JP7226060B2 - リサイクル基材製造方法 - Google Patents
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Description
なお、マイクロプラスチック表面には下記の様なラミネートされたパッケージの場合にはインキや接着剤、更にはコーティング層などに起因する有害物質等も付着しており、より環境保全の点から懸念されている。このような問題を改善するためにマイクロプラスチックを減らす様々な取り組みが始まっている。
なお、表刷りとは、絵柄層上に基材などがラミネートされず、絵柄層がむき出しの状態である形態をいい、例えば、ラベルなどへの使用形態も表刷りに該当する。
前記積層体は、プラスチック基材1と、アルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する脱離層(A)と、印刷層(B)と、をこの順に有してなり、
前記塩基性水溶液は、塩基性化合物を塩基性水溶液全体の0.5~10質量%含み、かつ浸漬時の塩基性水溶液の水温は30~120℃である、リサイクル基材製造方法に関する。
前記積層体は、プラスチック基材1とプラスチック基材2との間に、アルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する脱離層(A)並びに、印刷層(B)および/または接着剤層(C)を有してなり、
前記塩基性水溶液は、塩基性化合物を塩基性水溶液全体の0.5~10質量%含み、かつ浸漬時の塩基性水溶液の水温は30~120℃である、リサイクル基材製造方法に関する。
積層体を塩基性水溶液に浸漬する工程を含むリサイクル基材製造方法であって、
前記積層体は、プラスチック基材1と、アルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する脱離層(A)と、印刷層(B)と、をこの順に有してなり、
前記塩基性水溶液は、塩基性化合物を塩基性水溶液全体の0.5~10質量%含み、かつ浸漬時の塩基性水溶液の水温は30~120℃である、リサイクル基材製造方法である。
積層体を塩基性水溶液に浸漬する工程を含むリサイクル基材製造方法であって、
前記積層体は、プラスチック基材1(基材1)とプラスチック基材2(基材2)の間に、アルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する脱離層(A)並びに、印刷層(B)および/または接着剤層(C)を有してなり、
前記塩基性水溶液は、塩基性化合物を塩基性水溶液全体の0.5~10質量%含み、かつ浸漬時の塩基性水溶液の水温は30~120℃である、リサイクル基材製造方法である。
なお本発明同様、ソルダーレジストやカラーレジストなどの場合においてもアルカリ水溶液により層の一部を溶解させる工程を有するが、活性エネルギー線での硬化層を、アルカリ水溶液処理後も「一定量残すことを目的」とするため、本発明における脱離層(A)を用いたリサイクル基材製造方法とは技術的思想が異なる。従って、本発明においては、当該脱離層(A)はソルダーレジストやカラーレジストその他の感光性樹脂組成物からなる層である場合を除く。
塩基性水溶液は塩基性化合物を含有する水溶液であり、塩基性化合物を当該水溶液全体のうち0.5~10質量%含有し、かつ積層体浸漬時の温度は30~120℃である。塩基性化合物は当該水溶液全体のうち0.5~5質量%で含有することが好ましく、1~5質量%で含有することがなお好ましい。また、塩基性水溶液の上記温度は40~110℃であることが好ましく、50~100℃であることがなお好ましい。
上記塩基性化合物としては、特に制限は無いが、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、アンモニア、水酸化バリウム(Ba(OH)2)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)等が好適に挙げられる。好ましくはNaOHおよび/またはKOHである。
脱離層(A)はアルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する。なお、アルミニウムは酸化アルミニウムである場合を含まない。基材リサイクル工程において、これら金属は上記塩基性水溶液へ溶解性を示し、脱離層(A)の脱離機能に作用する。
当該金属化合物を含有する形態としては、脱離層(A)はアルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる少なくとも一種の蒸着層を有する層、
またはアルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる少なくとも一種およびバインダー樹脂を含有する層であることが好ましい。
脱離層(A)は、蒸着層であることが好ましい。蒸着層は、アルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる少なくとも一種から構成され、従来公知の方法により形成することができ、その組成および形成方法は特に限定されない。蒸着層は非結晶性(アモルファス)の層からなることが好ましい。また、可視光透過性の観点から酸化アルミニウムおよび/またはシリカであることが好ましい。遮光性を示す形態とするためにはアルミニウムであることが好ましい。脱離層(A)は蒸着層を2層以上有してもよい。蒸着層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。なお、蒸着層を有する脱離層(A)を有する場合、塩基性水溶液を用いて脱離を行う前は、酸素および/または水蒸気バリア層としても機能する。
アルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる少なくとも一種からなる蒸着膜の膜厚としては、1~400nmの範囲であればよく、5~300nmの範囲であることが好ましく、10~200nmの範囲であることがなお好ましい。
上記蒸着層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレ-ティング法等の物理気相成長法(PhysicalVaporDeposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、および光化学気相成長法等の化学気相成長法(ChemicalVaporDeposition法、CVD法)等を好適に挙げることができる。
脱離層(A)はアルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属粒子およびバインダー樹脂を含有する層である場合も好ましい。膜厚としては1~10μmであることが好ましく、1~6μmであることが好ましい。
また、バインダー樹脂と金属粒子との質量比(バインダー樹脂/金属粒子)は、90/10~20/80であることが好ましい。
アルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる少なくとも一種およびバインダー樹脂を含有する層に含まれるアルミニウムは、当該層全体の80質量%以上であることが好ましい。また、当該層に含まれる酸化アルミニウムは、当該層全体の10質量%以上であることが好ましい。また、当該層に含まれるシリカは、当該層全体の10質量%以上であることが好ましい。
後述する印刷層が、アルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカを含むことを排除しないが、印刷層に含まれるアルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカの量は、脱離層よりも少ない。
上記バインダー樹脂は、上記易接着層の場合と同様の種類である樹脂が好適に挙げられ、水性樹脂であってもよいし、有機溶剤に可溶な樹脂であってもよい。例えば、ポリウレタン樹脂層、アクリル樹脂層、ポリエステル樹脂およびポリビニルアルコールから選ばれる樹脂であることが好ましい。これらは、複数種組み合わせて使用してもよい。
上記有機溶剤としてはイソプロピルアルコール(IPA)、エタノールおよびノルマルプロパノールその他のアルコール系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸ノルマルプロピルその他のエステル系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンその他のケトン系有機溶剤、並びに、トルエン、キシレンその他の芳香族有機溶剤などが好適に挙げられる。二種以上の混合溶剤として使用することが好ましい。
脱離層(A)を形成するための組成物は、アルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属粒子並びにバインダー樹脂を有機溶剤液中に溶解および/または分散することにより製造することができる。例えば、酸化アルミニウム粒子およびポリウレタン樹脂有機溶剤中に分散させておき、金属粒子分散体に、ポリウレタン樹脂、必要に応じて有機溶剤、その他樹脂や添加剤などを配合することによりかかる組成物を製造することができる。また、組成物の粘度等は分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、金属粒子分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては一般に使用される、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。サンドミルその他のビーズミルを用いて製造することが好ましい。
脱離層(A)を形成するための組成物は、添加剤として従来公知のものを適宜含むことができ、例えば顔料誘導体、分散剤、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、粘度調整剤、金属キレート、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、ワックス成分などを使用することができる。
上記印刷層(B)は、それのみでは脱離層(A)のような脱離機能を有さない印刷層であってもよく、印刷インキから形成されるものをいい、スクリーンインキ、グラビアインキ、フレキソインキ、インクジェットインキ、オフセットインキその他の印刷インキが好適に挙げられ、例えば、特開2005-298618号公報、特開2006-299136号公報、特開2009-249388号公報、特開2013-127038号公報、特開2017-19991号公報、特開2006-131844号公報、特開2013-40248号公報、特開2007-231148号公報、特開2006-257302号公報らに記載されている印刷インキを好適に使用することができる。ただしこれらに限定されない。中でも、グラビアインキ、フレキソインキ、インクジェットインキの使用が好ましく、グラビアインキおよび/またはフレキソインキの使用がなお好ましい。
更には、ポリウレタン樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂とセルロース樹脂、またはアクリル樹脂とセルロース樹脂等の組み合わせからなる二種樹脂を、バインダー樹脂総質量中に50質量%以上有するバインダー樹脂であることが好ましく、質量比率は前者:後者が95:5~30:70であることがなお好ましい。
印刷層(B)は着色剤を含有することが好ましい。着色剤としては顔料であることが好ましく、例えば、有機顔料では、以下の例には限定されないが、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系などの顔料が好適に挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等好適に挙げられる。なお、カラーインデックスに記載のC.I.ピグメントを適宜使用することができる。
印刷インキは、バインダー樹脂、体質顔料ないし着色顔料等を液状媒体中に溶解および/または分散することにより製造することができる。例えば、顔料、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂等のバインダー樹脂、シリカ粒子および必要に応じて有機溶剤を分散させておき、顔料分散体に、ポリウレタン樹脂、必要に応じて有機溶剤、その他樹脂や添加剤などを配合することにより有機溶剤系印刷インキを製造することができる。また、有機溶剤系印刷インキの粘度や色味は分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては一般に使用される、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。サンドミルその他のビーズミルを用いて製造することが好ましい。
(グラビア版)
上記グラビア印刷においては、グラビア版は金属製の円筒状のものであり、彫刻または腐蝕・レーザーにて凹部を各色で作成される。彫刻とレーザーは使用に制限は無く、柄に合わせて任意に設定が可能である。線数としては100線~300線のものが適宜使用され、線数の大きいものほど目の細かい印刷が可能である。印刷層の厚みとしては、0.1μm~100μmが好ましい。
(印刷機)
グラビア印刷機において一つの印刷ユニットには上記グラビア版およびドクターブレードを備えている。印刷ユニットは多数あり、有機溶剤系印刷インキおよび絵柄インキに対応する印刷ユニットを設定でき、各ユニットはオーブン乾燥ユニットを有する。印刷は輪転により行われ、巻取印刷方式である。版の種類やドクターブレードの種類は適宜選択され、仕様に応じたものが選定できる。
(フレキソ版)
上記フレキソ印刷に使用される版としてはUV光源による紫外線硬化を利用する感光性樹脂版またはダイレクトレーザー彫刻方式を使用するエラストマー素材版が挙げられる。フレキソ版の画像部の形成方法に関わらず版のスクリーン線数において75lpi以上のものが使用される。版を貼るスリーブやクッションテープについては任意のものを使用することができる。
(印刷機)
フレキソ印刷機としてはCI型多色フレキソ印刷機、ユニット型多色フレキソ印刷機等があり、インキ供給方式についてはチャンバー方式、2ロール方式が挙げることが出来、適宜の印刷機を使用することができる。
接着剤層(C)とは、基材を貼り合せる機能を有する層であればよく、例えば、アンカー層、溶融ポリオレフィン樹脂から形成される樹脂層、ウレタン接着剤層、アクリル接着剤層などが好適に挙げられる。いずれの使用形態であっても好ましい。アンカー層としてはイミン系アンカー層、ブタジエンアンカー層、イソシア系アンカー層の使用が好ましく、溶融ポリオレフィン樹脂から形成される樹脂層としては、溶融ポリエチレン、溶融ポリプロピレンが好ましく、更に他のモノマーとの共重合樹脂であってもよい。ウレタン接着剤層は、エーテル系ウレタン接着剤、エステル系ウレタン接着剤などにより形成される層であることが好ましい。ポリウレタン系接着剤としてはポリオールおよびイソシアネート硬化剤の混合物からなる2液型接着剤などが好適であり、具体的には東洋モートン株式会社製TM-250HV/CAT-RT86L-60、TM-550/CAT-RT37、TM-314/CAT-14B等が挙げられる。
本発明の有機溶剤系印刷インキを適用できる基材としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンその他のポリオレフィン基材、ポリカーボネート基材、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸その他のポリエステル基材、ポリスチレン基材、AS樹脂もしくはABS樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリアミド基材、ポリ塩化ビニル基材、ポリ塩化ビニリデンの各種基材、セロハン基材など、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム状、またはシート状のプラスチック基材が好適に挙げられる。これらは二軸延伸されたプラスチック基材であることが好ましい。
基材2は基材1と同様のものが挙げられ、同一でも異なっていてもよい。なお、プラスチック基材1またはプラスチック基材2のいずれかが熱可塑性基材(シーラントと称する場合がある)であることが好ましく、熱可塑性基材としては無延伸ポリエチレン基材、無延伸ポリプロピレン基材、無延伸ポリエステル基材等が好ましい。
本発明のリサイクル基材製造方法に用いる積層体は、以下の方法により製造をすることができる。たとえば、実施形態でプラスチック基材1、脱離層(A)および印刷層(B)を順に有する積層体の場合は、まず、プラスチック基材1上に脱離層(A)として、真空蒸着法等により40nmの蒸着薄膜(酸化アルミニウム、アルミニウムおよび/またはシリカ)を形成させる。次に脱離層(A)上に印刷インキ等をグラビア印刷や、フレキソ印刷などの印刷方式で印刷することで印刷層(B)を形成させ、積層体(基材1/脱離層(A)/印刷層(B))を得ることができる。
・基材1/脱離層(A)/印刷層(B)
・基材1/脱離層(A)/印刷層(B)/印刷層(B’)
・印刷層(B’)/基材1/脱離層(A)/印刷層(B)
・印刷層(B’)/脱離層(A’)/基材1/脱離層(A)/印刷層(B)
本発明において、実施形態2のリサイクル基材製造方法に用いる積層体は、以下の方法により製造をすることができる。たとえば、基材1、印刷層(B)、接着剤層(C)、脱離層(A)およびプラスチック基材2を順に有する積層体の場合は、プラスチック基材1上に印刷インキをグラビア印刷や、フレキソ印刷などの印刷方式で印刷することで印刷層(B)を形成させ、当該印刷層(B)上に接着剤として、例えばエーテル系ウレタン接着性をドライラミネーターで塗布して接着剤層(C)を形成し、アルミニウムその他の蒸着層(脱離層(A)に対応する)を有したプラスチック基材2を貼りあわせることで積層体(基材1/印刷層(B)/接着剤層(C)/脱離層(A)/基材2)を得ることができる。
(基材3は、基材2と同じもの、もしくは異なるものが使用でき、脱離層(A’)は、脱離層(A)と同じもの、もしくは異なるものが使用でき、印刷層(B’)は、印刷層(B)と同じもの、もしくは異なるものが使用でき、接着剤層(C’)は接着剤層(C)と同じもの、もしくは異なるものが使用できる。)
・基材1/接着剤層(C)/脱離層(A)/基材2
・基材1/印刷層(B)/接着剤層(C)/脱離層(A)/基材2
・基材1/脱離層(A)/印刷層(B)/接着剤層(C)/基材2
・基材1/印刷層(B)/接着剤層(C)/脱離層(A)/接着剤層(C)/基材2
・基材1/脱離層(A)/接着剤層(C)/基材2/接着剤層(C’)/基材3
・基材1/脱離層(A)/印刷層(B)/接着剤層(C)/基材2/接着剤層(C)/基材3
基材1/脱離層(A)/印刷層(B)/接着剤層(C)/脱離層(A’)/基材2
・印刷層(B’)/基材1/印刷層(B)/接着剤層(C)/脱離層(A)/基材2
上記積層体から脱離層(A)等を脱離(除去)して基材1または基材2のリサイクル基材を得るためには、上記した塩基性水溶液中に浸漬して行う。脱離工程において、基材1/脱離層(A)/印刷層(B)の順からなる積層体にあってはその印刷層(B)の表面からアルカリ水溶液浸透して、また、更に基材2をラミネートされた基材1/脱離層(A)/印刷層(B)/接着剤層(C)/基材2などの積層体にあっては端部分からアルカリ水溶液浸透して脱離層(A)と接触すれば、脱離層(A)が溶解するため脱離・剥離ができる。より好ましくは裁断されて積層体の断面に脱離層(A)を有している場合であり、より短時間で印刷層(B)、接着剤層(C)または基材等を脱離することができる。
浸漬時間としては1分~12時間、更に好ましくは1分~6時間である。その後水洗・乾燥してリサイクル基材を得ることができる。基材1、基材2などの基材から脱離層(A)とそれに伴う印刷層(B)・接着剤層などの除去率は、脱離層(A)の脱離能が面方向に一様であるならば(部分硬化などしていない)、基材の脱離層(A)の総面積のうち好ましくは80面積%以上、より好ましくは90面積%以上、更に好ましくは95面積%以上である。なお、浸漬時には撹拌をしながら脱離を行う事が好ましい。例えば、撹拌装置回転羽根で撹拌する場合、80~250rpmであることが好ましく、80~200rpmであることがなお好ましい。
(蒸着層の膜厚)
以下の実施例において、アルミニウム、酸化アルミニウムおよびシリカの膜厚は、日立ハイテクサイエンス社製の蛍光X線分析装置(機種名:EA6000VX)を用いて、ファンダメンタルパラメーター法により測定した。
・基材a:酸化アルミニウムがアモルファス状に蒸着された蒸着層(30nm)を有するポリエチレンテレフタレート(PET)基材 膜厚15μm
・基材b:酸化アルミニウムとシリカがアモルファス状に共蒸着された蒸着層(30nm)を有するPET基材 膜厚15μm
・基材c:アルミニウムがアモルファス状に蒸着された蒸着層(50nm)を有する無延伸ポリプロピレン基材 膜厚50μm
(以上の基材a~基材cは基材1/脱離層(A)または脱離層(A)/基材2に相当し、脱離層(A)は蒸着層に相当する。)
・基材d:ポリオレフィン基材(フタムラ化学社製 2軸延伸ポリプロピレン基材 膜厚20μm)
・基材e:ポリオレフィン基材(無延伸ポリプロピレン基材 膜厚30μm)
ポリウレタン樹脂溶液(荒川化学社製 KL-593 ポリエステルポリエーテル併用系ポリウレタン樹脂 固形分30質量% 酢酸エチルとイソプロパノールの混合溶液)30部、酸化アルミニウム粒子(平均粒子径1.5μm α型結晶 Al2O3)20部、および酢酸ノルマルプロピルとイソプロパノールの混合溶剤20部を撹拌混合してビーズミルとしてサンドミルを用いて20分間分散処理を行った。その後、更に酢酸ノルマルプロピルとイソプロパノールの混合溶剤を30部撹拌混合して組成物S1を得た。
ポリウレタン樹脂溶液(荒川化学社製 KL-593 ポリエステルポリエーテル併用系ポリウレタン樹脂 固形分30質量% 酢酸エチルとイソプロパノールの混合溶液)30部、塩化ビニル-酢酸ビニル共重樹脂溶液(日信化学社製 ソルバインTAO 固形分30質量%酢酸エチル溶液)10部、藍顔料(トーヨーカラー社製 銅フタロシアニン リオノールブルーFG7330)10部、および酢酸ノルマルプロピルとイソプロパノールの混合溶剤20部を撹拌混合してビーズミルとしてサンドミルを用いて20分間分散処理を行った。その後、更に酢酸ノルマルプロピルとイソプロパノールの混合溶剤を30部撹拌混合して印刷インキR1を得た。
ポリウレタン樹脂溶液(荒川化学社製 KL-593 ポリエステル/ポリエーテル系ポリウレタン樹脂 固形分30質量% 酢酸エチルとイソプロパノールの混合溶液)20部、ポリエステル樹脂溶液(日立化成社製 エスペル9940Z-37 固形分30質量%溶液)10部、ロジン樹脂溶液(荒川化学社製 ロジンエステル A-100 固形分30%溶液)10部、藍顔料(トーヨーカラー社製 銅フタロシアニン リオノールブルーFG7330)10部、および酢酸ノルマルプロピルとイソプロパノールの混合溶剤20部を撹拌混合してビーズミルとしてサンドミルを用いて20分間分散処理を行った。その後、更に酢酸ノルマルプロピルとイソプロパノールの混合溶剤を30部撹拌混合して印刷インキR3を得た。
ポリアミド樹脂溶液(ダイマー酸由来構造を有するポリアミド樹脂 固形分30質量%溶液)20部、ニトロセルロース樹脂溶液(窒素含有量11.5質量% 重量平均分子量50000のニトロセルロース 固形分30%溶液)20部、藍顔料(トーヨーカラー社製 銅フタロシアニン リオノールブルーFG7330)10部、および酢酸ノルマルプロピルとイソプロパノールの混合溶剤20部を撹拌混合してビーズミルとしてサンドミルを用いて20分間分散処理を行った。その後、更に酢酸ノルマルプロピルとイソプロパノールの混合溶剤を30部撹拌混合して印刷インキR2を得た。
ポリウレタン樹脂溶液(荒川化学社製 KL-593 ポリエステルポリエーテル併用系ポリウレタン樹脂 固形分30質量% 酢酸エチルとイソプロパノールの混合溶液)30部、硫酸バリウム粉体20部、および酢酸ノルマルプロピルとイソプロパノールの混合溶剤20部を撹拌混合してビーズミルとしてサンドミルを用いて20分間分散処理を行った。その後、更に酢酸ノルマルプロピルとイソプロパノールの混合溶剤を30部撹拌混合して組成物S1を得た。
インキR1を酢酸エチル/IPAの混合溶剤(質量比70/30)でザーンカップ#3(離合社製)25℃にて15秒になるように希釈した。その後、上記基材aの蒸着層上にインキR1を、版深30μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機にて印刷し、50℃にて乾燥し、基材1/脱離層(A)/印刷層(B)である積層体L1を得た。
表1に記載の材料および積層構成を用いた以外は実施例1と同様の方法により積層体L2~L4を得た。なお、組成物S1は実施例1におけるインキR1と同様の方法で印刷を行った。
インキR1を酢酸エチル/IPAの混合溶剤(質量比70/30)でザーンカップ#3(離合社製)25℃にて15秒になるように希釈した。その後、上記基材aの蒸着層上にインキR1を、版深30μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機にて印刷し、50℃にて乾燥した。更に、ドライラミネート機を用いて、前記印刷層上にウレタン接着剤(ポリエステル系ウレタン接着剤「東洋モートン社製 TM250HV/CAT-RT86L-60」)を2g/m2で塗布・乾燥して、更に基材eと貼り合せた。これにより基材1/脱離層(A)/印刷層(B)/接着剤層(C)/基材2に相当する積層体を得た。
表1に記載の材料および積層構成を用いた以外は実施例5と同様の方法により積層体L6~L11を得た。
インキR1を酢酸エチル/IPAの混合溶剤(質量比70/30)でザーンカップ#3(離合社製)25℃にて15秒になるように希釈した。その後、上記基材aの蒸着層上にインキR1を、版深30μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機にて印刷し、50℃にて乾燥した。更に、ドライラミネート機を用いて、前記印刷層上にウレタン接着剤(ポリエステル系ウレタン接着剤「東洋モートン社製 TM250HV/CAT-RT86L-60」)を2g/m2で塗布・乾燥して、更にアルミ箔(アルミニウム箔 膜厚7μm)と貼り合せた。更にアルミ箔上に前記ウレタン接着剤を2g/m2で塗布・乾燥して基材eと貼り合せた。これにより基材1/脱離層(A)/印刷層(B)/接着剤層(C)/脱離層(A’)/接着剤層(B’)/基材2に相当する積層体L13を得た。
表2に記載の材料および積層構成を用いた以外は実施例12と同様の方法により積層体L13およびL15を得た。
表3に記載した材料および積層構成を用いた以外は実施例1または実施例5と同様の方法で積層体LL1~LL10を得た。
上記において得られた積層体L1~L15(実施例)および積層体LL1~LL10(比較例)用いて以下に記載の評価を行った。
上記で得られた積層体L1を、1.5cm×1.5cmに切出し、2質量%の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液50gに浸し、70℃にて150rpmで撹拌して脱離層(A)およびその他の層を脱離させて再生基材であるポリエステル基材(基材1)を得た。
更に、積層体L2~L15(実施例)および積層体LL1~LL10(比較例)についても積層体L1と同様に脱離および再生基材の製造を行ったが、脱離条件は表1、表2および表3に記載の塩基性水溶液の濃度および温度にて行った。
上記にける積層体L1~L15(実施例)および積層体LL1~LL10(比較例)を用いた基材の再生工程において、脱離性につき以下の基準にて評価した。
(評価基準)
A(優):撹拌30分以内に印刷層、接着剤層等が100%基材から剥離し、フィルム表面に印刷層等は残っていなかった。
B(良):撹拌30分を超え2時間以内に印刷層、接着剤層等が100%基材から剥離。
C(可):撹拌2時間を超え4時間以内に印刷層、接着剤層等が80%以上100%以下基材から剥離。
D(不可):撹拌4時間を超えて印刷層、接着剤層等が80%未満基材から剥離(20%以上は剥離しない)。
上記においてA、BおよびCは実用上問題がない範囲である。
上記にける積層体L1~L15(実施例)および積層体LL1~LL10(比較例)を用いた基材の再生工程において、再生基材の汚れにつき以下の基準にて評価した。
(評価基準)
A(優):得られた再生基材の総面積のうち、印刷層、接着剤層等に基因する汚れが5面積%未満無い。
B(良):得られた再生基材の総面積のうち、印刷層、接着剤層等に基因する汚れは5面積%以上10面積%未満である。
C(可):得られた再生基材の総面積のうち、印刷層、接着剤層等に基因する汚れは10面積%以上20面積%未満である。
D(不可):得られた再生基材の総面積のうち、印刷層、接着剤層等に基因する汚れは20面積%以上である。
上記においてA、BおよびCは実用上問題がない範囲である。
上記にける積層体L1~L15(実施例)および積層体LL1~LL10(比較例)を用いた基材の再生工程において、再生基材の性状につき以下の基準にて評価した。
(評価基準)
A(優良):再生基材に変色、変形、変質がみられない。
B(可):再生基材にやや変形または変形がみられるが、変質はみられない。
C(不可):再生基材に変形、変色または変質のいずれかが明確にみられる。
D(劣):再生基材に変形または変色が明確にみられ、特に変質が顕著である。
上記においてAおよびBは実用上問題がない範囲である。
Claims (6)
- 積層体を塩基性水溶液に浸漬する工程を含むリサイクル基材製造方法であって、
前記積層体は、プラスチック基材1とプラスチック基材2との間に、脱離層(A)および接着剤層(C)を有してなり、
前記脱離層(A)は、酸化アルミニウムおよび/もしくはシリカからなる蒸着層、または、アルミニウムおよびバインダー樹脂を含有する層であり、
前記接着剤層(C)は、エーテル系ウレタン接着剤および/またはエステル系ウレタン接着剤により形成される層であり、前記塩基性水溶液は、塩基性化合物を塩基性水溶液全体の0.5~10質量%含み、かつ浸漬時の塩基性水溶液の水温は30~120℃である、リサイクル基材製造方法。 - 更に、プラスチック基材1とプラスチック基材2との間に、印刷層(B)を含む、請求項1に記載のリサイクル基材製造方法。
- 脱離層(A)は、プラスチック基材1および/またはプラスチック基材2に接触して配置されてなる、請求項1または2に記載のリサイクル基材製造方法。
- 印刷層(B)は、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ロジン樹脂およびセルロース樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種のバインダー樹脂を含有する、請求項2または3に記載のリサイクル基材製造方法。
- 脱離層(A)は、印刷層(B)または接着剤層(C)に接触して配置されてなる、請求項1~4いずれかに記載のリサイクル基材製造方法。
- 酸化アルミニウムおよび/またはシリカからなる蒸着層の膜厚は、1~400nmである、請求項1~5いずれかに記載のリサイクル基材製造方法。
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