JP2017115219A - 撥水性基材とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温高湿度環境下で生成する凝縮水を除去する高撥水性を維持して、着霜を防止できる撥水性基材を提供すること。【解決手段】撥水性基材1は、アルミニウム基材2と、該アルミニウム基材の表面に設けられたアルマイト層3と、該アルマイト層の表面に設けられた撥水皮膜4とを備えており、上記アルマイト層は、上記アルミニウム基材と一体の基層31と、該基層の表面に並立する多数のピン状突起32とからなる凹凸構造33を有し、該凹凸構造の十点平均粗さRzjisに対し、上記凹凸構造の最大高さ位置からRzjisカット率20%となる高さの仮想切断面Aにおいて、上記ピン状突起の接触面積率が0.01以下であり、上記撥水皮膜は、炭化水素系撥水材料からなる皮膜である。【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム基材に撥水性を付与した撥水性基材とその製造方法に関する。
電気自動車やプラグインハイブリッド車等の空調システムにおいて、空気を熱源とするヒートポンプシステム(以下、HPシステム)が用いられている。HPシステムでは、冷媒は、コンプレッサで高温高圧に圧縮された後、エバポレータにて放熱され、膨張弁を通過して低温低圧となり室外器に至る。このとき、冷媒が外気から吸熱することで、室外器が冷却され、車外が高湿度になると、室外器のアルミニウム製フィンの表面に凝縮水が発生する。凝縮水が除去されないと、やがて凍結して霜に変化する。
室外器等の熱交換器用フィンの着霜防止技術として、基材の表面に凹凸を設けて撥水皮膜をコーティングする、皮膜方式が知られている。皮膜方式では、皮膜表面で凝縮水が超撥水状態となることで、走行風等の外力により容易に除去可能となる。例えば、特許文献1には、アルミニウム基材の表面に、ベーマイトで構成される凹凸部を形成し、フッ化アルキルシラン等からなる皮膜を形成することにより、撥水性を付与した撥水性基材が開示されている。
特開2013−036733号公報
しかしながら、皮膜方式による撥水性基材を、室外器等の熱交換器用フィンとして使用した場合に、撥水性能が徐々に低下することが判明した。その結果、発生する水滴が除去されずに凍結して霜となり、霜の量が増加すると、フィン間を通過する風量が低下する。さらに、冷媒への熱伝導性も低下するために、除霜運転が必要となり運転効率が低下する。また、所望の撥水性を得るためには、高価なフッ素系撥水材料を用いる必要があり、生産性が低下する。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、低温高湿度環境下で生成する凝縮水を除去し、着霜を防止する超撥水性を持続可能であり、生産性の高い撥水性基材とその製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、アルミニウム基材(2)と、
該アルミニウム基材の表面に設けられたアルマイト層(3)と、
該アルマイト層の表面に設けられた撥水皮膜(4)と、を備えており、
上記アルマイト層は、上記アルミニウム基材と一体の基層(31)と、該基層の表面に並立する多数のピン状突起(32)とからなる凹凸構造(33)を有し、該凹凸構造の十点平均粗さRzjisに対し、上記凹凸構造の最大高さ位置からRzjisカット率20%となる高さの仮想切断面(A)において、上記ピン状突起の接触面積率が0.01以下であり、
上記撥水皮膜は、炭化水素系撥水材料からなる皮膜である、撥水性基材(1)にある。
本発明の他の態様は、アルミニウム基材(2)と、
該アルミニウム基材の表面に設けられたアルマイト層(3)と、
該アルマイト層の表面に設けられた撥水皮膜(4)と、を備えており、
上記アルマイト層は、上記アルミニウム基材と一体の基層(31)と、該基層の表面に並立する多数のピン状突起(32)とからなる凹凸構造(33)を有し、該凹凸構造の十点平均粗さRzjisに対し、上記凹凸構造の最大高さ位置からRzjisカット率20%となる高さの仮想切断面(A)において、上記ピン状突起の接触面積率が0.01以下であり、
上記撥水皮膜は、炭化水素系撥水材料からなる皮膜である、撥水性基材(1)の製造方法であって、
上記アルミニウム基材の表面に、アルマイト化処理とエッチング処理とにより、上記凹凸構造を有する上記アルマイト層を形成する工程と(S1、S2)、
上記炭化水素系撥水材料を含むコーティング液を調合する工程(S11)と、
上記コーティング液に、炭化水素系溶剤を添加して、水分を分離させて除去する工程(S12)と、
水分を除去した上記コーティング液に、上記アルマイト層を形成した上記アルミニウム基材を浸漬する工程(S13)と、
上記コーティング液が塗布された上記アルミニウム基材を焼成する工程(S15)と、を備える、撥水性基材の製造方法にある。
なお、括弧内の符号は、参考のために付したものであり、本発明はこれら符号により限定されるものではない。
上記態様による撥水性基材は、アルミニウム基材の表層となるアルマイト層が、接触面積率が小さい微細凹凸構造を有するので、炭化水素系撥水材料からなる撥水皮膜との組合せにより、超撥水性を発現可能となる。また、ピン状突起が並立する規則的な凹凸構造であり、撥水皮膜の未形成部位が生じにくいため、全表面で良好な撥水性が得られる。これにより、凝縮水を凹凸構造の表面に押し出し、生成する水滴を、外力等により容易に滑落させて除去できる。また、凹凸構造の内部に凝縮水が残存して、撥水性が徐々に低下することが抑制される。炭化水素系撥水材料は、フッ素系撥水材料に次いで表面自由エネルギーが低く、撥水性向上に寄与すると共に、フッ素系撥水材料より安価であり、生産性を向上させる。
このような撥水性基材は、アルミニウム基材をアルマイト化処理とエッチング処理とにより形成した凹凸構造のアルマイト層に、水分を分離したコーティング液を用いて撥水皮膜を形成することにより、撥水性がさらに向上する。したがって、低温高湿度環境下において、発生する凝縮水を超撥水状態とすることで除去し、高い撥水性能を長期間維持して、着霜による不具合を防止できる撥水性基材が得られる。
実施形態1における、撥水性基材の概略構造を示す要部拡大断面図。 実施形態1における、撥水性基材のアルマイト層の凹凸構造を模式的に示す要部拡大斜視図。 実施形態1における、撥水性基材の撥水皮膜分子構造を示す模式的な図。 実施形態1における、接触面積率の測定方法を模式的に示すアルマイト層の要部拡大斜視図。 実施形態1における、アルミニウム基材のアルマイト化工程とエッチング工程によるアルマイト層形成工程を示す拡大斜視図。 実施形態1における、撥水性基材の表面に水滴が付着した状態を示す要部拡大断面図。 実施形態1における、接触面積率と対水接触角との関係を示す図。 実施形態1における、アルマイト層の凹凸構造と発生する凝縮水の排出性との関係を示すモデル図。 実施形態1における、アルミニウム基材に形成したアルマイト層を撥水皮膜で被覆する工程を示す図。 実施形態1における、撥水性基材の表面に付着した水滴の滑落性を示す動的θ差の算出方法を示すモデル図。 実施形態1における、撥水性基材の表面に付着した水滴の挙動を示す要部断面図。 実験例1における、実施例1のアルマイト層の凹凸構造の画像観察方法を示す要部拡大断面図。 実験例1における、実施例1の凹凸構造の表面形状を示す、図12のXIV矢視方向から見た走査型電子顕微鏡による傾斜観察画像。 実験例1における、実施例1の凹凸構造の断面形状を示す、図12のXIV−XIV断面の透過型電子顕微鏡による断面観察画像。 実験例1における、比較例1のベーマイト層の凹凸構造の画像観察方法を示す要部拡大断面図。 実験例1における、比較例1の凹凸構造の表面形状を示す、図15のXVI矢視方向から見た走査型電子顕微鏡による表面観察画像。 実験例1における、比較例1の凹凸構造の断面形状を示す、図15のXVII−XVII断面の透過型電子顕微鏡による断面観察画像。 実験例1における、Rzjisカット率と接触面積率との関係を示す図。 実験例2における、凝縮水試験回数と最大凝縮水滴直径との関係を示す図。 実験例2における、比較例1の撥水性基材の表面に付着した水滴の挙動を示す要部断面図。 実験例2における、実施例1と比較例1、2の撥水性基材について、凝縮水試験1回〜3回実施後の表面の最大凝縮水滴直径の変化を示す、走査型電子顕微鏡による表面観察画像。 実験例3における、アルキル基の炭素数と動的θ差との関係を示す図。 実験例3における、撥水皮膜を構成する主剤のモル比率であるCモル比と、動的θ差との関係を示す図。
(実施形態1)
次に、撥水性基材の実施形態について、図面を参照して説明する。本形態の撥水性基材は、例えば、熱交換器用のフィン材として使用することができ、車載用ヒートポンプシステムの室外機等に適用されて、低温高湿度の環境下における着霜を防止する。図1に示すように、撥水性基材1は、板状のアルミニウム基材2と、アルミニウム基材2の表面に形成されるアルマイト層3と、アルマイト層3の表面に形成される撥水皮膜4とから構成される。アルミニウム基材2は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる。
アルマイト層3は、アルミニウム基材2の表層を形成し、アルミニウム基材2と一体の基層31と、多数のピン状突起32とからなる。多数のピン状突起32は、基層31の表面からアルミニウム基材2の厚さ方向Xに、略平行に突出している。隣り合うピン状突起32の間には、空気層11が形成される。図2に示すように、アルマイト層3は、基層31と、この基層31の表面に並立する多数のピン状突起32とからなる、所定の凹凸構造33を有している。
撥水皮膜4は、炭化水素系撥水材料からなり、アルミニウム基材2の最表層を形成する。撥水皮膜4は、アルマイト層3の基層31の表面と、多数のピン状突起32の表面とを被覆して、凹凸構造33の全表面を覆っている。図3に示すように、撥水皮膜4は、具体的には、アルキル基43を有する金属アルコキシドからなる主剤41と、有機シランからなる架橋剤42を含み、フッ素を含有しない炭化水素系撥水材料を用いて構成される。このような炭化水素系撥水材料は、金属アルコキシドと有機シランとが、共加水分解・脱水縮合することにより、三次元マトリクス構造を有する、有機−無機ハイブリッド皮膜となる。
撥水皮膜4は、有機−無機ハイブリッド皮膜の最表面に、疎水性のアルキル基43が多数配置されることで、撥水性を呈し、凝縮水の排出を促進する。主剤41の分子長は、アルキル基43の分子運動性に影響し、分子間隔dは、主剤41と架橋剤42のモル比に応じて決まり、アルキル基43の長さと隣り合うアルキル基43の間隔に相当する。例えば、図3においては、主剤41:架橋剤42=1:3であり、主剤41の比率が25モル%となる構造が例示されている。
以下に、撥水性基材1の詳細構造について、詳述する。
図2において、ピン状突起32の幅W、ピン状突起32の高さHと、隣り合うピン状突起32間の突起間隔Dとは、アルマイト層3における凹凸構造33を決定する。このとき、個々のピン状突起32の高さHは、凹凸構造33の深さを表し、アルマイト層3の成膜厚さとエッチング深さによって制御される。幅Wと突起間隔Dは、凹凸構造33の大きさを表し、突起間隔Dは、ピン状突起32の間の空気層11の幅に相当する。ピン状突起32が規則的に配置され、その間に空気層11が深さ方向に均質に形成されることで、空気層11で発生する凝縮水の排出が適切になされ、撥水性が良好に維持される。
アルマイト層3は、凹凸構造33の繰り返し周期に対して、ピン状突起32の幅Wが小さいほど、水分が凝縮して生成する水滴との接触面積が小さくなり、撥水性が高くなる。そのため、アルマイト層3は、凹凸構造33の最外表面においてピン状突起32が占める面積率が小さいほどよい。そこで、アルマイト層3の表面における接触面積率を、以下のように定義する。すなわち、凹凸構造33の十点平均粗さをRzjisとし、凹凸構造33の最表面となる最大高さ位置から深さ方向への高さのカット率を、Rzjisカット率とする。このとき、最大高さからRzjisカット率20%となる高さに仮想切断面を設定し、この仮想切断面におけるピン状突起32の単位面積当たりの接触面積を、接触面積率とする。なお、十点平均粗さRzjisは、JIS B0601−2001に準じて測定される表面粗さである。
具体的には、図4に示すように、凹凸構造33の最表面からRzjisカット率20%の高さ位置において、アルマイト層3をアルミニウム基材2の板面と平行に切断した仮想切断面内に、所定の測定エリアAを設定する。そして、測定エリアAに現れるピン状突起32の総面積から、下記式1を用いて、Rzjisカット率20%における接触面積率を算出することができる。
式1:接触面積率=[測定エリアA内のピン状突起32の総面積(単位:μm2)]/[測定エリアAの面積(単位:μm2)]
この接触面積率が、0.01以下、好適には、0.005以下となるように構成することで、最表層となる撥水皮膜4との組み合わせにより、超撥水性を発現することができる。
接触面積率と超撥水性の関係については、後述する。
アルマイト層3は、アルミニウム基材2を表面処理することにより形成される、多孔質の酸化アルミニウム(すなわち、Al23)からなる層である。図5に示すように、アルマイト層3は、アルマイト化処理工程S1と、エッチング処理工程S2と、により形成される。図5の左図に示すように、アルマイト化処理により生成するアルマイトは、細孔34を有する六角形セル構造を有し、アルミニウム基材2の表面から、その厚さ方向Xに成長する。図5の中図に示すように、アルマイトの細孔34がエッチング処理されることにより、徐々に拡径されて、図5の右図に示すように、多数のピン状突起32が並立する層となる。このとき、多数のピン状突起32は、アルマイトの六角形セルの頂点に位置することになり、規則的な凹凸構造33が形成される。
具体的には、アルマイト化処理工程S1では、予めアルミニウム基材2の表面を酸洗浄した後、燐酸浴中で電圧を印加して陽極酸化する。これにより、該表面の全面に、六角形セル構造のアルマイト層が成膜される。酸洗浄用の薬剤としては、例えば、硝酸が用いられる。陽極酸化では、下記反応式に示すアルマイト成膜反応が進行し、多数の六角形セル内には、その軸芯に沿って細孔34が形成される。
[アルマイト成膜反応式]
・陽極:2Al+3H2O→Al23+6H+6e
・陰極:2H+2e→H2
エッチング処理工程S2では、アルマイト化処理工程にて形成されたアルマイト層を、燐酸浴中でエッチングする。これにより、細孔34が内側からエッチングされて、細孔34が拡がり、隣接する六角形セルを区画する壁部が薄くなる。このように、アルマイト化とエッチングを繰り返すことにより、アルマイト層の薄い壁部が除去されると、六角形セルの頂点の位置に、ナノオーダーのピン状突起32が並立する、ナノピン構造の凹凸が形成される。
図6に示すように、撥水性基材1は、アルマイト層3の凹凸構造33と、その表面の撥水皮膜4とにより、超撥水性を発現する。撥水性基材1の表面において、水分が凝縮して生成する凝縮水は、最表層の撥水皮膜4により、最外表面に押し出されて、水滴5となる。このとき、隣接するピン状突起32の間には、空気層11が形成され、水滴5は、アルマイト層3の凹凸構造33の最外表面において、撥水皮膜4で被覆されたピン状突起32に点接触して支持される。一般に、撥水性基材1の表面が超撥水状態にあるとき、撥水性基材1の表面と水滴5の表面とのなす角である対水接触角θは150°以上で、水滴5は、例えば自重や送風等の外力によって、表面から滑落可能となる。
撥水性基材1が、表面に凹凸を有するとき、対水接触角θは、以下の式2によって求められる。
式2:cosθ=[A1/(A1+A2)]cosθ1+[A2/(A1+A2)]cosθ2
式中、A1:撥水皮膜4の水滴5に対する接触面積、A2:空気層11の水滴5に対する接触面積、θ1:撥水皮膜4の凹凸がない表面の対水接触角、θ2:空気層11の対水接触角
アルマイト層3は、ピン状突起32が並立する規則正しい凹凸構造33を有するので、A1、A2は略一定であり、撥水性基材1の表面の撥水性は均一となる。また、θ1、θ2は定数であり、例えば、θ2=180°(すなわち、cosθ2=−1)であるから、最表層となる撥水皮膜4に撥水性の高い材料を用い、A2に対するA1の面積比率を小さくすると、対水接触角θは大きくなる。
このとき、式3に示すように、式2の第1項の係数は、撥水性基材1の接触面積率であり、最外表面において水滴5と接触する撥水皮膜4の接触面積率である。
式3:撥水性基材1の接触面積率=A1/(A1+A2)
この接触面積率は、上述したアルマイト層3の凹凸構造33の接触面積率と相関があり、Rzjisカット率20%の接触面積率が小さいほど、撥水性基材1の接触面積率も小さくなる。
そこで、これら式2、式3に基づいて、超撥水性を有する条件を検討した。
炭化水素系撥水皮膜4の凹凸がない表面に対する対水接触角をθ1=90°とすると、図7に示されるように、撥水性基材1の接触面積率が小さいほど、対水接触角θが大きくなり、理論上は、接触面積率0.13以下で、対水接触角θが150°以上となる。つまり、ピン状突起32が一定間隔で配置されるとき、水滴5に接するピン状突起32の幅Wをより小さくし、突起間隔Dをより大きくするのがよく、ピン状突起32を覆う撥水皮膜4の接触面積がより小さくなる。具体的には、上述したRzjisカット率20%の接触面積率が、0.01以下であるとき、炭化水素系撥水材料からなる撥水皮膜4との組み合わせにより、対水接触角θを150°より大きくすることができる。
また、図8に示すように、アルマイト層3の凹凸構造33のモデル図を用いたシミュレーションによって、凝縮水51が良好に排水される条件が判明している。
図8左図において、対向壁間に空気層11を形成する凹状部12について、ピン状突起32に相当する対向壁が、表面から深さ方向に均一な間隔を有して配置されるとき、凝縮水51が生成する空気層11の幅w(すなわち、突起間隔Dに相当)が排出性に影響する。例えば、高さhの凹状部12を含む立方体の一辺の長さLx、Lyが、Lx=Ly=2hの関係にあり、h:w=20:2〜13の範囲で変化させたとき、図8右図に示すように、目詰まりや滞留を生じずに、凝縮水51が排出される幅w(例えば、w2=6)が存在する。幅wがこれより小さいと、凝縮水51が目詰まりし(例えば、w1=3)、幅wがこれより大きいと、凝縮水51が滞留する(例えば、w3=11)。
このシミュレーション結果に基づいて、凹凸構造33の突起間隔Dを変更した試験片により凝縮水の滑落性を調べた試験結果から、好適には、突起間隔Dが、D=75nm〜100nmであるときに、高い撥水性が得られることが確認されている。また、ピン状突起32の幅Wと、高さHについては、W=20nm以下、H=200nm〜600nmの範囲にあるとよい。アルマイト層3の凹凸構造33は、アルマイト層3を形成するためのアルマイト化処理と、エッチング処理の条件を調整することにより、所望の突起間隔D、幅W、高さHに形成することができる。
撥水性基材1の最表層となる撥水皮膜4の材質は、上記式2におけるθ1を決定する。具体的には、炭化水素系撥水材料を用いて構成された有機−無機ハイブリッド皮膜が、自由端面となる最表面に、疎水性のアルキル基43を有し、熱エネルギーにより分子運動して水滴5を移動、滑落させる。炭化水素系撥水材料の主剤41は、側鎖にアルキル基43を有する金属アルコキシドであり、好適には、主鎖にシロキサン結合(すなわち、Si−O−Si結合)を有するアルキルアルコキシシランが用いられる。また、架橋剤42となる有機シランとしては、テトラエトキシシラン(以下、TEOSと称する)を用いることができる。このような皮膜は、フッ素系撥水材料からなる皮膜に次いで撥水性が高く、上記式2における対水接触角θを大きくする方向に作用する。
撥水皮膜4の撥水性には、最表面に位置する主剤41の分子長と分子間隔dが影響する。例えば、主剤41の分子長が短く、分子間隔dが広い方が、アルキル基43が動きやすく、水滴5は移動しやすい。架橋剤42に含まれる水酸基に、水滴5が水素結合しやすくなる。そのために、主剤41の分子長を決めるアルキル基43の炭素数と、架橋剤42との配合割合を、所望の滑落性が得られるように、適切に設定するとよい。
例えば、主剤41に含まれるアルキル基43は、炭素数が3個〜18個(すなわち、C3〜C18)の範囲の鎖状アルキル基であることが望ましい。好適には、アルキル基43の炭素数が5個〜11個(すなわち、C5〜C11)の分子長を有する鎖状アルキル基であるとよい。C3〜C18のアルキル基43を有する主剤41は、常温において液体であり、アルミニウム基材2を浸漬するためのコーティング液の調整が容易になる。アルキル基43の炭素数が、C5〜C11の範囲であると、水滴5の付着力を示す動的θ差が0.01以下と小さくなり、水滴5の滑落性が高まるため、より望ましい。
このような主剤41として、具体的には、トリメトキシプロピルシラン(すなわち、C3)、ヘキシルトリメトキシシラン(すなわち、C6)、オクチルトリエトキシシラン(すなわち、C8)、デシルトリメトキシシラン(すなわち、C10)、ドデシルトリエトキシシラン(すなわち、C12)、オクタデシルトリエトキシシラン(すなわち、C18)が挙げられる。
撥水皮膜4は、これら主剤41及び架橋剤42を溶剤に溶解したコーティング液に、凹凸構造33のアルマイト層3を形成したアルミニウム基材2を浸漬することにより形成される。具体的には、図9に示すように、コーティング液を調合する調合工程S11と、コーティング液中の水分を除去する脱水工程S12と、コーティング液にアルミニウム基材2を浸漬する浸漬工程S13と、コーティングしたアルミニウム基材2を洗浄する洗浄工程S14と、アルミニウム基材2を焼成する焼成工程S15を経て、アルマイト層3の凹凸構造33の表面が、撥水皮膜4により被覆される。
調合工程S11において、コーティング液を調合する際には、主剤41となるアルキルアルコキシシランと、架橋剤42となるTEOSとの配合比を、例えば、所望の分子間隔dとなるように設定する。例えば、主剤41:架橋剤42=5〜15:95〜85のモル比とすると、水滴5の付着力を示す動的θ差が小さくなり、水滴5の滑落性が高まるので好ましい。より好適には、主剤41:架橋剤42=7〜13:93〜87の範囲(すなわち、主剤41のモル比率が、7モル%〜13モル%)とするとよい。
ここで、撥水皮膜4の撥水性の指標となる、水滴の滑落性を表す動的θ差について、説明する。図10に示すように、例えば、縦壁Wに付着した水滴5の付着力Fは、以下の式4で表され、重力mgに対する付着力Fが小さいほど、滑落しやすい。
式4:F=kwγ(cosθR−cosθA)
式中、k:係数、w:接触幅、γ:表面張力、cosθA:前進接触角、cosθR:後退接触角
式4から、重力mgが作用する側の前進接触角cosθAとその逆側の後退接触角cosθRとの差である、動的θ差(すなわち、cosθR−cosθA)が小さいほど、付着力Fが小さくなり、滑落しやすくなる。このとき、成長する凝縮水は、例えば、熱交換器用のフィン間の通路を閉塞しないように、フィン間隔より小さいことが望ましい。好適には、水滴直径が、フィン間隔の半分の大きさ(例えば、0.7mm)以下であればよく、例えば、動的θ差が0.01以下であるとき、水滴直径は0.7mmより十分小さくなる。
コーティング液を調合するための溶剤には、例えば、エタノールを用いることができる。また、溶剤に対する主剤41と架橋剤42の合計含有量は、40〜60質量%となるようにするとよい。コーティング液には、主剤41と架橋剤42とを架橋重合させるための触媒として、所定濃度の塩酸が混合される。このとき、コーティング液に含まれる多量の水分が、撥水皮膜4に取り込まれることを回避するために、塩酸の添加後に、炭化水素系溶剤を添加して、水分を除去する脱水工程S12を設けるとよい。
浸漬工程S13において、脱水したコーティング液にアルミニウム基材2を浸漬し、凹凸構造33の表面全体に塗布した後、洗浄工程S14ですすぎを行い、余剰のコーティング液を除去する。その後、焼成工程S15で、所定温度にて焼成することで、水分を含まない撥水皮膜4が得られ、撥水性をさらに向上させる。
図11に示すように、このようにして得られる撥水性基材1は、アルミニウム基材2の表層に、微細な凹凸構造33を有するアルマイト層3が形成されており、基層31と規則的に並立するピン状突起32からなる凹凸構造33の全表面を、炭化水素系撥水材料からなる撥水皮膜4で被覆することで、超撥水性皮膜を構成している。そのため、撥水性基材1は、低温高湿度環境において、所定の突起間隔Dで並ぶピン状突起32間に、凝縮水51が生成すると(例えば、図11(a)参照)、ピン状突起32の形状による効果で空気層11から最外表面に押し出され、水滴5が生成する(例えば、図11(b)参照)。最外表面において、水滴5は、凹凸構造33の接触面積率と撥水皮膜4の組成による効果で超撥水状態となり、式4の水滴の滑落性を示す動的θ差が小さくなる効果で、容易に滑落する(例えば、図11(c)参照)。次いで、同様にして再び水滴5が生成し(例えば、図11(d)参照)、滑落することを繰り返す。
このとき、アルマイト化とエッチングにより形成されるアルマイト層3は、凹凸構造33の内部、特に基層31に近い表面まで、撥水皮膜4が均一形成されるので、繰り返し凝縮水が生成しても、内部に残留することがない。したがって、比較的安価な炭化水素系撥水材料を用いても、十分高い撥水性が得られ、凹凸構造33からの良好な排出性と滑落性を長期間維持して、撥水性の低下を防止する。よって、熱交換器用フィン等に用いられて、超撥水性と高生産性を兼ね備え、着霜を防止して運転効率を向上させる撥水性基材1となる。
次に、本形態の撥水性基材1について、アルマイト層3の凹凸構造33と撥水皮膜4による撥水性能を評価した。比較のために、従来のベーマイト化処理によるベーマイト層を設けた例についても、同様の評価を行った。これら実験例について説明する。
(実験例1)
上記図5に示した方法で、アルマイト化処理工程S1とエッチング処理工程S2とを順に実施して、アルミニウム基材2の表面に、基層31と多数のピン状突起32からなるアルマイト層3を形成した。アルミニウム基材2には、熱交換器用のフィン材に用いられるAl−Mg−Si系アルミニウム合金(例えば、BA4104)を用いた。まず、アルマイト化処理工程S1において、アルミニウム基材2の表面を酸洗浄した。酸洗浄用の薬剤としては、硝酸(例えば、濃度67質量%)を用い、常温で1分間浸漬処理した。その後、燐酸浴中で電圧を印加して陽極酸化することにより、アルミニウム基材2の表面の全面に、六角形セル構造のアルマイト層3を形成した。陽極酸化は、以下に示す条件で行った。
[陽極酸化]
・薬剤:燐酸、濃度2質量%
・電圧:50V
・時間:50秒
アルマイト化処理したアルミニウム基材2の表面を、純水ですすぎ、次いで、エッチング処理工程S2において、燐酸浴中でエッチングして、アルマイト層3の細孔33を拡径した。エッチング処理は、以下の条件で行った。
[エッチング]
・薬剤:燐酸、濃度2質量%
・温度:40℃
・時間:10分
このアルマイト化とエッチングを繰り返し行って、アルミニウム基材2の表面に、凹凸構造33を有するアルマイト層3を形成した(すなわち、実施例1)。
実施例1のアルマイト層3について、図12に示すように、得られた凹凸構造33の表面形状と断面構造の画像観察を行った。図13に示すように、アルマイト層3の表面の凹凸構造を、走査型電子顕微鏡(以下、SEMと称する)を用いて傾斜観察した画像において、多数のピン状突起32が規則的に並立する構造が確認された。また、図14に示すように、アルマイト層3の断面構造を、透過型電子顕微鏡(以下、TEMと称する)を用いて観察した画像において、ピン状突起32の幅W、高さH、突起間隔Dを測定した。その結果、W=8nm、H=600nm、D=100nmとなり、所望の高さを有し、突起間隔Dに対して幅Wが十分小さい、凹凸構造33が得られた。
比較のため、従来のベーマイト化処理工程によって、アルミニウム基材2の表面に、酸化アルミニウムからなるベーマイト層61を形成し、その凹凸構造63を同様にして評価した(比較例1)。ベーマイト化処理は、アルミニウム基材2を、80℃〜100℃の範囲の温度の水に、約5分間浸漬することにより行った。
比較例1のベーマイト層61について、図15に示すように、得られた凹凸構造63の表面形状と断面構造の画像観察を行った。図16に示すように、ベーマイト層61の表面の凹凸構造63を、SEMを用いて観察した画像において、多数の針状突起62を有する構造が確認された。また、図17に示すように、ベーマイト層61の断面構造を、TEMを用いて観察した画像において、多数の針状突起62が、不規則な方向に延びる凹凸構造63を有し、アルミニウム基材2側の下層611において、表面側の上層612よりも、針状突起62の幅が細くなっている、狭窄構造を有することが判明した。
また、比較例2として、実施例1と同様の方法で、アルミニウム基材2の表面にアルマイト層3を形成し、アルマイト化処理とエッチング処理の回数を低減することにより、接触面積率が異なる凹凸構造33とした。実施例1と同様にして、比較例2のアルマイト層3の断面構造を、TEMを用いて観察したところ、ピン状突起32が並立する凹凸構造33であることが確認された。ただし、ピン状突起32の突起間隔Dが100nm前後であるのに対して、幅Wは40nm前後と広く、高さHは400nmより低い。
これら実施例1、比較例1、2について、上記図4に示した方法で、Rzjisカット率10%〜50%における接触面積率を測定した。まず、実施例1のアルマイト層3について、走査型プローブ顕微鏡(以下、SPMと称する)を用いて、凹凸構造33の表面を走査することにより、三次元凹凸画像を得た。得られた三次元凹凸画像に基づいて、十点平均粗さRzjisを算出し、最大高さからRzjisカット率10%〜50%の各仮想切断面において、測定エリアAにおけるピン状突起32の接触面積率を算出した。同様にして、比較例1、比較例2についても、Rzjisカット率10%〜50%における接触面積率を測定した。
図18に示すように、Rzjisカット率10%〜50%の全範囲において、実施例1の接触面積率が最も小さくなっており、Rzjisカット率20%接触面積率は、0.002であった。また、実施例1、比較例1、2のいずれも、Rzjisカット率10%において接触面積率が最も小さく、Rzjisカット率の上昇に伴い接触面積率が大きくなっているが、実施例1の接触面積率の増加は、比較例1、2に対して比較的緩やかである。そのため、Rzjisカット率10%においては、実施例1、比較例1、2共に、接触面積率0.01以下であるが、Rzjisカット率20%、30%においては、実施例1のみが、接触面積率0.01以下となっている。
このように、比較例1、2では、接触面積率が全体に大きくなっている。特に、比較例1のベーマイト層61の凹凸構造63は、Rzjisカット率10%においては、比較例2より僅かに小さいが、Rzjisカット率20%で逆転している。これは、凹凸構造33、63の高さにバラツキがあり、Rzjisカット率10%においては、測定エリアAに現れないピン状突起32、針状突起62があると考えられる。比較例1のベーマイト層61は、上層612の針状突起62の幅がより太く、不規則であるために、Rzjisカット率20%以降で、接触面積率が増大するものと思われる。
(実験例2)
実験例1で得られた、実施例1のアルミニウム基材2に、さらに、上記図9に示した工程で、アルマイト層3の凹凸構造33を被覆する、撥水皮膜4を形成した。まず、調合工程S11において、以下に示すように、エタノールを溶剤として用い、主剤41として、炭素数C8のオクチルアルコキシシランと、架橋剤42であるTEOSを添加して、30分間攪拌した(すなわち、S111)。さらに、触媒として0.05mol/Lの塩酸を添加して30分間攪拌し、主剤41と架橋剤42を架橋反応させて、ゲル化した(すなわち、S112)。
溶剤:エタノール(例えば、和光純薬工業(株)製)
主剤41:オクチルトリエトキシシラン(例えば、L04407;ジョンソン・マッセイ・ジャパン合同会社製、商品名)
架橋剤42:TEOS(例えば、KBE−04;信越化学工業(株)製、商品名)
触媒:塩酸0.05mol/L(例えば、和光純薬工業(株)製)
主剤41と架橋剤42のモル比は、オクチルアルコキシシラン:TEOS=10:90(すなわち、主剤41のモル比率10%)とした。溶剤と触媒を含む全体の質量に対する、主剤41と架橋剤42の質量の割合であるゲル濃度は、50質量%とした。
次いで、脱水工程S12において、炭化水素系洗浄剤(商品名NSクリーン、JX日鉱日石エネルギー(株)製)を添加して、30分間攪拌し、10分間静置した(すなわち、S121)。その後、上澄み液を抽出して、水分を分離し、得られた抽出液をコーティング液とした(すなわち、S122)。浸漬工程S13では、得られたコーティング液に、実施例1のアルミニウム基材2を、30分間浸漬した。さらに、洗浄工程S14にて、アルミニウム基材2を、炭化水素系洗浄剤を用いて、1分間洗浄した。その後、焼成工程S15において、150℃で30分間、焼成することにより、アルマイト層3の表面が撥水皮膜4で被覆された撥水性基材1を得た。
このようにして得られた、実施例1の撥水性基材1について、上記図10に示した動的θ差により、水滴5の滑落性を評価した。動的θ差の測定には、拡張収縮法を用いた接触角測定装置(すなわち、DM−501、協和界面科学(株)製)を用いた。その結果、動的θ差=0.0003となり、比較例1で得られた値である0.001以下の滑落性を有することが確認された。
さらに、実施例1の撥水性基材1に、乾湿繰り返しによる凝縮水試験を実施して、最大凝縮水直径を測定した。凝縮水試験では、撥水性基材1のテストピースを0℃以下(例えば、−5℃以下)に冷却して、高湿度の恒温恒湿槽に入れ、テストピースの表面に送風しながら(例えば、風速1m/秒)、表面に発生する凝縮水を、CCDカメラを用いて60分間観察した。このとき、発生する凝縮水の最大直径を測定し、その後、テストピースを再度冷却して、表面の凝縮水を観察することを繰り返し行った。
比較のため、比較例1のアルミニウム基材2について、ベーマイト層61の表面にフッ素系撥水材料からなるフッ素系撥水皮膜を形成した。フッ素系撥水皮膜は、パーフルオロポリエーテルを含むシラン化合物を主剤とする撥水材料(オプツールDSX;ダイキン工業(株)製、商品名)を用い、同様にして調合したコーティング液に浸漬して、焼成することにより形成した。また、比較例2のアルミニウム基材2について、アルマイト層3の凹凸構造33の表面に、実施例1と同様の炭化水素系撥水皮膜4を形成した。比較例1、2について、得られた撥水性基材のテストピースを作製し、同様にして、凝縮水試験を実施した。
図19に示すように、実施例1の撥水性基材1は、凝縮水試験1回後の最大凝縮水滴直径が、0.4mmであり、凝縮水試験3回後においても、熱交換器用のフィン材に要求される0.7mm以下を満足した。これに対して、ベーマイト層61にフッ素系撥水皮膜を形成した比較例1では、乾湿繰り返し試験1回後の最大凝縮水滴直径は、実施例1と同等であったが、凝縮水試験を繰り返しにより凝縮水直径が大きくなり、凝縮水試験3回後の最大凝縮水滴直径は、2.0mm近傍に増大した。
図20に示すように、比較例1のベーマイト層61は、凹凸構造63を構成する針状突起62が、下層611に狭窄部を有しているために、フッ素系撥水材料からなる皮膜が、凹凸構造63となる表面全面を覆うことは難しい。そのため、低温高湿度環境において、針状突起62間に、凝縮水51が生成すると(例えば、図20(e)参照)、当初は、凹凸構造63とフッ素系撥水皮膜による効果で、最外表面に押し出されて水滴5が生成し(例えば、図20(f)参照)し、容易に滑落する(例えば、図20(g)参照)。ところが、これを繰り返すことにより、凝縮水が凹凸構造63の内部に残留していき(例えば、図20(h)参照)、撥水性が低下すると考えられる。
また、接触面積率が大きいアルマイト層3に炭化水素系の撥水皮膜4を形成した比較例2では、凝縮水試験1回後の最大凝縮水滴直径が、1.0mmを超えており、3回後の最大凝縮水滴直径は、1.5mm程度まで大きくなった。図21に比較して示すように、凝縮水試験を3回繰り返したとき、実施例1の撥水性基材1の表面に生成する凝縮水直径は、比較例1より小さく、試験回数が1回〜3回まで増えても大きく変わらない。これに対して、比較例1では、凝縮水試験の繰り返しにより凝縮水直径が大きくなって、撥水性が低下している。
(実験例3)
実験例1で得られた、実施例1のアルミニウム基材2に、実験例2と同様の方法で、撥水皮膜4を形成した。このとき、調合工程S11において、撥水皮膜4の主剤41として、以下に示すように、炭素数の異なるアルキルアルコキシシランを用いた。
炭素数C3:トリメトキシプロピルシラン(例えば、B21033;ジョンソン・マッセイ・ジャパン合同会社製、商品名)
炭素数C6:ヘキシルトリメトキシシラン(例えば、KBM−3063;信越化学工業(株)製、商品名)
炭素数C8:オクチルトリエトキシシラン(例えば、L04407;ジョンソン・マッセイ・ジャパン合同会社製、商品名)
炭素数C10:デシルトリメトキシシラン(例えば、KBM−3103;信越化学工業(株)製、商品名)
炭素数C12:ドデシルトリエトキシシラン(例えば、D3383;東京化成工業(株)製、商品名)
炭素数C18:オクタデシルトリエトキシシラン(例えば、S12325;和光純薬工業(株)製、商品名)
実験例2と同様にして調合したコーティング液に、実施例1のアルミニウム基材2を浸漬し、焼成して、炭素数の異なる撥水皮膜4を形成した撥水性基材1とした。得られた撥水性基材について、上記した接触角測定装置を用いて動的θ差を測定して、水滴5の滑落性を評価した。
比較のため、上記図9に示した方法において、脱水工程S12と洗浄工程S14を省略した以外は同様の工程(すなわち、図中左側に示される工程)にて、実施例1のアルミニウム基材2に撥水皮膜4を形成し、比較例3の撥水性基材とした。このとき、撥水皮膜4の主剤41には、上記した炭素数6〜18のアルキルアルコキシシランを用いた。得られた撥水性基材について、上記した接触角測定装置を用いて動的θ差を測定して、水滴5の滑落性を評価した。
図22に示すように、調合したコーティング液の脱水とコーティング後の洗浄を実施しない比較例3では、得られた撥水性基材の動的θ差がいずれも0.01を超えている。これに対して、実施例1の撥水性基材1は、同じ炭素数の主剤41を用いた比較例3に比べて、動的θ差が小さくなっており、炭素数5、8、10のものは、動的θ差が0.01以下となった。
さらに、実施例1の撥水性基材1について、撥水皮膜4を構成する主剤41と架橋剤42のモル比を、オクチルアルコキシシラン:TEOS=5〜30:95〜70の範囲で変更し、それ以外は、同様の方法により、撥水性基材1を作製した。得られた撥水性基材について、上記した接触角測定装置を用いて動的θ差を測定して、水滴5の滑落性を評価した。
図23に示すように、撥水皮膜4に含まれる主剤41のモル比率(すなわち、図中のCモル比)によって、動的θ差が変化している。Cモル比が10%前後であるときに、動的θ差が最小となり、これより小さくても、大きくても動的θ差は増加する傾向にある。具体的には、主剤41のCモル比が7%〜13%の範囲にあるときに、動的θ差が0.01以下となっている。
本発明の撥水性基材1は、上記実施形態や上記実施例に記載した内容に限定されるものではなく、本発明の趣旨を超えない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、車載用の空調システムに用いられるHPシステムへの適用例として説明したが、車載用以外の空調システムや、給湯器用のHPシステムの室外機、その他の熱交換器用フィンとして好適に使用される。また、熱交換器用フィン以外の用途にも、任意に使用することができる。
1 撥水性基材
2 アルミニウム基材
3 アルマイト層
32 ピン状突起
33 凹凸構造
4 撥水皮膜
43 アルキル基
5 凝縮水
A 仮想切断面

Claims (7)

  1. アルミニウム基材(2)と、
    該アルミニウム基材の表面に設けられたアルマイト層(3)と、
    該アルマイト層の表面に設けられた撥水皮膜(4)と、を備えており、
    上記アルマイト層は、上記アルミニウム基材と一体の基層(31)と、該基層の表面に並立する多数のピン状突起(32)とからなる凹凸構造(33)を有し、該凹凸構造の十点平均粗さRzjisに対し、上記凹凸構造の最大高さ位置からRzjisカット率20%となる高さの仮想切断面(A)において、上記ピン状突起の接触面積率が0.01以下であり、
    上記撥水皮膜は、炭化水素系撥水材料からなる皮膜である、撥水性基材(1)。
  2. 上記接触面積率が、0.005以下である、請求項1に記載の撥水性基材。
  3. 上記炭化水素系撥水材料は、アルキル基(43)を有する金属アルコキシドからなる主剤(41)と有機シランからなる架橋剤(42)を含む、請求項1又は2に記載の撥水性基材。
  4. 上記金属アルコキシドは、炭素数3〜18のアルキル基を有するアルキルアルコキシシランであり、上記有機シランは、テトラアルコキシシランである、請求項3に記載の撥水性基材。
  5. 上記主剤と上記架橋剤のモル比は、7〜13:93〜87である、請求項3又は4項に記載の撥水性基材。
  6. アルミニウム基材(2)と、
    該アルミニウム基材の表面に設けられたアルマイト層(3)と、
    該アルマイト層の表面に設けられた撥水皮膜(4)と、を備えており、
    上記アルマイト層は、上記アルミニウム基材と一体の基層(31)と、該基層の表面に並立する多数のピン状突起(32)とからなる凹凸構造(33)を有し、該凹凸構造の十点平均粗さRzjisに対し、上記凹凸構造の最大高さ位置からRzjisカット率20%となる高さの仮想切断面(A)において、上記ピン状突起の接触面積率が0.01以下であり、
    上記撥水皮膜は、炭化水素系撥水材料からなる皮膜である、撥水性基材(1)の製造方法であって、
    上記アルミニウム基材の表面に、アルマイト化処理とエッチング処理とにより、上記凹凸構造を有する上記アルマイト層を形成する工程と(S1、S2)、
    上記炭化水素系撥水材料を含むコーティング液を調合する工程(S11)と、
    上記コーティング液に、炭化水素系溶剤を添加して、水分を分離させて除去する工程(S12)と、
    水分を除去した上記コーティング液に、上記アルマイト層を形成した上記アルミニウム基材を浸漬する工程(S13)と、
    上記コーティング液が塗布された上記アルミニウム基材を焼成する工程(S15)と、を備える、撥水性基材の製造方法。
  7. 上記アルマイト層を形成する工程において、上記アルミニウム基材の表面を陽極酸化することによりアルマイト化処理する工程(S1)と、アルマイト化処理した上記アルミニウム基材をエッチング処理する工程(S2)と、を繰り返し行う、請求項6記載の撥水性基材の製造方法。
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