JP7218337B2 - メタルコンポジットコア及びメタルコンポジットコアの製造方法 - Google Patents

メタルコンポジットコア及びメタルコンポジットコアの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁性粉末と樹脂とを混合して成る複合磁性材料、この複合磁性材料を用いたメタルコンポジットコア及び複合磁性材料の製造方法に関する。
OA機器、太陽光発電システム、自動車など様々な用途にリアクトルといったコイル部品が用いられている。コイル部品は、コアにコイルが装着されている。そして、このコアとしては、圧粉磁心が用いられることが多い。
圧粉磁心は、軟磁性粉末とこの軟磁性粉末を覆う絶縁被膜とを加圧成形することにより形成される。この加圧成形時の圧力は、数ton~数十tonといったかなり高い圧力で磁性粉末を押し固めている。そのため、圧粉磁心は、当該加圧に耐えることができる形状でないと作製することができず、形状の制約があった。
特開2012-199568号公報
近年では、磁性粉末と樹脂とを混合させた複合磁性材料を硬化させて成るメタルコンポジットコアが注目されている。複合磁性材料は粘土状であるため、複合磁性材料を容器に流し込み、硬化させることでメタルコンポジットコアは作製できる。即ち、容器の形状に合わせて成型でき、コアを所望の形状に成型できる。
一方で、コイル部品は、鉄損や透磁率といった磁気特性の向上が要求される。例えば、電圧昇降用のコンバータに用いられるコイル部品は、エネルギー変換効率の向上が求められるため、エネルギー損失である鉄損をより小さくすることが求められる。特に、近年では、コイル部品の用途の多様化により、磁気特性の向上の要求が強く求められている。
本発明の目的は、上記課題を解決するために提案されたものであり、磁気特性を向上させることができる複合磁性材料、この複合磁性材料を用いたメタルコンポジットコア及び複合磁性材料の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、磁性粉末及び樹脂を混合され、前記樹脂が硬化して成るメタルコンポジットコアであって、前記磁性粉末は、粗大粉末と、前記粗大粉末よりも平均粒子径が小さい微粉末と、を有し、前記粗大粉末は、FeSiAl合金粉末から成り、前記微粉末は、FeSi合金粉末又はFeSiCrB非晶質合金粉末から成り、前記粗大粉末の表面には、Fe 層が形成され、前記Fe 層の重量は、前記粗大粉末の重量に対して、0.98wt%以上1.86wt%以下であること、を特徴とする。
また、本発明は、磁性粉末及び樹脂を混合され、前記樹脂が硬化して成るメタルコンポジットコアであって、前記磁性粉末は、粗大粉末と、前記粗大粉末よりも平均粒子径が小さい微粉末と、を有し、前記粗大粉末は、FeSiAl合金粉末から成り、前記微粉末は、FeSi合金粉末又はFeSiCrB非晶質合金粉末から成り、前記粗大粉末は、結晶構造に不均一歪ηを有し、下記数式(1)に基づく前記不均一歪ηの値は、0.066%以上0.245%以下であることを特徴とするメタルコンポジットコア。
Figure 0007218337000001
数式(1)のうち、βは積分幅、Dは結晶子の大きさ、θは回析角、λはX線の波長、ηは不均一歪、を表す。
また、本発明のメタルコンポジットコアの製造方法は、磁性粉末及び樹脂を混合し、前記樹脂が硬化して成るメタルコンポジットコアの製造方法であって、FeSiAl合金粉末に大気雰囲気中で熱処理を行い、FeSiAl合金粉末の表面にFe層を形成させる粉末熱処理工程と、前記粉末熱処理工程を経たFeSiAl合金粉末に、FeSi合金粉末又はFeSiCrB非晶質合金粉末から成り、前記FeSiAl合金粉末よりも平均粒子径が小さい微粉末を混合する混合工程と、を含み、前記粉末熱処理工程では、550℃以上800℃以下でFeSiAl合金粉末を熱処理すること、を特徴する。
本発明によれば、磁気特性を向上させることができる複合磁性材料、この複合磁性材料を用いたメタルコンポジットコア及び複合磁性材料の製造方法を得ることができる。
粗大粉末熱処理温度と不均一歪の関係を示すグラフである。 粗大粉末熱処理温度とFeの重量の関係を示すグラフである。 Feの重量と鉄損の関係を示すグラフである。
(実施形態)
まず、本実施形態の構成について説明する。本実施形態のメタルコンポジットコア(以下、MCコアとも称する)は、複合磁性材料を所定の容器に充填し、加圧して硬化して成る。このMCコアは、リアクトルの磁性体として使用される。
複合磁性材料は、磁性粉末と樹脂とを含み構成される。磁性粉末は、平均粒子径の異なる磁性粉末を使用する。つまり、磁性粉末は、粗大粉末と、粗大粉末より平均粒子径が小さい微粉末とから成る。つまり、ここでいう粗大粉末とは、微粉末よりも平均粒子径が大きい粉末を指す。粗大粉末は、FeSiAl合金粉末を用いる。一方、微粉末は、FeSi合金粉末又はFeSiCrB合金粉末を用いる。
粗大粉末の平均粒子径は100μm~200μm、微粉末の平均粒子径は、3μm~10μmが好ましい。この範囲とすることで、粗大粉末同士の隙間に平均粒子径の小さい微粉末が入り込み、密度及び透磁率の向上と低鉄損化を図ることができる。なお、平均粒子径とは、特に断りがない限り、D50、即ち、メジアン径を指している。
また、粗大粉末と微粉末の重量比率は、粗大粉末:微粉末=80:20~60:40とすることが好ましい。この範囲とすることで密度及び透磁率が向上するとともに、鉄損を小さくすることができる。
粗大粉末の表面には、酸化層が形成されている。酸化層は、Feの層である。
この層には、粉末の全部を覆う場合も一部を覆う場合も含む。Fe層の重量は、粗大粉末であるFeSiAl合金粉末の重量に対して、0.98wt%以上1.86wt%以下であることが好ましい。この範囲にすることで、低鉄損化を図ることができる。
また、粗大粉末の結晶構造には、不均一歪ηが形成されている。不均一歪ηとは、数万粒の粉末の集合体を観察し、各結晶格子面から見たときの歪のばらつきのことである。不均一歪ηは、軟磁性粉末の結晶構造をX線回析して、下記数式(1)に基づいて算出する。
Figure 0007218337000002
数式(1)のうち、βは積分幅、Dは結晶子の大きさ(nm)、θは回析角(rad)、λはX線の波長(nm)、ηは不均一歪(%)、を表す。なお、積分幅とは、X線回析で得られたピーク波形の面積をピーク高さで割った比である。
上記数式(1)から算出する不均一歪ηの値(%)を0.066%以上0.245%以下にすることが好ましい。この範囲にすることで、低鉄損化や透磁率及び密度の向上をはかることができる。
複合磁性材料を構成する樹脂は、磁性粉末と混合され、磁性粉末間の間に介在する。より詳細に説明すると、樹脂は、磁性粉末の周囲を被覆しているのではなく、磁性粉末間の隙間を埋めように形成されている。樹脂を添加することで、磁性粉末同士が結着する。
樹脂としては、熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂、又は熱可塑性樹脂を使用することができる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂などが使用できる。紫外線硬化性樹脂としては、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、アクリレート系、エポキシ系の樹脂を使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリイミドやフッ素樹脂などの耐熱性に優れた樹脂を使用することが好ましい。
また、樹脂は、磁性粉末、即ち、粗大粉末及び微粉末の混合粉末に対して3~5wt%含有されていることが好ましい。樹脂の含有量が3wt%より少ないと、磁性粉末の接合力が不足し、MCコアの機械的強度が低下する。また、樹脂の含有量が5wt%より多いと、磁性粉末を隙間なく保持することができなくなるなど、MCコアの密度が低下し、透磁率が低下する。
(製造方法)
次に、本実施形態のメタルコンポジットコアの製造方法について説明する。本実施形態のメタルコンポジットコアの製造方法は、(1)粗大粉末熱処理工程、(2)微粉末混合工程、(3)樹脂添加工程、(4)加圧成型工程、(5)硬化工程を含む。なお、複合磁性材料の製造方法が、(1)粉末熱処理工程、(2)微粉末混合工程、(3)樹脂添加工程である。
(1)粗大粉末熱処理工程
粗大粉末熱処理工程は、粗大粉末を熱処理する工程である。粗大粉末熱処理工程を経ることで、粗大粉末の結晶構造を変化させる。即ち、粗大粉末の結晶構造を変化させることで、不均一歪を形成させる。また、粗大粉末熱処理工程を経ることで、粗大粉末の表面に酸化層を形成させる。
粗大粉末熱処理工程では、例えば、真空雰囲気や不活性ガス雰囲気である非酸化雰囲気又は酸化雰囲気中で加熱する。不活性ガスとしては、HやNが挙げられる。酸化雰囲気中とは、酸素を含むガス中であり、大気雰囲気中も含む。そして、粗大粉末熱処理工程は、大気雰囲気中で行うことが好ましい。大気を取り入れるだけで熱処理を行うことができるため、製造コストを削減することができるとともに、粗大粉末の表面にFe層を形成させることができる。
粗大粉末熱処理工程では、まず、粗大粉末を所定の容器に充填し、当該容器を熱処理炉に投入する。そして、熱処理炉を所定の温度まで上昇させ、所定の温度に達してから、例えば、2時間熱処理を行う。なお、容器を用いず、粗大粉末を熱処理炉に投入して熱処理を行ってもよい。
本工程における熱処理温度は、550℃以上750℃以下であることが好ましい。この範囲にすることで、粗大粉末の結晶構造の不均一歪ηの値(%)を0.066%以上0.245%にすることができる。また、Fe層の重量は、FeSiAl合金粉末の重量に対して、0.98wt%以上1.86wt%以下にすることができる。
なお、粗大粉末の結晶構造に不均一歪を形成させない場合や粗大粉末の表面にFe層を形成させない場合には、必ずしも粗大粉末熱処理工程を経なくてもよい。この場合には、後述する微粉末混合工程において、熱処理されていない粗大粉末に微粉末を添加・混合すればよい。
(2)微粉末混合工程
微粉末混合工程は、熱処理された粗大粉末に微粉末を添加・混合する工程である。粗大粉末と微粉末の混合は、任意の混合器を用いて自動又は手動で行うことができる。混合する時間は、適宜設定することができるが、例えば10分間である。
(3)樹脂添加工程
樹脂添加工程は、微粉末混合工程を経た磁性粉末と樹脂を混合する工程である。樹脂添加工程では、磁性粉末に、磁性粉末に対して3~5wt%の樹脂を添加し、磁性粉末と樹脂を混合する。この混合工程を経ることで、磁性粉末と樹脂との混合物である複合磁性材料を得ることができる。
(4)加圧成型工程
加圧成型工程は、複合磁性材料を製造するコアの形状に合わせて成型する工程である。加圧成型工程では、まず、製造するコアの形状に合わせた容器に複合磁性材料を充填する。その後、容器に充填された複合磁性材料を、押圧部材で加圧する。加圧する圧力は、0超~16kg/cm以下である。加圧することで、容器の形状に複合磁性材料を押し広げるとともに、複合磁性材料に含まれていた空隙を減少させることでコアの密度が大きくなる。
複合磁性材料を加圧する圧力は、数ton/cm~数十ton/cmで磁性粉末を押し固めて成形する圧粉磁心とは異なり、0超~16kg/cm以下と低い圧力をかければ足りる。そのため、圧粉磁心は磁性粉末が変形するが、MCコアは、加圧しても磁性粉末は変形しない。なお、MCコアの成型においては、圧粉磁心の成型のように加圧することは、必須要件ではないため、複合磁性材料を加圧しなくてもよい。
このように、圧粉磁心は、高い圧力によって加圧するため、加圧によって特性を向上させることができる。即ち、磁性粉末の特性も高い圧力によって押圧されることを前提にしている。一方、MCコアは、加圧しない、又は、加圧したとしても低圧なので、磁性粉末の特性がMCコアの特性に直結する。換言すれば、圧粉磁心のように加圧による特性の向上を考慮せず、磁性粉末自体の特性を向上させることが重要になる。そのため、粗大粉末の熱処理の条件や粗大粉末と微粉末の組み合わせなど圧粉磁心で行ってきたものを単純にMCコアに転用することはできない。
(5)硬化工程
硬化工程は、複合磁性材料に含まれる樹脂を硬化させる工程である。樹脂の硬化は、樹脂の種類によって適宜の方法で硬化すればよい。例えば、樹脂が熱硬化性樹脂の場合には、熱を加えることで樹脂を硬化させる。
このように、所望の形状の容器に複合磁性材料を充填し、複合磁性材料に含まれる樹脂を硬化させることで、所望の形状となったMCコアが作製される。つまり、MCコアにおいては、混合工程において添加した樹脂は硬化するだけなので、当該樹脂の成分は、分解されない。一方、圧粉磁心では、絶縁被膜として添加した樹脂は、焼鈍工程を経るため熱分解され、残った無機成分などが粉末間のバインダとして機能する。また、圧粉磁心は、数ton/cm~数十ton/cmで加圧成形することで、所望の形状にしており、樹脂を硬化させることでコアの形状を形成させるMCコアとは異なる。
(実施例)
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1~12及び比較例1~3の各試料は、下記のとおり作製した。下記表1に示すように、粗大粉末は、FeSiAl(粉末A)とFe6.5Si(粉末B)の2種類を用意した。粉末A及び粉末Bは、ガスアトマイズ法により得た。この2種類の粗大粉末に熱処理を行った。ただし、実施例1、比較例1及び比較例3の粗大粉末には熱処理を行わず、また、実施例11のみ窒素雰囲気中で、その余は大気雰囲気中で熱処理を行った。なお、比較例3については、熱処理を行ったところ、赤錆が発生し、後述する測定項目を測定することはできなかったため、熱処理を行わなかった。
Figure 0007218337000003
まず、粗大粉末を熱処理炉に投入した。そして、下記表2に示す所定の熱処理温度まで昇温し、所定の温度になってから更に2時間加熱した。この時、流量20L/minで熱処理炉内に大気又は窒素ガスを流入した。
微粉末は、Fe6.5Si(粉末C)、FeSiAl(粉末D)、FeSiCrB(粉末E)の3種類を用意した。粉末C及び粉末Dはガスアトマイズ法により、粉末Eは水アトマイズ法により得た。これらの微粉末を、下記表2の組み合わせで、粗大粉末と混合した。粗大粉末と微粉末の重量比率は、70:30とした。
そして、粗大粉末と微粉末の混合粉末に対して、エポキシ樹脂を3.5wt%添加し、混合して、複合磁性材料を作製した。この複合磁性材料を外径35mm、内径14mm、高さ7mmのケースに充填し、空気を抜くため9.4kg/cmで加圧した。その後、150℃の温度で4時間加熱して、樹脂を硬化させ、各試料となるMCコアを得た。
(測定項目)
以上のように作製した実施例1~12及び比較例1~3について、保磁力、不均一歪、粗大粉末の表面に形成されたFeの重量、密度、鉄損及び透磁率を測定した。
保磁力は、HCメーター(東北特殊鋼株式会社製、K-HC1000)により測定した。不均一歪は、X線回析を用いて上記数式(1)から算出した。X線回析装置は、全自動X線回析装置(BRUKER社製:Cu管球、X線の波長λ=0.154nm)を使用した。
粗大粉末の表面に形成されたFeの重量は、上記の全自動X線回析装置を用いてX線回析によって測定した。
密度は、見かけ密度である。即ち、実施例1~12及び比較例1~3のMCコアの外径、内径、及び高さを測り、これらの値から各MCコアの体積(cm)を、π×(外径-内径)×高さに基づき算出した。そして、各MCコアの質量を測定し、測定した質量を算出した体積で除してコアの密度を算出した。
一方、鉄損及び透磁率は、作製した各MCコアを用いてリアクトルを作製し、測定した。リアクトルは、各MCコアにφ0.9mmの銅線で1次巻線40ターン、2次巻線40ターンの巻線を巻回して作製した。鉄損の測定条件は、周波数100kHz、最大磁束密度Bm=30mTとした。
鉄損は、磁気計測機器であるBHアナライザ(岩通計測株式会社:SY-8219)を用いて算出した。この算出は、鉄損の周波数曲線を次の(1)~(3)式で最小2乗法により、ヒステリシス損失係数、渦電流損失係数を算出することで行った。
Pcv =Kh×f+Ke×f2・・(1)
Ph =Kh×f・・(2)
Pe =Ke×f2・・(3)
Pcv:鉄損
Kh :ヒステリシス損失係数
Ke :渦電流損失係数
f :周波数
Ph :ヒステリシス損失
Pe :渦電流損失
透磁率は、100kHz、1.0Vの条件で、LCRメータ(アジレント・テクノロジー株式会社製:4284A)を用いて測定した。なお、下記表2に示す「μ0」は、直流を重畳させていない状態、即ち、磁界の強さが0H(A/m)の時の初透磁率を示す。表2の「μ12k」は、磁界の強さが12kH(A/m)の時の透磁率を示す。
以上の測定結果を表2及び図1~3に示す。図1は、粗大粉末熱処理温度と不均一歪の関係を示すグラフである。図2は、粗大粉末熱処理温度とFeの重量の関係を示すグラフである。図3は、Feの重量と鉄損の関係を示すグラフである。
Figure 0007218337000004
表2に示すとおり、粗大粉末にFeSiAlを用いた全ての粉末Aの方が、Fe6.5Siを用いた粉末Bよりも鉄損が60(kw/m)以上も低減している。これにより、粗大粉末には、FeSiAl合金粉末を用いる方が低鉄損化を図れることが確認された。なお。上述のとおり、粉末Bに熱処理を行ったものには、赤錆が生じていたことから、熱処理を行わなかった粉末Bよりも磁気特性は悪化していたものと推察される。
また、粉末Aに、微粉末としてFe6.5Siを用いた粉末C、又は、FeSiCrBを用いた粉末Eを組み合わせた場合における磁界の強さが12kH(A/m)の時の透磁率は、22(A/m)よりも高く、良好な値を維持している。一方、微粉末としてFeSiAlを用いた粉末Dと粉末Aの組み合わせでは、磁界の強さが12kH(A/m)の時の透磁率は、19(A/m)より低く、透磁率が低下している。よって、FeSiAlを用いた粗大粉末に、Fe6.5Si又はFeSiCrBを微粉末に用いることで磁気特性が良好になることが確認された。
さらに、粗大粉末の熱処理温度を550℃以上800℃以下にすることで、表2及び図1、2に示すように、粗大粉末の結晶構造における不均一歪の値を0.066%以上0.245%以下になり、かつ、Feの重量の割合を、0.98以上1.86wt%以下にすることになることが確認された。そして、不均一歪の値及びFeの重量の割合をこの範囲することで、密度、鉄損及び透磁率のすべてが良好な値になることが確認された。
具体的には、粗大粉末の熱処理温度を550℃以上にした実施例4~12は、550℃より低い温度で熱処理を行った実施例1~3よりも、ヒステリシス損失を20(kw/m)以上低減できている。特に、実施例3のヒステリシス損失は67(kw/m)であるところ、実施例4のヒステリシス損失は47(kw/m)と、実施例4のヒステリシス損失は実施例3よりも20(kw/m)も低減されていることが確認された。
また、ヒステリシス損失は、粗大粉末の熱処理温度を上げるほど低減しているが、そのピークは750℃の実施例8の25(kw/m)であることが確認された。そして、750℃よりも高い温度で熱処理を行うとヒステリシス損失は上昇することが確認された。これは、高温で熱処理を行うことで、粗大粉末の表面に形成されるFeの酸化層が増加しすぎてしまい、透磁率及び密度の低下を招き、ヒステリシス損失が増加したものと推察する。特に、900℃で熱処理を行った実施例10の密度は、5.58(g/cc)と熱処理を行っていない実施例1と比較しても、大きく低下していることが確認された。なお、ヒステリシス損失を40(kw/m)よりも低くするためには、熱処理温度を600℃~800℃にし、ヒステリシス損失を30(kw/m)よりも低くするためには、熱処理温度を650℃~750℃にするとよいことが確認された。
また、粗大粉末を窒素雰囲気中で700℃で熱処理を行った実施例11は、密度、鉄損及び透磁率において、概ね良好な値になることが確認されたが、大気雰囲気中で700℃で熱処理された実施例7の方が、実施例11よりも、鉄損、特に、渦電流損失が10(kw/m)も低減されている。これは、大気中で熱処理を行った実施例7は粗大粉末の表面にFeの酸化層が形成されることで、渦電流損失を低減できるものと推察する。そのため、粗大粉末を熱処理する雰囲気は大気雰囲気中で行う方がよいことが確認された。大気雰囲気中で行うことで、例えば、熱処理炉内に窒素ガスを流入させる必要がなく、大気を取り入れるだけで済むので、製造コストの削減も図ることができる。
(他の実施形態)
本明細書においては、本発明に係る実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。上記のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (3)

  1. 磁性粉末及び樹脂を混合され、前記樹脂が硬化して成るメタルコンポジットコアであって、
    前記磁性粉末は、粗大粉末と、前記粗大粉末よりも平均粒子径が小さい微粉末と、を有し、
    前記粗大粉末は、FeSiAl合金粉末から成り、
    前記微粉末は、FeSi合金粉末又はFeSiCrB非晶質合金粉末から成り、
    前記粗大粉末の表面には、Fe 層が形成され、
    前記Fe 層の重量は、前記粗大粉末の重量に対して、0.98wt%以上1.86wt%以下であること、
    を特徴とするメタルコンポジットコア
  2. 磁性粉末及び樹脂を混合され、前記樹脂が硬化して成るメタルコンポジットコアであって、
    前記磁性粉末は、粗大粉末と、前記粗大粉末よりも平均粒子径が小さい微粉末と、を有し、
    前記粗大粉末は、FeSiAl合金粉末から成り、
    前記微粉末は、FeSi合金粉末又はFeSiCrB非晶質合金粉末から成り、
    前記粗大粉末は、結晶構造に不均一歪ηを有し、
    下記数式(1)に基づく前記不均一歪ηの値は、0.066%以上0.245%以下であることを特徴とするメタルコンポジットコア
    Figure 0007218337000005
    数式(1)のうち、βは積分幅、Dは結晶子の大きさ、θは回析角、λはX線の波長、ηは不均一歪、を表す。
  3. 磁性粉末及び樹脂を混合し、前記樹脂が硬化して成るメタルコンポジットコアの製造方法であって、
    FeSiAl合金粉末に大気雰囲気中で熱処理を行い、FeSiAl合金粉末の表面にFe層を形成させる粉末熱処理工程と、
    前記粉末熱処理工程を経たFeSiAl合金粉末に、FeSi合金粉末又はFeSiCrB非晶質合金粉末から成り、前記FeSiAl合金粉末よりも平均粒子径が小さい微粉末を混合する混合工程と、
    を含み、
    前記粉末熱処理工程では、550℃以上800℃以下でFeSiAl合金粉末を熱処理すること、
    を特徴するメタルコンポジットコアの製造方法。
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