本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、本発明をスロットマシンに適用した場合について説明する。
[第1実施形態]
本発明に係る遊技機の第1実施形態について、図1~図18を参照して説明する。
本発明の第1実施形態のスロットマシン1は、図1及び図2に示すように、通常のスロットマシンと同様、前面に開口部を有する筐体1bと、開口部を開閉可能に覆う前扉1aとを備えている。
前扉1aの上部には、例えば、液晶表示器から構成され、遊技に応じた表示による演出や情報表示を行う表示器8を備えている。この表示器8の左右には、音声を出力するスピーカ9や、光による演出を行うLEDなどの発光手段を備えるランプ11が内蔵されている。
また、表示器8の近傍であって、表示器8の正面視右側には、遊技者の操作により表示器8で表示されている画像演出に変化を与える補助装置として例示する上部演出ボタン2fを備えている。
前扉1aの中央部には、後方を視認可能な表示窓6が形成されており、この表示窓6を透して、表示手段として例示するリール41に表された図柄を視認することができる。
また、表示窓6の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の上面には、メダルを投入するメダル投入口2と、ゲームの開始に際して遊技者の押圧操作によりベット数を設定するベットボタン2aと、遊技者の操作により表示器8で表示されている画像演出に変化を与える演出ボタン2dとを備えている。
演出ボタン2dは、上部演出ボタン2fよりも当該スロットマシン1で遊技する遊技者に近い位置に配設されている。したがって、上部演出ボタン2fを遊技者が操作する際には、演出ボタン2dよりも操作する手を伸ばす必要がある。
なお、上部演出ボタン2fの操作性を向上させるために、上部演出ボタン2fをスロットマシン1の最前方となる位置に配設するようにしてもよい。例えば、スロットマシン1を左側方から見た場合に、上部演出ボタン2fの前端部が、他のどの構成物よりも最も右側に突出するように配設するのである。
ベットボタン2aは、ベット数の設定に係る遊技者の操作を受け付け可能なボタンであり、遊技者による単一操作により1ゲームで許容される最大ベット数を設定可能とするもので、通常遊技状態においては、3ベットが設定され、ボーナス状態においては、2ベットが設定される。また、ベットボタン2aの内部には、ベットボタン2aが操作されたことを検出するセンサ(図示省略)と、ベットボタン2aの有効状態を識別可能に発光(点灯)するLED(図示省略)とが備えられている。
なお、遊技者による単一操作で1ベットや2ベットを設定するためのボタンを、ベットボタン2aとは別個に設けるようにしてもよい。
また、段部の前面には、遊技者がゲームを開始する際に操作するスタートレバー3と、リール41を停止させる際に遊技者が押圧操作する停止ボタン5と、メダルの投入或いはベットボタン2aにより設定されたベット数をキャンセルする際や、クレジット数として記憶保持されているメダルを返却する際に遊技者が操作する返却ボタン2cを備えている。
また、表示窓6の上方には、遊技者に停止ボタン5の操作順序をナビゲートするナビランプ12を備えている。また、表示窓6の下方には、遊技状態が遊技者に有利な遊技状態である旨を報知する有利区間ランプ13を備えている。
また、前扉1aの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口7bを備えている。
筐体1bの上部には、遊技を統括的に制御する主制御部10と、この主制御部10の制御下で遊技の演出等に関する制御を行う副制御部20を備えている。
また、筐体1bの中央部には、リール41を回転駆動させるドラムユニット4を備えている。ドラムユニット4は、水平方向に並設されるリール41a、リール41b、リール41cを備え、これらリール41a~41cがステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。また、各リール41a~41cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄(識別情報)が表され、リール41の停止状態において、各リール41a~41cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が表示窓6を透して視認可能となっている。
また、筐体1bの下部には、メダルの払い出しを行うメダル払出装置7やメダルを貯留するホッパー7aを備え、このメダル払出装置7から払い出されたメダルはメダル払出口7bを介して遊技者に払い出される。
このようなスロットマシン1は、主制御部10による制御により、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
ゲームの開始にあたり、メダル(クレジットメダルも含む)を用いてベット数の設定を行う。
ベット数の設定は、メダル投入口2から直接メダルを投入して設定する方法と、ベットボタン2aを押圧操作して設定する方法とがある。
メダル投入口2からメダルを投入してベット数を設定する方法では、投入されたメダルが前扉1a裏面に設けられたメダルセレクタ2bによって検知されることにより、投入分のメダル枚数に対応するベット数(ただし、メダル3枚に対応する3ベットが上限)が設定されることになる。3ベットを超えるメダルが投入された場合には、クレジットメダルとして内部的にデータとして記憶保持される。
また、クレジットメダルが3枚以上記憶されていると、ベットボタン2aが発光してベットボタン2aの操作が有効であることが報知される。そして、ベットボタン2aの操作によりクレジットメダルから3枚のメダルが減算され、減算された分のベット数が設定される。なお、操作の有効状態の報知は、消灯から発光への変化以外にも、発光色を変化させるものでもよい。
ベットボタン2aが有効状態で押圧操作されると、内部的にデータとして記憶されたクレジットメダルから、設定されるベット数に対応するメダル数が減算され、減算された分がベット数が設定されて、ゲームが開始可能な状態となる。
なお、ベットボタンとして、1枚に対応するメダル数を設定するボタンを設けてもよい。また、クレジットメダルは、メダル投入口2からのメダル投入や入賞により加算され、例えば、メダル50枚までクレジット(記憶)することができる。
このように、メダル投入口2からの直接投入やベットボタン2aの押圧操作により設定されたベット数は、主制御部10に備えるRAMなどの記憶手段に記憶される。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、ゲームの開始条件の一つが成立して、1回のゲームを実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
このゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームの開始条件の全てが成立して、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール41a~41cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役、ボーナス役などの複数の当選役(はずれを含む)の中から今回ゲームの抽選結果をリール41の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。
なお、本実施形態では、内部抽選処理は、後述するリール41a~41cが定常回転に達する前に完了するものであるが、リール41a~41cが回転を開始する前に完了するようにしてもよい。
各リール41a~41cは、表示手段の一例であり、各リール41a~41cの周面には、複数の図柄が所定の配列で表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール41a~41cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
図3には、リール41a~41cに表される図柄の配列の一例を示す。
図3に示すように、リール41a~41cには、識別情報として、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「白7」、「青7」、「黒BAR」、「赤BAR」、「ブランク」などの種類からなる図柄が、リール41毎に20個ずつ、所定の配列で表されている。
なお、図3では、各図柄を文字にて表示しているが、実際には、所定の形状や色彩を有する図柄が表されている。以下、「白7」、「青7」、「黒BAR」、「赤BAR」をボーナス図柄と称する場合がある。
また、「ブランク」は、どの役の図柄の組合せにも有効とされない図柄を示す。
停止ボタン5a~5cは、リール41の停止操作を行うための停止操作手段の一例であり、例えば、停止ボタン5a~5cに内蔵されたLED等の発光手段が点灯することにより押圧操作可能な状態となり、このような状態において各停止ボタン5が押圧操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール41a~41cが停止制御される。
停止状態では、リール41a~41cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓6から機外に臨むように停止(停止表示ということもある)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、所定の入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定され、例えば、本実施形態では、中段の入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。
なお、入賞を判定する入賞ライン(有効ラインともいう)の本数は、1ラインに限らず、図柄の配置構成、図柄の種類、当選役に対応する図柄の組合せなどの関係により、適宜変更してもよく、上・中・下段のライン、右下がりのライン、右上がりのラインの計5ラインいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定してもよい。
小役、リプレイ役、ボーナス役等などの当選役の入賞は、このような入賞ライン上の図柄の組合せに基づいて判定される。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役がある。
ベル役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる二つのベル役が設けられている。例えば、対応する図柄の組合せを、入賞ライン上の「左リール41a・中リール41b・右リール41c」の順(以下同様)に、それぞれ「ベル・リプレイ・ベル」とする共通ベル役と、「ベル・ベル・ベル」とする押し順ベル役を設けることができる。
共通ベル役は、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(押し順という)に関係なく対応する図柄の組合せ(「ベル・リプレイ・ベル」)が停止する小役で、押し順ベル役は、特定の押し順に従うことにより対応する図柄の組合せ(特定態様、「ベル・ベル・ベル」)が停止する小役である。
さらに、押し順ベル役には、6通りある押し順(例えば、「5a→5b→5c」,「5c→5b→5a」など)のうちの1通りの押し順(特定の押し順)によって、停止ボタン5a~5cが操作されることで、特定態様として、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示される6つの押し順ベル役1~6が設けられている。このような押し順ベル役1~6は、他の5通りの押し順(特定の押し順以外の押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されると、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示されず、「ベル・ベル・リプレイ」などの他の図柄の組合せ(「ベルこぼし目」という)が停止表示されることになる。
すなわち、主制御部10は、ゲームの抽選結果が押し順ベル役の当選(特定抽選結果)であり、且つ、停止ボタン5a~5c(停止操作手段)の操作態様が特定の押し順(特定操作態様)である場合に、リール41(表示手段)において変動表示している識別情報を押し順ベル役に対応する図柄の組合せ(特定態様)で停止表示可能な特定表示制御手段として機能するのである。
なお、押し順ベル役に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン5を問わず、最初に操作する停止ボタン5のみが特定の押し順に従っていれば、押し順ベル役に対応する図柄の組合せが停止するようにリール41の停止制御を行うこともできる。また、押し順ベルは、6通りに限らず、3通りの押し順ベル役1~3を設けてもよい。
スイカ役は、対応する図柄の組合せを「スイカ・スイカ・スイカ」とする小役(レア役)である。
スイカ役には、「スイカ・スイカ・スイカ」の図柄の組合せが、右下がりのラインに停止表示する弱スイカ役と、上段のラインに停止表示する強スイカ役とが設定されている。
なお、上記スイカ役の図柄の組合せは、見た目上の図柄の組合せであり、実際には、入賞ラインは中段ラインに設定されているので、弱スイカ役に対応する図柄の組合せは、「ベル、スイカ、ボーナス図柄」となり、強スイカ役に対応する図柄の組合せは、「ベル、ボーナス図柄、ベル」となっている。
チェリー役は、対応する図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする小役(レア役)である。
チェリー役には、左リール41aの下段に停止した「チェリー」を基準に、右上がりに「チェリー」が3つ並ぶ強チェリー役と、左リール41aの下段に停止した「チェリー」を基準に、右上がりに「チェリー」が2つしか並ばず、右リール41cの上段には「チェリー」とは異なる図柄が停止する弱チェリー役とが設けられている。
なお、上記チェリー役の図柄の組合せは、見た目上の図柄の組合せであり、実際には、入賞ラインは中段ラインに設定されているので、弱チェリー役に対応する図柄の組合せは、「黒BAR、チェリー、ボーナス図柄以外の図柄」となり、強チェリー役に対応する図柄の組合せは、「黒BAR、チェリー、ボーナス図柄」となっている。
リプレイ役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる2つのリプレイ役が設けられ、対応する図柄の組合せを、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」とする通常リプレイ役(以下、リプレイ役と称する)と、「リプレイ・ベル・ベル」とするチャンスリプレイ役(チャンス役)とが設けられている。
「リプレイ・ベル・ベル」(チャンス目)は、チャンスリプレイ役の当選時に停止表示する図柄の組合せであり、スイカ役及びチェリー役とともに、内部抽選処理において当選確率が比較的低い、所謂レア役として設定されている。
また、特別役としてのボーナス役は、対応する図柄の組合せ(特別態様)が「白7」、「青7」、「黒BAR」、「赤BAR」の4つの図柄の組合せからなる複数種類設けられていて、左リール41aに「白7」が停止する図柄の組合せ(例えば、ボーナス1役に対応する「白7・白7・白7」)に対応する16種類と、左リール41aに「青7」が停止する図柄の組合せ(例えば、ボーナス17役に対応する「青7・白7・白7」)に対応する16種類と、左リール41aに「黒BAR」が停止する図柄の組合せ(例えば、ボーナス33役に対応する「黒BAR・白7・白7」)に対応する16種類と、左リール41aに「赤BAR」が停止する図柄の組合せ(例えば、ボーナス49役に対応する「赤BAR・白7・白7」)に対応する16種類と、の計64種類設けられている。
また、64種類のボーナス役は、抽選手段としての主制御部10により、個別に抽選が行われる。
スロットマシン1には、後述するモードの移行率や、レア役当選時の特定情報の報知確率を外部操作(手動)により設定変更可能な設定手段として、確率設定装置14(図4参照)が設けられており、例えば、遊技者に不利な設定から遊技者に有利な設定までに亘り4段階に区分けし、各段階を設定値1、設定値2、設定値5、設定値6にそれぞれ対応させることにより、有利度の高いモード(例えば、後述の天国Bモード)への移行率や、レア役当選時の特定情報の報知確率を各設定値に応じて変更することができるようになっている。
この場合、設定値1(第1設定値)が設定されているよりも、設定値6(第2設定値)が設定されている方が、有利度の高いモードへの移行率や、レア役当選時の特定情報の報知確率が高く設定されており、その結果、設定値1(第1設定値)が設定されているよりも、設定値6(第2設定値)が設定されている方が、スロットマシン遊技が有利に進行するように制御される。
また、確率設定装置14における設定値の変更制御は、主制御部10で行われるが、主制御部10から副制御部20への設定値に関する情報の送信に基づき、副制御部20により設定値に応じたモードの管理が行われる。
なお、主制御部10において抽選される役のうち特定の役の当選確率を確率設定装置14の設定値に応じて変更するようにしてもよい。例えば、ボーナス役(ボーナス1役~ボーナス64役)を、特定の役として、各設定値に応じた当選確率に変更可能とし、設定値1(第1設定値)が設定されているよりも、設定値6(第2設定値)が設定されている方が、ボーナス役に当選する確率が高くなるようにしてもよい。
また、ボーナス役以外にも所定の小役(例えば、レア役)の当選確率を、確率設定装置14で設定変更可能にしてもよい。
また、ボーナス役は、主制御部10に備えられる持越し手段により、当選したゲーム及び当該ゲーム以降のゲームにおいても対応する図柄の組合せが停止しない限り、当選した権利を持ち越すことが可能な持越し制御の対象役になっている。このため、対応する図柄の組合せが停止することでボーナス役が入賞するまでの期間は、ボーナス役の当選状態が維持される(以下、この遊技状態をボーナス当選状態という)。
以上説明したような図柄の組合せに基づいて、小役、リプレイ役、ボーナス1役~ボーナス64役の当選がそれぞれ判定され(判定手段)、判定の結果、その図柄の組合せが上記それぞれに対応する図柄の組合せであるときに、入賞が成立して各入賞の成立に応じた遊技価値が付与される。
例えば、ベル役、チェリー役、スイカ役などの小役に対応する図柄の組合せの停止により、小役入賞の成立が判定され、メダル払出装置7が駆動制御されることにより、メダルの貯留されたホッパー7aからメダル払出口7bを介して所定数のメダルが払い出される。
具体的には、ベル役において、共通ベル役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、ゲーム開始時に設定されたベット数によりメダルの払い出し数が異なり、3ベットでのゲームでは7枚のメダルが払い出され、2ベットでのゲーム(ボーナス状態中のゲーム)では2枚のメダルが払い出される。
同様に、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順(1通りの押し順)で停止ボタン5a~5cを操作(特定操作態様で操作)して、特定態様としての対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止した場合には、3ベットでのゲームでは7枚のメダルが払い出され、2ベットでのゲームでは2枚のメダルが払い出される。
また、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cを操作した、特定態様としての図柄の組合せ以外の図柄の組合せ(「ベル・ベル・リプレイ」)が停止した場合には、ベット数に関わらず1枚のメダルが払い出される。
なお、ベル役については、AT状態中において、遊技者が保有するメダルが増加するような当選確率に設定されているが、増減なし、或いは減少するような当選確率に設定されていてもよい。
また、弱スイカ役及び強スイカ役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、3ベットでのゲームでは1枚のメダルが払い出され、2ベットでのゲームでは2枚のメダルが払い出される。
また、弱チェリー役及び強チェリー役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、3ベットでのゲームでは1枚のメダルが払い出され、2ベットでのゲームでは2枚のメダルが払い出される。
また、弱チェリー役、強チェリー役、弱スイカ役の当選時に、対応する図柄の組合せが停止しなかった場合には、メダルの払い出しは行われないが、各役に対応する取りこぼし目として所定の図柄の組合せを停止させて、ベット数に関わらず1枚のメダルを払い出すようにしてもよい。
なお、各役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記した枚数以外でもよい。
また、リプレイ役及びチャンスリプレイ役に対応する図柄の組合せの停止表示により、リプレイ役及びチャンスリプレイ役が判定され、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく、前ゲームで設定したベット数と同様のベット数でのゲームが可能となる。
また、ボーナス1役~ボーナス64役の何れかに対応するボーナス図柄の組合せ(特別態様)の停止表示により、所定の小役(例えば、共通ベル役)に高確率で当選する遊技者に有利なボーナス状態(特別遊技状態)に移行する。
ボーナス状態中は、メダルの払い出し数が所定数(例えば、メダル44枚)を超えると終了する。ボーナス状態中はゲームが2ベットゲームとなり、また、2ベットゲームでは、小役入賞時の払い出し枚数が全て2枚となっているので、ボーナス状態の終了までに23ゲームを要することとなる。したがって、ボーナス状態中に1ゲームあたりメダルが0枚増加することとなる。
なお、ボーナス状態は、所定の小役の当選確率が高くなるものであれば、ボーナス状態が終了することとなるメダルの払い出し数や、実行可能ゲーム数等が、上記したボーナス状態と異なるものとしてもよい。
また、ボーナス役を除く各当選役の当選確率は、各設定値において、ベル役>リプレイ役>弱チェリー役>弱スイカ役>チャンスリプレイ役>強チェリー役>強スイカ役の関係性、つまり、ベル役が最も当選し易く、強スイカ役が最も当選し難く設定されているものとする。
また、弱チェリー役、弱スイカ役、チャンスリプレイ役、強チェリー役、強スイカ役は、当選し難い当選役という意味でレア役と称する。
なお、全ての小役の当選確率は、各設定値で共通に設定されているが、レア役の全て、或いは一部の当選確率を、設定値1よりも設定値6の方が高くなるように段階的に異なる値に設定してもよい。また、同様にベル役の当選確率を、設定値1よりも設定値6の方が高くなるように段階的に異なる値に設定してもよい。
各役の当選確率の詳細は後述する。
また、ベル役、リプレイ役の図柄は、すべてのリール41a~41cにおいて、連続する5コマ以内に配置されているものとし、主制御部10で行われる4コマの引込停止制御により必ず入賞ライン上に停止させることができる。一方、ベル役、リプレイ役以外の図柄は、連続する5コマ以内に必ずしも配置されていないので、4コマの引込停止制御を行っても入賞ライン上に停止できずに、当選役を取りこぼしてしまう場合がある。つまり、これらの図柄を入賞ライン上に停止させるためには、所望の図柄を狙って停止ボタン5a~5cを押圧操作する、所謂目押し操作を行う必要がある。
特に、ボーナス図柄としての「白7」、「青7」、「黒BAR」、「赤BAR」の各々は、リール41a~41cの全てにおいて、連続する5コマ以内に配置されていない、すなわち、1回の停止操作では、引込停止制御を行っても2種類以上のボーナス図柄を停止可能な配列とはなっていないので、ボーナス1役~ボーナス64役の当選毎に、対応する図柄の組合せを停止させるために、リール41a~41cに対して異なる停止操作が必要となっている。
例えば、ボーナス1役の当選時には、ボーナス2役に対応する図柄の組合せを狙った停止ボタン5a~5cの停止操作では、当選したボーナス1役に対応する図柄を停止することはできず、当選したボーナス1役を狙った停止操作を行った場合に限り、ボーナス1役に対応する図柄の組合せ(白7・白7・白7)が停止するようになっている。
すなわち、表示制御手段としての主制御部10は、表示手段(リール41)に複数の特別役(ボーナス1役~ボーナス64役)に対応する複数の特別態様を停止表示可能であって、抽選手段(主制御部10)の抽選により所定の特別役(例えば、ボーナス1役)に当選した場合に、当選した特別役以外の特別役(例えば、ボーナス2役)に対応する特別態様を停止表示するための停止操作手段(停止ボタン5)の操作態様では、当選した特別役に対応する特別態様を停止表示不能に表示手段の停止制御を実行するのである。
また、ボーナス当選状態は、前述したように主制御部10の制御により持越し制御が行われるが、この持越し制御が行われているボーナス当選状態においても、小役やリプレイ役の抽選も行われ、この間に小役やリプレイ役に当選した場合には、主制御部10の制御により、当選した小役やリプレイ役をボーナス役よりも優先的にリール41に停止する制御(停止優先制御)が行われる。
したがって、ボーナス当選状態中のゲームにおいては、必ずボーナス役に対応する図柄の組合せをリール41に停止可能とはならず、ゲーム結果がボーナス役以外の役に当選していないはずれ結果となった場合に限り、ボーナス役に対応する図柄の組合せをリール41に停止することが可能となっている。
このような一連の動作を1回の遊技(1ゲーム)とするスロットマシン遊技は、図4に示すように、主制御部10が、ベットボタン2a、スタートレバー3、停止ボタン5などの操作手段やメダルセレクタ2bなどの入力手段からの入力情報に基づいて、リール41a~41cやこれらを回転駆動させるステッピングモータなどを備えるドラムユニット4、メダル払出装置7などの出力手段を制御することにより実現される。
主制御部10は、抽選手段、表示制御手段、特定遊技状態抽選手段、特定遊技状態制御手段の一例であり、各種演算処理等を行うCPU(図示省略)と、制御プログラムや制御データ等が格納されたROM(図示省略)と、各種データを一時記憶する記憶領域やCPUの作業領域等を備えた記憶手段としてのRAM(図示省略)等が備えられている。また。RAMの記憶情報をバックアップする機能が備えられている。
また、主制御部10には、ベットボタン2a、返却ボタン2c、メダルセレクタ2b、スタートレバー3、停止ボタン5(停止ボタン5a~5c)、確率設定装置14が接続され、各機器に内蔵されたセンサからの信号を入力可能に構成されている。
また、主制御部10は、ベット数の設定が可能となると、ベットボタン2aに内蔵されたLEDを発光させてベット操作が有効であることを報知する処理を行う。また、ベットボタン2aからの信号に基づき、ベット数の設定処理を行う。また、ゲームの開始条件として、ベット数の設定及びスタートレバー3からの信号に基づき、ゲームの開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、主制御部10は、サンプリングされた乱数に基づき役の内部抽選処理を行う。
また、主制御部10は、ベット数の設定が行われた状態においては、返却ボタン2cからの信号に基づいて、設定されたベット数をクレジットメダルに移行してベット数の設定を無効にするキャンセル処理を行う。また、ベット数の設定が行われていない状態においては、返却ボタン2cからの信号に基づいて、クレジットメダルとして記憶されたクレジット数に対応するメダルをメダル払出装置7から払い出す処理を行う。
確率設定装置14には、図示は省略するが、設定キースイッチ、設定変更ボタン、設定表示器が備えられていて、設定キースイッチ及び設定変更ボタンからの信号を主制御部10に出力するとともに、主制御部10からの信号により設定表示器に設定値に関する情報を表示するように構成されていて、確率設定装置14における設定変更操作により確率設定値の変更を可能にしている。
具体的には、確率設定装置14の設定キースイッチをオン状態にしてスロットマシン1の電源を投入すると、主制御部10は、現状の設定値を設定表示器に表示するとともに、設定変更状態に移行させる。
設定変更状態において、設定変更ボタンが操作されると、その操作毎に設定表示器に表示された設定値が1ずつ増加していく(設定値6の後は設定値1に戻る)。そして、スタートレバー3が操作されると、その時点で設定表示器に表示されている値が設定値として確定し、設定キースイッチがオフ状態に戻されると、確定した設定値が主制御部10のRAMに記憶され、確率設定値の変更が完了する。
また、所定のタイミング(例えば、設定変更時やスロットマシン1の電源投入時)で確率設定装置14で設定された設定値の情報は副制御部20に送信される。
また、主制御部10には、ドラムユニット4、メダル払出装置7、有利区間ランプ13、副制御部20が接続され、各機器に対して信号を出力可能に構成されている。
主制御部10は、停止ボタン5からの信号に基づき、回転しているリール41a~41cを停止させる処理を行う。
また、主制御部10は、ゲームの終了時におけるメダルの払い出し条件の成立等に基づき、メダル払出装置7を駆動させてメダルを払い出す処理を行う。
また、有利区間ランプ13は、例えば、LEDで構成され、主制御部10は、AT状態等の遊技者にとって有利な遊技状態が発生した場合に(後述の有利区間中)、有利区間ランプ13を点灯させる処理を行う。また、有利区間ランプ13は、例えば、7セグの「ドット」部分等でもよい。
また、スロットマシン1では、スロットマシン遊技に同期した遊技演出も行われる。例えば、AT状態(ART状態)への移行を示す画像演出、ファンファーレ音、及びランプ演出などがそれぞれ、表示器8、スピーカ9、ランプ11、及びナビランプ12などの報知手段を介して出力される。
このような報知手段は、副制御部20により制御されるが、副制御部20は、主制御部10から所定の遊技タイミングごとに受信する制御情報に基づいてこれらの制御を行うことから、報知手段は、主制御部10及び副制御部20により制御されることにもなる。
また、主制御部10及び副制御部20は、演出制御手段、操作画像制御手段、表示位置制御手段、操作指示画像制御手段を構成する。
副制御部20は、報知制御手段、計数手段、判定手段、回数設定手段、モード制御手段の一例であり、各種演算処理等を行うCPU(図示省略)と、制御プログラムや制御データ等が格納されたROM(図示省略)と、各種データを一時記憶する記憶領域やCPUの作業領域等を備えたRAM(図示省略)等が備えられている。また。RAMの記憶情報をバックアップする機能が備えられている。
また、副制御部20は、表示器8、スピーカ9、ランプ11、ナビランプ12が接続されることにより、各機器に対して信号を出力可能に構成され、主制御部10からの一方向のみの制御情報に基づき、表示器8において所定の演出の画像処理や、各種演出や報知を行うためのスピーカ9の出力処置や、ランプ11の点灯処理等を行う。また、ナビランプ12は、例えば、LEDで構成され、副制御部20は、主制御部10からの制御情報に基づき、AT状態等の遊技状態の発生中に、停止ボタン5の操作順序をナビゲート(押し順ナビ)するためのナビランプ12の点灯処理を行う。
また、副制御部20は、演出ボタン2d及び上部演出ボタン2fの各々に内蔵されたセンサからの信号を入力可能に構成され、演出ボタン2d及び上部演出ボタン2fからの信号に基づき、表示器8で行われている画像演出に変化を与える画像処理を行う。
また、演出ボタン2d及び上部演出ボタン2fの各々には、LEDが内蔵され、演出ボタン2d及び上部演出ボタン2fに内蔵されたLEDを発光させて、演出ボタン2d及び上部演出ボタン2fの操作が有効であることを報知する処理を行う。
また、副制御部20は、主制御部10から送信された確率設定装置14における設定値の情報を受信してRAMに記憶し、記憶情報に基づいて、後述する特定情報の報知に関する制御を行う。
本実施形態に係るスロットマシン1は、このような構成に加えて、図5に示すような遊技状態と、この遊技状態に基づく特徴的なゲーム性を備えている。
各遊技状態は、主制御部10が遊技状態制御手段として動作することによりそれぞれの遊技状態に制御(以下、移行ともいう)される。
まず、図5を参照して、本実施形態に係るスロットマシン1における各遊技状態の遷移について説明する。
主制御部10は、遊技状態として、通常遊技状態、ボーナス当選状態、ボーナス状態(特別遊技状態)、及びAT状態(特定遊技状態)を発生可能としている。
図5に示すように、スロットマシン1の初期状態においては、遊技状態は通常遊技状態に制御され、通常遊技状態におけるゲームの実行により、小役、リプレイ役、及びボーナス1役~ボーナス64役の抽選を各々実行する。
通常遊技状態におけるゲームの実行により、ボーナス1役~ボーナス64役の何れかに当選した場合には、ボーナス状態の移行権利が付与され、遊技状態が通常遊技状態からボーナス当選状態に移行する(図5の矢印a)。
ボーナス当選状態は、ボーナス1役~ボーナス64役の何れかに対応する図柄の組合せ(例えば、「白7・白7・白7」)をリール41に停止可能とする遊技状態であり、この間に、遊技者がボーナス1役~ボーナス64役の何れかに対応する図柄の組合せを狙った停止操作(特別操作態様)を行うと、対応する図柄が停止することとなる。また、ボーナス当選状態中は、前述したボーナス役の持越し制御が行われるので、当選したボーナス役に対応する図柄の組合せが停止するまでボーナス当選状態は維持される。
また、ボーナス当選状態においては、後述するようにリプレイ役の当選確率が通常遊技状態に比べ高い確率に変更される。
ボーナス当選状態において、当選しているボーナス1役~ボーナス64役の何れかに対応する図柄の組合せが、リール41に停止した場合には、遊技状態はボーナス状態に移行する(図4の矢印b)。
ボーナス状態は、所定の小役(例えば、共通ベル役)の当選確率が高められ遊技状態で、このボーナス状態中に払い出されたメダル数が所定数(44枚)を超えた場合には、ボーナス状態の終了条件が成立して、遊技状態は通常遊技状態に移行する(図5の矢印c)。
また、ボーナス状態中は、ゲームの実行に基づきAT状態の抽選も行われ、AT状態の抽選に当選した場合には、AT状態の移行権利が付与されることとなる。
ボーナス状態は、前述したように、その間のメダルの純増枚数は0であり、メダルの増加は見込めないようになっているが、ボーナス状態中に実行されるゲーム数(23ゲーム)分、AT状態の移行権利を獲得する機会を得る、所謂チャンスゾーンとなっている。
すなわち、主制御部10は、主制御部10(抽選手段)の抽選により押し順ベル役(特定役)に当選した場合に、押し順ベル役に対応する図柄の組合せ(特定態様)をリール41(表示手段)に停止表示するための押し順ナビ(操作情報)が報知されることとなるAT状態(特定遊技状態)を発生させるか否かの抽選を、ボーナス状態(特別遊技状態)において実行可能な特定遊技状態抽選手段を備えているのである。
また、主制御部10は、特定遊技状態抽選手段の抽選結果がAT状態(特定遊技状態)を発生させる結果となった場合に、ボーナス状態(特別遊技状態)の終了後に遊技状態をAT状態(特定遊技状態)に制御可能な特定遊技状態制御手段を備えているのである。
なお、ボーナス状態中は、後述するように、表示器8において、AT状態の結果導出演出が実行される。
ボーナス状態の終了後に、AT状態の移行権利が付与されていた場合には、遊技状態はAT状態に移行する(図5の矢印d)。
AT状態においては、表示器8、スピーカ9、及びナビランプ12などを介して、当選した押し順ベル役(特定役)に対応する押し順が報知(押し順ナビが実行)される。具体的には、押し順ベル役1に対応する停止ボタン5a~5cの押し順「5a→5b→5c」として、例えば、表示器8において「左→中→右」などの画像表示を行い、スピーカ9から「左」、「中」、「右」の順でそれぞれの音声を出力する。
また、このとき、ナビランプ12を、対応する順「12a→12b→12c」に順次点灯させる。
すなわち、表示器8、スピーカ9、及びナビランプ12は、抽選手段による抽選結果が特定役の当選であった場合に、特定役に対応する特定態様をリール41に停止するための操作情報を報知する機能を有するのである。
AT状態は、初期値として予め設定された初期ゲーム数(例えば、50回)が、当該AT状態中のゲームの実行により減少し、残りゲーム数が0となるまで継続する遊技状態であり、この間に、押し順ベル役に対する押し順ナビが行われることで、遊技者にとって有利な特定遊技状態とされる。
AT状態の開始時には、主制御部10の記憶手段(RAM)に、AT状態を継続可能な初期ゲーム数(例えば、50回)が記憶される。また、AT状態中には、主制御部10により、後述する上乗せゲーム数が記憶手段のAT状態の残りゲーム数に加算され、AT状態を継続可能なゲーム数が増加する場合もある。
また、AT状態は、ボーナス状態の終了後に移行するので、移行当初は、リール41の制御やリプレイ役の抽選確率等は、通常遊技状態と同様に行われる。
また、AT状態中にもボーナス1役~ボーナス64役の抽選は行われるので、何れかのボーナス役の当選により、AT状態中においてもボーナス当選状態が発生することとなる。
このAT状態中のボーナス当選状態においては、リプレイ役の当選確率が高められるので、当選したボーナス役に対応する図柄の組合せがリール41に停止してボーナス状態が発生するまでは、ボーナス役の当選前よりもメダルの純増枚数が高まることとなる。したがって、この間のAT状態はART状態とすることもできる。
AT状態中のボーナス当選状態において、当選したボーナス役に対応する図柄の組合せがリール41に停止した場合には、AT状態は一旦中断されて遊技状態はボーナス状態に移行し(図5の矢印e)、当該ボーナス状態の終了後に、遊技状態はAT状態に復帰する(図5の矢印d)。
AT状態中においては、表示器8にAT状態中であることを認識可能な画像の表示や、スピーカ9から効果音の出力等が行われる。また、表示器8にAT状態を継続可能な残りゲーム数の表示や、AT状態中における総獲得メダル数の表示等が行われる。
AT状態において、AT状態中のゲームの実行により残りゲーム数が0となった場合には、AT状態は終了する。また、AT状態の終了条件には、後述するリミッタ作動時も含まれる。
AT状態の終了後は、ボーナス役の何れかに当選している場合にはボーナス当選状態に移行し、ボーナス役の何れにも当選していない場合には通常遊技状態に移行する(図5の矢印f)。
このように、AT状態においては、表示器8、スピーカ9、及びナビランプ12により押し順ナビ(操作情報の報知)が行われる。その結果、1ゲーム当たりのメダルの増加量が、通常遊技状態の場合よりも大きい値(例えば、4枚)になり、遊技者にとって有利にゲームが実行されるのである。
なお、AT状態中における1ゲーム当たりのメダルの増加量は、0枚よりも大きい値になれば何れの値でもよく、例えば、1ゲーム当たりの増加量が2枚或いは3枚となるように、押し順ベル役の当選確率や、押し順ベル役当選時のメダルの払い出し枚数を設定するようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、ボーナス状態の終了後直ぐに、AT状態を発生させるようにしているが、ボーナス状態の終了直後は、AT状態の待機状態として、その後ボーナス役に当選した場合に、AT状態に移行するようにしてもよい。このようにすれば、特定遊技状態をリプレイ役の当選確率が高まったART状態とすることができるので、特定遊技状態を遊技者により有利な遊技状態とすることが可能となる。
以上のように、AT状態及び通常遊技状態において、ボーナス1役~ボーナス64役の何れかに対応する図柄の組合せの停止により、ボーナス状態に移行することとなる。すなわち、主制御部10は、停止ボタン5(停止操作手段)の操作によりリール41(表示手段)に停止表示された識別情報の態様が、複数の特別役のうちの何れか一つの特別役に対応する特別態様(例えば、「白7・白7・白7」)となったことに基づき、遊技状態をボーナス状態(特別遊技状態)で制御するのである。
以上のように、遊技状態の遷移が行われる。
次に、通常遊技状態中のモードについて説明する。
前述したように、通常遊技状態においては、特別役としてボーナス1役~ボーナス64役の抽選が行われるが、これらボーナス1役~ボーナス64役の何れかに当選しても、当選した種類のボーナス役が認識できなければ、遊技者は多数存在するボーナス図柄の組合せを無作為に選定することとなる。その結果、ボーナス役に当選しても、当選したボーナス役に対応する図柄の組合せを停止できずに、ボーナス当選状態が長い期間継続する可能性が高くなる。
また、ボーナス状態は、その間において、前述したようにAT状態の抽選が行われることから、AT状態の発生の契機にもなっている。したがって、ボーナス役に当選した場合に、如何に早く当選したボーナス役の種類を特定して、早急にボーナス状態を発生させるかが、遊技者にとって遊技上重要になっている。
本実施形態のスロットマシン1においては、遊技の多彩化や期待感を向上させるために、当選したボーナス役(特別役)を識別可能な特定情報の報知に関して、複数のモードに基づく制御を行っている。
特定情報の報知に関わるモードは、通常遊技状態において、通常Aモード(第1モード)、通常Bモード(第1モード)、通常Cモード(第1モード)、天国Aモード(第2モード)、天国Bモード(第2モード)の計5つのモードが設けられ、これらのモードに基づき、ボーナス役に当選してから特定情報が報知されるまでの期間に変化が出るような制御を行っている。
例えば、通常モードよりも天国モードの方が、特定情報が報知されるまでの期間が短くなるような制御が行われることで、通常モードよりも天国モードの方がより早く当選したボーナス役に対応する図柄の組合せを停止でき、遊技者が有利に遊技を行えるようにしている。
なお、各モードは、滞在しているモードが遊技者に認識できないようになっていて、遊技者は滞在しているモードを推測して遊技を行うようになっているが、後述するボーナス状態のように、滞在するモードについて報知又は示唆するようにしても良い。
また、特定情報の報知は、例えば、表示器8において当選したボーナス役(特別役)を識別可能な画像の表示により行われる。
特定情報の報知により、遊技者は当選しているボーナス役の種類を認識でき、リール41に狙うべき図柄を選定することが可能となる。ただし、特定情報が報知された場合でも、後述するようにボーナス当選状態における各役の当選確率は比較的高い確率に設定されていることから、停止図柄の停止優先順位の関係上、小役或いはリプレイ役が当選していない、抽選結果がはずれ結果となったゲームでしか当選したボーナス役に対応する図柄の組合せを停止することができないようになっている。
また、主制御部10から副制御部20には、ゲームの実行毎に、役に当選したか否かや当選した役の種類を識別可能な情報が送信されるが、ボーナス役に当選した場合には、ボーナス役に当選した旨を識別可能な情報や、当選したボーナス役の種類を識別可能な情報が送信される。
報知制御手段としての副制御部20は、これら主制御部10からの情報に基づき、モードの管理や特定情報の報知に関する管理を行うようにしている。
図6(a)は、特定情報の報知に関する制御の一例として、副制御部20において、通常遊技状態中のはずれ回数に基づき、特定情報を報知する場合に用いられる抽選テーブルを示す。
通常遊技状態中は、抽選手段により、小役、リプレイ役、ボーナス役が抽選されるが、所定の確率でどの役にも当選しない抽選結果として、はずれ結果が導出されることがある。図6(a)に示す例では、このはずれ結果を計数して、この計数結果が予め定められた値となった場合に特定情報の報知を行うようにしている。
図6(a)に示す表では、副制御部20の制御により、所定の取得範囲(255個の範囲)で更新されているはずれ回数決定用乱数を抽出し、抽出した値に基づき、特定情報を報知するまでのはずれ結果の回数(目標値)を、予め決定できるようになっている。例えば、予め決定されたはずれ回数(目標値)が30回となった場合には、通常遊技状態中の実際のはずれ回数が30回に達した場合に、当選しているボーナス役に対応する図柄の組合せ(特定情報)が、例えば、報知手段としての表示器8に表示されることとなる。
また、はずれ回数(目標値)は、ボーナス状態の終了時(例えば、ボーナス状態の最終ゲームのゲーム終了時)に、当該ボーナス状態の終了後のモードの種類に応じて決定され、ボーナス状態の終了後から実際のはずれ回数の計数が開始される。
なお、実際のはずれ回数の計数は、ボーナス状態の終了後に次回のボーナス役が当選してから開始するようにしてもよい。
図6(a)に示すように、通常Aモードの場合では、取得(抽出)したはずれ回数決定用乱数の値が、255個中の7個(約1/36.4の確率)ではずれ回数を3回に決定し、255個中の24個(約1/10.6の確率)ではずれ回数を10回に決定し、255個中の64個(約1/4.0の確率)ではずれ回数を20回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を30回に決定し、255個中の64個(約1/4.0の確率)ではずれ回数を40回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を50回に決定し、255個中の64個(約1/4.0の確率)ではずれ回数を60回に決定し、255個中の32個(約1/8.0の確率)ではずれ回数を70回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を77回に決定するようになっている。
また、通常Bモードの場合では、取得(抽出)したはずれ回数決定用乱数の値が、255個中の15個(1/17.0の確率)ではずれ回数を3回に決定し、255個中の16個(約1/15.9の確率)ではずれ回数を10回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を20回に決定し、255個中の64個(約1/4.0の確率)ではずれ回数を30回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を40回に決定し、255個中の64個(約1/4.0の確率)ではずれ回数を50回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を60回に決定し、255個中の64個(約1/4.0の確率)ではずれ回数を70回に決定し、255個中の32個(約1/8.0の確率)ではずれ回数を77回に決定するようになっている。
また、通常Cモードの場合では、取得(抽出)したはずれ回数決定用乱数の値が、255個中の15個(1/17.0の確率)ではずれ回数を3回に決定し、255個中の16個(約1/15.9の確率)ではずれ回数を10回に決定し、255個中の128個(約1/2.0の確率)ではずれ回数を20回に決定し、255個中の64個(約1/4.0の確率)ではずれ回数を30回に決定し、255個中の32個(約1/8.0の確率)ではずれ回数を40回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を50回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を60回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を70回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を77回に決定するようになっている。
また、天国Aモードの場合では、取得(抽出)したはずれ回数決定用乱数の値が、255個中の63個(約1/4.0の確率)ではずれ回数を3回に決定し、255個中の64個(約1/4.0の確率)ではずれ回数を10回に決定し、255個中の128個(約1/2.0の確率)ではずれ回数を20回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を30回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を40回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を50回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を60回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を70回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を77回に決定するようになっている。
また、天国Bモードの場合では、取得(抽出)したはずれ回数決定用乱数の値が、255個中の191個(約1/1.3の確率)ではずれ回数を3回に決定し、255個中の64個(約1/4.0の確率)ではずれ回数を10回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を20回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を30回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を40回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を50回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を60回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を70回に決定し、255個中の0個(確率0)ではずれ回数を77回に決定するようになっている。
以上のように、副制御部20により各モードに応じて、複数のはずれ回数から予め所定のはずれ回数が決定され、ゲームの実行により計数された実際のはずれ回数が、予め決定されたはずれ回数となった場合に、特定情報の報知が行われるのである。
また、はずれ結果は、抽選手段により所定の確率で抽選され、特定情報の報知に関する契機役となっているので、はずれ結果は、抽選手段により抽選される特殊役として捉えることができる。
すなわち、副制御部20は、抽選手段の抽選により特殊役が当選した回数を計数可能な計数手段と、計数手段の計数結果が所定回数となったことを判定可能な判定手段と、判定手段により判定される所定回数を、複数の回数のうちから何れかの回数に設定可能な回数設定手段とを備えるのである。
このように、各モードに応じた確率ではずれ回数が決定されるので、通常Aモード~通常Cモードよりも、天国Aモード及び天国Bモードの方が、はずれ回数の小さい値が決定され易くなるのである。また、通常Aモード~通常Cモードのうちでも、通常Cモードが最もはずれ回数が小さい値で決定され易くなるのである。また、77回よりも大きいはずれ回数の選択肢は存在しないので、最大でもはずれ回数77回以内で特定情報が報知されることとなる。また、最も大きい値である77回の決定は、通常Bモードでのみで行われる。また、天国Aモード及び天国Bモードに移行していれば、はずれ回数が20回以下に必ず決定されることとなる。また、天国Aモードよりも天国Bモードの方が、小さいはずれ回数が選択され易くなるのである。
したがって、遊技者の有利度からすると、天国Bモード>天国Aモード>通常Cモード>通常Bモード>通常Aモードの関係性を有することとなる。
なお、一部のモードにおいて、上記関係性以外のパターンとしてもよく、例えば、通常Bモードと通常Aモードの有利度を等しくするようにしてもよい。
また、特定情報が報知されるまでの期間を変化させるには、図6(a)に示すような、はずれ回数による制御の他に、図6(b)に示すような、ゲーム数に応じて行うようにしてもよい。
図6(b)は、上記制御の一例として、通常遊技状態中に実行されたゲーム数に基づき、特定情報を報知する場合に用いられる抽選テーブルを示す。
図6(b)に示す表では、副制御部20の制御により、所定の取得範囲(255個の範囲)で更新されているゲーム数決定用乱数を抽出し、抽出した値に基づき、特定情報を報知するまでのゲーム数(目標値)を決定できるようになっている。例えば、ゲーム数(目標値)が30回に決定された場合には、通常遊技状態中に実行された実際のゲーム数が30回に達した場合に、当選しているボーナス役に対応する図柄の組合せ(特定情報)が、例えば、報知手段としての表示器8に表示されることとなる。
また、ゲーム数(目標値)は、ボーナス状態の終了時(例えば、ボーナス状態の最終ゲームのゲーム終了時)に、当該ボーナス状態の終了後のモードの種類に応じて決定され、ボーナス状態の終了後から実際のゲーム数の計数が開始される。
なお、実際のゲーム数の計数は、ボーナス状態の終了後に次回のボーナス役が当選してから開始するようにしてもよい。
図6(b)に示すように、通常Aモードの場合では、取得(抽出)したゲーム数決定用乱数の値が、255個中の7個(約1/36.4の確率)でゲーム数を30回に決定し、255個中の24個(約1/10.6の確率)でゲーム数を100回に決定し、255個中の64個(約1/4.0の確率)でゲーム数を200回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を300回に決定し、255個中の64個(約1/4.0の確率)でゲーム数を400回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を500回に決定し、255個中の64個(約1/4.0の確率)でゲーム数を600回に決定し、255個中の32個(約1/8.0の確率)でゲーム数を700回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を770回に決定するようになっている。
また、通常Bモードの場合では、取得(抽出)したゲーム数決定用乱数の値が、255個中の15個(1/17.0の確率)でゲーム数を30回に決定し、255個中の16個(約1/15.9の確率)でゲーム数を100回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を200回に決定し、255個中の64個(約1/4.0の確率)でゲーム数を300回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を400回に決定し、255個中の64個(約1/4.0の確率)でゲーム数を500回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を600回に決定し、255個中の64個(約1/4.0の確率)でゲーム数を700回に決定し、255個中の32個(約1/8.0の確率)でゲーム数を770回に決定するようになっている。
また、通常Cモードの場合では、取得(抽出)したゲーム数決定用乱数の値が、255個中の15個(1/17.0の確率)でゲーム数を30回に決定し、255個中の16個(約1/15.9の確率)でゲーム数を100回に決定し、255個中の128個(約1/2.0の確率)でゲーム数を200回に決定し、255個中の64個(約1/4.0の確率)でゲーム数を300回に決定し、255個中の32個(約1/8.0の確率)でゲーム数を400回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を500回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を600回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を700回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を770回に決定するようになっている。
また、天国Aモードの場合では、取得(抽出)したゲーム数決定用乱数の値が、255個中の63個(約1/4.0の確率)でゲーム数を30回に決定し、255個中の64個(約1/4.0の確率)でゲーム数を100回に決定し、255個中の128個(約1/2.0の確率)でゲーム数を200回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を300回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を400回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を500回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を600回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を700回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を770回に決定するようになっている。
また、天国Bモードの場合では、取得(抽出)したゲーム数決定用乱数の値が、255個中の191個(約1/1.3の確率)でゲーム数を30回に決定し、255個中の64個(約1/4.0の確率)でゲーム数を100回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を200回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を300回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を400回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を500回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を600回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を700回に決定し、255個中の0個(確率0)でゲーム数を770回に決定するようになっている。
以上のように、副制御部20により各モードに応じて、複数のゲーム数から予めゲーム数が決定され、ゲームの実行により計数された実際のゲーム数が、予め決定されたゲーム数となった場合に、特定情報の報知が行われるのである。
このように、各モードに応じた確率でゲーム数が決定されるので、各モードにおける特定情報の報知に対する有利度が、天国Bモード>天国Aモード>通常Cモード>通常Bモード>通常Aモードの関係性を有することとなる。
また、通常Aモード~通常Cモードよりも、天国Aモード及び天国Bモードの方が、ゲーム数の小さい値が決定され易くなり、天国モードに対する期待感を高めることが可能となるのである。
また、通常Aモード~通常Cモードのうちでも、通常Cモードが最もゲーム数の小さい値が決定され易くなっているので、通常モードの何れかに滞在していても、遊技をより多彩化でき、興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、何れのモードでも、770回よりも大きいゲーム数の選択肢は存在しないので、最大でも770回以内のゲームで特定情報が報知されることとなり、遊技者が極めて不利になることを防止できるのである。
また、最も大きい値である770回の決定は、通常Bモードでのみで行われるので、遊技者が極めて不利になることをより防止できるし、通常Bモードにおいては次回のモードの移行率等に特典を与えれば、遊技にメリハリを与えることが可能となる。
また、天国Aモード及び天国Bモードに移行していれば、ゲーム数が200回以下に必ず決定されることとなり、また、天国Aモードよりも天国Bモードの方が、小さいゲーム数が選択され易くなるのであるので、天国モードに対する期待感を高めることが可能となるのである。
なお、一部のモードにおいて、上記関係性以外のパターンとしてもよく、例えば、通常Bモードと通常Aモードの有利度を等しくするようにしてもよい。
また、図6(a)に示したはずれ回数に基づく制御と、図6(b)に示したゲーム数に基づく制御との何れか一方を用いてもよいし、併用するようにしてもよい。併用する場合には、2つのうち何れか一方の条件が成立した場合に、特定情報の報知することとなる。また、所定条件に応じて(例えば、ボーナス状態毎に)切り替えるようにしてもよい。
次に、図7を参照して、各モードの移行率について説明する。
特定情報の報知に関する各モードは、モード制御手段としての副制御部20の制御により、所定条件の成立に基づき移行制御が行われる。
具体的には、ボーナス状態の開始時(1ゲーム目のスタートレバー3操作時)にモード決定用乱数を抽出し、このモード決定用乱数に基づき当該ボーナス状態の終了後のモードを決定するようになっている。
ボーナス状態の開始時に次回のモードを決定することにより、ボーナス状態中に次回のモードに関する情報を表示器8に表示する等、次回のモードに関する示唆が行え、遊技の興趣を向上させることが可能となっている。なお、次回のモードの決定をボーナス状態の終了時、例えば、ボーナス状態の最終ゲームのゲーム開始時(スタートレバー3の操作時)に行うようにしてもよい。
また、モードの決定は、ボーナス状態の発生前のモード、及び確率設定装置14の設定値に基づいて実行される。また、確率設定装置14による設定値の変更や、主制御部10のシステムリセットが行われた場合には、初期設定として通常Aモードからモードが開始される。
なお、初期設定時に通常Aモード以外に移行するようにしてもよいし、確率設定装置14の設定値に応じて、何れかのモードに振り分けるようにしてもよい。
図7(a)は、通常Aモードに滞在中にボーナス状態が発生した場合の次のモードの移行率を示している。
図7(a)に示すように、確率設定装置14で設定値1が設定されている場合には、通常Aモードに移行する(モードを維持する)確率は84%、通常Bモードに移行する確率は5%、通常Cモードに移行する確率は1%、天国Aモードに移行する確率は9.5%、天国Bモードに移行する確率は0.5%に各々設定されている。
また、設定値2の場合には、通常Aモードに移行する(モードを維持する)確率は75.5%、通常Bモードに移行する確率は9%、通常Cモードに移行する確率は3%、天国Aモードに移行する確率は11.5%、天国Bモードに移行する確率は1%に各々設定されている。
また、設定値5の場合には、通常Aモードに移行する(モードを維持する)確率は77%、通常Bモードに移行する確率は5%、通常Cモードに移行する確率は3%、天国Aモードに移行する確率は13.5%、天国Bモードに移行する確率は1.5%に各々設定されている。
また、設定値6の場合には、通常Aモードに移行する(モードを維持する)確率は43%、通常Bモードに移行する確率は12%、通常Cモードに移行する確率は25%、天国Aモードに移行する確率は18%、天国Bモードに移行する確率は2%に各々設定されている。
次に、図7(b)は、通常Bモードに滞在中にボーナス状態が発生した場合の次のモードの移行率を示している。
図7(b)に示すように、確率設定装置14で設定値1が設定されている場合には、通常Aモードに移行する確率は0%、通常Bモードに移行する(モードを維持する)確率は60%、通常Cモードに移行する確率は10%、天国Aモードに移行する確率は28.5%、天国Bモードに移行する確率は1.5%に各々設定されている。
また、設定値2の場合には、通常Aモードに移行する確率は0%、通常Bモードに移行する(モードを維持する)確率は60%、通常Cモードに移行する確率は10%、天国Aモードに移行する確率は28.5%、天国Bモードに移行する確率は1.5%に各々設定されている。
また、設定値5の場合には、通常Aモードに移行する確率は0%、通常Bモードに移行する(モードを維持する)確率は35%、通常Cモードに移行する確率は25%、天国Aモードに移行する確率は38%、天国Bモードに移行する確率は2%に各々設定されている。
また、設定値6の場合には、通常Aモードに移行する確率は0%、通常Bモードに移行する(モードを維持する)確率は35%、通常Cモードに移行する確率は25%、天国Aモードに移行する確率は38%、天国Bモードに移行する確率は2%に各々設定されている。
次に、図7(c)は、通常Cモードに滞在中にボーナス状態が発生した場合の次のモードの移行率を示している。
図7(c)に示すように、確率設定装置14で設定値1が設定されている場合には、通常Aモードに移行する確率は0%、通常Bモードに移行する確率は0%、通常Cモードに移行する(モードを維持する)確率は0%、天国Aモードに移行する確率は97%、天国Bモードに移行する確率は3%に各々設定されている。
また、設定値2の場合には、通常Aモードに移行する確率は0%、通常Bモードに移行する確率は0%、通常Cモードに移行する(モードを維持する)確率は0%、天国Aモードに移行する確率は97%、天国Bモードに移行する確率は3%に各々設定されている。
また、設定値5の場合には、通常Aモードに移行する確率は0%、通常Bモードに移行する確率は0%、通常Cモードに移行する(モードを維持する)確率は0%、天国Aモードに移行する確率は96%、天国Bモードに移行する確率は4%に各々設定されている。
また、設定値6の場合には、通常Aモードに移行する確率は0%、通常Bモードに移行する確率は0%、通常Cモードに移行する(モードを維持する)確率は0%、天国Aモードに移行する確率は96%、天国Bモードに移行する確率は4%に各々設定されている。
次に、図7(d)は、天国Aモードに滞在中にボーナス状態が発生した場合の次のモードの移行率を示している。
図7(d)に示すように、確率設定装置14で設定値1が設定されている場合には、通常Aモードに移行する確率は0%、通常Bモードに移行する確率は0%、通常Cモードに移行する確率は12.5%、天国Aモードに移行する(モードを維持する)確率は75%、天国Bモードに移行する確率は12.5%に各々設定されている。
また、設定値2の場合には、通常Aモードに移行する確率は0%、通常Bモードに移行する確率は0%、通常Cモードに移行する確率は12.5%、天国Aモードに移行する(モードを維持する)確率は71%、天国Bモードに移行する確率は16.5%に各々設定されている。
また、設定値5の場合には、通常Aモードに移行する確率は0%、通常Bモードに移行する確率は0%、通常Cモードに移行する確率は10%、天国Aモードに移行する(モードを維持する)確率は73.5%、天国Bモードに移行する確率は16.5%に各々設定されている。
また、設定値6の場合には、通常Aモードに移行する確率は0%、通常Bモードに移行する確率は0%、通常Cモードに移行する確率は10%、天国Aモードに移行する(モードを維持する)確率は70%、天国Bモードに移行する確率は20%に各々設定されている。
次に、図7(e)は、天国Bモードに滞在中にボーナス状態が発生した場合の次のモードの移行率を示している。
図7(e)に示すように、確率設定装置14で設定値1が設定されている場合には、通常Aモードに移行する確率は0%、通常Bモードに移行する確率は0%、通常Cモードに移行する確率は0%、天国Aモードに移行する確率は25%、天国Bモードに移行する(モードを維持する)確率は75%に各々設定されている。
また、設定値2の場合には、通常Aモードに移行する確率は0%、通常Bモードに移行する確率は0%、通常Cモードに移行する確率は0%、天国Aモードに移行する確率は33%、天国Bモードに移行する(モードを維持する)確率は67%に各々設定されている。
また、設定値5の場合には、通常Aモードに移行する確率は0%、通常Bモードに移行する確率は0%、通常Cモードに移行する確率は0%、天国Aモードに移行する確率は25%、天国Bモードに移行する(モードを維持する)確率は75%に各々設定されている。
また、設定値6の場合には、通常Aモードに移行する確率は0%、通常Bモードに移行する確率は0%、通常Cモードに移行する確率は0%、天国Aモードに移行する確率は33%、天国Bモードに移行する(モードを維持する)確率は67%に各々設定されている。
以上のような移行率で次のモードが決定されるので、確率設定装置14の設定値が高いほど、遊技者の有利度の高いモードに移行し易く、また、有利なモードを維持し易くなり、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。特に、設定値6の場合には、通常Aモードに滞在時でも他の設定値に比べ極めて高い確率で期待度の高いモードに移行することとなり、遊技者の期待感を極めて高めることが可能となる。
また、通常Aモード滞在時よりも通常Bモード滞在時の方が期待度の高いモードに移行し易くなっているので、特定情報が報知される期間に関してはそれほど差のないモードにおいても、移行態様に変化性を出せるようになり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。また、通常Aモードから通常Bモードに移行した場合には、通常Aモードに移行しないので、遊技者の遊技意欲を高めることが可能となるのである。
また、通常Aモード及び通常Bモードに比べ通常Cモードへの移行率は低くなっているが、一旦通常Cモードに移行すると、次回は必ず天国Aモード或いは天国Bモードに移行することとなり、また、通常Cモード、天国Aモード、及び天国Bモードに移行した場合には、後述するようにAT状態が発生するまで、通常Aモード或いは通常Bモードに移行することはないので、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
また、比較的期待度の高い天国Aモード或いは天国Bモードでも、天国Aモードの場合には、通常Cモードに移行する可能性が存在するので、遊技をより多彩化でき、また、天国Bモードに対する遊技者の期待感を高めることが可能となっている。
このように、特定情報の報知に対する有利度が、天国Bモード>天国Aモード>通常Cモード>通常Bモード>通常Aモードの関係性を有していて、確率設定装置14の設定値が高いほど、遊技者の有利度の高いモードに移行し易く、また、有利度の高いモードを維持し易いようになっている。
すなわち、報知制御手段としての副制御部20は、確率設定装置14(設定手段)により設定値1(第1設定値)が設定される場合よりも、設定値6(第2設定値)が設定される場合の方が、ボーナス役(特別役)に当選してからボーナス役に対応する特定情報が報知されるまでの期間が短くなる確率が高くなるように、表示器8(報知手段)を制御するのである。
具体的には、回数設定手段としての副制御部20は、確率設定装置14(設定手段)により設定値1(第1設定値)が設定される場合よりも、設定値6(第2設定値)が設定される場合の方が、特定情報が報知されることとなるはずれ回数の期待値が低くなるように、予めはずれ回数を設定し、報知制御手段としての副制御部20は、副制御部20(判定手段)の判定結果が予め決定したはずれ回数となった場合に、表示器8(報知手段)に当選したボーナス役(特別役)に対応する図柄の組合せ(特定情報)を報知させるのである。
また、モード制御手段としての副制御部20は、確率設定装置14(設定手段)により設定値1(第1設定値)が設定される場合よりも、設定値6(第2設定値)が設定される場合の方が、通常Aモードや通常Bモード(第1モード)よりも天国Aモードや天国Bモード(第2モード)に制御する確率を高くして、報知制御手段としての副制御部20は、第1モードに制御されている場合よりも、第2モードに制御されている場合の方が、ボーナス役(特別役)が当選してからボーナス役に対応する図柄の組合せ(特定情報)が報知されるまでの期間が短くなる確率が高くなるように、表示器8(報知手段)を制御するのである。
なお、モードに基づく特定情報の報知に関する制御は、通常遊技状態中に行われ、AT状態中に行わないようになっている。したがって、AT状態中にボーナス役に当選した場合には、遊技者は当選したボーナス役の種類を認識できないので、遊技者による無作為な停止ボタン5の停止操作が、当選したボーナス役に対応する図柄の組合せを停止可能なタイミングで行われた場合に限り、対応する図柄の組合せが停止することとなる。
また、AT状態中にボーナス役に当選した後、ゲームの抽選結果がはずれ結果となった場合、すなわち当選したボーナス役に対応する図柄の組合せを停止可能なゲームにおいて、表示器8に、「何れかのボーナス図柄を狙え」等の文字情報の表示を行うことで、ボーナス役の種類は報知しないがボーナス役に対応する図柄の組合せが停止可能であることのみを報知して、遊技者に対して自ら予想したボーナス図柄を狙わせる機会を発生させてもよい。
また、AT状態中においても、通常遊技状態中同様に上記したモードに基づく特定情報の報知に関する制御を行うようにして、AT状態中のはずれ回数、或いはゲーム数に基づき特定情報の報知制御を行うようにしてもよい。
すなわち、抽選手段としての主制御部10は、AT状態(特定遊技状態)においてもボーナス役(特別役)の抽選を実行可能とし、報知制御手段としての副制御部20は、AT状態においてボーナス役に当選した場合に、表示器8(報知手段)に当選したボーナス役に対応する図柄の組合せ(特定情報)を報知させるのである。
次に、図8を参照して、小役やリプレイ役当選時の特定情報の報知確率について説明する。
本実施形態においては、副制御部20は、前述したはずれ回数やゲーム数以外にも、所定の役(レア役)に当選した場合の所定確率で、特定情報の報知を行うようになっている。
すなわち、はずれ回数やゲーム数が予め決定されている値に達する前でも、役の当選に関わる所定条件の成立に基づき特定情報を報知するようになっている。
所定の役(レア役)の当選により、特定情報を報知することが決定された場合には、以降ボーナス状態が発生するまで、特定情報の報知が行われる。
また、所定の役(レア役)の当選により、特定情報を報知を行う場合には、表示器8において所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)の前兆演出を行ってから特定情報を報知してもよい。
また、所定の役(レア役)の当選を契機にボーナス状態が発生した場合でも、次回のモードの移行抽選や、はずれ回数及びゲーム数の再抽選が行われるが、所定の役(レア役)の当選を契機にボーナス状態が発生した場合には、モードの移行抽選や、はずれ回数及びゲーム数の抽選を遊技者に有利に行うようにしてもよい。
図8に示すように、確率設定装置14で設定値1が設定されている場合には、弱チェリー役当選時には0.5%、強チェリー役当選時には12.5%、弱スイカ役当選時には1%、強スイカ役当選時には16.7%、チャンス役当選時には20%の確率で各々特定情報が報知されることとなる。
また、設定値2の場合には、弱チェリー役当選時には0.5%、強チェリー役当選時には12.5%、弱スイカ役当選時には1%、強スイカ役当選時には16.7%、チャンス役当選時には20%の確率で各々特定情報が報知されることとなる。
また、設定値5の場合には、弱チェリー役当選時には1%、強チェリー役当選時には16.7%、弱スイカ役当選時には1.5%、強スイカ役当選時には20%、チャンス役当選時には25%の確率で各々特定情報が報知されることとなる。
また、設定値6の場合には、弱チェリー役当選時には1.5%、強チェリー役当選時には16.7%、弱スイカ役当選時には2%、強スイカ役当選時には20%、チャンス役当選時には25%の確率で各々特定情報が報知されることとなる。
以上のような確率で所定の役当選時の特定情報の報知が行われるので、確率設定装置14の設定値が高いほど、所定の役当選時に特定情報の報知が行われ易くなり、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。また、比較的当選確率の低い役ほど、特定情報が報知される確率が高くなり、比較的当選確率の低い役に当選した場合の遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、はずれ回数やゲーム数が所定の値に達していなくても、特定情報の報知が行われる可能性を残せるので、遊技のマンネリ感を防止できるとともに、常に特定情報の報知に対する期待感を遊技者に持たせることが可能となる。
次に、図9を参照して、AT状態終了後のモードの移行率について説明する。
本実施形態においては、ボーナス状態の発生を契機に、ボーナス状態終了後のモードの移行先を決定するようにしているが、ボーナス状態中にAT状態の移行権利が付与された場合には、ボーナス状態の終了後にAT状態に移行することとなるため、ボーナス状態の発生時に決定したモードの移行先をリセットし、AT状態終了時に再度移行先を決定するようにしている。
すなわち、AT状態の最終ゲーム(スタートレバー3の操作時)において、AT状態終了後のモードの移行先を決定するようにしている。
また、AT状態終了後のモードの移行先の決定は、AT状態中に獲得したメダル数に応じて異なるように行われる。
まず、図9(a)は、AT状態中の獲得メダル数が1200枚未満の場合の、AT状態終了後のモード移行率を示す。
図9(a)に示すように、確率設定装置14における全ての設定値において、通常Aモードに移行する確率は25%、通常Bモードに移行する確率は10%、通常Cモードに移行する確率は25%、天国Aモードに移行する確率は25%、天国Bモードに移行する確率は15%に各々設定されている。
一方、図9(b)は、AT状態中の獲得メダル数が1200枚以上の場合の、AT状態終了後のモード移行率を示す。
図9(b)に示すように、確率設定装置14における全ての設定値において、通常Aモードに移行する確率は25%、通常Bモードに移行する確率は10%、通常Cモードに移行する確率は25%、天国Aモードに移行する確率は40%、天国Bモードに移行する確率は0%に各々設定されている。
以上のような確率でAT状態終了後のモードの移行先が決定されるので、ボーナス状態の終了後とは異なるモードの移行態様を形成することが可能となり、遊技の興趣を向上させることが可能となるのである。
また、ボーナス状態終了後における通常Aモードからのモード移行率よりも、通常Cモード、天国Aモード、天国Bモードへ移行し易くなっているので、AT状態終了後のモードの移行先に対する期待感を高めることが可能となるのである。
また、AT状態中の獲得メダル数に応じて、モード移行率に変化を持たせているので、多数のメダルを獲得したAT状態の終了後には、比較的期待度の低いモードに移行させ易くすることができ、遊技店と遊技者との間の利益バランスを調整することが可能となるのである。
次に、図10、図11を参照して、AT状態の抽選やAT状態中のゲーム数の上乗せ抽選について説明する。
第1実施形態のスロットマシン1においては、通常遊技状態において発生したボーナス状態中における所定の小役の当選を契機に、AT状態の抽選を行い、AT状態に当選した場合には、ボーナス状態の終了後に、AT状態を発生させるようにしている。
また、AT状態が発生した場合には、当該AT状態中の所定の小役の当選を契機に、AT状態のゲーム数の上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選した場合には、AT状態の残りゲーム数に所定数のゲーム数を上乗せ(加算)させるようにしている。
また、後述するようにAT状態の抽選結果に関わる報知を行うための結果導出演出が、ボーナス状態中に表示器8において実行され、上乗せの抽選結果に関わる報知を行うための上乗せ演出が、AT状態中に表示器8において実行される。
図10(a)は、主制御部10において、ボーナス状態中のゲームの結果として所定の小役に当選した場合に、AT状態を抽選するための抽選テーブルを示す。
AT状態の抽選は、ボーナス状態中において、所定の小役として、共通ベル役、弱チェリー役、強チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役に当選した場合に、予めゲーム毎に取得しているAT状態抽選用の乱数の判定により行われるが、図10(a)においては、取得する乱数の取得範囲(個数)を255個とし、そのうちの外れ値(非当選)及び当たり値(当選)の個数を各々示している。
また、抽選確率は確率設定装置14における全設定値で同様としているが、設定値毎に当選確率を変化させ、高設定の方がAT状態に当選し易いようにしてもよい。
図10(a)に示すように、共通ベル役当選時には、当たり値(当選)が1個で、外れ値(非当選)が254個に設定されていることから、共通ベル役当選時には、1/255.0の確率でAT状態の抽選に当選する。
また、弱チェリー役当選時には、当たり値(当選)が30個で、外れ値(非当選)が225個に設定されていることから、弱チェリー役当選時には、1/8.5の確率でAT状態の抽選に当選する。
また、強チェリー役当選時には、当たり値(当選)が155個で、外れ値(非当選)が100個に設定されていることから、強チェリー役当選時には、約1/1.6の確率でAT状態の抽選に当選する。
また、弱スイカ役当選時には、当たり値(当選)が15個で、外れ値(非当選)が240個に設定されていることから、弱スイカ役当選時には、1/17.0の確率でAT状態の抽選に当選する。
また、強スイカ役当選時には、当たり値(当選)が55個で、外れ値(非当選)が200個に設定されていることから、強スイカ役当選時には、約1/4.6の確率でAT状態の抽選に当選する。
図10(a)に示すように、チェリー役の当選時には、比較的当選確率の低い強チェリー役の方が弱チェリー役よりもAT状態の当選確率が高く設定され、同様に、スイカ役の当選時には、比較的当選確率の低い強スイカ役の方が弱スイカ役よりもAT状態の当選確率が高く設定されている。また、最も当選確率の高い共通ベル役の当選時に、AT状態の当選確率が最も低く設定されている。
したがって、当選の可能性の低い小役に当選した場合には、AT状態の当選に対する期待感が高められるようになっている。
図10(b)は、主制御部10において、上記した各役当選時にAT状態の抽選にも当選した場合に、AT状態の初期ゲーム数を決定するための抽選テーブルを示す。
AT状態の初期ゲーム数の決定は、上記AT状態に当選した場合に、予めゲーム毎に取得している初期ゲーム数決定用の乱数の判定により行われるが、図10(b)においては、取得する乱数の取得範囲(個数)を255個としている。
また、初期ゲーム数の決定は確率設定装置14における全設定値で同様としているが、設定値毎に決定されるゲーム数を変化させ、高設定の方が大きいゲーム数を決定し易いようにしてもよい。
図10(b)に示すように、AT状態の当選契機が共通ベル役であった場合には、取得(抽出)した初期ゲーム数決定用乱数の値が、255個中の250個(1/1.02の確率)で初期ゲーム数を30回に決定し、255個中の5個(1/51の確率)で初期ゲーム数を50回に決定し、255個中の0個(確率0)で初期ゲーム数を100回に決定している。
また、AT状態の当選契機が弱チェリー役であった場合には、取得(抽出)した初期ゲーム数決定用乱数の値が、255個中の230個(約1/1.1の確率)で初期ゲーム数を30回に決定し、255個中の25個(1/10.2の確率)で初期ゲーム数を50回に決定し、255個中の0個(確率0)で初期ゲーム数を100回に決定している。
また、AT状態の当選契機が強チェリー役であった場合には、取得(抽出)した初期ゲーム数決定用乱数の値が、255個中の125個(1/2.04の確率)で初期ゲーム数を30回に決定し、255個中の70個(約1/3.6の確率)で初期ゲーム数を50回に決定し、255個中の60個(1/4.25の確率)で初期ゲーム数を100回に決定している。
また、AT状態の当選契機が弱スイカ役であった場合には、取得(抽出)した初期ゲーム数決定用乱数の値が、255個中の0個(確率0)で初期ゲーム数を30回に決定し、255個中の250個(1/1.02の確率)で初期ゲーム数を50回に決定し、255個中の5個(1/51の確率)で初期ゲーム数を100回に決定している。
また、AT状態の当選契機が強スイカ役であった場合には、取得(抽出)した初期ゲーム数決定用乱数の値が、255個中の0個(確率0)で初期ゲーム数を30回に決定し、255個中の128個(約1/1.99の確率)で初期ゲーム数を50回に決定し、255個中の127個(約1/2.01の確率)で初期ゲーム数を100回に決定している。
図10(b)に示すように、チェリー役を当選契機とする場合には、比較的当選確率の低い強チェリー役の方が弱チェリー役よりも初期ゲーム数が大きくなるようにゲーム数が決定される。同様に、スイカ役を当選契機とする場合には、比較的当選確率の低い強スイカ役の方が弱スイカ役よりも初期ゲーム数が大きくなるようにゲーム数が決定されるとともに、スイカ役当選時には、最小の初期ゲーム数である30回が決定されないようになっている。また、比較的当選確率の高い共通ベル役や弱チェリー役を当選契機とする場合には、最大の初期ゲーム数である100回が決定されないようになっている。
したがって、当選の可能性の低い小役がAT状態の当選契機となった場合には、大きい初期ゲーム数の付与に対する期待感が高められるようになっている。特に、スイカ役がAT状態の当選契機となった場合には、大きい初期ゲーム数の付与に対する期待感が極めて高められるようになっている。
また、ボーナス状態中にAT状態の抽選が行われ、AT状態に当選した場合には、ボーナス状態の終了後にAT状態が発生することとなるが、ボーナス状態中には、主制御部10及び副制御部20の制御により、表示器8において実行される結果導出演出を経てAT状態の当選が報知されるので、遊技の興趣や遊技者の期待感を高めることが可能となる。
なお、AT状態は、通常遊技状態において発生したボーナス状態中における所定の小役当選時に1回でもAT状態の移行権利が付与されれば発生するが、AT状態の移行権利が付与された以降に、再度AT状態の移行権利の付与条件が成立した場合には、1回目と同様に初期ゲーム数を決定して、決定したゲーム数を、条件成立毎に既に決定されているゲーム数に加算するようにしてもよい。
また、AT状態の移行権利が付与された以降に、再度AT状態の移行権利の付与条件が成立した場合には、AT状態の移行権利(及び初期ゲーム数)を、条件成立毎に加算記憶し、既に発生しているAT状態の終了ごとに、記憶している分のAT状態を順次発生させるようにしてもよい。
また、AT状態中に発生したボーナス状態中における所定の小役当選時に、AT状態の移行権利の付与条件が成立した場合に、上記同様、初期ゲーム数に対応するゲーム数を決定して、そのゲーム数を残りゲーム数に加算するようにしてもよいし、当該AT状態の終了後に発生可能なAT状態の移行権利として加算記憶するようにしてもよい。
次に、AT状態中に行われる上乗せ抽選について図11(a)を参照して説明する。
AT状態の開始時には、初期ゲーム数として、例えば、50回のゲーム数が付与され、このゲーム数を残りゲーム数としてAT状態は継続する。
また、AT状態中においては、所定条件の成立に基づき、主制御部10により、残りゲーム数に所定のゲーム数が加算される上乗せが行われ、残りゲーム数の増加により、その分、AT状態の継続期間が延長されることとなる。
また、上乗せが行われる条件は、AT状態中のゲーム実行時の抽選結果が、弱チェリー役、強チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役、チャンス役の当選時の所定確率で成立する。
図11(a)は、主制御部10において、AT状態中におけるゲーム数の上乗せを行うか否か、及び上乗せするゲーム数の決定に関わる上乗せ抽選を行うための抽選テーブルを示す。
AT状態中の上乗せ抽選は、主制御部10により上乗せ抽選用の乱数の抽選により行われ、図11(a)においては、取得する乱数値の取得範囲(個数)を255個とし、各上乗せゲーム数(0回、10回、30回、50回、100回)に割り振られる乱数値の個数を示している。上乗せゲーム数が0回は、上乗せ抽選に外れたことを示している。
また、上乗せを行うか否か、及び上乗せされるゲーム数は確率設定装置14における全設定値で同様としているが、設定値毎に決定される上乗せの当選確率や上乗せされるゲーム数を変化させ、高設定の方が上乗せに当選し易くしたり、大きいゲーム数が決定され易くしたりするようにしてもよい。
図11(a)に示すように、弱チェリー役当選時には、取得した乱数値が、255個中の130個(約1/2.0の確率)で上乗せゲーム数を0回に決定し、255個中の100個(約1/2.6の確率)で上乗せゲーム数を10回に決定し、255個中の20個(約1/12.8の確率)で上乗せゲーム数を30回に決定し、255個中の5個(約1/51.0の確率)で上乗せゲーム数を50回に決定し、255個中の0個(確率0)で上乗せゲーム数を100回に決定する。
また、強チェリー役当選時には、取得した乱数値が、255個中の0個(確率0)で上乗せゲーム数を0回に決定し、255個中の0個(確率0)で上乗せゲーム数を10回に決定し、255個中の200個(約1/1.3の確率)で上乗せゲーム数を30回に決定し、255個中の50個(約1/5.1の確率)で上乗せゲーム数を50回に決定し、255個中の5個(約1/51.0)で上乗せゲーム数を100回に決定する。
また、弱スイカ役当選時には、取得した乱数値が、255個中の200個(約1/1.3の確率)で上乗せゲーム数を0回に決定し、255個中の0個(確率0)で上乗せゲーム数を10回に決定し、255個中の50個(約1/5.1の確率)で上乗せゲーム数を30回に決定し、255個中の0個(確率0)で上乗せゲーム数を50回に決定し、255個中の5個(約1/51.0)で上乗せゲーム数を100回に決定する。
また、強スイカ役当選時には、取得した乱数値が、255個中の155個(約1/1.6の確率)で上乗せゲーム数を0回に決定し、255個中の0個(確率0)で上乗せゲーム数を10回に決定し、255個中の50個(約1/5.1の確率)で上乗せゲーム数を30回に決定し、255個中の30個(約1/8.5の確率)で上乗せゲーム数を50回に決定し、255個中の20個(約1/12.8)で上乗せゲーム数を100回に決定する。
また、チャンス役当選時には、取得した乱数値が、255個中の0個(確率0)で上乗せゲーム数を0回に決定し、255個中の210個(約1/1.2の確率)で上乗せゲーム数を10回に決定し、255個中の15個(約1/17.0の確率)で上乗せゲーム数を30回に決定し、255個中の15個(約1/17.0の確率)で上乗せゲーム数を50回に決定し、255個中の15個(約1/17.0)で上乗せゲーム数を100回に決定する。
このように、レア役に当選した場合に、上乗せ抽選が行われるので、AT状態中にレア役に当選した場合の期待感を高めることが可能となる。また、弱チェリー役よりも強チェリー役の方、すなわち、当選確率が低い役ほど、上乗せ抽選に当選する確率が高くなるような傾向となっているので、当選難易度が低いレア役に当選した場合の期待感を高めることが可能となる。特に、強チェリー役やチャンス役に当選した場合には、その時点で上乗せが確定するので、より期待感を高めることが可能となる。
また、弱スイカ役や強スイカ役に当選した場合には、上乗せに当選する確率は全体的に低く設定されているが、上乗せに当選した場合には、比較的大きいゲーム数が上乗せされるので、メリハリのある上乗せ抽選が実行可能となり、AT状態中の興趣性を高めることが可能となる。
また、AT状態中のゲーム実行時の抽選結果が、弱チェリー役、強チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役、チャンス役であった場合には、後述するように、主制御部10及び副制御部20の制御により、表示器8において、所定ゲーム数(例えば、1~3ゲーム)の上乗せ演出が行われ、上乗せ演出の終了後に上乗せが行われるか否か、及び上乗せされるゲーム数の報知が行われる。したがって、遊技の興趣や遊技者の期待感を高めることが可能となる。
次に、AT状態中に行われる上乗せ特化ゾーンについて図11(b)を参照して説明する。
第1実施形態におけるスロットマシン1においては、主制御部10の制御により、AT状態中における上乗せ抽選に関して、所定期間前述した上乗せ抽選よりもさらに容易に上乗せ抽選が行われる上乗せ特化ゾーンを発生可能としている。
上乗せ特化ゾーンは、AT状態中におけるボーナス役に当選していない状態において、所定の小役の当選を契機に発生される。
ボーナス役は、後述するように比較的高確率で当選するようになっているので、AT状態中に一旦ボーナス状態が発生して、当該ボーナス状態の終了後から次のボーナス役に当選するまでの間が、上乗せ特化ゾーンの発生可能期間となる。
したがって、AT状態中に遊技者による無作為な停止操作により、偶発的にボーナス状態が発生した場合に、上乗せ特化ゾーンの発生可能性が生ずることとなり、偶発的に発生するボーナス状態に対して遊技者の期待感が高められることとなる。
上乗せ特化ゾーンの発生契機となる小役としては、押し順ベル役、弱チェリー役、強チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役があり、各々当選時の上乗せ特化ゾーンの発生確率が異なるように設定されている。
また、上乗せ特化ゾーンの期間は、上乗せ特化ゾーンが発生してから次のボーナス役に当選するまでに設定され、上乗せ特化ゾーン中はゲーム毎に所定数(例えば、30ゲーム)のゲームがAT状態の残りゲーム数に加算される。
したがって、上乗せ特化ゾーンが発生した場合には、次のボーナス役が当選するまで、多数のゲーム数が上乗せされることとなり、遊技者の期待感を極めて高めることが可能となる。
また、上乗せ特化ゾーンは、発生してから次ゲームでボーナス役に当選する場合もあるので、結果導出演出等の遅延期間を設けることなく、上乗せ特化ゾーンの当選契機となる小役に当選した次ゲームから発生させることが好ましい。
なお、上乗せ特化ゾーン中の上乗せゲーム数は、ゲーム毎に一律で付与する他に、例えば、当該ゲームにおいて押し順ベル役よりも強チェリー役に当選した場合の方が大きいゲーム数を上乗せする等、ゲームの抽選結果に応じて上乗せするゲーム数を異ならせてもよい。
また、上乗せ特化ゾーン中のゲームにおいて、ボーナス役に当選した場合、すなわち、上乗せ特化ゾーンの終了契機役に当選した場合には、比較的大きいゲーム数(例えば、50ゲーム)を上乗せするようにすれば、上乗せ特化ゾーンの最終ゲームで比較的大きいゲーム数が上乗せされることとなり、遊技者の期待感を高めることが可能となるし、かりに、上乗せ特化ゾーン中に直ぐにボーナス役に当選した場合でも、遊技者の不満感を低減することが可能となる。
上乗せ特化ゾーン中は、主制御部10及び副制御部20の制御により、表示器8において上乗せ特化ゾーン中である旨、ゲーム毎に付与された上乗せゲーム数、及び上乗せ特化ゾーン中に付与された総ゲーム数等の画像が表示される。
また、上乗せ特化ゾーン中に、押し順ナビが表示されないゲームでは、ボーナス役に当選している可能性があるので、表示器において上乗せ特化ゾーンが終了してしまうか否かの演出表示が行われ、最終的にボーナス役が当選していた場合には、ゲームの終了に応じて上乗せ特化ゾーンが終了した旨を報知する画像が表示される。
また、上乗せ特化ゾーン中にボーナス役に当選した場合には、特定情報の報知として、当選したボーナス役の種類を識別可能な情報が表示器8において表示される。なお、特定情報の報知は、ボーナス役に当選したゲーム中に行ってもよいし、ボーナス役に当選したゲームの終了後(次ゲーム以降も含む)に行ってもよい。
図11(b)は、主制御部10において、AT状態中におけるボーナス役に当選していない状態において、ゲームの結果として所定の小役に当選した場合に、上乗せ特化ゾーンの発生を抽選するための抽選テーブルを示す。
上乗せ特化ゾーンの抽選は、所定の小役として、押し順ベル役、弱チェリー役、強チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役に当選した場合に、予めゲーム毎に取得している特化ゾーン抽選用の乱数の判定により行われるが、図11(b)においては、取得する乱数の取得範囲(個数)を255個とし、そのうちの外れ値(非当選)及び当たり値(当選)の個数を各々示している。
また、抽選確率は確率設定装置14における全設定値で同様としているが、設定値毎に当選確率を変化させ高設定の方が上乗せ特化ゾーンに当選し易いようにしてもよい。
図11(b)に示すように、押し順ベル役当選時には、当たり値(当選)が1個で、外れ値(非当選)が254個に設定されていることから、押し順ベル役当選時には、1/255.0の確率で上乗せ特化ゾーンの抽選に当選する。
また、弱チェリー役当選時には、当たり値(当選)が10個で、外れ値(非当選)が245個に設定されていることから、弱チェリー役当選時には、1/25.5の確率で上乗せ特化ゾーンの抽選に当選する。
また、強チェリー役当選時には、当たり値(当選)が55個で、外れ値(非当選)が200個に設定されていることから、強チェリー役当選時には、約1/4.6の確率で上乗せ特化ゾーンの抽選に当選する。
また、弱スイカ役当選時には、当たり値(当選)が15個で、外れ値(非当選)が240個に設定されていることから、弱スイカ役当選時には、1/17.0の確率で上乗せ特化ゾーンの抽選に当選する。
また、強スイカ役当選時には、当たり値(当選)が30個で、外れ値(非当選)が225個に設定されていることから、強スイカ役当選時には、1/8.5の確率で上乗せ特化ゾーンの抽選に当選する。
図11(b)に示すように、チェリー役の当選時には、比較的当選確率の低い強チェリー役の方が弱チェリー役よりも上乗せ特化ゾーンの当選確率が高く設定され、同様に、スイカ役の当選時には、比較的当選確率の低い強スイカ役の方が弱スイカ役よりも上乗せ特化ゾーンの当選確率が高く設定されている。また、極めて容易に当選可能な高い押し順ベル役の当選時でも、上乗せ特化ゾーンの当選を可能としている。
したがって、毎ゲーム上乗せ特化ゾーンの当選に対する期待感が保てるとともに、当選の可能性の低い小役に当選した場合には、上乗せ特化ゾーンの当選に対する期待感が更に高められるようになっている。
なお、上乗せ特化ゾーンの抽選は、前述した上乗せ抽選と併用して行ってもよいし、ボーナス役に当選していない状態でのゲームでは、上乗せ特化ゾーンのみを実行するようにしてもよい。
上乗せ特化ゾーンの抽選を、前述した上乗せ抽選と併用して行う場合には、例えば、強チェリー役等の両方の抽選の対象となる役の当選時に、先ず上乗せ特化ゾーンの抽選の当否を報知する演出を実行した後、上乗せ抽選の当否を報知する演出を実行すれば、両方の抽選に対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、ボーナス役の当選により上乗せ特化ゾーンが終了した場合に、上乗せ特化ゾーンの終了からボーナス状態が発生するまでのボーナス当選状態においては、上乗せ抽選は行われないが、この間においても所定の確率(100%も含む)で上乗せ抽選を行うようにしてもよい。この場合、終了した上乗せ特化ゾーンを第1上乗せ特化ゾーンとして、ボーナス状態が発生するまでを第2上乗せ特化ゾーンとし、ゲーム毎に第1上乗せ特化ゾーンと同数のゲーム数、或いは異なるゲーム数(例えば、20ゲーム)を上乗せするようにする。ただし、第2上乗せ特化ゾーンは、ゲームの抽選結果がはずれ結果となるゲームが最初に発生した場合に終了するようにして、遊技者による意図的な第2上乗せ特化ゾーンの期間延長を防止することが好ましい。
さらに、第2上乗せ特化ゾーンの終了後に発生するボーナス状態中も、第3上乗せ特化ゾーンとして、ゲーム毎に所定数(例えば、10回)のゲームを上乗せするようにしてもよい。
このように、第2、第3上乗せ特化ゾーンを設けることにより、第1上乗せ特化ゾーンの発生を契機に、異なる種類の上乗せ特化ゾーンが発生することとなり、上乗せ特化ゾーンの発生に対する遊技者の期待感を極めて高めることが可能となる。
次に、図12を参照して、本実施形態に係るスロットマシン1が有するRT状態(以下、単にRTともいう)について説明する。
本実施形態に係るスロットマシン1は、内部抽選処理におけるリプレイ役の当選確率に対応する状態として、RT1、RT2を有している。
RT1は、内部抽選処理において、所定の確率(例えば、1/7.3)でリプレイ役に当選するように設定され、リプレイ役の当選確率においてRT2よりも遊技者に不利な遊技状態である。
RT1への突入は、主制御部10のシステムリセット(設定変更時も含む)及びボーナス状態の終了を契機とし、その後、RT1に移行する(図12の矢印l)。
また、RT1の終了は、RT1におけるボーナス役(ボーナス1役~ボーナス64役)の当選を契機として、その後、RT1からRT2に移行する(図12の矢印j)。
このように、RT1は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、ボーナス役に当選しない限り他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
RT2は、内部抽選処理において、RT1よりも高い確率(例えば、1/3.9)でリプレイ役に当選するように設定され、リプレイ役の当選確率においてRT1よりも遊技者に有利な遊技状態である。
RT2への突入は、RT1においてボーナス役の当選を契機として、その後、RT1からRT2に移行する(図12の矢印j)。
また、RT2の終了は、ボーナス状態の終了を契機として、その後、RT2からRT1に移行する(図12の矢印k)。
このように、RT2は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、ボーナス状態が終了しない限り、他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
このように本実施形態では、有利度の異なるRT状態を複数設け、遊技者に比較的不利なRT1から遊技者に比較的有利なRT2に移行させるとともに、RT1中のボーナス役の当選により、RT2を介してボーナス状態に移行するというゲーム性を有している。
したがって、遊技者にとって有利なRT2は、ボーナス役に当選してからボーナス状態が発生するまで継続する、すなわち、ボーナス当選状態中に維持されることとなる。
このようなゲーム性においては、RT1からRT2に移行(昇格)させることが遊技者にとって好ましく、RT2からRT1に移行(転落)しないことが遊技者にとって好ましいことになる。
また、前述したように、ボーナス状態中においては、遊技者にとって有利なAT状態の抽選を行う、所謂CZ(チャンスゾーン)に対応する状態であり、ボーナス状態中にAT状態の抽選に当選した場合には、押し順ベル役に対する押し順ナビが発生するAT状態(アシストタイム)が発生することとなる。
また、AT状態中は、ボーナス役に当選している状態と、ボーナス役に当選していない状態とを有していて、AT状態中にボーナス役に当選している状態は、上記したRT2に移行しているので、この期間は、RT2にアシストタイムが加わった、遊技者にとって最も好ましいART状態となるのである。
このように、スロットマシン1は、主制御部10が遊技状態制御手段として動作することにより、複数のRT状態、ボーナス状態、及びAT状態(ART状態も含む)を制御可能に構成されている。
さらに、これらの遊技状態は以下に示す通常区間と有利区間とに区分される。
例えば、通常遊技状態は通常区間に区分され、ボーナス当選状態、ボーナス状態、AT状態(ART状態)、は有利区間に区分されている。
また、有利区間は通常区間から移行し、再度通常区間に移行するまで継続して滞在可能な区間となっており、有利区間に滞在中は、遊技が実行された遊技回数が遊技回数計数手段としての主制御部10でカウントされ、また、獲得したメダル数が獲得数計数手段としての主制御部10でカウントされる。
また、有利区間は、以下の条件(a)、(b)のうち少なくとも1つが成立することでも終了する。
(a)有利区間での遊技回数が上限遊技回数の1500ゲームに到達したこと
(b)有利区間での獲得メダル数が上限獲得メダル数の2400枚に到達したこと
なお、(a)、(b)の条件のうち何れかが成立した場合(リミッタ作動時)には、有利区間に滞在することはできず、AT状態中であった場合には、AT状態を終了し、有利区間の遊技回数、獲得メダル数を消去する(0回、0枚に初期化する)。
また、上記有利区間の終了条件は、一例であり、他の条件を設けてもよい。例えば、所定のボーナス役に対応した図柄の組合せが停止表示されたこと等を含めてもよい。また、有利区間での上限遊技回数、上限獲得メダル数は、1500ゲーム、2400枚に限定されるものではないが、1500ゲーム以下、2400枚以下が好ましい。
また、有利区間中は、有利区間ランプ13が点灯される。
次に、図13を参照して、RT1、RT2、及びボーナス状態中における、各役の当選確率について説明する。
図13は、RT1、RT2、及びボーナス状態中におけるゲーム実行時の各役の当選確率を示している。
各役の抽選は、主制御部10により役抽選用の乱数の抽選により行われ、図13においては、取得する乱数値の取得範囲(個数)を65535個とし、そのうちの当たり値(当選)の個数を各々示している。
図13に示すように、押し順ベル役1~6の各々は、RT1及びRT2中において、当たり値が6687個に各々設定されていることから、押し順ベル役1~6の各々の当選確率は、RT1及びRT2中には、約1/9.8の確率に各々設定されている。また、押し順ベル役1~6の各々は、ボーナス状態中においては、当たり値が0個に設定されていることから、押し順ベル役1~6の各々はボーナス状態中には当選しないように設定されている。
また、共通ベル役は、RT1及びRT2において、当たり値が0個に各々設定されていることから、共通ベル役は、RT1及びRT2中には当選しないように各々設定されている。また、共通ベル役は、ボーナス状態中においては、当たり値は49154個に設定されていることから、共通ベル役の当選確率は、ボーナス状態中には、約1/1.3の確率に設定されている。
また、弱チェリー役は、RT1及びRT2において、当たり値が819個に各々設定されていることから、弱チェリー役の当選確率は、RT1及びRT2中には、約1/80.0の確率に各々設定されている。また、弱チェリー役は、ボーナス状態中においては、当たり値が8192個に設定されていることから、弱チェリー役はボーナス状態中には、約1/8.0の確率に設定されている。
また、強チェリー役は、RT1及びRT2において、当たり値が199個に各々設定されていることから、強チェリー役の当選確率は、RT1及びRT2中には、約1/329.3の確率に各々設定されている。また、強チェリー役は、ボーナス状態中においては、当たり値が1047個に設定されていることから、強チェリー役はボーナス状態中には、約1/62.6の確率に設定されている。
また、弱スイカ役は、RT1及びRT2において、当たり値が574個に各々設定されていることから、弱スイカ役の当選確率は、RT1及びRT2中には、約1/114.2の確率に各々設定されている。また、弱スイカ役は、ボーナス状態中においては、当たり値が4096個に設定されていることから、弱スイカ役はボーナス状態中には、約1/16.0の確率に設定されている。
また、強スイカ役は、RT1及びRT2において、当たり値が149個に各々設定されていることから、強スイカ役の当選確率は、RT1及びRT2中には、約1/439.8の確率に各々設定されている。また、強スイカ役は、ボーナス状態中においては、当たり値が3048個に設定されていることから、弱スイカ役はボーナス状態中には、約1/21.5の確率に設定されている。
また、チャンス役は、RT1及びRT2において、当たり値が255個に各々設定されていることから、チャンス役の当選確率は、RT1及びRT2中には、1/257.0の確率に各々設定されている。また、チャンス役は、ボーナス状態中においては、当たり値が0個に設定されていることから、チャンス役はボーナス状態中には当選しないように設定されている。
また、リプレイ役は、RT1において、当たり値が0個に設定されていることから、リプレイ役はRT1中には当選しないように設定されている。また、リプレイ役は、RT2においては、当たり値が16864個に設定されていることから、リプレイ役の当選確率は、RT2中には、約1/3.9の確率に設定されている。また、リプレイ役は、ボーナス状態中においては、当たり値が0個に設定されていることから、リプレイ役はボーナス状態中には当選しないように設定されている。
また、リプレイ役とボーナス1役~ボーナス64役の各々の重複抽選は、RT1において、当たり値が172個に設定されていることから、リプレイ役とボーナス1役~ボーナス64役の各々の重複当選確率は、RT1中には、約1/381.0の確率に設定されている。また、リプレイ役とボーナス1役~ボーナス64役の各々の重複抽選は、RT2及びボーナス状態中においては、当たり値が0個に各々設定されていることから、リプレイ役とボーナス1役~ボーナス64役の各々は、RT2及びボーナス状態中には重複当選しないように各々設定されている。
また、上記の各役に当選する以外の乱数値が抽出された場合に、抽選結果がハズレとなり、RT1においては12409個、RT2においては6553個、ボーナス状態においては0個に設定され、ハズレ確率は、RT1においては約1/5.3、RT2においては約1/10.0、ボーナス状態においては確率0に設定されている。
以上のような確率で、RT1、RT2、及びボーナス状態中におけるゲーム実行時の各役の抽選が行われる。したがって、リプレイ役の当選確率が、RT1よりもRT2の場合の方が高まり、さらに、ハズレ確率もRT1よりもRT2の方が低くなるので、RT2においては遊技者に有利にゲームが実行されることとなる。
また、押し順ベル役1~6の当選確率は、RT1及びRT2において、比較的高い確率に設定されているので、AT状態において押し順ナビが行われることで、所定の割合でメダルが増加することとなる。
また、ボーナス状態中においては、共通ベル役の他、弱チェリー役、強チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役の当選も可能としているので、これらの小役がボーナス状態中におけるAT状態の抽選の契機役となる。
また、RT1において、ボーナス1役~ボーナス64役の合計であるボーナス役の当選確率は、約1/6.0に設定されることとなり、容易にボーナス役に当選することとなる。ただし、ボーナス役には容易に当選するが、当選したボーナス役がボーナス1役~ボーナス64役の何れであるかが分からなければ、容易にボーナス状態を発生させることはできないこととなる。
また、RT1においては、ボーナス1役~ボーナス64役の当選は、必ずリプレイ役との重複当選となっているので、前述したリプレイ役に対する停止優先制御が行われる結果、ボーナス役に当選したゲームにおいて偶発的にボーナス役に対応する図柄の組合せが停止できないこととなる。
以上のように、ゲーム実行時の各役の抽選が行われる。
次に、第1実施形態におけるスロットマシン1において、表示器8で行われる演出表示について説明する。
スロットマシン1においては、主制御部10及び副制御部20の制御により、表示器8において、以下のようなAT状態に関わる演出表示が行われる。
AT状態の抽選は、ボーナス状態中において、所定の小役(共通ベル役、弱チェリー役、強チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役)の当選を契機に行われるが、ボーナス状態の最後の3ゲームに亘っては、AT状態の抽選結果を報知するAT状態の結果導出演出が行われる。
そして、ボーナス状態の最終ゲームのゲーム終了後に結果導出演出も終了し、その演出の終了態様によりAT状態の抽選結果が報知されることとなる。
すなわち、ボーナス状態中に実行されたゲームの何れかで、AT状態に当選してAT状態の移行権利が付与された場合には、結果導出演出での演出結果がAT状態に当選したことを識別可能な結果となるのである。
また、AT状態に当選していた場合には、AT状態の最初のゲーム開始時に初期ゲーム数も報知される。
また、ボーナス状態中に所定のレア役に当選した場合には、共通ベル役の当選時よりも、AT状態の当選確率が高いので、遊技者の期待感を高めるために所定のチャンス演出が行われる。
図14は、所定のレア役(弱チェリー役、強チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役)に当選したときの演出表示の一例として、ゲームの開始時に行われるチャンス演出時の表示を示している。
図14(a)に示すように、所定のレア役に当選した場合の所定の確率(例えば、1/3)で、ゲームの開始時に、操作画像を第1の表示位置へ表示する第1表示態様として、演出ボタン2d(操作手段)の操作を促す操作画像としての第1操作画像51が表示される。
第1操作画像51は、演出ボタン2dを模したボタン画像と、「押せ!」の文字情報とから構成され、表示器8の略中央に表示される。
第1操作画像51の表示時には、演出ボタン2dの操作が有効となり、演出ボタン2dが発光する。そして、このとき演出ボタン2dを押圧操作すると、図14(b)に示すような、「CHANCE」の文字情報からなる第1文字画像52aが表示される。この第1文字画像52aの表示により、当該ゲームで所定のレア役に当選したことが報知されることとなり、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
なお、演出ボタン2dに替えて、ベットボタン2aの操作に基づき、第1文字画像52aを表示してもよく、この場合、ベットボタン2aが操作手段を構成する。
また、操作画像としては、図15に示すような、操作画像を第2の表示位置へ表示する第2表示態様として、補助装置として例示する上部演出ボタン2f(特定操作手段)の操作を促す第2操作画像53が表示される場合もある。
第2操作画像53は、上部演出ボタン2fを模したボタン画像と、「押せ!」の文字情報とから構成され、表示器8の略中央に表示される。また、第2操作画像53は、第1操作画像51よりも表示面積が大きく設定され、第2操作画像53の所定部(右下部分)が第1操作画像51より上部演出ボタン2fに近い位置となるように表示される。
第2操作画像53の表示時には、上部演出ボタン2fの操作が有効となり、上部演出ボタン2fが発光する。そして、このとき上部演出ボタン2fを押圧操作すると、図15(b)に示すような、「激アツ」の文字情報からなる第2文字画像52bが表示される。
表示器8に表示する操作画像を、第1操作画像51するか、或いは第2操作画像53にするかの選択は、第1操作画像51の方が第2操作画像53よりも、結果的に表示される頻度が高まるように行われる。例えば、第1操作画像51が表示される頻度が9/10となり、第2操作画像53が表示される頻度が1/10となるように、各レア役当選時の操作画像の選択制御が行われる。
例えば、第1操作画像51が表示されるよりも、第2操作画像53が表示される方が、結果的に当選したレア役が、弱チェリー役よりも強チェリー役となる確率が高くなるようにチェリー役当選時の操作画像の選択制御が行われる。同様に、第1操作画像51が表示されるよりも、第2操作画像53が表示される方が、結果的に当選したレア役が、弱スイカ役よりも強スイカ役となる確率が高くなるようにスイカ役当選時の操作画像の選択制御が行われる。
AT状態の当選確率は、比較的当選確率の低いレア役(強チェリー役や強スイカ役等)の方が、高くなるように設定されているので、第1操作画像51よりも第2操作画像53が表示される方が、AT状態への期待度は高まることとなる。
したがって、ゲーム開始時には、第2操作画像53よりも第1操作画像51が表示される頻度(確率)が高まることとなるが、第2操作画像53が表示された場合には、第1操作画像51が表示された場合よりも遊技者の期待感を高めることが可能となる。
なお、第1の表示位置と第2の表示位置の関係は、図14(a)に示すように第1操作画像51が表示器8の表示画面の略中央に表示される位置を第1の表示位置として、それを基準にして、それよりも操作画像と補助装置との距離が近づくものであれば何れの場合も第2の表示位置としてもよい。例えば、操作画像の画像自体が補助装置に近づくもの他、操作画像の面積が第1操作画像51よりも大きくなった場合の表示位置を第2の表示位置としてもよい。
次に、図16を参照して、AT状態の結果導出演出について説明する。
AT状態は、ボーナス状態の終了を契機に発生するが、その発生条件は、前述したように、ボーナス状態中に所定の小役に当選時にAT状態に当選して、AT状態の移行権利が付与された場合に成立する。
そして、AT状態の発生の報知は、ボーナス状態の終了ゲームで行われる。しかしながら、その報知は、ボーナス状態の終了ゲームの所定ゲーム(例えば、2ゲーム)前から実行される結果導出演出を経て行われる。
結果導出演出は表示器8により実行され、結果導出演出が実行される所定ゲームの間に、AT状態の発生に対する期待感を高めるための種々の演出画像が表示器8において実行され、結果導出演出の最後でAT状態の発生が画像表示より報知されることとなる。
また、ボーナス状態中は、図14、図15で示したように、レア役に当選した場合の所定の確率でチャンス演出が行われることから、チャンス演出の実行回数や、その表示内容により結果導出演出に対する期待度が変化することとなる。
例えば、チャンス演出が多数回実行された場合や、第2操作画像53の表示を伴うチャンス演出が実行された場合には、結果導出演出の結果態様が、AT状態の発生を報知する結果態様となることに対する期待度が高まることとなる。
結果導出演出時に表示器8で実行される演出画像は、例えば、主人公キャラクタ画像と敵キャラクタ画像が対戦する内容となっていて、AT状態の発生を報知する場合には主人公キャラクタ画像が勝利する内容となり、AT状態の発生を報知しない場合には敵キャラクタ画像が勝利する内容となっている。また、最終的に結果を報知する場合には、演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2fの操作を伴う演出も実行可能となっている。
図16は、結果導出演出実行時の表示器8における演出画像を示している。
まず、図16(a)に示すように、例えば、ボーナス状態が終了する2ゲーム前のゲームの開始時に、主人公キャラクタ画像と敵キャラクタ画像からなる結果導出演出画像54が表示され、その後、結果導出演出画像54において所定ゲームの間、主人公キャラクタ画像と敵キャラクタ画像の攻防画像が繰り広げられる。
そして、ボーナス状態の最終ゲームの終了後に、結果導出演出における、AT状態の当否を報知する演出として結果確定演出が実行される。そして、この結果確定演出において、演出ボタンの操作を促す画像が所定の確率(例えば、1/3)で表示される。このとき、演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2fの2通りの操作を促す演出画像が用意されていて、AT状態の発生期待度に応じて何れかの演出画像が表示される。
図16(b)は、結果確定演出において、第1表示態様として、演出ボタン2dの操作が選択された場合の演出画像を示し、演出ボタン2dの操作が選択された場合には、演出ボタン2dを模したボタン画像と、「押せ!」の文字情報とからなる第1操作画像51が第1の表示位置に表示される。
一方、図16(c)は、第2表示態様として、上部演出ボタン2fの操作が選択された場合の演出画像を示し、上部演出ボタン2fの操作が選択された場合には、上部演出ボタン2fを模したボタン画像と、「押せ!」の文字情報とからなる第2操作画像53が第2の表示位置に表示される。
その後、演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2fが操作されると、結果導出演出画像54の結果として、主人公キャラクタ画像と敵キャラクタ画像の対戦結果が導出されることとなる。
なお、図16(b)での第1操作画像51、及び図16(c)での第2操作画像53の表示に関しては、その表示位置や表示面積が、図14及び図15で示した第1操作画像51及び第2操作画像53と同様に設定される。また、第1の表示位置に表示される第1操作画像51の中心位置と、第2の表示位置に表示される第2操作画像53の中心位置を同一に設定してもよいし、異なる位置に設定してもよく、表示結果として、第1操作画像51よりも第2操作画像53が上部演出ボタン2fに近づくように表示されれば何れでもよい。
図16(d)は、結果確定演出において、AT状態の発生が報知される場合の演出画像を示している。図に示すように、AT状態の発生が報知される場合には、演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2fが操作されると、結果導出演出画像54の結果として、主人公キャラクタ画像が勝利した勝利画像55が表示される。
その後、所定時間経過後(例えば、1秒後)に、図16(e)に示すように、「AT確定」の文字情報からなる第3文字画像57が表示され、AT状態の発生が報知されることとなる。なお、図16(d)に示した勝利画像55に関しても、AT状態の発生が識別可能であるので、勝利画像55もAT状態の発生を報知する画像と捉えることもできる。
そして、次ゲームの開始により、AT状態の初期ゲーム数が報知されるとともに、AT状態であることを識別可能な画像(ステージ画像)が表示器8に表示される。
一方、図16(f)は、AT状態の発生が報知されない場合の演出画像を示している。図に示すように、AT状態の発生が報知されない場合には、演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2fが操作されると、結果導出演出画像54の結果として、主人公キャラクタ画像が敗北した敗北画像56が表示される。
その後、所定時間経過後(例えば、1秒後)に、図16(g)に示すように、「失敗」の文字情報からなる第4文字画像58が表示され、AT状態が発生しないことが報知されることとなる。なお、図16(f)に示した敗北画像56に関しても、AT状態が発生しないことが識別可能であるので、敗北画像56もAT状態が発生しないことを報知する画像と捉えることもできる。
そして、次ゲームの開始により、通常遊技状態であることを識別可能な画像(ステージ画像)が表示器8に表示される。
また、結果導出演出の最終ゲームの終了以降に表示される上記各演出画像は、未だ結果導出演出が途中の間でも、次ゲームの開始によりキャンセル可能となっていて、このときAT状態が発生する場合には、結果導出演出(演出画像)のキャンセルにより、AT状態であることを識別可能な画像(ステージ画像)が表示器8に表示される。
また、結果導出演出の最終ゲームでは、演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2fの操作を伴わずにAT状態の当否を報知してもよいが、演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2fの操作を伴った場合の方が、伴わない場合よりもAT状態の発生が報知される確率が高くなるように、演出画像の選択制御を行うことが好ましい。
また、結果導出演出の最終ゲームで、演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2fの操作を伴う演出画像を表示する場合には、第1操作画像51が表示される場合よりも第2操作画像53が表示される場合の方が、AT状態の発生が報知される確率が高くなるように、操作画像の選択制御を行うことが好ましい。例えば、AT状態の発生を報知する場合には、AT状態の発生を報知しない場合よりも、第2操作画像53を選択する確率を高めるようにする。
このようにすれば、第2操作画像53が表示された場合、すなわち、上部演出ボタン2fの操作を伴う結果導出演出が行われた場合の遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、第1操作画像51及び第2操作画像53は、AT状態の結果導出演出中以外にも、AT状態中において、ゲーム数の上乗せが行われる旨を報知する場合にも表示可能となっている。
すなわち、AT状態中に所定のレア役(弱チェリー役、強チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役、チャンス役)に当選した場合に、所定ゲーム数(例えば、1~3ゲーム)の上乗せ演出が行われるが、この上乗せ演出の最終ゲームの終了後に上乗せの当否を報知する結果確定演出が行われる。そして、この結果確定演出において、第1操作画像51或いは第2操作画像53が表示され、演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2fの操作に基づき、ゲーム数の上乗せが行われるか否かの報知が行われる。
また、上乗せ演出時の演出画像は、結果導出演出時と同様の演出画像となっていて、演出ボタンの操作により、勝利画像55或いは敗北画像56が表示される。したがって、ゲーム数の上乗せが行われる場合には、演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2fの操作に基づき、上乗せ演出の結果として、ゲーム数が上乗せされる旨が報知されることとなる。
また、上乗せ演出においても、結果導出演出同様に、第1操作画像51が表示される場合よりも第2操作画像53が表示される場合の方が、上乗せされる旨が報知される確率が高くなるように、操作画像の選択制御を行うことが好ましい。例えば、上乗せされる旨を報知する場合には、上乗せされる旨を報知しない場合よりも、第2操作画像53を選択する確率を高めるようにする。
このようにすれば、第2操作画像53が表示された場合、すなわち、上部演出ボタン2fの操作を伴う上乗せ演出が行われた場合の遊技者の期待感を高めることが可能となる。
次に、図17を参照して、操作画像の第2の表示位置への表示として、表示器8に表示される第2操作画像53と、押し順ナビとの関係を説明する。
図17に示すように、第2操作画像53は、第1操作画像51よりも、表示面積が大きく設定されていることから、表示器8の表示画面の略中央に表示されていても、その画像が表示画面の広範囲に広がるように表示されることとなっている。
したがって、第2操作画像53が表示器8に表示された場合には、第1操作画像51よりも、その画像が上部演出ボタン2fの位置に近づくように表示されるが、同時に、表示器8の表示画面の下部に広がって、第1操作画像51よりも表示画面の下辺部に近い位置に表示されることとなる。
図17に示すように、表示器8に押し順ナビが表示される場合には、操作指示画像として、停止ボタン5に対応する3つの押し順画像59が、表示画面の下部に左右方向に並んで表示される。
押し順画像59は、押し順ベル役1~6を入賞させるための適正な押し順をナビゲートするもので、各画像の中央には停止操作の順序を識別する数字情報が表示される。これらの押し順画像59は、ゲーム開始時に表示されて、各停止ボタン5a~5cの停止毎に対応する押し順画像59が順次消去されるようになっている。
押し順画像59は、停止ボタン5が表示器8の下方に配設される関係上、表示画面の下部に表示される方が効果的であるが、表示画面の下部は、第2操作画像53が表示される領域にもなっている。したがって、仮に、押し順画像59と第2操作画像53とが同時に表示された場合には、押し順画像59の一部(停止ボタン5b)と第2操作画像53の所定部が重なってしまうこととなり、何れかの画像の視認性に支障を来す虞が発生してしまう。
このような課題を解決するために、本実施形態のスロットマシン1においては、AT状態中の上乗せ演出時に上部演出ボタン2fを使用する演出を実行する場合には、ゲームの終了後の結果確定演出において、第2操作画像53が表示されるように、上乗せ演出の制御を行うようにしている。
すなわち、ゲームの終了後であれば、押し順画像59は既に表示器8の表示画面から消去されているので、第2操作画像53のみを明確に表示することができ、押し順画像59と第2操作画像53が重なってしまうことによる各画像の視認性を防止することが可能となるのである。
なお、第2操作画像53をゲーム終了以前(例えば、ゲーム開始時)に表示するようにしてもよいが、この場合には、押し順画像59と第2操作画像53の両方或いは一方の画像面積を小さくして画像が重ならないようにしてもよいし、押し順画像59の表示優先順位を高めて押し順画像59が第2操作画像53の前面側に表示されるようにしてもよい
また、第2操作画像53を表示器8に表示する場合には、図17に示す表示位置以外に、第2の表示位置として例示する、図18に示す表示位置に表示してもよい。
図18に示す例においては、第2操作画像53を表示器8に表示する位置と、第2操作画像53の周囲の表示が図17に示した例と異なっていて、第2操作画像53を表示する時期等、その他の点については前述の実施形態と同様となっている。
図18に示す例においては、第2操作画像53を表示器8に表示する場合には、表示器8の表示領域の略中央ではなく、表示領域の正面視右側にずれた位置、すなわち、第2操作画像53の全体が上部演出ボタン2fに近づいた位置に表示するようにして、上部演出ボタン2fの操作を促す報知を行っている。
また、第2操作画像53を表示器8に表示する場合には、第2操作画像53の周囲に装飾画像60を表示するようにしている。
装飾画像60は、発光している上部演出ボタン2fの光が上部演出ボタン2fから表示画面側に照射している様子を描いていて、第2操作画像53の周囲全体を囲うように表示される。
したがって、第2操作画像53の表示位置が上部演出ボタン2fにより近づいているので、上部演出ボタン2fの操作が促されていることをより明確にすることができ、遊技者の操作忘れを防止可能となる。
また、装飾画像60の表示により、第2操作画像53がより際立つこととなり、第2操作画像による報知を確実に行うことができるとともに、上部演出ボタン2fの位置を確実に遊技者に知らしめることが可能となる。
なお、図18に示す第2操作画像53を表示画面の側方にずらして表示する場合と、表示画面の略中央に表示する場合は、主制御部10及び副制御部20により適宜選択して制御してもよい。例えば、表示画面の側方に第2操作画像53が表示された場合には、表示画面の略中央に表示される場合よりも、特典(AT状態)が付与される旨が報知される確率が高めるように、第2操作画像53の表示位置の選択制御を行うようにしてもよい。
以上、第1実施形態に係るスロットマシン1において、表示器8で行われる演出表示に関しては、以下のような特徴を有している。
複数の情報を表示可能な表示手段(表示器8)を備え、遊技者にとって有利な特典(AT状態)の付与に関連した演出を表示手段に表示するようにした遊技機(スロットマシン1)において、特典を付与するか否かを抽選する抽選手段(主制御部10)と、抽選手段による抽選結果に基づき、演出(例えば、結果導出演出)を制御可能な演出制御手段(主制御部10及び副制御部20)と、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン2d)と、表示手段の周辺に配置される、演出を補助可能な補助装置(上部演出ボタン2f)と、を備え、補助装置は、遊技者が操作可能であり操作手段とは別個に設けられる特定操作手段(上部演出ボタン2f)であり、演出制御手段は、演出の実行中に、操作手段或いは特定操作手段の操作を促す操作画像(第1操作画像51、第2操作画像53)を表示するとともに、操作手段或いは特定操作手段の操作に基づき、特典の付与に関連した所定情報(例えば、勝利画像55)を表示可能な操作画像制御手段(主制御部10及び副制御部20)を備え、操作画像制御手段は、抽選手段による抽選結果に基づき、表示手段の表示領域において操作画像の表示位置を制御可能な表示位置制御手段(主制御部10及び副制御部20)を備え、表示位置制御手段は、操作画像を、第1の表示位置と、該第1の表示位置よりも操作画像が特定操作手段に近くなる第2の表示位置とに表示可能とし、抽選手段による抽選結果が、特典を付与するものである場合には、特典を付与するものでない場合よりも、操作画像を高い確率で第2の表示位置に表示することを特徴とするのである。
したがって、表示器8の表示領域において操作画像が表示される表示態様に応じて、特典の付与に対する期待度が変化することとなり、興趣を向上させることが可能となる。すなわち、従来、表示器に操作画像を表示して、特典の付与に関わる報知を行うようにした遊技機は知られているが、その表示態様は単調なものであり、本発明によれば、操作画像の表示態様をより多彩化することが可能となるのである。
また、補助装置と関連した演出が実行可能となり、興趣を向上させることができる。また、特典の付与に対する期待度をより変化性に富んだものにすることができ、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、操作画像が第1の表示位置よりも特定操作手段に近くなる第2の表示位置に、操作画像を表示するので、操作画像の表示位置と特定操作手段との関連性を高めることができ、特定操作手段の操作を促す報知を確実に行うことが可能となるし、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、遊技機は、抽選手段の抽選結果に基づき、所定のゲームを実行可能とし、操作画像制御手段は、ゲームの当初(開始時)に、操作画像を、第1の表示位置或いは第2の表示位置に表示可能とし、ゲームの当初に操作画像を表示する場合には、第2の表示位置よりも第1の表示位置に表示される確率が高くなるように表示制御を実行可能としたことを特徴とするのである。
したがって、ゲームの当初でも操作画像が表示されるので、遊技の興趣や期待感を向上させることが可能となる。また、ゲーム当初に操作画像が表示される場合には、第1の表示位置よりも第2の表示位置に表示される場合の方が、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、操作画像制御手段は、ゲームの終了後に、操作画像を表示可能とし、特定操作手段は、操作手段よりも、当該遊技機で遊技する遊技者からの距離が大きくなる位置に配設したことを特徴とするのである。
したがって、特定操作手段を操作する場合には、遊技者は、操作手段よりも余分に手を伸ばして操作する必要があるが、操作画像をゲーム終了後に表示することで、既にゲームに関わる操作が終了していることから、ゲームの進行に支障を来さずに特定操作手段の操作を行うことが可能となる。すなわち、ゲームの途中で、停止ボタン5の操作中に比較的遠くの位置にある特定操作手段を操作すると、停止ボタン5の操作でのゲームをスムーズに進行できなくなる可能性あり、また、特定操作手段の操作により、停止ボタン5を誤操作してしまう虞もあるが、このような事態を防止できるのである。
また、特定操作手段の距離を大きくすることで、特定操作手段がより期待度の高いものであるという印象を遊技者に与えることも可能となる。
また、遊技機は、ゲームの進行に関わる操作指示画像(押し順画像59)を表示手段(表示器8)に表示可能な操作指示画像制御手段(主制御部10及び副制御部20)を備え、操作画像制御手段は、ゲームの終了後に、操作画像を表示可能とするとともに、操作画像を第2の表示位置に表示する場合には、操作画像の所定部が、操作指示画像が表示される場合の位置と同じ位置となる(重なる)ように操作画像を表示可能としたことを特徴とするのである。
したがって、表示器8の表示領域(表示画面)を効果的に利用して、操作指示画像及び操作画像を表示することが可能となり、各画像の視認性を向上させることが可能となる。
また、ゲームの終了後に操作画像を表示するようにすれば、操作指示画像と操作画像とが重なって表示されることを防止できるので、両画像が重なることにより視認性が低下してしまう事態を未然に防止することが可能となる。
また、特定操作手段(上部演出ボタン2f)の前端部が、当該遊技機の最前方の位置となるように、特定操作手段を配設することを特徴とした。
したがって、特定操作手段の操作性を向上させることができ、特定操作手段が遊技者からの距離が大きい位置に配設されていても、容易に操作することが可能となり誤操作を防止することが可能となる。
また、操作画像制御手段は、操作画像を第2の表示位置に表示する場合には、所定の装飾画像(60)を表示可能としたことを特徴とするのである。
したがって、操作画像が表示されたことをより効果的に報知することができるとともに、興趣性を向上することが可能となる。また、装飾画像を特定操作手段(上部演出ボタン2f)の位置と関連付けるようなものとすることで、特定操作手段の位置を明確に報知することも可能となる。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る遊技機の第2実施形態について、図19~図29を参照して説明する。
図19に示すように、第2実施形態のスロットマシン1においては、表示器8の右側(右下)に、遊技者が操作可能な上部演出ボタン2fを配設する他、表示器8の右側(右上)であって、上部演出ボタン2fの上部に、複数の情報を表示可能な液晶表示器からなる補助表示手段としての補助表示器19が配設される。また、表示器8の左側(左上)には、電気的駆動源(図示省略)の作動により動作する可動役物18aが配設されている。
すなわち、第2実施形態のスロットマシン1においては、表示器8の近傍の位置に、複数の補助装置として、上部演出ボタン2f、補助表示器19、可動役物18aが配設されている点が、第1の実施形態と異なっていて、その他に関しては第1実施形態と同様となっている。また、主制御部10及び副制御部20の制御により、これら複数の補助装置に関連する演出表示を行うようにしている。
第2実施形態のスロットマシン1における結果導出演出或いは上乗せ演出においても、その最終段階である結果確定演出において演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2fを使用する演出が実行されるが、その実行態様や、表示器8での演出画像の表示態様が第1の実施形態と異なっている。
第2実施形態のスロットマシン1における結果確定演出時に、演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2fを使用する演出表示が行われる場合には、まず、第1操作画像51が表示器8に表示される。したがって、上部演出ボタン2fを使用する場合にも、直ぐには第2操作画像53は表示されず、最初は第1操作画像51が表示される。
この最初に第1操作画像51が表示器8に表示される際に、図19(a)~(d)に示すように、複数の表示位置において表示可能となっている。すなわち、第1操作画像51の有無や、第1操作画像51が表示される表示位置に応じて、結果確定演出の種類が異なることとなっている。
図19(a)は、第1操作画像51を表示器8の表示領域の第1の表示位置としての略中央に表示された状態を示し、図19(b)は、第1操作画像51を表示器8の右上の表示領域であって、第2の表示位置として例示する補助表示器19の近傍位置に表示された状態を示し、図19(c)は、第1操作画像51を表示器8の右下の表示領域であって、第2の表示位置として例示する上部演出ボタン2fの近傍位置に表示された状態を示し、図19(d)は、第1操作画像51を表示器8の左上の表示領域であって、第2の表示位置として例示する可動役物18aの近傍位置に表示された状態を示している。
これらの第1操作画像51の表示領域における表示位置は、AT状態の当否や上乗せの当否に応じて決定されるので、単に第1操作画像51が表示されるか否か以外にも、第1操作画像51が表示される位置に対しても遊技者の興味を引き付けることを可能としている。
また、演出ボタン2dを使用する演出を行うか否かの決定、第1操作画像51の表示位置の決定等の結果確定演出の種類の決定は、主制御部10で行われ、主制御部10から副制御部20への制御情報の送信に基づき、副制御部20の制御により表示器8で結果確定演出が表示される。
図20は、結果確定演出において、第1操作画像51を表示するか否か、すなわち、演出ボタン2d(或いは上部演出ボタン2f)を使用する演出を行うか否か、及び第1操作画像51を表示器8の表示領域に表示する場合に、どの表示位置にするかを決定する際に用いられる表の一例を示している。第2実施形態では、結果確定演出において、演出ボタン2d(或いは上部演出ボタン2f)を使用する場合と使用しない場合とを設けており、図20において、第1操作画像51の表示無しが選択された場合、演出ボタン2d(或いは上部演出ボタン2f)を使用しない結果確定演出が決定されることとなる。
また、第1操作画像51の表示に関する各種決定処理は主制御部10により行われるが、副制御部20で行うようにしてもよい。
図20に示すように、AT状態の非当選時(或いは上乗せの非当選時)には、第1操作画像51の表示無し、すなわち演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2fを使用しない演出が、40/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の略中央に表示することが、35/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の右上に表示することが、13/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の右下に表示することが、7/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の左上に表示することが、5/100の選択率で選択される。
一方、AT状態の当選時(或いは上乗せの当選時)には、第1操作画像51の表示無し、すなわち演出ボタン2dを使用しない演出が、10/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の略中央に表示することが、15/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の右上に表示することが、20/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の右下に表示することが、25/100の選択率で選択され、表示器8の表示領域の左上に表示することが、30/100の選択率で選択される。
以上のような選択率で各種の選択が行われるので、抽選手段としての主制御部10による抽選結果が、AT状態の当選時(或いは上乗せの当選時)である場合には、AT状態の当選時(或いは上乗せの当選時)でない場合よりも、第1操作画像51が高い確率で表示され、さらに第1操作画像51が高い確率で補助装置の近傍位置(第2の表示位置)に表示されることとなる。
このように、第1操作画像51を表示するか否か、及び表示器8の表示領域における第1操作画像51の表示位置が決定されるので、AT状態の当選に対する期待度が、左上>右下>右上>中央>演出ボタン画像無し、の関係性を有することとなり、第1操作画像51の表示位置に応じて遊技者の期待感に変化を持たせることができる。特に、第1操作画像51が補助装置の近傍位置に表示された場合には、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
次に、図21は、結果確定演出において、最初に第1操作画像51が表示されるときの表示器8での画像表示を示している。
第1操作画像51が表示器8の表示領域に表示される場合、事前に決定されている表示位置に直ぐに表示されるのではなく、図21(a)に示すように、対戦結果が確定する直前の画像とともに、第1操作画像51が表示領域における補助表示器19の近傍、上部演出ボタン2fの近傍、表示領域中央、可動役物18aの近傍、の各々の位置を一回移動表示した後に、再度同じ軌跡を移動中に、最終的に事前決定されている表示位置となったときに停止して表示位置が確定表示される。このように第1操作画像51の表示位置が確定表示されるので、第1操作画像51の表示位置に対する遊技者の興味を引き付けることが可能となるのである。
また、図21(b)に示すように、演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2fを使用する演出の一部では、第1操作画像51に替えて拡大第1操作画像51aが表示される場合もあり、拡大第1操作画像51aが表示される場合も、第1操作画像51と同様に移動表示した後、表示位置が確定表示される。
このような第1操作画像51及び拡大第1操作画像51aの移動表示は、表示位置制御手段としての主制御部10及び副制御部20により制御される。
拡大第1操作画像51aの表示は、例えば、AT状態(或いは上乗せ)の非当選時は1%、AT状態(或いは上乗せ)の当選時は5%の確率で、第1操作画像51から変更される。したがって、拡大第1操作画像51aが表示された場合には、AT状態(或いは上乗せ)の当選に対する期待度が高めることとなる。
なお、第1操作画像51が移動表示をしている間に、第1操作画像51を拡大第1操作画像51aに変更するようにしてもよい。このようにすれば、第1操作画像51の移動表示と拡大との両方で、遊技者の期待感を変化させることが可能となる。
第1操作画像51、第2操作画像53、及び拡大第1操作画像51aは、ボタン画像と、「押せ!」の文字情報とからなる画像と、ボタン画像のみの画像とで表示可能とされ、図21に示す例では、ボタン画像のみで表示されている。
次に、図21の移動表示により第1操作画像51(或いは拡大演出ボタン30a)の表示位置が確定した後、表示器8で行われる演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2fを使用した演出について、図22~図25を参照して説明する。また、図22~図25に示す演出は、主制御部10から副制御部20への制御情報の送信に基づき、副制御部20の制御により表示器8で実行される。
まず、図22を参照して、第1操作画像51が表示器8の表示領域の略中央に表示された場合の演出について説明する。
図22(a)は、図22(a)の移動表示により第1操作画像51の表示位置が確定した後の表示を示し、第1操作画像51は、表示器8の表示領域の略中央の第1の表示位置に表示されている。このとき、第1操作画像51は、対戦結果が確定する直前の画像とともに表示されて、遊技者の操作を促す表示が行われる。また、この状態では、演出ボタン2dが有効となり、内蔵する発光源(LED)が点灯して、演出ボタン2dが有効となっていることが報知される。
この状態で、遊技者が演出ボタン2dを押圧操作すると、AT状態(或いは上乗せ)に当選していた場合には、図22(b)に示すように、第1操作画像51が消えるとともに、対戦結果として主人公キャラクタが勝利する勝利画像55が表示され、所定時間経過後、図22(c)に示すように、「AT確定」(「或いは上乗せ確定」)の文字情報からなる第3文字画像57が表示されて結果が報知される。
一方、AT状態(或いは上乗せ)に当選していない場合には、図22(d)に示すように、第1操作画像51が消えるとともに、対戦結果として主人公キャラクタが敗北する敗北画像56が表示され、所定時間経過後、図22(e)に示すように、「失敗」の文字情報からなる第4文字画像58が表示されて結果が報知される。
次に、図23は、第1操作画像51が表示器8の表示領域おける補助表示器19の近傍位置(右上)に表示された場合において、遊技者が演出ボタン2dを操作したときに、表示器8で行われる演出画像の表示態様を示している。
図23(a)は、図21(a)の移動表示により第1操作画像51の表示位置が確定した後の表示を示し、第1操作画像51は、対戦結果が確定する直前の画像とともに、表示器8の表示領域における補助表示器19の近傍位置(右上)の第2の表示位置に表示されている。このとき、第1操作画像51は、対戦結果が確定する直前の画像とともに表示されて、遊技者の操作を促す表示が行われる。また、この状態では、演出ボタン2dが有効となり、内蔵する発光源(LED)が点灯して、演出ボタン2dが有効となっていることが報知される。
また、補助表示器19に、対戦に追加参戦するキャラクタである味方キャラクタ画像40が表示され、その後、対戦結果が確定する直前の画像に味方キャラクタ画像40が追加表示される。
この状態で、遊技者が演出ボタン2dを押圧操作すると、AT状態(或いは上乗せ)に当選していた場合には、図23(b)に示すように、第1操作画像51が消えるとともに、対戦結果として勝利画像55が表示され、所定時間経過後、図23(c)に示すように、補助表示器19に「AT確定」の文字情報が表示されるととともに、表示器8に「AT確定」(「或いは上乗せ確定」)の文字情報からなる第3文字画像57が表示されて結果が報知されるような特定演出が実行される。
一方、AT状態(或いは上乗せ)に当選していない場合には、図23(d)に示すように、第1操作画像51が消えるとともに、対戦結果として敗北画像56が表示され、所定時間経過後、図23(e)に示すように、補助表示器19に「失敗」の文字情報が表示されるととともに、表示器8に「失敗」の文字情報からなる第4文字画像58が表示されて結果が報知される。
このように、第1操作画像51が表示器8の表示領域における補助表示器19の近傍位置に表示された場合には、補助表示器19に味方キャラクタ画像40が追加表示されることで、見た目上でも、第1操作画像51が略中央に表示された場合よりも遊技者の期待感を高めることが可能となる。また、第1操作画像51が補助表示器19の近傍位置に表示されることと、補助表示器19に表示された味方キャラクタ画像40が追加表示されることに関連性を持たせることができ、単に第1操作画像51を補助表示器19の近傍位置に表示するよりも、遊技者に分かりやすい形で期待度の高い結果確定演出を実現することができる。
次に、図24は、第1操作画像51が表示器8の表示領域おける上部演出ボタン2fの近傍位置(右下)に表示された場合において、遊技者が演出ボタン2dを操作したときに、表示器8で行われる演出画像の表示態様を示している。
図24(a)は、図21(a)の移動表示により第1操作画像51の表示位置が確定した後の表示を示し、第1操作画像51は、対戦結果が確定する直前の画像とともに、表示器8の表示領域における上部演出ボタン2fの近傍位置(右下)の第2の表示位置に表示されている。また、この状態では、演出ボタン2dが発光し操作が有効となり、第1操作画像51が表示されて、遊技者の操作を促す表示が行われる。
この状態で、遊技者が演出ボタン2dを押圧操作すると、図24(b)に示すように、新たに上部演出ボタン2fを模したボタン画像と、「押せ!」の文字情報からなる第2操作画像53が、第1操作画像51に替わって第2の表示位置に表示される。また、このとき、上部演出ボタン2fの操作が有効となり、内蔵する発光源(LED)が点灯して上部演出ボタン2fの操作が有効となっていることが報知される。
そして、遊技者が上部演出ボタン2fを押圧操作すると、AT状態(或いは上乗せ)に当選していた場合には、図24(c)に示すように、第2操作画像53が消えるとともに、対戦結果として勝利画像55が表示され、所定時間経過後、図24(d)に示すように、「AT確定」(「或いは上乗せ確定」)の文字情報からなる第3文字画像57が表示されて結果が報知されるような特定演出が実行される。
一方、AT状態(或いは上乗せ)に当選していない場合には、図24(e)に示すように、第2操作画像53が消えるとともに、対戦結果として敗北画像56が表示され、所定時間経過後、図24(f)に示すように、表示器8に「失敗」の文字情報からなる第4文字画像58が表示されて結果が報知される。
このように、第1操作画像51が表示器8の表示領域における上部演出ボタン2fの近傍位置に表示された場合には、演出ボタン2dよりも期待度が高く設定された上部演出ボタン2fを使用した演出に変更されるので、第1操作画像51が略中央に表示された場合よりも遊技者の期待感を高めることが可能となる。また、第1操作画像51が上部演出ボタン2fの近傍位置に表示されることと、上部演出ボタン2fを使用することに関連性を持たせることができ、上部演出ボタン2fの操作を確実に遊技者に促すことが可能となる。
次に、図25は、第1操作画像51が表示器8の表示領域おける可動役物18aの近傍位置(左上)に表示された場合において、遊技者が演出ボタン2dを操作したときに、表示器8で行われる演出画像の表示態様を示している。
図25(a)は、図21(a)の移動表示により第1操作画像51の表示位置が確定した後の表示を示し、第1操作画像51は、対戦結果が確定する直前の画像とともに、表示器8の表示領域における可動役物18aの近傍位置(左上)の第2の表示位置に表示されている。また、この状態では、演出ボタン2dは発光して操作が有効となっていることが報知される。
また、可動役物18aは、下端部に回動中心が設定されていて、電気的駆動源の作動により、上端側が表示器8側に傾倒することで、可動役物18aの上方部分(所定部位)が、表示器8の表示領域の外側に位置する第1状態から、表示器8の表示領域の前方側へ突出した第2状態に変換可能に構成されている。
この状態で、遊技者が演出ボタン2dを押圧操作すると、AT状態(或いは上乗せ)に当選していた場合には、図25(b)に示すように、第1操作画像51が消えるとともに可動役物18aが第2状態に変換し、対戦結果として勝利画像55が表示される。そして、所定時間経過後、図25(c)に示すように、「AT確定」(「或いは上乗せ確定」)の文字情報からなる第3文字画像57が表示されて結果が報知されるような特定演出が実行される。
一方、AT状態(或いは上乗せ)に当選していない場合には、図25(d)に示すように、第1操作画像51が消えるとともに可動役物18aが第1状態を維持し、対戦結果として敗北画像56が表示される。そして、所定時間経過後、図25(e)に示すように、「失敗」の文字情報からなる第4文字画像58が表示されて結果が報知される。
このように、第1操作画像51が表示器8の表示領域における可動役物18aの近傍位置に表示された場合には、可動役物18aの動作とともに結果の報知が行われるので、第1操作画像51が略中央に表示された場合よりもインパクトのある報知が可能となる。また、第1操作画像51が可動役物18aの近傍位置に表示されることと、可動役物18aが動作することに関連性を持たせることができ、単に第1操作画像51を可動役物18aの近傍位置に表示するよりも、興趣性が高く期待度の高い結果確定演出を実現することができる。
次に、図26を参照して、第1操作画像51と、第1操作画像51よりも期待度の高い拡大第1操作画像51aとの関係を説明する。
図26(a)は、表示器8の表示領域の略中央において、第1操作画像51を拡大第1操作画像51aに拡大する場合を示し、この場合には、第1操作画像51の中心、或いは縦方向の中心線上に設定された拡大基準点51cを基準にして拡大第1操作画像51aが拡大表示される。
一方、図26(b)に示すように、例えば、表示器8の表示領域の可動役物18aの近傍位置(左上)において、第1操作画像51を拡大第1操作画像51aに拡大する場合には、第1操作画像51において拡大基準点51cよりも可動役物18a側(左側)に移動した拡大基準点51dを基準にして拡大第1操作画像51aが拡大表示される。すなわち、可動役物18aの近傍位置(左上)に拡大第1操作画像51aを表示する際には、表示領域の略中央に拡大第1操作画像51aを表示する際の拡大基準点51cとは位置の異なる、第1操作画像51の中心よりも側方に移動した拡大基準点51dを基準にして拡大するのである。
このようにすることで、表示器8の表示領域の可動役物18aの近傍位置において拡大第1操作画像51aを表示する際に、拡大第1操作画像51aが表示領域外にはみ出すことなく表示することが可能となる。
なお、拡大第1操作画像51aを、補助表示器19或いは上部演出ボタン2fの近傍位置に表示する場合にも、拡大基準点を補助表示器19或いは上部演出ボタン2f側に近い位置に設定して拡大表示が行われる。
なお、拡大第1操作画像51aを補助表示器19の近傍位置に表示する場合には、補助表示器19でも拡大第1操作画像51aの一部は表示可能であるので、補助表示器19に近い位置に設定された拡大基準点を基準に拡大第1操作画像51aの拡大表示を行い、表示器8及び補助表示器19に跨るように拡大第1操作画像51aを表示するようにしてもよい。また、一旦、拡大第1操作画像51aを表示器8の略中央に表示した後、拡大基準点を補助表示器19に近い位置に移動させることで、拡大第1操作画像51a全体、或いは拡大第1操作画像51aの主要部が、表示器8側から補助表示器19側に移動するようにしてもよい。
以上のように第2実施形態では、操作画像制御手段としての主制御部10及び副制御部20は、結果確定演出の実行中に、操作手段としての演出ボタン2dの操作を促す操作画像として、第1操作画像51を表示手段としての表示器8に表示するとともに、演出ボタン2dの操作に基づき、特典の付与に関連した所定情報として、勝利画像55或いは敗北画像56を表示可能としている。また、表示位置制御手段としての主制御部10及び副制御部20は、主制御部10による抽選結果に基づき、表示器8の表示領域において第1操作画像51の表示位置を制御可能としている。
したがって、表示器8の表示領域における第1操作画像51が表示される表示位置に応じて、特典の付与に対する期待度が変化することとなり、興趣を向上させることが可能となるのである。
また、表示位置制御手段としての主制御部10及び副制御部20は、第1操作画像51を、第1の表示位置と、第1の表示位置よりも補助装置に近い位置である第2の表示位置とに表示可能とし、抽選手段としての主制御部10による抽選結果が、特典を付与するものである場合には、特典を付与するものでない場合よりも、第1操作画像51を高い確率で第2の表示位置に表示する構成としている。
したがって、補助装置と関連した演出が実行可能となり、興趣を向上させることができる。また、第1操作画像51が第2の表示位置に表示された場合には、遊技者の期待感をより高めることが可能となる。
<第2実施形態の第1変形例>
次に、第2実施形態の第1変形例について、図27を参照して説明する。
本第1変形例においては、結果確定演出において、第1操作画像51の表示位置が事前に決定されている表示位置に表示される前に、一旦、第1操作画像51を表示器8の表示領域の略中央の第1の表示位置に表示した後、移動させる変更演出を実行可能としている。
まず、図27(a)に示すように、結果確定演出の開始時に、第1操作画像51が表示器8の表示領域の略中央に表示される。このときに、演出ボタン2dの押圧操作状態を所定時間維持する、所謂長押し操作を促す「長押し!」の文字情報が表示器8の表示領域に表示される。
この状態で、遊技者が長押し操作を開始すると、表示領域の略中央に表示された第1操作画像51が、例えば、図27(b)に示すように、可動役物18aの近傍位置に移動を開始する。そして、事前に決定されている第1操作画像51の表示位置が、可動役物18aの近傍位置であった場合には、遊技者の長押し操作が所定時間(例えば、5秒)経過すると、図27(c)に示すように、第1操作画像51が可動役物18aの近傍位置に到達して、以降図25での説明と同様の演出が実行される。
一方、事前に決定されている第1操作画像51の表示位置が、表示領域の略中央であった場合には、遊技者の長押し操作が所定時間(例えば、5秒)経過しても、第1操作画像51が可動役物18aの近傍位置に到達せずに、図27(e)に示すように、第1操作画像51が表示領域の略中央に戻るフェイク演出を実行し、以降図22での説明と同様の演出が実行される。
以上のように第1変形例においては、表示位置制御手段としての主制御部10及び副制御部20は、第1の表示位置に表示された操作画像として第1操作画像51を、第2の表示位置に変更可能な変更演出を行う構成としている。
したがって、第1の表示位置に第1操作画像51が表示された場合でも、第1操作画像51が第2の表示位置に変更する場合もあるので、第1操作画像51が期待度の低い表示位置に表示された場合でも、遊技者の期待感が低下してしまうことを防止できる。
なお、事前決定された第1操作画像51の表示位置が、補助表示器19、或いは上部演出ボタン2fの近傍位置であった場合でも、同様の変更演出を実行可能としている。また、事前決定された第1操作画像51の表示位置が、表示領域の略中央であった場合の所定の確率で、補助装置の何れかの1つの方向に移動するフェイク演出が行われるが、フェイク演出の発生確率は、期待度の高い補助装置側に移動するものほど、低い発生確率に設定することが好ましい。
また、事前決定された第1操作画像51の表示位置が補助装置の何れかの1つの近傍であった場合に、AT状態(或いは上乗せ)に当選している場合には比較的高い確率で、或いは当選していない場合には比較的低い確率で変更演出の実行を決定することで、第1操作画像51の表示位置が、変更演出を経て決定された場合には、変更演出を経ないで決定された場合よりも、AT状態(或いは上乗せ)の当選に対する期待度が高くなるように設定することが好ましい。
<第2実施形態の第2変形例>
次に、第2実施形態の第2変形例について、図28を参照して説明する。
本第2変形例では、演出ボタン2dを使用した演出が前述した第2実施形態と異なっている。また、前述した第2実施形態では、演出ボタン2dを使用した演出は、結果確定演出以降に実行されているが、第2変形例では、結果導出演出(或いは上乗せ演出)の最終ゲームの開始から実行される。したがって、第2変形例では、結果導出演出の最終ゲームの開始時点で、対戦結果が確定する直前の画像が表示されている。
図28に示すように、結果導出演出の最終ゲームが開始されると、対戦結果が確定する直前の画像とともに、第1操作画像51の表示位置が事前に決定されている表示位置に関わらず、表示器8の表示領域の略中央の第1の表示位置に表示される。また、表示器8の表示領域には「押してみるか?」の文字情報が表示される。
そして、第1操作画像51が表示領域の略中央に表示された時点で、演出ボタン2dの操作は有効となり、この時点で遊技者が演出ボタン2dを押圧操作すれば、事前決定された第1操作画像51の表示位置に対応した演出が実行される。例えば、第1操作画像51の表示位置が可動役物18aの近傍位置に事前決定されていた場合には、前述した図25と同様の可動役物18aの動作を伴う最も期待度の高い演出(特定演出)が実行されることとなる。
すなわち、この時点では、事前決定された第1操作画像51の表示位置が、全ての表示位置の可能性を有していて、この全ての表示位置の可能性のある時点で演出ボタン2dの操作が行えるので、たとえ第1操作画像51の表示位置が最終的に期待度の低いものであっても、期待度の高い表示位置を期待して演出ボタン2dの押圧操作を可能としている。
次に、遊技者が、演出ボタン2dの押圧操作を行わずに、リール41a~41cのうちの何れか1つのリールを停止すると、事前決定された第1操作画像51の表示位置が、表示領域の略中央以外であった場合には、図28(b)に示すように、第1操作画像51の表示位置が、表示領域の略中央から補助表示器19の近傍位置である第2の表示位置に移動する。また、表示器8の表示領域には「まだ押さないのか?」の文字情報が表示される。この時点で遊技者が演出ボタン2dを押圧操作すれば、事前決定された第1操作画像51の表示位置が表示領域の略中央以外の表示位置に対応した演出(特定演出)が実行される。一方、この時点で、第1操作画像51が移動しなければ、第1操作画像51の表示位置が、表示領域の略中央で確定し、最も期待度の低い状態で演出ボタン2dの押圧操作を行うこととなる。
すなわち、リール41a~41cのうちの何れか1つのリールを停止時点で、第1操作画像51が補助表示器19の近傍位置に移動した場合には、1番目のリールを停止する前に比べて期待度の高い状態で、演出ボタン2dの操作が可能となるが、第1操作画像51が移動しなかった場合には、第1操作画像51の表示位置が表示領域の略中央に確定するので、1番目のリールを停止する前に比べて他の補助装置側に第1操作画像51が移動する可能性がなくなった状態で演出ボタン2dを操作しなければならなくなる。
次に、遊技者が、演出ボタン2dの押圧操作を行わずに、リール41a~41cのうちの2番目のリールを停止すると、事前決定された第1操作画像51の表示位置が、補助表示器19の近傍位置以外であった場合には、図28(c)に示すように、第1操作画像51の表示位置が、補助表示器19の近傍位置から上部演出ボタン2fの近傍位置である第2の表示位置に移動する。また、表示器8の表示領域には「そろそろ押してみるか?」の文字情報が表示される。この時点で遊技者が演出ボタン2dを押圧操作すれば、事前決定された第1操作画像51の表示位置が上部演出ボタン2fの近傍位置、及び可動役物18aの近傍位置の何れかに対応した演出(特定演出)が実行される。一方、この時点で、第1操作画像51が移動しなければ、第1操作画像51の表示位置が、補助表示器19の近傍位置で確定し、上部演出ボタン2fの近傍位置、及び可動役物18aの近傍位置よりも期待度の低い状態で演出ボタン2dの押圧操作を行うこととなる。
すなわち、リール41a~41cのうちの2番目のリールを停止時点で、第1操作画像51が上部演出ボタン2fの近傍位置に移動した場合には、2番目のリールを停止する前に比べて期待度の高い状態で、演出ボタン2dの操作が可能となるが、第1操作画像51が移動しなかった場合には、第1操作画像51の表示位置が補助表示器19の近傍位置に確定するので、2番目のリールを停止する前に比べてより期待度の高い補助装置側に第1操作画像51が移動する可能性がなくなった状態で演出ボタン2dを操作しなければならなくなる。
次に、遊技者が、演出ボタン2dの押圧操作を行わずに、リール41a~41cのうちの最後のリールを停止すると、事前決定された第1操作画像51の表示位置が、可動役物18aの近傍位置であった場合には、図28(d)に示すように、第1操作画像51の表示位置が、上部演出ボタン2fの近傍位置にから可動役物18aの近傍位置である第2の表示位置に移動する。また、表示器8の表示領域には「押せ!」の文字情報が表示される。この時点で遊技者が演出ボタン2dを押圧操作すれば、第1操作画像51の表示位置が可動役物18aの近傍位置に対応した演出(特定演出)が確定して実行される。一方、この時点で、第1操作画像51が移動しなければ、第1操作画像51の表示位置が、上部演出ボタン2fの近傍位置で確定し、可動役物18aの近傍位置よりも期待度の低い状態で演出ボタン2dの押圧操作を行うこととなる。
すなわち、リール41a~41cのうちの最後のリールを停止時点で、第1操作画像51が可動役物18aの近傍位置に移動した場合には、最後のリールを停止する前に比べて期待度の高い状態で、演出ボタン2dの操作が可能となるが、第1操作画像51が移動しなかった場合には、第1操作画像51の表示位置が上部演出ボタン2fの近傍位置に確定するので、最後のリールを停止する前に比べて最も期待度の高い可動役物18a側に第1操作画像51が移動する可能性がなくなった状態で演出ボタン2dを操作しなければならなくなる。
以上のように第2変形例においては、操作画像制御手段としての主制御部10及び副制御部20は、操作画像としての第1操作画像51が第2の表示位置に表示されている場合に、操作手段としての演出ボタン2dの操作に基づき、補助装置と関連した特定の演出表示(特定演出)を実行可能とし、表示位置制御手段としての主制御部10及び副制御部20が、第1操作画像51を事前に第2の表示位置に変更を決定している場合には、第1操作画像51が第2の表示位置に変更される前であっても、演出ボタン2dの操作に基づき、特定の演出表示(特定演出)を実行する構成としている。
したがって、第1操作画像51が期待度の高い表示位置に移動可能として、その移動途中の任意の位置で遊技者による演出ボタン2dの押圧操作を可能としているので、第1操作画像51が期待度の高い表示位置に移動する可能性を秘めている時点で、演出ボタン2dの押圧操作を行うか、或いは、期待度の低い表示位置に確定してしまう虞はあるが、演出ボタン2dの押圧操作をせずに、比較的期待度の高い表示位置が確定してから安心して演出ボタン2dの押圧操作を行うか、等を遊技者が選択でき、遊技者の好みに応じて演出を実行することが可能となるのである。
なお、第2変形例で示した演出を、結果導出演出の最終ゲームの全てで実行してもよいし、所定の確率で実行するようにしてもよい。また、所定の確率で実行する場合には、AT状態(或いは上乗せ)に当選している場合には、当選していない場合よりも高い確率で実行するようにしてもよい。
<第2実施形態の第3変形例>
次に、第2実施形態の第3変形例について、図29を参照して説明する。
前述した第2実施形態においては、表示器8の周囲に、上部演出ボタン2f、補助表示器19、可動役物18aを配設していたが、第3変形例においては、図29に示すように、補助表示器19を備えずに、表示器8の右上に可動役物18aを配設している。
第3変形例においても、前述の図24での説明同様、上部演出ボタン2fの操作を伴う演出が行われる場合には、第1操作画像51が上部演出ボタン2fの近傍位置である第2の表示位置に表示されることとなる。
そして、演出ボタン2dが操作されると、図29(a)に示すように、第1操作画像51が消去し、替わりに第2操作画像53が表示されて、上部演出ボタン2fの操作を促す報知が行われる。
その後、上部演出ボタン2fの操作が行われると、AT状態(或いは上乗せ)に当選している場合には、図29(b)に示すように、上部演出ボタン2fの上方に配設される可動役物18aが第2状態に変換して、可動役物18aの所定部が第2操作画像53に重なる位置まで移動することとなる。
また、図29(c)に示すように、可動役物18aの第2状態への変換に応じて、表示器8においては、第2操作画像53が消去し、替わりに勝利画像55が表示される。
そして、所定時間経過後に、図29(d)に示すように、「AT確定」(「或いは上乗せ確定」)の文字情報からなる第3文字画像57が表示されて結果が報知される。
一方、AT状態(或いは上乗せ)に当選していない場合には、図24での説明同様、上部演出ボタン2fの操作が行われると、第2操作画像53が消えるとともに可動役物18aが第1状態を維持し、対戦結果として敗北画像56が表示される。
そして、所定時間経過後、「失敗」の文字情報からなる第4文字画像58が表示されて結果が報知される。
以上のように第3変形例においては、表示器8の周辺に、上部演出ボタン2f及び可動役物18aが近傍位置となるように配設し、操作画像制御手段としての主制御部10及び副制御部20は、操作画像としての第2操作画像53を、表示器8における、上部演出ボタン2f及び可動役物18aの近傍位置に表示可能とし、操作手段としての上部演出ボタン2fの操作に基づき、可動役物18aの第2状態への変換とともに、特典の付与に関する報知を行うのである。
したがって、可動役物18aの第2状態への変換とともに、特典が付与されることが報知されるので、より斬新な態様で特典の付与が報知され、遊技の興趣をより高めることが可能となる。
また、上部演出ボタン2fと可動役物18aが近傍位置に配設されているので、操作する遊技者の手の近くで可動役物18aの動作が行われることとなり、よりインパクトのある報知態様を実現することができる。
以上、第2実施形態に係るスロットマシン1において、以下のような特徴を有している。
複数の情報を表示可能な表示手段(表示器8)を備え、遊技者にとって有利な特典(AT状態)の付与に関連した演出を表示手段に表示するようにした遊技機(スロットマシン1)において、特典を付与するか否かを抽選する抽選手段(主制御部10)と、抽選手段による抽選結果に基づき、演出を制御可能な演出制御手段(主制御部10及び副制御部20)と、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン2d)と、表示手段の周辺に配置される、演出を補助可能な補助装置(上部演出ボタン2f)と、を備え、補助装置は、遊技者が操作可能であり操作手段とは別個に設けられる特定操作手段(上部演出ボタン2f)であり、演出制御手段は、演出の実行中に、操作手段の操作を促す操作画像(第1操作画像51)を表示するとともに、操作手段の操作に基づき、特典の付与に関連した所定情報(例えば、勝利画像55)を表示可能な操作画像制御手段(主制御部10及び副制御部20)を備え、操作画像制御手段は、抽選手段による抽選結果に基づき、表示手段の表示領域において操作画像の表示位置を制御可能な表示位置制御手段(主制御部10及び副制御部20)を備え、表示位置制御手段は、操作画像を、第1の表示位置と、第1の表示位置よりも補助装置に近い位置である第2の表示位置とに表示可能とし、抽選手段による抽選結果が、特典を付与するものである場合には、特典を付与するものでない場合よりも、操作画像を高い確率で第2の表示位置に表示することを特徴とするのである。
したがって、表示器8の表示領域において操作画像が表示される表示態様に応じて、特典の付与に対する期待度が変化することとなり、興趣を向上させることが可能となる。
また、補助装置と関連した演出が実行可能となり、興趣を向上させることができる。また、特典の付与に対する期待度をより変化性に富んだものにすることができ、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、操作画像が第1の表示位置よりも特定操作手段に近くなる第2の表示位置に、操作画像を表示するので、操作画像の表示位置と特定操作手段との関連性を高めることができ、特定操作手段の操作を促す報知を確実に行うことが可能となるし、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、表示位置制御手段(主制御部10及び副制御部20)は、第1の表示位置に表示された操作画像を、第2の表示位置に変更可能な変更演出を行い、操作画像制御手段(主制御部10及び副制御部20)は、操作画像が第2の表示位置に表示されている場合に、操作手段の操作に基づき、補助装置と関連した特定演出を実行可能とし、表示位置制御手段が、操作画像を事前に第2の表示位置に変更を決定している場合には、操作画像が第2の表示位置に変更される前であっても、操作手段の操作に基づき、特定演出を実行することを特徴とするのである。
したがって、操作画像が第2の表示位置に変更される前の、第2の表示位置に変更される可能性のある時点で、変更されることを期待して操作手段を操作してもよいし、或いは、操作画像が第2の表示位置に変更後に、安心して操作手段を操作してもよく、遊技者の好みに応じた時期に操作手段の操作を行うことが可能となり、興趣を高めることが可能となる。
また、補助装置は、非作動状態と、所定部位が表示手段の表示領域の前方の位置となる作動状態と、に変換可能な可動役物(18a)を含み、操作画像は、操作手段(演出ボタン2d)の操作を促す第1操作画像(51)と、特定操作手段(上部演出ボタン2f)の操作を促す第2操作画像(53)とを含み、操作画像制御手段(主制御部10及び副制御部20)は、特定操作手段の操作に基づいて、可動役物の変換に応じて、特典の付与に関連した所定情報を表示することを特徴とするのである。
したがって、表示手段と可動役物とにより演出の興趣をより向上させることができる。また、特定操作手段の操作により可動役物を作動状態に変換するので、操作画像の表示位置と可動役物との関連性を高めることができ、より興趣の高い演出が可能となるし、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
以上のように、第2実施形態のスロットマシン1が実現される。
[第3実施形態]
次に、本発明に係る遊技機の第3実施形態について、図30~図38を参照して説明する。
第3実施形態に係るスロットマシン1は、前述の実施形態と同様な構成を有しており、例えば、スロットマシン1の外部構成(図1)、内部構成(図2)、制御構成(図4)、リールの図柄の配置構成や図柄の種類(図3)等は、同様である。
一方、第3実施形態に係るスロットマシン1は、図30に示す遊技状態を備え、この遊技状態に応じたゲーム性を有している点において前述の実施形態と相違する。
そのため、前述の実施形態と重複する構成や処理についての説明は省略する。
図30に示すように、第3実施形態に係るスロットマシン1は、遊技状態A(第1遊技状態)、遊技状態B(第2遊技状態)、ボーナス状態A(第1特別遊技状態)及びボーナス状態B(第2特別遊技状態)を含む複数の遊技状態を有しており、主制御部10が遊技状態制御手段として動作することにより、所定の移行条件が成立することに基づいて、各遊技状態間の移行の制御(以下単に「移行」ともいう)を行う。
第3実施形態に係るスロットマシン1の遊技は、大半は遊技状態Bに滞在した状態で遊技が進行するように構成されており、遊技状態Bから遊技者に比較的有利な遊技状態Aに移行し、遊技状態Aからボーナス状態Aに移行することで、ボーナス状態A滞在中に出玉を増加させることが可能なゲーム性を有している。
したがって、遊技者は、遊技状態Aへの移行を目指し、さらには、遊技状態A滞在中にボーナス状態Aへの移行抽選に当選することを望みながら遊技することになる。
第3実施形態に係るスロットマシン1には、ボーナス役A(第1特別役)とボーナス役B(第2特別役)を含む複数のボーナス役(特別役)が設けられている。
ボーナス役Aは、1種類のボーナス役から構成されており、対応する図柄の組合せを「黒BAR・黒BAR・黒BAR」とし、このボーナス役Aに対応する図柄の組合せ(特別態様)が、入賞ライン上に停止表示すると、ボーナス状態A(第1特別遊技状態)に移行する。なお、ボーナス役Aは、複数種類のボーナス役から構成してもよい。
ボーナス役Bは、複数種類のボーナス役から構成されており、本実施形態では36種類が設けられている。
36種類のボーナス役Bには、それぞれに対応する図柄の組合せが設けられており、例えば、左リール41aに「白7」図柄が停止する図柄の組合せ(例えば、「白7・青7・青7」)の10種類と、左リール41aに「青7」図柄が停止する図柄の組合せ(例えば、「青7・白7・白7」)の10種類と、左リール41aに「黒BAR」図柄が停止する図柄の組合せ(例えば、「黒BAR・白7・白7」)の8種類と、左リール41aに「赤BAR」図柄が停止する図柄の組合せ(例えば、「赤BAR・白7・白7」)の8種類の計36種類が設けられている。
36種類のボーナス役Bのうち、何れかのボーナス役Bに対応する図柄の組合せ(特別態様)が、入賞ライン上に停止表示すると、ボーナス状態B(第2特別遊技状態)に移行する。
36種類のボーナス役Bは、所定の当選確率(例えば、1/288)に基づいて個別に抽選が行われる。何れかのボーナス役Bに当選した場合には、当選したボーナス役B以外の他のボーナス役Bに対応する図柄の組合せが有効ライン上に停止表示しないようになっている。
また、ボーナス役Aとボーナス役Bは、遊技状態Aに滞在中にのみ、抽選手段として動作する主制御部10によって抽選対象となる当選役である。
ボーナス役Aとボーナス役Bは、当選したゲーム及び当該ゲーム以降のゲームにおいても対応する図柄の組合せが停止しない限り、当選した権利を持ち越すことが可能な持越し制御の対象役である。
このため、ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止し、ボーナス役が入賞するまでの期間は、ボーナス当選の成立状態が維持される(以下、この遊技状態をボーナス当選状態という)。
また、第3実施形態のスロットマシン1では、押し順に応じてメダルの払い出しが異なる特殊役が設けられている。
内部抽選処理において、特殊役に当選した場合には、例えば、「左→中→右」の押し順(順押し)で停止ボタン5a~5cが操作されることで、「黒BAR」図柄が右上がりのライン上に揃う態様で停止し、14枚のメダルが払い出される。
一方、順押し以外の押し順で停止ボタン5a~5cが操作された場合には、「黒BAR」図柄が右下がりのライン上に揃う態様で停止し、15枚のメダルが払い出されるようになっている。
この特殊役は、例えば、ボーナス状態B滞在中に当選するようになっている。
(遊技状態A)
遊技状態Aは、ボーナス役Aとボーナス役Bに高い確率で当選する「ボーナス高確率状態」であり、遊技者にとって比較的有利な遊技状態である。
また、遊技状態Aは、メダルの増加が見込めるボーナス状態Aの終了後、再び、突入するため、遊技状態Aに繰り返し滞在することで、ボーナス状態Aが連続して発生するような遊技(連荘)が可能となる。
遊技状態Aは、スロットマシン1のシステムリセットが行われた場合、遊技設定値が変更(遊技設定値の打ち直しも含む)された場合及び後述する有利区間のリミッタに到達した場合に滞在する。
また、遊技状態Aは、ボーナス状態Aの終了後(図30の矢印c)又はボーナス状態Bの終了後に突入する(図30の矢印h、矢印i)。
遊技状態Aは、ボーナス役Aの入賞又は36種類のボーナス役Bのうち何れかのボーナス役Bの当選を契機として終了する。
具体的には、内部抽選処理において、ボーナス役Aに当選し、ボーナス役Aに対応する図柄の組合せが停止表示されることにより、主制御部10は、遊技状態をボーナス状態Aに移行するように制御する(図30の矢印d)。
また、内部抽選処理において、ボーナス役Bに当選し、当選したボーナス役Bに対応する図柄の組合せが停止表示されないことにより、主制御部10は、遊技状態を遊技状態Bに移行するように制御する(図30の矢印a)。
遊技状態Aでは、内部抽選処理において、1/8の当選確率でボーナス役Aに当選し、1/8の当選確率でボーナス役Bに当選するように設定されており、容易にボーナス役に当選することになる。
ボーナス役Bの当選確率は、36種類のボーナス役Bのそれぞれに当選する確率が、例えば、1/288の当選確率で設定されていることから、36種類のボーナス役Bのうち何れかのボーナス役Bに当選する確率は、1/8(=1/288×36)となる。
したがって、遊技状態Aにおいては、ボーナス役Aに当選する確率と、36種類のボーナス役Bのうち何れかのボーナス役Bに当選する確率が同一に設定されている。
このように、遊技状態Aでは、メダルの増加が見込めるボーナス状態Aへの移行契機となるボーナス役Aと、メダルの増加が見込めないボーナス状態Bへの移行契機となるボーナス役Bとの当選の振り分け率が、1対1に設定されており、期待度の異なる2つのボーナス役の当選期待度が同一になるため、遊技の興趣を高めることができる。
なお、遊技状態Aにおいて、ボーナス役Aに当選する確率と、36種類のボーナス役Bのうち何れかのボーナス役Bに当選する確率を同一とせずに、異なる当選確率としてもよい。
遊技状態Aでは、副制御部20が、報知制御手段として動作することによって、ボーナス役Aに当選した場合には、当該ゲームにおいて、表示器8等の報知手段によりボーナス役Aの当選を報知するようになっている。
そのため、遊技者は、ボーナス役Aに当選後、直ぐに、ボーナス役Aに対応する図柄の組合せ(特別態様)を停止表示させることができ、ボーナス状態Aに移行させることができる。
一方、遊技状態Aでは、ボーナス役Bに当選した場合には、後述する連荘モードに滞在中以外は、当該ゲームにおいて、ボーナス役Bの当選を報知しないようになっている。
そのため、遊技者は、当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せ(特別態様)を停止表示することが困難であり、多くの場合、次ゲーム以降、ボーナス役Bの当選状態が持ち越されることになる。
なお、ボーナス役Bに当選した場合に、当該ゲームにおいて、ボーナス役Bの当選を報知してもよい。しかしながら、ボーナス役Bに当選した旨を報知するだけでは、遊技者は、36種類のボーナス役Bのうち、当選しているボーナス役Bの種類が認識できず、当該ゲームにおいて当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せを停止表示することは、極めて困難であり、その結果、ボーナス役Bの当選状態が持ち越されることになる。
また、遊技状態A滞在中は、内部抽選処理において、所定の確率(例えば、1/7.3)でリプレイ役に当選するように設定され、リプレイ役の当選確率において遊技状態Bよりも遊技者に不利な遊技状態である。
(遊技状態B)
遊技状態Bは、遊技状態Aにおいて当選したボーナス役Bの当選状態を持ち越して遊技が進行する「ボーナス当選状態」である。
そのため、遊技状態Bでは、当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せが停止表示すると、主制御部10は、遊技状態をボーナス状態Bに移行するように制御する(図30の矢印b)。すなわち、遊技状態Bは、当選しているボーナス役Bの入賞を契機として、終了する。
遊技状態Bに滞在中は、後述する「報知条件」の成立により特定情報が報知される場合を除いて、ボーナス状態Bへ移行(ボーナス役Bに入賞)し難い状態であり、ボーナス状態Bを経由して遊技状態Aに移行(復帰)するまでに多くのゲーム数を要することとなる。
そのため、スロットマシン1の遊技においては、基本的に、遊技状態Bに制御された状態で遊技が進行することになる。
遊技状態Bでは、前述したように主制御部10により持越し制御が行われ、この持越し制御が行われている状態において、リプレイ役や小役に当選した場合には、当選したリプレイ役等をボーナス役よりも優先的にリール41に停止する制御(停止優先制御)が行われる。
すなわち、内部抽選処理において、何れの当選役にも当選していない「ハズレ」となった(以下、「ハズレ」に当選した、ともいう)ゲームに限り、当選しているボーナス役Bに入賞させることが可能になる。
例えば、遊技状態Bでは、内部抽選処理において、約1/15の当選確率で「ハズレ」に当選するようになっている。
また、遊技状態Bにおいては、内部抽選処理において、遊技状態Aよりも高い確率(例えば、1/3.9)でリプレイ役に当選するように設定されている。
したがって、遊技状態Bに滞在中は、内部抽選処理において「ハズレ」に当選した場合に、ボーナス役Bに対応する図柄の組合せが停止するように、停止ボタン5を操作することが遊技者にとって好ましいことになる。
そこで、第3実施形態に係るスロットマシン1においては、遊技状態B滞在中に、「ハズレ」に当選したゲームにおいて、ボーナス役Bが入賞可能である旨を報知することで、遊技者に対して当選しているボーナス役Bを入賞させるための目押し操作を促すようになっている。
この場合、例えば、図31に示すような演出表示が表示器8で行われる。
具体的には、遊技状態B滞在中に、「ハズレ」に当選したゲームにおいて、所定の演出(絵柄合わせ演出)が表示器8で実行される。
絵柄合わせ演出は、例えば、ゲーム開始時(スタートレバー3操作時)に、3つの絵柄表示部81に表示される絵柄画像が変動し、ゲーム終了時(全リールの停止操作後)に、リール41の停止態様に応じて絵柄表示部81に表示される絵柄画像が、全て揃うか否かを導出する演出である。
ゲーム開始時には、ボーナス図柄の目押し操作を促す文字情報(「白7」、「青7」、「黒BAR」、「赤BAR」の何れかを狙え!)が表示される(図31中の(a))。
そして、全てのリール41の停止操作が終了したときに、当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せが停止表示されていない場合には、絵柄表示部81には絵柄画像が揃わない状態で表示されるとともに、当選しているボーナス役Bに入賞していないことを示す「失敗・・」が表示される(図31中の(b))。
一方、当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せが停止表示された場合には、絵柄表示部81には絵柄画像が揃った状態で表示されるとともに、当選しているボーナス役Bに入賞したことを示す「成功!」が表示される(図31中の(c))。
絵柄合わせ演出において、失敗した(ボーナス役Bに入賞していない)場合には、主制御部10は、引き続き、遊技状態を遊技状態Bに制御する。一方、成功した(ボーナス役Bに入賞した)場合には、主制御部10は、遊技状態をボーナス状態Bに移行するように制御する。
このように、「ハズレ」に当選したゲームにおいて、ボーナス役Bが入賞可能である旨を報知し、遊技者に対して当選しているボーナス役Bの種類を予想させて、自力で対応する図柄の組合せを停止表示させる機会を与えるようになっている。
なお、絵柄合わせ演出において、当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せのうち、一部を報知してもよい。例えば、リール41a~41cのうちの1つ又は2つのリール41に対応する図柄を報知してもよい。
すなわち、遊技者に対してヒントを与えることで、当選しているボーナス役Bの種類を予想し易いようにしてもよい。
このように、遊技状態B滞在中に、ボーナス役Bが入賞可能である旨が報知された場合であっても、遊技者は、36種類のボーナス役Bのうち、どのボーナス役Bに当選しているかを容易に認識することができないため、当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せを停止するように停止ボタン5を操作することは極めて困難である。
そのため、遊技状態B滞在中に、意図しないタイミングで、当選しているボーナス役Bが入賞してしまうことを防ぐことができ、本来のゲーム性が崩れてしまうことを防止することが可能となる。
しかしながら、その反面、当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せを停止できずに、遊技状態Bに長い期間滞在することになる。遊技状態Bは、遊技者が保有するメダルが減少する遊技者に不利な遊技状態であることから、遊技者は、如何に早く当選しているボーナス役Bを入賞させることを望みながら遊技することになる。
そこで、第3実施形態に係るスロットマシン1においては、遊技状態B滞在中に、所定条件の成立に基づいて、当選しているボーナス役Bに関する特定情報を報知するようになっている。
特定情報は、ボーナス役Bの種類を識別可能な情報であり、例えば、当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せを表す画像である。
特定情報は、副制御部20が、報知制御手段として動作することで、例えば、表示器8において表示される。その結果、遊技者は当選しているボーナス役Bの種類を認識することができ、遊技状態B滞在中に「ハズレ」に当選したゲームにおいて、報知された図柄の組合せを停止させるために目押し操作を行うことが可能となる。
なお、特定情報は、ボーナス役Bの種類を識別可能な情報であれば、特に限定されず、例えば、ボーナス役Bに対応する図柄の色や形状等でもよい。
また、表示器8以外の報知手段によって報知してもよく、スピーカ9による音声やランプ11による点灯等によって報知してもよい。例えば、左リール41aに対応する図柄が「白7」図柄であることを、スピーカ9から「白」の音声を出力してもよく、ランプ11を白色で点灯させてもよい。また、これらが、組み合わされたものを報知してもよい。
また、第3実施形態に係るスロットマシン1は、このような特定情報を、所定条件の成立時に報知するようになっている。
所定条件(以下、報知条件という)は、例えば、「遊技の進行に応じて変動する変動値が、特定値に到達している場合に成立する条件」である。
報知条件は、主制御部10が、決定手段として動作することで、遊技状態Bの突入時に、複数の条件のなかから決定される。そして、この決定された報知条件が、遊技状態B滞在中に成立すると、表示器8などの報知手段において、特定情報が報知される。
したがって、遊技状態B滞在中に特定情報が報知されるタイミングが、決定された報知条件に応じて変化することになる。そのため、遊技者は、遊技状態Bに突入後の早いゲーム数で、報知条件が成立することを期待して遊技を進めることになる。
なお、本発明の特徴である「所定条件の成立に基づく特定情報の報知」の詳細は、後述する。
(ボーナス状態A)
ボーナス状態Aは、遊技状態Aにおいてボーナス役Aの入賞を契機に開始され、メダルの払い出し数が、所定数(例えば、100枚)に達した時点で終了する遊技状態である。
また、ボーナス状態Aは、ボーナス状態A滞在中に、RB状態を所定回数(例えば、3回)実行したことでも終了する。
ボーナス状態Aは、JACインタイプのボーナスであり、RB役に当選可能なBB一般状態、RB役の入賞によって移行するRB状態及びRB役の当選状態を持ち越したRB当選状態から構成されている。
RB役は、対応する図柄の組合せを「赤BAR・赤BAR・赤BAR」とし、RB役に対応する図柄の組合せが入賞ライン上に停止表示されると、RB状態に移行する。
また、RB役は、当選したゲーム及び当該ゲーム以降のゲームにおいても対応する図柄の組合せが停止しない限り、当選した権利を持ち越すことが可能な持越し制御の対象役である。このため、RB役が入賞するまでの期間は、RB役の当選状態が維持される。
(BB一般状態)
BB一般状態は、ボーナス状態Aの突入時に最初に滞在する遊技状態である。
BB一般状態に滞在中は、内部抽選処理において、例えば、約1/4の当選確率でRB役に当選するように設定されている。
BB一般状態において、RB役に当選し、RB役に対応した図柄の組合せが停止したことを契機として、RB状態に移行する(図30の矢印f)。一方、RB役に当選したゲームにおいて、RB役に対応した図柄の組合せが停止していないことを契機として、RB当選状態に移行する(図30の矢印e)。
また、BB一般状態では、RB役に当選した場合、遊技者に対してRB役の当選に関する報知を行うように制御される。
例えば、RB役に当選したゲームのスタートレバー3操作時に、スピーカ9による効果音の出力、ランプ11による点灯、表示器8による所定の情報の表示等によって報知がされる。
これにより、遊技者は、BB一般状態中にRB役に当選したことを認識することができ、後述するように、RB状態よりもRB当選状態の方が出玉率が有利である理由から、RB役の入賞を回避するように停止ボタン5を目押し操作することができる。
なお、これに限らず、BB一般状態において、RB役に当選した場合には、遊技者に対してRB役の当選に関する報知を行わないように制御してもよい。
この場合は、RB役に当選したことが報知されていないので、RB役に当選したゲームにおいて、遊技者がRB役に対応する図柄の組合せを停止するように停止ボタン5を操作することは極めて困難であり、その結果、RB役の入賞が回避されて、RB当選状態へ移行する確率が高くなる。
(RB当選状態)
RB当選状態は、AT状態に制御され、BB一般状態において当選したRB役の当選状態を持ち越して遊技が進行する遊技状態である。
RB当選状態に滞在中は、内部抽選処理において、リプレイ役と押し順ベル役の何れかに当選するようになっており、例えば、1/3の当選確率でリプレイ役に当選し、2/3の当選確率で押し順ベル役に当選するように設定されている。
そのため、RB当選状態に滞在中は、リプレイ役と押し順ベル役の何れかが当選し、常に、リプレイ役又は押し順ベル役と、RB役に同時当選した状態でゲームが行われる。
また、RB当選状態では、リプレイ役又は押し順ベル役に当選すると、主制御部10により、当選したリプレイ役又は押し順ベル役をRB役よりも優先的にリール41に停止する制御(停止優先制御)が行われる。
すなわち、RB当選状態では、リプレイ役又は押し順ベル役が必ず入賞するため、RB役が入賞することはなく、RB役の当選状態が維持されたまま、ボーナス状態Aの終了条件が成立する(払い出されたメダル数が所定数(100枚)を超える)まで滞在することになる(図30の矢印i)。
また、RB当選状態に滞在中は、押し順ベル役の当選確率が高い確率に設定されているため、押し順ナビが行われることで、1ゲーム当たりのメダルの増加量が大きくなる。すなわち、RB当選状態では、遊技者にとって有利にゲームが進行されることになる。
(RB状態)
前述したように、BB一般状態では、RB役には入賞し難いものの、偶発的にRB役に入賞した場合には、RB状態が開始される。RB状態は、例えば、8回の入賞又は12回のゲームが行われた時点で終了し、BB一般状態に移行する(図30の矢印g)。
RB状態に滞在中は、RB状態以外の遊技状態では3ベットでゲームが進行するのに対して、2ベットでゲームが進行し、各ゲームで必ず2枚の払い出しがされるように設定されている。このため、RB状態に移行しても、遊技者にとっては、メダルの増加の期待が低いことになる。なお、RB状態においては、必ずしも2ベットでゲームが進行されるものに限られず、3ベット又は1ベットでゲームが進行されるよう制御してもよい。
すなわち、RB状態は、ゲーム数は増加するものの、出玉は増加しない遊技状態である。
このように、ボーナス状態Aは、RB役が入賞することにより移行するRB状態が出玉率が不利な遊技状態であるのに対し、RB役を取りこぼして移行するRB当選状態は出玉率が有利な遊技状態となっている。
(ボーナス状態B)
ボーナス状態Bは、遊技状態Bにおいてボーナス役Bの入賞を契機に開始され、メダルの払い出し数が所定数(例えば、15枚)に達した時点で終了する遊技状態である。
ボーナス状態Bの終了後は、主制御部10により、遊技状態Aへ移行するように制御される(図30の矢印c)。
ボーナス状態Bに滞在中は、所定の確率(例えば、100%)で特殊役が当選するように設定されている。そのため、ボーナス状態Bでは、特殊役の当選により、押し順によって獲得枚数が増減することになる。
具体的には、ボーナス状態Bの1ゲーム目では、例えば、対応する押し順として、順押しの押し順ナビが表示され、表示器8において「左→中→右」などの画像表示を行い、スピーカ9から「左」、「中」、「右」の順でそれぞれの音声を出力する。
そして、この押し順(順押し)で停止ボタン5a~5cが操作されることで、14枚のメダルが払い出される。
一方、対応する押し順以外で停止ボタン5a~5cが操作された場合には、15枚のメダルが払い出されて、1ゲーム目でボーナス状態Bが終了する。
ボーナス状態Bの2ゲーム目では、例えば、対応する押し順として、逆押しの押し順ナビが表示され、表示器8において「右→中→左」などの画像表示を行い、スピーカ9から「右」、「中」、「左」の順でそれぞれの音声を出力する。
そして、この押し順(逆押し)で停止ボタン5a~5cが操作されることで、15枚のメダルが払い出される。
このように、ボーナス状態Bでは、押し順ナビに応じて停止ボタン5a~5cが操作されることで、最大2ゲームが実行されて、最大29枚のメダルが払い出される。
すなわち、遊技状態Bにおいてボーナス役Bに入賞後、1ゲーム又は2ゲーム後には、遊技状態Aへ移行することになる。
次に、第3実施形態に係るスロットマシン1の遊技における、有利区間と通常区間について説明する。
スロットマシン1の遊技は、通常区間と有利区間を有しており、これらの区間は、遊技状態によって区分されている。
本実施形態では、遊技状態B、ボーナス状態A及びボーナス状態Bが有利区間に区分され、遊技状態Aは、大半が有利区間に区分され、一部が通常区間に区分されている。
有利区間は、通常区間滞在中に他の遊技状態に移行することで有利区間に突入し、再度、通常区間に移行するまで継続して滞在可能な区間である。
有利区間に滞在中は、主制御部10は、連続して遊技が実行された回数である有利区間遊技回数と獲得したメダル数(差枚数=投入メダルと払出メダルの差分)を計数する。
具体的には、遊技状態Aにおいて、スロットマシン1のシステムリセットが行われた場合又は遊技設定値が変更(遊技設定値の打ち直しも含む)された場合には、通常区間に滞在する。
遊技状態Aにおいて、通常区間から有利区間への移行は、毎ゲーム、1/1.5の当選確率による抽選に当選した場合又はボーナス役Bに当選した場合に移行する。
なお、これに限らず、通常区間から有利区間への移行は、例えば、「ハズレ」以外の当選役に当選した場合、所定の当選役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合又は所定の当選役に対応しない図柄の組合せが停止表示した場合(例えば、ベルこぼし目)等によって、移行するようにしてもよい。
有利区間に移行後、有利区間が終了するには、ボーナス状態Aの終了を契機に、有利区間が終了して通常区間に移行する。なお、後述する連荘モード継続抽選において当選した場合には、ボーナス状態Aの終了を契機に、有利区間は終了しないようになっている。
また、これとは別に、有利区間の終了は、「有利区間遊技回数が、上限回数(リミッタ)に到達したこと」、又は、「有利区間中に獲得したメダル数(差枚数)が、上限枚数(リミッタ)に到達したこと」の何れかの条件を満たすことに基づいて、有利区間が終了して通常区間に移行する。
この有利区間遊技回数の上限回数(リミッタ)は、1000ゲームや1500ゲーム等、任意の数であればどのような回数でもよく、有利区間中に獲得したメダル数(差枚数)の上限枚数(リミッタ)は、1000枚や2400枚等、任意の数であればどのような枚数でもよい。
(所定条件の成立に基づく特定情報の報知)
次に、本発明の特徴である「所定条件の成立に基づく特定情報の報知」について説明する。
前述したように、第3実施形態に係るスロットマシン1は、遊技状態B滞在中に、報知条件が成立すると、当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せ(特定情報)を報知するようになっている。
また、報知条件を遊技状態Bの突入時に、複数の条件の中から決定することで、決定された報知条件に基づいて、遊技状態B滞在中に特定情報が報知されるまでの期間に変化が生じるようになっている。
そのため、ボーナス状態Bへ移行するタイミングも変化が生じ、さらにはボーナス状態Bの終了後に移行する遊技状態Aへ移行するタイミングも間接的に変化することになる。
これにより、遊技状態Aにおいて、仮にボーナス役Bに当選し、遊技状態Bに移行してしまっても、遊技状態Bにおいて、特定情報が報知されるまでの期間が短くなるような報知条件を決定した場合には、早いゲーム数で遊技状態Aに復帰できることになる。
以下、具体的に説明する。
報知条件は、「遊技の進行に応じて変動する変動値が、特定値に到達している場合に成立する条件」とすることができる。
この報知条件の変動値を、例えば「ゲーム数」とした場合には、報知条件は、「遊技状態B滞在中に実行された実際のゲーム数(変動値)が、上限ゲーム数(特定値)に到達した場合に成立する条件」とすることができる。
例えば、上限ゲーム数を30ゲームに決定した場合には、遊技状態B滞在中に実行された実際のゲーム数が30ゲームに到達した場合に、当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せが報知されることになる。
報知条件に含まれる上限ゲーム数は、主制御部10(決定手段)により、遊技状態Bの突入時に決定され、第1特定値(例えば、1ゲームや30ゲーム)と、第1特定値よりも大きい第2特定値(例えば、300ゲームや400ゲーム)を含む、複数のゲーム数のうち何れかに決定される。
この場合、第2特定値が決定された場合よりも、第1特定値が決定された場合、すなわち、小さい値の上限ゲーム数が決定された場合の方が、ボーナス役Bが当選してからボーナス役Bに対応する図柄の組合せが報知されるまでの期間が短くなるような制御が行われる。
具体的には、上限ゲーム数は、次のように決定することができる。
主制御部10は、「上限ゲーム数決定テーブル」(図32)を参照することで、現在スロットマシン1に設定されている設定値に基づいて、上限ゲーム数を決定する。
例えば、設定値1が設定されている場合には、5/255の確率で1ゲームが決定され、65/255の確率で30ゲームが決定され、15/255の確率で120ゲームが決定され、140/255の確率で300ゲームが決定され、30/255の確率で400ゲームが決定されるように設定されている。
また、設定値2が設定されている場合には、2/255の確率で1ゲームが決定され、75/255の確率で30ゲームが決定され、40/255の確率で120ゲームが決定され、130/255の確率で300ゲームが決定され、8/255の確率で400ゲームが決定されるように設定されている。
また、設定値5が設定されている場合には、23/255の確率で1ゲームが決定され、115/255の確率で30ゲームが決定され、35/255の確率で120ゲームが決定され、80/255の確率で300ゲームが決定され、2/255の確率で400ゲームが決定されるように設定されている。
また、設定値6が設定されている場合には、10/255の確率で1ゲームが決定され、145/255の確率で30ゲームが決定され、50/255の確率で120ゲームが決定され、50/255の確率で300ゲームが決定され、400ゲームは決定されないように設定されている。
このように、設定値に応じて、上限ゲーム数が決定され、設定値1(第1設定値)が設定されている場合よりも、設定値6(第2設定値)が設定されている場合の方が、小さい値の上限ゲーム数(第1特定値)が決定されるようになっている。
すなわち、設定されている設定値が高いほど、特定情報が報知されるまでの期間が短くなる。
特に、設定値6の場合には、他の設定値に比べて、高い確率で第1特定値(例えば、1ゲームや30ゲーム)が決定されることとなり、遊技者の期待感を極めて高めることが可能となる。
このように、大きい値の上限ゲーム数(第2特定値)に基づく報知条件(第2条件)が決定された場合よりも、小さい値の上限ゲーム数(第1特定値)に基づく報知条件(第1条件)が決定された場合の方が、特定情報が報知されるまでの期間が短くなるため、当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せを、より早く停止表示させることができ、遊技者が有利に遊技を行えるようになっている。
なお、上限ゲーム数の決定は、現在スロットマシン1に設定されている設定値に関わらず、所定の当選確率に基づいて決定してもよい。
例えば、主制御部10は、「上限ゲーム数決定テーブル」(図33)を参照することで、10/255の確率で1ゲームが決定され、100/255の確率で30ゲームが決定され、35/255の確率で120ゲームが決定され、100/255の確率で300ゲームが決定され、100/255の確率で400ゲームが決定されるように設定してもよい。
このように、設定値に影響を受けないようにすれば、設定値が低い場合でも遊技者の期待感を高めることが可能となる。
なお、上限ゲーム数は、遊技状態B滞在中に実行されたゲーム数を対象としているが、これに限らず、有利区間中に実行されたゲーム数(有利区間遊技回数)を対象としてもよく、又は、3ベットゲームのみで有利区間中に実行されたゲーム数を対象としてもよい。
また、報知条件の変動値を「ハズレ回数」とすることもできる。
報知条件の変動値を「ハズレ回数」とした場合には、報知条件は、「遊技状態B滞在中に実際に「ハズレ」に当選した回数(変動値)が、上限ハズレ回数(特定値)に到達した場合に成立する条件」とすることができる。
例えば、上限ハズレ回数を2回に決定した場合には、遊技状態B滞在中に「ハズレ」に当選した回数が2回に到達した場合に、当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せが報知されることになる。
報知条件に含まれる上限ハズレ回数は、主制御部10(決定手段)により、遊技状態Bの突入時に決定され、第1特定値(例えば、1回や2回)と、第1特定値よりも大きい第2特定値(例えば、20回や26回)を含む、複数のハズレ回数のうち何れかに決定される。
この場合、第2特定値が決定された場合よりも、第1特定値が決定された場合、すなわち、小さい値の上限ハズレ回数が決定された場合の方が、ボーナス役Bが当選してからボーナス役Bに対応する図柄の組合せが報知されるまでの期間が短くなるような制御が行われる。
具体的には、上限ハズレ回数は、次のように決定することができる。
主制御部10は、「上限ハズレ回数決定テーブル」(図34)を参照することで、現在スロットマシン1に設定されている設定値に基づいて、上限ハズレ回数を決定する。
例えば、設定値1が設定されている場合には、5/255の確率で1回が決定され、65/255の確率で2回が決定され、15/255の確率で8回が決定され、140/255の確率で20回が決定され、30/255の確率で26回が決定されるように設定されている。
また、設定値2が設定されている場合には、2/255の確率で1回が決定され、75/255の確率で2回が決定され、40/255の確率で8回が決定され、130/255の確率で20回が決定され、8/255の確率で26回が決定されるように設定されている。
また、設定値5が設定されている場合には、23/255の確率で1回が決定され、115/255の確率で2回が決定され、35/255の確率で8回が決定され、80/255の確率で20回が決定され、2/255の確率で26回が決定されるように設定されている。
また、設定値6が設定されている場合には、10/255の確率で1回が決定され、145/255の確率で2回が決定され、50/255の確率で8回が決定され、50/255の確率で20回が決定され、26回は決定されないように設定されている。
このように、報知条件の変動値を「ハズレ回数」とした場合も、変動値を「ゲーム数」とした場合と同様に、設定されている設定値が高いほど、小さい値の上限ハズレ回数(第1特定値)が決定される。
また、大きい値の上限ハズレ回数(第2特定値)に基づく報知条件(第2条件)が決定された場合よりも、小さい値の上限ハズレ回数(第1特定値)に基づく報知条件(第1条件)が決定された場合の方が、特定情報が報知されるまでの期間が短くなるため、当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せを、より早く停止表示させることができ、遊技者が有利に遊技を行えるようになっている。
なお、上限ハズレ回数の決定は、現在スロットマシン1に設定されている設定値に関わらず、所定の当選確率に基づいて決定してもよい。
例えば、主制御部10は、「上限ハズレ回数決定テーブル」(図35)を参照することで、10/255の確率で1回が決定され、100/255の確率で2回が決定され、35/255の確率で8回が決定され、100/255の確率で20回が決定され、100/255の確率で26回が決定されるように設定してもよい。
なお、報知条件の変動値を「ゲーム数」に基づく制御と、「ハズレ回数」に基づく制御との何れか一方を用いてもよく、双方を用いてもよい。
双方を用いる場合には、2つのうち何れか一方の条件が成立した場合に、特定情報を報知することが好ましい。また、所定の条件(例えば、ボーナス役Bに当選するごと)に応じて切り替えるようにしてもよい。
次に、特定情報が報知される際の演出表示について説明する。
なお、次の説明では、報知条件の変動値を「ゲーム数」とした場合を例に挙げて説明する。
副制御部20は、上限ゲーム数に到達する所定ゲーム数(例えば、5ゲーム)前から前兆演出の実行を開始し、上限ゲーム数に到達したゲーム(前兆演出の最終ゲーム)で、特定情報を報知するように制御する。
なお、上限ゲーム数に「1ゲーム」が決定された場合には、前兆演出を実行することなく、次ゲームで特定情報が報知される。
例えば、前兆演出の開始時(スタートレバー3操作時)には、主人公キャラクタと敵キャラクタを含む画像が表示され、その後、複数ゲームに亘って、主人公キャラクタと敵キャラクタが対戦する対戦演出が実行される。
そして、上限ゲーム数に到達したゲーム(前兆演出の最終ゲーム)で、対戦結果を示す画像が表示される。例えば、主人公キャラクタが勝利する画像や「WIN」の文字情報からなる勝利確定画像82が表示される。
さらに、所定時間経過後(例えば、1秒後)に、当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せを示す図柄画像83(特定情報)が表示される(図37中の(a))。
以降のゲームでは、内部抽選処理において「ハズレ」に当選するまで、この画面を継続して表示し、「ハズレ」に当選した場合には、図柄画像83が強調表示され、さらに、「狙ってね」の文字情報からなる文字画像84の表示や音声が出力される(図37中の(b))。
この文字画像84等の表示により、当該ゲームでハズレに当選したことが報知されることとなり、当該ゲームにおいて、当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せが停止した場合には、ボーナス状態Bに移行する。
一方、目押し操作のミス等により、当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せが停止しなかった場合には、遊技状態Bに滞在し、図37中の(a)に示す画面が表示される。
このように、前兆演出を介して特定情報を報知することで、遊技者に対して特定情報の報知に対する期待感を高めることができる。
なお、特定情報が報知される際の演出表示は、これに限らず、例えば、図38に示すような演出表示としてもよい。
上限ゲーム数に到達したゲーム(前兆演出の最終ゲーム)で、勝利確定画像82が表示され(図38中の(a))、以降のゲームにおいて、内部抽選処理において「ハズレ」に当選するまで、この画面が継続して表示される。
そして、「ハズレ」に当選した場合には、そのゲーム開始時(スタートレバー3操作時)に、当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せを示す図柄画像83と、「狙ってね」の文字画像84の表示や音声が出力される(図38中の(b))。
また、上限ゲーム数に到達したゲーム(前兆演出の最終ゲーム)で、特定情報の報知がされない、ガセ前兆演出を実行してもよい。
ガセ前兆演出の実行が決定された場合には、ガセ前兆演出の最終ゲームで、対戦結果を示す画像として、例えば、主人公キャラクタが敗北する画像や「LOSE」の文字情報からなる敗北確定画像を表示する。
ガセ前兆演出は、前兆演出と基本的には演出画像(登場するキャラクタ等)が同様に設定されており、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けることができる。
また、上限ゲーム数に到達したゲーム(前兆演出の最終ゲーム)で、演出ボタン2d又は上部演出ボタン2fの操作を伴って、勝利確定画像又は敗北確定画像を表示してもよい。
この場合、演出ボタン2d又は上部演出ボタン2fの操作を伴った場合の方が、伴わない場合よりも勝利確定画像が表示される確率を高くすることが好ましい。
これにより、演出ボタン2d又は上部演出ボタン2fの操作を促す演出が行われた場合も、特定情報が報知される期待感を高めることが可能となる。
また、第3実施形態に係るスロットマシン1は、前述した上限ゲーム数や上限ハズレ回数の到達に基づいて特定情報を報知する以外にも、レア役の当選を契機に、所定の確率に応じて特定情報の報知を行うようになっている。
すなわち、上限ゲーム数や上限ハズレ回数に到達する前でも、レア役の当選に基づき特定情報が報知される可能性がある。
具体的には、主制御部10は、「報知抽選テーブル」(図36)を参照することで、現在スロットマシン1に設定されている設定値に基づいて、特定情報の報知抽選を実行する。
例えば、設定値1が設定されている場合には、弱チェリー役当選時には0.5%、強チェリー役当選時には12.5%、弱スイカ役当選時には1%、強スイカ役当選時には16.7%、チャンス役当選時には20%の確率で各々特定情報が報知されることとなる。
また、設定値6の場合には、弱チェリー役当選時には1.5%、強チェリー役当選時には16.7%、弱スイカ役当選時には2%、強スイカ役当選時には20%、チャンス役当選時には25%の確率で各々特定情報が報知されることとなる。
このように、設定値1(第1設定値)が設定されているよりも、設定値6(第2設定値)が設定されている方が、レア役当選時の特定情報の報知確率が高く設定されている。すなわち、設定されている設定値が高いほど、特定情報が報知される確率が高くなるようになっている。
また、比較的当選確率の低いレア役(例えば、チャンス役)ほど、特定情報が報知される確率が高くなり、比較的当選確率の低いレア役に当選した場合の遊技者の期待感を高めることが可能となる。
これにより、上限ゲーム数や上限ハズレ回数に到達していなくても、レア役の当選を契機に特定情報の報知が行われる可能性があるので、遊技状態B滞在中の遊技において、レア役に当選した場合の期待感を高めることができる。
なお、レア役の当選を契機に、特定情報の報知抽選に当選した場合には、報知抽選に当選した次ゲームから、上述した前兆演出を実行し、特定情報を報知してもよい。
また、第3実施形態に係るスロットマシン1は、前述した報知条件の成立(上限ゲーム数や上限ハズレ回数の到達)に基づく特定情報の報知や、レア役の当選を契機とした特定情報の報知以外にも、連荘モード滞在中に特定情報の報知を行うようになっている。
第3実施形態に係るスロットマシン1においては、当選したボーナス役Bの種類を識別可能な特定情報の報知に関して、複数のモードに基づく制御を行っている。
特定情報の報知に関わるモードは、通常モードと連荘モードが設けられ、主制御部10は、これらのモードに基づき、ボーナスB役に当選してから当選しているボーナス役Bに対応する図柄の組合せ(特定情報)が報知されるまでの期間に変化が出るような制御を行っている。
通常モードに滞在中は、遊技状態Aにおいてボーナス役Bに当選した場合、当該ゲームにおいて、ボーナス役Bの当選を報知しないようになっている。
すなわち、前述したように、遊技状態B滞在中に、報知条件が成立(上限ゲーム数や上限ハズレ回数の到達)するまで、又は、レア役の当選を契機に報知抽選に当選するまでは、ボーナス役Bに対応する図柄の組合せ(特定情報)が報知されないことになる。
一方、連荘モードに滞在中は、遊技状態Aにおいてボーナス役Bに当選した場合、当該ゲームにおいて、ボーナス役Bの当選を報知するようになっている。
すなわち、当選したボーナス役Bに対応する図柄の組合せ(特定情報)が即時報知されるようになっている。
このように、通常モードよりも連荘モードに滞在する方が、特定情報が報知されるまでの期間が短くなるように制御される。
また、連荘モードに滞在中は、当選したボーナス役Bに対応する図柄の組合せを、より早く停止することができるため、ボーナス役Bの当選後、直ぐに、遊技状態Aに移行(復帰)することができ、ボーナス状態Aが連続して発生するような遊技(連荘)が可能になる。
特定情報の報知に関するモードは、主制御部10により移行制御が行われる。
確率設定装置14による設定値の変更や、スロットマシン1のシステムリセットが行われた場合には、初期設定として通常モードから開始される。なお、初期設定時に連荘モードに移行するようにしてもよく、確率設定装置14の設定値に応じてモードを振り分けるようにしてもよい。
通常モードから連荘モードへの移行は、遊技状態Bの終了時、例えば、報知条件が成立(上限ゲーム数や上限ハズレ回数の到達)したゲーム(前兆演出の最終ゲーム)で移行するように制御される。
また、このとき、連荘モードが継続する確率(連荘継続率)が決定されるようになっている。連荘継続率は、例えば、90%、80%、70%、60%を含む複数段階の確率のうち何れかに決定される。
なお、連荘継続率の決定は、現在スロットマシン1に設定されている設定値に基づいて決定してもよく、例えば、設定されている設定値が高いほど、高い確率の連荘継続率が決定されるようにしてもよい。
また、決定された連荘継続率を、遊技者に対して認識可能に報知してもよい。
連荘継続率を報知する一例としては、前兆演出の最終ゲームで表示される勝利確定画像82(図37、38参照)の表示態様を連荘継続率に基づいて変化させてもよい。
例えば、勝利確定画像82を、通常の表示態様(表示色)の「白色」から、異なる表示態様(表示色)として「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」のうちの何れかに変化させる。
この4つの表示態様(表示色)は、連荘継続率に対応しており、連荘継続率が高いほど「虹色」、「赤色」、「緑色」、「青色」の順に表示されるようになっている。
このように、連荘モードの継続期待度が、「青色」<「緑色」<「赤色」<「虹色」の関係性を有しており、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
特に、「虹色」が表示された場合には、連荘継続率に90%が確定していることとなり、以降のゲームにおいて、ボーナス状態Aが連続して発生する期待感を高めることが可能となる。
遊技状態B終了時に連荘モードが開始されて、ボーナス状態Bを経由して遊技状態Aに移行した後は(図30の矢印b、c)、遊技状態Aにおいて、ボーナス役A又はボーナス役Bに当選した場合には、当該ゲームにおいて、それぞれのボーナス役に対応する図柄の組合せが報知される。
すなわち、連荘モードに滞在中は、遊技状態Aにおいて、ボーナス役Aに当選した場合には、主制御部10は、遊技状態をボーナス状態Aに移行するように制御し(図30の矢印d)、一方、ボーナス役Bに当選した場合でも、遊技状態をボーナス状態Bに移行するように制御し(図30の矢印j)、さらに、ボーナス状態Bを経由して、遊技状態Aに直ぐに復帰するように制御する。したがって、連荘モードに滞在中は、ボーナス状態Aが連続して発生可能なボーナス連荘状態となる。
連荘モードから通常モードへ移行(転落)は、ボーナス状態Aで実行される「連荘モード継続抽選」の抽選結果に基づいて制御される。
具体的には、ボーナス状態Aの開始時(1ゲーム目のスタートレバー3操作時)に、連荘継続率に基づいて連荘モードを維持するか否かの抽選(連荘モード継続抽選)が実行される。
この抽選の結果、非当選の場合には、連荘モードから通常モードへ移行(転落)するように制御され、一方、抽選の結果、当選した場合には、連荘モードが維持される。
連荘モードが維持された場合には、ボーナス状態A終了後に移行する遊技状態Aでは、前述したように、ボーナス役Bに当選した場合でも、当該ゲームにおいて、当選したボーナス役Bに対応する図柄の組合せが即時報知される。
一方、連荘モード継続抽選において非当選となり、連荘モードから通常モードへ移行した場合には、遊技状態Aにおいて、ボーナス役Bに当選したゲームでは、当選したボーナス役Bに対応する図柄の組合せが報知されないため、ボーナス役Bの当選状態を持ち越して遊技状態Bに移行する。
なお、連荘モード継続抽選をボーナス状態Aの最終ゲームのゲーム開始時(スタートレバー3の操作時)に行うようにしてもよい。
このように、特定情報の報知に関わるモードを設けることで、滞在中のモードに基づいて特定情報が報知されるタイミングが変化することとなり、ボーナス役Bに当選してからボーナス役Bに対応する特定情報が報知されるまでの期間が変化するような興趣性の高い遊技を実現することが可能となる。
すなわち、連荘モードに滞在し続けることで、遊技状態Aにおいて、ボーナス役Bに当選した場合には、直ぐに遊技状態Aに復帰することができるので、ボーナス状態Aが連続して発生可能なボーナス連荘状態に制御することができる。
また、連荘モードの継続率を一定の確率に限定せずに、抽選によって複数の確率から決定することで、連荘モードの継続期待度を複数設けることができ、遊技の多彩化や期待感を向上させることが可能となる。
なお、「所定条件の成立に基づく特定情報の報知」では、次に示すような変形例としてもよい。
例えば、報知条件は「実際のゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合」や「実際のハズレ回数が上限ハズレ回数に到達した場合」に限らず、例えば、「所定の小役(例えば、ベル役)の当選回数が上限回数に到達した場合」や、「獲得したメダル数が上限数に到達した場合」や、「経過時間が上限時間に到達した場合」としてもよい。
また、報知条件を決定する際に、所定の条件が成立している場合には、特定情報が報知されるまでの期間が短くなる第1特定値を高い確率で決定してもよい。
この所定の条件としては、例えば、遊技状態Aにおいて、ボーナス役Aに当選することなく、連続してボーナス役Bに当選した回数が、所定数以上である場合には、第1特定値が決定され易いようにしてもよい。
また、当選しているボーナス役Bの種類が、36種類のうちの一部のボーナス役B(左リール41aに「青7」図柄が停止する図柄の組合せの10種類)である場合には、第1特定値が決定され易いようにしてもよい。
このような場合、通常時に参照するテーブル(図32~図35)よりも第1特定値が決定される確率が高く設定されたテーブルを参照するようにしてもよい。
また、報知条件の決定契機は、遊技状態Bの突入時に限らず、他の契機において報知条件を決定するようにしてもよい。
例えば、遊技状態Bの突入時に代えて又は加えて、ボーナス状態Aやボーナス状態Bの終了時又は突入時に決定してもよい。
遊技状態Bの突入時と、ボーナス状態Aやボーナス状態Bの終了時又は突入時の双方で報知条件を決定する場合には、遊技状態Bの突入時に決定された報知条件を、ボーナス状態Aやボーナス状態Bで決定した報知条件に書き換えてもよい。なお、この場合、小さい値の特定値(上限ゲーム数等)が決定された場合のみ、書き換えることが好ましい。
また、遊技状態B滞在中に実行されたゲーム数やハズレ回数に基づいて、特定情報の報知抽選を行ってもよい。
例えば、特定のゲーム数期間(例えば、100ゲーム~128ゲーム)や特定のハズレ回数期間(例えば、6回~8回)に滞在する場合、ゾロ目のゲーム数(例えば、7ゲーム、77ゲーム)やゾロ目のハズレ回数(例えば、7回)の場合に、特定情報の報知抽選を行ってもよい。
また、この場合、レア役に当選した場合には、報知抽選に高い確率で当選するようにしてもよく、あるいは、当選確定としてもよい。
以上、説明したように、本発明においては、複数の識別情報を変動表示可能な表示手段(表示器8)と、遊技者が操作可能な操作手段(停止ボタン5)と、複数の特別役を抽選可能な抽選手段(主制御部10)と、を備え、操作手段の操作により表示手段に停止表示された識別情報の態様が、複数の特別役(ボーナス役)のうち、何れかの特別役(例えば、ボーナス役B)に対応する特別態様となったことに基づいて、遊技状態を特別遊技状態で制御可能な遊技機(スロットマシン1)において、抽選手段の抽選により当選した特別役(例えば、ボーナス役B)に関する特定情報を報知可能な報知手段(表示器8)と、特定情報を報知するための所定条件を決定可能な決定手段(主制御部10)と、決定手段により決定された所定条件に基づいて、報知手段を制御可能な報知制御手段(副制御部20)と、第1遊技状態(遊技状態A)と、第2遊技状態(遊技状態B)と、特別遊技状態(ボーナス状態)とを含む複数の遊技状態のうち、何れかの遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段(主制御部10)と、を備え、複数の特別役は、第1特別役(ボーナス役A)と、複数種類の第2特別役(ボーナス役B)と含み、第1遊技状態は、第1特別役と、複数種類の第2特別役のうち、何れかの第2特別役とが、抽選手段の抽選により当選可能な遊技状態であり、第2遊技状態は、複数種類の第2特別役のうち、何れかの第2特別役が当選している遊技状態であり、報知制御手段は、第2遊技状態において、前記所定条件が成立した場合、当選している第2特別役に対応する特定情報が報知されるまでの期間が短くなるように、報知手段を制御可能な構成とした。
このような構成により、本発明に係るスロットマシン1によれば、次のような作用効果を発揮する。
本発明に係るスロットマシン1は、第2遊技状態において、特定情報(特別役の種類)を報知するための所定条件(報知条件)を複数の条件の中から決定し、この報知条件が成立した場合に、特定情報を報知することができる。
これにより、決定された報知条件に応じて、特定情報が報知されるタイミングが変化することとなり、特別役に当選してから特別役に対応する特定情報が報知されるまでの期間が変化するような興趣性の高い遊技を実現することが可能となる。
また、決定された報知条件に応じて、特別役に対応する特定情報が報知されるまでの期間に変化を持たせることができるので、特別遊技状態へ移行するタイミングも変化させることができる。
そのため、報知条件として、特定情報が報知されるまでの期間が短くなるような条件を決定した場合には、早いゲーム数で特別遊技状態へ移行することができ、さらには、特別遊技状態終了後に移行する第1遊技状態への移行も間接的に変化することとなり、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、第2遊技状態において当選している第2特別役は、複数種類の第2特別役のうちの1つであるため、当選している第2特別役を遊技者に対して容易に認識できないようにすることができる。そのため、遊技者が第2特別役を狙って入賞させることや、誤って入賞することを極めて困難にすることができる。
これにより、特別遊技状態を通常の遊技状態として遊技が進行するタイプのスロットマシンにおいては、設計者の意図しないタイミングで、特別役が入賞されることを防ぐことができる。
このように、本発明に係るスロットマシン1においては、特定情報の報知に関して、多彩な遊技を実現することができ、遊技者の期待感も向上させることが可能となる。
一方、特許文献1には、ボーナス役を複数種類設け、ボーナス役の当選時に、当選したボーナス役の種類を識別可能に報知するようした遊技機が開示されている。
しかしながら、この遊技機においては、当選したボーナス役の種類を単に報知するだけであり、多彩な方法によってボーナス役の種類の報知がされていなかったため、ボーナスの報知に対する興趣の低下を招く可能性があった。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべきこのような課題の全部又は一部などを解決することができる。
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、前述した実施形態では、AT状態を付与するものとしたが、ART又はRTを付与するようにしてもよい。
また、ボーナス状態を終了させることとなる規定枚数は、前述した実施形態以外でもよい。
また、各種処理において参照するテーブルは、一例であり、前述したテーブルにのみ限定されるものではなく、各種テーブルに係る当選確率は、前述した値に限らず、任意に設定変更することができる。
また、各種画面の表示項目等は例示であり、どのような数値、表示項目を用いてもよい。
また、本実施形態では、遊技状態制御手段などの各種手段としての動作を主制御部10が行ったが、副制御部20がその一部又は全部を行い、副制御部20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御部20が表示器8等において演出を実行する手段として動作を行ったが、主制御部10がその一部又は全部を行い、主制御部10が各種手段として動作することもできる。
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ機など、その他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
また、前述した実施形態では、可変表示手段としてモータにより駆動制御されるリール41を用いたが、これに代えて又はこれに加えて、液晶表示器などの表示器8にリール等の図柄が変動する画像を表示させることにより、表示器を識別情報の可変表示手段として用いることもできる。