JP7218336B2 - 吸収性物品の性能評価装置 - Google Patents
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Description
第1手段は、吸収性物品の身体面側を支持する内側治具と反身体面側を支持する外側治具からなる治具と、前記治具を支持する架台から形成される吸収性物品の性能評価装置において、
前記内側治具は、内側から外側を視認可能な透明な樹脂で形成され、前記外側治具は、外側から内側を視認可能な透明な樹脂で形成され、前記内側治具の外周部は、装着者の腹部と腰部の体形に形成され、前記外側治具の内周部は、前記内側治具の外周部に沿って、前記内側治具の外周部よりも大きな寸法に形成され、前記架台は、底板と、前記底板の幅方向の両側部に設けられた側板と、前記治具の外周部を支持するアームと、前記アームの下部を支持する幅方向に延在する回転軸と、前記回転軸を回転自在に支持する支持部から形成され、左側面視において、前記回転軸を反時計方向に回転させて、前記治具の上下方向に延在する第1仮想線と回転軸の前後方向に延在する第2仮想線の侠角を90度から30度に変更し、前記回転軸を時計方向に回転させて、前記治具の上下方向に延在する第1仮想線と回転軸の前後方向に延在する第2仮想線の侠角を90度から30度に変更する構成としたことを特徴とする。
また、架台は、底板と、底板の幅方向の両側部に設けられた側板と、治具の外周部を支持するアームと、アームの下部を支持する幅方向に延在する回転軸と、回転軸を回転自在に支持する支持部から形成され、左側面視において、回転軸を反時計方向に回転させて、治具の上下方向に延在する第1仮想線と回転軸の前後方向に延在する第2仮想線の侠角を90度から30度に変更し、回転軸を時計方向に回転させて、治具の上下方向に延在する第1仮想線と回転軸の前後方向に延在する第2仮想線の侠角を90度から30度に変更する構成としたので、使い捨ておむつが立位姿勢、うつ伏せ姿勢、仰向け姿勢の装着者に装着された状態での使い捨ておむつの吸収容量等の性能評価を行うことができる。
図1に示すように、使い捨ておむつの性能評価装置は、使い捨ておむつを支持する治具1と、治具1を支持する架台4で形成されている。
図2,3に示すように、内側治具2は、所定の厚さを有する透明の樹脂で形成されている。これにより、内側治具2の内周部から使い捨ておむつに排出された人口尿等の拡散状況等を観察することができる。
図4,5に示すように、外側治具3は、所定の厚さを有する透明の樹脂で形成されている。これにより、外側治具3の外周部から使い捨ておむつに排出された人口尿等の漏出し等を観察することができる。
図7に示すように、架台4は、所定の厚さを有する矩形状の底板70と、底板70の上面の幅方向の両側部に設けられた左側板(請求項の「側板」)71と右側板72と、底板70の上面の前後方向と幅方向の中間に設けられた幅方向に延在する回転軸73と、回転軸73の幅方向の両側部を回転自在に支持する支持部74と、回転軸73の幅方向の中間に固定された外側治具3の溝69が係止されるアーム75から形成されている。
図8に示すように、荷重器5は、内側治具2の上端部に載上する底板90と、底板90の上面から上下方向に延在する2個の脚91と、脚91の上端部に固定された矩形状の上板92から形成されている。
次に、使い捨ておむつの性能評価方法について説明する。使い捨ておむつを装着した装着者の姿勢は、歩行等を行う立位姿勢と、うつ伏せで睡眠を行ううつ伏せ姿勢と、仰向けで睡眠を行う仰向け姿勢と、椅子等に着席する座位姿勢に大別される。
図9に示すように、内側治具2と外側治具3で使い捨ておむつを支持した後に、使い捨ておむつが支持された治具1を架台4のアーム75に係止する。なお、図9は、理解を容易にするために左側板71の図示を省略している。
図10に示すように、内側治具2と外側治具3で使い捨ておむつを支持した後に、使い捨ておむつが支持された治具1を架台4のアーム75に係止する。なお、図10は、理解を容易にするために左側板71の図示を省略している。
図11に示すように、内側治具2と外側治具3で使い捨ておむつを支持した後に、使い捨ておむつが支持された治具1を架台4のアーム75に係止する。なお、図11は、理解を容易にするために左側板71の図示を省略している。
図12に示すように、内側治具2と外側治具3で使い捨ておむつを支持した後に、使い捨ておむつが支持された治具1を架台4のアーム75に係止する。なお、図12は、理解を容易にするために左側板71の図示を省略している。
次に、使い捨ておむつの性能評価装置を使用して評価される使い捨ておむつについて説明する。
図13~15に示すように、使い捨ておむつは、身体側に設けられた液透過性のトップシート10と、反身体側に設けられた液不透過性のバックシート11と、トップシート10とバックシート11の間に設けられた吸収要素20から形成されている。また、吸収要素20は、吸収体21と、吸収体21を覆う包装シート22とから形成されている。
(トップシート)
トップシート10は、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシート等で形成されている。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等や、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維等を例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
なお、トップシート10の表面には、予め親水性剤が塗布されているのは好ましい。
バックシート11は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とでバックシート11が構成される。)等で形成されている。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、バックシート11として用いることができる。
外装シート12は、吸収要素20を支持し、着用者に装着するための部分である。外装シート12は、両側部の前後方向中央部が括れた砂時計形状とされており、ここが着用者の脚を囲む部位となる。
中間シート15は、トップシート10と同様の素材で形成されている。中間シート15は、トップシート10に接合するのが好ましく、その接合にヒートエンボスや超音波溶着を用いる場合は、中間シート15の素材は、トップシート10と同程度の融点をもつものが好ましい。中間シート15に不織布を用いる場合、その不織布の繊維の繊度は2.0~5.0dtex程度とするのが好ましい。
吸収体21は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100~300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30~120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1~16dtex、好ましくは1~10dtex、さらに好ましくは1~5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5~75個、好ましくは10~50個、さらに好ましくは15~50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。
包装シート22は、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等で形成されている。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン等を使用できる。繊維目付けは、5~40g/m2、特に10~30g/m2のものが望ましい。
立体ギャザー30のギャザーシート31としては撥水性不織布を用いることができ、また弾性伸縮部材32としては糸ゴム等を用いることができる。弾性伸縮部材は、複数本設ける他、各1本設けることができる。
ギャザーシート31とバックシート11との間に、糸ゴム等からなる脚周り弾性伸縮部材41が前後方向に沿って伸長された状態で固定されている。脚周り弾性伸縮部材41は、複数本設ける他、各1本設けることができる。
ファスニングテープ50の基材51の基部は、ホットメルト接着剤等によってギャザーシート31と外装シート12の間に固定されている。また、基材51は、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材から形成されている。
ターゲットシート53は、ループ糸が表面に多数設けられたプラスチックフィルムや不織布等から形成されている。
伸縮シート55は、背側のエンドフラップ部EFを伸縮させて装着者の背中周りに背側のエンドフラップ部EFを密着させる伸縮シートである。
明細書中で以下の用語が使用される場合、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「表側」とは装着者の肌に近い方を意味し、「裏側」とは装着者の肌から遠い方を意味する。「表面」とは部材の、装着者の肌に近い方の面を意味し、「裏面」とは装着者の肌から遠い方の面を意味する。
・「MD方向」及び「CD方向」とは、製造設備における流れ方向(MD方向)及びこれと直交する横方向(CD方向)を意味し、いずれか一方が製品の前後方向となるものであり、他方が製品の幅方向となるものである。不織布のMD方向は、不織布の繊維配向の方向である。繊維配向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、例えば、TAPPI標準法T471の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、前後方向及び幅方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法により判別することができる。
・「展開」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。例えば、伸長率が200%とは、伸長倍率が2倍であることと同義である。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter-MAX ME-500)でゲル強度を測定する。
・「人工尿」は、尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したものであり、特に記載の無い限り、温度40度で使用される。
・「目付け量」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES-G5 ハンディー圧縮試験機)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・「吸水量」は、JIS K7223-1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・「吸水速度」は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・試験や測定における環境条件についての記載がない場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
2 内側治具
3 外側治具
4 架台
5 荷重器
62 背側ステー
63 腹側ステー
65 排便口
66 男性尿導口(尿導口)
67 女性尿導口(尿導口)
70 底板
71 左側板(側板)
72 右側板(側板)
73 回転軸
74 支持部
75 アーム
75A 開口部(第2開口部)
75B 開口部(第2開口部)
76 後側支軸(支軸)
77 前側支軸(支軸)
81 開口部(第1開口部)
82 開口部(第1開口部)
L1 第1仮想線
L2 第2仮想線
Claims (5)
- 吸収性物品の身体面側を支持する内側治具と反身体面側を支持する外側治具からなる治具と、前記治具を支持する架台から形成される吸収性物品の性能評価装置において、
前記内側治具は、内側から外側を視認可能な透明な樹脂で形成され、
前記外側治具は、外側から内側を視認可能な透明な樹脂で形成され、
前記内側治具の外周部は、装着者の腹部と腰部の体形に形成され、
前記外側治具の内周部は、前記内側治具の外周部に沿って、前記内側治具の外周部よりも大きな寸法に形成され、
前記架台は、底板と、前記底板の幅方向の両側部に設けられた側板と、前記治具の外周部を支持するアームと、前記アームの下部を支持する幅方向に延在する回転軸と、前記回転軸を回転自在に支持する支持部から形成され、
左側面視において、前記回転軸を反時計方向に回転させて、前記治具の上下方向に延在する第1仮想線と回転軸の前後方向に延在する第2仮想線の侠角を90度から30度に変更し、前記回転軸を時計方向に回転させて、前記治具の上下方向に延在する第1仮想線と回転軸の前後方向に延在する第2仮想線の侠角を90度から30度に変更する構成とした
ことを特徴とする吸収性物品の性能評価装置。 - 平面視において、前記内側治具の内周部の幅方向の中間部に、前記内周部の後部から前方に延在する背側ステーと、前記内周部の前部から後方に延在する腹側ステーを形成し、
側面視において、前記背側ステーの装着者の肛門の位置に排便口を形成し、前記腹側ステーの装着者の尿導口の位置に尿導口を形成している請求項1記載の吸収性物品の性能評価装置。 - 前記尿導口は、男性装着者の尿導口の位置の男性尿導口と、女性装着者の尿導口の位置の女性尿導口で形成されている請求項2記載の吸収性物品の性能評価装置。
- 前記側板に形成された第1開口部とアームに形成された第2開口部に、幅方向に延在する支軸を挿通して、前記第1仮想線と第2仮想線の侠角を保持する請求項1記載の吸収性物品の性能評価装置。
- 前記内側治具の上端部に載上して、前記内側治具に荷重を加える荷重器を備える請求項1~4のいずれか1項に記載の吸収性物品の性能評価装置。
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