<実施形態>
本発明の一実施形態に係る遊技機の一例であるスロットマシン1について、図1~図28を参照して説明する。
(構成)
スロットマシン1の構成の概略について図1および図2を参照して説明する。
本実施形態におけるスロットマシン1は、筐体3の前面開口が前面扉5により開閉自在に閉塞され、この前面扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設され、この操作板7の上方に正面板9が配設されている。そして、正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられ、表示窓11の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する回転リールから成る左・中・右リール13L,13M,13Rが配置されている。
ここで、図2(a)に示すように、左・中・右リール13L,13M,13Rには、例えば「R7(赤7)」、「B7(青7)」、「BAR(バー)」「RP(リプレイ)」、「BE(ベル)」、「WM(スイカ)」、「CH1(チェリー1)」、「CH2(チェリー2)」、「BL1(ブランク1)」、「BL2(ブランク2)」を含む複数種類の図柄が合計20個、所定の配列でそれぞれ設けられている。また、左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれの各図柄それぞれには、0番から19番までのコマ番号が順に付され、例えばコマ番号0番から19番までの図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられて、左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれが形成されている。また、左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれが回転すると、コマ番号19番、18番、…、0番、19番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に可変表示される。
そして、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止したときに、左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれについて3個ずつで合計9個の図柄が表示窓11から覗くように設定され、具体的には1つのリールにつき上段、中段および下段に各1個の3個ずつ、左・中・右リール13L,13M,13Rで合計9個が表示窓11を通して表示される。すなわち、左・中・右リール13L,13M,13Rの全てが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されることになる。この実施形態では、図2(b)に示すように、表示窓11に表示される各図柄のうち、左リール13Lの中段図柄、中リール13Mの中段図柄、右リール13Rの下段図柄で構成される一ラインが入賞ラインとなり、入賞ラインに当選役の図柄が揃った状態で左・中・右リール13L,13M,13Rが停止すれば入賞となる。
ここで、図3に示すように、左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれには、それぞれがステッピングモータにより構成される左・中・右リールモータ14L,14M,14Rが連結され、左・中・右リール13L,13M,13Rがそれぞれ独立して回転駆動される。なお、各リール13L,13M,13Rと各々のリールモータ14L,14M,14Rとで構成されたリールユニット(図示省略)によりスロットマシン1の表示手段が構成されている。
また図1に戻って、操作板7には、遊技者が内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル(遊技用価値)投入を指示するためのベットスイッチ15、遊技者がクレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの規定枚数の最大投入枚数(3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、遊技者が各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるための操作を行うレバー状のスタートスイッチ19、遊技者が左・中・右リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させるための操作を行う左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれに対応した左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R(本発明の「停止操作手段」に相当)、遊技者がクレジットメダルの払い出しを指示するための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。なお、本実施形態では、1ゲーム(遊技)に必要なメダル投入数(規定枚数)は、3枚の1種類が設定されているものとする。このように、遊技用価値を用いて遊技を行うことが可能になっている。なお、本実施形態では遊技用価値としてメダルを用いるスロットマシン1を本発明にかかる遊技機の一例として説明するが、メダルに限らず、他の遊技媒体や電子的なデータを遊技用価値として用いる遊技機に本発明を適用してもよい。
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、入賞させるのに必要な左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を報知したりする演出を行うための液晶表示器27(本発明の「示唆演出実行手段」に相当)が設けられ、液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。なお、後述するメダル払出口39の左右にもスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。
さらに、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。中央・左・右ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらの中央・左・右ランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9の右下隅には、3つのリールに対する入賞ラインの位置を示す図形(図示省略)が描かれ、正面板9の左下隅には図3のメイン制御基板63に搭載されたCPU61による表示制御を受けて、クレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45、メダルの払出枚数を表示する払出表示器46が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントディスプレイで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。また、払出表示器46は、例えば2個の7セグメントディスプレイで構成され、2桁の払出枚数が表示可能になっている。なお、7セグメントディスプレイは、棒状に形成されるとともに、「8」の字状に配列された7つのセグメントと、小数点となる小さな丸い1つのセグメントDPとが組み合わされた計8つのセグメントを有するものであり、各セグメントは発光ダイオードにより構成されている。なお、払出表示器46は、発生したエラーに対応するエラーコードの表示にも用いられる。
クレジット表示器45の上方には、有利区間ランプ47が配設されている。有利区間は、当選役グループ「ATALC1」(下位役番号$0C:図8参照)~「ATCRC2」(下位役番号$2F:図9参照)の当選時に有利な配当が得られる押し順(正解の押し順)を報知することが許容された区間であり、有利区間ランプ47の点灯により、有利区間であることが報知される。この実施形態では、有利区間中に必ず有利区間ランプ47が点灯する訳ではなく、有利区間に移行してから、所定の点灯条件が成立したときに点灯する。ただし、一旦有利区間ランプ47が点灯した後は、当該有利区間が終了して非有利区間に移行するまでは点灯が維持される。なお、所定の点灯条件は、例えば、有利区間に移行して当選役グループ「ATALC1」(下位役番号$0C:図8参照)~「ATCRC2」(下位役番号$2F:図9参照)の当選時に正解の押し順が最初に報知されるゲームにおいて、当該ゲームのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効になる前までであれば、適宜設定できる。なお、有利区間ランプ47を個別に設ける代わりに、払出表示器46のセグメントDPを有利区間ランプとして用いてもよい。以下、当選役グループ「ATALC1」(下位役番号$0C:図8参照)~「ATCRC2」(下位役番号$2F:図9参照)をまとめて押し順AT役(本発明の「特定役」に相当)という場合もある。
また、各リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体が、筐体3内の後壁に固定されている。筐体3内の支持枠体の下方には、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43(図3参照)が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48(図3参照)が配設されている。なお、筐体3内部には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ48において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット43から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口39から払い出される。具体的には、メダルセレクタ48には、特に図示していないが、電磁石を用いたキャンセルコイルの駆動によるレール部の作動により、メダル投入口25から投入されたメダルをホッパーユニット43内に貯留させる通路と、メダル払出口39からメダル受け41へ進ませる通路との切り換えが可能に形成されている。これにより、メダル投入口25から投入されたメダルをクレジットメダルとして貯留するか、メダル受け41へ払い出すかの切り換えをすることができる。ただし、例えばメダルの貯留枚数が最大貯留枚数になった場合やゲーム中は、キャンセルコイルの駆動によるレール部の作動が行われずにメダル投入口25に投入されたメダルがメダル払出口39に排出され、これら以外の場合は、図3のメイン制御基板63に搭載されたメインCPU61による駆動制御を受けたキャンセルコイルの駆動によってレール部が作動し、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導く。
図3に示すように、筐体3内部のメダル投入口25近傍にあるメダルセレクタ48部分に投入センサ53が設けられ、投入センサ53はメダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出する。この投入センサ53は、セレクタセンサA、セレクタセンサB、セレクタセンサCの3つがメダルの通路に設けられて形成されており、投入されたメダルをセレクタセンサC、セレクタセンサA、セレクタセンサBの順序及び所定の範囲の時間の間隔(タイミング)で検知するように配置されている。そして、ホッパーユニット43の出口には払出センサ54が設けられ、払出センサ54はメダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出する。この払出センサ54は、払出センサAと、払出センサBとの2つが所定距離を開けて配置されている。正常な状態でのメダル通過時のタイミングチャートでは、ホッパーモータ57が駆動中(オン状態)のときに、両払出センサA,Bがオン状態に移行可能になっている。さらに、払出センサBは、オフ状態からオン状態へ2回移行するように設定され、払出センサBの1回目のオン状態の際に、払出センサAがオフ状態からオン状態へ移行し、払出センサBの2回目のオン状態の際に、払出センサAがオン状態からオフ状態へ移行するような配置に設定されている。
また、図3に示すように、操作ボックス50が設けられており、電源のON、OFFを切り換える電源スイッチ50a、キーシリンダー式の設定変更キースイッチ50b、押しボタン式の設定変更ボタン50c(リセットスイッチ)が設けられている。また、操作ボックス50は、筐体3の内部に配設されているため、前面扉5を開放しなければ、操作できないようになっている。なお、設定変更は、有利度の異なる複数の抽選テーブル671(図4参照)のうちのいずれか1つを、役抽選の際に選択するときに使用する当選確率の設定値(設定1から設定6)を設定するための処理である。
また、図3に示すように、設定値表示器56が設けられており、設定値表示器56は例えば1個の7セグメントディスプレイで構成され、1桁の当選確率の設定値(具体的には、1~6の6段階)を表示するものである。なお、7セグメントディスプレイは、棒状に形成されるとともに、「8」の字状に配列された7つのセグメントと、小数点となる小さな丸い1つのセグメントとが組み合わされた計8つのセグメントを有するものであり、各セグメントは発光ダイオードにより構成されている。この設定値表示器56には、スロットマシン1の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、筐体3の内部、詳しくは、前面扉5の背面に設けられており、設定値の設定後、その表示は消去される。
また、図3に示すように、扉センサ(扉開閉用スイッチ)58が設けられており、扉センサ58は筐体3側に設置されているものであって、前面扉5が閉じているか否かを検知するためのセンサである。例えば、この扉センサ58は、前面扉5が閉塞している場合に、前面扉5の背面と扉センサ58の前面とが近接することで接触センサによりオン状態(ON状態)となり、前面扉5が開放するに従って前面扉5の背面が扉センサ58の前面から離間して接触センサによりオフ状態(OFF状態)となる。もちろん、接触センサに限定されるものではなく、光センサや磁気センサ等により前面扉5の開閉を検知するようにしてもよい。
また、図3に示すように、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出する左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが設けられており、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63のメインCPU61に出力する。本実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが突起部を検出したときに、それぞれコマ番号19番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
図3に示すホッパーモータ57はホッパーユニット43に配設され、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出すものである。また、オーバーフローセンサ57aは、ホッパーユニット43のメダルを貯留するメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出してメイン制御基板63のメインCPU61へ信号を出力するものである。
また、筐体3内部には、外部集中端子板59が設けられている。外部集中端子板59は、遊技データをスロットマシン1の外部に出力させるものであり、メイン制御基板63のメインCPU61と配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示省略)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板59は、図示しないが、遊技島設備(例えばデータ表示器)やホールコンピュータに接続されている。
また、図3に示すように、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63から送信された情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられており、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して各種のデータが一方向で送信される。なお、メイン制御基板63は、外部から不正にアクセスすることができないように、基板ケース内に収納された上、該基板ケースが痕跡を残さずに開放することができないように厳重に封印されている。また、基板ケースには、不正に開放されたことを確実に視認することができるように、種々の対策が講じられている。
そして、メイン制御基板63のRWM(リードライトメモリ)65は、メインCPU61内部の記憶容量であり、スロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものである。また、メイン制御基板63のROM67は、メインCPU61内部の記憶容量であり、予め設定されたデータを含む遊技機用プログラム(スロットマシン1用のプログラム)を記憶する。
また、図3に示すように、メイン制御基板63には、4個の表示部品により構成される比率表示器(役比モニタ)69が設けられている。この比率表示器69は、筐体3の内部であって左・中・右リール13L,13M,13Rの上部位置に設置された基板ケース内のメイン制御基板63に搭載されて、前面扉5を開放したときに、外部から視認可能な位置に配置されている。そして、比率表示器69は、表示部品である4個の7セグメントディスプレイから成り、7セグメントディスプレイは、棒状に形成されるとともに、「8」の字状に配列された7つのセグメントと、小数点となる小さな丸い1つのセグメントとが組み合わされた計8つのセグメントを有するものであり、各セグメントは発光ダイオードにより構成されている。発光ダイオードの点灯、消灯を制御するためにメインCPU61によるスイッチ制御が行われ、発光ダイオードのアノードおよびカソードの少なくとも一方にはスイッチ経由でVDD、GNDが供給される。なお、比率表示器69には、例えば、所定期間における、役物払出枚数の、総払出枚数に対する百分率や、連続役物払出枚数の、総払出枚数に対する百分率が表示される。AT遊技が搭載された遊技機においては、AT役(押し順役)による払出枚数の、総払出枚数に対する百分率が表示されるようにしてもよい。
また、図3に戻って、上記したメイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。そして、メインCPU61は、後述する役抽選手段103による抽選処理における役抽選結果に関するデータ、遊技者により操作される左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の操作に関するデータなどの種々のデータをコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。
サブ制御基板73は、各種データを一時的に記憶するRWM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを有するメモリ75を備えている。さらに、サブ制御基板73のサブCPU71はタイマ割込などの割込機能を有し、サブCPU71は、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種のデータ(後述する役抽選手段103による抽選処理における役抽選結果、左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の操作器具が操作されたか、などに関するデータ)に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行することにより、遊技者に対して供すべき遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、スピーカ31L,31Rなどの演出機器の制御を行う。
(メイン制御基板)
次に、メイン制御基板63について、図4~図28を参照して詳細に説明する。
図4に示すように、メイン制御基板63は、ROM67に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
(1)遊技制御手段100
図4の遊技制御手段100は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態においてスロットマシン1の遊技を制御するものであり、操作態様判定手段100aおよび遊技状態設定手段100bを備えている。具体的には、遊技制御手段100は、通常遊技状態(初期RT(RT0)、RBB内部中(RBBF))において一般的な遊技を実行し、ボーナス役「RBB1」の入賞により移行するボーナス遊技状態(RBB)においてボーナス遊技を実行する。
a)操作態様判定手段100a
図4の操作態様判定手段100aは、スロットマシン1に対する遊技者の操作の有無や長押し等の態様を判定し、具体的には、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、スタートスイッチ19、左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rなどの各種スイッチに対する遊技者による操作の態様や、メダル投入口25への遊技者によるメダルの投入操作の態様など、遊技者によるスロットマシン1に対する種々の操作の態様を判定する。
b)遊技状態設定手段100b
遊技状態設定手段100bは、役抽選手段103による役抽選処理の結果や、図柄判定手段107による有効ライン(入賞ライン)上の図柄組合せの判定結果などに基づいて、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれか1つにスロットマシン1の遊技状態を設定するものである。
以下、図5を参照して遊技状態の移行について説明する。初期RT(RT0)では、再遊技役や小役のみならず、ボーナス役「RBB」の役抽選が行われる。なお、この実施形態では、各遊技状態において、複数の役で構成される当選役グループごとに、当選確率を規定する抽選値が設定されており、当選役グループごとに役抽選の当否が判定される(図8および図9参照)。なお、各当選役グループの構成については、後述する。
図5に示すように、初期RT(RT0)において、当選役グループ「RBB」に当選し、当該ゲームで入賞した場合、遊技状態設定手段100bは、遊技状態をボーナス遊技状態(RBB(NOM))に設定し、遊技状態がボーナス遊技状態(RBB(NOM))に移行する。
ボーナス遊技状態(RBB(NOM))では、再遊技役の当選確率が0の状態であって、図8および図9に示す当選役グループ「RPFK」、「RPSI」、「RPDB」、「JAC」、「RBB」以外の役が役抽選の対象となっている。ボーナス遊技状態(RBB(NOM))で当選役グループ「SRB1」に当選し、当該ゲームで入賞した場合、遊技状態設定手段100bは、遊技状態をボーナス遊技状態(SRB1)に設定し、遊技状態がボーナス遊技状態(SRB1)に移行する。ボーナス遊技状態(SRB1)では、再遊技役の当選確率が0で、当選役グループ「JAC」、「BE」のみが役抽選の対象となっている。ボーナス遊技状態(SRB1)は、所定のSRB1終了条件が成立すると終了する。SRB1終了条件が成立すると、遊技状態設定手段100bは遊技状態をボーナス遊技状態(RBB(NOM))に設定し、遊技状態がボーナス遊技状態(RBB(NOM))に移行する。なお、この実施形態では、所定のSRB1終了条件として、「役抽選の対象となっている役のいずれかに2回入賞、または、2回の遊技の実行」が設定されているが、適宜変更可能である。
ボーナス遊技状態(RBB(NOM))で当選役グループ「SRB1」に当選したが、当該ゲームで入賞しなかった場合、遊技状態設定手段100bは、遊技状態をボーナス遊技状態(SRB1F)に設定し、遊技状態がボーナス遊技状態(SRB1F)に移行する。ボーナス遊技状態(SRB1F)は、再遊技役の当選確率が高く、当選役グループ「RPFK」、「RPSI」、「RPDB」、「JAC」を除く全ての一般役(小役、再遊技役)が役抽選の対象となっている。なお、ボーナス遊技状態(SRB1F)は当選したボーナス役(当選役グループ「SRB1」)を持ち越している状態であり、新たなボーナス役(当選役グループ「RBB」、「SRB1」、「SRB2」)には当選しないようになっている。
なお、後述するAT期間において、当選時に有利な押し順(正解の押し順)が報知される当選役グループ「ATALC1」(下位役番号$0C:図8参照)~「ATCRC2」(下位役番号$2F:図9参照)については、例えば、初期RT(RT0)やRBB内部中(RBBF)では、各々が単独で当選するようになっており、それぞれ所定の当選確率(例えば、全てが同じ1/xの当選確率)が設定されている。一方、ボーナス遊技状態(SRB1F)では、当選役グループ「ATALC1」(下位役番号$0C:図8参照)~「ATCRC2」(下位役番号$2F:図9参照)の全てが重複して当選するように構成されており、その重複当選時の当選確率が初期RT(RT0)やRBB内部中(RBBF)で各々の当選確率(1/x)よりも高くなるように設定されている。ただし、重複当選時の当選確率は、初期RT(RT0)やRBB内部中(RBBF)で各々の当選確率の和(例えば、36/x)よりも低い設定となっている。
ボーナス遊技状態(SRB1F)において、持ち越しているボーナス役(当選役グループ「SRB1」)に入賞した場合、遊技状態設定手段100bは、遊技状態をボーナス遊技状態(SRB1)に設定し、遊技状態がボーナス遊技状態(SRB1)に移行する。ボーナス遊技状態(SRB1)において、上述のSRB1終了条件が成立すると、遊技状態設定手段100bは、遊技状態をボーナス遊技状態(RBB(NOM))に設定し、遊技状態がボーナス遊技状態(RBB(NOM))に移行する。
ボーナス遊技状態(RBB(NOM))で当選役グループ「SRB2」に当選し、当該ゲームで入賞した場合、遊技状態設定手段100bは、遊技状態をボーナス遊技状態(SRB2)に設定し、遊技状態がボーナス遊技状態(SRB2)に移行する。ボーナス遊技状態(SRB2)では、再遊技役の当選確率が0で、当選役グループ「JAC」、「BE」のみが役抽選の対象となっている。ボーナス遊技状態(SRB2)は、所定のSRB2終了条件が成立すると終了する。SRB2終了条件が成立すると、遊技状態設定手段100bは遊技状態をボーナス遊技状態(RBB(NOM))に設定し、遊技状態がボーナス遊技状態(RBB(NOM))に移行する。なお、この実施形態では、所定のSRB2終了条件として、「役抽選の対象となっている役のいずれかに8回入賞、または、12回の遊技の実行」が設定されているが、適宜変更可能である。
ボーナス遊技状態(RBB(NOM))で当選役グループ「SRB2」に当選したが、当該ゲームで入賞しなかった場合、遊技状態設定手段100bは、遊技状態をボーナス遊技状態(SRB2F)に設定し、遊技状態がボーナス遊技状態(SRB2F)に移行する。ボーナス遊技状態(SRB2F)は、再遊技役の当選確率が高く、当選役グループ「RPFK」、「RPSI」、「RPDB」、「JAC」を除く全ての一般役(小役、再遊技役)が役抽選の対象となっている。なお、ボーナス遊技状態(SRB2F)は当選したボーナス役(当選役グループ「SRB2」)を持ち越している状態であり、新たなボーナス役(当選役グループ「RBB」、「SRB1」、「SRB2」)には当選しないようになっている。
なお、ボーナス遊技状態(SRB2F)では、ボーナス遊技状態(SRB1)と同様に、当選役グループ「ATALC1」(下位役番号$0C:図8参照)~「ATCRC2」(下位役番号$2F:図9参照)の全てが重複して当選するように構成されており、その重複当選時の当選確率が初期RT(RT0)やRBB内部中(RBBF)で各々の当選確率(1/x)よりも高くなるように設定されている。ただし、重複当選時の当選確率は、初期RT(RT0)やRBB内部中(RBBF)で各々の当選確率の和(例えば、36/x)よりも低い設定となっている。
ボーナス遊技状態(SRB2F)において、持ち越しているボーナス役(当選役グループ「SRB2」)に入賞した場合、遊技状態設定手段100bは、遊技状態をボーナス遊技状態(SRB2)に設定し、遊技状態がボーナス遊技状態(SRB2)に移行する。ボーナス遊技状態(SRB2)において、上述のSRB2終了条件が成立すると、遊技状態設定手段100bは、遊技状態をボーナス遊技状態(RBB(NOM))に設定し、遊技状態がボーナス遊技状態(RBB(NOM))に移行する。
なお、この実施形態では、ボーナス遊技状態(RBB(NOM))では、当選役グループ「ATALC1」(下位役番号$0C:図8参照)~「ATCRC2」(下位役番号$2F:図9参照)がそれぞれ単独で当選するように構成されているが、ボーナス遊技状態(SRB1F)や(SRB2F)と同様に、全てが重複して当選するようにしてもよい。この場合も、重複当選時の当選確率は、初期RT(RT0)やRBB内部中(RBBF)で各々の当選確率(1/x)よりも高いが、初期RT(RT0)やRBB内部中(RBBF)で各々の当選確率の和(例えば、36/x)よりも低くなるように設定する。また、このような重複当選させる構成は、ボーナス遊技状態(RBB(NOM))、ボーナス遊技状態(SRB1)、(SRB2)、ボーナス遊技状態(SRB1F)、(SRB2F)のうちの一部または全部で採用することができる。さらに、この実施形態では当選役グループ「ATALC1」(下位役番号$0C:図8参照)~「ATCRC2」(下位役番号$2F:図9参照)の全てを重複当選させる場合について説明したが、複数の遊技状態でこれらの当選役グループを重複当選させる場合は、各遊技状態(RBB、SRB1、SRB2、SRB1F、SRB2F)に応じて全部または一部が重複当選するようにしてもよい。
初期RT(RT0)において、当選役グループ「RBB」に当選し、当該ゲームで入賞しなかった場合、遊技状態設定手段100bは、遊技状態をRBB内部中(RBBF)に設定し、遊技状態がRBB内部中(RBBF)に移行する。RBB内部中(RBBF)は、当選したボーナス役(当選役グループ「RBB」)を持ち越している状態であり、新たなボーナス役(当選役グループ「RBB」、「SRB1」、「SRB2」)には当選しないようになっている。なお、この実施形態では、RBB内部中(RBBF)は、ボーナス役を除き役抽選対象となっている役(当選役グループ)の種類およびそれらの当選確率が初期RT(RT0)と同じとなっている。
RBB内部中(RBBF)において、持ち越しているボーナス役(当選役グループ「RBB」)に入賞した場合、遊技状態設定手段100bは、遊技状態をボーナス遊技状態(RBB(NOM))に設定し、遊技状態がボーナス遊技状態(RBB(NOM))に移行する。
なお、ボーナス遊技状態(RBB)は、所定のRBB終了条件が成立すると終了する。RRB終了条件が成立すると、遊技状態設定手段100bは遊技状態を初期RT(RT0)に設定し、遊技状態が初期RT(RT0)に移行する。なお、この実施形態では、所定のRBB終了条件として、「65枚を超えるメダルの払い出し」が設定されているが、適宜変更可能である。また、RBB終了条件が成立したときに滞在している遊技状態が、ボーナス遊技状態(RBB(NOM))、(SRB1)、(SRB2)、(SRB1F)、(SRB2F)のいずれであっても、遊技状態が初期RT(RT0)に移行する。
また、この実施形態では、ボーナス役やいわゆるレア役(当選役グループ「RPFK($01)」~「HCHN($08)」、「SPL($0B)」:図8参照」)の当選時に報知演出が行われる。レア役の中には目押ししなければ入賞させることができないものがあり、当該報知演出が行われた場合、遊技者は非入賞(取りこぼし)を回避すべく、左リール13Lにおいて表示窓11に図柄番号17の図柄「CH1(チェリー):図2参照」が位置するタイミングでストップスイッチ21Lを操作する。一方、ボーナス役「RBB1」の左リール13Lの入賞図柄は、図柄番号6の図柄「BL1(ブランク1):図2参照」である。各リール13L,13M,13Rの最大のすべりコマ数は4コマとなっているため、当該報知演出が行われたときに遊技者が図柄「CH1(チェリー):図2参照」を目押しした場合、通常左リール13Lの入賞ライン(中段)に図柄「BL1(ブランク1)」を停止させることはできない。したがって、初期RT(RT0)から直接ボーナス遊技状態(RBB(NOM))に移行するのは稀で通常はRBB内部中(RBBF)を経由してボーナス遊技状態(RBB(NOM))に移行する。
また、この実施形態では、遊技者にとって有利となるボーナス遊技状態(RBB)ほか、押し順AT役(当選役グループ「ATALC1」(下位役番号$0C)~「ATCRC2」(下位役番号$2F)の当選時に有利な配当が得られる押し順(正解の押し順)が報知される、いわゆるAT機能が搭載されている。この実施形態において、AT遊技が行われるAT期間は通常遊技状態(初期RT(RT0)、RBB内部中(RBBF))のみならず、ボーナス遊技状態(RBB)でも設定され得る。ただし、ボーナス遊技状態(RBB)では、後述するチャンスゾーン(CZ)やAT抽選などのATに関連する抽選が行われないようになっている。以下、ATに関するゲーム性について、図6を参照して説明する。
この実施形態では、押し順AT役(当選役グループ「ATALC1」(下位役番号$0C)~「ATCRC2」(下位役番号$2F))の当選時に正解の押し順を報知することが許容される有利区間と、許容されない非有利区間とがある。設定変更が行われた場合は、非有利区間となる。また、後述するAT期間が終了した場合は、有利区間から非有利区間に移行する。非有利区間において、有利区間移行役に当選した場合は次のゲームから有利区間となる。この実施形態では、有利区間移行役は当選役グループ「LCH(弱チェリー)」、「HCH(強チェリー)」、「WM(スイカ)」、「LCHN(弱チャンス目)」、「HCHN(強チャンス目)」、「BE(共通ベル)」、「SPL」、押し順AT役(当選役グループ「ATALC1」(下位役番号$0C)~「ATCRC2」(下位役番号$2F)であり、これらのいずれかに当選した場合は、必ず有利区間に移行する。なお、有利区間移行役の構成は適宜変更することができる。また、有利区間移行役の当選時に移行抽選を行い、この抽選に当選した場合に有利区間に移行するようにしてもよい。
有利区間に移行した場合は、有利区間(一般)に移行する。有利区間(一般)は、CZpt通常と、CZpt高確と、CZpt超高確とで構成されており、有利区間の移行時にいずれに移行するかが決定される。なお、この実施形態では、当選役の種類に応じて当選確率が異なるAT直撃抽選に当選した場合は、押し順AT役(当選役グループ「ATALC1」(下位役番号$0C)~「ATCRC2」(下位役番号$2F)の当選時に必ず正解の押し順が報知されるAT状態(AT期間)に移行する。また、AT直撃抽選に当選せずとも、遊技ptカウンタ654のカウント値が上限(天井)に到達した場合もAT状態(AT期間)に移行する。
有利区間(一般)と前兆モードでは、1ゲーム消化する度に遊技ptカウンタ654が+1加算される。これに対して、CZ(チャンスゾーン)は、毎ゲームで遊技ptカウンタ654に加算する遊技ポイント数(遊技pt数)を決定する加算遊技pt抽選が行われる。当該抽選によりCZ(チャンスゾーン)では毎ゲームで+1以上加算されるため、有利区間(一般)よりも有利な状態となる。
また、有利区間(一般)では、CZptカウンタ655のカウント値が例えば15ポイントに到達するとCZ(チャンスゾーン)に移行する。CZptカウンタ655の加算については、有利区間(一般)と前兆モードにおいて当選役に基づいて行われる第1CZpt付与抽選による加算と、遊技ptカウンタ654のカウント値が周期ポイントに到達すると行われる第2CZpt付与抽選と、前兆モード(ガセ前兆モード)に移行した場合に行われる第3CZpt付与抽選による加算とがあり、詳しくは後述する。第1CZpt付与抽選については、CZpt通常と、CZpt高確と、CZpt超高確の順で有利となっている。
また、この実施形態では、CZ(チャンスゾーン)として、第1CZ(第1チャンスゾーン)と、第2CZ(第2チャンスゾーン)とが設定されており、CZ(チャンスゾーン)に移行するときに、どちらのCZ(チャンスゾーン)に移行するかが決定される。なお、この実施形態では、第2CZ(第2チャンスゾーン)では、当選役に種類に応じて遊技ptカウンタ654に+1000加算するか否かの抽選が行われる。当該抽選で+1000加算されない場合であっても毎ゲームで遊技ptカウンタ654が+1加算される。後述するが遊技ptカウンタ654のカウント値の上限(天井)は、最高でも+1000であるため、第2CZ(第2チャンスゾーン)の加算遊技pt抽選に当選した場合は、必ずAT期間に移行する。
一方、第1CZ(第1チャンスゾーン)では、毎ゲームで当選役に種類に基づいて加算遊技pt抽選が行われるが、加算される遊技pt数の期待値は第2CZ(第2チャンスゾーン)よりも低い。したがって、第1CZ(第1チャンスゾーン)よりも第2CZ(第2チャンスゾーン)の方が有利となる(ただし、毎ゲーム+1以上は加算される)。第1CZ(第1チャンスゾーン)の終了後は、CZpt超高確に移行する。したがって、第1CZ(第1チャンスゾーン)の終了後は、CZptカウンタ655の加算が行われ易くなっている。
また、第2CZ(第2チャンスゾーン)は所定のゲーム数を消化すると終了するが、終了した時点で遊技ptカウンタ654のカウント値が上限(天井)に到達していなければ、第1CZ(第1チャンスゾーン)に移行する。したがって、第2CZ(第2チャンスゾーン)でAT期間への移行に失敗した場合であっても、その後の第1CZ(第1チャンスゾーン)で遊技ポイント数(遊技pt数)の加算が期待できる。
AT状態(AT期間:本発明の「報知区間」に相当)は、基本的に第1ステージ~Finalステージ(第8ステージ)で構成されており、各ステージの終了時に行われる継続抽選に当選(勝利)した場合は次のステージに継続するが、非当選(敗北)の場合は、AT期間が終了して有利区間から非有利区間に移行する。また、各ステージは、AT(一般)からスタートし、AT(一般)で所定ゲーム数を消化すると勝敗決定ゾーンに移行し、当該ゾーンの終わりに継続抽選の結果が報知される。継続抽選に当選(勝利)した場合、勝敗決定ゾーンの後に次のステージのAT(一般)に移行する。Finalステージ(第8ステージ)に到達した場合、第9ステージ以降の各ステージは、例えば、一定の継続率(例えば80%継続)にて継続抽選が行われる。なお、Finalステージ(第8ステージ)が終了すると、AT期間を終了し非有利区間に移行させるようにしてもよい。
また、各ステージで継続抽選に当選した場合の一部でボーナスゾーンか高継続CZに移行する。ボーナスゾーンでは、次のステージのAT(一般)に移行する前に、所定ゲーム数(例えば20ゲーム)がボーナスとして付与され、この間に押し順AT役に当選した場合は正解の押し順が報知される。また、当該ゾーンの消化中はAT(一般)の継続ゲーム数を延長する抽選(いわゆるゲーム数上乗せ抽選)が行われ、当該抽選に当選した場合は、そのゲーム数の分だけ次のステージのAT(一般)の継続ゲーム数が延長される。
高継続CZは、例えば10ゲーム間のチャンスゾーンであり、毎ゲームで高継続のATに移行するか否かの抽選(高継続AT移行抽選)が行われる。高継続ATについては後述する。
AT(一般)で所定の移行条件が成立するとゲーム数上乗せ特化ゾーンに移行する。ゲーム数上乗せ特化ゾーンは、所定ゲーム数(例えば10ゲーム)継続し、終了後はAT(一般)に戻る。ゲーム数上乗せ特化ゾーンでは、毎ゲームで当該ステージのAT(一般)の延長ゲーム数の抽選(ゲーム数上乗せ抽選)が行われる。AT(一般)中でもゲーム数上乗せ抽選が行われるが、ゲーム数上乗せ特化ゾーンの方が有利となっている。
さらに、AT(一般)で所定の移行条件が成立すると勝利ストックゾーンに移行する。勝利ストックゾーンは、所定ゲーム数(例えば10ゲーム)継続し、終了後はAT(一般)に戻る。当該ゾーンでは、次のステージへの移行を確定させるか否かの勝利ストック抽選が行われる。
ここで、通常遊技の流れの一例について説明する。この実施形態では、スロットマシン1は、3枚のメダルで1遊技(1ゲーム)が行われるように構成されており、ベット枚数カウンタ(図示省略)は、投入メダルの数を3枚まで記憶する。投入センサ53、ベットスイッチ15または最大ベットスイッチ17により3枚のメダルが投入されると、表示窓11の入賞ライン(左リール13L:中段、中リール13M:中段、右リール13R:下段(図2(b)参照))が有効となる。そして、規定数である3枚のメダルの投入を条件にスタートスイッチ19が操作されると、役抽選手段103により予め設定された複数の当選役(抽選結果)に当選したか否かの役抽選が行われる。ここで、メイン制御基板63は、左・中・右リール13L,13M,13Rの全ての回転を開始させ、表示窓11に表示される各リール13L,13M,13Rの図柄を各リール13L,13M,13Rの回転角に合わせて判別することを開始する。
その後、左・中・右リール13L,13M,13Rが加速され、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rにより、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置が所定の基準位置であることが検出され、全てのリール13L,13M,13Rが定速回転になると、すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効となる。各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効となった後、左ストップスイッチ21Lが操作されると左リール13Lが停止し、中ストップスイッチ21Mが操作されると中リール13Mが停止し、右ストップスイッチ21Rが操作されると右リール13Rが停止する。このように、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作により、各ストップスイッチ21L,21M,21Rに対応する左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。
そして、3個すべての左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されると、各左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。このとき、所定の図柄が、有効となった表示窓11の入賞ライン(左リール13L:中段、中リール13M:中段、右リール13R:下段(図2(b)参照))上の所定の位置に停止すると、入賞となる。そして、入賞態様に応じた枚数のメダルが、クレジットされるか、またはメダル払出口39から払い出される。また、メダルの払い出しに代えて、あるいはメダルの払い出しとともに、遊技者に対して所定の利益が付与されることもある。
具体的には、この実施形態では、図7に示すように、ボーナス役(特別役)として「RBB1」、「SRB1」、「SRB2」、再遊技役として「RP1」~「RP15」、小役として「PZ1」~「PZ57」が予め設定されている。
(ボーナス役)
役名称「RBB1」は、当選役グループ「RBB」の構成役である。ここで、「RBB1」は、入賞態様として、左リール13Lの中段に図柄「BL1(ブランク1)」、中リール13Mの中段および右リール13Rの下段それぞれに図柄「CH2(チェリー2)」が停止する図柄組合せが設定されている。役名称「SRB1」は、当選役グループ「SRB1」の構成役である。ここで、「SRB1」は、入賞態様として、左リール13Lの中段、中リール13Mの中段、右リール13Rの下段それぞれに図柄「BL1(ブランク1)」が停止する図柄組合せが設定されている。役名称「SRB2」は、当選役グループ「SRB2」の構成役である。ここで、「SRB2」は、入賞態様として、左リール13Lの中段および中リール13Mの中段それぞれに図柄「BL1(ブランク1)」、右リール13Rの下段に図柄「BL2(ブランク2)」が停止する図柄組合せが設定されている。
(再遊技役)
「RP1」~「RP15」は、いずれも当選役グループ「RPFK」、「RPSI」、「RPDB」のうちのいずれかの構成役である。ここで、「RP1」は、図柄「RP(リプレイ)」が中段ライン(左リール13L:中段、中リール13M:中段、右リール13R:中段)に揃う図柄組合せとなっている。「RP2」は、左リール13Lに図柄番号3の図柄「WM(スイカ)」が入賞ライン(中段)に停止する態様で入賞した場合、左リール13Lの上段に図柄「B7(青7)」、中リール13Lの中段に図柄「R7(赤7)」、右リール13Rの下段に図柄「R7(赤7)」が停止し、7図柄が右下がりラインに揃う図柄組合せとなっている。(7揃いシングル)。「RP3」は、左リール13Lの上段に図柄「R7(赤7)」、中リール13Lの中段に図柄「R7(赤7)」、右リール13Rの下段に図柄「B7(青7)」が停止し、7図柄が右下がりラインに揃う図柄組合せとなっている(7揃いシングル)。「RP5」は、左リール13Lの中段に図柄「R7(赤7)」、中リール13Lの中段に図柄「R7(赤7)」、右リール13Rの中段に図柄「B7(青7)」が停止し、7図柄が中段ラインに揃う図柄組合せとなっている(7揃いシングル)。
「RP8」は、左リール13Lの上段に図柄「R7(赤7)」、中段に図柄「B7(青7)」、中リール13Mの中段に図柄「R7(赤7)」、右リール13Rの中段に図柄「B7(青7)」、下段に図柄「R7(赤7)」が停止し、7図柄が中段ラインと右下がりラインに揃う図柄組合せとなっている(7揃いダブル)。
(小役)
「PZ1」~「PZ57」は、いずれも当選役グループ「LCH(弱チェリー)」、「HCH(強チェリー)」、「WM(スイカ)」、「LCHN(弱チャンス目)」、「HCHN(強チャンス目)」、「JAC」、「BE(共通ベル)」、「SPL」、「ATALC1」(下位役番号$0C:図8参照)~「ATCRC2」(下位役番号$2F:図9参照)のうちのいずれかの構成役である。ここで、「PZ1」~「PZ20」は、いずれも入賞時に10枚のメダルの払い出しが得られる役である。また、「PZ21」~「PZ57」は、いずれも入賞時に1枚のメダルの払い出しが得られる役である。
また、「PZ1」は、図柄「BE(ベル)」が上段ライン(左リール13L:上段、中リール13M:上段、右リール13R:上段)に揃う図柄組合せとなっている(図10の上段BE)。また、「PZ2」は、図柄「BE(ベル)」が中段ライン(左リール13L:中段、中リール13M:中段、右リール13R:中段)に揃う図柄組合せとなっている(図10の中段BE)。また、「PZ3」は、図柄「BE(ベル)」が下段ライン(左リール13L:下段、中リール13M:下段、右リール13R:下段)に揃う図柄組合せとなっている(図10の下段BE)。また、「PZ4」は、図柄「BE(ベル)」が右下がりライン(左リール13L:上段、中リール13M:中段、右リール13R:下段)に揃う図柄組合せとなっている(図10の右下がりBE)。また、「PZ5」は、図柄「BE(ベル)」が右上がりライン(左リール13L:下段、中リール13M:中段、右リール13R:上段)に揃う図柄組合せとなっている(図10の右上がりBE)。また、「PZ6」は、図柄「BE(ベル)」が小山ライン(左リール13L:下段、中リール13M:中段、右リール13R:下段)に揃う図柄組合せとなっている(小山BE)。
(2)設定制御手段101
図4の設定制御手段101(本発明の「設定値設定手段」に相当)は、所定の設定変更操作に基づいて、出玉率(総払出枚数÷総メダル投入数×100[%])の調整をするための設定(設定1~設定6)を変更するものである。
ここで、設定値を変更するための設定変更操作の一例について説明する。例えば、スロットマシン1の電源が投入される前に設定変更キースイッチ50b(設定キー)をON状態にし、電源を投入すると、設定変更処理が開始される。このとき、設定変更ボタン50c(リセットスイッチ)を1回押すと、電源投入前に設定された設定値から1つ上位の設定値に仮設定される(例えば、設定3から設定4に仮設定)。その後は、設定変更ボタン50cを押す度に1つ上位の設定値に仮設定される。但し、仮設定値が6の場合に設定変更ボタン50cを押すと、設定値が1に戻って仮設定される。そして、最後に、スタートスイッチ19のON操作により設定値が確定し、その時の仮設定値がスロットマシン1の設定値になる。なお、設定制御手段101は、設定変更を行った場合は、設定値記憶領域651に記憶されている設定値を変更後の設定値に書き換える。
(3)テーブル選択手段102
図4のテーブル選択手段102は、遊技制御手段100により制御される遊技の種類(初期RT(RT0)やRBB内部中(RBBF)、ボーナス遊技状態(RBB))、および、設定制御手段101により設定された設定値(設定1から設定6)に基づき、複数の抽選テーブル671から1つの抽選テーブルを選択するものである。例えば、初期RT(RT0)の遊技では、テーブル選択手段102は、抽選テーブルとして、入賞確率の設定値(設定1~設定6)に応じて抽選テーブル671(初期RT用役抽選テーブル)を選択する。
(4)役抽選手段103
図4の役抽選手段103は、予め設定された当選役グループ当選およびハズレを含む複数の役抽選結果のうちのいずれか1つを現在の遊技における役抽選結果として、乱数とテーブル選択手段102により選択された抽選テーブル671とを使用した抽選処理により選択して決定するものである。ここで、各抽選テーブル671では、乱数値と各役抽選結果との対応関係が定義されており、具体的には、例えば各抽選テーブル671には、後述する乱数発生手段103aが発生させる乱数の全範囲中において各役抽選結果それぞれが対応付けされている領域を示すデータが格納されている。
a)乱数発生手段103a
図4の乱数発生手段103aは、抽選用の乱数を所定の乱数値範囲内で発生させるものである。また、乱数発生手段103aは、例えば、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成することができる(いわゆるハード乱数)。なお、乱数発生手段103aは、例えば、平均採中法で乱数を発生させる手段や、あるいは素数の加算によって乱数を発生させる手段によって構成することもできる。これらの手段は、例えば、メインCPU61に所定のプログラムを実行させることによって構成することができる(いわゆるソフト乱数)。なお、ハード乱数とソフト乱数の双方を備え、それらの結果に基づき乱数をソフト的に生成するようにしてもよい。
b)乱数抽出手段103b
図4の乱数抽出手段103bは、乱数発生手段103aが発生させた乱数値を抽出するもので、乱数発生手段103aが発生させた乱数値を所定の条件で抽出する。この乱数抽出手段103bは、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで、現在の遊技における役抽選手段103の抽選処理に使用される乱数値を抽出する。
また、乱数発生手段103aは、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段103aが発生させる数値は、厳密には乱数ではない。しかしながら、スタートスイッチ19が操作されるタイミングはランダムであると考えられるため、乱数抽出手段103bが抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。
c)抽選結果決定手段103c
図4の抽選結果決定手段103cは、現在の遊技において乱数抽出手段103bにより抽出された乱数値と、現在の遊技における遊技状態とに基づいて現在の遊技における役抽選結果を決定する。この抽選結果決定手段103cは、テーブル選択手段102により選択された現在の遊技状態に対応した抽選テーブル671を参照し、乱数抽出手段103bにより抽出された乱数値が、抽選テーブル671により定義されている各役抽選結果に対応した乱数値の領域のうち、どの領域に属するかを判定することにより、現在の遊技における役抽選結果を決定する。
この実施形態では、1または複数の役で構成された複数の当選役グループが設定され、当選役グループごとに役抽選が行われる。例えば、当選役グループとして、「RBB」、「SRB1」、「SRB2」、「RPFK」、「RPSI」、「RPDB」、「LCH」、「HCH」、「WM」、「LCHN」、「HCHN」、「JAC」、「BE」、「SPL」、「ATALC1」(下位役番号$0C)~「ATCRC2」(下位役番号$2F)が設定されている(図8、図9参照)。さらに、ボーナス役で構成される当選役グループと、小役または再遊技役で構成される当選役グループとが同時当選する場合もある。
なお、複数の役で構成された当選役グループに当選した場合は、全ての構成役への入賞が許容された状態になり、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミング(操作態様)に応じていずれかの構成役に入賞するか、あるいは、取りこぼしが発生する。
また、各当選役グループには、それぞれ固有の上位役番号または下位役番号が16進数で対応付けされている(図8、図9参照)。そして、役抽選手段103の役抽選結果に基づいて、当選した当選役グループに上位役番号が対応付けされていれば、当選した当選役グループに対応付けされている上位役番号が役抽選結果記憶領域652の上位記憶領域に格納される。また、当選した当選役グループに下位役番号が対応付けされていれば、当選した当選役グループに対応付けされている下位役番号が役抽選結果記憶領域652の下位記憶領域に格納される。
この実施形態では、役抽選結果記憶領域652は、RWM65に2バイトのデータ領域として割当てられており、役抽選結果記憶領域652は、それぞれ1バイトのデータ領域が割当てられた、ボーナス役に関する役抽選結果を記憶する上位記憶領域と、小役、再遊技役および増加役に関する役抽選結果を記憶する下位記憶領域とを備えている。
具体的には、図8に示すように、ボーナス役「RBB」で構成される当選役グループ「RBB」に当選した場合には、当選した役に対応付けされている”$01”が上位記憶領域に記憶される。なお、当選役グループ「RBB」に当選しなかった場合は、HZ(ハズレ)となり、”$00”が上位記憶領域に記憶される。
また、小役、再遊技役および増加役により構成される当選役グループのいずれかに当選した場合には、各当選役グループに対応付けされている”$01”~”$2F”のいずれかが下位記憶領域に記憶される(図8、図9参照)。なお、小役、再遊技役により構成される当選役グループのいずれにも当選しなかった場合は、HZ(ハズレ)となり、”$00”が上位記憶領域に記憶される。
(5)リール検出手段105
図4のリール検出手段105は、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する左・中・右リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出する。このリール検出手段105は、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転中および回転停止時に、所定の基準位置(本実施形態では例えば、表示窓11の中段)に位置する図柄に対応するコマ番号をそれぞれ検出する。
(6)リール回転制御手段106
図4のリール回転制御手段106は、各リールモータ14L,14M,14Rの励磁相の制御を行って各リール13L,13M,13Rの回転を個別に制御することができるように構成されている。リール回転制御手段106は、遊技者によるスタートスイッチ19の操作が行われると、各リールモータ14L,14M,14Rの励磁相の制御を行って各リール13L,13M,13Rの回転を開始させる。また、リール回転制御手段106は、左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rのそれぞれに対する操作に基づき、停止テーブル672を用いて左・中・右リール13L,13M,13Rのそれぞれに対する停止制御を行い、左・中・右リール13L,13M,13Rのそれぞれにより可変表示される図柄を役抽選手段103の役抽選結果に対応した表示態様で停止させる。このリール回転制御手段106は、遊技毎に、抽選結果決定手段103cにより決定された役抽選結果と、左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様に基づき左・中・右リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
左・中・右リール13L,13M,13Rの停止位置を決定するための停止テーブル672は、役抽選手段103の役抽選結果それぞれに対応して複数のテーブルが設定されている。そして、この停止テーブル672は、左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときの左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置に応じて、左・中・右リール13L,13M,13Rの滑りコマ数をあらかじめ定めたものであり、左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれについて、対応する左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rの停止操作順序(押し順)に対応して滑りコマ数が異なるように形成されている。
また、リール回転制御手段106は、役抽選手段103の役抽選結果がいずれかの役への当選であれば、この役抽選結果に基づいて選択された停止テーブル672と、左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rそれぞれが操作されたときの左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれの回転位置と、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの押し順とから、当選役に入賞するように左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれの滑りコマ数を決定して、左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれの停止制御を行う。他方、役抽選手段103による役抽選結果がハズレであれば、リール回転制御手段106は、ハズレの役抽選結果に基づいて選択された停止テーブル672と、左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rそれぞれが操作されたときの左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれの回転位置とから、複数の役のいずれにも入賞しないように左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれの滑りコマ数を決定して、左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれの停止制御を行う。
ところで、滑りコマ数には上限が設けられており、左・中・右リール13L,13M,13Rがそれぞれ所定の回転位置にあるタイミングで対応する左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されなければ、リール回転制御手段106は、仮に役抽選手段103による役抽選結果がいずれかの役への当選であっても、表示窓11に表示される図柄が当選した役に対応した入賞態様で停止表示されるように左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれを停止制御することができない。換言すれば、リール回転制御手段106は、役抽選手段103の役抽選結果に基づいて、左・中・右リール13L,13M,13Rがそれぞれ所定の回転位置にあるタイミングで対応する左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されることを条件に、表示窓11に表示される図柄が当選した役に対応した入賞態様で停止表示されるように、左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれを停止制御する。なお、この実施形態では、滑りコマ数の上限が、4コマに設定されており、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによって、当選した役に入賞させることができない「取りこぼし」が発生する。この場合、リール回転制御手段106は、当選していない他の役に入賞しないように各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
次に、各当選役グループの役構成と、当選時のリール回転制御手段106による各リール13L,13M,13Rの停止制御について、図8~図10を参照して具体的に説明する。
当選役グループ「RBB」は、「RBB1」(役名称)で構成されている。この場合、リール回転制御手段106は、「RBB1」の入賞図柄が入賞ラインに停止するようにリール制御を行う。ただし、「RBB1」は、いずれもストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによって、入賞ラインに引き込むことができない場合があるため、この場合は、当選したのにもかかわらず、入賞させることができない、「取りこぼし」が発生する。この場合、遊技状態が、RBB内部中(RBBF)に移行する。
当選役グループ「SRB1」は、「SRB1」(役名称)で構成されている。この場合、リール回転制御手段106は、「SRB1」の入賞図柄が入賞ラインに停止するようにリール制御を行う。ただし、「SRB1」は、いずれもストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによって、入賞ラインに引き込むことができない場合があるため、この場合は、当選したのにもかかわらず、入賞させることができない、「取りこぼし」が発生する。この場合、遊技状態が、ボーナス遊技状態(SRB1F)に移行する。
当選役グループ「SRB2」は、「SRB2」(役名称)で構成されている。この場合、リール回転制御手段106は、「SRB2」の入賞図柄が入賞ラインに停止するようにリール制御を行う。ただし、「SRB2」は、いずれもストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによって、入賞ラインに引き込むことができない場合があるため、この場合は、当選したのにもかかわらず、入賞させることができない、「取りこぼし」が発生する。この場合、遊技状態が、ボーナス遊技状態(SRB2F)に移行する。
当選役グループ「RPFK」は、「RP1」、「RP13」、「RP15」で構成されている。この場合、リール回転制御手段106は、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順(押し順)によって、優先的に入賞させる役を変えてリールの停止制御を行う。具体的には、図10に示すように、第1停止リールが右リール13Rとなる押し順の場合、リール回転制御手段106は、「RP13」が優先的に入賞するようにリール制御を行う。
「RP13」の場合、右リール13Rの入賞図柄である図柄「R7(赤7)」はストップスイッチ21Rの操作タイミングによっては入賞ライン(下段)に引き込むことができない場合がある。したがって、当該当選役グループの当選時に第1停止リールが右リール13Rであって、図柄「R7(赤7)」を入賞ライン(下段)に引き込み可能なタイミングでストップスイッチ21Rが操作された場合、リール回転制御手段106は、入賞ライン(下段)に図柄「R7(赤7)」が停止するようにリール制御を行う。
一方、図柄「R7(赤7)」を入賞ライン(下段)に引き込むことができないタイミングでストップスイッチ21Rが操作された場合、右リール13Rで同じ入賞図柄に設定されている「RP15」も入賞不可能な状態となる。したがって、この場合リール回転制御手段106は、他の構成役である「RP1」を次の優先入賞役としてリール制御を行う。「RP1」の入賞図柄は、全てのリール13L,13M,13Rにおいてストップスイッチ21L,21M,21Rがどのようなタイミングで操作されても入賞ラインに引き込み可能な範囲にある。そのため、当該当選役グループの当選時に第1停止リールが右リール13Rであって、図柄「R7(赤7)」を入賞ライン(下段)に引き込むことができないタイミングでストップスイッチ21Rが操作された場合は、その後の押し順やストップスイッチ21L,21Mの操作タイミングによらず、必ず「RP1」に入賞する(取りこぼしなし)。
また、第1停止が右リール13Rで図柄「R7(赤7)」が入賞ライン(下段)に停止した後、第2停止が中リール13Mで「RP13」の中リール13Mの入賞図柄である図柄「R7(赤7)」を引き込み可能な範囲でストップスイッチ21Mが操作された場合、リール回転制御手段106は、入賞ライン(中段)に図柄「R7(赤7)」が停止するようにリール制御を行う。このとき、右リール13Rの中段と下段に7図柄(図柄「R7(赤7)」か「B7(青7)」)が停止し、中リール13Mの中段に7図柄(図柄「R7(赤7)」)が停止する(7図柄の中段または右下がりテンパイ)。「RP13」の左リール13Lの入賞図柄である図柄「RP(リプレイ)」は、どのようなタイミングでストップスイッチ21Lが操作されても入賞ライン(中段)に引き込み可能な範囲に配置されている。したがって、当該当選役グループの当選時に右リール13R、中リール13Mのいずれも取りこぼしが発生しないタイミングでストップスイッチ21M,21Rが操作された場合は、残りのストップスイッチ21Lがどのようなタイミングで操作されても必ず「RP13」に入賞する。左リール13Lの入賞ライン(中段)に図柄「RP(リプレイ)」が停止する場合は、上段に7図柄(図柄「R7(赤7)」か「B7(青7)」)が停止することはない。そのため、当該当選役グループの当選時に押し順(右→中→左)で7図柄(図柄「R7(赤7)」か「B7(青7)」)を目押しした場合は、7図柄が中段ラインおよび右下がりラインにテンパイするが、最終の左リール13Lでは両ラインのいずれにも7図柄(図柄「R7(赤7)」か「B7(青7)」)が停止しない(7図柄テンパイはずれ)。
一方、第1停止が右リール13Rで図柄「R7(赤7)」が入賞ライン(下段)に停止した後、第2停止が中リール13Mで「RP13」の中リール13Mの入賞図柄である図柄「R7(赤7)」を引き込むことができないタイミングでストップスイッチ21Mが操作された場合、リール回転制御手段106は、「RP15」を次の優先入賞役としてリール制御を行う。「RP15」の中リール13Mと左リール13Lの入賞図柄は、ストップスイッチ21L,21Mがどのようなタイミングで操作されても入賞ラインに引き込み可能な範囲にある。そのため、当該当選役グループに当選したときに第1停止が右リール13Rで図柄「R7(赤7)」が停止したあと、第2停止が中リール13Mで図柄「R7(赤7)」が入賞ライン(中段)に引き込むことができないタイミングでストップスイッチ21Mが操作された場合は、必ず「RP15」に入賞する。
また、第1停止リールが右リール13R以外となる押し順の場合、リール回転制御手段106は、「RP1(中段リプ)」が優先的に入賞するようにリール制御を行う(図10参照)。上述のように、「RP1」は取りこぼしが発生しない役であるため、当該当選役グループの当選時に第1停止リールが右リール13R以外となる押し順の場合は、必ず「RP1」に入賞する。
他の当選役グループのリール制御の説明については、適宜省略する。例えば、当選役グループ「RPSI」は、「RP1」~「RP7」、「RP12」~「RP15」で構成されている。この場合、リール回転制御手段106は、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順(押し順)によって、優先的に入賞させる役を変えてリールの停止制御を行う。具体的には、図10に示すように、第1停止リールが右リール13Rまたは中リール13Mとなる押し順の場合、リール回転制御手段106は、「RP2」、「RP3」、「RP5」が優先的に入賞するようにリール制御を行う。「RP2」および「RP3」は、いずれも右下がりラインに7図柄が揃う入賞図柄組合せである。また、「RP5」は中段ラインに7図柄が揃う入賞図柄組合せである。したがって、当選役グループ「RPSI」の当選時に第1停止リールが右リール13Rまたは中リール13Mとなる押し順の場合、7図柄を目押しすれば、中段ラインか右下がりラインに7図柄が揃う(7揃いシングル)。
当選役グループ「RPSI」の当選時に第1停止リールが右リール13Rまたは中リール13Mとなる押し順で、7図柄を入賞ラインに引き込むことができないタイミングでストップスイッチ21M,21Rが操作された場合、リール回転制御手段106は、他の構成役を次の優先入賞役としてリール制御を行う。他の構成役は、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによらず、いずれかに入賞するようになっている。したがって、当該当選役グループの当選時に第1停止リールが右リール13Rまたは中リール13Mとなる押し順で、7図柄を入賞ラインに引き込むことができないタイミングでストップスイッチ21M,21Rが操作された場合は、「RP2」、「RP3」、「RP5」を除く他の構成役に必ず入賞する。
当選役グループ「RPSI」の当選時に第1停止リールが左リール13Lとなる押し順の場合、リール回転制御手段106は「RP1」が優先的に入賞するようにリール制御を行う(図10)。上述のように「RP1」は取りこぼしが発生しない役であるため、当該当選役グループの当選時に第1停止リールが左リール13Lとなる押し順の場合は、必ず「RP1」に入賞する。
当選役グループ「RPDB」は、「RP1」、「RP8」~「RP13」、「RP15」で構成されている。この場合、リール回転制御手段106は、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順(押し順)によって、優先的に入賞させる役を変えてリールの停止制御を行う。具体的には、図10に示すように、第1停止リールが右リール13Rまたは中リール13Mとなる押し順の場合、リール回転制御手段106は、「RP8」が優先的に入賞するようにリール制御を行う。「RP8」は、右下がりラインと中段ラインに7図柄が揃う入賞図柄組合せである。したがって、当選役グループ「RPDB」の当選時に第1停止リールが右リール13Rまたは中リール13Mとなる押し順の場合、7図柄を目押しすれば、中段ラインおよび右下がりラインに7図柄が揃う(7揃いダブル)。
当選役グループ「RPDB」の当選時に第1停止リールが右リール13Rまたは中リール13Mとなる押し順で、7図柄を入賞ラインに引き込むことができないタイミングでストップスイッチ21M,21Rが操作された場合、リール回転制御手段106は、他の構成役を次の優先入賞役としてリール制御を行う。他の構成役は、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによらず、いずれかに入賞するようになっている。したがって、当該当選役グループの当選時に第1停止リールが右リール13Rまたは中リール13Mとなる押し順で、7図柄を入賞ラインに引き込むことができないタイミングでストップスイッチ21M,21Rが操作された場合は、「RP8」を除く他の構成役に必ず入賞する。
当選役グループ「RPDB」の当選時に第1停止リールが左リール13Lとなる押し順の場合、リール回転制御手段106は「RP1」が優先的に入賞するようにリール制御を行う(図10)。上述のように「RP1」は取りこぼしが発生しない役であるため、当該当選役グループの当選時に第1停止リールが左リール13Lとなる押し順の場合は、必ず「RP1」に入賞する。
当選役グループ「LCH」は、「PZ21」、「PZ41」で構成されている。当該当選役グループは、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、いずれの構成役の入賞図柄も入賞ラインに引き込むことができない場合があり、この場合は、当選したのにもかかわらずいずれも構成役にも入賞しない、取りこぼしが発生する。
当選役グループ「HCH」は、「PZ22」~「PZ24」、「PZ41」で構成されている。当該当選役グループは、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、いずれの構成役の入賞図柄も入賞ラインに引き込むことができない場合があり、この場合は、当選したのにもかかわらずいずれも構成役にも入賞しない、取りこぼしが発生する。
当選役グループ「WM(スイカ)」は、「PZ25」、「PZ29」、「PZ33」、「PZ41」で構成されている。当該当選役グループは、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、いずれの構成役の入賞図柄も入賞ラインに引き込むことができない場合があり、この場合は、当選したのにもかかわらずいずれも構成役にも入賞しない、取りこぼしが発生する。
当選役グループ「LCHN(弱チャンス目)」は、「PZ26」、「PZ40」~「PZ43」で構成されている。これらの構成役は、各ストップスイッチ21L,21M,21Rがどのようなタイミングで操作されても、いずれかの構成役の入賞図柄が引き込み可能な範囲にある。したがって、当該当選役グループに当選した場合は、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングに応じて、「PZ26」、「PZ40」~「PZ43」のいずれかに必ず入賞する(取りこぼしなし)。
当選役グループ「HCHN(強チャンス目)」は、「PZ27」~「PZ37」、「PZ40」~「PZ43」、「PZ52」、「PZ53」で構成されている。これらの構成役は、各ストップスイッチ21L,21M,21Rがどのようなタイミングで操作されても、いずれかの構成役の入賞図柄が引き込み可能な範囲にある。したがって、当該当選役グループに当選した場合は、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングに応じて、「PZ27」~「PZ37」、「PZ40」~「PZ43」、「PZ52」、「PZ53」のいずれかに必ず入賞する(取りこぼしなし)。
当選役グループ「JAC」は、「PZ21」~「PZ55」で構成されている。これらの構成役は、各ストップスイッチ21L,21M,21Rがどのようなタイミングで操作されても、いずれかの構成役の入賞図柄が引き込み可能な範囲にある。したがって、当該当選役グループに当選した場合は、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングに応じて、「PZ21」~「PZ55」のいずれかに必ず入賞する(取りこぼしなし)。
当選役グループ「BE(共通ベル)」は、「PZ1」~「PZ55」で構成されている。この場合、リール回転制御手段106は、ストップスイッチ21L,21M,21Rの押し順によらず、「PZ4(右下がりBE)」が優先的に入賞するようにリール制御を行う(図10)。「PZ4(右下がりBE)」は、取りこぼしが発生しないため、どのようなタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されても必ず「PZ4(右下がりBE)」に入賞する。
当選役グループ「SPL」は、「PZ1」、「PZ6」~「PZ20」で構成されている。この場合、リール回転制御手段106は、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順(押し順)によって、優先的に入賞させる役を変えてリールの停止制御を行う。具体的には、図10に示すように、第1停止リールが左リール13Lか中リール13Mの場合は、「PZ7」~「PZ12」が優先的に入賞するようにリール制御を行う。一方、第1停止リールが右リール13Rの場合は、「PZ6(小山BE)」が優先的に入賞するようにリール制御を行う。
当選役グループ「ATALC1」は、図8に示すように、配当が10枚の「PZ4(右下がりBE)」と、それぞれ配当が1枚の「PZ36」、「PZ38」、「PZ40」、「PZ43」とで構成されている。この場合、リール回転制御手段106は、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順(押し順)によって、優先的に入賞させる役を変えてリールの停止制御を行う。具体的には、図10に示すように、押し順(左→中→右:L-C-R)の場合は、「PZ4(右下がりBE)」(配当10枚)が優先的に入賞するようにリールの停止制御を行う。一方、リール回転制御手段106は、押し順(左→中→右:L-C-R)以外の場合は、配当が1枚の構成役が優先的に入賞するようにリールの停止制御を行う。
「PZ4(右下がりBE)」は、取りこぼしが発生しないため、当該当選役グループの当選時に押し順(左→中→右)の場合は、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングに応じて、「PZ4(右下がりBE)」に必ず入賞する。一方、押し順(左→中→右:L-C-R)以外の場合は、配当が1枚の構成役が優先的に入賞するようにリール制御が行われるが、配当が1枚の構成役は、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、いずれの1枚役にも入賞させることができない場合がある。この場合、残りの構成役である「PZ4(右下がりBE)」にも入賞させることができない状態となっている。そのため、当該当選役グループの当選時に押し順(左→中→右:L-C-R)以外の場合は、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによって、配当が1枚の構成役に入賞するか、あるいは、当選したのにもかかわらず、いずれの構成役にも入賞しない、取りこぼしが発生する。このように、当選役グループ「ATALC1」では、押し順(左→中→右)の場合にのみ最大の配当(10枚)が得られる構成役に入賞し、その他の押し順の場合は1枚役に入賞するか、あるいは、取りこぼしが発生することから、押し順(左→中→右)が正解の押し順となる。
押し順AT役の他の当選役グループ「ATALC2(下位役番号:$0D)」~「ATCRC2(下位役番号:$2F)」も、当選役グループ「ATALC1」と同様に、配当が10枚の「PZ1」~「PZ6」のいずれかと、配当が1枚の役の一部とで構成されている。さらに、当選役グループ「ATALC1」と同様に、6択の押し順のうちの一つが正解の押し順として設定されており、正解の押し順の場合は、10枚の配当が得られる構成役に入賞し、その他の押し順の場合は、1枚役に入賞するか、あるいは、取りこぼしが発生するように構成されている(図10参照)。
(7)図柄判定手段107
図4の図柄判定手段107は、リール検出手段105により検出された各リール13L,13M,13Rそれぞれの回転位置に基づき、リール回転制御手段106により停止制御された各リール13L,13M,13Rの図柄の表示態様が、予め定められた表示態様であるかどうかの判定を行うものである。
具体的には、図柄判定手段107は、リール回転制御手段106により全てのリール13L,13M,13Rが停止制御されたときに、各リール13L,13M,13Rの回転位置情報を取得して入賞ラインの図柄組合せを特定する。そして、特定した図柄組合せが、所定の当選役の入賞にかかる図柄組合せに該当する場合は、当該当選役に入賞したと判定し、いずれにも該当しない場合はハズレと判定する。
(8)払出制御手段108
図4の払出制御手段108は、図柄判定手段107が、いずれかの当選役に入賞したと判定したときに、それがメダル払い出しのある入賞であれば、ホッパーユニット43を動作させて、入賞した役に対応した払出数だけメダルを払い出すものである。ただし、クレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達していない場合は、払出数分だけクレジットメダルの枚数を増加する。
(9)メダル制御手段109
図4のメダル制御手段109は、メダルセレクタ48の動作を制御することにより、メダル受入可と受入不可とを切換えるものである。
(10)区間移行制御手段110
区間移行制御手段110は、有利区間と非有利区間との間の移行を制御するものである。区間移行制御手段110は、設定制御手段101による設定変更があった場合は非有利区間に移行させる。また、有利区間において、所定の非有利区間移行条件が成立した場合も非有利区間に移行させる。この実施形態では、所定の移行条件が成立した場合とは、(i)有利区間遊技数カウンタ656のカウント値が1500ゲームに到達した場合、(ii)増加メダル数カウンタ657のカウント値が2400に到達した場合、(iii)AT期間が終了した場合(各ステージの継続抽選に非当選の場合)、の(i)~(iii)が設定されている。なお、(i)については、非有利区間から有利区間に移行したときに有利区間遊技数カウンタ656のカウント値が1500に設定され、その後毎ゲームで-1減算が行われた結果、有利区間遊技数カウンタ656のカウント値が0になった場合としてもよい。また、(ii)については、増加メダル数カウンタ657のカウント値が2400を超えた場合としてもよい。
なお、区間移行制御手段110は、非有利区間から有利区間に移行すると、1ゲームを消化する度に有利区間遊技数カウンタ656のカウント値を+1加算する。また、区間移行制御手段110は、有利区間においては、メダルの払い出しがあった場合は、そのメダルの枚数分、増加メダル数カウンタ657のカウント値を加算する。また、区間移行制御手段110は、メダルの投入があった場合はその枚数分だけ増加メダル数カウンタ657のカウント値を減算する。ただし、マイナスとなる場合は、0のカウント値を維持する。
そして、(i)~(iii)の非有利区間移行条件が成立した場合、区間移行制御手段110は、有利区間フラグをOFFに設定するとともに、有利区間遊技数カウンタ656のカウント値および増加メダル数カウンタ657のカウント値それぞれを0にクリアする。
非有利区間において、有利区間移行役に当選した場合、区間移行制御手段110は、非有利区間から有利区間に移行させる。このとき、区間移行制御手段110は、有利区間フラグをONに設定する。なお、この実施形態では、有利区間移行役として、当選役グループ「LCH(弱チェリー)」、「HCH(強チェリー)」、「WM(スイカ)」、「LCHN(弱チャンス目)」、「HCHN(強チャンス目)」、「BE(共通ベル)」、「SPL」、押し順AT役(当選役グループ「ATALC1」(下位役番号$0C)~「ATCRC2」(下位役番号$2F)が設定されている。
(11)CZpt付与抽選シナリオ決定手段111
CZpt付与抽選シナリオ決定手段111は、遊技ptカウンタ654のカウント値が所定の値になる度に行われるCZpt付与抽選で用いられるCZpt周期抽選テーブルA~F(図11(b)参照)の決定に用いられるCZポイント付与抽選シナリオ(以下、CZシナリオという場合もある)を決定するものである。CZpt付与抽選シナリオ決定手段111は、非有利区間から有利区間に移行するときに図11(a)のCZシナリオ0~CZシナリオ7のいずれかを決定する。このとき、CZpt付与抽選シナリオ決定手段111は、CZシナリオ記憶領域658に決定したCZシナリオを記憶させる。
なお、図11(a)のCZシナリオは、CZpt周期抽選が行われる遊技ptカウンタ654のカウント値と、当該抽選で用いられるCZpt周期抽選テーブルA~Fの種類が規定されている。付与されるCZptは、0、1、2、3、5、15の6種類あり、図11(b)に示すCZpt周期抽選テーブルA~Fは、これらのCZポイントの選択確率が異なっている。
(12)前兆ゾーン移行決定手段112
前兆ゾーン移行決定手段112は、AT期間に移行することが決定されている可能性があることを示唆する前兆ゾーンに移行するか否かを決定するものである。例えば、前兆ゾーン移行決定手段112は、遊技ptカウンタ654のカウント値が図11(a)の周期ポイントに到達したときに、前兆ゾーン(ガセ前兆)に移行するか否かを抽選(前兆抽選)により決定する。例えば、前兆抽選では、周期ポイントごとに一律50%の確率で前兆モードに移行するように抽選テーブルが設計されている。
また、前兆ゾーン移行決定手段112は、CZ(チャンスゾーン)中に前兆抽選は行わない。その結果、例えば、CZ(チャンスゾーン)の開始時の遊技ptカウンタ654のカウント値が150で、当該CZ(チャンスゾーン)の終了時の遊技ptカウンタ654のカウント値が350であった場合のように、CZ(チャンスゾーン)中に前兆抽選の契機となる遊技ptカウンタ654のカウント値(周期ポイント)を飛ばす場合がある。この場合、前兆ゾーン移行決定手段112は飛ばした分の前兆抽選を行わない。
また、前兆ゾーン移行決定手段112は、遊技ptカウンタ654のカウント値が上限(天井)に近くなった場合(天井までの残りカウント値(遊技ptカウンタ654)が所定値となった場合)など、所定の本前兆移行条件が成立した場合は前兆ゾーン(本前兆)に移行すると決定する。この場合は前兆ゾーンが終了後にAT期間に移行する旨が報知される。
(13)CZpt付与抽選手段113
CZpt付与抽選手段113は、CZ(チャンスゾーン)に移行するか否かを決定するCZptカウンタ655のカウント値に加算するCZポイントを抽選により決定するものである。
(当選役によるCZポイントの付与)
CZpt付与抽選手段113は、有利区間(一般)において当選役と、その時の状態(CZpt通常、CZpt高確、CZpt超高確)とに基づいて付与するCZポイントを決定する。このとき、CZpt付与抽選手段113は、CZptカウンタ655のカウント値に付与すると決定したCZポイントの分だけ加算する。
CZpt通常の場合、CZpt付与抽選手段113は、図12(a)に示す当選役CZpt抽選テーブルを用いて付与するCZポイント数を決定する。例えば、CZpt通常で当選役グループ「WM(スイカ)」に当選した場合は、75%の確率で0ポイント、21%の確率で1ポイント、2%の確率で2ポイント、1%の確率で3ポイント、それぞれ0.5%の確率で5ポイント、15ポイントのCZポイントが付与されるようになっている。
また、CZpt付与抽選手段113は、CZpt高確の場合は、図12(b)に示す当選役CZpt抽選テーブルを用いて付与するCZポイント数を決定する。例えば、CZpt高確で当選役グループ「WM(スイカ)」に当選した場合は、75%の確率で1ポイント、18%の確率で2ポイント、4%の確率で3ポイント、2%の確率で5ポイント、1%の確率で15ポイントのCZポイントが付与されるようになっている。
また、CZpt付与抽選手段113は、CZpt超高確の場合は、図12(c)に示す当選役CZpt抽選テーブルを用いて付与するCZポイント数を決定する。例えば、CZpt超高確で当選役グループ「WM(スイカ)」に当選した場合は、89%の確率で1ポイント、11%の確率で15ポイントのCZポイントが付与されるようになっている。なお、この実施形態では、CZ通常と、CZ高確の場合、当選役グループ「WM(スイカ)」、「LCH(弱チェリー)」、「HCH(強チェリー)」、「LCHN(弱チャンス目)」、「HCHN(強チャンス目)」のいずれかの当選時にCZポイントが付与される可能性があるが、CZ超高確では、その他の当選役グループの当選時でもCZポイントが付与される場合があり、CZ超高確、CZ高確、CZ通常の順で当選役によるCZポイントの付与の期待値が高くなっている。
(遊技ptカウンタのカウント値に基づくCZポイントの付与)
また、CZpt付与抽選手段113は、遊技ptカウンタ654のカウント値が予め定めた所定の値(周期ポイント)となった場合は、CZpt周期抽選テーブルを用いた抽選(CZpt付与抽選)により付与するCZポイントを決定する。このとき、CZpt付与抽選手段113は、CZシナリオ記憶領域658に記憶されているCZシナリオと、周期ポイントの値とに基づいてCZpt周期抽選テーブルA~F(図11(b))の種類を決定し、決定したCZpt周期抽選テーブルを用いて付与するCZポイントを決定する。なお、この実施形態では、前兆ゾーン移行決定手段112による前兆抽選、および、CZpt付与抽選手段113によるCZpt付与抽選(遊技ptカウンタ654のカウント値に基づくCZpt付与抽選)は、いずれも遊技ptカウンタ654のカウント値が図11(a)の周期ポイントに到達したときに行ったが、これらの抽選の契機が異なっていてもよい。また、前兆抽選を行う周期ポイントの値と、CZpt付与抽選を行う周期ポイントの値とが異なっていてもよい。
例えば、CZシナリオ記憶領域658に記憶されているCZシナリオがシナリオ1で、遊技ptカウンタ654のカウント値が300の場合、CZpt付与抽選手段113はCZpt周期抽選テーブルDを用いて付与するCZポイントを決定する。このとき、CZpt付与抽選手段113は、CZptカウンタ655のカウント値に、付与すると決定したCZポイントの分だけ加算し、CZptカウンタ655のカウント値を更新する。
なお、CZpt付与抽選手段113は、CZ(チャンスゾーン)中はCZpt付与抽選を行わず、終了時に当該抽選(CZpt付与抽選)を行う。その結果、例えば、CZ(チャンスゾーン)の開始時の遊技ptカウンタ654のカウント値が150で、当該CZ(チャンスゾーン)の終了時の遊技ptカウンタ654のカウント値が350であった場合のように、CZ(チャンスゾーン)中に遊技ptカウンタ654のカウント値に基づくCZpt付与抽選の契機となる周期ポイントを飛ばす場合がある。この場合、CZpt付与抽選手段113は、CZ終了時に飛ばした周期ポイントの分のCZpt付与抽選を行う。
例えば、CZ(チャンスゾーン)により、遊技ptカウンタ654のカウント値が200と300の周期ポイントが飛ばされた場合は、2回分のCZpt付与抽選を行う。それぞれの抽選は、CZシナリオ記憶領域658に記憶されているCZシナリオと、CZpt付与抽選の契機となる遊技ptカウンタ654のカウント値(周期ポイント)とに基づいて行う。例えば、CZシナリオ記憶領域658に記憶されているCZシナリオがシナリオ1で、CZ(チャンスゾーン)中に200と300の周期ポイントが飛ばされた場合、CZpt付与抽選手段113は、1回目(200の周期ポイント)はCZpt周期抽選テーブルCを用いてCZpt付与抽選を行い、2回目(300の周期ポイント)はCZpt周期抽選テーブルDを用いてCZpt付与抽選を行う(図11)。このとき、CZpt付与抽選手段113は、CZptカウンタ655のカウント値に、付与すると決定したCZポイントの分だけ加算し、CZptカウンタ655のカウント値を更新する。
(前兆ゾーンへの移行によるCZポイントの付与)
また、CZpt付与抽選手段113は、前兆ゾーン移行決定手段112により前兆ゾーンに移行すると決定され、前兆ゾーンに移行した場合はCZpt付与抽選により、付与するCZポイントを決定する。このとき、CZpt付与抽選手段113は、例えば、遊技ptカウンタのカウント値に基づくCZポイントの付与のときに用いたCZpt周期抽選テーブルAを流用してCZpt付与抽選を行う。また、CZpt付与抽選手段113は、CZptカウンタ655のカウント値に、付与すると決定したCZポイントの分だけ加算し、CZptカウンタ655のカウント値を更新する。なお、このときに用いる抽選テーブルは、必ずしもCZpt周期抽選テーブルを流用する必要はなく専用の抽選テーブルを使用してもよい。なお、前兆ゾーンへの移行によるCZポイントの付与はガセ前兆へ移行するときに行われるものであり、本前兆へ移行するときには行われない。
また、この実施形態では、前兆ゾーンに移行する際に、付与するCZポイントが決定されるが、前兆ゾーンが終了するまでに決定すればよく、前兆ゾーン終了時に決定するようにしてもよい。また、CZpt付与抽選によりCZポイントが付与された場合は、その旨を報知する報知演出が実行される。この実施形態では、当選役によるCZポイント付与の場合は、当該ゲームで報知演出が行われるのに対して、前兆ゾーン移行によるCZポイント付与の場合は、前兆ゾーンの終了後に報知演出が実行される。
なお、CZ(チャンスゾーン)により前兆抽選の契機(周期ポイント)が飛ばされた場合、飛ばされた分の前兆抽選は行われない。そのため、CZ(チャンスゾーン)により前兆抽選の契機(周期ポイント)が飛ばされた場合は、その分のCZpt付与抽選(前兆ゾーンへの移行に基づくCZpt付与抽選)は行われない。
(14)AT移行モード決定手段114
この実施形態では、AT直撃抽選に当選しなくても遊技ptカウンタ654のカウント値が上限(天井)に到達した場合はAT期間に移行する。AT移行モード決定手段114(本発明の「報知区間移行モード決定手段」に相当)は、AT期間への移行にかかる遊技ptカウンタ654のカウント値の上限(天井)の最大値を規定するAT移行モード(本発明の「移行モード」に相当)を抽選(移行モード抽選)により決定するものである。AT移行モード決定手段114は、非有利区間で有利区間移行役に当選したときに、そのときの当選役グループの種類と、設定制御手段101により設定されている設定値とに基づいて、使用する移行モード決定テーブルを選択し(図13(a))、当該選択したテーブルを用いた抽選によりAT移行モードを決定する。
例えば、移行モード決定テーブルは、図13(a)に示すように、有利区間移行役の種類として、押し順AT役および当選役グループ「BE(共通ベル)」のグループと、弱レア役(当選役グループ「WM(スイカ)」、「LCH(弱チェリー)」、「LCHN(弱チャンス目)」)のグループと、強レア役(当選役グループ「HCH(強チェリー)」、「HCHN(強チャンス目)」)のグループとがある。そして、AT移行モード決定手段114は、これらのグループと、設定値とに基づいて移行モード抽選に用いる移行モード決定テーブルを選択する。なお、この実施形態では、各当選役の当選確率は、押し順AT役>弱レア役>強レア役となっており、強レア役、弱レア役、押し順AT役の順に当選し難くなっている。また、AT期間では、強レア役、弱レア役、押し順AT役の順に当選時の特典(例えば上乗せゲーム数、ゲーム数上乗せ特化ゾーンへの移行確率)が得られ易くなっている。
例えば、非有利区間で有利区間移行役である当選役グループ「BE(共通ベル)」に当選し、このときの設定値が「1」であった場合、AT移行モード決定手段114により選択される移行モード決定テーブルでは、AT移行モードAに決定される確率が58%、AT移行モードBに決定される確率が10%、AT移行モードCに決定される確率が6%、AT移行モードDに決定される確率が26%となっている(図13(a))。
なお、AT移行モードAは、AT期間への移行にかかる遊技ptカウンタ654のカウント値の上限(天井)の最大値が1000ポイント、AT移行モードBは天井の最大値が800ポイント、AT移行モードCは天井の最大値が300ポイント、AT移行モードDは天井の最大値が100ポイントとなっている(図13(b))。したがって、AT移行モードDが最も有利で、次に有利なのがAT移行モードC、その次に有利なのがAT移行モードB、最も不利なのがAT移行モードAとなっている。なお、AT期間への移行にかかる天井(上限値)は、遊技ptカウンタ654のカウント値が「0」ポイントから、AT移行モードの種類により規定された最大値(例えばAT移行モードがAの場合は「1000ポイント」)の範囲内で抽選により決定される。また、AT移行モードDが選択された場合は100ポイント以内でAT期間へ移行されることとなる。
また、この実施形態では、有利区間移行役の種類が強レア役(当選役グループ「HCH(強チェリー)」、「HCHN(強チャンス目)」)のグループ、弱レア役(当選役グループ「WM(スイカ)」、「LCH(弱チェリー)」、「LCHN(弱チャンス目)」)のグループ、押し順AT役および当選役グループ「BE(共通ベル)」のグループ、の順に有利なAT移行モードが選択される可能性が高い移行モード決定テーブルが選択される(図13(a))。
具体的には、有利区間移行役の種類が弱レア役(当選役グループ「WM(スイカ)」、「LCH(弱チェリー)」、「LCHN(弱チャンス目)」)のグループの場合は、設定値によらず、最も不利なAT移行モードAに決定されることがないように構成されている。移行モード決定テーブルが選択される。また、有利区間移行役の種類が強レア役(当選役グループ「HCH(強チェリー)」、「HCHN(強チャンス目)」)のグループの場合は、設定値によらず、最も不利なAT移行モードAとその次に不利なAT移行モードBのいずれにも決定されることがないように構成されている。
(15)移行モード示唆演出内容決定手段115
この実施形態では、AT期間が終了すると液晶表示器27の表示画面がAT期間の通常背景画面から終了背景画面に切り換わり、該終了背景画面上に当該AT期間の結果(例えば、継続ゲーム数や獲得メダル数)が表示される。当該終了背景画面は、非有利区間で有利区間移行役に当選するまで維持される。また、非有利区間で有利区間移行役に当選した際は、当該移行にかかる有利区間でのAT移行モードが決定される。決定されたAT移行モードは、終了背景画面の所定領域を用いて示唆される。移行モード示唆演出内容決定手段115は、AT移行モード決定手段114により決定されたAT移行モードを示唆する移行モード示唆演出の内容を決定するものである。
移行モード示唆演出の種類としては、キャラクタA~Cのいずれかが表示される演出と、どのキャラクタかは特定できないシルエットが表示される演出とがある。移行モード示唆演出内容決定手段115は、AT移行モード決定手段114により決定されたAT移行モードの種類と、当該決定されたときの当選役グループの種類(決定に用いられたグループの種類:押し順AT役/共通ベルのグループ、弱レア役のグループ、強レア役のグループ)とに基づいて移行モード示唆演出の内容を決定する。
このとき、移行モード示唆演出内容決定手段115は、AT移行モードが決定されたときのグループと、決定されたAT移行モードの種類とに基づいて移行モード示唆演出決定テーブルを選択する(図14)。そして、選択した移行モード示唆演出決定テーブルを用いた抽選(移行モード示唆演出決定抽選)により移行モード示唆演出の内容を決定する。
例えば、非有利区間において押し順AT役に当選したことに基づいて有利区間に移行する際、AT移行モード決定手段114によりAT移行モードBと決定されたとする。この場合に移行モード示唆演出内容決定手段115により選択される移行モード示唆演出決定テーブルでは、移行モード示唆演出として「シルエット」が表示される確率が32%、「キャラクタA」が表示される確率が68%となっている(図14(a))。
なお、弱レア役の当選時に選択される移行モード示唆演出決定テーブルの一例は図14(b)であり、強レア役の当選時に選択される移行モード示唆演出決定テーブルの一例は図14(c)となっている。図14(a)~図14(c)によれば、移行モード示唆演出として「シルエット」が表示された場合は、AT移行モードA~Dのいずれの可能性もあるが、AT移行モードAである可能性が最も高いことを示唆する。また、「キャラクタA」が表示された場合は、AT移行モードA~Dのいずれの可能性もあるが、AT移行モードBである可能性が最も高いことを示唆する。また、「キャラクタB」が表示された場合は、AT移行モードCまたはDであることを示唆する。また、「キャラクタC」が表示された場合は、最も有利なAT移行モードDであることを示唆する。
また、図13(a)に示すように、弱レア役の当選により有利区間に移行した場合は、AT移行モード決定手段114の決定結果がAT移行モードAとなることはないため、弱レア役のときの移行モード示唆演出決定テーブル(図14(b))では、移行モード示唆演出として「シルエット」が選択されることがないように設計されている。また、強レア役の当選により有利区間に移行した場合は、AT移行モード決定手段114の決定結果がAT移行モードAやBとなることはないため、強レア役のときの移行モード示唆演出決定テーブル(図14(c))では、移行モード示唆演出として「シルエット」および「キャラクタA」が選択されることがないように設計されている。
(16)遊技ptカウンタ加算抽選手段116
遊技ptカウンタ加算抽選手段116は、CZ(チャンスゾーン)において遊技ptカウンタ654のカウント値に加算する遊技ポイントの値を抽選(遊技pt加算抽選)により決定するものである。例えば、第1CZ(第1チャンスゾーン)では、0ポイント、10ポイント、20ポイント、50ポイント、100ポイントのいずれかが選択されるように加算抽選テーブルが構成されており、毎ゲームで当選役の種類に応じた加算抽選テーブルが選択される。また、遊技ptカウンタ加算抽選手段116は、遊技pt加算抽選により決定した遊技ポイントの値の分だけ遊技ptカウンタ654のカウント値に加算し、当該カウンタ654のカウント値を更新する。なお、この実施形態では、第1CZ(第1チャンスゾーン)の継続ゲーム数は10ゲームまたは20ゲームに設定されており、このゲームを消化するとCZ超高確に移行する。
また、第2CZ(第2チャンスゾーン)では、0ポイント、1000ポイントのいずれかが選択されるように加算抽選テーブルが構成されており、毎ゲームで当選役の種類に応じた加算抽選テーブルが選択される。また、遊技ptカウンタ加算抽選手段116は、遊技pt加算抽選により決定した遊技ポイントの値の分だけ遊技ptカウンタ654のカウント値に加算し、当該カウンタ654のカウント値を更新する。なお、この実施形態では、第2CZ(第2チャンスゾーン)の継続ゲーム数は10ゲームまたは20ゲームに設定されており、このゲームを消化すると第1CZ(第1チャンスゾーン)に移行する。
第1CZ(第1チャンスゾーン)および第2CZ(第2チャンスゾーン)において、遊技pt加算抽選の結果が0ポイントの加算であっても、毎ゲーム消化する度に遊技ptカウンタ654のカウント値は+1加算されるため、第1CZ(第1チャンスゾーン)および第2CZ(第2チャンスゾーン)は、有利区間(一般)よりも遊技ptカウンタ654の加算が期待できる有利な状態となっている。
(17)AT直撃抽選手段117
AT直撃抽選手段117は、遊技ptカウンタ654のカウント値によらずにAT期間に移行させるか否かを抽選により決定するものである。AT直撃抽選手段117は、有利区間(一般)と前兆ゾーンにおいて、設定制御手段101により設定されている設定値と、当選役(当選役グループ)の種類とに基づいてAT直撃抽選を行う。AT直撃抽選に当選した場合はAT期間に移行する。なお、この実施形態において、AT直撃抽選に当選したときにAT期間に移行させる機能および遊技ptカウンタ654のカウント値が上限(天井)に到達したときにAT期間に移行させる機能が、本発明の「報知区間設定手段」に相当する。
(18)ATシナリオ決定手段118
この実施形態では、AT期間中は、ステージ終了時の継続抽選に当選すれば次のステージへ移行し、継続抽選に非当選となればAT期間が終了して非有利区間に移行するようになっている。各ステージは、基本的にAT(一般)からスタートし、AT(一般)で30ゲームを消化すると、10ゲームの勝敗決定ゾーンに移行する。勝敗決定ゾーンの終了時には、当該ステージの継続抽選の結果が報知される。なお、第1ステージからFinalステージ(第8ステージ)までの各ステージの継続率は、ATシナリオで管理されている(図15(a))。ATシナリオ決定手段118は、AT期間の継続率を決めるATシナリオの種類を抽選(ATシナリオ抽選)により決定するものである。
この実施形態においてATシナリオは1~13あり、各ATシナリオ1~13ごとに第1ステージからFinalステージ(第8ステージ)までの継続抽選の当選確率(継続率)が予め規定されている。例えば、ATシナリオ1の場合、第1ステージ、第3ステージ、第5ステージそれぞれの継続抽選の当選確率(継続確率)が10%、第2ステージ、第4ステージ、第6ステージそれぞれの継続抽選の当選確率(継続確率)が80%、第7ステージの継続抽選の当選確率(継続確率)が50%、Finalステージ(第8ステージ)の継続抽選の当選確率(継続確率)が100%となっている(図15(a))。Finalステージ(第8ステージ)以降の継続抽選は、例えば当選確率(継続率)が一律80%で行われる。
ATシナリオ決定手段118は、設定制御手段101により設定されている設定値(設定1~設定6)と、ATランクの種類とに基づいてATシナリオの種類を決定する(図16)。これに先立ち、ATシナリオ決定手段118は、解除時ポイントと、予め定められた算出方法により算出された算出値とに基づいて抽選によりATランクを決定する(図15(b))。ここで、解除時ポイントとは、AT期間に移行すると決定されたときの遊技ptカウンタ654のカウント値である。例えば、遊技ptカウンタ654のカウント値が上限値(天井:AT移行モードAの場合は最大で1000ポイント)になる前にAT直撃抽選で当選した場合は、AT直撃抽選で当選したときの遊技ptカウンタ654のカウント値である。一方、遊技ptカウンタ654のカウント値が上限値(天井)になったことによりAT期間に移行する場合は、その上限値である。
例えば、この実施形態では、算出値=((CZptカウンタ655のカウント値)×60+(遊技ポイント加算オーバー値))÷300の商となっている。ここで、「遊技ポイント加算オーバー値」は(AT期間に移行すると決定されたときの遊技ptカウンタ654のカウント値:移行カウント値)-(AT移行モードで規定される天井に相当する遊技ポイントの値:天井カウント値)で導出される。例えば、AT期間に移行すると決定されたときのCZptカウンタ655のカウント値が5ポイント、AT期間に移行すると決定されたとき遊技ptカウンタ654のカウント値(移行カウント値)が1100ポイント、AT移行モードがB(天井=800ポイント:天井カウント値)の場合は、算出値が(5×60+(1100-800))÷300=2となる。つまり、AT期間に移行すると決定されたときにCZポイントが多く残っている場合や、CZ(チャンスゾーン)の遊技pt加算抽選で大きな値の加算(遊技ptカウンタ654への加算)が行われた結果、天井の遊技ポイントを大きく上回った場合は算出値が高くなる。なお、遊技ptカウンタ654のカウント値が1100ポイントになる場合とは、例えば、遊技ptカウンタ654のカウント値が100ポイントで第2CZに移行し、当該第2CZにおいて遊技ポイントが1000ポイント加算された場合などである。また、上述の算出値を((CZptカウンタ655のカウント値)×60-(天井カウント値-移行カウント値))÷300の商として算出してもよい。
ATシナリオ決定手段118は、例えば、解除時ポイントが500ポイントで、算出値が2の場合は、ATランク1の選択確率が75%、ATランク2の選択確率が20%、ATランク3の選択確率が3%、ATランク4の選択確率が2%となるATランク決定テーブルを用いてATランクの種類を決定する(図15(b))。この実施形態では、ATシナリオ決定手段118は、算出値が大きいほど、大きい値のATランクに決定される確率が高いATランク決定テーブルを使用する。また、解除時ポイントの値が多いほど、大きい値のATランクに決定される確率が高いATランク決定テーブルを使用する(図15(b))。
図16によれば、決定されたATランクの値が大きいほど、さらには設定制御手段101により設定されている設定値の値が大きいほど、遊技者にとって有利なATシナリオの選択確率が高いATシナリオ決定テーブルを用いてATシナリオ抽選が行われる。なお、有利なATシナリオとは、第1ステージから第4ステージまでの継続率が高いATシナリオ8や、第1ステージから第6ステージまでの継続率が高いATシナリオ11や、第1ステージからFinalステージまでの継続が確定するATシナリオ13などである。また、ATシナリオ決定手段118は、ATシナリオの種類を決定した場合は、当該ATシナリオの種類を特定可能な情報をATシナリオ記憶領域659に記憶させる。
なお、この実施形態では、AT期間に移行した場合、遊技ptカウンタ654のカウント値およびCZptカウンタ655のカウント値がそれぞれ0にクリアされる。しかしながら、このようなATシナリオの決定方法によると、AT期間に移行するまでに溜まった遊技ポイントやCZポイントは、ATシナリオ抽選が有利となるポイントとして反映されることになるため、遊技ptカウンタ654やCZptカウンタ655がクリアされることによる遊技者の興趣の低下を防止できる。
(19)継続抽選手段119
継続抽選手段119は、上述のAT期間の各ステージにおいて次のステージに移行するか否かの継続抽選を行うものである。継続抽選手段119は、基本的にATシナリオ記憶領域659に記憶されているATシナリオに基づいて、各ステージの継続抽選を行う。ただし、各ステージの継続抽選に当選したときの一部で移行する高継続CZで行われる高継続AT抽選に当選した場合、継続抽選手段119は、次のステージからFinalステージまでの間、当初のATシナリオに基づいて継続率よりも高い継続率の抽選テーブルを用いて継続抽選を行う。
例えば、この実施形態ではATシナリオに基づいた次のステージの通常の継続率が10%(通常AT)の場合は50%、通常の継続率が25%の場合は70%、通常の継続率が50%の場合は75%、通常の継続率が66%の場合は80%、通常の継続率が75%の場合は85%、通常の継続率が80%の場合は90%、通常の継続率が90%の場合は90%、通常の継続率が100%の場合は100%の継続率として、高継続ATを構成する(図17)。
なお、各ステージにおいて継続抽選の当選時に所定の高継続CZ移行条件が成立した場合、勝敗決定ゾーンの終了後に高継続CZに移行する。高継続CZは、例えば10ゲーム継続し、毎ゲームで高継続ATに移行するか否かの抽選が行われる。当該抽選は例えば当選役(当選役グループ)の種類に応じた抽選テーブルを用いて行われる。例えば、この実施形態では、強レア役、弱レア役、その他の順に高継続ATへの移行抽選に当選し易くなっている。高継続CZにおいて高継続ATへの移行に失敗した場合は、次のステージのAT(一般)に移行し、ATシナリオに基づいた通常の継続率で継続抽選が行われる。なお、高継続ATに移行した場合は、通常ATよりもゲーム数上乗せ特化ゾーンや勝利ストックゾーンに移行し易くしてもよい。
また、各ステージにおいて継続抽選の当選時に所定のボーナスゾーン移行条件が成立した場合、勝敗決定ゾーンの終了後にボーナスゾーンに移行する。ボーナスゾーンは、例えば基本的に20ゲーム継続し、毎ゲームでゲーム数上乗せ抽選が行われる。また、ゲーム数上乗せ抽選に当選した場合は、その分ゲーム数だけ次のステージの継続ゲーム数が増加する。ボーナスゾーンの終了後は、次のステージのAT(一般)に移行する。
また、AT(一般)において、所定の上乗せ特化ゾーン移行条件(例えば、弱レア役の当選)が成立した場合は、ゲーム数上乗せ特化ゾーンに移行する。ゲーム数上乗せ特化ゾーンは、10ゲームまたは20ゲーム継続し、毎ゲームでゲーム数の上乗せ抽選が行われる。当該上乗せ抽選では当選役(当選役グループ)に応じた抽選テーブルを用いて上乗せゲーム数が決定される。当該上乗せ抽選により決定された上乗せゲーム数は、通常のAT(一般)の継続ゲーム数(例えば30ゲーム)に上乗せされる。ゲーム数上乗せ特化ゾーンが終了した場合は、AT(一般)に戻る。
また、AT(一般)において、所定の勝利ストックゾーン移行条件(例えば、強レア役の当選)が成立した場合は、勝利ストックゾーンに移行する。勝利ストックゾーンは、例えば10ゲームか20ゲーム継続し、特定の当選役(例えば、当選役グループ「WM(スイカ)」)の当選時に勝利ストックの付与抽選が行われる。勝利ストックが付与された場合は、当該ステージの継続が確定する。勝利ストックゾーンが終了した場合は、AT(一般)に戻る。
(20)設定示唆演出内容決定手段120
設定示唆演出内容決定手段120は、非有利区間において実行される設定示唆演出の内容を決定するものであり、設定示唆演出実行抽選手段120aと、設定変更・日跨ぎフラグ設定手段120bとを備える。
(a)設定示唆演出実行抽選手段120a
設定示唆演出実行抽選手段120aは、非有利区間において当選役(当選役グループ)の種類に基づいて設定示唆演出を実行するか否かを抽選により決定するものである。
非有利区間で非有利区間移行役に当選した場合、設定示唆演出実行抽選手段120aは、非有利区間移行役用の設定示唆演出実行抽選テーブルを用いて設定示唆演出を実行するか否かを決定する。当該抽選テーブルでは、20%の確率で設定示唆演出が実行されるように設計されている(図18(a))。設定示唆演出実行抽選手段120aは、有利区間移行役用の設定示唆演出実行抽選テーブルを用いて設定示唆演出を実行するか否かを決定する。
非有利区間で有利区間移行役に当選した場合、設定示唆演出実行抽選手段120aは、有利区間移行役用の設定示唆演出実行抽選テーブルを用いて設定示唆演出を実行するか否かを決定する。有利区間移行役用の設定示唆演出実行抽選テーブルは、さらに押し順AT役・共通ベル・弱レア役に当選したとき用の設定示唆演出実行抽選テーブルと、強レア役に当選したとき用の設定示唆演出実行抽選テーブルとに分かれている。押し順AT役・共通ベル・弱レア役に当選したとき用の設定示唆演出実行抽選テーブルは、10%の確率で設定示唆演出が実行されるように設計され、強レア役に当選したとき用の設定示唆演出実行抽選テーブルは、2%の確率で設定示唆演出が実行されるように設計されている(図19(a))。すなわち、この実施形態では、非有利区間移行役、押し順AT役・共通ベル・弱レア役、強レア役の順に設定示唆演出の発生確率が高くなっている。なお、この実施形態において、押し順AT役・共通ベル・弱レア役それぞれが本発明の「第1有利区間移行役」に相当し、強レア役が本発明の「第2有利区間移行役」に相当する。
(b)設定変更・日跨ぎフラグ設定手段120b
設定変更・日跨ぎフラグ設定手段120bは、設定変更・日跨ぎフラグのONとOFFの設定を行うものである。設定変更・日跨ぎフラグ設定手段120bは、設定制御手段101により設定値の変更制御が行われた場合、または、24時を回った後に電源投入された場合、設定変更・日跨ぎフラグをONに設定する。また、設定変更・日跨ぎフラグ設定手段120bは、AT期間に移行した場合に設定変更・日跨ぎフラグをOFFに設定する。なお、設定変更・日跨ぎフラグをOFFに設定するタイミングは適宜変更可能であり、例えば非有利区間から有利区間に移行したタイミングで設定変更・日跨ぎフラグをOFFに設定してもよい。
設定示唆演出実行抽選手段120aにより設定示唆演出を実行すると決定された場合、設定示唆演出内容決定手段120は、設定制御手段101により設定されている設定値、設定示唆演出を実行すると決定されたときの当選役(当選役グループ)の種類および設定変更・日跨ぎフラグのON/OFFの状態に基づいて抽選により設定示唆演出の内容を決定する。なお、設定変更が行われる場合は電源投入(電源スイッチ50aのON)があり、24時を回り、ホールの運営開始時にも電源投入がある。ここで、設定変更があった場合や24時を回った後に電源投入された場合(設定変更・日跨ぎフラグがONの状態)が本発明の「特定事象」に相当する。また、設定変更・日跨ぎフラグがONに設定されている非有利区間が本発明の「特定非有利区間」に相当し、設定変更・日跨ぎフラグがOFFに設定されている非有利区間が本発明の「一般非有利区間」に相当する。
(非有利区間移行役の当選時の設定示唆演出)
非有利区間移行役の当選時の設定示唆演出は、AT期間の終了時に液晶表示器27の終了背景画面の左下部領域27dにセリフを表示することにより行われる。セリフa~hの種類と、設定示唆内容との関係については、図18(b)および図18(c)に示すように、
(i)セリフaは、奇数設定である場合よりも偶数設定である場合の方が選択され易く、偶数設定である可能性が高いことを示唆する。
(ii)セリフbは、偶数設定である場合よりも奇数設定である場合の方が選択され易く、奇数設定である可能性が高いことを示唆する。
(iii)セリフcは、低設定である場合よりも高設定である場合方が選択され易く、高設定の可能性が高いことを示唆する。
(iv)セリフdは、低設定である場合よりも高設定である場合方が選択され易く、高設定の可能性が高いことを示唆する。また、この場合は、低設定の場合に選択される割合がセリフcよりも低く、セリフcの場合よりも高設定である可能性が高いことを示唆する。
(v)セリフeは、設定1の場合は選択されず、設定2以上であること示唆する。
(vi)セリフfは、設定3の場合は選択されず、設定3以外であることを示唆する。
(vii)セリフgは、設定1~設定3の場合は選択されず、設定4~6のいずれかであることを示唆する。
(viii)セリフhは、設定6である場合にしか選択されず、設定6であることを示唆する。
なお、セリフe~hは、特定の設定値を否定する設定示唆演出となり、セリフa~dの場合と比較して遊技者によって有益な情報となっている。
設定示唆演出を実行する場合、設定示唆演出内容決定手段120は、設定変更・日跨ぎフラグがOFFに設定されている場合は、図18(b)に示す設定示唆演出決定テーブルを用いて設定示唆演出の内容(セリフa~h)を決定する。当該テーブルは、設定値ごとに設けられている。ただし、示唆内容と矛盾する設定示唆演出は選択されないようなっており、例えば、設定1の場合は、偶数設定の可能性が高いセリフaが35%の確率で選択され、奇数設定の可能性が高いセリフbが50%の確率で選択され、高設定の可能性が高いセリフcが8%の確率で選択され、セリフcの場合よりも高設定の可能性が高いセリフdが2%の確率で選択され、設定3を否定するセリフeが5%の確率で選択される。
設定示唆演出内容決定手段120は、設定変更・日跨ぎフラグがONに設定されている場合は、図18(c)に示す設定示唆演出決定テーブルを用いて設定示唆演出の内容(セリフa~h)を決定する。当該テーブルは、設定値ごとに設けられている。ただし、示唆内容と矛盾する設定示唆演出は選択されないようなっており、例えば、設定1の場合は、偶数設定の可能性が高いセリフaが35%の確率で選択され、奇数設定の可能性が高いセリフbが55%の確率で選択され、高設定の可能性が高いセリフcが8%の確率で選択され、セリフcよりも高設定の可能性が高いセリフdが2%の確率で選択される。
図18によれば、非有利区間移行役については、設定変更・日跨ぎフラグがONに設定されている場合は、特定の設定値を否定する設定示唆演出が選択されないようになっている。すなわち、設定変更や、いわゆる朝一など、ホール運営が始まったばかりの状態で設定示唆演出が行われる場合は、特定の設定値を否定する有益な情報を遊技者に与えないようにして、過度に射幸心を煽るのを防止している。なお、設定示唆演出実行抽選テーブルおよび設定示唆演出決定テーブルが本発明の「設定示唆演出決定データ」に相当する。また特定の設定値を否定する設定示唆演出が本発明の「特殊設定示唆演出」に相当する。
(有利区間移行役の当選時の設定示唆演出)
有利区間移行役の当選時の設定示唆演出は、AT期間の終了時に液晶表示器27の終了背景画面の左上部領域27cにキャラクタを表示することにより行われる。キャラクタX1~X8の種類と、設定示唆内容との関係については、図19(b)~図19(d)に示すように、
(i)キャラクタX1は、奇数設定である場合よりも偶数設定である場合の方が選択され易く、偶数設定である可能性が高いことを示唆する。
(ii)キャラクタX2は、偶数設定である場合よりも奇数設定である場合の方が選択され易く、奇数設定である可能性が高いことを示唆する。
(iii)キャラクタX3は、低設定である場合よりも高設定である場合方が選択され易く、高設定の可能性が高いことを示唆する。
(iv)キャラクタX4は、低設定である場合よりも高設定である場合方が選択され易く、高設定の可能性が高いことを示唆する。また、この場合は、低設定の場合に選択される割合がキャラクタX3よりも低く、キャラクタX3の場合よりも高設定である可能性が高いことを示唆する。
(v)キャラクタX5は、設定1の場合は選択されず、設定2以上であること示唆する。
(vi)キャラクタX6は、設定3の場合は選択されず、設定3以外であることを示唆する。
(vii)キャラクタX7は、設定1~設定3の場合は選択されず、設定4~6のいずれかであることを示唆する。
(viii)キャラクタX8は、設定6である場合にしか選択されず、設定6であることを示唆する。
なお、キャラクタX5~X8は、特定の設定値を否定する設定示唆演出となり、キャラクタX1~X4の場合と比較して遊技者によって有益な情報となっている。
設定示唆演出を実行する場合、設定示唆演出内容決定手段120は、設定示唆演出を実行すると決定したときの当選役(当選役グループ)が、押し順AT役、共通ベル、弱レア役のいずれかであり、設定変更・日跨ぎフラグがOFFに設定されている場合は、図19(b)に示す設定示唆演出決定テーブルを用いて設定示唆演出の内容(キャラクタX1~X8)を決定する。当該テーブルは、設定値ごとに設けられている。ただし、示唆内容と矛盾する設定示唆演出は選択されないようなっており、例えば、設定1の場合は、偶数設定の可能性が高いキャラクタX1が35%の確率で選択され、奇数設定の可能性が高いキャラクタX2が50%の確率で選択され、高設定の可能性が高いキャラクタX3が8%の確率で選択され、さらに高設定の可能性が高いキャラクタX4が2%の確率で選択され、設定3を否定するキャラクタX6が5%の確率で選択される。
設定示唆演出内容決定手段120は、設定示唆演出を実行すると決定したときの当選役(当選役グループ)が、強レア役のいずれかであり、設定変更・日跨ぎフラグがOFFに設定されている場合は、図19(c)に示す設定示唆演出決定テーブルを用いて設定示唆演出の内容(キャラクタX1~X8)を決定する。当該テーブルは、設定値ごとに設けられている。ただし、示唆内容と矛盾する設定示唆演出は選択されないようなっており、例えば、設定1の場合は、偶数設定の可能性が高いキャラクタX1が35%の確率で選択され、奇数設定の可能性が高いキャラクタX2が50%の確率で選択され、設定3を否定するキャラクタX6が15%の確率で選択される。
設定示唆演出内容決定手段120は、設定示唆演出を実行すると決定したときの当選役(当選役グループ)が、有利区間移行役(押し順AT役・共通ベル・弱レア役・強レア役)のいずれかであり、設定変更・日跨ぎフラグがONに設定されている場合は、図19(d)に示す設定示唆演出決定テーブルを用いて設定示唆演出の内容(キャラクタX1~X8)を決定する。当該テーブルは、設定値ごとに設けられている。ただし、示唆内容と矛盾する設定示唆演出は選択されないようなっており、例えば、設定1の場合は、偶数設定の可能性が高いキャラクタX1が35%の確率で選択され、奇数設定の可能性が高いキャラクタX2が55%の確率で選択され、高設定の可能性が高いキャラクタX3が8%の確率で選択され、さらに高設定の可能性が高いキャラクタX4が2%の確率で選択される。
図19によれば、有利区間移行役については、押し順AT役・共通ベル・弱レア役に当選した場合の方が強レア役に当選した場合よりも設定示唆演出が実行される確率が高い。ただし、設定変更・日跨ぎフラグがOFFに設定されているときに、強レア役で設定変更示唆演出が実行される場合は、特定の設定値を否定する有益な設定示唆演出が選択される確率が、押し順AT役・共通ベル・弱レア役に当選した場合よりも高く設定されている。また、設定変更・日跨ぎフラグがONに設定されている場合は、特定の設定値を否定する設定示唆演出が選択されないようになっている。すなわち、設定変更や、いわゆる朝一など、ホール運営が始まったばかりの状態で設定示唆演出が行われる場合は、特定の設定値を否定する有益な情報を遊技者に与えないようにして、過度に射幸心を煽るのを防止している。
なお、この実施形態では、有利区間中は設定示唆演出を実行しないようにしたが、有利区間中の設定示唆演出を実行するようにしてもよい。この場合、有利区間よりも非有利区間の方が設定示唆演出の発生確率を高くしてもよい。このようにすると、非有利区間での遊技に興味を持たせることができる。
(21)コマンド作成手段121
図4のコマンド作成手段121は、役抽選手段103の役抽選結果に関する情報、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報、フラグ格納手段653に格納された各種フラグの設定状態、遊技状態に関する情報などの種々の情報をサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを生成するものである。そして、コマンド作成手段121により生成されたコマンドは、コマンド送信手段122によりサブ制御基板73に送信される。
例えば、役抽選手段103による役抽選が実行されたときに、役抽選結果を識別できるコマンドを作成する。サブ制御基板73では、送られてきたコマンドに基づき、種々の処理を実行する。
コマンド作成手段121は、図8に示すように、ボーナス役に関する役抽選結果として、「$00」~「$01」のコマンドを作成する。ここで、ボーナス役(上位番号)の「$00」は、ボーナス役に関する役抽選結果がハズレであることを特定可能なコマンドを示し、「$01」は、ボーナス役に関する役抽選結果が当選役グループ「RBB」に当選したことを示し、「$02」は、当選役グループ「SRB1」に当選したことを示し、「$03」は、当選役グループ「SRB2」に当選したことを示す。
また、コマンド作成手段121は、下位役番号の当選役グループに関する役抽選結果として、「$00」~「$2F」のコマンドを作成する。これらのコマンドは、当選役グループに応じて個別に設定されたコマンドであり、当該コマンドをサブ制御基板73側で受信すれば、当選している役を特定可能である。
(22)コマンド送信手段122
図4のコマンド送信手段122は、メイン制御基板63からサブ制御基板73へ、種々のデータを含む通信コマンドを一方通行で送信するものである。すなわち、コマンド送信手段122は、初期RT(RT0)、ボーナス遊技状態(RBB)、RBB内部中などの遊技状態、役抽選手段103の役抽選結果、図柄判定手段107による図柄判定結果、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、払出制御手段108によるメダルの払出状態、前面扉5の開放または閉塞の状態、フラグ格納手段653に格納された各種フラグの設定状態、スロットマシン1のエラー状態など、スロットマシン1の状態を表すデータをサブ制御基板73へ送信する。
また、コマンド送信手段122は、投入センサ53により投入メダルが検出されたとき、ベットスイッチ15が操作されたとき、最大ベットスイッチ17が操作されたとき、再遊技役の入賞に伴って自動投入(賭数の自動設定処理)が行われるとき、ベット枚数カウンタ(図示省略)に格納されるベット枚数分のメダル投入が行われたことを表すデータをサブ制御基板73に送信する。
また、コマンド送信手段122は、払出制御手段108により払い出されるメダル数を表すデータや、スタートスイッチ19およびストップスイッチ21L,21M,21Rなどの各種スイッチが遊技者により操作されたことを示すデータなどもサブ制御基板73に送信する。
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73について詳細に説明する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信された通信コマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出を行うものである。図4に示すように、サブ制御基板73は、メモリ75に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアにより実現される種々の機能を備えている。
(1)コマンド受信手段200
図4のコマンド受信手段200は、メイン制御基板63のコマンド送信手段122により送信された種々のデータを含む通信コマンドを受信するものである。コマンド受信手段200は、メイン制御基板63から送信される通信コマンドを受信し、通信コマンドを受信すれば、通信コマンドの種類に応じてサブ制御基板73が備える各機能に通知を行う。
(2)演出内容決定手段201
図4の演出内容決定手段201は、コマンド受信手段200が受信した通信コマンドに応じて、演出の内容を決定するためのものである。具体的には、遊技の進行や、役抽選手段103の役抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンから、スピーカ31L,31Rから流れる音楽を決定したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を決定する。
例えば、演出内容決定手段201は、コマンド受信手段200が役抽選手段103の役抽選結果に関するコマンドを受信した場合、当該役抽選結果に対応する演出群の中から一の演出を実行演出内容に決定する。この演出群の中には、役抽選結果を遊技者に示唆する演出が含まれる。また、演出内容決定手段201は、AT期間中やCZ(チャンスゾーン)中に押し順AT役に当選した場合は、液晶表示器27で最大のメダルの払い出しが得られる正解の押し順を報知するという演出内容に決定する。なお、演出内容決定手段201が押し順AT役に当選した場合に、液晶表示器27で正解の押し順を報知するという演出内容に決定する機能を含む、AT期間の押し順AT役の当選時に正解の押し順を行う機能が本発明の「特殊遊技制御手段」に相当する。
また、この実施形態では、CZptカウンタ655のカウント値を示唆する示唆ランプ(図示省略)が設けられており、カウント値に応じて当該示唆ランプの輝度が4段階に変化する。演出内容決定手段201は、示唆ランプの輝度を決定する。例えば、CZptカウンタ655のカウント値が4ポイント以上、7ポイント以上、10ポイント以上、15ポイント以上とで輝度が変化し、遊技者にその旨を示唆する。なお、輝度に限らず示唆ランプの発光色によっても示唆をしてもよく、白色の場合は4ポイント以上、青色の場合は7ポイント以上、緑色の場合は10ポイント以上、赤色の場合は15ポイント以上としてもよい。
また、CZpt付与抽選によりCZptカウンタ655の更新があった場合は、基本的に当該ゲームで液晶表示器27または所定のランプを用いて示唆されるが、演出内容決定手段201は、その際の演出内容を決定する。ただし、前兆モードへの移行に基づく契機でCZptカウンタ655の更新があった場合は、前兆モードの終了時にその旨の示唆演出が行われる。
(3)表示制御手段202
図4の表示制御手段202は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータに基づいて、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を実行するものである。
(4)音声制御手段203
図4の音声制御手段203は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータに基づいて、スピーカ31L,31Rから音楽を流したり、音声を出力したりするなどの演出を実行するものである。
(CZポイントの付与抽選の契機)
次に、CZポイントの付与抽選の契機の一例について、図20を参照して説明する。なお、当選役に基づくCZpt付与抽選の契機は毎ゲームで発生しているため説明を省略する。例えば、遊技ptカウンタ654のカウント値が上限(天井)に到達するまでにCZ(チャンスゾーン)に一度も移行しなかった場合(基本例)、図11(a)に示す遊技ptカウンタ654の周期ポイントごとにCZpt付与抽選の契機が発生する(例えば、図20の100ポイント、200ポイント、300ポイントの契機)。また、図20の100ポイント、200ポイントの契機で前兆抽選が行われたが前兆モード移行しないと決定され、周期ポイントが300ポイントのときに行われる前兆抽選に当選し前兆モードに移行すると決定された場合は、前兆モードに移行するまでのゲーム数が決定される。ここで、遊技ptカウンタ654のカウント値がXポイントで前兆モードに移行すると決定された場合、前兆モードに移行するタイミングで前兆モードへの移行にもとづくCZpt付与抽選の契機が発生する。ただし、当該CZpt付与抽選の抽選結果は前兆モードの終了時に報知される。
例1では、遊技ptカウンタ654のカウント値が100ポイントと200ポイントの間で第1CZ(第1チャンスゾーン)に移行した結果、50ポイントの遊技ポイントが加算されたが、次の周期ポイントである200ポイントに到達しなかった場合は、第1CZ(第1チャンスゾーン)の終了時に周期ポイントに基づくCZpt付与抽選の契機は発生せず、その後の遊技の消化の結果、遊技ptカウンタ654のカウント値が200ポイントに到達したときに周期ポイントに基づくCZpt付与抽選の契機が発生する。また、例1では、遊技ptカウンタ654のカウント値が100ポイントと200ポイントの周期において行われる前兆抽選では、いずれも前兆モードへは移行しないと決定された場合であり、これに伴って前兆モードへの移行に基づくCZpt付与抽選の契機は発生しない。続いて遊技ptカウンタ654のカウント値が200ポイントと300ポイントの間で第2CZ(第2チャンスゾーン)に移行した結果、遊技ptカウンタ654のカウント値が上限(天井)に到達した場合は、AT期間に移行する。この場合、CZ(チャンスゾーン)中に図11(a)示す周期ポイントが飛ばされるが、当該飛ばされた周期ポイントに基づくCZpt付与抽選の契機は発生しない。さらに、当該飛ばされた周期ポイントで前兆抽選は行われないので前兆モードへの移行に基づくCZpt付与抽選の契機も発生しない。
例2については、遊技ptカウンタ654のカウント値が300ポイントになるまでは基本例と同じであるため説明を省略し、300ポイント以降から説明する。例えば、周期ポイントが300ポイントで行われた前兆抽選で当選し、前兆モードに移行すると決定されたが、前兆モードに移行する前である遊技ptカウンタ654のカウント値がX-10ポイントのときに第1CZ(第1チャンスゾーン)に移行したとする。そして、第1CZ(第1チャンスゾーン)に移行した結果、100ポイントの遊技ポイントが加算された場合は、本来の前兆ゾーンに移行すると決定された遊技ptカウンタ654のカウント値であるXポイントが飛ばされることになる。この場合、前兆モードへの移行がキャンセルされるとともに、前兆モードへの移行に基づくCZpt付与抽選の契機は発生しない。さらに、周期ポイントが400ポイントのときの前兆抽選は行われないため、このときの前兆モードへの移行に基づくCZpt付与抽選の契機も発生しない。ただし、第1CZ(チャンスゾーン)が終了したタイミングで、飛ばされた周期ポイント(400ポイント)に基づくCZpt付与抽選の契機が発生する。
例3では、遊技ptカウンタ654のカウント値が100ポイントと200ポイントの間で第1CZ(第1チャンスゾーン)に移行した結果、50ポイントの遊技ポイントが加算され、200ポイントの周期ポイントが飛ばされた場合、当該周期ポイントに基づいて前兆モード(ガセ前兆)に移行するか否かの抽選は行われない。この場合、前兆モード(ガセ前兆)に移行することはないため、前兆モードへの移行に基づくCZpt付与抽選の契機は発生しない。ただし、第1CZ(チャンスゾーン)が終了したタイミングで、飛ばされた周期ポイント(200ポイント)に基づくCZpt付与抽選の契機が発生する。なお、本例の遊技ptカウンタ654のカウント値が100ポイントになるまでは基本例と同じであるため説明を省略する。
(AT期間の終了時の表示画面での演出)
AT期間の終了時、すなわちステージの継続抽選に非当選(敗北)となったときの勝敗決定ゾーンの終了時の演出について、図21および図22を参照して説明する。なお、液晶表示器27の表示画面の内容については演出内容決定手段201により決定される。
例えば、AT期間の残りゲーム数が2ゲームのときに(図21のN-1)、例えば押し順AT役である当選役グループ「ATACR1」に当選した場合、液晶表示器27の表示画面27aには正解の押し順(押し順:中→右→左)を特定可能な情報(ナビ情報)が表示される(図22(a))。このとき、AT期間の通常の背景画面27bであり、例えば、左上部領域に当該AT期間でのメダルの総獲得枚数と総継続ゲーム数とが表示され、右上部領域にAT期間の残りゲーム数が表示される。当該画面は、例えばメダルの投入が完了してスタートスイッチが操作されたタイミングで表示される。
当該ゲーム(N-1ゲーム)で正解の押し順でストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたとする。このとき、第3停止にかかる左ストップスイッチ21Lの操作が終了したタイミング(例えば、左ストップスイッチ21Lの押下をやめたタイミング)で、表示画面27aの中央領域に「GET!」の文字が表示される(図22(b))。
次のゲーム(Nゲーム)で再遊技役に当選した場合は、表示画面27aには押し順を特定可能な情報(ナビ情報)は表示されずに終了する。続いてAT期間の最終ゲーム(N+1ゲーム)で、例えば押し順AT役である当選役グループ「ATACR1」に当選した場合、液晶表示器27の表示画面27aにはN-1ゲームの場合と同様に正解の押し順(押し順:中→右→左)を特定可能な情報(ナビ情報)が表示される(図22(c))。当該画面の表示タイミングはN-1ゲームの場合と同様である。
当該ゲーム(N+1ゲーム)で正解の押し順でストップスイッチ21L,21M,21Rが操作された場合は、第3停止にかかる左ストップスイッチ21Lの操作が終了したタイミング(例えば、左ストップスイッチ21Lの押下をやめたタイミング)で、表示画面27aの中央領域に「GET!」の文字が表示される(図22(d))。当該画面は、所定時間経過後にAT期間の終了画面に切り換わる(図22(e))。このAT期間の終了画面とは、具体的には、通常の背景画面27bから終了時の背景画面27e(図21中のリザルト画面)に切り換わり、該背景画面27e上で当該AT期間でのメダルの総獲得枚数、総継続ゲーム数、継続したステージの数などが表示(AT結果表示)される。さらに、背景画面27eの右下部領域27fには、次の有利区間でのAT移行モードの示唆演出の予告となるシルエットが表示される。さらに、過度な遊技へののめり込みを遊技者に注意喚起するための注意喚起表示も行われる。なお、AT期間の終了画面が表示されてから所定時間(ウェイト時間)は、次のゲームへの移行が禁止された状態となり、所定時間(ウェイト時間)の間は遊技進行操作できない(受け付けない)状態となる。また、当該ゲーム(N+1ゲーム)で有利区間が終了し、次のゲーム(N+2ゲーム)から非有利区間となる。
ウェイト時間が経過し、次のゲーム(N+2ゲーム)のスタートスイッチ19が操作されたタイミングでAT結果表示が消える(図22(f))。なお、注意喚起表示も同様のタイミングで表示が消えても良いし、AT結果表示が消えるタイミングよりも早いタイミングで注意喚起表示が消えるようにしてもよい。ただし、終了時の背景画面27eは維持されるとともに、右下部領域27fのシルエットの表示も維持される。また、N+2ゲームでの当選役が非有利区間移行役であって、セリフbの設定示唆演出(設定示唆A)を実行すると決定された場合、N+2ゲームの第3停止のストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が終了したタイミングで背景画面27eの左下部領域27dにセリフbが追加表示される(図22(f))。セリフbの表示は、N+2ゲームの第3停止のストップスイッチ21L,21M,21Rの操作の終了後、所定時間が経過すると消滅するが、背景画面27eと右下部領域27fのシルエット表示は維持される。
次のゲーム(N+3ゲーム)で有利区間移行役に当選し、移行モード示唆演出としてキャラクタCを表示すると決定された場合、当該ゲーム(N+3ゲーム)の第3停止のストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が終了したタイミングで、背景画面27eの右下部領域27fがシルエットからキャラクタCに切り換わる(図22(g))。具体的には、有利区間移行役の当選時にAT移行モード決定手段114が有利区間移行役の種類と設定制御手段101により設定されている設定値とに基づいてAT移行モードの種類を決定する(図13(a))。続いて、移行モード示唆演出内容決定手段115は、決定されたAT移行モードと有利区間移行役の種類とに基づいてモード示唆演出の内容(図22ではキャラクタC)を決定する。このように、モード示唆演出としてキャラクタCが表示されることで、AT移行モードがモードDであることを遊技者は把握することができ、当該有利区間移行役に基づいた有利区間に対しても遊技を継続しようという参加意欲を持たせることができる。また、当該ゲーム(N+3ゲーム)で設定示唆演出としてキャラクタX1を表示すると決定された場合は、当該ゲーム(N+3ゲーム)の第3停止のストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が終了したタイミングで、背景画面27eの左上部領域27cにキャラクタX1が表示される。キャラクタX1の表示は、N+3ゲームの第3停止のストップスイッチ21L,21M,21Rの操作の終了後、所定時間が経過すると消滅する。一方、キャラクタCの表示は、次のゲーム(N+3ゲーム)のスタートスイッチ19が操作されるまで維持される。また、当該ゲーム(N+3ゲーム)で非有利区間が終了し、次のゲーム(N+4ゲーム)から有利区間となる。
次のゲーム(N+4)のスタートスイッチ19が操作されたタイミングで、キャラクタCの表示が消滅するとともに、表示画面27aの背景画面27eが、有利区間(一般)の背景画面に切り換わる。つまり、AT期間の終了時の背景画面27eは、次の有利区間に移行するまで維持される。なお、仮にN+3ゲームで押し順AT役(有利区間移行役)に当選し、この当選に基づいてAT移行モード決定手段114がAT移行モードAに決定し、さらに、移行モード示唆演出内容決定手段115がモード示唆演出の内容を「シルエット」に決定した場合は、当該ゲーム(N+3ゲーム)の第3停止のストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が終了したタイミングで、背景画面27eの右下部領域27fのシルエットの表示が維持される。そして、次のゲーム(N+4)のスタートスイッチ19が操作されたタイミングでシルエットの表示が消滅するとともに、表示画面27aの背景画面27eが有利区間(一般)の背景画面に切り換わる。
(AT期間中のゲーム数上乗せ抽選結果の報知)
AT期間において、ゲーム数上乗せ抽選で所定ゲーム数の上乗せがあった場合はその旨が液晶表示器27で報知される。報知タイミングとしては、第1停止~第3停止のいずれかのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作時、次のゲームのスタートスイッチ19の操作時などがあるが、いずれのタイミングとするかは抽選により決定される。
なお、この実施形態では、1ゲームのメダルの賭け数が3枚のみであり、機械内に3枚以上のクレジットがないと最大ベットスイッチ17の操作が有効とならないようになっている。
ここで、仮に、AT(一般)のMゲームで当選役グループ「LCH(弱チェリー)」に当選して、ゲーム数上乗せ抽選により20ゲームの上乗せが決定され、その報知が次のゲーム(M+1)のスタートスイッチ19が操作されたタイミングに決定されたとする。図23の例1では、Mゲームの終了時点で機械内のクレジットが15枚ある状態となっている。この場合は、Mゲームの終了時点で次のゲーム(M+1ゲーム)の最大ベットスイッチ17の操作を有効とすることが可能な状態となっている。そのため、決定された報知タイミングの通りに次のゲーム(M+1ゲーム)のスタートスイッチ19が操作されたタイミングで液晶表示器27に「上乗せ+20G」などの文字が表示され、その旨が報知される。
これに対して、図23の例2では、Mゲームの終了時点で機械内のクレジットが2枚であり、次のゲーム(M+1ゲーム)の最大ベットスイッチ17の操作を有効とすることができない状態となっている。この実施形態では、このような、最大ベットスイッチ17の操作を契機として行う予定の演出がある場合に、最大ベットスイッチ17の操作を有効とすることができない状況ではNゲームの第3停止のストップスイッチ21L,21M,21Rの操作終了後に、液晶表示器27で演出ボタン34の押下を促す表示が行われる。その結果、遊技者により演出ボタン34が押下されると液晶表示器27に「上乗せ+20G」などの文字が表示され、その旨が報知される。これにより、本来では次遊技(M+1ゲーム)に係る最大ベットスイッチ17の操作を契機に行う予定だった演出を、最大ベットスイッチ17の操作を有効とすることができない状況である場合には、Mゲームにおける演出ボタン34の押下を契機として行うことで、機械内のクレジットが不足していた場合であっても、上乗せゲーム数の報知を確実に行うことができる。なお、これはクレジットが不足していたときだけでなく、Mゲームでの当選役がリプレイであり、M+1ゲームの最大ベットスイッチ17の操作を有効としない場合でも同様である。
次に、図24~図28を参照してCZポイントの付与に関連する処理の一例を説明する。
(CZポイント関連処理(通常))
有利区間(一般)または前兆モードでのCZポイントの付与に関連する処理を図24~図26を参照して説明する。まず、図25において当選役に基づくCZポイントの抽選処理が実行される(ステップS1)。当該ステップでは、有利区間(一般)の中の遊技状態(CZpt通常、CZpt高確、CZpt超高確)の遷移処理、その遊技状態に基づいたCZpt付与抽選等が行われる。続くステップS2において、AT直撃抽選手段117によるAT直撃抽選処理が行われる。
続いてAT直撃抽選の結果が当選であったか否かが判定される(ステップS3)。AT直撃抽選で当選となった場合(ステップS3でYES)、遊技ptカウンタ654のカウント値がAT移行モードの種類に応じて規定される上限(天井)に設定され(ステップS4)、ステップS12に進む。
一方、AT直撃抽選で非当選となった場合(ステップS3でNO)は、遊技ptカウンタ起点テーブルから起点カウンタに対応した値が取得される(ステップS5)。遊技ptカウンタ起点テーブルは図24に示すように、起点カウンタの値と、遊技ptカウンタの値とが対応付けられている。例えば、起点カウンタの値が3であった場合、ステップS5では遊技ptカウンタの値として200が取得される。なお、ステップS5で用いられる起点カウンタの値は、RWM65の起点カウンタ値記憶領域(図示省略)に記憶されている。
次に、遊技ptカウンタ654のカウント値がステップS5で取得した値と同じであるか否かが判定される(ステップS6)。遊技ptカウンタ654のカウント値がステップS5で取得した値と同じであった場合(ステップS6でYES)、前兆モードに移行するか否かの抽選処理(ガセ前兆抽選処理)が行われる(ステップS7)。
続いて、ガセ前兆抽選の結果が当選か否かが判定され(ステップS8)、当選と判定されると(ステップS8でYES)、前兆モード(ガセ前兆)に移行するまでのゲーム数を決めるガセ前兆開始カウンタ抽選処理が行われる(ステップS9)。一方、ガセ前兆抽選の結果が非当選と判定されると前兆モード(ガセ前兆)への移行は行われないことからステップS11に進む。
ガセ前兆開始カウンタ抽選処理で前兆モード(ガセ前兆)に移行するまでのゲーム数が決定されると、その値をガセ前兆開始カウンタ(図示省略)にセットする(ステップS10)。なお、ガセ前兆開始カウンタは、RWM65の所定の記憶領域に設定されている。
ステップS11では、後述するCZポイント獲得処理が実行される。CZポイント獲得処理は周期ポイントに基づくCZポイントの付与に関する処理であり、当該ステップ(ステップS11)で、遊技ptカウンタ654のカウント値が周期ポイント(図11参照)に到達することを契機としたCZpt付与抽選が行われる。
続いて、ステップS12において、遊技ptカウンタ654のカウント値が+1加算され(遊技ptカウンタ654の更新)、更新後のカウント値がAT移行モードの種類によって規定された上限(天井)以上となったか否かが判定される(ステップS13)。更新後のカウント値が上限(天井)以上となったと判定された場合(ステップS13でYES)は、AT初当たり時の処理が行われ(ステップS14)、処理が終了する。
更新後のカウント値が上限(天井)よりも小さいと判定された場合(ステップS13でNO)は、ガセ前兆カウンタのカウント値が0よりも大きいか否かが判定され(ステップS15)、ガセ前兆カウンタのカウント値が0の場合(ステップS15でNO)は、処理が終了する。
ガセ前兆カウンタのカウント値が0よりも大きい場合(ステップS15でYES)は、ステップS16においてガセ前兆開始カウンタのカウント値が-1減算される(前兆開始カウンタの更新)。続いて、ガセ前兆開始カウンタの更新後のカウント値が0であるか否かが判定され(ステップS17)、0であった場合(ステップS17でYES)は、共通CZポイント抽選処理が行われ(ステップS18)、CZポイント関連処理(通常)が終了する。一方、更新後のガセ前兆開始カウンタのカウント値が0でない場合(ステップS17でNO)は、共通CZポイント抽選処理が行われずCZポイント関連処理(通常)が終了する。なお、ステップS18での共通CZポイント抽選処理により決定されたCZポイントが、前兆モード(ガセ前兆)に移行したことに基づいて付与されるCZポイントになる。また、ステップS15においてNOとなった場合はステップS18を通ることがないため前兆モード(ガセ前兆)に移行したことに基づくCZポイントが付与されることはない。
(CZポイント関連処理(CZ中))
次に、CZポイント関連処理(CZ中)について、図27のフローチャートを参照して説明する。
まず、押し順AT役に当選したか否かが判定され(ステップS100)、押し順AT役に当選したと判定された場合は(ステップS100でYES)、ナビ未発生フラグを0(オフ)に設定し(ステップS101)、ステップS102に進む。ステップS100で押し順AT役に当選したと判定されなかった場合(ステップS100でNO)もステップ
S102に進む。なお、ナビ未発生フラグは、CZ(チャンスゾーン)に移行してから1回でも押し順AT役の当選時に正解の押し順が報知されたか否かの判定に用いられるもので、オンに設定されている場合は1度も正解の押し順が報知されていない状態で、オフに設定されている場合は1度は正解の押し順が報知された状態を意味する。
ステップS102では、遊技ptカウンタ加算抽選手段116による遊技ptカウンタ加算抽選処理が行われる。続いてCZ経過カウンタ(図示省略)のカウント値が+1加算され(ステップS103)、更新後のCZ経過カウンタのカウント値が21となったか否か、すなわち、CZ(チャンスゾーン)の継続ゲーム数が21ゲームになったか否かが判定される(ステップS104)。CZ経過カウンタは、CZの継続ゲーム数を規定するものでRWM65の所定の記憶領域に設定されている。
更新後のCZ経過カウンタのカウント値が21となったと判定された場合(ステップS104でYES)は、遊技ptカウンタ654のカウント値が+1000加算され(ステップS105)、ステップS106に進む。更新後のCZ経過カウンタのカウント値が21となったと判定されなかった場合(ステップS104でNO)もステップS106に進む。
ステップS106において、遊技ptカウンタ654のカウント値が上限(天井)以上になったか否かが判定され、上限以上となったと判定された場合(ステップS106でYES)は、AT初当たり時の処理が行われ(ステップS107)、CZポイント関連処理(CZ中)が終了する。
ステップS106において、遊技ptカウンタ654のカウント値が上限(天井)以上になったと判定されなかった場合(ステップS106でNO)は、CZ残りゲーム数カウンタのカウント値が-1減算される(ステップS108)。CZ残りゲーム数カウンタは、CZ(チャンスゾーン)の移行時に決定されたCZ(チャンスゾーン)の継続ゲーム数に対する残りのゲーム数を規定するもので、RWM65の所定の記憶領域に設定されている。
続いて、減算後のCZ残りゲーム数カウンタのカウント値が0となったか否かが判定され(ステップS109)、減算後のカウント値が0となったと判定されなかった場合(ステップS109でNO)は、当該ゲームのCZポイント関連処理(CZ中)が終了する。
ステップS109において減算後のCZ残りゲーム数カウンタのカウント値が0となったと判定された場合(ステップS109でYES)は、ナビ未発生フラグが1(オン)に設定されているか否かが判定される(ステップS110)。ステップS110でナビ未発生フラグがオンに設定されている場合(ステップS110でYES)は、CZ残りゲーム数カウンタのカウント値が+10加算され(ステップS111)、CZポイント関連処理(CZ中)が終了する。
一方、ステップS110でナビ未発生フラグがオフに設定されている場合(ステップS110でNO)は、ガセ前兆開始カウンタを0にクリアした後(ステップS112)、CZポイント獲得処理が行われて(ステップS113)、CZポイント関連処理(CZ中)が終了する。なお、テップS110でNOの場合は、ステップS112のガセ前兆開始カウンタを0にクリアする処理のほか、CZ(チャンスゾーン)を終了して通常(有利区間(一般))に移行する処理も行われる。
(CZポイント獲得処理)
次に、図25のステップS11および図27のステップS113で行われるCZポイント獲得処理について、図28のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS200において、起点カウンタ値記憶領域に記憶されている起点カウンタの値が11よりも小さいか否かが判定され、起点カウンタのカウント値が11よりも大きいと判定された場合(ステップS200でNO)は、共通pt抽選処理を経由せずにCZポイント獲得処理が終了する。
ステップS200において、起点カウンタ値記憶領域に記憶されている起点カウンタの値が11よりも小さいと判定された場合(ステップS200でYES)は、遊技pt起点テーブル(図24)から起点カウンタ値記憶領域に記憶されている起点カウンタの値に対応した遊技ポイントの値が取得される(ステップS201)。
続いて、遊技ptカウンタ654のカウント値が、取得された遊技ポイントの値以上であるか否かが判定され(ステップS202)、遊技ptカウンタ654のカウント値が、取得された遊技ポイントの値よりも小さいと判定された場合(ステップS202でNO)は、共通pt抽選処理を経由せずにCZポイント獲得処理が終了する。
遊技ptカウンタ654のカウント値が、取得された遊技ポイントの値以上であると判定された場合(ステップS202でYES)は、共通CZpt抽選処理が行われる(ステップS203)。共通CZpt抽選は、CZpt付与抽選手段113が付与するCZポイントを決定するための抽選処理で、前兆モードへの移行に基づいてCZポイントを付与する場合と、周期ポイントに基づいてCZポイントを付与する場合とで共通の処理が行われる。
共通CZpt抽選処理が行われた後は、ステップS204において、起点カウンタ値記憶領域に記憶されている起点カウンタの値が+1加算される(起点カウンタの更新)。続いて、更新後の起点カウンタの値が11であるか否かが判定され(ステップS205)、11である場合(ステップS205でYES)は、CZポイント獲得処理が終了する。一方、更新後の起点カウンタの値が11でない場合(ステップS205でNO)は、ステップS201に戻る。
図24~図28の処理によれば、有利区間(一般)や前兆モードでは、毎ゲームで遊技ptカウンタ654のカウント値が+1加算される(図26のステップS12:遊技ptカウンタ654の更新)。毎ゲームで更新された結果、起点カウンタ値記憶領域に記憶されている起点カウンタの値に対応する値になると、前兆モードに移行するか否かの抽選が行われ(図25のステップS7)、これに当選した場合にのみガセ前兆開始カウンタに1以上の値がセットされる(図25のステップS9)。したがって、前兆モードに移行すると決定されていなければステップS15においてNOで抜けるため、ステップS18における共通CZpt抽選処理が実行されない。すなわち、遊技ptカウンタ654のカウント値(更新結果)が、起点カウンタ値記憶領域に記憶されている起点カウンタの値に対応する値になるまでは、周期ポイントに基づくCZポイントの付与抽選(ステップS11のCZpt獲得処理)、および、前兆モードへの移行に基づくCZポイントの付与抽選(ステップS18の共通CZpt抽選処理)のいずれの契機も発生しない。また、起点カウンタ値記憶領域に記憶されている起点カウンタの値に対応する値になった場合、周期ポイントに基づくCZポイントの付与抽選(ステップS11のCZpt獲得処理)の契機は必ず発生するのに対して、前兆モードへの移行に基づくCZポイントの付与抽選の契機は前兆モードに移行されていると決定されなければ発生しない。
また、CZ(チャンスゾーン)の途中は、CZ残りゲーム数カウンタの値が0とならないため、図27のステップS109をNOで抜け、CZポイントの付与抽選の契機(CZpt獲得処理)が発生しない。ただし、CZの最終ゲームではCZ残りゲーム数カウンタの値が0になり、CZポイントの付与抽選の契機(CZpt獲得処理)が発生する。
ここで、CZ(チャンスゾーン)中の遊技ptカウンタ加算抽選処理の結果、遊技ptカウンタ654のカウント値の大きな値の更新があった場合のCZpt獲得処理の一例を説明する。例えば、CZ(チャンスゾーン)の開始時の遊技ptカウンタ654のカウント値が55で終了時のカウント値が250となったとする。この場合、CZ(チャンスゾーン)の開始時に起点カウンタ値記憶領域に記憶されている起点カウンタの値は「2」である。そうすると図28のCZpt獲得処理では、CZ(チャンスゾーン)の終了時では、ステップS202でYESとなり、ステップS203で共通CZpt抽選処理(1回目)が行われる。その後、ステップS204において起点カウンタ値記憶領域に記憶されている起点カウンタの値が+1加算され、その結果「2」から「3」に更新される。続いて、ステップS205でNOとなることからステップS201に戻る。再度、ステップS201で取得した値が200(起点カウンタ「3」に対応する値)となるが、まだCZ(チャンスゾーン)の終了時の値(250)の方が大きいため、ステップS202を再度YESとなり、ステップS203の共通CZpt抽選処理(2回目)が行われる。
その後、ステップS204において起点カウンタ値記憶領域に記憶されている起点カウンタの値が+1加算され、その結果「3」から「4」に更新される。続いて、ステップS205でNOとなることからステップS201に戻る。再度、ステップS201で取得した値は300(起点カウンタ「4」に対応する値)となり、CZ(チャンスゾーン)の終了時の値(250)よりも大きくなる。そしてステップS202でNOとなり、処理が終了する。すなわち、CZ(チャンスゾーン)中に複数の起点カウンタの値を飛ばす大きな値の遊技ptカウンタ654の更新があった場合は、飛ばした分だけCZポイントの付与抽選の契機が発生することになる。なお、CZ(チャンスゾーン)でない場合であっても、毎ゲームで少なくとも遊技ポイントが+1加算されることから、当該加算により遊技ptカウンタ654のカウント値が200ポイントや300ポイントなどの周期ポイントになるとCZpt付与抽選が行われる(図25のステップS11)。
したがって、上記した実施形態によれば、CZポイントの付与抽選が行われる契機として、当選役(当選役グループ)による契機と、遊技ptカウンタ654のカウント値が図11に示す周期ポイントになることに基づく契機(周期ポイントに基づく契機)と、前兆モードへの移行に基づく契機とがある。このような構成によれば、遊技者はこれらの複数の契機に注目して遊技を行うため、遊技への参加意欲を向上させることができる。
また、CZ(チャンスゾーン)では、遊技ptカウンタ654のカウント値が大きな値で更新される場合がある。この場合、周期ポイントに基づく契機や前兆モードへの移行に基づく契機が多発して遊技が過度に有利となるおそれがあるが、CZ(チャンスゾーン)中に遊技ptカウンタ654のカウント値が大きな値で更新された場合でも、前兆モードへの移行に基づく契機は発生しないため、遊技者が過度に有利となるのを防止できる。
また、周期ポイントに基づく契機は、遊技ptカウンタ654のカウント値(周期ポイント)で規定されるため、CZ(チャンスゾーン)中に遊技ptカウンタ654のカウント値が大きな値で更新された場合、遊技者は、特定の周期ポイントが飛ばされたことが分かる。この場合、CZ(チャンスゾーン)中に遊技ptカウンタ654のカウント値が大きな値で更新された結果、周期ポイントに基づく契機がなくなったとなれば遊技者が落胆する。したがって、CZ(チャンスゾーン)中に遊技ptカウンタ654のカウント値が大きな値で更新された結果、周期ポイントが飛ばされた場合は、CZ(チャンスゾーン)の終了時に飛ばされた分の周期ポイントに基づく契機を発生させることで、遊技者の落胆を防止できる。一方、前兆モードへの移行に基づく契機は、前兆モードに移行しない限り遊技者はその契機が分からない。したがって、CZ(チャンスゾーン)中に遊技ptカウンタ654のカウント値が大きな値で更新された結果、前兆への移行に基づく契機が発生しないようにしても遊技者が落胆することはなく、前兆への移行に基づく契機を発生しないようにしたことによる遊技者の興趣の低下を防止できる。
また、CZptカウンタ655のカウント値の更新があった場合は、液晶表示器27やランプの点灯などにより、その旨の示唆演出が行われる。この場合、CZ(チャンスゾーン)に移行する可能性の把握が容易になり、遊技者の興趣が向上する。前兆ゾーンに基づくCZpt付与抽選の結果、CZptカウンタ655の更新があった場合は、当該更新があったゲームではなく前兆ゾーンが終了したときにその旨の示唆演出が行われるため、当該前兆ゾーンの途中でガセ前兆であることが遊技者に分かってしまうのを防止できる。
また、前兆ゾーンへの移行に基づくCZpt付与抽選の契機は、ガセ前兆に移行した場合にのみ付与するため、遊技者が過度に有利となるのを防止できる。また、結果的にAT期間に移行しない前兆モード(ガセ前兆)に移行した場合は、CZpt付与抽選の契機が発生するため、前兆ゾーンに移行したにも関わらずAT期間に移行しない場合の遊技者の落胆を軽減できる。
また、周期ポイントに基づくCZpt付与抽選の契機、および、前兆ゾーンへの移行に基づくCZpt付与抽選の契機は、いずれも遊技ptカウンタ654の更新結果に基づくため、遊技者のCZpt付与抽選の契機の把握が容易になる。
また、この実施形態では、AT期間が終了した場合は非有利区間に移行させるとともに、遊技ptカウンタ654およびCZptカウンタ655それぞれのカウント値を0にクリアするため、AT期間の連続性を抑制して遊技者の射幸心を抑えることができる。しかしながら、この構成によれば、AT期間の終了後も遊技を継続したいという遊技者の遊技意欲が低下するおそれがある。しかしながら、この実施形態では、非有利区間から再び有利区間に移行する際に、当該移行にかかる有利区間のAT移行モードの種類を決定し、AT期間の終了時の背景画面27e上で当該決定したAT移行モードの種類の示唆演出を行う。このようにすれば、AT期間が終了してもAT移行モードの示唆演出を確認したくなり、遊技の継続意欲が向上する。そして、有利な示唆演出が出現した場合においてもその後の遊技への継続意欲を向上させることができる。
また、AT移行モードの種類は、非有利区間で有利区間移行役(押し順AT役、共通ベル、弱レア役、強レア役)の当選時に決定するが、当選確率が高い押し順AT役の当選に基づいて有利区間に移行する場合よりも、当選確率が低い役(弱レア役、強レア役)の当選に基づいて有利区間に移行する場合の方が、有利なAT移行モードが選択され易い。この場合、遊技者は有利区間移行役の種類に着目して遊技を行うことができるため、遊技者の興趣が向上する。また、当選確率が低いレア役の場合は有利なAT移行モードが選択されるため、当選確率が低い有利区間移行役に当選したにもかかわらず何ら特典が得られないという遊技者の落胆を防止できる。
また、弱レア役よりも強レア役の場合の方が有利なAT移行モードが選択される確率が高いため、当選確率が低いレア役の当選に基づいて有利区間に移行した際の特典に関する遊技者の落胆をさらに防止できる。また、AT移行モードの示唆演出についても、弱レア役の場合や強レア役の種類に応じて多彩な示唆演出を行うことができる。
また、弱レア役や強レア役の当選に基づいて有利区間に移行した場合は、最も不利なAT移行モード(AT移行モードA)は選択されないため、レア役の当選時の特典に対する遊技者の落胆を防止できる。
また、AT期間が終了したあとは非有利区間に移行して、遊技ptカウンタ654およびCZptカウンタ655それぞれのカウント値が0にクリアされるが、非有利区間では設定示唆演出が実行される場合があるため、非有利区間での遊技意欲の向上を図ることができる。
また、設定示唆演出の発生確率や、設定示唆演出が行われる場合に設定示唆演出の内容を決定する際に使用される設定示唆演出決定テーブルの種類が、当選役の種類によって異なるため、非有利区間において遊技者は当選役の種類にも着目しながら遊技を行うことができ、興趣が向上する。
また、設定変更やホール運営開始時のように設定変更・日跨ぎフラグがONに設定されている場合とOFFに設定されている場合とで、設定示唆演出決定テーブルの種類が異なるため、状況に応じた設定示唆演出を行うことができる。例えば、この実施形態のように、設定変更・日跨ぎフラグがONに設定されている場合は、特定の設定値を否定する設定示唆演出が選択されないようにすると、ホール運営開始から早い時間で設定値が特定されてしまうのを防止できる。また、即座に設定示唆演出が発生することによる稼働の低下を防止できる。また、設定変更・日跨ぎフラグがONに設定されている場合には、一切設定示唆演出を行わないようにした場合は、ホール運営開始から早い時間における設定推測を完全にできなくすることができる。
また、押し順AT役や弱レア役の当選により有利区間に移行した場合よりも、強レア役の当選により有利区間移行した場合の方が、有利なAT移行モードが選択されやすいが、設定示唆演出の発生確率は強レア役に当選した場合よりも、押し順AT役や弱レア役に当選した場合の方が高い。したがって、押し順AT役や弱レア役に当選したことによる遊技者の落胆を防止できる。
また、強レア役の当選に基づいて設定示唆演出が行われる場合は、他の役の当選に基づいて設定示唆演出が行われる場合よりも、特定の設定値を否定する設定示唆演出が選択される確率が高いため、遊技者は強レア役の当選時の設定示唆演出に対する期待感が向上する。
また、非有利区間において、設定示唆演出と移行モード示唆演出とが同じタイミングで行われる場合があるため、遊技者は有利区間への移行にさらに面白みを感じることができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、移行モード示唆演出の内容や、設定示唆演出の内容をサブ側で決定してもよい。
また、設定変更・日跨ぎフラグがONに設定されている場合は、設定示唆演出を行わないようにしてもよい。
また、非有利区間において、非有利区間移行役の当選時には設定示唆演出を行わないようにしてもよい。
また、上記した実施形態では、遊技ptカウンタ654のカウント値が上限(天井)に到達した場合にAT期間に移行させるようにしたが、例えば、非有利区間から有利区間に移行したときに遊技ptカウンタ654のカウント値に上限(天井)を設定するようにしてもよい。この場合、遊技ポイントを獲得した際に、遊技ptカウンタ654のカウント値から獲得したポイントを減算して更新する。そして、遊技ptカウンタ654のカウント値が0になったときにAT期間に移行させる。また、CZポイントについても、初めにCZptカウンタ655に所定値(この実施形態では、15ポイント)を設定するようにしてもよい。この場合、CZポイントを獲得した際に、CZptカウンタ655のカウント値から獲得したポイントを減算して更新する。そして、CZptカウンタ655のカウント値が0になったときにCZ(チャンスゾーン)に移行させる。
なお、この実施形態では、設定変更・日跨ぎフラグの設定状態によらず、共通の設定示唆演出実行抽選テーブル(図18(a)、図19(a))を用いて設定示唆演出を実行するか否かを決定したが、設定変更・日跨ぎフラグがONに設定されている場合とOFFに設定されている場合とで異なるテーブルを用いてもよい。この場合、ONに設定されている場合はOFFに設定されている場合よりも発生確率を高くしてもよいし低くしてもよく、適宜変更可能である。
また、図19(d)の設定示唆演出決定テーブルでは、押し順AT役、共通ベル、強レア役、弱レア役で共通としたが、例えば、押し順AT役、共通ベル、弱レア役は共通の設定示唆演出決定テーブルとするが、強レア役は別の設定示唆演出決定テーブルとするなど適宜変更可能である。
本発明は、複数種類の図柄を可変表示する可変表示列を複数有する表示手段と、前記可変表示列それぞれの可変表示を停止させる停止操作手段とを備え、全ての前記可変表示列が停止したときの図柄組合せに応じて遊技媒体が払い出される遊技機に広く適用することができる。