JP7229366B2 - 紡糸口金、紡糸口金の加熱方法及びリヨセル製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セルロース溶液からセルロース系フィラメントを溶媒中で紡糸するために用いられる紡糸口金、および紡糸口金の加熱方法に関する。本発明はまた、このような紡糸口金を用いるリヨセル製造方法に関する。
紡糸口金は、セルロース由来の繊維やフィラメントを含む様々な化学的性質の繊維やフィラメントの製造に採用されている。このような紡糸口金の一例は、リヨセル製造方法に採用される紡糸口金であり、例えば、各々がフィラメントの紡糸のための複数の孔を有する複数のノズルプレートを有する紡糸口金であって、ノズルプレートは、それらを全ての側面で取り囲む四辺形のフレームに位置している。このような紡糸口金は、例えば、欧州特許EP-A0,756,025号または欧州特許EP-A-0,700,456号から知られている。
別の例は、国際特許出願公開WO 03/014429号に開示されている紡糸口金である。この文献は、フィラメントの紡糸のためのいくつかの孔をそれぞれ有する、いくつかの平らな多孔板の金属を有する紡糸口金を開示している。その場合の多孔板は、ステンレス鋼のフレーム部分の全ての側面に取り付けられている。これらの紡糸口金は、例えば、リヨセル繊維およびフィラメントの調製のために採用され得る。
公知のように、紡糸の前に、リヨセル法のためのセルロース系出発物質を、高温、一般に約70~130℃で適切な溶媒に溶解し、紡糸塊を得る。この溶液は、例えば不純物を除去し、高度の均質性を確保するための任意の追加のプロセスステップの後に、次いで、紡糸口金に送られ、繊維およびフィラメントを生成する。リヨセル製造方法のこのステップでは、紡糸塊の温度分散が、生成された繊維およびフィラメントに関連して望ましくない分散をもたらす可能性があるので、紡糸塊の温度分布の制御を確実にすることが必須である。このような分散は、ステイプル繊維の製造に関してそれほど重要ではないかもしれないが、製造されたフィラメントの分散は、フィラメント糸のさらなる使用にとって有害である、得られたフィラメント糸の不均質性を生じさせる。
したがって、フィラメント製造のためには、良好な温度制御を確実にすることが重要であり、そのため、紡糸塊の温度のあらゆる差が、できるだけ小さな窓の中に入るようにする。この文脈では、紡糸口金の形状は考慮すべき重要な要素である。
一般に、丸い紡糸口金(アスペクト比1)または1に近いアスペクト比を有する紡糸口金(正方形の紡糸口金)における紡糸塊における無視できるほどの温度分散を確保することが可能である。丸い紡糸口金の一例が中国実用新案CN 205241867 U号に開示されている。別の例は米国特許US3,130,448に示されている。このような場合は、温水で、または電気的な加熱要素で紡糸口金を加熱すれば十分である。しかしながら、上述した国際特許出願公開WO 03/14429号に開示されている紡糸口金のような、アスペクト比が2を超える紡糸口金を用いる場合には、問題に遭遇してきた。
しかしながら、これらのタイプの紡糸口金は、フレーム容量の最適な使用(特に長方形フレームの場合)により、多数のフィラメントの製造(紡糸口金フレームの複数のノズルプレートを用いることによる)を可能にするので、高速フィラメント製造のために特に商業的に関連性があることが証明されている。しかしながら、このような紡糸口金を採用するインセンティブは、高い製品品質を確保するためにフィラメント特性のばらつきをできるだけ小さくしなければならず、温水または電気加熱手段を用いることにより紡糸口金の内側の必要な温度制御および調整がもはや不可能であるという、フィラメント生産のための欠点に関連している。フィラメントの均一性に対する要求は、所定のフィラメント生産量のタイター偏差が+/-5%以内でなければならず、好ましくは+/-2.5%以内でなければならないようなものである。
したがって、本発明は、溶媒中でセルロース溶液からセルロースフィラメントを紡糸するための紡糸口金において必要とされるタイター制御を保証する方法を提供しようとするものであり、この紡糸口金は、特に高い処理能力および高速度で、フィラメントの良好な均一性を保証し、少なくとも従来技術の紡糸口金に関連する問題を低減する。
驚くべきことに、この目的は、請求項1に記載の紡糸口金により満たされ、請求項4に記載の紡糸口金の内側紡糸塊の温度制御を確保する方法および請求項5に記載のリヨセルフィラメントの製造方法により満たされる。好ましい実施形態は、以下の説明とともに、従属請求項に記載されている。
本発明による紡糸口金の一実施形態を含むノズルブロックを断面で示す概略図である。 本発明による紡糸口金の一実施形態を上方から平面で示す概略図である。
本発明によれば、紡糸口金という用語は、本明細書では、紡糸塊または紡糸溶液がフィラメントに形成されることを保証するリヨセルを生成するための装置の部分を指定するために採用され、この装置は、特に、ノズルフレーム、任意に、フレーム内で調整された個々のノズルプレート、および紡糸塊/溶液がフィラメント形成前に導入される空間を生成するノズルフレームを覆う上部ハウジングを含む。本発明の文脈において、「紡糸口金」、「ノズルブロック」等の用語は、交換可能に用いられてもよい。しかしながら、本発明の紡糸口金の定義の不可欠な部分であるアスペクト比は、紡糸口金のノズル部分(すなわち、フィラメントが押し出される領域を規定する部分)を形成する紡糸口金の部分のアスペクト比に関する。
本発明の枠内では、リヨセルフィラメントの製造は、溶媒にセルロースを溶解することによる紡糸溶液または紡糸塊の調製から開始する。リヨセルフィラメントの製造に用いられる好ましい溶媒は、第三アミンN-オキシド、および任意にそれと混合された水である。第三アミンN-オキシド中のセルロースの溶液、及び任意に、水は、次いで、紡糸口金の助けを借りて高温状態で押出され、押出工程で形成(成形)される。フィラメント製造、特に高速フィラメント製造のためには、紡糸塊の良好な温度制御を必要とする。このような温度制御は、同様に生成されるフィラメントがフィラメント特性、特にフィラメントタイターとの関連において有害な分散を示さないように、紡糸塊がわずかな温度分散しか示さないことを確実にすべきであり、それは(フィラメント糸のような)最終生成物の特性に有害な影響を及ぼすであろう。
上述したように、この問題は、フィラメント押出しのために複数のノズルプレートを含み得る紡糸口金を用いる場合に特に関連しており、アスペクト比が2を超える長方形の形状を原則とする。本発明は、請求項において特定され、本明細書にさらに記載されるように、紡糸口金を加熱するために蒸気を用いることによりこれらの問題を克服し、それにより、紡糸ノズルを出る前に、紡糸塊の温度プロファイルの必要な均一性が確保される。
本発明の知見によれば、好ましくは、長方形の形状を有するフレームに配置された複数のノズルプレートを備える紡糸口金は、2を超えるアスペクト比を有する。アスペクト比の異なる紡糸口金を用いた試運転を行うことにより、紡糸口金は12以上、さらには15以上のようにアスペクト比が10以上あることが証明されている。紡糸口金が、蒸気による紡糸口金の内側の紡糸塊の加熱を可能にするように適合されている限り、好ましくは、紡糸口金の上部ハウジングの内側及び/またはノズルフレームの内側にマイクロチャネルであることが好ましいチャネルを設けて、これらのチャネルへの蒸気の注入により紡糸口金を均一に加熱することにより、フィラメント生産の必要な均一性を確保することができる。
蒸気加熱を可能にする例は、例えば、個々のノズルの近傍にチャンネルを設けることにより、ノズルフレーム、ノズルプレート、またはさらに個々のノズルにより近い位置にさえ、ノズルフレームの内側にチャンネルおよびマイクロチャンネル(直径1mm以上)を設けることである。これらのチャネルが、機械的完全性に有害な影響を及ぼすことなく、紡糸口金のそれぞれの部分に設けられることができる限り、これらのチャネルを設けることができる。典型的には、上部ハウジングは、チャネルへの蒸気注入により加熱されるのではなく、例えば二重壁の部品及び加熱ジャケットにより、その内面の主要部分の蒸気加熱を可能にする適切な手段を上部ハウジングに設けることにより加熱される。
ここで、本発明を図示する図1および図2を参照する。図1では、ドープのための注入口1を有する紡糸口金が示されている。ドープは、紡糸ブロックの加熱可能な上部2(上部ハウジング2)の中心に供給される。本発明の一実施形態によれば、少なくともこの上部ハウジングは、ハウジングの蒸気加熱を可能にする手段を提供し、紡糸塊の温度制御を確実にする。上部ハウジング2に接続されるのは、ブレーカ(ディストリビュータ)プレート4上に配置される金網3である。
四辺形のノズルプレート5は、ノズルフレーム7に配置され、これもまた、本発明の一実施形態では、好ましくは、蒸気により加熱されるように構成される。ノズルプレートは、ランド6により互いに分離される。これらランド6は、同時にブレーカプレート4の補強材としての役割を果たす。本発明によれば、これらのランドがノズルフレームに接続され、さらにこれらのランドが蒸気により加熱されるように構成されている場合にも好ましい。
図2には、ノズルフレーム7およびノズルプレート5の平面図が示されている。さらに、フィラメントの紡糸のための孔の行8およびこれらの紡糸口金の孔の列9が示されている。線7aおよび7bは、フィラメントの実際の紡糸に利用可能な領域を画定し、それに応じてアスペクト比を画定している。
上述のように、紡糸口金が、紡糸口金またはノズルフレームの上部ハウジングの蒸気加熱を可能にするだけでなく、例えば個々のノズルプレートが配置されるフレーム(ノズルフレーム)内にも蒸気加熱用のチャンネルを設けることにより、また、存在する場合には、より大きなノズルフレームの内側に個々のノズルプレートフレームを形成するノズルフレームの任意の部分にも設けることにより、上部ハウジングの蒸気加熱と同様に、個々のノズルプレートの近くの蒸気加熱を可能にする(その結果、個々のノズルプレートが個々のフレームにより取り囲まれ、これは全体的な紡糸口金の配置、すなわちランド(6)の圧力安定性に関連して有利であり得る)。
驚くべきことに、加熱媒体として水蒸気を用いることにより、紡糸塊の非常に均一な温度が確保できるので、均一なフィラメントが得られることが分かった。
ここで採用される蒸気という用語は、気相、好ましくは乾燥蒸気(すなわち、水滴を含まない蒸気)および超臨界蒸気中の水を指す。蒸気温度は、好ましくは105~138℃の範囲、好ましくは110~130℃、好ましくは1.0~4barの圧力、好ましくは1.2~3.8bar、より好ましくは1.5~3.4bar(すなわち、低圧蒸気ではなく、好ましくは0.2~2.8の過剰な圧力、特に0.5~2.4bar)である。蒸気は飽和蒸気であることが好ましい。実施例に特に示されるように、過剰な圧力を用いることにより、生成されるフィラメントの均一性の驚くべき改善を達成することができる。
また、本発明は、例えば上部ハウジングの蒸気加熱とノズルフレームの電気加熱等の加熱形式の組み合わせを想定しているのも勿論である。本発明により採用される紡糸口金が、上部ハウジングの少なくとも一つの蒸気加熱を可能にする限り、加熱を提供する方法の任意の組合せを採用することができる。
紡糸口金の個々の部品は、(ステンレス)鋼のような当該技術分野で採用されている通常の材料から調製することができる。本発明は、優れた温度制御(特に良好な熱伝導を伴う)を提供することを目的としているので、熱伝導を良好にする材料が、紡糸口金の関連部品を製造するために好ましい。
個々のノズルプレートの種類および形状は重要ではなく、例えば、国際特許出願公開WO 03/014429号に開示されているものを採用してもよい。同様に、マルチノズルプレート紡糸口金のフレームに配置されたノズルプレートの数も、通常、いかなる制限も受けない。しかしながら、本発明の紡糸口金については、100まで、好ましくは30から60まで、ノズルプレートがフレームに位置する場合に好ましい。ノズルプレートの孔の数に対する制限はほとんどない。しかしながら、原則として、クレームされた紡糸口金の場合の個々のノズルプレートが、好ましくはフィラメントの紡糸のための孔を3~1000、好ましくは20~300、より好ましくは30~120に有する場合に好ましい。
好ましい実施形態における発明は、定義されるように、本発明による蒸気加熱可能な上部ハウジング、スクリーンパッキン、ブレーカ(ディストリビュータ)プレート、および紡糸口金(ノズルフレームおよびフレームが既にマルチフィラメント紡糸ノズルでない場合は、フレーム内に配置された任意の個々のノズルプレート)を含むノズルブロックを提供する。有利には、ノズルブロックは、1つの紡糸ポンプのみにより供給されるように設計される。すなわち、ノズルブロックへのセルロース溶液の供給は、1つのポンプで行われる。その場合、紡糸口金の内側の各ノズルプレートは、このノズルプレートの紡糸孔の数から生じるフィラメントの数から構成される1つの糸またはマルチフィラメントに対応する。
原則として、紡糸塊(ドープ)は、紡糸ブロックに搬送される前にフィルタリングされる。ろ過プロセスでは、キャンドルタイプフィルタ、例えば、5~50pmの間の細かさを有する金属ウールフィルタが有用であることが証明されている。繊維または織物フィルタ(ウェブ、メッシュ等)のような他の手段を用いてもよいが、これは、繊度がリヨセル製造方法に要求されるものである。キャンドルタイプフィルタが好ましい。適当な溶媒、例えば第三アミンN-オキシド、及び任意に水中でのセルロースドープの調製は、当業者に知られており、例えば、国際特許出願公開WO 98/06754号及びその中で引用された文献に記載されているので、ここでさらなる解明を必要としない。
ドープが紡糸口金に到達する前に、スクリーンパッキングを通して導かれることが有利であり、スクリーンパッキングは、例えば、15~50pmの間の細かさを有する金属の編組織物で構成され得る。このスクリーンパッキンは、ブレーカプレートの上に直接置かれ、それに続いて、上述のフレームおよびノズルプレートから成る実際の紡糸口金が置かれる。ノズルプレートは、望ましくは、フレームに溶接されている。ノズルブロックは、例えば、ステンレス高級鋼製である。
ノズルブロックの蒸気加熱可能な上部ハウジングは、紡糸口金の全長および全幅にわたってドープの均一な分布を提供するように機能する。この製造方法では、ドープは、例えば、可撓性の金属チューブまたは金属導管を介して上部ハウジングの中心に運ばれてもよい。好ましくは、これらは、例えば、加熱媒体の導入を可能にする加熱ジャケットまたは二重壁構造を設けることにより、加熱可能である。好適な例は、例えば、水または蒸気による加熱を可能にする可撓性の二重壁管である。上部ハウジングの体積は、好ましくは小さく保たれる。なぜならば、高温及び長い滞留時間におけるドープは分解反応に向かう傾向があるからである。一方、滞留時間は、全長および全幅にわたってドープを一定の温度に保つのに十分な長さでなければならない。このようにして、ドープの流れが非常に均一であることが保証される。したがって、ノズルプレートのすべての孔は、得られたフィラメントまたはスレッドを乾燥させて同じ量のセルロース溶液を受け取ることになり、非常に高い均一性を有する。この点に関し、上部ハウジングが蒸気加熱可能であるだけでなく、個々のノズルプレートを固定するために設けられた任意のランドを含むノズルフレームであれば、既に概説したように、好ましい。
当業者は、単純な実験及び対応するレオロジー計算を通して上部ハウジングの寸法を決定する立場にある。上部ハウジングの下には、通常、ブレーカプレートがあり、その上に金網が横たわっている。金網またはスクリーンパッキンは、紡糸の前の最終ろ過に役立ち、ノズルプレートの比較的細かい紡糸孔を汚れの混入から保護する。フィラメントの紡糸のための孔は、好ましくは、30~200pm、より好ましくは60~130pmの直径を有する。さらに、金網により生じる流れ‐圧力降下は、全紡糸口金の長さと幅にわたって、圧力、温度および均質性に関して、ドープの均一性を向上させる役割を果たす。ブレーカプレートは、同様に、ドープを、全紡糸口金の長さおよび幅にわたって圧力、温度および均質性に関して均一にするとともに、ワイヤガーゼを支持する役割を果たす。
好ましい実施形態では、ブレーカプレートは、熱伝導性の高い材料で作られている。一般的に用いられるブレーカまたはサポートプレートの場合とは異なり、ドープの温度は、熱伝導性の高い材料が用いられる場合には、流れの方向に対して直角(横方向)であっても、弊害となる紡糸位置を超えて均一にすることができる。その場合、比熱伝導率が約50 W/(m*K)を超える、好ましくは約80 W/(m*KA)を超える、このような材料の例は、炭化ケイ素(約100 W/(m*K))である、ブレーカプレートのための材料を用いることが好ましい。
前述したように、ノズルプレートは一般に個別にフレームに溶接されている。本発明による紡糸口金のノズルプレートは、好ましくは平坦であり、1~3mm、好ましくは約1.5~2mmのその場合の厚さを有し、約60bar以上の圧力用に設計される。
本発明による紡糸口金の内側並びにこの紡糸口金を収容するノズルブロックの内側の均一な熱分布のために、非常に経済的な方法で、良好な品質及び製造安定性を同時に有する多数のセルロース製マルチフィラメントを製造することが可能である。これは、特に約500m/分以上、好ましくは800m/分以上のフィラメントの紡糸速度に適用される。原則として、達成可能な紡糸速度に制限はない。1,500~2,000m/分の速度でも、非常に良好な品質のフィラメントがまだ得られる。
本発明は、主に蒸気加熱可能なスピナー/ノズルブロックの文脈で上述したが、当業者は、この説明が紡糸口金を加熱する請求項に記載された方法ならびにリヨセルフィラメントを製造する請求項に記載された方法にも同様に当てはまることを理解するであろう。特に、リヨセルフィラメントの生成に関して、当業者は、本明細書に記載されているように、蒸気加熱を用いることにより、生成されたリヨセルフィラメントの均一性に関連して特に改善を達成することができることを理解するであろう。ということは、従来技術により開示されても示唆されていないであろう。本発明によるリヨセルフィラメントを製造する方法は、典型的には、段落[0026]及び[0027]に概説されているような工程、並びに、リヨセル製造方法による紡糸塊/溶液を得るための通常の調製工程を含む。紡糸は典型的な方法で行われ、しばしば紡糸口金と凝固浴との間に空隙を採用する。典型的な後続の工程は、乾燥及び巻取り工程と同様に、洗浄及び紡糸後処理工程(フィラメント表面処理剤の塗布等)を含む。
(例)
異なるアスペクト比を有する紡糸口金、ならびに異なる紡糸口金の加熱手段(水(118℃)または水蒸気(118℃1.9bar)による加熱、紡糸口金/ノズルブロックの加熱領域は上部ハウジングおよびノズルフレームであった)を用いて、標準条件で同じ紡糸溶液を用いてリヨセルフィラメントを製造した。得られたフィラメントをフィラメントタイター(最小および最大タイターと同様に平均)に関して評価し、標準偏差を計算した。本発明の文脈において、0.15以下の標準偏差(STD)は許容可能であると考えられ、0.15未満のSTDに対する値、特に0.1以下が好ましい。
丸い形状の紡糸口金(直径50cm以上)ならびにアスペクト比が2以下の紡糸口金については、熱を与える手段として水を用いた場合でも、約0.15のSTD値を有する満足なフィラメントを製造できることが分かった。
アスペクト比がそれぞれ12と15の長方形の紡糸口金を用いて、水加熱によりSTD値が0.15以上、実施形態では0.2以上のフィラメントが得られた。それに反して、同一の条件下では、紡糸口金の蒸気加熱は、0.1以下でさえも実施形態において、STD値が0.15未満のフィラメントを生じさせた。
下表にまとめたように追加実験を行った。カラムの値°C およびbarは、用いられる熱媒体の温度、ならびに蒸気の場合、飽和蒸気でこの温度を得るために所定の温度で必要とされる圧力を定義する。
Figure 0007229366000001
繰り返しになるが、結果は、本発明の概念を確認する。即ち、蒸気加熱を採用することにより、生成されたフィラメントの均一性は、規定されたアスペクト比を有する長方形の紡糸口金に対して劇的に向上する。上部ハウジングとノズルフレームの両方が水で加熱されても、均一性は蒸気加熱で達成されるレベルには達しない。また、これらの結果から、本発明によれば0.14以下のSTD値を達成できることが確認され、一方、水加熱は、0.15以上のSTD値に対応する利用可能なフィラメントの均一性を作るだけであることが確認された。
したがって、本発明は、蒸気加熱による紡糸口金の温度制御により、タイターの均質性を確保する手段を提供する。

Claims (10)

  1. アスペクト比が2を超える長方形形状を有し、少なくとも、上部ハウジングと、ノズルフレームと、を備えた蒸気加熱可能な紡糸口金を用いること、
    紡糸溶液を準備すること、
    前記紡糸口金と共に高温状態で前記紡糸溶液を押し出すこと、を含み、
    記上部ハウジングまたは、前記上部ハウジング及び前記ノズルフレームが、105~138℃の範囲の温度及び1.2~4bar(0.12~0.4Mpa)の範囲の圧力を有する蒸気により加熱されることを特徴とする、リヨセルフィラメントの製造方法
  2. 前記上部ハウジング及び前記ノズルフレームは、蒸気により加熱される、請求項1に記載の製造方法
  3. 前記紡糸口金は、蒸気加熱とは異なる、追加の加熱手段によりさらに加熱される、請求項1または2に記載の製造方法
  4. 前記紡糸口金は、前記ノズルフレームの内側の個々のノズルプレートを備える、請求項1または2に記載の製造方法
  5. 記紡糸口金は、5~25のアスペクト比を有する、請求項1または2に記載の製造方法。
  6. 度が110~130℃、圧力が1.5~3.4bar(0.15~0.34Mpa)の蒸気を用いる、請求項1または2に記載の製造方法。
  7. 記上部ハウジング及び前記ノズルフレームは、ステンレス製である、請求項1または2に記載の製造方法
  8. 前記紡糸口金は、ブレーカを備える、請求項1または2に記載の製造方法
  9. 前記ブレーカは、蒸気加熱可能である、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記紡糸口金は、マルチノズルプレート紡糸口金であり、前記ノズルフレームは、蒸気加熱可能なランドを備える、請求項1または2に記載の製造方法。
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