JP7224610B1 - エチケットマスク - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、仮眠時や睡眠時に口が開いても外部から視認されず、圧迫感や息苦しさも低減でき、感染症対策下における周囲への配慮にも寄与するエチケットマスクを提供することである。エチケットマスク2Aは、目の部位(目とその周囲)を覆う上部マスク部4と、上部マスク部4に上端部を縫い付けて取り付けられ、顔における目の部位よりも下側を覆うシルク製の下部マスク部6と、上部マスク部4に設けられ、顔からのエチケットマスク2Aの脱落を阻止する装着部としてのゴムバンド8と、を有している。下部マスク部6は自重で顔を覆っているだけであるので、圧迫感がなく、仮眠中に無意識に口を開けても外部から視認されず、鼻や口が覆われることによってコロナウイルス等の感染症対策が叫ばれている状況下でも周囲への配慮に寄与することができる。

Description

本発明は、仮眠時などに顔の全体を覆うことができるエチケットマスクに関する。
従来、仮眠時や睡眠時における安息性や安眠性を高めるために、遮光性の素材で形成されたアイマスクが利用されている。アイマスクは、文字通り、目とその周囲を覆う形状を有している(例えば、特許文献1参照)。
特許第6860647号公報
この種のアイマスクは、列車や飛行機内、あるいは大衆浴場のレストルーム等で仮眠をとる場合などに用いられるが、眠りの度合いによっては無意識のうちに口を開けた状態となる場合がある。自宅の寝室等では気にする必要はないが、上記のような公共的な場所では気恥ずかしい思いをすることや、他人に不快感を与える可能性があることを否めない。また、近年のようなコロナウイルス感染症への対策が叫ばれている現状下では、アイマスクで覆われない鼻や口からのウイルスの拡散が懸念される。
アイマスクと共に、通常のマスク(鼻及び口を覆うマスク)を着ければ上記の懸念は解消できるが、2つの異なる品物を着けるのは面倒であり、一方を忘れる場合もあり得る。また、いずれも伸縮性の紐等を耳に引っ掛けて使用するため、耳が痛くなったり、人によってはマスクによる圧迫感、息苦しさを感じたりすることも否めない。また、コロナウイルス等の感染症対策が不要となったときの日常においては、口が空いた状態を隠すだけの目的でアイマスクと共に通常のマスクを着けるのは重装備感(大袈裟感)を否めず、それ故、圧迫感、息苦しさを感じやすくなり、アイマスク本来の目的である安息性、安眠性の阻害要因ともなり得る。
また、息苦しい場合等には外気を直接吸ってリフレッシュしたい場合があるが、マスク全体を外したり大きくずらしたりすると周囲に不快感を与えることを否めない。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、仮眠時や睡眠時に口が開いても外部から視認されず、圧迫感や息苦しさも低減でき、感染症対策下における周囲への配慮にも寄与することができるエチケットマスクを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、マスク全体を外したり大きくずらしたりすることなく簡単な操作で部分的に開口して任意のタイミングで外気呼吸ができることとエチケット順守の両立を図ることができるエチケットマスクを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のエチケットマスク(2A~2G)は、顔(14)における目(14a)の部位を覆う上部マスク部(4)と、顔(14)における目(14a)の部位よりも下側を覆う下部マスク部(6)と、上部マスク部(4)と下部マスク部(6)のうち少なくとも一方に設けられ、顔(14)からの脱落を阻止する装着部(8)と、を備えることを特徴とする。
本発明に係るエチケットマスク(2A~2G)によれば、例えば、列車内や飛行機内等の公共的な場所での仮眠中に無意識に口を開けた状態となってもこれを外部から視認されず、気恥ずかしい思いをしたり周囲に不快感を与えたりすることを防止できる。また、コロナウイルス等の感染症対策下における周囲への配慮にも寄与することができる。
また、本発明に係るエチケットマスク(2H~2K)は、下部マスク部(58)が、顔(14)における鼻(14c)の部位及び/又は口(14b)の部位に対応する位置に開口部(64、68)を備え、上部マスク部(18)と下部マスク部(58)のうちいずれか一方に取り付けられ、開口部(64、68)を開閉可能に覆う覆いカバー(62、66、72)を有していることを特徴とする。
本発明に係るエチケットマスク(2H~2K)によれば、息苦しい場合などにマスク全体を外したり大きくずらしたりすることなく覆いカバーを捲るという簡単な操作で部分的に開口して外気呼吸ができるので任意のタイミングで周囲に不快感を与えることなくリフレッシュを図ることができ、捲り上げた覆いカバーを下すという簡単な操作でエチケット順守の状態に戻すことができる。
また、上記のエチケットマスク(2H~2K)では、鼻(14c)の部位に対応する開口部(64)と口(14b)の部位に対応する開口部(68)とを一つの開口部(70)が兼ねるようにしてもよい。これによれば、開口部の形成作業が容易となり、外気呼吸もし易くなる。
また、上記のエチケットマスク(2K)では、覆いカバー(72)が、鼻(14c)の部位に対応する開口部(64)を覆う上側カバー(72A)と、口(14b)の部位に対応する開口部(68)を覆う下側カバー(72B)とからなる構成としてもよい。これによれば、鼻で外気呼吸する場合と口で外気呼吸する場合とで覆いカバーを使い分けることができ、効率的な使用態様とすることができる。
また、上記のエチケットマスク(2K)では、下側カバー(72B)は、上側カバー(72A)よりも顔の縦方向に長く、上側カバー(72A)の下面に重ねて配置され、鼻(14c)の部位に対応する開口部(64)に重なる重ね開口部(74)を備えていてもよい。これによれば、鼻で外気呼吸する場合には捲り量を少なくすることができる。
また、上記のエチケットマスク(2H~2K)では、覆いカバー(62、66、72)が着脱自在に取り付けられていてもよい。これによれば、鼻で外気呼吸する場合や口で外気呼吸する場合の状態を任意に維持することができる。
また、上記のエチケットマスク(2A~2K)では、下部マスク部(20)が上部マスク部(18)に着脱自在に取り付けられていてもよい。これによれば、下部マスク部が汚れた場合や自分の好みの色や柄のものに替えたい場合などに容易に交換することができる。
また、上記のエチケットマスク(2A~2K)では、下部マスク部(6)が、顔(14)の凹凸の変化に応じて変形する軟らかい生地で形成されていてもよい。これによれば、顔に載せるだけで顔の表面に自重でフィットするので、外部からの視認を防止する機能が容易に得られ、呼吸の漏れに対する周囲に対する配慮の機能も十分に得られる。
また、上記のエチケットマスク(2A~2K)では、下部マスク部(30)の周縁の少なくとも一部分にギャザー(32)が施され、下部マスク部(30)が顔の外側に凸となる湾曲形状を有していてもよい。これによれば、エチケットマスクの装着時の圧迫感や息苦しさが軽減され、呼吸もしやすい。
また、上記のエチケットマスク(2A~2K)では、下部マスク部(20)が、顔(14)の縦方向に引っ張ることにより顔(14)の外側に凸となる湾曲形状を呈する蛇腹折り構成(26)を有していてもよい。これによれば、使用前は平坦で保管や取り扱い性に優れ、かつ、簡単な引っ張り操作で圧迫感や息苦しさが軽減されて呼吸もしやすい湾曲形状にすることができる。また、使用後は畳むことにより簡単に元の平坦形状に戻すことができる。
また、上記のエチケットマスク(2A~2K)では、上部マスク部(44)と下部マスク部(46)が同一素材で一連に形成され、下部マスク部(46)が、顔(14)の縦方向に引っ張ることにより顔(14)の外側に凸となる湾曲形状を呈する蛇腹折り構成(48)を有していてもよい。これによれば、2つの機能を1つの素材で得ることができ、製造コストの低減を図ることができる。また、エチケットマスク(2)のほぼ全体を平坦な形状とすることができ、保管や流通での省スペース化を実現できる。
また、上記のエチケットマスク(2A~2K)では、下部マスク部(52)が顔及び首回りに装着する筒状に形成されていてもよい。これによれば、仮眠中などに首筋が冷えることを防止することができる。
また、上記のエチケットマスク(2A~2K)では、装着部が、下部マスク部(52)の両側に開けた耳掛け用の穴(54)であってもよい。これによれば、ゴムバンド(8)等を設ける場合に比べて構成が簡単で使用者に対する締め付け感もほとんどなく、耳の痛みもなく、安息性、安眠性を向上させることができる。
また、上記のエチケットマスク(2A~2K)では、上部マスク部(4)と下部マスク部(6)のいずれか一方に耳栓(9)が一体に設けられていてもよい。これによれば、周囲の雑音を低減した状態で安息性、安眠性を向上させることができ、また、耳栓を外した後の保管を気にする必要もない。
また、本発明のエチケットマスク(2A~2K)は、顔における目の部位を覆う上部マスク部(44)と、上部マスク部(44)の下側に該上部マスク部(44)と一体に設けられ、顔における目の部位よりも下側を覆う下部マスク部(46)と、上部マスク部(44)と下部マスク部(46)のうち少なくとも一方に設けられ、顔からの脱落を阻止する装着部(8)と、を備え、上部マスク部(44)と下部マスク部(46)が同一素材で一連に形成されており、下部マスク部(46)が、顔の縦方向に引っ張ることにより顔の外側に凸となる湾曲形状を呈する蛇腹折り構成(48)を有していてもよい。これによれば、製造が容易となる。
また、本発明のエチケットマスク(2)は、上部マスク部(44)における目(14a)の部位に対応する位置と下部マスク部(46)における口(14b)及びその周囲に対応する位置とにそれぞれ設けられたスリット状の開口部(47,49)を備えていてもよい。
この構成によれば、上部マスク部に開口部が設けられていることで、当該開口部によって視界を確保できるので、エチケットマスクを装着したまま農作業などを行うことができる。また、下部マスク部に開口部が設けられていることで、農作業の合間などに休憩をする際、エチケットマスクを装着したまま飲み物を飲んだり軽食を食べたりすることができる。また、開口部を介して装着者の話し声が外へ聞こえ易くなるという効果もある。
本発明によれば、仮眠や睡眠中に口が開いても外部から視認されず、圧迫感や息苦しさも低減でき、感染症対策下における周囲への配慮にも寄与することができる。また、マスク全体を外したり大きくずらしたりすることなく簡単な操作で部分的に開口して任意のタイミングで外気呼吸ができることとエチケット順守の両立を図ることができる。
本発明の第1実施形態に係るエチケットマスクを示す図で、図1Aは正面図、図1Bは背面図である。 図1で示したエチケットマスクの使用状態を示す側面図である。 第2実施形態に係るエチケットマスクを示す正面図である。 図2で示したエチケットマスクの分解斜視図である。 図2で示したエチケットマスクの使用状態を示す側面図である。 第3実施形態に係るエチケットマスクを示す図で、図6Aは正面図、図6Bは背面図である。 第4実施形態に係るエチケットマスクを示す図で、図7Aは正面図、図7Bは背面図である。 第5実施形態に係るエチケットマスクを示す図で、図8Aは正面図、図8Bは背面図である。 図8で示したエチケットマスクの使用状態を示す側面図である。 第6実施形態に係るエチケットマスクを示す斜視図である。 図10で示したエチケットマスクの使用状態を示す側面図である。 第7実施形態に係るエチケットマスクを示す斜視図である。 図12で示したエチケットマスクの使用状態を示す側面図である。 第8実施形態に係るエチケットマスクを示す図で、図14Aは正面図、図14Bは覆いカバーを捲った状態の正面図である。 図14で示したエチケットマスクの使用状態を示す概要断面図である。 第9実施形態に係るエチケットマスクを示す図で、覆いカバーを捲った状態の正面図である。 図16で示したエチケットマスクの使用状態を示す概要断面図である。 第10実施形態に係るエチケットマスクの使用状態を示す図で、覆いカバーを捲らない状態の概要断面図である。 第11実施形態に係るエチケットマスクの正面図である。 図19で示したエチケットマスクを示す正面図で、図20Aは上側カバーを捲った状態を示す図、図20Bは下側カバーを捲った状態を示す図である。 図19で示したエチケットマスクの使用状態を示す概要断面図で、覆いカバーを捲らない状態を示す図である。 図19で示したエチケットマスクの使用状態を示す概要断面図で、上側カバーを取り外した状態を示す図である。 本実施形態に係る各エチケットマスクの持ち運びに便利なポーチの一例を示す斜視図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1及び図2を参照して第1実施形態を説明する。図1Aは本発明の第1実施形態に係るエチケットマスク2Aの正面図、図1Bは背面図である。エチケットマスク2Aは、顔14における目14aの部位(目とその周囲)を覆う上部マスク部4と、上部マスク部4に取り付けられ、顔における目の部位よりも下側を覆う下部マスク部6と、上部マスク部4に設けられ、顔からのエチケットマスク2Aの脱落を阻止する装着部としてのゴムバンド8と、下部マスク部6の上端部の両側に柔軟性を有する紐7を介して一体に取り付けられた耳栓9と、を有している。
上部マスク部4は、合成スポンジ等の柔軟性を有する遮光性の素材で形成されており、図1Bに示すように、裏面の目の部位に対応する部分には、目に当たらないように円形状の窪み4aが形成されている。ゴムバンド8はその両端部を上部マスク部4の裏面の両サイドに縫い留めされており、図1Aにおける符号4bはゴムバンド8の縫い留め部を示している。下部マスク部6は顔の表面側における目の部位よりも下側を余裕で覆う面積を有し、顔の凹凸の変化に応じて変形するシルク生地などの軟らかく肌触りの良い生地で形成されている。下部マスク部6は、顔の縦方向(矢印Z方向)における上端側(矢印Z1側)を上部マスク部4の裏面の下端に縫い付けることにより上部マスク部4に取り付けられている。また、下部マスク部6は、上部マスク部4の横幅wよりも大きい横幅を有しており、シワを形成するように詰めて縫い付けられている。すなわち、一部分(上端側)にギャザー5が施されている。下部マスク部6の周縁は上端側を除いて自由端縁となっており、エチケットマスク2Aを持ち上げた状態では、垂れ下がってシワ(襞、ドレープの概念を含む)6aがランダムに複数形成される。
図2は、エチケットマスク2Aの使用状態を示しており、新幹線など列車の車内や飛行機の機内等で背もたれ10を倒してリクライニング状態で仮眠をとる場面での例である。ゴムバンド8を頭部12に嵌めてエチケットマスク2Aを目14aの部位を覆うように着けると、軟らかくて肌触りの良いシルク生地の下部マスク部6が顔14の目14aの部位よりも下側を顔14の凹凸の変形に応じて変形し、自重で垂れた状態で覆う。
これにより、仮眠中に無意識に口14bを開けても外部(他の客)から視認されることがないので気恥ずかしい思いをすることもない。また、下部マスク部6はその生地の軟らかさにより顔14の表面に自重でフィットするので、コロナウイルス対策が叫ばれている状況下では、口14bや鼻14cからのウイルス拡散の懸念も抑制され、社会的エチケットの順守(周囲への配慮)にも寄与することができる。下部マスク部6自体は顔14に対するゴムヒモ等の装着部を有さずに自重によって顔14を覆うだけであるので、通常のマスクのようなゴム弾性力や紐の締め付け力を介した圧迫感や息苦しさはなく、肌荒れの要因となる顔14の表面に対する擦れも少ない。特に本実施形態では、下部マスク部6の上端側にギャザー5を施しているので、軟らかくて肌触りのよい生地でありながらもシワ6aの存在によって口14bや鼻14cに対応する部位に顔14の外側に凸となる隙間が形成されやすく、息苦しさを一層軽減できる利点を有している。また、耳16の穴に耳栓9をすることにより、周囲の雑音を遮断でき、安息性を高めることができる。耳栓9は下部マスク部6に紐7で一体に取り付けられているので置き忘れたりすることがなく、使用しない場合もその所在を気にする必要がない。
下部マスク部6の材質としてはシルク等の軟らかい生地に限定されず、外部からの視認を妨げることができる範囲で一般的な布地を採用してもよい。肌触りのよい軟らかい生地としては、シルクの他にベルベット(ビロード)やベロア等を採用することができる。これらは高級感があり、機内等の非日常的な場所での使用でも違和感がない。上部マスク部4と下部マスク部6は一体に構成されているので、アイマスクと通常のマスクを同時に着ける場合に比べて、重装備感がなく、下部マスク部6の材質や形状、色合いが加味されることによって、むしろファッション性を向上させることができる。また、いずれか一方を置き忘れるという心配もない。
[第2実施形態]
図3乃至図5を参照して第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同一部分は同一符号で示し、それらについての再度の構成上及び機能上の説明は適宜省略する(以下の他の実施形態おいて同じ)。
図3は本実施形態に係るエチケットマスク2Bの正面図である。エチケットマスク2Bは、合成樹脂で形成された柔軟性を有する薄肉の上部マスク部18と、上部マスク部18の表面側に上端部を着脱自在に取り付けられた下部マスク部20と、上部マスク部18に設けられ、顔14からのエチケットマスク2Bの脱落を阻止する装着部としてのゴムバンド22(図4参照)と、上部マスク部18の上端部の両側に柔軟性を有する紐7を介して一体に取り付けられた耳栓9と、を有している。上部マスク部18の目14aの部位に対応する部分には、顔14の外側に凸となる窪みが形成されている。下部マスク部20は通常の布地で矩形に形成されており、周縁は二重以上に折って縫われており、一重の場合よりも剛性(保形性)が高められている。特に両側の縦縁20aは三重以上に折って剛性を高め、顔14の縦方向における枠機能を持たせている。
図4に示すように、上部マスク部18の表面側には横幅方向全体に亘ってテープ状(帯状)の面状ファスナ24Aが固定されており、下部マスク部20の上端部の裏面には面状ファスナ24Aに係合するテープ状の面状ファスナ24Bが固定されている。これにより、下部マスク部20は上部マスク部18に対して着脱自在となっている。ゴムバンド22は、一端がそれぞれ上部マスク部18に固定された2つのバンド22a、22bからなり、各バンド22a、22bの自由端部は不図示の面状ファスナで互いに任意の位置で固定できるようになっている。自由端部間の固定位置をずらすことにより頭部12に対するゴムバンド22の締め付け力を調整することができる。
下部マスク部20の下半部は、顔14の縦方向(下方向すなわち図1のZ2方向)に引っ張ることにより顔14の外側に凸となる湾曲形状を呈する蛇腹折り構成26を有している。横プリーツタイプとも言うべき蛇腹折り構成26は複数(ここでは5つ)の折り目26aを有しており、下部マスク部20自体は引っ張らない状態では平坦な矩形形状となっている。
図5はエチケットマスク2Bの使用状態を示している。ゴムバンド22を頭部12に嵌めてエチケットマスク2Bを目14aの部位を覆うように着け、下部マスク部20の下端部を指で摘んで下側に引っ張ると、プリーツタイプのマスクの場合と同様に、蛇腹折り構成26が拡がって、顔14の外側に凸となる湾曲形状となる。折り目26aを付けたことによる剛性と周縁の重ね縫いによる剛性とが相まって、下部マスク部20は鼻14cや口14bに対応する部位に空間(隙間)を形成する湾曲形状に保たれる。下部マスク部20は上部マスク部18で上端側を支持されているだけであるので、ゴム弾性や紐の締め付け力を介した圧迫感や息苦しさはない。シルク等の軟らかい生地と異なり、口14bや鼻14cの回りに広い空間が確実に形成されるので、圧迫感や息苦しさが一層軽減され、呼吸もしやすい。使用後は拡がった蛇腹折り構成26を畳むことにより元の平坦形状に戻すことができる。
本実施形態では下部マスク部20が上部マスク部18に着脱自在に設けられているので、汚れた場合や、柄や色あいの好みによる交換が容易にできる利点を有している。また、下部マスク部20のみを取り外して洗濯することもでき、さらに平坦な形状であるために複数枚を積載(平積み)してストックするコンパクトな保管容易性も有している。
[第3実施形態]
図6を参照して第3実施形態を説明する。図6Aは本実施形態に係るエチケットマスク2Cの正面図、図6Bは背面図である。エチケットマスク2Cは、合成スポンジ等で形成された上部マスク部28と、上部マスク部28に取り付けられ、顔14における目14aの部位よりも下側を覆う下部マスク部30と、上部マスク部28に設けられ、顔14からのエチケットマスク2Cの脱落を阻止する装着部としてのゴムバンド8と、上部マスク部20の両端に紐7を介して一体に取り付けられた耳栓9と、を有している。
下部マスク部30はその上端側を上部マスク部20の表面側の下端部に縫い付けて取り付けられている。下部マスク部30の上端側の中央部や、上端側を除く部分の両側にはギャザー32が施されている。すなわち、下部マスク部30の周縁の少なくとも一部分にギャザー32が施されており、これにより使用前の状態で、下部マスク部30は顔14の外側に凸となる湾曲形状を有している。下部マスク部30は薄手の布地で形成されているが、ギャザー32によって顔14の外側に凸となる湾曲形状を維持できる保形性を有している。顎の下側に入りやすくするために下部マスク部30の下側30aにはギャザー32は施されていない。したがって、第2実施形態で示した蛇腹折り構成26を引っ張って拡げる操作を要することなく、エチケットマスク2Cを着けると同時に顔14は膨らんだ状態の下部マスク部30で覆われ、圧迫感や息苦しさが軽減され、呼吸もしやすい。
[第4実施形態]
図7を参照して第4実施形態を説明する。図7Aは本実施形態に係るエチケットマスク2Dの正面図、図7Bは背面図である。エチケットマスク2Dは、合成繊維で形成された柔軟性を有する上部マスク部34と、上部マスク部34に取り付けられ、顔14における目14aの部位よりも下側を覆う下部マスク部36と、上部マスク部34に設けられ、顔14からのエチケットマスク2Dの脱落を阻止する装着部としてのゴムバンド8と、上部マスク部34の上端部の両側に柔軟性を有する紐7を介して一体に取り付けられた耳栓9と、を有している。
上部マスク部34は、複数層からなるクッション性の本体部の周囲を縁取りした構成を有し、目14aの部位に対応する部分に凹部は有していないものの、その軟らかさによってソフトな当たりが得られるようになっている。下部マスク部36は、第2実施形態における下部マスク部20と同様に蛇腹折り構成38を有しているが、上端側はギャザー40を施して上部マスク部34の下端部に縫い付けられており、両側の縦縁36aにも一詰めのギャザー42が施されている。これにより、顔14を覆う湾曲形状が形成されやすくなっている。図7において、符号38aは蛇腹折り構成38の折り目を示している。
[第5実施形態]
図8及び図9を参照して第5実施形態を説明する。図8Aは本実施形態に係るエチケットマスク2Eの正面図、図8Bは背面図である。エチケットマスク2Eは、顔における額及び目の部位を覆う布製の上部マスク部44と、上部マスク部44と同一素材で一連に形成され、顔14における目14aの部位よりも下側を覆う下部マスク部46と、上部マスク部44に設けられ、顔14からのエチケットマスク2Eの脱落を阻止する装着部としてのゴムバンド8と、上部マスク部44の上端部の両側に柔軟性を有する紐7を介して一体に取り付けられた耳栓9と、を有している。
上部マスク部44は、第1~第4実施形態の上部マスクと比較して、縦方向の寸法がより長い寸法となっている。これにより、上部マスク部44は、顔14における目14aの部位(目の周囲)だけでなく、額のほぼ全体(頭髪の生え際まで)を覆うことができるようになっている。また、下部マスク部46には、複数の折り目48aを有する蛇腹折り構成48が形成されている。図9はエチケットマスク2Eの使用状態を示している。本実施形態では、1つの布生地を重ね折りしたり折り目を付けたりすることで上部マスク部44と下部マスク部46を一連(一体)に形成することができ、作製効率の向上とコスト低下を実現できる。また、未使用時は平坦形状となるため、コンパクトな保管容易性が得られ、流通過程における省スペース化も図れる。
[第6実施形態]
図10及び図11を参照して第6実施形態を説明する。
上記各実施形態では、目14aの部位は上部マスク部4等により完全に遮光され、口14bの部位は下部マスク部6等により略密閉されている。場合によってはエチケットマスク2A等を外さずに周囲の状況を見たいときもあり、息苦しくなった場合には外気を直接口14bや鼻14cで吸いたいときもある。本実施形態はこのような要望に応えるものである。
図10Aは本実施形態に係るエチケットマスク2Fの正面図、図10Bは背面図である。本実施形態のエチケットマスク2Fは、第5実施形態のエチケットマスク2Eにおいてさらに、上部マスク部44における目14aの部位に対応する位置にスリット状の開口部47を設けると共に、下部マスク部46における口14b及びその周囲に対応する位置にスリット状の開口部49を設けている。その他の構成は、第5実施形態のエチケットマスク2Eと同じである。
図11はエチケットマスク2Fの使用状態を示している。本実施形態のエチケットマスク2Fは、農作業の際などに装着することで顔の日焼けを防止することにも転用できる。その場合、上部マスク部44に開口部47が設けられていることで、当該開口部47によって視界を確保できるので、エチケットマスク2Fを装着したまま農作業などを行うことができる。また、下部マスク部46に開口部49が設けられていることで、農作業の合間などに休憩をする際、エチケットマスク2Fを装着したまま飲み物を飲んだり軽食を食べたりすることができる。また、開口部49を介して装着者の話し声が外へ聞こえ易くなるという効果もある。
[第7実施形態]
図12及び図13を参照して第7実施形態を説明する。上記各実施形態では下部マスク部が顔14の前面側のみを覆う構成であったが、本実施形態では顔14の側部を含めた首回り全体を覆う構成を特徴としている。図12は本実施形態に係るエチケットマスク2Gの斜視図である。エチケットマスク2Gは、合成スポンジ製の上部マスク部50と、上端側を上部マスク部50の表面側の下端部に着脱自在に取り付けられた筒状の下部マスク部52と、下部マスク部52の両側に開けた、装着部としての耳掛け用の穴54と、上部マスク部50の上端部の両側に柔軟性を有する紐7を介して一体に取り付けられた耳栓9と、を有している。
上部マスク部50は、第1~第4実施形態の上部マスクと比較して、縦方向の寸法がより長い寸法となっている。これにより、上部マスク部50は、顔14における目14aの部位(目の周囲)だけでなく、額のほぼ全体(頭髪の生え際まで)を覆うことができるようになっている。また、下部マスク部52は第1実施形態と同様にシルク生地など肌触りの良い生地で形成されており、少なくとも表面側中央と両側の3箇所で面状ファスナ56及びこれに係合する不図示の面状ファスナにより着脱自在に取り付けられている。図13はエチケットマスク2Gの使用状態を示している。エチケットマスク2Gを顔に着ける場合には、下部マスク部52に頭部12を挿入し、穴54に耳16を通して引っ掛ける。上記各実施形態のように装着部として上部マスク部50にゴムバンド等を設ける構成としてもよいが、耳掛け用の穴54を設けることにより、締め付け感のない自然な装着感を得ることができる。また、下部マスク部52が顔及び首を覆う筒状であるために、冬場や冷房下の夏場等における仮眠中や睡眠中での首筋の冷えを防止する利点を有している。
また、本実施形態のエチケットマスク2Gは、下部マスク部52を上部マスク部50から分離して(取り外して)、下部マスク部52を単体で使用することも可能である。この場合の下部マスク部52は、屋外での日除け用や防寒用に用いることができる。すなわち、農作業の際などに下部マスク部52のみを顔及び首回りに装着することで、顔や首回りの日除けを防止するための着衣として用いることや、冬季の防寒用の着衣として用いることができる。また、下部マスク部52を単体で使用する場合は、スカーフやネックウォーマーの様な外出時のファッション用の着衣として用いることもできる。
[第8実施形態]
図14及び図15を参照して第8実施形態を説明する。先の第6実施形態では、下部マスク部46にスリット状の開口部49を設ける構成としたが、開口状態がそのまま維持されることによるデメリットも否めない。すなわち、顔14の表情までは外部から視認できないものの、開口部49から口14bの開き状態を把握することは可能であり、着用している場所やシチュエーションによっては、そのことで周囲に不快感を与えるおそれがある。感染症対策下ではなおさらである。本実施形態ではこのような問題を解消すべく、息苦しいときに外気を直接吸うことができるとともに、周囲に不快感を与えないエチケット順守の状態に任意に戻すことができるようにすることを目的としている。
図14Aに示すように、本実施形態に係るエチケットマスク2Hは、合成樹脂材や布材で形成された柔軟性を有する薄肉の上部マスク部18と、上端側が上部マスク部18の表面側に縫い付け又は面状ファスナでの接合により取り付けられた下部マスク部58と、上端側が下部マスク部58の上端にギャザー60を施して縫い付けられた覆いカバー62と、上部マスク部18に設けられ、顔14からのエチケットマスク2Hの脱落を阻止する装着部としてのゴムバンド22と、を有している。下部マスク部58と覆いカバー62は、顔14の凹凸の変化に応じて変形する軟らかい生地で形成されている。なお、本実施形態及びこれ以下の実施形態では、耳栓9は設けていないが、適宜、耳栓9を備えることも可能である。
図14Bは、覆いカバー62を顔14の縦方向上方に捲った状態を示している。同図から明らかなように、下部マスク部58は顔14における鼻の部位14cに対応する位置に鼻14cを露出可能な大きさの開口部64を備えている。覆いカバー62を下すと、図14Aに示すように、開口部64は覆いカバー62で覆われて外部からは見えなくなる。すなわち、覆いカバー62は開口部64を開閉可能に覆っている。本実施形態では女性用として覆いカバー62をフリル付きとしているが、男性用の場合には例えばフリル無しでダーク系色のシンプルなものとすることができる。
図15はエチケットマスク2Hの使用状態を示している。図15に示すように、開口部64は覆いカバー62で覆われており、覆いカバー62を下した状態では、下部マスク部58に開口部64が形成されていない場合とほぼ変わりがない状態となっている。この状態から使用者が必要に応じて、例えば息苦しくなった場合に覆いカバー62を上方に捲ると、開口部64が外部に露出し、鼻14cで直接外気を吸うことができるようになる。覆いカバー62を下すと、周囲に不快感を与えない状態(エチケット順守の状態)に戻る。このように、覆いカバー62の上げ下げという簡単な操作で使用者の外気呼吸がしたいという要求を満たすこととエチケット順守の両立を図ることができる。下部マスク部58全体を捲り上げて外気を吸う場合に比べて、覆いカバー64のみの部分的な捲りで且つ一時的なものであるので、周囲にもほとんど不快感は与えない。なお、下部マスク部58と覆いカバー62は共に薄手の布地であるが、分り易くするために、断面表示の厚みを誇張表示している(以下の他の実施形態の図において同様)。
覆いカバー62が柔らかすぎて捲り上げてもずり落ちる場合には、外気を吸う間手で支えてもよく、薄手でコシのある布地を使ってずり落ちを防止するようにしてもよい。
[第9実施形態]
図16及び図17を参照して第9実施形態を説明する。図16は覆いカバー66を顔14の縦方向上方に捲った状態を示している。本実施形態に係るエチケットマスク2Iは、下部マスク部58に口14bの部位に対応する位置に開口部68を備えている。構成は第8実施形態と基本的に同じで、開口部68が口14bの部位に対応する位置に設けられている点、それに伴って覆いカバー66の顔14の縦方向の長さが大きい点が異なる。
図17はエチケットマスク2Iの使用状態を示している。図17に示すように、開口部68は覆いカバー66で覆われており、下部マスク部58に開口部68が形成されていない場合とほぼ変わりがない状態となっている。この状態から使用者が必要に応じて、例えば息苦しくなった場合に覆いカバー66を上方に捲ると、開口部68が外部に露出し、口14bで直接外気を吸うことができるようになる。覆いカバー66を下すと、周囲に不快感を与えない状態(エチケット順守の状態)に戻る。
なお、図示するもの以外にも、下部マスク部58が鼻の部位14cに対応する開口部64と口14bの部位に対応する開口部68の両方を備え、覆いカバー66で開閉する構成としてもよい。この場合には、口14bと鼻14cで同時に外気を吸うことができる。
[第10実施形態]
図18を参照して第10実施形態を説明する。本実施形態に係るエチケットマスク2Jでは、下部マスク部58は、鼻14cの部位に対応する開口部64(図15参照)と口14bの部位に対応する開口部68(図17参照)とを兼ねる一つの開口部70を備えている。開口部70は覆いカバー66で覆われており、覆いカバー66を上方に捲り上げると開口部70が外部に露出し、口14bと鼻14cで外気を吸うことができる。鼻14cの部位に対応する開口部64と口14bの部位に対応する開口部60とを個別に形成する場合に比べて作製が容易となる。
[第11実施形態]
図19乃至図22を参照して第11実施形態を説明する。図19に示すように、本実施形態に係るエチケットマスク2Kでは、覆いカバー72が、鼻14cの部位に対応する開口部64を覆う上側カバー72Aと、口14bの部位に対応する開口部68を覆う下側カバー72Bとからなることを特徴とする。下側カバー72Bは、上側カバー72Aよりも顔14の縦方向に長く、上側カバー72Aの下面に重ねて配置されている。図20Aは上側カバー72Aを捲り上げた状態を、図20Bはその状態からさらに下側カバー72Bを捲り上げた状態を示している。上側カバー72Aを捲ると鼻14cの部位に対応する開口部64が外部に露出し、下側カバー72Bを捲ると口14bの部位に対応する開口部68が外部に露出するとともに、鼻14cの部位に対応する開口部64が外部に露出する。
図21はエチケットマスク2Kの使用状態を示している。上側カバー72Aは不図示の面状ファスナによってその上端部を上部マスク部18に着脱自在に取り付けられている。図21に示す状態から、上側カバー72Aを捲り上げると、鼻14cで外気を吸うことができるようになる。下側カバー72Bは、鼻14cの部位に対応する開口部64に重なる重ね開口部74を備えている。これにより、下側カバー72Bを捲り上げない状態でも開口部64の鼻14cで外気を吸うための開口機能は妨げられない。
また、上側カバー72Aを捲り上げた状態から、さらに下側カバー72Bを捲り上げると、口14bの部位に対応する開口部68が外部に露出し、口14bと鼻14cの両方で外気を吸うことができる状態となる。使用者が鼻14cだけで外気を吸いたい場合には上側カバー72Aのみを捲り上げればよく、口14bと鼻14cの両方で外気を吸いたい場合には下側カバー72Bを捲り上げればよい。勿論、下側カバー72Bを口14bの部位に対応する開口部68が外部に露出する途中位置まで捲り上げる使用方法でもよい。上側カバー72Aと下側カバー72Bの顔14の縦方向の長さを同等とし、個別に開閉する構成としてもよい。
図22に示すように、鼻14cによる外気呼吸を続けたい場合には、上側カバー72Aを上部マスク部18から取り外すようにしてもよい。さらには、下側カバー72Bを下部マスク部58に面状ファスナ等により着脱自在に取り付け、下側カバー72Bも取り外して口14bと鼻14cによる外気呼吸ができる状態を維持するようにしてもよい。さらに、下部マスク部58を上部マスク部18に面状ファスナ等により着脱自在に取り付け、下部マスク部58及び覆いカバー72を纏めて取り外すことができるようにしてもよい。なお、図示は省略するが、予め下部マスク部58にも顔に装着するためのバンドを取り付けておけば、上部マスク部18から取り外した下部マスク部58及び覆いカバー72のみを顔に装着して使用することも可能となる。
第8~第11実施形態の構成において、装着部や上部マスク部、下部マスク部の構成に第1から第7実施形態の構成を適宜採用してもよい。なお、第8~第11実施形態のエチケットマスク2H~2Kは、既述のように、耳栓9が付随していない構成を説明したが、これら第8~第11実施形態のエチケットマスク2H~2Kについては、後述するポーチ76を収納袋として使用することで、別部品である耳栓90をこのポーチ76に収納して携帯することが可能である。
図23は、特に、第8~第11実施形態に係るエチケットマスク(2H~2K)を持ち運びするのに便利なポーチ76を示している。同図に示すように、ファスナ78で開閉するポーチ76は、内部に仕切り80が設けられており、2つのエチケットマスクを区画して収容できる収容部76a、76bを有している。仕切り80は、2枚の生地を重ねて縫い合わせた構成を有しており、中央部には耳栓90を入れるポケット80aが形成されている。このポーチ76によれば、色違いや構成の違いなど2つの異なるエチケットマスクを折り畳んで収容することができるので、使用場所や状況に応じてエチケットマスクを使い分けることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、上部マスク部に対する下部マスク部の固定は縫い付けに限らず、それ以外にも、スナップやボタンなどによる取り付けや、接着材等による貼り付けなどでもよい。また、第2の実施形態で示した上部マスク部に対する下部マスク部の着脱構成は、第2の実施形態に限らず全ての実施形態で採用してもよい。また、この着脱構成は、面状ファスナに限らず、スナップ、ボタン、クリップなど種々のものを採用できる。面状ファスナによる着脱構成の場合には、下部マスク部の生地の種類によってはパイル等を利用して生地そのものを一方の面状ファスナとして機能させてもよい。上記の各実施形態では上部マスク部や下部マスク部において特定の材質を例示したが、これに限定されず、種々の素材を用いることができる。ゴムバンドや耳掛け紐等の装着部は上部マスク部と下部マスク部の双方に設けて、状況に応じて使い分けるようにしてもよい。第2実施形態で示した位置調整可能なゴムバンド22は、他の実施形態でもゴムバンド8に代えて採用することができる。また、下部マスク部と覆いカバーとの色を変えてもよいし、同系色でグラデーションを付けることによりデザイン性を向上させるなどしてもよい。

Claims (5)

  1. 顔における目の部位を覆う上部マスク部と、
    顔における目の部位よりも下側を覆う下部マスク部と、
    前記上部マスク部と前記下部マスク部のうち少なくとも一方に設けられ、顔からの脱落を阻止する装着部と、を備え、
    前記下部マスク部が、顔における鼻の部位及び口の部位に対応する位置に、少なくとも1つの穴状の開口部を備え、
    前記上部マスク部と前記下部マスク部のうちいずれか一方に取り付けられ、少なくとも前記開口部を開閉可能に覆う覆いカバーを有し、
    前記覆いカバーが、前記開口部における前記鼻の部位に対応する部分を覆う上側カバーと、前記開口部における前記口の部位に対応する部分を覆う下側カバーとからなり、
    前記下側カバーは、前記上側カバーよりも顔の縦方向に長く、前記上側カバーの下面に重ねて配置され、前記開口部における前記鼻の部位に対応する前記部分に重なる穴状の重ね開口部を備える
    ことを特徴とするエチケットマスク。
  2. 前記下部マスク部は、顔における鼻及び口の両部位に対応する一つの穴状の開口部を備え、
    前記開口部は、前記鼻の部位に対応する前記部分と、前記口の部位に対応する前記部分と、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエチケットマスク。
  3. 前記下部マスク部は、顔における鼻の部位及び口の部位のそれぞれに対応する別々の穴状の開口部を備え、
    鼻の部位に対応する前記開口部は、前記鼻の部位に対応する前記部分を有し、
    口の部位に対応する前記開口部は、前記口の部位に対応する前記部分を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエチケットマスク。
  4. 前記覆いカバーが、前記下部マスク部に着脱自在に取り付けられているか、又は、前記下部マスク部が前記上部マスク部に着脱自在に取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエチケットマスク。
  5. 前記下部マスク部が、顔の凹凸の変化に応じて変形する軟らかい生地で形成されており、かつ、顔の縦方向に引っ張ることにより顔の外側に凸となる湾曲形状を呈する蛇腹折り構成を有している
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエチケットマスク。
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