JP7218783B1 - プレス成形割れ判定方法、プレス成形割れ判定装置及びプレス成形割れ判定プログラム、並びにプレス成形割れ抑制方法 - Google Patents

プレス成形割れ判定方法、プレス成形割れ判定装置及びプレス成形割れ判定プログラム、並びにプレス成形割れ抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属板のプレス成形において変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定し、その判定に基づいて割れ発生を抑制するプレス成形割れ判定方法、プレス成形割れ判定装置及びプレス成形割れ判定プログラム、並びにプレス成形割れ抑制方法を提供する。【解決手段】本発明に係るプレス成形割れ判定方法は、金属板のプレス成形において、金属板における変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定するものであって、金属板を圧縮変形から引張変形に変化する変形経路で変形させる基礎成形試験とそのFEM解析に基づいて、金属板の割れ発生に関する成形限界条件を導出するステップ(S10)と、導出した成形限界条件に基づいて、金属板のプレス成形において変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定するステップ(S20)と、を含むものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、金属板のプレス成形において、金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位における割れ発生の有無を判定するプレス成形割れ判定方法、プレス成形割れ判定装置及びプレス成形割れ判定プログラムと、前記判定の結果に基づいて前記割れ発生を抑制するプレス成形割れ抑制方法に関する。
近年のエネルギー・地球環境問題への対応として、自動車の燃費向上を目的とした車体の軽量化と衝突安全性の向上への要求が高まっている。これらの要求に応えるため、車体の軽量化を目的とした高強度鋼板の適用拡大が進んでいる。そして、衝突性能と車体の軽量化を両立させるべく、高張力鋼板を様々な形状の自動車部品にプレス成形する技術の開発が一層求められている。また、先進各国がガソリン車の撤廃目標を掲げるなど、動力の転換も急速に進んでおり、特に電気自動車へのシフトが顕著である。電気自動車はバッテリーを車体に積む必要があるため、今後、バッテリーケースのような金属板を深絞り加工した自動車部品の需要が急増する可能性があり、このような需要に対応するプレス成形技術の開発が急務である。
プレス成形技術の最も大きな課題として、プレス成形過程において発生する割れが挙げられる。
一般的に、プレス成形時に割れを生じさせるプレス成形の形態は、曲げ変形、伸びフランジ変形、絞り変形及び張出変形、の4種に分類できる。そして、これらのプレス成形の形態において、割れ発生の有無を予め判定する技術がいくつか提案されている。
例えば、曲げ変形における割れ発生を判定する方法として、V曲げ試験の割れ発生時における曲げ外側表面ひずみ量から曲げ割れを判定する方法が開示されている(特許文献1)。
また、伸びフランジ変形における割れ発生を判定する方法として、穴広げ試験後のせん断縁近傍におけるひずみ勾配から、伸びフランジ部の板縁割れの成形限界を算出する方法が開示されている(特許文献2)。
さらに、絞り変形及び張出変形における割れ発生の判定には、成形限界線図(Forming Limit Diagram;FLD)が広く利用されている(非特許文献1)。FLDは簡易な成形試験で得ることができるうえ、スクライブドサークルや各種ドットパターンを印字した金属板(ブランク)を用いたプレス成形品のプレス成形において、スクライブドサークルやドットパターン等の印字形状の変化に基づいて金属板におけるひずみ分布を測定することで、実際のプレス成形品での割れ発生の有無の判定に容易に適用することができる。また、多くの商用のCAE(Computer Aided Engineering)ソルバーにも、プレス成形シミュレーションで求めた結果を用いてFLDにより割れ発生の有無を判定する機能が実装されている。
特開2013-128956号公報 特開2009-204427号公報
しかしながら、FLDにより割れ発生の有無を判定することできるのは、絞り成形や張出成形において一定の変形経路で生じる割れであり、プレス成形中に変形経路が圧縮変形から引張変形へと変化する場合においては、一定の変形経路で変形する場合とは成形限界が異なるため、FLDにより割れ発生の有無を判定することが適用できないという問題があった。
また、実際のプレス成形品のプレス成形において変形経路が一次経路から二次経路へと変化する場合、一次経路と二次経路それぞれの変形パターン(圧縮変形、引張変形)の組み合わせや、一次経路から二次経路へと変化するひずみ分配比の違いにより、無数の変形経路が考えられるため、変形経路が一定の簡易な成形試験に基づいて作成したFLDを用いて割れ発生の有無を判定するのは限界があった。
さらに、プレス成形において金属板の圧縮変形中にしわが発生すると、しわの発生する箇所とその周囲の応力が変化するため、発生したしわによる成形限界への影響も考慮する必要があるが、FLDではこのような影響を考慮することはできなかった。
特に、実際の自動車車体部品のように複雑な形状のプレス成形の絞り加工によるプレス成形において変形経路が圧縮変形から引張変形に転じる場合、一次経路での圧縮変形時の圧縮変形量が大きいと、その後の二次経路での引張変形量が小さい場合でも容易に割れが発生し易くなり、FLDを用いて適切な割れ発生の有無を判定ができない場合があった。
さらに、一次経路から二次経路へと変形経路が変化するプレス成形において、割れの発生を抑制する技術が求められていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、金属板のプレス成形過程において、金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れの発生の有無を判定するプレス成形割れ判定方法、プレス成形割れ判定装置及びプレス成形割れ判定プログラムと、前記割れの発生の有無の判定に基づいて割れ発生を抑制するプレス成形割れ抑制方法を提供することを目的としている。
(1)本発明に係るプレス成形割れ判定方法は、金属板のプレス成形において、前記金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定するものであって、
成形限界条件導出ステップと、プレス成形限界判定ステップと、を含み、
前記成形限界条件導出ステップは、
前記金属板を前記変形経路で変形させる基礎成形試験を種々の成形条件で行い、該種々の成形条件について、前記金属板における前記変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を取得する基礎成形試験工程と、
前記金属板の前記基礎成形試験を解析対象とするFEM解析を前記種々の成形条件について行い、前記金属板の板厚の変化を算出する基礎成形試験FEM解析工程と、
該基礎成形試験FEM解析工程において算出した前記金属板の板厚の変化に基づいて、前記種々の成形条件について、前記変形経路の圧縮変形において前記金属板が最大板厚に至るまでの板厚の変化量である最大板厚増加量と、前記変形経路において圧縮変形から引張変形へと変化して前記金属板が最大板厚から最小板厚に至るまでの板厚の変化量である相対板厚減少量と、を基礎成形試験割れ判定パラメータとして求める基礎成形試験割れ判定パラメータ算出工程と、
前記基礎成形試験工程において前記種々の成形条件について取得した割れの発生の有無と、前記基礎成形試験割れ判定パラメータ算出工程において前記種々の成形条件について求めた基礎成形試験割れ判定パラメータと、を関連付けて、前記最大板厚増加量及び前記相対板厚減少量を各軸とする二次元座標上にプロットする基礎成形試験割れ判定パラメータプロット工程と、
該二次元座標上にプロットした割れ発生の有無の分布に基づいて、前記変形経路で前記金属板が変形する部位の割れ発生の有無を区分する成形限界線を成形限界条件として求める成形限界条件取得工程と、を有し、
前記プレス成形限界判定ステップは、
前記金属板を対象とするプレス成形のFEM解析を行うプレス成形FEM解析工程と、
該プレス成形FEM解析工程のFEM解析結果に基づき、前記金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する領域を割れ発生の有無を判定する割れ発生判定領域として設定するプレス成形割れ判定領域設定工程と、
該プレス成形割れ判定領域設定工程において設定した前記割れ発生判定領域について、前記金属板のプレス成形での圧縮変形における最大板厚増加量と、前記プレス成形での引張変形における相対板厚減少量と、をプレス成形におけるプレス成形割れ判定パラメータとして算出するプレス成形割れ判定パラメータ算出工程と、
該プレス成形割れ判定パラメータ算出工程において算出したプレス成形割れ判定パラメータと、前記成形限界条件取得工程で取得した前記成形限界条件と、を比較して前記割れ発生判定領域における割れ発生の有無を判定するプレス成形割れ発生有無判定工程と、を有することを特徴とするものである。
(2)本発明に係るプレス成形割れ判定装置は、金属板のプレス成形において、前記金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定するものであって、
成形限界条件導出ユニットと、プレス成形限界判定ユニットと、を備え、
前記成形限界条件導出ユニットは、
前記金属板を前記変形経路で変形させる基礎成形試験の種々の成形条件について取得した前記金属板における前記変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無に関する試験結果を取り込む基礎成形試験結果取込部と、
前記金属板の前記基礎成形試験を解析対象とするFEM解析を前記種々の成形条件について行い、前記金属板の板厚の変化を算出する基礎成形試験FEM解析部と、
該基礎成形試験FEM解析部により算出した前記金属板の板厚の変化に基づいて、前記種々の成形条件について、前記変形経路の圧縮変形において前記金属板が最大板厚に至るまでの板厚の変化量である最大板厚増加量と、前記変形経路において圧縮変形から引張変形へと変化して前記金属板が最大板厚から最小板厚に至るまでの板厚の変化量である相対板厚減少量と、を基礎成形試験割れ判定パラメータとして求める基礎成形試験割れ判定パラメータ算出部と、
前記基礎成形試験結果取込部により取り込んだ割れ発生の有無と、前記基礎成形試験割れ判定パラメータ算出部により求めた基礎成形試験割れ判定パラメータと、を関連付けて、前記最大板厚増加量及び前記相対板厚減少量を各軸とする二次元座標上にプロットする基礎成形試験割れ判定パラメータプロット部と、
該二次元座標上にプロットした割れ発生の有無の分布に基づいて、前記変形経路で前記金属板が変形する部位の割れ発生の有無を区分する成形限界線を成形限界条件として求める成形限界条件取得部と、を有し、
前記プレス成形限界判定ユニットは、
前記金属板を対象とするプレス成形のFEM解析を行うプレス成形FEM解析部と、
該プレス成形FEM解析部によるFEM解析結果に基づき、前記金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する領域を割れ発生の有無を判定する割れ発生判定領域として設定するプレス成形割れ判定領域設定部と、
該プレス成形割れ判定領域設定部において設定した前記割れ発生判定領域について、前記金属板のプレス成形での圧縮変形における最大板厚増加量と、前記プレス成形での引張変形における相対板厚減少量と、をプレス成形におけるプレス成形割れ判定パラメータとして求めるプレス成形割れ判定パラメータ算出部と、
該プレス成形割れ判定パラメータ算出部により算出したプレス成形割れ判定パラメータと、前記成形限界条件取得部により取得した前記成形限界条件と、を比較して前記割れ発生判定領域における割れ発生の有無を判定するプレス成形割れ発生有無判定部と、を有することを特徴とするものである。
(3)本発明に係るプレス成形割れ判定プログラムは、金属板のプレス成形において、前記金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定するものであって、
コンピュータを、成形限界条件導出ユニットと、プレス成形限界判定ユニットと、して実行させる機能を備え、
前記成形限界条件導出ユニットを、
前記金属板を前記変形経路で変形させる基礎成形試験の種々の成形条件について取得した前記金属板における前記変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無に関する試験結果を取り込む基礎成形試験結果取込部と、
前記金属板の前記基礎成形試験を解析対象とするFEM解析を前記種々の成形条件について行い、前記金属板の板厚の変化を算出する基礎成形試験FEM解析部と、
該基礎成形試験FEM解析部により算出した前記金属板の板厚の変化に基づいて、前記種々の成形条件について、前記変形経路の圧縮変形において前記金属板が最大板厚に至るまでの板厚の変化量である最大板厚増加量と、前記変形経路において圧縮変形から引張変形へと変化して前記金属板が最大板厚から最小板厚に至るまでの板厚の変化量である相対板厚減少量と、を基礎成形試験割れ判定パラメータとして求める基礎成形試験割れ判定パラメータ算出部と、
前記基礎成形試験結果取込部により取り込んだ種々の成形条件での金属板の割れ発生の有無と、前記基礎成形試験割れ判定パラメータ算出部により求めた基礎成形試験割れ判定パラメータと、を関連付けて、前記最大板厚増加量及び前記相対板厚減少量を各軸とする二次元座標上にプロットする基礎成形試験割れ判定パラメータプロット部と、
該二次元座標上にプロットした割れ発生の有無の分布に基づいて、前記変形経路で前記金属板が変形する部位の割れ発生の有無を区分する成形限界線を成形限界条件として求める成形限界条件取得部と、して実行させる機能と、
前記プレス成形限界判定ユニットを、
前記変形経路で前記金属板が変形する部位の割れ発生の有無に関する成形限界条件として求める成形限界条件取得部と、
前記金属板を対象とするプレス成形のFEM解析を行うプレス成形FEM解析部と、
該プレス成形FEM解析部によるFEM解析結果に基づき、前記金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する領域を割れ発生の有無を判定する割れ発生判定領域として設定するプレス成形割れ判定領域設定部と、
該プレス成形割れ判定領域設定部において設定した前記割れ発生判定領域について、前記金属板のプレス成形での圧縮変形における最大板厚増加量と、前記プレス成形での引張変形における相対板厚減少量と、をプレス成形におけるプレス成形割れ判定パラメータとして求めるプレス成形割れ判定パラメータ算出部と、
該プレス成形割れ判定パラメータ算出部により算出したプレス成形割れ判定パラメータと、前記成形限界条件取得部により取得した前記成形限界条件と、を比較して前記割れ発生判定領域における割れ発生の有無を判定するプレス成形割れ発生有無判定部と、して実行させる機能と、を有することを特徴とするものである。
(4)本発明に係るプレス成形割れ抑制方法は、上記(1)に記載のプレス成形割れ判定方法により、金属板のプレス成形において金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定し、該判定した結果に基づいて、プレス成形における割れ発生を抑制する成形条件を求めるものであって、
前記プレス成形割れ発生有無判定工程において前記割れ発生判定領域に割れ発生有りと判定された場合、該割れ発生判定領域に割れ発生無しと判定されるまで、前記プレス成形FEM解析工程における成形条件を変更し、前記プレス成形FEM解析工程と、前記プレス成形割れ判定領域設定工程と、前記プレス成形割れ判定パラメータ算出工程と、前記プレス成形割れ発生有無判定工程と、を繰り返し行うことを特徴とするものである。
本発明においては、金属板を圧縮変形から引張変形に変化する変形経路で変形させる基礎成形試験を行い、金属板における圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無に関する成形限界条件を導出し、導出した成形限界条件に基づいて、金属板のプレス成形において、金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定することができる。
さらに、本発明によれば、金属板のプレス成形において、前記金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生を判定し、その判定に基づいて、金属板の形状変更や金型の修正等の成形条件を変更することが可能となり、実際のプレス成形において割れの発生を抑制できる成形条件を決定するための期間を大幅に短縮することができる。
本発明の実施の形態1に係るプレス成形割れ判定方法の処理の流れを説明するフロー図である。 本発明の実施の形態1及び実施の形態2において、金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形にする部位における金属板の板厚の変化と、割れ発生の有無を判定する割れ判定パラメータとして求める最大板厚増加量及び相対板厚減少量と、を説明するグラフである。 本発明の実施の形態1及び実施の形態2において、基礎成形試験として金属板を角筒状の底付き容器に絞り加工する金型の一例を説明する図である((a)斜視図、(b)成形方向に平行な断面図、(c)成形方向に直交する断面図)。 金属板を絞り加工した角筒状の底付き柱状容器と、当該絞り加工において変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位を説明する図である。 本発明の実施の形態1及び実施の形態2において用いた金属板の形状及び寸法を説明する図である。 本発明の実施の形態1において、金属板を角筒状に絞り加工する基礎成形試験により求めた割れ発生の有無を、基礎成形試験のFEM要素解析により基礎成形試験割れ判定パラメータとして求めた最大板厚増加量及び相対板厚減少量に関連付けて二次元座標上にプロットした結果と、プロットした割れ発生の有無の分布に基づいて作成した成形限界線と、を示すグラフである。 本発明の実施の形態1に係るプレス成形割れ判定装置のブロック図である。 本発明の実施の形態2に係るプレス成形割れ抑制方法の処理の流れを説明するフロー図である。 実施例において、絞り加工に用いる金型を説明する図である((a)斜視図、(b)成形方向に平行なA-A断面図、(c)成形方向に直交する断面図、(d)成形方向に平行なB-B断面図)。 実施例において、絞り加工による成形対象とした角筒状の底付き柱状容器を説明する図である。 実施例において、絞り加工に用いた金属板を説明する図である。 実施例において、割れ判定の結果を示すグラフである(その1)。 実施例において、割れ判定結果に基づいて求めた割れ危険度を示す図である(その1)。 実施例において、割れ判定の結果を示すグラフである(その2)。 実施例において、割れ判定結果に基づいて求めた割れ危険度を示す図である(その2)。
<発明に至った経緯>
本発明の実施の形態1及び実施の形態2について説明するに先立ち、本発明を着想するに至った経緯を説明する。
発明者らは、プレス成形中に金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形へと変化する場合においては、一定の変形経路で変形する場合とは成形限界が異なる原因について鋭意検討した。そして、一次経路での圧縮変形による変形量が大きいと、その後の二次経路での引張変形による変形量が小さくても材料割れ(破断)が発生しやすいことに着目し、一次経路では圧縮変形による加工硬化が影響して材料の延性等の変形特性が低下し(ダメージを受け)、その後の二次経路での引張変形により容易に割れが発生する、とのメカニズムを推定した。
そこで、一次経路での圧縮変形による圧縮変形量と、二次経路での引張変形による引張変形量、のそれぞれを、金属板の板厚方向の真ひずみ(板厚変化量)で表すことを想到した。
図2に、金属板を圧縮変形から引張変形へと変化する変形経路で変形させた場合の板厚の変化を模式的に表した図を示す。
図2において、縦軸は圧縮変形から引張変形へと変化する変形経路での金属板の板厚方向の真ひずみ(=-ln(変形後板厚/変形前板厚))で与えられる板厚減少率、横軸は金属板の変形開始からの経過時間である。
このとき、(i)一次経路での圧縮変形による板厚方向の真ひずみεcompressionと、(ii)二次経路での引張変形による板厚方向の真ひずみεtension after compressionは、それぞれ、式(1)及び式(2)で与えられる。
Figure 0007218783000002
そして、圧縮変形と引張変形それぞれにおける真ひずみを圧縮変形量及び引張変形量として求め、これらの変形量に基づいて圧縮変形から引張変形に変化する変形経路で金属板を変形させたときの当該金属板における割れ発生の有無を判定することを着想した。
また、圧縮変形による加工硬化とその後の延性等の変形特性の低下との関係は、プレス成形に用いる金属板に固有の特性と考えられるので、実際のプレス成形の替わりに、金属板を圧縮変形から引張変形に変化する変形経路で変形させる成形試験により、金属板における割れ発生の有無を求めることを着想した。
しかし、金属板を圧縮変形から引張変形に変化する変形経路で変形させる成形試験により金属板における割れの発生の有無を求めることはできても、当該変形経路における金属板の圧縮変形による最大板厚hc及び引張変形による最小板厚htを直接実測することは困難である。
そこで、圧縮変形から引張変形に変化する変形経路での金属板の変形を再現したFEM(Finite Element Method;有限要素法)解析を行い、金属板における圧縮変形から引張変形に変化する部位に相当する要素の板厚の変化を算出し、該算出した板厚の変化から最大板厚及び最小板厚を求めることとした。
本発明は、上記の検討に基づいてなされたものであり、以下、本発明の実施の形態1及び実施の形態2について説明する。
[実施の形態1]
<プレス成形割れ判定方法>
本発明の実施の形態1に係るプレス成形割れ判定方法は、金属板のプレス成形において、金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定するものであって、図1に示すように、成形限界条件導出ステップS10と、プレス成形限界判定ステップS20と、を含む。
≪成形限界条件導出ステップ≫
成形限界条件導出ステップS10は、金属板を圧縮変形から引張変形に変化する変形経路で変形させる基礎成形試験を行い、金属板における圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無に関する成形限界条件を導出するステップであり、図1に示すように、基礎成形試験工程S11と、基礎成形試験FEM解析工程S13と、基礎成形試験割れ判定パラメータ算出工程S15と、基礎成形試験割れ判定パラメータプロット工程S17と、成形限界条件取得工程S19と、を有する。
(基礎成形試験工程)
基礎成形試験工程S11は、金属板を圧縮変形から引張変形に変化する変形経路で変形させる基礎成形試験を種々の成形条件で行い、種々の成形条件について、金属板における変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を取得する工程である。
本実施の形態1では、図3に例示するパンチ33とダイ35とブランクホルダー37とを備えた金型31を用いて、金属板(図示なし)を図4に示す角筒状の底付き柱状容器41に絞り加工する基礎成形試験を行う。底付き柱状容器41は、図4に示すように、底部43と、縦壁部45と、フランジ部47と、を有してなるものである。なお、図4は、底付き柱状容器41におけるコーナー部41aを中心とした1/4の領域を表示したものである。
底付き柱状容器41の絞り加工においては、金属板の端部をダイ35とブランクホルダー37とにより挟持しながらパンチ33をダイ35のダイ穴部35aに押し込むことで、金属板がパンチ33によりダイ穴部35aに向けて引き込まれる。これにより、金属板はダイ穴部35aに向かって流動し、ダイ穴部35aの外縁周方向に沿って圧縮変形を受ける。
そして、金属板における圧縮変形を受けた部位は、パンチ肩部33aに接してダイ穴部35aに押し込まれることで引張変形を受け、ダイ穴部35aへの引き込み後においても引張変形を受ける。
その結果、底付き柱状容器41のコーナー部41aとその周辺における縦壁部45は、圧縮変形から引張変形へと変化する変形経路で成形される。
基礎成形試験における種々の成形条件は、金属板の形状及び寸法、ブランクホルダーによる金属板のしわ押さえ力、金属板におけるダイとブランクホルダーにより挟持される部位の潤滑条件(潤滑油の種類、粘度、供給量、極圧添加剤の添加等)、金属板に付与するビード形状等を変更して適宜設定すればよい。
特に、図3に示す金型を用いて絞り加工する基礎成形試験では、金属板の形状、又は、ブランクホルダー37により金属板に付与するしわ押さえ力を変更することで、容易に成形条件を変更することができる。
本実施の形態1では、パンチ肩部33aのパンチ肩半径をR12mm、ダイ肩部35bのダイ肩半径をR5mm、コーナー部41aのコーナー半径をR25mmとした。そして、金属板には、板厚1.4mm、980MPa級の鋼板を供試材とし、図5に示す形状及び寸法の金属板51を用い、また、ブランクホルダー37によるしわ押さえ力は5~20tonfの範囲で変更して、基礎成形試験における種々の成形条件を設定した。
表1に、金属板51(図5)を角筒状の底付き柱状容器41(図4)に絞り加工する基礎成形試験における成形条件(金属板の形状・寸法及びしわ押さえ力)と、割れ発生の有無を示す。
Figure 0007218783000003
(基礎成形試験FEM解析工程)
基礎成形試験FEM解析工程S13は、金属板の基礎成形試験を解析対象とするFEM解析を種々の成形条件について行い、金属板の板厚の変化を算出する工程である。
本実施の形態1において、基礎成形試験FEM解析工程S13におけるFEM解析は、金型31(図3)用いて金属板51(図5)を角筒状の底付き柱状容器41(図4)に絞り加工する基礎成形試験を解析対象とする。そして、基礎成形試験FEM解析工程S13における成形条件は、基礎成形試験工程S11における基礎成形試験と同じ成形条件とする。
図2に、金属板における圧縮変形から引張変形に変化する部位の板厚の変化をFEM解析により算出した一例を示す。
図2に示すように、金属板は、圧縮変形する過程では板厚が増加して最大板厚hcに達し、圧縮変形後に引張変形する過程では板厚が減少する。ここで、引張変形における板厚の最小値を最小板厚htと表記する。
なお、基礎成形試験FEM解析工程S13は、基礎成形試験工程S11において割れの発生の有無を取得した金属板の部位に相当する要素の板厚の変化を算出する。
(基礎成形試験割れ判定パラメータ算出工程)
基礎成形試験割れ判定パラメータ算出工程S15は、基礎成形試験FEM解析工程S13において算出した金属板の板厚の変化に基づいて、種々の成形条件について、変形経路の圧縮変形において金属板が最大板厚hcに至るまでの板厚の変化量である最大板厚増加量と、変形経路において圧縮変形から引張変形へと変化して金属板が最大板厚hcから最小板厚htに至るまでの板厚の変化量である相対板厚減少量と、を基礎成形試験割れ判定パラメータとして算出する工程である。
基礎成形試験FEM解析工程S13において図2に示すように金属板の板厚の変化が算出されている場合、基礎成形試験割れ判定パラメータ算出工程S15は、金属板の初期の板厚h0と圧縮変形での最大板厚hcとを用いて、前述した式(1)により与えられる圧縮変形での真ひずみεcompressionを最大板厚増加量として算出し、最大板厚hcと引張変形での最小板厚htとを用いて、前述した式(2)により与えられる圧縮変形後の引張変形での真ひずみεtension after compressionを相対板厚減少量として算出する。
そして、このように算出した最大板厚増加量と相対板厚減少量とを基礎成形試験割れ判定パラメータとして取得する。
前記した表1に、金属板51(図5)を角筒状の底付き柱状容器41(図4)に絞り加工する基礎成形試験のFEM解析により、各成形条件について基礎成形試験割れ判定パラメータとして算出した最大板厚増加量及び相対板厚減少量の結果を示す。
(基礎成形試験割れ判定パラメータプロット工程)
基礎成形試験割れ判定パラメータプロット工程S17は、図6に一例として示すように、基礎成形試験工程S11において種々の成形条件について取得した割れの発生の有無と、基礎成形試験割れ判定パラメータ算出工程S15において種々の成形条件について求めた基礎成形試験割れ判定パラメータと、を関連付けて、最大板厚増加量及び相対板厚減少量を各軸とする二次元座標上にプロットする工程である。
図6において、○印のプロットは、基礎成形試験工程S11において割れ発生無しを、×印のプロットは基礎成形試験工程S11において割れ発生有りを示す。
(成形限界条件取得工程)
成形限界条件取得工程S19は、基礎成形試験割れ判定パラメータプロット工程S17において二次元座標上にプロットした割れ発生の有無の分布に基づいて、圧縮変形から引張変形に変化する変形経路で金属板が変形する部位の割れ発生の有無を区分する成形限界線を成形限界条件として取得する工程である。
図6に、成形限界条件として取得した成形限界線の一例を示す。図6に示す成形限界線は、基礎成形試験割れ判定パラメータプロット工程S17において二次元座標上にプロットした基礎成形試験割れ判定パラメータの分布に基づいて作成したものである。成形限界線は、例えば、基礎成形試験割れ判定パラメータにおいて、割れ発生有りと割れ発生なしとの境界を近似する関数式をフィッティングにより求めて作成すればよい。
本発明が対象としている、変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する成形形態における割れは、最大板厚増加量が大きい場合には相対板厚減少量の限界値は低く、逆に、最大板厚増加量が小さい場合には相対板厚減少量の限界値は大きくなる。したがって、成形限界線は、高次(例えば三次)の逆関数として定式化することができる。
具体的には、基礎成形試験割れ判定パラメータプロット工程S17においてプロットした割れ判定パラメータのうち割れ発生有りの割れ判定パラメータを抽出し、抽出した割れ判定パラメータを滑らかに結ぶ成形限界線として高次の逆関数を仮定し、抽出した割れ判定パラメータと仮定した逆関数の誤差二乗和が最小になるように逆関数の係数を決定することにより、成形限界線を作成すればよい。
ここで、成形限界線より上の領域にプロットされた割れ判定パラメータはすべて割れ発生有りでなければならないため、割れ発生有りと割れ発生なしの境界付近、すなわち、割れ発生有りの割れ判定パラメータのうち、各最大板厚増加量における最小の相対板厚減少量の割れ判定パラメータのプロットを抽出する。
図6に示す成形限界線は、式(3)に示す三次の逆関数を仮定して作成したものであり、式(3)中の各係数の値は、a=2.1×10-10、b=8.9×10-12、c=2.0、d=0、e=0.01である。
Figure 0007218783000004
≪プレス成形限界判定ステップ≫
プレス成形限界判定ステップS20は、成形限界条件導出ステップS10において導出した成形限界条件に基づいて、金属板のプレス成形において、金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定するステップであり、図1に示すように、プレス成形FEM解析工程S21と、プレス成形割れ判定領域設定工程S23と、プレス成形割れ判定パラメータ算出工程S25と、プレス成形割れ発生有無判定工程S27と、を有する。
(プレス成形FEM解析工程)
プレス成形FEM解析工程S21は、金属板を対象とするプレス成形のFEM解析を行う工程である。
プレス成形FEM解析工程S21におけるFEM解析により、プレス成形において金属板に生じるひずみ、応力及び板厚等の変化をFEM解析に用いる要素ごとに求めることができる。
(プレス成形割れ判定領域設定工程)
プレス成形割れ判定領域設定工程S23は、プレス成形FEM解析工程S21におけるFEM解析結果に基づき、金属板のプレス成形における変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する領域を割れ発生の有無を判定する割れ発生判定領域として設定する工程である。
プレス成形割れ判定領域設定工程S23は、例えば、プレス成形FEM解析工程S21のFEM解析により要素ごとに求めたひずみに基づいて、プレス成形過程における最小主ひずみを最大主ひずみで除したひずみ比が負(圧縮)から正(引張)に変化する要素を、プレス成形における割れ発生の有無を判定する割れ判定領域として設定する。
(プレス成形割れ判定パラメータ算出工程)
プレス成形割れ判定パラメータ算出工程S25は、プレス成形FEM解析工程S21におけるFEM解析結果に基づいて、プレス成形割れ判定領域設定工程S23において設定した割れ発生判定領域について、圧縮変形において最大板厚に至るまでの板厚の変化量である最大板厚増加量と、圧縮変形から引張変形へと変化して最大板厚から最小板厚い至るまでの板厚の変化量である相対板厚減少量と、をプレス成形割れ判定パラメータとして求める工程である。
本実施の形態では、金属板の初期の板厚h0と圧縮変形での最大板厚hcとを用いて、前述した式(1)により与えられる圧縮変形での真ひずみεcompressionを最大板厚増加量として算出し、最大板厚hcと引張変形での最小板厚htとを用いて、前述した式(2)により与えられる圧縮変形後の引張変形での真ひずみεtension after compressionを相対板厚減少量として算出する。
(プレス成形割れ発生有無判定工程)
プレス成形割れ発生有無判定工程S27は、プレス成形割れ判定パラメータ算出工程S25において算出したプレス成形割れ判定パラメータと、成形限界条件取得工程S19において取得した成形限界条件と、を比較し、割れ発生判定領域の割れ発生の有無を判定する工程である。
プレス成形割れ発生有無判定工程S27において、割れ発生判定領域の割れ発生の有無は、具体的には、以下のとおり行う。
まず、プレス成形割れ判定パラメータ算出工程S25で求めたプレス成形割れ判定パラメータを、最大板厚増加量と相対板厚減少量を縦軸と横軸とする二次元座標上にプロットする。
次に、プレス成形割れ判定パラメータをプロットした二次元座標上に、成形限界条件導出ステップS10の成形限界条件取得工程S19で成形限界条件として取得した成形限界線を描く。
そして、プロットしたプレス成形割れ判定パラメータが成形限界線を超えない、すなわち、プレス成形の最大板厚増加量に対応する成形限界条件の相対板厚減少量よりもプレス成形の相対板厚減少量が小さい、のであれば割れの発生なしと判定する。
これに対し、プレス成形割れ判定パラメータが成形限界線を超える、すなわち、プレス成形の最大板厚増加量に対応する成形限界条件の相対板厚減少量よりもプレス成形の相対板厚減少量が大きい、のであれば割れ有り、と判定する。
以上、本発明の実施の形態1に係るプレス成形割れ判定方法によれば、金属板を圧縮変形から引張変形に変化する変形経路で変形させる基礎成形試験とそのFEM解析とにより、金属板における圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無に関する成形限界条件を導出し、導出した成形限界条件に基づいて、金属板のプレス成形において金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定することができる。
なお、本実施の形態1に係るプレス成形割れ判定方法は、金属板の基礎成形試験として図3に示す金型31を用いて、金属板を図4に示す角筒状の底付き柱状容器41に絞り加工を行うものであったが、このような金属板の絞り加工において、ダイ穴部35aの外縁に沿った方向に圧縮変形し、その後、ダイ穴部35aに金属板が押し込まれる方向に引張変形しているため、一次経路での圧縮変形の方向と、二次経路での引張変形の方向とが一致していない。
金属板における圧縮変形から引張変形へと変化する変形経路で変形する部位の割れは、一次経路での圧縮変形による加工硬化と、その後の二次経路での引張変形が関係すると考えられるため、本発明に係るプレス成形限界線取得方法での基礎成形試験は前述した絞り加工のように、一次経路での圧縮方向と、二次経路での引張方向とを必ずしも一致させる必要はない。
そのため、基礎成形試験工程S11における基礎成形試験は、圧縮方向と引張方向が一致する単軸圧縮引張試験に限らず、本実施の形態で述べたように、圧縮方向と引張方向が一致しない絞り加工でもよい。
もっとも、金属板の面内で圧縮変形から引張変形に反転する単軸圧縮引張試験では、金属板の圧縮変形中に座屈が発生するため、金属板に付与できる圧縮変形量は狭い範囲に留まる。
これに対し、絞り加工では、金属板を圧縮変形させる一次経路において大きな圧縮変形量を付与することができ、また、その後の二次経路においても大きな引張変形を与えることができる。これにより、絞り加工による基礎成形試験では、圧縮変形における最大板厚増加量と圧縮変形後の引張変形における相対板厚減少量とを広い範囲で求めることができるため、割れ発生の有無を区分する成形限界線を広い範囲で作成することができ、成形限界線の精度を高めるとともに適用可能な成形限界条件を広範囲とすることができる。
絞り加工による基礎成形試験では、金属板のダイ穴部35a(図3参照)に向かう材料流動の流入抵抗を変更することで、成形条件を変更することができる。そして、基礎成形試験での成形条件を変更することで、圧縮変形による最大板厚増加量と引張変形による相対板厚減少量とを変更することができる。
例えば、金型31を用いて金属板を絞り加工する基礎成形試験において、金属板のダイ穴部35aに向かう材料流動の流入抵抗を高くする成形条件とするには、金属板の寸法を大きくする、ブランクホルダー37によるしわ押さえ力を大きくする、金属板とダイ35及びブランクホルダー37との摩擦係数が高い潤滑条件とする、金属板にビード形状を付与する、等を行えばよい。
そして、材料流動の流入抵抗を高くする成形条件では、金属板のダイ穴部35aに向かう流動が抑制されることで、金属板におけるダイ穴部35aの外縁周方向の圧縮変形が緩和されるので、最大板厚増加量は小さくなる。さらに、ダイ穴部35aに引き込まれる材料流動が減少することで、絞り加工による金属板の引張変形が大きくなり、相対板厚減少量は大きくなる。
なお、金属板の絞り加工では、フランジ部にしわが発生すると当該発生したしわが過剰な絞り力を誘発して金属板の破断(割れ)の原因となる可能性がある。このような金属板の割れは、本発明で対象とする圧縮変形から引張変形へと変形経路が変化する部位での割れとは異なるため、割れ発生の有無を適正に判定することができない。そのため、金属板の絞り加工により基礎成形試験を行う場合においては、図3に示すように、ブランクホルダー37を用いてしわの発生を防ぐことが好ましい。
また、図3に示すような金型31により絞り加工する場合、ダイ肩部35bのダイ肩半径が金属板の板厚に比べて小さいと、圧縮変形後の引張変形での板厚減少が急激に促進されて割れに至るので、割れ発生の有無の適正な判定を行うことができない。そのため、ダイ35のダイ肩半径は、金属板の板厚の数倍以上とするのが好ましい。
なお、絞り加工による基礎成形試験では、前述した図3に示す金型31を用いて角筒の底付き柱状容器41を成形するものに限らず円筒状の底付き柱状容器(図示なし)を絞り加工するものであってもよい。
なお、上記の説明において、基礎成形試験割れ判定パラメータ算出工程S15は、一例として、式(1)で与えられる圧縮変形での真ひずみεcompressionを最大板厚増加量として求め、式(2)で与えられる真ひずみεtension after compressionを相対板厚減少量として求めるものであった。
もっとも、本発明において、基礎成形試験割れ判定パラメータ又はプレス成形割れ判定パラメータとして求める最大板厚増加量及び相対板厚減少量は、例えば、圧縮変形及び圧縮変形後の引張変形における真ひずみから変換される公称ひずみや、圧縮変形での板厚方向の真ひずみをプラスとし、引張変形での板厚方向の真ひずみをマイナスとして算出したものであってもよい。
また、本発明に係るプレス成形割れ判定方法は、金属板が2工程以上の複数工程でプレス成形される場合であっても、複数工程の全ての工程又はいずれかの工程について、プレス成形限界判定ステップを実行することにより、複数工程でのプレス成形において変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定することができる。
例えば、第一の工程では金属板を中間成形品にプレス成形し、続く第二の工程では中間成形品を目標形状のプレス成形品にプレス成形する場合、第二の工程についてのプレス成形限界判定ステップは、金属板の変わりに中間成形品を対象として、プレス成形FEM解析工程と、プレス成形割れ判定領域設定工程と、プレス成形割れ判定パラメータ算出工程と、プレス成形割れ発生有無判定工程と、を実行すればよい。
<プレス成形割れ判定装置>
本発明の実施の形態1に係るプレス成形割れ判定装置1は、金属板のプレス成形において、金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定するものであって、図7に示すように、成形限界条件導出ユニット10と、プレス成形限界判定ユニット20と、を備える。
プレス成形割れ判定装置1は、コンピュータ(PC等)のCPU(中央演算処理装置)によって構成されたものであってもよい。この場合、上記の各ユニットは、コンピュータのCPUが所定のプログラムを実行することによって機能する。
≪成形限界条件導出ユニット≫
成形限界条件導出ユニット10は、金属板を圧縮変形から引張変形に変化する変形経路で変形させる基礎成形試験を行い、金属板における圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無に関する成形限界条件を導出するものであり、図7に示すように、基礎成形試験結果取込部11と、基礎成形試験FEM解析部13と、基礎成形試験割れ判定パラメータ算出部15と、基礎成形試験割れ判定パラメータプロット部17と、成形限界条件取得部19と、を有する。
(基礎成形試験結果取込部)
基礎成形試験結果取込部11は、金属板を圧縮変形から引張変形に変化する変形経路で変形させる基礎成形試験の種々の成形条件について取得した金属板における変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無に関する試験結果を取り込むものである。
金属板における変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無は、例えば、前述した実施の形態1に係るプレス成形割れ判定方法の基礎成形試験工程S11と同様の手順で金属板の基礎成形試験を予め行って取得する。
(基礎成形試験FEM解析部)
基礎成形試験FEM解析部13は、金属板の基礎成形試験を解析対象とするFEM解析を種々の成形条件について行い、金属板の板厚の変化を算出するものである。
基礎成形試験FEM解析部13によるFEM解析では、基礎成形試験結果取込部11により取り込んだ割れ発生の有無を取得した基礎成形試験の種々の成形条件と同一の成形条件とする。
(基礎成形試験割れ判定パラメータ算出部)
基礎成形試験割れ判定パラメータ算出部15は、基礎成形試験FEM解析工程S13において算出した金属板の板厚の変化に基づいて、種々の成形条件について、変形経路の圧縮変形において金属板が最大板厚hcに至るまでの板厚の変化量である最大板厚増加量と、変形経路において圧縮変形から引張変形へと変化して金属板が最大板厚hcから最小板厚htに至るまでの板厚の変化量である相対板厚減少量と、を基礎成形試験割れ判定パラメータとして算出するものである。
(基礎成形試験割れ判定パラメータプロット部)
基礎成形試験割れ判定パラメータプロット部17は、図6に一例として示すように、基礎成形試験結果取込部11により取り込んだ種々の成形条件での金属板の割れ発生の有無と、基礎成形試験割れ判定パラメータ算出部15により種々の成形条件について求めた基礎成形試験割れ判定パラメータと、を関連付けて、最大板厚増加量及び相対板厚減少量を各軸とする二次元座標上にプロットするものである。
(成形限界条件取得部)
成形限界条件取得部19は、基礎成形試験割れ判定パラメータプロット部17により二次元座標上にプロットした割れ発生の有無の分布に基づいて、圧縮変形から引張変形に変化する変形経路で金属板が変形する部位の割れ発生の有無を区分する成形限界線を成形限界条件として取得するものである。
≪プレス成形限界判定ユニット≫
プレス成形限界判定ユニット20は、成形限界条件導出ユニット10により導出した成形限界条件に基づいて、金属板のプレス成形において、金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定するステップであり、図7に示すように、プレス成形FEM解析部21と、プレス成形割れ判定領域設定部23と、プレス成形割れ判定パラメータ算出部25と、プレス成形割れ発生有無判定部27と、を有する。
(プレス成形FEM解析部)
プレス成形FEM解析部21は、金属板を対象とするプレス成形のFEM解析を行うものである。
プレス成形FEM解析部21におけるFEM解析は、前述した実施の形態1のプレス成形FEM解析工程S21と同様に、プレス成形において金属板に生じるひずみ、応力及び板厚等の変化をFEM解析に用いる要素ごとに求める。
(プレス成形割れ判定領域設定部)
プレス成形割れ判定領域設定部23は、プレス成形FEM解析部21によるFEM解析結果に基づき、金属板のプレス成形における変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する領域を割れ発生の有無を判定する割れ発生判定領域として設定するものである。
プレス成形割れ判定領域設定部23は、例えば、プレス成形FEM解析部21によるFEM解析において要素ごとに求めたひずみに基づいて、最小主ひずみを最大主ひずみで除したひずみ比が負(圧縮)から正(引張)に変化する要素を、プレス成形における割れ発生の有無を判定する割れ判定領域として設定することができる。
(プレス成形割れ判定パラメータ算出部)
プレス成形割れ判定パラメータ算出部25は、プレス成形FEM解析部21によるFEM解析結果に基づいて、プレス成形割れ判定領域設定部23により設定した割れ発生判定領域について、圧縮変形において最大板厚に至るまでの板厚の変化量である最大板厚増加量と、圧縮変形から引張変形へと変化して最大板厚から最小板厚に至るまでの板厚の変化量である相対板厚減少量と、をプレス成形割れ判定パラメータとして求めるものである。
(プレス成形割れ発生有無判定部)
プレス成形割れ発生有無判定部27は、プレス成形割れ判定パラメータ算出部25により算出したプレス成形割れ判定パラメータと、成形限界条件導出ユニット10により導出した成形限界条件と、を比較し、割れ発生判定領域の割れ発生の有無を判定するものである。
<プレス成形割れ判定プログラム>
本発明の実施の形態1は、コンピュータによって構成されたプレス成形割れ判定装置1の各部を機能させるプレス成形割れ判定プログラムとして構成することができる。
すなわち、本発明の実施の形態1に係るプレス成形割れ判定プログラムは、金属板のプレス成形において、前記金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定するものであって、コンピュータを、図7に一例として示すような、成形限界条件導出ユニット10と、プレス成形限界判定ユニット20と、して実行させる機能を有するものである。
そして、プレス成形割れ判定プログラムは、図7に示すように、成形限界条件導出ユニット10を、基礎成形試験結果取込部11と、基礎成形試験FEM解析部13と、基礎成形試験割れ判定パラメータ算出部15と、基礎成形試験割れ判定パラメータプロット部17と、成形限界条件取得部19と、して実行させる機能と、プレス成形限界判定ユニット20を、プレス成形FEM解析部21と、プレス成形割れ判定領域設定部23と、プレス成形割れ判定パラメータ算出部25と、プレス成形割れ発生有無判定部27と、して実行させる機能と、を有する。
以上、本発明の実施の形態1に係るプレス成形割れ判定装置及びプレス成形割れ判定プログラムによれば、金属板における圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無に関する成形限界条件を取得し、取得出した成形限界条件に基づいて、金属板のプレス成形において金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定することができる。
[実施の形態2]
<プレス成形割れ抑制方法>
本発明の実施の形態2に係るプレス成形割れ抑制方法は、前述した本発明の実施の形態1に記載のプレス成形割れ判定方法により、金属板のプレス成形において金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定し、該判定した結果に基づいて、プレス成形における割れ発生を抑制する成形条件を求めるものである。以下、本実施の形態2に係るプレス成形割れ抑制方法について、図8に基づいて説明する。
本実施の形態2では、まず、実施の形態1に係るプレス成形割れ判定方法の基礎成形試験工程S11(図1)と同様に、金属板を圧縮変形から引張変形に変化する変形経路で変形させる基礎成形試験を種々の成形条件で行い、種々の成形条件について、金属板における変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を取得することで、金属板の成形限界を調査する(S31)。
続いて、実施の形態1に係るプレス成形割れ判定方法の基礎成形試験FEM解析工程S13(図1)と同様に、金属板の基礎成形試験を対象としたFEM解析を行い、基礎成形試験割れ判定パラメータを算出する(S33)。基礎成形試験割れ判定パラメータは、前述した実施の形態1の基礎成形試験割れ判定パラメータ算出工程S15(図1)と同様に算出すればよい。
続いて、実施の形態1に係るプレス成形割れ判定方法の基礎成形試験割れ判定パラメータプロット工程S17と成形限界条件取得工程S19の手順(図1)と同様に、金属板の基礎成形試験により求めた成形限界と、基礎成形試験のFEM解析により算出した基礎成形試験割れ判定パラメータと、の関係から、成形限界線を作成する(S35)。
そして、作成した成形限界線から、成形可能領域を決定する(S37)。
成形可能領域とは、図6に一例として示す二次元座標上において、成形限界線よりも相対板厚減少量が小さい領域である。
次に、金属板のプレス成形によるプレス成形品の暫定成形仕様を設定する(S41)。
続いて、設定した暫定成形仕様でのプレス成形品のプレス成形のFEM解析を行い、プレス成形におけるプレス成形割れ判定パラメータを算出する(S43)。プレス成形割れ判定パラメータの算出は、実施の形態1に係るプレス成形割れ判定方法のプレス成形FEM解析工程S21と、プレス成形割れ判定領域設定工程S23と、プレス成形割れ判定パラメータ算出工程S25と、同様(図1)の手順に行う。
そして、暫定成形仕様でのプレス成形のFEM解析により算出したプレス成形品のプレス成形割れ判定パラメータが、金属板の基礎成形試験により決定した成形可能領域内であるか否かを判定する(S51)。
成形可能領域内でないと判定された場合、暫定成形仕様を変更し(S53)、変更した暫定成形仕様でのプレス成形品のプレス成形割れ判定パラメータを再度算出する(S43)。
暫定成形仕様の変更は、例えば、ブランク形状や成形条件を変化させる。成形条件としては、例えば、絞り加工を行う場合においては、ブランクホルダーのしわ押さえ力を増加させると、金属板におけるフランジ部に相当する部位からの材料流入抵抗が増加する。その結果、圧縮変形での最大板厚増加量が減少し、引張変形での相対板厚減少量が増加する。そして、最大板厚増加量が小さい方が、相対板厚減少量の限界値が増加するため、割れ抑制に効果的である。
そして、成形可能領域内であると判定された場合、成形可能領域内であると判定されたときのプレス成形品の暫定成形仕様を成形仕様として決定する(S61)。
以上、本実施の形態2に係るにプレス成形割れ抑制方法によれば、金属板のプレス成形において、前記金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生を判定し、該判定に基づいて、金属板の形状変更や金型の修正等の成形条件を変更することが可能となり、実際のプレス加工の成形条件を試行錯誤により決定する期間を大幅に短縮することができる
なお、上記の本発明の実施の形態1及び実施の形態2に係る説明は、980MPa級鋼板を金属板の供試材とした場合の結果であるが、本発明は、金属板の材料強度や板厚を限定するものではなく、金属板の材質についても鋼板に限らず、その他の金属材料であってもよい。
本発明に係るプレス成形割れ判定方法及びプレス成形割れ抑制方法の作用効果を検証する実験及び解析を行ったので、以下、これについて説明する。
本実施例では、金属板を圧縮変形から引張変形に変化する変形経路で変形させる基礎成形試験とそのFEM解析とにより導出した成形限界条件に基づいて、絞り加工によりプレス成形した部品の割れ発生の判定と、その抑制について検証した。
まず、実施の形態1で述べたように、図3を用いて金属板を角筒状の底付き柱状容器41に絞り加工する基礎成形試験とそのFEM解析を行い、図6に示したように、金属板における圧縮変形から引張変形に変化する変形経路で変形される部位における割れ発生に関する成形限界条件として成形限界線を取得した。ここで、金属板は、引張強度980MPa級、板厚1.4mmの鋼板を供試材とした。
本実施例では、実施の形態1で説明した式(3)に示す三次の逆関数で表される成形限界線を取得し、式(3)中の係数a~eは前述した値とした。
次に、図9に示す金型61を用いて、図10に示す底部73と縦壁部75とフランジ部77とを有してなる自動車のバッテリーケースを模した部品71を絞り加工するプレス成形過程のFEM解析を行い、部品71における割れ発生の有無を判定した。なお、FEM解析を行った部品71は、図10に示すように、部品形状の対称性から上面視においてコーナー部71aを中心とした1/4の領域を解析対象としたものである。
部品71の絞り加工には、図11に示す形状の金属板81を用い、基礎成形試験と同様に、引張強度980MPa級、板厚1.4mmの鋼板を供試材とした。
金型61は、パンチ63と、ダイ65と、ブランクホルダー67と、を備えたものであり、パンチ肩部63aのパンチ肩半径をR15mm、ダイ65のダイ肩部65bのダイ肩半径をR8mmとした。また、ブランクホルダー67による金属板81(図11)のしわ押さえ力は5tonfとした。
部品71の絞り加工においては、コーナー部71aにおける縦壁部75は圧縮変形から引張変形に変化する変形経路で変形して成形される部位であるため、割れ発生有無の判定対象とする領域とした。
図12に、金型61を用いて部品71を絞り加工するFEM解析により縦壁部75の要素ごとに算出したプレス成形割れ判定パラメータと、基礎成形試験により求めた成形限界線と、を併せて示す。
さらに、算出したプレス成形割れ判定パラメータの成形限界に対する比率(以下、「割れ危険度」という)を算出し、部品71上に表示したコンター図を図13に示す。ここで、割れ危険度とは、縦壁部75の各要素について算出したプレス成形割れ判定パラメータの相対板厚減少量の、プレス成形割れ判定パラメータの最大板厚増加量に対応する成形限界線の相対板厚減少量の値に対する比である。割れ危険度が1.0を超えると、プレス成形の最大板厚増加量に対する成形限界条件の相対板厚減少量よりもプレス成形の相対板厚減少量が大きいので、割れが発生すると判定されたことを示す。また、割れ危険度の値が1.0未満であっても0.8~1.0の範囲で高いと、割れが発生しやすいことを示す。
図12より、部品71の縦壁部75について算出したプレス成形割れ判定パラメータの中には、成形限界線よりも相対板厚減少量が大きい領域にプロットされたものがあることから、縦壁部75においては割れが発生する部位が存在すると判定される。
また、図13より、コーナー部71aにおける縦壁部75同士の稜線のフランジ部77側(図13のP部)では、割れ危険度の値が0.8を超えて高く、割れが発生しやすいことが分かる。
つぎに、図12及び図13に示すように判定された割れパラメータに基づいて、部品71の絞り加工において割れ発生が生じないようにブランクホルダー67によるしわ押さえ力を5tonfから20tonfに変更しFEM解析を行い、プレス成形割れ判定パラメータを算出した。
図14に、算出したプレス成形割れ判定パラメータを最大板厚増加量と相対板厚減少量の二次元座標上にプロットしたグラフを示す。さらに、図15に、算出した割れ判定パラメータを用いて求めた割れ危険度を部品71に表示したコンター図を示す。
図14に示すように、成形限界線よりも相対板厚減少量が小さい領域にプレス成形割れ判定パラメータがプロットされていることから、縦壁部75における割れを抑制できたといえる。
さらに、図15に示すように、図13において縦壁部75における割れ危険度の高かったP部の割れ危険度が低下しており、図14に示す結果と同様、縦壁部75における割れを抑制できたことが示された。
このように、ブランクホルダー67による金属板81のしわ押さえ力を大きくすると、金属板81におけるフランジ部77に相当する部位からダイ穴部65a(図12)への材料流入抵抗が増加することで、金属板81の圧縮変形での最大板厚増加量が減少し、圧縮変形した後の引張変形での相対板厚減少量が増加する。そして、最大板厚増加量の絶対値が小さい方が、板厚限界線における相対板厚減少量の値が大きいため、プレス成形過程における割れの発生を抑制することができたと考えられる。
以上、本発明に係るプレス成形割れ判定方法によれば、金属板のプレス成形において、金属板を圧縮変形から引張変形に変化する変形経路で変形する部位の割れ発生の有無を判定することができた。
さらに、本発明に係るプレス成形割れ抑制方法によれば、金属板のプレス成形において、前記金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生を判定し、その判定に基づいて成形条件を変更することにより、プレス成形における割れの発生を抑制することができる成形条件を決定できることが示された。
1 プレス成形割れ判定装置
10 成形限界条件導出ユニット
11 基礎成形試験結果取込部
13 基礎成形試験FEM解析部
15 基礎成形試験割れ判定パラメータ算出部
17 基礎成形試験割れ判定パラメータプロット部
19 成形限界条件取得部
20 プレス成形限界判定ユニット
21 プレス成形FEM解析部
23 プレス成形割れ判定領域設定部
25 プレス成形割れ判定パラメータ算出部
27 プレス成形割れ発生有無判定部
31 金型
33 パンチ
33a パンチ肩部
35 ダイ
35a ダイ穴部
35b ダイ肩部
37 ブランクホルダー
41 底付き柱状容器
41a コーナー部
43 底部
45 縦壁部
47 フランジ部
51 金属板
61 金型
63 パンチ
63a パンチ肩部
65 ダイ
65a ダイ穴部
65b ダイ肩部
67 ブランクホルダー
71 部品
71a コーナー部
73 底部
75 縦壁部
77 フランジ部
81 金属板

Claims (4)

  1. 金属板のプレス成形において、前記金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定するプレス成形割れ判定方法であって、
    成形限界条件導出ステップと、プレス成形限界判定ステップと、を含み、
    前記成形限界条件導出ステップは、
    前記金属板を前記変形経路で変形させる基礎成形試験を種々の成形条件で行い、該種々の成形条件について、前記金属板における前記変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を取得する基礎成形試験工程と、
    前記金属板の前記基礎成形試験を解析対象とするFEM解析を前記種々の成形条件について行い、前記金属板の板厚の変化を算出する基礎成形試験FEM解析工程と、
    該基礎成形試験FEM解析工程において算出した前記金属板の板厚の変化に基づいて、前記種々の成形条件について、前記変形経路の圧縮変形において前記金属板が最大板厚に至るまでの板厚の変化量である最大板厚増加量と、前記変形経路において圧縮変形から引張変形へと変化して前記金属板が最大板厚から最小板厚に至るまでの板厚の変化量である相対板厚減少量と、を基礎成形試験割れ判定パラメータとして求める基礎成形試験割れ判定パラメータ算出工程と、
    前記基礎成形試験工程において前記種々の成形条件について取得した割れの発生の有無と、前記基礎成形試験割れ判定パラメータ算出工程において前記種々の成形条件について求めた基礎成形試験割れ判定パラメータと、を関連付けて、前記最大板厚増加量及び前記相対板厚減少量を各軸とする二次元座標上にプロットする基礎成形試験割れ判定パラメータプロット工程と、
    該二次元座標上にプロットした割れ発生の有無の分布に基づいて、前記変形経路で前記金属板が変形する部位の割れ発生の有無を区分する成形限界線を成形限界条件として求める成形限界条件取得工程と、を有し、
    前記プレス成形限界判定ステップは、
    前記金属板を対象とするプレス成形のFEM解析を行うプレス成形FEM解析工程と、
    該プレス成形FEM解析工程のFEM解析結果に基づき、前記金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する領域を割れ発生の有無を判定する割れ発生判定領域として設定するプレス成形割れ判定領域設定工程と、
    該プレス成形割れ判定領域設定工程において設定した前記割れ発生判定領域について、前記金属板のプレス成形での圧縮変形における最大板厚増加量と、前記プレス成形での引張変形における相対板厚減少量と、をプレス成形におけるプレス成形割れ判定パラメータとして算出するプレス成形割れ判定パラメータ算出工程と、
    該プレス成形割れ判定パラメータ算出工程において算出したプレス成形割れ判定パラメータと、前記成形限界条件取得工程で取得した前記成形限界条件と、を比較して前記割れ発生判定領域における割れ発生の有無を判定するプレス成形割れ発生有無判定工程と、を有することを特徴とするプレス成形割れ判定方法。
  2. 金属板のプレス成形において、前記金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定するプレス成形割れ判定装置であって、
    成形限界条件導出ユニットと、プレス成形限界判定ユニットと、を備え、
    前記成形限界条件導出ユニットは、
    前記金属板を前記変形経路で変形させる基礎成形試験の種々の成形条件について取得した前記金属板における前記変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無に関する試験結果を取り込む基礎成形試験結果取込部と、
    前記金属板の前記基礎成形試験を解析対象とするFEM解析を前記種々の成形条件について行い、前記金属板の板厚の変化を算出する基礎成形試験FEM解析部と、
    該基礎成形試験FEM解析部により算出した前記金属板の板厚の変化に基づいて、前記種々の成形条件について、前記変形経路の圧縮変形において前記金属板が最大板厚に至るまでの板厚の変化量である最大板厚増加量と、前記変形経路において圧縮変形から引張変形へと変化して前記金属板が最大板厚から最小板厚に至るまでの板厚の変化量である相対板厚減少量と、を基礎成形試験割れ判定パラメータとして求める基礎成形試験割れ判定パラメータ算出部と、
    前記基礎成形試験結果取込部により取り込んだ割れ発生の有無と、前記基礎成形試験割れ判定パラメータ算出部により求めた基礎成形試験割れ判定パラメータと、を関連付けて、前記最大板厚増加量及び前記相対板厚減少量を各軸とする二次元座標上にプロットする基礎成形試験割れ判定パラメータプロット部と、
    該二次元座標上にプロットした割れ発生の有無の分布に基づいて、前記変形経路で前記金属板が変形する部位の割れ発生の有無を区分する成形限界線を成形限界条件として求める成形限界条件取得部と、を有し、
    前記プレス成形限界判定ユニットは、
    前記金属板を対象とするプレス成形のFEM解析を行うプレス成形FEM解析部と、
    該プレス成形FEM解析部によるFEM解析結果に基づき、前記金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する領域を割れ発生の有無を判定する割れ発生判定領域として設定するプレス成形割れ判定領域設定部と、
    該プレス成形割れ判定領域設定部において設定した前記割れ発生判定領域について、前記金属板のプレス成形での圧縮変形における最大板厚増加量と、前記プレス成形での引張変形における相対板厚減少量と、をプレス成形におけるプレス成形割れ判定パラメータとして求めるプレス成形割れ判定パラメータ算出部と、
    該プレス成形割れ判定パラメータ算出部により算出したプレス成形割れ判定パラメータと、前記成形限界条件取得部により取得した前記成形限界条件と、を比較して前記割れ発生判定領域における割れ発生の有無を判定するプレス成形割れ発生有無判定部と、を有することを特徴とするプレス成形割れ判定装置。
  3. 金属板のプレス成形において、前記金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定するプレス成形割れ判定プログラムであって、
    コンピュータを、成形限界条件導出ユニットと、プレス成形限界判定ユニットと、して実行させる機能を備え、
    前記成形限界条件導出ユニットを、
    前記金属板を前記変形経路で変形させる基礎成形試験の種々の成形条件について取得した前記金属板における前記変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無に関する試験結果を取り込む基礎成形試験結果取込部と、
    前記金属板の前記基礎成形試験を解析対象とするFEM解析を前記種々の成形条件について行い、前記金属板の板厚の変化を算出する基礎成形試験FEM解析部と、
    該基礎成形試験FEM解析部により算出した前記金属板の板厚の変化に基づいて、前記種々の成形条件について、前記変形経路の圧縮変形において前記金属板が最大板厚に至るまでの板厚の変化量である最大板厚増加量と、前記変形経路において圧縮変形から引張変形へと変化して前記金属板が最大板厚から最小板厚に至るまでの板厚の変化量である相対板厚減少量と、を基礎成形試験割れ判定パラメータとして求める基礎成形試験割れ判定パラメータ算出部と、
    前記基礎成形試験結果取込部により取り込んだ種々の成形条件での金属板の割れ発生の有無と、前記基礎成形試験割れ判定パラメータ算出部により求めた基礎成形試験割れ判定パラメータと、を関連付けて、前記最大板厚増加量及び前記相対板厚減少量を各軸とする二次元座標上にプロットする基礎成形試験割れ判定パラメータプロット部と、
    該二次元座標上にプロットした割れ発生の有無の分布に基づいて、前記変形経路で前記金属板が変形する部位の割れ発生の有無を区分する成形限界線を成形限界条件として求める成形限界条件取得部と、して実行させる機能と、
    前記プレス成形限界判定ユニットを、
    前記変形経路で前記金属板が変形する部位の割れ発生の有無に関する成形限界条件として求める成形限界条件取得部と、
    前記金属板を対象とするプレス成形のFEM解析を行うプレス成形FEM解析部と、
    該プレス成形FEM解析部によるFEM解析結果に基づき、前記金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する領域を割れ発生の有無を判定する割れ発生判定領域として設定するプレス成形割れ判定領域設定部と、
    該プレス成形割れ判定領域設定部において設定した前記割れ発生判定領域について、前記金属板のプレス成形での圧縮変形における最大板厚増加量と、前記プレス成形での引張変形における相対板厚減少量と、をプレス成形におけるプレス成形割れ判定パラメータとして求めるプレス成形割れ判定パラメータ算出部と、
    該プレス成形割れ判定パラメータ算出部により算出したプレス成形割れ判定パラメータと、前記成形限界条件取得部により取得した前記成形限界条件と、を比較して前記割れ発生判定領域における割れ発生の有無を判定するプレス成形割れ発生有無判定部と、して実行させる機能と、を有することを特徴とするプレス成形割れ判定プログラム。
  4. 請求項1に記載のプレス成形割れ判定方法により、金属板のプレス成形において金属板の変形経路が圧縮変形から引張変形に変化する部位の割れ発生の有無を判定し、該判定した結果に基づいて、プレス成形における割れ発生を抑制する成形条件を求めるプレス成形割れ抑制方法であって、
    前記プレス成形割れ発生有無判定工程において前記割れ発生判定領域に割れ発生有りと判定された場合、該割れ発生判定領域に割れ発生無しと判定されるまで、前記プレス成形FEM解析工程における成形条件を変更し、前記プレス成形FEM解析工程と、前記プレス成形割れ判定領域設定工程と、前記プレス成形割れ判定パラメータ算出工程と、前記プレス成形割れ発生有無判定工程と、を繰り返し行うことを特徴とするプレス成形割れ抑制方法。
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