JP7221280B2 - シラン官能化エチレン系ポリマーの湿気硬化のためのスズ系触媒および二酸化チタンを含む組成物 - Google Patents

シラン官能化エチレン系ポリマーの湿気硬化のためのスズ系触媒および二酸化チタンを含む組成物 Download PDF

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Description

本発明は、シラン官能化エチレン系ポリマーに関する。一態様では、本発明は、スズ系触媒を使用したそのようなポリマーの湿気硬化に関するものであり、別の態様では、本発明は、ポリマーのそのような硬化を促進するための酸化チタン(IV)の使用に関する。
シラン官能化エチレン系ポリマー(適切な触媒と組み合わせる)は、低電圧または中電圧ケーブル構造の(押出プロセスによる)絶縁/ジャケット層を作製するために広く使用されている。これらのポリマーは、反応器内でエチレンと適切なアルコキシシランを共重合する(SI-LINK(商標)DFDA-5451NTポリエチレンなどの「反応器エチレンシランコポリマー」を作製するため)か、エチレン系ポリマーにアルコキシシランを反応器後グラフトすること(post-reactor grafting)によって作製できる。後者のアプローチで作成されたシラン官能化エチレン系ポリマーは、「シラングラフト化エチレン系ポリマー」または「Si-g-エチレン系ポリマー」と呼ばれ、次の2つのタイプのいずれかに分類できる。
SIOPLAS(商標)プロセス(ケーブル押出プロセスで使用する前に別の工程で作製)、または
MONOSIL(商標)プロセス(ケーブル製造プロセス中にその場で作製-過酸化物、シランおよび触媒を含むエチレン系ポリマー組成物の、1工程の溶融混合、反応、押出による)。
シラン官能化エチレン系ポリマーは湿気硬化され、すなわち、ポリマーは硬化条件下で水と接触する。硬化は、触媒、通常はスズ系触媒で促進される。そのような触媒、例えば、ジブチルスズジラウレート(DBTDL)は、効果的であるが、湿気硬化反応の促進において一般に非効率的であり、例えば遅い。シラン官能化ポリエチレンを含むケーブル被覆のスズ系触媒硬化は、典型的には、サウナなどの高湿度と組み合わせた高温の硬化条件を必要とする。周囲条件下での硬化が望まれる場合、長期間、例えば、1ヶ月以上がしばしば必要である。どちらの硬化選択肢も商業的観点から特に魅力的ではない。
スルホン酸は、スズ系触媒よりもはるかに迅速にシラン官能化エチレン系ポリマーの硬化を促進し、硬化は、周囲条件でより短い期間、例えば2週間にわたって商業的に実施することができる。スルホン酸と、おそらくブレンステッド酸の一般的な欠点は、抗酸化剤などの他の添加物を分解する傾向があることである。
比較触媒システムと本発明の触媒システムの存在下でのモデル例における時間の関数としての酸化防止剤(BHT)の濃度を示すグラフである。ME1=DBSA、ME2=DBTDL、ME3=DBTDL/TiO、ME4=DBTDL/テトライソプロピルチタネート。
一実施形態では、本発明は、シラン官能化エチレン系ポリマーの硬化を促進するための触媒組成物であり、触媒組成物は、(i)スズ系触媒、および(ii)酸化チタン(IV)を含む。
一実施形態では、本発明は、(A)担体樹脂と、(B)(i)スズ系触媒および(ii)酸化チタン(IV)を含む触媒組成物と、を含むマスターバッチである。
一実施形態では、本発明は、シラン官能化エチレン系ポリマーを硬化するためのプロセスであり、このプロセスは、(1)シラン官能化エチレン系ポリマーと(i)スズ系触媒、および(ii)酸化チタン(IV)を含む触媒組成物と、を混合することによってポリマー組成物を形成する工程と、(2)ポリマー組成物を硬化条件にかける工程と、を含む。
定義
米国特許実務の目的のため、参照された特許、特許出願、または刊行物の内容は、特に(この開示で具体的に提供される定義と矛盾しない範囲の)定義および当該技術分野の一般知識の開示に関して、その全体が参照により組み込まれている(またはその同等の米国版は参照により組み込まれている)。
本明細書に開示される数値範囲は、下限値および上限値を含むすべての値を含む。明示的な値(例えば、1もしくは2、または3~5、または6、または7)を含む範囲には、2つの明示的な値の間の部分範囲が含まれる(例えば、1~2、2~6、5~7、3~7、5~6、など)。
用語「含む」、「含まれる」、「有する」、およびそれらの派生語は、同じであることが具体的に開示されているかどうかにかかわらず、任意の追加の構成要素、工程、または手順の存在を除外することを意図するものではない。疑義を避けるために、「含む」という用語の使用を通じて主張されるすべての組成物は、そうでないと述べられていない限り、ポリマーであろうとなかろうと、任意の追加の添加剤、アジュバント、または化合物を含み得る。対照的に、「本質的に~からなる」という用語は、操作性に不可欠ではないものを除き、以降の記述の範囲から任意の他の構成要素、工程、または手順を除外する。「からなる」という用語は、明確に描写またはリストされていない任意の構成要素、工程、または手順を除外する。「または」という用語は、特に明記しない限り、リストされたメンバーを個別に、ならびに任意の組み合わせで指す。単数形の使用には、複数形の使用が含まれ、逆もまた同様である。
元素の周期表へのいずれの言及も、CRC Press,Inc.,1990-1991が発行したものについてである。この表の元素の属への言及は、属に番号を付けるための新しい表記法によるものである。
反対の記述でなく、文脈から暗黙的でなく、または当技術分野で慣例的でない限り、すべての部およびパーセントは重量に基づいており、すべての試験方法は本開示の提出日現在のものである。
「ポリマー」とは、重合した形で、ポリマーを構成する複数のおよび/または繰り返しの「単位」または「マー単位(mer unit)」を提供する、同じまたは異なる種類のモノマーを重合することにより調製される化合物を意味する。したがって、ポリマーという総称は、通常1種類のモノマーのみから調製されるポリマーを指すために使用されるホモポリマーという用語と、少なくとも2種類のモノマーから調製されるポリマーを指すために通常使用される用語インターポリマーを包含する。「由来する単位」および同様の用語は、ポリマーのマー単位、すなわち、ポリマーがそこから作られるモノマーもしくはモノマー類の重合残留物を指し、未重合モノマー自体ではない。「ポリマー」には、ランダム、ブロックなど、あらゆる形態のコポリマーも包含する。
「インターポリマー」および「コポリマー」とは、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合により調製されたポリマーを意味する。これらの一般的な用語には、古典的なコポリマー、すなわち、2つの異なる種類のモノマーから調製されたポリマー、および3つ以上の異なる種類のモノマーから調製されたポリマー、例えばターポリマー、テトラポリマーなど、の両方が含まれる。
「エチレン系ポリマー」、「エチレンポリマー」、「ポリエチレン」などの用語は、エチレンに由来する単位を含むポリマーを意味する。エチレン系ポリマーは通常、少なくとも50重量パーセント(重量%)のエチレンに由来する単位を含む。
「シラン官能化エチレン系ポリマー」、「エチレンビニルシランポリマー」などの用語は、シラン官能性を含むエチレン系ポリマーを意味する。シランは、一般式Si2n+2を有し、アルカンに類似する水素とケイ素の任意のさまざまな化合物である。シラン官能性とは、シランに由来し、より大きな分子の一部である原子群を意味する。ポリマー内またはポリマーに結合したシラン官能性は、エチレンとシランコモノマー、例えばビニルトリアルコキシシランコモノマー、との重合、または例えばUSP3,646,155またはUSP6,048,935に記載されているようにエチレンポリマー骨格へのシランコモノマーのグラフト化、の結果であり得る。
「ブレンド」などの用語は、2つ以上の材料の組み合わせ、つまり混合物を意味する。「ポリマーブレンド」および同様の用語は、2つ以上のポリマーの組み合わせ、すなわち混合物を意味する。そのような組み合わせは、混和性である場合とそうでない場合がある。そのような組み合わせは、相分離してもしなくてもよい。そのような組み合わせは、透過電子分光法、光散乱、X線散乱、および当技術分野で知られている他の方法から決定される1つ以上のドメイン構成を含んでも含まなくてもよい。ポリマーブレンドは、1つ以上の非ポリマー成分、例えば、無機充填剤を含んでも含まなくてもよい。
「組成物」などの用語は、2つ以上の成分の混合物またはブレンドを意味する。例えば、シラングラフト化エチレンポリマーを調製する観点から、組成物は、少なくとも1つのエチレンポリマー、少なくとも1つのビニルシラン、および少なくとも1つのフリーラジカル開始剤を含むであろう。ケーブルシースまたは他の製品を調製する観点から、組成物は、エチレン-ビニルシランコポリマー、触媒硬化システム、および潤滑剤、充填剤、酸化防止剤などのような任意の所望の添加剤を含む。
「触媒組成物」および同様の用語は、少なくとも1つのスズ系触媒と酸化チタン(IV)を含む組み合わせを意味し、周囲温度および/または高温で、例えば90℃で水浴中、シラン官能化エチレン系ポリマーの湿気硬化を促進する。
「ポリマー組成物」および同様の用語は、(1)シラン官能化エチレン系ポリマー、(2)触媒組成物、および存在する場合、(3)あらゆる添加剤、充填剤、副産物などの組み合わせを意味する。ポリマー組成物は硬化または未硬化であり得る。
「触媒量」とは、シラン官能化エチレン系ポリマーの架橋を検出可能なレベル、好ましくは商業的に許容できるレベルで促進するのに必要なスズ系触媒の量を意味する。
「架橋」、「硬化」、および類似の用語は、ポリマーが物品に成形される前または後に、架橋を誘発した処理にかけられ、または曝され、キシレンまたはデカレン抽出物が90重量パーセント以下(すなわち、ゲル含有量が10重量パーセント以上)を有することを意味する。
「架橋可能」、「硬化可能」、「未硬化」などの用語は、ポリマーは、物品に成形される前または後に、硬化または架橋されておらず、実質的な架橋を誘発する処理にかけられていないまたは曝されていないが、ポリマーが、そのような処理にかけられるまたは曝される(例えば、水への曝露)と実質的な架橋を引き起こすまたは促進する添加剤(複数可)または官能性を含むことを意味する。
「周囲条件(Ambient condition)」などの用語は、23℃、大気圧、および相対湿度50%を意味する。
「硬化条件」などの用語は、シラン官能化エチレン系ポリマーを架橋するのに必要な温度、圧力、湿度を意味する。温度は通常、周囲温度~100℃、大気圧、および周囲湿度~100%の相対湿度である。
エチレンポリマー
本発明の実施において使用されるエチレン系ポリマーは、分岐、線状、または実質的に線状であり得、反応器内での重合または共重合(低圧または高圧)によって、または反応器後改質(グラフトコポリマーを作製するための反応押出成形など)により作製され得る。本明細書で使用される場合、「高圧反応器」または「高圧プロセス」という用語は、少なくとも5000ポンド/平方インチ(psi)(34.47メガパスカルまたはmPa)の圧力で動作する任意の反応器またはプロセスである。当業者に知られているように、「分岐」エチレン系ポリマーは、高圧反応器またはプロセスで調製されることが多く(しかしそれのみではないが)、ポリマー骨格と分岐自体の両方に分岐が見られる高度に分岐したポリマー構造を持つ傾向がある。対照的に、「実質的に線状」とは、1,000個の炭素原子当たり0.01~3個の長鎖分岐で置換された骨格を有するポリマーを意味する。いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマーは、1,000個の炭素原子当たり0.01~1個の長鎖分岐、または1,000個の炭素原子当たり0.05~1個の長鎖分岐で置換される骨格を有することができる。
本発明の実施において使用されるエチレン系ポリマーには、ホモポリマーおよびインターポリマー、ランダムおよびブロックコポリマー、ならびに官能化(例えば、エチレンビニルアセテート、エチレンエチルアクリレートなど)および非官能化ポリマーの両方が含まれる。エチレン系インターポリマーには、エラストマー、フレキソマー(flexomer)、プラストマーが含まれる。エチレンポリマーは、少なくとも50、好ましくは少なくとも60、より好ましくは少なくとも80重量%のエチレン由来の単位を含む。エチレン系インターポリマーの他の単位は、通常、α-オレフィンおよび不飽和エステルを含む(ただしこれらに限定されない)1つ以上の重合性モノマーから誘導される。
本発明の実施に使用されるエチレン系ポリマー、例えば共重合シラン官能性を含むポリエチレンは、通常(常にではないが)高圧重合プロセスを使用して製造されるが、その後シランでグラフトされるものは従来のポリエチレン重合技術、例えば、高圧、チーグラー・ナッタ、メタロセンまたは幾何拘束型触媒(constrained geometry catalysis)を使用して製造できる。一実施形態において、ポリエチレンは高圧プロセスを使用して製造される。ポリエチレンは、モノ-もしくはビス-シクロペンタジエニル、インデニル、またはフルオレニル遷移金属(好ましくは4族)触媒または幾何拘束型触媒(CGC)を活性化剤と組み合わせて使用して、溶液、スラリー、または気相重合プロセスで製造される。USP5,064,802、WO93/19104およびWO95/00526は、幾何拘束型金属錯体およびそれらの調製方法を開示している。様々に置換されたインデニル含有金属錯体が、WO95/14024およびWO98/49212に教示されている。
一般に、重合は、チーグラー・ナッタ型またはカミンスキー・シン型重合反応の技術分野でよく知られている条件、すなわち、0~250℃、好ましくは30~200℃の温度、および大気圧~10,000気圧(1013メガパスカル(MPa))の圧力で達成することができる。必要に応じて、懸濁液、溶液、スラリー、気相、固体粉末重合または他のプロセス条件を採用してもよい。触媒は、支持されていても支持されていなくてもよく、支持体の組成は大きく異なり得る。シリカ、アルミナまたはポリマー(特にポリ(テトラフルオロエチレン)またはポリオレフィン)は代表的な支持体であり、望ましくは気相重合プロセスで触媒を使用する場合に支持体を使用する。支持体は、好ましくは、触媒(金属に基づく)と支持体との重量比が1:100,000~1:10、より好ましくは1:50,000~1:20、および最も好ましくは1:10,000~1:30の範囲内になるように十分な量で使用される。ほとんどの重合反応において、使用される触媒対重合性化合物のモル比は10~12:1~10~1:1、より好ましくは10-9:1~10-5:1である。
不活性液体は、重合に適した溶媒として機能する。例としては、イソブタン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、およびそれらの混合物などの直鎖および分岐鎖炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘプタン、およびそれらの混合物などの環状および脂環式炭化水素、過フッ素化C4-10アルカンなどの過フッ素化炭化水素、および、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族およびアルキル置換芳香族化合物が含まれる。
本発明の実施に有用なエチレンポリマーには、インターポリマーの重量に基づいて、α-オレフィン含有量が約15重量%、好ましくは少なくとも約20重量%、さらにより好ましくは少なくとも約25重量%のエチレン/α-オレフィンインターポリマーが含まれる。これらのインターポリマーは、通常、インターポリマーの重量に基づいて、約50重量%未満、好ましくは約45重量%未満、より好ましくは約40重量%未満、さらにより好ましくは約35重量%未満のα-オレフィン含量を有する。α-オレフィン含有量は、Randall(Rev.Macromol.Chem.Phys.,C29(2&3))に記載されている手順を使用して13C核磁気共鳴(NMR)分光法によって測定される。一般に、インターポリマーのα-オレフィン含有量が多いほど、インターポリマーの密度が低くなり、非晶性が大きくなり、これは、保護絶縁層の望ましい物理的および化学的特性をもたらす。
α-オレフィンは、好ましくは、C3-20線状、分岐または環状α-オレフィンである。C3~20α-オレフィンの例には、プロペン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、および1-オクタデセンが挙げられる。α-オレフィンはまた、シクロヘキサンまたはシクロペンタンなどの環状構造を含有することができ、3-シクロヘキシル-1-プロペン(アリルシクロヘキサン)およびビニルシクロヘキサンなどのα-オレフィンをもたらす。用語の古典的な意味ではα-オレフィンではないが、本発明の目的のために、ノルボルネンおよび関連オレフィン、特に5-エチリデン-2-ノルボルネンなどの特定の環状オレフィンは、α-オレフィンであり、いくつかのまたは上記のすべてのα-オレフィンの代わりに使用することができる。同様に、スチレンおよびその関連オレフィン(例えば、α-メチルスチレンなど)は、本発明の目的のためのα-オレフィンである。例示的なエチレンポリマーには、エチレン/プロピレン、エチレン/ブテン、エチレン/1-ヘキセン、エチレン/1-オクテン、エチレン/スチレンなどが含まれる。例示的なターポリマーには、エチレン/プロピレン/1-オクテン、エチレン/プロピレン/ブテン、エチレン/ブテン/1-オクテン、エチレン/プロピレン/ジエンモノマー(EPDM)およびエチレン/ブテン/スチレンが含まれる。さらに、コポリマーは、ランダムまたはブロック状であってよい。
本発明の実施において使用されるエチレンポリマーは、単独で、または1つ以上の他のエチレンポリマーと組み合わせて、例えば、モノマー組成および含有量、触媒調製方法等が互いに異なる2つ以上のエチレンポリマーのブレンドで使用することができる。エチレンポリマーが2つ以上のエチレンポリマーのブレンドである場合、エチレンポリマーは、任意の反応器内プロセスまたは反応器後プロセスによってブレンドすることができる。反応器内混合プロセスは反応器後混合プロセスよりも好ましく、直列に接続された複数の反応器を使用するプロセスが反応器内混合プロセスとして好ましい。これらの反応器には、同じ触媒を装填するが、異なる反応物濃度、温度、圧力などの異なる条件で運転するか、同じ条件で運転するが異なる触媒を装填することができる。
高圧プロセスで作製されたエチレンポリマーの例には、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレンシラン反応器コポリマー(The Dow Chemical Company製のSiLINK(商標)など)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エチレンエチルアクリレートコポリマー(EEA)、およびエチレンシランアクリレートコポリマーが含まれる(がこれらに限定されない)。本発明で使用するために、この段落で言及したポリマーはすべて、本発明ですぐに使用できるエチレンシラン反応器コポリマーを除いて、本発明で使用するシラングラフト化を必要とする。
本発明の実施に有用なエチレン系ポリマーの例には、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、均一に分岐した線状エチレン/α-オレフィンコポリマー(例えば、三井石油化学工業(株)のTAFMER(商標)およびDEX-PlastomersのEXACT(商標))、均一に分岐した、実質的に線状のエチレン/α-オレフィンポリマー(例えば、The Dow Chemical Companyから入手可能なAFFINITY(商標)ポリオレフィンプラストマーおよびENGAGE(商標)ポリオレフィンエラストマー)、およびエチレンブロックコポリマー(The Dow Chemical Companyから入手可能なINFUSE(商標))が含まれる。実質的に線状のエチレンコポリマーは、USP5,272,236号、5,278,272、および5,986,028により詳細に記載されており、エチレンブロックコポリマーは、USP7,579,408、7,355,089、7,524,911、7,514,517、7,582,716および7,504,347により詳細に記載されている。
本発明の実施における使用に特に関心のあるエチレン系インターポリマーは、LDPE、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびHDPEである。これらのエチレン系コポリマーは、DOWLEX(商標)ATTANE(商標)およびFLEXOMER(商標)などの商標でThe Dow Chemical Companyを含む様々な供給源から市販されている。1つの好ましいポリマーは、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)である。
それらのエチレン系ポリマーは、0.1~50デシグラム/分(dg/分)、または0.3~30dg/分、または0.5~20dg/分の範囲のメルトインデックス(I)を有する。Iは、ASTM D-1238、条件Eで決定され、190℃および2.16kgで測定される。
シラン官能性
エチレンと効果的に共重合する、またはエチレンポリマーにグラフトして架橋する、任意のシランを本発明の実施に使用することができ、これらは、この式のみに限定されないが特定の例として以下の式によって説明される:
Figure 0007221280000001
式中、Rは水素原子またはメチル基であり、xおよびyは0または1であり、ただし、xが1の場合、yは1であり、nは1~12の整数が含まれ、好ましくは1~4であり、各R”は独立して加水分解性有機基であり、例えば1~12個の炭素原子を有するアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ)、アラルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ)、1~12個の炭素原子を有する脂肪族アシルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロパノイルオキシ)、アミノまたは置換アミノ基(アルキルアミノ、アリールアミノ)、1~6個の炭素原子を含む低級アルキル基が含まれ、ただし、3つのR基のうち1つだけがアルキルであることを条件とする。そのようなシランは、高圧プロセスなどの反応器内でエチレンと共重合させることができる。そのようなシランは、成形または成形作業の前または最中に、適切な量の有機過酸化物を使用することにより、適切なエチレンポリマーにグラフトすることもできる。熱および光安定剤、顔料などの追加成分も配合物に含まれてもよい。いずれにせよ、架橋反応は通常、形削りまたは成形工程の後に、グラフトもしくは共重合シラン基間の水分誘導反応(moisture-induced reaction)、大気または水浴もしくは「サウナ」からバルクポリマーに水が浸透することによって起こる。架橋が創成されるプロセスの段階(phase)は一般に「硬化段階」と呼ばれ、プロセス自体は一般に「硬化」と呼ばれる。
適切なシランには、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、シクロヘキセニルまたはガンマ-(メタ)アクリロキシアリル基などのエチレン系不飽和ヒドロカルビル基と、例えばヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルボニルオキシ、またはヒドロカルビルアミノ基などの加水分解性基とを含む不飽和シランが含まれる。加水分解性基の例には、メトキシ、エトキシ、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロプリオニルオキシ、およびアルキルまたはアリールアミノ基が含まれる。好ましいシランは不飽和アルコキシシランであり、これはポリマーにグラフトされるか、または反応器内で他のモノマー(エチレンやアクリレートなど)と共重合することができる。これらのシランとその調製方法は、Meverden,et al.のUSP5,266,627にさらに詳しく記載されている。ビニルトリメトキシシラン(VTMS)、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ガンマ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランおよびこれらのシランの混合物は、本発明で使用するのに好ましいシラン架橋剤である。充填剤が存在する場合、好ましくは、架橋剤はビニルトリアルコキシシランを含む。
本発明の実施において使用されるシラン架橋剤の量は、ポリマーの性質、シラン、処理または反応器条件、グラフト化または共重合効率、最終用途、および同様の要因に応じて大きく異なり得るが、通常、少なくとも0.5、好ましくは少なくとも0.7重量パーセントが使用される。利便性と経済性の考慮は、本発明の実施に使用されるシラン架橋剤の最大量に関する主な制限のうちの2つであり、通常、シラン架橋剤の最大量は5重量パーセントを超えず、好ましくは3重量パーセントを超えない。
シラン架橋剤は、通常のフリーラジカル開始剤、例えばペルオキシドおよびアゾ化合物の存在下、任意の従来の方法により、または電離放射線などにより、ポリマーにグラフトされる。任意の過酸化物開始剤のような有機開始剤が好ましく、例えばジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、t-ブチルペルベンゾエート、ベンゾイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t-ブチルペルオクトエート、メチルエチルケトンペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、過酸化ラウリル、および過酢酸tert-ブチルである。適切なアゾ化合物は、2,2-アゾビスイソブチロニトリルであるが、これらは一般に過酸化物よりも効果が低くなる。開始剤の量は変えることができるが、通常は少なくとも0.04、好ましくは少なくとも0.06の、100樹脂あたりの量(phr)で存在する。典型的には、開始剤は0.15phrを超えず、好ましくは約0.10phr、を超えない。シラン架橋剤と開始剤の重量比も大きく異なり得るが、典型的な架橋剤:開始剤重量比は10:1~500:1、好ましくは18:1~250:1である。100樹脂あたりの部数またはphrで使用される「樹脂」は、オレフィン系ポリマーを意味する。
任意の従来の方法を使用してシラン架橋剤をポリオレフィンポリマーにグラフトすることができるが、1つの好ましい方法は、Bussニーダーなどの反応器押出機の第1段階で2者を開始剤とブレンドすることである。グラフト化条件は変更できるが、溶融温度は通常、滞留時間および開始剤の半減期に応じて160~260℃、好ましくは190~230℃である。
ビニルトリアルコキシシラン架橋剤とエチレンおよび他のモノマーとの共重合は、エチレンホモポリマーおよびエチレンと酢酸ビニルおよびアクリレートとのコポリマーの製造に使用される高圧反応器で行うことができる。
触媒組成
本発明の実施に使用される触媒組成物は、スズ系触媒と酸化チタン(IV)を含む。スズ系触媒はルイス酸であり、スズ(I)、スズ(II)、スズ(III)およびスズ(IV)のさまざまな有機誘導体が含まれるが、これらに限定されない。有機スズ化合物またはスタンナンとしても知られるこれらの化合物の例は、有機スズのハロゲン化物、水素化物、酸化物および水酸化物、高度に調整されたスタンナン、および三有機スズカチオンである。特定の触媒には、ジブチルスズジラウレート(DBTDL)、ジメチルヒドロキシスズオレエート、ジオクチルスズマレエート、ジ-n-ブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、酢酸第一スズおよびオクタン酸第一スズ、およびUS2008/0277137に開示されているようなジスタノキサンが含まれるが、これらに限定されない。多くが市販されており、DBTDLは好ましいスズ系触媒である。
酸化チタン(IV)は、2~4個のチタン酸素結合(Ti-O)を有する組成物である。酸化チタン(IV)には、(i)単結合(Ti-OR、RはC-Cヒドロカルボニル基)、(ii)二重結合(Ti=O)、および(iii)(i)と(ii)の組み合わせであるチタン酸素結合を含む。
一実施形態では、酸化チタン(IV)は二酸化チタン、またはTiOである。二酸化チタンは、ミネラルルチルとして自然に発生する白色の非反応性固体であり、白色顔料として広く使用されている。二酸化チタンの物理的特性は大きく異なる可能性があるが、典型的かつ好ましくは、0.10~0.50ミクロンの中央粒径を有する微細な白色粉末である。本発明の実施に使用できる市販のTiO、例えば、Ti-Pure(商標)二酸化チタンは、典型的には、90重量パーセント(重量%)以上のTiOを含み、残りはアルミナ、シリカ、炭素などの他の材料の組み合わせを含む。
一実施形態では、酸化チタン(IV)はテトラトイソプロピルチタネートある。テトライソプロピルチタネートはチタン(IV)イソプロポキシドであり、4つのTi-OR結合(RはCヒドロカルボニル基である)を有している。チタン(IV)イソプロポキシドは、以下の構造(1)を有する。
Figure 0007221280000002
一実施形態において、触媒組成物は、スズ系触媒およびテトライソプロピルチタネートを、触媒組成物の総重量に基づいて、0.5:1.0、または1:1~1.0:0.5の重量パーセント比で含む。さらなる実施形態では、スズ系触媒およびテトライソプロピルチタネートは、触媒組成物中に、触媒組成物の総重量に基づいて1:1の重量パーセント比で存在する。
一実施形態において、テトライソプロピルチタネートは、チタン(IV)イソプロポキシド、CAS番号546-68-9、でありおよびシグマ-アルドリッチ社から入手可能な97%純度である。
一実施形態では、本発明の実施に使用される触媒組成物は、TiOと対になったスズ系触媒を含む。組成物100グラム(g)に対し、スズ系触媒とTiOのモル比は、典型的には0.00004:0.003~0.0012:1.00、より典型的には0.0002:0.03~0.0008:0.500、より典型的には0.0004:0.06~0.0006:0.025である(使用したスズ触媒の分子量=631.56g/mol、使用したTiOの分子量=79.866g/mol)。
本発明の実施において使用される触媒組成物の最小量は触媒量である。典型的には、この量は、ポリマー組成物の重量に基づいて少なくとも0.02、好ましくは少なくとも0.13、より好ましくは少なくとも0.26重量パーセント(重量%)である。ポリマー組成物中の触媒組成物の最大量の唯一の制限は、経済性および実用性(例えば、収益逓減)によって課せられるものであるが、通常、一般的な最大値は、ポリマー組成物の重量に基づいて、30重量%未満、好ましくは15重量%未満、より好ましくは1重量%である。本発明の実施において、ポリマー組成物中のTiOの総量が、硬化ポリマーの重量に基づいて少なくとも0.25~2.5重量%または2.5重量%、または3.0重量%、または3.5重量%、または4.0重量%、または4.5重量%、または5.0重量%、または5.0~10.0重量%または10.0~20.0重量%、または20~40重量%であるように、十分な触媒組成物が使用される。
触媒組成物は典型的にはマスターバッチの形で調製される。スズ系触媒および酸化チタン(IV)の一方または他方を最初に担体樹脂に加えて担体樹脂と混合し、十分に混合したら、もう一方を混合物に加える。あるいは、スズ系触媒と酸化チタン(IV)を担体樹脂に同時に添加でき、またはスズ系触媒と酸化チタン(IV)のそれぞれを担体樹脂の別々の部分に加えて混合し、その後、2つのミックスをブレンドできる。マスターバッチは、添加剤、充填剤などを含んでも含まなくてもよい。一実施形態では、マスターバッチは、マスターバッチの重量に基づいて、0.002~0.05、または0.05~0.1、または0.1~0.3、または0.3~1.0または1~5.0または5.0~10.0または10.0~20.0または20.0~30.0または30.0~50.0または50.0~80重量%の触媒組成物を含む。マスターバッチは、溶融配合法により便利に形成される。
添加剤
本発明の触媒組成物およびポリマー組成物の両方は、添加剤、充填剤などを含むことができ、これらには、酸化防止剤(例えば、IRGANOX(商標)1010(ヒンダードフェノール)およびIRGAFOS(商標)168(亜リン酸塩)、両方ともCiba Specialty Chemicalsから入手可能)、UV安定剤、粘着剤(cling additive)、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン)、可塑剤(例えば、フタル酸ジオクチルまたはエポキシ化大豆油)、熱安定剤、離型剤、粘着付与剤(例えば、炭化水素粘着付与剤)、ワックス(例えば、ポリエチレンワックス)、加工助剤(例えば、油、ステアリン酸などの有機酸、有機酸の金属塩)、着色剤および顔料、および充填剤(例えば、カーボンブラック、タルク)が含まれるが、これらに限定されない。これらの添加剤などは、処理中または最終製品として触媒組成物またはポリマー組成物の所望の物理的または機械的特性を妨げない範囲で、既知の量および既知の方法で使用される。
配合/製造
シラン官能化エチレンポリマー、触媒組成物および添加剤などの配合は、もしあれば、当業者に知られている標準的な手段によって実施することができる。配合機器の例は、BANBURY(商標)またはBOLLING(商標)インターナルミキサーなどのインターナルバッチミキサーである。代替的に、FARREL(商標)連続ミキサー、WERNER AND PFLEIDERER(商標)二軸スクリューミキサー、またはBUSS(商標)混練連続押出機などの連続一軸または二軸スクリューミキサーを使用することができる。使用するミキサーのタイプ、およびミキサーの動作条件は、粘度、体積抵抗率、押し出し表面の滑らかさなどのポリマー組成物の特性に影響を及ぼす。
シラン官能化エチレン系ポリマー、触媒組成物、および添加剤(存在する場合)は、通常、混合物を完全に均質化するのに十分であるが有意な量のゲルを生成するには不十分な温度および時間で混合される。触媒組成物は、典型的には、シラン官能化エチレン系ポリマーに添加されるが、もしあれば、添加剤などの前、それらと一緒に、またはその後に添加することができる。典型的には、ポリマー組成物成分のすべては、溶融混合装置で一緒に混合される。その後、混合物は最終製品に成形される。配合および製品製造の温度は通常、エチレン系ポリマーの融点を超えるが、250℃未満である。いくつかの実施形態では、ポリマー融点未満の温度で、触媒(例えば、スズ化合物)を含む1つ以上の添加剤を固体ポリマー内に浸漬することが望ましくあってよい。
製造品
一実施形態において、本発明のポリマー組成物は、既知の量で、既知の方法により(例えば、USP5,246,783および4,144,202に記載の機器および方法により)シースまたは絶縁層としてケーブルに適用できる。典型的には、ポリマー組成物は、ケーブル被覆ダイを備えた反応器押出機で調製され、ポリマー組成物の成分が配合された後、ケーブルがダイを通して引き出されるときにポリマー組成物がケーブル上に押し出される。硬化は反応器-押出機中で開始することができる。
次いで、形成された物品は、典型的には、周囲温度からポリマーの融点未満の温度であるが、物品が所望の架橋度に達するまでの温度で起こる硬化期間にかけられる。1つの好ましい実施形態では、大気または水浴もしくは「サウナ」からバルクポリマーに外部から供給される水が浸透することにより、硬化が増強される。一般に、そのような硬化は周囲温度または高温で起こるが、硬化の温度は0℃を超える必要がある。
特に高圧および/または高水分条件下で本発明のポリマー組成物から調製できる他の物品には、繊維、リボン、シート、テープ、チューブ、パイプ、ウェザーストリッピング、シール、ガスケット、フォーム、履物およびベローズが含まれる。これらの物品は、既知の機器と技術を使用して製造できる。
酸化チタン(IV)とスズ系湿気硬化触媒(DBTDLなど)の組み合わせは、シラン官能化エチレン系ポリマーの硬化速度を十分に高め、周囲条件でポリマーを硬化させ、スルホン酸触媒を使用した場合と同様の結果をもたらす。周囲条件(23℃および相対湿度(RH)50%)で30日間硬化した120ミル厚の試料の場合、200℃および20Nで測定したときの高温クリープは175%未満であった。周囲条件(23℃および相対湿度50%)で1日間硬化した30ミル厚の試料の場合、200℃および20Nで測定した高温クリープは175%未満であった。
興味深いことに、スルホン酸触媒を含むマスターバッチへの酸化チタン(IV)の添加は、スズ系触媒を含むマスターバッチへの添加と同様に、シラン官能化エチレン系ポリマーの硬化性能を改善するという同様の影響を与えず、実際、TiOはスルホン酸触媒の性能をある程度阻害する可能性がある。たとえば、CE1およびCE2と、CE3およびCE4との比較(すべて以下に報告)は、スルホン酸触媒とともにTiOが存在する場合、スルホン酸触媒単独よりも硬化が遅いことを示している。この結果は、酸化チタン(IV)とスズ系触媒の相乗効果を示唆している。
スルホン酸は、スズ系触媒よりも迅速にシラン官能化エチレン系ポリマーの硬化を促進し、硬化は、周囲条件でより短い期間、例えば2週間にわたって商業的に実施することができる。スルホン酸の欠点は、酸化防止剤や特にt-ブチル結合を持つ酸化防止剤など、他の添加剤を分解することである。出願人は、(1)スズ系触媒と(2)酸化チタン(IV)からなる触媒組成物でシラン官能化エチレン系ポリマーを硬化させると、スルホン酸の硬化速度と同じか、それ以下の速度で有利に硬化し、酸化防止剤を分解させない、および/またはt-ブチル結合を有する酸化防止剤を分解させないことを見いだした。
以下の実施例により、本発明をより詳細に説明する。特に明記しない限り、すべての部とパーセントは重量によるものである。
試験方法
高温クリープ
高温クリープ伸びは、UL2556セクション7.9に従って行われる。ダイプレスでドッグボーン形にカットすることにより、プレスしたプラック試料から3つの試料を調製する。総重量は、次式を使用して決定される。
重量=CA×29.0lb/インチ
式中、CA=試験片の断面積である。
張力を受けていない試験片に、25±2.5ミリメートル(mm)離れた2つのマークを付ける。マークは、試験中の引っ張り方向に対して直角である。試験片の一方の端を試験アセンブリの上部グリップに取り付け、計算されたおもりをもう一方の端に取り付け、マーク間の距離を記録する。アセンブリ全体を、200℃±2℃に予熱された循環空気オーブンに15分間入れる。15分後、おもりを付けたまま、マーク間の距離を最も近い1mmの目盛りで測定する。高温クリープ伸びは、次式を使用して計算される。
Figure 0007221280000003
式中、
C=高温クリープ伸び、%
=得られたベンチマーク間の距離、および
G=ベンチマーク間の元の距離。
引張強度
引張強度と破断点伸びは、試験片が破断する実際の最大荷重を示すデバイスを使用して、UL2556セクション3.5に従って行われる。このデバイスは、12~305mm/分の速度と設定速度の20%の精度で電動式顎(power-actuated Jaw)を操作する。ダイプレスを使用してドッグボーン形にカットすることにより、完成したプラックから3つの試料を調製する。真っ直ぐな試験片は、250±2mm(10±0.08インチ)離れた2点でゲージマークされる。試験片は、顎の間にゲージマークが付いた状態で機械の顎にグリップされ、顎は10インチ/分の速度で離れる。有効な破断がゲージマーク間で発生し、いずれかのゲージマークから25mm(1インチ)以内である。破断前の最大荷重が記録される。破断時のゲージマーク間の距離は、最も近い2mm(0.08インチ)まで記録される。
材料
CHEMOURS(商標)R105二酸化チタン(TiO)は、少なくとも92重量%のTiO、3.2重量%以下のアルミナ、3.5重量%以下のシリカ、および0.2重量%以下の炭素を含む微細な乾燥粉末である。
テトライソプロピルチタネートは、Sigma-Aldrich,Inc供給の純度97%のチタニウン(IV)イソプロキシドである。
IRGANOX(商標)1010酸化防止剤は、ペンタエリスリトールテトラキス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナメート)である。
カーボンCはカーボンブラック、CSX-362である。
SilinkコポリマーA-DOW SI-LINK(商標)DFDA-5451 NTポリエチレン-反応器エチレンシランコポリマー、メルトインデックス、I(dg/分)=1.5、密度(g/cm)=0.922、VTMS含有量(重量%)=1.5、PDI(Mw/Mn)=5.5。
DOW DNDA-8320NT7線状低密度ポリエチレン樹脂、密度、ASTM D4703、A1 Proc C、1時間以内の試験で、g/cm=0.9220~0.926およびメルトインデックス、190℃/2.16kgで、dg/分=16~24を有する。
DFH-2065-メルトインデックス、I(dg/分)=0.7(ASTM D792)、密度(g/cm)=0.921(ASTM D1238)、VTMS含有量(重量%)=0.0、PDI(Mw/Mn)=12.7。
DXM-316またはDow AMPLIFY(商標)EA100機能性ポリマー(エチレン-エチルアクリレートコポリマー)-メルトインデックス、I2(dg/分)=1.3、密度(g/cm3)=0.,930、VTMS含有量(重量%)=0.0、PDI(Mw/Mn)=4.7。
DFH-2076LLDPE-メルトインデックス、I(dg/分)=0.7(ASTMD792)、密度(g/cm)=0.921(ASTMD1238)、VTMS含有量(重量%)=0.0、PDI(Mw/Mn)=12.7。
DXM446低密度ポリエチレン-密度、ASTM D4703、A1 Proc C、1時間以内の試験、g/cm=0.9175~0.9230(ASTMD792)、メルトインデックス、190℃/2.16kgで、dg/分=2.35。
1,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナモイル)ヒドラジン、工業銘柄-SONGNOX(商標)1024FG
テトラキス(メチレン(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナメート))メタン-IRGANOX(商標)1010
ジブチルスズジラウレート-BNT Cat425。
2,2´-(2-メチルプロピリデン)ビス(4,6-ジメチルフェノール)、99%-LOWINOX(商標)22IB46
疎水性スルホン酸触媒、100%-NACURE(商標)B201
エタン二酸、ビス(フェニルメチレン)ヒドラジド、100%-OABH
ビス-(2,2-ジフェニルプロピル)アミン-NAUGARD(商標)445
硫酸スズ、95+%-硫酸スズ(II)、95+%
4,4-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)--LOWINOX(商標)TBM-6NDB
オクチルトリエトキシシラン-PROSIL(商標)9202
ドデカン、Acros Organics供給、純度99%
BHT-ブチル化ヒドロキシトルエン、TCI供給、純度99%
DBSA-4-ドデシルベンゼンスルホン酸、Sigma-Aldrich,Inc.供給、純度95%
試料調製
表1および2に報告されている組成物は、カムローターを備えた420ミリリットル(mL)BRABENDER(商標)ミキシングボウルを使用して調製される。バッチ質量は、本発明に記載の各配合物でミキシングボウルの70%の充填を提供するように計算される。ミキシングボウルは150℃の設定温度に予熱され、ローター速度は毎分25回転(rpm)に設定される。ポリマーの半分をボウルに加え、ポリマーの溶融物が形成されるまで流動(flux)させる。次に、酸化チタン(IV)とカーボンブラックを含むすべての充填剤をゆっくりと添加し、ポリマー溶融物に組み込む。次に、ポリマーの残りの量と酸化防止剤を追加し、ローター速度を40rpmに上げる。バッチをさらに5分間流動させる。ミキシングボウルから取り出したら、配合物をコールドプレスに5分間入れる。得られたプラックを小さな断片にカットする。チップを、24:1押出機を備えたBRABENDER(商標)モデルPrep Mixer/Measuring Head実験室電気バッチミキサーに供給する。24:1 Maddox混練頭部付きスクリューを使用して、ストランドダイを通してポリマーを搬送および溶融する(40rpmスクリュー速度で、20/40/60/20メッシュスクリーンパックおよびゾーン1、ゾーン2、ゾーン3、およびダイにわたって150℃のフラット設定温度プロファイルを使用)。ストランド化した押出物は再度Wileyミルで粉砕されてペレットを生成する。
次に、これらをさまざまな厚さの8インチx8インチの金型に入れ、以下の条件で圧縮成形する:500ポンド/平方インチ(psi)で150℃、5分間、続いて2500psiで180℃、5分間、その後、金型温度が40℃に達するまでこの圧力で徐冷する。圧縮成形されたプラックは、高温クリープまたは引張および伸び性能を測定するために使用される。
Figure 0007221280000004
Figure 0007221280000005
Figure 0007221280000006
Figure 0007221280000007
Figure 0007221280000008
Figure 0007221280000009
データは、TiOがスズ触媒とともに存在する場合、TiOを含むスルホン酸系触媒と比較して硬化速度が大幅に高速化されることを示す。これは、スルホン酸とTiO系で得られたより長い硬化時間でより高いホットクリープ値と比較して、TiOとスズ系で、より短い硬化時間でより低い高温クリープ値が得られることを示している。
Figure 0007221280000010
表5は、一緒に存在する場合、TiOとスズ触媒との相乗効果を明確に示す:(1)個別に存在する場合のスズまたはTiOの硬化に比べてTiO+スズ硬化速度が速い。これにより、TiO-スズ触媒とその硬化速度への影響の相乗効果が証明される。(2)TiOを含み、触媒を含まない試料は、荷重下で伸びたり、保持されたりしなかった。それらはオーブン内で急速に融解し、架橋しなかったことを示している。(3)場合によっては、速度はスルホン酸触媒を使用した速度よりもさらに速かった。CE9とIE8とを参照されたい。
Figure 0007221280000011
厚さ30ミルの試料の高温クリープデータは、TiOとスズの相乗効果を明確に示している。スズを単独で使用する場合の硬化速度と比較して、スズとともにTiOが存在する場合の硬化速度ははるかに速くなる。
表7:(i)比較例13~14および本発明の実施例12、および(ii)比較例15~16および本発明の実施例13から作製された架橋構造におけるエチレンシランコポリマーの高温クリープ性能は、相乗的硬化性能を示す。
Figure 0007221280000012
表7の厚さ30ミルの試料の高温クリープデータは、チタン酸テトライソプロピルスズとスズの相乗効果を明確に示している。スズが単独で使用される場合の速度と比較して、スズとともにテトライソプロピルチタネートが存在する場合、硬化速度ははるかに速くなる。
試験方法-酸化防止剤安定性
表8(下記)に報告されている組成物を、撹拌棒付きの25mL(5ドラム)透明ホウケイ酸ガラスバイアル中で調製する。ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)をバイアルに入れて目標濃度に到達させ、10mLのドデカンを加える。次に、セプタム(septum)を使用してバイアルを閉じ、窒素を使用してバイアル内の酸素を置換する。残りの手順の間、バイアルは窒素ブランケット下のままである。ドデカン中のBHTを含むバイアルを、ホットプレート上の加熱要素に置く。ホットプレートの温度は110℃に設定され、撹拌速度は500rpmに設定されている。110℃の目標温度に達したら、目標量のDBSA、ジブチルスズジラウレート、TiOおよび/またはテトライソプロピルチタネートを反応混合物に加える。約100mgのアリコートを2時間かけて反応混合物から取り出し、アセトニトリルで希釈して約100の希釈比に到達させた。超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)を使用する定量化のために、すべての正確な重量を+/-0.0001gで記録した。
表8-比較例(CS)および本発明の実施例(IE)に基づいて、モデル例(ME)1~4から作成されたモデルシステムの酸化防止剤(BHT)分解速度定数。
Figure 0007221280000013
表8および図1は、酸化チタン(IV)を含むスズ系触媒に基づくシステムの別の利点を示す。データは、スルホン酸系触媒の存在下でのBHT酸化防止剤の損失を示しているが、スズ系触媒は同じ条件下でBHT酸化防止剤の分解を引き起こさない。これにより、スルホン酸系触媒と比較して、スズ系触媒システムをより広い範囲の酸化防止剤とともに使用できる。酸化チタン(IV)(TiOまたはテトライソプロピルチタネート)と組み合わせたジブチルスズジラウレートの場合、酸化防止剤の分解を回避しながら、スルホン酸単独またはジブチルスズジラウレート単独では不可能な特性の組み合わせによって、より速い硬化速度を達成することができる。

Claims (9)

  1. シラン官能化エチレン系ポリマーの硬化を促進するための触媒組成物であって、前記触媒組成物が、
    (1)スズ系触媒と、
    (2)
    (i)二酸化チタン(TiO)および
    (ii)テトライソプロピルチタネートからなる群から選択される、酸化チタン(IV)と、を含み、
    ただし、前記酸化チタン(IV)がテトライソプロピルチタネートである場合、触媒組成物は、前記触媒組成物の総重量に基づいて、0.5:1~1.0:0.5のスズ系触媒対テトライソプロピルチタネートの重量パーセント比を有し、かつ、前記酸化チタン(IV)が二酸化チタン(TiO )である場合、スズ系触媒対TiO のモル比は0.0004:0.06~0.0006:0.025である、触媒組成物。
  2. 前記スズ系触媒が、ジブチルスズジラウレート(DBTDL)、ジメチルヒドロキシスズオレエート、ジオクチルスズマレエート、ジ-n-ブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、酢酸第一スズおよびオクタン酸第一スズのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の触媒組成物。
  3. 前記酸化チタン(IV)が、二酸化チタン(TiO)である、請求項2に記載の触媒組成物。
  4. 前記酸化チタン(IV)が、テトライソプロピルチタネートである、請求項2に記載の触媒組成物。
  5. (A)請求項1に記載の触媒組成物と、(B)担体樹脂と、を含むマスターバッチ。
  6. 前記担体樹脂が、シラン官能化エチレン系ポリマーのシランによるその官能化前のエチレン系ポリマーである、請求項5に記載のマスターバッチ。
  7. シラン官能化エチレン系ポリマーの硬化プロセスであって、(1)前記シラン官能化エチレン系ポリマーと請求項1に記載の触媒組成物を混合することによりポリマー組成物を形成する工程と、(2)前記ポリマー組成物を硬化条件にかける工程と、を含む、プロセス。
  8. 前記触媒組成物が、マスターバッチの形態である、請求項7に記載のプロセス。
  9. 前記シラン官能化エチレン系ポリマーのシラン官能性が、ビニルトリアルコキシシランの誘導体である、請求項7に記載の方法。
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