し、
前記在庫管理装置の記憶部が、薬品の成分を表す一般名により区分されるグループを識別するグループID(IDentifier)と、前記グループに属する薬品を識別する薬品IDと、前記薬品IDにより識別される薬品が先発品であるか後発品であるかを示す薬品種別とが対応付けられた薬品情報を記憶し、
前記在庫管理装置のデータ取得部が、前記店舗端末装置から前記薬局調剤データを受信し、前記薬局調剤データを調剤情報として蓄積し、
前記在庫管理装置の変更率算出部が、前記薬品情報と前記調剤情報とに基づいて、前記グループごとに、調剤の際に処方薬品が後発品の調剤薬品に変更された割合を表す変更率を算出し、
前記店舗端末装置の発注判定部は、
前記グループごとに算出された前記変更率に基づいて、前記グループに属する薬品について発注する先発品と後発品の割合を判定する。
前記店舗端末装置のデータ送信部が、調剤日時と、処方箋に記載された処方薬品の薬品IDと、調剤された調剤薬品の薬品IDとが対応付けられた薬局調剤データを送信するデータ送信処理と、
前記在庫管理装置の記憶部が、薬品の成分を表す一般名により区分されるグループを識別するグループID(IDentifier)と、前記グループに属する薬品を識別する薬品IDと、前記薬品IDにより識別される薬品が先発品であるか後発品であるかを示す薬品種別とが対応付けられた薬品情報を記憶する記憶処理と、
前記在庫管理装置のデータ取得部が、前記店舗端末装置から前記薬局調剤データを受信し、前記薬局調剤データを調剤情報として蓄積するデータ取得処理と、
前記在庫管理装置の変更率算出部が、前記薬品情報と前記調剤情報とに基づいて、前記グループごとに、調剤の際に処方薬品が後発品の調剤薬品に変更された割合を表す変更率を算出する変更率算出処理と、
前記店舗端末装置の発注判定部が、前記グループごとに算出された前記変更率に基づいて、前記グループに属する薬品について発注する先発品と後発品の割合を判定する発注判定処理と
をコンピュータに実行させる。
***構成の説明***
図1を用いて、本実施の形態に係る在庫管理システム500の構成例について説明する。
在庫管理システム500は、薬局20が備える店舗端末装置200と、店舗端末装置200と通信する在庫管理装置100とを備えている。店舗端末装置200は、具体的にはレセプトコンピュータである。
図1では、在庫管理システム500は、店舗端末装置200として複数の店舗端末装置200a,200bを備えている。複数の店舗端末装置200a,200bの各々は、ネットワーク300を介して在庫管理装置100と通信する。店舗端末装置200aは、薬局20aに備えられている端末である。また、店舗端末装置200bは、薬局20bに備えられている端末である。薬局20a,20bは、具体的には、チェーン店である。以下において、店舗端末装置200a,200bを単に店舗端末装置200と称する場合がある。また、薬局20a,20bを単に薬局20と称する場合がある。
在庫管理装置100は、チェーン店である薬局20を管理するサーバである。
在庫管理装置100は、コンピュータである。在庫管理装置100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
記憶部130は、メモリ921に備えられる。
プロセッサ910は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910の具体例は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
在庫管理プログラムは、上記の各部の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えた各処理、各手順あるいは各工程を、コンピュータに実行させる。また、在庫管理方法は、在庫管理装置100が在庫管理プログラムを実行することにより行われる方法である。
在庫管理プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、在庫管理プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
店舗端末装置200は、コンピュータである。店舗端末装置200は、プロセッサ910xを備えるとともに、メモリ921x、補助記憶装置922x、入力インタフェース930x、出力インタフェース940x、および通信装置950xといった他のハードウェアを備える。プロセッサ910xは、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。また、店舗端末装置200は、機能要素として、データ送信部210と発注判定部220を備える。
なお、データ送信部210は、通信装置950xを介して薬局調剤データ10を在庫管理装置100に送信する。また、発注判定部220は、通信装置950xを介して変更率情報50を在庫管理装置100から受信する。
薬品情報132は、記憶部130に記憶される。薬品情報132は予め記憶部130に記憶されていてもよい。あるいは、在庫管理装置100が、別の管理サーバから薬品情報132を取得し、記憶部130に記憶してもよい。
薬品情報132では、グループID321、薬品ID322、薬品種別323、薬品名324、および発売開始時期325が対応付けられている。図4に示すように、これらの項目は、表形式の薬品情報132の一行に設定される。なお、本実施の形態では、薬品情報132を表形式のデータ構造としているが、これらの項目を対応付けて設定することができればデータ構造は問わない。
薬品ID322は、グループに属する薬品を識別する識別子である。
薬品種別323は、薬品ID322により識別される薬品が一般名により表されているか、先発品であるか、あるいは後発品であるかを示す値が設定される。先発品とは先発医薬品であり、後発品とは後発医薬品、すなわちジェネリック医薬品である。ここでは、薬品が一般名で表されている場合、0が設定される。薬品が先発品である場合、1が設定される。薬品が後発品である場合、2が設定される。
薬品名324は、薬品ID322により識別される薬品の一般名あるいは商品名が設定される。一般名とは薬品の成分を表す名称である。薬品名324が商品名の場合は、その薬品名324が付された薬品は先発品もしくは後発品である。
発売開始時期325は、薬品ID322により識別される薬品の発売が開始された時期である。
例えば、薬品情報132の3行目は、グループIDが001、薬品IDが222、薬品種別が2、薬品名が薬品B、そして発売開始時期が2015年1月であることを示している。
次に、本実施の形態に係る在庫管理システム500の動作である在庫管理処理S100について説明する。
在庫管理処理S100は、調剤情報蓄積処理S110と、変更率算出処理S120と、発注判定処理S130とを有する。
図5は、本実施の形態に係る調剤情報蓄積処理S110を示すフローチャートである。
ステップS111において、店舗端末装置200のデータ送信部210は、調剤日時と、処方箋に記載された処方薬品の薬品IDと、調剤された調剤薬品の薬品IDとが対応付けられた薬局調剤データ10を送信する。データ送信部210は、通信装置950xを介して薬局調剤データ10を在庫管理装置100に送信する。具体的には、データ送信部210は、定期的に薬局調剤データ10を在庫管理装置100に送信する。あるいは、データ送信部210は、薬局20において処方箋に対する調剤が完了した都度、薬局調剤データ10を送信してもよい。
ステップS112において、在庫管理装置100のデータ取得部110は、通信装置950を介して、店舗端末装置200から薬局調剤データ10を取得する。
ステップS113において、データ取得部110は、薬局調剤データ10を調剤情報131として記憶部130に蓄積する。言い換えると、データ取得部110は、薬局調剤データ10を調剤情報131に蓄積する。
図6に示すように、調剤情報131は薬局調剤データ10が蓄積された情報である、薬局調剤データ10には、患者ID311、調剤日時312、薬局ID313、処方薬品の薬品ID314、および調剤薬品の薬品ID315が含まれる。調剤情報131の各行が店舗端末装置200から送信された薬局調剤データ10となっている。なお、本実施の形態では、調剤情報131を表形式のデータ構造としているがこれらの項目が対応付けられた情報であれば、データ構造は問わない。
調剤日時312は、処方箋に従って調剤が実施された日時である。
薬局ID313は、薬局調剤データ10の送信元の薬局20を識別する識別子である。送信元の薬局20が備える店舗端末装置200から当該行の薬局調剤データ10が送信されたことを示している。
処方薬品の薬品ID314は、処方箋に記載された処方薬品を識別する薬品IDである。
調剤薬品の薬品ID315は、処方箋に基づいて調剤された調剤薬品を識別する薬品IDである。
処方箋には、処方薬品として、一般名もしくは商品名が記載される。処方薬品が一般名の場合、薬局では先発品あるいは後発品を調剤する。また、処方薬品が先発品の場合、薬局ではそのまま先発品を調剤するか、あるいは、患者の同意を得た上で後発品を調剤する。また、処方薬品が後発品の場合、薬局では通常そのまま後発品を調剤する。
なお、薬局調剤データ10は、患者IDにより識別される患者の属性を患者属性として含んでいてもよい。患者属性には、「高齢」、「乳幼児」、「妊婦」、「既往歴」といった情報がある。
図7は、本実施の形態に係る変更率算出処理S120を示すフローチャートである。
図8は、本実施の形態に係る変更率算出処理S120の詳細を説明する図である。
変更率算出部120は、薬品情報132と調剤情報131とに基づいて、グループごとに、調剤の際に処方薬品が後発品の調剤薬品に変更された割合を表す変更率Rを算出する。
変更率算出部120は、算出用調剤情報133から、調剤日時が算出期間Tの範囲内である薬局調剤データを抽出する。
図8に示すように、算出用調剤情報133は、グループID331ごとに、薬局調剤データ10と同様の項目と、処方薬品が後発品に変更されたか否かを表す変更種別332と、算出された変更率Rとが設定される。変更種別332は、薬局調剤データ10ごと、すなわち行ごとに設定される。変更率Rは、グループIDごとに設定される。
変更種別332は、後発品への変更がない場合には0が設定される。また、処方薬品が後発品の調剤薬品に変更された場合には1が設定される。処方薬品が後発品の調剤薬品に変更された場合には、先発品の処方薬品が後発品の調剤薬品に変更された場合と、一般名の処方薬品が後発品の調剤薬品に変更された場合とを含む。
図8の算出用調剤情報133のグループID001において、1行目は先発品の処方薬品に対して同一の先発品が調剤されているので変更なしとなり、変更種別332には0が設定されている。3行目は先発品の処方薬品に対して後発品が調剤されているので変更ありとなり、変更種別332には1が設定されている。
また、図8の算出用調剤情報133のグループID002において、1行目(全体の5行目)は一般名の処方薬品に対して先発品が調剤されているので変更なしとなり、変更種別332には0が設定されている。2行目(全体の6行目)では、後発品の処方薬品に対して後発品が調剤されているので、後発品への変更とはならない。このように後発品が処方され後発品を調剤した場合の薬局調剤データは、変更率Rの算出に用いるのは不適当である。よって、このように後発品が処方され後発品を調剤した薬局調剤データは削除される。あるいは、後発品が処方され後発品を調剤した薬局調剤データには、変更種別332に「−」といった無効を表す値が設定され、変更率Rの算出に用いないことを示してもよい。
図8の算出用調剤情報133のグループID001において、変更種別332に1が設定されている行の数は2であり、変更種別332に0または1が設定されている行の数は4である。よって、変更率R=2/4=0.5となり、グループID001の変更率Rは50%となる。
図8の算出用調剤情報133のグループID002において、変更種別332に1が設定されている行の数は0であり、変更種別332に0または1が設定されている行の数は1である。よって、変更率R=0/1=0となり、グループID002の変更率Rは0%となる。
図9は、本実施の形態に係る発注判定処理S130を示すフローチャートである。
ステップS131において、発注判定部220は、通信装置950xを介して、在庫管理装置100から送信された変更率情報50を受信する。
ステップS132において、発注判定部220は、変更率情報50に含まれるグループごとに算出された変更率Rに基づいて、グループに属する薬品について発注する先発品と後発品の割合を判定する。
あるいは、発注判定部220は、発注量を判定する際の閾値として変更率Rを用いてもよい。例えば、30%を閾値として、変更率Rが30%未満の場合は、変更率Rを使用しないで、先発品のみを発注するようにしてもよい。
<変形例1>
変更率算出部120は、同一グループに複数種類の後発品が存在する場合、後発品の種類ごとに変更率Rを算出してもよい。
図8の算出用調剤情報133のグループID001では、同一グループの調剤薬品の薬品IDとして「333」と「222」の2種類の後発品が存在する。このとき、変更率算出部120は、調剤薬品の薬品ID「333」について、変更種別332に1が設定されている行の数「1」を、変更種別332に0または1が設定されている行の数「4」で割った値を変更率R「25%」と算出する。また、変更率算出部120は、調剤薬品の薬品ID「222」について、変更種別332に1が設定されている行の数「1」を、変更種別332に0または1が設定されている行の数「4」で割った値を変更率R「25%」と算出する。そして、変更率算出部120は、グループごと、かつ、後発品の種類ごとに算出した変更率Rを変更率情報50として処理する。
あるいは、関連する複数のグループごとの変更率Rを算出してもよい。
変更率算出部120は、薬局ごとに変更率Rを算出してもよい。
図8の算出用調剤情報133のグループID001では、「T005」と「T002」と「T001」の3つの薬局IDが存在する。このとき、変更率算出部120は、薬局ID「T005」について、変更種別332に1が設定されている行の数「1」を、変更種別332に0または1が設定されている行の数「2」で割った値を変更率R「50%」と算出する。また、変更率算出部120は、薬局ID「T002」について、変更種別332に1が設定されている行の数「0」を、変更種別332に0または1が設定されている行の数「1」で割った値を変更率R「0%」と算出する。また、変更率算出部120は、薬局ID「T001」について、変更種別332に1が設定されている行の数「1」を、変更種別332に0または1が設定されている行の数「1」で割った値を変更率R「100%」と算出する。そして、変更率算出部120は、グループごと、かつ、薬局ごとに算出した変更率Rを変更率情報50として処理する。
変更率算出部120は、患者ごとに変更率Rを算出してもよい。
図8の算出用調剤情報133のグループID001では、「K123」と「K345」と「K555」の3名の患者IDが存在する。このとき、変更率算出部120は、患者ID「K123」について、変更種別332に1が設定されている行の数「1」を、変更種別332に0または1が設定されている行の数「2」で割った値を変更率R「50%」と算出する。また、変更率算出部120は、患者ID「K345」について、変更種別332に1が設定されている行の数「1」を、変更種別332に0または1が設定されている行の数「1」で割った値を変更率R「100%」と算出する。また、変更率算出部120は、患者ID「K555」について、変更種別332に1が設定されている行の数「0」を、変更種別332に0または1が設定されている行の数「1」で割った値を変更率R「0%」と算出する。そして、変更率算出部120は、グループごと、かつ、患者ごとに算出した変更率Rを変更率情報50として処理する。
変更率算出部120は、患者の属性ごとに変更率Rを算出してもよい。図示はないが、例えば、患者ごとに特記事項として患者属性が設定されているものとする。患者属性には、「高齢」、「乳幼児」、「妊婦」、「既往歴」といった情報がある。変更率算出部120は、患者属性ごとに患者をグルーピングして変更率Rを算出する。
図8の算出用調剤情報133のグループID001では、「K123」と「K345」と「K555」の3名の患者IDが存在する。このとき、「K123」と「K345」が同一属性、例えば高齢という属性を有しているとする。変更率算出部120は、患者ID「K123」および「K345」について、変更種別332に1が設定されている行の数「2」を、変更種別332に0または1が設定されている行の数「3」で割った値を変更率R「約67%」と算出する。そして、変更率算出部120は、グループごと、かつ、患者の属性ごとに算出した変更率Rを変更率情報50として処理する。
また、薬局調剤データに、処方箋を発行した医師を識別する医師IDを含むようにしてもよい。そして、変更率算出部は、医師ごとに変更率Rを算出してもよい。変形例2あるいは変形例3において、薬局IDあるいは患者IDを医師IDに置き換えて同様の処理を行うことにより、変更率算出部120は、グループごと、かつ、医師ごとに変更率Rを算出できる。
本実施の形態、および、変形例2から変形例4では、グループごとの変更率Rを算出した。しかし、グループごとではなく、単に、薬局ごと、患者ごと、あるいは医師ごとに変更率Rを算出しても構わない。単に、薬局ごと、患者ごと、患者の属性ごと、あるいは医師ごとに変更率Rを算出することにより、薬品の種類に関わらず、薬局、患者、患者の属性、あるいは医師における後発品への変更の傾向を知ることができる。
本実施の形態では、在庫管理装置100におけるデータ取得部110と変更率算出部120の機能がソフトウェアで実現される。しかし、変形例として、データ取得部110と変更率算出部120の機能がハードウェアで実現されてもよい。また、店舗端末装置200におけるデータ送信部210と発注判定部220の機能がハードウェアで実現されてもよい。
処理回路は、データ取得部110と変更率算出部120の機能を実現する専用の電子回路である。あるいは、処理回路は、データ送信部210と発注判定部220の機能を実現する専用の電子回路である。処理回路は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field−Programmable Gate Arrayの略語である。
本実施の形態に係る在庫管理システムでは、チェーン店である複数の店舗の調剤情報を在庫管理装置で集約する。そして、在庫管理装置は、処方薬品から調剤薬品の変移を薬品のグループごとに抽出し、グループごとに変更率を算出する。よって、本実施の形態に係る在庫管理システムによれば、薬品のグループごとの変更率を高い精度で算出することができる。
本実施の形態では、主に、実施の形態1との相違点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、調剤薬品の発売開始時期が変更率Rの算出期間Tの範囲内である場合に、調剤情報131のうち発売開始時期から算出期間Tの終期(終了時期)までの薬局調剤データ10を用いて変更率Rを算出する態様について説明する。
図10の変更率算出処理S120aは、図7の変更率算出処理S120のステップS122とステップS123の間に、ステップS122aおよびステップS122bを有する。
図8の算出用調剤情報133を用いて、具体例1について説明する。
具体例1では、算出期間Tが2017年10月から2017年11月であるものとする。グループID001では、調剤薬品の薬品ID「333」と「222」が後発品である。薬品情報132から、薬品ID「222」の発売開始時期が2015年1月であり、薬品ID「333」の発売開始時期が2017年9月である。よって、変更率算出部120は、算出期間T内に薬品ID「222」および「333」が既に販売されていると判定し、算出期間Tの補正は行わない。
図8のグループID001では、変更率算出部120は、算出期間T内に薬品ID「222」および「333」が既に販売されていると判定し、算出期間Tの補正は行わない。すなわち、算出期間Tは2017年10月から2017年11月のままである。変更率算出部120は、算出用調剤情報133のグループID001の行から、算出期間Tの始期から終期まで(2017年10月から2017年11月)の範囲内の行を抽出する。図8の例では、1行目の患者ID「K555」の行が調剤日時2017年8月であるため、それ以外の2行目から4行目までの3行が抽出される。
ステップS123およびステップS124において、変更率算出部120は、抽出した薬局調剤データに基づいて、グループID001の変更率Rを算出する。このとき、抽出した3行のうち変更種別332に1が設定されている行の数は2であり、変更種別332に0または1が設定されている行の数は3となる。よって、変更率R=2/3となり、グループID001の変更率Rは約67%となる。
具体例2では、算出期間Tが2014年11月から2017年9月であるものとする。グループID001では、調剤薬品の薬品ID「333」と「222」が後発品である。薬品情報132から、薬品ID「222」の発売開始時期が2015年1月であり、薬品ID「333」の発売開始時期が2017年9月である。ここで、2014年11月から最初の後発品の発売開始時期である2015年1月までの調剤情報131は、変更率Rを算出するのに用いると変更率Rが適正に算出されない。よって、変更率算出部120は、算出期間Tの始期を最初の後発品の発売開始時期、あるいは、発売開始時期以降に補正する。具体的には、2014年11月から2017年9月までの算出期間Tを2015年1月から2017年9月までに補正する。
図8の例では、発売開始時期が算出期間Tの範囲内の後発品があるグループIDは「001」であり、上述のように、2014年11月から2017年9月までの算出期間Tは、2015年1月から2017年9月までに補正される。変更率算出部120は、算出用調剤情報133のグループID001の行から、補正後の算出期間Tの始期から終期まで(2015年1月から2017年9月まで)の範囲内の行を抽出する。図8の例では、1行目の患者ID「K555」の行が調剤日時2017年8月であり、それ以外の2行目から4行目までの3行が調剤日時2017年11月であるため、1行目のみ抽出される。
ステップS123およびステップS124において、変更率算出部120は、抽出した薬局調剤データに基づいて、グループID001の変更率Rを算出する。このとき、抽出した1行のうち変更種別332に1が設定されている行の数は0であり、変更種別332に0または1が設定されている行の数は1となる。よって、変更率R=0/1となり、グループID001の変更率Rは0%となる。
また変更率算出部120は、算出期間Tの終期がいずれかの後発品の発売開始時期より前であるときは、そのグループID内での変更率Rは算出できないと判定してもよい。
本実施の形態では、主に、実施の形態1との相違点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態1では、後発品に変更された回数に基づいて、変更率を算出していた。本実施の形態では、後発品に変更された調剤薬品の調剤量に基づいて変更率を算出する態様について説明する。
調剤情報131bには、実施の形態1で説明した調剤情報131の項目に、調剤薬品の調剤量316の項目が加わっている。
図12の算出用調剤情報133bでは、調剤日時、薬局ID、および処方薬品の薬品IDは図8の算出用調剤情報133と同様であるため省略する。
図12の算出用調剤情報133bのグループID001において、変更種別332に1が設定されている行は3行目と4行目である。3行目と4行目の調剤薬品の調剤量の合計は42+42=84である。また、変更種別332に0または1が設定されている行の調剤薬品の調剤量の合計は14+42+42+42=140である。よって、変更率R=84/140=0.6となり、グループID001の変更率Rは60%となる。
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物および用途の範囲を制限することを意図するものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
Claims (11)
- 薬局が備える店舗端末装置と通信する在庫管理装置において、
薬品の成分を表す一般名により区分されるグループを識別するグループID(IDentifier)と、前記グループに属する薬品を識別する薬品IDと、前記薬品IDにより識別される薬品が先発品であるか後発品であるかを示す薬品種別とが対応付けられた薬品情報を記憶する記憶部と、
前記店舗端末装置から、調剤日時と、処方箋に記載された処方薬品の薬品IDと、調剤された調剤薬品の薬品IDとが対応付けられた薬局調剤データを取得し、前記薬局調剤データを調剤情報として蓄積するデータ取得部と、
前記薬品情報と前記調剤情報とに基づいて、前記グループごとに、調剤の際に処方薬品が後発品の調剤薬品に変更された割合を表す変更率を算出する変更率算出部と
を備えた在庫管理装置。 - 前記変更率算出部は、
前記グループごとに、後発品の調剤薬品が調剤された回数を先発品の処方薬品が処方された処方回数で割った値を前記変更率とする請求項1に記載の在庫管理装置。 - 前記薬局調剤データは、調剤薬品の調剤量を含み、
前記変更率算出部は、
前記グループごとに、後発品に変更された調剤薬品の調剤量の合計を調剤薬品の調剤量の合計で割った値を前記変更率とする請求項1に記載の在庫管理装置。 - 前記薬品情報は、前記薬品IDにより識別される薬品の発売開始時期が対応付けられており、
前記変更率算出部は、
前記変更率を算出する期間を算出期間として取得し、前記後発品の前記発売開始時期が前記算出期間の範囲内である場合に、前記算出期間の始期を前記後発品の発売開始時期以降に補正し、前記調剤情報のうち前記算出期間に含まれる薬局調剤データを用いて前記変更率を算出する請求項1から3のいずれか1項に記載の在庫管理装置。 - 前記変更率算出部は、
同一グループに複数種類の後発品が存在する場合、後発品の種類ごとに前記変更率を算出する請求項1から4のいずれか1項に記載の在庫管理装置。 - 前記薬局調剤データは、前記薬局を識別する薬局IDを含み、
前記変更率算出部は、
前記薬局ごとに、前記変更率を算出する請求項1から5のいずれか1項に記載の在庫管理装置。 - 前記薬局調剤データは、前記処方箋を発行した医師を識別する医師IDを含み、
前記変更率算出部は、
前記医師ごとに、前記変更率を算出する請求項1から6のいずれか1項に記載の在庫管理装置。 - 前記薬局調剤データは、前記処方箋が発行された患者を識別する患者IDおよび患者属性を含み、
前記変更率算出部は、
前記患者ごとまたは患者属性ごとに、前記変更率を算出する請求項1から7のいずれか1項に記載の在庫管理装置。 - 薬局が備える店舗端末装置と前記店舗端末装置と通信する在庫管理装置とを備えた在庫管理システムにおいて、
前記店舗端末装置は、
調剤日時と、処方箋に記載された処方薬品の薬品IDと、調剤された調剤薬品の薬品IDとが対応付けられた薬局調剤データを送信するデータ送信部を備え、
前記在庫管理装置は、
薬品の成分を表す一般名により区分されるグループを識別するグループID(IDentifier)と、前記グループに属する薬品を識別する薬品IDと、前記薬品IDにより識別される薬品が先発品であるか後発品であるかを示す薬品種別とが対応付けられた薬品情報を記憶する記憶部と、
前記店舗端末装置から前記薬局調剤データを受信し、前記薬局調剤データを調剤情報として蓄積するデータ取得部と、
前記薬品情報と前記調剤情報とに基づいて、前記グループごとに、調剤の際に処方薬品が後発品の調剤薬品に変更された割合を表す変更率を算出する変更率算出部と
を備え、
前記店舗端末装置は、
前記グループごとに算出された前記変更率に基づいて、前記グループに属する薬品について発注する先発品と後発品の割合を判定する発注判定部を備えた在庫管理システム。 - 薬局が備える店舗端末装置と前記店舗端末装置と通信する在庫管理装置とを備えた在庫管理システムの在庫管理方法において、
前記店舗端末装置のデータ送信部が、調剤日時と、処方箋に記載された処方薬品の薬品IDと、調剤された調剤薬品の薬品IDとが対応付けられた薬局調剤データを送信し、
前記在庫管理装置の記憶部が、薬品の成分を表す一般名により区分されるグループを識別するグループID(IDentifier)と、前記グループに属する薬品を識別する薬品IDと、前記薬品IDにより識別される薬品が先発品であるか後発品であるかを示す薬品種別とが対応付けられた薬品情報を記憶し、
前記在庫管理装置のデータ取得部が、前記店舗端末装置から前記薬局調剤データを受信し、前記薬局調剤データを調剤情報として蓄積し、
前記在庫管理装置の変更率算出部が、前記薬品情報と前記調剤情報とに基づいて、前記グループごとに、調剤の際に処方薬品が後発品の調剤薬品に変更された割合を表す変更率を算出し、
前記店舗端末装置の発注判定部は、
前記グループごとに算出された前記変更率に基づいて、前記グループに属する薬品について発注する先発品と後発品の割合を判定する在庫管理方法。 - 薬局が備える店舗端末装置と前記店舗端末装置と通信する在庫管理装置とを備えた在庫管理システムの在庫管理プログラムにおいて、
前記店舗端末装置のデータ送信部が、調剤日時と、処方箋に記載された処方薬品の薬品IDと、調剤された調剤薬品の薬品IDとが対応付けられた薬局調剤データを送信するデータ送信処理と、
前記在庫管理装置の記憶部が、薬品の成分を表す一般名により区分されるグループを識別するグループID(IDentifier)と、前記グループに属する薬品を識別する薬品IDと、前記薬品IDにより識別される薬品が先発品であるか後発品であるかを示す薬品種別とが対応付けられた薬品情報を記憶する記憶処理と、
前記在庫管理装置のデータ取得部が、前記店舗端末装置から前記薬局調剤データを受信し、前記薬局調剤データを調剤情報として蓄積するデータ取得処理と、
前記在庫管理装置の変更率算出部が、前記薬品情報と前記調剤情報とに基づいて、前記グループごとに、調剤の際に処方薬品が後発品の調剤薬品に変更された割合を表す変更率を算出する変更率算出処理と、
前記店舗端末装置の発注判定部が、前記グループごとに算出された前記変更率に基づいて、前記グループに属する薬品について発注する先発品と後発品の割合を判定する発注判定処理と
をコンピュータに実行させる在庫管理プログラム。
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