JP7224068B2 - ピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の疎水性表面を有する5000系アルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法 - Google Patents

ピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の疎水性表面を有する5000系アルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7224068B2
JP7224068B2 JP2021561590A JP2021561590A JP7224068B2 JP 7224068 B2 JP7224068 B2 JP 7224068B2 JP 2021561590 A JP2021561590 A JP 2021561590A JP 2021561590 A JP2021561590 A JP 2021561590A JP 7224068 B2 JP7224068 B2 JP 7224068B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum alloy
anodized
anodizing
pore
anodized film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021561590A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022524167A (ja
Inventor
ジョン,チャンヨン
Original Assignee
ドン-ウィ ユニバーシティ インダストリアル-アカデミック コオペレーション ファウンデーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ドン-ウィ ユニバーシティ インダストリアル-アカデミック コオペレーション ファウンデーション filed Critical ドン-ウィ ユニバーシティ インダストリアル-アカデミック コオペレーション ファウンデーション
Publication of JP2022524167A publication Critical patent/JP2022524167A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7224068B2 publication Critical patent/JP7224068B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
    • C25D11/02Anodisation
    • C25D11/04Anodisation of aluminium or alloys based thereon
    • C25D11/18After-treatment, e.g. pore-sealing
    • C25D11/24Chemical after-treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
    • C25D11/02Anodisation
    • C25D11/04Anodisation of aluminium or alloys based thereon
    • C25D11/12Anodising more than once, e.g. in different baths
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K13/00Etching, surface-brightening or pickling compositions
    • C09K13/04Etching, surface-brightening or pickling compositions containing an inorganic acid
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
    • C25D11/02Anodisation
    • C25D11/022Anodisation on selected surface areas
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
    • C25D11/02Anodisation
    • C25D11/024Anodisation under pulsed or modulated current or potential
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
    • C25D11/02Anodisation
    • C25D11/04Anodisation of aluminium or alloys based thereon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
    • C25D11/02Anodisation
    • C25D11/04Anodisation of aluminium or alloys based thereon
    • C25D11/06Anodisation of aluminium or alloys based thereon characterised by the electrolytes used
    • C25D11/08Anodisation of aluminium or alloys based thereon characterised by the electrolytes used containing inorganic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
    • C25D11/02Anodisation
    • C25D11/04Anodisation of aluminium or alloys based thereon
    • C25D11/16Pretreatment, e.g. desmutting
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25FPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC REMOVAL OF MATERIALS FROM OBJECTS; APPARATUS THEREFOR
    • C25F3/00Electrolytic etching or polishing
    • C25F3/16Polishing
    • C25F3/18Polishing of light metals
    • C25F3/20Polishing of light metals of aluminium

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

特許法第30条第2項適用 学会(平成30年11月14日に開催、2018年度韓国表面工学会秋季学術大会、開催場所:韓国慶北慶州市ドリームセンター) 論文集(平成30年11月14日、2018年度韓国表面工学会 秋季学術大会論文集)
本発明は、超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法、並びにこれを用いて製造された超疎水性表面を有する陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム合金に関する。
また、本研究は、科学技術情報通信部及び情報通信企画評価院の地域知能化革新人材育成(Grand ICT研究センター)事業の研究結果として行われたものである(IITP-2021-2020-0-01791)。
規則的な六角形構造に配列されたナノサイズの細孔を有するアルミニウム酸化皮膜は、1995年初めて研究され報告されて以来、近来では、応用範囲が拡大され、アルミ陽極酸化工程を用いてカーボンナノチューブ、ナノワイヤーなどのようなナノテクノロジーに用いられており、そのほかに多様なナノテクノロジーの研究が活発に進められている。
アルミニウムの陽極酸化皮膜の細孔径(Pore diameter;D)と細孔と細孔間の距離(Interpore distance;D int )は、太陽電池、LEDなどの光電素子と金属ナノワイヤーのようなナノテクノロジーに重要な要素であって、関連応用分野及び装置での性能に直接的な影響を与える。
電気化学的陽極酸化処理工程は、70年以上金属材料の表面処理に用いられてきた。陽極酸化工程により作製されたナノ構造物は、高価な電子線リソグラフィやシリコンを用いた半導体エッチング工程に比べて少ない予算と時間で、ナノ構造物を具現することができる。しかしながら、このような陽極酸化皮膜の場合、側面寸法のみ制御可能な2次元多孔性の配列を有する。
また、アルミニウム合金の酸電解質の種類及び濃度を調節した規則的に配列された陽極酸化アルミニウム皮膜の作製に関連し、シュウ酸法、硫酸法、リン酸法など多くの研究と技術が発展されてきたが、酸電解質の種類と濃度の変化による陽極酸化工程は、細孔径と細孔と細孔間の距離の増加に限界があり、このような技術も同様に2次元多孔性陽極酸化皮膜の作製のみが可能である。
一方、細孔上部に鋭い柱(pillar)が、単一(single)またはバンドル(bundle)状で形成された構造であるピラー-オン-ポア(pillar-on-pore、POP)構造は、従来の平面六角形の多孔性表面より高い接触角(contact angle)及び低い接触角ヒステリシス(contact angle hysteresis)を有し、よって優れた超疎水性特性を有する。また、ピラー-オン-ポア構造は、流体力学的抗力減少、防錆(anticorrosion)、防汚(antibiofouling)、 防氷(anti-icing)などの特性を有するので、スマートフォン、家電製品などの表面の具現に大いに役割立つことができる。しかし、このようなピラー-オン-ポア構造を、半導体または純度の高いアルミニウム基板上に形成する技術は研究されてきたが、合金上に形成することは非常に困難であるのが実情であり、まだ研究されたことがない。一般に、純度の高いアルミニウム基板から3次元形状の多孔性配列を有する構造物を製造する技術に関する研究がたくさん行われているが、実際の産業では、純度の高いアルミニウム基板より合金の形で用いられており、純度の高いアルミニウム基板を対象とした研究技術を実際、商用化に用いられるアルミニウム合金に適用した場合、形成制御が一様に再現されることが難しい問題点がある。
そこで、本出願人は、前記のような従来の問題点を解決し、3次元形状の多孔性配列を有するアルミニウム皮膜の作製及び構造物の形成を制御する方法、並びに合金上にピラー-オン-ポア構造を形成する方法を開発するために、プレパターニング(pre-patterning)されたアルミニウム合金に陽極酸化電圧を調節し、2次及び3次陽極酸化工程を行うことにより、ピラー-オン-ポアなど、様々な構造の3次元形状の多孔性皮膜を作製し、発明を完成した。
本発明の目的は、ピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の疎水性表面を有する5000系アルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法を提供するものである。
本発明のもう一つ別の目的は、ピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造を有する5000系アルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法を提供するものである。
前記目的を達成するために、本発明は、アルミニウム(aluminum)合金を30~50Vで5~15時間1次陽極酸化処理し、次いでエッチングして1次陽極酸化皮膜を除去するプレパターニング(pre-patterning)段階(段階1);前記段階1にてプレパターニングが完了したアルミ合金を2次陽極酸化処理する段階(段階2);前記段階2にて2次陽極酸化処理されたアルミニウム合金を細孔拡大(pore widening)する段階(段階3);前記段階3にて細孔拡大が完了したアルミ合金を3次陽極酸化処理する段階(段階4);を含み、前記段階2の2次陽極酸化及び前記段階4の3次陽極酸化は、それぞれ20~50Vで10~50分間、陽極酸化する軟質陽極酸化(mild anodizing)条件; 及び60~90Vで10~50秒間、陽極酸化する硬質陽極酸化(hard anodizing)条件; のうちいずれかの条件を用いて、陽極酸化処理することを特徴とする、超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記方法により製造された超疎水性表面を有する陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム合金を提供する。
さらに、本発明は、アルミニウム(aluminum)合金を30~50Vで5~15時間1次陽極酸化処理し、次いでエッチングして1次陽極酸化皮膜を除去するプレパターニング(pre-patterning)段階(段階1);前記段階1にてプレパターニングが完了したアルミ合金を2次陽極酸化処理する段階(段階2);前記段階2にて2次陽極酸化処理されたアルミニウム合金を0.01~10Mリン酸(HPO)溶液に55~65分間浸漬し、細孔拡大(pore widening)する段階(段階3);前記段階3にて細孔拡大が完了したアルミ合金を3次陽極酸化処理する段階(段階4);を含み、前記段階2の2次陽極酸化及び前記段階4の3次陽極酸化は、それぞれ70~90Vで20~40秒間陽極酸化する硬質陽極酸化(hard anodizing)条件を用いて、陽極酸化処理することを特徴とする、ピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法を提供する。
さらに本発明は、前記方法により製造されるピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の超疎水性表面を有する陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム合金を提供する。
本発明は、超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法であって、陽極酸化電圧及び時間調節によってアルミ合金の表面に形成される陽極酸化アルミニウム層の細孔形状、直径、及び密度をピラー-オン-ポアなど多様な形で具現することにより、3次元形状の陽極酸化皮膜の構造が制御されたアルミニウム合金を、低コストで短時間内に製造することができる経済的効果を有し、前記方法により製造された陽極酸化皮膜の構造が制御されたアルミニウム合金は、超疎水性、耐食性及び熱伝導率に優れているので、電子機器ハウジング、LEDなどの照明カバー、熱交換器、パイプ、道路構造物、自動車、航空機、船舶、発電機など、様々な産業分野に利用されることができる。
本発明による実施例1~4のプレパターン化されたアルミニウム合金表面に形成されたアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の表面(top view)及び横断面(cross view)の3次元構造を撮影した走査電子顕微鏡(SEM)画像である。この時、MAは40Vで30分、HAは80Vで30秒及びPWは30℃で30分間行い、表面及び横断面のスケールバー(scale bar)は、それぞれ200nm及び1μmである。 本発明による実施例5~8のプレパターン化されたアルミニウム合金表面に形成されたアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の表面(top view)及び横断面(cross view)の3次元構造を撮影した走査電子顕微鏡(SEM)画像である。この時、MAは40Vで30分、HAは80Vで30秒及びPWは30℃で40分間行い、表面及び横断面のスケールバー(scale bar)は、それぞれ200nm及び1μmである。 本発明による実施例9~12のプレパターン化されたアルミニウム合金表面に形成されたアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の表面(top view)及び横断面(cross view)の3次元構造を撮影した走査電子顕微鏡(SEM)画像である。この時、MAは40Vで30分、HAは80Vで30秒及びPWは30℃で50分間行い、表面及び横断面のスケールバー(scale bar)は、それぞれ200nm及び1μmである。 本発明による実施例13~16のプレパターン化されたアルミニウム合金表面に形成されたアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の表面(top view)及び横断面(cross view)の3次元構造を撮影した走査電子顕微鏡(SEM)画像である。この時、MAは40Vで30分、HAは80Vで30秒、及びPWは30℃で60分間行い、表面及び横断面のスケールバー(scale bar)は、それぞれ200nm及び1μmである。 本発明による実施例1~4のプレパターン化されたアルミニウム合金表面に形成されたアルミニウム合金の陽極酸化皮膜にFDTSコーティングした後、水滴に対する接触角を測定した結果を示した画像である。 本発明による実施例5~8のプレパターン化されたアルミニウム合金表面に形成されたアルミニウム合金の陽極酸化皮膜にFDTSコーティングした後、水滴に対する接触角を測定した結果を示した画像である。 本発明による実施例9~12のプレパターン化されたアルミニウム合金表面に形成されたアルミニウム合金の陽極酸化皮膜にFDTSコーティングした後、水滴に対する接触角を測定した結果を示した画像である。 本発明による実施例13~16のプレパターン化されたアルミニウム合金表面に形成されたアルミニウム合金の陽極酸化皮膜にFDTSコーティングした後、水滴に対する接触角を測定した結果を示した画像である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法>
本発明は、アルミニウム(aluminum)合金を30~50Vで5~15時間1次陽極酸化処理し、次いでエッチングして1次陽極酸化皮膜を除去するプレパターニング(pre-patterning)段階(段階1);
前記段階1にてプレパターニングが完了したアルミ合金を2次陽極酸化処理する段階(段階2);
前記段階2にて2次陽極酸化処理されたアルミニウム合金を細孔拡大(pore widening)する段階(段階3);
及び前記段階3にて細孔拡大が完了したアルミ合金を3次陽極酸化処理する段階(段階4);
を含み、前記段階2の2次陽極酸化及び前記段階4の3次陽極酸化は、それぞれ20~50Vで10~50分間陽極酸化する軟質陽極酸化(mild anodizing)条件;及び60~90Vで10~50秒間陽極酸化する硬質陽極酸化(hard anodizing)条件;のうちいずれかの条件を用いて、陽極酸化処理することを特徴とする、超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法を提供する。
一般に、固体表面に水滴が接触した際、水滴の接触角が120~150°の範囲に該当する場合、疎水性(hydrophobic)として定義され、接触角が150°以上である場合には超疎水性(super hydrophobic)、170°以上である場合には、超超疎水性(ultra super hydrophobic)と定義される。
本発明による超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法において、前記段階3における細孔拡大は、前記段階2の2次陽極酸化処理を経たアルミニウム合金を0.01~10Mリン酸(HPO)溶液に20~70分間浸漬するものであってもよい。好ましくは0.01~1.0Mリン酸溶液に45~65分間浸漬するものであることができ、より好ましくは0.05~0.5Mリン酸溶液に55~65分間浸漬するものであることでき、さらに好ましくは0.08~0.2Mリン酸溶液に58~62分間浸漬するものであることができる。
本発明による超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法において、前記2次陽極酸化によって2次陽極酸化アルミニウム層が形成され、前記3次陽極酸化によって3次陽極酸化アルミニウム層が形成されることができる。この時、2次陽極酸化による二次陽極酸化アルミニウム層の領域は、アルミニウム合金表面と距離が離れた外側に形成され、3次陽極酸化による3次陽極酸化アルミニウム層の領域は、アルミニウム合金表面に近い内側に形成されることができる。
本発明の一実施例によれば、前記段階2の2次陽極酸化は、70~90Vで20~40秒間硬質陽極酸化処理し、前記段階3の細孔拡大は、0.01~10Mリン酸(HPO)溶液に45~65分間浸漬し、前記段階4の3次陽極酸化は、70~90Vで20~40秒間硬質陽極酸化処理するものであることができ、好ましくは、前記段階2の2次陽極酸化は、70~90Vで20~40秒間硬質陽極酸化処理し、前記段階3の細孔拡大は、0.01~10Mリン酸(HPO)溶液に55~65分間浸漬し、前記段階4の3次陽極酸化は70~90Vで20~40秒間硬質陽極酸化処理するものであることができ、より好ましくは、前記段階2の2次陽極酸化は、75~85Vで25~35秒間硬質陽極酸化処理し、前記段階3の細孔拡大は、0.05~1.0Mリン酸(HPO)溶液に55~65分間浸漬し、前記段階4の3次陽極酸化は、75~85Vで25~35秒間硬質陽極酸化処理するものであることができ、さらにより好ましくは、前記段階2の2次陽極酸化は、78~82Vで28~32秒間硬質陽極酸化処理し、前記段階3の細孔拡大は0.05~0.5Mリン酸(HPO)溶液に28~32分間浸漬し、前記段階4の3次陽極酸化は、78~82Vで28~32秒間硬質陽極酸化処理するものであることができる。
本発明による前記超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜は、表面がピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造を有するものであることができる。
本発明による超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法において、前記アルミニウム合金表面に形成される3次元形状の陽極酸化アルミニウム(anodic aluminum oxide)層の細孔径(pore diameter)及び細孔と細孔間の距離(interpore distance)のうちいずれか一つ以上を制御することにより、超疎水性が発現されるものであることができる。
本発明による超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法において、前記アルミニウム合金表面の陽極酸化皮膜の構造制御は、2次陽極酸化アルミニウム層の細孔径が3次陽極酸化アルミニウム層の細孔径よりも大きな階層(hierarchical)構造となるように制御するものであることができる。
本発明による超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法において、前記段階1の1次陽極酸化、段階2の2次陽極酸化及び段階3の3次陽極酸化がなされる電解液は、それぞれ硫酸(sulfuric acid、HSO)、リン酸(phosphoric acid、HPO)、シュウ酸(oxalic acid、C)、クロム酸(chromic acid)、フッ酸(hydrofluoric acid)、リン酸水素カリウム(dipotassiμm phosphate、KHPO )のうちいずれかを用いたり、これらの混合液のうちいずれかを用いることができ、前記電解液が入った酸化処理反応槽に陽極酸化したい金属が形成された材料を作用電極として陽極にかけた後、白金(Pt)またはカーボン(carbon)電極を対極(counter)電極として陰極にかけて酸化させてなるものであることができる。好ましくは、前記電解液は、0.1~0.5Mシュウ酸を電解液として用い、-5~10℃の温度からなるものであることができ、より好ましくは0.2~0.4Mシュウ酸電解液及び-2~2℃の温度からなるものであることができる。
本発明において用いることができる前記アルミニウム合金は、Al-Mg系などの5000系アルミニウム合金であることが好ましい。前記5000系アルミニウム合金は、Al 5005、Al 5023、Al 5042、Al 5052、Al 5054、Al 5056、Al 5082、Al 5083、Al 5084、Al 5086、Al 5154、Al 5182、Al 5252、Al 5352、Al 5383、Al 5454、Al 5456、Al 5457、Al 5657、及びAl 5754からなる群から選択される1種以上のものであることができる。
<超疎水性表面を有する陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム合金>
また、本発明は、前記超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法により製造される超疎水性表面を有する陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム合金を提供する。
本発明による前記アルミ合金は、表面に3次元形状の陽極酸化アルミニウム(anodic aluminum oxide)層が形成されているものであることができる。
<ピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法>
また、本発明は、アルミニウム(aluminum)合金を30~50Vで5~15時間1次陽極酸化処理し、次いでエッチングして1次陽極酸化皮膜を除去するプレパターニング(pre-patterning)段階(段階1);
前記段階1にてプレパターニングが完了したアルミ合金を2次陽極酸化処理する段階(段階2);
前記段階2にて2次陽極酸化処理されたアルミニウム合金を0.01~10Mリン酸(HPO)溶液に45~65分間浸漬し、細孔拡大(pore widening)する段階(段階3);
前記段階3にて細孔拡大が完了したアルミ合金を3次陽極酸化処理する段階(段階4);
を含み、前記段階2の2次陽極酸化及び前記段階4の3次陽極酸化は、それぞれ70~90Vで20~40秒間陽極酸化する硬質陽極酸化(hard anodizing)条件を用いて、陽極酸化処理することを特徴とする、ピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法を提供する。
本発明によるピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法において、前記段階2の2次陽極酸化及び前記段階4の3次陽極酸化は、それぞれ75~85Vで25~35秒間陽極酸化する硬質陽極酸化(hard anodizing)条件を用いて、陽極酸化処理し、前記段階3の細孔拡大は、前記段階2の2次陽極酸化処理を経たアルミニウム合金を0.05~1.0Mリン酸(HPO)溶液に55~65分間浸漬することができ、好ましくは、前記段階2の2次陽極酸化及び前記段階4の3次陽極酸化は、それぞれ78~82Vで28~32秒間陽極酸化する硬質陽極酸化(hard anodizing)条件を用いて陽極酸化処理し、前記段階3の細孔拡大は、前記段階2の2次陽極酸化処理を経たアルミニウム合金を0.05~0.5Mリン酸(HPO)溶液に58~62分間浸漬するものであることができる。
本発明によるピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法において、前記2次陽極酸化によって2次陽極酸化アルミニウム層が形成され、前記3次陽極酸化によって3次陽極酸化アルミニウム層が形成されることができる。この時、2次陽極酸化による二次陽極酸化アルミニウム層の領域は、アルミニウム合金表面と距離が離れた外側に形成され、3次陽極酸化による3次陽極酸化アルミニウム層の領域は、アルミニウム合金表面に近い内側に形成されるものであることができる。
本発明によるピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法において、前記アルミニウム合金表面にピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の陽極酸化アルミニウム(anodic aluminum oxide)層が形成されることにより優れた超疎水性が発現されるものであることができる。
本発明によるピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法において、前記段階1の1次陽極酸化、段階2の2次陽極酸化及び段階3の3次陽極酸化がなされる電解液は、それぞれ硫酸(sulfuric acid、HSO)、リン酸(phosphoric acid、HPO)、シュウ酸(oxalic acid、C)、クロム酸(chromic acid)、フッ酸(hydrofluoric acid)、リン酸水素カリウム(dipotassium phosphate、KHPO)のうちいずれかを用いたり、これらの混合液のうちいずれかを用いることができ、前記電解液が入った酸化処理処理槽に陽極酸化したい金属が形成された材料を作用電極として陽極にかけた後、白金(Pt)またはカーボン(carbon)電極を対極(counter)電極として陰極にかけて酸化させてなることができるものである。好ましくは、前記電解液は、0.1~0.5Mシュウ酸を電解液として用い、-5~10℃の温度からなるものであることができ、より好ましくは0.2~0.4Mシュウ酸電解液及び-2~2℃の温度からなるものであることができる。
本発明によるピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法において、前記アルミニウム合金は、Al-Mg系などの5000系アルミニウム合金であることが好ましい。前記5000系アルミニウム合金は、Al 5005、Al 5023、Al 5042、Al 5052、Al 5054、Al 5056、Al 5082、Al 5083、Al 5084、Al 5086、Al 5154、Al 5182、Al 5252、Al 5352、Al 5383、Al 5454、Al 5456、Al 5457、Al 5657及びAl 5754からなる群から選択される1種以上のものであることができる。
本発明のピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法は、アルミニウム合金表面上にPOP形態の陽極酸化皮膜を低コストで短時間内に製造することができる経済効果を有する。
<ピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の超疎水性表面を有する陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム合金>
また、本発明は、前記ピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の超疎水性表面を有するアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法により製造されるピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の超疎水性の表面を有する陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム合金を提供する。
本発明では、本発明による前記ピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の超疎水性表面を有する陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム合金の水濡れ性が非常に低く、超疎水性(超撥水性)に優れていることが確認された(実験例2参照)。
以下、本発明を次の実施例に基づいてより詳しく説明する。ただし、以下の実施例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の内容が以下の実施例により限定されるものではない。
<実施例:アルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造>
アルミニウム合金の陽極酸化皮膜を製造するため、アルミニウム5052合金を用いてプレパターニング(pre-patterning)、細孔拡大(pore widening;PW)、及び電圧変調(voltage modulation)を行った。前記アルミニウム5052合金(Al 5052、サイズ20×30mm)の成分情報は、次の通りである。Mg2.2~2.8%、Si0.25%、Fe0.40%、Cu0.10%、Mn0.10%、Zn1.0%、Cr0.15~0.35%、及びAl Balance。
[段階1:1次陽極酸化及び化学エッチングによるプレパターニング工程]
陽極酸化皮膜を製造するための5000系アルミニウム(Al)合金板としてアルミニウム5052合金(Alcoa INC、USA)を用い、前記アルミニウム5052合金の表面にある不純物を除去するためにアセトンとエタノールのうち、10分間超音波処理して洗浄した。表面粗さを得るために超音波洗浄されたアルミニウム5052合金をエタノールと過塩素酸の混合溶液(Junsei 、COH:HClO=4:1(v/v))に入れ、常温(20℃)で20Vの電圧を印加し、1分間電解研磨した。電解研磨が完了したアルミニウム合金表面は、うまく反射されて表面が平坦になることを確認した。
前記電解研磨されたアルミニウム5052合金(厚み1mm、サイズ20×30mm)を作用電極とし、陰極としては白金(Pt)電極を用い、前記2つの電極は、5cm間隔で極間の距離を一定に維持し、1次陽極酸化を行った。前記1次陽極酸化は、0.3Mシュウ酸を電解液として用い、二重ビーカーを用いて電解液の温度を0℃に一定に維持しながら行った。局部的な温度上昇による安定した酸化物成長の妨げを抑制するために、一定速度で撹拌し、定電圧方式を使って40Vの電圧を印加し、6時間1次陽極酸化工程を行い、アルミナ層を成長させた。
前記1次陽極酸化処理により成長されたアルミナ層は、65℃でクロム酸(1.8wt%)とリン酸(6wt%)を混合した溶液に10時間浸漬させ、エッチング(etching)することにより成長されたアルミナ層を除去するプレパターニング(pre-patterning)工程を行った。
[段階2-4:2次及び3次陽極酸化と細孔拡大工程]
具体的には、アルミニウム5052合金表面に所望の皮膜構造を得るために、前記プレパターニング(pre-pattering)が完了した後、2次陽極酸化、細孔拡大及び3次陽極酸化を行った。
具体的には、実施例における2次及び3次陽極酸化工程は、前記段階1の1次陽極酸化工程と同様の酸電解質の条件で行われ、40Vの比較的低い電圧を用いた軟質陽極酸化(mild anodization;MA)または80Vの高電圧を用いた硬質陽極酸化(hard anodization;HA)の2つの技術を用いて、2次及び3次陽極酸化時、印加される電圧の大きさ及び順序を選択調節し、陽極酸化を行った。このとき、軟質陽極酸化は40Vで30分間、硬質陽極酸化は80Vで30秒間行った。なお、比較例の2次及び3次陽極酸化工程は、以下の表1のような電圧及び時間の超硬質陽極酸化(super hard anodization;SA)条件を用いて陽極酸化を行った。
また、2次陽極酸化を通じて成長したアルミナ層は、3次陽極酸化を行う前に、30℃の0.1Mリン酸溶液に30~60分間浸漬させる細孔拡大(pore widening;PW)工程を行った後、3次陽極酸化を行い、アルミニウムの陽極酸化皮膜を成長させた。
2次陽極酸化(段階2)、細孔拡大(段階3)及び3次陽極酸化(段階4)の工程を次の表1のような条件で行い、アルミニウム5052合金表面の構造の形状が制御された実施例1~4のアルミニウム合金の陽極酸化皮膜を得た。
Figure 0007224068000001
<実験例1:2次及び3次陽極酸化条件(電圧及び時間)と細孔拡大時間によるアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の構造特性の解析>
前記表1に示すようにMA → PW → MA、MA → PW → HA、HA → PW → HA、及びHA → PW → MAの様々なモードの実行及び細孔拡大時間を異にして製造された実施例1~16の多孔性アルミニウム合金の陽極酸化皮膜の表面及び断面形状は、電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)システム(AURIGA small dual-bean FIB-SEM、Zeiss)を用いて観察した。
各アルミニウム合金の陽極酸化皮膜試験片を小片に切断した後、カーボンテープでステージ上に固定し、スパッタリングで15秒間、金(Au)でコーティングした後、走査電子顕微鏡(SEM)でイメージングした。このとき、皮膜試験片を90°に曲げ、平行亀裂を生成させ、アルミニウム合金の陽極酸化皮膜の表面及び横断面構造を観察し、図1~4に示した。
図1~4は、それぞれ本発明による実施例1~4、5~8、9~12、及び13~16のプレパターン化されたアルミニウム合金表面に形成されたアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の表面(top view)及び横断面(cross view)の3次元構造を撮影した走査電子顕微鏡(SEM)画像である。この時、MAは40Vで30分、HAは80Vで30秒及びPWは30℃で30~60分間行い、表面及び横断面のスケールバー(scale bar)は、それぞれ200nmと1μmである。
図1~4に示すように、ほとんどの場合、PW工程によってアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の二次陽極酸化領域での細孔径が増加する結果が示されたが、3次陽極酸化領域の構造には影響を及ぼさなかった。従って、実施例1~16は全部2次陽極酸化領域と3次陽極酸化領域の細孔の大きさが異なるので、2次及び3次陽極酸化領域の基準は、細孔の大きさの変化により区別することができる。
また、電圧の種類がHAが含まれた陽極酸化皮膜は、電圧の種類がMAが含まれた陽極酸化皮膜よりも細孔径及び細孔と細孔間の距離が大きいことが分かった。このような結果から、陽極酸化電圧の大きさが細孔の大きさに影響を及ぼす可能性があることを確認した。
なお、図3及び図4に示すように、HA → PW → HAモードでPWを50分または60分行って製造された実施例12及び16の場合、横断面(cross-view)の画像で下部分の3次陽極酸化領域では、ソートされた直線構造の細孔が形成されており、直線状細孔上の2次陽極酸化領域では、チップ(tip)-類似構造が形成されていることを確認した。表面(top view)の画像には、黒色で示された細孔の横に白色(ライトグレー)の陽極酸化物が形成されていることが明らかに示され、当該部分は前記2次陽極酸化領域に形成されたチップ-類似構造部分であることを確認した。
したがって、実施例12及び16は、他の実施例とは異なって細孔構造上にバンドル(bundle)状の柱(pillars)が形成されたピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)の形態を有する構造の陽極酸化皮膜が製造されたことが確認され、特に、実施例16の条件で製造した場合、はるかに明確なピラー-オン-ポア形態を示すことが確認された。
結果として、媒介変数である2次及び3次陽極酸化の電圧の大きさは、細孔の大きさに直接影響を及ぼし、細孔径と細孔と細孔間の距離を制御するだけでなく、3次元形状のアルミニウム陽極酸化皮膜の成長を制御することができることが確認されており、特に、実施例16のHA(80V、30sec)→ PW(60min)→ HA(80V、30sec)の条件が最も明確なPOP構造の陽極酸化皮膜を製造することができる条件であることを確認した。
<実験例2:2次及び3次陽極酸化条件(電圧及び時間)と細孔拡大時間によるアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の撥水特性の分析>
アルミニウム合金の陽極酸化皮膜の構造形態が撥水特性に及ぼす影響を確認するために、実施例1~16の多孔性アルミニウム合金の陽極酸化皮膜をそれぞれ真空チャンバー内で24時間、表面エネルギーが低いコーティング物質である1H、1H、2H、2H-perfluorodecyltrichlorosilane(FDTS)でSAM(Self-Assembled Monolayer)コーティングし、疎水性を有する表面を具現した後、水濡れ性を評価した。
FDTSで表面がコーティングされた実施例1~4の多孔性アルミニウム合金の陽極酸化皮膜の構造物表面の濡れ性を評価するために接触角測定方法を用いて、常温で脱イオン水の水滴3ulの接触角を測定して分析した。また、陽極酸化処理していないアルミニウム合金表面にFDTSをコーティングしたものを対照群(control)とし、同様の方法で接触角を測定した。各試験片別に互いに異なる箇所の接触角を少なくとも5回以上測定して平均値を計算し、その結果を下記表2及び図5~8に示した。
図5~8は、それぞれ本発明による実施例1~4、5~8、9~12及び13~16のプレパターン化されたアルミニウム合金表面に形成されたアルミニウム合金の陽極酸化皮膜にFDTSコーティングした後、水滴に対する接触角を測定した結果を示した画像である。
Figure 0007224068000002
前記表2及び図5~8に示すように、2次及び3次陽極酸化工程におけるMA、HAモード制御と細孔拡大工程により製造された実施例1~16の多孔性アルミニウム合金の陽極酸化皮膜に低い表面エネルギーを有する物質であるFDTSをコーティングした場合、陽極酸化を行っていないアルミニウム合金母材(control)にFDTSをコーティングした場合よりも、水濡れ性が低いことを確認した。
なお、より高い電圧で2次及び3次陽極酸化を行って製造された比較例1~4の多孔性アルミニウム合金の陽極酸化皮膜の場合、陽極酸化を行っていない場合よりは濡れ性が低く示されたが、本発明の一部の実施例を除いては、おおむね本発明による実施例1~16の多孔性アルミニウム合金の陽極酸化皮膜よりもむしろ高いことが分かった。
また、実施例4、11、12、13、15、及び16の多孔性アルミニウム合金の陽極酸化皮膜にFTDSをコーティングした表面は、接触角が150°以上であることが示され、他の比較例及び実施例に比べ、水濡れ性が低いことが示され、この中でも実施例12及び16において優れた超疎水性(超撥水性)を示すことを確認した。特に、HA → PW(60min)→ HAの順で製造された実施例16の多孔性アルミニウム合金の陽極酸化皮膜にFTDSをコーティングした表面は、最も優れた超疎水性を示し、170°以上の接触角を示し、超超疎水性(ultra super hydrophobic)が具現されたことを確認した。
このような結果は、2次及び3次陽極酸化工程におけるHA(80V)モード及びMA(40V)モードの調節による細孔径と細孔と細孔間の距離の制御が水濡れ性に影響することを意味し、本発明のピラー-オン-ポア構造を有する実施例16の多孔性アルミニウム合金の陽極酸化皮膜を製造するのに用いられた2次及び3次陽極酸化条件(HA)が超疎水性を具現するための最適の条件であることを確認した。
これまで本発明についてその好ましい実施例を中心に説明した。本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形で具現されることを理解することができるであろう。したがって、開示された実施例は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されるべきである。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての相違点は、本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
本発明による方法により製造された陽極酸化皮膜の構造が制御されたアルミニウム合金は、超疎水性、耐食性及び熱伝導率に優れているので、電子機器ハウジング、LEDなどの照明カバー、熱交換器、パイプ、道路構造物、自動車、航空機、船舶、発電機などの様々な産業分野に利用されることができる。

Claims (4)

  1. 5000系アルミニウム(aluminum)合金を40V時間1次陽極酸化処理し、次いでエッチングして1次陽極酸化皮膜を除去するプレパターニング(pre-patterning)段階(段階1);
    前記段階1で得られた5000系アルミニウム合金を75~85Vで25~35秒間2次陽極酸化処理する段階(段階2);
    前記段階2で得られた5000系アルミニウム合金を0.08~0.2Mリン酸(H PO )溶液に30℃で58~62分間浸漬して細孔拡大(pore widening)する段階(段階3);
    前記段階3で得られた5000系アルミニウム合金を75~85Vで25~35秒間3次陽極酸化処理する段階(段階4);
    前記段階4で得られた5000系アルミニウム合金に、SAM(Self-Assembled Monolayer)コーティングが可能な疎水性コーティング剤をコーティングする疎水コーティング段階(段階5);
    を含ことを特徴とする、
    ピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の疎水性表面を有する5000系アルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法。
  2. 前記段階5のSAMコーティングが可能な疎水性コーティング剤が、1H、1H、2H、2H-perfluorodecyltrichlorosilane(FDTS)であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記5000系アルミニウム合金は、Al 5005、Al 5023、Al 5042、Al 5052、Al 5054、Al 5056、Al 5082、Al 5083、Al 5084、Al 5086、Al 5154、Al 5182、Al 5252、Al 5352、Al 5383、Al 5454、Al 5456、Al 5457、Al 5657、及びAl 5754からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項に記載の製造方法。
  4. 5000系アルミニウム合金を40Vで6時間1次陽極酸化処理し、次いでエッチング処理して1次陽極酸化皮膜を除去するプレパターニング段階(段階1);
    前記段階1で得られた5000系アルミニウム合金を75~85Vで25~35秒間2次陽極酸化処理する段階(段階2);
    前記段階2で得られた5000系アルミニウム合金を0.08~0.2Mリン酸(H PO )溶液に30℃で58~62分間浸漬して細孔拡大する段階(段階3);
    前記段階3で得られた5000系アルミニウム合金を75~85Vで25~35秒間3次陽極酸化処理する段階(段階4);を含むことを特徴とする、
    ピラー-オン-ポア構造を有する5000系アルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法。
JP2021561590A 2018-12-31 2019-11-08 ピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の疎水性表面を有する5000系アルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法 Active JP7224068B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR1020180173967A KR102086933B1 (ko) 2018-12-31 2018-12-31 초소수성 표면을 갖는 알루미늄 합금 양극산화 피막 제조방법
KR10-2018-0173967 2018-12-31
PCT/KR2019/015150 WO2020141714A1 (ko) 2018-12-31 2019-11-08 초소수성 표면을 갖는 알루미늄 합금 양극산화 피막 제조방법

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022524167A JP2022524167A (ja) 2022-04-27
JP7224068B2 true JP7224068B2 (ja) 2023-02-17

Family

ID=69801904

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021561590A Active JP7224068B2 (ja) 2018-12-31 2019-11-08 ピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の疎水性表面を有する5000系アルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US11499243B2 (ja)
JP (1) JP7224068B2 (ja)
KR (1) KR102086933B1 (ja)
CA (1) CA3122949C (ja)
WO (1) WO2020141714A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3916135A1 (en) * 2020-05-26 2021-12-01 Airbus (S.A.S.) Method for modifying a metallic surface, such as a leading edge portion of an airfoil
KR20220113236A (ko) 2021-02-05 2022-08-12 한국공학대학교산학협력단 2단계 양극산화 공정을 통한 금속 표면의 젖음성 개질 방법
CN114518304A (zh) * 2022-02-16 2022-05-20 立中四通轻合金集团股份有限公司 一种铝及铝合金细化晶粒的检测方法
KR102562889B1 (ko) 2022-02-25 2023-08-02 동의대학교 산학협력단 프리패터닝 공정을 생략한 알루미늄 5000계열 합금에 균일한 pop 나노구조물 생성을 위한 최적의 양극산화 피막 제조 방법
KR102562890B1 (ko) 2022-03-24 2023-08-02 동의대학교 산학협력단 프리패터닝 공정을 생략한 알루미늄 3000계열 합금에 균일한 pop 나노구조물 생성을 위한 최적의 양극산화 피막 제조 방법
KR102562891B1 (ko) 2022-03-30 2023-08-02 동의대학교 산학협력단 프리패터닝 공정을 생략한 알루미늄 6000계열 합금에 균일한 pop 나노구조물 생성을 위한 최적의 양극산화 피막 제조 방법
KR102562887B1 (ko) 2022-04-07 2023-08-02 동의대학교 산학협력단 프리패터닝 공정을 생략한 알루미늄 1000계열 합금에 균일한 pop 나노구조물 생성을 위한 최적의 양극산화 피막 제조 방법

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014092048A1 (ja) 2012-12-10 2014-06-19 三菱レイヨン株式会社 陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法、および微細凹凸構造を表面に有する成形体の製造方法、並びに微細凹凸構造を表面に有する成形体
JP2014524984A (ja) 2011-07-21 2014-09-25 ポステック アカデミー−インダストリー ファンデーション 極疎水性表面加工方法及び極疎水性表面を有する蒸発器
JP2017115219A (ja) 2015-12-25 2017-06-29 株式会社デンソー 撥水性基材とその製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4716779B2 (ja) 2005-05-18 2011-07-06 株式会社アルバック アルミニウム又はアルミニウム合金の耐食処理方法
KR101386324B1 (ko) * 2006-06-30 2014-04-17 카나가와 아카데미 오브 사이언스 앤드 테크놀로지 광학 시트, 상기 광학 시트를 제조하기 위한 주형의 제조 방법 및 광학 시트의 제조 방법
KR20110074269A (ko) * 2009-12-24 2011-06-30 고려대학교 산학협력단 물방울의 표면부착 특성 조절이 가능한 알루미늄의 표면 처리방법
KR101149162B1 (ko) * 2010-01-19 2012-05-25 주식회사 넥스트론 양극산화법을 이용한 나노섬모의 제조방법 및 이에 의해 제조된 나노섬모
KR101550876B1 (ko) * 2013-09-25 2015-09-07 삼화전기주식회사 알루미늄 전극박 및 그의 제조방법
KR102130665B1 (ko) * 2015-09-16 2020-07-06 한국전기연구원 초발수용 몰드 제조방법, 초발수용 몰드를 이용한 초발수용 재료 및 그 제조방법

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014524984A (ja) 2011-07-21 2014-09-25 ポステック アカデミー−インダストリー ファンデーション 極疎水性表面加工方法及び極疎水性表面を有する蒸発器
WO2014092048A1 (ja) 2012-12-10 2014-06-19 三菱レイヨン株式会社 陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法、および微細凹凸構造を表面に有する成形体の製造方法、並びに微細凹凸構造を表面に有する成形体
JP2017115219A (ja) 2015-12-25 2017-06-29 株式会社デンソー 撥水性基材とその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR102086933B1 (ko) 2020-03-09
JP2022524167A (ja) 2022-04-27
CA3122949C (en) 2023-05-09
US11499243B2 (en) 2022-11-15
US20220025539A1 (en) 2022-01-27
CA3122949A1 (en) 2020-07-09
WO2020141714A1 (ko) 2020-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7224068B2 (ja) ピラー-オン-ポア(pillar-on-pore)構造の疎水性表面を有する5000系アルミニウム合金の陽極酸化皮膜の製造方法
KR102204255B1 (ko) 엔진 및 자동차 휠 용 초소수성 6000계열 알루미늄 합금 제조방법
Jagminas et al. Growth peculiarities of aluminum anodic oxide at high voltages in diluted phosphoric acid
Chen et al. Fabrication and characterization of highly-ordered valve-metal oxide nanotubes and their derivative nanostructures
Voon et al. Effect of temperature of oxalic acid on the fabrication of porous anodic alumina from Al-Mn alloys
Yoo et al. Critical factors in the anodic formation of extremely ordered titania nanocavities
Ono et al. Nanopatterning of silicon with use of self-organized porous alumina and colloidal crystals as mask
KR102181037B1 (ko) 기능성 표면처리를 적용한 면도기날, 면도기 및 절단기구
Yavaş et al. Growth of ZnO nanoflowers: effects of anodization time and substrate roughness on structural, morphological, and wetting properties
JP2007247015A (ja) 微細構造体の製造方法および微細構造体
Yue et al. Electrochemical synthesis and hydrophilicity of micro-pored aluminum foil
KR102179028B1 (ko) 열교환기용 외판 또는 부품 표면의 초소수성화 방법
KR102184877B1 (ko) 발전기 또는 운송수단의 알루미늄 합금 외판 또는 부품의 표면 개질 방법
KR102179027B1 (ko) 양극산화 처리를 이용한 초발수 파이프용 합금 제조 방법
KR102242764B1 (ko) 초친수 알루미늄 합금 표면에 선명한 색상 구현 개선방법
KR102181086B1 (ko) 초소수성 처리된 맨홀덮개
KR102562889B1 (ko) 프리패터닝 공정을 생략한 알루미늄 5000계열 합금에 균일한 pop 나노구조물 생성을 위한 최적의 양극산화 피막 제조 방법
KR102562887B1 (ko) 프리패터닝 공정을 생략한 알루미늄 1000계열 합금에 균일한 pop 나노구조물 생성을 위한 최적의 양극산화 피막 제조 방법
KR102176122B1 (ko) 조명장치용 커버 및 이의 스마트 표면 제조 방법
KR102181035B1 (ko) 기능성 발수 표면처리를 이용한 센서용 외장케이스
KR102562890B1 (ko) 프리패터닝 공정을 생략한 알루미늄 3000계열 합금에 균일한 pop 나노구조물 생성을 위한 최적의 양극산화 피막 제조 방법
KR102562891B1 (ko) 프리패터닝 공정을 생략한 알루미늄 6000계열 합금에 균일한 pop 나노구조물 생성을 위한 최적의 양극산화 피막 제조 방법
KR101479211B1 (ko) 알루미늄의 전기화학적 고온 양극 산화를 통한 극미세 나노 다공성 알루미나 구조체의 제조 방법
KR102242763B1 (ko) 기능성 표면처리된 가스켓
Gujela et al. Anodic aluminum oxide (AAO) nano membrane fabrication under different conditions

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20210924

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220328

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230131

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7224068

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150