しかし、マルチコアファイバのコア同士を対向させる調芯は高度な技術を要する。また、複数のマルチコアファイバがバンドルされた多芯マルチコアファイバ同士を接続する場合、多芯マルチコアファイバにおけるバンドルされたそれぞれのマルチコアファイバを個別に調芯することができない場合がある。マルチコアファイバの調芯に不具合があり、接続されるそれぞれのマルチコアファイバのコア同士が対向しない場合、それぞれのマルチコアファイバに渡る光の伝送ができなくなる。
そこで、本発明は、互いに対向するマルチコアファイバの回転方向の調芯が互いにずれる場合であっても、マルチコアファイバ間の光の伝送を可能とし得るブリッジファイバ、マルチコアファイバユニット、多芯ブリッジファイバ、及び、多芯マルチコアファイバユニットを提供することを目的とする。
本発明は、複数のコアを有する一対のマルチコアファイバ間に配置されるブリッジファイバであって、前記ブリッジファイバは、クラッド、及び、前記クラッドで囲まれ前記クラッドの中心軸を中心とする軸対称形状の1つ以上のコアを備え、前記ブリッジファイバの前記コアの少なくとも1つは、一端において一方の前記マルチコアファイバの2以上の前記コアと接続され、他端において他方の前記マルチコアファイバの2以上の前記コアと接続される共通コアとされ、前記共通コアは、一方の前記マルチコアファイバにおける当該共通コアと接続されるそれぞれの前記コアが伝搬する光のモード数の合計と、他方の前記マルチコアファイバにおける当該共通コアと接続されるそれぞれの前記コアが伝搬する光のモード数の合計と、のうち最小の数以上のモード数の光を伝搬することを特徴とするものである。
このブリッジファイバのコアは、上記のようにクラッドの中心軸を中心とする軸対称形状である。ブリッジファイバのコアがこのような形状であることで、中心軸を中心としてブリッジファイバを任意の角度で回転させても当該コアの断面における形状は変わらない。このような軸対称形状としては、例えば円形或いはリング形が挙げられる。従って、マルチコアファイバの中心軸とブリッジファイバの中心軸とが揃えられて、ブリッジファイバとマルチコアファイバとが接続される場合、マルチコアファイバのコアとブリッジファイバのコアとは、中心軸を基準とした回転方向において任意の回転角度で接続可能である。
また、マルチコアファイバの複数のコアと接続される共通コアは、マルチモードコアであり、共通コアが伝搬する光のモード数は、上記のように、一方のマルチコアファイバにおける当該共通コアと接続されるそれぞれのコアが伝搬する光のモード数の合計と、他方のマルチコアファイバにおける当該共通コアと接続されるそれぞれのコアが伝搬する光のモード数の合計と、のうち最小の数以上とされる。従って、一方のコアにおける当該共通コアと接続されるコアと他方のコアにおける当該共通コアと接続されるコアとが直接接続される場合におけるこれらコアを伝搬する光は、ブリッジファイバの共通コアを伝搬し得る。このため、本発明のブリッジファイバを介することにより、互いに対向する一対のマルチコアファイバの軸中心の回転方向の調芯が互いにずれる場合であっても、マルチコアファイバ間の光の伝送を可能とし得る。
また、前記共通コアは、リング状の形状を有することが好ましい。
この場合、共通コアに接続されるマルチコアファイバの2以上のコアがリング状に配置される場合に有用である。特にリング状に配置されたマルチコアファイバのコアが結合型である場合には、マルチコアファイバのコアを伝搬する結合モードの形状とブリッジファイバのリング状の共通コアを伝搬するモード形状とを近い形状にし得る。このため、マルチコアファイバとブリッジファイバとで、伝搬する光の接続損失を小さくし得る。また、共通コアに接続されるマルチコアファイバのコアがリング状に配置される場合には、ブリッジファイバのコアが円形である場合と比べて、ブリッジファイバからマルチコアファイバに伝搬する光の損失を小さくし得る。
また、上記のように前記共通コアがリング状の形状を有する場合、前記ブリッジファイバは、前記共通コアに囲まれ、前記クラッドの前記中心軸と重なる他のコアを有することが好ましい。
この場合、共通コアに接続されるマルチコアファイバの2以上のコアがリング状に配置され、さらにこれらのコアで囲まれる位置に他のコアが配置される場合に有用である。なお、ブリッジファイバにおける共通コアで囲まれる位置に配置されるコアは、マルチコアファイバの1つのコアと接続されるコアであっても、マルチコアファイバの複数のコアと接続されるコアであっても良い。つまり、他のコアがマルチコアファイバの複数のコアと接続される場合、当該他のコアは、他の共通コアと理解することができる。
また、前記共通コアは、前記クラッドの前記中心軸と重なる円形の形状を有することが好ましい。
この場合、マルチコアファイバの中心軸を基準として所定の径内にコアが配置される場合に有用である。特に、マルチコアファイバのコアが配置される上記所定の径が、共通コアの直径よりも小さい場合は、マルチコアファイバとブリッジファイバとの軸ずれが生じても、マルチコアファイバのコアとブリッジファイバの共通コアとを光学的に結合し得る。
また、前記クラッドの前記中心軸と重なる円形の形状を有する場合、前記共通コアの半径は、それぞれの前記マルチコアファイバにおけるクラッドの中心から最も外周側に配置される前記コアの最も外周側の部位までの距離以上とされることが好ましい。
この場合、それぞれのマルチコアファイバの全てのコアとブリッジファイバとを接続することができる。従って、それぞれのマルチコアファイバの全てのコア同士をより適切に接続することができる。
前記ブリッジファイバは、長手方向に複数に分割されていることとしても良い。
この場合、例えば、分割されたブリッジファイバの1つが一方のマルチコアファイバに接続され、分割されたブリッジファイバの他の1つが他方のマルチコアファイバに接続されることで、一方のマルチコアファイバの複数のコアと1つのブリッジファイバの共通コアとが接続され、他方のマルチコアファイバの複数のコアと他の1つのブリッジファイバの共通コアとが接続される。これら分割されたブリッジファイバ同士が接続されることで、マルチコアファイバの回転方向の調芯が互いにずれる場合であっても、マルチコアファイバ間の光の伝送を可能とし得る。
また、本発明は、マルチコアファイバユニットであって、上記のいずれかに記載のブリッジファイバと、一対の前記マルチコアファイバと、を備え、一方の前記マルチコアファイバの一端と前記ブリッジファイバの前記一端とがそれぞれ中心軸が揃えられて接続され、他方の前記マルチコアファイバの一端と前記ブリッジファイバの前記他端とそれぞれ中心軸が揃えられて接続されることを特徴とするものである。
このマルチコアファイバユニットは、上記のブリッジファイバを介して一方のマルチコアファイバと他方のマルチコアファイバとが接続されるため、一対のマルチコアファイバの軸中心の回転方向の調芯が互いにずれる場合であっても、マルチコアファイバ間の光の伝送を可能とし得る。
この場合、一方の前記マルチコアファイバの前記一端及び他方の前記マルチコアファイバの前記一端の少なくとも一方が縮径されていることとしても良い。
この場合、マルチコアファイバの縮径部において、コアを伝搬する各コアのモード同士の結合を大きくすることができる。つまり、マルチコアファイバが非縮径部において非結合型である場合には、縮径部において結合型とすることができ、マルチコアファイバが非縮径部において結合型である場合には、縮径部において結合をより大きくすることができる。上記のように共通コアはマルチモードコアであるため、マルチコアファイバの一端において各コアのモード同士の結合が高められることで、マルチコアファイバとブリッジファイバとの接続点における損失を小さくし得る。
また、本発明は、多芯ブリッジファイバであって、上記のいずれかに記載のブリッジファイバを複数備え、それぞれの前記ブリッジファイバがバンドルされたことを特徴とするものである。
このような多芯ブリッジファイバであれば、多芯ブリッジファイバの両端にブリッジファイバと同数のマルチコアファイバを接続することで、1つのブリッジファイバの両端に接続されるマルチコアファイバの軸中心の回転方向の調芯が互いにずれる場合であっても、それぞれのブリッジファイバの共通コアに接続されるマルチコアファイバのコア同士を光学的に結合することができ、マルチコアファイバ間の光の伝送を可能とし得る。
また、本発明は、多芯マルチコアファイバユニットであって、上記のいずれかに記載の複数のブリッジファイバと、前記ブリッジファイバと同数の前記マルチコアファイバが互いにバンドルされた一対の多芯マルチコアファイバと、を備え、一方の前記多芯マルチコアファイバにおけるそれぞれの前記マルチコアファイバの一端とそれぞれの前記ブリッジファイバの一端とがそれぞれ中心軸が揃えられて接続され、他方の前記多芯マルチコアファイバにおけるそれぞれの前記マルチコアファイバの一端とそれぞれの前記ブリッジファイバの他端とがそれぞれ中心軸が揃えられて接続されることを特徴とするものである。
複数のマルチコアファイバが互いにバンドルされた多芯マルチコアファイバでは、それぞれのマルチコアファイバの動きが規制され、バンドルされたマルチコアファイバを個別に調芯することができない場合がある。しかし、本発明の多芯マルチコアファイバユニットによれば、一組の多芯マルチコアファイバにおいて、互いに接続されるマルチコアファイバの回転方向の調芯がずれた状態で複数のマルチコアファイバが互いにバンドルされている場合であっても、それぞれのブリッジファイバの共通コアに接続されるマルチコアファイバのコア同士を光学的に結合することができる。
この場合、それぞれの前記ブリッジファイバがバンドルされたことが好ましい。
それぞれのブリッジファイバがバンドルされることで、ブリッジファイバ同士の動きを抑制し得るため、マルチコアファイバとブリッジファイバとを容易に接続し得る。
以上のように、本発明によれば、互いに対向するマルチコアファイバの回転方向の調芯が互いにずれる場合であっても、マルチコアファイバ間の光の伝送を可能とし得るブリッジファイバ、マルチコアファイバユニット、多芯ブリッジファイバ、及び、多芯マルチコアファイバユニットが提供される。
以下、本発明に係るブリッジファイバ、マルチコアファイバユニット、多芯ブリッジファイバ、及び、多芯マルチコアファイバユニットの好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。なお、理解の容易のため、それぞれの図に記載のスケールと、以下の説明に記載のスケールとが異なる場合がある。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係るマルチコアファイバユニットを示す図である。図1に示すように、本実施形態のマルチコアファイバユニット1は、ブリッジファイバ10と、ブリッジファイバ10の一端に接続される一方のマルチコアファイバ20と、ブリッジファイバ10の他端に接続される他方のマルチコアファイバ30と、を備える。なお、図1は、図が煩雑になることを避けるため、ブリッジファイバ10とマルチコアファイバ20との間、及び、ブリッジファイバ10とマルチコアファイバ30との間に間隔を空けて記載されている。
ブリッジファイバ10は、コア11とクラッド12と被覆層13とを有する。クラッド12の断面の形状はリング形状であり、コア11の断面はクラッド12の中心軸を中心とする円形の形状である。つまりコア11はクラッド12の中心軸を中心とする軸対称形状である。コア11の屈折率はクラッド12の屈折率よりも高く、コア11はマルチモードの光を伝搬する。従って、ブリッジファイバ10はマルチモードファイバの一種である。コア11の直径は、例えば、20~150μmとされ、クラッド12の外径は80~200μmとされる。また、コア11のクラッド12に対する比屈折率差は、例えば、0.3%~2.5%とされる。被覆層13は、クラッド12の外周面を被覆している。
一方のマルチコアファイバ20は、複数のコア21と、それぞれのコア21を一体で囲むクラッド22と、クラッド22を被覆する被覆層23と、を有する。本実施形態では、コア21の数が7つとされ、クラッド22の中心に1つのコア21が配置されると共に、他の6つのコア21がクラッド22の外周側に配置されている。これらのコア21は、クラッド22の中心を中心とした同一円周上に互いに等間隔に離れて配置されている。つまり、コア21が1-6配置されている。こうして複数のコア21は三角格子状に配置されている。コア21の屈折率は、クラッド22の屈折率よりも高く、本実施形態ではブリッジファイバ10のコア11の屈折率と概ね同じとされる。また、本実施形態では、それぞれのコア21の直径は、例えば、5~25μmとされ、コア21の中心間距離(コア間距離)は、例えば10~40μmとされる。また、本実施形態では、コア21のクラッド22に対する比屈折率差は、例えば、0.25~1.5%とされる。このため、本実施形態のマルチコアファイバ20は、コア21を伝搬する光がコア21間で結合する結合型マルチコアファイバとされる。また、本実施形態では、クラッド22の外径は、ブリッジファイバ10のクラッド12の外径と等しくされる。
他方のマルチコアファイバ30は、複数のコア31と、それぞれのコア31を一体で囲むクラッド32と、クラッド32を被覆する被覆層33と、を有する。本実施形態では、他方のマルチコアファイバ30の複数のコア31の配置や屈折率等は、一方のマルチコアファイバ20の複数のコア21の配置や屈折率等と同様とされる。また、他方のマルチコアファイバ30のクラッド32の外径や屈折率等は、一方のマルチコアファイバ20のクラッド22の外径や屈折率等と同様とされる。このため、本実施形態のマルチコアファイバ30は、コア31を伝搬する光がコア31間で結合する結合型マルチコアファイバとされる。なお、図が煩雑となることを避けるため、図1において1つのコア21,31のみに符号を記載している。
ブリッジファイバ10のコア11、及び、マルチコアファイバ20,30のコア21,31は、例えばゲルマニウム(Ge)等の屈折率を高くするドーパントが添加された石英から成る。また、ブリッジファイバ10のクラッド12、及び、マルチコアファイバ20,30のクラッド22,32は、例えば純粋な石英や屈折率を低くするフッ素(F)等のドーパントが添加された石英から成る。或いは、ブリッジファイバ10のコア11、及び、マルチコアファイバ20,30のコア21,31は、例えば純粋な石英から成る。或いは、ブリッジファイバ10のクラッド12、及び、マルチコアファイバ20,30のクラッド22,32は、例えば屈折率を低くするフッ素(F)等のドーパントが添加された石英から成る。また、ブリッジファイバ10の被覆層13、及び、マルチコアファイバ20,30の被覆層23,33は、例えば、光硬化性樹脂から成る。
図1にて、ブリッジファイバ10のコア11をマルチコアファイバ20,30の端面に一点鎖線で投影している。この様子から明らかなように、本実施形態では、マルチコアファイバ20,30におけるクラッド22,32の外周側に配置されているそれぞれのコア21,31の外接円の直径が、ブリッジファイバ10のコア11の直径以下とされる。つまり、ブリッジファイバ10のコア11の半径は、それぞれのマルチコアファイバ20,30におけるクラッド22,32の中心から最も外周側に配置されるコア21,31の最も外周側の部位までの距離以上とされる。ブリッジファイバ10の両端において被覆層13が除去され、マルチコアファイバ20の一端において被覆層23が除去され、マルチコアファイバ30の一端において被覆層33が除去されている。そして、上記のようにマルチコアファイバユニット1では、一方のマルチコアファイバ20の一端とブリッジファイバ10の一端とは、それぞれ中心軸が揃えられて、接続される。このため、マルチコアファイバ20のそれぞれのコア21は、ブリッジファイバ10のコア11と接続される。同様に、上記のようにマルチコアファイバユニット1では、他方のマルチコアファイバ30の一端とブリッジファイバ10の他端とは、それぞれ中心軸が揃えられて、接続される。このため、マルチコアファイバ30のそれぞれのコア31は、ブリッジファイバ10のコア11と接続される。つまり、本実施形態のブリッジファイバ10のコア11は、マルチコアファイバ20における2以上のコア21と接続されると共に、マルチコアファイバ30における2以上のコア31と接続される共通コアと理解することができる。
更に、本実施形態のブリッジファイバ10のコア11は、一方のマルチコアファイバ20におけるブリッジファイバ10のコア11と接続されるそれぞれのコア21が伝搬する光のモード数の合計と、他方のマルチコアファイバ30におけるコア11と接続されるブリッジファイバ10のそれぞれのコア31が伝搬する光のモード数の合計と、のうち最小の数以上のモード数の光を伝搬する。例えば、一方のマルチコアファイバ20のそれぞれのコア21がシングルモードの光を伝搬して、マルチコアファイバ20がコア21と同数の7つのモードの光を伝搬し、他方のマルチコアファイバ30のそれぞれのコア31がシングルモードの光を伝搬して、マルチコアファイバ30がマルチコアファイバ20と同様にコア31と同数の7つのモードの光を伝搬する場合、この最小の数は、一方のマルチコアファイバ20のそれぞれのコア21が伝搬する光のモード数の合計であっても、他方のマルチコアファイバ30のそれぞれのコア31が伝搬する光のモード数の合計であっても良い。マルチコアファイバ20,30のそれぞれのコア21,31が、シングルモードの光を伝搬するシングルモードコアである場合、ブリッジファイバ10のコア11が伝搬する光のモード数は、7以上とされ、ブリッジファイバ10のコア11の直径は、例えば、20~150μmとされ、コア11のクラッド12に対する比屈折率差は、例えば、0.3~2.5%とされる。この光のモードは、例えば、LP01モード、LP11aモード、LP11bモード、LP21aモード、LP21bモード、LP02モード、LP31aモード、LP31bモード、等とされる。
従って、本実施形態のマルチコアファイバユニット1では、一方のマルチコアファイバ20のそれぞれのコア21を伝搬する光は、ブリッジファイバ10のコア11を介して、他方のマルチコアファイバ30のそれぞれのコア31を伝搬することができる。
以上説明したように、本実施形態のブリッジファイバ10は、クラッド12の中心軸を中心とする軸対称形状のコア11を備え、ブリッジファイバ10のコア11は、コア11の一端においてマルチコアファイバ20における2以上のコア21と接続され、コア11の他端においてマルチコアファイバ30における2以上のコア31と接続される共通コアとされる。このようにブリッジファイバ10のコア11が軸対称形状であるため、中心軸を中心としてブリッジファイバ10が回転してもコア11の断面における形状は変わらない。従って、一方のマルチコアファイバ20の中心軸とブリッジファイバ10の中心軸とが揃えられて、ブリッジファイバ10とマルチコアファイバ20とが接続される場合、マルチコアファイバ20のコア21とブリッジファイバ10のコア11とは、中心軸を基準とした回転方向において任意の回転角度で接続可能である。同様に、他方のマルチコアファイバ30の中心軸とブリッジファイバ10の中心軸とが揃えられて、ブリッジファイバ10とマルチコアファイバ30とが接続される場合、マルチコアファイバ30のコア31とブリッジファイバ10のコア11とは、中心軸を基準とした回転方向において任意の回転角度で接続可能である。
また、この共通コアであるコア11は、マルチモードコアであり、一方のマルチコアファイバ20におけるコア11と接続されるそれぞれのコア21が伝搬する光のモード数の合計と、他方のマルチコアファイバ30におけるコア11と接続されるそれぞれのコア31が伝搬する光のモード数の合計とのうち最小の数以上のモード数の光を伝搬する。従って、一方のマルチコアファイバ20のコア21におけるコア11と接続されるコア21と他方のマルチコアファイバ30のコア31におけるコア11と接続されるコア31とが直接接続される場合におけるそれぞれのマルチコアファイバ間を伝搬する光は、ブリッジファイバ10のコア11を伝搬し得る。このため、本実施形態のブリッジファイバ10を介することにより、互いに対向する一対のマルチコアファイバ20,30の軸中心の回転方向の調芯が互いにずれる場合であっても、マルチコアファイバ20,30間の光の伝送を可能とし得る。
また、本実施形態のマルチコアファイバユニット1は、このようなブリッジファイバ10と、一対のマルチコアファイバ20,30と、を備え、一方のマルチコアファイバ20の一端とブリッジファイバ10の一端とがそれぞれ中心軸が揃えられて接続され、他方のマルチコアファイバ30の一端とブリッジファイバ10の他端とがそれぞれ中心軸が揃えられて接続される。このため、本実施形態のマルチコアファイバユニット1は、マルチコアファイバ20,30の軸中心の回転方向の調芯が互いにずれる場合であっても、マルチコアファイバ20,30間の光の伝送を可能とし得る。
上記のように、ブリッジファイバ10は、マルチコアファイバ20,30の軸中心の回転方向の調芯が互いにずれる場合であっても、マルチコアファイバ20,30間の光の伝送を可能とし得る。従って、本実施形態のマルチコアファイバユニット1は、一方のマルチコアファイバ20の一端とブリッジファイバ10の一端とをそれぞれの中心軸を揃えて接続する第1接続ステップと、他方のマルチコアファイバ30の一端とブリッジファイバ10の他端とをそれぞれの中心軸を揃えて接続する第2接続ステップとが行われることで、製造され得る。つまり、マルチコアファイバ20とマルチコアファイバ30との中心軸を基準とした回転方向の調芯を省略し得る。従って、ブリッジファイバ10が用いられることで、マルチコアファイバ20とマルチコアファイバ30との中心軸を基準とした回転方向の調芯が困難な状況であっても、マルチコアファイバユニット1を製造し得る。
また、本実施形態では、上記のように、ブリッジファイバ10のコア11は、クラッド12の中心軸と重なる円形の形状を有するため、本実施形態のようにマルチコアファイバ20,30の中心軸を基準として所定のコア11の径内にコア21,31が配置される場合に有用である。また、本実施形態では、ブリッジファイバ10の共通コアであるコア11の半径は、それぞれのマルチコアファイバ20,30におけるクラッド22,32の中心から最も外周側に配置されるコア21,31の最も外周側の部位までの距離以上とされる。従って、それぞれのマルチコアファイバ20,30の全てのコア21,31とブリッジファイバ10のコア11とを接続することができ、それぞれのマルチコアファイバ20,30の全てのコア同士をより適切に接続することができる。特に、マルチコアファイバ20,30のそれぞれのコア21,31の外接円の直径が、共通コアであるコア11の直径よりも小さい場合は、マルチコアファイバ20,30とブリッジファイバ10との軸ずれが生じても、マルチコアファイバ20,30のコア21,31とブリッジファイバ10のコア11とを光学的に結合し得る。なお、それぞれのマルチコアファイバ20,30におけるクラッド22,32の中心から最も外周側に配置されるコア21,31の最も外周側の部位までの距離が25μm以下であれば、例えば、一般に流通する半径25μmのコアを有する光ファイバをブリッジファイバ10として用いることで、上記のように、それぞれのマルチコアファイバ20,30の全てのコア21,31とブリッジファイバ10のコア11とを接続することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図2を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図2は、本実施形態のマルチコアファイバユニットを図1と同様の方法で示す図である。図2に示すように、本実施形態のマルチコアファイバユニットでは、ブリッジファイバ10の構成及びマルチコアファイバ20,30の構成がそれぞれ第1実施形態のブリッジファイバ10の構成及びマルチコアファイバ20,30の構成と異なる。
本実施形態の一方のマルチコアファイバ20は、第1実施形態のコア21と同様の構成の複数のコア21aが環状に配置されている点において第1実施形態のマルチコアファイバ20と異なる。また、本実施形態の他方のマルチコアファイバ30は、マルチコアファイバ20と同様に、第1実施形態のコア31と同様の構成の複数のコア31aが環状に配置されている点において第1実施形態のマルチコアファイバ30と異なる。また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、マルチコアファイバ20は、コア21aを伝搬する光がそれぞれのコア21a間で結合する結合型マルチコアファイバとされ、マルチコアファイバ30は、コア31aを伝搬する光がそれぞれのコア31a間で結合する結合型マルチコアファイバとされる。なお、図が煩雑となることを避けるため、図2において1つのコア21a,31aのみに符号を記載している。
本実施形態のブリッジファイバ10は、第1実施形態のコア11の代わりに、クラッド12の中心軸を中心とする軸対称形状のリング状のコア11aと、リング状のコア11aの内部空間に配置されて円形の断面を有するコア11cとを備える点において、第1実施形態のブリッジファイバ10と異なる。このため、コア11aはコア11aの外周面とコア11aの内周面とにおいてクラッド12とコア11cとによって囲まれ、コア11aの外周面はクラッド12の内周面に隙間なく密着し、コア11aの内周面はコア11cの外周面に隙間なく密着している。図2では、ブリッジファイバ10のコア11aをマルチコアファイバ20,30の端面に一点鎖線で投影している。この様子から明らかなように、コア11aの内径の大きさは0より大きく、マルチコアファイバ20,30の環状に配置された複数のコア21a,31aの内接円の直径以下とされる。また、コア11aの外径は、マルチコアファイバ20,30におけるそれぞれのコア21a,31aの外接円の直径以上とされる。また、コア11aは、コア11aに接続されるそれぞれのコア21aが伝搬する光のモード数の合計と、コア11aに接続されるそれぞれのコア31aが伝搬する光のモード数の合計のうち、最小のモード数以上の光を伝搬する。コア11cの屈折率は、クラッド12の屈折率と同様であり、コア11aの屈折率よりも低いため、当該コア11cの光の伝搬は抑制される。
本実施形態のマルチコアファイバユニット1では、第1実施形態と同様にして、一方のマルチコアファイバ20の一端とブリッジファイバ10の一端とが、それぞれ中心軸が揃えられて接続される。また、他方のマルチコアファイバ30の一端とブリッジファイバ10の他端とが、それぞれ中心軸が揃えられて接続される。このため、ブリッジファイバ10の一端において、マルチコアファイバ20のそれぞれのコア21aは、ブリッジファイバ10のリング状のコア11aと接続される。また、ブリッジファイバ10の他端において、マルチコアファイバ30のそれぞれのコア31aは、ブリッジファイバ10のリング状のコア11aと接続される。従って、本実施形態のブリッジファイバ10のコア11aは、マルチコアファイバ20における2以上のコア21aと接続されると共に、マルチコアファイバ30における2以上のコア31aと接続される共通コアと理解することができる。
このようにマルチコアファイバ20とマルチコアファイバ30とがブリッジファイバ10を介して接続されることで、マルチコアファイバ20の複数のコア21aと、マルチコアファイバ30の複数のコア31aとが、ブリッジファイバ10のコア11aを介して、光学的に結合する。
以上の説明より、本実施形態のマルチコアファイバユニット1における第1実施形態のマルチコアファイバユニット1と同様の構成については、第1実施形態のマルチコアファイバユニット1と同様の効果を有する。
また、本実施形態のマルチコアファイバユニット1では、共通コアであるコア11aは、リング状の形状を有するため、コア11aに接続されるマルチコアファイバ20,30の2以上のコア21a,31aが、上記のようにリング状に配置される場合に有用である。マルチコアファイバ20,30が結合型のマルチコアファイバである場合には、マルチコアファイバ20,30のコア21a,31aを伝搬する結合モードの形状とブリッジファイバ10のリング状のコア11aを伝搬するモード形状とを近い形状にし得る。このため、マルチコアファイバ20,30とブリッジファイバ10とで、伝搬する光の接続損失を小さくし得る。また、マルチコアファイバ20,30のコア11aに接続されるコア21a,31aがリング状に配置されるため、第1実施形態のようにブリッジファイバのコアが円形である場合と比べて、ブリッジファイバ10からマルチコアファイバ20,30に伝搬する光の損失を小さくし得る。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図3を参照して詳細に説明する。なお、第2実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図3は、本実施形態のマルチコアファイバユニットを図1と同様の方法で示す図である。図3に示すように、本実施形態のマルチコアファイバユニットでは、ブリッジファイバ10の構成及びマルチコアファイバ20,30の構成がそれぞれ第2実施形態のブリッジファイバ10の構成及びマルチコアファイバ20,30の構成と異なる。
本実施形態のマルチコアファイバ20はクラッド22の中心に1つのコア21bを更に有し、マルチコアファイバ30はクラッド32の中心に1つのコア31bを更に有する点において、第2実施形態のマルチコアファイバ20,30と異なる。なお、図が煩雑となることを避けるため、図3において1つのコア21a,31aのみに符号を記載している。
また、本実施形態のブリッジファイバ10は、クラッド12の中心にリング状のコア11dで囲まれクラッド12の中心軸を中心とする円形のコア11bを更に備える点において、第2実施形態のブリッジファイバ10と異なる。コア11bは、それぞれのマルチコアファイバ20,30におけるクラッド22,32の中心に配置されている1つのコア21b,31bと接続される。また、このコア11bは、マルチコアファイバ20のコア21bが伝搬する光のモード数と、マルチコアファイバ30のコア31bが伝搬する光のモード数とのうち、最小のモード数以上の光を伝搬する。例えば、マルチコアファイバ20のコア21bが伝搬する光のモード数と、マルチコアファイバ30のコア31bが伝搬する光のモード数とが同じ場合、上記の最小のモード数は、コア21bが伝搬する光のモード数或いはコア31bが伝搬する光のモード数となる。また、コア11bを伝搬する光のモードフィールド径(MFD)と、マルチコアファイバ20,30のコア21b,31bを伝搬する光のモードフィールド径とが、互いに同じになるように、コア11bは構成されることが好ましい。コア11dの屈折率は、クラッド12の屈折率と同様であり、コア11a,11bそれぞれの屈折率よりも低いため、当該コア11dの光の伝搬は抑制される。
本実施形態では、ブリッジファイバ10のリング状のコア11aは、内径がコア11bの直径より大きい点において、第2実施形態のコア11aと異なる。
本実施形態のマルチコアファイバユニット1では、第1実施形態と同様にして、一方のマルチコアファイバ20の一端とブリッジファイバ10の一端とが、それぞれ中心軸が揃えられて接続される。また、他方のマルチコアファイバ30の一端とブリッジファイバ10の他端とが、それぞれ中心軸が揃えられて接続される。このため、ブリッジファイバ10の一端において、マルチコアファイバ20のコア21bはブリッジファイバ10のコア11bと接続され、マルチコアファイバ20のそれぞれのコア21aはブリッジファイバ10のリング状のコア11aと接続される。また、ブリッジファイバ10の他端において、マルチコアファイバ30のコア31bはブリッジファイバ10のコア11bと接続され、マルチコアファイバ30のそれぞれのコア31aはブリッジファイバ10のリング状のコア11aと接続される。従って、本実施形態のブリッジファイバ10のコア11aは、第2実施形態のコア11aと同様に、マルチコアファイバ20における2以上のコア21aと接続されると共に、マルチコアファイバ30における2以上のコア31aと接続される共通コアと理解することができる。
このようにマルチコアファイバ20とマルチコアファイバ30とがブリッジファイバ10を介して接続されることで、マルチコアファイバ20のコア21bと、マルチコアファイバ30のコア31bとが、ブリッジファイバ10のコア11bを介して、光学的に結合する。また、第2実施形態のコア11aと同様に、マルチコアファイバ20の複数のコア21aと、マルチコアファイバ30の複数のコア31aとが、ブリッジファイバ10のコア11aを介して、光学的に結合する。
なお、本実施形態では、第1実施形態と同様に、マルチコアファイバ20の全てのコア21a,21bを伝搬する光が結合し、マルチコアファイバ30の全てのコア31a,31bを伝搬する光が結合しても良い。ただし、本実施形態では、マルチコアファイバ20,30のコア21b,31bを伝搬する光は、それぞれマルチコアファイバ20,30の複数のコア21a,31aを伝搬する光と結合しなくても良い。
以上の説明より、本実施形態のマルチコアファイバユニット1における第2実施形態のマルチコアファイバユニット1と同様の構成については、第2実施形態のマルチコアファイバユニット1と同様の効果を有する。
また、本実施形態のマルチコアファイバユニット1では、本実施形態のブリッジファイバ10は、共通コアであるコア11aに囲まれ、クラッド12の中心軸と重なるコア11bを有する。このため、マルチコアファイバ20,30の2以上のコア21a,31aが、上記のようにクラッド22,32においてリング状に配置され、本実施形態のように、これらのコア21a,31aとは別にクラッド22,32の中心軸上に1つのコア21b,31bが配置される場合に有用である。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図4を参照して詳細に説明する。なお、第2実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図4は、本実施形態のマルチコアファイバユニットを図1と同様の方法で示す図である。図4に示すように、本実施形態のマルチコアファイバユニット1では、ブリッジファイバ10の構成及びマルチコアファイバ20,30の構成がそれぞれ第2実施形態のブリッジファイバ10の構成及びマルチコアファイバ20,30の構成と異なる。
本実施形態のマルチコアファイバ20はクラッド22の中心近傍に複数のコア21bを更に有する点において、第2実施形態のマルチコアファイバ20と異なる。これら複数のコア21bは、本実施形態では、クラッド22の中心軸を中心とする軸対称の位置にそれぞれ配置されている。また、本実施形態のマルチコアファイバ30はクラッド32の中心近傍に複数のコア31bを更に有する点において、第2実施形態のマルチコアファイバ30と異なる。これら複数のコア31bは、本実施形態では、クラッド32の中心軸を中心とする軸対称の位置にそれぞれ配置されている。また、それぞれのマルチコアファイバ20,30において、それぞれコア21bを伝搬する光は互いに結合し、それぞれのコア31bを伝搬する光は互いに結合する。第2実施形態で説明したように、それぞれのマルチコアファイバ20,30において、複数のコア21aを伝搬する光は互いに結合し、複数のコア31aを伝搬する光は互いに結合する。従って、本実施形態では、それぞれのマルチコアファイバ20,30は、2系統の結合するコアを有する結合型マルチコアファイバとされる。なお、図が煩雑となることを避けるため、図4において1つのコア21a,31a及び1つのコア21b,31bのみに符号を記載している。
また、本実施形態のブリッジファイバ10は、クラッド12の中心にリング状のコア11dで囲まれクラッド12の中心軸を中心とする円形のコア11bを更に備える点において、第2実施形態のブリッジファイバ10と異なる。コア11bは、それぞれのマルチコアファイバ20,30におけるクラッド22,32の中心近傍に配置されている複数のコア21b,31bと接続される。図4では、ブリッジファイバ10のコア11a,11bをマルチコアファイバ20,30の端面に一点鎖線で投影している。この様子から明らかなように、本実施形態のコア11bの直径は、マルチコアファイバ20,30におけるそれぞれのコア21b,31bの外接円の直径以上とされる。また、このコア11bは、マルチコアファイバ20のそれぞれのコア21bが伝搬する光のモード数の合計と、マルチコアファイバ30のそれぞれのコア31bが伝搬する光のモード数の合計とのうち、最小の数以上の光を伝搬する。例えば、マルチコアファイバ20のそれぞれのコア21bが伝搬する光のモード数と、マルチコアファイバ30のそれぞれのコア31bが伝搬する光のモード数とが同じ場合、上記の最小の数は、それぞれのコア21bが伝搬する光のモード数の合計、或いは、それぞれのコア31bが伝搬する光のモード数の合計となる。コア11dの屈折率は、クラッド12の屈折率と同様であり、コア11a,11bそれぞれの屈折率よりも低いため、当該コア11dの光の伝搬は抑制される。
また、本実施形態では、ブリッジファイバ10のリング状のコア11aは、コア11aの内径がコア11bの直径より大きい点において、第2実施形態のコア11aと異なる。
本実施形態のマルチコアファイバユニット1では、第1実施形態と同様にして、一方のマルチコアファイバ20の一端とブリッジファイバ10の一端とが、それぞれ中心軸が揃えられて接続される。また、他方のマルチコアファイバ30の一端とブリッジファイバ10の他端とが、それぞれ中心軸が揃えられて接続される。このため、ブリッジファイバ10の一端において、マルチコアファイバ20のそれぞれのコア21bはブリッジファイバ10のコア11bと接続され、マルチコアファイバ20のそれぞれのコア21aはブリッジファイバ10のリング状のコア11aと接続される。また、ブリッジファイバ10の他端において、マルチコアファイバ30のそれぞれのコア31bはブリッジファイバ10のコア11bと接続され、マルチコアファイバ30のそれぞれのコア31aはブリッジファイバ10のリング状のコア11aと接続される。従って、本実施形態のブリッジファイバ10のコア11aは、第2実施形態のコア11aと同様に、マルチコアファイバ20における2以上のコア21aと接続されると共に、マルチコアファイバ30における2以上のコア31aと接続される共通コアと理解することができる。更に、ブリッジファイバ10のコア11bは、マルチコアファイバ20における2以上のコア21bと接続されると共に、マルチコアファイバ30における2以上のコア31bと接続される共通コアと理解することができる。つまり、本実施形態では、ブリッジファイバ10は、共通コアを2つ備える。
このようにマルチコアファイバ20とマルチコアファイバ30とがブリッジファイバ10を介して接続されることで、マルチコアファイバ20のそれぞれのコア21bと、マルチコアファイバ30のそれぞれのコア31bとが、ブリッジファイバ10のコア11bを介して、光学的に結合する。また、第2実施形態のコア11aと同様に、マルチコアファイバ20の複数のコア21aと、マルチコアファイバ30の複数のコア31aとが、ブリッジファイバ10のコア11aを介して、光学的に結合する。
なお、本実施形態では、マルチコアファイバ20のコア21a,21bを伝搬する光が互いに結合し、マルチコアファイバ30のコア31a,31bを伝搬する光が結合しても良い。ただし、本実施形態では、マルチコアファイバ20,30の複数のコア21b,31bを伝搬する光は、それぞれマルチコアファイバ20,30の複数のコア21a,31aを伝搬する光と結合しなくても良い。
以上の説明より、本実施形態のマルチコアファイバユニット1における第2実施形態のマルチコアファイバユニット1と同様の構成については、第2実施形態のマルチコアファイバユニット1と同様の効果を有する。
また、本実施形態のマルチコアファイバユニット1では、本実施形態のブリッジファイバ10は、共通コアであるコア11aに囲まれ、クラッド12の中心軸と重なるコア11bを有し、当該コア11bがマルチコアファイバ20,30における複数のコア21b,31bに接続されるため、より多くの情報を伝送し得る。
なお、本実施形態では、ブリッジファイバ10のコア11bは、クラッド12の中心軸を中心とする円形の形状とされたが、マルチコアファイバ20,30の複数のコア21b,31bと接続される限りにおいてリング状の形状であっても良い。この場合、コア11bの内径は、マルチコアファイバ20,30におけるそれぞれのコア21b,31bの内接円の直径以下とされ、コア11bの外径は、本実施形態の円形のコア11bの直径と同様とされる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図5を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図5は、本実施形態のマルチコアファイバユニットを図1と同様の方法で示す図である。図5に示すように、本実施形態のマルチコアファイバユニット1は、ブリッジファイバ10が複数に分割されている点において、第1実施形態のマルチコアファイバユニット1と異なる。本実施形態では、ブリッジファイバ10は、一方のブリッジファイバ10aと他方のブリッジファイバ10bとに分割されている。一方のブリッジファイバ10a及び他方のブリッジファイバ10bの断面における構成は、第1実施形態のブリッジファイバ10と同様とされる。一方のブリッジファイバ10aの一端は、ブリッジファイバ10の一端とされ、第1実施形態のマルチコアファイバユニット1と同様に、マルチコアファイバ20と接続される。一方のブリッジファイバ10aの他端と他方のブリッジファイバ10bの一端とは、それぞれ中心軸が揃えられて、接続される。従って、一方のブリッジファイバ10aのコア11と他方のブリッジファイバ10bのコア11とが互いに接続される。また、他方のブリッジファイバ10bの他端は、ブリッジファイバ10の他端とされ、第1実施形態のマルチコアファイバユニット1と同様に、マルチコアファイバ30と接続される。
なお、図5において、一方のブリッジファイバ10a及び他方のブリッジファイバ10bには、第1実施形態で説明した被覆層13が記載されていない。しかし、一方のブリッジファイバ10a及び他方のブリッジファイバ10bは、被覆層13を有しても良い。
以上の説明より、本実施形態のマルチコアファイバユニット1における第1実施形態のマルチコアファイバユニット1と同様の構成については、第1実施形態のマルチコアファイバユニット1と同様の効果を有する。
また、本実施形態のマルチコアファイバユニット1では、ブリッジファイバ10が長手方向に複数に分割されている。例えば、一方のマルチコアファイバ20に分割された1つのブリッジファイバ10aが接続され、他方のマルチコアファイバ30に分割された他方のブリッジファイバ10bが接続されることで、一方のマルチコアファイバ20の複数のコア21と1つのブリッジファイバ10aのコア11とが接続され、他方のマルチコアファイバ30の複数のコア31と他の1つのブリッジファイバ10bのコア11とが接続される。これら分割された一方のブリッジファイバ10aと他方のブリッジファイバ10bとを接続することで、マルチコアファイバ20,30の回転方向の調芯が互いにずれる場合であっても、マルチコアファイバ20,30間の光の伝送を可能とし得る。
なお、本実施形態では、ブリッジファイバ10が2つに分割される例について示したが、ブリッジファイバ10が3つ以上に分割されても良い。
また、第2実施形態から第4実施形態におけるブリッジファイバ10が、本実施形態と同様に複数に分割されても良い。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図6を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
本実施形態は、多芯マルチコアファイバユニットに関する実施形態である。図6は、本実施形態の多芯マルチコアファイバユニットを図1と同様の方法で示す図である。図6に示すように、本実施形態の多芯マルチコアファイバユニット2では、多芯ブリッジファイバ100と、一対の多芯マルチコアファイバ200,300とを備える。
多芯ブリッジファイバ100は複数のブリッジファイバ10を有し、それぞれのブリッジファイバ10は並列されて互いにバンドルされている。具体的には、複数のブリッジファイバ10は、それぞれのブリッジファイバ10の被覆層13を共通に被覆する不図示の共通被覆層でバンドルされている。また、多芯マルチコアファイバ200は多芯ブリッジファイバ100におけるブリッジファイバ10の数と同数のマルチコアファイバ20を有し、それぞれのマルチコアファイバ20は並列されて互いにバンドルされている。多芯マルチコアファイバ300は多芯ブリッジファイバ100におけるブリッジファイバ10の数と同数のマルチコアファイバ30を有し、それぞれのマルチコアファイバ30は並列されて互いにバンドルされている。複数のマルチコアファイバ20は、それぞれのマルチコアファイバ20を共通に被覆する不図示の共通被覆層でバンドルされており、複数のマルチコアファイバ30は、それぞれのマルチコアファイバ30を共通に被覆する不図示の共通被覆層でバンドルされている。
それぞれのブリッジファイバ10の一端には第1実施形態のブリッジファイバ10と同様にマルチコアファイバ20の一端が接続され、それぞれのブリッジファイバ10の他端には第1実施形態のブリッジファイバ10と同様にマルチコアファイバ30の一端が接続されている。つまり、本実施形態の多芯マルチコアファイバユニット2は、第1実施形態のマルチコアファイバユニット1が複数並列されてバンドルされていると理解することができる。
以上の説明より、本実施形態の多芯マルチコアファイバユニット2における第1実施形態のマルチコアファイバユニット1と同様の構成については、第1実施形態のマルチコアファイバユニット1と同様の効果を有する。
また、本実施形態の多芯ブリッジファイバ100であれば、多芯ブリッジファイバ100の両端にブリッジファイバ10と同数のマルチコアファイバ20,30を接続することで、マルチコアファイバ20,30の軸中心の回転方向の調芯が互いにずれた状態でマルチコアファイバ20,30がバンドルされている場合であっても、それぞれのブリッジファイバ10の共通コアであるコア11に接続されるマルチコアファイバ20,30のコア21,31同士を光学的に結合することができる。また、それぞれのブリッジファイバ10がバンドルされることで、ブリッジファイバ10同士が動かないため、それぞれのマルチコアファイバ20,30とそれぞれのブリッジファイバ10とを容易に接続し得る。
また、複数のマルチコアファイバ20,30が互いにバンドルされた多芯マルチコアファイバ200,300では、それぞれのマルチコアファイバ20,30の動きが規制される。しかし、本実施形態の多芯マルチコアファイバユニット2によれば、光学的に結合されるマルチコアファイバ20とマルチコアファイバ30との軸中心の回転方向の調芯が互いにずれてバンドルされる場合であっても、それぞれのブリッジファイバ10の共通コアであるコア11に接続されるマルチコアファイバ20のコア21とマルチコアファイバ30のコア31とを光学的に結合することができる。
なお、複数のブリッジファイバ10はバンドルされなくても良い。この場合、それぞれのブリッジファイバ10を個別にマルチコアファイバ20,30に接続するため、ブリッジファイバ10とマルチコアファイバ20,30との位置の微調整が容易に行い得る。ただし、複数のブリッジファイバ10がバンドルされることで、ブリッジファイバ10同士の動きを抑制し得るため、マルチコアファイバ20,30とブリッジファイバ10とを容易に接続し得る。
また、本実施形態では、第1実施形態のマルチコアファイバユニット1が互いにバンドルされる例について説明したが、第2実施形態から第5実施形態のいずれかのマルチコアファイバユニット1が互いにバンドルされても良い。
以上、本発明について、実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態おいて例示したマルチコアファイバ20,30のコア21,31の数や配置は、上記実施形態に限らない。また、マルチコアファイバ20,30は結合型のマルチコアファイバでなくても良い。
また、ブリッジファイバ10のコアは、中心軸を中心とする軸対称形状であれば、その数は限定されない。
なお、上記実施形態において、一方のマルチコアファイバ20の一端及び他方のマルチコアファイバ30の一端の少なくとも一方が縮径されて、ブリッジファイバ10と接続されていても良い。図7は、このような変形例を示すマルチコアファイバの一部を図1と同様の方法で示す図である。図7に示すように、マルチコアファイバ20の一端は縮径されている。例えば、マルチコアファイバ20の縮径された一端では、外周側に配置されるコア21の外接円がブリッジファイバ10のコア11の直径以下とされ、マルチコアファイバ20の縮径されていない部位では、外周側に配置されるコア21の内接円がブリッジファイバ10のコア11の直径以上とされても良い。つまり、マルチコアファイバ20の長手方向に沿って見る場合に、マルチコアファイバ20の縮径されていない部位では、外周側に配置されるコア21がブリッジファイバ10のコア11と重ならない。しかしながら、ブリッジファイバ10と接続される端部では、それぞれのコア21がコア11と重なるように縮径されている。また、特に図示しないが、マルチコアファイバ30の一端もマルチコアファイバ20の一端と同様に縮径されても良い。
このように、マルチコアファイバ20,30の少なくとも一方の一端が縮径される場合、マルチコアファイバの縮径部において、コア21,31を伝搬する各コアのモード同士の結合を大きくすることができる。つまり、マルチコアファイバ20,30が非縮径部において非結合型である場合には、縮径部において結合型とすることができ、マルチコアファイバ20,30が非縮径部において結合型である場合には、縮径部において結合をより大きくすることができる。上記のように共通コアであるコア11はマルチモードコアであるため、マルチコアファイバ20,30の一端において各コアのモード同士の結合が高められることで、マルチコアファイバ20,30とブリッジファイバ10との接続点における損失を小さくし得る。
このように、マルチコアファイバ20,30の少なくとも一方の一端が縮径される場合、マルチコアファイバ20,30とブリッジファイバ10とをそれぞれ接続する前に、マルチコアファイバ20の一端及びマルチコアファイバ30の一端の少なくとも一方を延伸により縮径しても良い。また、ブリッジファイバ10のコア11がマルチコアファイバ20,30の非縮径部におけるそれぞれのコア21,31と重なる場合には、マルチコアファイバ20,30とブリッジファイバ10とをそれぞれ接続した後に、マルチコアファイバ20の一端及びマルチコアファイバ30の一端の少なくとも一方をブリッジファイバ10と共に延伸により縮径しても良い。
また、上記実施形態において、マルチコアファイバ20,30の回転方向の軸ずれが生じる場合において、コア21とコア31とを光学的に結合させる観点から、ブリッジファイバ10の長さが100μm以上であることが好ましい。また、マルチコアファイバ20,30とブリッジファイバ10とを接続させる作業を容易にする観点から、ブリッジファイバ10の長さが100mm以上であることが好ましい。
また、上記第1実施形態において、コア11とコア21及びコア31とが接続される場合、ブリッジファイバ10の長手方向に見る場合に、コア11と接続される各コア21,31のうち一部のコアがコア11と部分的に重ならなくても良い。すなわち、コア11とコア21及びコア31との間で光が伝搬可能であれば、ブリッジファイバ10の長手方向に見る場合に、コア11と接続される各コア21,31のうち一部のコアがコア11と部分的に重ならなくても良い。具体的には、コア21,31のうちコア11と部分的に重ならないコアに注目する場合に、当該コアの一部がコア11と重なり当該コアの他の一部がコア11と重ならなくても良い。この場合であっても当該コア11とコア21,31とを接続することができる。例えば、コア11の直径が、複数のコア21、31のうち外側に配置されるコア21,31の内接円の直径と外接円の直径との間の大きさであり、ブリッジファイバ10とマルチコアファイバ20,30との中心軸が合わせられてブリッジファイバ10とマルチコアファイバ20,30とが接続される構成が考えられる。同様に他の実施形態において、ブリッジファイバ10の長手方向に見る場合に、コア11と接続される各コア21,31のうち一部のコアがコア11と部分的に重ならなくても良く、コア11aと接続される各コア21a,31aのうち一部のコアがコア11aと部分的に重ならなくても良く、コア11bと接続される各コア21b,31bのうち一部のコアがコア11bと部分的に重ならなくても良い。
また、第1実施形態において、ブリッジファイバ10のコア11と接続される一方のマルチコアファイバ20におけるそれぞれのコア21が伝搬する光のモード数の合計と、ブリッジファイバ10のコア11と接続される他方のマルチコアファイバ30におけるそれぞれのコア31が伝搬する光のモード数の合計とが互いに異なっても良い。この場合であっても、上記実施形態で説明したように共通コアであるコア11は、一方のマルチコアファイバ20におけるそれぞれのコア21が伝搬する光のモード数の合計と、他方のマルチコアファイバ30におけるそれぞれのコア31が伝搬する光のモード数の合計とのうち最小の数以上のモード数の光を伝搬する。また、他の実施形態において、ブリッジファイバ10の共通コアと接続される一方のマルチコアファイバ20におけるそれぞれのコアが伝搬する光のモード数の合計と、ブリッジファイバ10の共通コアと接続される他方のマルチコアファイバ30におけるそれぞれのコアが伝搬する光のモード数の合計とが互いに異なっても良い。この場合であっても、上記実施形態で説明したようにブリッジファイバ10の共通コアは、一方のマルチコアファイバ20におけるそれぞれのコアが伝搬する光のモード数の合計と、他方のマルチコアファイバ30におけるそれぞれのコアが伝搬する光のモード数の合計とのうち最小の数以上のモード数の光を伝搬する。
また、ブリッジファイバ10の被覆層13は必須の構成では無い。
次に、実施例、比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
2つのコアが設けられたランダム結合型マルチコアファイバ(Randomly Coupled Multicore Fiber)を2本準備した。一方のランダム結合型マルチコアファイバの長さを2kmとし、他方のランダム結合型マルチコアファイバの長さを1kmとした。伝送受信端でMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)が用いられることで、クロストークが補償される。従って、ランダム結合型マルチコアファイバの伝送通信端でMIMOが用いられた通信システムは、光伝送路中で信号が混合することに対して、MIMOを用いない非結合型マルチコアファイバの伝送路の通信システムと比較して、クロストークに対する耐性が強い。従って、上記実施形態のマルチコアファイバユニット1において、ブリッジファイバ10中でクロストークが発生し易いため、マルチコアファイバ20,30としてランダム結合型マルチコアファイバが用いられ、伝送通信端でMIMOが用いられることが好ましい。
準備したランダム結合型マルチコアファイバは、クラッドの中心に対して線対称の構造であり、それぞれのコアの光学特性はITUT-T G.657.A1を満たすものであった。コアの中心間距離は20.9μmであり、それぞれのコアの最も外周側の端同士の距離は29.3μmであり、クラッドの直径は124.9μmであった。準備したランダム結合型マルチコアファイバの1つのコアに励振用のシングルモードファイバを融着する。波長1550nmの光を入射してニア・フィールド・パターンを観察すると、それぞれのコアから光が出射されていることが確認された。従って、このマルチコアファイバが、ランダム結合型マルチコアファイバであることが確認された。
(比較例1)
それぞれのランダム結合型マルチコアファイバの一端において1つのコアにシングルモードファイバを接続し、それぞれのランダム結合型マルチコアファイバの他端の端面同士を突き合わせた状態とした。次に、長さが2kmの一方のランダム結合型マルチコアファイバに接続されたシングルモードファイバに波長1550nmの光を入射して、長さが1kmの他方のランダム結合型マルチコアファイバに接続されたシングルモードファイバから出射する光のパワーを測定した。この測定を、それぞれのランダム結合型マルチコアファイバの相対的な回転角を変化させた。その結果を図8に示す。図8の縦軸は、測定された光のピークパワーを基準に規格化した。図8に示すように、測定された光のピークパワーに対して25dB近くパワーが変化し、パワーの変化の周期が概ね180度である結果となった。これは、それぞれのランダム結合型マルチコアファイバのコア同士が対向している状態では、一方のランダム結合型マルチコアファイバから他方のランダム結合型マルチコアファイバに光が伝搬することを示す。またこれは、それぞれのランダム結合型マルチコアファイバのコアの位置がずれている状態では、そのずれ方によって一方のランダム結合型マルチコアファイバから他方のランダム結合型マルチコアファイバへの光の伝搬が低減することを示している。
(実施例1)
比較例1と同様にして、それぞれのランダム結合型マルチコアファイバの一端において1つのコアにシングルモードファイバを接続した。また、一対のブリッジファイバを準備した。それぞれのブリッジファイバのコアの直径は35μmであり、クラッドに対するコアの比屈折率差は0.38%であった。このため、波長1550nmの光を伝搬する場合に、それぞれのブリッジファイバが伝搬し得る光のモードの数は10である。本例では、それぞれのランダム結合型マルチコアファイバの他端にブリッジファイバを接続した。上記のようにそれぞれのランダム結合型マルチコアファイバのそれぞれのコアの最も外周側の端同士の距離は29.3μmであるため、ブリッジファイバのコアは、それぞれのランダム結合型マルチコアファイバのそれぞれのコアと対向し、光学的に結合する。こうして、それぞれのランダム結合型マルチコアファイバの一端にシングルモードファイバが接続され、他端にブリッジファイバが接続された状態とした。次に、それぞれのブリッジファイバの結合型マルチコアファイバに接続されていない端面同士を突き合わせた状態とした。そして、比較例1と同様にして、長さが2kmの一方のランダム結合型マルチコアファイバに接続されたシングルモードファイバに波長1550nmの光を入射させる。次に、長さが1kmの他方のランダム結合型マルチコアファイバに接続されたシングルモードファイバから出射する光のパワーを測定し、それぞれのブリッジファイバの相対的な回転角を変化させた。その結果を図9に示す。図9では、縦軸を図8の光のピークパワーを基準に規格化している。図9に示すように、測定した光のパワーの回転角による変化は1.8dB以下であった。従って、ブリッジファイバの相対的な回転角、すなわち、ブリッジファイバを介したランダム結合型マルチコアファイバの相対的な回転角によらず、光通信に使用できる状態でランダム結合型マルチコアファイバ同士を接続できることが分かった。
以上より、本発明のブリッジファイバによれば、マルチコアファイバの回転方向の調芯が互いにずれる場合であっても、マルチコアファイバ間の光の伝送を可能とし得ることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、マルチコアファイバの回転方向の調芯が互いにずれる場合であっても、マルチコアファイバ間の光の伝送を可能とし得るブリッジファイバ、マルチコアファイバユニット、多芯ブリッジファイバ、及び、多芯マルチコアファイバユニットが提供され、大容量長距離通信やファイバレーザ等の技術分野での使用が期待される。