JP7231330B2 - エンジン構成部品 - Google Patents

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Description

本開示はエンジン構成部品に関する。
従来、エンジン構成部品の表面に遮熱層を設ける技術が知られている。エンジン構成部品として、例えば、燃焼室に臨む部材等が挙げられる。特許文献1には、無機酸化物から成る中空粒子と、フィラー材と、ガラス質材とを含む遮熱層が記載されている。
特開2015-68302号公報
遮熱層は、遮熱性が高い必要がある。また、遮熱層は、エンジンを構成する部材に対する密着性が良好である必要がある。従来の遮熱層は、遮熱性と密着性とを両立させることが困難であった。本開示の一局面は、遮熱層の遮熱性が高く、基材に対する遮熱層の密着性が良好であるエンジン構成部品を提供することを目的とする。
本開示の一局面は、金属製の基材と、前記基材の表面に設けられた遮熱層と、を備えるエンジン構成部品であって、前記遮熱層は、ガラス及び無機繊維を含み、前記遮熱層を厚み方向に貫通する連続気孔を有する多孔質体からなり、前記基材の表面の表面粗さRaは3.2~25μmであり、前記基材の表面の表面粗さRzは12.5~50μmであるエンジン構成部品である。
本開示の一局面であるエンジン構成部品は遮熱層を備える。その遮熱層は、ガラス及び無機繊維を含む多孔質体により構成され、熱伝導率が低く、遮熱性に優れる。そのため、本開示の一局面であるエンジン構成部品は、基材への熱伝導を遮熱層によって抑制できる。
基材上に遮熱層を形成するとき、基材上の遮熱層形成層を加熱し、その後、冷却する。加熱された遮熱層形成層は溶融し、基材に引っ張られて膨張する。その後、遮熱層形成層が冷却され遮熱層が形成されるが、そのとき、一般的に、遮熱層の収縮量は基材の収縮量より小さいので、遮熱層と基材との界面に応力が生じる。応力によって遮熱層が割れると、遮熱層が基材から剥がれてしまう。
本開示の一局面であるエンジン構成部品では、基材上に遮熱層を形成するとき、遮熱層が基材から剥がれ難い。その理由は以下のように推測される。遮熱層は多孔質体により構成され、気孔を含む。冷却時に遮熱層に応力が加わると、気孔がつぶれることで、遮熱層は縮むことができる。そのため、冷却時に遮熱層は割れ難く、基材から剥がれ難い。また、遮熱層は無機繊維を含むので、界面の応力が、遮熱層において界面から離れた部位にまで伝わり易い。そのため、界面付近に応力が集中し難いので、冷却時に遮熱層は割れ難く、基材から剥がれ難い。
本開示の一局面であるエンジン構成部品において、遮熱層は、遮熱層の厚み方向に貫通する連続気孔を有する。そのため、本開示の一局面であるエンジン構成部品は、連続気孔
を通じて、適度に熱を基材に伝導させることができる。
本開示の一局面であるエンジン構成部品において、基材の表面であって、遮熱層が設けられている面(以下では基材表面とする)における表面粗さRaは3.2~25μmであり、基材表面における表面粗さRzは12.5~50μmである。基材表面における表面粗さRaが3.2μm以上であり、基材表面における表面粗さRzが12.5μm以上であることにより、アンカー効果が高まり、基材と遮熱層との密着性が良好である。
また、基材表面における表面粗さRaが25μm以下であり、基材表面における表面粗さRzが50μm以下であることにより、遮熱層による遮熱効果が一層高い。
エンジンの構成を表す全体構成図である。 エンジン構成部品の製造方法を表す説明図である。 エンジン構成部材の断面を表す写真である。 遮熱層の熱伝導度を測定する方法を表す説明図である。
本開示の例示的な実施形態を説明する。
1.エンジン構成部品
エンジン構成部品について、図1を参照して説明する。図1において、符号101はエンジンである。エンジン101は、熱エネルギーを利用する駆動源であって、例えばガソリンエンジンである。エンジン101は、エンジン本体101aと、それに接続される給排気系とから構成される。エンジン本体101aは、シリンダヘッド102と、シリンダブロック104とを備える。シリンダブロック104は、気筒ごとのシリンダボア103を形成する。シリンダヘッド102には、各気筒に連通する吸気ポート102aと、各気筒に連通する排気ポート102bとが形成される。シリンダボア103内には、ピストン105が収容される。
ピストン105は、コネクティングロッド106を介してクランク軸107に連結される。エンジン101の燃焼室108は、ピストン105の頂面、シリンダボア103の壁面、及びシリンダヘッド102の下面によって形成される。また、吸気ポート102aにおいて燃焼室108に臨む位置には、吸気バルブ109aが設けられている。また、排気ポート102bにおいて燃焼室108に臨む位置には、排気バルブ109bが設けられている。また、燃焼室108には点火プラグ110が設けられる。
吸気ポート102aには吸気マニホルド111が接続される。吸気マニホルド111にはインジェクタ112が設けられる。なお、インジェクタ112は燃焼室108に臨む位置に設けてもよい。吸気マニホルド111よりも上流側の吸気通路114には、スロットル弁115aが介装される。スロットル弁115aの上流側にはインタークーラー116が介装される。また、インタークーラー116の上流側にはターボ過給機117のコンプレッサ117aが介装される。また、吸気通路114にはバイパス通路118が設けられる。バイパス通路118はコンプレッサ117aをバイパスする。バイパス通路118にはエアバイパスバルブ119が設けられる。エアバイパスバルブ119はバイパス通路118を開閉する。
各排気ポート102bには排気マニホルド120が接続される。排気マニホルド120よりも下流側の排気通路121にはターボ過給機117のタービン117bが介装される。タービン117bの下流側には触媒122とマフラ123とが設けられる。また、排気通路121にはバイパス通路124が設けられる。バイパス通路124はタービン117
bをバイパスする。バイパス通路124にはウエストゲートバルブ125が設けられる。ウエストゲートバルブ125はバイパス通路124を開閉する。
上述した各部品は、その全部又は一部が金属により形成される。本開示のエンジン構成部品は、上述した各部品のいずれであってもよいが、特に、燃焼室108に臨む部品であるピストン105、シリンダブロック104、シリンダヘッド102、吸気バルブ109a、排気バルブ109b等の燃焼室構成部品が好適である。加えて、燃焼室108に連通する吸気ポート102a及び排気ポート102b、さらには、排気系を構成する排気マニホルド120、排気通路121、ターボ過給機117、バイパス通路124、ウエストゲートバルブ125、触媒122等の高温に晒される部品も、本開示のエンジン構成部品として好適である。以下、本開示のエンジン構成部品について、燃焼室構成部品を例に説明する。
本開示の燃焼室構成部品は、金属製の基材を備える。基材は、例えば、燃焼室構成部品の主要部を構成する。基材を構成する金属は、純金属であってもよいし、合金であってもよい。純金属として、例えば、Fe、Ti、Al等が挙げられる。合金として、例えば、Fe合金、Ti合金、Al-Si合金等が挙げられる。
本開示の燃焼室構成部品は、遮熱層を備える。遮熱層は、基材の表面に設けられている。遮熱層は、基材の表面のうち一部に設けられていてもよいし、基材の全表面に設けられていてもよい。遮熱層は、ガラス及び無機繊維を含む多孔質体からなる。多孔質体は、例えば、主にガラスと無機繊維との骨格からなる多孔質体である。遮熱層は、多孔質体により構成されるため、熱伝導率が小さく、遮熱性が高い。遮熱層は、例えば、基材よりも熱伝導率が小さい。
本開示の燃焼室構成部品では、基材上に遮熱層を形成するとき、遮熱層が基材から剥がれ難い。その理由は上述したとおりである。
遮熱層は、ガラス及び無機繊維以外の成分をさらに含んでもよいし、含まなくてもよい。遮熱層は、例えば、無機繊維同士が絡み合う構造を有する。ガラスは、例えば、無機繊維と接合している。ガラスの少なくとも一部は、例えば、絡み合う無機繊維同士の接点に接合している。
遮熱層における気孔は、例えば、ガラス及び無機繊維のいずれにも占められていない空間である。遮熱層は、遮熱層を厚み方向に貫通する連続気孔を有する。本開示の燃焼室構成部品は、連続気孔を通じて、適度に熱を基材に伝導させることができる。遮熱層は、連続気孔に加えて、独立気孔をさらに有していてもよい。
ガラスは、公知のガラスの中から適宜選択することができる。ガラスは、Te及びBiの少なくとも一方を含むことが好ましい。Te及びBiの少なくとも一方を含むガラスは、それらを含まないガラスより熱膨張係数が大きい。そのため、ガラスがTe及びBiの少なくとも一方を含む場合、遮熱層の熱膨張係数は一層大きくなり、遮熱層の熱膨張係数と、基材の熱膨張係数との差は一層小さくなる。その結果、ガラスがTe及びBiの少なくとも一方を含む場合、遮熱層と基材との密着性が一層良好である。
ガラスとして、例えば、(a)P及びBの少なくとも一方と、(b)RO及びR’Oと、を含み、(a)及び(b)の合計モル数に対する、(b)のモル数の比率(以下ではRR’比率とする)が40~60%であるガラスが挙げられる。RはLi、Na、及びKから成る群から選択される1以上であり、R’は、Mg、Ca、及びCuから成る群から選択される1以上である。ガラスが上記のガラスである場合、遮熱層の熱膨張係数は一層大きくなり、遮熱層の熱膨張係数と、基材の熱膨張係数との差は一層小さく
なる。その結果、遮熱層と基材との密着性が一層良好である。
無機繊維は、公知の無機繊維から適宜選択することができる。無機繊維として、例えば、セラミック繊維、金属繊維等が挙げられる。無機繊維の具体例として、Al繊維、SiO繊維、ZrO繊維、BN繊維、SiC繊維、TiO繊維、CNF繊維、グラスウール等が挙げられる。無機繊維は、Al繊維、SiO繊維、及びZrO繊維から成る群から選択される1以上を含むことが好ましい。無機繊維が、Al繊維、SiO繊維、及びZrO繊維から成る群から選択される1以上を含む場合、遮熱層を構成する多孔質体の状態を制御することが容易である。また、遮熱層の強度が高い。
無機繊維として、例えば、結晶質酸化物繊維が挙げられる。結晶質酸化物繊維として、例えば、アルミナ繊維、ムライト繊維等が挙げられる。無機繊維が結晶質酸化物繊維である場合、遮熱層に熱衝撃が加えられても、遮熱層が破損し難い。
遮熱層の断面において、ガラスの面積と無機繊維の面積との合計面積に対する、無機繊維の面積の比率(以下では繊維面積比とする)は、20~60%であることが好ましい。繊維面積比が20~60%である場合、遮熱層を構成する多孔質体の状態を制御することが容易である。また、遮熱層の強度が高い。無機繊維が結晶質酸化物繊維であり、繊維面積比が20~60%である場合、遮熱層に熱衝撃が加えられても、遮熱層が破損し難い。
繊維面積比の測定方法は以下のとおりである。遮熱層を切断し、断面を形成する。EPMAを用いて断面のうち、200μm×100μmの範囲を組成分析し、ガラスの部分と、無機繊維の部分とをそれぞれ同定する。ガラスの部分の面積を測定し、測定値をS1とする。無機繊維の部分の面積を測定し、測定値をS2とする。以下の式(1)で表されるSfを、繊維面積比(%)とする。
式(1) Sf=(S2/(S1+S2))×100
無機繊維の平均アスペクト比は10以上であることが好ましい。平均アスペクト比が10以上である場合、遮熱層において無機繊維同士が絡み易い。そのため、遮熱層の強度が高い。
平均アスペクト比の測定方法は以下のとおりである。遮熱層を切断し、断面を形成する。断面のうち、200μm×200μmの領域に存在する全ての無機繊維について、アスペクト比を測定する。アスペクト比は、無機繊維の直径に対する無機繊維の長さの比である。アスペクト比の算出に用いる直径は、1本の無機繊維のうち、最も直径が小さい部分での値である。無機繊維の先端の形状が尖っている場合は、先端から50μmの部分を、最も直径が小さい部分とする。長さは、無機繊維の形状に沿って測定した長さである。200μm×200μmの領域に存在する全ての無機繊維におけるアスペクト比の平均値を、平均アスペクト比とする。
遮熱層の平均厚みは、80~400μmであることが好ましい。遮熱層の平均厚みが80μm以上である場合、基材への熱伝導を遮熱層によって一層抑制できる。遮熱層の平均厚みが400μm以下である場合、遮熱層にクラックが生じ難く、遮熱層が基材から剥がれ難い。
遮熱層の平均厚みの測定方法は以下のとおりである。遮熱層を切断し、断面を形成する。断面のうち、長さ500μmの範囲における複数の場所でそれぞれ遮熱層の厚みを測定する。遮熱層の厚みを測定する複数の場所は、いずれも、遮熱層の端部以外の場所である。複数の場所における遮熱層の厚みの平均値を遮熱層の平均厚みとする。遮熱層の厚みを測定する複数の場所の数は5箇所以上である。
遮熱層の断面での幅3mmの範囲における遮熱層の厚みの最大値と最小値との差(以下では厚み差とする)が70μm以下であることが好ましい。厚み差が70μm以下である場合、遮熱層に熱衝撃が加えられても、遮熱層が破損し難い。
遮熱層の平均気孔率は25~50%であることが好ましい。平均気孔率が25%以上である場合、基材への熱伝導を遮熱層によって一層抑制できる。遮熱層の平均気孔率が50%以下である場合、遮熱層にクラックが生じ難く、遮熱層が基材から剥がれ難い。
遮熱層の平均気孔率の測定方法は以下のとおりである。遮熱層を厚み方向に沿って切断し、断面を形成する。SEMを用いて断面の反射電子像を取得する。反射電子像内の10の視野において、それぞれ、ガラスの部分、無機繊維の部分、及び気孔の部分をそれぞれ同定する。それぞれの視野は、200μm×50μmの大きさを有する。なお、反射電子像において、ガラスの部分、無機繊維の部分、及び気孔の部分は、コントラストの濃淡により区別することができる。
10の視野に含まれるガラスの部分の面積を測定し、測定値をS1とする。また、10の視野に含まれる無機繊維の部分の面積を測定し、測定値をS2とする。また、10の視野に含まれる気孔の部分の面積を測定し、測定値をS3とする。以下の式(2)で表されるSpを、平均気孔率(%)とする。
式(2) Sp=(S3/(S1+S2+S3))×100
本開示の燃焼室構成部品において、基材表面における表面粗さRaは3.2~25μmであり、基材表面における表面粗さRzは12.5~50μmである。ここで、表面粗さRaは算術平均粗さを意味し、表面粗さRzは最大高さを意味する。基材表面における表面粗さRaが3.2μm以上であり、基材表面における表面粗さRzが12.5μm以上であることにより、アンカー効果が高まり、基材と遮熱層との密着性が良好である。
また、基材表面における表面粗さRaが25μm以下であり、基材表面における表面粗さRzが50μm以下であることにより、遮熱層による遮熱効果が一層高い。
基材表面における表面粗さRa及び表面粗さRzの測定方法は以下のとおりである。燃焼室構成部品を切断し、断面を形成する。断面には基材表面が含まれる。次に、断面をCP加工する。次に、画像解析により、基材表面を認識する。次に、認識した基材表面上に、0.05mmの間隔で点をプロットする。プロットした点に基づき、JIS-B0601:2001に規定された方法で表面粗さRa、表面粗さRzを算出する。
2.燃焼室構成部品の製造方法
本開示の燃焼室構成部品は、例えば、以下のように製造できる。ガラス粉末と、無機繊維と、水とを含むスラリーを調製する。スラリーは、さらに他の成分を含んでもよいし、含まなくてもよい。
基材表面を加工し、基材表面における表面粗さRaを3.2~25μmとし、基材表面における表面粗さRzを12.5~50μmとする。加工方法として、例えば、砥石加工等が挙げられる。
次に、図2のSTEP1に示すように、基材1の基材表面にスラリーを塗布し、塗布層3を形成する。
次に、STEP2において、60~120℃の温度で1~2時間保持して塗布層3を乾燥させ、遮熱層5を形成する。次に、STEP3において、400~600℃の温度で0.5~2時間保持し、遮熱層5を焼き付ける。以上の工程により、燃焼室構成部品7が完
成する。
燃焼室構成部材の断面を図3に示す。基材の表面に遮熱層が形成されている。遮熱層は、ガラス及び無機繊維を含む多孔質体により構成されている。遮熱層は、遮熱層を厚み方向に貫通する連続気孔を有する。
3.実施例
(3-1)燃焼室構成部品の製造
実施例1~20、及び比較例1~6の燃焼室構成部品を以下のようにして製造した。ガラス粉末と、無機繊維と、水とを含むスラリーを調製した。ガラス粉末の組成は、以下の表1における「ガラス組成」の列に記載したものである。無機繊維の種類は、表1における「無機繊維」のうち「種類」の列に記載したものである。スラリーにおけるガラス粉末と無機繊維との配合比は、繊維面積比が表1における「繊維面積比」の列に記載した値となる配合比である。
Figure 0007231330000001
次に、基材を用意した。基材の材質は、上記表1における「基材の材質」の列に記載したものである。次に、基材の表面を、砥石を用いて加工した。加工後の表面における表面粗さRaを表1における「Ra」の列に示す。また、加工後の表面における表面粗さRzを表1における「Rz」の列に示す。
次に、基材のうち、加工した表面にスラリーを塗布し、塗布層を形成した。次に、100℃の温度で1時間保持して塗布層を乾燥させ、遮熱層を形成した。次に、300~500℃の温度で1~60分間保持し、遮熱層を焼き付けた。以上の工程により、燃焼室構成部品が完成した。
(3-2)燃焼室構成部品の評価
実施例1~20、及び比較例1~6の燃焼室構成部品の評価を以下のように行った。
無機繊維の平均アスペクト比と、遮熱層の平均厚みと、遮熱層の平均気孔率とを測定した。測定方法は上述した方法である。無機繊維の平均アスペクト比の測定結果を上記表1における「無機繊維」のうち「平均アスペクト比」の列に示す。遮熱層の平均厚みの測定結果を上記表1における「平均厚み」の列に示す。遮熱層の平均気孔率の測定結果を上記表1における「気孔率」の列に示す。
X線CTにより作成した3次元モデリングを画像解析し、遮熱層が連続気孔を有するか否かを確認した。なお、水銀圧入法により、遮熱層が連続気孔を有するか否かを確認してもよい。連続気孔とは、遮熱層を厚み方向に貫通する連続気孔である。遮熱層が連続気孔を有する場合は、上記表1における「連続気孔の有無」の列に「○」と記載し、連続気孔を有さない場合は「×」と記載した。
基材と遮熱層との接合強度を以下の方法で測定した。燃焼室構成部品を水中に入れ、水圧を徐々に増した。遮熱層か基材から剥離したときの水圧を測定した。その水圧を上記表1における「評価」のうち「接合強度」の列に示す。
遮熱層の熱伝導度を以下の方法で測定した。図4に示すように、燃焼室構成部品7が備える基材1のうち、遮熱層5とは反対側の面9を赤外線で加熱した。このとき、熱電対11を用いて、遮熱層5の温度を継続的に測定し、温度の推移を取得した。また、遮熱層5を備えず、基材1のみから成る比較サンプルについても、同様に、基材1の一方の面に対する赤外線による加熱と、反対側の面における継続的な温度測定とを行い、温度の推移を取得した。燃焼室構成部品7における温度の推移と、比較サンプルにおける温度の推移とに基づき、シミューレーションによって遮熱層の熱伝導度を算出した。算出した熱伝導度を以下の基準に当てはめて、遮熱性を評価した。評価結果を上記表1における「評価」のうち「遮熱性」の列に示す。
◎:熱伝導度が0.3W/(m・k)以下である。
○:熱伝導度が0.3W/(m・k)を超え、0.6W/(m・k)以下である。
×:熱伝導度が0.6W/(m・k)を超える。
実施例1~20の燃焼室構成部品では、基材と遮熱層との接合強度が高く、遮熱層の遮熱性が良好であった。比較例1~6の燃焼室構成部品では、基材と遮熱層との接合強度が低かった。
4.他の実施形態
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(1)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また
、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(2)上述した燃焼室構成部品の他、当該を構成要素とするエンジンシステム、遮熱層、エンジン構成部品の製造方法、遮熱層の製造方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。上述の実施形態ではエンジン構成部品としてガソリンエンジンの構成部品を例示したが、本開示のエンジン構成部品は、ディーゼルエンジンやガスタービンエンジンの構成部品であってもよい。
1…基材、3…塗布層、5…遮熱層、7…燃焼室構成部品、9…反対側の面、11…熱電対

Claims (6)

  1. Al合金製の基材と、
    前記基材の表面に設けられた遮熱層と、
    を備えるエンジン構成部品であって、
    前記遮熱層は、ガラス及び無機繊維を含み、前記遮熱層を厚み方向に貫通する連続気孔を有する多孔質体からなり、
    前記基材の表面の表面粗さRaは20.6μmであり、
    前記基材の表面の表面粗さRzは12.5~50μmであり、
    前記ガラスは、(a)P及びBの少なくとも一方と、(b)RO及びR’Oと、を含み、
    前記(a)及び前記(b)の合計モル数に対する、前記(b)のモル数の比率が40~60%であるエンジン構成部品(RはLi、Na、及びKから成る群から選択される1以上であり、R’は、Mg、Ca、及びCuから成る群から選択される1以上である)。
  2. 請求項1に記載のエンジン構成部品であって、
    前記無機繊維は、Al繊維、SiO繊維、及びZrO繊維から成る群から選択される1以上であるエンジン構成部品。
  3. 請求項1又は2に記載のエンジン構成部品であって、
    前記無機繊維の平均アスペクト比は10以上であるエンジン構成部品。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のエンジン構成部品であって、
    前記遮熱層の断面において、前記ガラスの面積と前記無機繊維の面積との合計面積に対し、前記無機繊維の面積の比率は、20~60%であるエンジン構成部品。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のエンジン構成部品であって、
    前記ガラスはTe及びBiの少なくとも一方を含むエンジン構成部品。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のエンジン構成部品であって、
    前記遮熱層の平均厚みが80~400μmであり、
    前記遮熱層の平均気孔率が25~50%であるエンジン構成部品。
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