JP7220848B2 - 導電性ペーストの粘度の経時安定性の評価方法 - Google Patents
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Description
調製工程では、先ず評価用試料の材料となる無機粉末、並びに添加剤として有機溶剤及び分散剤を用意する。なお、上記添加剤のうち、分散剤は評価用試料の調製には必ずしも必要ではない。次に上記の添加剤に対して所定の配合割合で無機粉末が含まれるように、該該無機粉末を秤量して添加し、均一に分散するように混合する。その際、分散剤を用いるときは有機溶剤及び分散剤を所定の配合割合となるように秤量して混合することで作製した混合溶液に対して無機粉末を添加するのが好ましい。上記の混合方法は特に限定はないが、超音波分散機等を用いることにより、十分に撹拌混合を行うことができる。これによりスラリー状の評価用試料が得られる。
上記の評価用試料に用いる無機粉末としては、後述するように測定工程において電気泳動法を採用していることを考慮すれば、帯電する粒子であれば特に限定されないが、該無機粉末は導電性ペーストの形態で積層セラミックコンデンサの内部電極用ペーストとして用いられるので、例えば、Ni、Pd、Pt、Au、Ag、Cu及びこれらの合金から選ばれる1種以上の金属粉末が好ましい。
上記の評価用試料に用いる有機溶剤の種類には特に限定はないが、後述するバインダー樹脂を溶解することができる有機溶剤を用いることが好ましい。例えば、ジヒドロターピニルアセテート、イソボルニルアセテート、イソボルニルプロピネート、イソボルニルブチレート、イソボルニルイソブチレート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのアセテート系溶剤、ターピネオール、ジヒドロターピネオールなどのテルペン系溶剤、トリデカン、ノナン、シクロヘキサンなどの飽和脂肪族炭化水素溶剤などを挙げることができる。なお、上記の評価用試料には、有機溶剤を1種類だけ用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
上記の評価用試料に必要に応じて添加される分散剤には、カルボキシル基を有する酸系有機分散剤やアミン系分散剤を用いることができる。酸系有機分散剤はアミド結合を有するアミノ酸や炭素数11以上の高級脂肪酸、又はそれらの誘導体から選ばれる1種以上が望ましい。
上記試料調製工程で調製した評価用試料に対して、電気泳動法により無機粉末の電気泳動移動度を測定する。電気泳動法は、電極室と泳動室とから構成される電気泳動セルユニットに評価用試料を入れ、電極間に電圧を印加することで泳動室内に均一な直流電場を生じさせ、これにより荷電粒子が自身の電荷と反対の電極に向かって泳動するため、泳動する方向と移動度を測定するものである。
[式1]
電気泳動移動度U=v/E
[式2]
非水系表面電荷密度ζ=3ηU/(2εD)
評価工程では、先ず上記の試料調製工程で用いた無機粉末及び有機溶剤と同じものを用い、更に評価用試料に分散剤を添加した場合は、それと同じ分散剤を用いて導電性ペーストを調製する。無機粉末の含有量は、導電性ペースト全量に対して30質量%以上70質量%以下であるのが好ましく、40質量%以上60質量%以下であるのがより好ましい。無機粉末の含有量が上記範囲である場合、優れた導電性及び分散性が得られる。また、有機溶剤の含有量は、導電性ペースト全量に対して20質量%以上50質量%以下であるのが好ましく、25質量%以上45質量%以下であるのがより好ましい。有機溶剤の含有量が20質量%以上50質量%の範囲内である場合、優れた分散性が得られる。更に分散剤は、導電性ペースト全量に対して0.05質量%以上0.3質量%以下であるのが好ましい。なお、必要に応じて更に下記のセラミック粉末、及びバインダー樹脂を導電ペーストに添加してもよい。
導電性ペーストに必要に応じて添加するセラミック粉末は特に限定はなく、積層セラミックコンデンサの材料として一般的に使用されるセラミック粉末を用いることができる。例えば、Ba及びTiを含むペロブスカイト型酸化物が挙げられ、好ましくはチタン酸バリウム(BaTiO3)である。また、チタン酸バリウムを主成分とし、酸化物を副成分として含むセラミック粉末を用いてもよい。
導電性ペーストに必要に応じて添加するバインダー樹脂の種類は特に限定はなく、積層セラミックコンデンサの材料として一般的に使用される樹脂を用いることができる。例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルブチラールなどのブチラール系樹脂などを挙げることができ、これらの中では、有機溶剤への溶解性、燃焼分解性の観点などからエチルセルロースが好ましい。
[式3]
ペースト化粘度30日変化率=100×η30/η0
<調製工程>
無機粉末として表面酸化膜安定性の異なる3種類のニッケル粉末A、B、Cと、有機溶剤としてターピネオールとを用意した。なお、これらニッケル粉末A、B、Cの表面酸化膜安定性を粉末X線回折法により評価したところ、ニッケル粉末A、B、Cの順に安定性が高、中、低であった。すなわち、ニッケル粒子表面には薄い表面被覆層が存在しており、該表面被覆層を構成する成分のうち、酸化ニッケル(NiO)やβ-水酸化ニッケル(Ni(OH)2)の含有比率が高いニッケル粉末は安定性が高く、ニッケルメタルの含有比率が高いニッケル粉末は安定性が低くなる。よって、これらの含有率を測定した結果に基づいて安定性を評価した。
これら評価用試料1~3の各々に対して、顕微鏡電気泳動方式のゼータ電位測定装置(日本ルフト株式会社製、Model 502)を用い、回転プリズム法で電気泳動移動度を測定した。測定電圧は40Vとし、粒子の過剰な帯電を避けるため、逆方向の電圧を15秒毎に印加した。得られた電気泳動移動度を前述した式2に代入して表面電荷密度を求めた。なお、式2の粘度ηはコーンプレート粘度計を用いて測定し、誘電率εは四端子抵抗測定装置を用いて測定した。
次に、上記調製工程で用いたものと同じニッケル粉末A、B、Cの各々に対して、上記調製工程で用いたものと同じ有機溶剤を添加し、更にバインダー樹脂としてエチルセルロースを添加して導電性ペーストを調製した。このようにして調製した3種類の導電性ペーストの各々に対して、調製直後の初期粘度値と、該調製から室温(25℃)で30日間放置した後の粘度値とをコーンプレート粘度計によって測定し、前述した式3に代入してペースト化粘度30日変化率を求めた。その結果を上記の表面電荷密度と共に下記表1に示す。
ニッケル粉A、B、Cの各々に有機溶剤を添加することに加えて更に分散剤としてアミン系低分子量分散剤を該有機溶剤100質量部に対して1.0質量部の割合で添加して評価用試料4~6を調製した以外は実施例1と同様にして粘度安定性を評価した。その結果を下記表2に示す。
ニッケル粉A、B、Cの各々に有機溶剤を添加することに加えて更に分散剤としてカルボン酸系低分子量分散剤を該有機溶剤100質量部に対し1.0質量部の割合で添加して評価用試料7~9を調製した以外は実施例1と同様にして粘度安定性を評価した。その結果を下記表3に示す。
Claims (2)
- 導電性ペーストの粘度の経時安定性の評価方法であって、評価対象の導電性ペーストの材料として使用する無機粉末及び有機溶剤を混合して試料を調製する調製工程と、電気泳動法により測定した該試料に含まれる無機粉末の電気泳動移動度から該無機粉末の表面電荷密度を求める測定工程と、該無機粉末及び有機溶剤を用いて調製した導電性ペーストの粘度の経時安定性を該表面電荷密度に基づいて評価する評価工程とを含むことを特徴とする評価方法。
- 前記試料が、更に分散剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の導電性ペーストの粘度の経時安定性の評価方法。
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