ところで、戻しばねの仕様は、複数個のパネルの総重量と、シャッターカーテンと関連する関連部材の総重量等から決定されるものであるが、従来より、複数個のパネルの総重量は机上で計算されるものであるため、決定された戻しばねの仕様が、実際のオーバースライディングドア装置に適合しないものとなるおそれがあった。
このため、個々のオーバースライディングドア装置に最適な戻しばねの仕様が決定できるようになる工夫が求められている。
本発明の目的は、個々の開閉装置に最適な戻しばねの仕様が決定できるようになる開閉装置用戻しばねの仕様決定装置を提供するところにある。
本発明に係る開閉装置用戻しばね仕様決定装置は、開閉移動自在となっている開閉体の閉じ移動時に戻しばね力が蓄圧され、この蓄圧された戻しばね力が前記開閉体の開き移動のための補助力として利用される戻しばねの仕様情報を決定するための開閉装置用戻しばねの仕様決定装置であって、前記開閉体の主要部を構成する複数個の開閉体主要部構成部材のそれぞれの重量を測定するための重量測定手段と、前記重量測定手段により測定された前記複数個の開閉体主要部構成部材のそれぞれの前記重量を含む情報を記憶するための記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、前記戻しばねの前記仕様情報を決定するための所定の処理を実行する処理手段と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明では、上述のように、開閉体の主要部を構成する複数個の開閉体主要部構成部材のそれぞれの重量は、重量測定手段により測定され、この重量測定手段により測定された複数個の開閉体主要部構成部材のそれぞれの重量を含む情報は、記憶手段に記憶されており、この記憶手段に記憶された情報に基づいて、処理手段は、戻しばねの仕様情報を決定するための所定の処理を実行するようになっている。
このように、本発明では、実測による複数個の開閉体主要部構成部材の総重量に基づいて、戻しばねの仕様が決定されるようになっている。
このため、本発明によると、複数個の開閉体主要部構成部材の総重量が机上で計算されていた従来と比較して、個々の開閉装置に最適な戻しばねの仕様が決定できるようになる。
また、本発明によると、戻しばねの仕様情報は処理手段により決定されるため、個々の開閉装置に最適な戻しばねの仕様が容易かつ迅速に決定されるようになる。
本発明において、記憶手段には、開閉体と関連する関連部材のそれぞれの重量が記憶されるようにし、処理手段は、記憶手段に記憶された情報に基づいて複数個の開閉体主要部構成部材の総重量を算出する開閉体主要部構成部材総重量算出部と、記憶手段に記憶された情報に基づいて開閉体主要部構成部材の総個数を算出する処理を実行する開閉体主要部構成部材総個数算出部と、開閉体主要部構成部材総個数算出部により算出された開閉体主要部構成部材の総個数に基づいて開閉体に必要な関連部材の総個数を算出する処理を実行する関連部材総個数算出部と、記憶手段に記憶された関連部材のそれぞれの重量と、関連部材総個数算出部により算出された関連部材の総個数と、に基づいて関連部材の総重量を算出する処理を実行する関連部材総重量算出部と、開閉体主要部構成部材総重量算出部により算出された複数個の開閉体主要部構成部材の総重量と、関連部材総重量算出部により算出された関連部材の総重量と、に基づいて戻しばねの仕様情報を決定する処理を実行する戻しばね仕様決定部と、を含んで構成されるものとしてもよい。
前述したように、記憶手段には、重量測定手段により測定された複数個の開閉体主要部構成部材のそれぞれの重量を含む情報が記憶されているが、これにより、開閉体主要部構成部材の総個数が算出可能となり、また、この算出された開閉体主要部構成部材の総個数によって、開閉体を関連する関連部材の総個数も算出可能となる。また、記憶手段には、上述のように、開閉体と関連する関連部材のそれぞれの重量も記憶されるようになっている。
上述のように、開閉体主要部構成部材総重量算出部は、記憶手段に記憶された情報に基づいて、複数個の開閉体主要部構成部材の総重量を算出する処理を実行し、開閉体主要部構成部材総個数算出部は、記憶手段に記憶された情報に基づいて、開閉体主要部構成部材の総個数を算出する処理を実行する。関連部材総個数算出部は、開閉体主要部構成部材総個数算出部により算出された開閉体主要部構成部材の総個数に基づいて開閉体に必要な関連部材の総個数を算出する処理を実行する。そして、関連部材総重量算出部は、記憶手段に記憶された関連部材のそれぞれの重量と、関連部材総個数算出部により算出された関連部材の総個数と、に基づいて関連部材の総重量を算出する処理を実行する。以上で、複数個の開閉体主要部構成部材の総重量と、関連部材の総重量とが算出されたので、戻しばね仕様決定部は、これらの総重量、すなわち、複数個の開閉体主要部構成部材の総重量と関連部材の総重量の合計重量に基づいて戻しばねの仕様情報を決定する処理を実行する。
なお、記憶手段には、重量と対応する戻しばねの仕様情報がデータベース化されたものが記憶されており、戻しばね仕様決定部は、上述した複数個の開閉体主要部構成部材の総重量と関連部材の総重量の合計重量で記憶手段を参照することにより、この合計重量と対応する最適な戻しばねの仕様情報を取得する処理を実行する。
本発明において、複数個の開閉体主要部構成部材のそれぞれの重量は、開閉装置の識別情報(言い換えると、開閉装置の設置場所の識別情報)と関連付けられて記憶手段に記憶されているものとしてもよく、しなくてもよい。
後者の場合によると、記憶手段には、1個(言い換えると、特定)の開閉装置についての開閉体の主要部を構成する複数個の開閉体主要部構成部材のそれぞれの重量しか記憶させることができないが、前者の場合によると、記憶手段には、複数個(言い換えると、多数)の開閉装置についての開閉体の主要部を構成する複数個の開閉体主要部構成部材のそれぞれの重量を一緒に(言い換えると、混在させて)記憶させることができるようになる。
本発明において、戻しばね仕様決定部により決定される戻しばねの仕様情報は、任意な情報でよく、例えば、線径、長さ寸法及び巻き数を含む情報である。
また、本発明において、戻しばねは、開閉移動自在となっている開閉体の閉じ移動時に戻しばね力が蓄圧され、この蓄圧された戻しばね力が開閉体の開き移動のための補助力として利用できるものであれば、任意なばねでよい。例えば、戻しばねは、ねじりコイルばねでもよく、ぜんまいばね等でもよい。
以上の本発明において、戻しばね仕様決定部により決定された戻しばねの仕様情報は、開閉装置の識別情報と関連付けられて記憶手段に記憶されることが好ましい。
これによると、戻しばね仕様決定部により決定された戻しばねの仕様情報を、記憶手段からいつでも参照することができ、また、戻しばねの製造を外部の業者に委託する場合には、発注する戻しばねの仕様情報を、記憶手段から外部の業者へメール等により送信することができるようになる。
また、戻しばね仕様決定部により決定された戻しばねの仕様情報は、戻しばねの仕様情報を出力するための出力手段に出力されるようにすることが好ましい。
これによると、戻しばね仕様決定部により決定された戻しばねの仕様情報を、作業者がその場で確認することができるようになる。
ここで、出力手段とは、モニタ(言い換えると、ディスプレイ)及び/又はプリンタをいう。
以上の本発明において、開閉体の主要部を構成する複数個の開閉体主要部構成部材のそれぞれの重量を測定するための重量測定手段の形式、構造は任意なものでよい。
例えば、前述した処理手段を第1処理手段とすると、重量測定手段は、開閉体主要部構成部材を搬送するための搬送手段と、搬送手段の下方にこの搬送手段の搬送方向に間隔を開けて配置されていて、開閉体主要部構成部材の長さ方向の少なくとも2箇所の部分が載置されることにより開閉体主要部構成部材の重量を測定するための複数個の重量センサと、複数個の重量センサを昇降させるための昇降手段と、開閉体主要部構成部材の先端部に設けられている情報であって、少なくとも開閉体主要部構成部材の長さ寸法を含む情報を読み取る読取手段と、開閉体主要部構成部材の重量を測定するための所定の処理を実行する第2処理手段と、を含んで構成され、処理手段は、読取手段により読み取られた開閉体主要部構成部材の長さ寸法に基づいて、開閉体主要部構成部材の長さ方向中央部が、開閉体主要部構成部材の重量を測定するために使用される複数個の重量センサのうち、搬送方向の最も前方の重量センサの配置位置から、搬送方向の最も後方の重量センサの配置位置までの距離の中間地点に来るまで、開閉体主要部構成部材を搬送手段により搬送させる処理を実行するものを挙げることができる。
この重量測定手段の例では、上述のように、開閉体主要部構成部材を搬送するための搬送手段の下方には、開閉体主要部構成部材の長さ方向の少なくとも2箇所の部分が載置されることにより開閉体主要部構成部材の重量を測定するための複数個の重量センサが、搬送手段の搬送方向に間隔を開けて配置されており、これらの重量センサは、昇降手段によって昇降されるようになっている。また、開閉体主要部構成部材の先端部には、少なくとも開閉体主要部構成部材の長さ寸法を含む情報が設けられており、この情報は、読取手段により読み取られるようになっている。
そして、開閉体主要部構成部材の重量を測定するための所定の処理を実行する処理手段は、上述のように、開閉体主要部構成部材が複数個の重量センサに載置される前において、読取手段により読み取られた開閉体主要部構成部材の長さ寸法に基づいて、開閉体主要部構成部材の長さ方向中央部が、開閉体主要部構成部材の重量を測定するために使用される複数個の重量センサのうち、搬送手段の搬送方向の最も前方の重量センサの配置位置から、搬送手段の搬送方向の最も後方の重量センサの配置位置までの距離の中間地点に来るまで、開閉体主要部構成部材を搬送手段により搬送させる処理を実行するようになっている。
これにより、開閉体主要部構成部材が、この開閉体主要部構成部材の重量を測定するために使用される複数個の重量センサに載置されたとき、開閉体主要部構成部材は、搬送手段の搬送方向の最も前方の重量センサと、搬送手段の搬送方向の最も後方の重量センサとに均等に支持されることになる。
ここで、開閉体主要部構成部材が、この開閉体主要部構成部材の重量を測定するために使用される複数個の重量センサに載置されたとき、開閉体主要部構成部材には、この開閉体主要部構成部材が複数個の重量センサに当接したことによる振動が発生するが、この振動がおさまる(言い換えると、しずまる)までは、複数個の重量センサによる開閉体主要部構成部材の重量測定を開始することができない。もし、開閉体主要部構成部材が、搬送手段の搬送方向の最も前方の重量センサと、搬送手段の搬送方向の最も後方の重量センサとに均等に支持されない場合には、発生した振動がおさまるまでの時間が掛かるため、それだけ重量測定を開始するまでの時間が掛かってしまう。
しかし、この重量測定手段の例では、上述したように、開閉体主要部構成部材が、この開閉体主要部構成部材の重量を測定するために使用される複数個の重量センサに載置されたとき、開閉体主要部構成部材は、搬送手段の搬送方向の最も前方の重量センサと、搬送手段の搬送方向の最も後方の重量センサとに均等に支持されるようになっている。
これにより、開閉体主要部構成部材が、この開閉体主要部構成部材の重量を測定するために使用される複数個の重量センサに載置されたことにより発生した開閉体主要部構成部材の振動がおさまるまでの時間を短縮することができるため、それだけ、開閉体主要部構成部材の重量測定を開始するまでの時間を短縮することができるようになる。
以上説明したように、この重量測定手段の例では、開閉体主要部構成部材の重量測定作業は、前述した従来のように、作業者が、一般的なクレーン装置等でワイヤーを用いて2点あるいは多点でパネルを吊り上げて測定するものではなく、搬送手段により搬送される途中において行われるようなっており、これにより、開閉体主要部構成部材の重量測定作業を、開閉装置の製造ライン作業の一工程に組み込むことができるようになる。また、この重量測定手段の例では、開閉体主要部構成部材が、この開閉体主要部構成部材の重量を測定するために使用される複数個の重量センサに載置されたときに発生した振動がおさまるまでの時間が短縮できるようになっている。言い換えると、開閉体主要部構成部材が、この開閉体主要部構成部材の重量を測定するために使用される複数個の重量センサに載置されたときに発生する振動時間を短縮できるようになっている。
このため、この重量測定手段の例によると、開閉体主要部構成部材の重量測定作業を容易かつ迅速に行えるようになる。
なお、第1処理手段と第2処理手段は、例えば、パーソナルコンピュータでもよく、サーバでもよく、プログラマブルコントローラ等でもよい。また、第1処理手段と第2処理手段は、有線あるいは無線で接続されていることが好ましい。なお、第1処理手段や第2処理手段と接続されている装置、手段等は、有線で接続されているものでもよく、無線で接続されているものでもよい。
また、以上の本発明において、開閉体の主要部は、複数個の開閉体主要部構成部材を開閉体の開閉移動方向に連設することにより形成されているものであってもよく、複数個の開閉体主要部構成部材を開閉体の開閉移動方向と直交する方向である幅方向に連設することにより形成されているものであってもよい。
以上の本発明において、開閉体主要部構成部材は、開閉体の主要部を構成できるものであれば、任意な形式、構造のものでよい。例えば、開閉体主要部構成部材は、パネルでもよく、スラットでもよく、パイプ等のバー部材(言い換えると、棒状部材)でもよく、シート等でもよい。
なお、開閉体主要部構成部材が上述した部材である場合には、開閉体の主要部は、例えば、複数個のパネルで構成されるものでもよく、複数個のスラットで構成されるものでもよく、複数個のパイプで構成されるものでもよく、複数個のシートで構成されるものでもよく、パネル、スラット、パイプ、シートのうち、少なくとも2種類の部材で構成されるものでもよい。
なお、前述した重量測定手段の例において、少なくとも開閉体主要部構成部材の長さ寸法を含む情報を開閉体主要部構成部材の先端部に設ける方法は、任意であり、例えば、少なくとも開閉体主要部構成部材の長さ寸法を含む情報を、開閉体主要部構成部材の先端部に直接印刷あるいは刻印するようにしてもよく、少なくとも開閉体主要部構成部材の長さ寸法を含む情報をラベルに印刷あるいは刻印したものを、開閉体主要部構成部材の先端部に対して取り付け、取り外し自在に配置するようにしてもよい。
前述の重量測定手段の例において、開閉体主要部構成部材の先端部に設けられている情報には、開閉体主要部構成部材の長さ寸法のほか、例えば、開閉体主要部構成部材を識別するための識別情報、開閉体主要部構成部材を含んで構成される開閉装置を識別するための識別情報、開閉体主要部構成部材の幅寸法、開閉体の主要部における開閉体主要部構成部材の位置情報(例えば、この開閉体主要部構成部材が主要部において開閉体の開き側から何番目に配置されるものであるかの情報)等の情報を含むようにしてもよい。
前述の重量測定手段の例において、読取手段は、開閉体主要部構成部材の先端部に設けられている情報であって、少なくとも開閉体主要部構成部材の長さ寸法を含む情報を読み取ることができるものであれば任意な形式、構造のものでよい。読取手段は、例えば、光学文字読取装置(OCR)でもよく、バーコードリーダー等でもよい。
なお、前述の重量測定手段の例において、搬送手段の下方に配置されている複数個の重量センサは、開閉体主要部構成部材の重量が測定されるときには、昇降手段により搬送手段の上面よりも高い位置まで上昇され、開閉体主要部構成部材の重量が測定された後は、昇降手段により搬送手段の下方の元の高さ位置まで下降される。
前述の重量測定手段の例において、読取手段は、任意な位置に配置してよいが、読取手段は、搬送手段により搬送される開閉体主要部構成部材と干渉せず、かつ、作業者の邪魔にならない位置に配置することが好ましい。
一方、開閉体主要部構成部材の先端部に設ける情報も、任意な位置に配置してよいが、この情報は、読取手段が読み取り易い位置に配置することが好ましい。
前述の重量測定手段の例において、読取手段を、搬送手段の幅方向(言い換えると、搬送装置の搬送方向と直交する方向)中央部の上方に固定配置するように、開閉体主要部構成部材の先端部に設けられている情報を、この先端部における開閉体主要部構成部材の幅方向(言い換えると、搬送装置の搬送方向と直交する方向)中央部に設けるようにした場合には、開閉体主要部構成部材の搬送手段による搬送の前からあるいは搬送の途中において、開閉体主要部構成部材の幅方向中央位置が、搬送手段の幅方向中央位置、すなわち、読取手段が固定配置されている位置とずれる(言い換えると、一致しない)場合がある。このような場合には、搬送手段の幅方向中央部の上方に固定配置されている読取手段が、開閉体主要部構成部材の先端部に設けられている情報を正しく読み取れないおそれが生じる。
このため、搬送手段には、この搬送手段により搬送されている開閉体主要部構成部材の幅方向中央位置を、搬送手段の幅方向中央位置と一致又は略一致させるための開閉体主要部構成部材幅方向中央位置調整手段を設けるようにしてもよい。
ここで、開閉体主要部構成部材幅方向中央位置調整手段は、搬送手段により搬送されている開閉体主要部構成部材の幅方向中央位置を、搬送手段の幅方向中央位置と一致又は略一致させることができるものであれば、任意な形式、構造のものでよい。
前述の重量測定手段の例において、開閉体主要部構成部材幅方向中央位置調整手段の一例として、搬送手段の上面におけるこの搬送手段の幅方向両側に配置されていて、搬送手段の搬送方向への長さを有し、駆動手段からの駆動力によって搬送手段の幅方向に移動自在となっている棒状部材と、それぞれの棒状部材に設けられていて、開閉体主要部構成部材が搬送手段により搬送されているとき、搬送手段の幅方向内側へ移動させたそれぞれの棒状部材が移動限に達したことを検出するための移動限検出手段と、を含んで構成されているものを挙げることができる。
この例では、搬送手段の幅方向内側へ移動させたそれぞれの棒状部材が移動限に達したことが移動限検出手段により検出されたとき、開閉体主要部構成部材は、搬送手段の幅方向両側に配置された棒状部材によって挟み込まれて、搬送手段の搬送方向に向かって真っ直ぐ又は略真っ直ぐな姿勢状態となるとともに、開閉体主要部構成部材の幅方向中央位置が搬送手段の幅方向中央位置と一致又は略一致した状態となる。
なお、移動限検出手段(言い換えると、移動限検出センサ)は、搬送手段の幅方向内側へ移動させたそれぞれの棒状部材が移動限に達したことを検出することができるものであれば、任意な形式、構造のものでよい。言い換えると、移動限検出手段は、搬送手段の幅方向内側へ移動させたそれぞれの棒状部材が開閉体主要部構成部材に当接したことを検出することができるものであれば、任意な形式、構造のものでよい。例えば、移動限検出手段は、それぞれの棒状部材の内側面側に設けられ、それぞれの棒状部材が開閉体主要部構成部材に当接することにより作動するマイクロスイッチ、テープスイッチ等でもよい。
ここで、それぞれの棒状部材の内側面側に設ける移動限検出手段の個数は任意であるが、開閉体主要部構成部材の幅方向中央位置が搬送手段の幅方向中央位置と一致又は略一致したことをより正確に検出するためには、移動限検出手段は、それぞれの棒状部材の内側面側において、搬送手段の搬送方向に所定の間隔を空けて複数個設けることが好ましい。この場合には、それぞれの棒状部材の内側面側に設けた全ての移動検出手段が作動したときが、開閉体主要部構成部材の幅方向中央位置が搬送手段の幅方向中央位置と一致又は略一致したと判定すればよい。
なお、搬送手段の幅方向内側へ移動させたそれぞれの棒状部材が移動限に達したことが移動限検出手段により検出されたとき、処理手段は、それぞれの棒状部材の駆動手段からの駆動力による搬送手段の幅方向内側への移動を停止させた後、それぞれの棒状部材を、移動前の元の位置(言い換えると、初期位置)まで駆動手段からの駆動力による搬送手段の幅方向外側への移動をさせる処理を実行する。
なお、それぞれの棒状部材は、1本の棒状部材からなるものでもよく、複数本の棒状部材からなるものでもよい。
なお、以上説明した開閉体主要部構成部材幅方向中央位置調整手段の例において、「開閉体主要部構成部材が搬送手段により搬送されているとき、」とあるが、それぞれの棒状部材を搬送手段の幅方向内側へ移動させるのは、開閉体主要部構成部材の搬送中だけでなく、搬送中の開閉体主要部構成部材を所定位置で一旦停止させたときも含む。
前述の重量測定手段の例において、重量センサの個数が少なくとも3個である場合には、開閉体主要部構成部材の重量を測定するために使用される重量センサは、2個としてもよく、3個以上(言い換えると、少なくとも3個)としてもよい。
後者の場合において、開閉体主要部構成部材の重量を測定するために使用される少なくとも3個の重量センサは、搬送方向の最も前方の重量センサと、搬送方向の最も後方の重量センサと、これら2個の重量センサの間に配置されている少なくとも1個の重量センサであることとしてもよい。
これによると、開閉体主要部構成部材は、少なくとも3個の重量センサに載置されたとき、搬送方向の最も前方の重量センサと、搬送方向の最も後方の重量センサとに均等に支持されるとともに、さらに、これら2個の重量センサの間に配置されている少なくとも1個の重量センサにも支持されることになる。このため、開閉体主要部構成部材の重量を測定するために使用される重量センサの個数を2個とした場合と比較して、開閉体主要部構成部材が、この開閉体主要部構成部材の重量を測定するために使用される複数個の重量センサに載置されたことにより発生した開閉体主要部構成部材の振動がおさまるまでの時間をより短縮することができるため、それだけ重量測定を開始するまでの時間をより短縮することができるようになる。
前述の重量測定手段の例において、開閉体主要部構成部材の重量を測定するとき、開閉体主要部構成部材を複数個の重量センサの上面に直接載置させるようにしてもよく、複数個の重量センサのそれぞれの上面に、搬送手段の幅方向への長さを有するフラットバーを配置し、これらのフラットバーの上面に開閉体主要部構成部材が載置されるようにしてもよい。
後者の場合によると、前者の場合と比較して、開閉体主要部構成部材の重量を測定するとき、開閉体主要部構成部材は、複数個のフラットバーでより安定して支持されるとともに、このとき開閉体主要部構成部材に発生する振動を最小限にすることができるようになる。
前述の重量測定手段の例において、搬送手段は、開閉体主要部構成部材を搬送できるものであれば、任意な形式、構造のものでよい。
搬送手段の第1の例は、搬送方向に所定の間隔を空けて配置された多数のローラを有していてこれらのローラが駆動手段からの駆動力で回転するローラコンベアである。この第1の例では、複数個の重量センサのそれぞれは、互いに隣接するローラの間の下方において、昇降手段によって昇降自在に配置されるようにしてもよい。
搬送手段の第2の例は、搬送方向と直交する方向(言い換えると、搬送手段の幅方向)に所定の間隔を空けて配置された複数個の搬送用ベルトを有するベルトコンベアである。この第2の例では、複数個の重量センサのそれぞれは、互いに隣接する搬送用ベルトの間の下方において、昇降手段によって昇降自在に配置されるようにしてもよい。
前述の重量測定手段の例において、開閉体主要部構成部材の先端部に設けられている情報は、文字情報のみでもよく、この文字情報を一次元コード又は二次元コードで表わした情報のみでもよく、これら両方の情報でもよい。
前述の重量測定手段の例において、重量センサは、開閉体主要部構成部材の重量を測定することができるものであれば任意な形式、構造のものでよく、例えば、重量センサは、ばねと梃子を利用した機械式の重量センサでもよく、ひずみゲージ式、金属ゲージ式、半導体ゲージ式等の電気式の重量センサでもよい。
前述の重量測定手段の例において、重量センサの個数を4個とした場合におけるこれらの重量センサの配置関係は任意であるが、例えば、搬送方向1番目の重量センサの配置位置から、搬送方向2番目の重量センサの配置位置までの距離をLとすると、搬送方向2番目の重量センサの配置位置から、搬送方向3番目の重量センサの配置位置までの距離は、Lの2倍とし、搬送方向3番目の重量センサの配置位置から、搬送方向4番目の重量センサの配置位置までの距離は、Lの3倍となるようにしてもよい。
なお、重量センサの個数を3個とした場合におけるこれらの重量センサの配置関係も任意であるが、上述した重量センサの個数を4個とした場合と同様に、搬送方向1番目の重量センサの配置位置から、搬送方向2番目の重量センサの配置位置までの距離をLとすると、搬送方向2番目の重量センサの配置位置から、搬送方向3番目の重量センサの配置位置までの距離は、Lの2倍となるようにしてもよい。
なお、重量センサの個数が3個以上である場合において、開閉体主要部構成部材の重量を測定するために使用される重量センサは、開閉体主要部構成部材の先端部に設けられている情報である長さ寸法(搬送手段の搬送方向の寸法)に応じて処理手段により決定されるようにしてもよく、開閉体主要部構成部材の先端部に設けられている情報である長さ寸法に関係なく、全部の重量センサが使用されるようにしてもよい。
前者の場合には、例えば、重量センサの個数が4個である場合において、重量測定の対象となる開閉体主要部構成部材の長さ寸法が、搬送方向1番目の重量センサから3番目の重量センサまでの距離未満である場合には、搬送方向1、2番目の重量センサが使用されるようにし、重量測定の対象となる開閉体主要部構成部材の長さ寸法が、搬送方向1番目の重量センサから3番目の重量センサとまでの距離以上であって、搬送方向1番目の重量センサから4番目の重量センサまでの距離未満である場合には、搬送方向1、3番目の重量センサ、あるいは、搬送方向1、2、3番目の重量センサが使用されるようにし、重量測定の対象となる開閉体主要部構成部材の長さ寸法が、搬送方向1番目の重量センサから4番目の重量センサまでの距離以上である場合には、搬送方向1、4番目の重量センサ、あるいは、搬送方向1、2、4番目の重量センサ、あるいは、搬送方向1、3、4番目の重量センサ、あるいは、搬送方向1、2、3、4番目の重量センサ(言い換えると、全部の重量センサ)が使用されるようにしてもよい。なお、後者の場合には、開閉体主要部構成部材が載置されない重量センサが存在することになる。
以上説明した本発明は、任意の開閉装置に適用することができ、この開閉装置は、例えば、開閉体主要部構成部材がパネルであるオーバースライディングドア装置(言い換えると、パネ式シャッター装置)でもよく、あるいは、開閉体主要部構成部材がスラットあるスラット式シャッター装置でもよく、あるいは、開閉体主要部構成部材がパイプであるパイプ式シャッター装置(言い換えると、グリルシャッター装置)でもよく、あるいは、開閉体主要部構成部材がシートであるシート式シャッター装置等でもよい。
本発明によると、個々の開閉装置に最適な戻しばねの仕様が決定できるようになるという効果を得られる。
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1には、開閉体の主要部が複数個の開閉体主要部構成部材であるパネルを開閉移動方向に連設することにより形成されている開閉装置が示されており、この開閉装置は、倉庫等の建築物の出入口に設置されているオーバースライディングドア装置である。図1において、このオーバースライディングドア装置の開閉体となっているシャッターカーテン1は、後述する本発明の一実施形態に係るパネルの重量測定装置及び重量測定方法によりそれぞれの重量が測定される複数個のパネル2を、シャッターカーテン1の開閉移動方向である上下方向に連設することで形成されたパネル式のものである。
互いに上下隣接しているパネル2同士は、連結金具であるヒンジ3により回動自在に連結されている。シャッターカーテン1の幅方向両側には、それぞれのパネル2同士の連結部において、バー部材4を介してガイドローラ5がシャッターカーテン1の幅方向に突出した状態で配置され、これらのガイドローラ5は、左右一対のガイドレール6のガイド溝に挿入されている。それぞれのガイドレール6は、鉛直成分を有して上下方向に延びる第1部分6Aと、この第1部分6Aの上端に湾曲した第2部分6Bを介して接続され、シャッターカーテン1の厚さ方向である前後方向に上下成分を有して又は有しないで延びている第3部分6Cとからなる。
このため、シャッターカーテン1は、それぞれのガイドローラ5が左右一対のガイドレール6で案内されることにより、これらのガイドレール6の形状に倣った開閉移動を行い、それぞれのガイドローラ5が、図1に示されているように、左右一対のガイドレール6の第1部分6Aに達しているときには、これらの第1部分6Aの間に形成されている前記建築物の出入口はシャッターカーテン1で閉鎖され、また、それぞれのガイドローラ5が第2部分6Bや第3部分6Cに達したときには、シャッターカーテン1は出入口を開放する。
なお、本実施形態では、上述したヒンジ3、バー部材4及びガイドローラ5は、シャッターカーテン1と関連する関連部材となっている。さらに、図示しない施錠装置もシャッターカーテン1と関連する関連部材となっている。
出入口の上方には、回転軸7が水平に配置され、ブラケット8,9より回転自在に支持されているこの回転軸7の軸方向両端部には、2個の巻取ドラム10が取り付けられ、これらの巻取ドラム10には、巻取ドラム10に上端が結合されたワイヤー等による駆動用紐状部材11が繰り出し自在に巻かれており、これらの駆動用紐状部材11の下端は、シャッターカーテン1の下端部に連結されている。2個の巻取ドラム10のうち、一方の巻取ドラム10にはスプロケットホイール等の回転部材12が結合一体化され、この回転部材12に掛け回されているチェーン等による連動用無端紐状部材13は、回転部材14にも掛け回されている。この回転部材14には、操作用無端紐状部材16が掛け回されているプーリ等の回転部材15が結合一体されているため、人が操作用無端紐状部材16を操作して、回転部材15を正逆回転させ、この回転が回転部材14、連動用無端紐状部材13、回転部材12に伝達されて、巻取ドラム10及び回転軸7が正逆回転すると、巻取ドラム10による駆動用紐状部材11の巻き取り、繰り出しにより、シャッターカーテン1はガイドレール6に案内されて開閉移動する。
このようにシャッターカーテン1を開閉移動させるために正逆回転する回転軸7の外周には、ねじりコイルばねによる戻しばね20が巻回配置され、この戻しばね20の長さ方向であるコイル軸方向の一方の端部は不動部材となっているブラケット8に連結されているとともに、他方の端部は回転軸7に連結されている。このようにして回転軸7の外周に巻回配置された戻しばね20が巻き締められていると、戻しばね20には戻しばね力が蓄圧されているため、例えば、図1に示されているように、シャッターカーテン1が全閉位置に達しているときに、人が操作用無端紐状部材16の操作により回転軸7を回転させてシャッターカーテン1を上方へ開き移動させる作業は、この回転軸7の回転が戻しばね20の戻しばね力によって補助されることにより行われることになる。
人が操作用無端紐状部材16を上記操作とは逆操作すると、上方へ開き移動していたシャッターカーテン1は下方へ閉じ移動し、シャッターカーテン1がこの閉じ移動を行うときには、回転軸7は、シャッターカーテン1の開き移動時とは逆回転するため、戻しばね20には再び戻しばね力が蓄圧される。
なお、図1で示されている回転軸7は、継手部材17で接続された左右2個の回転軸部材7A,7Bにより構成され、これらの回転軸部材7A,7Bのそれぞれがブラケット8,9で回転自在に支持されているとともに、回転軸部材7A,7Bのそれぞれに巻取ドラム10と戻しばね20が配置されている。
このように、本実施形態では、戻しばね20は、開閉移動自在となっているシャッターカーテン1の閉じ移動時に戻しばね力が蓄圧され、この蓄圧された戻しばね力がシャッターカーテン1の開き移動のための補助力として利用されるものとなっており、この戻しばね20の仕様は、後述する本発明の一実施形態に係る開閉装置用戻しばねの仕様決定装置であるオーバースライディングドア装置用戻しばねの仕様決定装置によって決定される。
なお、戻しばね20の仕様は、シャッターカーテン1の主要部を構成する開閉体主要部構成部材である前述した図1で示されている複数個のパネル2の総重量を含む情報によって決定されるものである。
次に、複数個のパネル2のそれぞれの重量を測定するためのパネルの重量測定手段について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るパネルの重量測定手段である重量測定装置21の正面図であり、図3は、この重量測定装置21の平面図であり、図4は、この重量測定装置21のブロック構成図である。
図4で示されているように、本実施形態に係るパネルの重量測定装置21は、パネル2を搬送するための搬送手段であるローラコンベア22と、パネル2の重量を測定するための複数個(本実施形態では、4個)のひずみゲージ式の重量センサであるひずみゲージ式ロードセル(言い換えると、ひずみゲージ式荷重変換器)26と、これらのひずみゲージ式ロードセル26を昇降させるための昇降手段であるエアシリンダ27と、パネル2の先端部2Aに設けられている情報であって、二次元コードで表わされた少なくともパネル2の長さ寸法を含む情報を読み取るための読取手段である二次元コード読取装置33と、パネル2の重量を測定するための所定の処理を実行する処理手段71と、を含んで構成されている。
図2で示されているように、ローラコンベア22は、搬送方向である矢印B方向に所定の間隔を空けて配置された矢印A方向に回転する多数のローラ24を有しており、ローラコンベア22の枠体23の左右の側枠25の上部で軸が支持されているこれらのローラ24は、図示しない駆動手段からの駆動力で回転するものである。
本実施形態では、重量センサであるひずみゲージ式ロードセル26は4個あり、これらのひずみゲージ式ロードセル26のそれぞれは、互いに隣接するローラ24の間の下方において、昇降手段であるエアシリンダ27によって昇降自在に配置されている。なお、エアシリンダ27は、ローラコンベア22の左右の側枠25に架設された図示されない2個の架設部材39の上面に載置固定されている。
図4で示されている二次元コード読取装置33は、パネル2の先端部2A(図7参照)に配置されている図8に示す情報ラベル32に記載されている二次元コード32Fを読み込むカメラ34と、このカメラ34で読み込まれた二次元コードを処理する図示しない増幅部、A-D変換部、復号部を備えた画像処理手段と、を含んで構成されている。
カメラ34は、図2で示されているように、ローラコンベア22の幅方向中央部の上方においてこのカメラ34を吊り下げるための枠部材で形成されたカメラ支持枠35によって固定支持(言い換えると、固定配置)されており、このカメラ支持枠35は、4本の脚部によりローラコンベア22の幅方向両側を跨って立設されている。このため、カメラ34は、ローラコンベア22により搬送されるパネル2と干渉せず、かつ、作業者の邪魔にならない位置に配置されている。
図5は、図2及び図3で示されている重量センサであるひずみゲージ式ロードセル26と、このひずみゲージ式ロードセル26を昇降させるための昇降手段であるエアシリンダ27の拡大正面図であり、図6は、これらの拡大側面図(すわなち、搬送方向から見た拡大図)である。
本実施形態では、4個のひずみゲージ式ロードセル26のそれぞれは、エアシリンダ27の本体の上面から突没するピストンロッド28の上端部に取り付けられた台座部材28Aの上面に載置固定されている。また、ひずみゲージ式ロードセル26の上面には、ローラコンベア22の幅方向への長さを有するフラットバー31が載置固定されており、パネル2は、このフラットバー31の上面に載置されて重量測定されるようになっている。なお、図3から分かるように、フラットバー31の長さ方向(言い換えると、ローラコンベア22幅方向)中央位置は、ローラコンベア22の幅方向中央位置M4と一致又は略一致している。
なお、本実施形態では、4個のエアシリンダ27のそれぞれのピストンロッド28は、図4に示されている1個のエアコンプレッサ29からの圧縮空気が電磁弁30で開閉されることで昇降自在となっている。なお、電磁弁30の開閉制御は、処理手段71により実行される。
なお、それぞれのひずみゲージ式ロードセル26からの出力電圧は、図4に示す増幅部69で増幅された後、A-D変換部70でデジタル変換された後、処理手段71により合算される。
図7は、4個のひずみゲージ式ロードセル26の配置関係を示す図2と同様の正面図である。この図7から分かるように、ローラコンベア22の搬送方向1番目(図7では右端)のひずみゲージ式ロードセル26Aの配置位置から、搬送方向2番目のひずみゲージ式ロードセル26Bの配置位置までの距離をL1とすると、搬送方向2番目のひずみゲージ式ロードセル26Bの配置位置から、搬送方向3番目のひずみゲージ式ロードセル26Cの配置位置までの距離L2は、L1の2倍となっている。また、搬送方向3番目のひずみゲージ式ロードセル26Cの配置位置から、搬送方向4番目(図7では左端)のひずみゲージ式ロードセル26Dの配置位置までの距離L3は、L1の3倍となっている。
本実施形態では、パネル2の重量測定に使用されるひずみゲージ式ロードセル26は、図7に示すパネル2の先端部2Aに設けられている情報であるこのパネル2の長さ寸法(言い換えると、ローラコンベア22の搬送方向の長さ寸法)に応じて処理手段71によって決定される。
図8は、図7に示されているパネル2の先端部(本実施形態では、搬送方向の前端部の端面である前面部)2Aであってこのパネル2の幅方向中央部に配置されている情報ラベル32が示されている。
この情報ラベル32には、パネル2の識別情報である管理番号32Aと、パネル2の仕様情報である長さ寸法32B、パネル2の仕様情報である幅寸法32C、シャッターカーテン1の主要部を構成するパネル2の総個数32Dと、シャッターカーテン1における当該パネル2の位置情報(すなわち、当該パネル2がシャッターカーテン1の開き側から何個目のパネルであるかを表す情報)32Eと、これらの文字情報32A~32Eを二次元コードで表わした二次元コード情報32Fが記載されている。
なお、本実施形態では、管理番号32Aは、これから重量測定されるパネル2が使用されるオーバースライディングドア装置の設置場所の識別情報(すわなち、オーバースライディングドア装置固有の識別情報)とパネル2固有の識別情報とで構成される識別情報となっている。また、本実施形態では、二次元コード情報32Fには、パネル2の仕様情報である材質(例えば、アルミ、鉄等)も含めるようにしてもよい。
本実施形態では、重量測定されるパネル2の長さ寸法の情報は、処理手段71が、二次元コード読取装置33によって読み取られた情報ラベル32の二次元コード情報32Fから取得するものであるが、二次元コード読取装置33は、搬送中のパネル2を一旦停止させた状態にしなければ、情報ラベル32の二次元コード情報32Fを読み取ることができない。
このため、本実施形態では、図2及び図3で示されているように、ローラコンベア22には、図2及び図3に示す搬送中のパネル2の先端部2Aが所定の位置まで搬送されたことを検出するためのパネル先頭位置検出手段である光学式のパネル位置センサ36が設けられている。
このパネル位置センサ36は、ローラコンベア22の枠体23の左右の側枠25の一方の上部に配置されている送光部36Aと、他方の上部に配置され、送光部36Aから送信されている赤外線を受信する受光部36Bと、を含んで構成されている。なお、このパネル位置センサ36のローラコンベア22の搬送方向の配置位置は、搬送方向1番目のひずみゲージ式ロードセル26Aの配置位置の直ぐ手前の位置となっている。
送光部36Aから送信されている赤外線が、搬送中のパネル2の先端部2Aによって遮断されると、ローラコンベア22のローラ24の回転は、処理手段71によって直ちに停止され、搬送中のパネル2は、搬送方向1番目のひずみゲージ式ロードセル26Aの配置位置の直ぐ先の位置で停止する。
前述したように、パネル2の長さ寸法を含む情報が二次元コードで表わされた二次元コード情報32Fが記載されている情報ラベル32は、図7に示されているパネル2の先端部(本実施形態では、ローラコンベア22の搬送方向の前端部の端面である前面部)2Aであってこのパネル2の幅方向中央部に配置されている。一方、この二次元コード情報32Fを読み取るための二次元コード読取装置33のカメラ34は、前述したように、ローラコンベア22の幅方向中央部の上方に固定配置されている(図2及び図3参照)。
したがって、ローラコンベア22によって搬送中のパネル2の幅方向の中央位置M3(図3参照)は、このローラコンベア22の幅方向中央位置M4(図3参照)と一致又は略一致していることが好ましい。しかし、図3で示されているように、パネル2の搬送の前からあるいは搬送の途中に、このパネル2の幅方向中央位置M3がローラコンベア22の幅方向中央位置M4と一致しなくなる場合が生じ得る。
このような場合が生じると、ローラコンベア22の幅方向中央位置M4の上方に固定配置されているカメラ34が、パネル2の先端部2Aに配置されている情報ラベル32の二次元コード情報32Fを正しく読み取れないおそれが生じる。
このため、このような場合を考慮して、本実施形態では、ローラコンベア22には、このローラコンベア22により搬送されているパネル2の幅方向中央位置M3を、ローラコンベア22の幅方向中央位置M4と一致又は略一致させるための本発明の一実施形態に係る開閉体主要部構成部材幅方向中央位置調整手段である図2及び図3に示すパネル幅方向中央位置調整手段37が設けられている。
以下、このパネル幅方向中央位置調整手段37の構造について図9及びこの図9の中央部の部分拡大図である図10により説明する。なお、図9及び図10において、ローラコンベア22のローラ24の表示は省略されている。また、図10において、パネル幅方向中央位置調整手段37の構造を説明する便宜上、棒状部材38の一部が破断して示されている。
図9に示されているように、本実施形態に係るパネル幅方向中央位置調整手段37は、ローラコンベア22の上面におけるこのローラコンベア22の幅方向両側に配置されていて、ローラコンベア22の搬送方向への長さを有し、駆動手段41からの駆動力によってローラコンベア22の幅方向(図9の矢印方向)に移動自在となっている棒状部材38と、それぞれの棒状部材38に設けられていて、パネル2がローラコンベア22により搬送されているとき、ローラコンベア22の幅方向内側へ移動させたそれぞれの棒状部材38がパネル2に当接して移動限に達したと検出するための図示しない移動限検出手段と、を含んで構成されているものである。
図10に示されているように、2個の棒状部材38を駆動させるための電動モータとブレーキからなる駆動手段41は、ローラコンベア22の左右の側枠25に架設された2個の架設部材39の上面に結合された板状の台座部材40に載置されている。
次に、駆動手段41からの駆動力によって2個の棒状部材38が、ローラコンベア22の幅方向内側又は外側に移動する機構について説明する。
図10に示されているように、軸方向がローラコンベア22の搬送方向である駆動手段41の図示されない駆動軸の回転力は、動力伝動手段43によって、ローラコンベア22の搬送方向への長さを有する棒状の被動軸42(図9も参照)へ伝動される。この動力伝動手段43は、駆動手段41の駆動軸側のプーリ44と、被動軸42側のプーリ45と、これらのプーリ44,45に架け回された無端ベルト46とからなっている。なお、被動軸42は、ローラコンベア22の左右の側枠25に架設された複数個の架設部材47に載置されている軸受け部材48によって受けられている。
この被動軸42の回転力は、動力伝動手段50によって、軸方向がローラコンベア22の搬送方向である回転軸49へ伝動される。この動力伝動手段50は、被動軸42側のプーリ51と、回転軸49側のプーリ52と、これらのプーリ51,52に掛け回された無端ベルト53とからなっている。
また、回転軸49におけるプーリ52の側とは反対側の部分は、図示しないマイタ傘歯車となっており、このマイタ歯車には、軸方向がローラコンベア22の搬送方向と直交する幅方向である図示しないマイタ歯車が噛合しており、このマイタ歯車を有する回転軸54に、回転軸49の回転力が伝動される。
さらに、この回転軸54の回転力は、動力伝動手段55により、軸方向が幅方向である棒状の回転部材56へ伝動される。この動力伝動手段55は、回転軸54側のプーリ57と、回転部材56側のプーリ58と、これらのプーリ57,58に架け回された無端ベルト59とからなっている。
回転部材56における一方の端部56A近傍から中央部近傍までの表面には、左(右)ねじ溝60が形成されており、回転部材56における他方の端部56B近傍から中央部近傍までの表面には、右(左)ねじ溝61が形成されている。
また、回転部材56の両端部56A,56Bは、ローラコンベア22の枠体23の左右の側枠25に固定された軸受け部材62,63で受けられており、回転部材56のうち、軸受け部材62,63よりも回転部材56の長さ方向内側の部分、すなわち、左右のねじ溝60,61が形成されている部分には、ナット部材64,65が螺入されている。
ナット部材64は、連結部材66によって動力伝動手段55側の棒状部材38Aに連結されており、ナット部材65は、連結部材67によって動力伝動手段55側とは反対側の棒状部材38Bに連結されている。
以上の説明から分かるように、駆動手段41の電動モータの図示しない駆動軸が正回転すると、この駆動軸の正回転力(言い換えると、駆動力)は、3個の動力伝動手段43,50,55によって、ねじ溝60,61が形成された棒状の回転部材56に伝達されるようになっている。
そして、この回転部材56が正回転することにより、ナット部材64に連結部材66を介して連結されている棒状部材38Aが、ローラコンベア22の幅方向内側へ移動(言い換えると、スライド)するとともに、ナット部材65に連結部材67を介して連結されている棒状部材38Bも、ローラコンベア22の幅方向内側へ移動することになる。なお、棒状部材38A,38Bの移動は、連結部材66,67が、ローラコンベア22の左右の側枠25に架設されたガイドレール68に案内されて行われる。
一方、駆動手段41の電動モータの図示しない駆動軸が逆回転すると、回転部材56も逆回転することになり、棒状部材38A,38Bは、ローラコンベア22の幅方向外側へ移動することになる。
なお、図9で示されているように、上述した動力伝動手段50,55、回転部材56、は、ナット部材64,65、連結部材66,67及びガイドレール68は、ローラコンベア22の搬送方向に3箇所離間して配置されており、これらによって、ローラコンベア22の搬送方向への長さを有する2個の棒状部材38は、搬送方向内外方向へ移動自在となっている。
なお、本実施形態では、前述したように、パネル2がローラコンベア22により搬送されているとき、ローラコンベア22の幅方向内側へ移動させたそれぞれの棒状部材38がパネル2に当接して移動限に達したと検出するための図示しない移動限検出手段が、それぞれの棒状部材38の内側面部に設けられている。本実施形態では、移動限検出手段は、それぞれの棒状部材38がパネル2に当接することにより作動するマイクロスイッチ、テープスイッチ等の押圧式のセンサとなっている。
本実施形態では、パネル2の幅方向中央位置M3がローラコンベア22の幅方向中央位置M4と一致又は略一致したことをより正確に検出するために、移動限検出手段は、それぞれの棒状部材38の内側面側において、ローラコンベア22の搬送方向に所定の間隔を空けて複数個設けられており、それぞれの棒状部材38の内側面側に設けた全ての移動検出手段が作動したときが、パネル2の幅方向中央位置M3がローラコンベア22の幅方向中央位置M4と一致又は略一致したと処理手段71により判定される。このとき、パネル2は、2個の棒状部材38によって挟み込まれて、ローラコンベア22の搬送方向に向かって真っ直ぐ又は略真っ直ぐな姿勢状態となるとともに、パネル2の幅方向中央位置M3がローラコンベア22の搬送手段の幅方向中央位置M4と一致又は略一致した状態となる。
このように、2個の棒状部材38は、パネル2の幅方向両側から、このパネル2を押圧するための押圧部材となっている。
次に、本実施形態に係るパネルの重量測定装置21の動作について説明する。図11は、この重量測定装置21に備えられていて、パネル2の重量を測定するための図4に示す処理手段71が実行する制御処理(最初のステップS1を除く)の流れを示すフローチャート図であり、図12は、図11で示されている制御処理の流れの続きを示すフローチャート図である。
本実施形態では、重量測定装置21によるパネル2の重量測定作業は、オーバースライディングドア装置の製造ライン作業の一工程に組み込まれるものであり、図11に示されているように、まず、前工程(パネル2の製造作業等)が終了したパネル2を重量測定用のローラコンベア22に載せる作業を実施する(ステップS1)。
次に重量測定装置21に備えられている図示しない操作装置の開始ボタンを作業者が操作すると、処理手段71は、ローラコンベア22の図示しない駆動手段の駆動を開始させる処理を実行し、このため、ローラコンベア22の駆動が開始する(ステップS2)。これにより、パネル2は、駆動手段からの駆動力で回転するローラ24によって、ローラコンベア22の搬送方向(図2に示す矢印B方向)に搬送される。
パネル2の搬送が開始された後、処理手段71は、パネル位置センサ36が作動したかどうか、すなわち、パネル位置センサ36の送光部36Aから受光部36Bへ送信されている赤外線が、搬送中のパネル2の先端部2Aによって遮断されたかどうかを判定する処理を実行する(ステップS3)。このステップS3において、パネル位置センサ36が作動していないと処理手段71が判定した場合(ステップS3-NO)、このステップS3の判定処理が繰り返され、パネル2の搬送が継続される。
一方、ステップS3において、パネル位置センサ36が作動したと処理手段71が判定した場合(ステップS3-YES)、処理手段71は、ローラコンベア22の駆動手段の駆動を停止させる処理を実行し、これにより、ローラコンベア22の駆動が停止する(ステップS4)。このため、パネル2は、図13に示されているように、パネル位置センサ36の配置位置から搬送方向へ若干進んだ位置で停止する。すわなち、パネル2は、二次元コード読取装置33(図4参照)のカメラ34によってこのパネル2の先端部2Aに配置されている情報ラベル32の二次元コード情報32Fが読取可能な位置で停止する。
本実施形態では、図3で示されているように、搬送中のパネル2の幅方向中央位置M3がローラコンベア22の幅方向中央位置M4と一致又は略一致していないまま、このパネル2が図13で示されている位置で停止する場合があり、このような場合には、二次元コード読取装置33のカメラ34が、パネル2の先端部2Aに配置されている情報ラベル32の二次元コード情報32Fを読み取れないおそれがある。このため、本実施形態では、前述したパネル幅方向中央位置調整手段37(図3及び図4参照)により、停止中のパネル2の幅方向中央位置M3をローラコンベア22の幅方向中央位置M4と一致又は略一致させる処理が実行される。
上述したステップS4の後、処理手段71は、パネル幅方向中央位置調整手段37の駆動手段41を駆動させる処理を実行する。これにより、パネル2の幅方向両側に配置されている左右の棒状部材38が、駆動手段41の駆動力でパネル2の幅方向内側(言い換えると、ローラコンベア22の幅方向内側)に電動による移動を開始する(ステップS5)。
左右の棒状部材38が移動を開始した後、処理手段71は、左右の棒状部材38がパネル2の側面部に当接して移動限に達したかどうか、すなわち、それぞれの棒状部材38の内側面部に複数個設けられている前述した図示しない移動限検出手段の全部が、パネル2の側面部と当接することにより作動したかどうかを判定する処理を実行する(ステップS6)。このステップS6において、移動限検出手段の全部が作動していないと処理手段71が判定した場合(ステップS6-NO)、このステップS6の判定処理が繰り返され、左右の棒状部材38の移動が継続される。
一方、ステップS6において、移動限検出手段の全部が作動したと処理手段71が判定した場合(ステップS6-YES)、処理手段71は、パネル幅方向中央位置調整手段37の駆動手段41の駆動を停止させる処理を実行する。これにより、左右の棒状部材38の電動による移動は停止する(ステップS7)。
このステップS7の後、処理手段71は、二次元コード読取装置33に対して、パネル2の先端部(言い換えると、前面部)2Aに配置されている情報ラベル32の二次元コード情報32Fを読み取らせる処理を実行する(ステップS8)。
前述したように、図4で示されている二次元コード読取装置33のカメラ34により撮影された情報ラベル32の二次元コード情報32Fの画像は、二次元コード読取装置33の図示しない増幅部、A-D変換部、復号部を備えた画像処理手段によって処理される。この後、処理手段71により、二次元コード情報32Fのうち、パネル2の管理番号32Aと長さ寸法32Bの情報が取得される(ステップS9)。
本実施形態では、ひずみゲージ式ロードセル26の総個数は、前述した図2、図3及び図7で示されているように、4個であり、図13で示されているパネル2の長さ寸法Lは、図7に示されている右から1番目のひずみゲージ式ロードセル26Aから3番目のひずみゲージ式ロードセル26Cまでの距離(L1+L2)よりも大きく、右から1番目のひずみゲージ式ロードセル26Aから4番目のひずみゲージ式ロードセル26Dまでの距離(L1+L2+L3)よりも小さくなっている。
このため、本実施形態では、図2、図3及び図7で示されている4個のひずみゲージ式ロードセル26A~26Dのうち、図13で示されている長さ寸法がLであるパネル2の重量を測定するために使用されるひずみゲージ式ロードセル26は、図13で示されている右から1番目~3番目までの3個(言い換えると、ローラコンベア22の搬送方向の前方3個)のひずみゲージ式ロードセル26A~26Cとなる。
すなわち、本実施形態では、パネル2の重量を測定するために使用されるひずみゲージ式ロードセル26は、パネル2の長さ寸法に応じて、4個のひずみゲージ式ロードセル26A~26Dのうち、搬送方向の前方2個のひずみゲージ式ロードセル26A,26Bのみ、又は、搬送方向の前方3個のひずみゲージ式ロードセル26A~26Cのみ、又は、4個全部のひずみゲージ式ロードセル26A~26Dとなる。
このため、パネル2が、このパネル2の重量を測定するために使用される3個のひずみゲージ式ロードセル26A~26Cに載置される前において、図13で示されている停止中のパネル2の長さ方向中央部M1が、搬送方向の最も前方である右から1番目のひずみゲージ式ロードセル26Aの配置位置から、搬送方向の最も後方である右から3番目のひずみゲージ式ロードセル26Cの配置位置までの距離の中間地点M2(図14参照)に来るまで、パネル2をローラコンベア22により前方へ搬送(言い換えると、移動)させる必要がある。
このためには、まず、処理手段71は、ステップS9の後、このステップS9で取得されたパネル2の長さ寸法に基づいて、図13で停止中のパネル2を前方へ移動させる距離を算出する処理を実行する(ステップS10)。
このステップS10の後、処理手段71は、ローラコンベア22の図示しない駆動手段の駆動を開始させる処理を実行し、このため、ローラコンベア22の駆動が開始する(ステップS11)。これにより、パネル2は、ローラコンベア22の搬送方向である前方への移動を開始する。
パネル2が再び移動を開始した後、処理手段71は、このパネル2が、ステップS10で算出された所定の距離を前方移動したかどうかを判定する処理を実行する(ステップS12)。なお、パネル2が所定の距離を移動したかどうかは、例えば、ローラコンベア22の駆動手段が電動モータである場合には、この電動モータの駆動軸が所定回数回転したかどうかで判定すればよい。
このステップS12において、パネル2が所定の距離を前方移動していないと処理手段71が判定した場合(ステップS12-NO)、このステップS12の判定処理が繰り返され、パネル2の移動が継続される。
一方、ステップS12において、パネル2が所定の距離を前方移動したと処理手段71が判定した場合(ステップS12-YES)、処理手段71は、ローラコンベア22の駆動手段の駆動を停止させる処理を実行する(ステップS13)。これにより、パネル2の前方への移動は停止する。図14は、このときを示す図である。この図14で示されているように、パネル2の先端部2Aは、図13で示されている位置から、右から1番目のひずみゲージ式ロードセル26Aから前方に距離L4離間した位置まで移動したことになる。このとき、パネル2の後端部2Bの位置は、右から3番目のひずみゲージ式ロードセル26Cから後方に距離L4離間した位置となっている。
ステップS13の後、処理手段71は、エアシリンダ27のピストンロッド28の上昇を開始させる処理を実行する(ステップS14)。
エアシリンダ27のピストンロッド28が上昇を開始した後、処理手段71は、このピストンロッド28が所定量上昇したかどうか(すなわち、ピストンロッド28の上面の高さ位置が図14に示す位置から図15に示す位置まで上昇したかどうか)を判定する処理を実行する(ステップS15)。
このステップS15において、ピストンロッド28が所定量上昇していないと処理手段71が判定した場合(ステップS15-NO)、このステップS15の判定処理が繰り返され、ピストンロッド28の上昇が継続される。
一方、ステップS15において、ピストンロッド28が所定量上昇したと処理手段71が判定した場合(ステップS15-YES)、処理手段71は、ピストンロッド28の上昇を停止させる処理を実行し(ステップS16)、ピストンロッド28は、図15に示す状態となる。このとき、上昇したピストンロッド28によって、3個のひずみゲージ式ロードセル26Aの上面に載置固定されているフラットバー31は、ローラコンベア22のローラ24の上面よりも高い位置まで上昇する。
前述したように、4個のひずみゲージ式ロードセル26A~26Dのそれぞれは、エアシリンダ27のピストンロッド28の上端部に取り付けられた台座部材28Aの上面に載置固定されており、ひずみゲージ式ロードセル26A~26Dのそれぞれの上面にはフラットバー31が載置固定されている。したがって、図15で示されている状態のパネル2は、フラットバー31に載置されて3個のひずみゲージ式ロードセル26A~26Cにより重量測定可能な状態となっている。
このステップS16の後、処理手段71によるパネル2の重量測定処理が実行される(ステップS17)。すなわち、3個のひずみゲージ式ロードセル26 のそれぞれからの電気信号である出力電圧が、図4に示す増幅部69で増幅された後、A-D変換部70でデジタル変換された後、処理手段71により合算される。
処理手段71は、この合算されたデータをパネル2の重量データとして、ステップS9で取得されたパネル2の管理番号32Aと関連付けて、サーバ73の記憶手段74に記憶する処理を実行する(ステップS18)。なお、パネル2の重量データは、処理手段71に接続された出力手段であるモニタ72(図4参照)に出力され、作業者は、測定されたパネル2の重量を確認することができる。
このステップS18の後、処理手段71は、エアシリンダ27のピストンロッド28を元の位置まで下降させる処理を実行する(ステップS19)。以上で、図1で示されているオーバースライディングドア装置のシャッターカーテン1の主要部を構成する複数個のパネル2の1個の重量を測定する処理が終了する。
なお、前述のステップS5~S7によってパネル2の幅方向内側に移動させたパネル幅方向中央位置調整手段37の2個の棒状部材38を図3で示されている元の位置(言い換えると、初期位置)まで移動する処理、すなわち、パネル幅方向中央位置調整手段37の2個の棒状部材38を駆動させるための駆動手段41の電動モータの駆動軸を逆回転させることにより、2個の棒状部材38をパネル2の幅方向外側に移動させて元の位置まで移動する処理は、ステップS7の直後でもよく、ステップS19の後(言い換えると、パネル2の重量測定処理が終了した後)でもよい。
以上説明したように、図4で示されている処理手段71により実行される本発明の一実施形態に係るパネル2の重量測定方法は、ローラコンベア22により搬送されているパネル2を、カメラ34がパネル2の先端部2Aに設けられている情報ラベル32を読み取り可能な図13で示されている位置で停止させる第1ステップと、カメラ34によりパネル2の情報ラベル32を読み取らせる第2ステップと、図14で示されているように、カメラ34により読み取られた情報ラベル32のラベル2の長さ寸法32Bに基づいて、パネル2の長さ方向中央部M1が、パネル2の重量を測定するために使用される3個のひずみゲージ式ロードセル26のうち、搬送方向の最も前方(言い換えると、右から1番目)のひずみゲージ式ロードセル26Aの配置位置から、搬送方向の最も後方(言い換えると、右から3番目)のひずみゲージ式ロードセル26Cの配置位置までの距離(L1+L2)の中間地点M2に来るまでのパネル2の搬送距離を算出する第3ステップと、パネル2を、第1ステップで停止された図13で示されている位置から、第3ステップで算出された搬送距離だけローラコンベア22により搬送する第4ステップと、図15で示されているように、パネル2の重量を測定するために使用される3個のひずみゲージ式ロードセル26A~26Cをエアシリンダ27のピストンロッド28により上昇させて、パネル2をフラットバー31を介して3個のひずみゲージ式ロードセル26A~26Cに載置させる第5ステップと、3個のひずみゲージ式ロードセル26A~26Cからの電気信号である出力電圧に基づいて、パネル2の重量を算出する第6ステップと、第5ステップにおいて上昇させた3個のひずみゲージ式ロードセル26A~26Cをエアシリンダ27のピストンロッド28により降下させる第7ステップと、を含むものとなっている。
なお、処理手段71は、第1ステップの後であって第2ステップの前において、図9で示されているパネル幅方向中央位置調整手段37により、第1ステップで停止されたパネル2部材の幅方向中央位置M3(図3参照)を 、ローラコンベア22の幅方向中央位置M4(図3参照)と一致又は略一致させる処理を実行するようになっている。
以上説明したように、本実施形態に係るパネルの重量測定装置21では、パネル2の重量測定作業は、前述した従来のように、作業者が、一般的なクレーン装置等でワイヤーを用いて2点あるいは多点でパネルを吊り上げて測定するものではなく、パネル2をローラコンベア22で搬送している途中で行うことができるようになっている。
このため、本実施形態に係るパネルの重量測定装置21によると、パネル2の重量測定作業を、従来と比較して容易かつ迅速に行えるようになり、また、このパネル2の重量測定作業を、オーバースライディングドア装置の製造ライン作業の一工程に組み込むことができるようになる。
また、本実施形態に係るパネルの重量測定装置21では、図13で示されているように、ローラコンベア22により搬送中のパネル2の先端部2Aに配置されているこのパネル2の長さ寸法の情報がカメラ34に読み取られた後、パネル2は、図14で示されているように、このパネル2の重量を測定するために使用される3個のひずみゲージ式ロードセル26A~26Cのうち、ローラコンベア22の搬送方向の最も前方のひずみゲージ式ロードセル26Aと、ローラコンベア22の搬送方向の最も後方のひずみゲージ式ロードセル26Cと、に均等に支持される(本実施形態では、実際には、フラットバー31を介して均等に支持される)位置まで、ローラコンベア22により搬送されるようになっている。
これにより、パネル2は、図15で示されているように、重量測定されるとき、3個のひずみゲージ式ロードセル26A~26Cのうち、ローラコンベア22の搬送方向の最も前方のひずみゲージ式ロードセル26Aの上面に載置固定されたフラットバー31と、ローラコンベア22の搬送方向の最も後方のひずみゲージ式ロードセル26Cに載置固定されたフラットバー31と、に均等に支持されるとともに、パネル2のうち、ひずみゲージ式ロードセル26Aとひずみゲージ式ロードセル26Cの間の部分は、ひずみゲージ式ロードセル26Bの上面に載置固定されたフラットバー31に支持されることになる。
すなわち、パネル2は、重量測定されるとき、3個のひずみゲージ式ロードセル26A~26Cの上面に載置固定されたフラットバー31に載置された状態(言い換えると、上向きに支持された状態)で行われる。このように、本実施形態では、パネル2の長さ方向の3箇所が3個のフラットバー31に載置されることによりこのパネル2の重量の測定がされるようになっている。
このため、本実施形態に係るパネルの重量測定装置21によると、パネル2が、エアシリンダ27のピストンロッド28によって上昇された3個のフラットバー31に載置されたとき、このパネル2が3個のフラットバー31に当接したことにより発生する振動を最小限にすることができるため、この発生した振動がおさまる時間を短縮することができる。これにより、パネル2の重量測定を開始するまでの時間を短縮することができるようになる。すなわち、本実施形態に係るパネルの重量測定装置21によると、パネル2の重量測定作業を迅速に行うことができるようになる。
また、本実施形態に係るパネルの重量測定装置21では、パネル2の重量を測定するとき、このパネル2を複数個のひずみゲージ式ロードセル26の上面に直接載置するのではなく、複数個のひずみゲージ式ロードセル26のそれぞれの上面に載置固定されていて、ローラコンベア22の幅方向への長さを有するフラットバー31の上面にパネル2が載置されるようになっている。
このため、本実施形態に係るパネルの重量測定装置21によると、パネル2重量を測定するとき、このパネル2、複数個のフラットバー21でより安定して支持されるとともに、このときパネル2に発生する振動を最小限にすることができるようになる。
また、以上説明した本実施形態に係るパネルの重量測定方法では、前述した本実施形態に係るパネルの重量測定装置21と同様に、パネル2は、前述した従来のように、作業者が、一般的なクレーン装置等でワイヤーを用いて2点あるいは多点でパネルを吊り上げて測定するものではなく、ローラコンベア22により搬送される途中において行われるようなっており、これにより、パネル2の重量測定作業を、オーバースライディングドア装置の製造ライン作業の一工程に組み込むことができるようになる。
また、本実施形態に係るパネルの重量測定方法では、前述した本実施形態に係るパネルの重量測定装置21と同様に、パネル2が、このパネル2の重量を測定するために使用される複数個のひずみゲージ式ロードセル26の上面に載置固定されたフラットバー31に載置されることにより発生したパネル2の振動がおさまるまでの時間を短縮することができるため、それだけ、パネル2の重量測定を開始するまでの時間を短縮することができるようになる。
このため、本実施形態に係るパネルの重量測定方法によると、パネル2の重量測定作業を容易かつ迅速に行えるようになる。
以上説明した1個のパネル2の重量を測定する作業を、図1で示されているオーバースライディングドア装置のシャッターカーテン1の主要部を構成するパネル2全部(図1の例では、6個のパネル2)について行う。これにより、サーバ73の記憶手段74には、図1に示されているオーバースライディングドア装置のシャッターカーテン1の主要部を構成する6個のパネル2のそれぞれの重量が、ステップS9で取得されたパネル2の管理番号32Aと関連付けて記憶される。
この後、図1に示されているオーバースライディングドア装置で使用される前述した戻しばね20の仕様を決定することになるが、この戻しばね20の仕様を決定するための本発明の一実施形態に係るオーバースライディングドア装置用戻しばねの仕様決定装置について、以下説明する。
図16は、本実施形態に係るオーバースライディングドア装置用戻しばねの仕様決定装置77のブロック構成図である。
この図16で示されているように、戻しばねの仕様決定装置77は、前述したパネル2を測定するための重量測定手段である重量測定装置21と、この重量測定装置21の処理手段71と有線又は無線で接続された前述したサーバ73と、このサーバ73に接続された前述した記憶手段74と、このサーバ73に接続されていて、決定された戻しばね20の仕様情報を含む情報を出力するためのディスプレイ、プリンタ等の出力手段75と、戻しばね20の仕様を決定するオーバースライディングドア装置を、出力手段75であるディスプレイの画面で選択するためのキーボード、マウス等の入力手段78と、を含んで構成されている。
前述したように、記憶手段74には、重量測定装置21により測定された複数個のパネル2のそれぞれの重量を含む情報が記憶されており、戻しばねの仕様決定装置77を構成するサーバ73の処理手段76は、記憶手段74に記憶された前記情報に基づいて、戻しばね20の仕様情報を決定するための所定の処理を実行するものとなっている。
図16で示されているように、処理手段76は、開閉体主要部構成部材総重量算出部であるパネル総重量算出部76Aと、開閉体主要部構成部材総個数算出部であるパネル総個数算出部76Bと、関連部材総個数算出部76Cと、関連部材総重量算出部76Dと、戻しばね仕様決定部76Eと、を含んで構成されている。
前述したように、本実施形態では、管理番号32Aは、重量測定されたパネル2が使用されるオーバースライディングドア装置の設置場所の識別情報とパネル2固有の識別情報とで構成される識別情報となっている。
例えば、図1で示されているオーバースライディングドア装置の設置場所(A現場とする)の識別情報を「0001」とし、6個のパネル2のうち、開き側(言い換えると、上側)から1番目に配置されるパネル2の固有の識別情報を「01」、以下同様に、2番目のパネル2の識別情報を「02」、3番目のパネル2の識別情報を「03」、4番目のパネル2の識別情報を「04」、5番目のパネル2の識別情報を「05」、6番目のパネル2の識別情報を「06」とすると、1番目のパネル2の重量データは、6桁の数字の管理番号「000101」と関連付けられて記憶手段74に記憶され、以下同様に、2番目のパネル2の重量データは、管理番号「000102」と関連付けられて記憶手段74に記憶され、3番目のパネル2の重量データは、管理番号「000103」と関連付けられて記憶手段74に記憶され、4番目のパネル2の重量データは、管理番号「000104」と関連付けられて記憶手段74に記憶され、5番目のパネル2の重量データは、管理番号「000105」と関連付けられて記憶手段74に記憶され、6番目のパネル2の重量データは、管理番号「000106」と関連付けられて記憶手段74に記憶される。
なお、本実施形態では、記憶手段74には、他の現場(例えば、B現場、C現場等)に設置されるオーバースライディングドア装置のシャッターカーテンの主要部を構成する複数個のパネルのそれぞれの重量データも記憶される。すなわち、記憶手段74には、複数の現場に設置されるオーバースライディングドア装置のシャッターカーテンの主要部を構成する複数個のパネルのそれぞれの重量データが混在して記憶される。
したがって、本実施形態では、処理手段76は、記憶手段74に記憶されているオーバースライディングドア装置の一覧を出力手段75であるディスプレイに表示する処理を実行するとともに、この一覧から、戻しばね20の仕様を決定するオーバースライディングドア装置を入力手段78から選択させる処理を実行する。
このため、本実施形態では、処理手段76のパネル総重量算出部76Aは、図1で示されているオーバースライディングドア装置のシャッターカーテン1の主要部を構成する6個のパネル2の総重量を算出するために、記憶手段74に記憶されているパネル2の重量データレコードのうち、管理番号の上4桁が図1のオーバースライディングドア装置の設置場所の識別情報が「0001」である6件のレコードについての重量データを合計し、この合計値を6個のパネル2の総重量とするものである。
また、処理手段76のパネル総個数算出部76Bは、パネル総重量算出部76Aと同様に、図1で示されているオーバースライディングドア装置のシャッターカーテン1の主要部を構成するパネル2の総個数を算出するために、記憶手段74に記憶されているパネル2の重量データレコードのうち、管理番号の上4桁が図1のオーバースライディングドア装置の設置場所の識別情報が「0001」であるレコードの件数を算出し、算出したレコード件数をパネル2の総個数とするものである。
前述したように、本実施形態では、図1で示されているパネル2同士を連結するための連結金具であるヒンジ3、バー部材4及びガイドローラ5、さらには、図示しない施錠装置は、シャッターカーテン1と関連する関連部材となっており、これらの関連部材のうち、シャッターカーテン1に必要なヒンジ3、バー部材4及びガイドローラ5の総個数は、処理手段71のパネル総個数算出部76Bにより算出されたパネル2の総個数によって決定される。
すなわち、本実施形態では、処理手段76の関連部材総個数算出部76Cは、パネル総個数算出部76Bにより算出されたパネル2の総個数に基づいて、シャッターカーテン1に必要なヒンジ3、バー部材4及びガイドローラ5の総個数を算出するものである。
また、処理手段71の関連部材総重量算出部76Dは、記憶手段74に予め記憶されたヒンジ3、バー部材4及びガイドローラ5のそれぞれの重量(言い換えると、1個当たりの重量)と、上述の関連部材総個数算出部76Cにより算出されたヒンジ3、バー部材4及びガイドローラ5の総個数と、に基づいてヒンジ3、バー部材4及びガイドローラ5の総重量を算出する処理を実行するものである。すなわち、関連部材総重量算出部76Dは、記憶手段74に予め記憶されたヒンジ3、バー部材4及びガイドローラ5のそれぞれの重量に、関連部材総個数算出部76Cにより算出されたヒンジ3、バー部材4及びガイドローラ5の総個数を乗算した値を、ヒンジ3、バー部材4及びガイドローラ5の総重量とするものである。
なお、本実施形態では、関連部材総重量算出部76Dは、この算出されたヒンジ3、バー部材4及びガイドローラ5の総重量に、シャッターカーテン1に必要な個数がパネル2の総個数とは関係なく決まる施錠装置等の装置、部材の重量を加算する処理も実行する。
この後、処理手段76の戻しばね仕様決定部76Eは、パネル総重量算出部76Aにより算出されたパネル2の総重量と、関連部材総重量算出部76Dにより算出された関連部材の総重量と、に基づいて戻しばね20の仕様情報を決定する処理を実行するようになっている。
すなわち、戻しばね仕様決定部76Eは、パネル総重量算出部76Aにより算出されたパネル2の総重量と、関連部材総重量算出部76Dにより算出された関連部材の総重量を合算した重量で、記憶手段74に記憶された戻しばね仕様データベースを参照し、最適な戻しばね20の仕様情報を取得する処理を実行するようになっている。
この後、処理手段76は、戻しばね仕様決定部76Eにより決定された(言い換えると、取得された)戻しばね20の仕様情報(本実施形態では、線径、長さ寸法及び巻き数を含む情報)を、出力手段75に出力する処理を実行する。また、処理手段76は、戻しばね仕様決定部76Eにより決定された戻しばね20の仕様情報を、オーバースライディングドア装置を識別するための識別情報と関連付けて記憶手段74に記憶する処理を実行する。
以上説明した本実施形態に係る戻しばねの仕様決定装置77では、前述した本実施形態に係るパネルの重量測定装置21によって測定された後、処理手段71によってサーバ73に接続されている記憶手段74に自動的に記憶された複数個のパネル2の重量データに基づいて、図1で示されているオーバースライディングドア装置で使用するための最適な戻しばね20の仕様が決定されるようになっている。
このため、本実施形態に係る戻しばねの仕様決定装置77によると、図1で示されているオーバースライディングドア装置で使用するための最適な戻しばね20の仕様を容易かつ迅速に決定することができるようになる。
なお、本実施形態に係る戻しばねの仕様決定装置77において、図1で示されているオーバースライディングドア装置のシャッターカーテン1を構成する複数個のパネル2全部についてのパネルの重量測定装置21による重量測定がなされていない場合、言い換えると、図1で示されているオーバースライディングドア装置のシャッターカーテン1を構成する複数個のパネル2のうち、パネルの重量測定装置21による重量測定がなされていないパネル2が存在する場合には、サーバ73の処理手段76は、図16で示されている出力手段75には、戻しばねの仕様を決定する処理ができない旨のエラーメッセージを出力することが好ましい。
また、本実施形態に係る戻しばねの仕様決定装置77において、戻しばねが外部の製造業者によって製造されるものである場合には、この戻しばねの仕様決定装置77によって決定された戻しばねの仕様情報は、外部の製造業者が有するサーバにネットワーク(言い換えると、通信回線)を介して送信されるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、の戻しばねの仕様決定装置77の戻しばね仕様決定部76Eは、前述したように、パネル2の総重量と関連部材の総重量を合算した重量に基づいて、戻しばね20の仕様を決定するものであったが、この戻しばね仕様決定部76Eは、シャッターカーテン1によって開閉される出入口等の開口部の高さ寸法(言い換えると、シャッターカーテンの開閉移動方向である上下方向の寸法)と、開口部の幅寸法(言い換えると、シャッターカーテンの開閉移動方向と直交する方向である左右方向の寸法)も考慮して、戻しばね20の仕様を決定するものとしてもよい。
図17は、パネルの重量測定を4個のひずみゲージ式ロードセル26によって行う実施形態を示す図14と同様の図である。
この図17で示されているパネル2´の長さ寸法L´は、搬送方向の最も前方(図17では、右から1番目)のひずみゲージ式ロードセル26Aから、搬送方向の最も後方(図17では、右から4番目)のひずみゲージ式ロードセル26Dまでの距離(L1+L2+L3)よりも大きいため、4個のひずみゲージ式ロードセル26A~26Dを使用して重量測定がなされる。
また、パネル2´は、図13で示されているパネル2と同様に、この図13で示されている位置で停止され、このパネル2´の長さ寸法等の情報が読み取られた後、パネル2´の先端部2A´が右から1番目のひずみゲージ式ロードセル26Aから距離L4´離間した位置まで移動されることになる。このとき、パネル2´の後端部2B´の位置は、右から4番目のひずみゲージ式ロードセル26Dから後方に距離L4´離間した位置となっている。
これにより、パネル2´は、重量測定されるとき、右から1番目のひずみゲージ式ロードセル26Aの上面に載置固定されたフラットバー31と、右から4番目のひずみゲージ式ロードセル26Dの上面に載置固定されたフラットバー31と、に均等に支持されることになる。また、パネル2´のうち、右から1番目のひずみゲージ式ロードセル26Aと、右から4番目のひずみゲージ式ロードセル26Dとの間の部分も、右から2番目のひずみゲージ式ロードセル26Bの上面に載置固定されたフラットバー31と、右から3番目のひずみゲージ式ロードセル26Cの上面に載置固定されたフラットバー31とに支持される。
ここで、パネル2´の重量を測定するために使用されるひずみゲージ式ロードセルを、右から1番目のひずみゲージ式ロードセル26Aと、右から4番目のひずみゲージ式ロードセル26Dの2個のみとした場合には、パネル2´は、重量測定されるとき、右から1番目のひずみゲージ式ロードセル26Aの上面に載置固定されたフラットバー31と、右から4番目のひずみゲージ式ロードセル26Dの上面に載置固定されたフラットバー31と、に均等に支持されるが、パネル2´のうち、右から1番目のひずみゲージ式ロードセル26Aと、右から4番目のひずみゲージ式ロードセル26Dとの間の部分が大きく撓んで振動が発生するため、振動がおさまるまでパネル2´の重量測定を開始できない。
しかし、この図17で示されている実施形態では、パネル2´の重量測定は、このパネル2´が、4個のひずみゲージ式ロードセル26A~26Dの上面に載置固定された4個のフラットバー31に載置、支持されて行われるため、このパネル2´に発生する振動を最小限に抑えることができ、パネル2´の重量を測定するために使用されるひずみゲージ式ロードセルを2個のみとした場合と比較して、パネル2´の重量測定を開始するまでの時間を大幅に短縮することができるようになる。
なお、長さ寸法が、搬送方向の1番目(図17では、右から1番目)のひずみゲージ式ロードセル26Aから、搬送方向の3番目(図17では、右から3番目)のひずみゲージ式ロードセル26Cまでの距離(L1+L2)よりも小さいパネルについては、2個のひずみゲージ式ロードセル26A,26Bを使用して重量測定がなされる。
なお、以上説明した本実施形態に係るパネルの重量測定装置21では、読取手段である図4で示されている二次元コード読取装置33は、情報ラベル32の二次元コード32Fを読み込む図2で示されているカメラ34と、このカメラ34で読み込まれた二次元コードを処理する図示しない増幅部、A-D変換部、復号部を備えた画像処理手段と、を含んで構成されているものであったが、この二次元コード読取装置33は、これらが一体となったバーコードリーダーでもよい。
なお、図4で示されている処理手段71は、例えば、プログラマブルコントローラでもよく、パーソナルコンピュータでもよい。また、処理手段71と接続されている装置、手段等は、有線で接続されているものでもよく、無線で接続されているものでもよい。
また、図4で示されている処理手段71は、モニタ72を有するプログラマブルコントローラとし、このプログラマブルコントローラは、図2で示されているカメラ支持枠35における立ち姿勢の作業者が見やすい高さ位置に配置するようにしてもよい。
また、図16で示されている入力手段78は、前述したように、キーボード、マウス等であったが、サーバ73と無線通信可能な携帯端末、例えば、スマートフォンやタブレットパソコン等でもよい。
なお、図7で示されているパネル2の先端部2Aに設けられている情報ラベル32(図8参照)は、この先端部2Aに直接印刷あるいは刻印するようにしてもよく、この先端部2Aに対して取り付け、取り外し自在に配置する(例えば、貼付する)ようにしてもよい。
なお、以上説明した本実施形態に係るオーバースライディングドア装置は、人が操作用無端紐状部材16を操作することで回転軸7が正逆回転してシャッターカーテン1が開閉移動する手動操作式のものであったが、本実施形態に係るオーバースライディングドア装置用戻しばねの仕様決定装置は、電動モータ等による駆動装置からの駆動力により正逆回転する回転軸に配置された戻しばねにも適用することができる。
また、以上説明した本実施形態に係るオーバースライディングドア装置用戻しばねの仕様決定装置77は、シャッターカーテンの重量をバランスウエイトでバランスさせ、シャッターカーテンの上下の開閉移動を手作業より容易に行えるようにしたバランス式オーバースライディングドア装置にも適用することができる。