JP7220660B2 - 低光輝性テクスチャ形成済みガラス表面及びその作製方法 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条の下で、2017年1月30日出願の米国仮特許出願第62/452042号の優先権の利益を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は信頼できるものであり、その全体が参照により本出願に援用される。
本明細書は一般にテクスチャ形成済みガラスに関し、特にディスプレイデバイス用のカバーガラスとして使用するためのテクスチャ形成済みガラスに関する。
テクスチャ形成済み表面を有するガラスは、その機能性及び美的外観を理由に、幅広く適用されてきた。消費者向け電子デバイスに組み込まれる場合、テクスチャ形成済みカバーガラスは、表面グレアを効果的に低減でき、特にタッチスクリーンデバイスに関してデバイスの触感を改善できる。しかしながら、カバーガラス上にテクスチャ形成済み表面が存在することにより、様々なモードの画像の歪みが引き起こされることが分かっており、これは高精細ディスプレイの性能を低下させ得る。
従って、「光輝性(sparkle)」として知られる歪みが低減された、テクスチャ形成済み表面を有するガラス、及び上記テクスチャ形成済みガラスの作製方法に対する需要が存在する。
ある実施形態では、透明ガラスシートは、平均サイズが20マイクロメートル以下の複数の不連続表面特徴部分と、1つ以上の平坦領域とを有する、少なくとも1つの防眩性表面を含む。上記複数の不連続表面特徴部分の少なくとも一部分は、互いから離間しており、上記複数の不連続表面特徴部分はそれぞれ、上記1つ以上の平坦領域によって囲まれる。上記透明ガラスシートは、141ppiのディスプレイ光源を用いたSMSベンチテスターによって評価した場合に、3%以下の光輝性を有する。
別の実施形態では、透明ガラスシート上に防眩性表面を形成するための方法は、上記透明ガラスシートの表面に粗面化溶液を導入するステップを含む。上記粗面化溶液は、1重量%~6重量%のフッ化水素酸、5重量%~15重量%のフッ化アンモニウム、2重量%~20重量%の塩化カリウムを含む。上記方法は更に:上記粗面化溶液を、上記透明ガラスシートの上記表面と接触させて維持することにより、複数の表面特徴部分を上記透明ガラスシートの上記表面上に形成して成長させるステップ;及び上記複数の表面特徴部分が成長して、上記透明ガラスシートの上記表面全体を満たす前に、上記粗面化溶液を、上記透明ガラスシートの上記表面と接触した状態から除去するステップを含み、上記粗面化溶液を除去すると、上記透明ガラスシートは、1つ以上の平坦領域によって互いから隔てられた複数の不連続表面特徴部分を有する。
上述の「発明の概要」及び以下の「発明を実施するための形態」の両方は、様々な実施形態を説明するものであり、請求対象の主題の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図したものであることを理解されたい。添付の図面は、これらの様々な実施形態の更なる理解を提供するために含まれており、また本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する。これらの図面は、本明細書に記載の上記様々な実施形態を図示し、本記載と併せて、請求対象の主題の原理及び動作を説明する役割を果たす。
従来の防眩性表面を有する透明ガラスシートの概略図 別の従来の防眩性表面を有する透明ガラスシートの概略図 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による例示的な透明ガラスシートであって、上記透明ガラスシートから突出した複数の不連続表面特徴部分を有する防眩性表面を備える、透明ガラスシートの概略図 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による別の例示的な透明ガラスシートであって、上記透明ガラスシート内へと陥凹した複数の不連続表面特徴部分を有する別の防眩性表面を備える、透明ガラスシートの概略図 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による図2Aの透明ガラスシートの上面概略図 図1Aの従来の防眩性表面を有する例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 図1Aの従来の防眩性表面を有する別の例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、複数の不連続表面特徴部分を有する図2Aの防眩性表面を有する例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、複数の不連続表面特徴部分を有する図2Aの防眩性表面を有する別の例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、複数の不連続表面特徴部分を有する図2Aの防眩性表面を有する透明ガラスシートの形成方法のフローチャート ガラスシート上での図1Aの従来の防眩性表面の形成の概略図 ガラスシート上での図1Aの従来の防眩性表面の形成の概略図 ガラスシート上での図1Aの従来の防眩性表面の形成の概略図 ガラスシート上での図1Aの従来の防眩性表面の形成の概略図 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8の方法を用いた、透明ガラスシート上での、複数の不連続表面特徴部分を有する図2Aの防眩性表面の形成の概略図 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8の方法を用いた、透明ガラスシート上での、複数の不連続表面特徴部分を有する図2Aの防眩性表面の形成の概略図 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8の方法を用いた、透明ガラスシート上での、複数の不連続表面特徴部分を有する図2Aの防眩性表面の形成の概略図 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8の方法を用いた、透明ガラスシート上での、複数の不連続表面特徴部分を有する図2Aの防眩性表面の形成の概略図 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8に示した方法で作製された、複数の不連続表面特徴部分を備える防眩性表面を有する例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8に示した方法で作製された、複数の不連続表面特徴部分を備える防眩性表面を有する例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8に示した方法で作製された、複数の不連続表面特徴部分を備える防眩性表面を有する例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8に示した方法で作製された、複数の不連続表面特徴部分を備える防眩性表面を有する例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8に示した方法で作製された、複数の不連続表面特徴部分を備える防眩性表面を有する例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8に示した方法で作製された、複数の不連続表面特徴部分を備える防眩性表面を有する例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8に示した方法で作製された、複数の不連続表面特徴部分を備える防眩性表面を有する例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8に示した方法で作製された、複数の不連続表面特徴部分を備える防眩性表面を有する例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8に示した方法で作製された、複数の不連続表面特徴部分を備える防眩性表面を有する例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8に示した方法で作製された、複数の不連続表面特徴部分を備える防眩性表面を有する例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8に示した方法で作製された、複数の不連続表面特徴部分を備える防眩性表面を有する例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8に示した方法で作製された、複数の不連続表面特徴部分を備える防眩性表面を有する例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8に示した方法で作製された、複数の不連続表面特徴部分を備える防眩性表面を有する例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8に示した方法で作製された、複数の不連続表面特徴部分を備える防眩性表面を有する例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8に示した方法で作製された、複数の不連続表面特徴部分を備える防眩性表面を有する例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8に示した方法で作製された、複数の不連続表面特徴部分を備える防眩性表面を有する例示的な透明ガラスシートの、倍率200倍で撮影された顕微鏡写真 図1Aに概略図を示した従来の防眩性表面を有するガラスシート、並びに本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、不連続表面特徴部分を備えた図2Aの防眩性表面を有する透明ガラスシートに関する、透過ヘイズ(x軸)の関数としての光輝性(y軸)のプロット 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図8の方法で作製された、複数の不連続表面特徴部分を有する図2Aの防眩性表面を有する透明ガラスシートの、倍率500倍で撮影された顕微鏡写真
これより、低光輝性を有する防眩性表面を有する透明ガラスシート、及び低光輝性を有する上記防眩性表面の作製方法の実施形態について詳細に言及する。上記透明被加工物の例は添付の図面に図示されている。可能な限り、図面全体を通して、同一又は同様の部分を指すために同一の参照番号を使用する。
透明ガラスシート100の一実施形態を、図2Aに概略図で示す。この図2Aの例示的な透明ガラスシート100は、複数の不連続表面特徴部分104及び1つ以上の平坦領域106を有する、防眩性表面102を備える。不連続表面特徴部分104の平均サイズは、20マイクロメートル未満、あるいは10マイクロメートル未満である。複数の不連続表面特徴部分104の少なくとも一部分は、互いから離間しており、複数の不連続表面特徴部分104はそれぞれ、1つ以上の平坦領域106によって囲まれる。複数の不連続表面特徴部分104を有する防眩性表面102を備えた図2の透明ガラスシート100は、141画素/インチ(ppi)のディスプレイ光源を用いたSMSベンチテスターによって評価した場合に、3%以下の光輝性を有してよい。離間し、かつ1つ以上の平坦領域106によって隔てられていてよい不連続表面特徴部分104を有する、防眩性表面102は、湾曲表面と平坦表面の組み合わせをもたらす。平坦表面は光輝性に寄与しないため、平坦領域によって離間させられた不連続表面特徴部分104を有する防眩性表面102に関する全体的な光輝性値を、1つの連続した湾曲表面を提供する連続表面特徴部分14を有する従来の防眩性表面12(図1A)に比べて低減できる。
本明細書中で使用される方向に関する用語、例えば上方(up)、下方(down)、右(right)、左(left)、前方(front)、後方(back)、頂部(top)、底部(bottom)は、ここで図示されている状態の図面に関してのみ使用され、絶対的な配向を暗示することを意図したものではない。
特段の記載がない限り、本明細書に記載のいずれの方法が、そのステップを特定の順序で実施すること、又はいずれの装置によって特定の配向を要求されるものとして解釈されることは、全く意図されていない。従って、ある方法クレームが、そのステップが従うべき順序を実際に列挙していない場合、又はいずれの装置クレームが、個々の構成部品に関する順序若しくは配向を実際に列挙していない場合、又はステップをある特定の順序に限定するべきであることが、特許請求の範囲若しくは説明中で具体的に言明されていない場合、又は装置の構成部品に関する特定の順序又は配向が列挙されていない場合、いかなる点においても、順序又は配向が推定されることは全く意図されていない。これは:ステップの構成、動作フロー、構成部品の順序、又は構成部品の配向に関する論理の問題;文法的な編成又は句読点に由来する単純な意味;及び本明細書に記載の実施形態の数又はタイプを含む、解釈のためのいずれの可能な非明示的根拠にも当てはまる。
本明細書中で使用される場合、単数形「ある(a、an)」及び「上記(the)」は、文脈がそうでないことを明らかに指示していない限り、複数の指示対象を含む。従って例えば、「ある」構成部品に関する言及は、文脈がそうでないことを明らかに指示していない限り、2つ以上の上記構成部品を有する態様を含む。
ディスプレイの「光輝性(sparkle)」又は「眩しさ(dazzle)」は、防眩性表面又は光散乱性表面を、例えば液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、タッチスクリーン等といった画素化表示システムに組み込む際に発生し得る、一般に望ましくない副作用であり、プロジェクション又はレーザーシステムで観察される、これらに特徴的なタイプの「光輝性(sparkle)」又は「スペックル(speckle)」とは、タイプ及び原因が異なる。光輝性は、ディスプレイの極めて微細な粒子状の概観に関連しており、ディスプレイの視野角の変化に伴う粒子のパターンのシフトを有するように見える場合がある。ディスプレイの光輝性は、概ね画素レベルのサイズの規模の、明るいスポット及び暗いスポット、又は色付きのスポットとして現れる場合がある。
ディスプレイ業界で使用される最も一般的な防眩性表面は、コーティング済みポリマーフィルムであるが、本開示は主に、LCD又は他の画素化ディスプレイ上の保護カバーガラスとして使用される透明ガラス物品又はシートの光学的特性及び表面特性に関する。特に、粗面化された表面と、ディスプレイの「光輝性」を最小化する光学特性とを有する透明ガラスシート、及びこのような透明ガラスシートを備えるディスプレイシステムが提供される。更に、特に強い周囲照明条件下において、ディスプレイ用途における視認性の改善につながる小角散乱特性又は反射画像の鮮明度(distinctness‐of‐reflected‐image:DOI)を備えた表面が提供される。上記防眩性表面は、外来コーティング材料(例えばコーティング、フィルム等)の塗布又はその他の使用を伴わずに形成される。
ディスプレイの光輝性の原因はこれまで、十分に理解されていなかった。干渉効果、レイリー散乱又はミー散乱等といった、仮説を立てることができる多くの潜在的な根本原因が存在する。本明細書中に記載されるように、防眩性表面と組み合わされた画素化ディスプレイにおいて一般に観察されるタイプのディスプレイの光輝性は、主に屈折効果であると判断されており、ここでは、特徴部分は上記表面上において巨視的な(即ち光の波長よりはるかに大きな)寸法を有し、これが、ディスプレイの画素の、様々な角度への屈折又は「レンズ効果(lensing)」を引き起こすことにより、これらの画素の見かけの相対強度を変化させる。
図1A~1Bを参照すると、従来の防眩性表面12を有するガラスシート10が図示されており、図1Aは、複数の突出部を備える従来の防眩性表面12を示し、図1Bは、複数の凹部を備える従来の防眩性表面12を示す。従来の防眩性表面12は、連続テクスチャ形成済み表面の粗度プロファイルを制御することによって、光輝性を最小化しようとするものである。しかしながら、これらの従来の防眩性表面12は、連続テクスチャ形成済み層においてガラス表面を完全に被覆する連続表面特徴部分14を有する。図1A及び1Bの両方において、従来の防眩性表面12の表面特徴部分14(即ち図1Aの突出部又は図1Bの凹部)は、ガラスシート10の表面全体にわたって連続して分布している。このため、従来の防眩性表面12は連続した湾曲表面を有し、湾曲表面と湾曲表面との間に平坦領域が存在しない。これらの連続した湾曲表面は、上述の「レンズ効果」に寄与するため、低光輝性の用途には理想的でない。
ここで図2A~2Bを参照すると、複数の不連続表面特徴部分104及び1つ以上の平坦領域106を有する防眩性表面102を含む、透明ガラスシート100が開示されている。不連続表面特徴部分104は互いから離間しており、平坦領域106は概して、各不連続表面特徴部分104の間に延在している。得られる防眩性表面102は、平坦表面にわたって分布した複数の湾曲表面を含み、従って防眩性表面102は平坦表面と湾曲表面との混合である。平坦表面にわたる不連続表面特徴部分104の分布は、低光輝性ガラスを提供するのと同時に、防眩性、並びに許容可能な美的外観及び感覚を提供できる。
透明ガラスシート100は、ソーダライムガラス、アルカリアルミノシリケートガラス、又はアルカリアルミノボロシリケートガラスであってよい。本明細書中で使用される場合、ガラスは、390nm~700nmの範囲内の少なくとも1つの波長の少なくとも70%を透過させる場合に、「透明(transparent)」である。いくつかの実施形態では、透明ガラスシート100は、アルミナ、少なくとも1つのアルカリ金属、及びシリカ(SiO)を含む、アルカリアルミノシリケートガラスを含んでよい。透明ガラスシート100中のシリカの量は、50モル%超、少なくとも58モル%、又は少なくとも60モル%であってよい。透明ガラスシート100としての使用に好適なアルミノシリケートガラス基板の例としては、Corning Incorporated製のGORILLA(登録商標)、EAGLE XG(登録商標)、又はLOTUS(商標)ブランドのガラスが挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な基板も考えられる。透明ガラスシート100は、熱強化技法又は化学強化技法を用いて強化された、強化済みガラス基板を含んでよい。
透明ガラスシート100の防眩性表面102の不連続表面特徴部分104は、図2Aに示すように透明ガラスシート100から外向きに延在する、突出部108であってよい。あるいは、不連続表面特徴部分104は、図2Bに示すように透明ガラスシート100内へと陥凹した凹部110であってよい。図3は、図2A及び2Bの例示的な透明ガラスシート100の上面概略図を示す。図3に概略図で示されているように、各不連続表面特徴部分104のサイズは、不連続表面特徴部分104を透明ガラスシート100の防眩性表面102に対して垂直な方向から見た場合の(即ち上面図における)、不連続表面特徴部分104の最大寸法Dとして定義される。防眩性表面102の不連続表面特徴部分104の平均サイズは、20マイクロメートル未満、10マイクロメートル未満、又は5マイクロメートル未満であってよい。あるいは、各不連続表面特徴部分104は、20マイクロメートル以下、10マイクロメートル以下、又は5マイクロメートル以下の最大寸法Dを有してよい。不連続表面特徴部分104は、(例えば図1A及び1Bに示す)従来の防眩性表面12の連続表面特徴部分14よりも小さな平均サイズを有してよい。不連続表面特徴部分104の平均サイズが削減されていることにより、複数の不連続表面特徴部分104を有する防眩性表面102の光輝性値は、従来の防眩性表面12(図1A)に比べて低減される。
図3を参照すると、不連続表面特徴部分104は不連続(discrete)である。これは、不連続表面特徴部分104が、防眩性表面102にわたって連続していないことを意味している。従って、不連続表面特徴部分104は互いに相互接続されていない。その代わり、不連続表面特徴部分104は互いから離間しており、従って、1つ以上の平坦領域106が、隣り合った各不連続表面特徴部分104の間に位置決めされる。本明細書中で使用される場合、「平坦領域(flat region)」は、1マイクロメートル以上の最大寸法を有する、不連続表面特徴部分の表面空隙の領域である。例えば、各不連続表面特徴部分104は、他の不連続表面特徴部分104それぞれから隔離されている。各不連続表面特徴部分104は、平坦領域106によって、他の不連続表面特徴部分104それぞれから隔てられている。あるいは、不連続表面特徴部分104の少なくとも一部分は、他の不連続表面特徴部分104それぞれから離間し、かつ平坦領域106によって他の不連続表面特徴部分104それぞれから隔てられていてよい。別の代替例では、不連続表面特徴部分104の大部分が、他の不連続表面特徴部分104から離間し、また平坦領域106によって他の不連続表面特徴部分105から隔てられている。任意に、不連続表面特徴部分104の少なくとも一部分は、平坦領域106によって周囲を囲まれていてよい(即ち平坦領域106によって完全に囲まれるか、又は取り囲まれていてよい)。
上述のように、1つ以上の平坦領域106は、各不連続表面特徴部分104の間の空間を占有する。更に、複数の平坦領域106は連続しており、従って各平坦領域106は、1つ以上の他の不連続表面特徴部分104の周りに延在する1つ以上の他の平坦領域106と接続される。例えば平坦領域106は相互接続され、これによって平坦領域106は1つの連続した平坦領域を形成し、これは平坦領域106の連続したネットワーク又はマトリクスを形成し得る。これにより、防眩性表面102は、平坦表面であって、上記平坦表面上に、複数の不連続表面特徴部分104が、独立しかつ離間した複数の位置に分布している、平坦表面を含む。平坦領域106は、相互接続された2次元の不規則形状の格子として、防眩性表面102全体にわたって広がっており、不連続表面特徴部分104によって完全に取り囲まれた不連続なポケット内に隔離されない。平坦領域106は、防眩性表面102全体にわたって連続的に相互接続されていてよい。
図3を参照すると、平坦領域106は、各不連続表面特徴部分104の間に延在し、従って、いずれの1つの不連続表面特徴部分104から他のいずれの不連続表面特徴部分104へと延在する、防眩性表面102の平坦領域106の平面内の線112は、1つ以上の平坦領域106を通過する。平坦領域106の面積は、防眩性表面102の総表面積の10%~60%、10%~50%、15%~60%、又は15%~50%であってよい。非限定的な例では、平坦領域106の面積は、防眩性表面102の総表面積の10%~60%であってよい。あるいは、平坦領域106の面積は、防眩性表面102の総表面積の15%~50%であってよい。
上述のように、離間し、かつ1つ以上の平坦領域106によって隔てられていてよい不連続表面特徴部分104を有する、防眩性表面102は、湾曲表面114と平坦表面116との組み合わせとなり得る。平坦表面116は光輝性に寄与しないため、不連続表面特徴部分104を有する防眩性表面102に関する全体的な光輝性値を、1つの連続した湾曲表面をもたらす連続表面特徴部分14を有する従来の防眩性表面12に比べて低減できる。
上述のような、複数の不連続表面特徴部分104を備えた防眩性表面102を有する透明ガラスシート100は、3%未満又は2%未満の光輝性値を有してよい。本明細書中で使用される場合、透明ガラスシート100の光輝性値は、特段の記載がない限り、SMS Bench及び141ppiのディスプレイ光源を用いて評価される。不連続表面特徴部分104を有する防眩性表面102は、10ナノメートル(nm)~1000nm、又は10nm~200nmの平均表面粗度(Ra)を有してよい。更に、不連続表面特徴部分104を有する防眩性表面102は、Elektron Technologies, PLCから入手したHaze‐Guard透過率及びヘイズ試験装置を用いて、ASTM D1003に従って測定した場合に、20%以下の透過ヘイズ値を有してよい。
図1A及び1Bに示すように、従来の防眩性表面12に関して、表面特徴部分14は全て、1つの連続したテクスチャとして相互接続され、表面特徴部分14間に散在する平坦領域106は存在しない。従来の防眩性表面12の表面特徴部分14の連続的な分布は、異なる表面粗度(即ち異なるサイズの表面特徴部分14)を有する2つの異なる従来の防眩性表面12の顕微鏡写真である図4及び5に更に示されている。図4及び5に示すように、表面特徴部分14は、従来の防眩性表面12上に連続的に分布しており、従って各表面特徴部分14は、平坦なエリアを介在させることなく、及び連続テクスチャ形成済み層の連続性を中断させることなく、隣接する各表面特徴部分14に接続される、及び/又は当接する。
対照的に、図2A、2B及び3に示すように、本開示の防眩性表面102に関して、不連続表面特徴部分104は、透明ガラスシート100の表面上に不連続に成長して、湾曲表面114(即ち不連続表面特徴部分104)と平坦表面116(即ち平坦領域106)との組み合わせである防眩性表面102を形成する。この湾曲表面114と平坦表面116との組み合わせは、上述のように平坦領域106で隔てられた複数の不連続表面特徴部分104を有する防眩性表面102の200倍顕微鏡写真である図6及び7に示されている。図6及び7に示すように、各不連続表面特徴部分104は互いから離間しており、平坦領域106が各不連続表面特徴部分104の間に延在している。図6の防眩性表面102は、図7に示す、比較的小さくかつ個数が多い(即ち不連続特徴部分の密度が高い)不連続表面特徴部分104に比べて、大きくかつ個数が少ない(即ち不連続特徴部分の密度が低い)、不連続表面特徴部分104を有する。
平坦領域106で隔てられた複数の不連続表面特徴部分104を含む防眩性表面102を有する透明ガラスシート100は、画素密度200ppi以上の高精細(HD)ディスプレイに適合可能となり得る。画素密度が高いHDディスプレイに適合できる、透明ガラスシート100等の低光輝性テクスチャ形成済みガラスを提供できることにより、テクスチャ形成済み表面を消費者向け電子デバイスに統合できる可能性を生み出すことができる。このような防眩性表面102を有する透明ガラスシート100は、ポジティブな美的外観、良好な触感及び防眩機能性を呈する、低光輝性のガラスを提供できる。
1つ以上の実施形態では、透明ガラスシート100から突出した不連続表面特徴部分104は、化学エッチング法によって作製してよい。図8を参照すると、透明ガラスシート上に防眩性表面を形成するための方法200は、表面101を有する透明ガラスシート100を提供するステップ202を含む。透明ガラスシート100は、上述の透明ガラスシートのいずれであってもよい。方法200は更に、透明ガラスシート100の表面101を粗面化溶液に導入するステップ204を含む。上記粗面化溶液の組成については以下で説明する。ある例示的な方法200では、透明ガラスシート100を、粗面化溶液の浴に導入してよい。方法200は、粗面化溶液を、透明ガラスシート100の表面101と接触させて維持することにより、複数の不連続表面特徴部分104を透明ガラスシート100の表面101上に形成するステップ206を更に含む。実施形態では、透明ガラスシート100の表面101は、1分以上8分以下の反応時間にわたって、粗面化溶液と接触させて維持される。あるいは、上記反応時間は、1分以上4分以下であってよい。
方法200は、複数の不連続表面特徴部分104が成長して、透明ガラスシート100の表面101全体を満たす前に、粗面化溶液を、透明ガラスシート100の表面101と接触した状態から除去するステップ208を含む。粗面化溶液を除去すると、透明ガラスシート100は、1つ以上の平坦領域106によって互いから隔てられた複数の不連続表面特徴部分104を備える。方法200は、透明ガラスシート100の表面101を研磨して、透明ガラスシート100の透過ヘイズ、及び複数の不連続表面特徴部分104のサイズを低減するステップ210も含んでよい。
方法200は任意に、透明ガラスシート100を強化するステップ212を含んでよい。上述のように、透明ガラスシート100を、熱強化又は化学強化212してよい。方法200は任意に、粗面化溶液を透明ガラスシート100の表面101に導入する前に、透明ガラスシート100の表面101を洗浄するステップ(図示せず)を含んでよい。方法200は任意に、酸研磨するステップ210の後、又は粗面化溶液を透明ガラスシート100の表面101から除去するステップ208と、透明ガラスシート100の表面101を酸研磨するステップ210との間に、透明ガラスシートの表面101をすすぐ又は洗浄するステップ(図示せず)も含んでよい。
図10A~10Dを参照して、図8の方法200中に行われる、不連続表面特徴部分104の形成、成長及び酸研磨について、更に詳細に説明する。図10Aは、粗面化溶液を透明ガラスシート100の表面101に導入するステップ204の前の、表面101を有する透明ガラスシート100の概略図を示す。図10B及び10Cは、透明ガラスシート100の表面101上での結晶120の形成及び成長の概略図を示す。結晶120の形成及び成長は、粗面化溶液を透明ガラスシート100の表面101に接触させて維持するステップの間に発生する。結晶120は最終的に、不連続表面特徴部分104を形成する。図10Bを参照すると、方法200の導入するステップ204において、粗面化溶液を透明ガラスシート100の表面101に導入した後、粗面化溶液は、結晶120を透明ガラスシート100の表面101上に形成させる。結晶120は離間しており、透明ガラスシート100の表面101の平坦領域106によって隔てられている。結晶120の形成は、透明ガラスシート100の表面101上での、固体反応産物の沈殿によって発生する。結晶120の組成、及び結晶120の沈殿を引き起こす化学反応について、以下で更に詳細に説明する。
図10C及び図8を参照すると、結晶120は続いて、粗面化溶液を透明ガラスシート100の表面101と接触させて維持するステップ206を通して成長する。結晶の成長中、透明ガラスシート100の表面101上に播種された結晶120のサイズが成長して、防眩性表面102の表面粗度が上昇する。図10Cに示すように、結晶120は、維持するステップ206の終了までに、最大サイズDMAXまで成長する。図10Dは、方法200の酸研磨するステップ210の後の、透明ガラスシート100の概略図を示す。酸研磨するステップ210中に、複数の結晶120がその上に形成されて成長した透明ガラスシート100の防眩性表面102を、化学エッチングに供し、これは防眩性表面102のヘイズを低減し、また結晶120のサイズ(即ち最大寸法D)を削減でき、これによって、平坦領域106によって隔てられた不連続表面特徴部分104が形成される。
不連続表面特徴部分104を形成するための結晶120の形成及び成長は、不連続表面特徴部分104が離間し、かつ平坦領域106によって互いから隔てられたままとなるように、制御される。結晶の形成を制御することにより、透明ガラスシート100の表面101上の不連続表面特徴部分104の密度を、不連続表面特徴部分104が離間し、かつ各不連続表面特徴部分104の間に延在するガラス表面101の平坦領域106によって隔てられたまま維持されるように、制御する。結晶の成長を制御して、不連続表面特徴部分104の平均サイズを制限することにより、不連続表面特徴部分104が互いの内部まで成長して、表面特徴部分の連続したアレイを形成するのを防止できる。不連続表面特徴部分104となる結晶120の形成及び成長は、同時に実施してよい。例えば粗面化溶液は、透明ガラスシート100の表面101上における、結晶120(即ち不連続表面特徴部分104)の形成及び成長の両方を促進してよい。
粗面化溶液は、フッ化水素酸、1つ以上の粗面化試薬、及び溶媒を含んでよい。実施形態では、粗面化溶液は、0.5重量%~10重量%、0.5重量%~6重量%、0.5重量%~3重量%、0.5重量%~1重量%、1重量%~10重量%、1重量%~6重量%、1重量%~3重量%、3重量%~10重量%、3重量%~6重量%、又は6重量%~10重量%という重量パーセント(重量%)のフッ化水素酸(HF)を含んでよい。いくつかの非限定的な例では、粗面化溶液は、1重量%~8重量%のフッ化水素酸を含んでよい。あるいは、粗面化溶液は、1重量%~6重量%のフッ化水素酸を含んでよい。
粗面化試薬は、カチオン(M)を粗面化溶液に供給することによって、結晶の形成及び結晶の成長を促進する、1つの試薬又は複数の試薬の組み合わせであってよい。粗面化試薬は、カリウム、ナトリウム及び/若しくはアンモニウムイオン、又は複数のイオンの組み合わせを含有する、1つ以上の無機塩を含んでよい。粗面化試薬の非限定的な例としては、塩化カリウム(KCl)、硝酸カリウム(KNO)、硫酸カリウム(KSO)、塩化ナトリウム(NaCl)、硝酸ナトリウム(NaNO)、硫酸ナトリウム(NaSO)、フッ化アンモニウム(NHF)、塩化アンモニウム(NHCl)、硝酸アンモニウム(NHNO)、硫酸アンモニウム((NHSO)、他の無機塩、及び複数の無機塩の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの非限定的な例では、粗面化溶液は、複数の粗面化試薬を含んでよい。例えば粗面化溶液は、粗面化試薬としてフッ化アンモニウム及び塩化カリウムを含んでよい。
粗面化溶液は、2重量%~20重量%、2重量%~15重量%、2重量%~10重量%、2重量%~5重量%、5重量%~20重量%、5重量%~15重量%、5重量%~10重量%、10重量%~20重量%、10重量%~15重量%、又は15重量%~20重量%という重量パーセントの単一の粗面化試薬を有してよい。粗面化溶液は、5重量%~35重量%、5重量%~25重量%、5重量%~20重量%、5重量%~17重量%、5重量%~15重量%、7重量%~35重量%、7重量%~25重量%、7重量%~20重量%、7重量%~17重量%、7重量%~15重量%、15重量%~35重量%、15重量%~25重量%、15重量%~20重量%、15重量%~17重量%、17重量%~35重量%、17重量%~25重量%、17重量%~20重量%、20重量%~35重量%、又は20重量%~25重量%という合計重量パーセント(重量%)の粗面化試薬(複数の粗面化試薬を含む)を有してよい。いくつかの非限定的な例では、粗面化溶液は、5重量%~15重量%という重量パーセントのNHF、及び2重量%~20重量%という濃度のKClを含んでよい。あるいは、粗面化溶液は、10重量%~20重量%という重量パーセントのNHFを有してよい。
溶媒としては、水が挙げられ、これは上記溶液の残部を構成してよい。溶媒は任意に、有機溶媒を含んでよい。好適な有機溶媒の例としては:例えばプロピレングリコール等のポリオール;例えばエタノール等のアルコール;及び/又は例えば酢酸等の水混和性極性有機溶媒が挙げられる。いくつかの非限定的な例では、粗面化溶液はプロピレングリコールを含んでよい。粗面化溶液中のプロピレングリコールの体積パーセント(体積%)は、1体積%~20体積%、1体積%~15体積%、1体積%~10体積%、1体積%~5体積%、5体積%~20体積%、5体積%~15体積%、5体積%~10体積%、10体積%~20体積%、10体積%~15体積%、又は15体積%~20体積%であってよい。あるいは、粗面化溶液は、有機溶媒を実質的に含まなくてよい。本開示中で使用される場合、ある成分を「実質的に含まない(substantially free)」とは、特定の組成物中の、1重量%未満の該成分を意味する。一例として、有機溶媒を実質的に含まない粗面化溶液は、1重量%未満のエチレンを有してよい。例示的な粗面化溶液は、例えば界面活性剤等の1つ以上の他の添加剤を含んでよい。ある例示的な粗面化溶液は、1重量%以下の界面活性剤を有してよい。
1つ以上の非限定的な例では、粗面化溶液は、HF、NHF、KCl及び水を含むか、基本的にこれらからなるか、又はこれらからなってよい。より具体的には、粗面化溶液は、1重量%~6重量%のHF、10重量%~20重量%のNHF、2重量%~20重量%のKCl、及び水を含むか、基本的にこれらからなるか、又はこれらからなってよい。あるいは、粗面化溶液は、1重量%~6重量%のHF、5重量%~15重量%のNHF、2重量%~20重量%のKCl、及び水を含むか、基本的にこれらからなるか、又はこれらからなってよい。他の非限定的な例では、粗面化溶液は、1重量%~6重量%のHF、10重量%~20重量%のNHF、2重量%~20重量%のKCl、1体積%~15体積%のプロピレングリコール、及び残部の水を含むか、基本的にこれらからなるか、又はこれらからなってよい。
透明ガラスシート100を粗面化溶液に曝露している間、結晶種が透明ガラスシート100の表面上に形成され、以下の化学式に従って成長する:
6HF+SiO→HSiF+2HO 式1
2M+SiF 2-→MSiF↓;ここでM=K、Na、NH 等 式2
式1では、フッ化水素酸(HF)がガラスのシリカ(SiO)と反応して、フルオロケイ酸塩(HSiF)及び水を生成する。HSiFは水中で解離でき、SiF 2-イオンは、式2に従って、粗面化試薬によって供給されるカチオン(M)と反応してMSiFを生成する。MSiFは、透明ガラスシート100の表面上に沈殿して、結晶を形成してこれを成長させ、この結晶は不連続表面特徴部分104となる。上述のように、粗面化試薬によって供給されるカチオンMは、例えばカリウムイオン(K)若しくはナトリウムイオン(Na)等の金属イオンであってよく、又はカチオンMは、例えばアンモニウムイオン(NH )等の非金属カチオンであってもよい。
サイズが小さく、また相互接続された平坦領域106によって互いから隔てられた、不連続表面特徴部分104は、粗面化プロセス中の結晶の形成204及び/又は結晶の成長206を制御することによって作製される。結晶の形成204を制限して、結晶種の密度を低減することにより、表面特徴部分の連続的な相互接続されたネットワークではなく、互いから離間し、かつ平坦領域106によって隔てられた不連続表面特徴部分104の形成を保証できる。結晶120の成長206を制限することにより、個々の結晶120が互いの内部へと成長し、組み合わさって、不連続表面特徴部分104の間の間隙を埋めるのを防止できる。更に、結晶の成長を制御することにより、表面特徴部分が、標的表面粗度を提供するために適切なサイズとなることを保証できる。粗面化溶液の組成、粗面化溶液の温度、及び透明ガラスシート100と粗面化溶液との反応時間は全て、ガラス表面上での結晶の形成及び結晶の成長を制御するために操作できる。反応時間(reaction time)とは、透明ガラスシート100を粗面化溶液と接触させて維持する期間である。
粗面化溶液の組成を微調整することにより、表面の種の密度(即ち結晶形成密度)及び結晶の成長速度を効果的に制御できる。透明ガラスシート100の表面101上に形成される結晶種の数は、粗面化溶液中の粗面化試薬の濃度を制御することによって制御できる。粗面化試薬の濃度を上昇させると、カチオン(例えばK、Na、NH 等)の濃度が上昇し、これにより、式2の反応が右側へと進み、より多くのMSiFが生成される。より多くのMSiFの生成によってMSiFの濃度が上昇すると、MSiFの沈殿が増大し、従ってガラス表面101上に形成される種の個数が増加する。同様に、粗面化試薬の濃度を低下させると、式2の反応が左側へと進んでMSiFの濃度が低下し、これは、ガラス表面101上に形成される種の減少につながる。従って、ガラス表面101上に形成される結晶(即ち形成される種)の数は、粗面化溶液中の粗面化試薬の濃度を低下させることによって減少させることができる。
更に、ガラス表面101上での初期結晶形成は、粗面化溶液中でのMSiFの可溶性を操作することによって制御でき、これは、粗面化溶液の温度を変更すること、又は粗面化溶液中の有機溶媒の濃度を変更することによって達成できる。例えば、粗面化溶液の温度を低下させると、粗面化溶液中でのMSiFの可溶性が低下し、これは、MSiFの沈殿の増大、及びガラス表面101上での結晶の形成の増大をもたらす。反対に、粗面化溶液の温度を上昇させると、粗面化溶液中でのMSiFの可溶性が上昇して、MSiFの沈殿が減少し、これにより、ガラス表面101上での結晶の形成が減少する。従って、温度を低下させると結晶の形成が増大し、これは、透明ガラスシート100の表面101上の不連続表面特徴部分104の密度の上昇をもたらす。粗面化溶液は、10℃~40℃に維持してよい。いくつかの非限定的な例では、粗面化溶液は室温に維持してよく、室温は20℃~30℃であってよい。
粗面化溶液中の有機溶媒の濃度を上昇させることによっても、粗面化溶液中でのMSiFの可溶性が低下する傾向があり、これは結晶の形成の増大につながる。反対に、粗面化溶液中の有機溶媒の濃度を低下させると、ガラス表面101上での結晶の形成が減少する傾向があり得る。粗面化溶液中の粗面化試薬の低下した濃度を維持すること、粗面化溶液の比較的高い温度を維持すること、及び/又は粗面化溶液中の有機溶媒の濃度を低減することによって、結晶の形成を減少させ、従って制限することができる。あるいは、粗面化溶液中の有機溶媒の濃度を上昇させることによって、結晶の形成を増大させることができ、これにより、透明ガラスシート100の表面101上に形成される不連続表面特徴部分104の密度が高くなる。
結晶の成長は、粗面化プロセスの反応速度及び/又は反応時間を操作することによって制御できる。上述の式1を参照すると、粗面化溶液中のHFの濃度を低下させると、式1の反応物の濃度が低下し、従って式1の反応速度が低下し、これは式2のための反応物の減少、及びこれに対応する、MSiFの形成の減少につながる。上述のように、粗面化溶液中のMSiFの濃度を低下させると、結晶の形成及び結晶の成長が減少する。
アルミノシリケートガラスシートである透明ガラスシート100に関しては、結晶の成長は、粗面化溶液中のフッ化物イオンの濃度を上昇させることによって、更に低減できる。以下の化学式3~5は、アルミノシリケートガラスのエッチングに関連する化学反応を記述したものである。
Al+6H→2Al3++3HO 式3
HF←→H+F 式4
+HF←→HF 式5
式3では、アルミノシリケートガラスシートの表面の酸化アルミニウム(Al)を、プロトン(H)(即ちヒドロニウムイオン)でエッチングして、アルミニウムイオン(Al3+)及び水(HO)を生成する。式4は、溶液中のフッ化水素酸HFの、フッ化物イオン(F)及びヒドロニウムイオン(H)への平衡解離である。例えば粗面化溶液中のフッ化アンモニウム(NHF)の濃度を上昇させることによる、フッ化物イオンの追加は、式4の平衡反応を、フッ化水素酸(HF)の形成に向かって左側へとシフトさせる。式4の平衡を左側にシフトさせることにより、ヒドロニウムイオン(H)の濃度が低下し、従って粗面化溶液のpHが上昇する。式4の平衡は、式5のHFの消費によって、HFの形成に向かって更にシフトされ得る。この式5では、HFが、濃度が上昇したフッ化物イオン(F)と反応して、二フッ化水素イオン(HF )を生成する。HFの消費により、粗面化溶液中のHFの濃度が低下する。上述のように、HFの濃度が低下すると、式1の反応速度が低下し、これにより、透明ガラスシート100のガラス表面101上での結晶の形成及び結晶の成長が低減される。従って、粗面化溶液中のNHFの濃度を上昇させることによって、フッ化物イオン(F)を増加させると、粗面化溶液のpHを上昇させることができ、結晶の形成及び成長をもたらす反応を遅くすることができる。
結晶の成長は更に、反応時間(即ち透明ガラスシート100のガラス表面101を粗面化溶液に接触させて維持する時間)を調整することによって制御できる。反応時間を増加させると、式1~5の反応は進行し続け、これによって連続的な結晶の成長が得られる。反応時間を制限すると、結晶の成長が低減される。最終的な結晶サイズ、従って不連続表面特徴部分104の最終的なサイズは、反応時間を短縮することによって削減できる。
図8及び10Dを参照すると、酸研磨ステップ210を用いて、防眩性表面102の表面ヘイズ値を低減できる。酸研磨ステップ210では、透明ガラスシート100を、エッチング液を含む第2のエッチング浴に導入してよい。酸研磨ステップ210では、エッチング液は、結晶の成長を促進する成分、例えばNHF又はKCLを含まない。その代わりに、酸研磨に使用されるエッチング液は、HF、硫酸(HSO)、塩酸(HCl)、硝酸(HNO)、リン酸(HPO)、若しくは他の無機酸、又はこれらの組み合わせのうちの1つ以上の水溶液を含んでよい。酸研磨ステップ210では、エッチング液(即ちエッチャント)がガラス表面101から材料を除去する。
図9A~9Dは、従来の防眩性表面12をガラスシート10上に形成するステージを示す。図9Aでは、表面11を有するガラスシート10が提供される。図9B及び9Cは、ガラスシート10の表面11上での結晶20の形成及び成長の概略図を示す。図9B及び9Cに示すように、結晶20を播種して成長させ、ガラスシート10の表面11全体を完全に被覆する。結晶20の連続したネットワークは、ガラスシート10の表面11全体にわたってエッチングマスクを形成する。図9Dは、酸研磨ステップ後のガラスシート10を示す。図9Dに示すように、酸研磨(即ち化学エッチング)は、ガラスシート10の表面11上にエッチングマスクを転写し、ガラスシート10上に連続したパターンを生成する。研磨ステップ中、表面特徴部分14のサイズは更に成長する。理論による束縛を意図したものではないが、表面特徴部分14の連続したネットワークの酸研磨は、表面特徴部分14の圧密を引き起こし、これにより谷状部はより深く成長し、従って表面特徴部分14の平均サイズが増大すると考えられる。例えばエッチング液は、ガラスシート10の表面から、比較的小さな表面特徴部分14の輪郭を含み得る材料を除去する。これにより、連続表面特徴部分14の平均サイズが全体的に増大し得る。連続表面特徴部分14の平均サイズが酸研磨によって増大するため、ガラスシート10の表面12の光輝性値も上昇する。
図27は、複数の従来の防眩性表面に関する、ヘイズ(x軸)の関数としての光輝性(y軸)を示し、これらは円(即ち第1のデータシリーズ302)を用いて示される。図27に示すように、従来の防眩性表面(第1のデータシリーズ302)に関して、光輝性値は、酸研磨の増大によってヘイズが低下するに従って上昇する。従来の防眩性表面に関する、このような光輝性とヘイズとの間の関係は、連続表面特徴部分を有する従来の防眩性表面が、低いヘイズと低い光輝性とを同時に達成できないことを示唆している。
図10B~10Cを参照すると、平坦領域106によって隔てられた不連続表面特徴部分104を有する防眩性表面102の作製方法に関して、結晶の形成及び結晶の成長は、形成される不連続表面特徴部分104が互いから離間し、透明ガラスシート100のガラス表面101を部分的にのみ被覆するように、制御される。酸研磨ステップ(図10D)中、各不連続表面特徴部分104のサイズは、維持されるか、又は低減される。防眩性表面102に関して、不連続表面特徴部分104は、各不連続表面特徴部分104の周囲を囲むことができる平坦領域106によって互いから隔てられる。エッチング液は、各不連続表面特徴部分104から材料を除去して、各不連続表面特徴部分104を小さくする。各不連続表面特徴部分104の周囲及び間に延在する平坦領域106では、エッチング液は透明ガラスシート100の平坦領域106から材料を均一に除去し、これは各不連続表面特徴部分104のサイズに影響を及ぼさない。最終的な結果としては、実際には各不連続表面特徴部分104は、酸研磨ステップ中にサイズが減少する。不連続表面特徴部分104は互いから隔てられているため、サイズが比較的小さな不連続表面特徴部分104のサイズの減少は、平均サイズが増大した比較的大きな特徴部分への、不連続表面特徴部分104の圧密をもたらさない。従って、各不連続表面特徴部分104の平均サイズは、不連続表面特徴部分104を有する防眩性表面102の酸研磨中、一定のままとなるか、又は減少する。
図27を参照すると、平坦領域106によって隔てられた不連続表面特徴部分104を有する複数の防眩性表面102に関する、ヘイズの関数としての光輝性が、正方形のインジケータ(即ち第2のデータシリーズ304)で示されている。図27に示すように、平坦領域106によって隔てられた不連続表面特徴部分104を有する防眩性表面102に関して、光輝性とヘイズとの反比例関係は存在しない。図27の第2のデータシリーズ304は、平坦領域106によって隔てられた不連続表面特徴部分104を有する防眩性表面102が、低いヘイズ及び低い光輝性の両方を達成し得ることを示している。
上述のように、透明ガラスシート100のための防眩性表面102のある代替実施形態では、複数の不連続表面特徴部分104は、図2Bに示すように、複数の凹部110であってよい。複数の凹部110は、透明ガラスシート100の表面101上に材料を堆積させるのではなく、透明ガラスシート100の表面101から材料を除去することを伴う方法によって、形成できる。複数の凹部110を形成するための代替的な方法は、透明ガラスシート100の防眩性表面102を少なくとも部分的に破壊して、複数の不連続な凹部110を形成するステップを含んでよい。複数の不連続な凹部110を最初に形成した後、防眩性表面102を酸研磨して凹部110のサイズを調整することにより、標的粗度を生成してヘイズを低減できる。1つ以上の実施形態では、防眩性表面102の複数の不連続な凹部110は、互いから離間し、かつ平坦領域106によって隔てられた、複数の不連続な表面凹部110が形成されるように制御された、サンドブラスト作業によって作製できる。1つ以上の実施形態では、透明ガラスシート100上に防眩性表面102を形成するための方法は:表面を有する透明ガラスシート100を提供するステップ;透明ガラスシート100の上記表面を洗浄するステップ;上記表面を少なくとも部分的に破壊して、複数の不連続表面特徴部分104を形成するステップ;及び上記表面を酸研磨するステップを含む。表面を破壊するステップは、互いから離間し、かつ透明ガラスシート100の防眩性表面102の1つ以上の平坦領域106によって隔てられた不連続表面特徴部分104が形成されるよう、制御された方法で実施してよい。
任意に、平坦領域106によって隔てられた複数の不連続表面特徴部分104を備えた防眩性表面102を有する透明ガラスシート100を、化学強化又は熱強化プロセスを用いて強化してよい。実施形態では、透明ガラスシート100を熱強化してよい。あるいは、透明ガラスシート100を、例えば1つ以上のイオン交換済み表面を有する強化済み透明ガラスシートを形成するためのイオン交換プロセスを用いて、化学強化してよい。このプロセスでは、透明ガラスシート100の表面又は表面付近の金属イオンが、ガラスの上記金属イオンと同一の価数を有する、より大きな金属イオンで交換される。この交換は一般に、透明ガラスシート100を、例えば上記より大きな金属イオンを含有する溶融塩浴等の、イオン交換媒体に接触させることによって実施される。金属イオンは典型的には、例えばアルカリ金属イオン等の、1価の金属イオンである。ある非限定的な例では、イオン交換による、ナトリウムイオンを含有するガラス基板の化学強化は、上記ガラス基板を、例えば硝酸カリウム(KNO)等の溶融カリウム塩を含むイオン交換浴中に浸漬することによって達成される。
イオン交換プロセスにおいて、小さな金属イオンを大きな金属イオンで置換することにより、ガラス内に、表面からある深さ(「層深さ(depth of layer)」と呼ばれる)まで延在する、圧縮応力下の領域が生成される。透明ガラス基板の表面におけるこの圧縮応力は、ガラス基板内部の引張応力(「中央張力(central tension)」とも呼ばれる)によって平衡される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の透明ガラス基板の表面は、イオン交換プロセスによって強化された場合、少なくとも350MPaの圧縮応力を有し、また圧縮応力下の領域は、表面の下方に、少なくとも15μmの層深さまで延在する。
上述のように、離間しかつ平坦領域106によって隔てられた複数の不連続表面特徴部分104を含む防眩性表面102を有する透明ガラスシート100は、消費者向け電子デバイス等の電子デバイス用の高精細ディスプレイデバイスのためのフロントカバー又はカバーガラスとして使用してよい。高精細ディスプレイデバイスの例としては、いくつかの実施形態では200ppi以上、又は他の実施形態では2000ppi以上の解像度を有する、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、タッチスクリーン等が挙げられるが、これらに限定されない。離間しかつ平坦領域106によって隔てられた複数の不連続表面特徴部分104を含む防眩性表面102を有する透明ガラスシート100から作製されたカバーガラスを備えた高精細ディスプレイを有する、消費者向け電子デバイスの例としては、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータディスプレイ、モニタ、テレビスクリーン、又は他のディスプレイデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。1つ以上の実施形態では、電子デバイスは、離間しかつ平坦領域106によって隔てられた複数の不連続表面特徴部分104を含む防眩性表面102を有する透明ガラスシート100を備える。電子デバイス(例えば高精細ディスプレイデバイス)は:前面、背面及び側面を有するハウジング;少なくとも一部又は全体が上記ハウジング内にあり、少なくともコントローラ、メモリ及びディスプレイを上記ハウジングの上記前面に又は上記前面に隣接して含む、電子部品;並びに上記ディスプレイを覆うように、上記ハウジングの上記前面に、又は上記前面全体の上に配置される、カバー基板を含むことができ、ここで上記カバー基板は、本明細書で開示されるガラスのうちのいずれである。
試験方法
不連続表面特徴部分の平均サイズ
不連続表面特徴部分104の平均サイズは、透明ガラスシート100の防眩性表面102の、倍率200倍の顕微鏡写真から決定できる。各不連続表面特徴部分104を識別し、手動で測定する。顕微鏡写真中の各不連続表面特徴部分104に関する測定値を平均して、不連続表面特徴部分104の平均サイズを決定する。
光輝性値
SMS Bench
防眩性表面102の光輝性値は、Display‐Messtachnik & Systeme GmBHから入手したベンチトップSparkle Measurement System(「SMS Bench」)、バージョン3.0.3と、141ppiのディスプレイ光源とを用いて評価できる。ディスプレイ光源は、モデルLenovo model Z510スクリーンとすることができる。SMS Benchを用いた、本明細書で開示される防眩性表面に関する光輝性値は、パーセント(%)を単位として報告される。
PPDr法
防眩性表面102の光輝性値は、「画素パワー偏差(pixel power deviation:PPD)」で評価してもよい。PPDは、以下の手順に従ったディスプレイの画素の分析によって計算される。各LCD画素の周りにグリッドボックスを描画する。次に、各グリッドボックス内の総パワーを、CCDカメラデータから計算し、各画素に関する総パワーとして割り当てる。従って、各LCD画素に関する総パワーは、数字のアレイとなり、これに関して平均及び標準偏差を計算できる。PPD値は、画素あたりの総パワーの標準偏差を、画素あたりの平均パワーで除算したもの(100倍)として定義される。眼球シミュレータカメラによって各LCD画素から収集された総パワーを測定し、総画素パワーの標準偏差(PPD)を、典型的には約30×30個のLCD画素を備える測定範囲にわたって計算する。
PPD値を得るために使用される、測定システム及び画像処理計算の詳細は、Jacques Gollierらによる2016年8月9日認可の米国特許第9,411,180号明細書「光輝性を決定するための装置及び方法(Apparatus and Method for Determining Sparkle)」に記載されており、上記特許の内容は、その全体が参照により本出願に援用される。測定システムは:複数の画素を含む画素化ソースであって、上記複数の画素はそれぞれ、参照用インデックスi及びjを有する、画素化ソース;並びに上記画素化ソースを始点とする光経路に沿って光学的に配置された撮像システムを含む。上記撮像システムは:上記光経路に沿って配置され、第2の複数の画素を含む画素化感受性領域を有する、撮像デバイスであって、上記第2の複数の画素はそれぞれ、インデックスm及びnで表される、撮像デバイス;並びに上記画素化ソースと上記撮像デバイスとの間の上記光経路上に配置された、ダイヤフラムであって、上記ダイヤフラムは、上記画素化ソースで生み出される画像に関する、調整可能な収集角度を有する、ダイヤフラムを備える。画像処理計算は:透明な試料の画素化画像を取得するステップであって、上記画素化画像は複数の画素を含む、ステップ;上記画素化画像の隣接する画素間の境界を決定するステップ;上記境界内で統合を行い、画素化画像内の各ソース画素に関する統合エネルギを得るステップ;及び各ソース画素に関する上記統合エネルギの標準偏差を計算するステップであって、上記標準偏差は、画素分散あたりのパワーである、ステップを含む。
PPDr法に使用される光源は、Dolan‐Jenner Industriesから入手されるFiber‐Lite(登録商標)LMI‐6000光源であってよい。マスクは、Applied Image, Incから入手されるB270ガラス上のPart ID 210 ppi custom targetであってよい。PPDr法を用いて本明細書中で開示される防眩性表面に関する光輝性値は、パーセント(%)を単位として報告される。
透過率及びヘイズ
防眩性表面の透過率及び透過ヘイズ(又はT‐ヘイズ)値は、Elektron Technologies, PLC製のHaze‐Guard試験装置を用いて、ASTM D1003に従って測定してよい。本明細書中で使用される場合、用語「透過率(transmittance)」は、所与の波長範囲内の入射光パワーの、材料を透過するパーセンテージとして定義される。透過率値及び透過ヘイズ値は、パーセンテージ(%)として報告してよい。
光沢及び画像鮮鋭度
防眩性表面に関する、20°光沢、60°光沢、85°光沢、及び画像鮮鋭度(DOI)値は、Rhopoint Instrumentsから入手されるRhopoint(商標)ゴニオメータ等のゴニオメータを用いて測定できる。光沢値は、ゴニオメータを用いて、ASTM E430に従って測定でき、DOI値はASTM D5767に従って測定できる。光沢及びDOI値は、パーセンテージ(%)として報告される。
表面粗度及びスキュー
表面粗度(R)を、干渉計及び200マイクロメートル×200マイクロメートルの試料面積を用いて測定した。使用した干渉計は、ZYGO(登録商標)Corporation製のZYGO NEWVIEW(商標)7300 Optical Surface Profilerであった。表面粗度は、平均表面粗度として報告される。
スキュー(RSK)は、ガラス表面の表面プロファイルの、上記表面プロファイルの平均線に対する対称性の測定値である。同一の表面粗度(R)を有する表面テクスチャに関して、スキューは、各表面テクスチャのピークが大きいか小さいかに応じて、表面テクスチャ間で異なり得る。例えば、負のRSKは、複数の谷状部を有する表面テクスチャを示し、正のRSKは、表面輪郭内においてピークが優勢であることを示す。RSKは、粗度振幅密度関数の第3の中心モーメントとして、表面粗度測定値から導出できる。
以下の実施例によって、本明細書に記載の実施形態を更に明らかにする。特段の指示がない限り、各実施例の透明ガラスシート100は、酸化物ベースで以下のようなおおよその組成を有する、Corning Incorporated製のアルミノシリケートガラスであった:64.62モル%のSiO;5.14モル%のB;13.97モル%のAl;13.79モル%のNaO;2.4モル%のMgO;0.003モル%のTiO;及び0.08モル%のSnO
実施例1~8
実施例1~8では、粗面化溶液の組成及び反応時間の変化の影響を調査した。特に、フッ化水素酸(HF)、フッ化アンモニウム(NHF)、及び塩化カリウム(KCl)の濃度を、2つのレベル、即ち高濃度レベル及び低濃度レベルで微調整した。HF、NHF、KCl、及び水をそれぞれ含む、8つの粗面化溶液を調製した。実施例1~8のための調製されたこれら8つの粗面化溶液それぞれに関するHF、NHF、及びKClの濃度を、以下の表1において提供するが、各溶液の残部は水である。粗面化溶液には有機溶媒は添加されなかった。
Figure 0007220660000001
透明ガラスシート100上の防眩性表面102を調製するために、まず透明ガラスシート100を、cleanline洗浄剤を用いて洗浄した。洗浄後、透明ガラスシート100を、実施例1~8の粗面化溶液のうちの1つの浴に導入し、粗面化溶液と接触させて、1分の反応時間にわたって維持した。1分後、透明ガラスシート100を粗面化溶液の浴から取り出し、脱イオン水で洗浄して、残留した粗面化溶液を透明ガラスシート100から除去した。この方法を、8つの粗面化溶液それぞれに関して、別個の透明ガラスシート100に対して、反応時間1分で繰り返した。試料の第2のセットを、同一の方法で、ただし反応時間を8分として、調製した。これらの試料はいずれも、評価前に酸研磨に供されなかった。
実施例1~8のために調製された16個の試料それぞれを、透過率、透過ヘイズ、20°光沢、60°光沢、85°光沢、画像鮮鋭度(DOI)、光輝性、粗度(R)、及びスキュー(RSK)に関して評価した。結果を以下の表2で提供する。実施例1~8の試料それぞれに関する光輝性値は、上述のPPD法を用いて決定した。反応時間1分及び反応時間8分の実施例1~8の試料それぞれに関する試験結果を、以下の表2で提供する。表2中での試料IDに関して、ダッシュの前の1つ目の数字は溶液番号であり、ダッシュの後の数字は反応時間(分)である。
Figure 0007220660000002
実施され、かつ上の表で報告された評価に加えて、実施例1~8のために調製された各試料の防眩性表面102の顕微鏡写真を、倍率200倍で撮影した。これらは図11~26に含まれている。以下の表3は、溶液ID及び反応時間と、図11~26の顕微鏡写真との、相互参照を提供する。
Figure 0007220660000003
これらの顕微鏡写真の定性的評価により、粗面化溶液中のKClの濃度を低減すると、不連続表面特徴部分の密度が低下することが観察された。図11及び15はそれぞれ、溶液1(試料ID1‐1)及び溶液3(試料ID3‐1)を用いて調製された試料の顕微鏡写真であり、溶液1及び3はそれぞれ、10重量%のKClを含む。図11及び15は、間隔が狭い高密度の不連続表面特徴部分104を有する防眩性表面102を示している。比較のために、図13及び17はそれぞれ、溶液2(試料ID2‐1)及び溶液4(試料ID4‐1)を用いて調製された試料の顕微鏡写真であり、溶液2及び4はそれぞれ、2重量%のKClしか含まない。濃度が低下したKClを含む溶液2及び4に関する図13及び17に示されている防眩性表面102は、図11及び15に示す防眩性表面102に比べて互いから大きく離間した、低密度の不連続表面特徴部分104を示す。従って、粗面化溶液中のKClの濃度を低減すると、透明ガラスシート100の防眩性表面102上に形成される不連続表面特徴部分104の密度が低下することが示されている。図11、13、15、及び17はそれぞれ、複数の不連続表面特徴部分104のそれぞれが、平坦領域106によってその周囲を囲まれる(即ち完全に取り囲まれる)ことを明確に示す。
また、これらの顕微鏡写真の定性的評価により、透明ガラスシート100と粗面化溶液との反応時間を増大させると、防眩性表面102上に形成される不連続表面特徴部分104の平均サイズが増大することが確認された。例えば図13は、粗面化溶液2を用いて作製され、反応時間が1分であった、試料ID2‐1の防眩性表面102の顕微鏡写真であり、図14は、同一の粗面化溶液2を用いて作製されたが、反応時間が8分であった、試料ID2‐8の防眩性表面102の顕微鏡写真である。図14に示す不連続表面特徴部分104は、図13の不連続表面特徴部分104よりも大幅に大きい。図15に対する図16、図17に対する図18、図19に対する図20、及び図21に対する図22に関しても、同一の観察が得られた。特に図16、18及び22では、不連続表面特徴部分104は、透明ガラスシート100の防眩性表面102を完全に被覆するために十分なほど成長し、これは、実施例1~8の粗面化溶液を用いる場合に反応時間を8分未満とすることが、不連続表面特徴部分104が離間しかつ平坦領域106によって隔てられることを保証するために必要となり得ることを示唆している。
更に、これらの顕微鏡写真の定性的評価により、NHF濃度を上昇させると反応が遅くなり、より小さなサイズの不連続表面特徴部分104がもたらされることが観察された。図11及び13はそれぞれ、溶液1(試料ID1‐1)及び溶液2(試料ID2‐1)を用いて調製された試料の顕微鏡写真であり、溶液1及び2はそれぞれ、15重量%のNHFを含む。図11及び13は、平均サイズが小さな不連続表面特徴部分104を有する防眩性表面102を示す。比較のために、図15及び17はそれぞれ、溶液3(試料ID3‐1)及び溶液4(試料ID4‐1)を用いて調製された試料の顕微鏡写真であり、溶液3及び4はそれぞれ、5重量%のNHFしか含まない。濃度が低下したNHFを含む溶液3及び4に関する図115及び17に示されている防眩性表面102は、図11及び13に示す不連続表面特徴部分104に比べて平均サイズが大きな不連続表面特徴部分104を示す。従って、粗面化溶液中のNHFの濃度を上昇させると、反応速度が低下し、平均サイズが低下した不連続表面特徴部分104の形成につながることが示されている。
上の表2中の試料に関して測定された光輝性値は、1.2%~8%であった。上で表2において提供された結果によって示されるように、最も低い光輝性値は試料ID1‐1及び2‐1に関して得られ、これらの試料はいずれも、わずか5重量%という低いNHF濃度を有する溶液3~4、及び6重量%という高いHF濃度を有する溶液5~8に比べて、低濃度のHF(3重量%)及び高濃度のNHF(15重量%)を含む粗面化溶液を用いて作製されたものであった。
更に、粗面化溶液中のKClの濃度を低減すると、透明ガラスシート100の防眩性表面102の光輝性測定値が上昇することが観察された。例えば試料ID3‐1は、10重量%のKClを含む溶液3を用いて作製され、試料ID4‐1は、2重量%という低減された濃度のKClを含む溶液4を用いて作製された。試料ID4‐1に関する光輝性測定値は、KClの濃度が高い試料ID3‐1に関する光輝性測定値より高かった。同様の関係が、試料ID5‐1と試料ID6‐1との間、試料ID7‐1と試料ID8‐1との間、試料ID1‐8と試料ID2‐8との間、試料ID3‐8と試料ID4‐8との間、試料ID5‐8と試料ID6‐8との間、及び試料ID7‐8と試料ID8‐8との間でも観察された。よって、これらの光輝性測定値は、粗面化溶液中のKCl濃度を上昇させると、得られる透明ガラスシート100の防眩性表面102の光輝性が低下する傾向があることを示している。
更に、透明ガラスシート100の防眩性表面102の表面粗度は、反応時間を1分から8分に増大させると上昇した。
実施例9~14
実施例9~14の目的は、実施例1~8で観察された関係を用いて、離間しかつ平坦領域106によって隔てられた不連続表面特徴部分104を有する防眩性表面102を作製することであり、ここで防眩性表面102は低い光輝性値を示すものである。実施例1~8の観察と同様、実施例9~14の溶液は、比較的低濃度のHF(例えば1重量%及び3重量%)、並びに比較的高濃度のNHF(15重量%)を含んでいた。反応時間は、実施例1~8で使用した方法に対して短縮された。実施例9~14では、粗面化溶液の組成及び反応時間の変化の影響を更に調査した。特に、HF及びKClの濃度を、2つのレベル、即ち高濃度レベル及び低濃度レベルで微調整した。NHFの濃度は、15重量%で一定に維持された。HF、NHF、KCl、及び水をそれぞれ含む、6つの粗面化溶液を調製した。実施例13及び14では、粗面化溶液に対するある量の有機溶媒の添加の影響を研究するために、プロピレングリコールを体積濃度15体積%で添加した。実施例9~14のための調製されたこれら6つの粗面化溶液それぞれに関するHF、NHF、KCl、及びプロピレングリコールの濃度を、以下の表4において提供するが、各溶液の残部は水である。
Figure 0007220660000004
実施例9~14のための、透明ガラスシート100上の防眩性表面102を調製するために、まず透明ガラスシート100を、cleanline洗浄剤を用いて洗浄した。洗浄後、透明ガラスシート100を、実施例9~14の6つの粗面化溶液のうちの1つの浴に導入し、粗面化溶液と接触させて、1分の反応時間にわたって維持した。1分後、透明ガラスシート100を粗面化溶液の浴から取り出し、脱イオン水で洗浄して、残留した粗面化溶液を透明ガラスシート100から除去した。この方法を、6つの粗面化溶液それぞれに関して、別個の透明ガラスシート100に対して、反応時間1分で繰り返した。透明ガラスシート100の試料の第2のセットを、同一の方法で、ただし反応時間を4分として、調製した。これらの試料はいずれも、評価前に酸研磨に供されなかった。
実施例9~14のために調製された合計12個の試料それぞれを、透過率、ヘイズ、20°光沢、60°光沢、85°光沢、DOI、光輝性、粗度(R)、及びスキュー(RSK)に関して評価した。結果を以下の表5で提供する。実施例9~14の試料それぞれに関する光輝性値は、141ppiの光源を用いたSMS Benchによって測定した。実施例9~14の12個の試料(反応時間1分の6つの試料、及び反応時間4分の6つの試料)それぞれに関する試験結果を、以下の表5で提供する。試料5中での試料IDに関して、ダッシュの前の1つ目の数字は溶液番号であり、ダッシュの後の数字は反応時間(分)である。
Figure 0007220660000005
表4に示すように、実施例9~14のために調製した試料の防眩性表面102は、3%未満の光輝性値を示し、特に実施例9~14に関する光輝性値は、0.9~2.9であった。図27は、実施例9~14に関する光輝性値のグラフ(正方形で示された第2のデータシリーズ304)を示す。比較のために、図27は、連続テクスチャ特徴部分14を有する従来の防眩性表面12を有する複数のガラスシート10(図1A)に関する、光輝性及び透過ヘイズ(円で示された第1のデータシリーズ302)を含む。従来の防眩性表面12を有するガラスシート10に関する光輝性及び透過ヘイズのデータのプロット(第1のデータシリーズ302)は、ヘイズと光輝性との間の反比例関係を示す。図27に示すように、従来の防眩性表面12の透過ヘイズが低下すると、光輝性値は上昇する。このような明らかな関係により、連続テクスチャ特徴部分14を備えた従来の防眩性表面12には一般に、低いヘイズ及び低い光輝性の両方を持たせることはできない。対照的に、離間しかつ平坦領域106によって隔てられた不連続表面特徴部分104を備えた防眩性表面102を有する、実施例9~14の透明ガラスシート100のうちのいくつか(第2のデータシリーズ304)は、20%未満の低いヘイズ値と、3%未満の低い光輝性値との両方を示した。これは、離間しかつ平坦領域106によって隔てられた不連続表面特徴部分104を有する防眩性表面102に関して、光輝性がヘイズと独立していることを示す。従って、不連続表面特徴部分104を有する防眩性表面102に関しては、ヘイズ及び光輝性を独立して微調整できる。実施例9~14に関して観察されたものと同様の低いヘイズ及び低い光輝性は、連続表面特徴部分14を有する従来の防眩性表面12では達成できない。
図28は、反応時間を1分として作製された実施例9の透明ガラスシート100の防眩性表面102(試料ID9‐1)の、倍率500倍の顕微鏡写真である。図28で観察されるように、不連続表面特徴部分104は、1マイクロメートル未満の平均サイズを有する。図28の透明ガラスシート100の防眩性表面102に関して測定された光輝性は、1.7%であった。
以上に基づいて、本明細書に記載の実施形態は、低い光輝性値をもたらす不連続表面特徴部分104を備えた防眩性表面102を有する透明ガラスシート100に関連していることが、ここで理解されることになる。本明細書に記載の透明ガラスシート100及び防眩性表面102は、消費者向け電子デバイスに組み込まれる高精細ディスプレイのためのカバーガラスとして使用できる、低光輝性及び低ヘイズを有する防眩性表面102を提供できる。
防眩性表面102、及び複数の不連続表面特徴部分104を有する防眩性表面102を製造するための技法の様々な実施形態を、本明細書において記載したが、これらの実施形態及び技法はそれぞれ、別個に使用することも、1つ以上の実施形態及び技法と組み合わせて使用することも考えられることを理解されたい。
第1の態様では、透明ガラスシートは、平均サイズが20マイクロメートル以下の複数の不連続表面特徴部分と、1つ以上の平坦領域とを有する、少なくとも1つの防眩性表面を備え、上記複数の不連続表面特徴部分の少なくとも一部分は、互いから離間しており、上記複数の不連続表面特徴部分はそれぞれ、上記1つ以上の平坦領域によって囲まれており、上記透明ガラスシートは、141ppiのディスプレイ光源を用いたSMSベンチテスターによって評価した場合に、3%以下の光輝性を有する。
第1の態様による第2の態様では、上記複数の不連続表面特徴部分は、上記少なくとも1つの防眩性表面から外向きに延在する突出部である。
第1の態様による第3の態様では、上記複数の不連続表面特徴部分は、上記少なくとも1つの防眩性表面内の凹部である。
第1~第3の態様のいずれによる第4の態様では、上記複数の不連続表面特徴部分の平均サイズは10マイクロメートル以下である。
第1~第4の態様のいずれによる第5の態様では、上記複数の不連続表面特徴部分の大半は、互いから離間しており、かつ上記1つ以上の平坦領域によって隔てられる。
第1~第5の態様のいずれによる第6の態様では、上記複数の不連続表面特徴部分はそれぞれ、上記1つ以上の平坦領域によって互いから隔てられる。
第1~第6の態様のいずれによる第7の態様では、上記1つ以上の平坦領域は、上記複数の不連続表面特徴部分それぞれの間に延在する。
第1~第7の態様のいずれによる第8の態様では、上記不連続表面特徴部分の大半は、上記1つ以上の平坦領域によって周囲を囲まれる。
第1~第8の態様のいずれによる第9の態様では、上記1つ以上の平坦領域の大半は連続している。
第1~第9の態様のいずれによる第10の態様では、上記1つ以上の平坦領域は、相互接続されて、連続平坦領域を形成する。
第1~第10の態様のいずれによる第11の態様では、上記複数の不連続表面特徴部分のうちの1つから、上記不連続表面特徴部分のうちの別の1つまで延在する、上記防眩性表面の平面内のいずれの線は、上記1つ以上の平坦領域の少なくとも1つを通過する。
第1~第11の態様のいずれによる第12の態様では、上記1つ以上の平坦領域の面積は、上記防眩性表面の総表面積の10%~60%である。
第1~第12の態様のいずれによる第13の態様では、上記平坦領域の面積は、上記防眩性表面の総表面積の15%~50%である。
第1~第13の態様のいずれによる第14の態様では、上記少なくとも1つの防眩性表面は、10nm~1000nmの表面粗度(Ra)を有する。
第1~第14の態様のいずれによる第15の態様では、上記少なくとも1つの防眩性表面は、10nm~200nmの表面粗度(Ra)を有する。
第1~第15の態様のいずれによる第16の態様では、上記透明ガラスシートは、ASTM D1003に従って測定した場合に20%未満の透過ヘイズを備える。
第1~第16の態様のいずれによる第17の態様では、上記透明ガラスシートは、強化済み透明ガラスシートを含む。
第17の態様による第18の態様では、上記強化済み透明ガラスシートは、1つ以上のイオン交換済み表面を備える。
第19の態様では、電子デバイスは:前面、背面及び側面を有するハウジング;少なくとも一部が上記ハウジング内に提供される電子部品であって、上記電子部品は、少なくともコントローラ、メモリ及びディスプレイを含み、上記ディスプレイは、上記ハウジングの上記前面に又は上記前面に隣接して設けられる、電子部品;並びに上記ディスプレイを覆うように配置される、第1~第18の態様のいずれによるガラスを備える。
第20の態様では、透明ガラスシート上に防眩性表面を形成するための方法は:上記透明ガラスシートの表面に粗面化溶液を導入するステップであって、上記粗面化溶液は、1重量%~6重量%のフッ化水素酸、5重量%~15重量%のフッ化アンモニウム、及び2重量%~20重量%の塩化カリウムを含む、ステップ;上記粗面化溶液を、上記透明ガラスシートの上記表面と接触させて維持することにより、複数の表面特徴部分を上記透明ガラスシートの上記表面上に形成して成長させるステップ;並びに上記複数の表面特徴部分が成長して、上記透明ガラスシートの上記表面全体を満たす前に、上記粗面化溶液を、上記透明ガラスシートの上記表面から除去するステップであって、上記粗面化溶液を除去すると、上記透明ガラスシートは、1つ以上の平坦領域によって互いから隔てられた上記複数の不連続表面特徴部分を備える、ステップを含む。
第20の態様による第21の態様は、上記透明ガラスシートの上記表面を酸研磨して、上記透明ガラスシートの透過ヘイズ、及び上記不連続表面特徴部分のサイズを低減するステップを更に含む。
第20又は21の態様による第22の態様では、上記透明ガラスシートの上記表面は、1分以上8分以下の反応時間にわたって、上記粗面化溶液と接触させて維持される。
第20~22の態様のいずれによる第23の態様は、上記透明ガラスシートを強化するステップを更に含む。
第23の態様による第24の態様では、上記透明ガラスシートは熱強化される。
第23の態様による第25の態様では、上記透明ガラスシートは化学強化される。
第26の態様では、透明ガラスシートは、第20~25の態様のいずれか1つの方法によって調製された防眩性表面処理を有する。
第26の態様による第27の態様では、複数の不連続表面特徴部分の平均サイズは10マイクロメートル以下である。
第26又は第27の態様による第28の態様では、上記透明ガラスシートは、141ppiのディスプレイ光源を用いたSMSベンチで評価した場合に3%以下の光輝性、及びASTM D1003に従って測定した場合に20%以下の透過ヘイズを有する。
請求対象の主題の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の実施形態に対して様々な修正及び変更を行うことができることは、当業者には明らかであろう。従って、本明細書は、本明細書に記載の様々な実施形態の修正及び変形が、添付の請求項及びその等価物の範囲内であるという条件で、このような修正及び変形を包含することが意図されている。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
平均サイズが20マイクロメートル以下の複数の不連続表面特徴部分と、1つ以上の平坦領域とを有する、少なくとも1つの防眩性表面を備える、透明ガラスシートであって、
上記複数の不連続表面特徴部分の少なくとも一部分は、互いから離間しており、
上記複数の不連続表面特徴部分はそれぞれ、上記1つ以上の平坦領域によって囲まれており、
上記透明ガラスシートは、141ppiのディスプレイ光源を用いたSMSベンチテスターによって評価した場合に、3%以下の光輝性を有する、透明ガラスシート。
実施形態2
上記複数の不連続表面特徴部分は、上記少なくとも1つの防眩性表面から外向きに延在する突出部である、実施形態1に記載の透明ガラスシート。
実施形態3
上記複数の不連続表面特徴部分は、上記少なくとも1つの防眩性表面内の凹部である、実施形態1に記載の透明ガラスシート。
実施形態4
上記複数の不連続表面特徴部分の平均サイズは10マイクロメートル以下である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の透明ガラスシート。
実施形態5
上記複数の不連続表面特徴部分の大半は、互いから離間しており、かつ上記1つ以上の平坦領域によって隔てられる、実施形態1~4のいずれか1つに記載の透明ガラスシート。
実施形態6
上記複数の不連続表面特徴部分はそれぞれ、上記1つ以上の平坦領域によって互いから隔てられる、実施形態1~5のいずれか1つに記載の透明ガラスシート。
実施形態7
上記1つ以上の平坦領域は、上記複数の不連続表面特徴部分それぞれの間に延在する、実施形態1~6のいずれか1つに記載の透明ガラスシート。
実施形態8
上記不連続表面特徴部分の大半は、上記1つ以上の平坦領域によって周囲を囲まれる、実施形態1~7のいずれか1つに記載の透明ガラスシート。
実施形態9
上記1つ以上の平坦領域の大半は連続している、実施形態1~8のいずれか1つに記載の透明ガラスシート。
実施形態10
上記1つ以上の平坦領域は、相互接続されて、連続平坦領域を形成する、実施形態1~9のいずれか1つに記載の透明ガラスシート。
実施形態11
上記複数の不連続表面特徴部分のうちの1つから、上記不連続表面特徴部分のうちの別の1つまで延在する、上記防眩性表面の平面内のいずれの線は、上記1つ以上の平坦領域の少なくとも1つを通過する、実施形態1~10のいずれか1つに記載の透明ガラスシート。
実施形態12
上記1つ以上の平坦領域の面積は、上記防眩性表面の総表面積の10%~60%である、実施形態1~11のいずれか1つに記載の透明ガラスシート。
実施形態13
上記平坦領域の面積は、上記防眩性表面の総表面積の15%~50%である、実施形態1~12のいずれか1つに記載の透明ガラスシート。
実施形態14
上記少なくとも1つの防眩性表面は、10nm~1000nmの表面粗度(Ra)を有する、実施形態1~13のいずれか1つに記載の透明ガラスシート。
実施形態15
上記少なくとも1つの防眩性表面は、10nm~200nmの表面粗度(Ra)を有する、実施形態1~14のいずれか1つに記載の透明ガラスシート。
実施形態16
上記透明ガラスシートは、ASTM D1003に従って測定した場合に20%未満の透過ヘイズを備える、実施形態1~15のいずれか1つに記載の透明ガラスシート。
実施形態17
上記透明ガラスシートは、強化済み透明ガラスシートを含む、実施形態1~16のいずれか1つに記載の透明ガラスシート。
実施形態18
上記強化済み透明ガラスシートは、1つ以上のイオン交換済み表面を備える、実施形態17に記載の透明ガラスシート。
実施形態19
前面、背面及び側面を有するハウジング;
少なくとも一部が上記ハウジング内に提供される電子部品であって、上記電子部品は、少なくともコントローラ、メモリ及びディスプレイを含み、上記ディスプレイは、上記ハウジングの上記前面に又は上記前面に隣接して設けられる、電子部品;並びに
上記ディスプレイを覆うように配置される、実施形態1~18のいずれか1つに記載のガラス
を備える、電子デバイス。
実施形態20
透明ガラスシート上に防眩性表面を形成するための方法であって、
上記方法は:
上記透明ガラスシートの表面に粗面化溶液を導入するステップであって、上記粗面化溶液は:
1重量%~6重量%のフッ化水素酸;
5重量%~15重量%のフッ化アンモニウム;及び
2重量%~20重量%の塩化カリウム
を含む、ステップ;
上記粗面化溶液を、上記透明ガラスシートの上記表面と接触させて維持することにより、複数の表面特徴部分を上記透明ガラスシートの上記表面上に形成して成長させるステップ;並びに
上記複数の表面特徴部分が成長して、上記透明ガラスシートの上記表面全体を満たす前に、上記粗面化溶液を、上記透明ガラスシートの上記表面から除去するステップであって、上記粗面化溶液を除去すると、上記透明ガラスシートは、1つ以上の平坦領域によって互いから隔てられた上記複数の不連続表面特徴部分を備える、ステップ
を含む、方法。
実施形態21
上記透明ガラスシートの上記表面を酸研磨して、上記透明ガラスシートの透過ヘイズ、及び上記不連続表面特徴部分のサイズを低減するステップを更に含む、実施形態20に記載の方法。
実施形態22
上記透明ガラスシートの上記表面は、1分以上8分以下の反応時間にわたって、上記粗面化溶液と接触させて維持される、実施形態20又は21に記載の方法。
実施形態23
上記透明ガラスシートを強化するステップを更に含む、実施形態20~22のいずれか1つに記載の方法。
実施形態24
上記透明ガラスシートは熱強化される、実施形態23に記載の方法。
実施形態25
上記透明ガラスシートは化学強化される、実施形態23に記載の方法。
実施形態26
実施形態20~25のいずれか1つに記載の方法によって調製された防眩性表面処理を有する、透明ガラスシート。
実施形態27
複数の不連続表面特徴部分の平均サイズは10マイクロメートル以下である、実施形態26に記載の透明ガラスシート。
実施形態28
上記透明ガラスシートは、141ppiのディスプレイ光源を用いたSMSベンチで評価した場合に3%以下の光輝性、及びASTM D1003に従って測定した場合に20%以下の透過ヘイズを有する、実施形態26又は27に記載の透明ガラスシート。
10 ガラスシート
12 従来の防眩性表面
14 連続表面特徴部分、連続テクスチャ特徴部分
100 透明ガラスシート
101 表面
102 防眩性表面
104 不連続表面特徴部分
106 平坦領域
108 突出部
110 凹部
112 線
114 湾曲表面
116 平坦表面
120 結晶
302 第1のデータシリーズ
304 第2のデータシリーズ

Claims (2)

  1. 透明ガラスシート上に防眩性表面を形成するための方法であって、
    前記方法は:
    前記透明ガラスシートの表面に粗面化溶液を導入するステップであって、前記粗面化溶液は:
    1重量%~6重量%のフッ化水素酸;
    5重量%~15重量%のフッ化アンモニウム;及び
    2重量%~20重量%の塩化カリウム
    を含む、ステップ;
    前記粗面化溶液を、前記透明ガラスシートの前記表面と接触させて維持することにより、複数の表面特徴部分を前記透明ガラスシートの前記表面上に形成して成長させるステップ;並びに
    前記複数の表面特徴部分が成長して、前記透明ガラスシートの前記表面全体を満たす前に、前記粗面化溶液を、前記透明ガラスシートの前記表面から除去するステップであって、前記粗面化溶液を除去すると、前記透明ガラスシートは、1つ以上の平坦領域によって互いから隔てられた複数の不連続表面特徴部分を備える、ステップ
    を含む、方法。
  2. 前記透明ガラスシートの前記表面を酸研磨して、前記透明ガラスシートの透過ヘイズ、及び前記不連続表面特徴部分のサイズを低減するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
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