JP7230976B1 - 電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法、および、電磁鋼帯の製造方法 - Google Patents

電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法、および、電磁鋼帯の製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 0007230976000001
【課題】コイル接合部の機械的特性の劣化や形状の劣化による製造ラインでのコイル接合部の破断発生を抑止することができる、電磁鋼帯の摩擦攪拌接合方法を提供する。
【解決手段】回転ツールの肩部の直径D(mm)について、次式(1)の関係を満足させ、かつ、回転ツールの回転数RS(回/分)、回転ツールの肩部の直径D(mm)および接合速度JS(mm/分)により表されるRS×D3/JSについて、次式(2)の関係を満足させる。
4×TJ 10×TJ ・・・(1)
200×TJ RS×D3/JS 2000×TJ ・・・(2)
【選択図】図1A

Description

本発明は、電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法、および、電磁鋼帯の製造方法に関する。
鋼板の製造ライン、例えば、酸洗、冷間圧延、焼鈍およびめっきなどの製造ラインでは、生産性の向上や歩留りを高くするために、いわゆるコイル接合を実施したうえで、鋼帯を通板することが一般的である。ここで、コイル接合とは、製造ラインにおいて、先行する鋼帯(以下、先行鋼帯ともいう)の端部(後端)と、先行鋼帯に続く鋼帯(以下、後行鋼帯ともいう)の端部(先端)とを接合するものである(以下、コイル接合により形成される接合部を。コイル接合部ともいう)。なお、先端は、製造ラインにおける鋼帯の進行方向側の端部である。また、後端は、製造ラインにおける鋼帯の進行方向反対側の端部である。このコイル接合を行うことにより、鋼帯の全長にわたり、張力を付与した状態で圧延等することが可能となる。また、鋼帯の先端や後端においても、板厚や形状を高精度に制御することが可能となる。
コイル接合では、従来、フラッシュバット溶接等が適用されることが一般的であった。しかし、レーザ溶接機の進歩に伴い、例えば、電磁鋼板やステンレス鋼板、高張力鋼板の製造ラインでも、コイル接合にレーザ溶接を適用することが主流となりつつある。
このような技術として、例えば、特許文献1には、
「高Si鋼を溶接するに際し、Niを主成分とするフィラーワイヤを用い、あるいはNiを主成分とする粉末フィラーを供給して溶接金属の化学組成が下記 (1)式を満足するように溶接を行うことを特徴とする高Si鋼のレーザー溶接方法。
X=[%Ni]-[%Si]×2.5 -([%Cr]+[%Mo])×0.4 ≧0・・(1)
ただし、[%Ni]、[%Si]、[%Cr]および[%Mo]は、それぞれ、溶接金属中のNi、Si、CrおよびMoの含有量(重量%)を表す。」
が開示されている。
特許文献2には、
「先行板と後行板とを突合せてフィラーワイヤーを用いてレーザー溶接する方法において、溶接初期の前記先行板と後行板の突合せギャップ(Gap)と溶接金属の平均巾(DEPO)との比(Gap/DEPO)が0.3~0.8であることを特徴とするレーザー溶接方法。」
が開示されている。
特許文献3には、
「連続冷間圧延ライン上を搬送される特殊鋼からなる先行薄板と後行薄板とをレーザー溶接して形成された溶接部において、
冷間圧延によって母材の上面側に延び出た溶接金属からなる上側延出部の下側に存在する前記母材の最小厚みをL1とし、冷間圧延によって前記母材の下面側に延び出た溶接金属からなる下側延出部と前記上側延出部に挟まれた前記母材の最小厚みをL2とすると、L1及びL2の少なくともいずれかがゼロより大きいことを特徴とする薄板の溶接部。」
が開示されている。
特開平5-305466号公報 特開2004-25284号公報 特開2011-140026号公報 特表平07-505090号公報 特許第3261433号 特許第4838385号 特許第4838388号 特再表2019-26864号公報 特再表2019-54400号公報
Cui, L.; Fujii, H.; Tsuji, N.; Nogi, K. Scripta Mater. 2007, 56, p.637-640.
しかし、レーザ溶接は溶融溶接であるため、溶融および凝固時の不純物の偏析に起因する脆化や、水素侵入に起因する脆化が生じ、接合部(溶接部)の機械的特性の劣化を招く場合がある。特に、電磁鋼板の成分組成にはSiが多量に含有されているため、コイル接合部の機械的特性の劣化が顕著となり易い。そのため、特許文献1~3のように、電磁鋼帯のコイル接合としてレーザ溶接を適用すると、製造ライン、例えば、連続冷間圧延ラインにおいて、コイル接合部に破断が生じ、ライン停止などによる生産性の低下を招くという問題があった。
本発明は、上記の問題を解決するために開発されたものであって、コイル接合部の機械的特性の劣化や形状の劣化による製造ラインでのコイル接合部の破断発生を抑止することができる、電磁鋼帯の摩擦攪拌接合方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記の電磁鋼帯の摩擦攪拌接合方法を用いた電磁鋼帯の製造方法を提供することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく、鋭意検討を重ねた。まず、発明者らは、電磁鋼帯のコイル接合としてレーザ溶接を適用する場合に、コイル接合部の機械的特性の劣化や形状の劣化が生じる理由を調査・検討したところ、以下の知見を得た。
(a)上述したように、電磁鋼板の成分組成には、Siが多量に、具体的には、2.0~5.0質量%程度含有されている。Siは、フェライト安定化元素である。そのため、電磁鋼帯のコイル接合に一般的なレーザ溶接を適用すると、溶融部であるコイル接合部のフェライト結晶粒、さらには、熱影響部のフェライト結晶粒が粗大化する。これにより、コイル接合部の機械的特性、特に、靭性や曲げ強度が大幅に劣化し、製造ラインでのコイル接合部の破断発生を招く。
(b)また、上記した特許文献1~3の技術では、オーステナイト安定化元素であるNiを主成分とする溶加材(フィラー)を用いる。そのため、コイル接合部では、主にオーステナイト相が得られる。しかし、上記した特許文献1~3の技術では、先行鋼帯と後行鋼帯との突合せギャップの変動をなくして溶融部(溶接金属)での溶加材の融合量と鋼板の融合量とを極めて厳格に管理し、溶融部(溶接金属)でのNi当量とCr当量とのバランスを常時適正に制御する必要がある。すなわち、溶融部(溶接金属)でのNi当量とCr当量とのバランスが適正に制御されないと、コイル接合部に硬く脆い組織であるマルテンサイト相が形成される。これにより、コイル接合部の機械的特性、特に、靭性が大幅に劣化する。また、熱影響部では、フェライト結晶粒の粗大化により、コイル接合部の機械的特性が大幅に劣化する。これらの理由により、製造ラインでのコイル接合部の破断発生を招く。
ここで、Ni当量およびCr当量は、それぞれ次式により定義される。
Ni当量 = [%Ni]+30×[%C]+0.5 × [%Mn]
Cr当量 = [%Cr]+[%Mo]+1.5×[%Si]+0.5×[%Nb]
式中、[%Ni]、[%C]、[%Mn]、[%Cr]、[%Mo]、[%Si]および[%Nb]はそれぞれ、溶接金属中のNi、C、Mn、Cr、Mo、SiおよびNbの含有量(質量%)である。
(c)さらに、上記した先行鋼帯と後行鋼帯との突合せギャップの変動は、溶接部の余盛高さに影響を及ぼす。例えば、溶接部の余盛高さが高くなり、溶接部が過度な凸形状となる場合、溶接部に負荷がかかると、溶接止端部に応力が集中する。そのため、上記した先行鋼帯と後行鋼帯との突合せギャップの変動は、この点でも、製造ラインでのコイル接合部の破断発生の原因となる。なお、溶接部の余盛は研削などにより除去することができるが、このような工程の増加は生産性の大幅な低下を招く。
上記の点を踏まえ、発明者らがさらに種々の検討を重ねたところ、発明者らは、電磁鋼帯のコイル接合として摩擦攪拌接合を適用することに着想した。
ここで、摩擦攪拌接合とは、回転ツールと被接合材との摩擦熱、および、被接合材の塑性流動を利用した固相接合である。すなわち、回転ツールにより被接合材の未接合部(接合予定領域)を摩擦攪拌する。被接合材の未接合部が摩擦熱により加熱されると、塑性流動が開始する。そして、塑性流動域と母材部との界面が大きく伸長される。これにより、酸化物の無い清浄な界面同士が接触し、被接合材が溶融することなく接合部が形成される。ここで、接合部は、回転ツールと被接合材との摩擦熱と塑性流動による熱間加工を受け再結晶組織となる領域であり、撹拌部と呼ばれる場合もある。また、接合部に隣接する領域には、摩擦熱と塑性流動による熱間加工の影響を受けるものの、温度や加工が不十分で再結晶に至らない組織となる領域が形成される。この領域を熱加工影響部という。さらに、被接合材には、摩擦熱と塑性流動による熱間加工の影響を受けない領域も存在する。この領域を母材部という。なお、摩擦攪拌接合に関する技術が、例えば、特許文献4~9および非特許文献1に開示されているが、これらはいずれも、電磁鋼帯のコイル接合に適用するものではない。
そこで、発明者らは、上記の着想に基づき、さらに種々の検討を重ねたところ、以下の知見を得た。
(d)上記(a)~(c)の問題を有利に解決するには、
・接合方式としていわゆる両面摩擦攪拌接合を適用し、
・そのうえで、回転ツールの肩部の直径D(mm)について、次式(1)の関係を満足させ、かつ、
・接合条件を適切に制御する、特には、回転ツールの回転数RS(回/分)、回転ツールの肩部の直径D(mm)および接合速度JS(mm/分)により表されるRS×D3/JSについて、次式(2)の関係を満足させる、
ことが重要である。
これにより、被接合材として電磁鋼帯を用いる場合であっても、コイル接合部の形状の劣化を招くことなくコイル接合部の機械的特性が高まり、製造ラインでのコイル接合部の破断発生が有効に抑止される。また、欠陥発生を抑制しつつ接合速度を高速度化することができるので、施工能率の点でも極めて有利である。
4×TJ 10×TJ ・・・(1)
200×TJ RS×D3/JS 2000×TJ ・・・(2)
ここで、TJは、
未接合部が突合せ部の場合、第1の電磁鋼帯の板厚および第2の電磁鋼帯の板厚の平均値(mm)であり、
未接合部が重ね合せ部の場合、重ね合せ部の厚さ(mm)である。
(e)また、上掲式(1)および(2)の関係を同時に満足させたうえで、接合部および熱加工影響部の鋼組織をフェライト主体の組織とし、かつ、接合部および熱加工影響部の鋼組織の微細化と、接合部と母材部の硬度差の低減とを同時に図る、具体的には、次式(3)~(6)の関係を同時に満足させることが好適である。
これにより、被接合材として電磁鋼帯を用いる場合であっても、コイル接合部の形状の劣化を招くことなくコイル接合部の機械的特性が高まり、製造ラインでのコイル接合部の破断発生がより有効に抑止される。
Dsz ≦ 200μm ・・・(3)
Dhaz1 ≦ Dbm1 ・・・(4)
Dhaz2 ≦ Dbm2 ・・・(5)
0.9×(Hbm1+Hbm2)/2 ≦ Hsz ≦ 1.2 ×(Hbm1+Hbm2)/2 ・・・(6)
ここで、
Dszは、接合部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz1は、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz2は、第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Hszは、接合部の硬さの平均値、
Hbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
Hbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
である。
本発明は、上記の知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.連続冷間圧延ラインにおいて、第1の電磁鋼帯と、該第1の電磁鋼帯に続く第2の電磁鋼帯とを、互いに対向する一対の回転ツールにより接合する、電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法であって、
前記回転ツールの先端部が、肩部と、該肩部に配置され、該肩部と回転軸を共有するプローブと、をそなえ、
前記第1の電磁鋼帯の端部と前記第2の電磁鋼帯の端部との突合せ部、または、重ね合せ部である未接合部に、前記回転ツールを、該未接合部の両面から互いに逆方向に回転させながら押圧し、
ついで、前記回転ツールを接合方向に移動させることにより、前記第1の電磁鋼帯と前記第2の電磁鋼帯とを接合し、
また、前記回転ツールの肩部の直径D(mm)が、次式(1)の関係を満足し、かつ、
前記回転ツールの回転数RS(回/分)、前記回転ツールの肩部の直径D(mm)および接合速度JS(mm/分)により表されるRS×D3/JSが、次式(2)の関係を満足する、電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
4×TJ 10×TJ ・・・(1)
200×TJ RS×D3/JS 2000×TJ ・・・(2)
ここで、TJは、
未接合部が突合せ部の場合、第1の電磁鋼帯の板厚および第2の電磁鋼帯の板厚の平均値(mm)であり、
未接合部が重ね合せ部の場合、重ね合せ部の厚さ(mm)である。
2.前記第1の電磁鋼帯と前記第2の電磁鋼帯の接合により形成される接合部および熱加工影響部の鋼組織がそれぞれ、フェライト相主体の組織となり、かつ、次式(3)~(6)の関係を満足する条件で、接合を行う、前記1に記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
Dsz ≦ 200μm ・・・(3)
Dhaz1 ≦ Dbm1 ・・・(4)
Dhaz2 ≦ Dbm2 ・・・(5)
0.9×(Hbm1+Hbm2)/2 ≦ Hsz ≦ 1.2 ×(Hbm1+Hbm2)/2 ・・・(6)
ここで、
Dszは、接合部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz1は、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz2は、第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Hszは、接合部の硬さの平均値、
Hbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
Hbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
である。
3.次式(7)および(8)の関係を満足する条件で接合を行う、前記1または2に記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
0.8×TbmL ≦ TszL ・・・(7)
TszH ≦ 1.3×TbmH ・・・(8)
ここで、
TszLは、接合部の厚さの最小値(mm)、
TszHは、接合部の厚さの最大値(mm)、
TbmLは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、薄い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
TbmHは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、厚い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
である。ただし、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の板厚が同じ場合には、TbmL= TbmHとなる。
4.前記回転ツールの傾斜角度α(°)が次式(9)の関係を満足する、前記1~3のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
0°< α ≦ 2° ・・・(9)
5.前記回転ツールの肩部間の隙間G(mm)が次式(10)の関係を満足する、前記1~4のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
0.5×TJ-0.1×D×sinα ≦ G ≦ 0.9×TJ-0.1×D×sinα ・・・(10)
ここで、TJは、
未接合部が突合せ部の場合、第1の電磁鋼帯の板厚および第2の電磁鋼帯の板厚の平均値(mm)であり、
未接合部が重ね合せ部の場合、重ね合せ部の厚さ(mm)である。
また、Dは回転ツールの肩部の直径(mm)であり、αは回転ツールの傾斜角度(°)である。
6.前記1~5のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法により第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯とを接合し、接合鋼帯を得る工程と、
該接合鋼帯に冷間圧延を施し、冷延鋼帯を得る工程と、をそなえる、電磁鋼帯の製造方法。
本発明によれば、被接合材として電磁鋼帯を使用する場合であっても、コイル接合部の機械的特性の劣化や形状の劣化が生じず、製造ラインでのコイル接合部の破断発生が有効に抑止される。これにより、電磁鋼板の生産性の一層の向上を図ることができ、産業上の利用価値は極めて大きい。また、欠陥発生を抑制しつつ接合速度を高速度化することができるので、施工能率の点でも極めて有利である。なお、ここでいう電磁鋼帯とは、主として中間成品を意味する。
本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法を説明する概略図であり、両面摩擦撹拌接合方法による突合せ接合の一例を示す側面斜視図である。 図1AのA-A矢視図である。 本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法で使用する回転ツールの形状の一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法で使用する回転ツールの形状の一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法により得られる、電磁鋼帯の接合継手の模式図である。 片面摩擦撹拌接合方法による突合せ接合の一例を示す概略図(側面斜視図)である。 図4AのA-A矢視図である。 片面摩擦撹拌接合方法で使用する回転ツールの形状の一例を示す模式図である。 片面摩擦撹拌接合方法で使用する回転ツールの形状の一例を示す模式図である。
本発明を、以下の実施形態に基づき説明する。
[1]電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法
まず、本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法を、図1を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法を説明する概略図であり、図1Aは側面斜視図、図1Bは図1AのA-A矢視図である。
図中、符号1が第1の電磁鋼帯(被接合材)、2が第2の電磁鋼帯(被接合材)、3-1が回転ツール(表面側回転ツール)、3-2が回転ツール(裏面側回転ツール)、4が接合部、5-1および5-2が肩部(ショルダー)、6-1および6-2がプローブ(ピン)、7が把持装置、9-1および9-2が先端部である。なお、図1Aでは把持装置の図示を省略している。
また、図1Bでは、鉛直方向が板厚方向である。水平方向が、接合方向に垂直でかつ、板厚方向に垂直な方向(以下、接合垂直方向ともいう)である。紙面手前側の方向が、接合方向である。すなわち、図1Bに示す面内には、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる。
本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法は、上述したように、
連続冷間圧延ラインにおいて、第1の電磁鋼帯と、該第1の電磁鋼帯に続く第2の電磁鋼帯とを、互いに対向する一対の回転ツールにより接合する、電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法であって、
前記回転ツールの先端部が、肩部と、該肩部に配置され、該肩部と回転軸を共有するプローブと、をそなえ、
前記第1の電磁鋼帯の端部と前記第2の電磁鋼帯の端部との突合せ部、または、重ね合せ部である未接合部に、前記回転ツールを、該未接合部の両面から互いに逆方向に回転させながら押圧し、
ついで、前記回転ツールを接合方向に移動させることにより、前記第1の電磁鋼帯と前記第2の電磁鋼帯とを接合し、
また、前記回転ツールの肩部の直径D(mm)が、次式(1)の関係を満足し、かつ、
前記回転ツールの回転数RS(回/分)、前記回転ツールの肩部の直径D(mm)および接合速度JS(mm/分)により表されるRS×D3/JSが、次式(2)の関係を満足する、というものである。
4×TJ 10×TJ ・・・(1)
200×TJ RS×D3/JS 2000×TJ ・・・(2)
ここで、TJは、
未接合部が突合せ部の場合、第1の電磁鋼帯の板厚および第2の電磁鋼帯の板厚の平均値(mm)であり、
未接合部が重ね合せ部の場合、重ね合せ部の厚さ(mm)である。
ここで、継手形式の好適な例としては、突合せ接合および重ね接合が挙げられる。
突合せ接合とは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の端面同士を対向させた状態で、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の端面(突合せ面)を含む突合せ部に回転ツールを回転させながら押圧する。そして、その状態で、回転ツールを接合方向に移動させることにより、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯を接合するものである。
重ね接合とは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の端部の少なくとも一部を重ね合せ、重ね合せ部に回転ツールを回転させながら押圧する。そして、その状態で、回転ツールを接合方向に移動させることにより、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯を接合するものである。
突合せ接合と重ね接合は未接合部の形態が異なるだけで、その他の装置の構成は基本的に同じなので、ここでは、図1(図1Aおよび図1B)のような、両面摩擦撹拌接合により、突合せ接合を行う場合を例示して説明する。図1Aは側面斜視図、図1Bは図1AのA-A矢視図である。両面摩擦撹拌接合方法は、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯とを、互いに対向する一対の回転ツールを用いて接合する摩擦撹拌接合方法である。すなわち、互いに対向する一対の回転ツールを、未接合部の両面から互いに逆方向に回転させながら押圧し、その状態で、回転ツールを接合方向に移動させることにより、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯とを接合する。
両面摩擦撹拌接合では、例えば、互いに対向する1対の回転ツール、把持装置および回転ツールの動作を制御する制御装置(図示せず)をそなえる両面摩擦撹拌接合装置を用いる。制御装置では、例えば、回転ツールの傾斜角度α、回転ツールの先端部の位置および先端部(プローブ)同士の間の距離(以下、プローブ間の隙間ともいう)、回転ツールの肩部間の隙間G、接合速度、押込み荷重、回転ツールの回転数、ならびに、回転トルク等を制御する。
両面摩擦撹拌接合では、摩擦撹拌接合装置の回転ツールを、被接合材である第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯の両面にそれぞれに配置する。なお、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯の表面側(鉛直方向上側)に配置される回転ツールを、表面側回転ツールと称し、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯の裏面側(鉛直方向下側)に配置される回転ツールを、裏面側回転ツールと称する場合がある。第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯は、図中に示した接合中央線に平行となるように配置され、それぞれ把持装置で把持される。そして、接合中央線上に位置する未接合部(接合予定領域)、つまり、第1の電磁鋼帯の端部(後端)と第2の電磁鋼帯の端部(先端)との突合せ部の両面にそれぞれ、回転ツールを回転させながら押圧する。ついで、その状態で、回転ツールを接合方向に移動させる。これにより、回転ツールと被接合材である第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯との摩擦熱により該被接合材を軟化させる。そして、その軟化した部位を回転ツールで撹拌することにより、塑性流動を生じさせて、被接合材である第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯とを接合する。なお、接合が完了した部分には、接合部が形成される。また、接合部に隣接して、熱加工影響部が形成される。
そして、本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法では、
・接合方式として、上記の両面摩擦攪拌接合を適用し、
・そのうえで、回転ツールの肩部の直径D(mm)について、次式(1)の関係を満足させ、かつ、
・接合条件を適切に制御する、特には、回転ツールの回転数RS(回/分)、回転ツールの肩部の直径D(mm)および接合速度JS(mm/分)により表されるRS×D3/JSについて、次式(2)の関係を満足させる、
ことが重要である。
これにより、被接合材として電磁鋼帯を用いる場合であっても、コイル接合部の形状の劣化を招くことなくコイル接合部の機械的特性が高まり、製造ラインでのコイル接合部の破断発生が有効に抑止される。また、欠陥発生を抑制しつつ接合速度を高速度化することができるので、施工能率の点でも極めて有利である。
4×TJ 10×TJ ・・・(1)
200×TJ RS×D3/JS 2000×TJ ・・・(2)
ここで、TJは、
未接合部が突合せ部の場合、第1の電磁鋼帯の板厚および第2の電磁鋼帯の板厚の平均値(mm)であり、
未接合部が重ね合せ部の場合、重ね合せ部の厚さ(mm)である。
すなわち、回転ツールの肩部の直径D(以下、単に肩径Dともいう)を、未接合部の厚さに応じて適切に制御することにより、回転ツールと被接合材である被接合材である第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯との間で生じる摩擦熱による温度上昇と、摩擦力によるせん断応力とを被接合材に有効に付与することができる。ここで、肩径Dが4×TJ(mm)未満になると、十分な塑性流動が得られない場合がある。一方、肩径Dが10×TJ(mm)を超えると、塑性流動が生じる領域が不必要に広がり、接合部に過大な熱量が投入される。これにより、接合部の再結晶組織の粗大化を招く。そのため、肩径Dについて、上記式(1)の関係を満足させる。
また、RS×D3/JSは、単位接合長さ当たりの発熱量と相関するパラメータである。そして、RS×D3/JSの範囲を200×TJ~2000×TJとすることにより、回転ツールと被接合材である被接合材である第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯との間で生じる摩擦熱による温度上昇と、摩擦力によるせん断応力とを被接合材に有効に付与することができる。ここで、RS×D3/JSが200×TJ未満では、発熱量が不十分となる。そのため、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の合せ面に冶金的に接合された状態の接合界面を形成することが困難となる場合がある。一方、RS×D3/JSが2000×TJを超えると、摩擦撹拌による発熱量が過大となり、接合部に過大な熱量が投入される。これにより、接合部のピーク温度(最高到達温度)が上昇したり、冷却速度が低下したりして、接合部の再結晶組織が粗大化を招く。そのため、RS×D3/JSについては、上記式(2)の関係を満足させる。RS×D3/JSは、好ましくは280×TJ以上である。また、RS×D3/JSは、好ましくは1600×TJ以下である。
なお、表面側回転ツールと裏面側回転ツールとで、回転ツールの回転数RSおよび肩径Dが異なる場合には、表面側回転ツールおよび裏面側回転ツールのそれぞれで、上掲式(1)および(2)の関係を満足させるものとする。
また、本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法では、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の接合により形成される接合部および熱加工影響部の鋼組織がそれぞれ、フェライト相主体の組織となり、かつ、次式(3)~(6)の関係を満足する条件で、接合を行うことが好適である。これにより、被接合材として電磁鋼帯を用いる場合であっても、コイル接合部の形状の劣化を招くことなくコイル接合部の機械的特性が高まり、製造ラインでのコイル接合部の破断発生がより有効に抑止される。
Dsz ≦ 200μm ・・・(3)
Dhaz1 ≦ Dbm1 ・・・(4)
Dhaz2 ≦ Dbm2 ・・・(5)
0.9×(Hbm1+Hbm2)/2 ≦ Hsz ≦ 1.2 ×(Hbm1+Hbm2)/2 ・・・(6)
ここで、
Dszは、接合部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz1は、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz2は、第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Hszは、接合部の硬さの平均値、
Hbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
Hbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
である。
さらに、本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法では、次式(7)および(8)の関係を満足する条件で接合を行う、ことが好適である。
0.8×TbmL ≦ TszL ・・・(7)
TszH ≦ 1.3×TbmH ・・・(8)
ここで、
TszLは、接合部の厚さの最小値(mm)、
TszHは、接合部の厚さの最大値(mm)、
TbmLは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、薄い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
TbmHは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、厚い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
である。ただし、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の板厚が同じ場合には、TbmL= TbmHとなる。
なお、被接合材(第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯)、接合部および熱加工影響部、ならびに、上掲式(3)~(8)などについての説明は、後述する[2]電磁鋼帯の接合継手に記載するとおりである。
また、本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法では、回転ツールの傾斜角度αが、次式(9)の関係を満足することが好ましい。
0°< α ≦ 2° ・・・(9)
ここで、αは、接合方向と板厚方向(被接合材の表面に対して垂直な方向)とを含む面における、回転ツールの回転軸(以下、ツールの回転軸ともいう)の板厚方向(被接合材の表面に対して垂直な方向)からの傾斜角度である。なお、回転ツールの先端部が接合方向に対して先行する向き(の角度)を+とする。
すなわち、回転ツールは、被接合材よりも硬い材質で形成される。しかし、セラミックなどの靭性に乏しい材料を使用した回転ツールにおいて、プローブに対して曲げ方向の力が負荷されると、局部的に応力が集中し、破壊に至るおそれがある。この点、ツールの回転軸を、板厚方向からα(°)傾斜させ、プローブの先端を接合方向に対して先行させると、回転ツールに対する負荷を、回転軸方向に圧縮される分力として、回転ツールで受けることができる。これにより、曲げ方向の力を低減することができ、回転ツールの破壊を回避することができる。
ここで、回転ツールの傾斜角度αが0°を超えると、上述の効果が得られる。しかし、回転ツールの傾斜角度αが2°を超えると、接合部の表裏面が凹形となりやすい。これにより、接合部の厚さの最小値が、母材の厚さに対して低下する。その結果、継手強度に悪影響を及ぼし、製造ラインでのコイル接合部の破断発生を招く場合がある。そのため、回転ツールの傾斜角度αは、表面側回転ツールと裏面側回転ツールの両方において、0°< α ≦ 2°の範囲とすることが好ましい。
さらに、本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法では、回転ツールの肩部間の隙間G(mm)が次式(10)の関係を満足することが好ましい。
0.5×TJ-0.1×D×sinα ≦ G ≦ 0.9×TJ-0.1×D×sinα ・・・(10)
すなわち、両面摩擦撹拌接合では、接合時の欠陥発生を抑制しつつ接合速度の高速度化を達成する観点から、回転ツールの肩部間の隙間(すなわち、板厚方向における表面側回転ツールの肩部と裏面側回転ツールの肩部との離間距離)G(以下、単に肩部間隙間Gともいう)を適切に制御することが有利である。特に、肩部間隙間Gが0.5×TJ-0.1×D×sinα~0.9×TJ-0.1×D×sinαの範囲内にあると、互いに対向する回転ツールの肩部が、被接合材の表面側および裏面側に密接または押し込まれる状態となる。その結果、被接合材が表面側および裏面側から回転ツールの肩部により十分な荷重で押圧され、接合時の欠陥発生を抑制しつつ接合速度の高速度化を達成するうえで有利になる。そのため、隙間Gは、0.5×TJ-0.1×D×sinα~0.9×TJ-0.1×D×sinαの範囲とすることが好ましい。
上記以外の条件については、上掲式(1)および(2)の関係を満足し、好ましくは上掲式(3)~(10)の関係を満足する条件であれば、特に限定されず、常法に従えばよい。
例えば、回転ツールの回転数は、好ましくは300~9000r/min(回/分)である。回転ツールの回転数を当該範囲内とすることにより、表面形状を良好に保ちつつ過大な熱量の投入による機械特性の低下を抑制できるので、有利である。回転ツールの回転数は、より好ましくは400r/min以上である。また、回転ツールの回転数は、より好ましくは8000r/min以下である。
接合速度は、好ましくは800~5000mm/min(mm/分)である。接合速度は、より好ましくは1000mm/min以上である。接合速度は、より好ましくは4000mm/min以下である。
回転ツールの先端部の位置や押込み荷重、回転トルク、プローブ間の隙間などは、常法に従い、適宜、設定すればよい。
なお、図1に示すように、両面摩擦撹拌接合では、表面側回転ツールの回転方向と裏面側回転ツールの回転方向とを、被接合材の表面側(または裏面側)から見て逆方向とする。また、表面側回転ツールの回転数と裏面側回転ツールの回転数は、同じとすることが好ましい。これにより、表面側回転ツールと裏面側回転ツールから被接合材に加わる回転トルクを打ち消し合うことができる。その結果、一方の面から未接合部を押圧して接合する片面摩擦撹拌接合法と比較して、被接合材を拘束する治具の構造を簡略化することが可能となる。
また、表面側回転ツールの回転方向と裏面側回転ツールの回転方向とを、被接合材の表面側(または裏面側)から見て同方向とすると、一方の回転ツールに対する他方の回転ツールの相対速度はゼロに近づく。その結果、被接合材の塑性流動が均質状態に近づき塑性変形も小さくなる。そのため、材料の塑性変形による発熱も得られなくなるので、良好な接合状態を達成することが難しくなる。よって、良好な接合状態を達成するのに十分な温度上昇とせん断応力を被接合材の板厚方向に対して均質的に得る観点から、表面側回転ツールの回転方向と裏面側回転ツールの回転方向とを、被接合材の表面側(または裏面側)から見て逆方向とすることが好ましい。
また、本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法で使用する回転ツールについても、上掲式(1)の関係を満足するものであれば、特に限定されず、常法に従えばよい。
例えば、回転ツールの先端部は、接合時に被接合材である第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯と接触する。そのため、回転ツールの先端部は、接合時に晒される高温状態において、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯よりも硬い材質で形成される。これにより、接合時に回転ツールは、先端部の形状を保持したまま、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯に変形を加えることができる。その結果、高い撹拌能を持続的に実現することができ、適正な接合が可能となる。なお、回転ツールの先端部、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯の硬さは、高温ビッカース硬さ試験方法により測定して、比較すればよい。なお、回転ツールの先端部のみを、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯よりも硬い材質で形成してもよい。また、回転ツール全体を、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯よりも硬い材質で形成してもよい。
図2(図2Aおよび図2B)に、両面摩擦攪拌接合で使用する回転ツールの例をそれぞれ示す。なお、図2示すように、両面摩擦攪拌接合で使用する回転ツールは、回転ツールの先端部が、肩部(図中の肩径で示される範囲)と、該肩部に配置され、該肩部と回転軸を共有するプローブ(図中のピン径で示される範囲)と、をそなえる。
図2Aに示す回転ツールの例では、回転ツールの形状は、肩径D:13mm、ピン径:4mm、ピン長さ:0.6mm、凹面深さ(図示せず):0.3mmである。
図2Bに示す回転ツールの例では、回転ツールの形状は、肩径D:21mm、ピン径:6.7mm、ピン長さ:0.9mm、凹面深さ(図示せず):0.3mmである。
肩部は、略平面または緩やかな曲面により形成された平坦な形状を呈する。肩部は、接合時に回転しながら、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯と接触し、摩擦熱を発生させる機能を有する。また、肩部は、熱により軟化した部位を押圧することで材料の離散を防止し、回転方向への塑性流動を促進させる機能を有する。
プローブは、肩部と不連続な形状となり、被接合材(図示せず)へ向けて略垂直に突出した形状を呈する。プローブは、接合時に、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯の軟化部において板厚中心方向へ侵入することにより、板厚中心部近傍の撹拌能を向上させる機能を有する。また、プローブは、通常、肩部の中心に位置する。
肩径D(mm)については、上述したように、上掲式(1)および(2)の関係を満足させる。また、回転ツールのピン径およびピン長さなどは特に限定されず、常法に従い、適宜設定すればよい。例えば、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の板厚が異なる場合に突合せ接合する際には、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の板厚の平均値を考慮し、常法に従った回転ツールのピン径およびピン長さなどを設定すればよい。また、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯を重ね接合する際には、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の板厚の合計値を考慮し、常法に従った回転ツールのピン径およびピン長さなどを設定すればよい。
[2]電磁鋼帯の接合継手
次に、電磁鋼帯の接合継手を、図3を用いて説明する。図中、符号1が第1の電磁鋼帯(被接合材)、2が第2の電磁鋼帯(被接合材)、4が接合部、4-1が熱加工影響部(第1の電磁鋼帯側)、4-2が熱加工影響部(第2の電磁鋼帯側)である。なお、図3は、電磁鋼帯の接合継手の板厚方向の断面図である。図中、鉛直方向が板厚方向である。水平方向が、接合垂直方向である。紙面手前側の方向が、接合方向である。すなわち、図3に示す面(ここでいう板厚方向の断面)内には、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる。
上記の電磁鋼帯の接合継手は、
第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯とを接合する、電磁鋼帯の接合継手であって、
該電磁鋼帯の接合継手は、接合部と、該接合部に隣接する熱加工影響部とをそなえ、
該接合部および該熱加工影響部の鋼組織はそれぞれ、フェライト相主体の組織であり、
次式(3)~(6)の関係を満足する、というものである。
Dsz ≦ 200μm ・・・(3)
Dhaz1 ≦ Dbm1 ・・・(4)
Dhaz2 ≦ Dbm2 ・・・(5)
0.9×(Hbm1+Hbm2)/2 ≦ Hsz ≦ 1.2 ×(Hbm1+Hbm2)/2 ・・・(6)
ここで、
Dszは、接合部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz1は、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz2は、第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Hszは、接合部の硬さの平均値、
Hbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
Hbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
である。
また、上記の電磁鋼帯の接合継手は、例えば、上述した本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法により得る(製造する)ことができる。
[被接合材(第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯)]
第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯は、被接合材である電磁鋼帯である。第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯の成分組成は、冷間圧延段階の電磁鋼帯(電磁鋼板)として一般的なものであれば特に限定されない。
このような電磁鋼帯の成分組成としては、Siを2.0~5.0質量%の範囲で含有する成分組成を例示できる。また、C:0.005質量%以下、Si:2.0~5.0質量%、Al:3.0質量%以下、Mn:2.00質量%以下、P:0.2質量%以下、S:0.01質量%以下、および、N:0.01質量%以下であり、残部がFeおよび不可避的不純物である成分組成を例示できる。なお、上記の成分組成には、質量%で、任意に、Sn:0.2%以下、Sb:0.2%以下、Ca:0.01%以下、REM:0.05%以下、および、Mg:0.01%以下からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることができる。さらに、上記の成分組成には、質量%で、任意に、Cr:1%以下、Ni:1%以下、および、Cu:1%以下からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることができる。
また、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の成分組成は、同じであっても、異なっていてもよい。
第1の電磁鋼帯の板厚t1および第2の電磁鋼帯の板厚t2は特に限定されるものではないが、t1およびt2はそれぞれ、1.2~3.2mmが好適である。なお、t1およびt2は、同じであっても、異なっていてもよい。
また、被接合材である第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯において、摩擦熱と塑性流動による熱間加工の影響を受けていない領域を、母材部という。
また、母材部、ならびに、後述する接合部および熱加工影響部は、以下のようにして画定する。
すなわち、電磁鋼帯の接合継手を、図3に示す面(すなわち、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる面)が切断面となるように、板厚(鉛直)方向に切断する。ついで、切断面を研磨し、ピクリン酸飽和水溶液、ナイタール(硝酸とエタノールの溶液)または王水(濃塩酸と濃硝酸を3:1の体積比で混合した溶液)でエッチングする。ついで、当該切断面を光学顕微鏡で観察しエッチングの度合いなどから、母材部、ならびに、接合部および熱加工影響部を画定する。
[接合部]
接合部は、回転ツールと被接合材との摩擦熱と塑性流動による熱間加工を受け再結晶組織となる領域である。
接合部は、フェライト相主体の鋼組織、具体的には、面積率で95%以上のフェライト相により構成される。フェライト相の面積率は100%であってもよい。また、フェライト相以外の残部組織の面積率は5%以下である。フェライト相以外の残部組織としては、例えば、マルテンサイト、硫化物、窒化物や炭化物などの第二相等を例示できる。残部組織の面積率は0%であってもよい。
なお、フェライト相の面積率は、以下のようにして測定する。
すなわち、後述する接合部の測定領域が観察面に含まれるように、電磁鋼帯の接合継手から試験片を切り出す。なお、観察面は、図3に示す面(すなわち、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる面)とする。ついで、試験片の観察面を研磨後、3vol.%ナイタール、ピクリン酸飽和水溶液または王水でエッチングし、組織を現出させる。ついで、後述する接合部の測定領域内において、合計10視野を、光学顕微鏡により、倍率:500倍で撮影する。ついで、得られた組織画像から、Adobe Systems社のAdobe Photoshopを用いて、フェライト相の面積を10視野分算出する。ついで、視野ごとに算出したフェライト相の面積をそれぞれの視野領域の面積で除し、100を乗じる。そして、それらの値の算術平均値を、フェライト相の面積率とする。
また、接合部の鋼組織を微細化する、具体的には、接合部の鋼組織を構成するフェライト結晶粒の粒径(以下、フェライト粒径ともいう)を小さくして次式(3)の関係を満足させることが重要である。これにより、被接合材として電磁鋼帯を用いる場合であっても、コイル接合部の形状の劣化を招くことなくコイル接合部の機械的特性が高まり、製造ラインでのコイル接合部の破断発生が有効に抑止される。
Dsz ≦ 200μm ・・・(3)
ここで、
Dszは、接合部のフェライト粒径の平均値(μm)、
である。
ここで、Dszは、JIS G 0551に準拠して測定する。具体的には、以下のようにして測定する。
すなわち、電磁鋼帯の接合継手を、図3に示す面(すなわち、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる面)が切断面となるように、板厚(鉛直)方向に切断する。当該切断面において、接合垂直方向をX軸、板厚方向をY軸とする。そして、接合垂直方向における接合部の中心位置(例えば、突合せ継手の場合には、突合せギャップの中心位置であり、重ね継手の場合には、重ね合せ部の中心位置である)で、かつ、板厚(鉛直)方向における被接合材の板厚中心位置(例えば、突合せ継手の場合には、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、板厚が小さい方の板厚中心位置であり、重ね継手の場合には、重ね合せ部の板厚中心位置である)を、X軸とY軸の原点とする。そして、X=-0.2×t~+0.2×t、Y=-0.2×t~+0.2×tの領域を測定領域とする。ここで、tは、第1の電磁鋼帯の板厚および第2の電磁鋼帯の板厚の平均値(mm)である。ただし、上記の測定領域に、熱加工影響部や母材部といった接合部ではない領域が含まれる場合には、当該領域を測定領域から除くものとする。なお、X軸およびY軸については、+および-を任意に設定すればよい。
そして、上記の測定領域内の任意の位置において、JIS G 0551「鋼-結晶粒度の顕微鏡試験方法」に準拠した切断法(試験線1mm当たりの捕捉した結晶粒数、または、交点の数Pによって評価する)により、接合部のフェライト粒径を計5回測定し、これらの平均値をDszとする。なお、接合部のフェライト粒径の測定領域を、以下、単に、接合部の測定領域ともいう。
また、接合部と母材部の硬度差を低減する、具体的には、次式(6)の関係を満足させることが重要である。これにより、被接合材として電磁鋼帯を用いる場合であっても、コイル接合部の形状の劣化を招くことなくコイル接合部の機械的特性が高まり、製造ラインでのコイル接合部の破断発生が有効に抑止される。
0.9×(Hbm1+Hbm2)/2 ≦ Hsz ≦ 1.2 ×(Hbm1+Hbm2)/2 ・・・(6)
ここで、
Hszは、接合部の硬さの平均値、
Hbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
Hbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
である。
ここで、Hsz、Hbm1およびHbm2は、JIS Z 2244に準拠して測定する。具体的には、それぞれ以下のようにして測定する。
すなわち、上記の切断面における上記の接合部の測定領域内の任意の5か所で、試験力:4.9Nの条件でビッカース硬さ(HV)を測定する。そして、これらの平均値をHszとする。
また、上記の切断面において、第1の電磁鋼帯の母材部の板厚中心位置±0.2×t1の領域(板厚(鉛直)方向)のレベル)内、および、第2の電磁鋼帯の母材部の板厚中心位置±0.2×t2の領域(板厚(鉛直)方向)のレベル)内の任意の5か所でそれぞれ、試験力:4.9Nの条件でビッカース硬さ(HV)を測定する。なお、接合垂直(水平)方向の位置については、母材部であればよく、任意に選択すればよい。そして、第1の電磁鋼帯の母材部および第2の電磁鋼帯の母材部で測定したビッカース硬さ(HV)の平均値をそれぞれ、Hbm1およびHbm2とする。ここで、t1およびt2はそれぞれ、第1および第2の電磁鋼帯の板厚である。
また、接合部の厚さは特に限定されるものではないが、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の厚さとの関係を適切に制御する、具体的には、次式(7)および(8)の関係を満足させることが好ましい。これにより、被接合材として電磁鋼帯を用いる場合であっても、コイル接合部の形状の劣化を招くことなくコイル接合部の機械的特性がより高まり、製造ラインでのコイル接合部の破断発生を一層有効に抑止することができる。
0.8×TbmL ≦ TszL ・・・(7)
TszH ≦ 1.3×TbmH ・・・(8)
ここで、
TszLは、接合部の厚さの最小値(mm)、
TszHは、接合部の厚さの最大値(mm)、
TbmLは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、薄い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
TbmHは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、厚い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
である。ただし、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の板厚が同じ場合には、TbmL= TbmHとなる。
なお、TszLおよびTszHは、例えば、電磁鋼帯の接合継手を、図3に示す面(すなわち、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる面)が切断面となるように、板厚(鉛直)方向に切断し、当該切断面において、ノギスなどを用いて測定すればよい。
[熱加工影響部]
熱加工影響部は、接合部に隣接し、摩擦熱と塑性流動による熱間加工の影響を受けるものの温度や加工が不十分で再結晶組織に至らない領域である。また、熱加工影響部は、接合部に隣接して、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯の両側に形成される。
熱加工影響部は、接合部と同様、フェライト相主体の鋼組織、具体的には、面積率で95%以上のフェライト相により構成される。フェライト相の面積率は100%であってもよい。また、フェライト相以外の残部組織の面積率は5%以下である。フェライト相以外の残部組織としては、例えば、マルテンサイト、硫化物、窒化物や炭化物などの第二相等を例示できる。残部組織の面積率は0%であってもよい。フェライト相の面積率は、上述した方法と同様の要領で測定すればよい。
また、熱加工影響部でも、鋼組織を微細化する、具体的には、熱加工影響部のフェライト粒径を母材部のフェライト粒径以下にする、すなわち、次式(4)および(5)の関係を満足させることが重要である。
Dhaz1 ≦ Dbm1 ・・・(4)
Dhaz2 ≦ Dbm2 ・・・(5)
ここで、
Dhaz1は、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz2は、第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
である。
ここで、Dhaz1、Dhaz2、Dbm1およびDbm2は、JIS G 0551に準拠して、接合部のフェライト粒径の平均値であるDszと同じ要領で測定する。
また、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の測定領域(以下、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部の測定領域ともいう)は、以下のように設定する。すなわち、電磁鋼帯の接合継手を、図3に示す面(すなわち、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる面)が切断面となるように、板厚(鉛直)方向に切断する。上記の切断面において、接合垂直方向をX軸、板厚方向をY軸とする。そして、第1の電磁鋼帯の板厚中心位置(レベル)における接合部と第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部との境界位置を、X軸とY軸の原点とする。X軸については、第1の電磁鋼帯側を+、接合部側を-とし、X=0~+0.4×t1、Y=-0.2×t1~+0.2×t1の領域を測定領域する。ここで、t1は、第1の電磁鋼帯の板厚である。なお、Y軸については、+および-を任意に設定すればよい。ただし、上記の測定領域に、接合部や母材部といった第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部ではない領域が含まれる場合には、当該領域を測定領域から除くものとする。
上述のとおり、接合部は、回転ツールと被接合材との摩擦熱と塑性流動による熱間加工を受け再結晶組織となる領域をいう。熱加工影響部は、接合部に隣接する領域であり、摩擦熱と塑性流動による熱間加工の影響を受けるものの、温度や加工が不十分で再結晶に至らない組織となる領域をいう。母材は、摩擦熱と塑性流動による熱間加工の影響を受けない領域をいう。
同様に、第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の測定領域(以下、第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部の測定領域ともいう)は、以下のように設定する。すなわち、電磁鋼帯の接合継手を、図3に示す面(すなわち、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる面)が切断面となるように、板厚(鉛直)方向に切断する。上記の切断面において、接合垂直方向をX軸、板厚方向をY軸とする。そして、第2の電磁鋼帯の板厚中心位置(レベル)における接合部と第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部との境界位置を、X軸とY軸の原点とする。X軸については、第2の電磁鋼帯側を+、接合部側を-とし、X=0~+0.4×t2、Y=-0.2×t2~+0.2×t2の領域を測定領域する。ここで、t2は、第2の電磁鋼帯の板厚である。なお、Y軸については、+および-を任意に設定すればよい。ただし、上記の測定領域に、接合部や母材部といった第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部ではない領域が含まれる場合には、当該領域を測定領域から除くものとする。
また、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の測定領域(以下、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯の母材部の測定領域ともいう)はそれぞれ、上記の切断面における第1の電磁鋼帯の母材部の板厚中心位置±0.2×t1の領域(板厚(鉛直)方向のレベル)および第2の電磁鋼帯の母材部の板厚中心位置±0.2×t2の領域(板厚(鉛直)方向のレベル)とすればよい。なお、接合垂直(水平)方向の位置については、母材部であればよく、任意に選択すればよい。ここで、t1およびt2はそれぞれ、第1および第2の電磁鋼帯の板厚である。
なお、継手形式としては、突合せ継手や重ね継手を例示できる。
[3]電磁鋼帯の製造方法
次に、本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の製造方法を、説明する。
本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の製造方法は、
上記の本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法により第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯とを接合し、接合鋼帯を得る工程と、
該接合鋼帯に冷間圧延を施し、冷延鋼帯を得る工程と、をそなえる。
ここで、接合鋼帯は、好適には、第1の電磁鋼帯と、第2の電磁鋼帯と、上記の本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の接合継手とを有し、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯が上記の本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の接合継手を介して接合されている。
また、冷間圧延条件については特に限定されず、常法に従えばよい。また、冷間圧延を行う前に、任意に、酸洗を行ってもよい。
以下、本発明の作用および効果について、実施例を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
表1に示す成分組成(残部はFeおよび不可避的不純物)を有する電磁鋼帯を被接合材(第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯)とし、表2に記載の条件の両面摩擦攪拌接合により、連続冷間圧延ライン上にあることを模擬して第1の電磁鋼帯(先行鋼帯)と第2の電磁鋼帯(後行工程)とを接合し、電磁鋼帯の接合継手を製造した。ここで、開先は被接合材である2枚の電磁鋼帯の端面に開先角度をつけないいわゆるI型開先とし、フライス加工程度の表面状態で2枚の電磁鋼帯を突合せ、接合を行った(後述する表3および表4の場合も同様である)。なお、表1に、電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値、硬さの平均値およびエリクセン値を併記している。ここで、電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値および硬さの平均値は、上述の方法により求めたものである。また、エリクセン値は、JIS Z 2247で規定するエリクセン試験方法に準拠して測定した値である。なお、明記していない条件については、常法に従い、設定した。
上記の両面摩擦撹拌接合では、図1Aのように、鉛直方向上側に配置する表面側回転ツールの回転方向を鉛直方向上側から見て時計回りに回転させ、鉛直方向下側に配置する裏面側回転ツールを鉛直方向上側から見て反時計回りに回転させた。すなわち、それぞれの回転ツールの先端部を正面視した状態では、どちらも反時計回りに回転させた。また、図2に示した2種類の断面寸法および形状の回転ツールのいずれかを用いた。また、表面側回転ツールと裏面側回転ツールは、同じ断面寸法および形状の回転ツールを用いた。なお、これらの回転ツールはいずれも、被接合材よりも硬いビッカース硬さHV1090の炭化タングステン(WC)を素材としたものである。また、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の板厚が異なる場合には、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の突合せ部は裏面(裏面側回転ツールを配置する側の面)を段差のない状態とし、表面(表面側回転ツールを配置する側の面)を段差がある状態とした。
また、比較のため、表3に記載の被接合材(第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯)に対し、表3の記載の条件のいわゆる片面摩擦撹拌接合により、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯とを接合し、電磁鋼帯の接合継手を製造した。図4(図4Aおよび図4B)に、片面摩擦撹拌接合方法による突合せ接合の一例を示す。図4Aは側面斜視図、図4Bは図4AのA-A矢視図である。また、図5(図5Aおよび図5B)に、片面摩擦撹拌接合方法で使用する回転ツールの形状を示す。
ここでは、図4Aのように、回転ツールを鉛直方向上側から見て時計回り(回転ツールの先端部を正面視した状態では、反時計回り)に回転させた。また、図5に示した2種類の断面寸法および形状の回転ツールのいずれかを用いた。なお、これらの回転ツールはいずれも、被接合材よりも硬いビッカース硬さHV1090の炭化タングステン(WC)を素材としたものである。また、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の板厚が異なる場合には、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の突合せ部は裏面(定盤側の面)を段差のない状態とし、表面(回転ツールを配置する側の面)を段差がある状態とした。
同様に、比較のため、表4に記載の被接合材(第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯)に対し、表4の記載の条件のレーザ溶接により、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯とを接合し、電磁鋼帯の接合継手を製造した。
レーザ溶接では、最大出力5.5kWのCO2レーザ発振器を用いた。シールドガスにはヘリウムを使用し、シールドガス流量は40リットル/分とした。表4中の「フィラーワイヤ添加」が「無」のものはフィラーワイヤを使用せずに、溶接を行ったものである。また、表4中の「フィラーワイヤ添加」が「有」のものは、フィラーワイヤとして表5に示す成分組成(残部はFeおよび不可避的不純物)を有するMIG用ワイヤ(0.9mmφ)を使用し、溶接を行ったものである。
かくして得られた電磁鋼帯の接合継手について、上述の要領により、接合部、熱加工影響部および母材部を画定した。
また、上述の要領により、
Dsz:接合部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz1:第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz2:第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm1:第1の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm2:第2の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Hsz:接合部の硬さの平均値、
Hbm1:第1の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
Hbm2:第2の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
を測定した。
さらに、得られた電磁鋼帯の接合継手を、図3に示す面(すなわち、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる面)が切断面となるように、板厚(鉛直)方向に切断し、当該切断面において、TszL:接合部の厚さの最小値(mm)およびTszH:接合部の厚さの最大値(mm)を測定した。
なお、レーザ溶接により得た電磁鋼帯の接合継手では、溶接部を接合部、熱影響部を熱加工影響部と見做して、上記の測定を行った(測定要領などは、摩擦攪拌接合により得た電磁鋼帯の接合継手の場合と同じである。)。
結果を表6~8に示す。なお、後述する表面欠陥および内部欠陥の確認において、欠陥が確認された場合には、上記の測定を省略した。また、表面欠陥が確認された場合には、内部欠陥の確認も省略した。
また、得られた電磁鋼帯の接合継手について、以下の要領で、(I)表面欠陥の有無および(II)内部欠陥の有無を確認した。結果を表9に示す。
(I)表面欠陥の有無
得られた電磁鋼帯の接合継手の接合部および熱加工影響部(レーザ溶接の場合は、溶接部および熱影響部)の表面および裏面において、未接合状態および割れの有無を目視により確認した。そして、以下の基準により、表面欠陥の有無を判定した。
表面欠陥無し:未接合状態および割れがいずれも確認されない。
表面欠陥有り:未接合状態および割れの少なくとも一方が確認される。
(II)内部欠陥の有無
得られた電磁鋼帯の接合継手を、図3に示す面(すなわち、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる面)が観察面となるように、板厚(鉛直)方向に切断して試験片を採取した。なお、接合方向における切断位置は、接合(溶接)開始側の被接合材の端部から20mmの位置、接合(溶接)終了側の被接合材の端部から20mmの位置、および、被接合材の両端部の中間となる位置とし、当該切断位置での切断面が観察面となるように、合計3枚の試験片を採取した。ついで、得られた試験片の観察面を、光学顕微鏡(倍率:10倍)で観察した。そして、以下の基準により、内部欠陥の有無を判定した。
内部欠陥無し:3枚の試験片全てにおいて、接合部に未接合状態および割れがいずれも確認されない。
内部欠陥有り:少なくとも1枚の試験片において、接合部に未接合状態および割れの少なくとも一方が確認される。
また、得られた電磁鋼帯の接合継手について、以下の要領で、製造ラインでのコイル接合部の破断発生の抑止効果(以下、破断抑止効果ともいう)を評価した。
すなわち、得られた電磁鋼帯の接合継手から、接合部、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部および母材ならびに第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部および母材が含まれるように、試験片を採取した。ついで、採取した試験片を用い、JIS Z 2247で規定するエリクセン試験方法に準拠して接合継手のエリクセン値を測定した。そして、母材部のエリクセン値に対する接合継手のエリクセン値の比率(以下、エリクセン値の比率ともいう)により、以下の基準で破断抑止効果を評価した。結果を表9に示す。
[エリクセン値の比率(%)]=[接合継手のエリクセン値]/[母材部のエリクセン値]×100
〇(合格):エリクセン値の比率が80%以上
×(不合格):エリクセン値の比率が80%未満
なお、第1の電磁鋼帯の母材部のエリクセン値と第2の電磁鋼帯の母材部のエリクセン値が異なる場合、母材部のエリクセン値は、第1の電磁鋼帯の母材部のエリクセン値と第2の電磁鋼帯の母材部のエリクセン値のうち小さい方の値とする。
Figure 0007230976000002
Figure 0007230976000003
Figure 0007230976000004
Figure 0007230976000005
Figure 0007230976000006
Figure 0007230976000007
Figure 0007230976000008
Figure 0007230976000009
Figure 0007230976000010
表9より、発明例ではいずれも、接合速度が1000mm/分以上の高効率な接合を行いつつ、欠陥がなく、優れた破断抑止効果を有する電磁鋼帯の接合継手が得られた。
一方、比較例では、欠陥が発生するか、または、十分な破断抑止効果が得られなかった。
1 第1の電磁鋼帯(被接合材)
2 第2の電磁鋼帯(被接合材)
3 回転ツール
3-1 回転ツール(表面側回転ツール)
3-2 回転ツール(裏面側回転ツール)
4 接合部
4-1 熱加工影響部(第1の電磁鋼帯側)
4-2 熱加工影響部(第2の電磁鋼帯側)
5、5-1、5-2 肩部
6、6-1、6-2 プローブ
7 把持装置
8 定盤(裏当て)
9、9-1、9-2 先端部

Claims (6)

  1. 連続冷間圧延ラインにおいて、第1の電磁鋼帯と、該第1の電磁鋼帯に続く第2の電磁鋼帯とを、互いに対向する一対の回転ツールにより接合する、電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法であって、
    前記回転ツールの先端部が、肩部と、該肩部に配置され、該肩部と回転軸を共有するプローブと、をそなえ、
    前記第1の電磁鋼帯の端部と前記第2の電磁鋼帯の端部との突合せ部、または、重ね合せ部である未接合部に、前記回転ツールを、該未接合部の両面から互いに逆方向に回転させながら押圧し、
    ついで、前記回転ツールを接合方向に移動させることにより、前記第1の電磁鋼帯と前記第2の電磁鋼帯とを接合し、
    また、前記回転ツールの肩部の直径D(mm)が、次式(1)の関係を満足し、かつ、
    前記回転ツールの回転数RS(回/分)、前記回転ツールの肩部の直径D(mm)および接合速度JS(mm/分)により表されるRS×D3/JSが、次式(2)の関係を満足する、電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
    4×TJ 10×TJ ・・・(1)
    200×TJ RS×D3/JS 2000×TJ ・・・(2)
    ここで、TJは、
    未接合部が突合せ部の場合、第1の電磁鋼帯の板厚および第2の電磁鋼帯の板厚の平均値(mm)であり、
    未接合部が重ね合せ部の場合、重ね合せ部の厚さ(mm)である。
  2. 前記第1の電磁鋼帯と前記第2の電磁鋼帯の接合により形成される接合部および熱加工影響部の鋼組織がそれぞれ、フェライト相主体の組織となり、かつ、次式(3)~(6)の関係を満足する条件で、接合を行う、請求項1に記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
    Dsz ≦ 200μm ・・・(3)
    Dhaz1 ≦ Dbm1 ・・・(4)
    Dhaz2 ≦ Dbm2 ・・・(5)
    0.9×(Hbm1+Hbm2)/2 ≦ Hsz ≦ 1.2 ×(Hbm1+Hbm2)/2 ・・・(6)
    ここで、
    Dszは、接合部のフェライト粒径の平均値(μm)、
    Dhaz1は、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
    Dhaz2は、第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
    Dbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
    Dbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
    Hszは、接合部の硬さの平均値、
    Hbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
    Hbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
    である。
  3. 次式(7)および(8)の関係を満足する条件で接合を行う、請求項1または2に記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
    0.8×TbmL ≦ TszL ・・・(7)
    TszH ≦ 1.3×TbmH ・・・(8)
    ここで、
    TszLは、接合部の厚さの最小値(mm)、
    TszHは、接合部の厚さの最大値(mm)、
    TbmLは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、薄い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
    TbmHは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、厚い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
    である。ただし、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の板厚が同じ場合には、TbmL= TbmHとなる。
  4. 前記回転ツールの傾斜角度α(°)が次式(9)の関係を満足する、請求項1~3のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
    0°< α ≦ 2° ・・・(9)
  5. 前記回転ツールの肩部間の隙間G(mm)が次式(10)の関係を満足する、請求項1~4のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
    0.5×TJ-0.1×D×sinα ≦ G ≦ 0.9×TJ-0.1×D×sinα ・・・(10)
    ここで、TJは、
    未接合部が突合せ部の場合、第1の電磁鋼帯の板厚および第2の電磁鋼帯の板厚の平均値(mm)であり、
    未接合部が重ね合せ部の場合、重ね合せ部の厚さ(mm)である。
    また、Dは回転ツールの肩部の直径(mm)であり、αは回転ツールの傾斜角度(°)である。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法により第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯とを接合し、接合鋼帯を得る工程と、
    該接合鋼帯に冷間圧延を施し、冷延鋼帯を得る工程と、をそなえる、電磁鋼帯の製造方法。
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