JP7221541B2 - 外調機 - Google Patents

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Description

本発明は、屋外の空気を屋内に取り入れる際に、屋外の空気の温度や湿度を調整する外調機に関する。
外調機は、屋外の空気を屋内に取り入れる際に、屋外の空気の温度や湿度を調整するための空気調和機である。
例えば、特許文献1には温度が高い外気(例35℃)を、低い温度の屋内空間(例5℃)に導入する場合のように温度勾配が大きい場合における外調機が開示されている。
この特許文献1の外調機は、閉鎖された冷気庫内に、冷気庫外と冷媒を循環させる冷凍サイクル回路を備えている。外気は冷気庫内に取り入れられ、冷却されて室内に供給される。
また、特許文献2には、外気と屋内空気とを合わせて温度調整して屋内に戻す外調機が開示されている。
特許文献2の外調機は、圧縮機、凝縮器、再熱器、膨張弁、蒸発器の順で冷媒が循環する冷凍サイクル回路を備えており、室内空気と外気は蒸発器と再熱器を通過することにより、所定の温度・湿度に調整される。
特開2019-66171号公報 国際公開第2015/166541号
特許文献1のように外気を冷却することを主とした外調機の場合、冬季の寒冷外気を適温にして屋内に供給することができない。
なお、例えば夏季においては、温度は大きく変えずに除湿だけしたいという場合がある。このような場合、特許文献2のように冷凍サイクル回路の蒸発器と再熱器を用いると、実際に必要な仕事は除湿のみであるにもかかわらず、顕熱冷却分の仕事も冷凍サイクル回路によって行うため、冷凍サイクル回路を動作させる無駄な電力が大きいという課題がある。
また、冬季においては、外気を冷却する冷却器側が低温になって着霜するため、霜を溶かすためにデフロストを実行せざるを得ない。しかし、デフロスト中は外調機としての運転が停止してしまうので、デフロストを実行しなくても済むようにしたいという課題がある。
そこで本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、冬季と夏季における外気の調整に対する異なる要望に応え、且つ消費電力の低減に寄与する外調機を提供することにある。
本発明に係る外調機によれば、外気を取り入れる取り入れ口から導入された外気が流通する流通路と、前記流通路内に取り入れられた外気を冷却する冷却器と、前記冷却器の外気流通方向下流側に配置され、前記冷却器を通過した外気を加熱する加熱器と、前記冷却器の外気流通方向上流側に配置された第1熱交換器、前記冷却器の外気流通方向下流側に配置された第2熱交換器、前記加熱器の外気流通方向下流側に配置された第3熱交換器、前記第1熱交換器と前記第2熱交換器と前記第3熱交換器とを流通して外気との間で熱交換するブラインが流通する流通管、前記第2熱交換器と前記第3熱交換器との間でブラインの流通を切り替える三方弁、前記流通管の中途部に設けられてブラインを前記流通管内で流通させるポンプ、を有する顕熱回収回路と、前記ポンプの駆動制御及び前記三方弁の切り替えを制御する制御部と、を具備し、前記冷却器及び前記加熱器は、圧縮機で圧縮されて送り出される冷媒が分配され、分配された一方の冷媒が、外部熱源である外部熱媒体へ熱を放出する凝縮器、膨張弁、冷却器、圧縮機の順に循環される冷却回路と、分配された他方の冷媒が、加熱器を通過した後、前記膨張弁において前記冷却回路に合流するように設けられた加熱回路と、を有する冷媒レヒート回路の構成の一部であり、前記制御部は、前記三方弁を操作して、前記第1熱交換器と前記第2熱交換器との間でブラインを循環させる夏モードと、前記第1熱交換器と前記第3熱交換器との間でブラインを循環させる冬モードとを切り替えるように制御可能であることを特徴としている。
この構成を採用することによって、夏モードの場合には顕熱回収回路により冷却器の外気入口側で顕熱の回収を行うため、冷却器の冷却能力を節約することができるために冷媒レヒート回路の消費電力低減に寄与する。また冬モードの場合には加熱器の下流側の第3熱交換器においてブラインが加熱されて冷却器側の第1熱交換器へ循環される。このため、冷却器への着霜が起きないようにすることができ、冬期間であってもデフロストせずに運転できる。また、デフロストを電気ヒータで実行していた場合には、消費電力の低減に寄与する。
また、前記第1熱交換器、前記冷却器、前記第2熱交換器、前記加熱器、前記第3熱交換器は前記流通路内で外気の流通方向に沿って一直線上に配置されていることを特徴としてもよい。
この構成によれば、シンプルな構成で効率よく外気の調整を行える。
また、前記制御部は、前記圧縮機への冷媒の吸入温度が冷媒の蒸発温度以下になったことを検出した場合に、夏モードから冬モードへ切り替えることを特徴としてもよい。
圧縮機への冷媒の吸入温度が冷媒の蒸発温度以下になるということは圧縮機への液バックが生じるということなので、この時点で切り替えることによって、冷媒レヒート回路に液バックを生じさせることなく運転することができる。
また、前記制御部は、前記夏モードの際には、前記第1熱交換器の上部から下部に向けてブラインが流通するように前記ポンプを駆動し、前記冬モードの際には、前記第1熱交換器の下部から上部に向けてブラインが流通するように前記ポンプを駆動することを特徴としてもよい。
この構成によれば、特に冬モードの際には温度が高いブラインを下から上昇させて外気と熱交換するので、熱交換効率が良く、確実な熱交換が行える。
本発明にかかる外調機によれば、外気を取り入れる取り入れ口から導入された外気が流通する流通路と、前記流通路内に取り入れられた外気を冷却する冷却器と、前記冷却器の外気流通方向下流側に配置され、前記冷却器を通過した外気を加熱する加熱器と、前記冷却器の外気流通方向上流側に配置された第1熱交換器、前記冷却器の外気流通方向下流側に配置された第2熱交換器、前記第1熱交換器と前記第2熱交換器との間を流通して外気との間で熱交換するブライン又は温水が流通する流通管、及び該流通管の中途部に設けられてブライン又は温水を前記第1熱交換器と前記第2熱交換器との間で流通させるポンプを有する顕熱回収回路と、を具備し、前記冷却器及び前記加熱器は、圧縮機で圧縮されて送り出される冷媒が分配され、分配された一方の冷媒が、外部熱源である外部熱媒体へ熱を放出する凝縮器、膨張弁、冷却器、圧縮機の順に循環される冷却回路と、分配された他方の冷媒が、加熱器を通過した後、前記膨張弁において前記冷却回路に合流するように設けられた加熱回路と、を有する冷媒レヒート回路の構成の一部であり、前記顕熱回収回路には、前記流通路内のブライン又は温水を排出する排出バルブと、前記流通路内へブライン又は温水を供給する供給バルブと、が設けられ、記顕熱回収回路内でブラインを循環させる夏モードと、前記顕熱回収回路内で外部から供給した温水を循環させる冬モードとで切り替え可能となるように、前記排出バルブと前記供給バルブとを制御する制御部を備え、前記制御部は、前記圧縮機への冷媒の吸入温度が冷媒の蒸発温度以下になったことを検出した場合に、夏モードから冬モードへ切り替えることを特徴としている。
この構成を採用することによって、夏モードの場合には顕熱回収回路により冷却器の外気入口側で顕熱の回収を行うため、冷却器の冷却能力を節約することができるために冷媒レヒート回路の消費電力低減に寄与する。また冬モードの場合には、顕熱回収回路内で温水を循環させるため、冷却器への着霜が起きないようにすることができ、冬期間であってもデフロストせずに運転できる。また、デフロストを電気ヒータで実行していた場合には、消費電力の低減に寄与する。
また、圧縮機への冷媒の吸入温度が冷媒の蒸発温度以下になるということは圧縮機への液バックが生じるということなので、この時点で切り替えることによって、冷媒レヒート回路に液バックを生じさせることなく運転することができる。
また、前記第1熱交換器、前記冷却器、前記第2熱交換器、前記加熱器は前記流通路内で外気の流通方向に沿って一直線上に配置されていることを特徴としてもよい。
この構成によれば、シンプルな構成で効率よく外気の調整を行える。
また、前記制御部は、前記流通管に温水を導入した後は、前記第1熱交換器の下部から上部に向けて温水が流通するように前記ポンプを駆動することを特徴としてもよい。
この構成によれば、特に冬モードの際にはポンプ熱等によって加温されたブラインを第1熱交換器の下から上昇させて外気と熱交換するので、熱交換効率が良く、確実な熱交換が行える。
本発明によれば、冬季と夏季における外気の調整に対する異なる要望に応え、且つ消費電力の低減に寄与することができる。
外調機の第1の実施形態を示す配管系統図である。 外調機の第2の実施形態を示す配管系統図である。
(第1の実施形態)
以下本発明に係る外調機の好適な実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態における外調機の概略構成を示す配管系統図である。
外調機10は、室外の外気を、所定の温度・湿度に調整して室内に取り入れるための温度調整機である。
外調機10は、外気を取り入れる取り入れ口11から導入された外気が流通する流通路12を有している。
流通路12内には、外気を冷却する冷却器14と、冷却器14よりも外気の流通方向下流側において冷却器14を通過した外気を加熱する加熱器16とが設けられている。
また、冷却器14を通過した外気は低温低湿となり、その後加熱器16で加熱されて相対湿度が低下するため加熱器16は再熱器として機能する。
流通路12の出口側(室内側)において、後述する第3熱交換器26の外気流通方向下流側には、室内に向けて空気流を生じさせるファン27を設ける。
また、流通路12内の、冷却器14の外気流通方向上流側には第1熱交換器18が配置され、冷却器14の外気流通方向下流側には第2熱交換器20が配置されている。第1熱交換器18と第2熱交換器20との間はブラインが流通するように流通管22によって接続されている。
ブラインとしては、凍結温度が低く熱伝導性が高い液体であればよく、例えばアルコール溶液などを使用することができる。
流通管22の中途部には、ブラインを循環させるためのポンプ24が設けられている。ポンプ24の駆動は、制御部40によって制御される。
また、加熱器16の外気流通方向下流側には第3熱交換器26が配置されている。
第3熱交換器26には、流通管22から分岐した分岐管28が接続されており、分岐管28を通じて第3熱交換器26にもブラインが循環する。流通管22における分岐個所は、第2熱交換器20と第3熱交換器26とを分岐する個所であって、この分岐個所に三方弁30が設けられている。
このため、三方弁30の制御により、ブラインが第1熱交換器18と第2熱交換器20との間を循環する場合と、ブラインが第1熱交換器18と第3熱交換器26との間を循環する場合とで切り替えることができる。
第1熱交換器18、第2熱交換器20、第3熱交換器26、流通管22、分岐管28、ポンプ24によって顕熱回収回路32が構成される。
次に、冷媒レヒート回路について説明する。
冷却器14と加熱器16は、冷媒レヒート回路34の構成の一部として設けられている。
冷媒レヒート回路34は、圧縮機36と、加熱器16と、凝縮器38と、膨張弁42と、冷却器14とを備えている。また、加熱器16と冷却器14は、流通路12内に配置されている。圧縮機36、凝縮器38、膨張弁42は、流通路12の外部に配置されている。
圧縮機36によって高温高圧となった冷媒は、加熱器16と、凝縮器38に分岐して供給される。加熱器16に供給された冷媒は、冷却器14の上流側に設けられた膨張弁42に供給される。
凝縮器38に供給された冷媒は、温度調整対象ではない外気と熱交換し、冷却器14の上流側に設けられた膨張弁42に供給される。
加熱器16を通過した冷媒と、凝縮器38を通過した冷媒は、合流して膨張弁42によって断熱膨張し、冷却器14に導入される。
冷却器14に供給された冷媒は、第1熱交換器18から出た外気と熱交換し、圧縮機36に供給される。
制御部40は、顕熱回収回路32のポンプ24の駆動を制御するとともに、三方弁30の切り替え制御を実行する。
さらに、制御部40は、冷媒レヒート回路34の圧縮機36の駆動制御も実行する。
次に、本実施形態における外調機10の動作について説明する。
まず、夏モードの場合について説明する。夏モードは、冷媒レヒート回路34において液バックが起こらない状態のときのモードである。液バックは、圧縮機36に液体の状態での冷媒が流れ込む現象をいう。液バックは、圧縮機36へ供給される冷媒の温度が、冷媒の蒸発温度以下の場合に起こりうる。液バックは冷凍サイクルの機能低下や圧縮機の故障の原因となるため、液バックを防止することは外調機10の機能を維持する上で重要なことである。
したがって、制御部40は、圧縮機36の上流側に設けられた温度センサ44によって圧縮機36へ供給される冷媒の温度を検出し、圧縮機36へ供給される冷媒の温度>冷媒の蒸発温度の場合には、夏モードとして各構成を制御する。
制御部40は、夏モードの場合、顕熱回収回路32の三方弁30を、第1熱交換器18と第2熱交換器20との間でブラインが循環するように切り替える。
第1熱交換器18と第2熱交換器20との間でブラインが循環することで、冷却器14からの冷えた空気によって第2熱交換器20を通過するブラインを冷却し、冷却されたブラインが第1熱交換器18に流通するので、冷却器14に導入される外気をあらかじめ冷却できる。すなわち、夏モードにおいては、第1熱交換器18は予冷として機能する。
また、制御部40は、夏モードの場合において、ブラインを第1熱交換器18の上部から下部へ流通させるようにポンプ24の回転方向を制御してもよい。
すなわち、図1の場合では、ブラインは第1熱交換器18と第2熱交換器20との間を時計回りに循環することになる。
図1における第1熱交換器18の上部には下部よりも高温の外気が通過するため、第2熱交換器20で冷却されたブラインが、第1熱交換器18において図1の矢印に示したように上部から下部へ流れることによって、第1熱交換器18における外気とブラインとの熱交換効率が上がる。
また、夏モードの場合において、制御部40は顕熱回収回路32のポンプ24の回転を制御する。
例えば、図1に示すように、室内へ供給する空気の目標温度をTc、第2熱交換器20を通過した空気温度をTmとする。第2熱交換器20の下流側に温度センサ45を設け、制御部40は、温度センサ45によってTmを検出する。
例えば、Tcを25℃に設定した場合、制御部40はTmが25℃より高いか、25℃以下かを判断し、ポンプ24の回転制御を切り替える。
夏モードにおいて、制御部40は、Tm>Tcと判断した場合、ポンプ24の回転数を下げて顕熱回収量を減らす。
一方、制御部40はTm≦Tcと判断した場合、ポンプ24の回転数を最大にして顕熱回収量を増やす。このため、冷却器14の負荷を減らすことができる。
なお、制御部40によるポンプ24の制御は、ポンプ24の回転数制御ではなく、ポンプ24の運転時間の調整による流量制御であってもよい。
すなわち、夏モードの状態において、制御部40は、Tm>Tcと判断した場合、ポンプ24流量を減らして顕熱回収量を減らす。
また、制御部40は、Tm≦Tcと判断した場合、ポンプ24流量を増やして顕熱回収量を増やす。
夏モードから冬モードへの切り替えについて説明する。
制御部40は、温度センサ44によって圧縮機36へ供給される冷媒の温度を検出し、圧縮機36へ供給される冷媒の温度≦冷媒の蒸発温度の場合には、夏モードから冬モードへの切り替え制御を実行する。
制御部40は、圧縮機36へ供給される冷媒の温度≦冷媒の蒸発温度であると判断した場合に、顕熱回収回路32の三方弁30を、第1熱交換器18と第3熱交換器26との間でブラインが循環するように切り替える。
第1熱交換器18と第3熱交換器26との間でブラインが循環することで、加熱器16からの加温された空気によって第3熱交換器26を通過するブラインを加熱し、加熱されたブラインが第1熱交換器18に流通する。
このため、第1熱交換器18において冷えた外気が加熱され、加熱された空気が冷却器14に導入されるため、冷媒レヒート回路34における液バックが防止され、且つ冷却器14における着霜が防止される。したがって、冷媒レヒート回路34の運転を一旦停止してデフロストを行わなくてもよく、安定した運転を可能とする。
また、顕熱回収回路32のポンプ24を、冷却器20の近傍に配置するとよい。このことによって、制御部40は冬モードにおいて、ポンプ24を全開で駆動することにより、ポンプ24を熱源として冷却器14近傍を加温し、液バックが防止され、且つ冷却器14における着霜が防止される。
また、制御部40は、冬モードの場合において、ブラインを第1熱交換器18の下部から上部へ流通させるようにポンプ24の回転方向を制御してもよい。
すなわち、図1の場合では、ブラインは第1熱交換器18と第3熱交換器26との間を反時計回りに循環することになる。
図1における第1熱交換器18の下部には上部よりも低温の外気が通過するため、第3熱交換器26である程度加温されたブラインが、第1熱交換器18において図1の矢印に示したように下部から上部へ流れることによって、第1熱交換器18における外気とブラインとの熱交換効率が上がる。
なお、制御部40は、温度センサ44によって圧縮機36へ供給される冷媒の温度を検出し、圧縮機36へ供給される冷媒の温度>冷媒の蒸発温度となった場合には、冬モードから夏モードへの切り替え制御を実行する。
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかる外調機の第2の実施形態について説明する。
図2は、本実施形態における外調機の概略構成を示す配管系統図である。なお、上述した第1の実施形態の構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態では、第1の実施形態とは異なり、顕熱回収回路32において、加熱器16の外気流通方向下流側には第3熱交換器26が配置されておらず、第1熱交換器18と第2熱交換器20のみ設けられている。
本実施形態では、夏モードの場合にはブラインが第1熱交換器18と第2熱交換器20との間を循環し、冬モードの場合にはブラインの代わりに温水を第1熱交換器18と第2熱交換器20との間を循環させることが特徴となっている。
すなわち、本実施形態の顕熱回収回路32は、冷却器14の外気流通方向上流側に設けられた第1熱交換器18と、冷却器14の外気流通方向下流側に設けられた第2熱交換器20とが設けられ、第1熱交換器18と第2熱交換器20との間はブライン又は温水が流通するように流通管22によって接続されている。流通管22の中途部には、ブライン又は温水を循環させるためのポンプ24が設けられている。ポンプ24の駆動は、制御部40によって制御される。
流通管22には、流通管22内を循環するブライン又は温水を排出する排出バルブ50と、流通管22内へブライン又は温水を供給する供給バルブ52が設けられている。
排出バルブ50は、外調機10外部への排出管53に接続されている。また、供給バルブ52は、外調機10外部からの供給管54に接続されている。
ブラインを排出する際には排出管53の先端にはブラインの貯留容器(図示せず)を接続させておく必要があるが、温水を排出する際には排水として処理してもよいし、温水生成器(図示せず)へ戻すようにしてもよい。
また、ブラインを供給する際には、供給管54の先端にはブラインを貯留している貯留容器を接続させ、温水を供給する際には温水を生成する温水生成器を接続する。
次に、本実施形態における外調機10の動作について説明する。
まず、夏モードの場合について説明する。第1の実施形態と同様に、夏モードは、冷媒レヒート回路34において液バックが起こらない状態のときのモードである。
したがって、制御部40は、温度センサ44によって圧縮機36へ供給される冷媒の温度を検出し、圧縮機36へ供給される冷媒の温度>冷媒の蒸発温度の場合には、夏モードとして各構成を制御する。
制御部40は、夏モードの場合、第1熱交換器18と第2熱交換器20との間でブラインが循環するようにポンプ24を駆動する。
また、制御部40は、夏モードの場合において、ブラインを第1熱交換器18の上部から下部へ流通させるようにポンプ24の回転方向を制御してもよい。
すなわち、図2の場合では、ブラインは第1熱交換器18と第2熱交換器20との間を時計回りに循環することになる。
図2における第1熱交換器18の上部には下部よりも高温の外気が通過するため、第2熱交換器20で冷却されたブラインが、第1熱交換器18において図2の矢印に示したように上部から下部へ流れることによって、第1熱交換器18における外気とブラインとの熱交換効率が上がる。
また、夏モードの場合において、制御部40は顕熱回収回路32のポンプ24の回転を制御する。
例えば、図2のように、室内へ供給する空気の目標温度をTc、第2熱交換器20を通過した空気温度をTmとする。例えば、Tcを25℃に設定した場合、制御部40は、温度センサ45で検出したTmが25℃より高いか、25℃以下かを判断し、ポンプ24の回転制御を切り替える。
夏モードにおいて、制御部40は、Tm>Tcと判断した場合、ポンプ24の回転数を下げて顕熱回収量を減らす。
一方、制御部40はTm≦Tcと判断した場合、ポンプ24の回転数を最大にして顕熱回収量を増やす。このため、冷却器14の負荷を減らすことができる。
なお、第1の実施形態と同様に、制御部40によるポンプ24の制御は、ポンプ24の回転数制御ではなく、ポンプ24の運転時間の調整による流量制御であってもよい。
すなわち、夏モードの状態において、制御部40は、Tm>Tcと判断した場合、ポンプ24流量を減らして顕熱回収量を減らす。
また、制御部40は、Tm≦Tcと判断した場合、ポンプ24流量を増やして顕熱回収量を増やす。
夏モードから冬モードへの切り替えについて説明する。
制御部40は、温度センサ44によって圧縮機36へ供給される冷媒の温度を検出し、圧縮機36へ供給される冷媒の温度≦冷媒の蒸発温度の場合には、夏モードから冬モードへの切り替え制御を実行する。
制御部40は、冬モードへの切り替え時には、排出バルブ50を開き、流通管22内のブラインを排出する。そして、排出バルブ50を閉じた後に供給バルブ52を開き、温水生成器からの温水を流通管22内に供給する。なお、温水生成器から供給される温水は、ブラインよりも高温にした水である。流通管22には、温度センサ46を設け、流通管22内を流通する温水の温度を検出可能とする。
温水が流通管22に供給された後、制御部40は、ポンプ24を駆動して温水を第1熱交換器18と第2熱交換器20の間を循環させる。このため、冷却器14に導入される外気は第1熱交換器18において温水と熱交換して加温され、冷却器14に導入する。このため、冷媒レヒート回路34における液バックが防止され、且つ冷却器14における着霜を防止することができる。また着霜を解消するためのデフロストの必要がなくなる。
なお、制御部40は、冬モードの実行中において、温度センサ46が検出した温水の温度が、予め設定した所定温度よりも低いと判断した場合(外気との熱交換によって温水の温度が低下してきた場合)には、排出バルブ50を開き、流通管22内の低温になった温水を排出する。そして、排出バルブ50を閉じた後に供給バルブ52を開き、温水生成器からの新たな温水を流通管22内に供給する。
制御部40は、圧縮機36へ供給される冷媒の温度>冷媒の蒸発温度の場合には、冬モードから夏モードへの切り替え制御を実行する。
制御部40は、夏モードへの切り替え時には、排出バルブ50を開き、流通管22内の温水を排出する。そして、排出バルブ50を閉じた後に供給バルブ52を開き、ブラインを流通管22内に供給する。
また、制御部40は、冬モードの場合において、温水を第1熱交換器18の下部から上部へ流通させるようにポンプ24の回転方向を制御してもよい。
すなわち、図2の場合では、温水は第1熱交換器18と第2熱交換器20との間を反時計回りに循環することになる。また、第2熱交換器20を通過した温水は、ポンプ24の駆動に基づくポンプ熱によって加温される。
図2における第1熱交換器18の下部には上部よりも低温の外気が通過するため、ポンプ熱によってある程度加温された温水が第1熱交換器18において図2の矢印に示したように下部から上部へ流れることによって、第1熱交換器18における外気と温水との熱交換効率が上がる。
なお、制御部40は、温度センサ44によって圧縮機36へ供給される冷媒の温度を検出し、圧縮機36へ供給される冷媒の温度>冷媒の蒸発温度となった場合には、冬モードから夏モードへの切り替え制御を実行する。
(他の実施形態)
上述してきた第1の実施形態では、第1熱交換器18、冷却器14、第2熱交換器20、加熱器16、第3熱交換器26が外気の流通方向に沿って直線状に配置されている構成を説明した。
しかし、第1熱交換器18、冷却器14、第2熱交換器20、加熱器16、第3熱交換器26が非直線状(例えば曲線状)に配置されていてもよい。
同様に、第2の実施形態において、第1熱交換器18、冷却器14、第2熱交換器20、加熱器16が非直線状(例えば曲線状)に配置されていてもよい。
また、第1の実施形態において、第2熱交換器20と第3熱交換器26の切り替えは、三方弁ではなく2つの二方弁を用いた場合も三方弁の概念に含まれるものとする。
2つの二方弁を用いる場合、流通管22の第2熱交換器20と第3熱交換器26の分岐点から第2熱交換器20側の位置と、分岐点から第3熱交換器26側の位置にそれぞれ二方弁を設ける。
流通管22の分岐点から第2熱交換器20側の二方弁を開き、分岐点から第3熱交換器26側の二方弁を閉じることによってブラインを第1熱交換器18と第2熱交換器20との間で流通させることができる。
また、流通管22の分岐点から第2熱交換器20側の二方弁を閉じ、分岐点から第3熱交換器26側の二方弁を開くことによってブラインを第1熱交換器18と第3熱交換器26との間で流通させることができる。
10 外調機
11 取り入れ口
12 流通路
14 冷却器
16 加熱器
18 第1熱交換器
20 第2熱交換器
22 流通管
24 ポンプ
26 第3熱交換器
27 ファン
28 分岐管
30 三方弁
32 顕熱回収回路
34 冷媒レヒート回路
36 圧縮機
38 凝縮器
40 制御部
42 膨張弁
44 温度センサ
45 温度センサ
46 温度センサ
50 排出バルブ
52 供給バルブ
53 排出管
54 供給管

Claims (7)

  1. 外気を取り入れる取り入れ口から導入された外気が流通する流通路と、
    前記流通路内に取り入れられた外気を冷却する冷却器と、
    前記冷却器の外気流通方向下流側に配置され、前記冷却器を通過した外気を加熱する加熱器と、
    前記冷却器の外気流通方向上流側に配置された第1熱交換器、前記冷却器の外気流通方向下流側に配置された第2熱交換器、前記加熱器の外気流通方向下流側に配置された第3熱交換器、前記第1熱交換器と前記第2熱交換器と前記第3熱交換器とを流通して外気との間で熱交換するブラインが流通する流通管、前記第2熱交換器と前記第3熱交換器との間でブラインの流通を切り替える三方弁、前記流通管の中途部に設けられてブラインを前記流通管内で流通させるポンプ、を有する顕熱回収回路と、
    前記ポンプの駆動制御及び前記三方弁の切り替えを制御する制御部と、を具備し、
    前記冷却器及び前記加熱器は、
    圧縮機で圧縮されて送り出される冷媒が分配され、分配された一方の冷媒が、外部熱源である外部熱媒体へ熱を放出する凝縮器、膨張弁、冷却器、圧縮機の順に循環される冷却回路と、分配された他方の冷媒が、加熱器を通過した後、前記膨張弁において前記冷却回路に合流するように設けられた加熱回路と、を有する冷媒レヒート回路の構成の一部であり、
    前記制御部は、
    前記三方弁を操作して、前記第1熱交換器と前記第2熱交換器との間でブラインを循環させる夏モードと、前記第1熱交換器と前記第3熱交換器との間でブラインを循環させる冬モードとを切り替えるように制御可能であることを特徴とする外調機。
  2. 前記第1熱交換器、前記冷却器、前記第2熱交換器、前記加熱器、前記第3熱交換器は前記流通路内で外気の流通方向に沿って一直線上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の外調機。
  3. 前記制御部は、
    前記圧縮機への冷媒の吸入温度が冷媒の蒸発温度以下になったことを検出した場合に、夏モードから冬モードへ切り替えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の外調機。
  4. 前記制御部は、
    前記夏モードの際には、前記第1熱交換器の上部から下部に向けてブラインが流通するように前記ポンプを駆動し、
    前記冬モードの際には、前記第1熱交換器の下部から上部に向けてブラインが流通するように前記ポンプを駆動することを特徴とする請求項1~請求項3のうちのいずれか1項記載の外調機。
  5. 外気を取り入れる取り入れ口から導入された外気が流通する流通路と、
    前記流通路内に取り入れられた外気を冷却する冷却器と、
    前記冷却器の外気流通方向下流側に配置され、前記冷却器を通過した外気を加熱する加熱器と、
    前記冷却器の外気流通方向上流側に配置された第1熱交換器、前記冷却器の外気流通方向下流側に配置された第2熱交換器、前記第1熱交換器と前記第2熱交換器との間を流通して外気との間で熱交換するブライン又は温水が流通する流通管、及び該流通管の中途部に設けられてブライン又は温水を前記第1熱交換器と前記第2熱交換器との間で流通させるポンプを有する顕熱回収回路と、を具備し、
    前記冷却器及び前記加熱器は、
    圧縮機で圧縮されて送り出される冷媒が分配され、分配された一方の冷媒が、外部熱源である外部熱媒体へ熱を放出する凝縮器、膨張弁、冷却器、圧縮機の順に循環される冷却回路と、分配された他方の冷媒が、加熱器を通過した後、前記膨張弁において前記冷却回路に合流するように設けられた加熱回路と、を有する冷媒レヒート回路の構成の一部であり、
    前記顕熱回収回路には、前記流通路内のブライン又は温水を排出する排出バルブと、前記流通路内へブライン又は温水を供給する供給バルブと、が設けられ、
    記顕熱回収回路内でブラインを循環させる夏モードと、前記顕熱回収回路内で外部から供給した温水を循環させる冬モードとで切り替え可能となるように、前記排出バルブと前記供給バルブとを制御する制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記圧縮機への冷媒の吸入温度が冷媒の蒸発温度以下になったことを検出した場合に、夏モードから冬モードへ切り替えることを特徴とする外調機。
  6. 前記第1熱交換器、前記冷却器、前記第2熱交換器、前記加熱器は前記流通路内で外気の流通方向に沿って一直線上に配置されていることを特徴とする請求項5記載の外調機。
  7. 前記制御部は、
    前記流通管に温水を導入した後は、前記第1熱交換器の下部から上部に向けて温水が流通するように前記ポンプを駆動することを特徴とする請求項5又は請求項6記載の外調機。
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