JP2021131494A - マルチコアファイバ、光ファイバケーブル、及び光ファイバコネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 マルチコアファイバの接続において軸周り方向におけるずれが生じても、光の損失を抑制することができるマルチコアファイバ、光ファイバケーブル及び光ファイバコネクタを提供すること。【解決手段】 マルチコアファイバ10は、クラッド21と、複数のコア35aを有し、クラッド21に囲まれる複数のコア群33と、を備え、それぞれのコア群33において、それぞれのコア35aのコア間距離は、それぞれのコア35aを伝搬する光が互いに結合することによってスーパーモードが発現する距離とされ、それぞれのコア群33において、それぞれのコア35aは、クラッド21の中心Cを基準とする同一の円51aの円周上に配置される。【選択図】 図1
Description
本発明は、マルチコアファイバ、光ファイバケーブル、及び光ファイバコネクタに関する。
光ファイバ通信システムにおいて、情報の伝送量の増大に伴い、数十本から数千本といった多数の光ファイバが用いられることで、大容量の長距離光通信が行われている。近年では、光ファイバ通信システムにおける光ファイバ1本当たりの伝送量を増大させて、使用される光ファイバの数を減らすため、複数のコアが1つのクラッドにより囲まれたマルチコアファイバを用いることが知られている。
特許文献1に記載のマルチコアファイバでは、クラッドの中心に1つのコアが配置されると共に、そのコアを取り囲むように6つのコアが等間隔で配置され、さらに6つのコアを取り囲むように6つのコアが等間隔で配置される。このマルチコアファイバは、それぞれのコアを伝搬する光により、複数の信号を伝送させることができる。
また、マルチコアファイバとしては、それぞれのコアが互いに独立した伝送路とされ、それぞれのコアのクロストークができるだけ低減された非結合型マルチコアファイバと、それぞれのコアを伝搬する光が互いにモード結合してスーパーモードを発現する結合型マルチコアファイバとが知られている。この結合型マルチコアファイバによれば、光のモード毎に異なる信号を伝送するモード多重伝送が可能とされる。特許文献2には、このような結合型マルチコアファイバの一例が記載されている。特許文献2に記載の結合型マルチコアファイバでは、複数のコア群が、結合型マルチコアファイバの中心を基準とする円の円周上に配置されている。
長距離の光通信を行う光ファイバ通信システムにおいては、複数の光ファイバが接続される場合があり、マルチコアファイバを用いる場合においても、複数のマルチコアファイバを接続して用いる場合がある。マルチコアファイバの接続では、それぞれのマルチコアファイバのコアを光学的に結合させる必要がある。このため、例えば、それぞれのマルチコアファイバの端面を突き合わせて、それぞれのマルチコアファイバの中心軸を同軸上に位置させた後、少なくとも一方のマルチコアファイバを軸周りに回転させ、それぞれのマルチコアファイバのコアを対向させている。それぞれのマルチコアファイバのコアを対向させるために、マルチコアファイバを軸周り方向に回転させる場合、軸周り方向において一方のコアが他方のコアに対してずれることがある。特許文献1に記載のマルチコアファイバでは、クラッドの長手方向に垂直な方向におけるそれぞれのコアの断面は円形状である。この場合、一方のマルチコアファイバのコアはずれによって他方のマルチコアファイバのコアに対向しない懸念があり、軸周り方向におけるずれによって、コアを伝搬する光の損失が起こる懸念がある。また、特許文献2に記載の結合型マルチコアファイバの接続においても、軸周り方向におけるずれによって、コアを伝搬する光の損失が起こる懸念がある。
そこで、本発明は、マルチコアファイバの接続において軸周り方向にずれが生じても、光の損失を抑制することができるマルチコアファイバ、光ファイバケーブル、及び光ファイバコネクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明におけるマルチコアファイバは、クラッドと、複数のコアを有し、前記クラッドに囲まれる複数のコア群と、を備え、それぞれの前記コア群において、それぞれの前記コアのコア間距離は、それぞれの前記コアを伝搬する光が互いに結合することによってスーパーモードが発現する距離とされ、少なくとも2つの前記コア群におけるそれぞれの前記コアは、前記クラッドの中心を基準とする同一の円の円周上に配置されることを特徴とする。
このような構成の本発明のマルチコアファイバは、結合型マルチコアファイバと呼ばれる。このマルチコアファイバでは、少なくとも2つのコア群におけるそれぞれのコアはクラッドの中心を基準とする同一の円の円周上に配置される。このため、マルチコアファイバの接続においてマルチコアファイバの軸周り方向におけるずれが生じても、一方のマルチコアファイバのコア群の一部は他方のマルチコアファイバのコア群の一部に対向し得、それぞれのマルチコアファイバ間で光は伝搬し得る。従って、本発明のマルチコアファイバでは、それぞれのコア群において、それぞれのコアがクラッドの中心を基準とする同一の円の円周上に配置されていない場合に比べて、マルチコアファイバの接続において軸周り方向におけるずれが生じても、光の損失を抑制することができる。
また、少なくとも2つの前記コア群におけるそれぞれのコアは、クラッドの中心を基準とする同一の円の円周上に配置される。従って、少なくとも2つの前記コア群において、それぞれのコアが上記の円の円周上に配置されていない場合に比べて、マルチコアファイバ10の軸周り方向におけるずれが生じても、光の損失は一層抑制され得る。
また、全ての前記コア群におけるそれぞれの前記コアは、前記クラッドの前記中心を基準とする同一の円の円周上に配置されることが好ましい。
この場合、全てのコア群において、それぞれのコアが上記の円の円周上に配置されていない場合に比べて、マルチコアファイバ10の軸周り方向におけるずれが生じても、光の損失はより一層抑制され得る。
また、前記コア群は、4つ以上でもよい。
マルチコアファイバが通信用光ファイバとして用いられる場合、コア群が4つ未満である場合に比べて信号チャネル数が増加し、ファイバ1本あたりでより高密度な情報が伝送され得る。
また、それぞれの前記コア群において、前記コアの数は、互いに同じであることが好ましい。
この場合、マルチコアファイバの接続においてマルチコアファイバの軸周り方向におけるずれが生じても、それぞれのコア群において、それぞれのコアの軸周り方向におけるずれ量は互いに同じとなり、それぞれのコア群を伝搬する光の光量に差をつけるための調整が不要となり得る、または、調整の負担を軽減し得る。
また、前記複数のコア群は、前記クラッドの前記中心から離れて配置される少なくとも1つの内側コア群と、前記内側コア群よりも前記クラッドの外周側に配置される少なくとも1つの外側コア群と、を備えることが好ましい。
このような構成により、複数のコア群は、互いに隣り合うコア群のクロストークが抑制される位置に配置され易くなり得る。
この場合、前記内側コア群には、第1光が伝搬し、前記外側コア群には、第2光が伝搬し、前記クラッドの周方向における前記第2光の幅は、前記周方向における前記第1光の幅よりも大きいことが好ましい。
外側コア群とクラッドの中心との間の距離は内側コア群とクラッドの中心との間の距離よりも大きく、外側コア群は内側コア群よりもクラッドの中心から離れて配置される。従って、クラッドの周方向における第2光の幅がクラッドの周方向における第1光の幅と同じで、上記のように軸周り方向におけるずれが生じる場合、第2光のずれ量は第1光のずれ量よりも大きくなる。しかしながら、このマルチコアファイバでは、クラッドの周方向における第2光の幅はクラッドの周方向における第1光の幅よりも大きいため、当該ずれが生じても、第2光の幅が第1光の幅と同じである場合に比べて、第2光の損失量が低減され、それぞれのマルチコアファイバの内側コア群の結合効率とそれぞれのマルチコアファイバの外側コア群の結合効率とにおけるばらつきが抑制され得る。従って、本発明のマルチコアファイバでは、マルチコアファイバの接続においてマルチコアファイバの軸周り方向におけるずれが生じても、結合効率のばらつきを抑制することができる。
また、前記クラッドの周方向における前記外側コア群の幅は、前記周方向における前記内側コア群の幅よりも大きいことが好ましい。
この場合、周方向における第2光の幅が周方向における第1光の幅よりも大きくなり易い。このため、マルチコアファイバ同士を接続する際に、軸周り方向の軸ずれが生じても、第2光の損失を抑制し得る。
また、前記外側コア群における前記コアの数は、前記内側コア群における前記コアの数よりも多いことが好ましい。
この場合、外側コア群における第2光の周方向の幅を延ばし易い。また、第2光の周方向の幅を第1光の周方向の幅よりも大きくし易い。このため、マルチコアファイバ同士を接続する際に、軸周り方向の軸ずれが生じても、第2光の損失を抑制し得る。
前記外側コア群における前記コアの直径は、前記内側コア群における前記コアの直径よりも大きくてもよい。
この場合、外側コア群における第2光の周方向の幅をより一層延ばし易い。また、第2光の周方向の幅を第1光の周方向の幅よりもより一層大きくし易い。このため、マルチコアファイバ同士を接続する際に、軸周り方向の軸ずれが生じても、第2光の損失を抑制し得る。
また、前記外側コア群における前記クラッドに対するそれぞれの前記コアの比屈折率差は、前記内側コア群における前記クラッドに対するそれぞれの前記コアの比屈折率差よりも小さいことが好ましい。
この場合、周方向における第2光の幅が周方向における第1光の幅よりも大きくなり易い。このため、マルチコアファイバ同士を接続する際に、軸周り方向の軸ずれが生じても、第2光の損失を抑制し得る。
また、前記内側コア群は、前記クラッドの前記中心と前記外側コア群とを結ぶ線上に位置することが好ましい。
この場合、クラッドの周方向における一方側に位置する内側コア群のコアの一方側の端部とクラッドの周方向における他方側に位置する内側コア群のコアの他方側の端部とを結ぶ線分が、クラッドの中心と、クラッドの周方向における一方側に位置する外側コア群のコアの一方側の端部及びクラッドの周方向における他方側に位置する外側コア群のコアの他方側の端部との間を結ぶ線と交わる。ここで、マルチコアファイバ同士を側面視しながら中心軸周りの回転方向に調心する場合について説明する。内側コア群がクラッドの中心と外側コア群とを結ぶ線上以外の位置に配置される場合、側面視すると内側コア群のコア及び外側コア群のコアが個別に視認される傾向にあり、内側コア群のコアと外側コア群のコアとが誤認され得、マルチコアファイバ同士の調心がし難くなり得る。しかし、内側コア群がクラッドの中心と外側コア群とを結ぶ線上に配置される場合には、側面視において内側コア群のコアと外側コア群のコアとが少なくとも一部重なるため、上記のように内側コア群がクラッドの中心と外側コア群とを結ぶ線上以外の位置に配置される場合と比べて、側面視で内側コア群のコア及び外側コア群のコアの誤認に関わらず、マルチコアファイバ10同士が調心され易くなり得る。
また、前記内側コア群が前記クラッドの前記中心と前記外側コア群の中心とを結ぶ線上に位置することが好ましい。
この場合、クラッドの周方向における一方側に位置する内側コア群のコアの一方側の端部とクラッドの周方向における他方側に位置する内側コア群のコアの他方側の端部とを結ぶ線分がクラッドの中心と外側コア群の中心とを結ぶ線と交わる。外側コア群の中心とは、クラッドの周方向における一方側に位置する外側コア群のコアの一方側の端部と、クラッドの周方向における他方側に位置する外側コア群のコアの他方側の端部との間の中心である。内側コア群がクラッドの中心と外側コア群の中心とを結ぶ線上に位置する場合、側面視における外側コア群のコアと内側コア群のコアとの重なりの度合いが大きくなり、マルチコアファイバ同士の回転方向の調心が一層し易くなり得る。
或いは、前記内側コア群のいずれかのコアは、前記線上に位置されてもよい。
この場合、側面視における外側コア群のコアと内側コア群のコアとの重なりの度合いが一層大きくなり、マルチコアファイバ同士の回転方向の調心がより一層し易くなり得る。
或いは、前記内側コア群は、前記クラッドの前記中心と前記外側コア群の中心とを結ぶ線上以外の位置に位置することが好ましい。
この場合、クラッドの周方向における一方側に位置する内側コア群のコアの一方側の端部とクラッドの周方向における他方側に位置する内側コア群のコアの他方側の端部とを結ぶ線がクラッドの中心と外側コア群の中心とを結ぶ線上以外の位置に位置する。この場合における内側コア群と外側コア群と距離は、例えば内側コア群がクラッドの中心と外側コア群の中心とを結ぶ線上に位置する場合における内側コア群との外側コア群との距離に比べて、長くなり得る。従って、外側コア群と内側コア群との間におけるクロストークが抑制され得る。
また、前記内側コア群は、前記クラッドの前記中心と前記外側コア群とを結ぶ線上以外の位置に位置することが好ましい。
この場合、クラッドの周方向における一方側に位置する内側コア群のコアの一方側の端部とクラッドの周方向における他方側に位置する内側コア群のコアの他方側の端部とを結ぶ線が、クラッドの中心と、クラッドの周方向における一方側に位置する外側コア群のコアの一方側の端部及びクラッドの周方向における他方側に位置する外側コア群のコアの他方側の端部との間を結ぶ線上以外の位置に位置する。この場合における内側コア群と外側コア群と距離は、例えば内側コア群における上記線がクラッドの中心と外側コア群の中心とを結ぶ線上に位置する場合における内側コア群との外側コア群との距離に比べて、長くなり得る。従って、外側コア群と内側コア群との間におけるクロストークがより抑制され得る。
また、本発明における光ファイバケーブルは、筒状のシースと、前記シースの内部空間に配置される上記のいずれかに記載のマルチコアファイバと、を備えてもよい。
また、本発明における光ファイバコネクタは、フェルールと、上記のいずれかに記載のマルチコアファイバと、を備え、前記マルチコアファイバの一端は、前記フェルールの内部空間に配置されてもよい。
以上のように、本発明によれば、マルチコアファイバの接続において軸周り方向におけるずれが生じても、光の損失を抑制することができるマルチコアファイバ、光ファイバケーブル、及び光ファイバコネクタを提供することができる。
以下、本発明に係るマルチコアファイバの好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができる。また、本発明は、以下に例示する各実施形態における構成要素を適宜組み合わせてもよい。なお、理解の容易のため、それぞれの図において一部が誇張して記載される場合等がある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態にかかるマルチコアファイバ10の長手方向に垂直な断面の構造を示す図である。図1に示すように、本実施形態のマルチコアファイバ10は、クラッド21と、クラッド21の中心Cを囲むように等間隔で配置される破線で示される複数のコア群33と、クラッド21の外周面を被覆する内側保護層41と、内側保護層41の外周面を被覆する外側保護層43と、を備える。それぞれのコア群33は、互いに光学的に結合する複数のコア35aを有する。なお、図1では、4つのコア群33が配置されている例が示されている。また、図1では、それぞれのコア群33において、コア35aの数は互いに同じである例が示されており、コア35aの数が2つである例が示されている。なお、破線は、コア35aを有するコア群33を示すために便宜的に記載されたものであり、コア群33の形状が破線のような形状であることを意味するものではない。
図1は、本発明の第1実施形態にかかるマルチコアファイバ10の長手方向に垂直な断面の構造を示す図である。図1に示すように、本実施形態のマルチコアファイバ10は、クラッド21と、クラッド21の中心Cを囲むように等間隔で配置される破線で示される複数のコア群33と、クラッド21の外周面を被覆する内側保護層41と、内側保護層41の外周面を被覆する外側保護層43と、を備える。それぞれのコア群33は、互いに光学的に結合する複数のコア35aを有する。なお、図1では、4つのコア群33が配置されている例が示されている。また、図1では、それぞれのコア群33において、コア35aの数は互いに同じである例が示されており、コア35aの数が2つである例が示されている。なお、破線は、コア35aを有するコア群33を示すために便宜的に記載されたものであり、コア群33の形状が破線のような形状であることを意味するものではない。
クラッド21の長手方向に垂直な方向におけるクラッド21の断面は円形状とされ、コア群33の外周面を隙間なく囲んでいる。クラッド21を形成する材料は、クラッド21に用いられる材料であれば特に制限されないが、例えば、何もドーパントが添加されていないピュアシリカガラスから形成される。
本実施形態では、それぞれのコア群33において、2つのコア35aは、クラッド21の周方向において隣り合って配置される。この隣り合うコア35aは、クラッド21の中心Cを基準とする同一の円51aの円周上に配置される。別言すると、隣り合うコア35aは、クラッド21の周方向に一列に並んで配置される。隣り合うコア35aのコア間距離は、それぞれのコア35aを伝搬する光が互いに結合することによってスーパーモードが発現する距離とされる。このようなコア35aの配置によって、1つのコア群33が形成される。このようなコア群33を有するマルチコアファイバ10は、結合型マルチコアファイバと呼ばれる。
本実施形態では、全てのコア群33におけるそれぞれのコア35aは、クラッド21の中心Cを基準とする同一の円51aの円周上に配置される。
コア35aの屈折率は、クラッド21の屈折率よりも高くされ、コア35aのクラッド21に対する比屈折率差は、特に限定されないが、例えば、0.2%〜0.5%とされる。コア35aの材料としては、クラッド21よりも屈折率が高く、上記のようなクラッド21に対する比屈折率差である限りにおいて、特に限定されない。このような材料としては、例えば、屈折率を上げるゲルマニウム等のドーパントが添加されたシリカガラスを挙げることができる。
クラッド21の長手方向に垂直な方向におけるコア35aの断面は、円形状である。それぞれのコア群33において、それぞれのコア35aの直径は、互いに同じである。また、全てのコア群33におけるそれぞれのコア35aの直径は、互いに同じである。
クラッド21の周方向に互いに隣り合うコア群33において、一方のコア群33における最も他方のコア群33に近いコア35aと、他方のコア群33における最も一方のコア群33に近いコア35aとの距離は、30μm以上となることが好ましく、40μm以上となるようことがより好ましい。このように、コア35aが配置されることで、互いに隣り合うコア群33は互いに光学的に結合されることが抑制され、互いに隣り合うコア群33のクロストークを抑制することができる。また、それぞれのコア群33におけるそれぞれのコア35aは、コア35aとクラッド21の外周面との距離が35μm以上となるように配置されることが好ましく、40μm以上とされることがより好ましい。このようにコア35aが配置されることにより、コア35aを伝搬する光が内側保護層41に吸収されることに起因する、光の損失を抑制することができる。
それぞれのコア群33は、クラッド21の中心Cから等距離に設けられ、等間隔の位置に配置される。このように配置されるコア群33は、クラッド21の中心Cを中心とする回転対称の位置に配置される。このようにコア群33が配置されることにより、コア群33の配置による光学的性質を均質にすることができる。
また、本実施形態では、クラッド21の中心Cと、互いに隣り合う2つのコア群33とにより直角三角形を描くため、クラッド21の中心Cとコア群33との間の距離は、互いに隣り合うコア群33の距離よりも小さくなる。
クラッド21の周方向において隣り合うコア群33の間の距離は、それぞれのコア群33におけるそれぞれのコア35aのコア間距離よりも大きくされる。
上記のように、それぞれのコア群33において、それぞれのコア35aは互いに光学的に結合しており、コア35aの断面は円形状である。また、上記のように、それぞれのコア群33において、それぞれのコア35aは、円51aの円周上に配置される。従って、このように構成されるコア群33の幅は、クラッド21の周方向に概ね沿っている。
次に、コア群33を伝搬する光の断面の形状について説明する。当該断面は、クラッド21の長手方向に垂直な方向における断面である。
上記のように、それぞれのコア群33において、それぞれのコア35aは互いに光学的に結合しており、コア35aの断面は円形状である。また、上記のように、それぞれのコア群33において、それぞれのコア35aは、円51aの円周上に配置される。従って、それぞれのコア35aに光が伝搬すると、それぞれのコア群33を伝搬する光の断面は、円51aの円周に沿った長さが、円51aの径方向に沿った長さより長い形状となる。例えば、それぞれのコア群33を伝搬する光の断面が楕円形状になれば、当該楕円の短軸はクラッド21の径方向に概ね沿っており、光の楕円の長軸はクラッド21の周方向に概ね沿っている。光の断面形状において、周方向における光の幅がマルチコアファイバ10を伝搬する光のビーム径となる。
また、内側保護層41及び外側保護層43の材料としては、互いに異なる種類の紫外線硬化樹脂を挙げることができる。
長距離の光通信を行う光ファイバ通信システムにおいては、複数の光ファイバが接続される場合があり、マルチコアファイバ10を用いる場合においても、複数のマルチコアファイバ10を接続して用いる場合がある。この場合、互いに対向するマルチコアファイバ10が接続され、それぞれのマルチコアファイバ10のコア群33が光学的に結合されると、マルチコアファイバ接続体が構成される。
マルチコアファイバ10の接続では、例えば、それぞれのマルチコアファイバ10の端面を突き合わせて、それぞれのマルチコアファイバ10の中心軸を同軸上に位置させる。この後、少なくとも一方のマルチコアファイバ10を軸周りに回転させ、それぞれのマルチコアファイバ10のコア群33を対向させている。
以上のように、本実施形態のマルチコアファイバ10は、クラッド21と、複数のコア35aを有し、クラッド21に囲まれる複数のコア群33と、を備え、それぞれのコア群33において、それぞれのコア35aのコア間距離は、それぞれのコア35aを伝搬する光が互いに結合することによってスーパーモードが発現する距離とされ、全てのコア群33におけるそれぞれのコア35aは、クラッド21の中心Cを基準とする同一の円51aの円周上に配置される。
ところで、少なくとも一方のマルチコアファイバ10を軸周りに回転させる場合、軸周り方向において、一方のマルチコアファイバ10のコア群33の一部が他方のマルチコアファイバ10のコア群33の一部に対して所定位置からずれることがある。この所定位置とは、それぞれのマルチコアファイバ10のコア群33のコア35aの断面全体が互いに対向する位置である。
しかしながら、本実施形態のマルチコアファイバ10では、全てのコア群33におけるそれぞれのコア35aはクラッド21の中心Cを基準とする同一の円51aの円周上に配置され、それぞれのコア35aのコア間距離はスーパーモードが発現する距離とされる。このため、それぞれのコア群33において、それぞれのコア35aが円51aの円周上に配置されていない場合に比べて、コア群33の幅は長くなり得、コア群33を伝搬する光の幅がクラッド21の円周方向に長くなり得る。これにより、軸周り方向におけるずれが生じても、一方のマルチコアファイバ10のコア群33の一部は他方のマルチコアファイバ10のコア群33の一部に対向し得、コア35aを伝搬する光の損失が抑制され得る。従って、本実施形態のマルチコアファイバ10では、それぞれのコア群33において、それぞれのコア35aが円51aの円周上に配置されていない場合に比べて、マルチコアファイバ10の接続においてマルチコアファイバ10の軸周り方向にずれが生じても、光の損失を抑制することができる。
また、本実施形態のマルチコアファイバ10では、全てのコア群33におけるそれぞれのコア35aは、クラッド21の中心Cを基準とする同一の円51aの円周上に配置される。このため、全てのコア群33において、それぞれのコア35aが円51aの円周上に配置されていない場合に比べて、マルチコアファイバ10の軸周り方向におけるずれが生じても、光の損失は一層抑制され得る。
また、本実施形態のマルチコアファイバ10では、コア群33は、4つである。
マルチコアファイバ10が通信用光ファイバとして用いられる場合、コア群33が4つ未満である場合に比べて、信号チャネル数が増加し、ファイバ1本あたりでより高密度な情報が伝送され得る。
また、本実施形態のマルチコアファイバ10では、それぞれのコア群33において、コア35aの数は、互いに同じである。
この場合、マルチコアファイバ10の接続においてマルチコアファイバ10の軸周り方向におけるずれが生じても、それぞれのコア群33において、それぞれのコア35aの軸周り方向におけるずれ量は互いに同じとなり、それぞれのコア群33を伝搬する光の光量に差をつけるための調整が不要となり得たり、調整の負担を軽減し得る。
なお、本実施形態では、それぞれのコア群33におけるコア35aの数は、互いに異なっていてもよい。このような本実施形態の変形例を、図2を用いて説明する。図2では、一部のコア群33におけるコア35aの数が2つであり、他の一部のコア群33におけるコア35aの数が3つである例が示されている。なお、一部のコア群33におけるコア35aの数が2つ以外でもよく、他の一部のコア群33におけるコア35aの数が3つ以外でもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図3を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
次に、本発明の第2実施形態について図3を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図3は、本実施形態にかかるマルチコアファイバ10の長手方向に垂直な断面の構造を示す図である。本実施形態のマルチコアファイバ10は、クラッド21の中心Cに配置される1つの中心コア31をさらに備える点において、第1実施形態のマルチコアファイバ10と異なる。中心コア31の構成は、例えば、コア35aの構成と同じである。
本実施形態のマルチコアファイバ10によれば、一対のマルチコアファイバ10の端面を突き合わせて、それぞれのマルチコアファイバ10の中心軸を同軸上に位置させる場合において、中心コア31は中心軸同士の接続の基準になり得る。従って、マルチコアファイバ10を接続する際の位置合わせが容易となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図4を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
次に、本発明の第3実施形態について図4を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図4は、本実施形態にかかるマルチコアファイバ10の長手方向に垂直な断面の構造を示す図である。本実施形態のマルチコアファイバ10は、複数の内側コア群37と複数の外側コア群39とを備える点において、第1実施形態のマルチコアファイバ10と異なる。本実施形態では、内側コア群37の数は、外側コア群39の数と同じである。図4では、2つの内側コア群37及び2つの外側コア群39が配置される、すなわち内側コア群37及び外側コア群39が2−2配置とされる例が示されている。また、本実施形態では、説明の理解を促進するために、内側コア群37のコアをコア35bとし、外側コア群39のコアをコア35cとする。本実施形態では、それぞれの内側コア群37におけるコア35bの数は、それぞれの外側コア群39におけるコア35cの数と同じである。図4では、内側コア群37におけるコア35bの数は3つであり、外側コア群39におけるコア35cの数は3つである例が示されている。また、本実施形態では、それぞれの外側コア群39におけるコア35cの直径は、それぞれの内側コア群37におけるコア35bの直径と同じである。なお、図4において、破線は、コア35bを有する内側コア群37を示すため、及び、コア35cを有する外側コア群39を示すために便宜的に記載されたものであり、内側コア群37及び外側コア群39の形状が破線のような形状であることを意味するものではない。
クラッド21の長手方向に垂直な方向における内側コア群37のコア35bの断面は、円形状である。また、クラッド21の長手方向に垂直な方向における外側コア群39のコア35cの断面は、円形状である。内側コア群37のコア35b及び外側コア群39のコア35cの材料は、コア35aの材料と同じである。コア35bの屈折率及びコア35cの屈折率は、クラッド21の屈折率よりも高くされ、コア35b及びコア35cのクラッド21に対する比屈折率差は、特に限定されないが、例えば、0.2%〜0.5%とされる。本実施形態では、外側コア群39のクラッド21に対するそれぞれのコア35cの比屈折率差は、内側コア群37のクラッド21に対するそれぞれのコア35bの比屈折率差よりも小さくされる。
本実施形態では、それぞれの内側コア群37は、外側コア群39に比べてクラッド21の中心C側に配置される。それぞれの内側コア群37において、2つのコア35bは、クラッド21の周方向において隣り合って配置される。この隣り合うコア35bは、クラッド21の中心Cを基準とする同一の円51bの円周上に配置される。また、それぞれの内側コア群37において、隣り合うコア35bは、互いに光学的に結合している。隣り合うコア35bのコア間距離は、それぞれのコア35bを伝搬する光が互いに結合することによってスーパーモードが発現する距離とされる。このようなコア35bの配置によって、1つの内側コア群37が形成される。本実施形態では、全ての内側コア群37におけるそれぞれのコア35bは、クラッド21の中心Cを基準とする同一の円51bの円周上に配置される。
本実施形態では、それぞれの外側コア群39は、内側コア群37に比べてクラッド21の外周側に配置される。それぞれの外側コア群39において、2つコア35cは、クラッド21の周方向において隣り合って配置される。この隣り合うコア35cは、クラッド21の中心Cを基準とする同一の円51cの円周上に配置される。円51cの直径は円51bの直径よりも大きくされており、円51cは円51bとは異なる円である。また、それぞれの外側コア群39において、隣り合うコア35cは、互いに光学的に結合している。隣り合うコア35cのコア間距離は、それぞれのコア35cを伝搬する光が互いに結合することによってスーパーモードが発現する距離とされる。このようなコア35cの配置によって、1つの外側コア群39が形成される。本実施形態では、全ての外側コア群39におけるそれぞれのコア35cは、クラッド21の中心Cを基準とする同一の円51cの円周上に配置される。
それぞれの内側コア群37は、クラッド21の中心Cから等距離に設けられ、等間隔の位置に配置される。また、それぞれの外側コア群39は、クラッド21の中心Cから等距離に設けられ、等間隔の位置に配置される。
また、本実施形態では、クラッド21の中心Cと外側コア群39の中心とを結ぶ線L1上に内側コア群37の中心が位置している。外側コア群39の中心とは、クラッド21の周方向における一方側に位置するコア35cの一方側の端部と、クラッド21の周方向における他方側に位置するコア35cの他方側の端部との間の中心である。また、内側コア群37の中心とは、クラッド21の周方向における一方側に位置するコア35bの一方側の端部と、クラッド21の周方向における他方側に位置するコア35bの他方側の端部との間の中心である。従って、図4に示す例では、クラッド21の周方向における一方側に位置するコア35bの一方側の端部とクラッド21の周方向における他方側に位置するコア35bの他方側の端部とを結ぶ線分の中心が線L1上に位置する。
また、本実施形態では、内側コア群37のうち中心に位置するコア35bが線L1上に位置している。
ここで、内側コア群37のコア35bを伝搬する光を第1光とし、外側コア群39のコア35cを伝搬する光を第2光とする。この場合、上記線L1は、クラッド21の中心Cと外側コア群39を伝搬する第2光の中心とを結ぶ線でもある。本実施形態では、上記のように内側コア群37及び外側コア群39が配置されるため、内側コア群37を伝搬する第1光の中心も線L1上に位置する。このため、全ての第1光がクラッド21の径方向において全ての第2光に重なる。
このように配置される内側コア群37は、本実施形態では、クラッド21の中心Cを中心とする回転対称の位置に配置され、外側コア群39はクラッド21の中心Cを中心とする回転対称の位置に配置される。このように内側コア群37及び外側コア群39が配置されることにより、それぞれの内側コア群37及び外側コア群39の配置による光学的性質を均質にすることができる。
また、本実施形態では、外周側に配置される外側コア群39のコア35cは、外側コア群39のコア35cとクラッド21の外周面との距離が35μm以上となるように配置されることが好ましく、40μm以上とされることがより好ましい。このように外周側の外側コア群39のコア35cが配置されることにより、外周側の外側コア群39のコア35cを伝搬する光が内側保護層41に吸収されることに起因する、光の損失を抑制することができる。
本実施形態では、複数のコア群は、クラッド21の中心Cから離れて配置される複数の内側コア群37と、内側コア群37よりもクラッド21の外周側に配置される複数の外側コア群39とを備える。
この場合、複数のコア群は、互いに隣り合うコア群のクロストークが抑制される位置に配置され易くなり得る。
また、本実施形態では、内側コア群37がクラッド21の中心Cと外側コア群39とを結ぶ線L1上に位置する。ここで、マルチコアファイバ10同士を側面視しながら中心軸周りの回転方向に調心する場合について説明する。内側コア群37がクラッド21の中心Cと外側コア群39とを結ぶ線上以外の位置に配置される場合、側面視すると内側コア群37のコア35b及び外側コア群39のコア35cが個別に視認される傾向にあり、内側コア群37のコア35bと外側コア群39のコア35cとが誤認され得、マルチコアファイバ10同士の調心がし難くなり得る。しかし、内側コア群37がクラッド21の中心Cと外側コア群39とを結ぶ線上に配置される場合には、側面視において内側コア群37のコア35bと外側コア群39のコア35cとが少なくとも一部重なるため、上記のように内側コア群37がクラッド21の中心Cと外側コア群39とを結ぶ線上以外の位置に配置される場合と比べて、側面視で内側コア群37のコア35b及び外側コア群39のコア35cの誤認に関わらず、マルチコアファイバ10同士が調心され易くなり得る。
更に、本実施形態では、内側コア群37がクラッド21の中心Cと外側コア群39の中心とを結ぶ線L1上に位置する。この場合、側面視における外側コア群39のコア35cと内側コア群37のコア35bとの重なりの度合いが大きくなり、マルチコアファイバ10同士の回転方向の調心が一層し易くなり得る。またさらに、本実施形態では、内側コア群37の3つのコア35bのうちクラッド21の周方向において中央に位置するコア35bがクラッド21の中心Cと外側コア群39の中心とを結ぶ線L1上に位置する。この場合、側面視における外側コア群39のコア35cと内側コア群37のコア35bとの重なりの度合いが一層大きくなり、マルチコアファイバ10同士の回転方向の調心がより一層し易くなり得る。
なお、本実施形態の変形例として、図5に示すように、内側コア群37が線L1上に位置し、内側コア群37の中心が線L1上に位置しなくてもよい。この場合、クラッド21の周方向における一方側に位置するコア35bの一方側の端部とクラッド21の周方向における他方側に位置するコア35bの他方側の端部とを結ぶ線分が線L1と交わる。
この場合、第1光の中心が線L1からずれる。別言すると、第1光の一部がクラッド21の径方向において第2光に重なる位置に位置し、第1光の他の一部がクラッド21の径において第2光とは重ならない位置に位置するように、内側コア群37はクラッド21の周方向において外側コア群39とはずれて配置される。
本変形例のマルチコアファイバ10によれば、外側コア群39と内側コア群37との距離は、図4に示す例のように第1光の中心が線L1上に位置する場合における外側コア群39と内側コア群37との距離に比べて、長くなり得る。従って、外側コア群39と内側コア群37との間におけるクロストークが抑制され得る。
また、特に図示しないが、本実施形態のさらなる変形例として、内側コア群37が、クラッド21の中心Cと外側コア群39とを結ぶ線上に位置するのであれば、内側コア群37が線L1上に位置しなくてもよい。この場合、クラッド21の周方向における一方側に位置するコア35bの一方側の端部とクラッド21の周方向における他方側に位置するコア35bの他方側の端部とを結ぶ線分が、クラッド21の中心Cと、クラッド21の周方向における一方側に位置するコア35cの一方側の端部及びクラッド21の周方向における他方側に位置するコア35cの他方側の端部との間を結ぶ線と交わる。この場合、図4、図5に示す例と比べて、外側コア群39と内側コア群37との間におけるクロストークがより抑制され得る。
また、本実施形態のさらに別の変形例として、図6に示すように、内側コア群37がクラッド21の中心Cと外側コア群39とを結ぶ線L1上以外の位置に位置する構成であってもよい。なお、図6では、線L1として、クラッド21の中心Cと外側コア群39の中心とを結ぶ線を示している。しかし、線L1は、クラッド21の中心Cと外側コア群39とを結ぶ線であれば、外側コア群39の中心を通らなくてもよい。この場合、クラッド21の周方向における一方側に位置するコア35bの一方側の端部とクラッド21の周方向における他方側に位置するコア35bの他方側の端部とを結ぶ線分が、クラッド21の中心Cと、クラッド21の周方向における一方側に位置するコア35cの一方側の端部及びクラッド21の周方向における他方側に位置するコア35cの他方側の端部との間を結ぶ線と交わらない。
図6に示す例では、第1光が線L1上以外の位置に位置するように、内側コア群37は配置されることになる。別言すると、全ての第1光がクラッド21の径方向において全ての第2光に重ならないように、内側コア群37はクラッド21の周方向において外側コア群39とはずれて配置される。なお、本変形例では、内側コア群37は、外側コア群39に対してクラッド21の周方向において90°ずれて配置される。
また、本変形例では、互いに隣り合うコア群において、一方のコア群における最も他方のコア群に近いコアと、他方のコア群における最も一方のコア群に近いコアとの距離は、30μm以上となることが好ましく、40μm以上となるようことがより好ましい。例えば、一方のコア群は内側コア群37であり、他方のコア群は外側コア群39である。このように、コア35b,35cが配置されることで、互いに隣り合う内側コア群37は互いに光学的に結合することが抑制され、互いに隣り合うコア群のクロストークを抑制することができる。
図6に示す本変形例のマルチコアファイバ10によれば、外側コア群39と内側コア群37との距離は、内側コア群37が線L1上に位置する場合における外側コア群39と内側コア群37との距離に比べて、より一層長くなり得る。従って、外側コア群39と内側コア群37との間におけるクロストークがより一層抑制され得る。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図7を参照して詳細に説明する。なお、第3実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
次に、本発明の第4実施形態について図7を参照して詳細に説明する。なお、第3実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図7は、本実施形態にかかるマルチコアファイバ10の長手方向に垂直な断面の構造を示す図である。本実施形態のマルチコアファイバ10は、それぞれの外側コア群39におけるコア35cの数がそれぞれの内側コア群37におけるコア35bの数よりも多い点において、第3実施形態のマルチコアファイバ10と異なる。図7では、それぞれの外側コア群39におけるコア35cの数は3つであり、それぞれの内側コア群37におけるコア35bの数は2つである例を示している。
本実施形態においても、それぞれの外側コア群39におけるコア35cの直径は、それぞれの内側コア群37におけるコア35bの直径と同じである。また、それぞれの内側コア群37において、それぞれのコア35bは互いに光学的に結合しており、コア35bの断面は円形状である。また、それぞれの内側コア群37において、それぞれのコア35bは、円51bの円周上に配置される。それぞれの外側コア群39において、それぞれのコア35cは互いに光学的に結合しており、コア35cの断面は円形状である。また、それぞれの外側コア群39において、それぞれのコア35cは、円51cの円周上に配置される。外側コア群39におけるクラッド21に対するそれぞれのコア35cの比屈折率差は、内側コア群37におけるクラッド21に対するそれぞれのコア35bの比屈折率差よりも小さくされる。
次に、図8を用いて、クラッド21の周方向における内側コア群37の幅及びクラッド21の周方向における外側コア群39の幅について説明する。図8は、内側コア群37の幅と外側コア群39の幅との関係を示す図である。なお、図8に示す内側コア群37及び外側コア群39の配置は図8に示す内側コア群37及び外側コア群39の配置とは異なっている。図8に示すように、クラッド21の周方向における内側コア群37の幅を幅W1とし、クラッド21の周方向における外側コア群39の幅をW2とする。なお、図7において、破線は、コア35bを有する内側コア群37を示すため、及び、コア35cを有する外側コア群39を示すために便宜的に記載されたものであり、内側コア群37及び外側コア群39の形状が破線のような形状であることを意味するものではない。従って、内側コア群37及び外側コア群39の幅は、下記で説明されるように、それぞれ破線で示される楕円の長軸の幅ではない。
内側コア群37の幅W1は、クラッド21の周方向における一方側に位置するコア35bの一方側の端部と、クラッド21の周方向における他方側に位置するコア35bの他方側の端部との間の長さである。上記のように、それぞれの内側コア群37において、それぞれのコア35bは、円51bの円周上に配置される。従って、このように構成される内側コア群37の幅W1は、クラッド21の周方向に概ね沿っている。
また、外側コア群39の幅W2は、クラッド21の周方向における一方側に位置するコア35cの一方側の端部と、クラッド21の周方向における他方側に位置するコア35cの他方側の端部との間の長さである。上記のように、それぞれの外側コア群39において、それぞれのコア35cは、円51cの円周上に配置される。従って、このように構成される外側コア群39の幅W2は、クラッド21の周方向に概ね沿っている。
上記のように、それぞれの外側コア群39におけるコア35cの数はそれぞれの内側コア群37におけるコア35bの数よりも多く、外側コア群39におけるコア35cの直径は内側コア群37におけるコア35bの直径と同じである。このため、外側コア群39の幅W2は内側コア群37の幅W1よりも大きくされる。
次に、内側コア群37を伝搬する光の断面の形状及び外側コア群39を伝搬する光の断面の形状について説明する。当該それぞれの断面は、クラッド21の長手方向に垂直な方向における断面である。
ここで、内側コア群37のコア35bを伝搬する光を第1光とし、外側コア群39のコア35cを伝搬する光を第2光とする。
上記のように、それぞれの内側コア群37において、それぞれのコア35bは互いに光学的に結合しており、コア35bの断面は円形状である。また、上記のように、それぞれの内側コア群37において、それぞれのコア35cは、円51bの円周上に配置される。従って、内側コア群37におけるそれぞれのコア35bに第1光が伝搬すると、クラッド21の長手方向に垂直な方向における内側コア群37における第1光の断面は、円51bの円周に沿った長さが、円51bの径方向に沿った長さより長い形状となる。第1光の断面形状において、周方向における第1光の幅がマルチコアファイバ10を伝搬する光のビーム径となる。
また、上記のように、それぞれの外側コア群39において、それぞれのコア35cは互いに光学的に結合しており、コア35cの断面は円形状である。また、上記のように、それぞれの外側コア群39において、それぞれのコア35cは、円51cの円周上に配置される。従って、外側コア群39におけるそれぞれのコア35cに第2光が伝搬すると、クラッド21の長手方向に垂直な方向における外側コア群39における第2光の断面は、円51cの円周に沿った長さが、円51cの径方向に沿った長さより長い形状となる。第2光の断面形状において、周方向における第1光の幅がマルチコアファイバ10を伝搬する光のビーム径となる。
上記のように、本実施形態では、それぞれの外側コア群39におけるコア35cの数はそれぞれの内側コア群37におけるコア35bの数よりも多く、外側コア群39におけるコア35cの直径は内側コア群37におけるコア35bの直径と同じである。従って、第2光の円51cの円周に沿った長さは、第1光の円51bの円周に沿った長さよりも長くされる。別言すると、クラッド21の周方向における第2光の幅は、クラッド21の周方向における第1光の幅よりも大きくされる。あるいは、上記のように、外側コア群39におけるクラッド21に対するそれぞれのコア35cの比屈折率差は、内側コア群37におけるクラッド21に対するそれぞれのコア35bの比屈折率差よりも小さくされる。このため、クラッド21の周方向における第2光の幅は、クラッド21の周方向における第1光の幅よりも大きくなり易い。
一般に、クラッドの中心からクラッドの径方向に離れて配置されるコア群を伝搬する光ほど、クラッドの中心とコア群を伝搬する光の中心との間の距離及び軸周り方向における光のずれ量が増加する。そこで、本実施形態では、クラッド21の周方向における第2光の幅は、クラッド21の周方向における第1光の幅よりも大きくされている。これにより、マルチコアファイバ10同士を接続する際に、軸周り方向におけるずれが生じても、クラッド21の中心Cから離れて配置される外側コア群39を伝搬する第2光の損失が抑制され、それぞれのマルチコアファイバ10の内側コア群37同士の結合効率とそれぞれのマルチコアファイバ10の外側コア群39同士の結合効率とにおけるばらつきが抑制される。
本実施形態では、内側コア群37には、第1光が伝搬し、外側コア群39には、第2光が伝搬する。クラッド21の周方向における第2光の幅は、クラッド21の周方向における第1光の幅よりも大きい。
外側コア群39とクラッド21の中心Cとの間の距離は、内側コア群37とクラッド21の中心Cとの間の距離よりも大きく、外側コア群39は内側コア群37よりもクラッド21の中心Cから離れて配置される。従って、クラッド21の周方向における第2光の幅がクラッド21の周方向における第1光の幅と同じで、上記のように軸周り方向におけるずれが生じる場合、第2光のずれ量は第1光のずれ量よりも大きくなる。しかしながら、本実施形態のマルチコアファイバ10では、クラッド21の周方向における第2光の幅はクラッド21の周方向における第1光の幅よりも大きい。このため、当該ずれが生じても、第2光の幅が第1光の幅と同じである場合に比べて、第2光の損失量が低減され、それぞれのマルチコアファイバ10の内側コア群37の結合効率とそれぞれのマルチコアファイバ10の外側コア群39の結合効率とにおけるばらつきが抑制され得る。従って、本実施形態のマルチコアファイバ10では、マルチコアファイバ10の接続においてマルチコアファイバ10の軸周り方向にずれが生じても、結合効率のばらつきを抑制することができる。
また、本実施形態では、クラッド21の周方向における外側コア群39の幅W2は、クラッド21の周方向における内側コア群37の幅W1よりも大きい。
この場合、クラッド21の周方向における第2光の幅は、クラッド21の周方向における第1光の幅よりも大きくなり易い。このため、マルチコアファイバ10同士を接続する際に、軸周り方向の軸ずれが生じても、第2光の損失は抑制され得る。
また、本実施形態では、外側コア群39におけるコア35cの数は、内側コア群37におけるコア35bの数よりも多い。
この場合、外側コア群39における第2光のクラッド21の周方向の幅を延ばし易い。また、第2光の周方向の幅を第1光の周方向の幅よりも大きくし易い。このため、マルチコアファイバ10同士を接続する際に、軸周り方向の軸ずれが生じても、第2光の損失を抑制し得る。これにより、それぞれのマルチコアファイバ10の内側コア群37の結合効率とそれぞれのマルチコアファイバ10の外側コア群39の結合効率とにおけるばらつきが一層抑制され得る。従って、マルチコアファイバ10の接続においてマルチコアファイバ10の軸周り方向においてずれが生じても、結合効率のばらつきを一層抑制することができる。
また、本実施形態では、外側コア群39におけるクラッド21に対するそれぞれのコア35cの比屈折率差は、内側コア群37におけるクラッド21に対するそれぞれのコア35bの比屈折率差よりも小さくされる。
この場合、クラッド21の周方向における第2光の幅は、クラッド21の周方向における第1光の幅よりも大きくなり易い。このため、マルチコアファイバ10同士を接続する際に、軸周り方向の軸ずれが生じても、第2光の損失を抑制し得る。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図9を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
次に、本発明の第5実施形態について図9を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
本実施形態では、第1実施形態のマルチコアファイバ10を備える光ファイバケーブル60を例に説明する。図9は、光ファイバケーブル60の長手方向に垂直な断面の構造を示す断面図である。図9に示すように、光ファイバケーブル60は、筒状のシース70と、複数のマルチコアファイバ10とを備える。なお、本実施形態ではマルチコアファイバ10が7本の例を示している。また、図9では、図示の明瞭化のために、マルチコアファイバ10の断面を簡略して図示しているが、本実施形態のマルチコアファイバ10の構成は、上記のように第1実施形態のマルチコアファイバ10の構成と同様である。
シース70の長手方向に垂直な断面において、シース70の中心部には、円形の内部空間71aが設けられる。シース70は、シース本体部71と、強化芯線73とを備える。シース本体部71の形状は筒状であり、シース本体部71の断面における中心部には上記の内部空間71aが設けられ、シース本体部71の断面における外形はシース70の外形である。シース本体部71は樹脂から成り、樹脂として、例えば熱可塑性樹脂を挙げることができる。この熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、フッ化エチレン又はポリプロピレン(PP)等の樹脂を挙げることができる。強化部材42は、光ファイバケーブル60に強度を与える部材である。強化部材42は金属製のワイヤから成り、金属として、例えば、銅、鉄、ニッケル、ステンレス鋼または繊維強化プラスチック(FRP)等が挙げられる。強化部材42は、シース本体部71の肉厚部に埋設される。強化部材42は、シース本体部71の長手方向において延設される。
それぞれのマルチコアファイバ10は、内部空間71aにおいて、束ねられていない状態で配置される。なお、それぞれのマルチコアファイバ10は、内部空間71aにおいて、束ねられた状態で配置されてもよい。それぞれのマルチコアファイバ10が束ねられるには、それぞれのマルチコアファイバ10が捩られることで束ねられれば良い。
以上、本実施形態の光ファイバケーブル60では、マルチコアファイバ10の接続において軸周り方向にずれが生じても光の損失を抑制することができるマルチコアファイバ10を備える光ファイバケーブル60が提供され得る。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図10を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
次に、本発明の第6実施形態について図10を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
本実施形態では、第1実施形態のマルチコアファイバ10を備える光ファイバコネクタ80を例に説明する。図10は、光ファイバコネクタ80の長手方向における断面の構造を示す断面図である。図10に示すように、光ファイバコネクタ80は、筒状のフェルール81と、マルチコアファイバ10と、フェルール81を保持する保持部83とを備える。
フェルール81の内部空間81aには、マルチコアファイバ10の一端が配置される。マルチコアファイバ10の一端では、内側保護層41及び外側保護層43が取り除かれており、クラッド21の側面が露出している。露出しているクラッド21の側面は、接着剤によってフェルール81に固定される。保持部83は筒状の部材であり、保持部83の内部空間にフェルール81の端部が嵌め込まれる。また、保持部83の内部空間においてマルチコアファイバ10の他端部側が固定されており、保持部83は外側保護層43を介してマルチコアファイバ10を保持する。フェルール81及び保持部83は、例えば、金属から成る。
以上、本実施形態の光ファイバコネクタ80では、マルチコアファイバ10の接続において軸周り方向にずれが生じても、光の損失を抑制することができるマルチコアファイバ10を備える光ファイバコネクタ80が提供され得る。
なお、本実施形態の変形例として、光ファイバコネクタは、図10に示す単芯コネクタに代えて、図11に示すMPO(Multifiber Push-ON)光コネクタであってもよい。図12は、第1実施形態に係るマルチコアファイバ10を備える光ファイバコネクタ90の先端側を示す平面図である。図11に示すように、光ファイバコネクタ90は、少なくとも1つのマルチコアファイバ10と、フェルール91とを備えている。フェルール91は、マルチコアファイバ10の先端部を保持する部材であり、例えば樹脂から形成される。また、マルチコアファイバ10の一端は、フェルール91の後述する内部空間91aに配置されている。
図12は、図11に示す光ファイバコネクタ90のフェルール91及びマルチコアファイバ10を示す正面図である。図12に示すように、フェルール91には、1対のガイドピン挿通孔91cと、複数の内部空間91aとが形成されている。ガイドピン挿通孔91cには、不図示のガイドピンが挿通され、このガイドピンを介して一方側の光ファイバコネクタ90と他方側の光ファイバコネクタ90とが接続される。内部空間91aには、マルチコアファイバ10の先端部が挿通され、マルチコアファイバ10の先端部がフェルール91の先端面91bから突出する。なお、マルチコアファイバ10の先端面91bから突出する部分を切り取り、マルチコアファイバ10の先端面とフェルール91の先端面91Aとを面一にしてもよい。
このような光ファイバコネクタ90であっても、結合効率ηのばらつきを抑制することができるマルチコアファイバ10を備える光ファイバコネクタ90が提供され得る。
以上、本発明について、上記各実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。
クラッド21の断面は、真円形状とされてもよいし、円形に近似した多角形形状であってもよい。
第1実施形態では、コア群33は複数であればよく、コア群33の数は、2つでもよいし、3つでもよいし、4つ以上でもよい。
第1実施形態では、それぞれのコア群33において、コア35aは複数であればよく、コア35aの数は、4つ以上でもよい。
第1実施形態では、ある1つのコア群33において、コア35aの直径は、互いに異なっていてもよい。また、ある1つのコア群33におけるコア35aの直径は、他のコア群33におけるコア35aの直径よりも大きくても小さくてもよい。
第1実施形態では、少なくとも2つのコア群33におけるそれぞれのコア35aがクラッド21の中心Cを基準とする同一の円51aの円周上に配置されていればよい。
第3実施形態では、内側コア群37におけるコア35bの数は、外側コア群39におけるコア35cの数よりも多くてもよい。
第3実施形態では、少なくとも1つの線L1は、クラッド21の中心Cと第2光の中心とを結ぶ線であってもよいし、クラッド21の中心Cと第2光の中心以外の一部とを結ぶ線であってもよい。または、全ての線L1が、クラッド21の中心Cと第2光の中心とを結ぶ線であってもよいし、クラッド21の中心Cと第2光の中心以外の一部とを結ぶ線で合ってもよい。または、少なくとも1つの線L1は、クラッド21の中心Cと外側コア群39の中心とを結ぶ線であってもよいし、クラッド21の中心Cと外側コア群39の中心以外の一部とを結ぶ線であってもよい。外側コア群39の中心とは、外側コア群39の両端に配置される2つのコア35cの中心を結ぶ線の中点を示す。または、少なくとも1つの線L1は、クラッド21の中心Cと外側コア群39のコア35cの中心とを結ぶ線であってもよいし、クラッド21の中心Cと外側コア群39のコア35cの中心以外の一部とを結ぶ線であってもよい。
また、内側コア群37の中心は、線L1上に位置してもよいし、線L1からずれて位置してもよい。内側コア群37の中心とは、内側コア群37の両端に配置される2つのコア35bの中心を結ぶ線の中点を示す。または、全ての内側コア群37の中心は、線L1上に位置してもよいし、線L1からずれて位置してもよい。
または、少なくとも1つの内側コア群37のコア35bの中心は、図4に示すように線L1上に位置してもよい。例えば、コア35bの中心が線L1上に位置し、それぞれのマルチコアファイバ10を軸周りに回転させて位置決めする場合において、内側コア群37及び外側コア群39は、同時に位置決め及び接続され易くなり得る。
または、少なくとも1つの内側コア群37のコア35bの中心は、図5及び図6に示すように線L1からずれて位置してもよい。この場合のマルチコアファイバ10によれば、外側コア群39と内側コア群37との距離は、コア35bの中心が線L1上に位置する場合における外側コア群39と内側コア群37との距離に比べて、長くなり得る。従って、外側コア群39と内側コア群37との間におけるクロストークが抑制され得る。
第3,4実施形態では、中心コア31がクラッド21の中心Cに配置されてもよい。
第3,4実施形態では、それぞれの内側コア群37において、コア35bの数は、互いに同じであるが、異なっていてもよい。また、それぞれの外側コア群39において、コア35cの数は、互いに同じであるが、異なっていてもよい。
第3,4実施形態では、ある1つの内側コア群37において、コア35bの直径は、互いに異なっていてもよい。また、ある1つの内側コア群37におけるコア35bの直径は、他の内側コア群37におけるコア35bの直径よりも大きくても小さくてもよい。ある1つの外側コア群39において、コア35cの直径は、互いに異なっていてもよい。また、ある1つの外側コア群39におけるコア35cの直径は、他の外側コア群39におけるコア35cの直径よりも大きくても小さくてもよい。クラッド21の周方向における第2光の幅がクラッド21の周方向における第1光の幅よりも大きくなれば、内側コア群37におけるコア35bの直径は、外側コア群39におけるコア35cの直径以上であっても以下であってもよい。外側コア群39におけるコア35cの直径は、内側コア群37におけるコア35bの直径よりも大きくても小さくてもよい。図13に示すように、外側コア群39におけるコア35cの直径が内側コア群37におけるコア35bの直径よりも大きい場合、外側コア群39における第2光のクラッド21の周方向の幅をより一層延ばし易い。また、第2光の周方向の幅を第1光の周方向の幅よりもより一層大きくし易い。このため、マルチコアファイバ10同士を接続する際に、軸周り方向の軸ずれが生じても、第2光の損失を抑制し得る。これにより、それぞれのマルチコアファイバ10の内側コア群37の結合効率とそれぞれのマルチコアファイバ10の外側コア群39の結合効率とにおけるばらつきが一層抑制され得る。従って、マルチコアファイバ10の接続においてマルチコアファイバ10の軸周り方向においてずれが生じても、結合効率のばらつきを一層抑制することができる。
第3,4実施形態では、内側コア群37は、少なくとも1つ配置されていればよい。従って、内側コア群37の数は、3つでもよいし、4つ以上でもよい。また、外側コア群39は、少なくとも1つ配置されていればよい。従って、外側コア群39の数は、3つでもよいし、4つ以上でもよい。
第3,4実施形態では、内側コア群37の数は、外側コア群39の数よりも多くても少なくても多くてもよい。
第3,4実施形態では、マルチコアファイバ10では、コア群の層構造は内側コア群37及び外側コア群39の2層からなるが2層に限定される必要はない。マルチコアファイバ10は、例えば、外側コア群39よりもクラッド21の外周側にコア群をさらに備え、コア群の層構造は3層からなってもよい。このように、マルチコアファイバ10のコア群の層構造は、複数層であればよく、3層でも4層でもよいし、5層以上でもよい。この場合、第4実施形態では、クラッド21の中心Cからクラッドの径方向に離れて配置されるコア群を伝搬する光ほど、クラッド21の中心Cと当該コア群を伝搬する光の中心との距離及び軸周り方向における当該光の軸周り方向におけるずれ量が増加する。このため、クラッド21の中心Cからクラッドの径方向に離れて配置されるコア群を伝搬する光ほど、光のクラッド21の周方向における幅が大きくされればよい。このために、例えば、クラッド21の中心Cからクラッドの径方向に離れて配置されるコア群ほど、コア群のクラッド21の周方向における幅が大きくされればよい。
第1−4実施形態におけるマルチコアファイバ10は、光ファイバ通信システムにおける通信用の光ファイバとして用いられてもよいし、ファイバレーザ装置における光ファイバとして用いられてもよい。
なお、第5実施形態における光ファイバケーブル60及び第6実施形態における光ファイバコネクタ80は、第1実施形態のマルチコアファイバ10を備えているが、他の実施形態のマルチコアファイバ10を備えてもよい。
本発明によれば、マルチコアファイバ、光ファイバケーブル及び光ファイバコネクタが提供され、光通信やファイバレーザ等の技術分野において利用可能である。
10・・・マルチコアファイバ
21・・・クラッド
33・・・コア群
35a・・・コア
41・・・内側保護層
43・・・外側保護層
21・・・クラッド
33・・・コア群
35a・・・コア
41・・・内側保護層
43・・・外側保護層
Claims (16)
- クラッドと、
複数のコアを有し、前記クラッドに囲まれる複数のコア群と、
を備え、
それぞれの前記コア群において、それぞれの前記コアのコア間距離は、それぞれの前記コアを伝搬する光が互いに結合することによってスーパーモードが発現する距離とされ、
少なくとも2つの前記コア群におけるそれぞれの前記コアは、前記クラッドの中心を基準とする同一の円の円周上に配置される
ことを特徴とするマルチコアファイバ。 - 全ての前記コア群におけるそれぞれの前記コアは、前記クラッドの前記中心を基準とする同一の円の円周上に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチコアファイバ。 - 前記コア群は、4つ以上である
ことを特徴とする請求項1または2に記載のマルチコアファイバ。 - それぞれの前記コア群において、前記コアの数は、互いに同じである
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のマルチコアファイバ。 - 前記複数のコア群は、
前記クラッドの前記中心から離れて配置される少なくとも1つの内側コア群と、
前記内側コア群よりも前記クラッドの外周側に配置される少なくとも1つの外側コア群と、
を備える
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のマルチコアファイバ。 - 前記内側コア群には、第1光が伝搬し、
前記外側コア群には、第2光が伝搬し、
前記クラッドの周方向における前記第2光の幅は、前記周方向における前記第1光の幅よりも大きい
ことを特徴とする請求項5に記載のマルチコアファイバ。 - 前記クラッドの周方向における前記外側コア群の幅は、前記周方向における前記内側コア群の幅よりも大きい
ことを特徴とする請求項5または6に記載のマルチコアファイバ。 - 前記外側コア群における前記コアの数は、前記内側コア群における前記コアの数よりも多い
ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載のマルチコアファイバ。 - 前記外側コア群における前記コアの直径は、前記内側コア群における前記コアの直径よりも大きい
ことを特徴とする請求項8に記載のマルチコアファイバ。 - 前記外側コア群における前記クラッドに対するそれぞれの前記コアの比屈折率差は、前記内側コア群における前記クラッドに対するそれぞれの前記コアの比屈折率差よりも小さい
ことを特徴とする請求項5から9のいずれか1項に記載のマルチコアファイバ。 - 前記内側コア群は、前記クラッドの前記中心と前記外側コア群とを結ぶ線上に位置する
ことを特徴とする請求項5から10のいずれか1項に記載のマルチコアファイバ。 - 前記内側コア群は、前記クラッドの前記中心と前記外側コア群の中心とを結ぶ線上に位置する
ことを特徴とする請求項5から10のいずれか1項に記載のマルチコアファイバ。 - 前記内側コア群のいずれかのコアは、前記線上に位置する
ことを特徴とする請求項11または請求項12に記載のマルチコアファイバ。 - 前記内側コア群は、前記クラッドの前記中心と前記外側コア群とを結ぶ線上以外の位置に位置する
ことを特徴とする請求項5から10のいずれか1項に記載のマルチコアファイバ。 - 筒状のシースと、
前記シースの内部空間に配置される請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のマルチコアファイバと、
を備えることを特徴とする光ファイバケーブル。 - フェルールと、
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のマルチコアファイバと、
を備え、
前記マルチコアファイバの一端は、前記フェルールの内部空間に配置される
ことを特徴とする光ファイバコネクタ。
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JP2020027537A JP2021131494A (ja) | 2020-02-20 | 2020-02-20 | マルチコアファイバ、光ファイバケーブル、及び光ファイバコネクタ |
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