JP7219263B2 - 熱交換器用アルミニウム合金フィン材、その製造方法及び熱交換器 - Google Patents

熱交換器用アルミニウム合金フィン材、その製造方法及び熱交換器 Download PDF

Info

Publication number
JP7219263B2
JP7219263B2 JP2020508308A JP2020508308A JP7219263B2 JP 7219263 B2 JP7219263 B2 JP 7219263B2 JP 2020508308 A JP2020508308 A JP 2020508308A JP 2020508308 A JP2020508308 A JP 2020508308A JP 7219263 B2 JP7219263 B2 JP 7219263B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum alloy
heat exchanger
brazing
fin material
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020508308A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019181768A1 (ja
Inventor
大 山本
尚希 山下
栄治 板谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
UACJ Corp
Original Assignee
UACJ Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by UACJ Corp filed Critical UACJ Corp
Publication of JPWO2019181768A1 publication Critical patent/JPWO2019181768A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7219263B2 publication Critical patent/JP7219263B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C21/00Alloys based on aluminium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C21/00Alloys based on aluminium
    • C22C21/10Alloys based on aluminium with zinc as the next major constituent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/04Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/04Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon
    • C22F1/053Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon of alloys with zinc as the next major constituent
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F21/00Constructions of heat-exchange apparatus characterised by the selection of particular materials
    • F28F21/08Constructions of heat-exchange apparatus characterised by the selection of particular materials of metal
    • F28F21/081Heat exchange elements made from metals or metal alloys
    • F28F21/084Heat exchange elements made from metals or metal alloys from aluminium or aluminium alloys

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)

Description

本発明は、アルミニウム合金製の熱交換器の製造に用いられるアルミニウム合金フィン材、その製造方法及びそれを用いて製造される熱交換器に関するものである。
アルミニウム合金製の熱交換器は、ラジエータ、ヒータ、オイルクーラ、インタークーラ及びエアコンのエバポレータやコンデンサ等の自動車用熱交換器あるいは油圧機器や産業機械のオイルクーラ等の熱交換器として、広く使用されている。このアルミニウム合金製熱交換器のフィン材には、内面が作動流体(冷媒)の通路となるチューブ材を防蝕する為の犠牲陽極効果が要求されるとともに、コアを製造するろう付加熱時における高温時の座屈変形やろうの侵食を抑えるなどのろう付接合性が要求されている。
このような要求を満たすために、従来より、アルミニウム合金フィン材としては、JIS-A3003、JIS-A3203等のAl-Mn系、Al-Mn-Si計、Al-Mn-Si-Cu計等のMnを含有するアルミニウム合金フィン材が用いられていた。さらに当該アルミニウム合金製フィン材に犠牲陽極効果を付与するために、Zn、Sn、In等を添加して電気化学的に卑にする手法が用いられていた。
近年、自動車の軽量化の要請に伴い、自動車熱交換器においても省エネルギー、省資源の観点から構成材料の薄肉化が要求され、フィン材についても薄肉化が期待されている。フィン材の薄肉化は熱交換器の剛性に影響することから、ろう付け後の強度に優れたフィン材が求められており、JIS-A3003合金にFe、Cu、Znを添加したアルミニウム合金が提案されている。
特許文献1には、1.0~2.0質量%のMn、0.5~1.3質量%のSi、0.1~0.8質量%のFe、0.20質量%超え0.4質量%以下のCu、1.1質量%以上2.0質量%未満のZnを含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金フィン材であり、アルミニウム合金フィン材のマトリックスが再結晶組織である熱交換器用アルミニウム合金フィン材が開示されている。
また、特許文献2には、Mn:1.0%(質量%、以下同じ)~2.0%、Si:0.5%~1.3%、Fe:0.1%~0.8%、Cu:0.21 ~0.5%、Zn:1.1%~5%を含有し、MnとSiとの含有比(Mn%/Si%)を1.0~3.5、ZnとCuとの含有比(Zn%/Cu%)を5~15とし、更に、Zr:0.05 %~0.3%及びCr:0.05%~0.3%のうちの1種又は2種を含み、残部Alと不可避的不純物からなり、引張強さが160~270MPaである熱交換器用アルミニウム合金フィン材が開示されている。
また、特許文献3には、a)Siを0.3~1.5%、Feを≦0.5%、 Cuを≦0.3%、Mnを1.0~2.0%、Mgを≦0.5%、より好ましくは≦0.3%、Znを≦4.0%、Niを≦0.5%、IVb、Vb、又はVIb族由来の分散体形成元素をそれぞれ≦0.3%、及び不可避の不純物元素をそれぞれ0.05%以下、全体量で0.15%以下、残部アルミニウムを 含む溶融物を鋳造し、インゴットを得るステップと、b)550℃未満、好ましくは400~520℃、より好ましくは450~520℃、特に470以上、最高520℃の温度でインゴットを予備加熱して、分散質粒子を形成するステップと、c)熱間圧延してストリップを得るステップと、d)ステップ(c)で得られたストリップを全圧下率90%以上、好ましくは>95%で冷間圧延して、第1の耐力値を有するストリップを得るステップと、e)次いで、第2の耐力値が、ステップ(d)の冷間圧延直後に得られた第1の耐力値より10~50%低く、好ましくは15~40%低く、0.2%耐力範囲が100~200MPa、より好ましくは120~180MPa、最も好ましくは140~180MPaにあるストリップが得られるような方法で、ストリップ合金が再結晶することなく、焼戻しすることにより材料を軟らかくするために、送出調質まで熱処理するステップと により製造され、送出調質において、直径が50~400nmの範囲である粒子の分散質粒子密度が1~20×10、好ましくは1.3~0.5×10、最も好ましくは1.4~7×10粒子/mmである耐垂れ性ストリップが開示されている。
特開2013-40367号公報 特開2002-161324号公報 特開2008-190027号公報
通常、熱交換器用のフィン材は、コルゲート成形された後、チューブ材と組み合せてろう付け接合される。ろう付け接合されたフィン材はコア全体に剛性を与え、かつ外面腐食環境にてチューブ材に対して犠牲防食効果を発揮するため、接合不良はコア強度、耐食性に大きく影響する。接合不良の要因は種々あるが、コルゲート成形時のフィン高さばらつきや、ろう付け中のエロージョンによるフィントップの変形などが要因として挙げられる。
特許文献1では、高強度フィン材としてJIS-A3003合金にFe、Cu、Znを添加したアルミニウム合金を提案しているものの、再結晶材であるために素材の伸びが小さくなり、コルゲート加工時のフィン高さにばらつきが生じやすく、チューブと組み合せてろう付け加熱した場合に接合不良が起きやすいという問題点があった。
また、特許文献2では中間焼鈍後に冷間圧延加工するH1n材であり、材料表面に圧延摩耗粉を含んだ圧延油を保持したまま条割されるため、スリッターに圧延摩耗粉が堆積しやすく、洗浄のために作業性を低下させる要因となっていた。
特許文献3では、フィン材として用いてチューブ材とろう付けした場合に、耐食性が不十分であるという問題があった。
従って、本発明の目的は、ろう付け前の成形加工性に優れると共に、ろう付け性に優れ、ろう付け後の強度特性、耐食性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、ろう付け性、強度特性、犠牲陽極効果と、合金成分、合金成分の組合せ、材料の強度特性、内部組織等との関連に検討を加えた結果、Si、Cu、Mn、Zn添加量、及びフィン材のマトリックス組織を適正にすることで、ろう付け前強度を下げつつろう付け後強度を高くし、且つ、良好なろう付け性と耐食性を確保することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明(1)は、1.00~1.60質量%のMnと、0.70~1.20質量%のSiと、0.05~0.50質量%のFeと、0.05~0.35質量%のCuと、1.00~1.80質量%のZnと、を含有し、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなり、
該アルミニウム合金のマトリックスが繊維状組織であり、
引張強さが170~230MPaであること、
を特徴とする熱交換器用アルミニウム合金フィン材を提供するものである。
また、本発明(2)は、前記アルミニウム合金が、更に、0.20質量%以下のZrを含有することを特徴とする(1)の熱交換器用アルミニウム合金フィン材を提供するものである。
また、本発明(3)は、前記アルミニウム合金が、H2n(nは、2、4及び6から選ばれる整数である。)材であることを特徴とする(1)又は(2)いずれかの熱交換器用アルミニウム合金フィン材を提供するものである。
また、本発明(4)は、ろう付け後のアルミニウム合金中、0.1~1.0μmの円相当径を有するAl-Mn系金属間化合物及びAl-Si-Mn系金属間化合物の合計の数密度が0.50×10個/mm以上であり、且つ、ろう付け後の結晶粒径が40~200μmであることを特徴とする(1)~(3)いずれかの熱交換器用アルミニウム合金フィン材を提供するものである。
また、本発明(5)は、1.00~1.60質量%のMnと、0.70~1.20質量%のSiと、0.05~0.50質量%のFeと、0.05~0.35質量%のCuと、1.00~1.80質量%のZnと、を含有し、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなる鋳塊に、均質化処理せずに、400~500℃に加熱して熱間圧延を開始して熱間圧延を行い、350℃以下で熱間圧延を終了し、次いで、1回又は複数回のパスで冷間圧延を行うか、あるいは、1回又は複数回のパスの冷間圧延及び冷間圧延のパス間に行う1回以上の中間焼鈍を行い、次いで、最終焼鈍を行うことを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金フィン材の製造方法を提供するものである。
また、本発明(6)は、(1)~(5)いずれかの熱交換器用アルミニウム合金フィン材をろう付けして得られる熱交換器であり、
該熱交換器のフィンを構成するアルミニウム合金の結晶粒径が40~200μmであり、該アルミニウム合金中0.1~1.0μmの円相当径を有するAl-Mn系金属間化合物及びAl-Si-Mn系金属間化合物の合計の数密度が0.50×10個/mm以上であること、
を特徴とする熱交換器を提供するものである。
本発明によれば、ろう付け前の成形加工性に優れると共に、ろう付け性に優れ、ろう付け後の強度特性、耐食性に優れる熱交換器用アルミニウム合金フィン材を提供することができる。
本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材は、1.00~1.60質量%のMnと、0.70~1.20質量%のSiと、0.05~0.50質量%のFeと、0.05~0.35質量%のCuと、1.00~1.80質量%のZnと、を含有し、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなり、
該アルミニウム合金のマトリックスが繊維状組織であり、
引張強さが170~230MPaであること、
を特徴とする熱交換器用アルミニウム合金フィン材である。
本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材は、アルミニウム合金からなる。つまり、本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材は、アルミニウム合金により構成されている。
本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材に係るアルミニウム合金は、Mnを含有する。Mnは、Siと共存することによりAl-Si-Mn系金属間化合物を生成して、ろう付け前及びろう付け後のフィン材の強度を高くすると共に、耐高温座屈性及び成形加工性を良好にする。アルミニウム合金中のMn含有量は、1.00~1.60質量%である。アルミニウム合金中のMnの含有量が、上記範囲にあることにより、ろう付け前及びろう付け後のフィン材の強度を高くすると共に、耐高温座屈性及び成形加工性が良好になる。一方、アルミニウム合金中のMnの含有量が、上記範囲未満だと、Mnの効果が小さくなり過ぎ、また、上記範囲を超えると、ろう付け前強度が高くなり過ぎるため、成形加工性が低くなるとともに、鋳造時に粗大な晶出物を生成し、圧延加工性が害される結果、健全な板材が得難い。
本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材に係るアルミニウム合金は、Siを含有する。Siは、Mnと共存することによりAl-Si-Mn系金属間化合物を生成して、ろう付け前及びろう付け後のフィン材の強度を高くする効果が期待される。アルミニウム合金中のSi含有量は、0.70~1.20質量%である。アルミニウム合金中のSi含有量が、上記範囲にあることにより、ろう付け前及びろう付け後のフィン材の強度が高くなる。一方、アルミニウム合金中のSi含有量が、上記範囲未満だと、Siの効果が小さくなり過ぎ、また、上記範囲を超えると、融点が低下しろう付け時に局部溶融が生じ易くなる。
本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材に係るアルミニウム合金は、Feを含有する。Feは、ろう付け前及びろう付け後のフィン材の強度を向上させると共に成形加工性を良好にする。アルミニウム合金中のFe含有量は、0.05~0.50質量%である。アルミニウム合金中のFeの含有量が、上記範囲にあることにより、ろう付け前及びろう付け後のフィン材の強度が高くなると共に成形加工性が良好になる。一方、アルミニウム合金中のFeの含有量が、上記範囲未満だと、Feの効果が小さくなり過ぎ、また、上記範囲を超えると、アルミニウム母材に対してカソードとなり耐食性が低くなる。
本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材に係るアルミニウム合金は、Cuを含有する。Cuは、ろう付け前及びろう付け後のフィン材の強度を高くすると共に成形加工性を良好にする。アルミニウム合金中のCu含有量は、0.05~0.35質量%である。アルミニウム合金中のCuの含有量が、上記範囲にあることにより、ろう付け前及びろう付け後のフィン材の強度が高くなると共に成形加工性が良好になる。一方、アルミニウム合金中のCu含有量が、上記範囲未満だと、Cuの効果が小さくなり過ぎ、また、上記範囲を超えると、フィン材の電位を貴にし、犠牲陽極効果が低くなると共に、融点が低くなりろう付け時に局部的な溶融を生じ易くなる。
本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材に係るアルミニウム合金は、Znを含有する。Znは、フィン材の電位を卑にし、チューブ材に対する犠牲陽極効果を付与する。アルミニウム合金中のZn含有量は、1.00~1.80質量%である。アルミニウム合金中のZn含有量が、上記範囲にあることにより、チューブ材に対する犠牲陽極効果が高くなる。一方、アルミニウム合金中のZnの含有量が、上記範囲未満だと、Znの効果が小さくなり過ぎ、また、上記範囲を超えると、粒界腐食感受性が高くなり、また、融点が低くなりろう付け時に局部的な溶融を生じ易くなる。
本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材に係るアルミニウム合金は、必要に応じて、更に、0.20質量%以下のZrを含有してもよい。Zrは、ろう付け前及びろう付け後のフィン材の強度を高くすると共に、ろう付け後の結晶粒径を粗大化し、耐高温座屈性及びろう付け性を高くする。アルミニウム合金中のZrが、上記範囲にあることにより、ろう付け前及びろう付け後のフィン材の強度が高くなると共に、耐高温座屈性及びろう付け性が高くなる。アルミニウム合金中のZrの含有量が、上記範囲を超えると、鋳造時に粗大な晶出物が生成し、健全な板材の製造が困難になる。
本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材に係るアルミニウム合金のマトリックスは、繊維状組織である。アルミニウム合金のマトリックスが、繊維状組織であることにより、ろう付け前の伸びが良好となり、成形加工性が高くなる。アルミニウム合金のマトリックスが、再結晶組織の場合、ろう付け前の伸びが小さくなり成形加工性が低くなる。
本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材の引張強さ(ろう付け前の引張強さ)は、170~230MPaである。ろう付け前のアルミニウム合金フィン材の引張強さが、上記範囲未満だと、成形後の形状を維持することが困難となり、また、上記範囲を超えると、成形時のスプリングバックが大きくなり、狙いの形状とするのが難しくなる。
本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材に係るアルミニウム合金は、H2n(nは、2、4及び6から選ばれる整数である。)材であることを特徴とする。
本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材では、アルミニウム合金のマトリックスを繊維状組織とすることと、アルミニウム合金中の化学成分の組成を上記範囲とすることにより、ろう付け後の結晶粒径を40~200μmに制御することができる。そして、ろう付け後のアルミニウム合金の結晶粒径が40~200μm、好ましくは40~100μmであることにより、エロージョンの発生を抑えつつ、ろう付け性が高くなり、且つ、強度が高くなる。なお、ろう付けの際のろう付け加熱条件は、580~610℃で1~10分間の通常のろう付け加熱条件である。
また、本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材では、アルミニウム合金中のSi及びMnの含有量を上記範囲とし、以下に述べる適切な熱処理を加えることにより、ろう付け加熱後のアルミニウム合金中の0.1~1.0μmの円相当径を有するAl-Mn系金属間化合物及びAl-Si-Mn系金属間化合物の合計の数密度を、0.50×10個/mm以上、好ましくは0.60×10個/mm以上に制御することができる。本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材では、適切量に規定されているSi及びMnを含有し、以下に述べる適切な熱処理を加えることにより、マトリックス中に、0.1~1.0μmの円相当径を有するAl-Mn系金属間化合物及びAl-Si-Mn系金属間化合物が析出し、加工ひずみのピン止め効果により、フィン材の高強度化に寄与する。ろう付け後のアルミニウム合金中、0.1~1.0μmの円相当径を有するAl-Mn系金属間化合物及びAl-Si-Mn系金属間化合物の合計の数密度は、0.50×10個/mm以上、好ましくは0.60×10個/mm以上である。析出する金属間化合物の円相当径が上記範囲未満だと、ピン止め効果が小さくなり、また、上記範囲を超えてもピン止め効果が小さくなる。また、析出する金属間化合物の数密度が上記範囲未満だと、強度が低くなる。
また、本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材では、アルミニウム合金のマトリックスを繊維状組織とすることと、アルミニウム合金中の化学成分の組成を上記範囲とし、以下に述べる適切な熱処理を加えることにより、ろう付け後の結晶粒径を40~200μmに制御することに加えて、アルミニウム合金中のSi及びMnの含有量を上記範囲とし、以下に述べる適切な熱処理を加えることにより、ろう付け後のアルミニウム合金中の0.1~1.0μmの円相当径を有するAl-Mn系金属間化合物及びAl-Si-Mn系金属間化合物の合計の数密度を、0.50×10個/mm以上、好ましくは0.60×10個/mm以上とすることにより、ろう付け後の強度を高くすることができる。
本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材では、ろう付け後のアルミニウム合金の引張強さは、150~180MPaである。
また、本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材では、アルミニウム合金中のZn含有量を1.00~1.80質量%とすることにより、フィンの自己耐食性が高くなる。
本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材の製造方法は、1.00~1.60質量%のMnと、0.70~1.20質量%のSiと、0.05~0.50質量%のFeと、0.05~0.35質量%のCuと、1.00~1.80質量%のZnと、を含有し、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなる鋳塊に、均質化処理せずに、400~500℃に加熱して熱間圧延を開始して熱間圧延を行い、350℃以下で熱間圧延を終了し、次いで、1回又は複数回のパスで冷間圧延を行うか、あるいは、1回又は複数回のパスの冷間圧延及び冷間圧延のパス間に行う1回以上の中間焼鈍を行い、次いで、最終焼鈍を行うことを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金フィン材の製造方法である。
本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材の製造方法では、常法に従い、所定の化学組成のアルミニウム合金の鋳塊を鋳造し、鋳塊には均質化処理を施すことなく、熱間圧延、1回又は複数回のパスの冷間圧延、あるいは、1回又は複数回のパスの冷間圧延と冷間圧延のパス間に行う1回以上の中間焼鈍、及び最終焼鈍を行い、所定の厚さの熱交換器用アルミニウム合金フィン材を得る。熱間圧延では、400~500℃で熱間圧延を開始して熱間圧延を行い、350℃以下で熱間圧延を終了する。熱間圧延を行った後は、1回又は複数回のパスの冷間圧延を行うか、あるいは、1回又は複数回のパスの冷間圧延と冷間圧延のパス間に行う1回以上の中間焼鈍とを行い、次いで、最終焼鈍を行い、熱交換器用アルミニウム合金フィン材を得る。このとき、冷間加工における加工度、焼鈍温度及び焼鈍時間と焼鈍後の冷却速度等を、適宜選択することにより、フィン材を構成するアルミニウム合金のマトリックスを、繊維状組織とすることができる。ただし、アルミニウム合金のマトリックスを繊維状組織とするには、熱間圧延に続く冷間圧延後のアルミニウム合金の再結晶開始温度より最終焼鈍温度を低くする必要がある。アルミニウム合金の再結晶開始温度は、アルミニウム合金の成分、熱間圧延開始温度及び熱間圧延終了温度、熱間圧延後の冷間圧延における加工度により変化するため、それに応じた最終焼鈍温度にする。
アルミニウム合金の組織の判別であるが、結晶粒界が観察できるような研磨及びエッチング処理を行い、光学顕微鏡で観察することで、再結晶組織か繊維状組織かどうかを判別することができる。結晶粒界が明瞭に観察でき、組織が繊維状に延ばされた圧延組織が観察されない場合は再結晶組織であり、一方、結晶粒界が明瞭に観察されず、圧延組織が観察される場合は繊維状組織と判別される。再結晶組織と繊維状組織が混在する場合があるが、再結晶組織と繊維状組織が混在する場合は、部分的にろう付け後結晶粒径が大きくなり、機械的性質のばらつきが大きくなるため好ましくない。
本発明の熱交換器は、本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材をろう付けして得られる熱交換器であり、
該熱交換器のフィンを構成するアルミニウム合金の結晶粒径が40~200μmであり、該アルミニウム合金中0.1~1.0μmの円相当径を有するAl-Mn系金属間化合物及びAl-Si-Mn系金属間化合物の合計の数密度が0.50×10個/mm以上であること、
を特徴とする熱交換器である。
本発明の熱交換器は、本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材を、熱交換器を構成するフィンの形状に成形し、チューブ材やプレート材など他の熱交換器を構成する部材と組合せ、ろう付け接合することにより製造されたものである。つまり、本発明の熱交換器は、本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材がろう付け加熱されることにより得られるフィンと、チューブ材やプレート材など他の熱交換器を構成する部材と、を有する。
本発明の熱交換器に係るフィン材は、本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材がろう付け加熱されたものなので、1.00~1.60質量%のMnと、0.70~1.20質量%のSiと、0.05~0.50質量%のFeと、0.05~0.35質量%のCuと、1.00~1.80質量%のZnと、を含有し、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなる。
本発明の熱交換器に係るフィンは、本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材がろう付け加熱されたものなので、強度が高い。本発明の熱交換器に係るフィンの引張強さは、150~180MPaである。
チューブ材としては、外面側のろう材と芯材からなる2層材、あるいは、その内面側に、ろう材又は犠材が配置されている3~4層材をチューブの形状に成形したもの、これらの2~4層材からなるチューブ内に、コルゲート成形されたベアフィン又はクラッドフィンからなるインナーフィンを配置してブレージング条を成形し、側端面を高周波溶接して円管とし、ロール成形により偏平なチューブ形状としたものが用いられる。また、チューブ材としては、板の端側の一部を重ね合わせたり、板の一部をチューブの内柱になるように折り曲げたりすることにより、溶接することなく、ろう付け加熱により偏平チューブ形状としたものも用いられる。
また、押出偏平多穴チューブの外表面にSi粉末などのろう材粉末を塗装し、フィン材とろう付接合することもできる。ろう材粉末にはフラックス成分を有する粉末や犠牲陽極効果を有する粉末、バインダーを混合させることができる、プレート材としては、芯材に必要に応じてろう材や犠牲陽極材がクラッドされた板が用いられ、所望の形状に成形加工されて用いられる。
チューブ材として用いられるブレージングシートの芯材は、熱交換器用として用いられるものであれば、特に限定されるものではないが、純Al、Al-Cu系合金、Al-Mn系合金、Al-Mn-Cu系合金、Al-Cu-Mn-Mg系合金等が挙げられる。
また、ろう材成分は、チューブ材やプレート材よりも低い融点を有していれば、いずれの合金を用いてもよく、例えば、Al-Si系合金、Al-Si-Zn系合金、Al-Si-Cu系合金等のSiを含むアルミニウム合金粉末等、KSiFなどのSiを含有しろう付け時にろう材を生成するフラックス等が挙げられる。
ろう付けの際のろう付け加熱条件は、通常のろう付け加熱で用いられる条件であれば、特に制限されないが、例えば、580~610℃で1~10分間の通常のろう付け加熱条件である。また、ろう付け後の冷却速度であるが、550℃から450℃までの冷却速度を50~80℃/分とすることが好ましい。遅くなりすぎるとCu系析出物が粒界に沿って析出しやすくなり、粒界腐食が生じ易くなる。
本発明の熱交換器では、フィンを構成するアルミニウム合金の結晶粒径が40~200μm、好ましくは40~100μmである。フィンを構成するアルミニウム合金の結晶粒径が上記範囲にあることにより、フィンの強度が高くなる。
本発明の熱交換器では、フィンを構成するアルミニウム合金中の0.1~1.0μmの円相当径を有するAl-Mn系金属間化合物及びAl-Si-Mn系金属間化合物の合計の数密度が0.50×10個/mm以上、好ましくは0.60×10個/mm以上である。フィンを構成するアルミニウム合金中の0.1~1.0μmの円相当径を有するAl-Mn系金属間化合物及びAl-Si-Mn系金属間化合物の合計の数密度が上記範囲にあることにより、フィンの強度が高くなる。フィンを構成するアルミニウム合金中の0.1~1.0μmの円相当径を有するAl-Mn系金属間化合物及びAl-Si-Mn系金属間化合物の合計の数密度の上限値は、好ましくは8.00×10個/mm以下、より好ましくは5.00×10個/mm以下、特に好ましくは3.00×10個/mm以下である。
本発明の熱交換器中のフィンは、本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材がろう付け加熱されたものなので、本発明の熱交換器は、フィンが、1.00~1.60質量%のMnと、0.70~1.20質量%のSiと、0.05~0.50質量%のFeと、0.05~0.35質量%のCuと、1.00~1.80質量%のZnと、を含有し、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなり、
フィンを構成するアルミニウム合金の結晶粒径が40~200μmであり、フィンを構成するアルミニウム合金中の0.1~1.0μmの円相当径を有するAl-Mn系金属間化合物及びAl-Si-Mn系金属間化合物の合計の数密度が0.50×10個/mm以上であること、
を特徴とする熱交換器である。
以下に、実施例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。
連続鋳造によって、表1及び表2に示す組成の鋳塊を鋳造した。これらの合金に均質化処理を施さず、熱間圧延、冷間圧延、最終焼鈍を経て厚さ0.05mmの板(H2n材)を作製した。このとき、最終焼鈍温度の調整により、アルミニウム合金フィン材の組織を調整した。また、同じ手法にて熱間圧延した板材を冷間圧延し、再結晶完了温度以上で中間焼鈍した後、仕上げ冷間圧延を経て厚さ0.05mm(H14材)も、比較材として作製した。
上記によって得られたアルミニウム合金フィン材について、以下の方法に従って、(1)組織、(2)引張強さ及び破断伸びを評価した。また、上記によって得られたアルミニウム合金フィン材について、ろう付け相当加熱としてフィン材を窒素ガス中で600℃に加熱し、その後550℃から450℃まで60℃/分の冷却速度で冷却し、得られた試験片について、(3)ろう付け相当加熱後の引張強さ、(4)結晶粒径、(5)金属間化合物の析出密度、(6)耐食性を評価した。また、上記によって得られたアルミニウム合金フィン材について、(7)ろう付け性を評価した。
(1)組織状況
H2n素材の表面を研磨した後エッチングし、ミクロ組織を顕微鏡で観察することにより、組織状況を観察した。結晶粒が判別できる場合は再結晶組織と判定し、結晶粒が明確に観察されず圧延組織が観察される場合は繊維状組織と判定した。
(2)引張強さおよび破断伸び
JIS5号試験片を成形した後、常温で引張試験を行い、引張強さを測定した。また、破断後の試験片を突き合わせ、破断伸びを測定した。
(3)ろう付け相当加熱後の引張強さ
上記ろう付け相当加熱後の板材について、引張試験を行い、引張強さを測定した。
(4)結晶粒径
上記ろう付け相当加熱後の表面を研磨した後エッチングし、ミクロ組織を顕微鏡で観察することにより、組織状況を観察し、比較法にて結晶粒径を測定した。
(5)金属間化合物の析出密度
上記ろう付け相当加熱後の板材をL-ST断面が見えるように切り出し、研磨およびイオンミリングにて平滑面を作製し、FE-SEMにて加速電圧1kVにて断面観察した。得られた写真データを画像解析し、各粒子の円相当径及び個数を測定した。
(6)耐食性
上記ろう付け相当加熱後の板材について、ASTM G85-A3のSWAATに準拠した腐食試験を24時間行った。試験後のフィン材の重量減少量および腐食形態を評価した。フィンの自己腐食が少なくかつ粒界腐食が発生していない、あるいは軽微なものを○、フィンの自己腐食が大きい、あるいは粒界腐食が顕著なものを×とした。
(7)ろう付け性
フィン材をコルゲート成形し、JIS-A3003合金を心材とし、JIS-A4045合金をろう材とする厚さ0.23mmの板材(以降、チューブ材と称す)を、ろう材面がフィントップと接するよう組み付けて、チューブ材のろう材側表面に濃度3%のフッ化物系フラックスを塗布した後、窒素ガス雰囲気中600℃で3分間ろう付け加熱を行い、熱交換器のミニコアを作製した。このミニコアについて、フィン材とチューブ材との接合部を目視で観察して、フィンの座屈および溶融の有無からろう付け性を評価した。座屈も溶融も無かった場合を○、座屈又は溶融が有った場合を×とした。
Figure 0007219263000001
Figure 0007219263000002
Figure 0007219263000003
Figure 0007219263000004
表3に示すように、本発明の規定を満たすNo.1からNo.3はいずれもH2n材であり、引張強さ170~230MPa、伸びは3%以上であった。600℃加熱時でも結晶粒径は40μm以上であり、フィン溶融、座屈は認められず、ろう付け性は良好であった。また、ろう付け後の円相当径0.1~1.0μmを有する金属間化合物の数密度はいずれも0.50×10個/mm以上であり、引張強さは150MPa以上の優れた強度を示した。耐食性においても、SWAAT試験で粒界腐食、自己腐食ともに軽微であることを示した。
これに対し、No.4および5はZn含有量が高過ぎるため、融点が低下してろう付け時にエロージョンが発生し良好なろう付け性とは言えず、また自己耐食性が十分ではない。No.6~8は素材が再結晶組織であるため、伸びが小さく十分ではない。また、No.8はろう付け後の結晶粒径が大きく、ろう付け後引張強さが十分ではない。

Claims (8)

  1. 1.00~1.60質量%のMnと、0.70~1.20質量%のSiと、0.05~0.50質量%のFeと、0.05~0.35質量%のCuと、1.00~1.80質量%のZnと、を含有し、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなり、
    該アルミニウム合金のマトリックスが繊維状組織であり、
    引張強さが170~230MPaであること、
    を特徴とする熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  2. 前記アルミニウム合金が、H2n(nは、2、4及び6から選ばれる整数である。)材であることを特徴とする請求項1記載の熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  3. ろう付け後のアルミニウム合金中、0.1~1.0μmの円相当径を有するAl-Mn系金属間化合物及びAl-Si-Mn系金属間化合物の合計の数密度が0.50×10個/mm以上であり、且つ、ろう付け後の結晶粒径が40~200μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  4. 1.00~1.60質量%のMnと、0.70~1.20質量%のSiと、0.05~ 0.50質量%のFeと、0.05~0.35質量%のCuと、1.00~1.80質量 %のZnと、0.20質量%以下のZrと、を含有し、残部がAlと不可避的不純物から なるアルミニウム合金からなり、
    該アルミニウム合金のマトリックスが繊維状組織であり、
    引張強さが170~230MPaであり、
    ろう付け後のアルミニウム合金中、0.1~1.0μmの円相当径を有するAl-Mn 系金属間化合物及びAl-Si-Mn系金属間化合物の合計の数密度が0.50×10 個/mm 以上であり、且つ、ろう付け後の結晶粒径が40~200μmであること、
    を特徴とする熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  5. 前記アルミニウム合金が、H2n(nは、2、4及び6から選ばれる整数である。)材 であることを特徴とする請求項4記載の熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  6. 1.00~1.60質量%のMnと、0.70~1.20質量%のSiと、0.05~0.50質量%のFeと、0.05~0.35質量%のCuと、1.00~1.80質量%のZnと、を含有し、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなる鋳塊に、均質化処理せずに、400~500℃に加熱して熱間圧延を開始して熱間圧延を行い、350℃以下で熱間圧延を終了し、次いで、1回又は複数回のパスで冷間圧延を行うか、あるいは、複数回のパスの冷間圧延及び冷間圧延のパス間に行う1回以上の中間焼鈍を行い、次いで、最終焼鈍を行いアルミニウム合金のマトリックスが繊維状組織であり 、引張強さが170~230MPaである熱交換器用アルミニウム合金フィン材を得ることを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金フィン材の製造方法。
  7. 前記アルミニウム合金が、更に、0.20質量%以下のZrを含有することを特徴とす る請求項6記載の熱交換器用アルミニウム合金フィン材の製造方法。
  8. 請求項3~5いずれか1項記載の熱交換器用アルミニウム合金フィン材をろう付けして得られる熱交換器であり、
    該熱交換器のフィンを構成するアルミニウム合金の結晶粒径が40~200μmであり、該アルミニウム合金中0.1~1.0μmの円相当径を有するAl-Mn系金属間化合物及びAl-Si-Mn系金属間化合物の合計の数密度が0.50×10個/mm以上であること、を特徴とする熱交換器。
JP2020508308A 2018-03-19 2019-03-15 熱交換器用アルミニウム合金フィン材、その製造方法及び熱交換器 Active JP7219263B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018050712 2018-03-19
JP2018050712 2018-03-19
PCT/JP2019/010779 WO2019181768A1 (ja) 2018-03-19 2019-03-15 熱交換器用アルミニウム合金フィン材、その製造方法及び熱交換器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019181768A1 JPWO2019181768A1 (ja) 2021-04-08
JP7219263B2 true JP7219263B2 (ja) 2023-02-07

Family

ID=67987821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020508308A Active JP7219263B2 (ja) 2018-03-19 2019-03-15 熱交換器用アルミニウム合金フィン材、その製造方法及び熱交換器

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20210079502A1 (ja)
JP (1) JP7219263B2 (ja)
CN (1) CN111936645A (ja)
DE (1) DE112019000781T5 (ja)
WO (1) WO2019181768A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7222047B1 (ja) 2021-09-28 2023-02-14 株式会社Uacj 配管コネクタ用アルミニウム合金押出材、その製造方法及び配管コネクタ
CN115595473B (zh) * 2022-10-18 2024-04-09 上海华峰铝业股份有限公司 一种铸轧翅片及其制备方法与应用
CN115572866B (zh) * 2022-10-18 2023-08-01 华峰铝业有限公司 一种高耐腐蚀热交换器翅片及其制备方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002161323A (ja) 2000-11-17 2002-06-04 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 成形性及びろう付け性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材
JP2007031778A (ja) 2005-07-27 2007-02-08 Nippon Light Metal Co Ltd 高強度アルミニウム合金フィン材およびその製造方法
JP2008190027A (ja) 2006-10-13 2008-08-21 Sapa Heat Transfer Ab 高強度及び耐垂れ性フィン材
JP2016121373A (ja) 2014-12-24 2016-07-07 三菱アルミニウム株式会社 熱交換器用フィン材および熱交換器用組み付け体

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4166613B2 (ja) * 2002-06-24 2008-10-15 株式会社デンソー 熱交換器用アルミニウム合金フィン材および該フィン材を組付けてなる熱交換器
WO2006087823A1 (ja) * 2005-02-17 2006-08-24 Sumitomo Light Metal Industries, Ltd. 熱交換器用アルミニウム合金ブレージングフィン材

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002161323A (ja) 2000-11-17 2002-06-04 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 成形性及びろう付け性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材
JP2007031778A (ja) 2005-07-27 2007-02-08 Nippon Light Metal Co Ltd 高強度アルミニウム合金フィン材およびその製造方法
JP2008190027A (ja) 2006-10-13 2008-08-21 Sapa Heat Transfer Ab 高強度及び耐垂れ性フィン材
JP2016121373A (ja) 2014-12-24 2016-07-07 三菱アルミニウム株式会社 熱交換器用フィン材および熱交換器用組み付け体

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2019181768A1 (ja) 2021-04-08
DE112019000781T5 (de) 2020-11-05
US20210079502A1 (en) 2021-03-18
WO2019181768A1 (ja) 2019-09-26
CN111936645A (zh) 2020-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6452626B2 (ja) アルミニウム合金クラッド材及びその製造方法、ならびに、当該アルミニウム合金クラッド材を用いた熱交換器及びその製造方法
JP5960748B2 (ja) 高温で高強度のろう付用サンドイッチ材
JP6452627B2 (ja) アルミニウム合金クラッド材及びその製造方法、ならびに、当該アルミニウム合金クラッド材を用いた熱交換器及びその製造方法
JP4702797B2 (ja) 犠牲陽極材面のろう付けによる面接合性に優れたアルミニウム合金クラッド材の製造方法
JP5913853B2 (ja) アルミニウム合金ブレージングシートおよびその製造方法
JP2004084060A (ja) 熱交換器用アルミニウム合金フィン材および該フィン材を組付けてなる熱交換器
JP2007152421A (ja) アルミニウム合金ブレージングシート
JP7219263B2 (ja) 熱交換器用アルミニウム合金フィン材、その製造方法及び熱交換器
JP2009024221A (ja) 高強度アルミニウム合金ブレージングシート
JP2002161323A (ja) 成形性及びろう付け性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材
JP2014098185A (ja) アルミニウム合金ブレージングシート及びその製造方法
CN112955280B (zh) 铝合金硬钎焊板及其制造方法
JP5836695B2 (ja) ろう付け後の強度及び耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材
EP2791378A1 (en) Aluminium fin alloy and method of making the same
JP5214899B2 (ja) 熱交換器用高耐食アルミニウム合金複合材およびその製造方法
JP2012067385A (ja) ブレージングシート及びその製造方法
JP5578702B2 (ja) 熱交換器用アルミニウム合金フィン材および熱交換器
JP4996909B2 (ja) アルミニウム合金ブレージングシートおよびその製造方法
JP2010209445A (ja) 高耐熱性アルミニウム合金ブレージングシートおよびその製造方法
WO2019044545A1 (ja) 熱交換器フィン用ブレージングシート及びその製造方法
JP2017066494A (ja) 熱交換器用アルミニウム合金材及びその製造方法
CN112955574B (zh) 铝合金硬钎焊板及其制造方法
CN113692454B (zh) 铝合金硬钎焊板及其制造方法
JPH05104287A (ja) 成形性に優れたアルミニウムブレージングシートの製造方法
JP5435988B2 (ja) 高耐熱性アルミニウム合金ブレージングシートおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7219263

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150